市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

市内ソーラー発電施設2件の造成で通報された不審物質を廃棄物と認定したがらない安中市

2020-02-28 21:45:00 | 全国のサンパイ業者が注目!

■昨年12月25日のタゴ51億円事件にかかる群銀との和解20年目の和解に関する市民向け報告会に集った住民の方から報告のあった市内二カ所に投棄された得体のしれない土砂物質について、新年早々、現地調査を行った当会は、1月9日付けで安中市長に報告をしていました。その後、無しのつぶてのため、1月30日に環境政策課に電話をしたところ、「秘書課のほうでまとめており、もう少し時間がかかると思います。2月中旬ごろ回答があると見込まれます」というので、待っていたところ、2月16日に回答がありました。この経緯をご報告します。

安中市内の運転開始ソーラー施設出力累積。この5年間で5倍に増加!これには今年1月3日に運転を開始した安中ソーラー合同会社のメガソーラーの出力63.2MWは含まれていない模様。


安中市内の運転開始ソーラー施設件数累積。この5年間で倍増!

 当会が安中市長あてに提出した報告内容は次の通りでした。

*****市長への報告*****

                            2020年1月9日
〒379-0192 安中市安中1-23-13
安中市長 茂木英子 様
(建設部都市整備課、市民部環境政策課)

                       〒379-0114安中市野殿980
                       小川 賢
                       携帯090-5302-8312
Eメール ogawakenpg@gmail.com

件名:市内ソーラー発電施設造成地の土砂条例違反の疑義のある現場について(報告)

 平素より、秩序ある街のインフラ整備と市民の安全・安心な環境維持のため、ご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、先日、市民の方から、次の2か所において、不自然な形質の土砂が埋土や盛土として使用されている現場があるとの報告があり、実際に現地を訪問して調査した結果を次に報告します。

【現場その1】国道18号沿いの郷原の妙義道常夜燈の隣のソーラー施設
 国道18号線と旧中山道の交わる交差点脇に、セブンイレブン安中郷原店(〒379-0135 群馬県安中市郷原1475-1)があり、国道18号線の交差点を隔てた向かい側に、郷原の妙義道常夜燈があります。そのすぐ隣に、最近できたと思われるソーラー発電施設があります。


郷原の妙義道常夜燈。


施設表示板を見ると、「松一安中郷原発電所(設備ID:AH87898C10)」という名称の49.5kwのソーラー発電施設で、2018年10月20に運転開始され、事業者と保守管理責任者は神奈川県横浜市南区大岡1-58-9の「松尾不動産株式会社」とあります。


右は国道18号、フェンス入口外まで真黒な粒状の物質が地表に敷き拡げられています。黒色のサラサラした物質は、フェンスの内側に大量に広がっています。


フェンスの内側にばら撒かれた黒色の物質。


フェンス用の白色のワイヤー網のストック棚の周囲にも大量の黒色物質が散乱しており、奥には、山積みになっているところもある。


おそるおそる手に取ってみると、なにやら鉱物的な感触がします。スラグの一種かもしれません。

 触った後は、直ちに向かいのコンビニに飛び込み、手洗いを励行しました。
ぜひ、市民の安全・安心の観点から、誰がどこから持ち込んだもので、どのような成分から構成され、どのような由来で、何のために持ち込んだのか、調査くださるようお願いします。
 有害物質を含む特定有害産業廃棄物であれば、さらに近隣住民の安全・安心な生活環境の保全への脅威となります。しっかりと調査くださるようお願い申し上げます。

【現場その2】県道48号沿いの下後閑の北野寺入口付近の造成地
 県道48号線「下仁田安中倉淵線」沿いに下後閑のあさひ第二保育園からさらに数百メートル北上すると、北野寺の入口の看板を過ぎて間もなく右手のくぼ地が埋め立てられて造成中です。おそらくソーラー発電施設の設置が計画されている可能性が高いと思われます。


北野寺の入口看板。


赤色のレンガの破片のような物質が大量に盛土として使われている。


奥には赤色や灰色の物質がうずたかく積まれており、これらを敷きならして造成工事が進められています。


相当広い面積を造成中です。Google Mapで見ると3,000㎡を超えそうな面積です。


青色のカラータイルの破片のような物質も大量に含まれています。しかもそれが県道にはみ出しています。


もともと農地らしい土地だったところをかなり高く盛土をしています。


斜面の部分は灰色の物質ですが、内側には赤色のレンガ屑のような物質を敷きこんでいるようです。


ズラリと並んだ重機で、急いで造成工事を済ませようとしている様子がうかがえます。


重機には所有者の記載が見当たりませんが、唯一小型のブルドーザーの操縦席の窓ガラスに「+o1」のロゴを見つけました。↑


↑どうやら「+o1」と読めるのは㈱トーイコーポレーション(〒379-0102 群馬県安中市東上秋間373)のことのようです。↑




見た目には明らかに残土としては不適切な物質と思われます。また、造成面積が3,000㎡を超えている可能性もあり、3,000㎡以下の場合の「安中市土砂等による埋立て等の規制に関する条例(土砂条例)」ではなく、群馬県の残土条例の適用を受けることになるのかもしれません。

 いずれにしましても、産業廃棄物の可能性がありますので、なぜ業者がこのような造成をするに至った手続きを含め、残土・土砂の由来や成分分析など、必要な調査及び結果の公表について協力に推進いただけますよう、ぜひお願い申し上げます。
                            以上
**********

■その後、1月30日15:43に、安中市環境政策課に電話を入れたところ、冒頭のとおり「調査を終えたが、都市整備課の回答文と合わせて、秘書課のほうでまとめ中なので、遅くなって申し訳ないが、2月中旬頃お答えできる見通し」という返事でした。

 そのため、2月1日に再度現地を訪れてみました。

【現場その1】国道18号沿いの郷原の妙義道常夜灯の隣のソーラー施設
https://www.google.com/maps/@36.3068595,138.8224491,195m/data=!3m1!1e3



 まず目に入ったのは、国道18号沿いに建てられた看板です。前回元旦に訪れたときは見当たりませんでした。当会が安中市に報告し、安中市が業者に連絡したため、急遽立てられたようです。

 看板にある前橋市亀里町のダイアモンドライト株式会社のHPで確認してみると、次のことが分かります。
http://diamondlight.jp/

 この看板で紹介されている「草が生えない砂」についても、同社のHPに次のように説明がなされています。

**********
<人工砂>
廃棄物から生まれる新しい資源
 近年、コンクリート骨材やアスファルト合材に使用される良質な砂の調達が困難となっています。
 その一方で、産業廃棄物は処分コスト問題や埋立処分場の確保が困難なことから年々増加し、その排出量は年間約4億トンにものぼります。
 こうした背景から、環境保護、資源再利用のために産業廃棄物溶融固化物から製造した人工砂を天然砂の代替として使用されることが注目されています。
 また、当社の溶融固化物は独自の技術によって適切な温度と溶融時間が確保されており、酸化カルシウム(CaO)や参加(ママ。酸化か)アルミニウム(Al2O3)、酸化鉄(Fe2O3) 、酸化マグネシウム(MgO)などが安定した状態になっているため、コンクリートやアスファルトの骨材としても安心にご利用頂けます。
<人工砂とは?>
 廃棄物等を概ね1,200度以上の高温条件下で加熱し、被溶融物中の有機物を熱分解、ガス化及び燃焼し、無機物を溶融した後、冷却固化し、得られたガラス質又は結晶質の固化物をいいます。
 この被溶固化物から磁性物を除去し、破砕機や整粒機等で粒を揃えることにより、砂状の人工砂となります。
<人工砂「ダイヤモンドサンド」の特徴>
①低コスト
 原材料が廃棄物のため、天然の山砂や川砂に比べ1/10程度の価格となり安価な金額でご提供が可能です。
②安定供給
 原材料である廃棄物は毎日安定して運び込まれ、溶融処理された後に人工砂となります。年間の人工砂生産量は約12,000tです。
③ECO
 廃棄物を溶融することにより、最終的に埋立処分する量が減少します。更に、人工砂を利用することで廃棄物の再資源化に寄与します。
 自然の砂の消費を抑える事で、自然破壊を制御します。
**********

 どうやら溶融スラグを粉砕したもののようです。いくら高温で溶融してガラス固化状態だと言っても、そもそもどんな廃棄物を溶融したのか分からないため、その成分が気になるところです。





 次にもう1カ所の現場に行ってみました。

【現場その2】県道48号沿いの下後閑の北野寺入口付近の造成地

 こちらは、ほぼ造成工事を終えていました。太陽光パネルらしき資材も隅に搬入され始めていました。













 ところが、相変わらずカラータイルやレンガを破砕したとみられる物体はそのままの状態で現場に敷きこまれていました。安中市はほんとうに業者に指導したのでしょうか。

■と思っているうちに、あっというまに2週間が過ぎ、2月14日に市役所から1通の手紙が届きました。開封してみると、安中市秘書課からの回答書でした。



*****市秘書課からの回答*****ZIP ⇒ 20200216s.zip
                            安秘発第2294号
                           令和2年2月13日
安中市野殿980
小川 賢 殿
                        安中市長 茂 木 英 子
                        (総 務 部 秘 書 課)

  市内ソーラー発電施設造成地の土砂条例違反の疑義のある現場について

 日頃より市行政に対しご理解とご協力をいただきましてありがとうございます。
 令和2年1月9日付で小川様からご意見をいただいた件につきまして、下記のとおり 返答いたします。

【現場その1】国道18号沿いの郷原の妙義道常夜灯の隣のソーラー施設
 「現場その1」に敷設されている「黒色の物質」につきましては、市の所管である 一般廃棄物に該当するとは断定できませんでした。(市民部環境政策課)
 安中市土砂等による埋立て等の規制に関する条例(以下「土砂条例」という。)第2条により、「土砂等」につきましては「土砂及び土砂に混入し、又は付着した物」と規定さ れており、建設工事に伴い排出された土砂等を想定しております。したがいまして、ご指摘のありました「現場その1」の「黒色の物質」につきましては「産業廃棄物溶融固化物から製造した人工砂」(現場に立っていた看板記載のダイヤモンドライト株式会社のホームページより)であり、再生材でございますので、土砂条例の適用とはなりません。(建設部都市整備課)

【現場その2】県道48号沿いの下後閑の北野寺入口付近の造成地
 「現場その2」に敷設されている「赤色のレンガの破片のような物質」や「青色のカラータイルの破片のような物質」等につきましては、市の所管である一般廃棄物に該当するとは断定できませんでした。(市民部環境政策課)
 こちらの現場につきましては、 土砂条例の規定による手続きが必要な範囲において、 同条例の手続きがされております。ただし、「現場その1」と同様、「赤色のレンガの破片のような物質」や「青色のカラータイルの破片のような物質」などにつきましては土砂条例の適用とはなりません。(建設部都市整備課)

 以上ですが、よろしくお願いいたします。
**********
※安中市土砂条例 ZIP ⇒ dosyajyourei.zip

■これをみて、なぜ安中市が、ビックカメラの子会社が安中市小俣地区で稼働中のメガソーラー地内に有害なフッ素などを土壌汚染防止法および廃棄物処理法で定める基準値以上含む大同スラグを大量に持ち込んでも何一つ行政指導をしようとしないワケがわかります。

 これでは、東邦亜鉛の1万ppmを超える高濃度の鉛や、ヒ素など重金属を含む有毒スラグと、カラータイルなどの廃材を粉砕して混合し、粒度を揃えて「雑草の生えない便利な資材」として、高崎市や榛名町の資材店経由で民家の庭にばらまいた東邦亜鉛非鉄スラグの加工品であっても、安中市の環境政策課では「市の所管である一般廃棄物に該当するとは断定できません」と言い、都市整備課では「土やその付属物として認定されないので、土砂条例の適用とはなりません」と言っているので、安中市内では堂々とソーラー発電施設の造成工事の盛土や埋土に使えることになります。

 これでは、市役所の任務である住民の生活環境の保全は望めません。行政として、あきらかに普通ではない資材をつかっていることは確実なので、どのような問い合わせや調査を業者に対してしたのかしないのか、また、残土条例に基づく手続きがどのような形でおこなわれたのか、検証する必要性がありそうです。

【ひらく会情報部からの報告】

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【一太県政】一部職員が私物化する群馬県庁の不明朗人事の弊害と、障害をもつ特定職員への過度な優遇実態

2020-02-28 16:32:00 | 県内の税金無駄使い実態


■障害者雇用促進法は、国や自治体、民間企業等に一定割合以上の障害者の雇用を義務づけています。これを「法定雇用率」といいます。国や地方自治体には、率先して障害者雇用に取り組むために、民間企業に比べて高い法定雇用率が課されています。ところが2018年8月に国レベルでこの法定雇用率が水増しされている実態が発覚しました。続いて、地方自治体でも同様に水増しの実態が明らかにされました。我らが群馬県でもご多分に漏れず、デタラメな運用をしていましたが、最近、群馬県行政の人事管理を巡り、実に不透明な実態が県庁3階で起きていることが判明したのです。当会のこれまでの調査結果と対応について取り急ぎご報告します。

県庁3階会計局。



県庁3階会計局職員配置図。

 2018年9月22の朝刊に群馬県の障害者雇用水増しについての調査結果が掲載されていました(末尾の参考情報参照)。そこには「169人の水増し」とあり、理由について「ガイドラインに対する理解が不十分だった」と県総務部人事課の釈明が記されていました。

 この障害者雇用水増し問題は、2018年8月に国レベルで発覚した雇用に関する不祥事で、省庁及び地方自治体等の公的機関において、弱視とか健康診断で異常が発見された職員など障害者手帳の交付に至らない、即ち障害者に該当しない者を自己申告で障害者として雇用し、障害者の雇用率が水増しされていたもので、他県が早々に調査結果を公表する中、群馬県は「調査中」との回答を繰り返していましたが、この日ようやく公表に至りました。

 このように当時の大澤知事は障害者雇用促進を公約に掲げていましたが、それに反することを県自体がやっていたのでした。県労働政策課の障害者就労支援係が民間企業に対して、障害者雇用促進に係る働きかけも行なっており、障害者手帳などがないと雇用数に算入できないことは県としても承知していたはずですが、秘密主義が対応する行政内では、水増しというズサンな事務が横行していたわけで、不誠実な群馬県行政を象徴しています。

 こうした最中、当会の調査により、脳機能障害を持つ幹部職員が、さながら認知症同然であるにもかかわらず10年間も高給を支給され、再任用後も閑職ながら法外な報酬を受け取っている実態が判明しました。そのため、当会では事実関係を確認すべく、次の内容の公開質問状を山本一太知事に提出しました。

*****知事あて公開質問状*****ZIP ⇒ 20200205j.zip
                         令和2年2月5日
〒371-8570
前橋市大手町1-1-1
群馬県知事 山本一太 様
                 〒371-0801
                  前橋市文京町一丁目15-10
                  市民オンブズマン群馬
                  代  表 小川 賢
                  事務局長 鈴木 庸

          公 開 質 問 状

 県庁で進められている障害者雇用促進に関連して、県庁の会計局に勤務している平成30年3月末退職の再任用職員(男性)について、次のとおり質問いたしますので、令和2年2月14日(金)までに文書にて回答願います。

1.この職員は会計局のどの部署にいつから再任用職員として配置されているのか。(途中、異動があれば、その年月日と異動前後の部署名も含む)

2.この職員の平成30年3月末退職時の所属部署と職位は何か。

3.この職員は、かつて10年ほど前に病気で倒れたことがあると思うが、その後から現在に至るまで、どのような後遺症の診断結果の報告を貴殿は受けているのか。(途中、診断結果に変動があれば、その年月と前後の診断結果も含む)

4.現在、県庁では障害者の雇用を積極的に進めているが、この職員は、障害者雇用促進の人数としてカウントされているのか。

5.この職員の月額給与総額(ボーナスを含めた年間総給与を12カ月で割った額)は概ね次のどれか?
  「10万円未満」
  「10万円以上~15万円未満」
  「15万円以上~20万円未満」
  「20万円以上~25万円未満」
  「25万円以上~30万円未満」
  「30万円以上~35万円未満」
  「35万円以上~40万円未満」
  「40万円以上」

6.この職員に、期末手当・勤勉手当、及び、職制上の段階、職務の級等による加算措置として、役職加算、管理監督者加算など、どの手当や加算が支給されているか。

7.この職員は、平成31年に車輛運転による物損事故を起こしていると思うが、貴殿は事故報告をうけているか。報告をうけている場合、貴殿はどのような対応措置をとったか。

8.県庁には業績評価制度があると思うが、この職員の過去16年間の業績評価シートの内容はどのようなものだったのか。

9.県庁は障害者雇用として、チャレンジウイズぐんまという制度があり、障害者の方に文書の配送や宛名貼などの業務をやっていただいていると思うが、この職員もその制度に基づく雇用なのか。

10.チャレンジウイズぐんまの制度で雇用されている障害者の方の給与レベルは、概ね次のどれか。
  「10万円未満」
  「10万円以上~15万円未満」
  「15万円以上~20万円未満」
  「20万円以上~25万円未満」
  「25万円以上~30万円未満」
  「30万円以上」

11.県庁における障害者の雇用については、人事課の所掌だと思うが、人事課には障害者が配属されているか。配置されていない場合、その理由はなぜか。

 県民に信頼される公平な県庁のため、以上を調べてご回答いただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

                               以 上
**********

■すると、回答期限ギリギリで、県総務部人事課から次の回答がFAXで送られてきました。

*****ファクシミリ送信票*****ZIP ⇒ 20200214fax.zip
<群馬県庁 総務部 人事課 Fax:027-223-3100 2020年2月14日(金)17:00 P001/002>

送信日時 令和2年2月14日 17時00分
送 信 先 市民オンブズマン群馬 代表 小川 様
発 信 者 群馬県総務部人事課企画係 TEL 027-897-2658(直通)FAX 027-223-3100
件  名 公開質問状への回答について
送信枚数 A4 1枚(本票を除く)

<群馬県庁 総務部 人事課 Fax:027-223-3100 2020年2月14日(金)17:00 P002 /002>
                       人第30052-10号
                       令和2年2月14日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢 様
                    群馬県知事 山本 一太
                     ( 人 事 課 )

          公開質問状への回答について

 令和2年2月5日付け公開質問状について、下記のとおり回答します。

                 記

質問1~質問9
(回答)公開質問状の「会計局に勤務している平成30年3月末退職の再任用職員(男性)」については、特定することができませんので、1から9までの質問については、回答できません。

質問10
(回答)「10万円以上~15万円未満」に該当します。

質問11
(回答)個人情報に該当するため、回答を差し控えます。
**********

■どうやら退職時期がズレていたようなので、あらためて次の公開質問状を一太知事に再提出しました。

*****知事あて公開再質問状*****ZIP ⇒ 20200217j.zip
                         令和2年2月17日
〒371-8570
前橋市大手町1-1-1
群馬県知事 山本一太 様
                 〒371-0801
                 前橋市文京町一丁目15-10
                 市民オンブズマン群馬
                 代  表 小川 賢
                 事務局長 鈴木 庸

          公 開 再 質 問 状

 県庁で進められている障害者雇用促進に関連して、県庁の会計局に勤務している平成29年3月末あるいは平成31年3月末退職の再任用職員(男性)について、次のとおり質問いたしますので、令和2年2月21日(金)までに文書にて回答願います。

1.この職員は会計局のどの部署にいつから再任用職員として配置されているのか。(途中、異動があれば、その年月日と異動前後の部署名も含む)

2.この職員の平成29年3月末あるいは平成31年3月末退職時の所属部署と職位は何か。

3.この職員は、かつて10年ほど前に病気で倒れたことがあると思うが、その後から現在に至るまで、どのような後遺症の診断結果の報告を貴殿は受けているのか。(途中、診断結果に変動があれば、その年月と前後の診断結果も含む)

4.現在、県庁では障害者の雇用を積極的に進めているが、この職員は、障害者雇用促進の人数としてカウントされているのか。

5.この職員の月額給与総額(ボーナスを含めた年間総給与を12カ月で割った額)は概ね次のどれか?
  「10万円未満」
  「10万円以上~15万円未満」
  「15万円以上~20万円未満」
  「20万円以上~25万円未満」
  「25万円以上~30万円未満」
  「30万円以上~35万円未満」
  「35万円以上~40万円未満」
  「40万円以上」

6.この職員に、期末手当・勤勉手当、及び、職制上の段階、職務の級等による加算措置として、役職加算、管理監督者加算など、どの手当や加算が支給されているか。

7.この職員は、平成31年に車輛運転による物損事故を起こしていると思うが、貴殿は事故報告をうけているか。報告をうけている場合、貴殿はどのような対応措置をとったか。

8.県庁には業績評価制度があると思うが、この職員の過去16年間の業績評価シートの内容はどのようなものだったのか。

9.県庁は障害者雇用として、チャレンジウイズぐんまという制度があり、障害者の方に文書の配送や宛名貼などの業務をやっていただいていると思うが、この職員もその制度に基づく雇用なのか。

10.県庁における障害者雇用促進の施策については、人事課の所掌だと思うが、人事課には障害者雇用に該当する職員が配属されているか。配置されていない場合、その理由はなぜか。

 県民に信頼される公平な県庁のため、以上をあらためて調べて誠実にご回答いただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

                               以 上
**********

■再質問状への回答は、やはり期限日の2月21日にFAXで届きました。


*****ファクシミリ送信票*****ZIP ⇒ 20200221.zip
<群馬県庁 総務部 人事課 Fax:027-223-3100 2020年2月21日(金)17:00 P001/002>

送信日時 令和2年2月21日 17時00分
送 信 先 市民オンブズマン群馬 代表 小川 様
発 信 者 群馬県総務部人事課企画係 TEL 027-897-2658(直通)FAX 027-223-3100
件  名 公開再質問状への回答について
送信枚数 A4 1枚(本票を除く)

<群馬県庁 総務部 人事課 Fax:027-223-3100 2020年2月21日(金)17:01 P002 /002>
                       人第30052-11号
                       令和2年2月21日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢 様
                    群馬県知事 山本 一太
                     ( 人 事 課 )

          公開再質問状への回答について

 令和2年2月17日付け公開再質問状について、下記のとおり回答します。

                 記

質問1
(回答)会計局審査課に平成31年4月1日付けで配置されており、年度途中で国費・決算係から審査・指導係に配置されています。

質問2
(回答)退職時(平成31年3月31日付け)における所属は教育委員会事務局特別支援教育課であり、職位は次長です。

質問3
(回答)任命権が異なるため、人事課は把握していません。

質問4~質問7、質問10
(回答)個人情報に該当するため、回答を差し控えます。

質問8
(回答)人事管理上の支障があるため、回答を差し控えます。

質問9
(回答)当該職員は、チャレンジウィズぐんまにより雇用された職員ではありません。
**********

■これでは、質問と回答の関係がよくわからないと思いますので、Q&Aを対比させてみました。県人事課の回答(A)赤字で示してあります。

**********
                       令和2年2月17日
〒371-8570
前橋市大手町1-1-1
群馬県知事 山本一太 様
                 〒371-0801
                 前橋市文京町一丁目15-10
                 市民オンブズマン群馬
                 代  表 小川 賢
                 事務局長 鈴木 庸

          公 開 再 質 問 状

 県庁で進められている障害者雇用促進に関連して、県庁の会計局に勤務している平成29年3月末あるいは平成31年3月末退職の再任用職員(男性)について、次のとおり質問いたしますので、令和2年2月21日(金)までに文書にて回答願います。

1.この職員は会計局のどの部署にいつから再任用職員として配置されているのか。(途中、異動があれば、その年月日と異動前後の部署名も含む)
(A)会計局審査課に平成31年4月1日付けで配置されており、年度途中で国費・決算係から審査・指導係に配置されています。

2.この職員の平成29年3月末あるいは平成31年3月末退職時の所属部署と職位は何か。
(A)退職時(平成31年3月31日付け)における所属は教育委員会事務局特別支援教育係であり、職位は次長です。

3.この職員は、かつて10年ほど前に病気で倒れたことがあると思うが、その後から現在に至るまで、どのような後遺症の診断結果の報告を貴殿は受けているのか。(途中、診断結果に変動があれば、その年月と前後の診断結果も含む)
(A)任命権が異なるため、人事課は把握していません。

4.現在、県庁では障害者の雇用を積極的に進めているが、この職員は、障害者雇用促進の人数としてカウントされているのか。
(A)個人情報に該当するため、回答を差し控えます。

5.この職員の月額給与総額(ボーナスを含めた年間総給与を12カ月で割った額)は概ね次のどれか?
  「10万円未満」
  「10万円以上~15万円未満」
  「15万円以上~20万円未満」
  「20万円以上~25万円未満」
  「25万円以上~30万円未満」
  「30万円以上~35万円未満」
  「35万円以上~40万円未満」
  「40万円以上」
(A)個人情報に該当するため、回答を差し控えます。

6.この職員に、期末手当・勤勉手当、及び、職制上の段階、職務の級等による加算措置として、役職加算、管理監督者加算など、どの手当や加算が支給されているか。
(A)個人情報に該当するため、回答を差し控えます。

7.この職員は、平成31年に車輛運転による物損事故を起こしていると思うが、貴殿は事故報告をうけているか。報告をうけている場合、貴殿はどのような対応措置をとったか。
(A)個人情報に該当するため、回答を差し控えます。

8.県庁には業績評価制度があると思うが、この職員の過去16年間の業績評価シートの内容はどのようなものだったのか。
(A)人事管理上の支障があるため、回答を差し控えます。

9.県庁は障害者雇用として、チャレンジウイズぐんまという制度があり、障害者の方に文書の配送や宛名貼などの業務をやっていただいていると思うが、この職員もその制度に基づく雇用なのか。
(A)当該職員は、チャレンジウィズぐんまにより雇用された職員ではありません。

10.県庁における障害者雇用促進の施策については、人事課の所掌だと思うが、人事課には障害者雇用に該当する職員が配属されているか。配置されていない場合、その理由はなぜか。
(A)個人情報に該当するため、回答を差し控えます。

 県民に信頼される公平な県庁のため、以上をあらためて調べて誠実にご回答いただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

                         以 上
**********

■当会は一太知事に公開質問したのですが、回答はなぜか人事部からだけで、教育委員会からは何も返事がありません。

 また、公務員の給与や勤務評価にかかる情報がなぜ個人情報だから、とか、人事管理上支障があるから、などという理由で不開示となる理由も理解できません。

 そこで、当会では本日2月28日午前、次の内容の職員措置請求書(=住民監査請求書)を県監査委員あてに提出しました。



*****職員措置請求書*****ZIP ⇒ 20200228zivcpesxoj.zip
            群馬県職員措置請求書

 群馬県知事及び教育委員会に関する措置請求の要旨

第1 請求の要旨

1 誰が(請求の対象となる執行機関又は職員)
  知事部局(総務部人事課、会計局)および教育委員会。

2 いつ、どのような財務会計上の行為をしたか(又はしなかったか)
  昨今、事業所における障害者の雇用率が問題になっています。事実、県庁においても2018年9月、169人の水増しが発覚したところです(事実証明書1)。県は是正に努力しているといいますが、2019年12月26日に群馬労働局の発表によれば、群馬県内の公的機関51団体の障害者の雇用率は依然として法定(県・市等2.5%、教委2.4%)以下のところ19団体もあり、とりわけ知事部局は全国ワースト3です(事実証明書6)。
  県は「ガイドラインに対する理解が不十分だった」と見え透いた言い訳をしましたが、他県が早々に調査結果を公表する中、群馬県は「調査中」との回答を続けた挙句、ようやく公表に至りました。県労働政策課の障害者就労支援係が民間企業に対して、障害者雇用促進に係る働きかけも行なっており、障害者手帳などがないと雇用数に算入できないことは県としても承知していたはずです。
  このようにデタラメな知事部局ですが、障害者の雇用においても杜撰な対応が行われています。
  会計局審査課に1名の再任用職員(仮にA氏とする)がいます。A氏は2019年4月に退職し、退職時は教育委員会で次長職だった(事実証明書2)。当会の独自調査によると、A氏は10年ほど前に脳卒中で倒れ右半身にマヒが残りましたが職場復帰し、次長として、その後ずっと教育委員会特別支援教育課に在籍していました。
  そして、前述のとおり2019年3月で定年退職し、その後再任用を希望し、かつて在籍したことのある審査課に配置されました。当初は国費・決算係に配置されていましたが、その後、2019年夏ごろ審査・指導係に配置替えとなりました。
  県庁3階にある会計局は平時訪れる職員も少なく、2015年3月10日には、職務時間中に行政事務用に貸与したパソコンを使って自宅から持ち込んだアダルト動画のファイル名などを編集する操作を長期間にわたって行い、職務専念義務に違反したとして、県は会計局の補佐兼係長の50代男性を同日付で停職15日の懲戒処分にしたことがありました。しかし、そのアダルト動画の編集に没頭していた職務時間の給料の返納を求めなかったため、請求人が住民監査請求で県に回収させたことがありました。
  ことほど左様に閑職をあてがう部署として、会計局は適しているらしく、再任用されたA氏も県庁3階の同局に配属となったようです。
  事実、ときたま会計局を訪れる県の職員のかたがたも、A氏が殆ど寝ている様子しか見かけておらず、他に職員が誰もいないような時、A氏は、倒れてしまうのではないかと心配するくらい体を倒して寝ており、しかもよだれを垂らしている姿さえ目撃されているようです。
  こうしたA氏の日常の勤務状況について、当然、審査課はじめ会計局の職員の皆さんは誰もが知っているはずですから、人事課に「なぜ、このような人物を回したのか?」と疑問に思い相談があって当然のはずです。
  にもかかわらず、すでに再任用されて1年がまもなく経過しようとしているにもかかわらず、人事課はA氏のことについて、請求人の公開質問に対し「個人情報だから」という理由でまともに回答しようとしません(事実証明書1~4)。
  しかも、こうした勤務状況が、A氏が10年前に発症した病気の後遺症であるならば、障害者手帳を持っていることでしょうから、障害者の雇用枠として採用している可能性があります。ところが、人事課は「A氏は業務支援ステーション『チャレンジウィズぐんま』の雇用枠ではない」ことは認めたものの、障害者かどうか、給与レベルはどの程度なのか、など、請求人からの確認要請に対して、「個人情報だ」として秘匿しています(事実証明書3・4)。
  人事課がなぜA氏のことを庇うのか、請求人には計り知れませんが、なんらかの背景があることがうかがえます。
  一方、A氏が2019年3月まで在籍していた教育委員会では、次長として勤務していました。次長と言えば、管理職手当も付く要職ですが、なぜかA氏が所属していた特別支援教育課では、「主監」という管理職ポストが追加されていました(事実証明書5)。
  A氏の病歴や行政評価についても、人事課に公開質問しましたが、個人情報だということで一切回答が得られません。当会の調査によれば、A氏は半身不随の不自由な身でありながら車で県庁に通勤することもあり、事実昨年も物損事故を起こしたようです。しかしA氏はそのことを職場に報告せず、たまたま県の生協の車両保険を付保していたことから事故が発覚したようですが、このことについても人事課は個人情報ということで口を閉ざしています。
  請求人は、A氏を糾弾するものではなく、出世半ばで病に倒れた事情については、不運であり気の毒であると思います。しかし、それと血税の無駄遣いとは別の話です。A氏はきちんとふさわしい環境で正しい治療を受けるべきであり、能力に応じた業務に従事し、それに見合った報酬を受け取るべきです。

3 それはどのような理由で違法又は不当であるのか
  地方自治法第2条の14項に定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」とする基本理念に違反しており、違法不当である。
  また、地方公務員法第35条に定める「職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない」とする勤務時間中の職務専念義務に違反しており、違法不当である。

4 その結果、群馬県にどのような損害が生じたのか
  A氏に対して、およそ10年前に発症してから今日に至るまで、いったいいくらの給与や諸手当が支給されたのか、人事課に聞いても、個人情報だからとして回答してもらえません。また、教育委員会在籍当時についても、「所管が異なるから」としてやはり回答が得られません。
  さらに、業績に見合った給与や手当が支払われているのかどうか確認しようとしましたが、人事課はやはり「個人情報だから」として、回答さえしようとしません。
  請求人の推測によれば、A氏は再任用職員として、毎月給与30万円程度得ており、さらに期末勤務手当まで支給されており、退職前の10年間、教育委員会に次長として配属されていた当時は、毎月50万円以上の給与と期末勤務手当が支給されていたものと想像されますが、人事課が回答してくれないため、勝手に推測するほかはありません。
  したがって、群馬県がチャレンジウィズぐんまのスキームで障害者のかたがたに支払っているとする給与レベル「10万円以上~15万円未満/月」を基準とすれば、年間少なくても(30-15万円/月)×12カ月=150万円/年が再任用期間中のこの1年間にA氏に過大に支払われることになります。さらに期末勤務手当などが加算されるとみられます。
  また、教育委員会における約10年間では、同様に(50-15万円/月)×12カ月=420万円/年が毎年A氏に過大に支払われ続けたことになります。さらに、A氏を配置することで、もうひとり主監を追加配置したことにより、少なくとも50万円/月×12カ月=600万円/年の追加費用がA氏のために毎年無駄に費やされたことになります。
  よって、群馬県には、A氏の再任用期間であるこの1年間で少なくとも150万円、さらに、それ以前の10年間で少なくとも4200万円+6000万円の損害が生じました。

5 監査委員にどのような措置を講じることを求めるのか
  監査委員におかれては、群馬県知事に対し、本件不正行為につき実態の把握と本件不正行為の原因究明、責任の明確化、および再発防止に取り組む義務をきちんと行使するよう勧告し、さらに総務部人事課および教育委員会の歴代幹部らに上記相当額の損害をA氏から回収したりそれが不可能な場合は自ら賠償したりする義務を負わせるよう、勧告することを求めます。


第2 請求者
  ・住所 群馬県前橋市文京町一丁目15-10
  ・氏名 市民オンブズマン群馬
      代表 小川 賢(自署・押印)
  ・連絡先(電話番号等) 027-224-8567(事務局長 鈴木庸)

 地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添えて、必要な措置を請求します。

                          令和2年2月28日

 群馬県監査委員あて

=====別紙=====
事実証明書1 令和2年2月5日付群馬県知事あて公開質問状

事実証明書2 令和2年2月14日付人事課からの回答FAX

事実証明書3 令和2年2月17日付群馬県知事あて公開再質問状

事実証明書4 令和2年2月21日付人事課からの回答FAX

事実証明書5 群馬県職員録(平成30年4月1日現在)273ページ抜粋

事実証明書6 群馬県の障害者雇用水増しに関する報道記事綴り
ZIP ⇒ uqpl.zip
**********

■これが受理された場合、今後、請求人である当会に対して証拠の追加提出や陳述の機会が与えられることになりますが、監査委員が果たしてどのような判断を下すのか、注目していきたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「群馬県の障害者雇用水増しの実態を報じた記事綴り」
**********上毛新聞2018年9月22日

県、障害者雇用水増し 半数の169人
◎「ガイドライン理解不足」
 中央省庁や地方自治体による障害者雇用率の水増しが相次いで発覚した問題で、群馬県は21日、昨年6月1日時点で障害者雇用数に計上した職員346人のうち、169人の障害者手帳や診断書が確認できなかったと発表した。346人とは別に8人が手帳を所持していたが、これを算入しても雇用率は県知事部局1.96%、県企業局0.81%、県教育委員会1.39%で、法定雇用率(県2.3%、県教委2.2%)を下回った。
 障害者手帳や指定医による診断書など厚生労働省のガイドライン(指針)が定める書類が確認できなかったのは、知事部局39人(報告した雇用数97人)、県教委125人(同229人)、企業局5人(同9人)。病院局は11人全員が確認できた。
 県人事課によると、内臓疾患や難聴、体が不自由といった自己申告などがあれば手帳を所持している場合と同様の事務処理が以前から行われていた。その理由を同課は「ガイドラインに対する理解が不十分だった」と釈明した。
 一方、昨年度に報告する対象だった障害者が知事部局で5人(身体3人、精神2人)、県教委で3人(身体2人、精神1人)いることが判明した。
 昨年度の雇用率は知事部局2.73%、企業局2.26%、県教委2.48%で、障害の程度や勤務形態を踏まえるといずれも法定雇用率を達成していた。再計算すると知事部局は16人、企業局は5人、県教委は93人が不足していた。
 問題を巡っては、多くの自治体が調査結果をすでに公表している。報道陣に対応が遅いと指摘された大沢正明知事は、「プライバシーの問題もあり、慎重の中でもスピード感を持つよう指示してきた。県教委を含め全て発表できる段階まで取り組んだため時間がかかった」と説明した。
◎当事者や家族、企業 憤り、不信広がる
 「がっかり。同時に憤りを感じる」。県身体障害者福祉団体連合会の杉田安啓会長(69)=高崎市=は県の調査結果を厳しい表情で受け止めた。県と連携し障害者の社会参加に取り組む立場。ショックは大きく、再発防止の徹底を求めた。
 障害のある子どもがいる西毛地域の50代女性は「言葉にならない。うそをつかれていたと感じる」と不信感をあらわにした。障害者雇用について「他人ごとでなく、理解し受け入れてくれる社会に変わってほしい」と訴えた。
 県は不適切な算定をした原因について「国のガイドラインへの理解不足があった」などと説明。障害者の就労支援に当たる社会福祉法人アルカディア(太田市)の中田駿理事長(71)は「ガイドラインの認識不足では済まされない問題。根本には、障害者への理解不足があるのではないか」と指摘した。
 県は障害者の採用に積極的な企業の表彰や登録制度を設けるなど、就労拡大の旗振り役の立場を取ってきた。登録制度に参加し、障害者14人を雇用するクリーニング業、第一ドライ(安中市)の堤一彦社長(66)は「県は障害者雇用に力を入れていたので、しっかりやっていると思っていた」と驚いた様子で話した。
 有識者には障害者雇用の在り方そのものを再考すべきだとする意見もある。群馬医療福祉大(前橋市)の新藤健太助教(障害者就労)は「法定雇用率といった数字を追い掛けるのではなく、本人の意欲を大事にして、健常者と分け隔てなく採用できる環境を整えるべきだ」と強調する。

**********産経新聞2018年9月22日07:01
群馬県、障害者雇用水増し 169人不正算入 制度の理解不足
 中央省庁などが雇用する障害者数を水増ししていた問題を受け、内部調査を進めていた県は21日、知事部局と企業局、県教育委員会で平成29年6月1日時点の職員に占める障害者の比率が法定雇用率(2・2~2・3%)を下回っていたと発表した。県全体では、国のガイドラインに示された障害者手帳などの確認ができない身体障害者ら169人を不正算入していたことが分かった。
 県は昨年、群馬労働局に対し、29年6月時点で雇用している障害者を346人と報告していたが、改めて調査を行った結果、障害者手帳が確認できない職員が半数近くを占めることが発覚した。
 県はこれまで、身体障害者手帳の有無を確認せず、本人の自己申告などで障害者として算入していた。県人事課は「全体的な制度に対する理解不足が原因だった」と説明している。今回の事態を受け、大沢正明知事は「今後は法定雇用率に近づけるため、しっかり前進させねばならない」と話した。

**********産経新聞201年10月18日07:08
群馬県、障害者雇用へ12月に選考
 障害者数の雇用割合の水増しが発覚した県は、不足した採用枠を補うため、身体障害者を対象とした平成30年度の選考考査を追加実施すると明らかにした。
 県によると、募集するのは行政事務職員で、来年4月1日に5人程度を採用する予定。身体障害者手帳を所持し、障害の程度が1~4級、採用時点で18~35歳で、県内に居住する身体障害者が対象という。
 選考試験は12月9、10日の2日間に行い、今月24日から申し込みを受け付ける。締め切り日は申し込み方法によって異なり、インターネットは11月13日、郵送は11月14日(消印有効)。
 県の担当者は「今回の追加選考だけで直ちに不足を補えるわけではないが、受験者へのPRなどを通してできることをやっていきたい」としている。

**********日経2018年10月22日22:00
障害者雇用水増し、北関東3県が再点検結果公表
 北関東3県の労働局は22日、各県と市町村、教育委員会など地方自治体に関係する障害者雇用の再点検結果を公表した。各県の知事部局では茨城県で35人、群馬県で36.5人分の国の指針に反した水増し分があった。企業や自治体は一定割合の障害者を雇うよう義務づけているが、3県の自治体を合計すると400人近い水増しがあった。
 2017年6月1日時点の集計値を再点検した。各県の教育委員会では、茨城で58人、群馬で123.5人、栃木で58.5人。市町村関連では茨城で10人、群馬で48人、栃木で7人の誤計上がそれぞれ判明した。一方、栃木県は知事部局で計上漏れがあり障害者雇用数が1人増えた。
 再点検前は多くが法定雇用率を達成していたが、茨城県や群馬県の知事部局のほか、栃木県や群馬県の教育委員会などで当時の法定雇用率を下回っていたことになる。

**********上毛新聞2018年11月1日
障害者雇用 県、159人水増し 3市も不適切算入
 障害者雇用の水増し問題で、群馬県は31日、今年6月1日時点で障害者雇用数に計上した職員332人のうち159人を、障害者手帳を確認しないなど不適切に算入していたと発表した。上毛新聞の取材に応じた27市町村のうち、前橋、高崎、太田の3市が同様の不適切な算入があったと回答。7市町は雇用率が法定(2.5%)を上回ったと国に報告していたが、再点検の結果、下回ったという。
 県は332人とは別に、10人が手帳を所持していることを確認したが、雇用率は県1.90%、県教育委員会1.41%といずれも法定(県2.5%、県教委2.4%)を下回った。

**********上毛新聞2019年12月27日
県内の公的機関 障害者の雇用率法定以下 知事部局は全国ワースト3

 県や市町村など群馬県内の公的機関51団体のうち19団体で、職員に占める障害者の割合(6月1日時点)が法定の雇用率(県や市など2.5%、教委2.4%)を下回っていたことが26日、群馬労働局のまとめで分かった。前年に比べて未達成は3団体減ったものの、県知事部局は1.99%にとどまり、都道府県別で3番目の低さだった。障害者雇用水増し問題の発覚後、全国的に雇用の促進が図られているが、本県では一層の取り組みが求められそうだ。
 未達成だったのは、県の知事部局と企業局、県公立大学法人に加え、前橋や高崎、太田などの12市町。教育委員会は対象となる5教委のうち、県教委など4教委が達成できていなかった。県教委の雇用率は1.34%と特に低かった。
**********

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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…控訴審第1回期日3月9日が迫り群馬県から控訴答弁書

2020-02-26 22:57:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災


■2019年10月31日に前橋地裁で全面敗訴となった東電グループの関電工による前橋バイオマス燃料・発電施設の差止を求める住民訴訟は、原告が直ちに控訴手続きを取り、控訴人として、1月6日付で控訴理由書を東京高裁に提出したところ、控訴審第1回期日が2020年3月9日(月)14時30分から東京高裁4階424号法廷で開廷となりました。2週間後に迫った2月22日に、被控訴人の訴訟代理人である石原・関・猿谷法律事務所から控訴答弁書が送られてきました。

大気汚染防止法が定める毎時4万ノルマル立米以上の排ガスを出す火力発電設備なのに、環境アセスもしないまま、2018年4月24日に関電工が群馬県環境森林部の須藤雅紀・部長と、前橋市の山本龍前橋市長らを招いて運転開始と完成披露式を執り行ってから、まもなく2年が経過する前橋バイオマス発電施設。住民ではなく原発事故を起こした東電グループ会社側に寄り添っている状況が我が国の行政と司法の実態だ。写真出典:同社HPより。

■関電工の前橋バイオマス発電施設は、東電福島原発事故により群馬県の山間部に降り注いだ放射能雲(プルーム)に汚染された森林から間伐された木材を集めて、あろうことか住民の住む住宅エリアから僅か150mしか離れていない場所に、東電の子会社の関電工が設置して、発電した電気を親会社の東電が高く買い取るという、まさに住民を愚弄する計画です。

 さらに、放射能問題に加え、本来火力発電所として実施すべき排ガス量毎時4万ノルマル立米をはるかに超えるのに、行政が東電グループの関電工に配慮し、環境アセスメントをやらなくてもいいように、勝手にルールを変えてしまいました。

 こうした群馬県のねじ曲がった環境行政を是正するために当会は地元住民の皆様方とともに、地元群馬県の前橋地裁で2016年9月の初回弁論期日から3年以上訴訟を続けてきました。しかし前橋地裁は、全面的に行政側の言い分に沿った判決を言い渡しました。

 したがって、控訴審では、東電原発事故がらみの裁判が頻繁に行われている東京高裁で審理されるため、地裁と違って、きちんとまともな判断をすることを強く期待したいと思います。

 なお、2018年4月25日(水)午後4時30分に開かれた第8回弁論準備以降、これまでの本件裁判に関する情報は次のブログ記事を御覧下さい。
○2018年6月15日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…6月20日前橋バイオマス補助金返還第9回弁論に向け原告が準備書面(8)提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2669.html
○2018年8月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…9月5日前橋バイオマス補助金返還第10回弁論に向け被告が第7準備書面提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2716.html
○2018年8月28日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…9月5日前橋バイオマス補助金返還第10回弁論に向け原告が準備書面(8)提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2737.html
○2018年10月2日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10月26日前橋バイオマス補助金返還第11回弁論に向け原告が証拠申出書を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2767.html
○2018年10月6日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10.26前橋バイオマス補助金返還第11回弁論に向け被告第8準備書面が届く
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2772.html
○2018年10月27日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…10.26前橋バイオマス補助金返還第11回弁論準備でついに証人尋問決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2795.html
〇2019年1月22日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…1.30前橋バイオマス発電訴訟第12回弁論準備に向けて被告陳述書2通が到来!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2864.html
○2019年2月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金返還第12回弁論準備で4月24日に尋問決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2876.html
○2019年7月17日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金返還訴訟が7月17日に結審!判決は10月31日(木)14時!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2980.html
○2019年10月31日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス訴訟の10月31日14時の判決を傍聴しよう!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3061.html
○2019年10月30日:【速報】東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス訴訟で原告住民全面敗訴判決!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3065.html
○2019年11月1日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…原告住民全面敗訴判決のこれが全文!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3066.html
○2019年11月1日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…原告住民全面敗訴判決から見える裁判官の一分(いちぶん)とは
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3067.html
○2019年11月14日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス訴訟一審敗訴を受け原告が控訴状提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3073.html
○2020年1月18日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…控訴審第1回期日が3月9日14:30東京高裁424号法廷で開催
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3113.html

■この度、被控訴人の群馬県の訴訟代理人から送られてきたのは次の内容の控訴答弁書です。

*****2/21送付書兼受領書*****ZIP ⇒ 20200221ti.zip
東京高等裁判所第22民事部二に係 御中
ご担当書記官 小濱 殿
控訴人 小川賢 殿
                   令和2年2月21日
                   前橋市大手町3丁目4番16号
                   被控訴人訴訟代理人
                   弁護士 織 田 直 樹
                   電話027-235-2040

            送  付  書

    事件の表示:御  庁 令和元年(行コ)第316号
          事 件 名 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求控訴事件
    当 事 者:控 訴 人 小川 賢
          被控訴人 群馬県知事 山本一太
    次 回 期日:令和2年3月9日 午後2時30分

下記書類を送付致します。宜しくお願い申し上げます。
1 控訴答弁書         1通
                            以上

-------------------- 切らずにこのままでお送り下さい --------------------

           受  領  書

上記書類、本日受領致しました。
                     令和2年2月22日
            控訴人  小川 賢     ㊞

東京高等裁判所第22民事部二に係 御中(小濱書記官殿):FAX 03-3580-4885
石原・関・猿谷法律事務所(弁護士 織田直樹)御中   :FAX 027-230-9622

*****控訴答弁書*****ZIP ⇒ 20200221ti.zip
<P1>
令和元年(行コ)第316号
住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求控訴事件控訴人
控 訴 人 小川賢
被控訴人 群馬県知事 山本一太

            控 訴 答 弁 書

                       令和2年2月21日
東京高等裁判所 第22民事部二に係 御中

            371-0026
            群馬県前橋市大手町三丁目4番16号
            石原・関・猿谷法律事務所(送達場所)
            TEL 027-235·2040 / FAX 027·230-9622
            被控訴人訴訟代理人
             弁 護 士   石  原  栄  一
             弁 護 士   関  夕  三  郎
             弁 護 士   織  田  直  樹
             弁 護 士   安 カ 川  美  貴
             同指定代理人  住  谷  親  介
             同       笛  木  元  之
             同       生  方  宏  久

<P2>
             同       佐 々 木  俊  一
             同       浅  見     淳
             同       原  澤  徳  衛

第1 控訴の趣旨に対する答弁
 1 本件控訴を棄却ずる。
 2 控訴費用は控訴人の負担とする。

第2 控訴理由に対する認否及び反論
 1 はじめに
   本件控訴には理由がないことから,速やかに棄却されるべきである。
   被控訴人の反論ないし主張は,原審における主張を援用するが,以下,控訴の理由第 2(一審裁判所ん認定事実の誤認)につき、必要に応じて述べる。

 2 同1項(環境アセスメント条例の適用要件の基本的解釈について)について
   控訴人の主張は,原審が「前橋バイオマス事業計画の経緯」を認定事実すること自体,審理の公平性を歪めるものであるなどというものだが,論旨不明であり失当である。
   なお,原審が「前橋バイオマス事業計画の経緯」について事実認定したのは,控訴人(原審原告)の主張(本件運用は,関電工の圧力に屈した環境政策課が,前橋バイオマス発電が条例アセスメントを実施することなく本件発電事業を開始できるようにするために策定したなどというもの)に対応したからである。

<P3>
 3 同2項(前橋バイオマス発電と前橋バイオマス燃料の法人格の同一性の解釈について)について
   控訴人は,前橋バイオマス発電と訓橋バイオマス燃料とは「事実上,一体事業」だから共同の責任を負うのであって,別の事業主体であると認定した原審の判断は,失当であると主張する。
   しかし,原審が認定するとおり,前橋バイオマス発電と前橋バイオマス燃料は,本店所在地及び株主構成が異なっていること,代表取締役及び取締役の役員構成が異なっていることといった形式的な事情のみならず,前橋バイオマス燃料は,木質バイオマス燃料に余剰が生じた場合には第三者に供給することが想定されること,前橋バイオマス発電事業以外の活動を行うことがあり得ることなどの事情を指摘し,実質的にも別主体である(原判決 30頁1行目~31頁6行目)といえる。
   したがって,控訴人の主張は失当である。

 4 同3項(本件前橋バイオマス事業計画の経緯の解釈について(検討関始時期))について
   仮に控訴人の主張するようにトーセンが間伐材確保に苦慮していたという事実が存在したとしても,同事実から,県内で8万トンの間伐材を新たに確保することが不可能という事実は導かれないから,控訴人の主張には論理の飛躍があり,失当である。

 5 同4項(本件前橋バイオマス事業計両の経緯の解釈について(条例アセス相談時期))について
   控訴人の主張のうち上記標題と合致する部分(第1段落乃至第3段落)は,環境政策課が平成30年4月18日付で作成した唐澤からの「聴取報告書(補充)」(甲86)によれば,「平成26年7月10日から少なくとも一か月以上早く,条例アセスについて話し合いが行われて」いたこと

<P4>
から, 関電工が平成27年1月に環境政策課を訪間した際のやりとりについての原審事実認定は失当であるというものである。
   しかし,関電工と環境政策課が平成26年7月以前に「話し合い」をしたという事実は上記証拠(甲86) から導き出されない。したがって,控訴人の主張は,証拠を誤って解釈し,誤った鮪提事実に基づくものであるから,失当である。

 6 同5項(本件前橋バイオマス事業計両の経緯の解釈について(概要書の交付時期))について
   控訴人の主張は,原審における関電工が平成27年1月から3月までの間に唐澤に対し前橋バイオマス事業において考えられる設備の概要書を交付したとの事実認定が失当であるというものである。
   しかし,その理由として控訴人が主張する内容は,かかる事実に対する反論となっておらず,論旨不明である。

 7 同6項(本件前橋バイオマス事業計画の経緯の解釈について(条例アセスの運用変更時期)について
   控訴人の主張は,被控訴人から関電工に対して運用の変更という形でお墨付きを与えられたものであるから,関電工から環境政策課に対して条例アセスメントの対象とならない旨の連絡をしたとの原審事実認定は失当であるというものである。
   しかし,被控訴人が本件運用を策定した事実と,関電工が唐澤に対し条例アセスメントの対象とならない旨の連絡をした事実とは,矛盾無く両立するから,控訴人の主張は原審の事実認定に対する反論になっておらず,失当である。

 8 同7項(本件前橋バイオマス事業計画の経緯の解釈について(関電工の具体的設計とボイラー選定時期)について

<P5>
   控訴人の主張は,トーセンが平成26年10月2日に前橋バイオマスとの間で8万トンの間伐材の安定供給協定書を締結しており(甲73), この時点で木質バイオマス使用量及び発電設備も決まっていたから,関電工が平成27年8月以降に具体的な設計等を行ったとの原審事実認定は失当であるというものである。
   しかし, トーセンが前橋バイオマスとの間で上記間伐材の安定供給協定書を締結したという事実から,関電工が同時点で具体的な設計,発電施設のボイラー選定等を既に終えていたという帰結にはならないから,控訴人の主張は論理の飛躍であり,失当である。

 9 同8項(本件前橋バイオマス事業計画の経緯の解釈について(関電工の具体的設計とボイラー選定時期)について
   控訴人の主張は,トーセンが平成26年10月2日に前橋バイオマスと8万トンの間伐材の安定供給協定書を締結していること(甲73) などから,既にその時点で発電所の建設は具体化されていたはずであるため, 前橋バイオマス燃料が平成28年7月4日に事業の具体的内容が定まったことから本件事業に着手したとの原審事実認定は失当であるというものである。
   しかし,前項で述べたと同様,トーセンが上記間伐材の安定供給協定書を締結したという事実と,前橋バイオマス燃料において平成28年7月4日に事業の具体的内容が定まったという事実は矛盾無く両立するから,控訴人の主張は論理の飛躍であり,失当である。

 10 同9項(本件前橋バイオマス事業計画の経緯の解釈について(排ガス量の数値根拠)について
 (1) 控訴人の主張
   控訴人の主張のうち標題と合致するものは,概要次のとおりである。まず,甲83号証に記載された計算式を用いると,本件発電所が使用す

<P6>
る燃料の水分量43.125%の場合,空気比1.3では完全燃焼は不可能であり,空気比 1.75が完全燃焼の条件である。そしてこの空気比1.75を乙12の計算式に代入すると,排ガス量は52,953ノルマル立方メー トル,ここから水蒸気控除分を差し引いても48,487同単位(基準値を超える)となる。したがって,原審が認定した空気比1.3を前提とする排ガス量38,483ノルマル立方メートル(乙12) は誤りである。
 (2) 反論
   しかし,上記控訴人が主張する空気比の値1.75が完全燃焼の条件であるという点について,控訴人が唯一の拠り所とする甲83号証記載の説明文によれば,前提として過剰空気量(空気比)は「燃料や燃焼装置の種類によって異なる」こと,及び,示された計算式は「計算式の1例」であることが認められる。したがって,同計算式によっては,前橋バイオマス発電事業における空気比の値を断定することはできない。
   また, 控訴人が自ら提出した証拠である甲 70号証において,技術専門家による排ガス量の計算が示されているところ,同計算における水分量 (W) は「15.00%」であると同時に,空気比 (m)は「2」とされており, これとも矛盾しているから(水分量15%の場合, 控訴人主張の計算方法を用いると空気比は1.17となるはずである。),かかる計算方法が誤りであることは明らかである。
   このように,控訴人の主張は,甲83号証の計算式を用いて前橋バイオマス発電事業における空気比の値を断定することができないこと,及び控訴人自ら提出した証拠に基づく計算式と矛盾しており計算方法が誤りであることから,理由がない。

 11 同10項(本件前橋バイオマス事業計画の経緯の解釈について(放射能対策)について
   控訴人は,前橋バイオマス燃料において木材受入時の放射能の自主管

<P7>
理基準値をトラック用線量モニタで常時監視するなどにより放射能対策を行っている旨の原審事実認定について,控訴人が主張するトラックスケールの製造事業者の証言を完全に無視するものであり,失当であると主張する。
   しかし,原審は上記事実について証拠等により適切に認定しているのであるから,控訴人の主張には理由がない(原判決31頁7行目~9行目,同19行目~32頁9行目)。

 12 同11項(本件前橋バイオマス事業計画の経緯の解釈について(条例アセス運用策定)について
   控訴人の主張は,環境政策課による平成26年7月の他地方自治体への照会実施前の同年6月には関電工から条例アセスメントについて相談を受け始めたという事実を被控訴人が隠しているから,被控訴人の主張に沿う原審事実認定は失当であるというものである。
   しかし,関電工による環境政策課への相談開始時期について,同年「6月乃至9月頃」(甲86),又は「秋頃」(唐澤証言)という時期に幅のある証拠は存在するが,「6月」(すなわち他の地方自治体への照会実施より前)であったと時期を明確に特定する証拠は存在しないから,控訴人の主張は前提を欠く。
   なお,被控訴人は,原審被告第5準備書面「第3」2項(2)等で平成26年頃に関電工から環境政策課に対する問合せがあったことを認めており,上記控訴人主張の「隠している」というのは事実無根である。この点,唐澤は,陳述書(乙17)3項(3)において,環境政策課が条例アセスメントにおける木質バイオマス発電施設の対象要件の検討を開始した時期に,「関電工から前橋バイオマス発電施設に関する事業計画について相談がありました。」と述べている。更にその詳細な時期について,唐澤証人は,主尋問で「26年の秋頃だったように記憶しています」と証言し(唐澤尋問調書4頁),反対尋問で「平成26年の 6月乃至9月頃」と記載さ

<P8>
れた聴取報告書(甲86) と食い違いがあるとの質問を受けた際,「記憶が定かでないので。期間の蝠を大きくとってしまったのではないかと。」と証言している(同調書18頁)。このように,唐澤は,関電工からの相談時斯について隠すことなく記憶のとおり証言していることは明らかである。

 13 同12項(本件前橋バイオマス事業計画の経緯の解釈について(規模要件策定)について
   控訴人の主張は,被控訴人が実胞したアンケート結果(乙6) で群馬県と同等の規模要件は存在しないというのは明らかに虚偽であることから,原審事実認定は失当であるというものである。
   しかし,被控訴人は「群馬県と同等の規模要件は存在しない」などとは主張していないから,控訴人の主張はその前提を欠き失当である。

 14 同13項(事実認定の補足説明について(本件運用策定時期))について
   控訴人の主張は,関電工とトーセンが平成26年9月に電力中央研究所を視察したこと,その翌月 (10月2日)にはトーセンが前橋バイオマスと8万トンの木質の安定供給協定書を締結し(甲73),同協定書における間伐材の供給量が鮪橋バイオマス発電の使用量と完全に一致しており,この時点で既に発電規模が決まっていたことになることから,関電工が同年6月頃に環境政策課を訪間した時点では前橋バイオマス事業の具体的な事業規模が定まっていなかったという原審の事実認定は失当であるというものである。
   しかし,控訴人の主張は,同年26年10月2日よりも前の時点である関電工による環境政策課への訪問時において具体的な事業規模等が定まっていなかったという事実認定と両立する主張であり,原審の事実認定に対する反論とはなっていないから,かかる控訴人の主張は失当である。

<P9>
 15 同14項(事実認定の補足説明について(本件運用策定時期))について
   控訴人は,関電工は環境アセスメントを実施するとなると2年から3年は事業が遅れ,被控訴人は素材生産の計両が末達成で終わってしまうことから,関電工が環境政策課に圧力をかけたことをうかがわせる事情が認められないとする原審事実認定は失当であると主張する。
   しかし,関電工が環境アセスメントを実施した場合に,被控訴人の素材生産計画が未達成で終わってしまうという因果関係は,何ら立証されていないから,控訴人の主張は前提を欠き失当である。

 16 同15項((本件事業の補助事業としての適格性)について)について控訴人の主張は,トラックスケールが放射能を測定できる代物ではないことは物理的にみても明らかであるから,トラックスケール式の線量システムにより本件自主管理基準値を超える放射能を含有する木材の搬入を防止できないとはいえないとの原審判断は失当であるというものである。
   しかし,前記11項で述べたとおり,原審は上記事実について証拠等により適切に認定しているから,控訴人の主張には理由がない。

 17 同16項(争点3(本件補助金の金額の妥当性)について)について控訴人の主張は, 脱水プレス機の本格稼働は同年3月以降であったことなどから,脱水プレス機は不要であることは間違いのない事実であり,事業者によるチッパー購入を装った補助金搾取であるため,原告らの主張は理由がないとした原審判断は失当であるというものである。
   しかし,仮に控訴人主張の事実が認められる場合であっても,同事実から「脱水プレス機は不要である」という事実は導かれないから,控訴人のかかる主張は失当である。

<P10>
 18 同17項(その他,一審判決文で誤った解釈がなされた控訴人(一審原告)の主張)について
 (1) (1)(前橋バイオマス事業に関する事業者による住民への説明が不十分)について
   控訴人の主張は,関電工が地域住民の説明会開催申し入れを「受け入れ準備が出来ていない」との理由で2回も反故にしているという事実が,環境配慮計画を遵守していない証左であるから,本件事業は不適格であるというものである。
   しかし,原審判示 (33頁)のとおり,関電工は近隣住民に対する個別説明及び説明会を実施していることから,上記控訴人の主張するような事実のみをもって説明が不十分として本件事業が不適格であることを基礎づけるものではない。
 (2) (2)(チッパーの稼働)について
   控訴人の主張は,本件チッパーが「建屋内で木材の切削を行う」(甲52-環境配慮計画5頁)から逸脱して建屋外又は前橋バイオマス燃料用地以外で切削を行っているので環境配慮計画から大きく逸脱しているというものである。
   しかし,原審判示 (22頁)のとおり,本件チッパーは基本的に前橋バイオマス燃料の燃料製造施設構内において使用されており,構外に持ち出されたのは,保守点検のための 1回,前橋バイオマス発電に供給する木質バイオマス燃料を製造する目的で群馬県内の土場で原木を破砕するための1回の計2回であった。このように,構外での使用は必要最小限にとどまるから,環境配慮計画から逸脱するとはいえない。
 (3) (3)(騒音の実態)について
   控訴人の主張は,夜間の騒音が基準値を超えたのは,①前橋市による騒音の測定基準が変更されたためでなく騒音規制法に則り騒音測定を実施した結果であること,②前橋市による対策効果の確認は判決日

<P11>
の令和元年10月31日時点で実施されていないことから,原審判断は失当であるというものである。
   しかし,原審は事実を証拠等により適切に認定しているから,控訴人の主張には理由がない。

第3 結語
 以上より,本件控訴は理由がなく速やかに棄却されるべきである。

                          以上
**********

■このように、原告の主張を一切考慮しなかった原審判決を金科玉条のように正当化し、きちんとした根拠に基づく反論を放棄したかたちとなっています。

 本当にこのような暴論を吐いている輩が私たちの群馬県の環境・林業行政を司っていると思うと、震撼します。

 こうした中、前橋バイオマス燃料・発電施設から昼夜発生する騒音について、前橋市を通じて再三にわたり騒音の実情を訴え続けてきた住民の皆さんが、業を煮やして関電工に次の内容の公開質問状を提出しました。

*****2/2地元住民から関電工あて送信メール*****
---------- Forwarded message ---------
From: 野原
Date: 2020年2月2日(日) 10:23
Subject: バイオマス燃料・発電所の騒音苦情の件
To: 関電工遠藤様
Cc: 横川会長

関電工 遠藤さま

 ご無沙汰しています。赤城ビューの野原です。本メールを前橋バイオマス発電所の福本社長及び関電工の木質バイオマスプロジェクト代田氏へ転送お願いいたします。

福本さま 代田さま

 前橋バイオマス発電(株)・前橋バイオマス燃料(株)からの騒音が一向に改善されておりません。なお、奇しくも昨年2月3日にも同じ騒音苦情を発出しましたが全く改善れていない状況です。立上げ前に福本氏、代田氏があれほど約束された事項が殆ど実施されていないことに心痛みませんか?

添付の公開質問書は別途郵送もしますが真摯に取り組み、期限内の回答及び3月?の定期点検時に根本対策を実施することも併せて要望いたします。
 
    赤城山の自然と環境を守る会  野原潤一

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
2019—2—3のメールを再掲します。

関電工 遠藤さま

  毎々、お世話になります。
お手数ですが本メールを(株)前橋バイオマス発電代表取締役福本正邦氏及び関電工バイオマスプロジェクト代田氏へ転送頂きたくお願いします。

 福本さま 代田さま

 ご無沙汰しています。赤城山の自然と環境を守る会の野原です。
昨年の発電所稼働時から、燃料会社のチッパー騒音、発電所の再稼働時の爆音及び日常の騒音についての再三、苦情を伝えてありますが一向に誠意ある対応がなく、大変遺憾に感じています。

今回、燃料工場と発電所は騒音規制法で定められている騒音規制の特定工場であること確認いたしました。法令で定められている騒音規制値の遵守状況を確認したく早急に打合せを実施お願いします。御社が前橋市へ提出した環境配慮計画に記載されている住民への対応を遵守していただきたくお願いします。

 2月6日までに打合せ日程の回答をください。

   赤城山の自然と環境を守る会  野原潤一

*****2/1関電工あて公開質問状*****
                        令和2年2月1日
〒371-0241 群馬県前橋市苗ヶ島町2550-2
前橋バイオマス発電㈱・前橋バイオマス燃料㈱ 御中
                    〒371-0241 群馬県前橋市鼻毛石町1991-46
                     赤城山の自然と環境を守る会
                     代表者   横川忠重

   公開質問書(バイオマス施に係る騒音等の諸課題について)

 御社は騒音規制法で定められた特定指定工場に指定されています。従って規制基準を遵守する義務があります。私たちは前橋市(環境政策課)から平成30年12月3日の騒音測定結果と令和元年11月18日・21日の騒音測定結果の数値をグラフ比較したデータを令和2年1月15日に受領しました(添付P-2~5参照)。これに関して、次の質問があります。誠意を持って各質問にご回答ください。なお、誠に勝手ながら、回答期限を令和2年2月20日必着とさせていただきます。

質問1:平成30年12月3日に前橋市が測定した前橋バイオマス発電所の夜間騒音は敷地境界で環境規制基準を超えていた。その為、平成31年1月に前橋市は発生音の改善についての行政指導を御社に行いました。前橋市は対策状況の確認のため、令和元年11月18日・21日に騒音測定を実施しました。添付の比較表を見ると前回(平成30年12月3日)の測定値と異なり、ベース騒音レベルが増加していますが、御社はこの原因をどのように考えていますか?騒音発生個所を特定しつつ、騒音レベルが増加した原因を、発生個所ごとに克明に示されたい。

質問2:令和2年1月9日に、前橋市が前橋バイオマス発電所を訪問した際、令和元年11月18日・21日の騒音測定結果(グラフ)を貴社に提示して協議が行われたとのことですが、その時、どのような事項について協議したのですか。協議内容を項目ごとに示してください。

質問3:添付の比較表を見ると、あきらかに騒音が基準レベルを超えています。このような状況は、違法操業状態を示しているように思えますが、御社としてはどのように考えていますか。

質問4:平成31年2月の前橋市による騒音の改善について行政指導を受けたことを踏まえ、御社はどのような対処措置をとられましたか。また、その直後の平成31年3月の定期点検において、騒音についてどのように確認されましたか。その結果は規制値以下でしたか。データを示して説明してください。

質問5:住民側からこれまで何度も申し入れている見学会の開催について、現在、検討していますか。それとも、検討していないのですか。御社は、住民説明会での約束を遵守する意向を持っていますか。

質問6:見学会を検討している場合、御社は、現時点でどのように(いつ、誰を対象に、どんな方法で、どの程度の時間をさいて)実施するつもりですか。

質問7:燃料工場のチッパーは、どのような使い方(毎日・毎週・毎月の稼働時間帯、稼働場所・位置)をしているのですか。

質問8:燃料工場のプレス機は、どのような使い方(毎日・毎週・毎月の稼働時間帯)をしていますか。
                              以上

添付:騒音測定結果
   黒線:H30.12.03前橋市測定  青線:R1.11.18・21前橋市測定







**********

 この公開質問状付きの住民からのメールに対して、関電工から2月3日に次のメールがあり、社長の福本氏や代田氏にも転送したとされています。

*****2/3関電工から住民側へのメール*****
From: 遠藤 文雄
Sent: Monday, February 3, 2020 9:04 AM
To: 野原
Subject: RE: バイオマス燃料・発電所の騒音苦情の件

赤城山の自然と環境を守る会  野原潤一 様

ご無沙汰しております。
本メールを福本・代田に転送させて頂きました
**********

■ところが、地元住民らから提出された公開質問状に対して、関電工からは、2月19日朝、僅か5行のメールでの回答しかありませんでした。

****2/19関電工から住民へのメール******
From: 遠藤 文雄
Sent: Wednesday, February 19, 2020 9:25 AM
To: 野原
Subject: RE: バイオマス燃料・発電所の騒音苦情の件

 赤城山の自然と環境を守る会  野原潤一様

 前橋バイオマス発電㈱からの回答を送信させて頂きます。

 令和2年2月1日付 公開質問書を拝見させていただきました。
 私共といたしましては、住民の皆様からのご意見を真摯に受け
 止めるとともに、引き続き前橋市と連携・情報交換を行いながら、
 皆様が安心して生活できる発電所運営を行ってまいる所存ですので、
 何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
**********

■これではあまりにも住民軽視の姿勢なので、関電工には住民側から次の申し入れをしました。

*****2/20住民側から関電工へのメール*****
From: 野原
Sent: Thursday, February 20, 2020 8:08 AM
To: 関電工遠藤文雄
Cc: 横川会長
Subject: RE: バイオマス燃料・発電所の騒音苦情の件

遠藤さま
 本メールを前橋バイオマス発電・福本社長へ転送お願いします。

福本社長さま
 丁寧な回答頂き有難うございました。地域住民の意見を真摯に受け止めると回答ありますがきちんと福本社長押印の回答書面を郵送、あるいはPDFでメール添付にて2月25日必着で送付ください。それが企業人としての最低限の礼儀かと思います。
 重ねて、いつまで法令違反のままで操業されるつもりなのか?
 いつまで住民説明会の約束事項を不遵守するつもりなのか?

 ご質問させて頂きます。こちらの回答も上記書面に含めてください。

 赤城山の自然と環境を守る会  会長  横川忠重
**********

■しかし関電工からはなしのつぶてです。住民側は、さらに同社の良心を期待して再度文書での回答をお願いしました。

*****2/25住民側から関電工への再度のメール*****
---------- Forwarded message ---------
From: akagi_nohara <akagi_nohara@yahoo.co.jp>
Date: 2020年2月25日(火) 18:42
Subject: RE: バイオマス燃料・発電所の騒音苦情の件
To: 遠藤 文雄 <endou-f01@kandenko.co.jp>
Cc: 横川赤城ビュー <ty.kanto@fancy.ocn.ne.jp>

遠藤さま

 こんにちは。下記の回答書面を郵送して頂けましたでしょうか?
メールでの回答は未受信ですので確認させて頂きました。お手数で
すが返信頂きたくお願いします。

 別件です。2月23日午前中 燃料工場方面からキ~ンという
騒音がありました。この音は間欠的に発生して大変嫌気な大きな
音です。工場の中に入れませんので断定できませんが脱水機
(プレス機)の音かと推察されます。脱水機であれば日曜日の稼働
は約束違反ですので福本社長ご確認頂き回答頂きたくお願いします。
脱水機は燃料工場ですよね。なお、日曜の稼働は23日だけではあり
ません。

  赤城山の自然と環境を守る会

            野原
**********

 残念ながら現時点でまだ返事がこないようです。騒音に悩まされている住民らからの悲痛な回答要請に対して、このような木で鼻をくくった対応を平然とおこなう東電の子会社に対して、群馬県は控訴答弁書の中でも「ちゃんと地元住民説明会をしてきたから問題ない」と評価をしているのです。

 あまりにも酷い対応なので、地元住民は、2月20日に、前橋バイオマス発電所に勤務する関電工の遠藤氏に電話をし、「きちんとメールでなく、文書として責任者が押印したもので回答してほしい」と口頭で依頼しました。すると関電工の担当者は「たぶん、回答しない」と返事をしてきました。さらに住民側から「騒音は規制値を超えていますよ」と話したところ、関電工側は「前橋市から規制値内と聞いている」と言いました。これが本当であれば、関電工や群馬県に加えて、前橋市の対応も信じられないことになります。

■それでは地元住民によりそうべき前橋市の対応はどうでしょうか。

 そこで地元住民らは、2月10日に、前橋市の南雲環境部長や中島職員と面談し、前橋バイオマスから発せられる騒音問題を主体に、予め準備しておいた面談要請レジメをもとに、約30分間ほどにわたり、地元住民らが結成している赤城山の自然を環境を守る会からの要請を説明しました。次に示す通り、前橋市からの回答は2月28日になります。

*****2/10面談要請レジメ*****ZIP ⇒
                             令和2年2月10日
前橋市環境部 御中
                        赤城山の自然と環境を守る会
                         横川 忠重
                         野原 潤一
【本日の面談要請の趣旨】
 令和元年12月23日の貴環境政策課との打合せにて、騒音測定評価結果について説明頂きましたが、納得できない点が多々あり、また、約2年間も騒音改善が見られないことから、本日の面談要請を致しました。南雲部長のご英断により、事業者へ行政指導を再度、実施して頂きたくお願い致します。本日の要請趣旨をまとめたレジメを下記します。
                 記
1.騒音の評価をタイプ4からタイプ3に変えた理由は何か
この理由が理解できません。別紙に環境規制法で定められたタイプ1~4のモデル図を示します。平成30年12月3日はタイプ4、令和元年11月18・21日はタイプ3で判定しています。令和元年11月の騒音グラフはモデル図のタイプ3に見ることが出来ません。騒音値の比較グラフ(令和2年1月18日受領資料)はスパイク音を明確にベース音と区分することが出来ます。しかもスパイク音は規制値を超えています。

2.騒音評価をタイプ4に統一すべきではないのか
 従って、令和元年11月18・21日の騒音評価はタイプ4で行うべきであると判断されます。また、前時間帯の1時間単位のグラフはベース音が45㏈を超えている時間帯が多くみられます。どの様な判断をされているのか開示ください。(各時間帯のグラフに45㏈の横線を入れると基準値越えが明確に分かります。21日:22時15分頃~20分頃、23時10分~18分頃等)

3.夜間騒音(ギー音)が依然として発生している原因と対策結果について
 平成30年4月20日午前2時5分~7分、夜間騒音測定時に「ギー音が発生した」と環境政策課に苦情申入れしました。近藤市議による議会質問も為され、「騒音は木質チップを搬送するコンベア擦れ音で対策した」と報告ありました。しかし令和元年11月18・21日でも継続発生しているのが確認できます。2年近くも改善されていません。このギー音の扱いはどのようにされたのでしょうか?(令和2年1月9日の打合せ参照)

4.適正な騒音測定地点の検討の必要性について
 騒音測定地点の適正化を検討ください。窪地の測定地点では低くなっている可能性もあります。もう一度適正化を検討ください。(令和元年12月23日根拠資料提出済み)

5.行政と事業者との打合せ内容の市民との共有化について
令和2年1月9日の事業者との打合せ内容を開示してくだい。また、事業者から発生音の音源、低減策等についても情報を開示させてください。

6.騒音数値比較グラフの作成と開示のお願い
 平成30年12月3日と令和元年11月18・21日の前時間帯での騒音数値比較グラフを作成して開示頂きたくお願いします。

 1~6項について別途書面にて2月28日必着で回答頂きたくお願いします。
以上

=====別紙=====
【別紙】騒音規制法における騒音の4つのタイプとその分析  出典:ソーチョーホームページ
○騒音の分類タイプ1
 例えば、変圧器から発生する音やモーターが一定に回転している音など、一般的に定常騒音とよばれているもので、この場合は一定であるまさにその指示値を測定値とします。実際には完全に定常騒音であることは考えにくく、多少なりとも音圧レベルは変化していますが、数デシベル程度の変化の場合は「最頻値」をもって測定値とすることになっています。
○騒音の分類タイプ2
 夏場のエアコン室外機の音、工場の各種機械や建設工事のハンマーなど、極地の値がほぼ一定の高い音圧レベルが一定の間隔をおいて周期的または間欠的に生じるような場合がこれに当たります。この場合は、一定の最大値が繰り返し生じていると考えられ、最大値を数回読み取り、その算術 平均を測定値とします。
○騒音の分類タイプ3
 多数の騒音発生源があり(たとえば機械が稼働している場合)、騒音レベルが大きく変動している場合で、 変動騒音とよばれているものです。この場合は、比較的長期間の測定し、サンプリングが十分な数 (例えば50個以上) になるまで続け、得られた測定データからLA5である90%レンジの上端値(時間率5%値) を算出して測定値とします。1秒間隔で5〜10分程度の測定が実施される場合が多いようです。
○騒音の分類タイプ4
 建築現場のくいうちや、工場における鍛造機など周期的または間欠的に高い騒音レベルが発生しているが、 その最大値が一定でない場合です。この場合は、極地の値を複数個 (例えば50 個以上) 測定値から読み取り。この得られた最大値から LA5である90%レンジの上端値 (時間率5%値) を算出して測定値とします。


**********

 前橋市には群馬県ほど酷い対応はしないことを期待したいものです。

 なお、この他にも、3年間にわたる前橋市役所との交渉の中で前橋バイオマス発電施設からの放射性物質のモニタとして前橋市役所による空間放射線量測定が実施されています。この一環として、前橋バイオマス発電施設近辺の5地点で、2月12日に定期測定を実施しました。

 こうした空間放射線量測定は3年前から年4回、環境政策課による測定が実施されており、地元住民らは今回初めて同行しました。測定結果は次のとおりですが、ほぼ前橋市の測定結果と同じでした。
※2月10日の空間放射線量測定結果:ZIP ⇒

 ちなみに、前橋市の測定結果は同市HPの「赤城山周辺放射線量測定結果2」で掲載されています。次にURLを参照ください。
※URL ⇒ https://www.city.maebashi.gunma.jp/kurashi_tetsuzuki/1/5/5/10500.html

■いずれにしても、こうした行政と特定企業の癒着を打破するには、司法の判断に委ねるしかありません。

 3月9日(月)東京高裁での控訴審第1回弁論期日に向けて、必要な準備を行っていきます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】



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妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還の住民監査請求を県監査委員が棄却!

2020-02-22 23:40:00 | 政治とカネ

■公営選挙費用を使って2019年4月7日投開票の県議選に当選した自民党の南波和憲県議は、その後突然5月24日に辞職しました。以後約7カ月が経過しようとする12月18日に、南波和憲に対する連座制適用に基づく群馬県議選への立候補を今後5年禁止する判決が、東京高裁で言い渡されました。このため、当会は、12月23日、群馬県監査委員に対して、群馬県選挙委員会が南波和憲のために支出した選挙公営費を本人から返還させるよう求める住民監査請求を郵送で提出しました。翌24日、群馬県監査委員事務局に電話で確認したところ、受理されたことが確認されました。その後、1月27日(月)に監査委員2名の前で陳述が行われ、当会代表から「公選法違反が確定したのだから、支出した公金は取り戻さなければならない」と力説し、「他の自治体の例など調べることなく、群馬県として判断してほしい」と念押しをしました。その住民監査結果通知が、2月18日に県監査委員事務局から送られてきました。開封して結果通知を見ると「本件措置請求を棄却する」といういつもの決まり文句がそこに記されていました。

県監査委員からの監査結果が入った封筒。

 この事件に関する当会のブログ記事は次のとおりですので、ご参照ください。
○2019年7月24日:妻が公選法違反で起訴!・・・4.7県議選で南波前県議が血税で使った選挙公営費用158万円の落とし前
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2989.html
○2019年8月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・4.7県議選後5月に辞任の南波前県議の妻に求刑1年
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3008.html
○2019年9月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・妻が執行猶予付き有罪判決を受けた南波元県議が一時県議会臨時議長に!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3034.html
○2019年12月24日:妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議・・・200万円余の選挙公営費の返還を求め住民監査請求!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3095.html

■それでは配達証明付き郵便で送られてきた監査結果通知を見てみましょう。

*****送り状*****ZIP ⇒ 20200217.zip
                       群監第202-31号
                       令和2年2月17日

 小 川  賢 様

               群馬県監杏委員 丸 山 幸 男
               同       林     章

        住民監査請求に係る監査結果について

令和元年12月24日付けで収受した標記請求に係る監査結果は、別紙のとおりです。

                群馬県監査委員事務局
                 特定監査係
                 TEL: 027-226-2767

*****監査結果*****ZIP ⇒ 20200217.zip
<p1>
        群馬県職員措置請求監査結果
第1 主文
   本件措置請求を棄却する。
第2 請求人
   群馬県安中市野殿980番地
   小川 賢
第3 請求書の提出
   令和元年12月24日
第4 請求の内容
 1 請求の要旨
   2019年4月7日執行の群馬県議会議員選挙において、南波和憲(以下「元議員」という。)の親族の公職選挙法違反(事後買収)(以下「本件公選法違反」という。)の有罪が確定したにもかかわらず、群馬県選挙管理委員会は、元議員の選挙公営のために支出した公費の返還を元議員に求めようとしていない。
   本件公選法違反で連座制の適用を受けた元議員の得票数は、当然にゼロとみなされることになり、よって、法定得票数に満たないため、選挙公営の適用外となる。
   ところが、群馬県選挙管理委員会は、返還請求の必要性を認めようとしておらず、法令順守の義務を放棄しており、道義的責任も感じて いないため、元議員の選挙公営に係る支出を巡り群馬県には計207万6293円(以下「本件選挙公営費」という。)の損害が発生している。
   よって、監査委員におかれては、群馬県選挙管理委員会に対して、本件選挙公営費を元議員から返還させるなど、群馬県の被った損害を補填するための必要な措償をとるよう求められたい。
 2 事実証明書(各事実証明書の表題は、措隧請求善における請求人の記載をそのまま使用した。)
  (I) 事実証明書1 自動車の借入れ(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例第4条第2号イ)
  (2) 事実証明書2 運転手の雇用(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例第4条第2号ハ)
  (3) 事実証明書3 ポスター作成公営費(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選学運動用自動車の 使用等の公営に関する条例第7条)
第5 監査委員の除斥
   本件措置請求の審理に当たり、中島篤監査委員及び安孫子哲監査委員は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「地自法」という。)第199条の2の規定により監査に加わらないこととなった。
第6 請求の受理
   本件措置請求は、地自法第242条第1項に規定する要件を具備しているものと認め、令和2年1月8日に受理を決定した。
第7 監査の実施
 1 監査対象事項
   群馬県議会議員選挙(以下「本件選挙」という。)における選挙公営費の返還について
 2 監査対象機関
   群馬県選挙管理委員会(以下「県選管」という。)
 3 請求人の陳述及び証拠提出
   令和2年1月27日、地自法第242条第6項の規定により、請求人の陳述を聴取した。また、新たな証拠

<p2>
の提出はなかった。
 4 監査の実施
   令和2年1月27日、監査対象機関に対し、監査委員による対面監査を行った。また、これに先立ち監査委員事務局職員による事務ヒアリングを行った。
第8 監査の結果
 1 監査対象機関の主張及び説明
  (1) 選挙公営費の目的について
    金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として、公職選挙法(昭和25年法律第100号。以下「公選法」という。)により定められている制度であり、国又は地方公共団体がその費用を負担して候補者の選挙運動を行い若しくは選挙を行うに当たり便宜を供与し、又は候補者の選挙運動費用を負担するものである。
    本件選挙においては、選挙運動用の自動車の使用、ポスター及びビラの作成並びにはがきの郵送に係る費用が対象となっている。
  (2) 選挙公営費の概要について
  ア 選挙運動用の自動車の使用、ポスター及びビラの作成に係る支出の流れについて
   (ア) 事 前 立候補予定者と自動車の使用(借入れ、運転手の雇用、燃料代)、ポスター及びビラの作成を行う業者(以下「契約業者」という。)との間で、契約を締結
   (イ) 告示日 候補者が県選管に対し、契約締結を届け出るとともに、その確認を申請
     県選管が当該契約内容を確認し、確認書を交付
     候補者から契約業者に確認書を提出
   (ウ) 適宜候補者が作成した証明書を契約業者に提出
   (エ) 選挙後 契約業者から県選管に費用を請求。県選管から契約業者に支払
  イ 選挙運動用のはがき郵送料金に係る支出の流れについて
   (ア) 立候補受付後、県選管から候補者に選挙運動用通常葉書差出票を交付
   (イ) 候補者が当該差出票とともに作成したはがきを指定された郵便局に提出
   (ウ) 郵便局がはがきを配達
   (エ) 日本郵便株式会社から県選管に郵送料金を請求
   (オ) 県選管から日本郵便株式会社に支払
  ウ 選挙公営費の基準限度額について
    選挙運動用のはがきの郵送料は全国一律であるが、選挙運動用の自動車の使用、ポスター及びビラの作成に係る費用の基準限度額については、国政選挙に関しては公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号)で、地方選挙に関しては各地方公共団体の条例で定められている。
  エ 選挙公営費の公費負担対象外について
    選挙運動用のはがきの郵送料については、地方選挙に関しても条例でなく公選法第142条第5項の規定により無料とされているが、選挙運動用の自動車の使用、ビラ及びポスターの作成に係る費用について、群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例(平成6年群馬県条例第7号。以下「条例」という。)第2条ただし書(第7条及び第11条において準用する場合を含む。)の規定により、候補者の得票数が供託物没収点に満たない場合は、公費負担の対象ではない。
  (3) 本件公選法違反及び本件選挙公営費の経緯について

<p3>
年月日               内容
平成31年2月26日 本件選挙の立候補予定者等説明会
           (選挙公営を含む各種書類、様式等を立候補予定者に配付)
適        宜 立候補予定者がそれぞれ契約業者との公費負担対象となる契約を締結
           選挙運動用ビラ及びポスターの作成開始
同  年 3月29日 本件選挙の告示日(立候補届出日)
           (選挙公営対象契約の確認手続等)
同  年 3月29日 選挙運動期間
    ~4月 6日 (選挙運動用自動車の使用(借入れ、運転手の雇用、燃料代))
           (選挙運動用通常はがきの送付(郵便局に持込み))
同  年 4月 7日 本件選挙の選挙期日
同  年 4月 8日 選挙会(各候補者の得票数が確定し、選挙公営の対象者が確定)
令和元年 5月 9日 県選管が日本郵便株式会社から本件選挙に係るはがき郵送料金の請求書を収受
同  年 5月21日 県選管が契約業者から元県議の本件選挙公営費(はがき郵送料金以外)の請求書を収受
同  年 5月24日 元県議の辞職(県議会による承認)
同  年 5月27日 本件選挙に係るはがき郵送料金の支出
同  年 6月12日 元県議の本件選挙公営費(はがき郵送料金以外)の支出
同  年 7月22日 公選法違反(事後買収)で元県議の妻が在宅起訴を受ける
同  年 9月 6日 元県議の妻に有罪判決(懲役1年・執行猶予4年)
同  年 9月21日 上記有罪判決確定
同  年10月11日 東京高等検察庁が連座訴訟を提起
同  年12月18日 連座判決
令和2年 1月 7日 連座判決確定
           (確定日から5年間、群馬県議会議員選挙吾妻郡選挙区から立候補禁止)
  (4) 請求人の主張に対する見解について
  ア 本件公選法違反で連座制の適用を受けた元議員の得票数は当然にゼロとみなされ、法定得票数に満たないため、選挙公営の適用外となるという主張について
    連座判決の効力は、公職の候補者等の当選の無効と5年間の群馬県 議会議員選挙吾妻郡選挙区での立候補禁止とされている(公選法第251条の2第1項)。当該公職の候補者等の得票数は、その後の当選無効の影響を受けるものでない。
    また、公選法第251条の5の規定により、連座制の当選無効等の効力は、連座訴訟の判決が確定したときに生ずるとされている。
    なお、本件公選法違反に関わる連座訴訟は、訴え提起前に元県議が辞職しているので、当選の無効につ

<p4>
いては当該訴訟の対象となっておらず、5年間の立候補禁止のみを求めたものになっている。
  イ 県選管は、法令順守の義務を放棄し、道義的責任を感じておらず、本件選挙公営費の返還を求めるべきであるという主張について選挙公営の制度は、金のかからない選挙を実現するとともに、候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段及び立候補者に認められた権利であり、参政権の一部である被選挙権を実質的に保障するための制度の一つといえる。
    県選管がこれを恣意的に扱い、法令で定められた枠を越えた制裁を公職の候補者等に強制することは許されない。
    また、請求人の求める行為は、県選管の権限及び裁量の範囲を逸脱したものであり、道義的責任の発生する余地はない。
  (5) その他
  ア 本件公選法違反と本件選挙公営費の関係について
    本件選挙公営費の請求自体が過大、架空など違法なものであった場合には、当然に契約業者等に対し不当利得分の返還を求めることとなるが、本件公選法違反は、選挙公営の対象となる選挙運動用の自動車の使用、ポスター及びビラの作成並びにはがきの郵送とは無関係な違反行為(契約業者ではない者への金品の提供)である。
  イ 元議員に対する返還請求について
    選挙公営制度の適用を受けるかどうかは候補者の判断によるものであるが、既に適法に契約業者等から本件選挙公営費を請求され、支払が完了しているので、元議員に対し返還請求することは法的根拠がない。
 2 事実関係の確認
  (1) 支出事務について
    本件選挙公営費に係る支出事務については、公選法及び条例等により、適正に行われていた。
  (2) 返還規定について
    公選法や条例に公選法違反で連座制の適用を受けた議員に対する選挙公営費について、返還請求できる規定はなかった。
  (3) 返還請求について
    元議員に対して、本件選挙公営費の返還請求はしていなかった。
第9 監査委員の判断
   本件措置請求において、請求人は、元議員の選挙公営に係る支出を巡り群馬県には計207万6293円の損害が発生しており、本件公選法違反による連座制の適用を受けた元議員から本件選挙公営費を返還させるなど、県選管に対し、群馬県の被った損害を補填するための必要な措置をとるよう求めている。
   しかしながら、地自法第242条に規定する住民監査請求は、その対象とされる事項につき、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実に限定されている。
   したがって、本件選挙公営費の返還措置を講じるためには、本件選挙公営費の支出が過大、架空等による違法若しくは不当な公金の支出であるか、返還請求権を有しているにもかかわらず、当該返還請求権を行使していないという財産の管理を怠る事実に当たらなければならない。
   これらについて、監査委員は次のとおり判断した。
  (1) 違法若しくは不当な 公金の支出について
    本件選挙公営費の支出について、平成31年4月7日に本件選挙が執行され、それに伴う事務手続きは、公選法及び条例等により、必要な要件を具備していることを確認した上で適正に執行されており、違法性及

<p5>
び不当性は認められない。
  (2) 財産の管理を怠る事実について
    条例第2条ただし書(第7条及び第11条において準用する場合を含む。)の規定により、選挙公営費の公費負担の除外対象は、選挙運動用の自動車の使用、ビラ及びポスターの作成に係る費用について、候補者の得票数が供託物没収点に満たない場合である。
    これを本件についてみるに、請求人は、本件公選法違反で連座制の適用を受けた元議員の得票数は当然にゼロとみなされ、法定得票数に満たないため、選挙公営の適用外となるという主張をする。
    しかしながら、連座判決の効力は、公選法第251条の2第1項の規定により、公職の候補者等の当選の無効と5年間の選挙区での立候補禁止に限定されており、元議員の得票数は、その後の当選無効の影響を受けるものでない。そもそも本件公選法違反による制裁は、公民権の停止に限定されており、本件選挙公営費とは連動しているわけではないから、選挙公営の適用外になるという請求人の主張は採用できない。
    そして、公費負担された選挙公営費について、公選法及び条例には、公選法違反で連座制の適用を受けた議員に対する選挙公営費を返還請求できる規定はない。そうすると、本件選挙公営喪について、返還請求権は発生する余地がなく、当該返還請求権を有しない以上、住民監査請求上の財産の管理を怠る事実は認められない。
    以上のとおりであるから、元議員に本件選挙公営黄の返還を求めるという請求人の主張は失当である。
    よって、請求人の主張は理由がなく、これを棄却する。
                             以上
**********

■P3に示してある時系列票を見て驚きました。南波元県議が2019年5月23日に辞職願を議会に提出し、翌5月24日に辞職が承認された3日後の5月27日に、県選管は、選挙はがき郵送料金をJPに支出し、19日後の6月12日に、選挙はがき以外の選挙公営費(ポスター代、運転集雇用代、燃料代)をそれぞれの業者(一部は南波元県議の関係する会社)に支出しているのです。

 遅くとも群馬県民は、2019年5月25日の新聞朝刊の報道を見て、この事件を知りました。5月23日の辞職願の提出を受けて、5月24日付けで報道した新聞もあります。

**********産経新聞2019年5月24日
群馬の南波県議 関係者聴取で引責辞職

24日付で群馬県議を辞職した南波和憲氏
 4月の統一地方選で行われた群馬県議選をめぐり、自民党の南波和憲県議(71)=7期、吾妻郡区=の関係者が公職選挙法違反の疑いで県警から任意で事情聴取を受けていることが24日、分かった。南波氏は23日、狩野浩志議長に辞職願を提出。24日開会した県議会本会議は、賛成多数で同日付の辞職を認めた。
 南波氏は平成7年の県議選以来7期連続で当選し、県議会議長や党県連幹事長などの要職を歴任したベテラン。捜査の行方によっては、夏の知事選と参院選に影響する可能性もある。県選挙管理委員会によると、次点の萩原渉氏(65)が繰り上げ当選する見通し。
 南波氏は23日、辞職について説明する書面を党県連の星名建市幹事長に提出。「県議選で公職選挙法に抵触する関係者に取り調べが行われている」とし、「知事選と参院選を控えており県連などに迷惑がかかる」として引責辞職する意向を伝えた。
 文書では、取り調べの対象となった人物や具体的な違法行為については「調査中」として明かしておらず、持病が悪化していることも辞職の理由に挙げていたという。
 星名氏は報道陣の取材に「県議団の重鎮であり(辞職は)痛手だ」とし、知事選と参院選に向けて「組織態勢をしっかりと固めていきたい」と語った。
 3期目の今期限りでの政界引退を表明している大沢正明知事は「重要なポジションにいた県議だっただけに辞職はショックだ」と述べた。
**********

■発行部数40万部を自称する地元紙も5月25日朝刊で次のとおり報じています。

**********上毛新聞2019年5月25日
南波和憲氏が県議辞職 7期当選 「関係者が選挙違反疑い」
 自民党群馬県議の南波和憲氏(71)=吾妻郡区、7期=は県議の辞職願を狩野浩志議長宛てに提出し、24日の県議会本会議で許可された。辞職理由について「県議選を巡り、自らの関係者が公職選挙法違反の疑いで県警から取り調べを受けているため」と自民県連に説明した。南波氏の辞職により、同郡区で次点だった萩原渉氏(65)が繰り上げ当選する見通し。重鎮県議の突然の辞職を受け、県連は2カ月後に迫る知事選や参院選に向けた態勢の立て直しを急ぐ。
 同日会見した県連の星名建市幹事長によると、南波氏は23日に狩野議長宛てに辞職願を提出、星名幹事長には辞職理由を記した書面を渡した。
 星名氏に手渡した文書では、4月の県議選を巡って関係者が県警の取り調べを受けているため、「知事選や参院選を前に、県連に多大な迷惑を掛ける懸念がある」と説明。持病の悪化による体調不良も理由としていた。
 星名幹事長は「我が党や県議団、県議会にとっても重要な方で大変な痛手」とし、「こういった時期なので県議団として改めて一致協力し、選挙に向けて組織を固めていく」と述べた。
 南波氏は議会基本条例推進委の委員長のほか、参院選群馬選挙区に自民公認で出馬予定の清水真人氏陣営の選対本部長を務めるなど、党内外で複数の要職にある。議員辞職に伴い、党内の前役職も退く意向で、県連は今後、後任選びなど対応を急ぐ。
 大沢正明知事は24日「県議会の中でも要となる議員だった。突然の辞職は私にとってもショックだ」と述べた。
 萩原氏は「驚いている」と述べ、今後については「県政で再び活動できる機会を頂けるのであれば、引き続き中山間地域の過疎化を食い止めるために力を尽くしたい」と語った。
 公職選挙法の規定では、県議選の実施から3か月以内に辞職などによって欠員が生じた場合、法定得票数を得て次点となった立候補者が繰り上げ当選する。南波氏の辞職を受け、同郡区の選挙会が同法に基づいて20日以内に開かれ、萩原氏の繰り上げ当選が決まる。
==========社会面(紙面記事より転載)
南波県議が辞職 地元に戸惑い、不満広がる 「ショック」「説明を」
 「真面目な人だったのでショックだ」―。自民党の南波県議の突然の辞職に対し、選挙区の吾妻郡内の有権者には24日、戸惑いや不満が広がった。三つどもえの激戦となった4月の県議選を巡り、陣営関係者に公選法違反容疑が浮上していることが辞職理由の一つとされ、不信感を募らせる人も。7期目の重鎮だっただけに、早期開通が求められる上信自動車道など地域の事業への影響を懸念する声もある。
 新聞で辞職の意向を知った中之条町の70代男性は、「選挙中から体調が悪そうだと聞いており、体調不良での辞職だと思っていた。選挙違反するとは考えられない」と驚いた様子。長野原町のパート女性(64)は「地域の催しに代理を立てることなく出席してくれた。辞職は驚き」とした。
 捜査関係者によると、南波氏の関係者が当選後、複数の支援者に金券を贈ったなどの疑いが浮上し、県警は同法違反の疑いを視野に、慎重に捜査を進めているもようだ。
 県議選で対立候補を応援していた中之条町の60代男性は「以前からうわさはあった。陣営に広がっているのであれば大きな騒ぎになる」と懸念した。東吾妻町の60代男性は「相当厳しかったのだろうか」として、8年ぶりの選挙戦となった状況を推し量った。
 支持した人には憤りも強い。中之条町の70代男性は「寝耳に水。懸命に応援して激戦を勝ち抜いたのに、何の連絡もなく辞めるとは頭にくる」と話した。東吾妻町の40代男性は「当選してすぐに辞職するのは理解に苦しむ。思いを託した有権者のために、本人の口からきちんとした理由を説明してほしい」と注文を付けた。草津町の男性(66)は「選挙違反が本当なら残念」と肩を落とした。
 吾妻郡町村会長の熊川栄嬬恋村長は「(南波氏は)上信自動車道の整備や八ッ場ダムの建設促進はもちろん、福祉や教育など郡内の住民に寄り添った政策を進めた。政治的でまじめな人だったのでショック」と話した。別の首長も「郡内の要望を県に伝え、調整する大きな役割を担っていた。県との太いパイプが失われることは非常に残念だ」と肩を落としていた。
 辞職の理由には、体調への不安もあったとされる。東吾妻町の自営業男性(80)は、「(南波氏は)年中、病院に行っていたようだ。選挙に出馬しなければよかったのではないか」と話していた。
**********

■こうした重要な事実が報道されても、群馬県の選管は、条例に記載がないからとして、公金であがなわれる選挙公営費を何の躊躇もなく、選挙違反の疑いのある政治家と契約した契約業者からの請求書に対して、本人に事実関係を確認しないまま、支払ってしまったのでしょうか。

 本来であれば、供託金も没収されなければならないところです。なぜなら、供託金が没収されるのは、立候補した後に立候補を取り下げた場合や辞退した場合、選挙違反などで立候補資格を失った場合のほか、選挙で一定の得票が得られなかった場合だからです。

 この供託金の額を見てみましょう。
  選挙の種類           供託金の金額
  衆議院議員選挙(小選挙区)   300万円
  参議院議員選挙(選挙区)    300万円
  都道府県知事選挙        300万円
  都道府県議会議員選挙      60万円
  政令指定都市の市長選挙     240万円
  政令指定都市の市議会議員    50万円
  一般の市区長選挙        100万円
  一般の市区議会議員選挙     30万円
  町村長選挙           50万円
  町村議会議員選挙        なし

■今回の住民監査請求に対して、監査委員は、「公選法違反の連座制適用は当選無効と公民権行使の制限(5年間の立候補禁止)のみであり、選挙公営は適用外」を理由に、選挙公営費の返還請求はしなくてもよい、との判断をしました。

 その上で、選挙公営は、「供託金が没収されない限り、公費負担除外対象には該当しない」と結論付けています。しかし、供託金は選挙違反をすれば、当然没収されなければならないはずです。

 今回、選挙違反(事後買収)が確定したわけですから、当然供託金は没収されることになりますが、たまたま選挙の投開票日の翌日に事後買収をしたため、警察の捜査開始から終結により書類送検を経て、検察により起訴するかどうか検察官が判断するまでには時間がかかります。だから、結果的に供託金は没収に至る前に返還されてしまったわけです。

 しかし、本来であれば、選挙違反が行われ連座制の適用を受けたわけですから、当然、供託金は没収されなければならないはずです。そして、選挙公営で支出された公金も返還されるべきではないのでしょうか。

■当会は、実はこの件について、1月27日の陳述に先立ち、1月9日10:39に総務省自治行政局選挙課に電話をして見解を求めました。しかし、担当職員が「調べてから連絡する」というので、その後連絡を待っていましたが、一向に連絡はありませんでした。








 そのため、再度1月27日の15時からの陳述前の14:07に、選挙課に電話をしましたが、この時も担当者が席を外しているというので、連絡がとれませんでした。したがって、やむなく陳述では、選挙課のコメントを開陳することができませんでした。










 意見陳述には、有識者の立場で2名の監査委員(丸山氏、林氏)のみが出席し、議会選出の2名の監査委員(中島氏、我孫子氏)は姿を見せませんでした。事務局に聞いてみると「本件の利害関係者だから」という理由なのだそうです。ちなみに、現在の群馬県監査委員は次の4名です。
 氏名     選出別     就任年月日     備考
①丸山 幸男  識見委員 平成25年2月21日  常勤(代表監査委員)
②林   章  識見委員 平成28年10月1日  非常勤
③中島  篤  議会選出委員 令和元年5月17日  非常勤
④安孫子 哲  議会選出委員 令和元年5月17日  非常勤


 しかし、同じ仲間の県会議員が公選法違反で公民権として被選挙権を5年間剥奪されたわけですから、この問題は他人ごとではないはずで、むしろ、積極的に監査をしてほしいところです。ただし、確かに仲間を庇うことも有り得ますので、本来選良の集まりのはずである県議会ですが、性善説をそのまま鵜呑みにするのも抵抗感が生じます。

■最終的には、前述のとおり当会の住民監査請求は監査委員に棄却されてしまいました。すなわち、選挙違反がバレても、選挙会でいったん当選が宣言されてしまい、供託金の没収を免れた後であれば、選挙公営費用も全て公金負担で問題ない、と群馬県監査委員(議会出身者を除く)が結論付けたわけです。 

 その後、2月4日の午後1時過ぎに、別件裁判で東京地裁を訪れた際に、向かい側にある総務省選挙課に電話をしてみました。すると選挙課のサカイ職員が電話口に出てくれました。サカイ氏との電話のやりとりは概ね次のとおりです。

 選挙課「先週、電話をしたが番号違いか何かでつながらなかった。回答というか規程の説明になってしまうが、例えば選挙事務所、でなく、選挙カー、自動車については公選法141条の7項に規定はされている。例えば衆議院や参議院の選挙で政令により無料で使用することができるというふうにされているなかで、そこで但しということで、供託物が国庫に帰属されることにならない場合に限るとされている。なので、あのう、そこはまあ供託金が国庫のほうに帰属されることになる場合については、無料で使用することはできないというような形になるんですけれども」
 当会「法定得票数に足りなかった場合は、というときですね」
 選挙課「そうですね。その供託金が国庫に寄贈されるということになるケースが、法定得票数に達しなかった場合ですとか、あとは、候補者の届出が取り下げられて、その候補者たることを辞した場合、そういったケースがあるのかなあと思うんですけれども、あとは司法の判断のなかで、選挙における得票が無効であるという場合について、供託物が返還されなくて没収となるというケースもあるかとおもう。その辺は、司法の判断になってくるかと思うので、得票が無効となるかいなか、というのはその個々のケースに応じて違うのかな、という気もいたします」
 当会「わかりました。そんな感じですね」
 選挙課「そんなかたちでの規定のご説明になりますので…」
 当会「まあ、いずれにしても地方分権法で、選挙の主体はそれぞれの自治体の判断ということで私も承っているので、だから今回のケースもおっしゃるように司法の判断ということだと究極的にはそう思います」
 選挙課「最終的には司法の判断ですね」
 当会「そうですよね。だから住民訴訟で白黒つけてみたいと思います。いろいろありがとうございます」
 選挙課「いや、とんでもないです」

■本件について、住民訴訟を提起するかどうかは、監査結果通知を受けた2月18日から30日以内の3月19日(木)までに判断したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【消防救急デジタル無線談合】高崎市・安中市消防組合監査委員に対して当会が証拠提出と陳述

2020-02-22 22:13:00 | 消防救急デジタル無線談合

■消防救急デジタル無線の入札談合問題は、公正取引委員会が2017年2月2日に独占禁止法違反で排除措置命令及び課徴金納付命令を出したことが発端です。以来、全国市民オンブズマン連絡会議は、全国各地の各オンブズマン組織に対し、消防本部が業者に損害賠償請求させるよう呼びかけてきました。当会「市民オンブズマン群馬」も、いち早く入札調書等を関係消防組合から情報公開請求により入手し、動向を注視してきました。
 最近では2019年9月28-29日に岐阜市で行われた「第26回市民オンブズ全国大会in岐阜・2019」において、消防デジタル無線談合について、該当自治体に遅くとも2020年7月までに住民監査請求をするよう呼びかけが行われました。
 これを踏まえて当会は、今年1月29日付で、高崎市・安中市消防組合(高崎市等広域消防局)、桐生市消防本部、館林地区消防組合消防本部に対して住民監査請求書を提出しました。すると、高崎市・安中市消防組合監査委員から次の内容の受理通知書と一緒に質問事項が送られてきました。

高崎駅到着前に新幹線の車窓から見える沖電気高崎事業所のビル。

 なお、住民監査請求書については次のブログ記事を参照ください。
○200年1月31日:【消防救急デジタル無線談合】時効が迫る中、群馬県でも3消防組合に住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3115.html

*****受理通知書*****ZIP ⇒ 20200208m.zip
                              第313-1号
                             令和2年2月7日
請求人 小川 賢 様
              高崎市・安中市消防組合監査委員 田口 幸夫
                     同        武者 葉子
  住民監査請求について(通知)
 請求人が令和2年1月29日付けで提起した住民監査請求書(1)について、1月30日 付けで受埋したことを通知し、写しを送付します。 また、住民監査請求書(2)については取下げ書を受理しましたので別添のとおり返送します。


*****質問事項*****ZIP ⇒ 20200208.zip
                              第313-1号
                             令和2年2月7日
請求人 小川 賢 様
             高崎市・安中市消防組合監査委員 田口 幸夫
                    同        武者 葉子
  住民監査請求に係る質問事項について
 請求人より提起された、令和2年1月29日付け住民監査請求について、確認したい事項があるため別紙のとおり質問いたします。
 回答は2月17日(月)必着としてください。期日以降に提出された場合は、回答がなかったものといたしますのでよろしくお願いいたします。

=====質問書=====
            質 問 書
ア 令和2年1月29日付け住民監査請求書(1)中P1 7行目「各自金5243万2500円を消防組合に返還させるための必要な措置をとることを勧告するよう求める」とありますが、合計1億468万5,000円の賠償を求める場合、同P2 17行目「関越電子情報とは、共同不法行為となる」の文中にある共同不法行為は、「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。」(民法第719条第1項)ことを指すことから、請求額は合計にならないと思われます。各自に対し5234万2500円を返還させる根拠をお示ししてください。
イ P1 33行目「関越電子情報はこの「代理店等」に該当し」とありますが、関越電子 情報株式会社が沖電気工業株式会社の代理店等である根拠をお示ししてください。
ウ 同P1 33行目「談合により本件工事の価格の公正が害された」、同P2 5行目「関越電子情報は、沖電気工業と共に入札談合を行っていた」とありますが、関越電子情報株式社が沖電気工業株式会社と談合していたという根拠をお示ししてください。
工 同P1 33行目「談合により本件工事の価格の公正が害されたと認定されている」とありますが、価格の公正が害されたと認定している根拠をお示ししてください。
オ P2 2行目「関越電子情報に対し、請負代金額の100分の10である5234万2500円の違約金請求権を有する」とありますが、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けていない関越電子情報株式会社に対して、平成24年10月19日締結の物品売買契約書第10条第1項(1)を適用し、違約金請求することができる根拠をお示ししてください。
カ  同P2 22行目「沖電気工業に対して、5235万2500円の損害賠償請求権を有する」とありますが、市と契約していない沖電気工業株式会社に対して、直接請求できる根拠をお示ししてください。なお、P2 22行目の金額は5234万2500円の誤りかと思われますので、訂正してもよろしいでしょうか
**********

■早速全国市民オンブズマン連絡会議事務局の内田氏(名古屋市民オンブズマン事務局長)に連絡し、岐阜市など他県で既に先行して訴訟の動きを見せている自治体やオンブズマンの事例を教えてもらい、関連資料を送ってもらいました。

 それら関連資料を添付して、2月17日までに次の回答を、高崎市・安中市消防組合監査委員に提出しました。

*****回答書*****ZIP ⇒ 20200217.zip
                          令和2年2月17日
高崎市・安中市消防組合監査委員 田口 幸夫 様
       同        武者 葉子 様

                          請求人  小川 賢

          住民監査請求に係る回答について

 請求人が提起した、令和2年1月29日付け住民監査請求について、貴殿らが「確認したい事項がある」として、同年2月7日付け313-1第号の「住民監査請求に係る質問事項」と題して送付のあった文書について、次のとおり回答いたします。

ア 令和2年1月29日付け住民監査請求書(1)中P1 7行目「各自金5243万2500円を消防組合に返還させるための必要な措置をとることを勧告するよう求める」とありますが、合計1億468万5,000円の賠償を求める場合、同P2 17行目「関越電子情報とは、共同不法行為となる」の文中にある共同不法行為は、「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。」(民法第719条第1項)ことを指すことから、請求額は合計にならないと思われます。各自に対し5234万2500円を返還させる根拠をお示ししてください。

(回答ア)
 請負代金が5億2342万5000円で、違約条項が100分の10ですので、合計1億468万5,000円ではなく、合計で5243万2500円を各自に返還させると住民監査請求には記載しました。


イ P1 33行目「関越電子情報はこの「代理店等」に該当し」とありますが、関越電子 情報株式会社が沖電気工業株式会社の代理店等である根拠をお示ししてください。

(回答イ)
 関越電子情報株式会社が、高崎市・安中市消防組合に対して「機器供給証明書」を提出しているはずで、そこに沖電気名で「特約店契約に基づき関越電子情報株式会社に機器を供給することを証明いたします」と記述されているはずです。


ウ 同P1 33行目「談合により本件工事の価格の公正が害された」、同P2 5行目「関越電子情報は、沖電気工業と共に入札談合を行っていた」とありますが、関越電子情報株式社が沖電気工業株式会社と談合していたという根拠をお示ししてください。

(回答ウ)
 まず、沖電気工業は5社と談合していたのは「ちず」で明らかです。「AI」が沖電気をあらわし、「チャン」が談合を示しています。事実証明書6「乙35号証」の添付リスト「189番」に、「関越電子情報」が落札するとの記載があります。談合の実態については、事実証明書7「乙37号証」もご覧ください。
 なお、利害関係人になれば富士通ゼネラルの課徴金納付命令の取消訴訟(東京地方裁判所 平成29年(行ウ)第356号事件)の資料を閲覧可能であり、そこに明確に「沖電気は関越電子情報を間販とする」と記載があるはずです。
 関越電子情報が沖電気から機器を供給され、沖電気工業が5社と談合して落札すると決めていれば、関越電子情報と沖電気は談合していたことになります。


エ 同P1 33行目「談合により本件工事の価格の公正が害されたと認定されている」とありますが、価格の公正が害されたと認定している根拠をお示ししてください。

(回答エ)
 本件の同様の間販である愛知県尾三(びさん)消防組合は、談合発覚以降の入札案件の平均落札率85.56%と、尾三消防組合の落札率99.80%の差である14.24%を2社による談合によって不当に高額な金額で発注させられたと考えています。貴組合も談合の弊害については、請求人と同じ認識でいるはずだと承知しております。
 なお、事実証明書8として、尾三消防組合が沖電気とその代理店を相手取り訴訟を提起した訴状を添付しますので、参考にしてください。


オ P2 2行目「関越電子情報に対し、請負代金額の100分の10である5234万2500円の違約金請求権を有する」とありますが、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けていない関越電子情報株式会社に対して、平成24年10月19日締結の物品売買契約書第10条第1項(1)を適用し、違約金請求することができる根拠をお示ししてください。

(回答オ)
 住民監査請求書に記載のとおりです。


カ  同P2 22行目「沖電気工業に対して、5235万2500円の損害賠償請求権を有する」とありますが、市と契約していない沖電気工業株式会社に対して、直接請求できる根拠をお示ししてください。なお、P2 22行目の金額は5234万2500円の誤りかと思われますので、訂正してもよろしいでしょうか

(回答カ)
 直接請求できる根拠は住民監査請求書に記載のとおりです。なお、誤字の箇所は訂正くださるようお願いします。


                                 以上

添付:
事実証明書6 「乙35号証」供述調書
ZIP ⇒ 6s35ip120j.zip
6s35ip2138j.zip
事実証明書7 「乙37号証」供述調書
ZIP ⇒ 7s37.zip
事実証明書8 「乙1号証」訴状
ZIP ⇒ 8o1.zip
事実証明書9 「甲A11-3」談合一覧表
ZIP ⇒ 9ba113.zip
**********

■あわせて2月14日付で、高崎市・安中市消防組合監査委員から、証拠の提出及び陳述について通知書が届きました。



*****陳述通知*****ZIP ⇒ 20200214zqm.zip
                        第320-2号
                      令和2年2月14日
小川 賢 様

                   高崎市・安中市消防組合
                   監杏委員 田口 幸夫
                   同    武者 葉子

 住民監査請求に係る証拠の提出及び陳述について(通知)

 地方自治法第242条第6項の規定に基づき、証拠の提出及び陳述の機会を下記のとおり設けましたので通知します。
             記
1 日  時  令和2年2月21日(金)午前10時00分から
2 場  所  高崎市役所13階監査室(住所 高崎市高松町35-1)
3 注意事項  別紙のとおり
4 委 任 状  陳述を委任する場合は、別紙記載例の様に作成してください。(書式自由)

                 高崎市監査委員事務局
                 監査担当 剣持
                 TEL 027-321-1300(直通)
                 FAX 027·325·4879
                 kansa@city.takasaki.gunma.jp

=====別紙=====
第1 陳述について
1 陳述は、請求人又はその代理人が行ってください。ただし、代理人が行う場合は、陳述を行う日の前日までに委任状を提出しなければなりません。
2 陳述人は、監査委員の指示に従って陳述を行ってください。
3 陳述の時間は概ね30分以内です。ただし、陳述人が複数の場合は、合計で1時間以内となります。
4 陳述が上記の時間内に終了しない場合、監査委員が陳述を終結させることがあります。この場合、必要 に応じ、陳述を補完するための書面を、監査委員が指定する日までに提出することができます。

第2 傍聴について
1 傍聴人の定員は原則5名です。ただし、場合により定員を変更することがあります。
2 傍聴希望者は、陳述の開始予定時刻5分前までに、陳述会場に備付けの傍聴人名簿に必要事項を記入しなければなりません。
3 次の各号のいずれかに該当する方は、傍聴することができません。
 ・酒気を帯びている者
 ・凶器その他人に危害を加え、又は迷惑を及ぼすおそれのある物品を携帯している者
 ・プラカード、のぼり、旗その他陳述会場に持ち込むことが不適当な物品を携帯している者
 ・はち巻き、たすき、腕章、ヘルメット、ゼッケン等を着用又は携帯している者
 ・その他陳述の円滑な運営を妨げるおそれのある者
4 傍聴人は、監査委員の指示に従い、次の各号を守らなければなりません。
 ・陳述に対して拍手その他の方法により賛否を表明しないこと。
 ・私語、飲食又は喫煙をしないこと。
 ・所定の傍聴席以外の場所に立ち入らないこと。
 ・携帯電話等の通信機器の電源を切ること。
 ・その他陳述会場の秩序を乱し、又は運営の妨害となるような行為をしないこと。
5 上記に反する行為があった場合、監査委員は行為の停止や退場を命じることがあります。

=====別紙=====
            委 任 状
受任者 住所  〇〇市〇〇町○番○号
    氏名  〇〇〇〇

 私は、上記の者を代理人とし、〇〇に関する住民監査請求の請求人陳述及び証拠提出をすることを委任します。

  令和○年○月○日
                 委任者 住所 〇〇市〇〇町○番○号
                     氏名 〇〇〇〇 ㊞
**********

■2月21日(金)午前10時に高崎市役所13階の陳述会場である監査室に赴きました。





 そして、2名の監査委員(田口幸夫・有識者/元市役所幹部職員/現高崎市都市整備公社監事、武者葉子・安中市議/公明党)と監査員事務局職員(宮下局長、田中担当係員、剱持主任主事)の前で約15分間にわたり陳述し、追加の証拠となる事実証明書10~13を提出しました。





※事実証明書10 ZIP ⇒ 202002110p18.zip
202002110p914.zip
※事実証明書11 ZIP ⇒ 202002111.zip
※事実証明書12 ZIP ⇒ 202002112.zip
※事実証明書13 ZIP ⇒ 202002113.zip

 陳述後、田口幸夫監査委員から、「先日回答書と一緒に提出していただいた事実証明書6~9はどのようにして入手したのか?」と質問があったので、「この消防救急デジタルを巡る談合問題に取り組んでいる全国市民オンブズマン連絡会議の事務局から、他の自治体で既に沖電気とその代理店を相手取って訴訟中の裁判資料を送ってもらいました。また、実際に高崎市・安中市消防組合が訴訟に踏み切れば、当事者ということで、公正取引委員会に関係証拠資料を請求して取り寄せすることもできます」と説明しました。

 監査委員からの質問は以上のみでしたが、今回の陳述では、高崎芸術劇場を巡る官製談合を例示し、全国の県庁所在地、中核市の63市のうち、高崎市の落札率がもっとも高いこと、またライバルの前橋市の落札率も全国63市のうち12番目であること、さらに群馬県も全国47 都道府県中3番目に落札率が高いことを紹介し、高崎市をはじめとする群馬県の自治体の談合体質についてアピールし、こうした体制を自ら反省して是正するためにも、今回の民間業者による談合事件についても、毅然とした対応を取るよう強く要請しました。

■監査結果は、遅くとも、3月下旬に通知されるものとみられます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


※参考情報「無線基地局等整備工事で談合認定された沖電気から組合に違約金を既に支払い済み」
*****1/30行政文書公開請求書*****ZIP ⇒ 20200130seshgsj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
 高崎市・安中市消防組合管理者が、平成25年7月1日に沖電気工業株式会社と締結した「消防救急デジタル無線基地局等整備工事」事業の建設工事請負契約に関し、その後、受注者である沖電気工業が独占禁止法第3条の規定に違反したことにより、受注者は、発注者の高崎市・安中市消防組合に対して、請負代金額(この契約締結後、請負代金額の変更があった場合には、変更後の請負代金額)の10分の1に相当する額を支払わなければならない(契約約款第48条第1項(1)号)。平成29年8月までに、受注者から違約金が支払われたことが分かる、受注者との間で交わされた一切の行政文書。

*****2/5行政文書公開決定通知書*****ZIP ⇒ 20200205sjmihj.zip
令和2年2月19日(水)午前8時30分から高崎市等広域消防局総務課(電話番号027-322-2393)で開示。

*****開示資料一式*****ZIP ⇒ 20200205sjmihj.zip
=====沖電気あて通知書=====
                      高安消総発第180号
                      平成29年7月26日
沖電気工業株式会社 群馬支店
支店長  加 藤 清 孝   様
                     高崎市・安中市消防組合
                     管理者 富岡 賢治

      違約金の請求について(通知)

平成25年7月1日付け締結した「消防救急デジタル無線基地局等整備工事」 の建設工事請負契約約款の規定に基づき、下記のとおり違約金を請求します。

             記

1 請求の理由
 貴社は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)第3条の規定に違反する行為を行っていたとして、公正取引委員会から平成29年2月2日付けで課徽金の納付を命じられた。このことは、平成25年7月1日付け締結した消防救急デジタル無線基地局等整備工事に係る建設工事請負契約約款第48条第1項第1号に掲げる違約金を支払わなければならない場合に該当するため、同項の規定により当該契約の請負代金額の10分の1に相当する額を請求するものである。

2 請求額 112,350,000円

3 納入方法及び納入期限
 別添の納入通知書により、平成29年8月25日まで

                問い合わせ先
                 高崎市等広域消防局 総務課
                 電話:027-322-2393

=====領収済通知書(納入通知書)=====
平成29年度 通知書番号65-019310-00-00
納付者 〒370-0843高崎市双葉町3-1
    沖電気工業(株)群馬支店 様
「消防救急デジタル無線基地局等整備工事」に係る違約金
高安消総務発第180号
納付金額  112,350,000円
納入期限  平成29年8月25日
所属 911000  広城消防局消防総務課
会計 70 消防
款  07 諸 収 入
項  01 雑  入
目  01 雑  入
節  01 雑  入
細節 3311470 沖電気工業違約金
高崎市・安中市消防組合・.
収納済印
出納 みずほ銀行29. 8. 25 本店2・35 小川
(会計管理者へ送付)
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