市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東邦亜鉛の有毒スラグ問題に関して2月の第1回定例会での質疑が県議会だより4月号に掲載

2019-05-25 18:30:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■先日、廃品回収のため、新聞紙の整理をしていたところ、毎月はじめに広報ぐんまと一緒に新聞折り込みされる県議会だより平成31年4月号が出てきたのでめくってみたところ、2019年2月25日に開かれた群馬県議会平成31年第1回定例会3日目本会議(一般質問)で東邦亜鉛の有毒スラグについて、一般質問と県の回答が簡単に掲載されているのを発見しました。一般質問から既に3ヶ月が経過しますが、その内容をチェックしてみました。

東邦亜鉛スラグについての一般質問の記事が掲載された県議会だより。

 平成最後の県議会平成31年代1回定例会は、2月18日から3月12日までの23日間の会期で開かれました。

*****平成31年第1回定例会議事*****
月日     曜日 議事予定
2月18日   月   本会議(開会、提案説明)
2月22日   金   本会議(党(会)派代表による質疑及び一般質問)
2月25日   月   本会議(質疑及び一般質問)
2月27日   水   本会議(質疑及び一般質問)
2月28日   木   本会議(質疑及び一般質問)
3月04日   月   常任委員会(30・31年度関係)
3月05日   火   常任委員会(30・31年度関係)
3月07日   木   特別委員会
3月12日   火   本会議(委員長報告、議決、閉会)
**********

 平成31年2月22日、25日、27日、28日に開催された本会議では、質疑及び一般質問 が行われ、16 人の議員が質問しました。

 この中で、2月25日の一般質問で東邦亜鉛の有毒スラグについて質問したのは、酒井宏明県議(日本共産党)でした。65分の持ち時間のうち、「1 開発優先でなく子育て・教育・福祉優先の予算について」の一問一答を終えた後、最後の8分間を「2 有害スラグについて」と題して一問一答方式で、環境森林部長への質問に充てました。

 県議会だより第80号(平成31年4月)2面に掲載されたその時のやり取りの記事は次のとおりです。
※参考URL:https://www.pref.gunma.jp/contents/100104386.pdf

**********ZIP ⇒ c2019n47sp2xo.zip
2月25日㈪ 有害スラグについて
Q:有害な鉛やカドミウムを含んだ大量の スラグが、高崎市箕郷町のメガソーラーの土台に使われています。放置すれば、新たな公害に発展することが必至です。早急に全量撤去させるべきと考えますが、県の考えを伺います。
A:現在、県と高崎市が連携して、事実関係を調査しています。土壌の汚染が確認された場合は、周辺の地下水利用状況の把握や地下水の水質検査を実施します。県は、高崎市と連携・共同して、人の健康に被害が生じないよう、法令に従い適切に対応していきたいと考えています。
**********

■これではよく分からないため、2019年2月25日の一般質問の録画を県のHPでチェックしてみます。
http://www.gunma-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=4878

*****平成31年第1回定例会2月25日本会議(一般質問)*****
発言者:酒井宏明
所属党:日本共産党
発言通告内容:2 有害スラグについて
答弁を求める者の職名:環境森林部長

県議:それでは有害スラグについて環境森林部長お願いいたします。

議長:環境森林部長、答弁席へ願います。

県議:環境問題です。高崎市箕郷町のメガソーラー、岡田工務店所有ですが、この土台、基礎に数万トンとも言われる大量の有害スラグが使われているということが明らかとなりました。これは県道高崎渋川線の盛土に使用されたスラグと同一の可能性が高いと言われております。かつて安中公害事件を起こした東邦亜鉛から排出されたとみられております。この亜鉛を製錬する過程で出るスラグは本来サンパイ処分場に運ぶべきものであります。この有害な鉛やカドミウムを含んでいるために造成から数年たつのに雑草が一つもありません。しかも、簡易な土留めからスラグが漏れ出しているという状況です。これがそのスラグですけども、有害物質を含んでおります。東京農工大の渡邉泉教授が調査したところ、高濃度の鉛・ヒ素・カドミウムなどの重金属類が検出をされました。EF値、エンリッチメント・ファクターと、濃縮係数(←当会注:地球上の地殻上限に存在するそれぞれの物質ごとの平均値、つまり地球の平均値があります。その平均値に較べて、例えば特定のこの場所の泥や土には、何がどれだけ濃縮されているのか、その違いを知るための数値)というものだそうですが、鉛で5540倍、カドミウム118倍、アンチモン6980倍、国際的に使われている基準ですが、これは「5」を超えると明らかな汚染、「40」を超えると極めて強い汚染。鉛で「1000」を超えるのはあり得ない、と話しておられました。このスラグが剥き出しに使われていると。まあ、大雨が降れば流出する危険性もあります。放置すれば新たな公害に発展することが必至であります。早急に全量撤去させるべきだと考えますが、いかがでしょうか?

議長:環境森林部長。

部長:お答えいたします。えー、環境等への影響を及ぼすおそれのある物質を含むものと推定されます、建設資材が使用されております事案につきましては、現在、環境法令を所管いたします県、および、権限が委譲されております中核市が連携をいたしまして、製造元を含め、事実関係について調査を行っているところでございます。お尋ねの高崎市箕郷町地内の案件につきましては、造成された太陽光発電所の件に・・・の件でござますけれども、土壌汚染対策法がここに適用されれば(←当会注:おいおい、廃棄物処理法なのではないのか?)、中核市である高崎市が主体となりました対応をすることになりますが、これまでの県、および中核市の調査から、この他にも環境への影響を及ぼすおそれのある物質を含むと推定されます、建設資材が使用されている可能性のある場所が、複数分かってきたことから、県、および高崎市では、関係者に対しまして、本件を含め使用箇所における建設資材及びその下の土壌の分析調査を実施するよう依頼したところでございます(←当会注:おいおい、関係者って、まさか原因者の岡田工務店や排出者の東邦亜鉛のことなのか?泥棒に縄を綯わせる=ドロナワじゃないよね?)。今後、順次分析結果が報告されることとなりますが、その結果、土壌への汚染が確認された場合は、県、中核市では人の健康被害が生ずる恐れ、まあ、具体的には地下水汚染が生じ、かつ、周辺に飲用の井戸がある場合ということになりますけども、その有無を確認するため、周辺の地下水の利用状況の把握や必要に応じて、地下水の水質検査を実施することとなります。ご質問の現場における措置についてでございますが、こうした一連の調査結果において、汚染された地下水が飲用に供されているなど、人の健康被害が生じる・・・生じるおそれがある場合には(←当会注:どうやら近くに井戸がなければ、あるいは、井戸があってもその水を飲用に使っていなければ、特に健康被害はないといふうに誘導したい意向がありあり)、土壌汚染対策法の規定に従いまして、原位置封じ込め、まあ、矢板等による・・矢板等の設置、遮水工封じ込め、防水シートの敷設、地下水汚染の拡大の防止、井戸等による汚染された水の汲み上げ、また、汚染の除去等の必要な措置を土地所有者、または原因者に対して指示をすることとなります。いずれにいたしましても、県といたしましては、環境法令を所管いたします中核市等と連携、協働いたしまして、当該建設資材の使用が確認された場所につきましては、人の健康に被害が生じないよう、関係法令に従い、適正に対応してまいりたいと考えております。以上でございます。

議長:酒井議員、残り一分です。

県議:はい。もう既に農地や民地を汚染している可能性があります。もう、明らかなサンパイではありませんか?高崎市は箕郷町の梅公園ですとか芝桜公園、このところを撤去いたしました。そうした、県が、もっともっと積極的に高崎市等に働きかけて、これを完全撤去する。猛毒なわけですから、渡邉教授によると、この鉛を体内に取り込むと異常行動、運動・言語・学習障害、IQ低下など誘発するということです。ほんとにこうした重金属、有害な物質が含まれているという認識を持っていただきたいと思います。えー、県警本部長、ぜひここは捜査をしていただきたいし、マスコミの皆さんもここはしっかり報道して、危険性を住民に知らせていただきたい。これは行政上げて取り組んでいただきたいと思います。

議長:時間です

県議:はい。以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(傍聴席から拍手)
**********

 以上のように、県議会における群馬県の答弁は、極めて歯切れが悪く、大同スラグの事件と同様、既に東邦亜鉛の重金属の毒に当てられてしまったかのようです。

 文中での答弁にもあるように、重金属による土壌汚染が大規模に発生しても、井戸の使用を禁止し、水道水を使うように行政が住民に指導しますから、もともと地下水汚染について、行政が真剣に取り組むつもりなど、微塵もありません。

 現に筆者の住む安中市岩野谷の北野殿地区では筆者の自宅も含めどこの家でも井戸があります。しかし安中公害が公になり土壌中のカドミウム汚染が騒がれると、行政は住民に井戸水の使用を禁止し、水道水を利用するように強制しました。そのため、北野殿の地下水は改善されることなく、放置されたままです。

 いまでも井戸水を使おうと思えば使えますが、本来であれば、住民がこの井戸水を東邦亜鉛が進出してくる前までは飲用にも使っていたのですから、公害で飲めなくなったから飲用禁止というのは、あまりも企業寄りの行政判断だと言わざるを得ません。

■さて、群馬県はこのような体たらくですので、大量の有毒スラグを箕郷町に持ち込まれた中核市でもある高崎市の環境行政に、この件について、その後の対策状況をヒヤリングしなければと思い、5月15日午後に、高崎市役所を訪れました。




高崎市役所2階に環境課の環境政策係、産業廃棄物対策係、一般廃棄物係がある。

 さっそく環境部産業廃棄物係田島担当に面談して話を聞きました。

 ところが30分ほど粘った挙句、残念ながら高崎市の回答は「具体的な対策や調査の進捗などの内容は一切申し上げることはできません」というものでした。

 当会からは、梅公園駐車場などに投棄されたK砕は昨年12月末までに撤去したのに、岡田工務店のメガソーラーはそれから4カ月半も経つのに、全く手が付けられていない」ことや、「いまだに原因者の岡田工務店や排出者の東邦亜鉛の名前が公表されていない」こと、「このまま調査中だと言いながら幕引きされたらたまったものではない」などと、きちんとした調査を要請しました。

 また「群馬県とタイアップしても県にはやる気が見られない」こと、「本件は、市外の企業が排出した猛毒物質が、何の因果もない高崎市箕郷町に大量に持ち込まれたのであり、住民第一の観点から、なんら遠慮しなければならない理由はないはず」であることを当会から指摘し、サンプリングに躊躇する必要はないので、調査のスピード感の重視を期待したい旨伝えました。

 これに対し高崎市は、「サンプリングよりも、現在は、(有毒スラグ=K砕の)市場性や取引可否の有無、廃棄物該当性の調査を総合的に行ってから判断する」「岡田工務店をそれほど庇うなどという配慮はいっさいありません」と回答。さらに「調査の進捗状況とか、具体的な調査方法も含めて、お答えする段階になく、時期を踏まえてお答えすることにしたい」と言い放ちました。

 当会は「ではお答えする気がまだ熟していないということか?」と訊ねましたが、高崎市は「それらも踏まえて、事実関係を調査中」と述べるにとどまりました。当会は「そのような対応は民間では通用しません。PDSC(Plan→Do→See→Check→)の確実な実施が大切です」と言いました。

■高崎市は「市としてもトータルで様々な情報を関連部署で共有してやっている。必要な情報共有は行っている。産業廃棄物対策課と環境政策課とでは、それぞれ所管している法律の関連で廃棄物対策課は廃棄部処理法、環境政策課は土壌汚染対策法に分かれるが、どちらも環境部(の担当)なのは間違いありません」と、猛毒物質が数万トンも川の上流域に剥き出しに放置されている現況を決して無視しているわけではないことを強調していましたが、有言実行を実践して欲しいと思います。

 この問題では、箕郷町が高崎市と合併する前から既に有毒スラグ(K砕)を東邦亜鉛が岡田工務店に出荷していたはずであり、当会に対して東邦亜鉛が2年前に示唆した「昨年初めまで数年前(平成23年頃?)から岡田工務店に出荷していた」という説明と矛盾します。こうした疑問を質問しても、高崎市では行政文書の保存期限も過ぎているとして調べる意欲が見えません。

 最後に高崎市は「せっかくお越し頂いたにもかかわらず、歯切れの悪い回答で申し訳ありません」と一方的に締めくくりました。

■当会では引き続き粘り強くスラグ問題に取り組んでまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「共産党の調査情報記事」
**********しんぶん赤旗2019年1月28日(月)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2019-01-28/2019012819_01_1.html
群馬・高崎 メガソーラー施設周辺
鉛5540倍、カドミウム118倍検出
共産党県議団と住民団体が調査

 群馬県高崎市内のメガソーラー施設の土壌から、鉛やカドミウムなど有毒な重金属が、自然界に通常存在する量と比べて極めて多くの量が検出されたことが、日本共産党県議団と住民団体の調査で27日までに明らかになりました。分析した専門家は「仮に子どもが口にしたら障害が起きてもおかしくない」と懸念しています。


(写真)スラグと思われる土壌を見上げる(左から)伊藤県議ら=群馬県高崎市


(写真)施設から外にむき出しになっている、スラグと思われる塊=群馬県高崎市


(写真)スラグの影響か、草が1本も見当たらない太陽光施設=群馬県高崎市

 重金属が検出されたのは、株式会社岡田工務店(高崎市箕郷=みさと=町)が運営する太陽光発電設備「松之沢発電所」(同市)周辺。共産党県議団と「有害スラグの撤去を求める会」(永井正取事務局長)が東京農工大学の渡辺泉教授に同発電所に隣接する4カ所から入手した土壌の分析を依頼したところ、自然界に存在する量を1とみなすEF(エンリッチメント・ファクター=濃縮係数)値で最大、鉛5540倍、カドミウム118倍、アンチモン6980倍が検出されました。
 鉛は微量でも体内に取り込むと神経障害が懸念され、カドミウムはイタイイタイ病(三井金属鉱業)や安中公害(東邦亜鉛)の原因物質として知られています。
 共産党が昨年12月の県議会でこの問題を追及すると、県は「(スラグの)製造元も含め、立ち入り調査や報告聴取など事実関係の全貌を調査中」と答弁しています。
 岡田工務店が工事した「みさと芝桜公園」(同市)からもスラグが不正使用され、党県議団の調査によると環境基準の60倍を超す鉛が検出されています。
 現地を視察した共産党の伊藤祐司県議は「施設の土台は数万トンのスラグで造成したと思われる。運転開始から何年もたつのに地面に草が1本も見当たらないのは異常だ」と指摘しています。
 会の永井事務局長は「このメガソーラーをつくった会社は、自ら工事した道路や駐車場から環境基準を超す鉛が検出され、行政から土壌を撤去させられた会社。どこからスラグを仕入れたのか明らかにし、その企業にも責任をとってもらいたい」と語りました。
 スラグの仕入れ先や今後の対応について同社に問い合わせましたが、25日までに回答はありませんでした。
※スラグ(鉱さい) 金属鉱石を製錬する過程で分離される不純物や添加物。
==========
子どもへの影響懸念

東京農工大学教授(環境資源科学) 渡辺泉さん
 今回分析したサンプルは、毒性が懸念される重金属が軒並み高いのが特徴です。どこから排出されたスラグなのか現時点では断定できませんが、亜鉛や鉛の製造過程で出てきたのではないかと思われます。
 分析手法のEF値は、国際的な学術会で使用されている最もポピュラーな指標です。EF値で5を超えると「明らかな汚染」、40を超えると「極めて強い汚染」です。それが鉛で1000を超えるとか、ありえない異常な汚染状態です。
 鉛は、世界でトップレベルの危険物質と考えられ、オバマ前米大統領が、水道に混入している疑いがあるということで非常事態宣言を出したほどです。微量でも子どもの知能低下やメンタルに影響を与える可能性が高く、特に成長期の子どもたちへの影響が懸念されます。
 腎機能障害を起こすカドミウムは、水溶性が高く、人体に取り込まれる恐れがあります。
**********

コメント
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レイムダック状態の群馬県政・・・公約も忘れ、はやくも退職金に関心を示した大沢フリン知事

2019-05-21 23:59:00 | 県内の税金無駄使い実態
■保守王国の群馬県で、これまで3期に亘り税金の無駄遣いの限りを尽くしてきた大澤正明知事ですが、任期を半年残した段階の2019年2月6日の臨時記者会見(本件記事末尾「参考情報1」参照)で引退を表明していました。2007年の知事選出馬時に語った「退職金はゼロ円」の公約は、すでに忘却の彼方。チェック機関であるべき県議会は、保守盤石状態のため、群馬県行政は、まさにやりたい放題。緊張感のない政治と行政環境の弊害が、このような形で露呈しました。それでは報道記事を見てみましょう。
**********毎日新聞2019年05月19日
退職金ゼロ公約、3期経て「変節」 群馬知事に自民幹部容認

大沢正明知事=杉直樹撮影

 7月末の任期満了での退任を表明している大沢正明・群馬県知事の現任期分の退職金支払いを容認する声が一部から上がっている。大沢氏は初当選した2007年の知事選で「退職金は0(ゼロ)円」を公約。退職金を受け取ればこの公約に反することになり、専門家は、まずは知事の公約遂行を県民に代わってチェックする県議会の判断が問われると指摘。知事の公約違反は県民の政治不信を招く可能性もある。【西銘研志郎】
 ◇条例案が必要
 今期限りの退任を表明している大沢氏の3期目の知事退職金は、有識者で構成する県特別職等報酬審議会の16年2月の答申を受けて、約3600万円と推定される。
 初当選時の公約を堅持し引き続き不支給とするならば、15日に開会した県議会第2回定例会に条例案を提出する必要があるが、与党幹部は県執行部からの条例案提出は「聞いていない」という。
 ◇激戦制す力に
 大沢氏は07年知事選で、当時5期目を目指していた小寺弘之氏の再選を阻み、初当選した。現在前橋市長の山本龍氏も加わった激しい“三つどもえ”の保守分裂選挙の中で、大沢氏は小寺氏を「多選」と「退職金」で批判。任期は「最長でも2期8年」、退職金は「民間並みに減額」としたものを選挙戦をより有利に進めるために途中から「0円」に変更。大激戦を制した。
 大沢氏は初当選以来、退職金ゼロは「自分の任期に限る」との方針から、正副知事双方の退職金を1期目の任期に限り不支給とする時限条例を全国で初めて提案、成立させた。
 ◇2期目でぶれ
 しかし大沢氏は、2期目再選後初の記者会見で「(2期目の退職金は)『もらわない』とマニフェストに書いていない」などと述べ、ぶれる。結局、内外の批判もあり、2期目も不支給の時限条例を県議会で成立させた。ただ条例案を審議した15年3月の県議会の委員会では、自民側から不支給継続を疑問視する意見が出た経緯がある。
 3期目の退職金受け取りに関して、自民県連幹部は「聞いていないが、個人的には受け取っていいと思う」と打ち明ける。さらに「3期目の知事選では『退職金は受け取らない』とは言っていないのではないか」とも指摘し、容認を示唆した。
 鳥取県知事時代は「改革派知事」として知られた、旧自治省(現総務省)出身で元総務相の片山善博早稲田大大学院教授は「発表した以上は、公約は守るべきだ。知事が条例案を提出しないという姿勢ならば、議会が案を出すなど、公約を守らせるためのルール作りをすべきだろう」と指摘し、懸念を示した。

**********東京新聞2019年5月18日
3期目退職金、知事受領へ 3600万円「県議会で容認の意見」

知事が初当選の際に掲げた公約のちらし=前橋市で
 七月末に三期で退任する大沢正明知事は十七日、公約に基づいて一、二期は辞退した退職金について、三期目は受け取る意向を明らかにした。金額は約三千六百万円。大沢知事は取材に「以前に県議会で三期目の受け取りを容認する意見があり、(知事ら県特別職報酬等)審議会で退職金引き下げが答申された経緯も踏まえ、今回は受け取りたい」と説明した。 (菅原洋)
 大沢知事は二〇〇七年の初当選の際、公職選挙法に基づく正式な「選挙運動用ビラ」で、「退職金は0円 厳しい県の財政に配慮」と掲げた。当時の故小寺弘之知事を挙げて「4期でなんと2億円」と比較し、強調していた。
 大沢知事は公約に伴い、当時は約三千八百万円だった退職金を一、二期とも不支給にした。いずれの際も事前に、一期目は一期に限る関連条例案を、二期目は二期に限る関連条例の改正案をそれぞれ県議会へ提案し、可決され、実行した。
 大沢知事は三期目も退職金を不支給にする場合、在職中は最後となる開会中の県議会定例会に、三期目に限る関連条例の改正案を提出する必要がある。だが、担当の県人事課に現時点で指示しておらず、取材に対しても退任まで提案しない意向を示した。
 県人事課によると、二期目の不支給を提案した一五年三月の県議会総務企画常任委員会で、大沢知事が県議時代に所属していた自民党の県議から「退職手当不支給が果たして正しいのか。委員会として考えていく必要がある」との問題提起があった。
 この意見が一つの契機となって県特別職報酬等審議会が開かれ、他の知事の水準と比較した上で、一六年二月に約二百万円の退職金引き下げが答申された。
 大沢知事は初当選の際の公約で、任期を二期八年までとも掲げたが、関係者からの要請などを受けて三期目の知事選に立候補した。
***********

■当会にとって大澤正明知事にまつわる最大の事件は、なんといっても副知事公舎を舞台とした愛人連れ込み事件です。主な経緯は次の記事をご覧ください。
〇2011年7月13日:首長に再選されたばかりなのに週刊誌のカモにされた我らが大沢群馬県知事の全国的スキャンダルの波紋
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/664.html
〇2011年7月23日:大沢知事が週末に彼女と業務打合せをしていた知事公舎の内部の使われ方と外部からの見られ方
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/673.html
〇2012年2月23日:大澤知事の知事公舎問題に絡む目的外使用・不正改修・自己負担不足等で住民監査請求を監査委員に提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/746.html

 さらに詳しい経緯は、次のブログ記事カテゴリー「県内の税金無駄遣い実態」から検索してみてください。
※参考URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/applet/ogawaken/msgcate21/archive

■この件で当会は、公舎の管理規則の適切な運用を県管財課に遵守させるため、また、知事と愛人の情事の為に無用に投入された3000万円を下らない血税の回収のために、「公舎妾宅化損害賠償事件」を提起し、最高裁まで争いましたが、司法は「配偶者以外の異性と公舎に宿泊を伴う滞在を頻繁にしても、それは同居ではないから、違法性はない」と判断し、当会の訴えを退けました。
〇2013年12月23日:大澤知事の知事公舎愛人連れ込みによる目的外使用事件で最高裁第一小法廷から棄却通知
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1185.html

 この判決は、全国の公務員にとって、不倫をする場合、ラブホテルを使う必要はなく、公舎をどうどうと使用でき、しかも、ラブホテルに不可欠な設備の整備に公金をどうどうと投入してもかまわない、という画期的な福音でした。

 そのため、当会は、県庁を訪れるたびに、管財課に対して公舎管理規則にきちんとこの判決内容を反映して、明記するように要請していますが、なぜか群馬県の総務部管財課は、この画期的な福音判決を明文化しようとしません。そうこうしているうちに、功労者のフリン知事があと2か月余りで任期満了となりました。

 もしかしたら、今回の退職金は、県の職員のかたがたにとっても、福利厚生充実に功績のあった知事への感謝の念にとして、フリン知事が逆忖度したのかもしれません。

■せっかく最高裁まで争い、全国の公務員の福利厚生のレベルアップに貢献した知事ですが、公約違反の約5千万円と言われる退職金をめでたくせしめられた暁には、せめて愛人とともに過ごした副知事公舎の保存に必要な資金として、当該副知事公舎保存基金の設立のための原資に充てることを提案したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1「引退発表の臨時記者会見」
**********群馬県HP「知事のページ」
https://www.pref.gunma.jp/chiji/z90g_00024.html
臨時記者会見要旨(2月6日)
■日時 平成31年2月6日(水)午前10時00分~10時21分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事ほか
       記者:記者クラブ所属記者等28人
■記録作成 広報課(報道係)
■会見要旨
◎知事発言
 今日の新聞に、私の進退問題が書かれておりました。率直なところ、真実であります。自分自身、明日が予算編成の発表でありまして、31年度の予算は私にとりましても、群馬県にとりましても、今後10年を占う大切な予算でありました。その予算をしっかりと県民の皆さんに発表をして、その後、自分自身の気持ちを整理して、進退問題については記者会見をしたいと思っておりましたけれど、今日新聞報道がされたわけでありまして、これ以上先延ばしするのは失礼であろうという思いで、今日あらためて皆さんに、今期限りで引退するということを表明したいと思います。
◎質疑応答
(記者)
 出馬をされないという意向を固められた、その理由について伺えますでしょうか。
(知事)
 自分自身、12年、知事として県政に取り組んでまいりました。いろいろな課題がありました。
 その中でも特に子どもたちの問題には、子ども医療費の問題、わかばプラン、さくらプラン等々ですね、取り組んできたり、特に特別支援学校におきましては、平成23年の選挙中にですね、保護者の方から貴重な意見をいただいて、27年には特別支援学校を全地域に整備することができました。また、30年4月には、特別支援学校の重複障害の受け入れと、高等部の生徒を全て、受け入れることができました。そして、今年の4月には、沼田の高等部が新築、富岡、吾妻が改修後の新校舎となるわけでありまして、来年の4月には藤岡が新築され、子どもたちが新しい校舎で学ぶことができる、さらには、高等部において就労支援がしっかりできるようになった、見通しがついたところであります。
 また、コンベンションも長い間時間がかかりました。約10年かかって着工にこぎ着けたわけでありますけれど、来年4月にはオープンの運びとなったわけであります。
 八ッ場ダムにおいても、長い間、地元の方々が苦労をされてきて、平成21年に政権交代によって、突然の八ッ場ダム中止となったわけでありまして、その間、地元の方々と共にですね、八ッ場ダムの建設の再開に努力をしてまいりました。来年の4月には、八ッ場ダムも完成、そして生活再建事業、多少の遅れはありますけれど、来年度、しっかりと完成に向けて、着実に工事を進めていきたい。そして、地元の方々が、安心して生活ができる環境の方向性が示せたという思いであります。
 私としては、大きな事業の方向性がついた、そして、この後は若い人にしっかりと群馬県のリーダーとして、群馬県を引っ張っていっていただきたいという思いで引退を思ったところであります。
(記者)
 道筋がついたということだと思うのですけれども、知事ご自身が初当選された際に、2期8年という公約を掲げられておりましたが、多選批判に関する懸念についてはいかがでしょうか。
(知事)
 当初2期8年ということで、(知事選に)出たわけであります。3期目は県内いろいろな方から、頑張れというお声もいただいて、3期目の出馬を決意したところであります。3期12年県政をやらせていただきまして、自分としてはこの12年間で思いの全てをぶつけることができたかなという思いもしております。
(記者)
 後任の問題もあると思うのですが、知事も過去の知事選で自民党から支援を受けていますけれど、県連に対しては何かお伝えはしたのですか。
(知事)
 私も自民党から推薦・公認をいただいて出たものであります。それ(後任について)は県連のご判断だと思っております。
(記者)
 既にその(引退の)意向はお伝えしたのでしょうか。
(知事)
 はい。
(記者)
 先ほど今期限りで引退するということについての理由はお話しいただいたのですが、引退するというのを最終的にお決めになった、お気持ちが固まったというのはいつの段階なのでしょうか。
(知事)
 自分自身は3期目に当選した時に今期限りという思いは持っておりました。
(記者)
 3期目に当選された後、支援団体の清明会が会費を集めるということもしていなかったようですけれど、その辺りは知事が指示をされたところだったのでしょうか。
(知事)
 はい。3期目に当選してからですね、一切の政治資金は集めないようにという思いで、それが全てを物語っていると思っております。
(記者)
 ご自身は身を引かれて、次は若い人に、群馬を引っ張っていただきたいという話がありましたが、次に群馬の県政を担うリーダーに期待する部分、どういうところを取り組んでもらいたいという思いがありますか。
(知事)
 やはり群馬県は、町村部が非常に厳しい状況にあります。だから自分自身、知事に当選してから、やっぱり(群馬県の形である)鶴は両翼がしっかりと羽ばたかなければ飛び上がれない。また、尻尾がしっかりしていなければ方向が取れない。やはり利根沼田、多野藤岡、吾妻、甘楽郡、そういったところが大きく羽ばたけて群馬が羽ばたけるのではないかと思っております。(頭の部分である)邑楽館林にしてもしっかりと方向性を定める。それによって伊勢崎、太田、前橋、高崎という中心部をしっかりと持ち上げて群馬が飛躍できるのではないかなと。そのためにもしっかりと町村部に目を向けて県政運営をしていただければという思いは強いです。
 ・・・ちょっと言い過ぎだね。(笑い)
(一同)
 (笑い)
(記者)
 現時点で、山本一太さんが立候補を表明されておりますけれど、知事の後継として山本一太さんはなり得るというか、そこのところはどのように考えていますか。
(知事)
 大臣までやられた方ですから私の後継なんておこがましい(です)。やはり県連がしっかりと判断されることだと思います。
(記者)
 知事が直接後継指名はされないのですか。
(知事)
 そんな立場にありません。県民に本当にふさわしい知事が選ばれるように、県連に期待しているところです。
(記者)
 知事の支持者の方が後継の擁立をされた時に、知事がそれを応援するということになりますか。
(知事)
 仮定の話に答えるのは無理だと思います。
(記者)
 なかなか保守内の、知事も自民党の県議でいらっしゃったのですが、全国で知事選の分裂選挙がありますけれど、保守内の分裂を避けたいというのもあるのかなと思うのですが。
(知事)
 やはり私が知事になった時が分裂選挙だったわけであります。私が知事になって、経済界の方々も、(当時の)現職を推された方が多かったので、遠慮が非常にありました。真に打ち解け、腹を割って議論できるようになったのもある程度時間がかかりました。しかし今の群馬県にはそんな時間がない。経済にしてもこれからの国際戦略にしても、官民一体となって進んでいかなくてはいけない。そのためには、できるだけ一本化された中で選挙が行われることを期待しております。
(記者)
 山本一太さんを支持するのかどうか、どのようなお気持ちでいらっしゃいますか。
(知事)
 私は今この立場でどうのこうのということは言えないのではないかと思うので、やはり県連がしっかりとした方向性を出していただけるのではないのかと思っています。
(記者)
 山本一太さんの話ですが、会談を一太さんから申し込まれたときに、知事は距離を置かれましたが、今のこういう状況になって・・・
(知事)
 直接言われたことはありません。
(記者)
 今のところ特に会う予定はないということで。
(知事)
 私はもう引退するんだから。もう引退表明したら、別に必要はないんじゃないでしょうか。
(記者)
 昨年、清明会の皆さんが会合を開かれたり、その後も知事に4選出馬をぜひというようなお話もあがっているということもありましたが、この辺についてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
(知事)
 非常にありがたく思っております。ただ先ほども言ったように、自分の多選という問題もあるし、73という年齢もあるし、やはり引くべきだろうという思いは強かったです。
(記者)
 引退についてご家族の方はどのような反応をされていますか。
(知事)
 かなり喜んでいると思いますよ。(笑い)
(一同)
 (笑い)
(記者)
 それはやはり今まで知事を支えてきたということで。
(知事)
 そうですね。今一番喜んでいるのは家内かなと。
(記者)
 4選出馬を求める声が各方面からいろいろと寄せられている中で、知事ご自身として今いろんな問題があるので引くべきという判断されたということだったのですが、もうちょっとやりたい、やり残したことがあるみたいな思いはなかったのでしょうか。
(知事)
 コンベンションにしても八ッ場にしてもですね・・・(しばらく沈黙後)思いがあったのは事実です。
(記者)
 悩まれた中で、最後は。
(知事)
 4年間ですからね、知事(の任期)は。1年ではありませんので、やはりしっかりとした若い人に今後の群馬を引っ張っていっていただきたいなと思います。
(記者)
 今、引退の思いは表明されましたけれども、まだ任期は7月まで残っています。この後、どのような思いで県政を・・・
(知事)
 いずれにせよ、この31年度の予算、明日皆さんに発表させていただきます。この予算は、なんと言っても県民のために作り上げたものでありまして、自分自身全霊をもって7月まで県民のために頑張りたいと思っています。
(記者)
 知事選については県連の意向に従って行動ということでしょうけれども、例えば今後、参議院選とか統一地方選とかありますけれども、知事として政治活動はどうされるんでしょうか。候補者を応援するですとか、そういうことはありうるのでしょうか。
(知事)
 全くまだ考えておりません。
(記者)
 知事を辞められた後、どんな風な生活をしたいですとか、こんなことをやりたいとか、その辺のことは今何か思い浮かぶことはございますか。
(知事)
 そうですね。自由人で。
(一同)
 (笑い)
(記者)
 自由人ですか。
(知事)
 まあ、群馬県政の応援団としてしっかりと協力していきたいと思っています。
(記者)
 何か具体的にこんなことをやりたいですとか、ボランティアですとか、前々から考えていたことなどは何かあるんでしょうか。
(知事)
 元々、特別養護老人ホームをやっていますからね。
(記者)
 そうですよね。
(知事)
 知事になったので理事長職を降りてますけれども、特別養護老人ホームの関係で、まだまだご奉公できるのかなと思っています。
(記者)
 そうすると人口減少、高齢社会の中で高齢者福祉の方で、力を尽くしたい、そんな感じですか。
(知事)
 そうですね。
(記者)
 まだ任期が半年近く残っているわけですけれども、今日この会見にあたって12年間支えられた県の職員へのメッセージと県民へのメッセージをいただければと思うのですけれども。
(知事)
 12年間本当に県庁職員には支えていただいて、県民の皆さんからも親しく声をかけていただいて、県政の課題を教えていただいた。その思いの中で県政に取り組むことができたということは、本当に幸せだったなと思っています。そして、その思いにも応えることができたかなとも思っています。ぜひ、この流れを次の方にしっかりと持っていってもらえればと期待はしております。
(記者)
 先ほど今回4期目に出ないということは3期目の最初から思っていたということは分かったのですが、いろいろその後ありまして最終的に今回出ないと決めたタイミングは、例えば今月か、先月ぐらいかなと思うのですが、最終的に決めたんだというタイミングはあるんですか。
(知事)
 ずっと最初から。
(記者)
 その思いでずっときて・・・
(知事)
 さっき言ったように後援会として、政治資金を3期目に入ったときに集めることは止めているわけです。それがイコールだと思います。
(記者)
 誰かに相談して最終的に決断したとかそういうことじゃないんですね。最近になって最終的に決めてということではないということでいいですね。誰かに相談したりとか、いろいろ話し合ったりして。
(知事)
 私の支持者の方もおりますし、いろいろとご指導いただいた方もおりますので、それはご相談して今日まで来ました。
( 以上で終了 )
文章中の( )内については、広報課において加筆したものです。
==========
このページについてのお問い合わせ
総務部広報課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-2175
FAX 027-243-3600
E-mail kouhouka@pref.gunma.lg.jp
**********

※参考情報2「不倫知事として全国に知名度アップ」
**********J-CASTニュース2011年7月14日 20時59分
公舎に女性泊めた群馬県知事 「ラブホテル代わり?」と週刊誌報道
 「週刊新潮」(2011年7月13日発売)で知事公舎に女性を宿泊させたと報じられた群馬県の大沢正明知事。知事公舎を「ラブホテル代わりにしていたのでは」と記事で指摘されたが、妻と別の女性を宿泊させたことは認めたものの、男女関係は否定した。
 問題の公舎は、入居前に塀を高くし、浴室をユニットバスにするなど税金を使って改修したにもかかわらず、週に1、2回しか使っていないという。そんな場所で起きた今回のお泊まり騒動、知事は「今後は誤解がないようにしたい」と謝罪した。
★辞職の考えはなし
 週刊新潮の記事によると、7月3日の知事選で再選した大沢知事は8日、県庁での初登庁式後に50代女性とともに公舎へ入り、翌朝まで過ごした。女性は大沢知事と十数年来の愛人で、2010年だけで30回、11年はすでに13回は泊めたと指摘している。
 報道を受け、大沢知事は7月13日の緊急会見で、「県民の皆様の信頼を傷つけることになったことに対しまして、深くお詫びを申し上げます」「今後は慎まないといけない」などと謝罪した。
 大沢知事の言い分によると、女性は愛人ではなく、知事が顧問を務める社会福祉法人の職員。月に1回は、公舎に事業報告をしにきており、7月8日は打ち合わせ中に2人とも酒を飲んで寝てしまった。そして車の運転ができないことを理由に翌朝まで宿泊させた。
 宿泊させたのはその1回だけで、40回以上の指摘については「意味が分からない」といっている。群馬県公舎管理規則では、第三者の宿泊についての規定はないものの、公舎は「公務の円滑な運営を図るため」にあると定義してある。女性を宿泊させたことへの責任については「自分を戒め、県発展のため努力することが私の使命」と辞職の考えはないようだ。
★最近では後藤田衆院議員がホステスと
 政治家が宿舎に女性を泊める例は近年あとを絶たず、宿舎をめぐる公私混同が大きく問題となっている。最近では、女優の水野真紀さんを妻に持つ自民党の後藤田正純衆院議員が、銀座の人気ホステスと議員宿舎に入ったところが6月3日の「フライデー」で報じられた。
 週刊新潮の記事によると、知事は同誌の取材に対し、「あの後藤田正純さんのようなこともあったから」と答えているように、妻以外の女性を公舎に招き入れることについては、かなり気にしているようだ。
 インターネットではこの会見の報道を受け、「愛人なんかどうでもいいが、公私混同は許せない」「公舎に泊めといて『意味が分からない』とはどういうことだ」などの声が上がっている。
 大沢知事は2007年の初出馬の際に「自宅がある太田市から県庁までエコカーで通う」と公約していた。当選して1か月ほどして危機管理を理由に公舎に住むようになった。築60年以上の知事公舎は老朽化で安全面に問題があるとして、それまで副知事公舎として使っていた公舎に、塀を高くしたり門扉を自動開閉するものにしたりする改修工事を施したうえで入居した。
 大沢知事は11年5月の会見で、知事公舎について「大きすぎる」との立場を示し、公舎は週に1、2回しか使っていないと明かしていた。13日の会見では、今後について廃止も含め第3者委員会を設けて検討したいといっている。
**********


コメント
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行政ルールを守らない人物が行政相談員に再任!・・・コンプライアンス欠如の群馬県内行政の実態露呈

2019-05-19 23:17:00 | 藤岡市内保安林を巡る行政犯罪
■行政はコンプライアンス(法令順守)重視でなければなりません。ここ群馬県の場合、群馬県・県内市町村しかり、そして群馬県警・県内各警察署しかりです。ところが、そうした行政の根幹を揺るがす事態が、藤岡市内の山林で平成8年に勃発しましたが、平成最後となる今年になっても未だに解消されていない状態が続いています。それどころか、新元号に変わった直後の広報ふじおか令和元年5月号P5を読んだ藤岡市在住の市民は、ビックリ仰天して、思わずわが目を疑いました。そこには次の記事が掲載されていたからです。
※広報ふじおか令和元年5月1日号:ZIP ⇒ kouhou_r0105010405.zip



**********
☑公共機関に関する相談を受けます。
 4月1日付けで新井和子さん(再任・本郷)、吉田賢治さん(再任・下栗須)、金澤正さん(再任・鬼石)が、総務大臣から行政相談委員に委嘱されました。
 国など行政機関の仕事に対する苦情・意見・要望がありましたら気軽に相談してください。行政相談委員が問題解決の促進を図ります。
 相談は無料で、秘密は固く守られます。 会場・相談日▽市役所市民相談室=毎月第2 ・ 3水曜日
▽鬼石公民館毎月第3木曜日
時間 午後2時〜4時
※相談日は毎月広報ふじおか15日号でお知らせしています。予約は不要ですので直接会場へお越しください ■行政苦情110番  ☎0570 ・ 090 ・ 110
問い合わせ 地域づくり課(☎40・2211)
**********

 2019年4月1日に行政相談員になった3名の中に、新井和子が含まれているからです。
新井和子と言えば、藤岡東部森林組合の代表理事組合長を長年務めていますが、これまでに他人の山林の立木を勝手に伐採し、器物損壊や窃盗で所有者から告訴されています。

 そして、その背景には、行政が森林組合とグルになって実行した森林法違反をはじめ、法務局の公図の改ざん、すなわち、公文書偽造(刑法155条:国や地方公共団体などの機関や公務員が作成する公文書を偽造・変造する犯罪で、法定刑は1年以上10年以下と通常の私文書偽造よりも重い罰則が設けられている罰)、公正証書原本不実記載(刑法157条:公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される罪)に該当する違法・不当行為があった疑いが指摘されています。

 このような人物に対して、行政は行政相談委員に任命するのですから、ブラックジョークも大概にしてもらいたいものです。むしり、うがった見方をすれば、新井和子に行政相談員を再度委嘱した国、群馬県、藤岡市の行政そのものが法令を遵守していないからこそ、こした犯罪を実行した人物に、行政相談員の肩書を与えるわけです。

■それでは、藤岡市行政相談員の新井和子にかかる告訴状の内容および関連情報を見てみましょう。

*****告訴状*****ZIP ⇒ 20190515a.zip
             告訴状
藤岡警察署 御中
   ■■■■■■■■■■■■
      告 訴 人     ■■■■■■■
   藤岡市藤岡1470番地の1
      被 告 訴 人   多野東部森林組合
                組合長  新 井 和 子

         平成21年9月2日
               告訴人代理人弁護士 松 本 速 雄

        告 訴 の 趣 旨
 被告訴人新井和子を器物損壊(刑法第261条)及び窃盗(刑法235条)により処罰されたく告訴します。
        告 訴 の 理 由
1.告訴人は、下記土地の所有者であり、同土地には告訴人が下刈りや枝打ち等をして、大切に手入れしている杉や檜が植栽されていた。
            記
 ①藤岡市上日野字田本乙1051-1 山林  353.00平方メートル
 ②同所        1051-3 山林 3034.00平方メートル
 ③同所       乙1051-3 山林  499.00平方メートル
 ④同所        1051-4 山林 1175.00平方メートル
 ⑤同所        1051-5 山林 1378.00平方メートル
 ⑥同所        1051-6 山林 3914.00平方メートル
 ⑦同所        1051-7 山林 2700.00平方メートル


*****報道記事*****
上毛新聞2009年(平成21年)6月26日(金)
ZIP ⇒ 20190515a.zip
多野東部森林組合 公図の確認不十分
依頼内森林誤伐採
ミス認める 所有者、法的措置も

 多野東部森林組合(藤岡市藤岡、新井和子組合長)が、同市上日野で請け負った間伐作業で、間違って無関係の山林を伐採していたことが、25日までに分かった。山林には作業道が設けられ、間伐されたスギ、ヒノキなどの一部が搬出された。組合側はミスを認めている。山林所有者の男性は「森林組合がこんなずさんな作業をするとは信じられない」と憤った。
 誤って間伐されたのは、同市内の男性が約15年前に購入した山林。男性によると、5月中旬に自分が所有する山林の様子を確認に行ったところ、知らない間に重機類が入って作業道が設けられ、作業員がチェーンソーで間伐作業を進めているのを見つけた。
 同組合は、男性の講義を受けて登記簿などを調査した結果、男性所有の山林であることを確認。伐採や木材の搬出などの作業を中止した。・・・・

*****藤岡市議会議事録*****
平成25年第4回藤岡市議会定例会会議録(第2号)
ZIP ⇒ 20190515a.zip
http://fujioka.gijiroku.com/voices/cgi/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=0&SORT=0&KTYP=0,1,2,3&KGTP=1&FYY=2013&TYY=2013&TITL_SUBT=%95%BD%90%AC%82Q%82T%94N%91%E6%81@%82S%89%F1%92%E8%97%E1%89%EF%81%7C09%8C%8E17%93%FA-02%8D%86&KGNO=62&FINO=282&UNID=K_H25091700021
平成25年9月17日(火曜日)
議事日程 第2号 午前10時開議
第1 一般質問
順位:7
質問者:佐藤淳
質問の件名:1.藤岡市行政のコンプライアンスについて
質問の要旨:
①行政運営におけるコンプライアンスに対する認識について
②公共工事受注企業の法令遵守について
③補助金受給団体等の法令遵守について
④コンプライアンスの推進について
質疑応答の内容:
るということになると、では森林法の今言った経営計画だとか、色々なことを言っていますけれども、ではその山林をですよ、林班図、あるいは森林簿、あるいは公図等で藤岡市はきちんとこの法律改正後から把握してきたでしょうか。
◎経済部長(飯島峰生君) すみません、時間をいただいて。
 先ほどの林班図、それから森林簿、それと公図という話の中で、先ほど事前と事後の届け出ということでお話をしましたけれども、届け出のあるものにつきましては、森林簿、それから林班図はチェックしております。届け出のないものにつきましては、チェックをしておりません。
 以上、答弁といたします。
             (「休憩」の声あり)
○議長(山田朱美君) 経済部長。
◎経済部長(飯島峰生君) お答えいたします。
 平成11年の4月以降の権限移譲から、先ほどの把握しているか、把握してないかという点につきましては、正確には把握していないのが現状です。
◆14番(佐藤淳君) 正確にというか、全く把握していないのだと思いますね。
 それでは、以前これ、経済部から資料いただいているので、部長も承知していると思うのですけれども、本来ならば平成11年からいただけばよかったのですけれども、おおむね10年間、平成14年から平成24年まで、森林法に基づいて、第10条の8の法人あるいは団体等の申請、第10条の8の申請が平成14年には4件あったとか、平成15年には10件あったとかというふうにこの資料に出ているのですけれども、この過去10年間で多野東部森林組合から森林法第10条の8の届け出はありましたか。
◎経済部長(飯島峰生君) すみません。平成14年から平成23年まで、組合が届け出したものですけれども、平成14年に1件、平成15年に5件、平成16年に2件、平成17年に5件、平成18年に1件、それから平成23年に1件、組合のほうから届け出が出ております。
◆14番(佐藤淳君) 私は出てないと思っていたんですね。以前、皆さんのところの部署へ聞きに行くと、出ていませんというお話を伺っていますから、出ていないのだというふうに理解していたんですけれども、では伺います。平成20年から平成24年までで、多野東部森林組合が事前に、事前もしくは事後、出さなければいけないものに対して出していない件数というかな、当然把握していると思う。何年に何件と答えてくれなくてもいいです。総合計だけ答弁をお願いいたします。
             (「休憩する」の声あり)
◎経済部長(飯島峰生君) お答えいたします。
 合計で、事前の届け出133件、事後の届け出40件、以上です。
◆14番(佐藤淳君) わずか四、五年の間に、多野東部森林組合は森林法第10条の8、事前に届け出なければならない届け出をしない件数が133件で、事後の届け出をしなければならない案件について、届け出ないのが40件ある。
 森林法第10条の8第1項の違反については、100万円の罰金ですからね。明らかにそういうふうに明記してある。第15条については罰金の規定はありませんけれども、第10条の8の第1項については、届け出をせずに森林伐採をした場合には、100万円の罰金になる。
 なぜこんなことが野放しになっているのですか。まことに私には理解できません。法令遵守と言っておきながら、コンプライアンスと言っておきながら、過去10数年にわたって数百件の違反があるというふうに思われるのですね。
 これ、だれに聞いたらいいのでしょうかね。これ、明らかに法令違反とお認めになりますか。

◎経済部長(飯島峰生君) 先ほど申し上げました第10条の8の関係でございますけれども、この133件については、法令違反というふうに解釈いたします。
 以上、答弁といたします。
◆14番(佐藤淳君) 第10条の8ばかりじゃなくて、法令違反という観点からいえば、第15条、これは罰則規定はないけれども、法令違反。事業終了後1カ月以内に届けを出さなければならないというふうに書いてあるんです、森林法に。これらを全く手続をしないのは、明らかに法令違反。
 今、明らかに法令違反だというふうに市長部局は認めたのですね。これ、どうしよう。基本的には、農林水産省の事務マニュアルを見ると、きちんと告発しなさいと書いてある。これ、長年告発してこなかった理由は何ですか。
◎経済部長(飯島峰生君) お答えします。
 伐採届につきましては、基本的に造林が確実に行われることを目的としていますので、伐採後の山林が造林せずに放置されることのないように届け出を求めているものでございます。
 この事業につきましては、計画書、それから事業報告書、完了後の確認等を行うことから、森林組合の関係について、届け出は不要との認識があったようでございます。また、その考えが長く続きまして、県から市へ移譲された後も、この補助関係の事業については提出されなかったものというふうに理解をしております。
 補助金を交付しないということは、森林組合へ事業委託をしている山林所有者個人等へ交付しないことであり、山林所有者が不利益をこうむることともなりますので、また森林整備が進まなくなるというようなことも懸念がされます。平成11年以降、このような手続が、事業報告書や計画書等、こちらのほうの提出があることから、届け出の部分が少しずっと欠けてきたのかなというふうに思います。
 以上、答弁といたします。
◆14番(佐藤淳君) 今の答弁を聞いていて、全く納得できません。いわゆる森林所有者の権利だとか、あるいは森林の持つさまざまな公益的機能を確保する。では、さまざまな公益的機能を確保するためには、法律違反してもよろしいという考え方なのですね、藤岡市は。
 全くそういうことなの。違いますか。今の答弁は私にはそういうふうにとれる。森林所有者の権利だとか、あるいは森林の持つ多面的機能、この公益機能を確保するためには、森林法を何十回となく、何百回となく守らなくてもいいと皆さんは言っているのですよ。そういう理解でよろしいんですか。
◎経済部長(飯島峰生君) 法令違反ということで先ほども当然話をいたしましたけれども、この森林関係につきましては、あくまでもこの事前の届け出と申しますか、30日から90日というこの届け出の手続上、これがなされなかったということでございます。
 以上、答弁といたします。
◆14番(佐藤淳君) 手続上なされなかったから、法令違反なんでしょう。明らかに法令違反なのですよ。皆さんの言う理屈は私は通らないと思います。
 公益的な機能を守るために、では法律違反していいのか。こんな理屈は、法治国家である以上、通るわけがない。だけれども、平気で何の抵抗もなく、皆さん、市長部局はそういうふうに答える。色々市長が言っていた行政上のコンプライアンスと実態は、全くかけ離れていると言わざるを得ないと思いますね。

 私、市長に権限と責任ということについてお伺いして、全く市長の言うとおりだというふうに理解しているのですけれども、職員も、職員に与えられた権限じゃないんですね。市長の権限を、いわゆる市長に与えられた権限を職員の皆さんが代行しているだけなの。
 1点お聞きしますけれども、こういうことを言われたのですね、私、皆さんに。市長部局に。いわゆる届けを出しました。この届けに対して、いわゆる適合通知書を出すんだということなんですね。では、この適合通知書は、きちんと色々なことが書いてあるわけですね。面積が書いてある。それから、伐採する樹木も書いてある。そして、期間も書いてあるのですね、例えば1カ月とか2カ月とか。これに大幅に違反をしているケースがあった時に、これ、皆さんはきちんとこの指導をする責任があるんじゃないですかというお話をしたら、それは適合通知書なんだから、切っていい権利を与えたわけじゃありません。私どもは知りません。違反した人が悪いんだから、勝手に警察に言って、警察が取り締まればいいんじゃないですかということを言われた。それ、覚えていますよね。
 ところが、農林水産省から来ている事務のマニュアル、よく読んでください。免許証で本人の届け出を確認しろとか、あるいはその期間にきちんと終わったとか、全部チェックしていく。チェックをしていって、それで違反があれば、色々な指導する。では、責任がありますよね、それにね。その指導に従わない場合には、告発をしなさいと書いてある。でも、皆さんは、私の記憶では何もしてこない。期間は1カ月だった、その申請は。ところが、3年以上にわたって森林伐採している。面積は0.1ヘクタールの申請なのに、1ヘクタール、約10倍近くやっている。
 終わった後、きちんと天然更新する落葉樹だとかというものについては、切っても、後から芽が吹いてくるようですから、それだってきちんと確認をしなさいと明確に書いてある。にもかかわらず、私どもにはそんな責任はありません。違反した者が悪いのだから、それは警察にでも何でも言って、逮捕してもらえばいい、そういう旨の話だった。そういうことでよろしいんですか。
◎経済部長(飯島峰生君) 先ほどの佐藤議員からの話で、何ら市のほうはその適合通知書を出した後、関知しないんだというようなちょっと話があったと思いますけれども、それはもう佐藤議員の言うとおりでございます。
 ただ、適合通知書を出した後に、この届け出は平成22年2月のものですけれども、ちょうどある山林の関係者の方から、自分の山が切られているという中で、その話があった後に、これは昨年の4月の話ですけれども、5月に私も現場のほうへ行きました。その場所を、ナラの木の伐採なんですけれども、確認をいたしました。その後に、その伐採者の切ったお宅へ出かけていって、その辺の事情を聞いて、その後に、前回の届け出については、伐採期間が過ぎていて、今回の伐採は無届けの伐採に当たりますよと。違法であるということを説明しながら、今後は届け出は出すようにという話をいたしました。
 そして、1年後ですけれども、またこの4月に、また最近になりまして、同じ場所ですけれども、ちょうど残った木がございました。その木を切った関係で、前のその山林の関係者から、また切っているというような話がありまして、すぐこちらのほうからまたその現地を確認をいたしました。その確認した時に、やはり木が15本ほど切られておりましたので、前の伐採者のところへ行きまして、当然再度の注意と、届け出は必ず出すようにということで話をいたしました。
 また、その伐採者に対しまして、その所有者に対してもこのことを伝えるので、了解をしておいてくれということでちょうど帰ってきましたけれども、伐採者のほうから所有者のほうに、今回の件で切った木については、一応置いておいてくれというような、詳しい内容はわかりませんけれども、一応電話で伐採者のほうから所有者のほうに電話があったということでございます。
 以上、答弁といたします。
◆14番(佐藤淳君) これは、届け出があった時に、既にそういうことを通知するのだ。そういうふうに書いてあるじゃないですか。マニュアルにこういうことですよ、こうなった場合にはこうなりますよ。したがって、その違法がわかった時点で、書面できちんと手続をしなければいけないんだ、皆さんの側は。書面で何の手続もしないから、いつまでたってもやめないのだ。
 監査委員事務局にお伺いをいたします。決算特別委員会や何かの時に、毎年、関係する法令に照らし合わせて適切に処理されている旨の説明があります。今までの市長部局とのやりとりを聞いて、この件については、きちんと関係する法令に照らし合わせて適切に処理されているというふうに判断されますか。
(監査委員事務局長 関沼明人君登壇)
監査委員事務局長(関沼明人君) 今までの議員と部長とのやりとりを聞いている中では、適正に処理されているというふうには理解できません。
◆14番(佐藤淳君) 監査委員事務局も、色々この団体に対して、市民からお預かりした税金が補助金として支払われている。それらがきちんと関係する法令にのっとって適切に処理されているかという点については、適切に処理されているとは思えないと。これは、私は皆さんばかりが悪いとは言いません。私ども議会も悪い。では、今まで10何年にもわたってチェック機関である議会が見逃してきたじゃないかと言われれば、そのとおり。
 いずれにしても、来年の4月からぐんま緑の県民税なるものが税として課せられるのですね、均等割の部分で。法律に基づいて私ども納税者は支払う、税を。恐らく色々な形でほとんどこれ、森林組合に行くんでしょう、各地域の。各地域の森林組合がどんな手続をしているか私は承知をしていません。一説によると、この件で色々私が聞いたら、この近隣の森林組合は、多野東部森林組合とほぼ同じだというふうな返事もいただいているのですけれども、その辺は他の地域のことだから、私は口出すつもりはありませんけれども、こういったことの中でですよ、法律に基づいて市民が税を納める。しかし、その納めた税が、法律を全く無視している、法令違反している森林組合に補助金として行くことに、私はあんまり、正直申し上げまして、納得ができません。基本的には、きちんと執行部側がこの件についてきちんとした対応をとっていただきたいというのが1点ですね。
 それから、個人的なことを言いたくありませんけれども、ここの責任者は行政相談員。これ、藤岡市が推薦しましたよね。色々な行政の考えはあるのでしょうけれども、行政相談員法第2条には、「総務大臣は、社会的信望があり、かつ、行政運営の改善について理解と熱意を有する者を行政相談員にする」。とても10年以上にわたって何百という法令違反をしてきた方が、私は社会的信望があるという皆さんの判断に大変な違和感を覚えますが、全く違和感ありませんか。
◎経済部長(飯島峰生君) お答えをいたします。
 今後につきましては、多野東部森林組合のほうの指導をきちんと行い、届け出の必要のあるものについては、きちっと出させるようにいたします。
 以上、答弁といたします。
◎総務部長(新井康弘君) 行政相談員の推薦の関係でございますけれども、これにつきまして、多野東部森林組合の組合長が相談員として推薦されているわけでございますけれども、これについては、あくまで多野東部森林組合という組織ということの中で、また女性参画ということの中で、行政相談員として推薦してきたものだと思いますけれども、またこれについては、個人の推薦というお話になろうかと思います。そういった中で、違和感がないかどうかと言われると、ちょっと難しいのですけれども、そういった中で推薦した経緯がございます。だから、一応識見等あるというふうなことで推薦したのだと考えております。
◆14番(佐藤淳君) 女性参画だとか色々なことを言うのですけれども、では女性ならば、法律違反してきた人でも行政相談員になれるのか。全く別次元の話なんじゃないんですか。皆さんは余り違和感がないみたいですね。私は大変な違和感があります。
 色々な意味で、最後にお聞きしますけれども、この問題について、やはり私はきちんとコンプライアンスの指針、こういったものをきちんと藤岡市行政の中で定めて、それでお互いがそういうものをきちんと共有をして、何度も言いますけれども、これは私どもも含めてです。その中で、きちんと市民に信頼される行政運営をしていかないと、私はこの地域から取り残されていくというふうに思います。いつまでもこんな感覚でやっていていいのか。
 最後に、これは当然、多野東部森林組合にきつく指導してもらわなければ困る。きちんと手続がされなければ、補助金支払う理由はないでしょう。地方自治法第2条にきちんと書いてある。
 その地方自治法の解釈は、いずれにしても市長、どうですか。きちんとこの辺の指針をきちんと定めて、色々な意味で市民に信頼される行政運営をすべきというふうに考えるんですけれども、最後に市長の考え方をお聞きして、質問を終わります。
◎市長(新井利明君) 全体のやりとりを伺っている中で、やはり行政としては法令遵守、ましてや倫理というものが守られての話でございます。非常に指針を決めなくてはいけない、決めた方がいいという葛藤を今、自分なりにしておりますけれども、作らなければいけない、逆に寂しさも感じております。
 ただ、今後まだまだ藤岡市という存在は永遠に続いていくのだろうとうふうに考えた時
には、何かしらそういった指針というものを決めながら、市民に責任を果たせるようにしていきたいと、こういうことで、今後少し検討させてもらいたいと思います。
**********

■ところで、先週の総務省の報道発表によりますと、来週5月21日(火)13 時から前橋テルサで県内の行政相談委員が一堂に会する行政相談委員全体会議が開催され、行政相談活動に尽力したという理由で3名の委員が表彰されますが、この中に新井和子が含まれています。

*****総務省報道資料*****ZIP ⇒ r1.5.14.zip
http://www.soumu.go.jp/main_content/000618920.pdf
総務省報道資料      令和元年5月14日群馬行政監視行政相談センター
ご活躍いただいた行政相談委員に表彰状贈呈
~ 行政相談委員全体会議の開催等 ~

 5月 21 日(火)の 13 時から前橋テルサにおいて県内の行政相談委員が一堂に会する行政相談委員全体会議を開催し、行政相談活動に尽力された3名の委員に関東管区行政評価局長表彰が、8名の委員に関東管区行政評価局地域総括評価官(群馬行政監視行政相談センター所長)感謝状を贈呈します。
 また、行政相談委員全体会議に引き続いて開催される群馬行政相談委員協
議会総会において、行政相談委員活動に関し顕著な功績のあった委員1名に
全国行政相談委員連合協議会会長表彰が贈呈されます。
【本件連絡先】
総務省 群馬行政監視行政相談センター
行政監視行政相談課
担 当 : 五十嵐、西、水上
電 話 : 027-221-1648
F A X : 027-221-1649
◎行政相談委員全体会議の開催
 県内の行政相談委員が一堂に会する行政相談委員全体会議を開催します。
・日時:5月 21 日(火) 13:00~
・場所:前橋テルサ8階「けやきの間」(前橋市千代田町2-5-1)
同会議においては、行政相談委員への関東管区行政評価局長表彰状等の贈呈、平成30年度行政相談実績の報告、令和元年度一日合同行政相談所の開設予定の説明等を行います。
◎ 行政相談委員等の表彰
 行政相談活動に尽力された3名の行政相談委員に関東管区行政評価局長表彰が、8名の委員に関東管区行政評価局地域総括評価官(群馬行政監視行政相談センター所長)感謝状を贈呈します。
・令和元年度関東管区行政評価局長表彰受賞者(3名)
横山修一(よこやま しゅういち)委員(前橋市担当) 平成19年4月1日委嘱(委嘱期間:12年1か月)
新井和子(あらい かずこ)委員(藤岡市担当) 平成19年4月1日委嘱(委嘱期間:12年1か月)
古充昭(ことう みつあき)委員(中之条町担当) 平成19年8月1日委嘱(委嘱期間:11年9か月)
・令和元年度関東管区行政評価局地域総括評価官(群馬行政監視行政相談センター所長)
感謝状受賞者(8名)
齊藤敏江(さいとう としえ)委員(邑楽町担当) 平成27年4月1日委嘱(委嘱期間:4年1か月)
齊木直子(さいき なおこ)委員(吉岡町担当) 平成27年4月1日委嘱(委嘱期間:4年1か月)
戸丸和夫(とまる かずお)委員(沼田市担当) 平成27年4月1日委嘱(委嘱期間:4年1か月)
田信明(つのだ のぶあき)委員(昭和村担当) 平成27年4月1日委嘱(委嘱期間:4年1か月)
近藤昌弘(こんどう まさひろ)委員(神流町担当) 平成27年5月1日委嘱(委嘱期間:4年0か月)
久保田晶子(くぼた あきこ)委員(玉村町担当) 平成27年6月1日委嘱(委嘱期間:3年11か月)
小保方重吉(おぼかた じゅうきち)委員(伊勢崎市担当) 平成29年4月1日委嘱(委嘱期間:2年1か月)
尾池啓助(おいけ けいすけ)委員(桐生市担当) 平成29年4月1日委嘱(委嘱期間:2年1か月)
・令和元年度全国行政相談委員連合協議会会長表彰受賞者(1名)
 行政相談委員全体会議に引き続いて開催される群馬行政相談委員協議会総会において、行政相談委員活動に関し顕著な功績のあった1名の委員に全国行政相談委員連合協議会会長表彰が贈呈されます。
野口静子(のぐち しずこ)委員(太田市担当) 平成17年4月1日委嘱(委嘱期間:14年1か月)
◎ 平成30年度行政相談受付実績
 平成30年度の行政相談受付実績は、図1のとおり、センター受付1,690件、委員受付1,023件、合計2,713件となっており、前年度より54件増加しています。
図1 行政相談受付実績の推移
(単位:件)
・・・以下省略・・・
**********



平成21年当時の藤岡東部森林組合の機関紙には「新井組合長が県操業表彰を受賞 平成21年度群馬県総合表彰が平成21年5月14日に前橋市大手町の群馬会館ホールで開催され、当森林組合代表理事組合長新井和子の林業分野における男女共同参加実践活動が評価され、受賞の栄誉に輝きました・・・」とある。写真の右側にいるのが当時の新井県議で現在の新井雅博藤岡市長。今回の再度の行政相談員の委嘱にしても、近い将来に新井和子を叙勲するための布石とみられる。




新井組合長の大豪邸。いったいどこからこういう原資が調達できるものやら。

■新井和子については、当会としても、産廃問題や環境問題で行政に直訴した際、行政側が設置する有識者による審議会などのメンバーとして、行政側寄りの発言をするなどして、一体なぜこんな人物が有識者面をして、行政の都合の良いことばかり発言するのか不思議に思っていました。今、こうした背景が明らかになって、目から鱗が落ちる思いです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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前橋市役所強制わいせつ事件・・・5月15日に前橋地裁で開かれた刑事初公判で元職員が罪状認否留保

2019-05-16 23:19:00 | 前橋市の行政問題
■当会では2018年3月から、前橋市の当時現職の管理職員による不祥事について前橋市に通報してきましたが、前橋市職員課の対応は極めて腰の重いものでした。そうした中で、当該管理職員によるセクハラ行為に関して、同年5月26日付東京新聞が報じたのを契機に、この問題がひろく前橋市民のみならず県民に周知されることになりました。そのセクハラ事件のその後が注目されていましたが、令和の新元号になった直後の5月15日(水)に前橋地裁で刑事事件(平成31年(わ)第124号強制わいせつ事件)として、初公判が開かれ、当会も傍聴してきました。さっそく翌日の新聞記事朝刊で報じられたので内容を見てみましょう。

5月15日(水)午後1時30分から約13分半にわたり強制わいせつで書類送検された前橋市元管理職員にかかる刑事裁判の初公判が1階の1号法廷で開廷された前橋地裁。


**********東京新聞群馬版2019年5月16日
ZIP ⇒ 20190516vl.zip
前橋市セクハラ事件初公判
罪状認否 男性が留保

 前橋市の当時の女性嘱託職員が男性管理職からのセクハラ被害を訴え、 市が男性を停職の懲戒処分にした問題で、その後に県警に強制わいせつ容疑で書類送検され、同罪で起訴された男性の初公判が十五日、前稿地裁(水上周(あまね)裁判官)で開かれた。罪状認否で男性は「今の段階では中身は留保したい」と述べた。法廷では、女性に配慮して氏名や年齢などの個人情報は読み上げられなかった。
 冒頭陳述や市の処分内容などによると二〇一六年十二月二十八日夜に市内の居酒屋であった職場の忘年会で、飲酒した男性が座っていた女性の背後に密着し、両手でそれぞれ女性の両胸を触ったとされる。宴席で複数の同僚が行為を目撃したことを証言している。女性は昨年になって県警に相談していた。
 女性、男性ともその後に退職し、男性は会社員になった。男性は昨年六月に処分を受け、同年末までに書類送検され、今年三月末に起訴された。女性によると、今月に入って男性が謝罪して解決金を支払う内容の示談書が示され、男性側が支払ったという。
 女性は取材に「裁判が長引き、詳細な証言を求められるのはつらいので、示談に応じた。(認めずに留保するとは)納得いかず、いいかげんにしてほしい。怒りがまた込み上げてきた」と語った。(菅原洋)
*********

 この前橋市役所セクハラ事件については、これまでの当会のブログ記事も参照ください。
〇2018年5月2日:前橋市役所職員による勤務不正申告の実態について前橋市長に報告書を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2628.html
〇2018年5月25日:不祥事の続く前橋市で今度は管理職の市職員によるセクハラ事件が急浮上!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2646.html
〇2018年5月26日:不祥事の続く前橋市で管理職によるセクハラ事件・・・今度は地元紙が記事を掲載!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2649.html
〇2018年5月28日:【速報】はからずも定例記者会見で露呈した前橋市長の危機管理意識とセクハラ問題意識の薄弱性!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2653.html
〇2018年5月29日:不祥事の続く前橋市役所…セクハラ等不正テンコ盛り職員を庇う?市長のオロオロ記者会見を報じた東京新聞
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2654.html
〇2018年6月13日:前橋市役所強制わいせつ事件…ようやく出た大甘処分と未だに罪を認めぬ元管理職で分かる役人の“本懐”とは
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2668.html
〇2018年6月19日:前橋市役所強制わいせつ事件・・・セクハラ被害軽視の背景にある自治労の果たすべき役割とは矢印
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2673.html
〇2018年6月24日:前橋市役所強制わいせつ事件・・・セクハラ被害軽視の背景にあるリーダーたる市長の果たすべき役割とは
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2677.html

■初公判当日に前橋地裁1階ロビーに貼られた開廷表には次のように書かれてありました。

*****開廷表*****
第1号法廷(1階))開廷表
令和元年5月15日
開始時刻/終了時刻 午後1時30分/午後2時30分
事件番号/事件名  平成31年(わ)第124号/強制わいせつ
被告人       ■■■■
担当部係      刑事第1部1係
裁判長(官)    水上周
書記官       宮内悠介
**********

 法廷には10分前から傍聴者が集まり、午後1時半の開廷時には、当会会員、マスコミ関係者、前橋市関係者ら約20名ほど詰めかけました。法廷内には、左側に検事1名が着席し、右側に弁護人の熊川法律事務所の熊川俊充弁護士と刑事被告人の前橋市元職員が着席しました。その他、書記官1名と筆記者男女各1名が法廷内にいました。
※参考URL:熊川次男総合法律事務所 ⇒ http://kumakawa-law.jp/lawyers.html

 定刻1時半を少し回ってから裁判長が入廷し、さっそく始まった初公判では、まず50歳の男性被告人が証言台の前に呼び出され、氏名、生年月日、本籍、現住所、職業が述べられました。

 3月29日付で強制わいせつの罪名で起訴がなされ、起訴状が被告人に送られたことから、本件審理が開始されました。この時、裁判長から注意事項として、本事件では、被害者の名誉保護のため、被害者の特定につながる事項については法廷では明らかにしない決定をしており、もし被害者の名前をしっていたとしても、法廷内では決して口にしないように、との指示がありました。

 そのあと、検察官から起訴状の朗読がありました。その公訴事実によりますと、平成28年12月28日の午後6時ごろから午後8時ごろまでの間に、市内荒牧町4-10-38の荒牧大衆酒場おやじサーカスの2階で、床に座っていた被害者に対して、その背後に座り、両膝を被害者の臀部付近に密着させつつ、被害者の両脇に腕を突っ込んで、着衣の上から被害者の両乳房を両手でつかんで持ち上げることで、強いてわいせつな行為をしたとあり、罪名・罰条は強制わいせつ(平成29年法律第72号による改正前の刑法176条)で起訴された旨、読み上げがありました。

 そのあと、この公訴事実について審理がはじまりましたが、冒頭に裁判長から被告人に注意事項が伝えられました。それは「被告人には黙秘権が認められている」こと。したがって「この法廷では、最初から最後まで黙っていられる」こと。「答えたい質問には答え、答えたくない質問には答えなくても構わない」こと。「質問に答えなかったことにより不利益なことはない」こと。「勿論質問に対して答えることができいるが、被告人がこの法廷において話したことが自分にとって有利・不利になるかを問わず、この裁判証拠の証拠として扱われる」こと。「したがって、発言に当たっては、そのことを念頭に置いて発言をするように」と裁判長から被告人に指揮がありました。

 次に裁判長は被告人に対して「ではこうした前提で確認するが、さきほど、検察官が読み上げた事実でどこか違っているところはあったか?」と質問しました。これに対して被告人は熟考するためか、しばし沈黙のあと「・・・・今の段階では、答えについては留保としたい」と答えました。どうやら予め弁護人と相談した結果を口にしたようです。

 それを察した様子の裁判長は「今の段階ではないというと、後で明らかにするということなのか?あるいはもう、認否はしないということか?」と質しました。すると被告人は「・・・・」と沈黙しました。

 裁判長は「決めていない?弁護人と相談してからということか?」と質問したところ、被告人は小さく頷きました。裁判長は今度は被告弁護人の熊川弁護士に向かって、「弁護人の意見は現段階ではどのようなものか?」と尋ねました。

 熊川弁護士は「証拠の任意の開示を受けたのが月曜日(5月13日)であり、それから間もないため、精査したうえで、次回期日で認否を明らかにしたいと思う」と答えました。

 裁判長は被告人に対して「席にもどってよろしい」と伝え、被告弁護人には「(本件裁判の)進行については、認否がまだできないということなので、この段階で次回期日を決めることもあるし、認否は留保するということで手続きを進めるということもありうる」と判断を促しました。

 これに対して被告弁護人は「証拠関係の同意・不同意もできないが、直前までには進んでもらってもよい」と答えました。

 裁判長は「口頭陳述と証拠説明までは進んでもよいということか?」と念を押すと、被告弁護人は「はい」と答えました。裁判長は「検察官の方もそれでよいか?」と訊くと、検察官も「はい」と答えました。

 そのあと証拠調べの手続きに入りました。裁判長が検察官に「口頭陳述をしてください」と告げると、検察官が陳述を始めました。

「検察官が証拠によって証明書をつくった事実は次の通り。
第一 身上と経歴等
 被告人は前橋市で出生し、大学卒業後、前端市役所で勤務し、市役所職員だった。現在は無職・・ではなく(さきほどの被告人の陳述に沿って)会社員と訂正する。住居地で妻子と居住している。前科・前歴は不見当(←当会注:「不見当」とは「見当たらない」という意味だが、「開示しない」という意味もある)
第二 犯行状況等
 被告人は、判示した前市役所に勤務して、28年12月28日の午後6時頃から同8時頃にかけて、公訴事実記載の飲食店で被害者を含む部下職員らと一緒に忘年会に参加していた。被告人は、前記忘年会の間に床に座っていた被害者の背後に座り両膝をその臀部付近に密着させつつ、公訴事実記載の犯行におよんだ。被害者は本件被害に遭ったあと、前期市役所職員らに被害の相談をするなどしたうえ、平成30年6月頃警察に被害の相談をするなどして本件が発覚した。
第三 その他情状等
 上記の事実を立証する為、証拠等関係カード記載の各書証の取り調べを請求する。」


 検察官の口頭陳述が終わると、裁判長は被告弁護人に向かって「請求等についての弁護人の意見は?きょうは明らかにできないか?」と訊きました。弁護人は「はい」と答えました。

 裁判長は「任意開示の話があるが、既に任意開示は受けてはいる、ということか?」と確認を求めたところ、被告弁護人は「はい、もう謄写済です」と答えました。裁判長は「必要なものは入手されているということか?」と念を押すと、弁護人は頷きました。

 「そうすると証拠意見を検討してもらうことになるが、検討の期間はどの程度か?」と裁判長が弁護人に尋ねると、弁護人は「さほど時間がかからず10日ほどで、検討できると思う」と答えました。

 裁判長は「証拠意見の検討ができれば、あわせて罪状認否について、あらためて罪状認否もおこなえるということか?」と被告弁護人に質問しました。弁護人は「はい」と答えました。

 すると裁判長は「次回弁護人の証拠意見を聞いたうえで証拠調べを続けるということになる。次回期日だが、(証拠意見については)10日後ということで、来週いっぱいで提出していただくことでよろしいか?」と弁護人に確かめると、弁護人熊川弁護士は「はい」と述べました。裁判長は「証拠意見が決まったら、速やかに検察官に提出願いたい」と弁護人に指揮すると、被告弁護人は「はい」と答えました。

 裁判長は「裁判員裁判の関係で次回期日は6月となる。6月5日水曜日の午前10時はどうか?」と検察と被告弁護人の双方に尋ねました。しかしその日時は検察官の都合があわず、書記官に法廷のスケジュールを確認させたあと、裁判長は「そうすれば6月12日水曜日午後2時半以降はどうか?」と提案しました。結局、裁判所の書記官からコメントがついたため、「6月水曜日午後3時半からでも大丈夫か?」とあらためて提案があり、検察・被告弁護人の双方とも「はい」と答えました。

 最後に裁判長は「それでは次回期日は6月12日午後3時半からと決まった。今日はこれにて閉廷します」と宣言すると、法廷を退室していきました。

 以上の通り、本日の初公判は約13分半で終わりました。それにしても、これだけマスコミを騒がしたセクハラ事件ですが、被告の元職員の様子は、実に平静を保っていました。通常であれば被告人として、憔悴しきった姿がイメージされますが、公務員はよほど腰が据わっているのでしょう。

 あるいは無頓着で鈍感なのかもしれませんが、いずれにしても、被告の元前橋市職員のこの平静さは、国選弁護人ではなく、自ら報酬を支払って委任した熊川俊充弁護士の存在が大きいと思われます。

 その原資としては、起訴される前に前橋市役所を退職したことから元職員には満額の退職金が支払われたことがうかがえます。2000万円?とも想定される高額の退職金の一部を弁護士費用に使えば、裁判を有利に運べると思ったのでしょう。だから公訴事実の認否を保留したものと推察できます。

■当会は、このセクハラ事件と関連して、元職員による不倫相手の時間外等手当不正支払による損害賠償請求事件を前橋地裁に提起して、現在係争中です。今回のセクハラ事件ではもっと詳しい冒頭陳述があるものと期待していたのですが、きわめて短かったので拍子抜けしました。引き続き当会としてこのセクハラ事件の刑事裁判の様子を慎重に見極めていきたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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いよいよ露わになった安中の大規模太陽光発電施設の大きさにただただ呆然とするばかり

2019-05-15 23:06:00 | 国内外からのトピックス

■自分さえ良ければよいという風潮が今、この国でまかり通っています。安中市岩野谷地区の南部の日刊スポーツゴルフ場計画跡地に建設中の安中ソーラー合同会社のメガソーラー(63.2MW)と、安中市小俣地区のビックカメラのローズベイゴルフ場跡地に建設中のメガソーラー(約80MW)の全貌が、いよいよグーグル・マップ上にも姿を現しはじめてきました。
https://www.google.com/maps/search/%E5%90%89%E4%BA%95/@36.2762435,138.9120567,7408a,35y,38.18t/data=!3m1!1e3?hl=ja

 このうち、ローズベイゴルフ場跡地のメガソーラー計画では、2016年9月30日にゴルフ場を閉鎖後、ビックカメラの子会社のビッククリーンエネルギー研究所がゴルフ場跡地を太陽光発電事業として利用し、総発電容量80メガワットという、国内でも有数のメガソーラー発電所が建設中で2019年末に完成する予定です。
〇2018年3月24日:ローズベイカントリー跡地に立つ [風景]
https://funayama-shika-3.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24


安中市小俣地区のビックカメラによるローズベイカントリーゴルフ場跡地におけるメガソーラー造成現場。

 ビックカメラは日本の資本で池袋に本社を構えていますが、一方、安中ソーラー合同会社の場合、代表社員であるグレート・ディスカバリー・ホールディングス(GDLH)社は世界的なタックスヘイブン地で知られる米国のデラウェア州のウィルミントン市のSuite 403S, 1013 Center Roadに登記されています。


安中市岩野谷地区の安中ソーラー合同会社による日刊スポーツゴルフ場予定跡地におけるメガソーラー造成現場。

 このデラウェア州のウィルミントン市は人口7万人ですが、中でも有名なのはノースオレンジ通り(North Orange St.)1209の番地にある2階建ての貧相な建物(ビルではない)です。ここに本社を置く企業は、ウォールマート、スターバックス、アップルなど32万社もあり、トランプ大統領の会社もここに本社登録をしています。

 なんと米国の上場企業の設立当初の本社の95%は、このウィルミントン市に置かれており、デラウェア州全体の人口も僅か94万人ですが、この州に本店所在地のある企業は118万社に上っています。デラウェア州で2015年に設立登記された会社は17万8000社で、1日あたり500社になる勘定です。同州は設立登記の税や手数料で年間1100億円の収入があり、州民一人当たり年間11万7000円に相当します。

 さらに、このGDLH社の職務執行者には2名が連名となっており、そのうちのひとりが山崎亮雄です。この人物は東京赤坂の溜池にある税理士法人赤坂国際会計事務所の代表者ですが、今回の安中市内のメガソーラー計画に際して、地元には一度も顔を出したことがありません。

 もうひとりはリュー・シャオ・フィ(劉小飛?)という中国人で、この人物の所在地は香港九龍大角咀海輝道18号一号銀海第07座21楼B室(Flat B, 21/F, Block 7, One Silver Sea, 18 Hoi Fai Rd., Tai Kok Toui, Kowloon Hong Kong)で、もちろんこの御仁も、これまで一度も群馬県には来たことがありません。

 こうした中国資本が絡み米国のタックスヘイブン地に登録されているペーパーカンパニーが、関東地方の水源地帯を137ヘクタールも保有すること自体、あってはならないことですが、国も群馬県も安中市もなんの規制も行わず、とうとう今年7月に完成時期を迎えます。

 ただし、東電による送電鉄塔の建設が遅れており、現在建設中の送電鉄塔の完成が2019年12月の予定なので、安中ソーラー合同会社のメガソーラーの運転開始は2020年初頭になるとみられます。



安中ソーラーのメガソーラー施設のため、東電が送電鉄塔を建設するに際しての2019年3月に地元で回覧した事前告知チラシ。
ZIP ⇒ 20190304_annala_solar_kairan_siryou.zip

■こうして、安中ソーラーとビックカメラという国内外の資本によるそれぞれのメガソーラー計画が環境アセスメント手続きも経ずに進められた結果、物凄い自然破壊によって、もともとあった里山の丘陵地帯が、立木もろとも完全に無くなってしまいました。

 これた2つのメガソーラー施設は、今から7年前に運転を開始したソフトバンクによる榛東村八州高原内のメガソーラー施設(敷地面積4.93ヘクタール、出力約2.4MW、パネル枚数10,122枚)に比べると、約28倍に相当します。

 ともに2020年初頭の運転開始を目指すとみられるこれら2つのメガソーラーは、御覧の鳥、グーグル・マップでも乾燥した土壌が剥き出しになっている様子が確認できるようになりました。

 水資地を中国資本に売ることも制限せず、森林はソーラーパネルとゴルフ場になり、資本主義の原理が優先することにより、どこまでも自然を破壊することに対して、全くブレーキを効かせられなかった我が国の行政は、完全に狂っているとしか思えません。

 国や自治体は、国土保安のための貴重な水源地でもある里山の山林が、雑種地になったり、大規模な償却資産の設置によって、税収が上がるから、として喜んでいるのでしょうが、その代償は決して小さくありません。

 とくに岩野谷地区の安中ソーラーの場合は、中国資本が絡んでおり、隣接するロケット工場で自衛隊向けのミサイルも製造していることから、国防上の観点からも重大問題です。しかし、当会が国家安全保障会議の議長の安倍内閣総理大臣や、防衛相の石破大臣に直訴状を提出し、中国資本の進出を阻止するよう要請しましたが、完全に黙殺されてしまいました。

■一方、自然や景観保護の観点からは、隣の高崎市の場合は、榛名や箕郷の梅林の付近や景観を損ねる地域では、メガソーラーの建設が条例で禁止されていますが、安中市の場合は、市内において、発電出⼒が500キロワット以上の太陽光発電設備の設置にかかる⼟地、家屋、償却資産に対して、前市長が野放図にメガソーラー業者に対して優遇措置を適用し、対象となった設備に係る⼟地、家屋、償却資産の固定資産税・都市計画税について8年間の課税免除を打ち出してしまいました。

 このような特例措置はさすがに突出しすぎたため、市長交替後、8年から3年に免税期間を短縮しましたが、それでも3年間の特例措置をとっているのは県内では榛東村しかなく、依然として安中市内でメガソーラー開発ラッシュが続く要因となっています。

 また、安中市は2019年4月1日から景観条例策定に向けてようやくスタートを切りました。メガソーラー開発がこれほどまでに進んでしまった状況では時既に遅し、の感があります。
ZIP ⇒ 20190501_kouhou_annaka_keikan_kachidukuri.zip

【ひらく会情報部】

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