市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

多胡運輸横転炎上事故から1年半…中間決算から見えてくる首都高の炎上事故の尻拭いの転嫁先

2009-12-31 10:46:00 | 首都高炎上とタゴ運輸
■平成20年8月3日午前5時50分頃、首都高速5号池袋線(下り)熊野町ジャンクション付近においてタンクローリーの横転炎上による火災事故が発生いたしました。この事故は首都高速道路として、かつてない大事故でした。首都高速道路株式会社では早期復旧に向け、昼夜兼行の作業を進めた結果2ヶ月半後の同年10月14日12時までに上下線とも全面開通しました。

 その日、同社の佐々木克己代表取締役社長は、記者会見で、「8月3日の事故発生から全面開通に至る2ヶ月半、多くの方々にご迷惑をお掛けいたしましたが、このことを深くお詫び申し上げると共に、復旧に向けご協力いただきましたお客様、24時間の工事にご理解いただいた沿道の皆様、及び関係機関の皆様方に心より感謝とお礼を申し上げる次第であります。」と述べるとともに、「また、復旧工事費や本事故による通行料金の減収額については、今後精査の上、原因者に請求していく予定です。」と決意表明しました。

 あれから、早くも15ヶ月近く経過していますが、首都高はまだ、原因者である多胡運輸や元請のホクブトランスポートに対して、請求をした形跡が見られません。さらに言えば、請求する気配も見えません。あと15カ月間請求しないと時効になる恐れがあります。
■同社のホームページに、平成21年12月22日に、第5期(平成22年3月期)中間決算が発表されました。会計期間は平成21年4月1日~平成21年9月30日です。損害が発生したのは、昨年度ですが、昨年度総決算では、黒字決算ですが、今回の中間決算となる半期報告書では、赤字決算となっています。昨年度の平成21年3月期の中間期連結実績は黒字決算ですが、今回の中間決算では、赤字です。首都高が公表した中間決算のポイントを見てみましょう。

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首都高速道路株式会社第5期(平成22年3月期)中間決算のポイント
(会計期間:平成21年4月1日~平成21年9月30日)

1.連結経営成績の概要
                          (単位:億円未満切捨て)
    平成22年3月期中間期連結実績(A)/平成21年3月期中間期連結実績(B)/増減(A)-(B)
営業収益        1,266   / 1,298  /△32
  料金収入等        1,207/   1,237/  △29
  道路資産完成高        38/    43/   △5
  その他(関連事業)      21/    18/    2
営業費用        1,298   / 1,291  /  6
  内:道路資産賃借料     969/    987/  △17
営業損(△)益      △32   /   7  /△39
経常損(△)益      △31   /  10  /△42
中間純損(△)益     △20   /   5  /△25
※端数処理の関係で、計が合わないことがあります。

☆営業収益は、高速道路事業において、交通量は111.9万台/日(前年同期比0.1%減、0.1万台/日減)と前年同期と同程度でしたが、景気低迷により大型車の交通量が減少したことに加え、経済対策等に伴う料金引き下げによる割引の拡充等に伴い割引のご利用が増加した結果、1,266億円(同2.4%減)となりました。
☆営業費用は、高速道路事業において、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構との「都道首都高速1号線等に関する協定」に基づく道路資産賃借料について、経済対策等に伴う料金引き下げにより同賃借料が減額されましたが、管理費用等を含めた全体では、6億円増の1,298億円(前年同期比0.4%増)となりました。
☆以上の結果、営業損失32億円、経常損失31億円、中間鈍損失20億円となりました。

2.平成22年3月期の連結業績見通し
                               (単位:億円)
      通期連結見通し(A)/平成21年3月期実績(B)/増減(A)-(B)
営業収益     5,382  / 3,069  /2,312
  料金収入等    2,400/   2,469/  △69
  道路資産完成高  2,901/    435/  2,465
  その他(関連事業)  80/    167/  △87
営業費用     5,368  / 3,029  /2,338
  内:道路資産賃借料1,778/   1,834/  △56
営業利益       13  /   40  /△27
経常利益       13  /   46  /△33
当期純利益      9  /   32  /△23
※端数処理の関係で、計が合わないことがあります。

営業収益は5,382億円、営業利益は13億円、経常利益は13億円、当期純利益は9億円となる見込みです。
・料金収入等については、前年度と比較して、景気低迷の影響や経済対策等に伴う料金引き下げによる割引の拡充等に伴い割引のご利用が増加することにより、減収となる見込みです。
・道路資産完成高については、来年3月に中央環状新宿線(3号渋谷線~4号新宿線間)の開通を予定していることなどに伴う機構への引渡しを計上しています。
・その他(関連事業)については、受託事業の工事完成高の減により、減収となる見込みです。
・営業費用は、機構との協定に基づく道路資産賃借料について、経済対策等に伴う料金引き下げにより同賃借料が減額されたこと及び変動貸付料制度により減額されることから、前年度より減少する見込みですが、機構へ引き渡す道路資産完成原価が増加することなどにより、前年度を上回る見込みです。

(参考)平成22年3月期の個別業績について
                                (単位:億円)
        中間期個別実績/通期個別見通し/事業計画/前年度実績
〈高速道路事業〉
営業収益     1,245  / 5,301   / 5,610  / 2,904
  料金収入等    1,206/    2,400/   2,584/   2,468
  道路資産完成高    38/    2,901/   3,026/    435
営業費用     1,289  / 5,301   / 5,601  / 2,884
  道路資産賃借料   969/    1,778/   1,939/   1,834
  道路資産完成原価   38/    2,901/   3,026/    435
  管理費       282/     621/    636/    614
営業損(△)益   △44  /   0    /   9  /  20
〈関連事業〉
営業利益       1  /  2   /   2  /   5
〈全事業〉
営業損(△)益   △42  /   3   /   11  / 25
経常損(△)益   △43  /   2   /    1  / 24
当期純損(△)益  △27  /   1   /    1  / 19
※端数処理の関係で、計が合わないことがあります。

注)前述の通期連結見通し及び通期個別見通しに記載している数値は、現時点での情報により判断した見通しであり、多分に不確定な要素を含みます。実際の業績等は様々な要素により前述見通し数値と異なる場合があります。
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■中間決算のポイントで気になるのは、多胡運輸のタンクローリー横転炎上事故に関する記載が姿を消していることです。

 平成22年3月期中間期では、「営業収益」が1,266億円(前年同期比2.4%減)となり、交通量111.9万台/日(前年同期比0.1%減、0.1万台/日減)でほぼ横ばいだったが、景気低迷で大型車の交通量が減少し、経済対策等に伴う料金引き下げによる割引利用増加の結果、1,266億円(同2.4%減)となった一方で、「営業費用」は、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構との協定に基づく道路資産賃借料が、料金引下げ対策で減額された結果、管理費用等を含めた全体で6億円増の1,298億円(前年同期比0.4%増)となったという記述内容です。

 つまり、休日料金値下げなどの原資は、日本高速道路保有・債務返済機構からの賃貸料で賄ったというわけで、高速道路の営業収支には影響が少ないが、「管理費用等」を含めた全体で費用が半期で前年同期比6億円増えたという説明です。

■それでは、連結と個別の業績について、もう少し詳しい中間決算情報を見てみましょう。

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平成22年3月期 中間決算情報
平成21年12月22日
会社名:首都高速道路株式会社    上場取引所 非上場
URL:http://www.shutoko.jp
代表者:(役職名)代表取締役社長(氏名)佐々木克己
問合せ先責任者:(役職名)財務部長(氏名)国安博   TEL(03)3502-7311㈹
半期報告書提出予定日 平成21年12月22日
                 (百万円未満切捨て)
1.平成22年3月期中間期の連結業績(平成21年4月1日~平成21年9月30日)
(1) 連結経営成績        (%表示は対前年中間期増減率)
    営業収益(百万円・%)/営業利益(百万円・%)/経常利益(百万円・%)/中間純利益(百万円・%)
21年9月中間期/126,635 △2.5/△3,229  -/△3,185  -/△2,049  -
20年9月中間期/129,881 △3.4/ 705 △87.4/1,041 △82.4/ 537 △83.5
    1株当たり中間純利益( 円 銭)/潜在株式調整後1株当たり中間純利益( 円 銭)
21年9月中間期/    △75.89/     -
20年9月中間期/     19.91/     -
(2)連結財政状態
       総資産(百万円)/純資産(百万円)/自己資本比率(%)/1株当たり純資産( 円 銭)
21年9月中間期/ 549,659 / 31,946 /  5.7  / 1,162.94
21年3月期  / 548 883 / 33,944 /  6.1  / 1,238.83
(参考) 自己資本 21年9月中間期 31,399百万円 21年3月期 33,448百万円

2.平成22年3月期の連結業績予想(平成21年4月1日~平成22年3月31日)
(%表示は対前期増減率)
   営業収益(百万円・%)/営業利益(百万円・%)/経常利益(百万円・%)/当期純利益( 円 銭)
通期/ 538,200 75.3 / 1,300 △67.9 / 1,300 △71.8 / 900 △72.3 / 33.33

3.その他
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) 無
(2)中間連結財務諸表作成に係る会計処理の原則・手続、表示方法等の変更(中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更に記載されるもの)
 ①会計基準等の改正に伴う変更      有
 ②①以外の変更             無
 〔(注)詳細は、7ページ【定性的情報】5.その他をご覧ください。〕
(3)発行済株式数(普通株式)
 ①期末発行済株式数(自己株式を合む)
         21年9月中間期  27,000,000株 21年3月期   27,000,000株
 ②期末自己株式数
         21年9月中間期      一株 21年3月期       一株
 ③期中平均株式数(中間期)
         21年9月中間期  27,000,000株 20年9月中間期 27,000,000株

(個別業績の概要)

1.平成22年3月期中間期の個別業績(平成21年4月1日~平成21年9月30日)
(1)個別経営成績             (%表示は対前期増減率)
       営業収益(百万円・%)/営業利益(百万円・%)/経常利益(百万円・%)/中間純利益(百万円・%)
21年9月中間期 125,625 △2.6/△4,280   -/△4,301   -/△2,718   -
20年9月中間期 129,012 △3.4/  224 △95.7/  231 △95.5/  68 △97.6
       1株当たり中間純利益( 円 銭)
21年9月中間期     △100.68
20年9月中間期       2.53

(2)個別財政状態
       総資産(百万円)/純資産(百万円)/自己資本比率(%)/1株当たり純資産( 円 銭)
21年9月中間期  540,273/ 28,263/  5.2/1,046.78
21年3月期    540,894/ 30,981/  5.7/1,147.47
(参考) 自己資本 21年9月期 28,263万円 21年3月期 30,981百万円

2.平成22年3月期の個別業績予想(平成21年4月1日~平成22年3月31日)
                         (%表示は対前期増減率)
  営業収益(百万円・%)/営業利益(百万円・%)/経常利益(百万円・%)/当期純利益(百万円・%)/1株当たり純資産( 円 銭)
通期 536,200  75.7/ 300 △88.2/ 200  △92.0/ 100 △95.0/ 3.70
【注意事項】
 前述の連結業績予想及び個別業績予想に記載している数値は、当社が現在入手している情報を基礎とした判断及び仮定に基づいており、判断や仮定に内在する不確実性及び今後の事業運営等による変動可能性に照らし、将来における当社の業績と異なる可能性があります。
 なお、上記の不確実性及び変動可能性を有する要素は多数あり、次のようなものが含まれます。
 ・経済情勢の変動
 ・自然災害等の発生
 ・訴訟に関するリスク
 以上の不確実性及び変動要素全般に関する詳細については、当社の有価証券報告書をご参照下さい。

【定性的情報】
1.経営成績に関する定性的情報
(1)当期の経営成績
 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、世界金融危機と世界同時不況といった最悪期を乗り越え、輸出、生産においては持ち直しの動きが見られるようになったものの、企業収益は大幅に減少し、雇用隋勢は極めて厳しい状況となるなど、低迷基調で推移しました。
 このような経済状況の下、当中間連結会計期間において、当社グループが管理する首都高速道路の利用交通量は、大型車は前年同期比13.5%減、普通車は1.4%増となり、全体としては前年同期とほぼ同じの204.8百万台(111.9万台/日)となっております。
 また、高速道路事業以外の事業として、5箇所の都市計画駐車場等の駐車場事業、首都高速道路上の20箇所のパーキングエリアの運営及び管理等を展開してまいりました。
 この結果、当中間連結会計期間の営業収益は、前年同期比2%減の126,635百万円となり、営業損失は3,229百万円(前年同斯は営業利益705百万円)、経常損失は3,185百万円(前年同期は経常利益1,041百万円)、法人税等を控除した中間純損失は2,049百万円(前年同期は中間純利益537百万円)となりました。事業の種類別セグメントごとの業績の概要は下記のとおりであります。
 なお、セグメント別の売上高及び営業損益にはセグメント闇取引を含んでおります。
(2)主な事業セグメント別の状況
 【高速道路事業】
①営業収益
 当社グループは、首都高速道路のネットワーク整備の推進と営業路線の清掃・点検等の適正な管理を24時間365日体制で実施しており、営業路線延長は295.0kmとなっております。
   料金所周辺での渋滞緩和やお客様のキャッシュレス化による利便性の向上等を図るため、従来からETCの普及に努めているところですが、「ETC宅配サービス」によるETC車載器の廉価販売や、曜日別時間帯別割引等を実施してまいりました。その結果、ETCの利用率は、平成21年9月の平均が86.5%となり、前年同期比で5.1%の増となっております。
 また、お客様サービスの一層の向上のため、ホームページに設けたグリーンポストやお客様満足度調査等を通じて得られたお客様の要望や意見を各種改善に反映し、サービス向上に努めてまいりました。
 さらに、お客様に、より安全・快適に首都高速道路をご利用いただくため、走行環境の改善やパーキングエリアのリニューアル等を行ってまいりました。
 このような状況の中で、営業収益のうち、料金収入等は景気低迷により大型車の交通量が減少したことに加え、経済対策等に伴う料金引き下げによる割引の拡充等に伴い割引のご利用が増加した結果、前年同期比2%減の120,793百万円となりました。
 高速道路の新設については、首都高速道路の最大の課題である渋滞を解消すべく、中央環状新宿線(3号渋谷線~4号新宿線間4.3km)の平成22年3月の開通、中央環状線の最終区間である中央環状品川線(3号渋谷線~湾岸線間9.4km)の平成25年度中の開通に向け事業推進に努めるなど、5路線27.5kmの整備を行ってまいりました。
 また、高速道路の改築悟については、当中間連結会計期間は、地震災害時の安全強化のため支承・連結装置の耐震性向上対策等の防災安全対策を継続して行うとともに、舗装の打ち替え等営業中路線において必要となる構造物悟の更新を行ってまいりました。
 営業収益のうち、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」といいます。)への債務引渡しに伴う道路資産完成高は前年同期比12%減の3,817百万円となりました。
 以上の結果、営業収益は、前年同期比2%減の124,611百万円となりました。
②営業損失
 平成18年3月31日に当社が機構と締結し、平成21年3月31日付けで一部変更しました「郵送首都高速1号線等に関する協定」(以下「協定」といいます。)に基づく機構への賃借料の支払いや管理費用の支出等により、営業費用は前年同期比0%増の128,263百万円となり、営業損失は3,651百万円(前年同期は営業利益364百万円)となりました。
 なお、協定に基づき機構へ支払う賃借料の減算は実施しておりません。
(注)料金収入等は、営業収益から道路資産完成高を控除したものであり、前中間連結会計期間の料金収入等は、123,720百万円であります。

[駐車場事業]
①営業収益
 都市計画駐車場及び高架下等駐車場において、長期安定的な定期顧客の獲得とお客様にご利用しやすい料金の設定等の取り組みを行いました。
 この結果、営業収益は前年同期比1%減の1,385百万円となりました。
②営業利益
 主に駐車場の管理費用の支出悟により、営業費用は前年同期比4%減の1,072百万円となり、営業利益は前年同期比9%増の312百万円となりました。

[受託事業]
①営業収益
 東京都市計画道路環状第2号線と高速都心環状線及びハ重洲線との交差部の設計等をはじめ、国、地方公共団体悟の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕悟を実施した結果、営業収益は前年同期比2,427%増の146百万円となりました。
②営業損失
 営業費用は前年同期比380%増の147百万円となり、営業損失は1百万円(前年同期は営業損失24百万円)となりました。

[その他の事業]
①営業収益
 休憩所等事業として、首都高速道路上の20箇所のパーキングエリアにおいて、お客様が気軽に立ち寄れる都市型パーキングエリアの実現を目指し、大師PAと平和島PAにはコンビニエンスストア、芝浦PAにはコンビニエンスストアとカフエ、また、南池袋PAでは自動販売機型コンビニエンスストアの誘致等各PAでリニューアル施策を行ってまいりました。
 また、高架下賃貸施設の運営及び管理等を行ってまいりました。
 この結果、営業収益は前年同期比35%増の623百万円となりました。
②営業利益
 休憩所施設の管理費用の支出等により、営業費用は前年同期比36%増の516万円となり、営業利益は前年同期比32%増の106百万円となりました。

2.財政状態に関する定性的情報
 総資産は、549,659百万円となり、前連結会計年度末に比べ775百万円増加となりました。主な増加は、建設中高速道路の進捗による仕掛道路資産33,711百万円、主な減少は、未収入金23,475百万円になります。
 負債は、前連結会計年度末に比べ2,774百万円増加し、517,713百万円となりました。主な増加は、長期借入金の新規借入などによる25,474百万円、主な減少は、未払金の22,580百万円になります。
 純資産は、前連結会計年度末に比べ1,998百万円減少し、31,946百万円となりました。これは主に、中間純損失2,049百万円の計上による利益剰余金の減少になります。
 以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の6.1%から5.7%となりました。

3.連結業績予想に関する定性的情報
 平成22年3月期の通期業務見通しとしては、中央環状新宿線については、平成19年度に開通した4号新宿線~5号池袋線間に続き、3号渋谷線~4号新宿線間4.3kmの平成22年3月の開通による新宿線の全線開通に向け、万全の準備を進めてまいります。
 慮言う金収入については、利用交通量が、1日当たり112万6千台(前年同期比1.0%増)と見込まれる一方で、景気低迷の影響により大型車の交通量が減少することにより、前年同期と比べて減収を見込んでおります。
 また、駐車場事業等については、社会経済状況が厳しい中、お客様のご要望に合致した施策に努めてまいります。
 このような状況の中で、当社グループの連結の営業収益としては、高速道路事業において料金収入等が2,400億円、道路資産完成高が2,901億円、高速道路事業以外の事業の収益80億円と合わせて、合計5,382億円を見込んでいます。この結果、経常利益は13億円、当期純利益として9億円を見込んでいます。

4.企業集団の状況
 当社グループ(当社及び連結子会社15社)は、高速道路事業、駐車場事業、受託事業及びその他の事業の4部門に関係する事業を行っており、各事業における当社及び関係会社の位置付け等は、次のとおりであります。

(1)高速道路事業
 高速道路事業においては、首都圏の1都3県(3政令指定都市を含む。)(注1)において、平成18年3月31日に当社が機構と締結した協定、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)第3条の規定による許可及び図法第4条の規定に基づき、高速道路(注2)の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等を行っており、また、図法第9条の規定に基づき、当該高速道路の道路管理者の権限の一部を代行しております。
 当事業において、以下の業務については、当社から下記の連結子会社に委託しております。
 料金収受業務:首都高トールサービス西東京㈱、首都高トールサービス東東京㈱、首都高トールサービス神奈川㈱
 交通管理業務:首都高パトロール㈱、首都高カー・サポート㈱
 維持修繕業務:首都高技術㈱、首都高メンテナンス西東京㈱、首都高メンテナンス東東京㈱、首都高メンテナンス神奈川㈱、首都高電気メンテナンス㈱、首都高ETCメンテナンス㈱、首都高機械メンテナンス㈱
(注)1.東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、横浜市、川崎市、さいたま市
   2.高速道路株式会社法第2条第2項に規定する高速道路をいいます。
(2)駐車場事業 (略)
(3)受託事業 (略)
(4)その他の事業 (略)

5.その他 (略)
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■このように連結及び個別業績について詳しく記載した中間決算情報にも、多胡運輸タンクローリー横転炎上事故に関する影響は、何も記述がありません。

 そこで、さらに詳しい半期報告書をチェックしてみます。これは60ページの報告書ですが、このうち6頁目の「3 対処すべき課題」と、7頁目の「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に注目してみましょう。

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3 【対処すべき課題】
 この度、新たな中期経営計画として「中期経営計画2011」(計画期間:平成21年度~23年度)を策定しましたが。引き続き、「首都圏のひと・まち・くらしを安全・円滑な首都高速道路ネットワークで結び、豊かで快適な社会の創造に貢献する」という基本理念の更なる推進に取り組んでまいります。
[高速道路事業]
 平成18年7月に策定した首都高渋滞対策アクションプログラムに基づき、ネットワーク整備やボトルネック対策等を着実に進めてまいります、
 特に、ネットワーク整備の要となる中央環状新宿線・品川線については、平成19年度に開通した4号新宿線~5号池袋線に続き、3号渋谷線~4号新宿線間4.3㎞の平成22年3月開通による新宿線の全線開通と品川線(3号渋谷線~湾岸線間9.4㎞)の平成25年度中の開通に向け、事業推進に努めてまいります。
 安全対策をさらに推進するための取り組みとして、ETC利用の増加に伴い利用環境が変化している料金所付近における「料金所総合安全対策」等を進めてまいります。
 不正通行の撲滅に向け、不正通行監視設備による不正通行等車両の補足を強化し、不正通行者を警察へ通報するとともに、割増金を含めた通行料金の請求・回収の強化を図ってまいります。
 構造物の老朽化への対応としては、アセットマネジメントの考え方を活用しながら、確実で効率的な点検・補修を実施し、道路構造物の予防保全を徹底してまいります。
 なお、引き続き道路の適切な管理水準を維持しつつ、コスト管理を徹底します。また、子会社に対し、首都高グループとして経営方針の徹底を図ってまいります。
[高速道路事業以外の事業] (略)
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■6頁目の「対処すべき課題」には、多胡運輸ローリー横転炎上事故についての記載がなく、課題として認識されていないようです。では、7頁目を見てみましょう。

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7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
 本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針、所感等の将来に関する事項は、半期報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因について
①高速道路事業の特性について
 高速道路事業については、高速道路株式会社法(平成16年法律第99号)及び機構法の規定により機構と平成18年3月31日付で締結した協定並びに特措法の規定による同日付事業許可に基づき、機構から道路資産を借受けた上、道路利用者より料金を収受、かかる料金収入から機構への賃借料及び当社が負担する管理費用の支払いに充てております。
 かかる協定及び事業許可においては、高速道路の公共性に鑑み当社の収受する料金には当社の利潤を含めないことが前提とされております。なお、各会計年度においては、料金収入や管理費用等の実態と当初計画との乖離等により利益又は損失が生じる場合があり、かかる利益は、高速道路事業における将来の経済情勢の変動等による想定外の収入の減少や管理費の増大に備え、内部留保することとしております。
 また、高速道路事業においては、交通量の季節的な変動により上半期が下半期よりも収入が大きく、他方、補修工事等の完成が下半期に多いことから管理費については下半期が上半期よりも大きくなる傾向にあります。
②機構による債務引受け等について
 記述のとおり、当社は、特措法に基づき行う高速道路の新設、改築、修繕又は災害普及を事業の一つとしており、また、当社が行うべき新設、改善、修繕又は災害復旧の対象となる高速道路は、協定の定めによるところでありますが、機構は、機構法第15条第1項に従い、当社が新設、改築、修繕又は災害復旧を行った高速道路に係る道路資産が特措法第51条第2項ないし第4項の規定により機構に帰属する時において、機構法第14条第1項の認可おw受けた業務実施計画に定められた機構が当社から引き受ける新設、改築、修繕又は災害普及に要する費用に係る債務の限度額の範囲内で、当該高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために当社が負担した債務を引き受けることとされています。
 当社と機構は、市半期分の債務引受けにつき借入金債務及び債権債務を原則として弁済期日が到来する順に当該四半期の翌四半期の最初の月の中旬までに一括して選定すること、債務引受けは重畳的債務引受けの方法によること等、債務引受けの実際の運用について確認しております。
 なお、高速道路に係る道路資産が機構に帰属し、当該資産に対応する債務が機構に引き受けられた際には、かかる資産及び債務は当社の連結財務諸表ないし財務諸表に計上されないこととなりますが、当該債務について、当社は引き続き機構と連帯してその弁済の攻めを負うこととされており、かかる債務の履行に関する主たる取扱は機構が行うこととなります。
 また、首都高速道路公団(以下「首都公団」といいます。)の民営化に伴い当社及び機構が承継した首都公団の債務の一部について、当社と機構との間に、連帯債務関係が生じております(日本道路公団等民営化関係法施行法(平成16年法律第102号)(以下「民営化関係法施行法」といいます。)第16条)。
**********

■高速道路の公共性により、首都高の料金には利潤が含まれておらず、利益が上がった場合には、管理費の増大に備えて内部留保されるとあります。

 となると、多胡運輸による首都高炎上事故の修理代についても、首都高の料金収入から充当することができることになります。また、機構に支払う賃借料も、多胡運輸による首都高炎上事故の影響で料金収入が減少しても、その分、調整してもらえることになります。

 次に、「(2)重要な会計方針及び見積もり」の項があります。ここで、首都高は次のように記しています。

**********
 当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。かかる中間連結財務諸表の作成に際しては、中間連結決算日における資産、負債及び中間連結警戒期間における収益、費用の金額並びに開示に影響を与える事項についての見積もりを行う必要があります。当該見積もりについては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき合理的に判断を行い、継続して評価を行っておりますが、見積もり特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積もりと異なる場合があります。
 当社グループの中間連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、後期「第5 経理の状況 1中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 中間連結在見諸表作成のための基本となり重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が、当社グループの中間連結財務諸表においては重要であると考えております。
①仕掛道路資産 (略)
②完成工事高の計上基準 (略)
③退職給付債務及び費用 (略)
④固定資産の減損 (略)
*********

■ここにも、多胡運輸ローリー炎上事故による損害対応について、一言も記述がありません。

 最後に、「(3)経営成績の分析」の項があります。この「②営業利益(営業損失)」で、「等中間連結会計期間の利業費用は、合計で前年同期比0%増の129,864百万円となりました。高速道路事業については、協定に基づく機構への貸借料の支払いや管理費用の支出等により前年同期比0%増の128,263百万円となりました。…」と記されていますが、結局、45億円余と騒がれた多胡運輸による首都高炎上事故の損害金(修理費と減収分の合計)は、このまま請求されずに、機構に支払う賃借料を手加減してもらうことで、うやむやにされる可能性を感じるのは当会だけでしょうか。

 もちろん、機構に支払う道路資産の賃借料の原資は、首都高の利用者からの料金収入です。多胡運輸の社長の実兄の多胡邦夫が、群馬銀行から51億円余りの公金をだましとっても、安中市長は、税金を原資に、まったく自主的に返済をしない多胡邦夫の代わりに、安中市土地開発公社の連帯保証人として、公金からせっせと多胡邦夫に代わって群馬銀行に103年ローンで返済しているのと、まったく同じ構図ということができます。

■今年を振り返ると、タゴ一族にとって、51億円余+45億円余=95億円余もの巨額な債務から解放された記念すべきエポックの年になったと、言えるのではないでしょうか。

 一方、昨年のリーマン・ショックと、今年のドバイ・ショックに打ちのめされた民間の法人や個人は、重税にあえぎ、日々の生活に精一杯のまま、年越しを余儀なくされています。

 なぜタゴ一族だけに、このように超法規的な優遇措置が適用されるのでしょうか。損害が巨額になると、加害者の立場のほうが強くなる場合があります。そのうえ、タゴ一族に天誅を加えることができるものがいないとなると、治外法権扱いになるようです。

 タゴ一族には、日本の政治が抱える重大なブラックホールという後ろ盾があります。そうしたブラックホールに首都高が飲み込まれることなく、2010年こそ、群馬県西部にかかるこのモヤモヤが吹き払われることを祈りたいものです。

【ひらく会情報部】

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安中市議会からの「議会軽視」クレームに「反省」知らずの岡田市長のワンマンぶり

2009-12-28 18:00:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■四半期ごとに市議会が発行している「安中市議会だより」ですが、平成21年10月27日発行の第17号の最後の6頁目に、次の抗議文が掲載されたのをご覧になった市民の方もいらっしゃると思います。


岡田市長と市議会のバトル(?)の発端となった「安中市議会だより」の記事。
**********
市長に、正副議長並びに各会派代表者で議決前の対応について、下記の申し入れをいたしました。
<九月定例会での議会対応について>
 今般、「議案第73号 福祉医療費支給に関する条例の制定について」議決前に、「おしらせ版」が発行されたことは誠に遺憾で議会軽視と言わざるを得ません。
 更には、太陽光発電設置補助に関する新聞報道についても、同様であります。
 よって、今後このようなことがないよう書面をもって強く抗議いたします。
   平成21年9月28日
**********

■市民の前では腰の低い岡田市長ですが、議員時代は役所の職員を怒鳴りまくることで有名でした。議会でも、傍聴席から見えない控室などではケンカっぱやかったことでしられる岡田市長のことなので、黙っているわけはないと思っていたところ、案の定、平成21年10月28日付で、岡田市長から、田中市議会議長あてに次の回答が提出されました。

**********
平成21年10月28日
安中市議会議長 田中 伸一 様
     安中市長 岡田 義弘
「九月定例会での議会対応について」の回答について
 「安中市議会だより」第17号(平成21年10月27日発行)に、「九月定例会での議会対応について」により、議決前の対応について市長に申し入れを行った旨の記事が掲載されましたが、これに関し下記のとおり回答いたしますので、市民の皆様への説明から次号の「市議会だより」に内容を御掲載いただきますようお願い申し上げます。
 なお、「安中市議会だより」に御掲載いただけない場合は、市長として広報紙により、経過をお知らせする予定がありますので、あらかじめ御承知おきください。
     記
「九月定例会での議会対応について」に対する回答
1 安中市福祉医療費支給に関する条例について
 平成21年10月から福祉医療費助成制度の拡充(子供の医療費無料化)を行う端には、事前に市民の皆様に手続き方法をお知らせする必要があったことから、市議会代表者に対しまして、あらかじめ当該事情を説明のうえ、事務を進めたものです。
 このため、議決前に周知することについての市議会の御理解は得られたものとして、9月21日号の「おしらせ版」に掲載いたしました。
2 太陽光発電設置補助に関する報道について
 当該報道の記事内容については、新聞社から議案書に基づき取材は受けたものの、当方の要望又は指示により掲載されたわけではありません。
 また、期には「9月補正予算案で300万円を計上している」と書かれていますので、特に問題もなく、記事の表現方法や内容に関しましては「報道の自由」への配慮から、慎重な対応が必要であると考えます。
 以上のとおり、議決前に市民の皆様へお知らせしたことについて、「議会軽視」であるとの御指摘は、当方の説明不足の部分もあったかとは存じますが、誤解に基づくものであると考えております。今後は、こうしたことのないよう市議会との関係を緊密に保ち、行政の発展に努力して参る所存でございますので、御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
**********

■岡田市長の釈明を読むと、一言も謝罪や反省の弁はありません。9月21日号の「おしらせ版」http://www.city.annaka.gunma.jp/kouhou/pdf/pdf210921/210921.pdfには、「9月中旬ごろ、対象者の人に申請書を郵送します」と書かれており、選挙対策の目玉の一つとして、即時施行したい岡田市長にとっては、最初から議会の議決など眼中にないことは明らかです。

 手続き方法の説明とともに、一言「条例制定につき、ただいま議会に上程中で9月28日の議決待ちです」を入れるか、9月28日の議会採決を待って、直ちにホームページ上で市民に公表するなど、議会に配慮した文言、あるいは対応にすれば、問題はなかったはずです。

 太陽光発電設置補助について、マスコミにリークした件は、明らかに岡田市長のミスリードです。率直に謝罪すべきところ、「報道の自由だ」とか、「補正予算案で計上という表現だから問題ない」などとして、はては「議会の誤解だ」と、言いたい放題です。市政の監視機関であるべき議会が、完全に岡田市長になめられている=軽視されている証左と言えましょう。

■さらにたたみかけて、岡田市長は、平成21年12月1日付で、田中市議会議長に、次の書簡を送りつけました。

**********
平成21年12月1日
安中市議会議長 田中 伸一 様
     安中市長 岡田 義弘
視察等に係る議会経費について(お願い)
 平素から、安中市政発展にご尽力いただき感謝申し上げます。
 さて、表記視察等に係る平成22年度予算についてですが、御承知のとおり市財政が大変厳しい折ですので、ご理解とご協力をお願いいたします。
**********

■この視察等に係る経費節減要求と言うのは、まちづくり特別委員会の視察経費として議員一人あたり年6万円の現行支給額を「減らせ」あるいは「減らすぞ」ということのようです。それならば、岡田市長も、現在年間350万円も支給されている市長交際費をゼロにして、率先垂範で手本を示すべきです。

 それにしても、安中市の「広報あんなか」や「おしらせ版あんなか」は、発行とほぼ同時に、安中市のホームページに掲載されるのに、市議会の「議会だより」はホームページにちっとも掲載されません。これも、岡田市政の「議会軽視」の表れだと見る向きもあります。

 ちなみに、平成21年12月21日号の「おしらせ版あんなか」の1頁目の右下に、「12市長 新春に語る」と銘打って、「県内12市の市長が新年を迎えての抱負や地域の課題、街づくりへのビジョンを群馬テレビで語ります。安中市長は1月5日(火)です。皆さんぜひご覧ください。」と、ちゃっかりPRしています。議会軽視、自分重視の岡田市長ならではの“配慮”と言えるでしょう。

【ひらく会情報部】

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岡田市長の選挙戦略・・・旧安中高校跡地に40億円ものハコモノを建設する基本計画策定

2009-12-27 22:46:00 | 安中市長選挙
■旧群馬県立安中高等学校の跡地に、選挙公約で二重に否定したにもかかわらず「ハコモノ」を「合併特例債」をフルに使って建設するために、巨額の事業費をつぎ込むプロジェクトが、岡田市長主導で着々と進んでいることは、11月29日の当会のブログで報告しました。

 これまでの経緯は、次の通りですが、僅か1年余りでこれほど素早く事が運ぶのも、イエスマンで周りを固めきっている岡田市政のなせる技と言えましょう。


多くの安中市民にとって、思い出の学び舎も、利権の道具として間もなく取り壊され、無用なハコモノが立てられようとしている。タゴ事件の103年ローンに加えて、40億円の合併特例債が安中市民にのしかかる。
**********
【旧県立安中高等学校跡地利活用基本計画策定の経過と今後のスケジュールについて】
総務部企画課
年 月 日 / 基本計画策定関連 / 土地取得関連
H20.10.20 /第1回安中高校跡地利活用準備検討委員会
H20.12.10 /第2回安中高校跡地利活用準備検討委員会
H21. 3. 5  /第3回安中高校跡地利活用準備検討委員会
H21. 5. 21 /「旧県立安中高等学校跡地利活用検討委員会設置要綱」告示
H21. 5. 28 /業者選定入札執行(13:30~ 305会議室)
H21. 6. 4  /業者・事務局打ち合わせ / 6月:群馬県で不動産鑑定実施
H21. 7. 14 /第1回旧県立安中高等学校跡地利活用検討委員会・委嘱式、会議…初案提示 / 7月中旬以降:県より不動産鑑定評価額提示→以後、価格交渉開始
H21.8.11  /第2回旧県立安中高等学校跡地利活用検討委員会・修正案提示~協議
H21.8.24~9.11/パブリックコメント実施 / 9月末:売買価格確定※基本計画最終案に間に合わせるため
H21.10月下旬 /第3回旧県立安中高等学校跡地利活用検討委員会・最終案市長報告
H21.11月上旬 /・次年度予算見積書の作成(事業拒当課)・合併特例債申請
H21.12.** /議会全員協議において「基本計画」説明
H22.3. ** /土地取得について議決(→12月議会上程も考えられる。) / 3月:売買契約→引き渡し
**********

■実際に、12月定例市議会で、岡田市長は、安中高校跡地利用基本計画を出してきたようなで、上記の予定どおりに進んでいると言えるでしょう。短期決戦で決着を図ろうとする背景には、来年4月11日投開票予定の岡田市長にとって2期目のかかる安中市長選挙で、土建業界に対して、選挙対策として、甘いアメをぶら下げようとする岡田市長が得意とする戦略が垣間見えます。

 この経緯は、12月21日発行の「おしらせ版 あんなか」No.87の2頁目にも次の通り記述されています。これも、岡田市長お得意の「おしらせ版」による広報の利活用作戦です。

**********
旧安中高校跡地の利活用基本計画が市長に報告されました。
 旧安中高校跡地の利活用につきましては、これまで庁内での協議を経た後、庁外の委員で構成する「旧県立安中高等学校跡地利活用検討委員会」において、利活用に係る基本計画について、パブリックコメントも実施しながら協議・調整を進めていただきました。この程、その基本計画が策定され市長に報告がされましたので、その概要についてお知らせいたします。
 旧安中高校跡地の利活用の概要については、新しい建物として市民ギャラリーとこれに付随したミニ美術館、図書館とこれに付随した文書館、情報交流館、また、現在ある体育館、格技場、テニスコートとなっています。さらにこれらの施設利用者のための駐車場となっています。
 今後は、この基本計画を基に実施委員会などを設置し、細部を含めた再検討を行い、建設準備を進めていく予定です。
【問合せ】本庁企画課
(☎382・1111)
**********


かつて文化祭で訪れたことのある安高の公社と校庭。校舎は全て取り壊され、代わりに市民ギャラリー、ミニ美術館、図書館、文書館、情報交流館などというわけのわからぬハコモノが敷地の東側に建てられ、北と南の門をつなぐ道路が中央に作られ、その両脇に駐車場が作られる。伊勢崎市の絣の里のように、校舎をそのまま利活用した市民本位の施設にするとか、高齢化率で県内第2位という現状と、お年寄りが安心して入所できる特老ホームなど介護施設の不足している現状から、そうした福祉施設を併設整備する、などという発想は、岡田市長にはないのだろうか。

■市民の間には、「街かど美術館」のような小規模で個性ある施設整備を要望する声があったのは事実ですが、市民ギャラリーと美術館を一緒にした大規模なハコモノ計画に、いつのまにか増幅されていす。

 図書館はすでに旧安中、旧松井田、それぞれにありますが、さらにもうひとつ、それも安中地区に設置しなければならない理由がどうしても理解できません。

 文書館は、タゴ事件を後世に語り継ぐため、大量の偽造書類を保存して、常に市民に閲覧するためなら意義は大きいと思われますが、すでに安中市では、タゴ事件に係る公社関係の公文書の一部を紛失していることから、これもあまり期待できません。

 情報交流館に至っては、何を目的とするのか訳がわかりません。市民と観光客が交流できるように喫茶や軽食を出すラウンジ施設を作るようですが、そのような需要と必要性が果たしてあるのでしょうか。

■岡田市長の都合のよいメンバーで構成された旧県立安中高等学校跡地利活用検討委員会が岡田市長に答申した案にもとづき、安中市が、このハコモノ施設の概算金額を試算したところ、次のようになっています。
①美術館+ギャラリー :2,000㎡×@70万円/㎡=14億円
②図書館+古文書館  :2,000㎡×@50万円/㎡=10億円
③情報交流館+休憩施設:1,000㎡×@50万円/㎡= 5億円

 上記①②③の合計は29億円となり、このほかに、土地代、駐車場、外構工事などを含めると総額40億円もの巨大ハコモノ・プロジェクトになります。

 必要性に大きな疑問符の付く、このようなハコモノ建設事業に40億円もの巨額公金を、後世への借金である合併特例債で全額賄おうというのですから、4年前の岡田市長の公約はいったいどこにいったのやら。岡田市長の“コウヤク”は、簡単に剥がれる“膏薬”の意味だったのでしょう。

【ひらく会情報部】


西側にある体育館と格技場は、取り壊さず利活用される見通し。↑

<参考資料>
■それでは、今年8月下旬のパブリックコメントの際の計画から、さらに詳しくでっちあげられ、今回、市長に報告されたとされる旧安中高校跡地利活用基本計画は次の通りです。

*********
Ⅲ.施設の機能と構成

1.施設整備をめぐる時代潮流
 高齢化社会の到来や余暇時間の増大等により、市民の創作・学習活動にも大きな変化が見られるようになり、近年、必要とされる施設やその機能についても次に述べるような変化が見られようになってきている。

◎生涯学習施設整備の近年の傾向
◆生涯学習施設の整備は、市民の自主的な利用の増大や利用者の高齢化などを背景に、施設の複合化が進んでいる。
◆社会教育活動の中心施設としても、これまでの公民館からコミュニティセンターなどとの複合化や同一敷地内への立地が見られるようになってきている。

①市民ギャラリー
◆市民ギャラリーは、市民の余暇活動の増大とともに、市民の創作活動の発表の場として需要が多くなっている。
◆この市民ギャラリーも展示機能だけで単独に設置することは少なく、複合的な文化施設の一部としてスペースを確保し創作室や情報コーナーなどと併設され、活動の多様化に対応できる施設となっている場合が多い。
◆また、販売を伴う展示や署名な作家のこれまで美術館などを利用して行われていた展示が、このようなギャラリーで行われていることもある。

②美術館
◆公立美術館は、都道府県・市町村・区などの地方自治体によって管理される美術館のことであり、1970年以降急速に増加している。
◆器としての美術館として活用された常設展、企画展以外にも近年は、野外展示を持つ美術館も多くなっている。
◆また、特定の作家の創作物を収集、展示するテーマ美術館も近年増加しており、その作家の研究機能を持つ施設が増加している。

③図書館
◆近年の図書館は、図書の収集、閲覧以外に、フィルムや写真、音声資料、点字図書などを収集・保存、公開を行っている図書館が増加している。また、パンフレットやカタログなどの特殊資料を扱うテーマ図書館も増加している。
◆このような変化の中で、保管資料の多様化や情報提供の方法の変化などが見られ、図書の貸し出しから情報発信機能、研究機能の強化も図られ、図書の電子媒体化なども進められている。
◆また、図書館サービスにも変化が見られ、子どもへの読み聞かせや、他の図書館とのネットワーク化による図書の取り寄せサービスなども行われている。
◆施設整備のバリアフリー化やユニバーサルデザイン化は、ハートビル法(高齢唇、障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律)によって義務づけられ、同時に図書の整備にあたっても点字図書や図吉の音声利用が進められている。

④文書館
◆主に国や地方公共団体が作成した各種の公文書等の中から、保存する価値のあるものを評価選別し、一般の利用に供するための機関となっている。
◆これまでの、収集・保存機能から、情報技術の発展を活用した電子記録文書の管理・保存・利用・インターネット閲覧などの新たな対応がはじまっている。
◆また、地方史や郷土史の研究と組み合わせた活動も盛んになってきており、保存から研究、資料の活用へと視点が移り、今後、公開の方法等についても工夫が必要である。

2.施設整備のコンセプト(概念)
 本市は、長い歴史に支えられた文化の薫り高い都市であり、文化活動の拠点としては、安中地域の施設として「安中市文化センター」があり、松井田地域に「松井田文化会館」があるが、合併後は、市民全体や周辺市町村の利用者まで受け入れることのできる文化活動や生涯学習活動のセンター施設が求められている。
 また、本市の歴史と周辺地域の自然環境を求めて来訪する観光客や交流来訪者が多いが、市内の芸術作品や文化遺産を楽しめる条件整備は必ずしも充分でない。
 そのため、市民をはじめ、市外からの来訪者も利用できる歴史と文教のまちにふさわしい生涯学習施設、文化施設を整備していく。
 このため、この旧安中高校の跡地の活用は、本市の地域再生と活性化の基盤施設の整備として位置付け、単に一施設の整備としてではなく、次のような基本方針を持って取り組むこととする。

◆安中市文化センター、松井田文化会館とのネットワークにより、センター施設としての機能を持たせる。
◆生涯学習の施設として、図書館・市民ギャラリーなどの整備だけでなく、地域情報、電子図書ネットワーク、情報検索ネットワークなどの本市の拠点としていく。
◆市民の利用だけでなく、周辺地域の広域的利用にも供することのてきる高度な施設機能を持たせ、本市への来訪者が気軽に立ち寄ることのできる空間としても整備していく。

3.施設の配置の方針
 土地利用、施設配置の方針を示すと以下のようになる。

(1)土地利用のゾーニング
 旧安中高校跡地の敷地利用の概要については、市民ギャラリー・美術館、図書館・文書館、情報交流館を配置する。
◆敷地面積を有効に使い、ゆとりある空間整備をする。
◆現在の格技場と体育館は残し、利用していただく。

 ゾーニングイメージとしては、敷地北側校舎跡地と南側のグラウンドのある位置に新しい建物を配置し、現在の体育館、格技馮はそのまま残し体育施設として活用する。
 この建物は一ゾーンと体育施設の間に現在ある北門、南門をつなぐ通路を設置する。この敷地内通路の東側に駐車ゾーンを設置する。
 駐車施設については、利用者が多い開催イベント時などについては、敷地北側のテニスコートの駐車場、隣接する既存の市の駐車場などを併用する。

(2)建物配置図 (略)

(3)建物イメージ図 (奈良県桜井市立図書館のイメージ写真)

4.施設の機能と内容
 今回整備する安中市生涯学習施設の整備は次のような方針で行う。

(1)市民ギャラリーの施設構成
①目的
市民の創作活動や文化活動の振興を図り、いきがいのある生活を送るための環境をサポートする空間として整備する。創作・文化活動の発信、交流および情報交換の場の拠点としての利用を進める。
②構成
展示室:日頃の創作・文化活動を発表できる場。
多目的ホール(可動式):様々な活動の発表の場、練習の場。
研修室:創作サークル活動等の話し合いに利用できる場。
創作室:自宅での創作創作活動が困難な市民に文化活動の場を提供、カルチャースクールの開催等、文化活動の裾野を広げることができる場。

(2)美術館の施設構成
①目的
本市出身や市内に居住する芸術家の作品の収隻、保存、展示や研究・情報発信機能をもつ安中市の文化活動の拠点の一つとする。また、歴史、文化の蓄積のある安中市の美術品等を展示して、本市の芸術の振興を図り、文化活動の発信、交流および情報交換の場の拠点とする。
②機能
展示室:日頃の文化活動を発表できる場。
保管・格納機能:収集作品の保管のための設備、スペースの確保。
研究・創作室:創作活動の場を提供、大学や研究機関との運携による学芸員等の研究設備も検討する。

(3)図書館の施設構成
①目的
市民の文化活動や学習活動の援助をするため、図書館機能の充実を図る。また、市民の学びのための設備をつくり、図書館に親しみ、楽しい時間を過ごすことのできる機会作りと情報の提供をする。
②機能
本の閲覧、貸し出し:検索機能を強化し、近隣図書館との連携をはかることによって、より便利に図書館を利用できるようにする。
視聴覚資料(AV)の閲覧、貸し出し:より多様な資料を閲覧できるよう、また、本に興味のない人にも図書館に足を運んでもらえるよう視聴覚資料を充実する。
インターネット利用:インターネット環境を持たない市民も、インターネットの情報にアクセスできるようにする。
バリアフリー設備:障害のある方も利用しやすいようにする。
児童図書設備:児童が気軽に本に触れられるようにする。
学習スペース:静かに閲覧・学習できるスペースとグループで学習できるスペースを確保する。

(4)文書館の施設構成
①目的
明治時代以降の行政関連の文書を収集・修復、保管し、市民に見やすい形にして閲覧できるようにする。また、古文書等についても、収集を行い、閲覧できるようにする。郷土史研究や地域住民の交流拠点としての利用を促進する。
②機能
展示室:文書の閲覧、展示を行う。
研究・会議室:郷土史研究等のスペースとする、また歴史サークル活動等の交流の場にする。

(5)情報交流館の施設構成
①目的
本市の地域活性化の基本的なインフラ整備として地域情報化に取り組んでいくため、情報の受発信のセンター機能を持つ施設として情報交流館を設置する。この情報交流館は、情報拠点として整備するだけでなく、市民と観光客などとの交流の場としても機能するような施設とする。
②機能
情報センター:本市の、観光案内・歴史文化の紹介などの機能を整備する。
ラウンジ:情報交流館や図書館、市民ギャラリーなどの利用者が利用できる喫茶・軽食・物販のコーナーをつくる。

 施設全体の共有部分であり、市民への情報提供やさまざまな交流ができる場です。ギャラリー(美術館)、図書館(文書館)の2施設を一体的に結び各部門を連携する役割を果たすとともに、利用者が気軽に訪れ交流できるスペースや、市民が自主的に利活用するスペースを設けることにより市民参加の拠点となる施設です。

5.施設の構成

(1)図書館・文書館
 図書館・文書館棟は、図書館・文書館として整備する。 (配置図:略)

(2)市民ギャラリー・美術館
 市民ギャラリー・美術館棟は、市民ギャラリーとして整備し、一部を常設展示も可能な美術館機能を持たせる。 (配置図:略)

(3)情報交流館
 情報交流館は、敷地内の別棟として建設していく。これは、図書館・文書館、市民ギャラリー・美術館等が静かな空間としての条件を求められるのに対して人の多く集まる交流施設、休憩施設はにぎやかさが本来の機能であるためである。
 また、この施設は市街地の中の人の流動にも便利であることが求められ、気軽に立ち寄ることができることを重視すると道路から入りやすい別棟であることが一つの要件にもなる。
 オープンスペースは、場合によっては地域物産の紹介コーナーや販売コーナーとしての活用も検討に値する。 (配置図:略)

<施設構成の概要>
建物棟/施設名/施設区分(㎡)
●図書館・文書館棟/
 図書館・文書館:開架スペース500、閉架書庫200、文書館(行政資料)100、閲覧室200、閲覧・学習スペース150、AV資料・視聴覚スペース150、幼児・児童スペース100、休憩スペース100、作業室100
 管理/事務室200
 その他/WCなど200(WC、多目的WC)
 小計/2000
●ギャラリー・美術館棟/
 ギャラリー/展示室・研修室800
 美術館/常設展示スペース300
 共用施設/実習室200、控室100
 管理/事務室200、倉庫100、荷受台50、荷受室50
 その他/WCなど200(WC、多目的WC)
 小計/2000
●情報交流館/
 情報センター/情報センター200(観光案内含む)
 ラウンジ/ラウンジ・喫茶軽食コーナー300
 物販コーナー(50)、厨房150
 共用施設/オープンスペース300
 管理/事務室150
 その他/WCなど200(WC、多目的WC)
 小計/1000
計/5000
 駐車場/駐車場/敷地内150台程度(障がい者・思いやり駐車区画を含む)

6.施設整備費の検討

(1)必要施設面積の検討
①事例に見る建築面積
○生涯学習施設、図書館・美術館・ギャラリーなどの建築面積(延べ床面積)を見てみると都市規模、人□などにより異なるが、人□10万人以下の都市で見ると
 ・美術館・ギャラリーが、1,000㎡~3,000㎡
 ・図書館が、1,000㎡~3,000㎡
となっている。

②安中市生涯学習施設の建築面積
○これらの事例を参考にすると、本市の生涯学習施設の建築面積は、
 ・美術館・ギャラリーが、2,000㎡
 ・図書館・文書館が、2,000㎡
 ・情報交流館が、1,000㎡
程度が妥当な面積となる。

(1)建設費の検討情報
③事例に見る整備費の動向
○建築費については、工法により大き<異なるが、1㎡当たりの建築費を事例から見ると300千円/㎡~800千円/㎡まで多岐にわたっている。

④安中市生涯学習施設の整備費について
○これらに事例を参考に、見通しを立ててみると(確定値ではありません)、
 ・美術館・ギャラリーが、700千円/㎡
 ・図書館・文書館が、400~500千円/㎡
 ・情報交流館・休憩施設が、500千円/㎡
程度と見ることができる。
その結果
○美術館・ギャラリー:700千円/㎡×2,000㎡=1,400,000千円
○図書館・文書館:500千円/㎡×2,000㎡=1,000,000千円
○情報交流館:500千円/㎡×1000㎡=500,000千円
程度になると想定される。
◆その結果、建設総事業費は、29億円程度となることが見込まれる。

<参考;1㎡当りの平均建築単価について>
1.人□規模、開館・竣工年度、建築面積別に建築費の平均を比較した場合、同規模の場合は平収以降に開館・竣工した場合に美術館に関し、1㎡当りの平均建築単価が高<なっている。
◆建築面積が同等の規模の施設の建築費平均(美術館・ギャラリー:2,000㎡。図書館・文書館:2,000㎡。情報交流館:1,000㎡。)
 ・全体:457千円/㎡
 ・美術館・ギャラリー:460千円/㎡
 ・図書館・文書館:418千円/㎡
 ・情報交流館:918千円/㎡
◆建築面積が同等の規模、かつ平成に開館・竣工した施設の建築費平均(美術館・ギャラリー:2,000㎡。図書館・文書館:2,000㎡。情報交流館:1,000㎡。)
 ・全体:470千円/㎡
 ・美術館・ギャラリー:515千円/㎡
 ・図書館・文書館1418千円/㎡
 ・情報交流館:918千円/㎡
◆建築面積が同等の規模、かつ平成10年以降に開館・竣工した施設の建築費平均(美術館・ギャラリー:2,000㎡。図書館・文書館:2,000㎡。情報交流館:1,000㎡。)
 ・全体:500千円/㎡
 ・美術館・ギャラリー:626千円/㎡
 ・図書館・文書館:464千円/㎡
 ・情報交流館:-/㎡

2.規模を考慮しない場合、平成以降の図書館、美術館の1㎡当りの平均建築単価は低くなっているが、情報交流館に関しては高くなっている。
◆全施設平均建築単価。
 ・全体:491千円/㎡
 ・美術館・ギャラリー:582千円/㎡
 ・図書館・文書館:432千円/㎡
 ・情報交流館:511千円/㎡
◆平成になり開館、竣工した施設の平均建築単価。
 ・全体:484千円/㎡
 ・美術館・ギャラリー:572千円/㎡
 ・図書館・文書館:398千円/㎡
 ・情報交流館:646千円/㎡
◆平成10年以降の開館、竣工した施設の建築費平均
 ・全体:482千円/㎡
 ・美術館・ギャラリー:620千円/㎡
 ・図書館・文書館:369千円/㎡
 ・情報交流館:511千円/㎡

3.人□10万人前後の都市の場合の平均建築単価。
 ・全体:603千円/㎡
 ・美術館・ギャラリー:536千円/㎡
 ・図書館・文書館:375千円/㎡
 ・情報交流館:818千円/㎡

Ⅳ.施設の管理と運用

1.運用の手法
(1)運用の手法
 生涯学習施設の運用の方法を見ると、これまでの地方自治体による施設建設医、施設管理・運営から様々な手法が試みられるようになっている。
 従来どおりの直営方式は依然として多いが、民間の企業や団体に運営を任せる「指定管理者制度」や整備そのものを民間に委託する「PFI方式」の施設整備などが見られる。
*PFI「民間資本を活用した社会資本整備」(Private Finance Initiative)
・直営方式(公設公営):行政が施設の運営・管理を行う
・市管理財団等の運営:行政関連の外部団体が管理・運営を行う、
・指定管理者制度:企業、NPOなどの法人や団体に施設の運営・管理を任せるもの
・PFI:施設の運営・管理に加え、整備も民間企業、法人に任せるもの
(2)指定管理者制度
 公共施設の運営・管理を企業、NPO、財団などの法人や団体に行わせる制度です。施設の運営・管理を包括的に任せることで、個別業務の委託よりも民間のアイデアやノウハウが活用される機会が多くなることが期待できます。管理者の指定は、公募によるものと特定の法人や団体を指名するものがあります。指定期間中は、行政から指定管理者へ管理費用が支払われます。但し、施設の運営によって収入を得られる場合には、これを管理者の収入とすることで管理費用を抑えたり、利益の一部を納付させたりすることもできます。
(3)PFI
 公共施設の運営・管理だけでなく、整備も民間に任せる手法です。行政によって選定された事業者は、資金調達を行い、施設を整備した上で、施設整備後の運営・管理も担当します。行政が直接的にサービスを提供するのではなく、事業者に毎年費用を支払って、公共サービスを購入することになります。同一の事業者が施設整備と運営・管理の両方を担うことで、コストダウンや質の高いサービスが実現されることが期待できます。PFIの採用にあたっては、支払う費用と提供されるサービスの質の関係であるVFM(バリューフォーマネー)やリスクを吟味することか重要となります。

2.旧安中高校跡地施設の運用
 旧安中高校跡地利用に関する施設運用のあり方を検討すると次のような方法が考えられる。
(1)施設整備について
 施設整備については、市の事業による整備とPFI方式が考えられるが、全国的に見てPFI方式の蓄積と成功例が少ない現状では、市の事業としての整備が妥当である。
(2)図書館・文書館の運用について
 図書館文書館の運用は、市の管理運営と、市の管理による指定管理者制度の導入が考えられるが、本市のこれまでの公共施設の整備の手法を踏襲していくと、基本的な管理運営を市が行い、施設の機能的な利用や付加価値を高める利用活動などを市民と共同で行う手法が適していると考えられる。
①図書館
 ○図書館の基本的管理運営は、これまでの図書館運用と同じように、教育委員会において行う。
 ○図書館の運営については、ボランティア活動や一部NPOにゆだねる方式を検討していく。
 ○図書館の開館時間の延長(早朝、夜間)などの需要に応える閲覧案内、貸し出し業務等は、今後市民、民間の参加を検討していく。
 ○図書の利用ガイド、読み聞かせなどについては、これまでの読み聞かせ活動のように市民参加で行う。
 ○今後導入が期待される点字図書、音声・映像図書の利用についてはボランティアによるインストラクター機能を充実させていく必要がある。
②文書館
 ○文書館は、歴史的文書や過去の行政資料を発掘、研究、展示するなど専門性を要求される部分があり、市による体制の組織化が必要である。
 ○また、収集、解読などには研究専門家に加えて、市民の参加も重要でありボうンティア団体の参加制度をつくり出していく。
(3)ギャラリー・美術館の運用について
①市民サークル活動成果の展示等
 ○市民の創作活動発表の場としては、貸し展示施設としての利用を促進していく。
 ○この展示機能の利用については、文化センターなどの他の利用可能施設との共通利用方式を検討していく。
②市内著名作家の作品展示等
 ○市内著名作家の展示等については、常設と機関展示、特別展示などの方法を今後検討していく。
 ○特に市役所にある作品については、広く市民に楽しんでもらう方法を検討して、常設方法を創りだしていく。
 ○この美術館としての利用については、今後「利用委員会」のような組繊による運営と企画能力を高める必要がある。
③多目的ホールの利用
 ○多目的ホールは、ギャラリー機能と場所としては同じため、可動式のイスの設置の利用とする。
 ○利用目的としては、簡単な講演会やフォーラム(集合討論)、軽音楽演奏、少人数の催し物などが適している。
(4)情報交流館の運用について
①情報発信機能
 ○情報発信機能としては、観光情報、行政情報、市民活動情報などを提供する機能を持たせる。
 ○情報メディアは、パソコン(HP)などデジタル利用に加えて、ビデオ・CD・DVD上映、ペーパー情報など多様なメディア利用とする。
 ○さらに視聴覚障がい者や高齢音向けに、人とひとのコミュニケーションによる案内ガイドを充実させる。そのためには、この施設を運営するボランティアの充実が求められることとなる。
 ○情報の受信・発信の双方向のコミュニケーションが重要である。
 ○そのため、この施設では発信機能だけでな<、双方向の情報提供ができる設備としていく。
 ○また、携帯電話器機やipodなどを利用できる多機能の情報提供方法を導入していく。
②市街地整備・商店街活性化との連動
 ○この施設の利用をすすめるため、市街地内の公共施設、観光施設などと連携した情報拠点となるように整備する。
 ○とくに、市街地の周遊性との運動のため、回遊性の向上や市街地の案内機能との運動を高める。
(5)物販・軽食等の設備の運用について
①軽飲食コーナーの設置
 ○図書館利用者、ギャラリー利用者を問わす、この施設や、周辺を訪れる人の休憩コーナーとして軽飲食ができる場を設置する。
 ○このコーナーは、図書館・ギャラリーの共通利用部分として別棟形式の建物(エントランス機能を持つ)として整備する。
 ○運用については、テナント方式や指定管理者方式が妥当である。
②特産物販売・,試食コーナー
 ○安中市の特産品などを購入できるコーナー、試食コーブーとして設置を検討する。
 ○この部分はあくまでも、総規模なサテライト機能として設置し、本格的な物販は特産品の製造店舗や商店街の一角を利用した特産物の販売店舗を設置し、市街他の周遊性を創りだしていく。
(6)連携計画
①安中市文化センター・松井田文化会館との連携
 本市の既存施設との連携によって、市民の公共施設利用が必要なときに、必要な機能と規模をもっと施設が利用できるように、安中市文化センター、松井田文化会館との連携を図る。現在安中市文化センター内にある図書館は、新施設に移勤し、そのスペースも市民の文化活動に利用できる空間とする。
②図書館ネットワーク (周辺市図書館とのネットワーク図:略)
 情報ネットワークとは、図書館利用者がそこで必要とする資料に関する書誌的情報を検索し、入手するための情報網あるいはコンピュータシステムをいう。従来は目録に頼っていたが、酸近ではオンラインやインターネットにより短時間に必要な情報を入手することも可能となった。情報ネットワークは周辺市町村の図書館はもとより、都道府県立図書館や国立国会図書館につながっているだけでなく、企業内専門図書館や大学図書館、さらに広く世界の図書館にまでつながっているオープンシステムである。
(7)バリアフリー計画
 道路側、駐車場から安全にアクセスできる計画とし、高齢者や障がい者が快適に施設を利用できるようにする。
 ・出入り口及び施設内は極力段差をなくし、段差が生じる場合はスロープなどを設置する。
 ・視覚障がい者を配慮し、点字表示、誘導標識を設置する。
 ・難聴者に配慮した設備を設置する。
 ・各施設へ車イスでスムーズに行くことができるとともに、ホールなどでは車イスで鑑賞できるスペースを確保する。
 ・障がい者用トイレは利用しやすいように多目的トイレを設置する。
 ・展示計画、展示活動も鑑貧者の目線の高さなどバリアフリーに配慮した計画とする。
 ・アプローチ経路においてもバリアフリーを検討する。
 ・そのほかバリアフリー関連の法規に沿ってバリアフリー化をすすめる。

<付表>
場所/第1 基礎的基準:高齢者や障害者の利用を阻むような建築物の障壁を除去する水準
  /第2 誘導的基準:社会全体が目ざすべき高齢者や障害者が特段の不自由なく建築物を利用できる水準
1. 出入口
/第1 基礎的基準
○建築物の一つの出入り口を車いすが通行できるものとする。
 ・幅を80cm以上とする。
○各室への1以上の出入り口は車いすを使用者が通過する際に支障となる段を設けない。幅を80cm以上とする。
/第2 誘導的基準
○建築物のすべての出入□を車いすで円滑に利用できるものとすることとし、
 ・主要な出入口は自動扉とし、帽を120cm以上とするとともに、他の出入□についても幅を90cm以上とする。
○建築内部の出入□は車いす使用者が通過する際に支障となる段を設けない。幅を90cm以上とする。
2. 廊下等
/第1 基礎的基準
○車いす使用者が通行できるよう、幅は120cm以上とし、廊下等の末端の付近は車いすの転回に支障のないようにし、区間50cm以内ごとに車いすが回転可能なスペースを設ける。
○高低差を設ける場合には昇降機又はスロープを設ける。
○手すりを設ける。
○幡を120cm以上、勾配を12分の1以下とする。
○高さが75cmを超える場合には、75cm以内ごとに諧幅が150cm以上の踊り場を設ける。
○スロープの上に警告フロックを敷設する。
/第2 誘導的基準
○車いす使用者同士かすれ違え自由に方向転換できるよう幅は180cm以上とする。ただし、区間50cm以内ごとに車いず使用者同士がすれ違えるスペースを設けた場合は140cm以上でよい。
○高低差を設ける場合には昇降機又はスロープを設ける。
 ・出入□から受付等までの廊下には原則として誘導用ブロック等を設ける。
○両側に手すりを設ける。
○幅を150cm以上、勾配を12分の1以下とする。
○高さが75cmを超える場合には、75cm以内ごとに踏幅が150cm以上の踊り場を設ける。
○スロープの上に警告ブロックを敷設する。
3.階段
/第1 基礎的基準
○手すりを設ける。
○主たる階段には、回り段を設けない。
○階段の上に警告ブロックを敷設する。
/第2 誘導的基準
○両側に手すりを設ける。
○主たる階段には、回り段を設けない。
○幅150cm以上、けあげを16cm以下、踏面を30cm以上とする。
○階段の上に警告ブロックを敷設する。
4.昇降機
/第1 基礎的基準
○床面積の合計が2000㎡以上で2階建て以上のものには、原則として以下の仕様のエレベ
ーターを設ける。
 ・出入□の幅を80cm以上、かごの床面積1.83㎡以上、奥行き135cm以上、乗降ロビー150cm角以上とし、車いす使用者、視聴覚障害者の利用に配慮した仕様とする。
/第2 誘導的基準
○2階建て以上のものには、エレベーターを設ける。
 ・エレベーターのうち1以上は、主たる廊下等に近接した位置に設ける。
 ・主要なエレベーターは出入□の幅を90cm以上、かごの床面積2.09㎡以上、奥行き135cm以上、乗降ロビー180cm角以上とし、車いす使用者、視聴覚障害者の利用に配慮した仕様とする。
 ・他のエレベーターについても出入口の幅を80cm以上、かごの床面積1.83㎡以上、奥行き135cm以上、乗降ロビー150cm角以上とする。
5.便所
/第1 基礎的基準
○便所を設ける場合には、車いす使用者用便所を当該建物に1以上設ける。
 ・車いす使用者用便房の出入□の幅は80cm以上とし、通過しやすい構造とする。
○床置式小便器を当該建物に1以上設ける。
/第2 誘導的基準
○便所を設ける場合にあっては次の通りとする。
 ・車いず使用者用便房を各階ごとに原則として当該階の便施数の2%以上設ける。
 ・車いす使用者用便房かない便所には腰掛便座及び手すりのある便房を1以上設ける。
○各階の便所には、床置式小便器を1以上設ける。
6.駐車場
/第1 基礎的基準
○駐車場を設ける場合には、車いす使用者用の駐車スペースを1以上設ける。
 ・当該スペースは、駐車場の出入口の近い位置に設ける。
 ・幅350cm以上とし、車いす使用者であることを表示する。
/第2 誘導的基準
○駐車場には車いす使用者駐車スペースを原則として総数の2%以上設ける。
 ・当該スペースは、駐車場の出入口の近い位置に設ける。
 ・幅350cm以上とし、車いす使用者であることを表示する。
7.敷地内の通路
/第1 基礎的基準
○建物の一つの出入口に通じる通路を車いすで利用できるものとするとともに、視覚障害者の誘導に配慮する。
 ・幅を120cm以上とし、高低差がある場合にはスロープまたは昇降機を設ける。
 ・視覚障害者用に誘導ブロック等を設ける。
 ・スロープ踊場の構造は「2廊下等」と同様である。
/第2 誘導的基準
○建物の各出入□に通じる通路を車いすで利用できるものとするとともに、視覚障害者の誘導に配慮することとし、
 ・幅を180cm以上とし、高低差がある場合にはスロープまたは昇降機を設ける。
 ・視覚障害者用に誘導フロック等を設ける。
 ・スロープ踊場の構造は「2廊下等」と同様である。
【参考】日本建築学会主催、研究会「ハートビル法(高齢者・身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律)」の資料を参考に作成。
(注)幅員はすべて内のり寸法。

3.運用費の検討
 図書館を事例にとって、各地の事例から指定管理者制度による施設運用費を検討すると次のようになっている。

<運営費用の検討(指定管理料の例)
        / 愛媛県今治市 / 新潟県見附市 / 山形県新庄市
年間指定管理料※ 170,000千円(うち図書購入費38,000)/55,973千円/33,289千円
期間        5年 / 5年 / 2年
管理館       本館、分館2 / 本館のみ   / 本館のみ
蔵書数       約50万冊  /  約15万冊  / 約12万冊
人口        168,829人  /  41,875人  / 39,181人
※いずれも募集要項より。今治市、見附市は上限金額。新庄市は参考金額。

*参考事例
(1)図書館におけるボランティア、NPOの活用事例
徳島県鳴門市
 NPO法人「ふくろうの森」にカウンター業務と図書館業務への支援を委託している。市の財政難による図書館予算縮小や職員削減を受け、鳴門市図書館では市民との協働よる業務規模維持を目指した。ここで、従来から活発に活動していた複数のボランティアグループを統括するかたちでNPO法人ふくろうの森を設立した。業務委託にかかる委託料は年間595万円である。委託によって職員の労力にゆとりが生まれたため、開館時間の拡大も実現している。また、委託範囲以外にもふくろうの森によって、チャリティーバザーが行われ、売上が資料費として寄贈されている。
http://www.mext.gojp/a_menu/shougai/tosho/houkoku/06040715/018.htm

ITを活用した24時間開館
萩市須佐図書館(旧須佐町立図書館)
 自動貸出返却装置を用いて24時間開館を実現している。開館時間は午後6時までだが、それ以降の時間帯も個人登録を済ませることで利用できる。午後6時以降は、入口の電気錠に個人登録を済ませた磁気カードを差し込むことで入館が可能となる。貸出も館内の自動貸出機と個人の貸出カードによって行われる。午後6時以降は、職員はいないがセンサーは稼動しており、貸出を通さない蔵書の持ち出しは防がれている。年間貸出冊数の約2割が夜間利用によるものである。人ロー人当たりの貸出冊数も全国平均を大き<上回っており、既存の夜間需要をくみとるだけでなく、「利用しやすい図書館」となることで図書館利用の需要全体の拡大にも寄与しているといえる。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20050928us41.htm
http://hagilib.city.hagi.lg.jp/susa/indexsusa html

【参考】インターネットによる情報発信
 ブログや動画配信サービスを利用することで、経費を抑えなから市内外に施設のPRを行うことができる可能性がある。図書館、美術館のイベント情報などをネットで配信することで、市内外の幅広い層に対して視覚的にわかりやすい形で情報発信ができる。また、ブログや動画配信には専門知識が不要であるため、ボランティアやイベント関係者による生の声を発信することもできる。情報発信機能だけでなく、市民の参加意識や施設に対する親近感を高める効果も狙えるのではないかと思われる。
http://ww.iza ne.jp/news/newsarticle/business/infotech/231149/

Mac、iPodを利用した展示
 美術展の音声ガイドとしてiPodを活用する事例が増えている。iPodの操作や音声の編集は簡便であり、市民によるガイドを作成したり、同じ展示内容でも複数のガイドを作成したりするなど、工夫の余地は大きい。また、下記URLにあるように、PCを用いて、来場者がコメントを残す機会を設けることもできる。
http://www.apple.com/jp/articles/report/sapporomuseum/

美術館と学校との連携
 美術館と学校の連携授業の例は多数あるが、これらは通常、美術館員、学芸員によって行われる。また、美術館におけるボランティア活動も珍しくないが、多くは館内での案内や作業のサポートに留まる。下記URLの事例は、ボランティアによって館外での教育活動が運営・コ-ディネートされている。館外での活動を行うことによって、ボランティアは美術館の単なる人手の領域を超える存在となる。館員、学芸員も館外活動のコーディネートという専門外領域をボランティアに委ねることで、本来得意とする業務に専念することができる。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/houshi/jirei/05060101/007.htm
**********


パブコメ時の計画では、校庭の南東の隅に、情報交流館が他の建物と離れて建つようになっていたが、今回の基本計画では、4つの施設はひとかたまりに配置されている。
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選挙モード全開の岡田義弘・安中市長の来年4月に向けたチラシ戦略(その5)

2009-12-26 20:55:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■安中市土地開発公社の理事長を兼務している岡田義弘安中市長は、来年4月11日投開票の安中市長選への2期目の出馬が取りざたされています。このため、例年より早く、今年の9月13日を手始めに、これまでに、9月25日、10月18日、11月23日と、毎月平均1回以上のペースでチラシを新聞折込しています。

 11月24日のブログ記事で、当会は、「毎月1回程度のペースのようなので、次回は、12月23日の天皇誕生日の祝日か、その前後の日曜日あたりが予想されます。12月25日は群馬銀行へのあらたな今後10年間の和解金支払いの第1回目にあたるので、タゴ事件の真相に触れたチラシ記事が執筆されるかどうかが、注目されます。」と占いました。すると、12月23日の天皇誕生日に、岡田義弘後援会の名前で、第148号のチラシが新聞折込みされ、当会の予想は的中しました。赤字は、前回と同じ部分を示します。


岡田義弘後援会事務所と駐車場。大手組の協力を得て水田に、野殿ヒヤ坂の市道改良工事で出たカドミウム汚染の土を大量に埋め立てて農地法無視で造成。県道とは用水路を隔てていたため、裏にある狭い農道を隣接道路と偽って建築基準法の認可を不当に取得。なんでもありの群馬県政と安中市政のシンボリックな施設。
**********
No.148号〔よい風〕
税金のムダづかいを断つ!!
(1)平成21年12月23日(水)
Y.O 新時代のニューライト OKADA A MAN YOU CAN TRUST
岡田義弘後援会 季刊誌編集部
安中市安中4272番地
TEL 027-382-7798
FAX 027-382-2061


新生安中の魅力を発信する岡田よしひろ!!
歴史ある豊かな最先端産業の集まる街をつくります。
“若人の頭脳流出防止策には不屈の精神力で目標に向かって東奔西走”

一、県下唯一(全国でも稀)一回について千円市単独助成します。
 新型インフルエンザのワクチン接種全市民の皆様を対象に9880万円予算措置。
(予防接種を受ける際、初回3600円、二回目2550円の接種料から、それぞれ千円が差し引かれます。)
二、子育て応援手当て支給について
 去る10月11日の市広報紙で全家庭にお知らせしました子育て応援手当てを支給します。
 理由、議会の議決は支給について安中市が国に連帯保証をしたこと。
「国の方針・情勢が変わったから執行しないというのでは行政の信頼を失う」ことになります。

安中市長岡田義弘

<年末のご挨拶>
 御一家皆様にはお変わりございませんか、お伺い致します。
 本来ですと私、岡田が直接お目に掛かって年末のご挨拶と市行政のご報告をすべきところですが、24時間フルタイムという気持ちで職務に打ち込んでいますので、紙上にての年末のご挨拶をお許し賜りたいと存じます。
 さて、県内高校生の就域内定率が昨年同期より17.5%低い45.4%で50%を割り込んだことが、群馬労働局の調査結果で明らかになりました。
 「今後も厳しい状況が見込まれる」と労働局の見方が支配的です。
また、日本の経済情勢は、来年には2番底が来ると分析する経済学者の声が次第に大きくなりつつあります。
就職が決まらないまま卒業を迎える学生が出ることになるのでは…と心配しています。
他方、平成21年10月20日に発表された国内の貧困率は、遂に15.7%に達して戦後最悪で、深刻の状況になりました。
岡目よしひろは子供たちに夢を。
学生みなさんの本当の幸せを考えて、今後も引き続き全力を尽します。
今後も変わらざるご指導ご鞭捷を賜りますよう、お願い申し上げます。
貴家皆様方のご健勝で越年されますようお祈り申し上げ年末のご挨拶と致します。
 平成21年12月23日
  安中市長(庶民代表)岡田義弘

<公人は滅私の精神で職務に全力の岡田よしひろ!!>
 いま「税金の無駄遣い」を断つために「大ナタ」の効果を次につなげるため、信頼される仕組みの道を開き「無駄とは何か」行政の見過ごす風潮をなくす庁内議論を深めてきました。
 「不透明」から「透明」な行政改新の流れを止めないでください。市財政の健全化と安定は行政根幹の原点ですし、市民の皆様に不利を隠す行政には「ノー」を市民力で。

<行政の真実を伝える庶民代表の岡田よしひろ!!>
 市民情様の困窮を知り、実態を知った上で改新を進め、過去との「静かなる決別」は市長の仕事であり行政の真実を伝え「死にものぐるいで無駄とは何か」市の将来をかけて大きな判断をしています。また、市長には、ものを決めていくときの細心の配慮と「ダイナミックな決断」「税金のムダ遣いを断つ」ために、捨て身の気力で財政を根底から考え直すことが責務です。
新生安中の市民皆様「勇気ある脱古改新」は「行政の透き間を埋める政策」で水や肥料を与えずに収穫できるのです。

<市民皆様の目線で市長公用車廃止!!>
 岡田よしひろは、首長に就任と同時に財政健全化のために、自ら市長公用車(3,000cc)廃止売却、市長の通勤手当廃止などを即実行しました。(スウェーデンには運転手付きの公用車は一台もないのです。国、地方とも)
行政の「ムダ遣いを断ち」危機には、断固として「改新」を実現する「進取の心」を取り戻す考えであります。「脱古改新」は悲哀を伴いますが、それを乗り越えてこそ将来があり、大事なのは公平公正な行政の暖かい光りを新生安中の隅々まで届くようにすることです。

<世の中の所得の不平等が、いかに極端になったか!!>
 市民の皆様に身近な行政は、より住民に近い自治体が担うのが理想ですし、新生安中市は平成の大合併で規模が拡大し、行政体制も整備されてきました。地方分権で更に大きな役割を担うのは当然ですし、同時に権限に応じた責任を負うことも忘れてはなりません。岡田よしひろが、いま取り組んでいるのは「ウソ」のないオープンで誠実公正な行政、そのための「ブレ」ない筋の通った行政を養成すると共に、敷居を低くした行政に変えるため最善を尽くしています。

<行政精神を探り「たゆまぬ」歩みを!!>
 惰性に流されず、ときには非難を恐れず、批判に耐えるのが市長。私(し)を捨てて、たじろがずに立ち向かって、新しい状況に挑戦する進取の気性こそ最も重要な行政精神の基盤です。新生安中の先駆けとなるような行政改新をもって、公平公正の行政を行い、このことの市益的意義は極めて大きいのです。そこに光りを当て、明日の安心を熱意をもって語り、将来に伝えて行くために一層、行政の足元を固め直します。
市民皆様の側からも「脱古改新行政」について、意見等を出してはしいと思っています。見えないことが見えてきますし、後戻りさせないためにも「あなた」も一緒に行動してください。

<公平無私で最高の仕事をするために!!>
 更に、新生安中は安心だと公正な行政システムで納得と合意のうえに立って、更に不平等行政の是正で希望と夢が開く、わかりやすい政策論争をより進め、市民皆様の行政への関心をもっと喚起することが最も大切です。
 そして市民皆様からの行政に対し「信頼」を得るために、愚直かつ不断の努力(説明責任・情報開示)を重ねていくことによって、行政事業の高い政策品質を追求し続けることができるのです。行政事業を支えているのは、すべての市の部局の現場です。

<新芽の実感を持つ行政現場へ!!>
 岡田よしひろは、これまで出来る限り現場に足を運び実態を把握して、行政現場の必要な声や意見は、しっかりと吸い上げる現場重視の姿勢を堅持しています。
新生安中の明日・将来を考えて、好機を逃さない為にも「あなた」も一緒に行動してください。その行動を通じて、岡田よしひろはあなたの友人になれることを誇りに思っています。
同時に行政・世の中は全て鮮明でありつづけたいです。新生安中の選択は密室の取引きを排し公開の透明性の高い行政継続こそ市民力です。

<新しい都市行政の姿を示す!!>
 岡田よしひろは透明性の高い行政の扉をひらき元気な新生安中をつくる、そのためには.身をささげる覚悟です。
「市民が主人」行政の向かうべき方向を示しつ新しい市行政」へ変えていく好機です。また、あたりまえのことを問い直してみると新しい価値の発見の契機にもなります。
「あやふやな時代」でリーダーシップを発揮する岡田よしひろは、これからも行政の透明性を一層高めるため「善政競争」を盛んにして、健全都市トップを目指した庶民改革を着実に進めます。

<根の張った都市行政になるには!!>
 激変した社会に市町村が追いつかなくなった行政を、驚くべき「勇気と気骨を持ち」「確固たる信念と指導力を持つ」岡田よしひろで新しい安中行政が見えてきました。

 99パーセントの努力を怠れば発言と政策に味がない「閉塞行政はノー」です。
公開行政で是非「訪れてみたい、住んでみたい」と思っていただける街、新生安中を築くためにキャンドル精神で職責をかけて最高の仕事をするため、死にもの狂いで取り組んできました。
さらに来年も一身を賭して仕事する決意です。

<<市民の市民による市民のための秩序ある行政を創るため広い視野と構想力が今ほど「行政」に問われている時はないのです!!>>

<こんなに借りて大丈夫か、失敗は許されぬ財政体質!!>
 市財政は取り加えしのつかない状況に陥る、全市民の皆様も、こうした借金の怖さ(夕張市の破綻は余所事ではない)を知ってください。
 安中市の財政は想像以上に腐っていた。
 平成18年4月24日 岡田義弘 市長就任
○平成18年4月1日現在の借金(債務負担含む) 残高 280億円
 平成18年度一般会計歳出決算額 202億3907万9千円
○平成19年4月1日現在の借金(債務負担含む) 残高 262億円
 平成19年度一般会計歳出決算額 207億3119万円
○平成20年4月1日現在の借金(債務負担含む) 残高 240億円
 平成20年度一般会計歳出決算額(見込み) 207億7537万円
○平成21年4月1日現在の借金(債務負担含む) 残高 227億円
 平成21年度当初予算額 229億7600万円

 財政が破綻したら何を言っても無理です。先送りする余裕はありません。
借金漬けの行政から脱出するために、庶民代表の岡田よしひろは職責をかけて最高の仕事をするため死にもの狂いで取り組んできました。

<国が興るのも滅びるのも、町が栄えるのも衰えるのも、ことごとく人にある。 小林虎三郎先生の言葉です。>

 併せて、安中市行政の質の高まりを証明し、実体験をして意識が変わったからだと思うと同時に市行政の原点を問い直してください。

安中市長(庶民代表)岡田よしひろ

<政策報告>
◎市民皆様と行政をつなぐ政策を実行!!
 歯をくいしばって
  身を粉にして
   耐えがんばっている
 市民の皆様が安心できる
  新生安中市をつくります。
○保育園児第3子から保育料の無料化を実施   平成18年4月から
○市長の通勤手当を廃止   平成18年5月から
○市長(公用)車(3000CC売却)廃止   平成18年5月から
○保健予防対策・個人検診導入実施   平成18年6月から
○市役所内に手話通訳者配置を実施   平成18年7月から
○市内全小・中学校の全教室に扇風機を完備   平成18年8月から
○市長交際(350万円)費公開   平成18年10月から
○夜間小児救急診療所開設   平成18年10月から
 ・診療日時:毎週水・木曜日
       午後7時30分~午後10時30分
 ・診療科目:小児科
 ・担当医師:碓氷安中医師会
 ・協力団体・碓氷安中薬剤師会
 ・場  所:公立碓氷病院
○市民課窓口サービスを午後6時まで延長実施   平成18年10月から
○幼稚園児第3子から保育料の無料化を実施   平成19年1月から
○指定ゴミ袋一枚大20円を10円に、小14円を5円に値下げ実施   平成19年4月から
○水道使用一時中止した場合、基本料金徴収する事を廃止   平成19年2月から
○障害者控除対象者認定書の発行を実施   平成19年2月から
○中学卒業まで入院費無料化実施   平成19年4月から
○幼稚園・保育園へ同一世帯二人一緒入園の場合保育料50%免除実施   平成19年4月から
○健康大学開校(市役所内)   平成19年6月から
○市内全小・中学校へAED(半自動除細動器)配置   平成19年7月から
○住宅新築に道路後退用地寄付者へ面積に応じて報奨金交付   平成19年10月から
○特定行政庁(市役所内・建築確認申請可)設置   平成19年10月から
○小学3年生まで通院医療費無料化を実施   平成20年4月から
○妊婦さんの検診6回までの助成実施(12市中最高の措置)   平成20年4月から
○不妊治療費の助成実施   平成20年4月から
○緊急雇用・経済対策を決定即実施   平成21年1月から
○出産育児一時金を35万円から38万円に増額実施   平成21年1月から
○「高齢者等配食サービス」を週3日から5日に拡充実施   平成21年4月から
○一般住宅耐震診断(1000円のみ)実施   平成21年4月から
○100歳からの高齢者医療費無料化(全国初)実施   平成21年4月から
○小学6年生まで通院医療費無料化を実施   平成21年4月から
○地区公会(住民センター)建設補助金80万円を300万円に増額実施   平成21年4月から
○全国唯一建築確認申請手数料(1.1~2.7倍)引き上げ凍結   平成21年7月から
○中学卒業まで通院医療費無料化実施 平成21年10月から
○太陽光発電装置最大(1kw7万円)20万円補助実施(11月から売電は24円から48円に) 平成21年11月から
○県下唯一新型インフルエンザワクチン接種費1人1回1千円全市民皆様へ補助   平成21年11月から
○子育て応援
特別手当一万八千円支給実施
*********

■ことほどさように、岡田市長のチラシの内容は、回を追うごとに支離滅裂度を高めています。

 「歴史ある豊かな最先端産業の集まる街」……え?
 「若人の頭脳流出防止策には不屈の精神力で」……ん?

<年末のご挨拶>
 この項では、県内労働局の調査を例に、「県内高校生の就域内定率が45.4%」で、「来年には経済不況の2番底が来る」として、「就職が決まらないまま卒業を迎える学生が出ることになるのでは」と岡田市長は心配し、今年10月20日に発表された「国内貧困率は、遂に15.7%に達し戦後最悪の状況になった」が、岡田市長は「子供たちに夢と、学生の本当の幸せを考えて、今後も引き続き全力を尽くす」と決意表明しています。来年4月に市長として2期目の信任を受けたら、縁故採用に決別して、貧しい学生を優先的に安中市職員に登用するという意味なのでしょうか。イメージだけで具体的な対策が分かりません。

<公人は滅私の精神で職務に全力の岡田よしひろ!!>
 ここで、岡田市長は、「税金の無駄遣い」を断ち、「大ナタ」の効果を次につなげるため、「無駄とは何か」と、行政の見過ごす風潮をなくす庁内議論を深めてきたと、主張していますが、毎年タゴの横領金の和解金を群馬銀行に支払うのは、なぜ「市財政の健全化と安定」に役立つのでしょうか。税金のムダ遣いと認識していないのでしょうか。岡田市長は、「不透明」から「透明」な“行政改新”の流れを止めないように主張していますが、“口利き行政”の蔓延は透明化の流れなのでしょうか。

<行政の真実を伝える庶民代表の岡田よしひろ!!>
 今回、岡田市長のチラシには、「行政改革」ならぬ「行政改新」あるいは「改新」の語句が多用されています。岡田市長にとっては、自身の市長就任は、さしずめ「大化の改新」に匹敵するようです。そして、「市民情様の困窮を知り、実態を知った上で改新を進める」ようですが、安中高校跡地にハコモノを建てるなど、1期目の公約で市民に「ハコモノはやらない」と誓ったことを忘れ、「手をつけない」と宣言したはずの合併特例債を惜しみなくつぎ込もうとするのはなぜでしょうか。
 台湾の李登輝元総統が好んで使ったスローガンでもある「脱古改新」や「過去との“静かなる決別”」では、タゴ51億円事件との決別を意識しているようですが、「捨て身の気力で」タゴ再提訴をせず51億円事件の決別を果たしたというのでは困りものです。「捨て身の気力で財政を根底から考え直すことが責務」なのに、なぜ交際費が年間350万円も必要なのでしょうか。

<市民皆様の目線で市長公用車廃止!!>
 市長公用車の廃止は事実でしょうが、代わりに自家用車をひとりで運転して、戸別訪問や企業訪問など、どこで何をしても行動記録に残らないことが、岡田市長にとっては重要なのでしょうか。一方、議会事務局には、職員OBを嘱託として二人も囲っており、議会用の公用車と運転手は、廃止する必要はないのでしょうか。

<世の中の所得の不平等が、いかに極端になったか!!>
 「“ウソ”のないオープンで誠実公正な行政」を謳いあげていますが、51億円事件について、ウソではない本当の真相をいつになったら市民に情報公開するのでしょうか。

<行政精神を探り「たゆまぬ」歩みを!!><公平無私で最高の仕事をするために!!>
 これらの項にいたっては、もはや何を言っているのか分かりません。「行政改新」で「公平公正」の行政を行うとしていますが、口利き行政からの「脱古改新」は一体いつになるのでしょうか。そして、行政への「信頼」を得るための、説明責任・情報開示について、重視する姿勢を見せながら、当会の情報開示請求に対して、なぜ「職員の通常の業務に支障がでる」という趣旨の発言が出るのでしょうか。

<新芽の実感を持つ行政現場へ!!>
 ここでは、「密室の取引きを排し公開の透明性の高い行政継続」を強調していますが、なぜ、東京ガスの高圧ガスパイプライン敷設工事について、たった一人の代表区長の同意書でよいと密約したのでしょうか。オサカベ自動車の口利き道路の異常な促進手続や、東邦亜鉛周辺の畑地の汚染土壌改良事業への異常な妨害についても、説明責任が求められています。

<新しい都市行政の姿を示す!!>
 岡田市長は透明性の高い行政を推進して、元気な新生安中をつくるために一身をささげる覚悟だそうですが、これまでのタゴ事件への対応を見ていると、一身を賭して真相解明を妨害しているように思えるのは、なぜでしょう?

<根の張った都市行政になるには!!>
 そして、とうとう、自分の事を「驚くべき勇気と気骨を持ち、確固たる信念と指導力を持つ」と自画自賛しています。最後にある文の「さらに来年も一身を賭して仕事する決意です」というのは、来年4月11日投開票の2期目の市長選への出馬表明とも受け取れます。

■岡田市長が県会議員当時、平成18年4月の合併市長選挙に出馬したときも、事実上、出馬の意向はほのめかしていたものの、正式な出馬表明は、ぎりぎりまで遅らせて、県会議員としての職に留まりました。

 そして、給与や議員年金を満額受け取ったうえで、公示直前に出馬表明の記者会見をしたことから、今回も、このまま、「出るぞ、出るぞ」と市民に思わせながら、公式な出馬表明はぎりぎりまで先送りする作戦をとる可能性があります。

 もしくは、市議会のどこかの与党会派に、自身の市長選出馬の意向について、3月ごろ定例市議会で一般質問させて新聞に報じさせることも考えられます。あるいは、議会などいつでもどうにでもあしらえると思っている岡田市長にしてみれば、それさえも面倒に思うかもしれません。

 ちなみに、安中市選挙管理委員会は、12月22日に、安中市長選の日程を、来年3月3日に立候補者説明会、4月4日告示、4月11日投開票と決めました。有権者数は12月2日現在52,402人です。

■それにしても、新聞販売店を牛耳れる(あるいは牛耳られる?)岡田市長にとっては、こうしたチラシ攻勢がもっとも安全な選挙運動だと考えているフシがあります。かつて、実弾攻勢を得意としていた岡田市長も、このたびの政権交代による司直関係者の方針転換のリスクを無視するわけにはいかないようです。

 次に、安中市民が、岡田市長のチラシを目にするのは、半期ごとの市長活動録を掲載した大作4ページの恒例版が、関東新聞と東京新聞により折り込まれる元旦になります。

【ひらく会情報部】


来春の2期目の市長選を意識してか、早くもお目見えした岡田市長の新年互礼会の看板。この看板が立てられている場所は、本来農業用水路で公有地だが、1993年ごろ県道の歩道整備の際、県議選出馬を狙っていた岡田市長(当時は市議)が安中土木事務所(写真奥)の職員2名に圧力をかけ、むりやり暗渠にして埋め立てさせたところ。

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メリークリスマス!タゴ横領の尻拭い2千万円を群馬銀行に支払う岡田市長の恩義とは

2009-12-25 21:07:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■一年前の明日となる平成20年12月26日に、安中市土地開発公社の岡田義弘理事長と、安中市の岡田義弘市長との間で、次の書面のやりとりがありました。

 これは、岡田市長が理事長を兼務する安中市土地開発公社が、群馬銀行にタゴの横領金の尻拭い金を支払うための債務保証をしたいとして、平成20年10月17日の政策調整会議で、公社から示された平成21年度から10年間、毎年12月25日に2000万円を支払うとした案で合意して、同年10月20日付け(安企発第17802号)で公社に通知したことを踏まえて、岡田公社理事長と岡田市長との間で交わされた“自作自演”同然の書面です。


タゴに異常に接近していた職員らがいた群馬銀行にとって、預金量5兆円に比べれば、タゴ51億円事件は金額的には微々たるものだが、事件発覚直後は戦慄に怯えた忌まわしい出来事。しかし、安中市の幹部や政治家の戦慄が上回ってくれたおかげで、いまや、安中市が連帯保証してくれる公社からの和解金2千万円が支払われる12月25日は、まさに笑いの止まらない記念日。タゴ事件の真相に詳しい岡田市政が続く限り、安中市の財政は群馬銀行に牛耳られることだろう。
**********
【岡田公社理事長→岡田市長あての連帯保証依頼書】
安土開発第80号
平成20年12月26日
安中市長 岡田 義弘 様
    安中市土地開発公社 理事長 岡田義弘
和解10年後における「証」の連帯保証について
 このことについて、安中市におかれましては、前橋地方裁判所平成7年(ワ)第599号貸金・保証債務履行請求事件にかかる平成10年成立の和解に係る協議について、平成20年10月20日付安企発第17802号にて「平成21年から10年間は、毎年12月25日限り金2,000万円を支払う。」とした公社案に合意をいただいております。
 この合意に基づきまして、株式会社群馬銀行と協議をしたところ、調整が整ったことから、この内容に基づき12月8日開催の公社理事会において、本年差し入れる「証」について正式に承認されたところでございます。
 つきましては、株式会社群馬銀行へ差し入れる「証」における、安中市の連帯保証をいただきたく、ご依頼申し上げます。

【岡田市長→岡田公社理事長あての連帯保証承諾書】
安企発第20224号
平成20年12月26日
安中市土地開発公社
理事長 岡田 義弘  様
    安中市長 岡田 義弘(総務部企画課)
和解10年後における「証」の連帯保証について
 平成20年12月26日付け依頼を受けました標記の伴につきましては、これを承諾いたします。

【岡田公社理事長+岡田市長→群馬銀行あてのタゴ尻拭いのための証】

平成20年12月26日
株式会社群馬銀行 御中
    住 所 安中市安中一丁目23番13号 安中市役所内
    債務者 安中市土地開発公社 理事長 岡田 義弘
    住 所 安中市安中一丁目23番13号
    連帯保証人 安中市長 岡田 義弘
第1条 債務者は、前橋地方裁判所平成7年(ワ)第599号貸金・保証債務履行請求事件について平成10年12月9日成立の和解調書(以下、原調書という)にもとづき貴行に対して現在金18債5千万円也の債務を負担しているが、
 今般上記債務の支払方法を次のとおりとすることに合意する。
    記
支払方法
 平成21年から10年間、毎年12月25日限り金2千万円宛支払う。その余については原調書第4項第3号のとおり。
第2条 保証人は、この変更を承認のうえ引き続き保証人となり、債務者と連帯して債務履行の責に任ずる。
第3条 この証に別段の定めあるもののほかは、すべて原調書の各条項を適用する。
以 上
**********


タゴ・ファミリーの屋台骨を支える高崎の運送会社。出光石油の配送を多胡運輸に下請けに出し、この不況下でも安定した業務量を維持している。地元の著名な政治家と深いつながりを持つため、首都高もうかつに手出しが出来ないでいる。

■こうして、本日から今後10年間にわたり、岡田市長と岡田公社理事長は連帯して群馬銀行に、タゴ横領金の穴埋めの和解金として、毎年クリスマスに公金2000万円を支払うことを群銀と約束しました。その約束に従って、本日朝一番、2000万円が群馬銀行に送金されたことでしょう。

 当会では、タゴが横領した金は、事件に関係した方々が支払うべきもので、市民の財産である公社の資産から、和解金としてタゴ横領金の尻拭いを支出するのは止めるように、岡田市長に働きかけてきました。また、公社は、やはり10年前にタゴに対して損害賠償請求権を裁判で獲得していたので、それを群馬銀行への和解金支払いの担保として維持するよう、再提訴するように岡田市長に要請してきました。

 しかし、岡田市長は、「タゴへの損害請求はきちんと行いたい」というだけで、今年6月初めの10年の時効到来については何のコメントもせず、依然として、「タゴからきっちり取る」と口だけは達者です。実際には、岡田市長は、タゴ事件のことは、とっくに過去の出来事として認識していることでしょう。

■というわけで、タゴ事件の関係者にとっては、今日のクリスマスは格別な想いがあるとおもわれます。とくに、タゴ一族にとっては、14億円余(当会の試算では20億円以上)の巨額使途不明金が、晴れて自分のものになる上に、今後、10年間、2億円のカネを行政が公金から支払って、事件の尻拭いをしてくれるのですから、その喜びたるや、想像にあまりあります。


首都高炎上事故の賠償請求もなんのその。今日も元気な多胡運輸は「メリークリスマス!」。安中市民は「Many 苦しみます!」

 昨年は、群銀との和解金支払いの10年目の節目でしたが、1年前の明日、岡田市長が公社と連帯して、群馬銀行に「証」と差し出した当時、市民の間では、次のような情報が飛び交っていました。

◆平成11年12月8日、群銀と締結した和解案の中に「10年後、見直しをする」という条件がありました。岡田市長は、群銀との交渉では個人的には“一生懸命努力”したようですが、この件について、タゴ事件の真相を知る他の関係者(10年前の助役、前市長、この103年ローンを推進した前市役所職員=現安中市議、その他市職員ら)に相談せず、単独で市長という公権力と執行権を乱用した結果、「証」の書面どおり、残り93年間毎年2000万円ずつ年末に支払うことになってしまいました。

◆平成7年5月18日、安中市の利権集団にとってはサンタクロースのような存在だった元職員タゴが、安中市の公金に手を付けたのが発覚したとき、市長室で、助役をはじめ数人の市幹部らが、タゴに詰問したところ、利益追求を考えた群銀の職員2名と、タゴに、ダニのように喰らい付いていた市議数人の名前が共犯者として挙がったのでした。事の重大さを知った助役らは、事件の真相の隠匿を図るために、同年5月31日にタゴを懲戒免職にするまでに、ありとあらゆる手段をとりました。

◆平成7年6月3日、高崎の弁護士に付き添われ警察に出頭したときには、この世紀の巨額横領事件は、タゴ本人だけがたったひとりでおこした単独犯の事件という事にされてしまい、その他の一切の共犯者の名前が抹殺されてしまいました。これで群銀も助かり、タゴから金品のおこぼれを頂戴した市議や市職員も、その後、退職金を満額せしめた者も含めて、いまではそ知らぬ顔で大手を振って市内を闊歩しています。しかも、相変わらず市の利権のおよぶ各種の分野で、いろいろと活躍しているのです。

◆タゴを利用しても、不正がばれる心配がなくなった群銀と安中市の事件関係者は、この史上空前の巨額横領事件の真相を一層わかりにくくするため、敢えて民事裁判を起こし、これまた前代未聞の「103年ローン」という和解案を裁判所に誘導させて、決着を図ったのです。そこには、税金という濡れ手に粟の、打ち出の小槌があったからこそ、思いついた悪知恵でした。

◆この和解案は表向きであって、預金量5兆円を誇る群銀としては債務放棄も考えていましたが、「直ちに債務放棄をすると勘ぐられる」という事で、10年経ったらそれ相当の筋からの依頼があれは債務放棄をするよう腹をくくっていたのです。それ相当の筋とは群馬県、国レベルの自民党議員からの依頼という意味です。

◆市議時代、タゴとは安中市土地開発公社の元職員と理事監事という間柄で、一緒に仕事をしていた岡田市長が、このような事をご存知ないはずがありません。しかし、群銀との交渉を事実上ひとりでこなし、そのやりとりは書面に書き残さず、すべて口頭で行ったのです。しかも、10年前に議会の決議を受けたからとして、議会の全員協議会で報告しただけで、群馬銀行に103年ローンの支払い継続を約束してしまったのです。

◆このような無思慮な単独行動により、現存する文書どおりに群銀に残りの18億円余も支払うことになってしまったというのが、10年目の節目で岡田市長が選択した結果です。「10年経ったら51億円横領事件も終わる」と信じていた事件関係者は、岡田市長のおかげで、事件の真相が明るみに出ずに済んでいることにはホッと胸をなでおろすものの、事件の損害の痕跡にピリオドを打てないことに落胆を隠しきれず、このようなボヤキ話が聞こえてきたものでした。

■こうして、タゴ事件の痕跡は、103年ローンとして、引き続き、少なくともあと10年は、安中市の財政の重しとなることが決まったのです。本日、その最初の支払いが行われ、群馬銀行でも、安中市役所でも、タゴに世話になったことのある職員やOBらは、それぞれいろいろな想いをめぐらせたことでしょう。そして、タゴも、首都高炎上事故による45億円の債務を蹴飛ばして、意気揚々と多胡運輸を切り盛りするファミリーと一緒に、14年ぶりのクリスマスをシャバで楽しく過ごしていることでしょう。


タゴ・ファミリーを支える多胡運輸所有の虎の子の出光アポロマークのタンクローリー軍団。首都高横転炎上で1台喪失したが、依然として意気軒昂。

 タゴ事件の尻拭いをしなければならない安中市民は、来年4月11日の市長選で、岡田市長の対抗馬を出せるのかどうかも分からないほど、日々の暮らしで精一杯です。このような安中市政が、あと何年続くのか…そのうち、タゴが市長選に出馬しても、安中市民はもう驚かなくなっているかもしれません。

■今日の群馬銀行への和解金の支払いを阻止するために、当会は、議会の議決や市民の合意を得ていない安中市長による連帯保証書の発行は無効だとして、住民監査請求を行いました。

 予想通り、安中市監査委員は、当会の監査請求を棄却しました。そこで、前橋地方裁判所に住民訴訟を提起することも真剣に検討しました。しかし、岡田市長の率いる安中市が、タゴに対する賠償請求の努力は怠らない、といっている以上、裁判で勝ち目はありません。

 それでなくても、行政訴訟で住民の勝ち目は限りなく薄いのが現状です。ここは、岡田市長の約束を盾に、その履行を迫ってゆくほうが現実的だと判断しました。

■今後とも、タゴ51億事件の真相究明と責任の所在明確化を粘り強く遂行するとともに、再発防止にむけた安中市政の“脱古改新”(岡田市長のキャッチフレーズを引用)の目付け役として、当会の活動にご注目賜りますようお願い申し上げます。

【ひらく会事務局】


代議士も顔負けの立派な選挙事務所。本来は、牧草小屋として建築許可を無理やり取得したが、中にはエアコン、電気、ガス、水道、電話が完備。ちょうどこの日は、秩父の産廃運送会社のトラックが駐車。小屋の中でなにやら商談中か。↑

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