市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

禁断のRDFとみなかみ町・・・怠る事実と契約継続中なのに期限徒過で却下判決を出した前橋地裁のヒラメ判事

2021-09-05 12:56:00 | みなかみ町政の暗闇
■9月2日の地元紙の社会面に、当会のみなかみ支部会員がみなかみ町を相手取り係争してきた裁判で、前日9月1日に前橋地裁民事第1部の田中芳樹裁判長が、原告棄却の敗訴判決を言い渡した記事が掲載されました。みなかみ町政を揺るがせてきた元町長の岸良昌とその取り巻き連中が起こした未曽有の組織ぐるみの犯罪的行為に、またもや前橋地裁は、行政を過剰に忖度する無責任判決を下しました。さっそく報道記事を見てみましょう。


**********上毛新聞2021年9月2日
ZIP ⇒ 20210902vlirdflj.zip
みなかみRDF 原告の請求却下 前橋地裁判決
 みなかみ町内の一般ごみを再利用した廃棄物固形燃料(RDF)実証実験事業を巡り、町が計約2億3500万円の損害を受けたとして、元町議の男性が町に対し、元町長と当時の担当課長に損害額を請求するよう求めた住民訴訟の判決言い渡しが1日、前橋地裁であり、田中芳樹裁判長は原告側の請求を却下した。
 原告側は、実験施設が町議会の議決を経ていない協定書に基づいて町有地に建設されるなど市、岸良昌元町長と契約変更に関わった当時の担当課長が待ちに損失を与えたと指摘していた。
 判決理由で田中裁判長は、原告側は協定締結を知ってから約1年後に監査請求をしたと指摘。「訴えは適法な監査請求を前提にしたものではない」とした。
 判決について、原告の男性は「検討すらせずに『却下』としたいいかげんな判決。控訴するか検討する」とした。一方、町の担当者は「判決書が届いていないのでコメントは差し控えるが、こちらの考えが認められたと考えている」とした。
**********

■みなかみ町のたくみの里近くの日帰り温泉「遊神館」の一角に、「RDF実証試験施設」なるものが建てられたのは、平成30年でした。しかし、議会の議決を経ないまま署名された協定書にもとづき、建てられたこの施設でRDF実証試験の目途は立たず、行く先を失ったRDFが保管庫から溢れ、あわてて2017年6月から別の業者とRDFの引取り契約を交わしたら、それまでの2倍の処理費用の1トン当たり3万8000円となり、みなかみ町は泣き面にハチという状況です。

 そのため、こうした事態を招いた背景を調べるため、当会みなかみ支部の会員が2020年10月30日に住民訴訟を前橋地裁に提起しました。そして、これまでに、以下のとおり7回にわたる口頭弁論が開かれてきました。
①2020年1月15日 第1回口頭弁論(被告は擬制陳述で欠席)
  訴状:URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3068.html 参照
  訴状訂正:URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3093.html 参照
  答弁書=被告準備書面(1):URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3132.html 参照
②2020年3月11日 第2回口頭弁論(コロナ蔓延のため寸前にキャンセル)  
③2020年6月17日 第2回口頭弁論(変更後)
④2020年9月30日 第3回口頭弁論
⑤2020年12月2日 第4回口頭弁論
⑥2021年2月3日 第5回口頭弁論
⑦2021年3月24日 第6回口頭弁論
⑧2021年6月2日 第7回口頭弁論(弁論終結)

 なお、この事件のこれまでの経緯については、次のブログ記事を参照ください。
○2019年10月13日:スッポン養殖に目がくらみ禁断のRDFに手を出したみなかみ町に住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3050.html
○2019年11月2日:禁断のRDFとみなかみ町・・・お粗末過ぎる住民監査結果を通知された当会会員が住民訴訟提起
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3068.html
〇2019年12月22日:禁断のRDFとみなかみ町・・・RDF問題に光を当てる住民訴訟の第1回弁論期日が1月15日10時に決定
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3093.html
○2020年2月15日:禁断のRDFとみなかみ町・・・1月15日住民訴訟第1回弁論で町側が争う姿勢、次回期日は3月11日
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3123.html
○2020年3月8日:禁断のRDFとみなかみ町・・・第1回弁論で争う姿勢を見せたみなかみ町がようやく準備書面(1)を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3132.html

■6月2日の第7回口頭弁論で、それまでの渡邊和義裁判長(今年4月に東京高裁の判事に異動)から後任として赴任し本事件を担当することになった田中芳樹裁判長が、いきなり結審を宣言し、「判決言渡しは9月1日水曜日13時30分とします」と告げたのでした。

 そして当日、裁判所には傍聴席にみなかみ町の住民の皆さんや、町職員、そして中央部には記者席が設けられ、マスコミ関係者も多数詰めかけて、コロナ対策で減数となった傍聴席は満席の状態でした。さらに、司法修習生の若い男女2名が、法的内の向かって麦側に設えられた司法修正用の席に着きました。

 原告の当会みなかみ支部会員が、法廷内に入って原告席で待機していると、まもなく定刻に少し遅れて田中裁判長が陪席裁判官2名を従えて、入ってきました。全員起立して一礼したあと、橋本書記官が「令和元年(行ウ)第20号」と事件番号を読み上げました。

 そして田中裁判長がうつむいたまま、判決文を取り出し「主文、1、本件訴えをいずれも却下する。2、訴訟費用は原告の負担とする」と読み上げました。傍聴席につめかけたみなかみ町の住民の皆さんは、えっ?と何がどうなっているのか、怪訝そうな表情を浮かべました。

 マスコミ関係者はさっそく記事をかくためか、あるいは判決文を確認するためか、それとも、住民の皆さんから感想を聞くためか、外の廊下に出て行きました。

 当会は4名の会員が傍聴していましたが、原告の会員とともに、3階にある民事第1部の窓口に行き、「判決文」の交付を求めました。まだ、担当の橋本書記官が引き続き行われている別の裁判で戻っていなかったため、他の同僚職員に交付を求めると「当事者以外は外で待っていてください」と言われ、外にあるベンチで待機していました。

 3分ほど経過すると原告の当会会員が判決文を手にして民事第1部の窓口から出てきたので、さっそく県庁2階の県民センターにあるコピー機でコピーすることにしました。

 1階に降りると、ロビーに上毛新聞と読売新聞の記者が待っていました。ロビーで取材を受けると、守衛が裁判所の総務課の職員に通報して、排除されるため、外で取材を受けるため、地裁の入口前の水路に係る橋の脇で取材を受けました。そのときの当会のコメントが冒頭の新聞記事にある「検討すらせずに却下とした、いいかげんな判決」です。

 果たしてどんな判決だったのか、棄却ではなく却下でしたので、傍聴席で「棄却する」という田中裁判長の声を聴いた途端、直感で気に「ああ、これは門前払いの判決だな」と確信し、傍聴席にいたみなかみ町の住民の皆さんにも、判決後、退室する際に、そのように感想をお伝えしました。

■では、実際にどのようなトンデモ判決だったのでしょうか。以下に田中芳樹裁判長によるヒラメぶり極めつけの呆れ果てた判決文をご覧いただきたいと思います。

*****9/1判決文*****ZIP ⇒ 20210901irdf1ij.zip
<P1>
令和3年9月1日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 橋本勇一
令和元年(行ウ)第20号 RDF違法事業費用損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 令和3年6月2日
             判       決
   群馬県利根郡みなかみ町布施339-1
       原       告   鈴  木  章  二
   群馬県利根郡みなかみ町後閑318
       被       告   みなかみ町長 鬼頭春二
       同訴訟代理人弁護士   増  田  智  之
       同           山  崎  由  恵
       同           川  住  岳  央
       同訴訟復代理人弁護士  小  林  浩  暉
             主         文
      1 本件訴えをいずれも却下する。
      2 訴訟費用は原告の負担とする。
             事 実 及 び 理 由
第1 請求
 1 被告は,岸良昌(以下「岸」という。)及び高橋孝一(以下「高橋」という。) に対し,2億3423万9025円及びこれに対する平成29年6月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を連帯して支払うよう請求せよ。
 2 被告は,岸及び高橋に対し,120万円及びこれに対する平成29年10月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を連帯して支払うよう請求せよ。
第2 事案の概要
 みなかみ町長であった岸は,同町を代表して,平成29年5月22日,株式会社ウィズウェイストジャパン(以下「WWJ社」という。)及びサンエコサーマル株式会社(以下「SES社」という。)との間で,一般廃策物(固形

<P2>
燃料RDF)運搬処理業務委託契約(以下,「本件業務委託契約」という。)を締結し,同年7月1日,同契約について,業務委託変更契約(以下「本件変更契約」という。)を締結した。また,岸は,同町を代表して,平成29年10月3日,みなかみエネルギーサービス株式会社(以下「MES社」という。)との間で,みなかみ町遊神館RDFボイラー実証試験協定(以下「本件協定」という。)を締結し,MES社は,同協定に基づいて,RDFボイラーを町有地である町営奥平温泉遊神館(以下「遊神館」という。)内に設置した。
 みなかみ町民である原告は,①岸が同町役場の生活水道課長であった高橋の手引きで,違法に上記各契約を締結して同町に損害を被らせ,②岸及び高橋が,MES社が町有地内に違法にRDFボイラーを設置している 状況を放置して同町に損害を被らせたと主張して,同町の執行機関である被告を相手に,地方自治法242条の2第1項 4号本文に基づいて,岸及び高橋に対し,不法行為による 損害賠償請求として,上記①について2億3423万9025円及びこれに対する平成29年6月30日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金,上記②について120万円及びこれに対する平成29年10月3日から支払済みまで上記同様の割合による遅延損害金を連帯して支払うよう請求することを求めた。
 1 本件に関する法令の定め
 (1) 地方自治法(以下「法」という。)の定め(抜粋)
 普通地方公共団体の議会は,次に掲げる事件を議決しなければならない。(96条1項5号,6号)
 ア その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。
 イ 条例で定める場合を除くほか,財産を交換し,出資の目的とし,若しくは支払手段として使用し,又は適正な対価なくしてこれを譲渡し,若しく

<P3>
は貸し付けること。
 (2) みなかみ町議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(以下「本件条例」という。)の定め(抜粋)
 法96条1項5号の規定(前記(1)ア)により議会の議決に付さなければならない契約は,予定価格5000万円以上の工事又は製造の請負とする。(2条)
 2 前提事実
 以下の事実は,当事者間に争いがないか,本文中に掲記の証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認めることができる。
 (1) 岸は,みなかみ町長として,平成29年5月22日,WWJ社及びSES社との間で,WWJ社がみなかみ町から発生する一般廃棄物(固形燃料RDF)を同町が指定するSES社所有施設へ運搬し,SES社が同廃棄物の中間処理を行い,WWJ社が中間処理後に発生する一般廃棄物(焼却残渣)を同町の指定するWWJ社所有施設へ運搬し,最終処分を行うことを内容とする,本件業務委託契約を締結した。(甲6の1)
 また,岸は,みなかみ町長として,平成29年7月1日,WWJ社及びSES社との間で,本件業務委託契約の契約金額を1t当たり4万1040円から同4万2120円に変更することなどを内容とする,本件変更契約を締結した。(甲6の2)
 (2) 岸は,みなかみ町長として,平成29年10月3日,MES社との間で,同町の製造するRDFを燃料としたRDFボイラーを遊神館内に設置して温泉施設の加温実証試験を行うことを目的とする,本件協定を締結した。(乙5)
 (3) MES社は,本件協定に基づいて,遊神館内にRDボイラーを設置した。(甲8)
 (4) 原告は,平成30年5月1日から同年8月6日までの間,みなかみ町

<P4>
議会議員であった。
 (5) 原告は,平成30年6月8日,みなかみ町議会の厚生常任委員会に委員として出席した。
 同委員会では,町職員から,WWJ社に対して一般廃棄物としてRDFの焼却処理委託を行い,SES社が中間処理を行った後,草津町の最終処分場で埋立て処分をしていること,遊神館内に設置されたRDFボイラーについては,実証実験による実績を検証した上で有効性が確認できれば本格稼働ヘ移行することが協議されたこと及び土地の使用許可が未決であること等が説 明された。(乙2)
 (6) 原告は,平成30年7月27日,みなかみ町議会の全員協議会に出席した。
 同協議会では,RDFに関する事実経過,本件協定の内容,運搬業務委託先としてWWJ社を選定した経緯等が話し合われた。
 また,同協議会で出席者に配布された「遊神館RDF経過(説明)」と題する書面には,平成29年度より,RDFを一般廃棄物としてWWJ社に委託処理していること,みなかみ町とMES社との間で本件協定を締結したこと,遊神館内にRDFボイラーが設置されたこと等が記載されている。(甲8,乙3)
 (7) 読売新聞は,平成30年7月27日,本件協定に基づいて設置されたRDFボイラーが稼働していないこと等を報道した。
 また,同新聞は,同月31日,RDFボイラーの設置について,町有地の使用許可がされていないこと等を報道した。(甲1の2・3)
 (8) 原告は,令和元年8月1日,みなかみ町監査委員に対し,RDFに関連した事業について,住民監査請求(以下「本件監査請求」という。)をした。(甲1の1)
 (9) みなかみ町監査委員は,令和元年9月30日付けで,本件監査請求の

<P5>
一部に理由があるとしてみなかみ町長に対して勧告を行ったことを原告に対して文書で通知し,原告は,同年10月3日,これを受け取った。
 なお,上記勧告の内容は,みなかみ町長に対し,遊神館内に設置された RDFボイラーに関して町有地の行政財産使用許可を出すことによって財産の管理を怠る事実を解消すること等を求めるものであった。(甲4)
 (10)原告は,令和元年10月30日,本件監査請求の結果を不服として,本件訴訟を提起した。(当裁判所に顕著な事実)
 3 争点及びこれに対する当事者の主張
 (1) 適法な監査請求の前置の有無(争点1)
(被告の主張)
 ア 監査請求期間の経過について
 原告は,平成29年5月22日の本件業務委託契約の締結行為,同年7月1日の本件変更契約の締結行為及び平成29年10月3日の本件協定の締結行為を財務会計上の行為として主張しているところ,本件監査請求は,令和元年8月1日に行われており,財務会計上の行為があった日から1年を経過している。
 イ 法242条2項ただし書の「正当な理由」がないことについて
 原告は,平成30年5月1日から同年8月6日までの間,みなかみ町議会議員として在職しており,また,新聞報道及び同町が発行する「議会だより」に接することによって,住民監査請求をするに足りる程度の情報を知り得たというべきである。したがって,相当な期間の経過後である令和元年8月1日に住民監査請求がされているのであるから,「正当な理由」は存在しない。
(原告の主張)
 ア 監査請求期間について
 本件監査請求について,みなかみ町監査委員から,手続そのものの違法性については何ら指摘されていない。したがって,本件監査請求は適法である。

<P6>
 また,原告は,岸及び高橋が遊神館内にRDFボイラーが存在している状態を放置しているという怠る事実についても本件監査請求をしているのであり,当該怠る事実については,監査請求期間の制限はない。
 イ 「正当な理由」があることについて
 被告は,監査請求期間の経過を主張するが,本件監査請求の端緒となったのは,みなかみ町議会のゴミ処理調査特別委員会が平成31年4月15日までにまとめた中間報告書であり,原告は,これを入手し,内容を精査して必要な分析を踏まえた上で本件監査請求をしたものである。
 また,原告がみなかみ町議会議員であった当時は,町長のセクハラ問題で町政は大揺れの状態であり,RDFについては時々討議の中に出てきたが,RDFという言葉さえ初めて聞いたほどで,この問題の本質など分かるはずもなかった。
 (2) 本件各行為の違法性の有無(争点2)
(原告の主張)
 岸が,平成29年5月22日,高橋の手引きで,WWJ社及びSES社との間で,本件業務委託契約を締結し,同年7月1日,本件変更契約を締結した行為について, いずれも法96条1項5号に基づき,町議会の議決を経るべきであったにもかかわらず,これを怠った違法がある。
 また,岸が,平成29年10月3日,高橋の手引きで,MES社との間で本件協定を締結した行為について,法96条1項5号又は6号に基づき,町議会の議決を経るべきであったにもかかわらず,これを怠った違法がある。
 さらに,岸及び高橋が,遊神館内にRDFボイラーが存在している状態を放置していることについても,RDFボイラー設置の根拠となった本件協定の締結行為が町議会の議決を経ていないとの違法がある。
(被告の主張)
 本件業務委託契約及び本件変更契約は,一般廃棄物(固形燃料RDF)運搬

<P7>
処理業務の委託を内容とする契約であり,法96条1項5号及びこれに基づく本件条例2条所定の契約に該当しない。
 また,本件協定は,RDFボイラーの実証試験を行うことに関する協定であり,法96条1項5号,6号及び本件条例2条所定の契約に該当しない。
 したがって,上記のいずれについても,町議会の議決を経ることを要しないから,原告主張に係る違法はない。
第3 当裁判所の判断
 1 争点1(適法な監査請求の前置の有無)について
 (1) 怠る事実について監査請求期間の制限が及ぶか
 ア 普通地方公共団体において違法に財産の管理を怠る事実があるとして法242条1項の規定による住民監査請求があった場合に,その監査請求が,当該普通地方公共団体の長その他の財務会計職員の特定の財務会計上の行為を違法であるとし,当該行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実としているもの(いわゆる不真正怠る事実)であるときは,当該監査請求については,上記怠る事実に係る請求権の発生原因たる当該行為のあった日又は終わった日を基準として同条2項の規定を適用すべきものと解される(最高裁判所昭和62年2月20日第二小法廷判決民集41巻1号122頁参照)。
 イ 原告は,岸及び高橋が,遊神館内にRDFボイラーが存在している状態を放置していることを財産の管理を怠る事実とし,その違法事由として,RDFボイラー設置の根拠となった本件協定の締結行為が,みなかみ町議会の議決を経ていないことを主張する。すなわち,原告は,本件協定の締結行為が違法,無効であることに基づいて,SES社に対する何らかの実体法上の請求権が発生しており,岸及び高橋がこれを行使しないことをもって財産の管理を怠る事実と主張するものと解される。
 ウ したがって,上記財産の管理を怠る事実は,いわゆる不真正怠る事実に該当

<P8>
するから,その監査請求は,本件協定の締結行為がされた 平成29年10月3日(前提事実(2))を基準として法242条2項の規定を適用すべきである。
 (2) 監査請求期間の経過の有無
 前記前提事実(1),(2)及び(8)によれば,平成29年5月22日に本件業務委託契約の締結行為が,同年7月1日に本件変更契約の締結行為が,同年10月3日に本件協定の締結行為がそれぞれされているところ,本件監査請求は,令和元年8月1日にされており,上記各行為のあった日から1年の監査請求期間を経過していると認められる。
 (3) 「正当な理由」の有無
 ア 普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなかった場合には,法242条2項ただし書にいう「正当な理由」の有無は,特段の事情のない限り,当該普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかにより判断すべきである(最高裁判所平成14年9月12日第一小法廷判決・民集56巻7号1481頁)。もっとも,当該普通地方公共団体の一般住民が相当の注意力をもって調査したときに客観的にみて上記の程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなくても,監査請求をした者が上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される場合には,上記正当な理由の有無は,そのように解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものである(最高裁判所平成14年10月15日第三小法廷判決・裁判集民事208号157頁)。
 イ 前記前提事実(4)から(6)までによれば,原告は,みなかみ町議会議員として平成30年6月8日の厚生常任委員会及び同年7月27日の議会全員協議会に出席し,これらの会議において,RDFに関する問題として,本件業務委託契約や本件協定,RDFボイラーが設置された土地等に関する議論に参加していることが認め

<P9>
られる。また,前提事実(7)によれば,原告は,平成30年7月27日及び同月31日の新聞報道により,RDFボイラーの稼働や同ボイラーが設置された土地の使用について問題が生じていることを知ることができたことが認められる。
 したがって,原告は,遅くとも平成30年7月31日までには,監査請求をするに足りる程度に本件業務委託契約の締結行為,本件変更契約の締結行為及び本件協定の締結行為の存在及びその内容を知ることができたと解される。このような原告の状況に基づいて考えると,上記同日から約1年後である令和元年8月1日にされた本件監査請求は,相当な期間内にされたものということはできず,本件監査請求について法242条2項ただし書にいう正当な理由があるとはいえない。
 ウ 本件監査請求に至る事情について原告はるる主張するけれども,原告が監査請求をするに足りる程度に上記各行為の存在及びその内容を知ることができたか否かの判断は,原告が主張するような事情の有無によって左右されるものではない。
 2 結論
 以上によれば,本件訴えは適法な監査請求を前置したものでなく,いずれも不適法であるから却下を免れない。

   前橋地方裁判所民事第1部
     裁判長裁判官  田 中 芳 樹
        裁判官  杉 浦 正 典

<P10>
        裁判官  清 水 瑛 夫

<P11>
 これは正本である。
 令和3年9月1日
   前橋地方裁判所民事第1部
    裁判所書記官 橋 本 勇 一
                      前橋 20-006850
*********

■ご覧のとおり、裁判所は、争点1として「違法な監査請求の前置の有無」しか判断していません。

 しかも、原告が、監査請求は実際に有効だとして受理され、勧告迄出されており、その勧告の内容が不十分だったことから、当事者らの責任を問うために提起した住民訴訟であり、監査請求を有効に前置した上での提訴であることは誰が見ても明らかです。

 また、協定書の締結から1年を経過しても、依然としてみなかみ町は町有地を不法に無償提供している状態なので、住民監査請求は有効であること、また、RDFの運搬・処理業務委託契約については、現在もなお引き続いて継続している契約行為であり、これも住民間請求の対象として有効であることを、原告は一貫して主張してきたにもかかわらず、田中芳樹裁判長は、そうした原告の主張を一顧だにせず、ただただ期限徒過だけを前面に押し出して、この裁判の本質に踏み込まないまま、門前払い同然の「却下」判決を言い渡したのでした。

■行政を相手取った住民訴訟の勝訴率は、ふつう数パーセントと言われますが、ここ群馬県では、前橋地裁は各支部の裁判所において、住民側が勝訴した試しは、すくなくとも当会市民オンブズマン群馬としては、沼田土木事務所管内での公共工事における談合問題で勝訴し、談合業者から損害を回収させた事例を除き、他に記憶がありません。

 当然、このような理不尽な判決は、前例として放置しておけませんので、控訴すべきだとする声もあります。しかし、別の観点からすると、裁判所が、このような明らかな利権の乱用行為が自治体内部で組織的に行われている実態について、自らメスをいれることができず、だから判断も出来ないため、こういう門前払い判決しか、出せないのが現在の我が国の司法の実態であると考えられなくもありません。

 原告の当会会員は、記者からのインタビューに対して「控訴するか検討する」と答えていますが、日本の司法がこのような体たらくであるため、9月15日の期限までに控訴しても東京高裁で再び「一審の判断を指示する」などという判決が出される可能性が高いため、別の方法を模索したいとする意向も示しています。

 控訴する場合でも、そうでない場合が選択されたとしても、引き続き当会はみなかみ町政を巡る黒い霧を晴らすために努力を続けている当会のみなかみ支部会員を全力でサポートしてまいる所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「みなかみ町RDF問題に関する町内配布チラシ」
 今年5月にみなかみ町の市民団体が、この問題を住民に周知すべく新聞折込などを通じて庁内に配布したチラシ。この事件の弁論でも、かならず町民の方々が傍聴されていました。住民の皆様の関心の高さがうかがえます。
**********ZIP ⇒ 20210511rdfv.zip
こんなこと許せますか? 削減のはずの処理費が倍加
 みなかみ町のごみ問題をご存じですか。
 1つは、遊神館の施設内に町の使用許可もなくRDF実証実験ポイラーが設置されたこと。もう1つは、RDF処理業者を変更したことで、ごみの委託費が2倍近くに膨らんだことです。(令利元年5月25日付の読売新聞が報道)
 問題点を明らかにし、今後の町のごみ処埋のあり方を検証したいと思います。

疑問点①
何故、誰も責任を取っていないのか?

 この問題は、現在も未解決で誰も責任をとっていません。契約変更で膨らんだ委託費用は、現在も続いています。いまだに知らない方も多いし、広く知らされていません。問題を知れば怒らない町民はいないはすですa

 現在も続くRDF事業は、ごみを固形燃料化(RDF化)し有効利用しようというものでした。
 旧3町村による共同事業(月夜野水上新治衛生施設組合)として、平成10年に開始しました。当初はRDFを奥利根アメニティパーク内発電の燃料としてきましたが、平成18年8月に熱交換器等不具合事故で発電施設が稼働停止となり、状況は一変しました。
 それまでは、RDFを有効利用しようというものでしたが、 この時点で逆有償(1トンあたり1000円で販売、運搬費21000円)となり、事実上RDF事業は破綻したといえます。にもかかわらず10年以上も転換をはかることなく事業を継統してきたことは行政の怠慢としかいえません。

 さらに、経費割減すべきところを平成29年5月、当時の担当課長が独断(調査委員会報告)でRDF処理業者を変更したことで、処理費用が2倍近くに膨らみました。委託変更により1トンあたり39000円+消費税となりました。かってな判断で町に損失を与えたわけですから大変な事件ではないでしょうか?さらにRDF事業には、従来の焼却方式を変革し環境に配慮、資源化率100%をめざす。(アメニティパークパンフ)という大義があったわけですが、結果これを無視して一般廃棄物として焼却処理することになりました。一般廃棄物として処理するためにわざわざ高い費用をかけてゴミをRDF化する必要はありません。

みなかみ町の「ごみ問題」
一連の関連報道

廃棄物燃料で源泉加温、みなかみ遊神館、臭い、有害物を懸念 (上毛新聞・平成30年7月 24日)
RDF稼働「検証必要」町議会特別委中間報告、町長「実施難しい」(朝日新聞・令和元年5月22日)
RDF事業「一部職員らで複雑化」みなかみ町議会特別委最終報告案(令和元年9月3日)
RDF事業に是正勧告、監査委 安全性確認を指摘(上毛新聞・令和元年10月1日)
RDF処理費節減を勧告、みなかみ町監査委員 町長「対応したい」(上毛・読売新聞・令和元年10月1日)
みなかみの固形燃料問題「元町長へ賠償請求を」提訴(朝日新聞・令和元11月1日)
ごみ処理巡り答弁拒否連発、みなかみ町長、訴訟を理由にRDF課題多く、再検討含め岐路に(令和2年1月2日発行議会だより)

<RDFの取り扱い推移>
 アメニティパークの燃料(平成10年~平成18年8月)
  1トンあたり1, 000円で販売、21,000円の運搬費
  ※逆有償ながら有価物として取り扱う(平成18年8月~平成29年4月)
  1トンあたりの委託費39,000円+消費税
  ※一般廃棄物として焼却(平成29年5月~現在)

<現在のRDF1トンあたりの処狸費>
 ごみをRDF化するのに約8,500円
 RDFを処理委託するのに39,000円+消費税

<平成29 年度の一人あたりのごみ処理経費>
 みなかみ町 24,000円
 全国平均  16,103円
 志布志市  約8,000円
 (志布志市は徹底した分別資源化をめざしています)

疑問点②
何故、RDF処理業者を変更したのか?

 議会には、取り引き先から断られたと報告されていたが、事実はみなかみ町側から契約を解除。調査委員会は当時の担当課長が独断で判断したというが、そんな権限はない。何を忖度(そんたく)しておこなわれたのか疑問が残る。
 ごみ処理経費を削減する必要(平成27年、奥利根アメニ ティバークの経費削減計画)から、町内でRDFを燃料として使おうとしたことはわかるが、なぜこのようなことになったのでしょうか。

 これらの問題を明らかにするため、町にごみ処理調査特別委員会を設置しました。
 遊神館のボイラーについて、安全性及び安全運転上の様々な対策が必要であると指摘、また、北海道富良野市のボイラーでみなかみ町のRDFを燃焼し、燃焼が可能であると報告されていたが、排ガスで基準値の7倍以上のダイオキシンが発生していたことを明らかにした。
 そのうえでポイラー設置の経過については、真相究明されることなく「不充分な実態解明のまま限界を感じた」として令和元年9月、最終報告をおこない調査委員会を解散した。
 関係者から確認すべき調査をおこなったとしながらも、RDFボイラー実証試験協定書を結んだみなかみエネルギーサービスや当時の町長からの聴取はおこなわれていません。
 なぜ聴取がおこなわれなかったのでしょうか。
 協定書が結ばれたのは当時の町長が落選する直前であり、その半年前には、ある議員が関わる業者から町長宛に施設建設の見積りが提出されています。

疑問点③
何故、調奎委員会は、不充分な実態解明のまま限界を感じたのか?

 協定書を結んだ当事者には聴取がおこなわれていない。委員会の力関係で聴取はおこなわれなかった。
 その後の議会でも、ごみ問題について取り上げたのは、1人の議員が令和元年12月議会に取り上げただけです。議会も現段階ではこの問題にふれようとしていません。
 町長も訴訟(この問題で住民から訴訟がおこされている)を理由に真相についても、今後のごみ処理についての方針も明らかにしていません。

疑問点④
今、協定書は?

 みなかみ町製造のRDFを燃料にRDFボイラーを遊神館に建設し温泉施設の加温実証実験を行うことを目的とした実証試験協定書は、平成29年10月3日にみなかみ町とみなかみエネルギーサービス(株)とで締結されている。一連の問題は協定書に沿っておこなわれたのか?協定はどうなっているのか?
 そもそもみなかみ町のRDFは、有価物5要件をみたしていないためボイラーでは燃焼させることができない,

疑問点⑤
何故、RDF事業にこだわるのか?

 すでにRDF事業の破綻は明らかなのに、RDFをつくり続けるのか,議会も町長も真相究明して問題を明らかにし、新たなごみ処理方針を提起しないのか、問題は解決していない。

一緒にごみ問題を考えましょう
 この間題に対し、住民監歪隋求や訴訟が行われています。また、私たちも「みなかみ町のごみ処理を考える会」で取り組みをすすめています。
 真相の究明と問題点を明らかにすること。RDF事業の見直しを求めて、町と懇願、要望書を提出してきました。
 いまだに知らない方も多いこの問題は放置したままでいいのでしょうか。ごみ処理問顆の解決には多くの町民の協力と理解が必要です。
 地球温暖化や異常気象による自然災害対策が叫ばれる昨今です。ごみ処理のあり方も見直す必要があります。
 一刻も早く、RDF事業を転換するため、一緒にごみ問題を考えましょう。

RDF

※RDF固形化施設の廃止とごみ行政の見直しを求める要望書(署名)にご協力下さい。

要望事項
1、RDF固形然料化施設の廃止計画を迅速にすすめること。
2、ごみ分別資源化の推進、ごみ処理費用の削減。
3、高いごみ袋を無料にしてください。

みなかみ町のごみ問題を考える会
連絡先代表 大坪 進 みなかみ町新巻1225 TEL64-1663

**********毎日新聞2012年9月2日
みなかみRDF住民訴訟 元町議の訴え却下 地裁判決 /群馬
 ごみ固形化燃料(RDF)を利用したボイラー実証試験事業を巡ってみなかみ町に損害を与えたとして、鈴木章二元町議が岸良昌元町長らに約2億3500万円を請求するよう鬼頭春二町長に求めた住民訴訟で、前橋地裁(田中芳樹裁判長)は1日、訴えを却下する判決を言い渡した。
 判決などによると、岸氏は2017年10月、RDFを熱源とする温泉施設の加温実証実験を行う協定を民間会社と締結。だが、後任の前田善成前町長らが計画を問題視して事業は停止され、18年7月に問題が報道された。
 鈴木氏は19年8月、原因究明を求めて住民監査請求をしたが、岸氏が現職だった際に議会の議決なく支出されたRDF処理費用などの損害が町監査委員の勧告で指摘されていないことを不服として、住民訴訟を起こした。
 判決は「鈴木氏は遅くとも18年7月の報道で問題を知ることができた」と指摘。そもそも地方自治法で定める住民監査請求の請求期間(1年)を過ぎており、期間を延長する正当な理由もないとした。【川地隆史】
**********

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みなかみ町前町長セクハラ事件の疑義・・・被害女性の所属確認情報不開示の審査請求棄却で提訴

2020-05-21 22:21:00 | みなかみ町政の暗闇
■草津、伊香保など群馬県の名湯と並ぶみなかみ温泉ですが、おひざ元のみなかみ町では一昨年の2018年5月に前町長を巡るセクハラ事件が突然勃発しました。ところが同年12月27日付で前橋地検が不起訴処分を決定すると同時に、セクハラを受け被害届を警察に出した筈の被害女性が告訴を取り下げました。この不可思議なセクハラ事件の真相を究明するには、被害女性が前町長のセクハラをどのように役所に通報したのか、被害女性の所属先はどこで雇用形態はどうだったのか、など疑問点をあきらかにする必要がありますs。そこで、当会では地元会員を通じて、2019年3月4日付で情報開示請求を同町に提出したところ、同年3月15日付で部分開示決定が通知されました。ところが隊員氏名など黒塗りにされていたため、隊員が特定できないために同3月25日付で異議申立をしたところ、同年5月27日に隊員名が明らかとなる情報が開示されました。しかし、複数存在するはずの隊員が僅か1名のみとなっているため、当会会員は同年7月5日付で審査請求を行いました。そして、2019年11月25日付で審査結果の裁決書が届き、当会会員の審査請求が棄却されました。そこで当会会員は、6か月の期限が迫る今年2020年5月20日に、不開示決定処分の取消を求める住民訴訟を前橋地裁に提起しました。

ZIP ⇒ n.zip

 なお、この事件の関連記事もご覧ください。
○2019年1月29日:みなかみ町前町長セクハラ事件の疑義・・・前町長の不起訴処分は被害女性側からの告訴取下と示談申出?
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2873.html
○2020年4月3日:みなかみ町前町長セクハラ事件の疑義・・・告訴取下げ被害女性の所属確認のため同町に開示請求した結果
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2921.html

■提訴の前置となった審査請求の経緯は次のとおりです。

*****審査請求書*****ZIP ⇒ 20190705rinsjj.zip
                      令和元年7月29日
みなかみ町長 鬼頭 春二 様 宛て

                   審査請求人  鈴木 章二  ㊞

        審 査 請 求 書 (異議申立書)

 次の通り、審査請求(異議申立て)をします。

1 審査請求人の氏名及び住所
 氏名   鈴木 章二
 住所   群馬県利根郡みなかみ町布施339-1

2 審査請求に係る処分の内容
 みなかみ町長が審査請求人に対し、令和元年5月27日付けみ総務発第208号により行った請求人宛公文書部分開示決定通知書(添付1)において開示された次の資料;
(1)「回議用紙」/発議年月日:平成28年7月13日、発議者:総合戦略課室長鈴木伸一、件名:地域おこし協力隊の募集について、別紙:募集要項(業務内容、応募要件等)
(2)「回議用紙」/発議年月日:平成28年8月3日、発議者:総合戦略課室長鈴木伸一、件名:地域おこし協力隊(非常勤嘱託職員)の内申について、別紙:嘱託員任用内申書(山本健太)・辞令(山本健太)
(3)「回議用紙」/発議年月日:平成29年3月1日、発議者:総合戦略課室長鈴木伸一、件名:地域おこし協力隊(非常勤嘱託職員)の内申について(継続)、別紙:嘱託員任用内申書(山本健太)・辞令(山本健太)
(4)「起案用紙」/発議年月日:平成30年3月1日、発議者:総合戦略課企画グループ主任三富健司、件名:地域おこし協力隊(非常勤嘱託職員)の内申について(継続)、別紙:募嘱託員任用内申書(山本健太)・辞令(山本健太)
において、「開示資料の内、個人の住民・生年月日」を開示しないとした部分開示決定処分。

3 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
  令和元年6月3日(月)

4 審査請求の趣旨
(1)審査請求人は、「平成28年度以降」の地域おこし協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報を求めた。
(2)しかるに、みなかみ町は、山本健太のみの情報を開示決定した。
(3)平成28年度以降は、1名ではなく複数の隊員に対して、選考の結果辞令を交付しているはずであり、上記2の処分は明らかに不当であり、取消されなければならない。

5 審査請求の理由
(1)広報みなかみNo.141(2017年(平成29年)7月号)の13ページ(添付2)の下段記事を見ると、「過疎のまちのために働く4名 地域おこし協力隊の活動」と題して、「・・・(前略)・・・みなかみ町では、昨年8月から藤原地区を拠点とする山本健太さん、昨年11月からみなかみ町観光協会で活動する鈴木雄一さん、今年4月に着任した阿部茜さん、みなかみ農村公園を中心に町内4つの直売所で手腕を発揮する西坂文秀さんの4名が活動しています。・・・(後略)・・・」という記載がある。
(2)このことから、少なくとも、平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づき、応募と選考結果に関して、山本健太1名のみではなく、少なくともそのほかに3名の隊員が選考され、活動していたことがうかがえられる。
(3)よってみなかみ町の部分開示決定の判断は誤っているので、直ちに上記2に示す処分は取消けされ、対象者全員の情報が開示されるべきである。

6 処分庁の教示の有無及び教示の内容
 「この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、実施機関に対して異議申立てをすることができます(なお、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると異議申立てをすることができなくなります。)」との教示があった。
                             以上

添付1:公文書部分開示決定通知書
添付2:広報みなかみNo.141((2017年(平成29年)7月号)13ページ
**********

■すると2019年9月17日付でみなかみ町情報公開審査会から当会会員宛に意見書・資料の提出通知が届きました。また、町側の同9月13日付の弁明書も同封されていました。

*****通知*****ZIP ⇒ 20190922eom.zip
                             (公印省略)
                             令和元年9月17日
鈴木 章二 様
                           みなかみ町情報公開審査会

            意見書又は資料の提出について(通知)

 あなたは、下記1の諮問事件について、みなかみ町情報公開条例第19条の4に基づき、当審査会に対し、意見書又は資料を提出することができますが、当審査会において、下記2のとおり提出期限を定めたので、通知します。
                   記
1 諮問事件
  諮問番号:諮問第1号
  事件名:平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示決定に関する件

2 意見書又は資料の提出期限等
 (1) 提出期限
   令和元年9月27日 (金)
 (2) 提出方法
   任意の様式により作成した意見書又は資料を、持参又は郵送でみなかみ町役場総務課に提出してください。また、提出された意見書又は資料は、諮問庁に対して、みなかみ町情報公開条例第19条の5第1項の規定に基づき写しを送付する又は同条第2項の規定に基づき閲覧に供することがありますので、その適否についての考えを、別紙「提出する意見書又は資 料の取扱いについて」に記入し、意見書又は資料に添付してください。ただし、当該取扱いについての当審査会の判断が、あなたの意見と異なる場合があることをご承知おきください。

=====別紙=====
(別紙)                       諮問第1号事件
       提出する意見書又は資料の取扱いについて

みなかみ町情報公開審査会長  様

                         令和  年  月  日

                   氏名

1 この度みなかみ町情報公開審査会に提出する意見書又は資料を、諮問庁に対して、みなかみ町情報公開条例第19条の5第1項の規定に基づき写しを送付する又は同条第2項の規定に基づき閲覧に 供することは、
□ 差し支えがない。
□ 適当ではない。
(適当ではない理由)

=====諮問通知書=====
                           み総戦発第90号
                          令和元年9月13日
鈴木 章二 様
                  みなかみ町長  鬼 頭 春 二
                      (総合戦略課)

            情報公開審査会諮問通知書

 令和元年5月27日付け公開決定等に対する審査請求について、次のとおりみなかみ町情報公開審査会に諮問しましたので、みなかみ町情報公開条例第18条の3の規定により通知します。

                 記

1 公開決定等に係る公文書の件名
  平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示決定に関する件

2 審査請求の内容
  平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示を求めたところ、複数名辞令を交付しているはずだが、実際に情報開示されたのは1名のみであったため、処分不当であり、取り消されなければならない。

3 審査請求年月日
  令和元年7月29日

4 諮問年月日
  令和元年9月13日

5 諮問実施機関
  みなかみ町役場 総合戦略課

=====弁明書=====
                          み総戦発第87号
                         令和元年9月13日
みなかみ町情報公開審査会長 様
                    処分庁
                    みなかみ町長  鬼 頭 春 二
                        (総合戦略課)

               弁 明 書

 審査請求人 鈴木 章二(以下、「審査請求人」という。)からの令和元年7月29日付け審査請求事件につき、処分庁は、以下のとおり弁明する。

                 記

第1 処分の内容及び理由
 1 処分の内容
   審査請求人に対する公文書部分開示決定処分(以下、「本件処分」という。)

 2 処分の理由
   平成31年3月4日付けで公文書開示請求のあった件について、みなかみ町情報公開条例に基づき、本件処分を行ったものである。

第2 審査請求の理由について
 1 処分に至った経緯について
   公文書開示請求のあった『平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報(応募者数、応募要領、選考手順、採用者氏名、活動開始~終了年月。活動内容を含む選考結果が分かる情報を含む)』について、住所と生年月日を除く全ての対象者情報の開示を行った。
 2 審査請求の理由に対する反論
   「広報みなかみ」No.141(2017年7月号)掲載の「過疎のまちのために働く4名地域おこし協力隊の活動」の記事中、開示対象者の山本健太の他に3名の紹介があり、これをもって、みなかみ町で選考された人数が1名ではなく4名であるとの主張であった。しかし、山本健太以外の3名については、それぞれ「みなかみ町観光協会」及び「みなかみ農村公園公社」が独自に雇い上げており、応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため、みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示しており、本件処分に当たり、行政手続上の瑕疵は認められない。

第3 結語
   以上のとおり、審査請求の理由はなく、本審査請求は棄却されるべきである

**********

■これに対して当会会員は次の意見書と資料をみなかみ町に提出しました。

*****意見書*****ZIP ⇒ 20190927.zip
                             令和元年9月27日
みなかみ町情報公開審査会 御中

                      審査請求人
                       鈴 木 章 二     印

          意見書および資料の提出について

 諮問第1号にかかる令和元年9月17日付貴通知書について、下記の通り意見を述べます。

                 記

1.処分庁は弁明書のなかで、審査請求の理由に対する反論として、次の通り主張しています。

  「広報みなかみ」No.141(2017年7月号)掲載の「過疎のまちのために働く4名地域おこし協力隊の活動」の記事中、開示対象者の山本健太の他に3名の紹介があり、これをもって、みなかみ町で選考された人数が1名ではなく4名であるとの主張であった。しかし、山本健太以外の3名については、それぞれ「みなかみ町観光協会」及び「みなかみ農村公園公社」が独自に雇い上げており、応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため、みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示しており、本件処分に当たり、行政手続上の瑕疵は認められない。

2.処分庁の「山本健太以外の3名については、それぞれ『みなかみ町観光協会』及び『みなかみ農村公園公社』が独自に雇い上げており、」とする主張は、次の理由で失当です。

  総務省が定めた「地域おこし協力隊推進要綱」(平成21年3月31日(総行応第38号)制定)によれば、「第2 事業概要」として、「地方自治体が都市住民を受け入れ、地域おこし協力隊員として委嘱し、一定期間以上、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事してもらいながら、当該地域への定住・定着を図る取組について、地方自治体が意欲的・積極的に取り組むことができるよう、総務省として必要な支援を行う。」とされております。
  また、「(1)地域おこし協力隊員」でも、「地域おこし協力隊員は、おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事する者をいう。」とあります。
  さらに、「(2)地方自治体」でも、「地方自治体は、設置要綱等を策定した上で広報・募集等を行い、地域おこし協力隊員とする者を決定し、当該者を地域おこし協力隊員として委嘱し地域協力活動に従事させる。また、事業実施にあたっては、全国的な地域づくり推進組織、NPO 法人や大学等と連携することが望ましい。」と明記されております。
加えて、「第3 対象」の「(1)「地域おこし協力隊員」」において、「この要綱における「地域おこし協力隊員」とは、以下に該当する者をいう。① 地方自治体から、委嘱状の交付等による委嘱を受け、地域協力活動に従事する者であること。② ①の委嘱に当たり、地方自治体が、その対象者及び従事する地域協力活動の内容等を広報誌、ホームページ等で公表していること。」と定義づけられています。
  このように、地域おこし協力隊員はすべて地方自治体から委嘱されたかたちとなっています。
  したがって、処分庁のいう「山本健太以外の3名については、それぞれ『みなかみ町観光協会』及び『みなかみ農村公園公社』が独自に雇い上げており、」というのは失当で、全員が処分庁の委嘱を受けていなければなりません。
  資料1は、処分庁のみなかみ町が募集期間:平成28年11月7日~12月15日(木)で1名を、みなかみ町観光協会嘱託員として雇用することを目的に、同町のホームページに掲載したものです。
  資料2は、処分庁のみなかみ町観光協会が募集期間:平成30年4月5日(木)~5月31日(木)で1名をみなかみ町観光協会嘱託員として雇用することを目的に、同協会のホームページに掲載したものです。
  資料1および2ともに、冒頭に「みなかみ町では地域おこし協力隊を募集いたします。」と明記してあります。
  資料3は、総務省のホームページに掲載されている「地域おこし協力隊の活躍先①」であり、平成30年度特交(特別交付税)ベースでの全国各市町村における隊員数の一覧表です。2ページ目のみなかみ町の隊員数欄をみると、「5」とあります。このことからも、処分庁の主張する「1名」ということは有り得ません。
  資料4の4ページ目には、「地域おこし協力隊の受入れに当たっての留意点」として、地域おこし協力隊の任用・勤務条件について記されています。これをみると、「各地方自治体において、主に以下の2つの任用形態の地域おこし協力隊が存在します。」とあります。また、「このほか地方自治体が任用せず、委託契約を締結する場合も見られています。」とあることから、処分庁が任用していない可能性ももちろん否定できません。
  しかし、みなかみ町のホームページや、各団体のホームページにおいても、「業務内容」「勤務日数」「報酬」といった表現で任用があるように記載されていることから、地方公務員法に基づき、地方公務員として処分庁が任用していることが分かります。

3.処分庁の「応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため、みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示しており、本件処分に当たり、行政手続上の瑕疵は認められない。」とする主張は、次の理由で失当です。

  資料1は、処分庁のみなかみ町が募集期間:平成28年11月7日~12月15日(木)で1名を、みなかみ町観光協会嘱託員として雇用することを目的に、同町のホームページに掲載したものです。
  資料2は、処分庁であるみなかみ町観光協会が募集期間:平成30年4月5日(木)~5月31日(木)で1名をみなかみ町観光協会嘱託員として雇用することを目的に、同協会のホームページに掲載したものです。
  資料1および2ともに、冒頭に「みなかみ町では地域おこし協力隊を募集いたします。」と明記してあります。
  したがって、処分庁が委嘱して各団体に嘱託員として所属させていたとしても、その応募状況や選考手順等について、各団体から報告を受けていないはずはなく、実際に資料1にみられる通り、みなかみ町のホームページで掲載している例もあります。
  情報公開条例では、処分庁が作成した情報のみならず、他から受領した情報も行政情報として取り扱われることから、処分庁が委嘱した地域おこし協力隊員にかかる応募状況や選考手順等について、各団体のみで情報を保有することは許されません。
  よって、処分庁の「みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示しており、」とする主張は認められず、本件不開示処分は明らかに不当であり、行政手続上の瑕疵であることに疑いの余地がありません。
  なお、仮に、処分庁が主張する通り、当該各団体(今回の場合、みなかみ町観光協会およびみなかみ農村公園公社)の職員等(今回の場合嘱託職員)を地域おこし協力隊員として委嘱する場合には、地方自治体と隊員との間に直接的には指揮監督関係がないことや、隊員の活動内容や当該団体の公益性を踏まえ、当該団体と委託契約等を締結することが地域おこし協力隊の制度趣旨に合致していることなどを説明できることが必要とされています(資料4の13ページ目参照)。

                             以上

資料1:地域おこし協力隊を募集します|みなかみ町
資料2:みなかみ町観光協会 みなかみパーフェクトガイド新着情報「地域おこし協力隊募集について」
資料3:地域おこし協力隊の活躍先①(抜粋)
資料4:地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3版)(抜粋)
**********

■そして、2019年11月20日付でみなかみ町情報公開審査会から町側に対して次の答申がなされました。

*****答申書*****ZIP ⇒ 20191120_toushin_sho.zip
                           (公印省略)
                          令和元年11月20日
鈴 木  章 二 様
                     みなかみ町情報公開審査会

        答申書の写しの送付について

 下記の事件については、令和元年11月20日に答申をしたので、みなかみ町情報公開条例第10条の6の規定に基づき、答申書の写しを進付します。

              記
  諮問番号:諮問第1号
  事件名:平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示決定に関する件


=====答申=====
<P1>
答申第1号
諮問第1号
件名:平成28年度以降の「地域おこし」協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報の開示決定に関する件

               答   申

第1 審査会の結論
 審査請求人(以下「請求人」という。)の平成31年3月4日付け公文書開示請求(以下「本件開示請求」という。)に対してみなかみ町長(以下「実施機関」という。)が令和元年5月27日付けで行った公文書部分開示決定(以下「本件処分」という。)は,妥当である。

第2 事件経過
 別紙事件進行経過記載のとおり

第3 請求人の主張の要旨
 請求人の主張の要旨は,概ね以下のとおりである。
1 審査請求の趣旨
 本件処分は,地域おこし協力隊員(以下「協力隊員」という。)1名についての開示請求対象文書のみが開示されているが,協力隊員は複数名いるはずであるから,本件処分は不当であり取り消されるべきであって,開示されていない協力隊員に関する開示請求対象文書も開示されなければならない。
2 害査請求の理由
(1)平成28年度以降の地域おこし協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報を求めたところ,実施機関は1名の情報を開示したが,「広報みなかみ」の記事により,少なくとも他に3名の協力隊員が選考され,活動していたことがうかがえる。したがって,複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(任用者が複数名存在するはずであることの主張)。
(2)実施機関は,町で任用した協力隊員は1名であり,その他の協力隊員について,それぞれ「みなかみ町観光協会」及び「みなかみ農村公園公社」(以下「各団体」という。)が独自に雇用していると主張しているが,総務省の地域おこし協力隊梓進要綱(平成21年3月31日付け総行応第38号。以下「推進要綱」という。)第 2・事業概豊には「地方自治体が(中省略)『委嘱し』」との記載があるため,協力隊員全員が町からの委嘱を受けていなければならないはずである。したがって,複数の 協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(少なくとも

<P2>
委嘱状が存在するはずであることの主張)。
(3)実施機関は,令和元年9月13日付の弁明書において,「応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため,みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示して」いると主張しているが,町のホームページの記載内容等から考えれば,実施機関が応募状況や選考手順等について各団体から文書による報告を受けているはずである。したがって,複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(実施機関が各団体から報告を受けているはずであること の主張)。

第4 実施機関の主張の要旨
 実施機関の主張の要旨は,概ね以下のとおりである。
1 主張の趣旨
  町が募集して任用した協力隊員は1名である。町は各団体と業務委託契約を締結し,各団体が独自に協力隊員の募集,選考を行っている。また,地域おこし協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に 関する情報について各団体から文書による報告は受けていないから,各団体と契約を締結している者についての開示請求対象文書は存在しない。委嘱状はそもそも作成交付していない。よって,審査請求は棄却されるべきである。
2 主張の理由
(1)請求人は,協力隊員全員が町からの委嘱を受けていなければならないから,そうであるとすると,地方公務員法に基づく地方公務員として町が任用しているはずの者が存在するはずであると主張する。しかし,町が任用する者を除くその他の協力隊員については,町と各団体との間で地域おこし協力隊についての業務委計契約を締結している。そして,同契約を前様に,それぞれ各団体が独自に 協力隊員と何らかの労務の掃供に関する契約をしているはずであり,かつ,応募状況や選考手順等に ついても各団体で把握されている。
   この点,協力隊員への委嘱と,公務員としての任用は別の行為である。結果として,部分開示した1名の協力隊員の他に任用した協力隊員はおらず,請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。 (2)町と各団体が業務委託契約を締結した後,実施機関は,各団体が行った選考手続きや手順等に ついて文書による報告は受けていないし,選考手続き等に関与していない。結果,部分開示した1名の協力隊員のものの他に,請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。
(3)請求人の主張する,協力隊員への『委嘱』について,推進要綱の第3・対象の(1)④なお書きには,「委嘱の方法,期間(中省略)弾力的に対応することで差し支えない」旨の記載がある。実施機関としてはこの記載に基づき,委嘱状の交付をもって委嘱をするという方法は採用せず7地域の実情に応じた委嘱の方法(口頭での事後承認)をとったと認

<P3>
識している。したがって,委嘱状も存在しない。また,各団体との委託契約書の存在が認められれば,国からの財源手当てが受けられる仕組みとなっており,委嘱状は財源手当てを受けるための要件となっていないため,必須不可欠の文書とは認識していない。結果として,請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。

第5 争点
 実施機関は,既に開示済みの山本健太氏(以下「山本氏」という。)に関する文書の他に,その他協力隊員についての文書も保有しているか。

第6 審査会の判断の理由
1 協力隊員には,公務員たる身分を有する者と,公務員たる身分を有しない者が存在しうることが認められる。
  すなわち,協力隊員には,地方自治体が任用し,一般職非常勤職員たる地位を有する者及び特別職非常動職員たる地位を有する者が存在しうる。 また,地方自治体が任用せず,各種団体等と委託契約を締結することを前提に,各種団体と何らかの労務提供契約(雇用契約等)が締結されている者も存在しうる。各種団体と委託契約を締結することを前提に各種団体件と契約を締結している者には,原則として,地方自治体との間において任用関係は生じない。ただし,実質的指揮監督関係等の存在によって労働者性が認められる可能性はある(平成31年3月総務省地域力創造グループ地域自立応援課 地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3版)。以下「手引き」という。)。
2 実施機関は,各団体とそれぞれ「地域おこし協力隊業務委証契約」(以下「各業務委託契約」という。)を締結したことが認められる。各業務委託契約書には,各団体から町への報告等については何らの定めがない(審議の結果に基づく。)。
  そして,かかる各業務委託契約の存在を前提にしても,各団体が,地域おこし協力隊事業に基づく応募状況や選考結果に関する情報を町に文書による報告をしたことは認められない(審議の結果に 基づく。)。
  なお,協力隊員の記事が「広報みなかみ」に掲載されているが,当該記事の具体的記載内容を検討するに,各団体が協力隊員を採用後,何らかの方法(電話,直接面談)で,何らかの情報を実施機関に提供しているとしても,地域おこし協力隊事業に基づく応募状況や選考結果に関する情報(開示請求の対象となる情報)自体を実施機関に文書により報告していると認めるのは困難であるし,実施機関が当該情報を保有していると合理的に推認することも困難と言わざるを得ない。また,実施機関が山本氏を除くその他の協力隊員に委嘱状を交付した事実は認められない。この点,結果として国から町に対して財源手当てが行われていることが認められ,この事実からすると,各団体との委託契約書

<P4>
の存在が認められれば国からの財源手当てが受けられる仕組みとなっており,委嘱状は財源手当てを受けるための要件となっていないため,実施機関において作成が必須不可欠の文書とは認識してしいないとの実施機関の主張は信用することができる。そして,かかる認識を前提にすれば委嘱状の作成が行われなかったことの経緯は具体的に説明がされてしいると考えられる。
3 地域おこし協力隊の募集経過は以下のとおりであると認められる。
(1)実施機関は,平成28年7月13日に隊員募集についての決裁を行い,「地域おこし協力隊員を募集します」と題する文書をホームベージ上に掲載することによって協力隊員を募集したことが認 められる(発議年月日平成28年7月13日付回議用紙及び「地域おこし協力隊員を募集します!」と題する文書)。
(2)そして,実施機関は,平成28年8月15日発令,任期満了年月日を平成29年3月31日とし,山本氏を任用したことが認められる。同人は引き続き平成29年4月1日から平成30年3月31日まで再度町に任用されたことが認められる。同人は,さらに平成30年4月1日から平成31年3月31日まで任用されたことが認められる(平成28年8月3日付嘱託員任用内申書案,同年同月15日付辞令案,平成20年3月1日付嘱託員任用内申書案,同年4月1日付辞令案,平成30年3月1日付嘱託員任用内申書案,同年4月1日付辞令案)。
   実施機関が地域おこし協力隊制度を利用して,協力隊員を任用したのは,平成28年度が初めてである。手引き,推進要綱いずれにも各団体と地方公共団体が委託契約を締結して協力隊員を募集した場合において,各団体からどのような内容,どのような方法で報告を受けるべきかについて詳細な記載はない。
   同人の各再任時期にあたり,新たに協力隊員が募集されたことはない(審議の結果に基づく。)。
(3)上記山本氏は,平成30年10月31日に退職した。実施機関は,上記山本氏の退任後,協力隊員を募集したことはない。
   上記の経過であり,町には,平成28年以降,協力隊員として山本氏のみが任用されており,同人を除いては誰も任用されていない(審議の結果に基づく。)。
4 結語
 請求人は,手引きの記載等を根拠に,実施機関が各団体から文書により報告を受けていないはずがないと主張している。しかし,各業務委託契約書中には,各団体から町への報告等については何らの定めがないこと,各団体と町との業務委託契約の存在が国からの財源手当ての要件となっており実施機関においてその他の文書を必須不可欠と認識していないこと,実施機関が地域おこし協力隊の制度を利用したのは平成28年度が初めてであり以後募集を行っていないことの各事実を総合勘案しても,請求人が主張する報告に関する

<P5>
文書や委嘱状等の開示請求対象文書が存在していないとしても不自然とは言えない。そして,町が任用した者は山本氏1名であり,請求人主張の開示請求対象文書は存在しないから,本件処分は妥当である。よって,第 1記載の「審査会の結論」のとおり判断する。

<P6>
別紙 事件進行経過

  年 月 日         内 容
平成31年 3月 4日   本件開示請求
平成31年 3月15日   公文書部分開示決定
平成31年 4月 1日   異議申立て
令和 元年 5月 2日   申立認容による公文書部分開示決定
令和 元年 7月29日   審査請求(異議申立て)
令和 元年 9月13日   実施機関から諮問を受けた。実施機関から弁明書を受領した。
令和 元年 9月25日   審査請求人の左記同日付,意見書及び資料の提出についてと題する書面の提出を受けた。
令和 元年 9月30日   審議(第1回審査会)。実施機関から理由説明,意見聴取,インカメラ調査
令和 元年10月23日   審議(第2回審査会)
**********

■この5日後に、早くもみなかみ町長から当会会員あてに審査請求に対する裁決通知が出されました。

*****審査請求裁決通知*****ZIP ⇒ 20191125r.zip
<P1>

                           み総戦発第120号
                           令和元年11月25日
鈴木 章二 様
                      みなかみ町長  鬼 頭  春 二
                         (総 合 戦 略 課)

         審査請求に対する裁決について(通知)

 今和元年7月29日付けで提起された公文書の公開決定等に対する審査請求については、別紙のとおり裁決したので謄本を送付します。
                 記
1 裁決書(謄本)  1部

=====裁決書=====
           裁 決 書
                       審査請求人
                        みなかみ町布施339番地1
                         鈴木 章二

 上記審査諸求人(以下「請求人」という。)から令和元年7月29日付けで提起されたみなかみ町惜報公開条例(平成17年条例第5号)第11条第1項の規定による情報の部分開示決定処分(以下「本件処分」という。)に対する審査諸求については、次のとおり裁決する。
              主  文
 本件審査請求を棄却する。

              理  由
第1 事実
1 請求人は、平成31年3月4日付けで「平成28年度以降の「地域おこし協力隊」事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報(応募者数、応募要領、選考手順及び各採用者の氏名、活動開始~終了年月、活動内容を含む選考結果が分かる情報を含む)」他l件の公文書開示請求を行った。
2 実施機関は、平成31年3月15日付けで部分開示を決定し、町で任用していた地域おこし協力隊員(以下「協力隊員」という。)1名に係る公文書の開示を行った。
3 請求人は、平成31年4月1日付けで「開示資料の内、個人を特定できる部分」の解釈について異議申立てを行った。
4 実施機関は、請求人の申立てを認容し、令和元年5月27日付けで本件処分を行った。
5 請求人は、令和元年7月29日付けで「l 名でなく複数の隊貝」に関する情報開示を求め、審査請求を行った。
6 実施機関は、本件処分の維持が適当との理由により、令和元年9月13日付けでみなかみ町情報公開審査会へ諮問を行った。
7 実施機関は、令和元年11月20日付けでみなかみ町情報公開審査会より答申を受けた。

<P2>
第2 請求人の審査請求の趣旨及び主張要旨
 請求人の主張の要旨は、概ね以下のとおりである。
1 審査請求の趣旨
 本件処分は、協力隊員1名についての開示請求対象文書のみが開示されているが、協力隊員は複数名いるはずであるから、本件処分は不当であり取り消されるべきであって、開示されていない協力隊員に関する開示請求対象文書も開示されなければならない。
2 審査請求の理由
 (1) 平成28年度以降の地域おこし協力隊専業に基づく応募状況と選考結果に関する情報を求めたところ、実施機関は1名の情報を開示したが、「広報みなかみ」の記事により、少なくとも他に3名の協力隊員が選考され、活動していたことがうかがえる。したがって.複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(任用者が複数名存在するはずであることの主張)。
 (2) 実施機関は、町で件用した協力隊員は1名であり、その他の協力隊員について、それぞれ「みなかみ町観光協会」及び「みなかみ農村公園公社」(以下「各団体」という。)が独自に雇用していると主張しているが、総務省の地域おこし協力隊推進要綱(平成21年3月31日付け総行応第38号、以下「推進要綱」という。)第2・事業概要には「地方自治体が(中省略)『委嘱し』」との記載があるため、協力隊員全員が町からの委嘱を受けていなければならないはずである。したがって、複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(少なくとも委嘱状が存在するはずであることの主張)。
 (3) 実施機関は、令和元年9月13日付の弁明書において、「応募状況や選考手順等については各団体で把握されている。そのため、みなかみ町において提供できる範囲の情報はすべて開示して」いると主張しているが、町のホームページの記載内容等から考えれば、実施機関が応募状況や選考手順等について各団体から文書による報告を受けているはずである。したがって、複数の協力隊員に関する開示請求対象文書が存在するはずである(実施機関が各団体から報告を受けているはずであることの主張)。

第3 実施機関の主張要旨
 実施機関の主張の要旨は、概ね以下のとおりである。
1 主張の趣旨
  町が募集して任用した協力隊貝は1名である。町は各団体と業務委託契約を締結し、各団体が独自に協力隊員の募集、選考を行っている。また、地域おこし協力隊事業に基づく応募状況と選考結果に関する情報について各団体から文書による報告は受けていないから、各団体と契約を締結している者についての開示請求対象文書は存在しない。委嘱状はそもそも作成、交付していない。よって、審査請求は棄却されるべきである。
2 主張の理由
 (1) 請求人は、協力隊員全員が町からの委嘱を受けていなければならないから、そうであるとすると、地方公務員法に基づく地力公務負として町が任用しているはずの者が存在すがまずであると主張する。しかし、町が任用する者を除くその他の協力隊員については、町と各団体との間で地域おこし協力隊についての業務委託契約を締結し

<P3>
ている。そして、同契約を前提に、それぞれ各団体が独自に協力隊員と何らかの労務の提供に関する契約をしているはずであり、かつ、応募状況や選考手順等についても各団体で把据されている。この点協力隊員への委嘱と、公務員としての任用は別の行為である。
   結果として部分関示した1名の協力隊員の他に任用した協力隊員はおらず、請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。
 (2) 町と各団体が業務委託契約を締結した後、実施機関は、各団体が行った選考手続きや手順等について文書による報告は受けていないし、選考手続き等に関与していない。結果、部分開示した1名の協力隊員のものの他に、請求人が主張する関示請求文書は存在しない。
 (3) 請求人の主張する、協力隊員への『委嘱』について、推進要綱の第3・対象の(1)④なお書きには、「委嘱の方法、期間(中省略)強力的に対応することで差し支えない」旨の記載がある。実施機関としてはこの記載に基づき、委嘱状の交付をもって委嘱をするという方法は採用せず、地域の実情に応じた委嘱の方法(口頭での事後承認)をとったと認識している。したがって、委嘱状も存在しない。また、各団体との委託契約書の存在が認められれば、国からの財源手当てが受けられる仕組みとなっており、委嘱状は財源手当てを受けるための要件となっていないため、必須不可欠の文書とは認識していない。結果として、請求人が主張する開示請求対象文書は存在しない。

第4 裁決の理由
1 協力隊員には、公務員たる身分を有する者と、公務員たる身分を有しない者が存在し うることが認められる。
  すなわち、協力隊員には、地方自治体が任用し、一般職非常勤職員たる地位を有する者及び特別職非常勤職員たる地位を有する者が存在しうる。また、地方自治体が任用せず、各種団体等と委託契約を締結することを前提に、各種団体と何らかの労務提供契約(雇用契約等)が締結されている者も存在しうる。各種団体と委託契約を締結することを前提に各種団体と契約を締結している者には、原則として、地方自治体との間において任用関係は生じない。ただし、実質的指揮監督関係等の存在によって労働者性が認められる可能性はある(平成31年3月総務省地域力創造グループ地域自立応援課 地域おこし協力隊の受入れに関する手引き(第3 版)。以下「手引き」という。)。
2 実施機関は、各団体とそれぞれ「地域おこし協力隊業務委託契約」(以下「各業務委託契約」という。)を締結したことが認められる。各業務委託契約書には、各団体から町への報告等については何らの定めがない(審議の結果に基づく。)。
  そして、かかる各業務委託契約の存在を前提にしても、各団体が、地域おこし協力隊事業に基づく応募状況や選考結果に関する情報を町に文書による報告をしたことは認められない(審議の結果に基づく。)。
  なお、協力隊員の記事が「広報みなかみ」に掲載されているが、当該記亭の具体的記載内容を検討するに、各団体が協力隊貝を採用後、何らかの方法(電話、直接面談)で、何らかの情報を実施機関に提供しているとしても、地域おこし協力隊事業に基づく応募状況や選考結果に関する情報(開示請求の対象となる情報)自体を実施機関に文書によ

<P4>
り報告していると認めるのは困難であるし、実施機関が当該情報を保有していると合理的に推認することも困難と言わざるを得ない。
  また、実施機関が山本氏を除くその他の協力隊員に委嘱状を交付した事実は認められない。この点、結果として国から町に対して財源手当てが行われていることが認められ、この事実からすると、各団体との委託契約書の存在が認められれば国からの財源手当てが受けられる仕組みとなっており、委嘱状は財源手当てを受けるための要件となっていないため、実施機閑において作成が必須不可欠の文書とは認識していないとの実施機関の主張は信用することができる。そして、かかる認識を前提にすれば委嘱状の作成が行われなかったことの経緯は具体的に説明がされていると考えられる。
3 地域おこし協力隊の募集経過は以下のとおりであると認められる。
 (1) 実施機関は、平成28年7月13日に隊員募集についての決裁を行い、「地域おこし協力隊員を募集します!」と題する文書をホームページ上に掲載することによって協力隊員を募集したことが認められる(発議年月日平成28年7月13日付回議用紙及び「地域おこし協力隊員を募集します!」と題する文書)。
 (2) そして、実施機関は、平成28年8月15日発令、任期満了年月日を平成29年3月31日とし、山本氏を任用したことが認められる。同人は引き続き平成29年4月1日から平成30年3月31日まで再度町に任用されたことが認められる。同人は、さらに平成30年4月1日から平成31年3月31日まで任用されたことが認められる(平成28年8月3日付嘱託員任用内申書案、同年同月15日付辞令案、平成29年3月1日付嘱託員任用内申書案、同年4月1日付辞令案、平成30年3月1日付嘱託員任用内申書案、同年4月1日付辞令案)。
   実施欅関が地域おこし協力隊制度を利用して、協力隊員を任用したのは、平成28年度が初めてである。手引き、推進要綱いずれにも各団体と地方公共団体が委託契約を締結して協力隊員を募集した場合において、各団体からどのような内容、どのような方法で報告を受けるべきかについて詳細な記載はない。
   同人の各再任時病にあたり、新たに協力隊員が募集されたことはない(審議の結果に基づく。)。
 (3) 上記山本氏は、平成30年10月31日に退職した。実施機関は、上記山本氏の退任後、協力隊員を募集したことはない。
   上記の経過であり、町には、平成28年以降、協力隊員として山本氏のみが任用されており.同人を除いては誰も任用されていない(審議の結果に基づく。)。
4 結語
  請求人は、手引きの記載等を根拠に.実施機関が各団体から文書により報告を受けていないはずがないと主張している。しかし、各業務委託契約書中には、各団体から町への報告等についでは何らの定めがないこと。各団体と町との業務委託契約の存在が国からの財源手当ての要件となっており実施機関においてその他の文書を必須不可欠と認識していないこと。実施機関が地域おこし協力隊の制度を利用したのは平成28年度が初めてであり以後募集を行っていないことの各事実を総合勘案しても、請求人が主張する報告に関する文書や委嘱状等の開示聘求対象文書が存在していないとしても不自然とは言えない。

<P5>
  そして、町が任用した者は山本氏1名であり、請求人主張の開示請求対象文書は存在しないから、本件処分は妥当である。

よって、主文のとおり裁決する。

  令和元年11月25日

                        みなかみ町長 鬼 頭 春 二

(教示) この裁決に不服がある場合には、この裁決があったことを知った日の翌日から起算して6ヵ月以内に、みなかみ町を被告として(訴訟において町を代表する者は町長となります。)裁決の取消しの訴えを捉起することができます(なお、この裁決があったことを知った日の翌日から起算して6ヵ月以内であっても、裁決の日の翌日から起算して1年を経過すると、裁決の取消しの訴えを提起することができなくなります。
**********

■そして、半年近くの期間を経て、やはりこれはきちんと法廷の場で、地域おこし協力隊全員の情報を開示してもらう必要があると考えて、2020年5月20日に次の訴状を前橋地裁に提出しました。

*****訴状*****ZIP ⇒ 20200520ieinj.zip
          訴    状
      
                           令和2年5月20日
前橋地方裁判所民事部 御中

                   原   告  鈴 木 章 二

 〒379-1414 群馬県みなかみ町布施339-1(送達先)
        原   告    鈴 木 章 二
         電 話 090-1431-6607(携帯)
         FAX 0278-64-0753(固定電話兼用)

 〒379-1393 群馬県利根郡みなかみ町後閑318
        被   告    みなかみ町
        上記代表者    町長 鬼 頭 春 二
         電 話 0278-62-2111(代表)
         FAX 0278-62-2291


法人文書不開示処分取消請求事件
 訴訟物の価額 金160万円(算定不能)
 貼用印紙額   金1万3000円

第1 請求の趣旨
1 被告が原告に対し、平成31年3月15日付み総務発第1064-2号公文書部分開示決定(以下「本決定」)において不開示とした箇所のうち、山本健太以外の阿部茜ら地域おこし協力隊員に関する情報について不開示を取消せ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。

第2 請求の原因
1 請求に至る経緯
(1)原告は、みなかみ町情報公開条例(以下「条例」)に基づき、被告に対して平成31年3月4日付で、公文書開示請求を行ったが、平成31年3月15日付公文書部分開示決定通知書で、地域おこし協力隊員の山本健太の情報のみ開示された。
(2)広報みなかみNo.141(2017年(平成29年)7月号)の13ページの下段記事によれば、少なくとも山本健太以外にも地域おこし協力隊員がみなかみ町で活動しているようすがうかがえるため、原告は、令和元年7月29日付で被告に審査請求書を提出した。
(3)その後、被告から令和元年9月17日付で「意見書又は資料の提出について(通知)」、及び、令和元年9月13日付み総戦発第87号弁明書が届いた。
(4)原告は、通知にもとづき、みなかみ町情報公開審査会宛に令和元年9月27日に「意見書および資料の提出について」を送った。
(5)その結果、令和元年11月20日付で、みなかみ町情報公開審査会から原告宛に答申書の写しが送付された。
(6)そして、令和元年11月25日付で、被告は、原告の審査請求を棄却するとした「裁決書」を原告に通知した。
2 部分開示(不開示処分)取消請求理由
(1)被告であるみなかみ町では、地域おこし協力隊員事業を毎年行っている。
(2)地域おこし協力隊事業とは、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、そのて移住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに答えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度であるとされている。
(3)地域おこし協力隊になるためには、次の手続きを踏むとされている。
   ①地方自治体による協力隊の募集情報を確認する。活動内容や条件、待遇等は各自治体によって異なる。
   ②募集している地方自治体へ申込む。
   ③地方自治体による選考(書類選考、面接等)の結果、採用が決定する。
   ④地方自治体から、委嘱状等の交付により「地域おこし協力隊」としての委嘱を受ける。
   ⑤現住所から採用先の自治体に住民票を移動し、地域おこし協力隊として活動を開始する。
(4)期間・待遇は、おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、各種の地域協力活動を行う。また、活動費については、自治体及び活動内容により異なっている。
(5)このことから、みなかみ町は、平成28年度以降、地域おこし協力隊員に対して、委嘱状を発行していなければならず、広報みなかみNo.141(2017年(平成29年)7月号)の13ページの下段記事によれば、少なくとも平成28年8月からの山本健太以外にも、同年11月から鈴木健一、平成29年4月から阿部茜、西坂文秀が地域おこし協力隊員として被告が委嘱していることがわかる。
(6)これらの地域おこし協力隊員のうち、少なくとも、阿部茜については、みなかみ町前町長の前田善成が、平成30年4月18日に水上温泉街で行われた同町観光協会の送別会の2次会で、男子トイレで阿部茜に無理やりキスをしたとして平成30年5月7日に阿部茜が強制わいせつの被害届を提出した。
(7)その後、同年9月18日に前町長は失職したが、同年10月24日、群馬県警が強制わいせつの疑いで、前町長を書類送検した。
(8)一方で、前町長は平成30年8月8日に阿部茜を相手取り民事事件(事件番号:平成30年(ワ)第361号、謝罪広告等請求事件)を前橋地裁に提起し、同年11月2日に第1回口頭弁論が開かれたあと、同年12月21日に非公開での弁論準備手続きが行われることになっていた。
(9)しかし非公開での弁論準備手続きは突然キャンセルとなり、同年12月27日に、阿部茜は過度の精神的苦痛により、「これ以上事件を長引かせたくない」として刑事事件の被害届を取下げた。
   ところが、前橋地検は民事事件の取下げに応じようとしない前町長に対して、阿部茜に関する一方的なブログ記事の掲載は、上司としてパワハラになることを理由に、民事事件について示談にしないかぎり、刑事訴追すると迫った。その結果、同日、前町長が示談に応じ、刑事事件も民事事件もともに取り下げられた。
(10)このことから、阿部茜に対してみなかみ町長がセクハラ事件に関する事情をブログで公開したことが上司として部下に対するパワハラと判断されたことが分かる。このことは地域おこし協力隊の阿部茜に対し、みなかみ町長が委嘱状を交付したことを意味しており、地域おこし協力隊員の雇用主が首長であり、隊員の給料は自治体の一般会計から支出されていることを示している。
(11)また、阿部茜の場合は、一時高崎市に在住していたようだが、実家はみなかみ町内で燃料商を営んでおり、少なくとも、県外からの移住者ではないことから、被告は本当に地域おこし協力隊の制度を、ルール通りに運用していたのかどうかも定かでない。

第3 むすび
   以上のとおり、本決定において山本健太以外の、阿部茜ら地域おこし協力隊員に関する情報について不開示とした処分が違法であることは明らかであるから、すべて取消を求める。

                                   以上

           証拠方法

 1 甲1号証の1 公文書部分開示決定通知書
 2 甲1号証の2 開示資料一式(山本健太)
 3 甲2号証   審査請求書(異議申立書)
 4 甲3号証   意見書又は資料の提出について(通知)
 5 甲4号証   意見書および資料の提出について
 6 甲5号証   答申書の写しの送付について
 7 甲6号証   審査請求に対する裁決について(通知)

           附属書類

 1 訴状副本     1通
 2 証拠説明書    1通
 3 甲号証写し   各1通

                            以上
**********

■前町長をセクハラで訴えた被害女性は、みなかみ町観光協会に所属する地域おこし協力隊員でした。情報筋によれば、前町長が被害女性を名誉毀損にかかる謝罪広告等請求事件を提訴した際、被害女性が応訴のため起用した弁護士費用は、すべてみなかみ町観光協会が支出した可能性を指摘する声があります。もしそうだとすれば、公費で職員のプライベートな訴訟費用が支払われたことになります。

 いずれにしても、被害女性が地域おこし協力隊員として、みなかみ町長から委嘱状を交付されていないとするみなかみ町の主張が本当なのかどうか、この裁判により法廷できっちりと判断されることがなにより重要です。

 なぜなら、そのことにより、前町長が被害女性に無理やりキスをしたとするセクハラ(強制わいせつ)事件は、キスは被害女性との合意のもとに行われたとする前町長のブログによる不特定多数に対する公表が被害女性の意に添わなかったのが真相であり、実はセクハラ事件ではなく、町長から委嘱を受けた地域おこし協力隊員がプライバシーを首長に公にされたことを不服としたパワハラ事件として、警察や検察が取り扱っていたことが確認できるからです。

 はたしてみなかみ町側が、この事件の訴訟代理人をいったいどの弁護士事務所に依頼するのか、そのことも極めて注目に値します。引き続き、当会会員からの今後の報告を注視してまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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禁断のRDFとみなかみ町・・・第1回弁論で争う姿勢を見せたみなかみ町がようやく準備書面(1)を提出

2020-03-08 23:31:00 | みなかみ町政の暗闇

■みなかみ町のたくみの里近くの日帰り温泉「遊神館」の一角に、「RDF実証試験施設」なるものが建てられたのは、平成30年でした。しかし、議会の議決を経ないまま署名された協定書にもとづき、建てられたこの施設でRDF実証試験の目途は立たず、行く先を失ったRDFが保管庫から溢れ、あわてて2017年6月から別の業者とRDFの引取り契約を交わしたら、それまでの2倍の処理費用の1トン当たり3万8000円となり、みなかみ町は泣き面にハチという状況です。こうした事態を招いた背景を調べるため、当会会員が10月30日に住民訴訟を前橋地裁に提起しました。その第1回口頭弁論は2020年1月15日に前橋地裁2階第21号法廷で被告欠席(擬制陳述)で開かれました。被告は答弁書で争う姿勢を見せたものの、具体的な認否は後日するということで、裁判長は「2月26日までに提出するように」と被告に訴訟指揮をしました。そのため、原告は、いつ実質的な答弁書が出てくるのか、首を長くして待っていたところ、ようやく3月6日付で、原告に送られてきました。

奥利根アメニティパーク。Google Mapより。

【3月10日追記】
 記事本文末尾に、3月11日午前10時からの口頭弁論は突如キャンセルされ、5月20日以降の開催になりました。詳しくは記事本文末尾をご覧ください。

 なお、この事件のこれまでの経緯については、次のブログ記事を参照ください。
○2019年10月13日:スッポン養殖に目がくらみ禁断のRDFに手を出したみなかみ町に住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3050.html
○2019年11月2日:禁断のRDFとみなかみ町・・・お粗末過ぎる住民監査結果を通知された当会会員が住民訴訟提起
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3068.html
〇2019年12月22日:禁断のRDFとみなかみ町・・・RDF問題に光を当てる住民訴訟の第1回弁論期日が1月15日10時に決定
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3093.html
○2020年2月15日:禁断のRDFとみなかみ町・・・1月15日住民訴訟第1回弁論で町側が争う姿勢、次回期日は3月11日
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3123.html

 9日遅れでみなかみ町が出してきた準備書面(1)=実質的な答弁書は、次の通りです。

*****送付書兼受領書*****ZIP ⇒ 0200306ipj.zip
<2020年3月6日14時13分 風の詩法律事務所       NO.3312 P. 1/9>

           送  付  書
                        令和2年3月6日
送 付 先 裁判所 前橋地方裁判所 民事第1部合議係 御中 (FAX027-233-0901)
     原 告 鈴 木 章 二 様           (FAX0278-64-0753)
送 付 書 事務所 〒371-0046
         群馬県前橋市川原町一丁目57番地3  (TEL 027-219-0200)
         風の詩法律事務所
         被告訴訟代理人
              弁護士 増  田  智  之
              弁護士 山  崎  由  恵
              弁護士 川  住  岳  央
              弁護士 木  村  憲  司
  件   1  事件番号  令和元年(行ウ)第20号
     2  当 事 者  原 告 鈴木章二
              被 告 みなかみ町長 鬼頭春二
     3  期  日  令和2年3月11日(水)午後1時10分
送付書類 ■ 準備書面(1)
■ 証拠説明書(乙第1号証)
■ 書証   (乙第1号証)
送付枚数 本書を含め9枚
備  考
※上記のとおり、ご送付いたします。受領された後は、下記受領書に必要事項を記入して、裁判所及び当職宛ご送付下さるようお願いいたします。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
受  領  書
                        令和2年3月7日
上記書類を受領いたしました。

前橋地方裁判所 民事第1部合議係  御中   (FAX027-233-0901)
弁護士 増  田  智  之  宛      (FAX027-219-0210)
            原告  鈴木章二    印

*****被告準備書面(1)*****ZIP ⇒ 0200306ipj.zip
令和元年(行ウ)第20号 RDF違法事業費用損害賠償請求事件
原 告  鈴木章二
被 告  みなかみ町長 鬼頭春二

          準備書面(1)
                      令和2年3月11日
前橋地方裁判所民事第1部合議係  御中

             被告訴訟代理人
              弁護士 増  田  智  之
              弁護士 山  崎  由  恵
              弁護士 川  住  岳  央
              弁護士 木  村  憲  司

(訴状)訂正申立書の記載に関して、認否・反論等を行う。

第1 請求の趣旨に関する指摘
   「高橋考一」は、「高橋孝一」の誤記と思われる。

第2 請求原因に対する認否
 1 「第2 当事者」について
  (1) 同1について
    認める。
  (2) 同2について
    被告がみなかみ町長であることは認め、その余は否認する。
    「上記事業費を計上したものである」の文意が不明瞭である。
  (3) 同3について
    「固形燃料RDF運搬処理業務委託先のウィズウェイストジヤパン(株)」部分を否認し、その余は認める。
    正しくは、一般廃棄物(固形燃料RDF)の運搬・処理業務委託先が、(株)

<p2>
ウィズウェイストジャパンである。
 2 「第3 住民監査請求」について
  (1) 同1について
    認める。
  (2) 同2について
    認める。
  (3) 同3について
    原告が甲4を受領したことは認め、その余は不知。
 3 「第4 監査請求と監査結果に対する不服」について
  (1) 同1について
    不知。
  (2) 同2について
    否認ないし争う。
    正確な勧告の内容は、甲4の最終ページ「3.勧告の内容 (期限)」記載のとおりである。
 4 「第5 みなかみ町の損失」について
  (1) 同1について
    否認ないし争う。詳細は後述(本書第3)する。
    ところで、原告は「2億3423万9025円」という金額を示しているが、計算式に誤りがあり、正しくは2億3423万5702円と思われる。
    計算式の内、「平成29年6月」部分について、「@41,045円/t」とあるが、正しくは4万1040円であり、合計は1438万8555円になると思われる。また、「平成29年7月~平成30年3月」部分について、「6639万8280円」とあるが、正しくは6639万6704円になると思われる。
  (2) 同2について
    否認ないし争う。詳細は後述する。
 5 「第6 本件請求の要旨」について
  (1) 同1について
    同(12)は、否認ないし争う。その余の経緯等については、認否を留保する。詳細は後述する。
  (2) 同2について

<p3>
    同(16)は、否認ないし争う。その余の経緯等については、認否を留保する。詳細は後述する。
  (3) 同3について
    同(35)は、否認ないし争う。その余の経緯等については、認否を留保する。詳細は後述する。
 6 「第7  請求の趣旨第1項と~」に関して
    否認ないし争う。

第3 被告の主張
 1 被告は、原告の主張内容について、以下のように理解した。

① 一般廃棄物(固形燃料RDF)運搬・処理業務委託契約(甲6の1、以下「本件契約」という)に関して
     本件契約は、締結するにあたり地方自治法96条1項5号により議会の議決を経なければならないものであるが、議会の議決を経ていないため、無効である。無効であるにも関わらず、現在の委託料が支払われていることは、地方自治法2条14項、15項、16項、17項に反している(訂正申立書、第5・1→第6・1(12)→第7・2)。
②  みなかみ町遊神館RDFボイラー実証試験協定(甲7の3ページロ、以下「本件協定」という)に関して
     本件協定は、締結するにあたり地方自治法96条1項5号、6号により議会の議決を経なければならないものであるが、議会の議決を経ていないため、無効である。無効であるにも関わらず、土地占有されていることは、地方自治法2条14項、15項、16項、17項に反している(訂正申立書、第5・2→第6・2(16)→第7・1)。

   このような理解を前提に、以下で被告の主張を述べる。
 2 本件契約に関して
  (1) 前記のとおり、原告は、“本件契約の締結が地方自治法96条1項5号により議会の議決を経なければならない”ことを前提とした主張をしている。しかし、このような原告の主張は認められるべきではない。
  (2) 被告においては、地方自治法96条1項5号に関連して、「みなかみ町

<p4>
議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」が定められている(乙 1)。
    そして、同条例2条では、「地方自治法~第96条第1項第5号の規定により議会の議決に付さなければならない契約は、予定価格5,000万円以上の工事又は製造の請負とする。」と規定されている。本件契約は、一般廃棄物(固形燃料RDF)運搬・処理業務の委託を内容とする契約であり、同条例2条で規定されている契約に該当しないことは、明白である。従って、原告の主張は認められるべきではない。

 3 本件協定に関して
  (1) 前記のとおり、原告は、“本件協定の締結が地方自治法96条1項5号、6号により議会の議決を経なければならない”ことを前提とした主張をしている。しかし、このような原告の主張は認められるべきではない。
  (2) 地方自治法96条1項5号に関して
    前記のように、「みなかみ町議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」2条では、「地方自治法~第96条第1項第5号の規定により議会の議決に付さなければならない契約は、予定価格5,000万円以上の工事又は製造の請負とする。」と規定されている。
    本件協定は、RDFボイラーの実証試験を行うことに関する協定であり、本件条例2条で規定されている契約に該当しないことは、明白である。従って、原告の主張は認められるべきではない。
  (3) 地方自治法96条1項6号に関して
    原告は、本件協定が町有地の譲渡、貸し付けを内容としている旨を主張している(訂正申立書、P5、 第5・2部分)。
    しかし、本件協定は、町有地の譲渡、貸し付けを内容としていない。仮に、誤渡、貸し付けを内容としたのであれば、詳細が規定されていたはずであるが、本件協定にはそのような規定は存在していない。
    そもそも、本件協定に係る町有財産の使用に関して想定していたのは、後の使用許可であった(地方自治法238条の4第7項)。譲渡・貸し付けと使用許可は、区別されるべき概念である(地方自治法238条の4第1項、第7項等)。これは、地方自治法96条 1項6号の解釈においても 同様である。

<p5>
    ともかく、原告の主張は認められるべきではない。

 4 本書第2・5(1)~(3)で認否を留保した理由
   本書第2・5(1)~(3)で原告主張の経緯等の認否を留保しているが、このように対応しているのは、本書第3・1~3の理由から原告の主張が認められるべきではなく、争点を拡げるべきではないと考えたためである。
   認否留保部分の認否が必要というのであれば、追って認否する。
                                以 上

*****証拠説明書(乙1)*****ZIP ⇒ 202003061.zip
<p1>
令和元年(行ウ)第20号 RDF違法事業費用損害賠償請求事件
原 告  鈴木章二
被 告  みなかみ町長 鬼頭春二

          証 拠 説 明 書
                      令和2年3月11日
前橋地方裁判所 民事部 御中

             被告訴訟代理人
              弁護士 増  田  智  之
              弁護士 山  崎  由  恵
              弁護士 川  住  岳  央
              弁護士 木  村  憲  司

乙1について、別紙「証拠説明一覧」の通り。
                           以 上

<p2>
別紙              証拠説明一覧

●号証:1
○標目:みなかみ町議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例
○原紙・写し:写し
○作成者:みなかみ町
○作成年月日:R2.3(印刷日)
○立証趣旨:みなかみ町議会の議決に付すべき 契約及び財産の取得又は 処分に関する条例の内容等

=====乙第1号証=====
○みなかみ町議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例
                           平成17年10月1日
                               条例第47号
 (趣旨)
第1条 議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関しては、この条例の定めるところによる。
 (議会の議決に付すべき契約)
第2条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第1項第5号の規定により議会の議決に付さなければならない契約は、予定価格5,000万円以上の工事又は製造の請負とする。
 (議会の議決に付すべき財産の取得又は処分)
第3条 法第96条第1項第8号の規定により議会の議決に付さなければならない財産の取得又は処分は、予定価格700万円以上の不動産若しくは動産の買入れ若しくは売払い(土地については、1件5,000平方メート ル以上のものに係るものに限る。)又は不動産の信 託の受益権の買入れ若しくは売払いとする。
   附 則
 この条例は、平成17年10月1日から施行する。
**********

■このように、被告みなかみ町の準備書面(1)には「原告の主張は認められるべきではない」が繰り返し述べられており、最後には「ともかく、原告の主張は認められるべきではない」と締めくくっています。

 そして、その根拠として、「みなかみ町議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」(平成17年10月1日条例第47号)を持ち出し、契約については、一般廃棄物(固定燃料PDF)運搬・処理業務委託契約書に「予定価格5,000万円以上の工事又は製造の請負」とする条項は記載がないのと、財産の取得又は処分については、予定価格700万円以上ではなく1件5,000㎡以上ではないし、そもそも協定書であって契約書ではないから、原告の主張は当たらない、と主張してします。挙句の果てには、「争点を広げたくないから、認否に応じない」とまで述べている始末です。

 しかし、契約については実際には年間1億円以上をみなかみ町は業務委託先に支払っており、また協定書については、民間では覚書などとともに「契約書」と同じ扱いにしているのが一般的な常識です。

 原告の当会会員は、訴状を2019年10月20日付で提出し、裁判所の補正命令により、訴状訂正申立書を同11月22日付で提出しました。以来、4か月半経過して、このレベルの答弁しかできないのは、いかがなものでしょうか。

■いずれにしても、3月11日(水)13時10分から前橋地裁2階21号法廷で開かれる第2回口頭弁論における裁判長の指揮が注目されます。

【3月10日追記】
 みなかみ町の当会会員によると、3月9日18時48分に、前橋地方裁判所民事から次の内容のFAXが入ったと連絡がありました。
 電話連絡によると「新型コロナウイルスの影響で裁判がドタキャンになったらしい」とのことでしたが、裁判所から送られてきたFAXをよく読むと、被告みなかみ町の事情を裁判所が斟酌したような経緯が見て取れる気がいたします。
*****事務連絡*****ZIP ⇒ 20200309ona.zip

事件番号 令和元年(行ウ)第20号 RDF違法事業費用損害賠償請求亭件
原告 鉛木章二
被告 みなかみ町長 鬼頭春二
       事務連絡(ファクシミリ用)
                        令和2年3月9日
原告 鈴木章二 様(FAX0278-64-0753)
被告代理人 川住岳央 様(FAX027-219-0210)
        〒37l-8531 前橋市大手町3-1-34
              前摘地方裁判所民事第1部合議係
                 裁判所書記官  森  山  ひ と み
                   電話 027-231--4275(内線)320
                   FAX 027-233-0901
 頭客の事件につき,口頭弁論期日(令和2年3月11日午前10時00分)の変更に伴い, 次回期日の照会をさせていただきます。お手数ですが, 下記のきじつのうちご都合の悪い日時を二重線で抹消していただき,当職まで御連絡下さいますようお願い致します。(ファクシミリ可。送信票不要)
 なお,裁判官の指示による次回までの準備事項は以下のとおりです:
【原告】
 監査請求期間に係る本件訴えの適法性について検討すること。
【被告】
 1 本件のRDF事棠に係る事実経緯を時系列に沿つて具体的に説明する準備書面及び証拠を提出すること(時系列表の使用も検討されたい。)
 2 監査請求期間に係る本件訴えの適法性について検討すること。
                     (提出期限;4月27日)
                      (本書を含め1枚送信)
----------------------------------------------------------------------------------------------
(切り取らない)
           回  答  書
回答日  令和  年  月  日  原告・被告 代理人
(口頭弁論,21号法廷)
 5月20日(水)10:00  10:30  13:10
 5月27日(水)10:00  10:30  13:10
 6月10日(水)10:00  10:30  13:10
 6月17日(木)10:00  10:30  13:10
 その他希望の日時があれば余白に複数お書きください。
                              以 上
**********

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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禁断のRDFとみなかみ町・・・1月15日住民訴訟第1回弁論で町側が争う姿勢、次回期日は3月11日

2020-02-15 22:22:00 | みなかみ町政の暗闇

■みなかみ町のたくみの里近くの日帰り温泉「遊神館」の一角に、「RDF実証試験施設」なるものが建てられたのは、平成30年でした。しかし、議会の議決を経ないまま署名された協定書にもとづき、建てられたこの施設でRDF実証試験の目途は立たず、行く先を失ったRDFが保管庫から溢れ、あわてて2017年6月から別の業者とRDFの引取り契約を交わしたら、それまでの2倍の処理費用の1トン当たり3万8000円となり、みなかみ町は泣き面にハチという状況です。こうした事態を招いた背景を調べるため、当会会員が10月30日に住民訴訟を前橋地裁に提起しました。その第1回口頭弁論が2020年1月15日(水)午前10時から前橋地裁2階第21号法廷で、被告の擬制陳述の形で開かれました。


【2月27日追記】
 みなかみ町の当会会員によりますと、本日現在、みなかみ町から答弁書はまだ、前橋地裁にも原告にも送られてきていないそうです。



 なお、この事件のこれまでの経緯については、次のブログ記事を参照ください。
○2019年10月13日:スッポン養殖に目がくらみ禁断のRDFに手を出したみなかみ町に住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3050.html
○2019年11月2日:禁断のRDFとみなかみ町・・・お粗末過ぎる住民監査結果を通知された当会会員が住民訴訟提起
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3068.html
〇2019年12月22日:禁断のRDFとみなかみ町・・・RDF問題に光を当てる住民訴訟の第1回弁論期日が1月15日10時に決定
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3093.html

 当日の第1回口頭弁論を報じた新聞各社の記事は次の通りです。

**********読売新聞2020年1月16日
RDF事業住民訴訟 みなかみ町 争う姿勢
 みなかみ町のごみ固形化燃料(RDF)事業を巡り、町が議会の議決を経ずにRDF処理費を支出しているのは不当だとして、元町議が鬼頭春二町長を相手取り、岸良昌・元町長らに約2億3000万円の損害賠償を請求するように求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が15日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であった。
 町側は出席しなかったが、請求棄却を求め、争う姿勢を示している。
 町は2017年度からRDFを県外の業者に年間約1億円の委託費を支払って一般廃棄物として処理しているが、この額は燃料として売却していた頃の運搬費の2倍近くに膨らんだ。原告側は訴状で、処理契約の変更は必要な議決を得ていないと主張。契約変更にかかわった当時の担当課長と、委託契約を結んだ岸元町長が町に損失を与えたとして、17年6月から19年8月までの処理費を請求するよう求めている。

**********毎日新聞2020年1月16日
みなかみRDF住民訴訟 町側、棄却求める 地裁初弁論
 みなかみ町のごみ固形化燃料(RDF)の実証実験事業を巡って町に損害を与えたとして、元町長の岸良昌氏らに約2億3500万円を請求するよう鬼頭春二町長に求める住民訴訟が提起され、その第1回口頭弁論が15日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であった。町側は原告側の請求棄却を求めた。
 訴状などによると、町は岸町長時代の2017年10月にRDFを温泉施設の源泉に利用する実証実験を行う協定書を民間業者と締結。しかし、岸氏の後任の前町長、前田善成氏の下で協定書の内容が問題視されるなどしたため、事業は停止している。
 原告で元町議の鈴木章二氏は、実験施設がある町有地の使用許可と実証実験に関連して行われたRDF処理の委託契約が岸町長時代に議会の議決を得ていなかったなどとして19年7月に住民監査を請求。町監査員は同年9月、鬼頭町長に町有地の使用許可などを求める勧告を出した。一方、鈴木氏は議決なく支出されたRDF処理費用などの損害が勧告で指摘されていないことを不服として今回、住民訴訟を提起した。
【妹尾直道】

**********上毛新聞2020年1月16日
みなかみRDF訴訟 町側が請求棄却要求
前橋地裁で第1回口頭弁論

 みなかみ町の一般ごみを再利用した廃棄物固形化燃料(RDF)実証実験事業を巡り、みなかみ町が計約2億3500万円の損害を受けたとして、元町議の男性が町に対し、元町長と当時の担当課長に請求するよう求めた住民訴訟の第1回口頭弁論が15日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であった。町側は請求棄却を求める答弁書を提出、争う構えを示した。
 訴状によると、実験施設が町議会の議決を経ていない協定書に基づいて町有地に建設された上、町議会の議決を経ずにごみ運搬処理費用が2倍近くに膨らんだと主張。岸良昌元町長と契約変更に関わった当時の担当課長の2人が町に損失を与えたと指摘している。
 男性は同日、報道陣の取材に「議会のプロセスや住民を無視した違法な決定がなされた責任を明らかにしたい」と述べた。
**********

■なお、注目されていた被告みなかみ町の訴訟代理人ですが、風の詩法律事務所(〒371-0046 群馬県前橋市川原町1丁目57-3)であることが分かりました。同事務所の在席弁護士は次の4名です。

●増田智之(登録番号25785)

【注力分野】離婚・男女問題、遺産相続、労働問題、不動産・建築、企業法務・顧問弁護士

●山崎由恵(登録番号40841)

【注力分野】犯罪・刑事事件、離婚・男女問題、交通事故、インターネット問題、遺産相続

●木村憲司(登録番号42095)

【注力分野】インターネット問題、離婚・男女問題、犯罪・刑事事件、交通事故、借金・債務整理

●川住岳央(登録番号42286)

【注力分野】離婚・男女問題、交通事故、遺産相続、不動産・建築、労働問題

■風の詩法律事務所の所属弁護士らは群馬弁護士会(会長:紺正行弁護士)に所属しています。群馬弁護士会所属弁護士の人数は、2019年4月1日現在で295名(うち女性38名)です。このうち、1990年以降に懲戒処分された事案はつぎのとおりです。

●田中蓋悟 懲戒種別:戒告 懲戒年度:1990年4月 処分理由:不詳
●石川憲彦 懲戒種別:戒告 懲戒年度:1997年9月 処分理由:不詳
●石川憲彦(登録番号13800) 懲戒種別:業務停止2月 懲戒年度:2002年4月 処分理由:債務整理で放置
●石川憲彦/桐生合同法律事務所(登録番号13800) 懲戒種別:戒告 懲戒年度:2006年3月 処分理由:土地明け渡し訴訟で依頼人に説明不足
●内田武/内田武法律事務所(登録番号13572) 懲戒種別:業務停止4月 懲戒年度;2009年8月 処分理由:飲酒事故
●石川憲彦/石川法律事務所(登録番号13800) 懲戒種別:業務停止10月 懲戒年度:2009年10月 処分理由:事件放置。虚偽報告。4回目の懲戒
●増田智之/風の詩法律事務所(登録番号25785) 懲戒種別:戒告 懲戒年度:2011年2月 処分理由:依頼者に対して準備書面で攻撃
●松本淳/松本淳法律事務所(登録番号21242) 懲戒種別:業務停止8月 懲戒年度;2012年10月 処分理由:双方代理。高すぎる報酬
●松井正広/松井法律事務所(登録番号50303) 懲戒種別:戒告 懲戒年度:2019年7月 処分理由:強引な事件処理

 風の詩法律事務所の代表を務める増田智之弁護士は、上記のとおり、10年前に弁護士会から懲戒処分を受けています。当時、前橋市広瀬町の自治会長から名誉棄損で訴えられた当会会員が訴訟代理人として増田弁護士に弁護を依頼しましたが、裁判資料を勝手に作成し、あろうことか依頼人の主張を否定し、相手側の主張に同調するという、およそ弁護士にあるまじき行動をとっていたことを当会会員(当時)が突き止め、群馬弁護士会に懲戒請求をしたのでした。次のブログ記事をご覧ください。

〇2010年11月5日:群馬県の弁護士の不祥事・・・2000年以降5件目の懲戒処分
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/550.html
**********
群馬弁護士会 増田弁護士を戒告処分 依頼人批判の準備書面提出
 民事訴訟で依頼人の女性と対立し、女性に対する批判が主な内容の準備書面をいきなり裁判所に提出したのは不適切として、群馬弁護士会が弁護士法に基づき、増田智之弁護士(48)(前橋市)を戒告の懲戒処分にしていたことが、わかった。処分は10月20日付。
 女性は、増田弁護士は訴訟の当初から経過を報告したり準備書面を渡したりせずに訴訟を進め、女性を批判する準備書面を出し、突然委任契約の解除を通告したなどとして、同会に懲戒を請求していた。
 それに対し、増田弁護士は「連絡は十分にとり、書面も渡していた」などと反論していた。
 女性は、「一般の人は『弁護士なら任せて大丈夫』と普通は思ってしまう。裁判を勝手に進めることは信頼を大きく裏切る弁護士としてあるまじき行為」と批判し、「こちらの主張の多くが認められていない」と、日本弁護士連合会に異議を申し出る方針。
 増田弁護士は「準備書面は、弁護人を辞任する背景を説明したつもりだったが、弁護士会の判断は重く受けとめている。内容をよく確認して、処分の取り消しを求めるか検討したい」としている。
(平成22年10月30日読売新聞)
**********

 また、増田智之弁護士はその1年前に群馬県公文書開示審査会第二部会部会長をしており、当時、当会代表が地元の産廃不法投棄事件の情報開示請求で群馬県が不開示をした際の異議申立てのときの審査会第二部会長をしており、当会にとって少なからず因縁があります。
○2009年6月1日:農地転用やり放題のうえ、大量土砂流出でもお咎めなしの安中市と群馬県
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/260.html

■その増田弁護士がみなかみ町の訴訟代理人になったというのです。風の詩法律事務所の在席弁護士の注力分野を見ても行政訴訟や住民訴訟の分野が見当たりません。事務所として、一番最後から3番目に「行政紛争(行政側)」とあります。ご丁寧に「行政側」と記載しています。行政紛争の場合、最初から一般住民からの依頼を受け入れるつもりはないことが分かります。

 ところで、みなかみ町はどのようにして、増田弁護士を訴訟代理人として選択したのでしょうか。あるいは、みなかみ町は群馬弁護士会に適当な弁護士の紹介を依頼した結果、弁護士会から増田弁護士を推薦されたのかもしれません。

 いずれの場合でも、本当に行政訴訟、住民訴訟をきちんとやり通せるのかどうか、当方の関知するところではありませんが、今後の展開を注目してまいりたいと存じます。

 その最初の節目として、被告みなかみ町から答弁書が2月26日までに裁判所と原告の当会会員のところに送られてくる予定です。どのような答弁書の内容なのか、今から注目されます。

 次回第2回期日は2020年3月13日(水)13時10分から前橋地裁2階第21号法廷で開廷されます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「風の詩法律事務所」
**********
<事務所の紹介>
「一緒に問題を解決していきましょう」






 事務所名の「風の詩」には、地元群馬の名物「空っ風」と詩人萩原朔太郎の生誕地にちなんで、前橋市が「詩(うた)」の町とされていることから、その地元で、依頼者のために役立ちたいとの思いが込められています。
 風の詩法律事務所の弁護士には共有する理想があります。
 それは、困っている人のために働くという極めてシンプルなイメージを忠実に実現しようとする姿勢です。「この問題は法的にはこうなります、はい終わり」という事ではなく、依頼者の気持ちに添った解決策を模索していくということです。
 そのための実践として、まず、じっくりと時間をかけて、依頼者の話を聞いています。法的にポイントとなる点だけではなく、依頼者がどのように感じ、これからどうしたいのかを聞かせてもらいます。
 次に、依頼者に対して、丁寧な説明を心がけています。専門家にとって当たり前のことでも、一般の人にとっては、初めてきく事ばかりということはよくあります。このようなとき、依頼者がどうしたいのかを明確にするためにも、状況や法的な結論をできるだけ分かりやすく説明することは不可欠だからです。
 事務所の内装等も、できるだけ、法律事務所を感じさせないように配慮しました。おかげさまで、しゃれたカフェ、現代的な美術館のようだという評価をいただいています。
 権利・義務が強く意識される世の中になり、日常生活を送る中でも法律問題を心配することがあるのではないでしょうか。その状況が法律的にどのように整理されるか分からず、何か得体のしれない不安ばかりが募ることもあろうかと思います。そういうときには、まずお気軽にご相談ください。問題の正体を知ることで気が楽になることも多いと思います。







事務所所在地: 〒371-0046 群馬県前橋市川原町1-57-3
事務所TEL: 027-219-0200
事務所FAX: 027-219-0210
執務時間  : 9:00~17:00
取扱業務  : 不動産取引一般、借地・借家、建築紛争・欠陥住宅(消費者側,業者側を問わず)、マンション法に関する紛争、交通事故、医療事故(患者側)、医療事故(病院側)、その他の事故(学校事故等)、欠陥商品・製造物責任、証券・先物取引被害、詐欺商法・マルチ商法・過量販売等、離婚・親権(親子関係を含む。)、遺言・相続、ドメスティックバイオレンス・ストーカー等、子どもの権利、高齢者・障害者の財産管理・介護・成年後見、高齢者・障害者の虐待・差別問題、境界・騒音・その他近隣関係の紛争、環境・公害紛争、薬害、金銭貸借(保証を含む。)、サラ金,多重債務(債務整理・個人破産・個人再生を含む。)、国際的家事・相続 国籍・ビザ・出入国、その他の外国人の人権、一般刑事、経済事犯、少年事件、犯罪被害者の支援、民事介入暴力、会社法一般(株主総会・企業の社会的責任(CSR)・その他会社経営一般)、株主代表訴訟、M&A・企業再編、事業承継、土壌汚染・廃棄物処理等環境汚染に係る問題、個人情報保護、契約法・商取引、債権保全・債権回収、法人倒産(会社破産・会社更生・民事再生・特別清算を含む。)、独占禁止法、金融商品取引法等経済特別法、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法、著作権法、IT関連紛争、労働事件(使用者側)、労働事件(労働者側)、労災事故、セクハラ・パワハラ、公益通報者の支援、行政紛争(行政側)、温泉に関する権利、農地法
重点取扱業務: 離婚・親権(親子関係を含む。)、ドメスティックバイオレンス・ストーカー等、子どもの権利、少年事件、犯罪被害者の支援、法人倒産(会社破産・会社更生・民事再生・特別清算を含む。)、IT関連紛争、セクハラ・パワハラ
本会又は日弁連における委員会活動歴: 群馬弁護士会犯罪被害者委員会
紹介の要否 : 不要
民事法律扶助の取扱の有無:有
**********

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禁断のRDFとみなかみ町・・・RDF問題に光を当てる住民訴訟の第1回弁論期日が1月15日10時に決定

2019-12-22 23:30:00 | みなかみ町政の暗闇

■みなかみ町のたくみの里近くの日帰り温泉「遊神館」の一角に、「RDF実証試験施設」なるものが建てられたのは、平成30年でした。しかし、議会の議決を経ないまま署名された協定書にもとづき、建てられたこの施設でRDF実証試験の目途は立たず、行く先を失ったRDFが保管庫から溢れ、あわてて2017年6月から別の業者とRDFの引取り契約を交わしたら、それまでの2倍の処理費用の1トン当たり3万8000円となり、みなかみ町は泣き面にハチという状況です。こうした事態を招いた背景を調べるため、当会会員が10月30日に訴状を前橋地裁に提出したところ、このほど前橋地裁から第1回口頭弁論期日呼出状が届きました。それによると、年明けの1月15日(水)午前10時から前橋地裁2階第21号法廷で第1回弁論が開かれます。

家庭ごみなどから固形化燃料(RDF)を製造する機械(群馬県みなかみ町布施、町提供)
 なお、この事件のこれまでの経緯については、次のブログ記事を参照ください。
○2019年10月13日:スッポン養殖に目がくらみ禁断のRDFに手を出したみなかみ町に住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3050.html
○2019年11月2日:禁断のRDFとみなかみ町・・・お粗末過ぎる住民監査結果を通知された当会会員が住民訴訟提起
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3068.html

■この間、みなかみ町では、同町の監査委員が勧告したRDF実験施設の使用許可やごみ処理の経費節減計画策定・提示などの期限が12月末に迫っており、同庁はてんやわんやの状況にあるようです。なぜなら、当会会員が提起した訴訟で、1月15日の第1回弁論が迫る中、まだ同町から答弁書が出されて来ず、裁判所は年明けの1月6日までに提出するように同町に促しているからです。

 この様子を12月5日、朝日新聞が報じています。

**********朝日新聞2015年12月5日
ZIP ⇒ 20191205vqnirdfj.zip
ゴミ処理巡り答弁拒否連発
みなかみ町長 訴訟を理由に

 みなかみ町の家庭ごみなどの固形化燃料(RDF)=写真=を利用した実証実験計画をめぐり、町監査委員が勧告した実験施設の使用許可やごみ処理の経費節減計画提示などの期限が今月末に迫っている。だが、4日の町議会一般質問で鬼頭春二町長は訴訟を理由に答弁拒否を連発。方向性も示されないままだ。

群馬県みなかみ町が製造しているごみ固形化燃料(RDF)=町提供
★固形燃料実証実験計画★
 計画では、民間業者が町有地に実験炉などの施設を設置し、町の処理場でつくるRDFを燃料に町営の温泉施設の加熱に利用するはずだった。2代前の町長時代にスタートした計画を前町長らが問題視。町との協定をもとに民間業者が設置した実験炉は稼働していない。一方、町のごみ処理費用は計画を前提に委託業者が変更されたため、計画前から倍増している。
 9月に監査結果が出た後、前町議が10月に町を提訴。元町長と当時の担当課長が町に損害を与えたとして、2人に計約2億3500万円を請求するよう町に求めた。
 4日の一般質問で「ごみ処理費用が倍増し、5千万円近い税金が余計に使われている」などと問われた鬼頭町長は「訴訟にかかわるので答弁は差し控える」と繰り返した。「町が検証委員会を設け、町民や議会に経緯を説明すべきだ」と迫られても、町長は「最善を尽くして解決に向けて努力していく」と述べるにとどまった。
     ◇
 〈ごみ固形化燃料(RDF)〉 生ごみや廃プラスチック、古紙などの可燃ごみを粉砕・乾燥して圧縮した燃料。輸送や長期保管をしやすく、暖房、発電などにも利用される。三重県の焼却発電施設で2003年8月、7人が死傷した爆発事故が起きた影響などで、近年は施設の廃止が全国で相次いでいる。
==========
■RDF実証実験をめぐる経緯
1998年04月 ごみ固形化燃料(RDF)施設が完成し、発電開始
2005年10月 月夜野、水上、新治の3町村が合併し、みなかみ町が発足
2006年08月 発電設備が故障で休止
2017年10月 町とみなかみエネルギーサービスが実証実験の協定締結
         町長選で現職の岸良昌氏を破り、新顔の前田善成氏が当選
2018年01月 町議会全員協議会で協定に異論が続出
2018年04月 町有施設「遊神館」わきに、業者側が実証実験施設を設置
2018年05月 前田町長のセクハラ問題が発覚
2018年08月 前田町長のセクハラ問題で町議会が不信任決議を可決。町長は「RDF計画の是非の民意を問う」と議会を解散
2018年09月 町議選で「町長派」惨敗。前田町長は2度目の不信任決議で失職。
2018年10月 町長選で、前副町長の鬼頭春二氏が無投票で初当選
2018年12月 町議会がRDF問題の調査特別委員会を設置
2019年09月 調査特別委員会が「実証実験に疑問」と最終報告
         住民監査請求で町監査委員が監査結果公表。町に実証実験施設の使用許可や経費節減計画の提示などを求める
2019年10月 前町議が町に対し、元町長と当時の担当課長に計約2億3500万円を請求するよう求め、前橋地裁に提訴
==========
RDF課題多く 再検討含め岐路
 RDFはごみを燃料化して電気を生む「夢のリサイクル」として、施設が各地で建設された。しかし、処理経費が割高で廃止する自治体が相次ぎ、固形燃料としても処理業者が限られるなど多くの課題を抱える。
 環境省のまとめでは、2017年度に全国で稼働するRDF施設は54カ所。1990年代から広がったが、生ごみを含んだ燃料は品質が低いことなどから撤退する自治体も多く、近年は増えていないという。
 県内では板倉町や旧鬼石町を含め一時4カ所で稼働していたが、旧鬼石町は2006年3月に藤岡市との合併に伴い廃止。板倉町は館林市、明和町との広域処理に転換し、16年12月に廃止した。藤岡市の担当者は「RDFは燃料として売れなくては作る意味がない。当時は買い手を探すのに苦労した。廃止は経費節減にもつながっている」。
 みなかみ町以外で唯一稼働中の神流町では合併前の中里村などが約6億円をかけて建設し、1999年度に稼働を始めた。2018年度は生ごみなど435トンをRDF化。愛知県内の製紙会社に燃料として1トン当たり500円で年間約160トンを販売している。ただ、運送費は1トン当たり9500円。施設の修繕費や生ごみを乾燥させる灯油代なども加え、費用は年約2500万円に上る。製紙会社との契約は1年ごとで販売先の確保も難しいという。神流町は「稼働から20年がたち、施設を延命化するか新たな処理方式を検討すべきか、岐路に立たされている」としている。
(金井信義)
**********

 さらに12月19日にもRDF問題に関する記事の掲載がありました。

**********朝日新聞2019年12月19日(木)
ZIP ⇒ 20191219vlirdfhj.zip
ごみ固形化燃料問題 揺れるみなかみ町
 家庭ごみなどの固形化燃料(RDF)を利用した実証実験計画をめぐり、みなかみ町が揺れている。町の許可がないまま、町有地に建設された施設について、町監査委員が「使用許可を出す」よう迫る一方、前町議は関係者に損害賠償を求めるよう町を訴えた。町は年末までに一定の結論を出す考えだが、なぜこんな事態になったのか。
 2017年10月、岸良昌町長(当時)が民間業者と結んだ協定が問題の発端。町の処理施設でできるRDFを業者の実験施設で燃やし、町営の温泉施設の加温に使う計画だった。町は当時、県外業者にRDFの処理費用として1トン当たり2万1千円で委託しており、町内での焼却で経費節減を目指した。
★稼働に許可必要★
 協定に基づき翌春、温泉施設が立つ町有地に業者が実験施設を建てた。業者は「建設は町の指示だった」と言う。しかし、県は「稼働には一般廃棄物処理業の許可が必要」と判断し、施設は稼働できなくなった。
 計画を前提に委託先が変わっていたため、町のごみ処理費用17年度以降、年間約1億円と以前の2倍近くに膨らんだ。町議会の議決もなく町有地に業者が建てた施設は。「適正な対価なくして(町有財産を)貸し付ける場合は町議会の議決が必要」とする地方自治法に違反する疑いもある。
★経費節減を勧告★
 こうした経緯を問題視した前町議からの住民監査請求に町監査委員は、町による施設の使用許可や、ごみ処理の経費節減計画の立案を勧告。前町議は「経緯が不透明で町に損害を与えている」と納得せず、岸氏らに約2億円の損害賠償を請求するよう町に求める住民訴訟を起こした。
 町議会の「ごみ処理調査特別委員会」も9月、「多数の議員は協定書の有無すら承知していなかった。町有地内での実証実験は疑問だ」と町の対応を批判。「協定の相手側の業者も「当初の計画通り実験をしたい。稼働できないなら施設を町に引き取ってもらうしかない」と反発を強める。
★「実現は難しい」★
 町は「施設の稼働にはさらに経費がかかり実現は難しい」としつつ、「施設をどうするかはまだ調整中」と説明する。監査結果では今月末までに経費削減計画をまとめるよう求められており、町は監査委員事務局に文書で回答するとしている。
(金井信義)
**********

■当会会員が10月27日に前橋地裁に提起した住民訴訟は、その後、11月8日付で地裁から補正命令の事務連絡が届きました。
※地裁からの補正命令の事務連絡 ZIP ⇒ 201911110naij.zip

 そして、地裁の命令内容にしたがって、11月20日に、訴状の訂正申立書を地裁に提出しました。修正箇所は青色で表示。

*****訴状訂正申立書*****ZIP ⇒ 123.zip
令和元年(行ウ)第20号 RDF違法事業費用損害賠償請求事件
原 告  鈴 木 章 二
被 告  みなかみ町

             訂 正 申 立 書

                         令和元年11月22日
  前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中

            原 告  鈴  木  章  二     印

 令和元年11月8日に事務連絡により通知された御庁の指摘に基づき、本事件の訴状を次のとおり補正して訂正する。
1 被告の特定
 訴状の1ページ目を御庁の指摘に基づき、別紙1のとおり訂正する。
2 請求原因の特定
 訴状の2ページ目を御庁の指摘に基づき、別紙2のとおり訂正する。
3 財務会計上の行為の特定
 訴状の末尾のページに御庁の指摘に基づき、別紙3のとおり追記し訂正する。

                           以 上

添付: 別紙1(1枚)   2部(正本1、副本1)
    別紙2(1枚)   2部(正本1、副本1)
    別紙3(3枚)   2部(正本1、副本1)

=====修正した訴状=====
収入印紙(1万3000円)
               訴    状
                           令和元年10月30日
前橋地方裁判所民事部 御中
                   原   告  鈴 木 章 二

 〒379-1414 群馬県みなかみ町布施339-1(送達先)
        原   告    鈴 木 章 二
         電 話 090-1431-6607(携帯)
         FAX 0278-64-0753(固定電話兼用)

 〒379-1393 群馬県利根郡みなかみ町後閑318
        被   告    みなかみ町長 鬼 頭 春 二
         電 話 0278-62-2111(代表)
         FAX 0278-62-2291

RDF違法事業費用損害賠償請求事件
 訴訟物の価額 金160万円(算定不能)
 貼用印紙額   金1万3000円

第1 請求の趣旨
 1 被告みなかみ町長鬼頭春二は、元・同町長の岸良昌、および元・生活水道課長の高橋孝一に対し連帯して、平成29年6月30日から令和元年8月31日における固形燃料RDF運搬・処理業務委託事業に関して2億3423万9025円、およびこれらに対する平成29年6月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。
 2 被告みなかみ町長鬼頭春二は、元・同町長の岸良昌、および元・生活水道課長の高橋孝一に対し連帯して、平成29年10月3日から令和元年10月3日におけるみなかみ町遊神館RDFボイラー実証実験協定に関して120万円、およびこれらに対する平成29年10月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。
 3 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。

第2 当事者
(中略)
第3 住民監査請求
(中略)
第4 監査請求と監査結果に対する不服
(中略)
第5 みなかみ町の損失
(中略)
第6 本件請求の要旨
(中略)
第7 請求の趣旨第1項と第2項についての裁判所命令に基づく補正

 1 本件請求の趣旨第1項「被告みなかみ町長鬼頭春二は、元・同町長の岸良昌、および元・生活水道課長の高橋孝一に対し連帯して、平成29年6月30日から令和元年8月31日における固形燃料RDF運搬・処理業務委託事業に関して2億3423万9025円、およびこれらに対する平成29年6月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。」について
【① 誰が、いつ、どのような財務会計上の行為を行ったのか。】
  当時のみなかみ町生活水道課の高橋孝一課長の手引きで岸良昌町長(当時)が、熱供給業者である訴外・みなかみエネルギーサービス㈱代表取締役の山地敏男と、2017年10月3日、みなかみ町遊神館RDFボイラー実証試験協定書を締結し、その結果、ボイラー実証試験施設の設置に必要な調整として、遊神館の敷地内スペースを熱供給業者に占有させることを認めたこと。
【②その財務会計上の行為はどのような理由で、違法であるのか。】
  当該実証実験施設が、使用許可の出されていない土地に建設されていて稼働できないのに、協定書を一部の関係者だけで、議会の議決を経ないまま勝手に締結したことは、地方自治法第96条第1項に定める議決事件、および同法第2条の次の各項に違反している。
 ○14 地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。
 ○15 地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない。
 ○16 地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。なお、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない。
 ○17 前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。
【③その結果、町にどのような損害が生じているのか。】
  無許可のまま町有地に施設を建設させたことによる公有財産の棄損の結果、およそ400平方メートルの土地が占用されたことにより、本来であれば、みなかみ町が得べかりし土地賃貸料として月5万円相当と試算される金額が、逸失利得として継続的に生じている。

2 本件請求の趣旨第2項「被告みなかみ町長鬼頭春二は、元・同町長の岸良昌、および元・生活水道課長の高橋孝一に対し連帯して、平成29年6月30日から令和元年8月31日における固形燃料RDF運搬・処理業務委託事業に関して2億3423万9025円、およびこれらに対する平成29年6月30日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求せよ。」について
【①誰が、いつ、どのような財務会計上の行為を行ったのか。】
  当時のみなかみ町生活水道課の高橋孝一課長の手引きで岸良昌町長(当時)が、熱供給業者である訴外・みなかみエネルギーサービス㈱代表取締役の山地敏男が持ち込んだスッポン養殖事業用の加温施設のための実験設備導入のため、燃料のRDFをそちらに回すべく、それまでのRDFリサイクル契約をみなかみ町生活水道課の高橋孝一が勝手に破棄し、あらたに2017年5月22日、廃棄物運搬・最終処理業者の㈱ウィズウェストジャパン及び廃棄物中間処理業者のサンエコサーマル㈱との間で、一般廃棄物(固形燃料RDF)運搬・処理業務委託契約を締結し、その結果、即日より1t当たり3万8000円(消費税8%3040円加算すると4万1040円)の委託料を、さらに同年7月1日には業務委託変更契約締結により、1t当たり3万9000円(消費税8%3120円加算すると4万2120円)に増額した委託料を、即日から支出することを認めたこと。
【②その財務会計上の行為はどのような理由で、違法であるのか。】
  当該一般廃棄物(固形燃料RDF)運搬・処理業務委託契約が、一部の関係者だけで、議会の議決を経ないまま勝手に締結され、それまで締結していた契約を破棄し、結果的にそれまでより1tあたりほぼ2倍近い委託料を支払うことを余儀なくされたことは、地方自治法第96条第1項に定める議決事件、および同法第2条の次の各項に違反している。
 ○14 地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。
 ○15 地方公共団体は、常にその組織及び運営の合理化に努めるとともに、他の地方公共団体に協力を求めてその規模の適正化を図らなければならない。
 ○16 地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。なお、市町村及び特別区は、当該都道府県の条例に違反してその事務を処理してはならない。
 ○17 前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。
【③その結果、町にどのような損害が生じているのか。】
  みなかみ町は2017年度からRDFを県外業者に一般廃棄物を県外業者に一般廃棄物として処理を委託しているが、委託費は年間約1億円と、燃料として売却していた頃の運搬費の2倍近くに膨らんだことにより、みなかみ町の財政に損害を生じせしめている。
                          以上
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■おそらく、みなかみ町役場の関係者の皆さんは、クリスマスも新年も返上で答弁書の作成に追われるのではないか、と心配です。それよりも、もっと関心が集まるのは、みなかみ町が訴訟代理人としてどの法律事務所に声をかけるのか、です。

 ちなみに、昨年、前田・前町長がセクハラ問題による名誉棄損に伴う損害賠償請求訴訟を、ハニートラップを仕掛けた地域おこし協力隊員の女性職員を相手取って、提起した際、女性職員が派遣されていたみなかみ町観光協会は、前橋市内の石原・関・猿谷法律事務所所属でヤメ検の関夕三郎弁護士に訴訟代理人業務を委託し、めでたく前町長に訴訟を取り下げさせました。

 今回の事件は、刑事事件が絡むセクハラ問題とは勝手が異なるため、ヤメ検弁護士が適当かどうか、慎重な判断が必要となります。難しい事件だけに、ひょっとしたら県内では引き受け手がいないかもしれません。1月6日までに到来する答弁書を見るまで、読者の皆様も自由に想像してみてください。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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