市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【速報】大同有害スラグを斬る!…本日の上毛新聞朝刊が報じた刑事告発検討記事で焦点となる群馬県の重い腰

2015-07-14 12:21:00 | スラグ不法投棄問題
■市民オンブズマン群馬では、2014年初頭より、有害スラグ問題に積極的に取り組んできました。その後、この問題の深刻な実態を浮き彫りにするため、特別調査団を結成するなどして、県内各地のスラグ投棄現場で取材を重ねつつ、調査結果を皆様に都度報告してまいりました。その結果、この問題の根幹として、“無許可で産業廃棄物を処理してよいのか?”という疑念がますます膨らんでくるのを感じていました。
 無許可でサンパイを処理して処分すれば、廃棄物処理法で言う違法行為となり、不法投棄と見なされます。このため、当会は以前より群馬県警捜査二課に対して、この問題を提起してきました。本来であれば、当会が告発してもよかったのですが、行政の自主性や自浄作用を見極める必要があることから、これまで、群馬県の対応を注意深く監視してきました。
 そうした状況下で、本日の地元紙朝刊に次の内容の記事が報じられました。

20150714_jomoshinbun_slug_kokuhatukento_kiji.pdf

**********2015年7月14日上毛新聞朝刊
スラグ問題 県、刑事告発を検討 業者、無許可で産廃処理?
 鉄鋼メーカー、大同特殊鋼の渋川工場(渋川市)の鉄鋼スラグが県内の公共工事で使われ、一部で環境基準を超えたフッ素や六価クロムが検出された問題で、同工場からスラグを引き取った県内の業者が産業廃棄物処理に関し無許可だった疑いがあるなどとして、県は産業廃棄物処理法違反容疑などで県警に刑事告発することを視野に詰めの調査に入った。関係者の取材で13日分かった。
 問題をめぐっては、国が発注した国道17号上武道路や八ツ場ダム(長野原町)の関連工事などで、同工場から排出されたスラグが使われたとみられる現場の一部から、基準値を超えたフッ素や六価クロムが検出された。県や前橋、渋川両市の土木工事などでも基準値超のフッ素などが検出された。
 一方、同工場はスラグの再利用のための建設資材として業者に売る際に、販売価格よりも高額の費用を支払う「逆有償取引」をしていた。販売側が費用負担する逆有償取引は「引き取り代金」の性格を帯び、不適切な産業廃棄物処理形態とみなされることがある。
 関係者によると、県は基準値超のフッ素などが検出された点や、逆有償取引の状況などを踏まえ、問題のスラグが実質的に産業廃棄物にあたるかどうか、近く最終判断するとみられる。
 県は2014年1月に同工場を立ち入り調査し、スラグが産廃にあたるかなどを慎重に調べている。15年2月の県議会一般質問で県は「調査は大詰め。「結果が得られ次第、速やかに公表したい」としていた。
**********

■内陸に立地する大同特殊鋼渋川工場からは、年間2万数千トンに及ぶ鉄鋼スラグが排出されます。この鉄鋼スラグをいかに安く片付ければよいか、この命題は常に大同特殊鋼につきまとってきました。その結果、たどり着いたのが、佐藤建設工業とブラック連合を組んで、スラグを無許可処理する方法でした。

 もちろん、あからさまに無許可処理をするわけにはいきません。大同特殊鋼と佐藤建設工業のブラック連合は、この無許可処理を“隠すため・逃れるため”、いろいろな手段を講じて、つまり隠ぺい工作を行っていたのでした。

 この隠ぺい工作のため、有害スラグ問題は複雑かつ難解な様相を呈し、さらにお役人様の得意な“不作為”(見て見ぬふり)も重なったため、これまでの道のりはかなりの長丁場となっていました。

■そうした最中、今朝の上毛新聞の報道記事を見ると、当会が取り組んできて、浮き彫りにしてきた今回の有害スラグ問題の根幹である「無許可処理」について、正面から取り上げられており、複雑で難解な隠ぺい工作のもつれた糸も次第に解き明かされつつあり、いよいよ刑事告発が近くなってきたことを感じさせます。

 しかし、長年にわたり利害が絡んできていたこの有害スラグ問題は、複雑かつ多岐にわたり、根深くなってしまっており、廃棄物処理法による無許可処理だけでおしまい、ということにはなりません。

■例えば、有害スラグが、盛り土材に無思慮に混入されている問題が残っています。群馬県では、盛り土材問題はまだ取り上げられていません。一方、国土交通省においては、盛り土材に有害物質のフッ素が基準値を超えて混入されたことが公表されています。

 当会の調査によれば、2015年3月いっぱいまで佐藤建設工業の盛り土材が上武道路工事に使用され続けていたことが確認されています。また、つい最近、この7月に、またしても佐藤建設工業のスラグ運搬車が動き出した、という情報が当会に寄せられております。

 この春においても、「中之条土木事務所管内の沢渡地区で、佐藤建設工業のスラグ運搬車が、盛り土材らしき資材を運搬している」目撃情報が当会に報告されたことがあります。

■こうした他にも、佐藤建設工業との取引関係を断ち切ることができず、訳知りで不法投棄の片棒を担いだ、すなわち、「共犯」関係にあったこと疑われる業者も多数存在しています。

 今後、行政や捜査機関が、こうした問題に対して、どこまで踏み込むことができるのかは予断を許しません。ただひとつ予断を許していただけるのであれば、当会では今後も粘り強く、“きれいな群馬ちゃん”を取戻すため微力ながら全力で活動を続けてまいる所存であることです。


佐藤建設工業本社とスラグ運搬車群。2014年5月撮影。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする