市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電がつき続ける「スマートメーターのウソ」・・・売国奴企業・東電に対し「督促の交換要求書」を発出

2018-12-31 21:21:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■かねてより当会のブログにて、再三再四に亘り報告してきたとおり、広く国民の皆様に、電力会社が、あたかもより良いものであるかのような印象を与えるべく、意図的に耳ざわりよい呼称を付して普及させようとしている「スマートメーター」。この「スマート」なはずのシロモノが、その実は、如何にユーザーにとって『百害あって一利なし』の危険な電力計であることがわかりました。
 知らぬ間に、「従来型アナログメーター(電力計)」から、この「スマートメーター」に勝手に交換設置された当会会員は、12月20日の東電からの不誠実な回答に対して12月22日付で内容証明郵便を提出したのに続き、更に重ねて年も押し詰まった12月27日付で同じく内容証明郵便で東電に対して「従来型アナログメーター(電力計)」に交換するように重ねて通告しました。


 この交換設置要求は、既に本年10月15日付で当会会員が最初に東電に送った内容証明郵便でも明記してありますが、この時の交換要求書から数えて既に約2.5ヶ月経過しています。ところが一向に誠意ある対応が為されていません。

 なお、スマートメーターを巡るこれまでの関連情報は次のブログ記事をご覧下さい。↓
○2018年12月25日: 東電がつき続ける「スマートメーターのウソ」・・・またまた届いたウソのつきっ放し文書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2848.html
○2018年12月21日:各電力会社に対して「『アナログ型メーター(従来型電力量計=誘導形電力量計(表面計))(以下、「アナログメーター」という)』の確保要求」を通告いたしました。
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2846.html
○2018年12月17日:勝手にスマートメーターに交換した東電がつき続ける「スマートメーターのウソ」
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2844.html
○2018年12月6日:東電スマートメーター火災事故の隠蔽に加担した総務省消防庁の呆れた対応を一面トップで報じた東京新聞
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2837.html
 ○2018年12月1日:勝手に「スマートメーター」に交換された電力量計を従来型に戻してほしいとの再要請を東電がまたもや拒否
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2832.html
 ○2018年11月21日:スマートメーター火災事故を隠蔽した東電のことを一面トップで報じた東京新聞のジャーナリズム精神
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2822.html
○2018年11月13日:勝手に「スマートメーター」に交換された電力量計を従来型に戻してほしいとの要請を拒否した東電に再度要求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2812.html
 ○2018年10月24日:勝手に「スマートメーター」に交換した東電に元のアナログ型に戻すよう内容証明で要求するもナシの礫
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2792.html
 
 ●YouTube動画も併せてご覧ください。
 ⑴,「https://youtu.be/DKFJTv7MfcY
  「スマートメーター、こんなにヒドイ!!!!
   How terrible a SmartMeter is!!」

 ⑵,「https://youtu.be/jWia4177v3E
  「スマートメーターとの電磁波比較、携帯電話」
   スマートメーターの強力電波は、携帯電話、「スマートフォン」の比ではない。

 ちなみに、この問題については、つい先日、12月27日の18時40分頃、テレビ朝日のニュース放送スーパーJチャンネルで、この「スマートメーター」の火災についての放送が、漸くありました。
※2018年12月27日(木)16:50~19:00 テレビ朝日 【スーパーJチャンネル】
<新着・いま何が?>スマートメーター・10万台に発熱のおそれ
電力計メーカー・東光東芝メーターシステムズは先月家庭用スマートメーターで発熱や異常な音などの不具合が相次ぎ、東京電力などが2万4000台について交換を進めている。
その後の調査で発熱などの原因とみられる部品が他のメーターにも使われていたことが分かり、交換が必要な台数が約10万台に拡大。
この不具合でけが人などは出ていない。
東光東芝は「火災のおそれはないが、異常な音がした場合は連絡してほしい」としている。

※東光東芝のURL:http://www.t2ms.co.jp/
※東京電力のURL:http://www.tepco.co.jp

■これまでに東電が、当会会員に寄こした書状の文言には、「真摯」と言う語句の使用が看て取れます。しかし、東電の誠意のかけらもない対応を見せつけられると、東電は、その「真摯」という言葉の意味を「悪用している」としか思えません。

 以前の記事でも皆様にご報告致しましたが、東電を初め電力各社のそもそものウソとインチキ・ダマシは、「全て無断で、勝手に『スマートメーターなるもの』に交換設置しているところから始まっていること」に尽きます。ここにこの問題の核心があります。

 当会会員は、「従来型アナログメーター(電力計)」から、『スマートメーターなるもの』への交換設置に当たり、一体どれ程の家庭が、東電から、「ユーザーに対しての、そのメリット・デメリットの正しい意味の説明」をきちんと受けたうえで交換されているのか、できる限り多くの隣人や知人らに確認してみたところ、その結果は「皆無」でした。

 全てメーター交換の際には、東電からは「『メーターの交換です』と告げられたのみだった」と聞いています。

 このやり方は、正に、ユーザーに対しての「ダマシ」です。もし本当にきちんと説明したら、殆どの家庭で交換拒否されるでしょう。

■そもそも一体全体、どれ程の「オメデタイ人」が進んでスマートメーターに交換希望するのでしょうか?

 そして、この東電の「ダマシ」手法は、なかなか発覚しないのです。何故ならば、9割9分の国民は、「今まで通りのメーターに交換したもの」と思い込んでいるからです。態々(わざわさ)、日常生活において、メーター(電力量計)など注意したり、見たりする人がいったいどれくらいいるでしょうか。「検針値」だって、信用している人が殆どです。

 それに付け込んでのスマートメーターへの無断交換設置。これ程「国民をバカにした汚いやり方」がまかり通ってよいのでしょうか。当会は、東電のこのやり方を絶対に認めません。

 広く国民の皆様は、異議を唱え、東電を初め各電力会社に対して、「従来型アナログメーター(電力計)」へ、交換要求するべき事態と考えます。

■前回のブログ記事からもお分かりの通り、当会会員宅では、本年12月が「従来型アナログメーター(電力計)の交換時期」に当たっていたのですが、東電からの、平成30年12月20日付の申し出により、そのまま「従来型アナログメーター(電力計)」を使用する」という事になりました。

 しかしながら、このままでは、もうひとつの、勝手にスマートメーターに替えられた電力計を「従来型アナログメーター(電力計)」に戻す事に付いては、「東電が、白ばっくれて、うやむやにしてしまう恐れがある」と考えた当会会員は、この度、改めて内容証明郵便を発出した次第です。

■ところで、今回「売国奴企業・東電」という語句を敢えてタイトルに使用しました。

 これは、日本国政府、司法、行政組織などに奉職するものは、すべからく先ずは第一に、民主主義の根幹であるところの「日本国民の、生命、安全、財産、健康、基本的人権等」を念頭に於いて、日々精進するべきものと考えるからです。

 当然に、「電気、ガス、水道」などの社会的基盤を構成し公益性を内包する、例えその「一私企業」であったとしても、当然に、「日本国民を念頭に置かなければならないものである」という考えに賛同こそすれ、反対する者はいない筈です。

 この「国民第一の民主主義の基本的な考え方」は、全体主義の共産国を除く、世界中のどの民主主義国家に於ても同様である筈です。

 しかしながら、大変残念な事に、我が国では、太平洋戦争が敗戦に終り、その終戦から現在に至るまで、外形的には「日本国は民主主義国家」と思われていたのですが、その実の社会システムは「社会主義国家体制」なのです。

 そして今や、様々な法律の改悪に拠って、日本国民は「奈落の底」に突き進んで行こうとしています。

■テレビが大衆化したころ、流行語として「一億総白痴化」という流行語が稀増した。「テレビというメディアは非常に低俗なものであり、テレビばかり見ていると人間の想像力や思考力を低下させてしまう」という意味合いでしたが、今や、大手テレビ局やマスコミ各紙は、さらに「一億総白痴化」に拍車を掛けて、重要な真実を報道しようとはせずに、「クイズ番組やお茶らけ番組」など娯楽番組を主に流し、真実から国民の目を逸らせようという傾向を強めています。

 一例を挙げれば、改正水道法を通す時には「オウム報道」、改正入管法を通す時には「貴乃花報道」を「これでもか」という程流して国民の注意を逸らしたのです。

■話がまた横道に逸れてしまいましたが、電力会社とて、公益事業を為している訳ですから、先ずは第一に「国民」生活やその事情を最優先とするべき事に異論はないでしょう。

 「国民」を最優先とせずに、ましてや国民を犠牲にして、踏み台にした上で、その利益を追及するのであれば、上記に挙げた通りに「売国奴」とされても仕方のない事です。

 「売国奴」とは、国を売る事と同時に、国民をも売る事になるのは、自明の理です。

 当ブログの一般の愛読者の方は、「裁判所、役所、公益事業体などはウソをつく筈はなく、きちんと、毎日仕事をしている」などとは決して思っていないことでしょう。

 当会会員もまた「自分が酷い目に遭う前には、正義が通り、裁判所、役所、公益事業体などは、きちんと正しい事をやっていて、「ウソなどは付かない」と思っていたが、その実はとんでもない事が罷り通っており、やっとその真実に気がついた」と語ってくれています。

 だから、「スマートメーター」の実態に関する当ブログの内容を、一般の国民の皆様にも、もっともっと知って頂けますように、読者の皆様におかれましても、どうぞ拡散にご協力下さい。

■さて、今回、当会会員は東電に対して、どんな内容を発出したのか見てみましょう。

 12月20日の東電からの不誠実な回答に対して、12月22日付けで次の内容を内容証明で東電宛に郵送しました。

*****12.22東電宛て内容証明郵便*****
東京電力パワーグリッド株式会社
代表取締役社長 金子 禎則 殿
〒100-8560
東京都千代田区内幸町1丁目1番3号

東京電力パワーグリッド株式会社
高崎支社長 須藤 修平 殿
〒370-0828
群馬県高崎市宮本町1の2

平成30年12月22日

用件:誘導形電力量計(表面計)への交換要求

 本年12月20日付の御社書面を受取った。
1,従来に引き続いての使用に付いては同意する。
2,御社上記書面内容の「スマートメーターのみしか調達できない」事に付いては、不同意である。
 無断で交換されたスマートメーターに付いて、従来型電力計に戻す様に再度要求する。

電力契約者
住所:〒370-0875
   群馬県高崎市藤塚町217番地3
氏名:齋藤 平八郎
                    以上
**********

■そして師走も押し迫った12月27日付けで、当会会員が東電に内容証明で提出した文書は次のとおりです。

*****12.27東電宛て内容証明郵便*****PDF ⇒ 20181227tes.pdf
東京電力パワーグリッド株式会社
代表取締役社長 金子 禎則 殿
〒100-8560
東京都千代田区内幸町1丁目1番3号

東京電力パワーグリッド株式会社
高崎支社長 須藤 修平 殿
〒370-0828
群馬県高崎市宮本町1の2

平成30年12月27日

用件:従来型アナログ電力計(誘導形電力量計(表面計) )への交換要求

1 当方の本年10月15日付の従来型電力計への交換要求から後、御社東電は本日まで虚言を弄し白ばっくれて何もしない。
2 本状到達後、5日以内に従来型アナログ電力計に戻す様に再度強く要求する。
3 新品の従来型アナログ電力計の確保に付いては、再三に渡り事前通告してある。

電力契約者
住所:〒370-0875
   群馬県高崎市藤塚町217番地3
氏名:齋藤 平八郎
                      以上
**********

■結局、既にお分かりの様に、当会会員の東電に対するスタンスは次の通りとなっています。

⑴ 従来型電力計を引き続いて使用する事には同意した。
⑵ 従来型メーターを、勝手にスマートメーターに交換されたものに付いては、「従来型メーターに戻す件」に付いては、5日の期限付きで通告した。


 当会会員としては、今後も「勝手に交換されたメーターを従来型メーターに戻せ」という要求を貫徹し、加えて、交換時期であった現在使用中の従来型メーターについても、同じく「従来型メーター」へ交換するよう、併せて行ってゆくものと思われます。

 既に、「従来型メーター」に付いては、三菱電機(株)が生産販売の状況を皆様にも公表しましたが、念の為に、東電を初めとする各電力会社に対して、当会としても「従来型メーター」の確保通告は行っています。次のブログをご覧ください。
○2018年12月21日:各電力会社に対して「『アナログ型メーター(従来型電力量計=誘導形電力量計(表面計))(以下、「アナログメーター」という)』の確保要求」を通告いたしました。
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2846.html
○2018年11月13日:勝手に「スマートメーター」に交換された電力量計を従来型に戻してほしいとの要請を拒否した東電に再度要求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2812.html

 従いまして、電力会社の「知らぬ存ぜぬ」は通用しない事になります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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大同スラグ控訴審…1月9日の第3回口頭弁論が迫るなか被控訴人群馬県へ反論の控訴人準備書面(2)を提出!

2018-12-27 01:16:00 | スラグ不法投棄問題
■当会が東吾妻町萩生地区の圃場整備事業で、農道に大同のフッ素・六価クロム入り有毒生スラグが敷砂利として投棄されていた現場をはじめて2014年6月1日に確認して以来、4年7カ月が経過しました。「臭いものに蓋をしないでほしい」と農道舗装工事施工主体である吾妻農業所長に電話で懇願したにもかかわらず、その直後、有害スラグを撤去せずに舗装工事が行われたため、住民監査請求を2015年1月30日に提出しました。しかし、棄却されたため、2015年4月30日に住民訴訟を提起しました。以来ほぼ3年が経過しようとしていた2018年3月16日(金)午後1時10分に前橋地裁21号法廷で開かれた判決言渡弁論において、裁判長の「主文 原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」という発声が法廷に響き渡りました。この判決を確定させてしまうと、さまざまな方面で収拾のつかない事態が発生し、我が国の土木建設業界のみならず、生活及び営農環境面に甚大な影響を及ぼしかねないため、当会は2018年3月26日(月)に、前橋地裁で控訴手続きをとり、その後、舞台を東京高裁第22民事部424号法廷に移し、同8月15日(水)午後2時に第1回口頭弁論、10月31日(水)午後2時に第2回口頭弁論が東京高裁第22民事部424号法廷で開かれました。次回、2019年1月9日(水)午前10時半からの第3回口頭弁論が迫る中、12月17日に被控訴人から控訴審第1準備書面が届いたので、急遽内容を吟味し、反論をまとめ控訴人準備書面(2)として12月25日に東京地裁と被控訴人訴訟代理人宛てに郵送で提出しました。


 一審敗訴以降のこの件に関する情報は、次の当会のブログ記事を参照ください。
○2018年3月27日:大同スラグ裁判・・・3月16日に前橋地裁が言渡した判決を不服としてオンブズマンが3月27日に控訴状提出!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2604.html
○2018年5月15日:大同スラグ裁判・・・3月16日の前橋地裁での敗訴判決を受けて、東京高裁に控訴理由書を提出!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2640.html
○2018年5月26日:大同スラグ裁判・・・控訴審の第1回口頭弁論が8月15日に東京高裁で開廷が決定!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2648.html
○2018年8月3日:大同スラグ控訴審…8月15日の第1回口頭弁論が迫り、被控訴人群馬県から控訴答弁書が到来!(前編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2714.html
○2018年8月3日:大同スラグ控訴審…8月15日の第1回口頭弁論が迫り、被控訴人群馬県から控訴答弁書が到来!(後編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2715.html
○2018年10月3日:大同スラグ控訴審…10月31日の第2回口頭弁論に向けて控訴人準備書面(1)を提出!(前編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2768.html
○2018年10月3日:大同スラグ控訴審…10月31日の第2回口頭弁論に向けて控訴人準備書面(1)を提出!(後編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2768.html
○2018年10月31日:大同スラグ控訴審…10月31日に開かれた第2回口頭弁論で次回結審が決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2798.html
○2018年12月18日:大同スラグ控訴審…1月9日の第3回口頭弁論が迫り被控訴人群馬県から控訴審第1準備書面が到来!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2845.html

■今回、控訴人として当会が反論した内容は次の通りです。

*****送付書兼受領書*****PDF ⇒ 20181225_soufusho_ken_zuryosho.pdf
〒371-0026
前橋市大手町3丁目4番16号
被控訴人訴訟代理人 
弁護士 関 夕 三 郎 殿
TEL:027-235-2040
                    平成30年12月25日

             〒379-0114
             群馬県安中市野殿980番地
             控訴人  小川 賢
             TEL 090-5302-8312(小川携帯)
             FAX 027-224-6624(市民オンブズマン群馬事務局鈴木気付)

          送  付  書

 事件の表示 : 東京高裁 平成30年(行コ)第139号
 当 事 者 : 控 訴 人 小川 賢
         被控訴人 群 馬 県

 次回期日  : 平成31年1月9日(水)10時30分(第3回弁論)(←当会注:これは10時が正しい)

   下記書類を送付致します。
       1 控訴人控訴準備書面(2)        1通
       2 証拠説明書(甲92~100)      1通
       3 甲号証(92~100)        各1通
                          以 上

--------------------切らずにこのままでお送り下さい--------------------
          受  領  書

上記書類、本日受領致しました。
                    平成30年  月  日

              被控訴人  群 馬 県
被控訴人訴訟代理人
                     弁護士          

東京高等裁判所第22民事部二に係(神山書記官殿)御中:FAX03-3580-4885
小川賢あて(市民オンブズマン群馬事務局長:鈴木庸気付) :FAX027-224-6624

*****控訴人準備書面(2)*****PDF ⇒ 20181225_kousonin_junbishomen_no.2.pdf
平成30年(行コ)第139号 住民訴訟控訴事件
控 訴 人 小川賢
被控訴人 群馬県

                        平成30年12月25日

東京高等裁判所第22民事部 御中

                        控訴人 小川 賢  印

            控訴人準備書面(2)

 頭書事件について、10月31日の口頭弁論における裁判所の訴訟指揮に基づき、被控訴人から反論の補充として12月14日付(同17日控訴人へ送達)で提出された控訴審第1準備書面を踏まえて、次のとおり陳述する。

第1 それでもなお、スラグを撤去しなければならない理由

1 控訴人は、控訴人準備書面(1)において、8月15日の口頭弁論における裁判所の訴訟指揮に基づき、「スラグを撤去しなければならない理由」を説明した。「撤去しなければならない理由」について、誤解を恐れず簡単に要約すれば、「廃棄物処理法の目的である土壌や地下水などの生活環境を保全するため」である。そのことは被控訴人の群馬県も承知している。
 なぜならば、被控訴人は、大同特殊鋼と佐藤建設工業が共同でスラグ混合砕石を製造していた場所に、廃棄物の看板が掲げさせ注意喚起を行い、後に正式に廃棄物認定を公表したり、スラグ混合砕石を製造していた場所のスラグ及び直下の汚染土壌を撤去させたりした事実が厳然として存在しているからである。

2 新たな理由による撤去事例
 平成30年8月、群馬県県土整備部が所管する高崎渋川線バイパスに投棄されていたスラグについて、工事を施工した建設会社に修補工事が請求された。これは、道路工事を行う際に工事請負契約が群馬県と工事請負者の間で締結されるが、群馬県内の工事請負契約が工事請負約款に基づいて締結されることによる修補工事である(甲第92号証)
 具体的には、その工事請負契約約款第41条第1項「発注者は、工事目的物に瑕疵があるときは、受注者に対して相当の期間を定めてその瑕疵を請求し、又は修補に代え、若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる」とする瑕疵担保責任の規定が適用されて修補工事が請求された(甲第92号証3-2頁)。瑕疵の内容は「保護路肩の施工において、土壌汚染対策法に定める基準値を超過した建設資材を使用している。」となっている(甲第92号証3-3頁)。
 被控訴人群馬県においては、建設工事において「土壌汚染対策法に定める基準値を超過した建設資材を使用」した場合、工事の目的物に瑕疵がある状態と認識し、受注者に対して修補を請求するとする考え方をもっていることが分かる。
 工事請負契約約款に基づいて農道工事の請負契約が発注者と受注者との間で締結されるのは吾妻農業事務所の農道工事の場合も同様であるはずである。であるならば、控訴人がスラグ混合砕石を製造していた場所に鉱さいという分類の廃棄物の看板が掲げられたことを吾妻農業事務所に伝えた時点で、被控訴人は工事目的物の瑕疵の修補を請求するかどうかの検討のため、環境部局に助言を求めたり、本件農道整備工事に使用されたスラグを調査したりすべきであったのに、被控訴人はそれを怠った。環境部局に助言を求めることは、被控訴準備書面(1)9で被控訴人が説明している事である。
 群馬県で行われる建設工事で、準拠すべきマニュアルたる群馬県土木工事標準仕様書(甲第91号証)は、群馬県が発注する工事に係る、契約の適正な履行の確保を図るためのものであると定めているが、被控訴人は 群馬土木工事標準仕様書に反し契約の適正な履行の確保を怠り、強引に臭いものに蓋をするため、本件農道舗装工事を強行した。控訴人準備書面(1)で述べたように被控訴人は、本件農道に使用されたスラグを環境分析調査するべきであったのに懈怠したため、環境部局に助言を求めなかった懈怠と合わせ、違法な支出により群馬県に損害を与えた。

第2 被控訴人第1準備書面に対する反論

1 「第2 他県の類似事例」の「1 岐阜市の不法投棄事件」について

(1)被控訴人はこのことについて、「当該事案は,標高約60メートルから標高約140メートルにかけての広い範囲にわたり,膨大な量の産業廃棄物が山積みにされた事案のようであり(甲87•17頁),本件とは事案を異にする。」と述べているが、控訴人は次の(2)と(3)の通り反論する。

(2)被控訴人は、「広範囲」と「山積み」という表面的な事象をとらえて、「本件とは事案を異にする」と控訴人の主張を最後まで読んでいただけていないようである。しかし「広範囲」か否か「山積み」か否かといった差異はあるが、「岐阜市の不法投棄事件」と本件萩生川西地区のスラグ投棄事件とは、土壌と接する方法により廃棄物が投棄されている点で同様の事案である。
「岐阜市の不法投棄事件」では、環境省の行政処分の指針に基づき慎重に廃棄物対策を考えていることから、同じく環境省の行政処分の指針から技術的指導を仰ぐ被控訴人群馬県も同様に考えるべきであることから控訴人は例示した。
岐阜市では膨大な量の産業廃棄物が投棄されていたが、土壌汚染を極一部しか起こしていなかったことから、原則として原因者に措置命令等を発出すべきだとしながら、岐阜市においては行政が代わりに廃棄物対策をする際に被覆をおこなった。
群馬県の大同スラグ事件においては、大同スラグを混合していた場所のスラグや土壌を撤去する指示を発出していたことや、土壌汚染の可能性が指摘されていることから、原因者等に対してスラグを撤去する措置命令他を発出し、萩生川西地区のスラグを撤去しなければならなかった。 
本件農道整備工事においては、工事を行った南波建設(株)やスラグを投棄した(株)佐藤建設工業は元気に営業を続けており、請負契約に基づく瑕疵担保責任の追及(甲92号証)や措置命令(法第19条の5)など様々な方法によりスラグを撤去させるべきであるが、吾妻農業事務所長の懈怠によりスラグ投棄者の責任を追及することができたにもかかわらず、被覆を行っており間違った対策が実施されたと言わざるを得ない。

(3)被控訴人にはせめて、控訴人の主張を最後まで読むという姿勢を、我々住民に対して示してほしい。それなのに、住民の生活環境・営農環境に対して重大な脅威となるこの事件の本質を、「山積」かどうかでしか、スラグを撤去する理由を読み解こうとしていない。被控訴人のこのような行政として恥ずべき不真面目な態度は、残念でならないし、極めて遺憾である。

2 「第2 他県の類似事例」の「2 4都道府県にわたるフェロシルト事件」について

(1)被控訴人はこのことについて、「当該事案は,有害物質を含むフェロシルト(廃硫酸等から精製する赤土のような形状•外観の固形物。甲88•3頁参照)が造成地の盛り土等に用いられた事案で あるが,これが雨によって河川に流れ出て河川が真っ赤に染まり,地域住民から苦情が出るなどの事情が認められたというのであり(甲88・6頁),本件とは事案を異にする。」と述べているが、控訴人は次の(2)と(3)の通り反論する。

(2)被控訴人の主張する「造成地の盛り土等に用いられた事案であるが,これが雨によって河川に流れ出て河川が真っ赤に染まり,地域住民から苦情が出るなどの事情」の指摘は、フェロシルト事件が、世の中の明るみにでるきっかけを説明しているにすぎない。
 河川が真っ赤に染まった原因を調査した結果が盛り土等に用いられた有害物質を含むフェロシルトだったのであり、その盛り土材が土壌と接する方法により使用された点で、本件農道整備工事のスラグ投棄事件と類似している。
広く4都道府県にわたりスラグ撤去の措置命令が発出されたり、自主回収が実施されたりしたが、その基本的な対応としては、河川が実際に汚染されているという事象だけに留まらず、土壌を汚染するおそれがあるということだけで、汚染を生活環境に及ぼすおそれがあるフェロシルトを撤去する措置命令が発出されているのである。
 このようにまともな対策をとった4都道府県に倣って、群馬県においても土壌を汚染するおそれがある大同スラグを撤去する措置命令等を発出できないわけがない。被控訴人は大同特殊鋼と佐藤建設工業が共同でスラグ混合砕石を製造していた場所ではスラグを撤去させる改善を指示したのに、農村地帯にスラグが投棄された農道では、薄い舗装を施しただけで、有害な大同スラグはいまだに集落の中に残置されたままとなっており、農業用かんがい水や下層土壌への汚染の脅威を招いているのである。

(3)ここでも被控訴人の反論は、萩生川西地区の大同スラグ不法投棄事案とフェロシルト事件との態様が、「完全に一致しているかどうか」にしか焦点が当てられていない。控訴人の主張をきちんと読んでいただけない被控訴人の行政としてあるまじき不遜な態度は非常に遺憾であり、残念でならない。

3 「第3 控訴答弁書に対する反論」について

(1)被控訴人は次のとおり;
「1 はじめに
  控訴人の主張のうち,反論が必要と思われるのは,以下の2点と思われる。
①『鉄鋼スラグに関する連絡会議』は,建設関係部門のみで構成されており(乙31,甲90),環境部局が関与していないから,会議としての公正性・適格性に欠け,引いては,同会議で確認された対応方針(乙31添付の議題1『鉄鋼スラグを含む材料の対応方針(案)』)は不当な内容である(控訴人準備書面(1)・36ないし39頁)。
②独立行政法人水資源機構は渋川工場スラグを撤去したのであり(甲63),それ以外にも,国土交通省は八ッ場ダム関連工事で使用された鉄鋼スラグを撤去しており,民間も基本的には大同特殊鋼株式会社によって撤去が行われており,それらと本件農道は同様に扱われるべきである(控訴人準備書面(1)・30頁)。
 以下,順に反論する。
 2 ①について
    まず,『鉄鋼スラグに関する連絡会議』が設置された時期は,規約(甲90)の施行日を設置日とみれば,平成26年11月26日である。これは,最初の立入検査から約10か月後である。
    その構成員は,控訴人が指摘するとおり,群馬県,渋川市及び国土交通省関東地方整備局の各建設部門であり,群馬県の環境部局は加わっていなかった(甲90の別紙-1)。これは,「鉄鋼スラグに関する連絡会議」は,公共工事の実施主体が情報を共有し,対応を検討するための場として設けられたものだったことによる(乙34)。
    そして,『鉄鋼スラグに関する連絡会議』は,会議設置から約1年後である平成27年11月13日,同日開催の第3回会議において,基本方針を確認した(乙31)。」
と述べているが、控訴人は次の(2)の通り反論する。

(2)公共工事の実施主体が情報を共有し、取るべき対応とは、文字通り公共工事建設にかかわる情報とその対応である。「鉄鋼スラグに関する連絡会議」においては公共工事に使われてしまったスラグに係る事後的な情報共有とその対応である。具体的には工事受注者と取り交わした工事契約の適正な履行の確保を図ること等についての対応であると考えられる(甲91号証)。これを裏付けるように平成30年になって新たに発覚した群馬県県土整備部が整備を進める高崎渋川線バイパスにスラグが投棄された事件では、工事契約に基づき工事の瑕疵に関わる修補工事が請求された(甲92号証)。
 片や平成26年にスラグ混合砕石が製造された場所に注意喚起のため廃棄物の看板が掲げられ、平成27年9月11日に正式に廃棄物認定された大同スラグは、工事受注契約の取り決め等とは別の、廃棄物処理法の目的たる生活環境の保全の観点(法第1条)から撤去の措置命令等の対策を取らなければならない事象であり、工事契約の適正な履行等の観点からの対策ではない。
 「鉄鋼スラグに関する連絡会議」が出した対応方針はスラグの撤去のみならず、被覆という対応方針である。被覆という対応方針は土壌汚染対策法上の対策であり、専門的知識を有する環境部局により検討されるべき対策である。

(3)被控訴人は、続いて次のとおり;
「(2) 他方,群馬県の環境部局は,渋川工場スラグの問題が発覚した後,平成26年1月から2月にかけて,大同特殊鋼株式会社渋川工場等に立入検査を実施し,所要の調査を行った後,最初の立入検査から約1年8か月後の平成27年9月11日,一連の調査結果を公表した(甲57)。そして,その中で,「判明した使用箇所はすべて県がリスト化し,今後も継続して,地下水の常時監視の中で,環境への影響について監視を行っていく。」との方針を示している(同3項)。)
と述べているが、控訴人は次の(4)の通り反論する。

(4)甲57号証は「大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について」となっており、その中で第3項は「3 鉄鋼スラグの使用箇所の解明及び環境への影響調査」となっており文字通り「廃棄物処理法に基づく調査結果の中で今後も、「鉄鋼スラグの使用箇所の解明」を今後も進め、その解明ごとに「環境への影響調査」を行うと表明している。これは措置命令などの廃棄物処理法上の廃棄物対策ではなく、「廃棄物処理法に基づく調査」を今後も継続して進めると表明しているのである。

(5)被控訴人はまた、次のとおり;
「(3) ここで,『鉄鋼スラグに関する連絡会議』が基本方針を確認したのは,上述のとおり平成27年11月13日であったが(乙31),これは,群馬県の環境部局が 上述の方針を公表した平成27年9月11日(甲57)から約2か月後であった。
そして,『鉄鋼スラグに関する連絡会議』が確認した基本方針は,群馬県の環境部局が公表した方針に反するものではなかった。」
と主張するが、控訴人は次の(6)の通り反論する。

(6)群馬県環境部局は、「廃棄物処理法に基づく調査」を今後も継続する、具体的には「判明した使用箇所はすべて県がリスト化し,今後も継続して,地下水の常時監視の中で,環境への影響について監視を行っていく。」と調査を継続すると方針を公表しているにすぎない、調査継続の方針を「鉄鋼スラグに関する連絡会議」が助言として取り入れることと、廃棄物に認定されたスラグの法に基づいた適正処理をすることとは別問題である。

(7)被控訴人の次の;
「なお,群馬県の環境部局は,『鉄鋼スラグに関する連絡会議』から対応方針について相談を受けたが,事柄の性質上,個別の状況に応じて助言すべきものであるため,環境部局として統一的な方針は示さなかった(乙34)。」
との主張に対して、控訴人は次の(7)の通り反論する。

(8)群馬県の環境部局は、『大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃物処理法に基づく調査結果について』を公表し、スラグを正式に廃棄物に認定すること、加えて調査を継続していくことを表明している(甲57号証)。この公表と措置命令(法第19条の5)などの今後取るべき廃棄物処理法に基づいた対策は別である。他方、工事実施主体の工事受注契約の適正な履行の観点から『鉄鋼スラグに関する連絡会議』から対応方針について相談を受けたが、廃棄物認定や調査の継続を決定している段階で統一的な方針を示さなかった状況を乙34号証は示している。
ちなみに乙34号証のなかで岩瀬・廃棄物リサイクル課長は「環境森林部としては、スラグの含有量や溶出量が使用されている場所により異なるので、統一的な方針を示していない。個々の場所について、公共工事実施主体に対して、生活環境面から助言している」と発言しているが、この発言は前後二つに分けて考えると分かりやすい。
前段の「環境森林部としては、スラグの含有量や溶出量が使用されている場所により異なるので、統一的な方針を示していない。」はスラグの含有量や溶出量に言及し、廃棄物処理法で準用すべき土壌汚染対策法上の環境基準に触れていることから、スラグの廃棄物処理法上の対応方針についてであると思われ、しかも統一的な方針を未だ示せない状況であるとの発言であると推測できる。しかしスラグを廃棄物認定する際(甲57号証)に廃棄物リサイクル課がスラグを土壌と接する方法で使用した場合の土壌汚染のおそれを認定したことから(甲57号証(7))、また法が生活環境の保全について「おそれ」で対策を検討できることから、もはや使用されている場所ごとに検討を加える必要がなく、この岩瀬課長の発言は誤りであると考えられる。
 後段の「個々の場所について、公共工事実施主体に対して、生活環境面から助言している」とは今後も継続して行う環境調査の結果を、生活環境面から助言していることを表しているに過ぎない。

(9)被控訴人は;
「(4) 以上から,「鉄鋼スラグに関する連絡会議」は,その構成員に環境部局が加わっていなかったが,会議の設置目的に照らしてそのこと自体が会議の公正性・適格性を失わせるものではなく、また、同会議が平成27年11月13日に確認した対応方針は,群馬県の環境部局が方針を公表してから約2か月後に確認しており, その内容は上記方針に反しないものであるから,何ら不当なところはない。」
と主張するが、控訴人は次の(10)の通り反論する。

(10)「鉄鋼スラグに関する連絡会議」の会議設置目的は、「連絡会議は、大同特殊鋼(株)渋川工場から出荷された鉄鋼スラグに関して、国、県及び関係市町村の各公共工事事業者が、相互に情報共有等を図り、連携した対応等を行うことを目的とする。」(乙31,甲90)となっており、環境部局が加わっていないことが会議の公正性・適格性を失わせるものではないと主張されても、控訴人としては困る。
 控訴人は、「鉄鋼スラグに関する連絡会議」が廃棄物処理法上の対策を検討するべき者ではない、と主張しているのであり、せめて群馬県の環境部局を会議に参加させれば違う意見も出てくるであろうと考えたが、被控訴人には伝わらず残念でならない。
控訴人は、ここに改めて「「鉄鋼スラグに関する連絡会議」が、専門的知識を有する環境部局でないことから、廃棄物に認定されたスラグの廃棄物処理法上の対策について全く無力であり、意味のない無効な組織であることを主張する。  
スラグ対策は、群馬県環境部局が主導して対策しなければならない。

(11)加えて乙34号証についてもう一つ指摘しておきたい。
 岩瀬廃棄物・リサイクル課長が「廃棄物処理法では、生活環境保全上支障がある場合は、撤去等を命じることができるが、今までの調査結果によると、そのようなものはない。ただし、スラグが地上に露出している状態で使用されている箇所があり、常時立ち入ることで経口摂取による健康影響への懸念がある。スラグは土壌ではないが、『土壌汚染対策法』に含有量を超える土壌がある場合のルールがあるので、それをスラグに用いて箇所ごとに対応を助言している。」と発言しているが、この発言は次の点で
誤っていると言わざるを得ない。
 ア 廃棄物処理法上の生活環境保全上の支障箇所は無いとの発言であるが、廃棄物認定では土壌と接する方法によりスラグを使用すると土壌を汚染するおそれに言及しており(甲第57号証)、土壌は生活環境であることから(環境基本法第16条)、スラグにより土壌という生活環境の保全上の支障をきたすことになる。よって、上記の発言は誤りである。群馬県議会での同課長の答弁は口頭であることから、即座に答えた際の誤りであろうと考えられる。
 イ 「スラグは土壌ではない」との発言であるが、スラグは廃棄物である(甲第57号証)。
 ウ 廃棄物であるスラグについて、『「土壌汚染対策法」に含有量を超える土壌がある場合のルールがあるので、それをスラグに用いて箇所ごとに対応を助言している。』との発言であるが、廃棄物は土壌汚染対策法ではなく廃棄物処理法により箇所ごとではなく、統一的な対応を考えなければならない。
   岩瀬課長の発言は、群馬県議会における口頭での答弁であることを鑑みれば、即座に答えた際の誤りであるか、或いは、工事実施主体である県土整備部を頂点とする群馬県庁内の部署間相互の力関係によって生ずる、いわゆる「忖度」に由来するものであろうと考えられる。

(12)被控訴人は;
「3②について
  独立行政法人水資源機構については,平成26年3月に実施した路盤に使用されていた渋川工場スラグの調査(8か所)では,8か所でふっ素の含有量と溶出量が いずれも基準値を超過し,3か所で六価クロムの溶出量が基準値を超過するという結果であったが,同じ時期に実施した土壌調査(3か所)では環境基準値以下の結果が得られ),水質試験でも基準値を超えることはなかったので(乙35の2•2頁), 客観的に撤去が不可欠な状況とまでは言えなかったが,農業用水•水道用水の水源 に近く,水道事業者等からの強い撤去要望があったことから,撤去が行われたものであり(乙35の1),本件とは事情が異なる。」
と主張するが、控訴人は次の(13)の通り反論する。

(13)被控訴人が「客観的に撤去が不可欠な状況とまでは言えなかった」と主張しているが、この被控訴人が使う日本語の醜さはいったいどうしたことであろうか?およそ公務員の使う言葉とは思えない。
 被控訴人の主張は「客観的に撤去が不可欠な状況」なのか、限りなく「客観的に撤去が不可欠な状況」に近い状況なのか、「客観的に撤去が不可欠」とは異なるのか、よく分からないし、その根拠も示されていない。
 乙35の2・2頁には、鉄鋼スラグがその含有するフッ素や六価クロムについて土壌環境基準値を超過している状況が示されており、生活環境である土壌や地下水を汚染させる恐れを示していることから、法の生活環境を保全する目的を全うするため「客観的に撤去が不可欠な状況」であることを示しているのは明らかである。

(14)被控訴人は「また,八ッ場ダム関連工事については,群馬県の所管ではないため,渋川工場スラグが撤去された場所を特定するには至らなかったが,渋川工場スラグが使用された場所の中には水没予定地が含まれていたとのことであり(乙36),路盤材として使用された本件とはやはり事情が異なる。」と主張するが、控訴人は次の(15)の通り反論する。

(15)水没予定地が含まれていたことと、路盤材として使用された本件とはどう事情が異なるのだろうか?「鉄鋼スラグに関する連絡会議」は、八ッ場ダム関連工事も含めて、“スラグを使用してしまった国と県と渋川市による公共工事の工事契約の適正履行等の観点からの情報共有とその対策”がその設置目的であることを鑑みれば、当然に群馬県が路盤材として使用されたことと本件の関連性が不明などと主張すること自体、「鉄鋼スラグに関する連絡会議」が、形ばかりの組織であった事を被控訴人が認めることになり、被控訴人の主張には矛盾が生じるため、被控訴人の主張は失当である。
 水没予定地のスラグは、本件スラグと同様大同特殊鋼渋川工場スラグであると被控訴人は主張しており、同予定地には同渋川工場からスラグが運搬され、使用されたという状況が説明されている。路盤材としてなのか、それ以外のスラグの不法投棄としてなのか、その使用目的が何かはわからないが、スラグが土壌と接する方法により使用されている状況という点では、本件と事情は同様である。
 被控訴人の主張は全体に説明不足で理解に苦しむが、大同特殊鋼由来のスラグは、土壌と接する方法で使用すると周辺や下層の土壌をフッ素で汚染し、やがては地下水を汚染すると説明がなされている(甲57号証(2))。
 また水資源機構の調査結果から、場所によっては、六価クロムも検出されていることが確認されている。水没予定地においてもこの状況は同様であり、水没予定地ではダム湖の水圧がかかって土壌に水が浸みこむことから、更に土壌汚染や地下水汚染が進むことが容易に想像され得る。
 水没予定地は、ダムの完成後、湛水されてしまうと、もはやスラグの存在を確認することや、調査することが容易にできなくなる。そうなると、土中、かつ水中にあるスラグから汚染された水がダム湖の水や地下水にどのように染み出してくるか分からなくなる。乙36号証では、国土交通省が撤去後に安全確認をすることが記述されている。逆に言えば、撤去しない限り、安全でないことが明示されているのである。

(16)最後に被控訴人は「被控訴人は乙31号証の一定の方針に、『他の自治体・及び民間も基本的にこれに添って対応しており』と控訴人準備書面(1)4(4)において、『鉄鋼スラグに関する連絡会議』の対応方針(案)に皆が沿っている」と主張しているが、国の機関である水資源機構のみならず、「鉄鋼スラグに関する連絡会議」のメンバーである当の国土交通省も、県内自治体の渋川市でさえも、スラグを撤去・片づけている。
 また民間の場合は、基本的に大同特殊鋼(株)により撤去・片づけが行われている(甲第93号証~甲第100号証)。
 被控訴人の主張は事実と異なっており信用できない。

                         以上

*****証拠説明書*****PDF ⇒ 20181225_shouko_setumeisho_kou_no.92100.pdf
平成30年(行コ)第139号 住民訴訟控訴事件
控 訴 人 小川賢
被控訴人 群馬県

                    平成30年12月25日

東京高等裁判所第22民事部 御中

          証拠説明書(甲92~100)

               控訴人  小 川  賢  ㊞

●号証:甲92の1
PDF ⇒ kou_no.921_20181030_kaiji_tuuchi.jpg
○標目:公文書部分開示決定通知書
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年10月29日
○作成者:被控訴人(県土整備部)
○立証趣旨:被控訴人が平成23年度に公共工事(高渋バイパス舗装新設工事)で岡田工務店と佐藤工務店(実質は岡田工務店)が実施した資材(スラグ)に鉛・ヒ素が入っていたとして撤去されたため、事実関係を確認すべく開示請求をしたところ被控訴人が部分開示をした事実。
●号証:甲92の2
PDF ⇒ kou_no.922_2018103103_kasitanpo_kouji_seikyuu_bunsho_20180727.pdf
○標目:工事目的物の瑕疵に係る修補工事の請求について
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年7月27日
○作成者:被控訴人(高崎土木事務所)
○立証趣旨:被控訴人が施工業者の岡田工務店と佐藤工務店に対して、瑕疵の内容を示し、有害物質を含む建築資材(スラグ)を撤去するよう修補を請求した事実。
●号証:甲92の3
PDF ⇒ kou_no.9231_20181031091_okada_koumuten_sekou_keikakusho_p0107.pdf
kou_no.9232_20181031092_okada_koumuten_sekou_keikakusho_p0814.pdf
kou_no.9233_20181031093_okada_koumuten_sekou_keikakusho_p1518.pdf
○標目:施工計画書(前半を抜粋)
○原本・写しの別;写し
○作成年月日:平成30年8月20日頃
○作成者:岡田工務店
○立証趣旨:被控訴人の請求により、撤去されたスラグが、産業廃棄物として、最終処分場に持ち込まれ、その証として産業廃棄物のマニフェストが提出されることを示す事実。
●号証:甲93
PDF ⇒ kou_no.93_aganoharamachi_niyoru_slu_tekkyo_nituite.pdf
○標目:長野原町による大同特殊鋼(株)の鉄鋼スラグ後含む砕石を使用した工事箇所について
○原本・写しの別:写し
○作成年月日;平成30年5月13日
○作成者:長野原町
○立証趣旨:長野原町の参考資料の中で、国土交通省が、大沢地区代替地や上湯原代替地などの八ッ場ダム建設工事に関連した工事で使用されたスラグを撤去している。この代替地は、水没住民の移転予定地であり、スラグは水没しないのに撤去された。
●号証:甲94
PDF ⇒ kou_no.941_gunma_kengikai_no_situgi_from_yanba_asitanokai.pdf
kou_no.942_gunma_kengikai_no_situgi_from_yanba_asitanokai.pdf
○標目:2017年12月の群馬県議会産経土木委員会の鉄鋼スラグが残されていることについての質疑の様子
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年1月28日
○作成者:八ッ場あしたの会
○立証趣旨;2/7頁に、国土交通省が建設を進める八ッ場ダム建設工事に伴う、川原湯地区水没住民の移転代替地(打越代替地)の鉄鋼スラグが搬入業者により撤去されている事実。このスラグは水没予定ではない。また天然石とスラグを混合したスラグ混合砕石は土壌まで汚染していた。
●号証:甲95
PDF ⇒ kou_no.951_sibukawashi_no_slug_tekkyo.pdf
kou_no.952_sibukawashi_no_slug_tekkyo.pdf
○標目:渋川市の市道1-5590号線スラグ対策工事の見積参考資料。
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年9月10日
○作成者:渋川市
○立証趣旨:平成30年9月10日に、渋川市が市道のスラグを撤去する工事を入札した事実。この場所は渋川市が将来にわたり管理できる市道であり、鉄鋼スラグ連絡会議が出した(案)乙31と異なっている。10/15頁に建設廃棄物の有無が明示され、スラグ路盤材が直下の汚染土壌と共に撤去され、近くに廃棄物処分場がたくさんある中、遠く富山県にまでスラグを運搬している事実。
●号証:甲96
PDF ⇒ kou_no.96_joubu_kokudo...
○標目:国土交通省・上武道路環境対策その1工事の様子
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年12月22日
○作成者:原告
○立証趣旨:甲79号証9頁に示されているH25上武道路田口改良工事により投棄されたスラグを上武道路環境対策その1工事という名称で国土交通省が撤去した様子。この場所は国が将来にわたり管理できる国道であり、鉄鋼スラグ連絡会議が出した(案)乙31と異なっている。
●号証:甲97の1
PDF ⇒ kou_no.971_20181127_qu...
○標目:弊質問状に対するご回答について(お願い)
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年11月27日
○作成者:控訴人
○立証趣旨:民間工事に使用されたスラグが撤去された事実を確認するために、スラグを駐車場に投棄された醤油メーカーに対して、その後撤去したのかどうか、事実関係を質問して回答を求めたこと。
●号証:甲97の2
PDF ⇒ kou_no.972_20181208_re...
○標目:上記の質問状に対する回答書
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年12月7日
○作成者:ヤマキ株式会社
○立証趣旨:民間である醤油メーカーの駐車場に路盤材としてスラグが投棄されたため、原因者の費用負担でスラグを撤去させた事実。
●号証:甲98
PDF ⇒ kou_no.98_sibukawashi_minka_slug_tekkyo.pdf
○標目:庭に投棄されたスラグが撤去されたことを証する押印済み書面
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年12月20日
○作成者:高橋宗彦
○立証趣旨:群馬県渋川市石原の民家の庭に投棄されていたスラグが撤去され事実を民家の住民が証する書面。被控訴人は鉄鋼スラグ連絡会議の方針(乙31)に「民間も基本的にこれに添ってスラグは被覆対応しており」などと主張しているが、民間工事においてもスラグは撤去されている事実。
●号証:甲99
PDF ⇒ kou_no.99_daido_tokushukou_chushajo_no_slug_tekkyo.pdf
○標目:民間工事に使用されたスラグが撤去された事例。
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年12月24日
○作成者:控訴人
○立証趣旨:大同特殊鋼(株)渋川工場の通勤用駐車場のスラグ撤去の様子。被控訴人は鉄鋼スラグ連絡会議の方針(乙31)に「民間も基本的にこれに添って対応しており」などと主張しているが、大同特殊鋼(株)自身が真っ先に自身の利用駐車場のスラグを撤去している。
●号証:甲100
PDF ⇒ kou_no.100_ishihara_kodoukyo_no_slug_tekkyo.pdf
○標目:国道17号石原跨道橋の高架下のスラグを撤去している様子
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成30年12月24日
○作成者:控訴人
○立証趣旨:国土交通省が管理している高架下に投棄されたスラグを人知れず、大同特殊鋼に撤去させている事例。被控訴人は「鉄鋼スラグ連絡会議の方針(乙31)に添って対応しており」などと主張しているが、将来にわたり管理できる道路において被覆ではなく撤去が行われており、鉄鋼スラグ連絡会議の対応方針などに従っているのは被控訴人の群馬県だけ、という事実。
                    以上
**********

■来年1月9日の第3回口頭弁論で裁判長は本件を結審させる予定であることを既に表明しています。今回、群馬県の滅茶苦茶な主張に対して、最後にもう一度反論をしたためてみました。当会として、証拠=甲号証がちょうど100号となりました。

 平成最後となる新年早々に東京高裁で開かれる第3回口頭弁論で予定通り結審した場合、おそらく判決は年度末の3月末になる可能性が高いと思われます。

 果たして、平成の時代の終わりと共に、群馬県の県土を覆うスラグの有害な汚染物質の撤去に向けた裁判所の裁定が下されるのか、それとも、新しい元号のもと、さらに上級審で争うことになるのか、平成の時代が大詰めを迎えるなか、新年1月9日(水)午前10時30分、注目の大同スラグ訴訟の控訴審第3回口頭弁論は東京高裁424号法廷で開かれます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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高専機構への文科官僚天下りの実態と群馬高専西尾前校長退職の真相を探る!…オンブズと文科省の暗闘記

2018-12-26 23:46:00 | 群馬高専アカハラ問題
■2017年3月末に、自分がしでかした数々の事態に収拾も付けず責任も取らず校長職を辞し、滅茶苦茶になった群馬高専だけを残して出向元の文科省に逃げ帰っていった西尾前校長。翌年には5千万円ともいわれる満額の退職金を手に文科省からも悠々定年退職し、いまや市井のどこかに消えていってしまってその後の動向は定かではありません。青天の霹靂のように起こったこの群馬高専からの西尾逃亡劇について、水面下で果たして何が起こっていたのかは極めて重要なことであり、明らかにしておかねばならないと当会では考えました。
 さらに、西尾前校長はじめ数々の問題校長を生み出し続けてきた、文科省から高専機構への天下りについても、詳細に調査を行ってその実態を明らかにしなければならない、とも痛感させられました。
 この『1:西尾逃亡劇の真相』と『2:高専への文科官僚の天下りの実態』の2つのテーマについて、当会では高専機構宛に2018年5月はじめに開示請求を提出し、6月7日に黒塗りだらけながらも資料が開示されて、一定の結果を得たことは既報のとおりです。
○2018年6月23日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…高専機構が校長選考情報を開示!黒塗りだらけ情報が物語ること
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2676.html


■そこで今度は、天下りのもう一方の当事者である文部科学省に対し、2018年6月27日に次の内容の情報開示請求書を提出しました。その後、この開示請求を発端に長いいざこざが起こるとは、この時当会は予想だにしていませんでした。

*****6/27文科省宛情報開示請求*****PDF ⇒ 20180627sjttzeej.pdf
        行政文書開示請求書
                      平成30年6月27日
文部科学大臣 殿

氏名又は名称: (法人その他の団体にあってはその名称及び代表者の氏名)
 市民オンブズマン群馬   代表 小川 賢        
住所又は居所: (法人その他の団体にあっては主たる事務所の所在地)
 〒379-0114群馬県安中市野殿980        
連 絡 先:(連絡先が上記の本人以外の場合は、連絡担当者の住所・氏名・電話番号)
 〒371-0801群馬県前橋市文京町一丁目15-10  
  市民オンブズマン群馬事務局長 鈴木 庸        
  TEL:027-224-8567           
 行政機関の保有する情報の公開に関する法律第4条第1項の規定に基づき、下記のとおり行政文書の開示を請求します。

               記
1.請求する行政文書の名称等
(請求する行政文書が特定できるよう、行政文書の名称、請求する文書の内容等をできるだけ具体的に記載
してください。)

1 平成16~30年度の各年において、貴省が国立高等専門学校校長候補者を推薦する際に作成した、独立行政法人国立高等専門学校機構宛の推薦理由書等の一切。あるいは、各年毎の貴省からの国立高等専門学校校長候補者の推薦人数がわかる一切の情報。

2 貴省の元職員である西尾典眞氏が、平成28年度末に群馬工業高等専門学校学校長を辞し、平成29年度に出向元である貴省の高等教育局国立大学法人支援課国立大学運営調査分析官に就いたことに関して、彼が退職予定であることを反映して平成28年度以前に貴省内部で作成された人事案・予定表等のうち、もっとも日付が古いもの。また、西尾氏が出向元である貴省に戻ることになったことを、貴省が初めて認知した(認知の形態は問わない)、あるいは初めて決定した(決定の形態は問わない)日付がわかる文書の一切(人事案・予定表・通達・通知・連絡文書やメモ等の一切)。


2.求める開示の実施の方法等 (本欄の記載は任意です。)
【当会注:以下省略】
**********

 まず、高専機構への情報開示請求では不開示とされてしまった「各年の文科省から高専機構への『推薦』人数」について、もう片方の当事者である文科省に情報開示請求をして確かめることにしました。たとえ全面黒塗りであっても、推薦書の件数さえわかれば、自動的に各年の推薦者の人数がわかります。これが結果的に校長に就任した人数と一致すれば、倍率1倍、つまり文科省官僚様については「選考」など形だけということになります。

 そして、西尾前校長の群馬高専退職について、そもそも文科省としてどの段階から検討・認知していたのかを探るため、人事案をはじめとした想定されうるあらゆる文書について開示請求を行いました。

■この情報開示請求に対して、文科省はこれまでにない奇妙な対応の数々を取りました。

 当会では文科省に対してそれまで何度か情報開示請求を行ってきており、経験上だいたい提出から20日も経てば開示の連絡を送ってきていました。ところが、あにはからんや、この情報開示請求に対しては開示通知期限の30日目が近づいても連絡がなく、不審に思っていた矢先、文科省から当会事務局宛に、ちょうど期限日となる7月26日付で郵便が届きました。

 しかしそれは、開示通知ではなく「手数料追納」の指示でした。提出時に文科省職員に請求内容を確認してもらい、「2件分になります」と確かに告げられたので300円×2件で600円を納付していたにも関わらず、開示期限になっていきなり「手数料が足りないから追納しろ」と言ってきたのです。

*****文科省からの追納指示*****PDF ⇒ w.pdf
                    平成30年7月26日
市民オンブズマン群馬
小川 賢 様

 平成30年6月27日付けで御請求のありました件について、担当課に確認を行ったところ、本請求については5件になるとの連絡がありました。
 すでに2件分の収入印紙はいただいておりますが、あとの3件分の収入印紙(900円)を追納していただきたく御連絡をさせていただきました。
 お手数をおかけしますが、下記まで御送付いただければと思います。
 なお、追納に要した時間(平成30年7月26日の翌日から収入印紙が到着するまでの日数)は、開示決定等期限から除外されますので、あらかじめ御了承ください。

 【本件連絡先】
 〒100-8959
 東京都千代田区霞が関3-2-2
 文部科学省(代表03-5253-4111)

 <送付先・手続きに関するお問い合わせ>
 大臣官房総務課文書情報管理室 情報公開係(内線2572)

 <件数,文書に関するお問い合わせ>
 大臣官房人事課任用班
               任用第一係(内線2132)
**********

 しかも、追納指示中にもある通り、文科省が追納を指示してから文科省が追納された手数料を受領するまでは開示日数にカウントしない、つまり30日をオーバーしてもルール違反ではないというのです。これまでにない露骨な引き延ばしを行ってきていることに不穏なものを感じつつ、当会では手数料を郵送で追納しました。

■すると8月3日に、7月31日付の開示通知書がようやく当会に送られてきました。その内容は以下のとおりです。なお、「1 開示する行政文書の名称」と「2 不開示とした部分とその名称」のみ抜粋します。その他の箇所は併載PDFでご覧ください。

*****開示決定通知書*****PDF ⇒ 20180731jm.pdf
          行政文書開示決定通知書

市民オンブズマン群馬
 代表  小川  賢 様
                    文部科学大臣
                      林  芳 正

 平成30年6月27日付けで請求のありました行政文書の開示について,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)第9条第1項の規定に基づき,下記のとおり,開示することとしましたので通知します。

                 記

1 開示する行政文書の名称
  1)国立高等専門学校校長候補者推薦理由書(平成21年度~平成29年度推薦分)

  2)平成29年4月1日付けの西尾典眞氏の文部科学省への異動に係る割愛照会文書


2 不開示とした部分とその理由
  1)平成20年度以前及び平成30年度に推薦する際に作成した推薦理由書については,不存在のため不開示としました。また,推薦理由書のうち,推薦理由に係る記述の部分については,人事管理にかかる事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため,法第5条第6号ニにより不開示としました。

  2)平成29年4月1日付けの西尾典眞氏の文部科学省への異動に係る平成28年度以前に当省内部で作成された人事案については,人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため,法第5条第6号ニにより不開示としました。

**********

 なんと、散々に時間を引き延ばした割に、あまりにスカスカな内容です。しかも、とりわけ注目すべきは、文科省が西尾氏復帰の前年度中に作成していた人事案について、件数も日付も言及しておらず、存否情報すらないことです。前年度のいつの時点から文科省が西尾氏の退任を知っていたのか、これでは明らかになりません。追納までさせて多額の手数料を徴収したにも関わらず、あまりにも杜撰な仕事に当会も唖然とさせられました。

■これまでにないあまりに露骨な引き延ばしや不自然な開示通知に不信感と憤りを覚えつつ、当会では8月16日に文科省を訪問して文書を受領し、あわせて疑問点について問い質すことにしました。



 文科省の情報開示コーナーでは、この開示請求を担当する水口職員が応対にあたりました。当会とのやり取りの内容については以下のとおりです。

当会:これはまたひどい真っ黒のり弁当。
水口職員:申し訳ないが、推薦理由書内の推薦理由については個人のプライバシーなのでちょっと明らかにできない。

当会:平成20年度以前の推薦理由書が存在しないのはなぜか。
水口職員:高専校長を推薦するという制度ができたのが平成21年からだから、というのが理由。私が覚えている限りでは、21年の10月頃に制度ができたと思う。それ以降は、高専機構から「このような書類を出してくれ」という依頼が文科省なり各機関に寄せられて、それに対して書いているのがこの推薦書、ということになる。高専機構が発足した平成16年度から平成20年度までは、校長の選考や任命をどうしていたのか私は存じ上げない。少なくとも現在のような推薦制というものは行っていない。

当会:人事案等について、通知書に不開示とあるのは、「文書は存在するが開示できない」という意味か、それとも、「そもそも存在しないから開示しようがない」のか。
水口職員:文書自体は、存在はしている。上層部が人事プランを考えた際に残した案といったものも、モノとして残ってはいる。しかし人事は機密にあたるものなので出すわけにはいかない。

当会:ということは、文書として存在はしているのか? なら内容は不開示でも、西尾氏に関わるものが何件存在していつの日付になっているのか、調査をお願いしたいのだが。
水口職員:人事案は都度作り直しているので、全部調べるとなると膨大な量になる。また、西尾氏の場合は幹部人事なので、幹部が人事を作るわけだが、メモでやり取りしてそのまま捨ててしまったり、口頭であったりと検討過程が残されていないこともあり得る。

当会:うんざりする。人事のプロセスはどうなっているのか。
水口職員:いくつか人事の過程に関する説明をしたい。まず、人事の策定過程の時期的なものを示す正式な書類として、残っているもので開示できるのはこの割愛文書のみ。これは文科省の人事課から高専機構に対して「この職員をうちに貰えませんか」という依頼を行った文書。これがいつ出るかというと、全ての人事の調整が終わり、内部手続きが終わったタイミングで出る。
水口職員:(続けて)もうひとつは、事務的に人事がおおやけになる(いわゆる内示)タイミングがあって、対象の職員はこの時に給与や共済についてやり取りしたり、PCを用意したりする。この内示日は、西尾氏のかかる人事が行われた平成29年では、3月7日。少なくともこの日には絶対に文科省・高専機構両者で人事情報が解禁になっている。しかし、人事について両者(の幹部や人事担当)が合意したり内部で策定したりというのは、もっと前の話になるが、それについてはいつかわからない。

当会:開示にやたら時間が掛かったり、追納を指示してきた理由は何か。
水口職員:じつは、人事を所管する係が過去に代わってしまっていて、文書の所在が判明せず時間がかかってしまった。そんな事情から、やはり3件分足りないということが判明して追納指示を出させていただいた。これに関しては私どものミスで、申し訳ない。
【当会注:とはいえ、このような事情が本当にあったとしても、あのような極めて少ない開示文書と開示箇所に1か月以上も掛けるのはいかがなものか】

当会:話を戻すが、人事案については、そういう文書が存在するのだから、内容はともかくいつの日付の文書が何件あるかくらいは教えてほしいのだが。今わからないのであれば調査して、結果をのちほどメールで送ってほしい。
水口職員:承知した。調査してみる。

当会:ちなみに、今回の当会からの情報開示請求に関して、高専機構との連絡や調整といったことは行ったのか?
水口職員:一切行っていない。

■文科省への訪問を終え、帰ってから辛うじて開示された数少ない文書を確認すると、まだ不整合箇所が残っていることがわかりました。

 文科省による校長候補者推薦資料について、通知書では「平成20年度以前の分は不存在」としていたにも関わらず、実際に開示された文書について校長名と就任年度を照合すると、推薦書が平成22年度以降のものしかありません。つまり、平成21年度の分が抜け落ちてしまっているのです。

 こうした疑義も含めて、8月20日に文科省人事課任用班任用第一係の水口職員に電話して再度確認の連絡をしました。

 当会から、推薦資料について平成21年度の分が抜けていることを伝えると、「たしかに21年度の推薦分4名×2枚=8枚分が抜けていたので、8枚追加となることから、郵送しておきます」と答えがありました。

 ところが、その日の夕方に水口職員から再度電話があり、「文書を確認したところ、平成21年度は、それまでなかった校長推薦状という制度ができた年で、初年度となるこの年に作られた文書は、推薦理由の記載をせず、ただ単に推薦する人物の氏名や所属、生年月日などをA4判用紙1枚に簡単に記載した物であり、そのため推薦理由の記載がないことから、(当会が開示請求した“推薦理由書等”にあたらないと判断して)開示資料から外したことが判明した」と説明されました。

 そのため、当方から、「とにかく推薦者の資料として文書を作成したのであれば、推薦理由が書かれていなくても、そのような文書が存在するということだから、それを送ってほしい」と申し入れました。すると、水口職員は「了解しました」と答えました。

 しかし、翌21日の朝にまた電話があり「追加で8枚を送るが、規定により申出書を追加分としてあらためて提出してもらうことになる。そのためこれから、追加8枚の開示通知と申出書の様式を郵送するからそれに書き込んでもらう。また郵送を望む場合は追加で郵送料を払い込んでもらうことになる」と通知がなされたため、当会からは繰り返される煩雑な手続きにうんざりして、「申出書を持参して直接受け取りに行く」と答えました。結局この平成21年分推薦資料は、9月18日に受領しました。

■いっぽう、この電話で水口職員は、「先日約束した、西尾氏にかかる本省復帰の前年度に作られた、西尾氏復帰を考慮・反映して作成された人事案の文書情報について、オンブズマンにメールすると言った件だが、やはり調べてみると、パソコン上にオーバーライト(重ね書き)されており、その過程が判然とせず(注:普通はPCの履歴を見ればわかるのに!)申し訳ないが、2017年3月9日の日付がある最終版が唯一の文書なので、御了承願いたい」と言い出しました。

 当方からは「そんな文書管理をしているから、不祥事が続発するんだ」と抗議しましたが、相手は「どうしても履歴がわからないので、ご理解願いたい」の一点張りで、人事案の作成過程は完全に闇に葬られてしまっていることが明らかになりました。

■一連の過程で、当会に開示された情報は次のとおりです。

<西尾校長退職に関するもの>
平成29年3月31日付「職員の割愛について(照会)」
PDF ⇒ 201808152jij.pdf

<高専校長候補者推薦に関するもの>
平成22年2月26日付「国立高等専門学校校長候補者の推薦について(回答)」
PDF ⇒ oj1yw2.26.pdf
推薦理由書(平成22年度推薦分~平成29年度推薦分)PDF ⇒ 201808151jiej.pdf

■さっそく、開示された文科省による推薦者と、実際に校長に就任した人物を照らし合われてみると、完全に一致しており、「選考」に落ちてしまった人物は存在しないことが分かります。事前の予想通り、文科省「推薦」者の校長内定率は実に100%でした。審査もへったくれもありません。何が倍率2倍なのか、と思うと同時に、文科省からの天下りを含めて倍率2倍という数字であれば、プロパー校長がくぐり抜けなければならない実質倍率はさらに酷いことになります。

 なお、実際に天下りで高専校長に就任した人物の一覧と、高専機構の説明する校長「選考」のシステムについては、次の記事をご覧ください。

○2018年5月2日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…西尾前校長の選考~退職と現校長への交代劇に関し機構へ開示請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2626.html
○2018年6月23日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…高専機構が校長選考情報を開示!黒塗りだらけ情報が物語ること
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2676.html

■こうして文科省から高専校長への天下りの実態の酷さについては徐々に解明されてきましたが、これだけでは文科省から「高専機構」への天下りの実態について明らかにしたことにはなりません。というのも、高専機構に対しては、高専校長のみならず機構理事や管理事務職といったポストにも天下りがなされていることから、そこまで含めて完全に明らかにしなければ天下りの全容は見えてこないからです。

 そこで9月18日、当会では二の矢として次の文書について文科省に情報開示請求をしました。

**********PDF ⇒ 20180918sjioj.pdf
独立行政法人国立高等専門学校機構発足後の、貴省から当該法人への出向者(出向後の役職は問わない)に関して、人事リスト等、出向者の氏名・出向前後の役職・各年の出向者数・累計出向者が把握可能な情報すべて。
**********

 すると、10月15日に人事課任用班の大橋職員から電話があり、「これらは記者発表しており、過去5年分については手元にあるので、これを開示資料としたい。公表資料なので手数料も不要であり、したがって開示請求もいらないので、この開示請求については取り下げてはもらえないか」と伝えられたので、当会からは「了解しました。取り下げます」と返事をしました。その後情報開示請求書については返送されてきました。

■そして10月25日に文科省を再度訪問し、文書を受領しました。

 この情報開示請求を担当した大橋職員の話によれば、過去5年間の保管期限内にある報道発表の人事異動情報を開示するもので、該当者を黄色に着色し、色別のタグを付けたとのことでした。なお、高専への「人事交流」(=天下り)はすべて高専機構本部出向扱いであり、大半が校長として、それ以外は機構本部の部課長として出向していて、多くても毎年数名程度だということです。

 また、当会から、「高専機構発足(平成16年度)から6年前までに関して、人事交流の人数等についてわかるデータはないのか」と聞いたところ、「人事院あたりならともかく、我々のところではそうしたデータはない」と説明がありました。

 開示された人事異動リストは次のとおりです。
◎2014年4月1日付人事(該当ページ:41P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20140401.pdf
◎2015年4月1日付人事(該当ページ:39P, 41P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20150401.pdf
◎2016年4月1日付人事(該当ページ:17P, 20P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20160401.pdf
◎2017年4月1日付人事(該当ページ:34P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20170401.pdf
◎2017年7月11日付人事(該当ページ:42P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20170711.pdf
◎2018年3月27日付人事(該当ページ:0P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20180327.pdf
◎2018年4月1日付人事(該当ページ:36P, 37P, 38P)PDF ⇒ 20181025_monkashou_jinjiidou_20180401.pdf

■ところが帰宅してから開示された情報を精査すると、どうも2014年と2015年の分について、実際に高専校長に就任したはずの人物の記載が何名分か抜けていることが、高専機構側の資料(校長就任者一覧)との照合でわかりました。これでは資料自体が信頼できないものになってしまい、正確な出向人数を把握できません。早速大橋職員に電話でその旨を伝えたところ、調査すると返事があり、その日のうちに折り返し連絡が来ました。曰く、「調べたところ、やはり文科省から外部に出向している人物が、そのまま横滑りで機構に移り学校長に就任したため、資料に記載がないことがわかった」とのことでした。

 しかし、「報道発表」には、省外の機関からまた省外の機関へ移るような人事も多数掲載されているにも関わらず、なぜその人物だけが漏れてしまうのかさっぱりわかりません。そもそも横滑りであろうと、少なくとも文科省が「推薦状」を書いているのですから、認知していないというのはおかしな話です。そして、当会は「人数が把握可能な情報」と開示請求に書いたのですから、このような不完全な資料では話になりません。

 そこで、後述の件で11月5日に文科省を訪問したのにあわせて、この件での開示を担当する大橋職員に、これらの疑問点について直接質問をおこないました。

 大橋職員は、「この人事異動に関するプレス資料は、少なくとも文科省の職員という身分がかかる人事の前後で関係している場合に、一定レベル以上の者について掲載される」と説明し、続けて、「色々な人事の流れがあり一概には言えないが、例えばどこかの大学や団体に出向していた者がまた別の場所に出向するといった場合、いったん間に文科省を挟む形になる。これはプレス資料に掲載される。一方で、いわゆる部長クラスだとか、かなり職位の高い者は、このいわゆる戻ってくる作業をせず、そのまま直に移籍する。これは文科省を挟まないので、プレス資料には掲載されない」と説明しました。

 当会が「では、当会の求めた全体人数の把握はこの資料では不可能ではないか」というと、大橋職員は「文科省の認識している出向者というのは、文科省から行っている人物という話になるので、これしか出せない。足りないと言われても、どうしたものかなと言うほかない」とやや開き直って説明しました。また、当会から推薦状のことについて聞くと、「推薦状については果たしてどこが書いているのか私どもからはすぐにお答えできない」と逃げるような返事がありました。

 こうして、文科省官僚が高専機構に天下りする過程については、ルートが複雑化しており、本省ですら把握していない(というより、把握していないという口実で資料を作らず、実態が露見しにくいようにしている?)ということで、文科省から引き出せる資料ですら全容が解明できない状態にあることが分かりました。となると、いよいよ全容解明には各年度の機構本部と全高専の幹部の名簿を総チェックするほかないという結論になります。

■このように、文科省からの資料開示によって、文科省から高専機構への天下り実態調査に関してはある程度進捗が生まれました。しかし、もう一方のテーマである、西尾前校長退任を文科省がいつからどのように把握していたのかに関する情報については、それでも疑問が残りました。

 本来定年まで高専校長として居座っていたであろうものを、無理やり本省の窓際に連れ戻したわけですから、省内で何かしらのプロセスは経ていたはずで、それに関する文書も残っていると考えるのが自然です。にも関わらず、開示通知ではそのことについて一切言及がありません。手数料だけしこたま取っておいて、文書検索すらろくに行っていないのは論外というほかありません。

 なので、9月20日に、文科省の水口職員に以下の通り、開示通知の不備と人事の一般的なことについて質問したメールを送信しました。

*****9/20文科省水口職員宛メール*****
From: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
To: mext-s@mext.go.jp
日付: 2018/09/20 16:36

文部科学省
大臣官房人事課
任用班任用第一係 水口様
電話:03ー5253ー4111(内線2135)

 毎々お世話になっております。
 その折は弊会・市民オンブズマン群馬の行政文書開示請求に対して種々ご対応いただき感謝申し上げます。

 ただ、弊会として残念ながら、貴殿にご対応いただいた行政文書の開示に関して、2点ほど疑義が生じておりますため、下記のとおりお問い合わせいたします。

(1)人事関連議事録・議事開催日程や調整連絡の有無について
 貴省元職員の西尾典眞氏が、貴省の人事によって、平成29年3月末に群馬工業高等専門学校長を辞して翌年度より貴省に復帰したことに関して、弊会からは今年6月27日に「この人事を貴省が初めて認知した日付がわかる一切の情報」についても情報開示請求を提出しておりました。
 これに対して貴省が平成30年7月31日付(30受文科人第128号)で言及した文書は、平成29年4月1日付の照会文書、および人事案のみでした。また、のちに人事案については、遺憾ながら同3月9日付のもののみが残されていることが明らかになりました。
 しかし、高専機構に校長として出向した人物は、定年まで在籍するのが通例であり、定年前に文科省に更迭した西尾氏のこの人事については、極めて異例なものです。つまり、この人事案策定にあたっては人事案作成者も含めた会議が平成28年度中に最低1度は開催されたはずです。人事案に関わる人物が、何の要請や相談もなく、このような前例のほとんどない人事を一存で勝手に決めたわけはありません。
 つまり、最低でも、(1)西尾氏の進退が議題に入った人事協議等の議事録、開催日程、出席者名 や、(2)西尾氏の進退に関する事項を、人事案策定者間や、他部署から人事案策定者へ何らかの形で提起・提言・相談した際のメール等文書 が存在するはずです。
 弊会の情報開示請求に上記のように書き、手数料を徴収した以上、貴省はこれら文書についても言及する義務があるはずなのですが、30受文科人第128号においては存否情報やタイトル・日付を含め何一つ言及がございません。したがって、この件に関しましては再度調査を求めます。

(2)上記(1)に関連して、一般的な情報として、下記のご質問にも回答いただければ幸いです。
【1】貴省においては、ある年度の人事案は、通常前年度のいつ頃から作成を始めますか。
【2】貴省において、総合職事務(出向者も含む)の人事案は、具体的にどのような部署・役職にある者が、何名体制で作成しますか。平成29年度の人事案は誰が作成しましたか。
【3】貴省において、平成29年度の人事を作成する際、人事案を巡って開催されたすべての会議の履歴を教えてください。
【4】文科省在籍者ではなく外部出向状態にある者に対し、本省に戻るあるいは別の場所に移るような人事を通達するような場合、どのような手段・日程で通達していますか。出向状態にある者がそれを拒否するようなことはできるのでしょうか。

 以上、ご多用のところ恐縮ですが、貴見解をご回示賜りたく宜しくお願い致します。

市民オンブズマン群馬
代表 小川賢
住所:群馬県安中市野殿980番地
電話:090-5302-8312
E-mail: ogawakenpg@gmail.com
**********

 その後、10月15日に電話で進捗の確認をしたところ、「本件、どこまで回答できるか目下協議中なので、もう少し時間がかかる見込みだ」と回答しました。具体的な回答日時については言及しませんでした。

 そして10月30日にようやく水口職員から電話があり、いきなり「これから口頭で回答を読み上げる」というので、「現在多忙でいちいちメモを取っていられないので、メールで回答を送ってほしい」と当会から伝え、その場は水口職員も了承しました。すると11月1日になってまたもや「やはり、メールでは返事がしにくいので、口頭で説明したい」と電話をしてきました。どうも証拠を残したくないようです。

 当方から「こちらの都合も考えてほしい。再度言うが業務多忙でじっくり電話を聞く時間がないからメールにしてほしい」と再度伝えましたが、らちがあきません。仕方がないのでこちらから譲歩し、11月5日の午後1時15分に当会から文科省に直接出向いて担当者と面談することで合意しました。

■11月5日当日、文科省に着くと、風邪気味だというマスク姿の大橋氏が受付のある2階まで迎えに来ました。1階の情報開示コーナーで説明がなされる筈でしたが、大橋氏いわくそのスペースが午後も使うとのことで、急遽文科省5階の1号会議室(100名は入れそうな大会議室)の片隅で協議することになりました。水口氏は5階で待機していました。



 水口職員は、「メールではうまく趣旨が伝わらないところもあると思って、口頭で説明させていただく」と前置きして説明を始めました。

 結論から言うとほぼ回答拒否に近い返事で、「一応基本的には人事の検討の過程などは、実はお答えできない、お示しできないことになっている。誰が人事案をつくっているかや、どういう過程を経てそれが決定したかといったことは、それを公にしてしまうと、今後の人事の業務に支障が出てきてしまう恐れがある。例えば、誰が作っているかが分かるとその人に働きかけが起きてしまうといったようなことだ」と説明しました。

 さらに水口職員は、「もう一歩踏み込んで申し上げると、人事の検討や案を作るというのはケース・バイ・ケースで、また一人ではなく色々な人が人事案を作る。最終的に決定するのは任命権をもつ大臣1人ではあるが。繰り返せば、色々な事案、というより分野があって、それぞれの人事担当者が案を作る。一般的な例はどうだと言われると、一般は無い。急に人事が決まることもあれば、出向する時にその先の人事まで考えて、あそこに行ったら次にここに行ってほしいと考えて人事を組むこともある。実際に異動した先で任期が切れて、次に異動する時に想像と違ってしまうリスクも当然あるが。そして、人事案をいつ作り始めるのかについても、ケース・バイ・ケースで、一概にこうと決まってはいない。なので、例えばそれで、仮にこういうものがあるという情報をメールとか文書で残してしまうと、それがすべてだというふうに情報が独り歩きしてしまう恐れがあるため、それを少し危惧して、お答えできない」と説明しました。

■まさに、「長々としゃべった割には何も言っていないに等しい回答」であり、官僚組織の本領発揮を見せつけられた思いがしました。結局のところ、西尾前校長がどのような経緯で逃亡したのかの内幕について、理由はおろか時期すら、時期を直接教えることはおろかそれを推定するための一般的な情報すら、一片も明かそうとしないのです。やはり、相当に隠さないとまずい情報のようです。

 もはや通常の交渉では情報を明らかにすることは不可能だとわかったため、当会では次の内容の情報開示請求書を11月15日付けでまたまた提出しました。

**********PDF ⇒ 181115wj.pdf
貴省の元職員である西尾典眞氏が、平成28年度末に群馬工業高等専門学校学校長を辞し、平成29年度に出向元である貴省の高等教育局国立大学法人支援課国立大学運営調査分析官に就いた人事について、次の情報。

(1)西尾氏の進退が言及されている人事会議等協議の議事録、開催日程、あるいはそれに類する資料のうち、2017年2月以前に作成されたものに関する存否情報。また、存在する場合は、その日付。

(2)西尾氏の進退に関する事項を、人事案策定者間や、他部署ないし高専機構から人事案策定者へ何らかの形で提起・提言・相談した際のメール等文書について、その存否情報。また、存在する場合は、その日付。

(3)その他、西尾氏の当該人事に関する一切の文書のうち、2017年2月以前に作成されたものの存否情報。また、存在する場合は、その日付。

**********

■さらに1か月待つこと12月17日に、ようやく文科省からこの情報開示請求に対する通知書が届きました。しかし、なんとそれは「不開示決定通知書」でした。

*****12/17行政文書不開示決定通知書*****PDF⇒ 20181218sjm.pdf
                    30受文科人第302号
                    平成30年12月17日
          行 政 文 書 不 開 示 決 定 通 知 書
市民オンブズマン群馬
 代表   小川  賢 様

               文部科学大臣
                柴 山 昌 彦

 平成30年11月15日付け(平成30年11月16日受付)で請求のありました行政文書の開示について、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)第9条第2項の規定に基づき、下記のとおり、開示しないこととしましたので通知します。

          記

1 不開示とする行政文書の名称
  西尾典眞氏が、平成28年度末に群馬工業高等専門学校長を辞職し、平成29年度に文部科学省高等教育局国立大学法人支援課国立大学運営調査分析官に就いた人事について、次の情報。
(1)西尾氏の進退が言及されている人事会議等協議の議事録、開催日程、あるいはそれに類する資料のうち、2017年2月以前に作成されたものに関する存否情報。また、存在する場合は、その日付。

(2)西尾氏の進退に関する事項を、人事案策定者間や、他部署ないし高専機構から人事案策定者へ何らかの形で提起・提言・相談した際のメール等文書について、その存否情報。また、存在する場合は、その日付。

(3)当該人事に係る人事異動案

2 不開示とした部分とその理由
(1)及び(2)について
  請求のあった文書を保有していないため不開示としました。

(3)について
  国の機関が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、人事情報に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため、法第5条第6号ニにより不開示としました。

【当会注:以下省略】
**********

■なんと、仮にも他機関の校長を事実上更迭して本省に連れ戻すという大掛かりな人事を行ったにも関わらず、何一つとして検討過程に係る文書が残されていないというのです。文書を残すのが役所の仕事のはずなのに、全てをブラックボックスの中で行って経緯の一切を闇に葬っていたことが分かり、当会は愕然とせざるを得ませんでした。

 釈然としないので、12月20日にこの不開示処分を担当した職員を特定して、詳細を問い質すことにしました。電話をかけてみると、これを担当した職員も水口氏でした。やり取りの概要は以下のとおりです。

水口職員:(1)番でおっしゃっているのは、人事案を作成とか決定する時に、文科省内で何か人事関係者が集まって会議みたいなものを開いている、というようなご認識だと多分思うのだが、そういう会議はない。そういう会議を開いていると、人事が遅れてしまうため、適宜、人事案作成者が直に上にあげているということになっており、したがって(1)番はない。
水口職員:(続けて)(2)番は人事案のメールとか、記録ということになる。が、人事の情報は、通常はメールでやりとりしない。通常は電話や、あとは紙で持って来てほしい、ということになる。

当会:その紙は残しておかないのか?
水口職員:ない。

当会:(幹部クラスの人事なのに)会議を開いて経緯を記録しておくということすら行っていないのか?
水口職員:人事の為の会議を開くと参加者の日程調整をしなくてはならないので時間がかかってしまうので、やらない。例えば。高専の校長の選考だと、外部有識者を招いて審査をしたりとか面接をしたりという過程があると思うが、省の人事はそういうものではない。高専や大学の内部人事でもそれは同じだと思う。

当会:最終的な決定はトップという事になるのか?
水口職員:最終的には当然、任命権を持っている大臣だったり、高専で言うと校長なり理事長だったりが、最終的な決定はする。しかしその案をつくるのは、それぞれの人事案の担当者で、その上司に挙げていく。そして最終的にトップが確定するという作業になるが、どこかに1カ所に集まって会議を開くというのは効率的ではないので、どこもやっていない。

■このように、文科省の鉄壁の防御は堅く、なかなか突破口を見出せません。

 「西尾前校長がどの段階から逃亡を考えていたのか?」
 「そして逃亡人事は西尾氏の意向に基づくものなのか、それとも高専機構・文科省の自主判断でなされたものなのか?」


 これらの情報は、当時の西尾前校長が腹の中で何を考えていたのか、また文科省が水面下でどの程度関与していたのか、ひいては群馬高専で起こった諸事件に対する文科省の態度を示す重要な証拠となりうるため、当会ではその全容解明をひとつのテーマとしてきました。しかしあまりにも杜撰で露骨な文科省の腐敗・隠蔽・保身体質に阻まれて、半年間におよぶ奮闘にも関わらず、ほとんど光を当てることが叶いませんでした。遺憾の極みというほかありません。

■さて、今回は、半年間におよぶ文科省との一連の暗闘に一区切りがついたため、以上のとおり読者の皆様にご報告する次第です。

 しかし、あくまで「一区切り」であって、この件に関する調査については今後も継続していく所存です。「諦めず、粘り強く」がモットーの当会として、依然未解決となっているテーマについては、じっくり腰を据えて取り組んでいきたいと考えております。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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東電がつき続ける「スマートメーターのウソ」・・・またまた届いたウソのつきっ放し文書

2018-12-25 23:45:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■当会のブログでも報じているとおりスマートメーターを巡る東電のユーザー無視の対応が社会問題化しています。もともと電磁波による健康問題が取りざたされてきましたが、ここに来てスマートメーターによる火災事故が多発しており、それを東電や総務省消防庁が隠蔽してきた実態が明らかになりました。こうした生活安全上、危険な製品を従来型の電力量計に戻してほしいと、当会会員が東電を相手に要請を続けていますが、相変わらず東電は上から目線の対応に終始しています。
 そのような最中、当会会員から「またまた、『厚顔無恥の東電』から、『真っ赤かなウソのつきっ放し』の書状が届いた」と事務局に連絡がありました。さっそく当会会員からの報告内容をご紹介します。


 なお、スマートメーターを巡るこれまでの関連情報は次のブログ記事を御覧下さい。
○2018年10月24日:勝手に「スマートメーター」に交換した東電に元のアナログ型に戻すよう内容証明で要求するもナシの礫
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2792.html
○2018年11月13日:勝手に「スマートメーター」に交換された電力量計を従来型に戻してほしいとの要請を拒否した東電に再度要求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2812.html
○2018年11月21日:スマートメーター火災事故を隠蔽した東電のことを一面トップで報じた東京新聞のジャーナリズム精神
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2822.html
○2018年12月1日:勝手に「スマートメーター」に交換された電力量計を従来型に戻してほしいとの再要請を東電がまたもや拒否
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2832.html
○2018年12月6日:東電スマートメーター火災事故の隠蔽に加担した総務省消防庁の呆れた対応を一面トップで報じた東京新聞
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2837.html
○2018年12月17日:勝手にスマートメーターに交換した東電がつき続ける「スマートメーターのウソ」
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2844.html
12月21日:勝手にスマートメーターに交換しないよう各電力会社に対して通告状を送付しました
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2846.html

 YouTube動画も併せてご覧ください。
  ⑴,「https://youtu.be/DKFJTv7MfcY
  「スマートメーター、こんなにヒドイ!!!!
   How terrible a SmartMeter is!!」

  ⑵,「https://youtu.be/jWia4177v3E
  「スマートメーターとの電磁波比較、携帯電話」
   スマートメーターの強力電波は、携帯電話、「スマートフォン」の比ではない。


*****「ウソは東電の社風か」*****
■かねてより当ブログにて、広く国民の皆様に、「スマートメーター」が、いかに「ユーザーにとって『百害あって一利なし』状態」であるかをご報告して参りました。

 あくまでも、「スマートメーター」に取り替えて便利なのは、『東電、或は、電力会社側』なのであって、ユーザーには、全くその利便性については、無関係であり只々その「害・不利益」を享受するのみです。

 どうして、ユーザーは、料金を支払いながら、甘んじてその「害・不利益」を受けなければならないのでしょうか? ユーザーは、電気料を支払う単なる「奴隷・家畜」なのでしょうか?

 「東電、或は、電力会社側」の首脳陣自身にも、自分達自身の個々の家庭に、その「害・不利益」が降りかかってくるのです。つまり、自分で自分の首を絞めているのも同然なのです。

 なぜ、こうした理不尽な事が罷りとおるのか不可思議です。

■今回も、またまた、『厚顔無恥の東電』から、『真っ赤かなウソのつきっ放し』の書状が届きました」。

 当会会員は、今までも幾多の客観的事実を東電に示して、スマートメーターを巡る東電のウソを追及してきました。とりわけ、次の事実を立証しつつ、東電と対峙してきております。

  ア、新品の従来型アナログメーターが調達できるのに、全く真摯に誠意をみせない事。

  イ、中古品でも十二分に、最低約30年間は使用に問題なく耐える事。


 ところが東電は、あくまでも「平然とウソのつき放っし状態」を続ける姿勢を見せており、これにはただただ呆れ返るばかりです。

 東電全社員が、この様な「ウソツキども」であるとは思えませんが、嫌々であったかどうかはともかく、少なくとも当会会員に書状を寄こした「社員の2名、及び、書状作成命令を出し、その書状内容に同意した関係社員達」は、それぞれの家庭に帰っても平然とウソをつく「人非人」なのでしょうか?

 であれば、「良心のかけら」さえも正義感もない輩と言う事になります。原発の「安全神話」で国民を騙しておいて、今度は原発事故の尻拭いで政府に泣きついて、国民から血税を巻き上げている東電としては、スマートメーターを巡る「ウソ」など、些細な事なのでしょう。これでは、世の中が良くなる筈がありませんね。

 「公益通報」ということもある訳ですから、東電社員の中にも、正直な人もいる筈です。そのような心ある方達が、一致団結して、正しい行いをすることを望みます。

 今の日本には、そのような方達はいないのでしょうか?このままでは、日本国は沈没して、滅ぼされてしまいます。

■では、東電から届いた書状はどんな内容なのか見てみましょう。下線は当会会員が追記しました。

=====東電からの通知=====PDF ⇒ d20181222fms.pdf
                    平成30年12月20日
齋藤平八郎様
               東京電力パワーグリッド株式会社
               高崎支社高崎地域配電建設グループ

          量器の有効期間満了について

 拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は、当社事業に対し格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 現在、齋藤様とご契約を頂いている低圧電力の計量器(以下、メーターといいます。)ですが、メーターの有効期限が平成30年12月末日までとなっており、この期限を過ぎてしまいますと電気契約の取引上、計量法により法令違反になってしまうことになります。
 
 東京電力としては、法令違反とならないようメーターの取替を実施させて頂きたいとJ思っております。ご存じかとは思いますが、メーターの取替にあたりスマートメーターへの交換をお願いしており、メーターもスマートメーターのみしか調達できない状態でごさいます。しかしながら、粛藤様からは、スマートメーターへの取替はご了承頂けておりません。
 とはいえ、東京電力と致しましても法令違反とならないよう対応する必要がございます。
 つきましては、メーターの有効期間が過ぎた後も現在使用しているメーターを使用して計量させて頂きたいと考えております。(以下、協定といいます)そのためには、齋藤様のご了解が必要となります。この件につきまして、ご理解頂けない場合や不明な点は、ご連絡を頂きたいと存じます。ご連絡がない場合は、ご了承頂いたものとさせて頂きます。
 尚、この処置につきましては、暫定的な取り扱いになります。大変申し訳ございませんが、今後も継続してメーターの取替について、ご相談させて頂きますので何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
                         敬具
 対象ご契約メーター
 ・ご契約名義:粛藤平八郎
 ・ご住所  :高崎市藤塚町217-3
 ・計器番号 :604

                     【お問い合わせ先】
               東京電力パワーグリッド株式会社
                高崎支社 高崎地域配電建設G
                         担当:高橋
                 TEL:027-377-8141(代表)
==========

 愛読者の方はもう既にお気づきかと思われますが、またまた「ウソと矛盾」が平然と記述されていますね。ひとつひとつ見てみましょう。

●東電のウソ・その1「法令違反」云々について

 ここだけ読むと、あたかもユーザーである当会会員が、「法令違反」を犯すようなイメージを想起させますが、これはあくまで東電の責任の範囲です。

 ユーザーの皆様は、決して「交換するな」という主張はできませんが、東電が「良い」とするならばユーザーの責任は問われません。あくまでも、ユーザーとして、「『従来型メーター』に交換してほしい」という主張をするまでです。

●東電のウソ・その2「メーターもスマートメーターのみしか調達できない状態でごさいます。」について

 以前から、皆様にご報告のとおり、本12月現在も、三菱電機(株)で生産販売しています。

 この状況に対して、当会ではその社会的責任と影響を考慮して、東電を初めとして、各大手電力会社に対して、「従来型メーター確保の通告」を発した状況をご報告したばかりです。次のブログを御覧ください。
○2018年12月21日:各電力会社に対して「『アナログ型メーター(従来型電力量計=誘導形電力量計(表面計))(以下、「アナログメーター」という)』の確保要求」を通告いたしました。
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2846.html

 よって、東電の「明らかなウソ」であることを、皆様は瞬時に理解されるところでしょう。

 さらに、毎日のように「取り外している『従来型メーター』がある」わけですから、中古の「従来型メーターが『無い筈がない』」のです。

 しかも、今回、「従来型メーターの暫定使用の通知」が、当の東電からきている訳ですから、「中古の従来型メーター」でも、「何ら問題はない」ことの証明です。

●東電の犯罪行為「スマートメーターなるものの無承諾設置」について

 当会は、ここに次の通り宣言します。

 「スマートメーターなるもの」(本当の意味の「スマート」ではないから、「スマートメーターなるもの」としています)の無承諾設置は犯罪行為です。

 以前からご報告しているとおり、殆ど全てといっても良い一般ユーザーは、この「スマートメーターの存在すらも知らない」ことが、通常状態であると思われます。

 実際、東電を初めとして、各電力会社は、ユーザーの知らない間に、「きちんとした説明もせずに、どんどんと交換・取り付け設置」をしてしまっている現状ですから、これらは、いわゆる「ダマシ工事」です。

 例えば、不動産業には、「重要事項説明(書)」を義務付けています。

 もし仮に、「スマートメーターなるもの」について、きちんとしたその「功罪」、つまり「ユーザーに対してのメリット・デメリット」の説明を行えば、殆ど全てのユーザーの「設置拒否は明白」となるのです。

 ここで注意しなければならないことは、「電力会社に対してのメリット・デメリットでは決してないことです」。ここが、電力会社の「ダマシのポイント」なのです。ちなみに、このような「すり替えのダマシのテクニック」は、日本政府を初めとして、行政機関やマスコミでも平然と行われています。

 だから、賢明な国民の皆様は、NHKなどのマスコミ放送を鵜呑みにして、ダマされてはいけません。

■代表例を、ふたつ程挙げてみます。

(1) 「字幕ばかり」を読んではいけません。

 トランプ大統領の、大統領選の時の演説が、英語で放送され、その訳が字幕テロップで流れていた時がありました。

 その時のトランプ大統領の演説内容について、ヒラリーに対して「『9・11』についての真相を話せ」というような内容が英語で流されていた記憶がありましたが、その時の字幕テロップでは、一切その事に触れられていませんでした。現在この記事を読んでおられる皆様は、少なくともwebを読める訳ですから、真実を自分でも追及できる訳です。ご自分で、情報を収集し、分析し、判断することが大切です。

(2) 「政治に関するマスコミ発表」を鵜呑みにしてはいけません。

 現在、マスコミで良く報じられるのは、「日本の借金は、約800から1000兆円とかになっているので、国民一人当たりの借金は、約800万円」と言うものです。そもそも「国民一人当たり」などと換算する必要など、本来ないはずです。

 この責任はどこにあるのでしょうか?直接の責任は日本政府で、国民ではありません。それとても、「一般会計」だけでの話であって「特別会計」は含まれて計算されていません。

 つまり、日本政府の借金を、国民にあてがってすり替えて、消費税を上げるなどの口実に使っているだけに過ぎません。

 それを、マスコミは良く考えもせずに、或は、意図的に放送しているから、鵜呑みにした善良な国民は、直ぐに騙されてしまうのです。

■この「スマートメーターなるもの」の設置については、その設置結果として、東電などの電力会社側を利するのみです。ユーザーは、只単に、電磁波、プライバシー、火災などの「不利益被害を被るだけ」なのですから、ある意味、「ダマシの手口により、電力会社がその利便・利益のみを享受している」結果しか生み出しません。ですから、東電など電力会社の騙しの実態には「詐欺罪」(刑246条)が成立すると言えます。

 確実な事は、今すぐにスマートメーター使用による悪影響の結果は出なくとも、後々に、あちらこちらで掛けがえのない人のからだに「発症」する事になれば、少なくとも、その被害に対して「損害賠償責任」は認められることになる筈です。あるいは、そうならなければならない筈です。

 そうなれば当然、何も知らない国民は大打撃を受けて、取り返しのつかない事態となります。現在、現政権が特にこだわって成立させてしまった種子法廃止(2018年4月)・種苗法改正(2018年5月)、水道法改正(2018年12月)、入国管理法改正(2018年12月)なども、最後はどうなるのでしょうか?危惧するのは当会会員である筆者だけでしょうか?

 それにしても、現政権は特定の企業や組織との癒着が甚だしすぎます。上記の法律改正(改悪)をみても、「種子法廃止・種苗法改正はモンサント社(←当会注:米国モンサント社は2016年9月にドイツのバイエル社に買収されました。https://hbol.jp/110674 )」、「水道法改正は、麻生大臣を窓口としてロスチャイルド家のヴェオリア社(←当会注:ロスチャイルドのパリ家が設立した総合水道会社ヴェオリア・エンバイロメントで、日本法人はヴェオリア・ジャパン社:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC)」、「入国管理法改正はパソナ社」の為のものです。

 話しが逸れてしまいましたが、つまり、「スマートメーターなるもの」に知らない間に交換されてしまった家庭に対しては、このような「ダマシの手口」で交換したものになる訳ですから、消費者保護の観点からも、この設置行為は「無承諾、故に『無効』」になる筈です。

 従いまして、どれ程の無承諾設置があるのか、極めて酷い状況だと思われるのです。

 そうすると、一体全体、何軒の家庭が進んでこの「スマートメーターなるもの」を自ら進んで設置希望しているのでしょうか?

■結局、賢明な皆様はもうお分かりのとおり、「東電はメーター交換時期にも拘らず、『何もしない』という選択をした」のです。

 そうすると、当会会員が、「勝手に交換されたメーターを従来型メーターに戻せ」という要求に対しては、現状「ナシのツブテ」状態で、「だんまりを決め込む腹」だと思われます。

 この様な「悪質な対応は、行政組織と酷似」しています。悪人はみんな同じなんですね。

 東電などの企業も、行政と同様に、自己に都合が悪いことになると、「平気でウソをつく」のですから、善良なる市民の皆様は、特に注意が肝心です。
                      以上
**********

■当会会員としては、今後とも「勝手に交換されたメーターを従来型メーターに戻せ」という要求に対しては、更に追及するものと思われます。当会は、今後の東電の対応の推移を引続き注視し、逐次皆様に報告してまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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ついに平成最後のクリスマス・・・安中市公社タゴ51億円事件の103年ローンの行方が決まる節目の日

2018-12-25 17:34:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■毎年12月25日になると巡ってくるクリスマス。しかし、安中市民にとってこの日は、1995年に安中市土地開発公社を舞台に起きた巨額横領事件で、元職員タゴをはじめ、タゴの取り巻きの家族、親族、愛人、知人、同僚、出入り業者、金融マン、役人、政治家、暴力団などの懐に消えた総額51億円余りの巨額横領事件の尻拭いとなる群馬銀行への和解金24億5000万円のうち、和解直後の初回支払い4億円を除く20億5000万円を延べ払いで、安中市と土地開発公社が連帯して、毎年2000万円ずつ、103年間にわたって返済することになっている履行日でもあります。そして、今年は10年毎に和解金支払のための群銀への証文の更新年にあたります。これまで安中市・公社は、20年間和解金を支払い続けており、その金額は最初の4億円を含め、総額8億円に上ります。
 ここで、我が国の自治体や公的組織で発生した「横領事件」や「着服事件」のうち、犯行金額の多い順に並べてみましょう。

1.安中市土地開発公社巨額横領事件(1995年5月発覚)51億1250万円
2.和歌山県下津町財政調整基金横領事件(1984年11月)約30億円
3.長野県建設業厚生年金基金巨額横領事件(2010年9月)28億8000万円
4.兵庫県川西市土地開発公社横領事件(1992年6月)19億9000万円
5.新潟県刈羽郡西山町不正融資事件(1990年7月)15億3913万5千円
6.青森県住宅供給公社横領(通称アニータ)事件(2001年10月)14億5900万円
7.高知県土佐山村横領事件(2001年1月)13億5000万円
8.茨城県国民健康保険団体連合会横領事件(2008年4月)11億8100万円
9.外務省機密費流用事件(2001年)9億8800万円
10.河内長野市職員生活保護費横領事件(2013年10月)2億6000万円以上
11.山梨県消防協会横領事件(2013年9月)1億4000万円

 このように、安中タゴ51億円事件は、我が国の公的組織における横領額で断トツの巨額犯罪だということがわかります。


高崎市箕郷町上芝の北陸新幹線高架付近にある、多胡運輸を継承した㈱美正。現在、すぐ隣を通る予定の西毛広幹道の関連工事中。同社はタゴファミリーの拠り所として、タゴ51億円事件や首都高ローリー横転炎上45億円損害事故を経てもなおしぶとく存続している。他方、安中市民は群銀と市・公社の間の103年ローンに苦しめられている。

 横領とは他人や公共の金品を不法に自分のものとする事で、刑法252条から254条において「横領罪」として規定されており、 「単純横領罪」「業務上横領罪」「遺失物等横領罪」に分類されています。単純横領罪は他人の金品を横領した場合で懲役5年以下の罰則、業務上横領罪は業務上で占有している他人の金品を横領した場合で 懲役10年以下の罰則、遺失物等横領罪は遺失物や漂流物などの金品を横領した場合で1年以下の懲役または10万円以下の罰金刑となります。

 着服とは他人の金品をひそかに盗み取って自分のものにする事ですが、ここでは「横領」と「着服」は同じ意味として扱っております。

 安中市の元職員タゴが単独犯として逮捕され、その後送検、起訴され、刑事裁判で業務上横領、詐欺、公文書変偽造・行使など併合罪で14年(未決勾留200日含む)の実刑判決を受け、千葉刑務所で服役後、現在高崎市西部に居住しているようですが、この事件の異常さは、真相解明が尻切れトンボとなり、責任の明確化がなされないまま、誰も損害賠償をしないまま、結局、市民の財産である土地開発公社の金庫から、群銀にクリスマス・ギフトとして毎年2000万円がタゴの尻拭いとして支出されています。つまり、本来、安中市民の財産として市民の為の行政サービスに使われるべき資産が、タゴの豪遊やそれにたかっていた取り巻き連中の利得の穴埋めとして、同じく事件の当事者である群馬銀行に流出しているのです。

 その20回目の支払いが、今年12月25日に履行されるとともに、その後10年の証文を安中市と土地開発公社が連帯して群馬銀行との間で交わすことになれば、2030年まで、この忌まわしい負の遺産を、次の世代に背負わせることになり、最悪103年ローンの満期となる2103年まで、つまり、私たちの孫やひ孫の世代まで先送りする道筋につながりかねません。

 当会は、平成最後の年でもあり、また10年毎の群銀への証文の3回目の更新のこの時期に、平成の忌まわしい安中市の負の遺産を解消すべきであると考えて、既にこのブログでも公表した通り、安中市長と群馬銀行の会長・頭取に直訴状を提出しました。
○2018年9月13日:「タゴ51億円事件」の103年ローン解消に向けて群銀や安中市トップらに申入書を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2754.html

 しかし、今のところ、両者がどのような協議を進め、どのような結論に達したのか、皆目わかりません。

■こうした中で、11月3日・4日の地元紙の報道記事によれば、安中市原市に本店を持つ群馬県信用組合(通称「けんしんよう」)で、職員の着服事件が発生しました。この報道で、「けんしんよう」理事長が「新野正行」と報じられているのに当会は注目しました。


安中市原市の「けんしんよう」の本店営業部。

**********上毛新聞2018年11月3日
群馬県信組の30代職員が計1100万円着服 藤岡のJAでは86万円
◎掛け金の一部入金せず遊興費に…群馬県信用組合
 顧客の定期積金の掛け金の一部を入金せず、総額約1100万円を着服したなどとして、群馬県信用組合(安中市原市、新野正行理事長)は2日、甘楽町支店に勤務する30代の男性職員を懲戒解雇処分にしたと発表した。8月30日付。全額を弁済しており、同信組は刑事告訴しない方針。
 同信組によると、元職員は2013年11月~今年3月、担当していた顧客13人の定期積金38口の掛け金の一部を入金せず、着服した。12年8月~17年3月には、営業成績を上げるため、利用者60人の名前を使って貯蓄預金と定期積金の口座計103口を無断で開設した。
 元職員は金を着服した口座にその後入金するなどして、発覚を免れていた。
 今年5月、顧客の依頼を受けて定期積金の満期処理をしようとしたが掛け金の入金遅れにより処理できず、不正が発覚した。内部調査をし、被害に遭った顧客に説明したという。
 元職員は「パチンコなどに使った」と話しているという。
 新野理事長は「内部管理態勢を見直し、信頼回復に取り組みたい」とした。
◎支店次長を懲戒解雇 刑事告訴を検討…JAたのふじ
 融資先から返済金として受け取った現金86万円を着服したとして、多野藤岡農業協同組合(JAたのふじ、浦部正義理事長)は2日、支店の男性次長(60)を懲戒解雇処分にしたと発表した。10月25日付。被害は弁済されておらず、同JAは刑事告訴も検討している。
 同JAによると、元次長は本店と支店に勤務していた2008年4月~17年10月、約20回にわたって融資先の男性が返済のために手渡した現金を着服した。JAの定める「受取書」を使用せず、市販の領収書に支店の印鑑を押して男性に交付。支店の窓口担当者には返済金の全額を渡さなかったり、一部を入金しただけで領収書の控えを渡さなかったりした。
 男性が領収書の金額とJAへの入金額が違っていることに気付き、今年9月に発覚した。
 元次長は「住宅ローンや公共料金の支払いなどに充てた」と話しているという。同JAは、他に同種の行為がないか、調査している。
 浦部理事長は2日、藤岡市内の同JA本店で記者会見し、「組合員をはじめ関係者にご迷惑をお掛けしたことをおわびしたい。コンプライアンス体制を立て直し、二度と起きないよう最大限努力したい」と話した。

**********NHK News Web2018年11月02日18時30分
信用組合職員 着服で懲戒解雇
 群馬県信用組合の甘楽町支店に勤めていた営業担当の職員が、顧客から預かった積み立て金、合わせて1000万円余りを着服していたことがわかり、信用組合は、この職員を懲戒解雇の処分にしました。
 群馬県信用組合によりますと、甘楽町支店に勤務していた営業担当の30代の男性職員は平成25年11月からことし3月までの間、顧客が毎月定期的に行う積み立て金を集める際、13人分、合わせて1000万円余りを着服していたということです。
 ことし5月、この職員が別の支店に異動したあと、ほかの職員が顧客の満期の確認をしたところ、毎月決められた日に行うはずの入金が遅れていたことから組合が調査して着服がわかったということです。
 この職員は全額弁済をしましたが、組合の調査に対し「掛け金を流用してパチンコなどの遊興費に使った」と着服を認めているということです。
 信用組合は、この職員をことし8月に懲戒解雇の処分としました。
 群馬県信用組合の新野正行理事長は「多大なご心配とご迷惑をおかけすることになり深くおわび申し上げます。今後は再発防止に努め、信頼回復に全力を挙げます」とコメントを出しました。

**********東京新聞2018年11月3日
県信組 元職員1100万円着服 懲戒解雇、遊興費に使う
 県信用組合(安中市)は二日、甘楽町支店の元男性職員(32)が、顧客の資金を積み立てる「定期積金」を十三人分、計約千百万円着服して遊興費に使ったとして、懲戒解雇処分にしたと発表した。着服額は元職員が全額返済して顧客に実害はなく、組合は刑事告訴しない方針。組合は元職員を八月末に処分していたが、公表は約二カ月遅れた。 (菅原洋)
 組合によると、元職員は二〇一三年十一月から今年三月、積金計三十八口の掛け金の一部を入金せず、パチンコやスロットなどに流用。積金が満期を迎えると、別の顧客の掛け金などで穴埋めしていた。
 元職員は三月に異動し、五月に後任の職員が着服された顧客から満期の処理を依頼され、過去の手続きに異常があったために発覚。元職員は異動の際、不足分を全額返済していた。
 元職員は着服とは別に、一二年八月~一七年三月に営業成績を上げようと顧客六十人の口座も無断で開設していた。組合は元職員を処分し、その後に顧客へ説明に回っていたために公表が遅れたという。
 常勤役員六人は十月の役員報酬を最大で一割減額し、当時の支店長や上司らも減給処分にした。組合は「心より深くおわびし、厳粛に受け止めたい」と謝罪している。

**********産経2018年11月4日 07:00
群馬県信組職員が1100万円着服 JAたのふじでは横領
 県内の信用組合、農業協同組合で着服などの不祥事が相次いで発覚した。県信用組合(安中市)では、甘楽町支店(甘楽町)で営業担当として勤務していた30代の男性職員が顧客の定期積金の一部掛け金を入金せず、総額約1100万円を着服したほか、営業成績を上げるため、顧客60人の名前を使って貯蓄預金、定期積金の口座を無断で開設。多野藤岡農業協同組合(JAたのふじ、藤岡市)でも、支店次長の男性職員(60)が融資先からの返済金86万円を横領していた。いずれの職員も懲戒解雇された。
 県信組の元職員は平成25年11月~今年3月、客13人の定期積金38口の一部掛け金を入金せず、着服。今年5月に別の職員が不正に気付き、発覚した。金はパチンコやスロットゲームに使ったという。
 JAたのふじの元職員は20年4月~昨年10月に約20回にわたり、融資先の男性顧客からの返済金を横領。男性が領収証の金額と、返済したはずの金額が違うのに気付き、今年9月に発覚した。元職員は「住宅ローンの返済など生活費に充てた」などと話しているという。
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■というのは、「けんしんよう」理事長は長年、「松井誠」が務めていたからです。ネットで検索して調べると、どうやら昨年の6月に退任しているようです。

 この「松井誠」は1995年5月当時、群馬銀行安中支店の支店長だった人物です。元職員のタゴが群銀安中支店で毎回1千万円単位で現金を下ろす際に、支店長室に招き入れて、タゴと懇意にしていたことでも知られています。

 タゴ51億円事件が発覚後、責任を取る形で群銀内では閑職におかれていましたが、自ら構築した人脈をつてに、「けんしんよう」理事長に就任し、以来昨年まで20年近く理事長職にありました。その人物も、平成最後の年を待たずに、一線から退いたことになります。

 タゴ51億円事件で、当時の関係者で未だに現役なのは、公立碓氷病院の事務部長に就いている竹田清孝氏だけとなりました。竹田氏もおそらく来年3月で退職する可能性が高いと思われます。

■このように、来年4月末で平成の元号が消滅するこの時期に、平成バブル崩壊の申し子のようなタゴ51億円事件が、次の新元号に引き継がれてしまうのか、それとも、平成の終焉とともに、この忌ましい地元の役所の犯罪にくぎりをつけるのか、安中市長と群銀首脳部のトップ同士の判断結果が注目されます。

【ひらく会事務局】

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