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■毎年春先恒例となっている東邦亜鉛安中製錬所における工場視察会は、東邦亜鉛と安中緑の大地を守る会(旧・安中公害裁判原告団)との間で締結された協定書に基づき、例年4月の第2土曜日に開催していました。ところが、コロナの影響でここ3年ほど時期外れの8月、9月、7月に開催されていましたが、今年はコロナ感染症対策の緩和もあり、4年ぶりに協定書どおりの4月8日に実施されました。その模様をご報告いたします。
開催当日、9時25分集合ということで、9時20分に事務所前の駐車場に車を止めて、会社の事務所に入りました。9時半の開始まで、1階の会議室で待機していました。筆者が会議室に入った際には既に10名以上の地元の皆さんが集まっていました。
まもなく、弁護団の高坂氏が大きな包みを持参してこられました。さっそく包みを開けてみたところ、かつての公害反対運動のリーダーのひとりとして活動した人物を描いた切り絵の大型作品が現れました。
高坂氏は「高田新太郎先生が4月2日にお亡くなりになった。それで6日に葬儀があったが、家族葬でやるということで、私は参加させてはもらったが、広く声をかけるのは遠慮させてもらった。それで葬儀がつつがなく終了したがこれは高田先生のご自宅にあった。あずかって。ただご家族の方がこれは故人のものではないので、原告団の皆さんにお渡ししてくださいということで預かってきました。で、原告団の事務所の方で保管をしていただいて、まあよく活用をしていただきたいというふうに思うので、今日お持ちしました。よろしく」と語りました。一同高田弁護士の訃報に接し、さらにまた懐かしい人物の作品にビックリするやら、感慨を深くしました。
高坂氏は、「とりあえず、また納めさせてもらって事務所に持っていきますから」と再び梱包をしましたが、その前に、参加者が写真撮影をしました。切り絵の手法で、公害原告団の住民のリーダーとして活動した藤巻卓次氏をモデルとしており、市の強固な意志がひしひしと伝わってきます。孫娘のかたが「まちがいなくおじいちゃんだ」とつぶやいておられました。
■そうしているうちに東邦亜鉛安中製錬所の職員が来て、「そろそろお時間ですので2階の方にお願いします」と声を掛けて来たので、参加者一同、ぞろぞろと2階に移動しました。そして定刻の9時半から視察会がスタートしました。
会社司会:皆様おはようございます。
一同:おはようございます。
会社司会:事務部環境管理室を担当しております中島でございます。本日の工場視察会におきまして、会社側の司会を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。新型コロナウイルスの影響によりまして、昨年までの3年間、8月、9月、7月という、暑い時期での開催になってしまっていましたが、ようやく協定書で記載されています4月ということで、開催させていただくことが出来ました、ありがとうございます。新型コロナウイルスに関しましては、最近、感染者が減っているということですけれども、感染予防には十分注意して配慮しながら開催してまいります。マスクの着用、手の消毒など、いろいろと、こう、ご不便をおかけするとは思いますが、ご協力のほう、よろしくお願いをいたします。それではまず会社側の出席メンバー、こちらの紹介をさせていただきます。本社のメンバーにつきましては新型コロナウイルス感染予防対策といたしまして、WEBでの参加となります。モニターの方をご覧ください。まず最初に、常務執行役員総務本部長の大久保でございます。
総務本部長:本部の大久保でございます。お世話になります。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
会社司会:次に総務副本部長の高橋でございます。
総務副本部長:えー、高橋でございます。どうぞよろしくお願いします。
会社司会:続きまして、総務部長の橋田でございます。
総務部長:橋田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
会社司会:同じく、総務部顧問の安藤でございます。
顧問:安藤でございます。よろしくお願いします。
会社司会:次に、環境安全室の室長の石井でございます。
環境安全室長:石井でございます。どうぞよろしくお願いします。
会社司会:続きまして、安中製錬所のメンバーでございますが、所を代表します常務執行役員所長の森田でございます。
所長:森田でございます。今日は一日、どうぞよろしくお願いいたします。
会社司会:副所長の唐澤でございます。
副所長:唐澤です。どうぞよろしくお願いいたします。
会社司会:次に、製造部長の鈴木でございます。
製造部長:えー、鈴木です。本日はよろしくお願いします。
会社司会:それと事務部環境管理室を担当しています私、中島で、本日の工場視察会を対応させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。では、続きまして朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会副会長、大塚様、よろしくお願いいたします。
守る会副会長:みなさん、おはようございます。
一同:おはようございます。
副会長:春爛漫のこの良き日に、この32回工場視察会が開催されますことを、本当に嬉しく思います。また、お忙しい中、ご出席くださいまして、この視察会に参加下さった方々、また、皆さん、本当にありがとうございます。あの、会長不在で、副会長の私が、何の分からない私がご挨拶なんて、お話しするわけですけれども、皆さん、これからも協力し合って、このよき(地元を)・・・どんどん発展させるために、工場と、また緑の会を、守る会を、発展させていただきたいと思います。よろしくお願いします。(拍手)
会社司会:ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして、所長の森田よりご挨拶を申し上げます。
所長:おはようございます。
一同:おはようございます。
所長:所長の森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。新型コロナ感染症も4年目となりまして、令和5年が明けてから感染者も少なくなってきています。5月のゴールデンウィーク明けの13日にはですね、感染症法の分類で2類から、低い5類になるということでございまして、そういう報道もございます。安中緑の大地を守る会役員の皆様もですね、今年度の工場視察会の開催につきまして年明けからご相談をさせていただいてきました。まあ、そういう中でですね、足元の状況も鑑みながら、今回から、先ほどからご紹介がございました状況も鑑みてですね、本日4月8日の春の穏やかなこの時期にですね、工場視察会を行うということで、本日の運びとなりました。さて、昨年、22年は、ロシアのウクライナ侵攻で、世界の政治・経済、それらのバランスが大きく崩れまして、長引いた新型コロナウイルス感染症による景気減速感はさらに拍車がかかりまして、もうじき良くなると言った機運はさらに急下降というふうになっております。二極化した政治が広がる中でですね、我々、工場を運営する中で、エネルギーや資材の高騰が長引きまして、気候変動対策やCN(カーボンニュートラル)問題、SDGs(持続可能な開発目標)と、それらに加えて、最近では、経済安全保障といった国際社会の大きな変革もございまして、まあ、ご承知のとおり、10月からはですね、電気代の急騰ということになりまして、非常に不穏当な国際社会の影響で、まさに私たちの生活にも、安中製錬所にも暗い影が一層色濃くなっているという2022年でございます。まあ、長かったコロナ感染症も今年を区切りとしまして、危機的な物価高騰の事態も解消に向かい、ウクライナ侵攻の暴挙が止む時が早く訪れることを、ただただ願いまして、ここ数年間いろいろとご不自由をおかけしてまいりましたが、本日は地元の皆様方のご指導、ご鞭撻をいただけますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
会社司会:続きまして、本日の視察コースや日程につきまして、製造部長の鈴木より説明をさせていただきます。
製造部長:製造部の鈴木です。よろしくお願いします。えー、例年と同じく製錬所内の製造工程、並びに公害防止設備を中心にご案内をさせていただきます。昨年もご案内させていただきましたが、一昨年2021年の11月に焙焼硫酸工場、昨年2022年3月に第二電解工場の稼働を停止しております。その他操業は順調ですので、安定した事業を進めている状況をご視察いただけば幸いです。視察についてですが、お手元の資料で視察コースをご覧ください。えー、今年もマイクロバスを1台、ワゴン車2台を用意しました。健脚コースの第1班は視察場所ごとにバスから降りてのご案内となりますので、ヘルメットの着装をお願いします。案内は製造部の鈴木がご案内します。楽々コースの第2班はワゴン車からの視察となります。視察中はワゴン車の乗り降りはしませんので、乗り降りが辛くなられた方のご乗車をお勧めいたします。ヘルメットは不要です。案内は総務課、長岡が担当いたします。では、工場視察前の注意事項について、ご説明いたします。マスク着用は個人判断の方針ですが、多人数でのマイクロバス並びに視察になりますので、引き続きマスク着用でよろしくお願いします。場内での写真撮影はご遠慮願います。カメラ等は、場内には絶対に持ち込まないよう協力をお願いします。また、携帯電話につきましては、持ち込み可能ですが、撮影機能のご使用はご遠慮をお願いします。健脚コースの方はバスを降りて工場内を歩いていただきますが、安全確保を最優先に、昨晩も雨が降りましたので路面に雨が少し残っている箇所もございます。お足元にご注意いただくとともに、設備や製品には絶対に手を触れないようお願いいたします。あと、昨年の7月に対しまして、今回は例年どおり4月ということで気温は高くないですが、朝は寒暖差等がございますので、視察中にご気分が悪くなられたり、体調に異変を感じられたときは遠慮なく申し出て下さい。で、注意事項は以上となります。よろしくお願いいたします。
会社司会:環境管理室の中島でございます。昨年までですね、視察コースに公特事業で使用します客土の仮置き場、こちらが入っておりましたが、岩井地区の公特事業につきましては、完了しましたので、今回の視察コースに入れてありません。工事の完了しました岩井地区の公特事業に係る排土処理場の写真等を併せまして、客土仮置き場で使用した場所の写真をですね、いずれも2枚目、さきほど鈴木の方から説明をしました視察コースの裏面に添付をさせていただきました。こちらでご確認の方、お願いをいたします。新型コロナウイルスの影響によりまして、3年間記念撮影につきましては中止とさせていただいておりましたが、今年につきましては、記念撮影を行いたいと思います。えー、視察、この後出発していただくんですが、出発前に2階のそちらのテラスで、ですね、工場をバックに記念撮影をしたいと思います。すいませんが、ご移動の方をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。なおトイレに行きたいという方、事前に行っていただいて結構ですので、お願いします。それではご移動のほう、お願いをいたします。
■9時45分、製錬所内の事務棟の2階に整備されたテラスに出て、記念撮影が行われました。写真撮影の時だけ全員でマスクを外しました。
記念撮影後、事務棟の1階に降りて、玄関前の広場で、健脚コースと楽々コースに分かれてそれぞれ手配されたマイクロバスとセダンに参加者が乗り込みました。
9時53分、参加者に続いて、会社側担当者らがマイクロバスに乗り込み出発しました。全部で17人がマイクロバスとセダンに乗車しました。バスは製錬所の入口のゲートを通過し、構内に入りました。移動中のバスの車内では案内役の鈴木製造部長が説明を始めました。
製造部長:皆様、あらためておはようございます。(おはようございます)場内施設の方をご案内します第1班健脚コース、製造部鈴木です。よろしくお願いします。先ほど説明をしましたとおりなんですが、まず工場部の最上部に上がってもらいまして、下りながらですね、それぞれの説明となりますのでよろしくお願いします。当社は、主に亜鉛、鉛、銀、の地金、その他、電子部品、粉末冶金部品などの生産を行っています。ここ安中製錬所では、亜鉛の地金、亜鉛合金の地金、薄硫酸、粉末冶金による焼結部品などの生産を行っております。亜鉛の方は年間14万トン、月にですね、1万トンの生産能力を持ちまして、国内の約20パーセントのシェアのほうを持っております。生産した亜鉛の地金のほうなんですけれど、約60パーセントが自動車等に使用されます薄板鋼板メッキ用として、使われております。それではまず最初にですね、脱硫工程のほうに行きますので、よろしくお願いします。
■マイクロバスはエンジン音を一段と唸らせながら急坂を上り始めました。車窓には、交互に山の笹薮と錆びた建物のうしろに国道18号やその向こうに中宿の家並み風景が広がっていました。
午前10時ちょうど、TCAタワーの排ガス排煙脱硫工程の施設前に到着しました。バスから降りて、いつもの説明場所に集まりました。
製造部長:はい、こちらはですね、次ので説明しますけれども、次のロータリーキルンから発生する排ガスを処理する排煙脱硫工程となっております。ロータリーキルンで発生する排ガスの方は、ガスクーラー、バグフィルターと呼ばれる装置でですね、冷却後、粗酸化亜鉛ダストのほうを回収いたしまして、こちらの排煙脱硫工程へ送付されます。ダストの除塵後、排煙脱硫工程では含有、亜硫酸ガスである排ガス、これの処理といたしまして、右側の酸化亜鉛の吸収塔、苛性ソーダ、水酸化ナトリウムの吸収塔、後、水の吸収塔ですね。こちら三段で脱硫、水洗浄したガスを、こちらの4番の高さ37mの排気塔。ちょうど後ろに見えます水色の塔ですね。こちらの排気塔より大気放出されております。排ガスの硫黄酸化物の測定はですね、赤外線の分析計を水のTCA、あの後ろにある2段、ふたつベージュ色の塔が立っていますけれども、その隣のあの右側ですね、そちらの水のTCA塔の出口に設置しまして、硫黄酸化物の濃度測定を常時オンライン管理しております。また、煤塵の測定。こちらを2か月に一度、定期的に行っております。排煙脱硫工程は以上になります。
会社司会:よろしいですか。
製造部長:はい。
会社司会:そうしましたらバスに乗っていただいて移動します。
■参加者らはバスに乗り、旧坂を下り始めました。当会が、質問しました。
当会:鈴木部長!すいません、小川ですけど、一つ質問。
製造部直:はい。
当会:一番上の廃棄物処分場はまだからっぽなんですか?それとも何か入れましたか?
会社司会:私の方から回答させていただきます。未使用です。
当会:未使用ね、間違いないですね?
会社司会:はい。
■バスは元来た急坂を下っていきます。以前スラグ置き場だった場所を左に見て、そのまままっすぐ山に沿って西側に延びる枝道に入りました。老朽化した建物に覆われた通路を進みました。昔の焙焼炉がスクラップ状態でそのまま並んでいる場所ですが、ブルーシートで覆われて見えないようにしてありました。
10時8分、ロータリーキルンの前の広場に着くとバスは切り返しを何度が行って、方向転換をしました。下車すると大きなサイレンのような騒音が周囲に充満しました。
製造部長:はい、先程ご視察していただいたのは、ですね、排煙脱硫工程でしたが、このガスのもとはですね、手前にありますロータリーキルンから発生したものとなっております。このロータリーキルンに投入する原料は、一次鉱さいと言いますが、まあ亜鉛原料ですね、こちらの方を溶かしたときの溶け残りで、成分としては鉄になっております。こちらの一次鉱さいの方ですね、先にですね、ちょっとこの建屋の裏側になるんですけども、ドライヤーで水分の方を乾燥させます。次にですね、乾燥した一次鉱さいにコークスを混ぜまして、こちらのロータリーキルンの方へ投入します。こちらのロータリーキルン、(長さが)45mあるんですが炉の先端、ちょっと奥の方になりますが、そちらの方にバーナーが設置されておりまして、重油燃焼によりまして、温度を1300度ほどまで加熱しまして、一次鉱さい中の亜鉛を還元揮発させます。えー、揮発した亜鉛のほうは空気と接触することで、酸化物、粗酸化亜鉛となりまして、こちらのキルンの後ろにありますガスクーラー、皆様の後ろに有りますバグフィルター、こちらにて捕集されます。この酸化物は、粗酸化亜鉛と称しまして、亜鉛原料として再び回収されております。キルンの炉前側、奥側ですね。こちらからは鉄分が濃縮されたクリンカーと言われる塊状のものが発生します。クリンカーは冷却され粉砕された後、粒度を揃えて鉄源として出荷されております。えー、ガスクーラーは、排ガスの冷却の熱回収を行っておりまして、そこで回収される熱につきましては、ドライヤーやキルンのバーナー用の空気などとして再利用されております。キルンについては以上となります。それでは次の工程に行きますので、バスの方へお乗りください。
バグフィルターのある建物の温度表示を見ると、建物内は30度とありました。参加者から「さぞかし暑いよね。あつかっただろうね」との感想がつぶやかれました。
■10時15分、参加者を乗せたバスは、ロータリーキルンのある場所から、再び急坂に出ました。当会は再び質問しました。
当会:鈴木部長、またすいません。小川ですけど、また質問させてください。ドライヤーとロータリーキルンは、ともにバッチ式だと思うんですけれども、どういうふうな順序でやっていますか。勿論ドライヤーが先で、そのあとすぐ冷やさないうちに、ロータリーキルンにやって熱効率を考えてそうするのか。それともどこか一回保管してからやるのか。それとドライヤーの方も同じように重油燃焼で、最高温度も同じように1100度だったか、1300度でしたっけ、同じようにやっていらっしゃるんですか?
製造部長:まずですね、連続式ですね。ドライヤーのほうも重油焚きなんですが、ちょっと温度はキルンよりは低いです。で、ドライヤーの方ですが、一度ホッパーの方に入ります。ホッパーに入ったもので、コークスですか。それと一緒に混ぜてキルンの方に投入しますので、まあ、若干、熱は下がりますが、ある程度の熱は持ったままキルンの方へ送られます。
当会:そうでしょうね。では、ドライヤーに投入されるときにはコークスはいれなくて。
製造部長:入れていないですね、はい、そのまま。
当会:フィルタープレスで絞った水分がかなり高いやつを、そのまま中に入れるということですね。
製造部長:そうですね、ある程度水分は残っています。
当会:はい、分かりました。ありがとうございます。
■バスはさらに坂を下ります。まもなく下り終えると、第三電解工場の脇をとおり、K砕置き場(ヤード)に入りました。いつもは放水などあまりしている様子がないのに、きょうはこれ見よがしにあちこちで散水しています。マイクロバスはヤード入口を通過して、K砕ヤードの中央付近でエンジンをかけたまま停車しました。時刻は10時17分です。
次長:(どうすればよいのか、と迷っている風情のマイクロバスの運転手に向かって)はい。(ここでは)下りないです。
製造部長:すいません、こちらの方、防塵対策をやっていますので、ちょっと路面の方濡れていますので、社内で説明いたします。こちらのほうはですね、K砕出荷場と言われるところでございまして、先ほどのロータリーキルンから発生したクリンカーは、ベルトコンベアでこちらのK砕出荷場に送られます。面積としましては約1万2000㎡となっております。で、建設にかかる法的手続きをして、大気汚染防止法に関します粉塵発生施設の届出を行っています。またですね、出荷場に保管した時点では廃棄物には該当しておりませんが、出荷先によっては廃棄物として処理委託する場合もありまして、廃棄物保管場所の条件を満足させた出荷場となっております。具体的な施工内容といたしましては、地面には厚いコンクリート製の土間となっておりまして、周りは高さ4mのセメント製の壁に高さ2mの鉄製フェンスを設置して、粉塵が外部に、周辺に飛散されないように工夫されております。また土間は、先程ご説明しましたが、常時濡れた状態にするなどの、管理にも・・、するなど気を配っております。このK砕出荷場ですね、使用を開始したのは2016年の11月からとなっております。はい、以上となります。
■10時19分、マイクロバスはそそくさとK砕出荷場を後にして、隣にある第三電解工場に移動しました。そして電解工場の東側のスペースに停車しました。10時20分、参加者はバスを降りて、いつものように陰極板と陽極板が立てかけて展示してある場所に集まりました。
参加者:ちょっと質問いい?問題になったあの砂(注:鉛やヒ素を高濃度に含有した有害スラグのこと)だけど、今どこにもっていっているのかしら?
当会:ハッキリ分からないんです。(東邦亜鉛に)聞いても教えてくれないから。
参加者:そうなの?
当会:基本的には、産業廃棄物なんですけれども、ただ有価物という括りでどうもね、出荷している・・・だから群馬県は「あれは産廃だ」と言っているが、よくわからないです。聞いても教えてくれません。
参加者:どこか道路に使っちゃったらしいね。
東邦亜鉛側は参加者のやりとりを聞いてか知らずか、なにも口にしませんでした。まもなく、鈴木製造部長の説明が始まりました。
製造部長:えー、こちらはですね、第三電解工場となります。以前はですね、新電解工場という説明をしておりましたが、本年より名称を第三電解工場と変えております。ここでは、亜鉛の溶解液を電気分解して、金属の亜鉛を採取しております。亜鉛電解の仕組みにつきましては、浴槽の中に、こちらの真ん中のアルミニウムでできた陰極板と、右端の鉛入り銀合金で作られましたアノード板。こちらが交互に入っておりまして、その中に亜鉛を溶かしました硫酸亜鉛溶液が満たされております。ここに電流をかけることによりまして、アルミニウム板の、カソード板、こちらの方に溶けている亜鉛が電着してきます。約24時間、電流を流すことによりまして、こちらの左側ですね、にあります、亜鉛、カソード亜鉛がちょうど電着しております。で、こちらの、電着しましたカソード亜鉛、こちらを剥離して製品というふうにしております。それではですね、ちょっと中の方に移動してもらって、見学をしていただきます。
そして、一同、向かって右手にある階段から徒歩で進み始めました。
参加者:何ミリくらいの厚さなんですか?
製造部長:1から2㎜。大体重さで1枚で9キロくらいかな。2つで18キロくらい。
当会:これ気泡ですか?それとも外部においておいたためですか?
製造部長:水素とは、そういったものが発生しますので、この場合は、あまりいい電着とは言えませんね。
当会:このくらいだとね。その意味では24時間と48時間だったということは、基本的には総電流量というか、それできまるわけですか?
製造部長:そうですね、電流量で決まります。
当会:そうですよね。48時だというと、たとえば、昼間というか全体の操業の関係で、あるいは時間帯で色々と考えてやられているわけですね?
製造部長:そうです。前は夜間電力を使用していたりしていたので24時間や48時間ということもありましたが、まあ今は昼夜だけですので、この第3電解工場としては24時間となっています。では、工場の中に入っていきます。
■参加者は、金属製のステップを靴底でコンコンと鳴らしながら、通常の建物だと3階くらいに相当する階段を上って、電解工場の中に入りました。
製造部長:はい、こちらはですね、第3(電解)工場の中となっております。電解液のほうはですね、ちょっと見えづらいですが、奥の方が電槽となっております。そちらのほうにですね、先程のアノード、カソードのほう、こちらを入れた浴槽が約1系列72槽で、2系列ございまして、144槽ございます。ちょうど中央に電解液が入るパイプがございまして、そこから各電解槽に供給されまして・・・(その時ブーッとアラームが鳴りました)。すいません、センサーがついておりまして、近づくと鳴りますのでご注意ください。すいません。直流電流を流して電気分解させますと、陰極板ですね、カソード板に電着します。こちらですね、こちらカソードに電着しました亜鉛の方を剥離するところとなっております。クレーンで、ですね、カソードの方を持ってきまして、ちょうど後ろ側に剥離機と呼ばれるものがありますので、こちらの方でですね、電着したカソード板の方を剥離します。で、剥離し終わったカソード板は、また再び電槽に戻しまして、また、電流を掛けることで亜鉛を電着させるというようなことをしております。で、電解液の方はですね、亜鉛濃度が低下いたしますので、その低下した液は亜鉛尾液(びえき)と呼ばれておりまして、まあ再び溶解工程、亜鉛の溶解工程に戻しまして、原料を溶解する溶液として使用しております。はい、第3電解工場は以上となります。再び戻りまして次の工程へ行きますのでご移動の方お願いします。
当会:アノード板とカソード板の距離は研究している?少し進歩している?
製造部長:そうですね。第3電解を作るときにたぶん。
当会:究極にやっている?
製造部長:そこからはもう・・・
当会:もう無理でしょうかね?
製造部長:それほど(進歩はしていない)ね。
当会:それ(電極同士の離隔距離)が効率に一番影響するらしいから。
■10時30分、一同、階段を再び降りて待機していたマイクロバスに乗りました。バスは次の工程である鋳造工場に向かい、10時34分に着きました。
製造部長:ここは先ほどの電解工場で剥離しましたカソード亜鉛を溶かして、製品として鋳造している鋳造工場となっております。亜鉛製品は常時、120種類前後の品種を作り分けておりまして、少量生産のものも入れると、約200種類を超えまして、多種多様な亜鉛製品を製造しています。その製品の6割が、こちらにあります調合亜鉛と呼ばれているものとなっております。調合亜鉛は、高炉メーカーの方へ納入しまして、自動車部品などの薄板鋼板メッキに使用されております。調合亜鉛にはですね、他の金属を添加しない純亜鉛のものや、アルミニウムなどの金属を添加する亜鉛合金がございまして、カソード亜鉛をですね、低周波誘導溶解炉と呼ばれる炉で、ですね、約500度で溶解しまして、アルミ二ウムにつきましては重油バーナーの溶解炉、これでアルミ地金を溶解しまして、調合炉に必要な亜鉛、アルミ、その他金属を調合しまして、調合炉の方へ投入して合金を生産しております。ちょうど中段に見えます炉の方が調合炉となっております。調合炉の方はですね、3基備えておりまして、生産能力は1日あたり240トン程度となっております。調合炉では自動計装しまして、ユーザー各社規定の金型、あのう、黄色とかオレンジとかピンクとか、塗られている金型です。そちらの方に流し込んで冷却、凝固させたのちに、金属・・・金型底部から自動押上げ機によって抜き出して製品となっております。はい、では続きまして、電気亜鉛の鋳造工程のほうへ行きますので。まあちょっと歩いて、よろしくお願いします。
10時37分に歩き始めて、ふと見上げると、2008年の中道機械製造の天井クレーンが見えました。ちなみに同社は翌2009年に倒産しました。あたりには、相変わらずエア・タイタンパーの酷い騒音が響き渡っています。金型から鋳造物を取り出すためのタイタンパーの騒音が主です。
製造部長:製品の方は熱いので触らないようによろしくお願いします。
そして10時38分に、隣の電気亜鉛の鋳造工場に移動しました。
製造部長:はい、こちらはですね、電気亜鉛と呼ばれる製品を鋳造している工場となっております。電気亜鉛は、メッキや伸銅製品に使用されております純亜鉛の製造で、調合亜鉛同様に、カソード亜鉛、これを低周波誘導溶解炉、こちらも500度になります。これで溶解しまして、約20キロ、1枚20キロのインゴットケースが鋳造されております。で、こちらの方は連続鋳造機ということで各ケースに流し込んで凝固させます。で、連続する各ケースから抜き出されたスラブと呼ばれております電気亜鉛。こちらはですね、手前に見えますロボットで積み込まれて、結束されております。こちらの方は1枚20キロで、約一山50枚、約1トンで結束されて出荷されております。はい、こちらの方は電気亜鉛の工程となっております。それでは、次の工程に行きますので、バスの方にお乗りください。
バスに向かおうとすると参加者のおひとりから声を掛けられました。
参加者:この水蒸気(注:亜鉛溶解のヒューム)は問題ないんですかね?あれだけ出ているけど。
当会:問題ありますよ。だから環境集塵といって、いちこうスカスカですけども吸い込んで集めてバグフィルターで濾しとっていると言っていますけれどもね。風が吹いたら一部流れ出すかもしれませんね。
参加者:風が抜けちゃっているわけね?
当会:以前は仕切りがなかった。また、屋根や壁にも穴が空いていたときもある。その後はここを全部仕切ったんです。もう10年くらい前になりますが。
参加者:クレーンゲームを見ているみたいだね。皆、機械がやってしまうんだ。
会社司会:あのカーブミラーのところで止めて下さい。
10時45分、マイクロバスは浄水施設に到着しました。サンドフィルター脇の階段は緑色のペンキが塗られたばかりでした。
製造部長:ここは排水処理工程となっております。製錬工程の雑排水、こちらの集水池に集めておりまして、製錬工程内のですね、さまざまな溶液、尾液とかですね、こちらの方は繰り返して使用する為、工程外の方には出てきません。ただ、それ以外の雑排水、例えば床を洗った洗浄水、道路を洗った洗浄水、生活排水などはですね、こちらの集水池、こちらの集水池に集められています。えー、集水された排水につきましては、ポンプで揚水、上げまして流量を調整しまして、中和槽と呼ばれるところですね。そこでですね、苛性ソーダ、水酸化ナトリウムでpHをアルカリ性ですね、そちらの方に持っていきます。そうしますと排水中の金属イオンが水酸化物、そして固体として沈殿していきます。次に、その下のシックナー、固液分離設備ですね、こちらの方に流します。まあ、その中和液に凝集剤を入れて、添加して中の固体分、こちらを沈殿させながら、上澄み液と濃縮スラッジの方に分離して行きます。スラッジの方は、自動フィルター、ろ過機でろ過しまして、炉液の方は沈殿池に戻しまして、ろ過滓ですね、回収ケーキになりますが、こちらの方は再び亜鉛電解尾液等に溶かしまして亜鉛原料として戻します。シックナーの上澄み液の方は、もう少しまだ微細な固形分が残っておりますので、そちらの方をさらに除去するために、砂ろ過と呼ばれるものでろ過します。炉液の方は、さらに沈殿池を経由してpHを調整した後に、希硫酸でpHを約8パーセント前後、中性ですね、に、逆中和して、この液を、水をですね、延長放水路で(高崎市八幡町の)金ヶ崎まで導水されまして碓氷川の方に放流されております。この逆中和槽、逆中和処理ではpHの方を常時監視しておりまして、PHの異常がありました場合は、安全ダンパ-が作動しまして、放水路の方を止めまして、第2集水池の方に入るようになっております。その他ですね、亜鉛鋳造工程等、間接冷却水である工業用水等ですね、こちらの方につきましては水量等をチェックしたのち旧放水路から柳瀬川の方へ放流されております。はい、浄水工程、ここについては以上となっております。それはまた、戻りますので、またバスの方、ご乗車をお願いします。
当会:鈴木部長、最後におっしゃった柳瀬川に放流というのは、もういちどお願いします。どういうやつを金ヶ崎ではなくて柳瀬川に放流されていますか?
製造部長:えーと、上流の方で引っ張ってきた工業用水、冷却水は、それはそのまま工程に触れないので、そのまま。
当会:それ以外は柳瀬川に放流していませんよね?
製造部長:はい。
当会:だから混じることはないですよね?プロセスに。
製造部長:それはないです。
■10時51分、バスは参加者を乗せて浄水施設を出発し、事務棟に向かって走り始めました。
当会:すいません。これ中島さんにお聞きしたほうがよいかもしれません。亜鉛華がありますよね、粉末の亜鉛。これは出荷先は、タイヤのゴムの重合促進とかいうふうに、主に使うと思ったのですが、他になにかあるんですかね。ペイント類。私は船の専門なので、造船用鋼材では、ショットブラストをかけたあと、ジンクリッチペイントを吹き付けるんですけどね。その亜鉛を豊富に含んだ、まあ防錆塗料ですけれどもね、こちら向けには、例えばペイントメーカーには出していらっしゃるのですか?わからない?
会社司会:すいません。えーと、亜鉛華なんですけれども、以前はこの安中の工場で作っていたんですが。
当会:さっき、あったではないですか?
会社司会:いや、今、亜鉛華はもうだいぶ前に生産はやっていないんですよ。
当会:じゃあ、他社がやっているわけですね?
会社司会:はい。あの、小名浜ではやっていますよ。別の製品として。安中では今、亜鉛華の製造はやっていません。
当会:塗料向けにもあるんですか?それ、販売先として。
会社司会:亜鉛華で塗料向けというのはあまりないと思います。亜鉛末としてはあります。ただ弊社の亜鉛末はジンクリッチペイント用の亜鉛末とちょっと違うので。製造方法がちょっと違うんですよね。
当会:ああ、分かりました。ありがとうございます。
■10時54分、マイクロバスは事務棟前に到着し、参加者はそれぞれヘルメットを返却して、中に入りました。
参加者A:亜鉛華はさ、焼き物でよく使うんだけど。銅と反応させると色が出てくる。どういう理屈だかは分からないが、こんなようなカーキ色のような色を出す際に使う。
参加者B:亜鉛華は昔女性が使っていた。白粉(おしろい)ですよ。白いおしろいで。今はなんに使うのだろうか?
当会:たしかタイヤですよ。なお、白粉は酸化チタンが今使われているらしい。
どうやら当会として、亜鉛華(酸化亜鉛のパウダー)と亜鉛末(純亜鉛のパウダー)を混同していたようです。しかし、調合亜鉛のコーナーにはドラム缶に入った粉末状の亜鉛粉のようなものがあったので、これらは、多分この安中製錬所のプロセスで使っているようです。
■11時ちょうど、事務棟の2階にもどった参加者に会社側から声がかかりました。
会社司会:えー、ご視察の方、大変ご苦労様でした。予定ですと、視察のあと、意見情報交換に入る前に休憩となっておりますが、例年このままいつも休憩せずにやらさせていただいておりますので、今年もこのまま再開ということでお願いしたいというふうに思います。すいません、マスクにつきましてはご不便でしょうけど、引き続き着用の方、よろしくお願いしたいと思います。スケジュールの方を説明させていただきますと、本日視察会終了予定、11時45分というということで計画をさせていただいております。ご協力の方よろしくお願いをいたします。そうしましたら、意見情報交換会に移らせていただきます。意見情報交換会で、会社側の司会を担当させていただきます。引き続きやらせていただきます。よろしくお願いします。それでは令和4年度の経過、それと令和5年度の設備改善計画につきまして、所長の森田よりご報告をさせていただきます。
所長:それでは令和4年度の設備改善計画と令和5年度の改善計画について簡単にご説明させていただきます。ともあれ、製錬所内のご視察、大変お疲れ様でございました。早速でございますが、昨年度の大きな工事案件としましては、ひとつはですね、キルンの整備、あの長い筒のかたちのやつですね、あれの支点が3つございますが、その第3支点の受ローラーということで、この夏、大きな工事をさせてもらいました。2番目はですね、亜鉛の鉱石中に銀の鉱石も混ざっておりますので、それの回収量を増やすというための遠心分離機の増設をさせてもらっております。3番目には、これは公害防止関係の設備でございますが、昨年から、いや、一昨年からですね、第2集水池の補強工事に引き続きまして、昨年はですね、第3集水池。東側でございますが、その集水池の補強工事をやらせてもらいまして、まあ、挙げました工事すべて完工をしております。で、本年度2023年、令和5年度でございますが、大きな工事としましては、昨年もお話し、説明させてもらいましたキルンの、同じくシェルの、今度はですね、第1支点のローラーの製作と第2支点のローラーを交換するという工事を行います。あと、2つ目にはですね、亜鉛の電解工場がございますが、アノード・クリーナーという、正極、陰極、両方の・・陰極、陽極の両方がございますが、その陽極のですね、まあいわゆる正極ですね、クリーナーを増設するということでございます。3点目としましては、今年度はですね、今度は、第1集水池の西側の、集水池の補強工事を行う予定です。まあ、8年前から集水池の工事はずっと続けてまいりしまして、もうあといくつかというところまで来ております。まあご承知のとおり、一昨年前から焙焼炉と第2電解工場を、まあ役目を終えて縮小したということでございまして、安中製錬所では今、コンパクトな亜鉛工場ということで、以前のような生産量を縮小しながら、改良を続けております。まあ、公害防止設備につきましては、これからも計画的に更新し続けてまいりますので、地元の皆様のご理解をよろしくお願いしたいというふうに思います。引き続きまして懸案事項については、環境の中島より引き続き発言をしてもらいます。以上でございます。
会社司会:では、引き続きまして環境担当の中島、私の方から環境関連の懸案事項につきまして、令和4年度の主な経過等についてご報告を申し上げます。まず最初に公特事業の推進につきまして、ご報告をいたします。岩井畑地区の碓氷川流域農用地土壌汚染対策事業、こちらでございますけれども、令和4年度末、今年の3月ということになりますが、こちらで完了したということで群馬県農政部技術支援課より報告がございました。令和5年、今年ですね、3月29日に客土工事について県の完成検査が行われ、合格したという報告でございます。野殿地区の公特事業について、でございますが、昨年はですね、10月の3日付で碓氷川流域地区公害防除特別土地改良事業に係る事業実施予定地内土地申告書、あ、申請書、参加確認書の記入の提出について、という通知がございました。この通知につきまして10月27日に、北野殿の公会堂で開催されました説明会、こちらに参加をさせていただき、申請書・確認書の提出をさせていただきました。令和5年2月10日、こちらに土地改良事業を実施する区域内外の境界立会いが行われました。こちらには会社も参加をさせていただきました。場所につきましては安中製錬所の南東側、天王塚古墳の周辺ということでございました。以上が公特事業に関する実施状況の情報などの概要でございます。公特事業につきましては、今後も県や市ですね、こういったところと情報交換をしてきたいというふうに考えております。皆さんの方で情報がございましたら、お聞きしたいというふうに思います。続きまして、令和4年度産米のカドミウム濃度の調査結果についてご報告をさせていただきます。安中市で行った検査結果では、特に問題ないということでご報告をいただきました。また高崎市の検査結果でも異常なし、ということで報告を受けております。以上が、会社が把握しています令和4年度の情報などについて、でございます。細部につきましては、ご質問にお答えするかたちでご理解賜りたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。では、以降の進行につきましては、高坂先生にお願いしたいと思います。高坂先生、よろしくお願いをいたします。
守る会司会:皆さん、大変お疲れ様でした。今日の視察会で気付いたこと、或いは日ごろ疑問に思っていることやら、ご意見、その他なんでも結構ですから皆さんの方でご質問がありましたら、お願いしたいと思います。どうでしょうか?
当会:はい!
守る会司会:はい、どうぞ小川さん。
当会:小川でございます。
会社司会:すいません、小川さん、ちょっと、マイクをお使いください。
当会;でかい声だから大丈夫です。
会社司会:いやいや、ちょっとマイクをお使いください。
当会:いつもお世話になってます、地元在住の小川賢です。えーとですね、今いくつか、一杯話したいことがあるんですけれども、まあ限られた時間内なので、また詳細は昨年と同様直接、まあ会社側といろいろと相談とかね、報告とか、情報共有したいと思うんですけれども、えーと、まず先ほど公特事業、昨年7月12日に推進委員会の会長になれということでご推挙いただいて、半年余りになりますけれど、岩井地区は一応終わりました。終わりましたが、最後の畑地の件で、まあいろいろトラブルと言いますかね、予期せぬことが起きて、で、急遽私のところにもいろいろ情報が入ったのですけれども、えー、話すと長くなるんですけども、分かりやすく言うと、あそこの排土置き場、ここに、私が聞いている情報なので、間違っていたら工場側さん、東邦亜鉛さん当事者ですから間違っていたら指摘してくださいね。昨年の5月に群馬県の環境保全課、こちらが任意で、あそこの排土置き場の土壌環境基準についての調査をしろと、こういうことが命令ではなくて任意で御社に問合せがあったとか、要請があったと聞いています。で、その結果につきましては12月、最初12月だと思ったんですけど、色々二転三転して今年の1月になって御社から群馬県の方に、報告が上がったと。それの内容は(県は)全然開示してくれないんですけれども、どうやら環境基本法の土壌環境基準、26項目のうち・・・29項目だったかな、えーと、3項目について環境基準を超えているというデータが皆さんの方からデータとして、調査結果として群馬県に上がったという。で、これにもとづいて群馬県が、環境保全課がどういうわけか、同じ環境森林部の廃棄物・リサイクル課の不法投棄対策係、こちらの方に情報共有をして、で、土砂条例、群馬県の土砂条例というのが10年くらい前に設定されたようですけれども、関東で一番遅くね。で、それに抵触するので、そういうその土壌環境基準を超えた土砂は、一切移動はまかりならぬと。運んでもいけない、移動してもいけない、ということで、急遽最後の排客土工事をする予定だった圃場につきましては、天地返しという工法に急遽切り替えて実施して、何とか3月末に事業を完了したということ。先程中島室長から報告がありましたけれどもね。これ御社にいろいろお聞きしたいんですが、群馬県が教えてくれないからね。どれくらいのデータが出たのかということ。これまでは農用地の土壌汚染防止法でこの事業をやってきたのですけれども、新たな視点から、また検討を加えないといけないということになりかねないんですよ。なので、今、群馬県では工法の変更の検討について、今、スッタモンダしています。是非、ですね、どういうデータが出たのか、後で教えて下さい。群馬県に聞いても教えてくれません。不思議です。それが1点、お願いです。すいません、あと2つ、3つあるんですけれどね。それから水質について、毎年、群馬県は環境白書というかたちで、ですね、白書を出しています。その中の「第7節 特定地域の公害防止対策」、この中の第1項で「碓氷川・柳瀬川流域」という項目で、環境保全課が大気・土壌・水質について調査した結果を載っけていますね。で、大気につきましては、先程お配りしたように、例年、私が群馬県の情報開示請求(制度)に基づいて、それまでの、群馬県が毎月1回測っています。
工場周辺に4か所。(ダスト)ポットジャー。要するに降下煤塵。上から降ってくるチリを、直径25センチかな、ポッドに溜めて、それを業者に内容物を検査させているわけですね。えー、そこに書いてあるように、煤塵量、それから亜鉛、カドミウム、ヒ素ですね・・・あ、鉛ですね。この3つ。えーと、先ほど申し上げたその土壌環境基準を超えたという、その項目がそれに合致するのかどうかも分かりませんけれども、これ、黄色でちょっと多めのやつをマーキングしています。で、私、これざっと見てですね、ざっとですよ、気が付いたのが、煤塵量はまあ、あまり変わっていないですよね。亜鉛が少なくなっている。これは亜鉛の生産量が昨年から減っているということに関係しているのかなあ、という気持ちがします。しかし、その他のカドミウム、鉛。これはあまり劇的に減っていないんですよね。これ不思議です。ぜひ会社側でこういったことについて、当然、地元の住民の安心・安全な生活環境の保全という観点から分析していただいているかとは思うんですけれども。この改善策、まあ原因ですね、原因と改善につきましては、情報共有をしていただけると本当にありがたいと思っています。で、次に水質なんですけれども、この水質につきまして、群馬県の環境白書に各5年間の数値というかたちで、その平均値と言いますか、ざっくりこうまとめた数値が載っているんですけれども、私はこれを具体的に知りたくて情報開示請求をしました。ところが群馬県はですね、えー、東邦亜鉛さんの、その浄水施設の直下2箇所、これにつきましては群馬県が真っ黒けにしているんですよね。あの、10年間にわたりやったんですけれども、いずれも黒塗りなんですよ。黒塗り、こうに黒い横筋が入っていますけれども。なので「何とかしてくれ」と。東邦亜鉛さんは、「水質も環境基準はきちんとモニタリングして、対策も施して、環境基準を上回ることはない」とこういうふうにおっしゃっていました。で、環境白書にも概略ですけれども、載っています。確かにその下流のところに比べると水質、重金属は多いです。だけども「基準値を上回っていない」というんですね。「これおかしいんじゃないか」と群馬県に掛け合いましたが、出してくれません。じゃああのう、これ東邦亜鉛さん、当事者に第三者照会、つまり県民が開示を請求しているけれども、これ見せてやってもいいのかどうかと。「それをやりましたか」と聞いたら「いや、やっていない」と、こういうんですね。「いや是非やってくれ」と、「請求者が地元の小川賢だと、それも伝えていいから、やってくれ」とお願いすると同時に、東邦亜鉛さんに対して、1月23日に「第三者照会が群馬県からあるだろうから、きちんと黒塗りにせずに開示してやってくれ」と、「そういうふうに協力してくれ」とお願いしておきました。で、その結果、延ばしに延ばされて、つい先月の下旬ですね。えー、開示通知をするというので(県に)行ってきました。「前回と同じ」。ということは、東邦亜鉛さんがね、地元住民の開示請求に対して、第三者照会を直接お願いしたにもかかわらず、「悪いけど、出すと都合が悪いから、出さねえでくれ。そのまま黒塗りにしてくれ」と。こういうふうに答えられたのではないかなあ、という推察が、私としては十分に成り立つわけです。お願いです。県に対して、基準値を上回っていないんだから、生データ。これ、群馬県が測ったやつですよ。皆さんが測ったのではなくて、我々県民の払った公金、血税で測っているわけです。しかも、白書に書いてあるように環境基準を上回っていないということですから、これはぜひ、すぐに、来週月曜日でも環境保全課に言って「出してやってくれ」と。「第三者照会、前のあれは取り消すから」と。こういうふうにお願いします。強くお願いします。えーと最後に、先ほども説明がございましたけれども、これ、まあ、住民の私が、御社の経営について、とやかく言う立場ではありませんけれども、中島室長さんからも話しがありましたように、電気代が高騰していますよね。私もまあ、いろいろまだ半分、あの、現役でやっているんですけれども、いろいろな業界から「東邦亜鉛さん、電気代高騰で、まあ東邦亜鉛さんに限らずね、電解プロセスで商売している製錬会社、これ大変ではないか」と。「とくに東邦亜鉛さん、こんな内陸でやられているわけだから、鉱石の運搬だとかね、あと、まあスラグの処理にしても、まあ、いろいろコストがかかる。ひょっとして撤退するんじゃないの」と、こういう声もちらほら聞こえてきますが、これについて「いや、そんなことはないんだ。製品価格に転嫁して、サステナブルで、これからも事業を進めるんだ」と。まあその辺、本社の方の皆さんもオンラインで出ていますから、ぜひですね、我々に対して、「SDGs、サステナブルな事業でこれからもやっていくんだ」と。こういうことを、明確にお示しできるのであれば、そうしていただきたいし、いや実は噂ではなくて本当なんだ、というのであれば、まだプレスリリースされてないかもしれませんけれども、そういうつもりだというようなところも、もしできれば前倒しでお話しいただけると幸いです。以上です。
守る会司会:はい、それでは会社の方で、お答えしていただきたいと思いますけれども、まず、あのう、岩井地区での土染対策事業について、会社のほうとして、まあ小川さんのほうからはいろいろ質問がありましたが、会社の方としてはどういう事実を認識されているのか、ご説明をお願いします。
司会:それでは、私、中島の方からお話しさせていただきます。排土処理場の土壌調査につきましては、えー、群馬県の要請を受けまして、群馬県土砂等による埋立て等の規制に関する条例、これに準じた調査を行いました。この土壌調査の結果につきましては、群馬県に報告をさせていただいております。ただ、先ほど小川さんからもありましたように、群馬県からは情報が出ていないということですので、その結果の報告については、この場では控えさせていただきたい、というふうに思います。土壌の調査については以上でございます。
守る会司会:あのう、まあ、基準を上回る結果が出たということは、どうも確かなようなので、それは、あのう、せっかく皆さんがここにお集まりになってですね、多くのかたはやっぱりその対策事業にも関わっているし、これから野殿のほうにも関係いてくるわけですけれども、どういう結果が出て、どういうふうに処理されたということは、ちゃんと皆さんにお伝えしたほうがいいと思うんですね。何がなんだか分からないということでは、やっぱり信頼関係は生まれないので、問題があったことについては問題として捉え、それをどう対応していくかと、そこでまあ、会社の姿勢が問われるわけですので、それはちゃんと分かる限りはご説明していただきたいと思いますけど。
製錬所側:・・・・
守る会司会:本社の方からお答えいただいても結構ですよ。
当会:石井さん、お願い。
本社側:・・・・・。・・・・・・。
環境安全室長:はい、えーとそれでは、あのう、東京の環境安全の石井でございます。えーと、あのう・・・聞こえていますか?大丈夫ですか?
当会:ああ、よく聞こえますよ。
環境安全室長:はい、えーと、公特事業につきましては、皆様がた、ご存じのとおり、事業につきましては群馬県様、それから安中市様が、あるいは地元のかたのご要望ということで、進められているということでございます。で、当社といたしましては、事業に協力するために、先ほど冒頭ご紹介しましたけれども、排土置き場への、当社の土地の排土置き場への提供、それから客土の仮置き場の提供ということで協力させていただいております。で、あくまで事業につきましては、群馬県さんの方でやられているということでございます。で、先程ほど申しました、中島の方からご説明いたしましたとおり、分析その他につきましては、群馬県環境森林部の指示というか、それで行ったと、いうことでございます。で、それらの結果を受けまして、えー、群馬県の農政部さんのご説明によりますと、まあ、それらの対応につきまして、現在排土置き場につきましては、えー、皆様の、その地権者の方々の土地の排土を、取り除いた土を排土置き場に入れまして、で、その上に新たに飛散しないように約45センチ、50センチの覆土、新しいきれいな土を被せたと、いうふうに説明をいただいております。で、これらの対応によりまして、えー、土壌の飛散というのを防ぎまして、近隣の皆様に影響がないようにしていると。あと、ちょっとまあ、詳細については私よくわかりませんが、皆様の方が・・・地元の皆さまの方がよくご存じかと思いますが、その近隣には、飲用、あの、井戸に、あの、飲み水に使っている井戸はないというふうな、そういう結果ですので、法律上、こういったことで大丈夫であるという判断をもとに、群馬県の農政部様がそういう判断ということで施工されているというふうに聞き及んでおります。ということで、先ほど申し上げたけども、ちょっとまあ、答えになっていないかも存じませんけれども、あくまでも、群馬県様の農政部の主体で事業が行われているということで、環境とか、あの、そういう確認につきましては、今申し上げました、・・・これから・・・というような、そういったことで、影響がないということで、進めたのだというふうに聞き及んでおります。以上雑駁な説明ではございますが、東京からのご連絡でございます。
当会:オーマイガー。
守る会司会:あのう、まあ、具体的な環境基準を上回ったかどうか、そういうこともお尋ねしているわけで、その点は、まあ、上回ったのは、それは上回ったのでそれは事実なので、仕方がない話で、それに対して今後どうするかという問題になっていくと思いますので、その点は、会社は事実を把握していると思いますので、明らかにしていただけませんか?
環境安全室長:はい、あのう、そこにつきましては、ちょっと、あのう、群馬県さんに・・・この件につきましては、ちょっと会社の一存で、ちょっと申し上げられない点が、ちょっとございますので、えー、群馬県さんのほうで、ちょっとあのう、調整というか、確認が必要ですので、ちょっと申し訳ありませんが、この場ではちょっと申し上げられないということで、ちょっとお時間をいただければと思います。よろしくお願い・・・ご理解いただきたいと思います。
守る会司会:そのことは非常に重要な問題だと思っていますので、今日、まあ即答できないということであれば、きちんと対応をお考えになって、また事前協議なり、なんなりの席で、ご説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。
環境安全室長:はい、承りました。
守る会司会:それから、小川さんの方からご質問というか、要望のありました水質についてのデータ。それが、群馬県から具体的なポイントについて開示されないと。会社はご了解されれば開示されるはずだということについて、ですけれども、これについてご回答をお願いしたいと思います。
環境安全室長:ではあのう、東京から回答させていただきます。えーと、開示の請求につきまして、小川さんの方から請求されたということでございますけれども、内容につきまして、あのう、回答の可否につきましては、これはあくまでもご判断につきましては、申し訳ございませんけども、それは群馬県の環境森林部のご判断ということでございます。で、あくまでその決定につきまして、可否につきまして、当社が申し上げる議題ではないかと存じておりますけれども、それで、その可否につきまして、公開につきまして、当社がちょっとこの場で申し上げていいのかどうかというのは、ちょっと、申し訳ございませんけれども、なかなか回答は難しい議題だと考えております。ちょっと回答になっていないかもしれませんけれども、はい、以上でございます
当会:オーマイガー。
守る会司会:あのう、えーと、東邦亜鉛のほうでは、群馬県に対しては、この情報を開示することに異議はないというご回答をされたけれど、県が開示しなかったということでしょうか?
環境管理部長:えーと・・・回答・・・はい、申し訳ありませんけれども、あのう、回答のその、あのう、内容につきましては、今この場ではちょっと申し上げられません。あの、大変申し訳ございませんけれども、ちょっと申し上げられないということで、えー、ノーコメントというふうに回答させていただきます。申し訳ございません。
守る会司会:あのう、それを今ここで私たちが納得するという訳にもいきませんので、それも引き続きご検討お願いしたいと思います。
環境安全室長:はい、分かりました。承りました。はい。
守る会司会:それから第3点目、これは具体的な質問ということではありませんけども、東邦亜鉛がこの地で引き続き環境に留意しつつ、操業を続けられるのかどうかということについてですけれども、まあ、これについてもお答えいただければと思いますが。
会社側:・・・・はい、・・・・えーと、
当会:取締役、森田さん。
守る会司会:あのう、どなたでも結構ですけれども。
所長:では、今のご質問につきましてはですね、まあ、非常に厳しいというのはご承知の通りでございます。まあ、そうは言ってもですね、我々はあのう、この地からいろいろと、まあ、当社がこう築き上がってきたという事情もございますし、もう、そこのところは、ずっとこの地で頑張るというふうには変わりございませんし、もっと言いますと、この地でいろいろと働いていただいている人たちもおりますので、そういう意味合いでもですね、頑張っていきたいというふうに思います。まあそういうことで、お目通りさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
守る会司会:はい、ありがとうございました。えー、他にご質問、ございますでしょうか?
参加者一同:・・・・。
守る会司会:よろしいですか?それでは質疑はこれで終了ということにさせていただきます。ありがとうございました。
会社司会:高坂先生、ありがとうございました。そうしましたら、視察会終了に当たり、代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会事務局長、白石さん、よろしくお願いいたします。
事務局長:本日はご多忙中のなか、第32回工場視察会にご参加いただき誠にありがとうございます。「継続は力なり」と申しますけれども、32回、あのう視察会を開催してきて、その中でいろいろな意見の相違や立場の相違のなかでですね、議論をいただき、・・・生活環境の創生に向けて努力をしてきたことは評価されるべきだと思います。本日は、最後に、設営に尽力された東邦亜鉛の関係者の皆様に御礼を申し上げまして、最後のご挨拶とさせていただきます。今日はありがとうございました。
会社司会:どうもありがとうございました。それでは私ども会社の方からは、常務執行役員総務本部長の大久保よりご挨拶を申し上げます。
総務本部長:本社総務本部の大久保でございます。僭越ながらちょっとご挨拶させていただきます。本日は5月8日には新型コロナウイルス、また感染症の、今回5月8日には新型コロナウイルスの分類が2類から5類に引き下げになるようですけれども、ひとえに皆様におかれましては引き続き、参加人数のご協力や、マスクの着用等、指示を、ご不便、ご負担をおかけしました。そうした中で4年ぶりに4月に第32回安中工場視察会が開催でき、ご参加いただきましたことにつきまして御礼申し上げます。皆様のご協力によりまして、今回は無事に終了できました。重ねて御礼申し上げます。また弊社はですね、弊社安中製錬所、ならびにその従業員と家族が大変お世話になっており、誠にありがとうございます。本日、議題でも話題に上げられましたけれども、公特事業に関しましては、岩井畑地区につきまして、本年をもって完了したということを聞き及んでいます。長年の懸案であった課題の解決に向けた一歩と考えておりまして、誠に喜ばしい限りでございます。安中製錬所におきましては、設備のコンパクト化を鋭意推進しております。今後とも従業員一丸となって、安全、安定操業をモットーにさらなるコストダウンに努めますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。また先ほど小川さんからもご指摘がありましたけれども、足元の亜鉛事業を取り巻く環境につきましては、当社の生命線であります電気代は依然として高止まりしております。また、亜鉛相場は景気後退懸念を受けて、下落傾向にあるということで大変厳しい状況であります。かかる危急存亡の危機ながら、この励ましをいただき、まさに皆さまをはじめとする地元のかたがから、先程も当社の森田が申しましたように、共存共栄、今後とも共存共栄できるように、全従業員で知恵を絞り、歯を食いしばって日々精進してまいりますので、今後とも、ご支援ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。えー、最後に大変恐縮でございますが、ここにご列席の皆様とご家族の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
会社司会:それでは、以上を持ちまして、第32回工場視察会、終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
■こうして第32回安中製錬所の工場視察会が11時41分に終了しました。意見情報交換会での会社側の回答姿勢には参加者も目を丸くしていました。これでは今後、重金属で汚染された畑地の土壌改良事業の先行きは多難と言わざるを得ません。
しかも、行政による東邦亜鉛への特別な配慮というか、対応ぶりに呼応して、東邦亜鉛側もどっぷりと行政側に寄りかかっている様が明らかに見て取れます。引き続き、こうした理不尽なバリヤーを取り除き、速やかな汚染土壌の入れ替えを図り、安中公害の負の遺産の解消を目指してゆく決意をあらためて確かめた今回の工場視察会でした。
【市民オンブズマン群馬事務局・北野殿公害対策委員会事務局からの報告】
■4月29日任期満了の群馬県議会議員の選挙は、3月31日(金)告示で、4月8日(日)投開票にむけて、現在選挙戦は大詰めを迎えています。そうした中、当会は、東邦亜鉛安中製錬所を巡る公害防除特別土地改良事業(通称「公特事業」という)に関して、地元安中市区から出馬している3候補に問うため4月3日(月)に、以下の内容で公開質問状を提出していました。
*****4/3安中市区県議候補向け公開質問状*****
令和5年4月3日
群馬県県議会議員選挙候補者
ご芳名 様
〒379-0114安中市野殿980
北野殿公害対策委員会
委員長 小川 賢
携 帯:090-5302-8312
FAX:027-381-0364
E-mail:ogawakenpg@gmail.com
公 開 質 問 状
拝啓 当委員会は、安中市内で操業を続けている東邦亜鉛安中製錬所の影響に晒される地元住民の安全・安心な生活・営農・自然環境の保全と、同製錬所の監視及び対話を目的として活動している組織です。現在、地元の野殿地区では同製錬所周辺の土壌汚染畑地を対象として県営による公害防除特別土地改良事業(公特事業)が進められております。
さて現在、令和5年4月29日任期満了に伴う群馬県県議会議員選挙が、3月31日告示、4月9日投開票の日程で執行されております。選挙活動中のご多用のところ誠に恐縮ですが、以下の質問事項に関してご記入いただき4月7日(金)15時までに、FAX(027-381-0364)にてご回答くださいますようお願い申し上げます。
【Q1】同製錬所からは依然として通常の地域の数十倍もの量のカドミウム、鉛、亜鉛など重金属を含む降下ばいじんが周辺域に降り注いでいます。この事実をご存じでしょうか。
□知っている □知らない
【Q2】この状況を打開するためには、既に土壌汚染が進んでいる同製錬所周辺の畑地の土壌を健全化しなければなりません。しかし、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、昭和47年8月17日に定められた農用地土壌汚染対策計画は、昭和51年3月及び昭和53年6月に変更決定されたにもかかわらず、対策事業の実施にあたって、指定地周辺の要観察地域の畑等も含めて一体的な対策を図るべく、対策計画の変更及び土地改良事業計画に基づく公特事業について、いまだに検討・調整中の段階にあります。遅れを取り戻すための必須要件と思われるものを次の中からお選びください(複数選択可)
□国の熱意 □県の熱意 □市の熱意 □東邦亜鉛の熱意
□地元関係者の熱意 □事業内容の周知徹底 □わからない
□それ以外(具体的に: )
【Q3】当委員会は、3年後の令和8年4月までに、公特事業の着工の目途を確実化することが地元の抱える公害問題対策の大きな節目にひとつと考えております。そのため県議に当選された場合、当委員会のかかげる着工実現という目標に向けてどのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
□地元選出の県議として、3年後の着工をかならず実現させる。
□地元選出の県議として、3年後の着工に向けて最大限の努力を惜しまない。
□地元選出の県議として、3年後着工の期待に沿えるよう配慮する。
□地元選出の県議として、3年後着工に向けてできる範囲で対応する。
□地元選出の県議として、3年後の着工の実現にはこだわらない。
□地元選出の県議として、3年後の着工の実現はあきらめる。
□地元選出の県議として、なんともいえない。
【Q4】もう一つ重要なことは、現在も続く重金属を含む降下ばいじんの問題です。この状況を打開するためには、東邦亜鉛に対して、さらなる公害防止対策を課すなどして、降下ばいじん量の減少はもとより、降下ばいじん中の重金属濃度をゼロにすることが再汚染対策の観点からの不可欠です。さもないと、仮に公特事業が実施されてもいずれ土壌の再汚染を招くからです。そのためには、東邦亜鉛に対して、安中製錬所が実施している降下ばいじんのデータの開示と、原因究明・対策方針に関する説明を求める必要があると考えます。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
□地元選出の県議として、かならず開示と説明を求める。
□地元選出の県議として、必要性を検討したうえで判断する。
□地元選出の県議として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
□地元選出の県議として、なんともいえない。
【Q5】最後に東邦亜鉛安中製錬所(会社)が副産物として毎年大量に生み出している非鉄スラグの問題があります。これまで何十年にわたり莫大な量のスラグを日々排出してきていますが、その使用箇所について、会社は「行政に報告しているので、報告内容は行政に問い合わせてほしい」と言い続けています。当委員会では、会社が行政に報告している非鉄スラグの使用状況に関する情報を自ら開示するよう、会社に求めていますが、誠意がみられません。そこで群馬県に開示請求をしたところ、真っ黒に塗られた文書が開示されました。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
□地元選出の県議として、県と会社の双方に対して必ず開示を求める。
□地元選出の県議として、県に対して開示を求める。
□地元選出の県議として、会社に対して開示を求める。
□地元選出の県議として、必要性を検討したうえで判断する。
□地元選出の県議として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
□地元選出の県議として、なんともいえない。
ご協力ありがとうございました。なお、ご回答内容の結果は、ご回答の有無と併せて、SNSなどを通じて広く公表する予定です。予めご了承ください。
敬具
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■最初に、昨年11月7日に出馬表明した当時安中市議会副議長で新政会所属遠間大和(やまと)候補の選挙事務所を訪問しました。遠間候補の選挙事務所は中宿28-3にあり、両隣が小川精麦と関東新聞販売で、信越線沿いに安中駅と新島学園の中間あたりにあります。
事務所を訪れ、「選対長はいらっしゃいますか」とスタッフに声をかけたところ、「今、電話対応中なので少しお待ちください」と中に通されました。まもなく現れたのが上間仁田にある山一製作所の代表取締役の佐藤茂樹氏でした。
さっそく説明書を渡して、趣旨を説明しました。佐藤氏は「東邦亜鉛の問題はとっくに和解により解決していたと思っていた。実際にはまだだったとは知らなかった」とおっしゃり、候補者に伝えておくことを約束していただきました。退出する際は、事務所の入口までお見送り頂きました。
次に伊藤清事務所を訪ねることにしました。以前から原市の杉並木のところに事務所があったことを覚えていたので、訪問したところ、事務所の入口に選挙事務所は、安中磯部線沿いにある「やまとや」であることを告げる貼り紙がありました。躊躇していると中から女性の事務員が声をかけてきました。要件を告げると、「わかりました。候補にその旨伝えておきます」とのことで、質問書を手渡しました。
そのあと、「やまとや」の選挙事務所も訪問しました。昨年4月の市長選で岩井均候補(現市長)が借りていた場所です。中に入り、手指の消毒をしてから受付表に記帳すると、後援会長の池田泰弘氏が現れ挨拶をしました。「候補者の自宅付近に住んでいる縁で、後援会長を引き受けたが、重責に緊張している」と自己紹介していただいた後、当方からさっそく要件をお伝えし、「既に公開質問状を伊藤清事務所の方に提出済なので、よろしくお伝え下さい」とお願いしました。その後、選挙戦の様子をお聞きしたところ、「松井田地区は岩井市長が県議の頃、一緒だったので年配の世代には名前は浸透しているが、若い世代には浸透していないのが課題」とのことでした。現職とはいえ、岩井候補にくらべると得票数の絶対値は決して多くなかったことから、「どの候補が当選するかわからない」として、緊張感をもって選挙戦に臨んでいる様子がうかがえました。
最後に、粟野好映候補の事務所を訪れました。場所は市内の安中1066-3で、米山公園の北側の秋間川と九十九川の間に位置します。
「あわのよしあき事務所」と書かれた事務所の脇の駐車場に車を止めて事務所に入ると、事務局長の臼田誠氏と親族代表の川田隆司氏が現れたので挨拶をして、公開質問状を渡し、回答を依頼しました。「候補に伝えるが、連日の選挙遊説で候補は疲れており、できれば、選挙運動期間後に回答するようになるかもしれない」とのことでした。当方からは「お疲れのところ申し訳ありませんが、できれば7日の金曜日までにお願いできればと存じます」と再度要請しました。ちなみに、川田氏は長年ボルテックスセイグンで勤務され、現在安中市交通安全協会の会長だということです。
■結局、どの候補からも期限までに回答をいただけませんでした。その理由は定かではありませんが、3候補の選挙事務所には、東邦亜鉛安中製錬所と大書したエビラ、あるいは為書きがいずれも目立つところに貼ってあったことと、事務局関係者で「東邦亜鉛さんにも支援いただいている」とコメントする場面もあったことから、やはり、大企業からのサポートのほうを優先しているのかもしれません。
いずれにしても、投開票日まで、各候補の動向を注視してまいります。
【ひらく会情報部】
■毎年恒例の東邦亜鉛安中製錬所における工場視察会は、東邦亜鉛と安中緑の大地を守る会(旧・安中公害裁判原告団)との間で締結された協定書に基づき、例年4月の第2土曜日に開催していました。ところが、コロナの影響でここ2年ほど9月に開催されていましたが、今年は7月2日に開催されることが双方による協議会の場で決まり、連年になく早い梅雨明けの極暑の最中、開催されました。その模様をご報告いたします。
コロナ過のため、参加者は10数名に絞られましたが、午前8時半から安中製錬所の事務棟前の来客用駐車場に、次々に車で乗り付け、玄関で体温チェックと手指の消毒を済ませた後、名簿に住所氏名を記入し、2階の大会議室に集合しました。そして、午前9時に第31回工場視察会が始まりました。
【会社司会】みなさま、おはようございます。(場内:おはようございます)事務部環境管理室を担当しております中島でございます。本日の工場視察会におきまして、会社側の司会を担当させていただきますので、よろしくお願いいたします。例年4月に行われております工場視察会ですが、新型コロナウイルスの影響により、また今年も…今年もというのではないですけれども、この時期での開催ということになってしまいました。梅雨が早々にあがってしまって、非常に暑い日が続いております。本日も、もう気温がだいぶ高いですけども、これからさらに気温が高くなる、というふうに予想されますので、熱中症については十分注意をしていただきたい、というふうに思います。新型コロナウイルスに関しましては、最近感染者数が少しずつ減っている、という傾向にはなっていますが、感染予防には十分配慮しながら開催してまいります。ソーシャル・ディスタンスのために人数制限をさせていただいたり、マスクの着用、手の消毒、まあ、色々とご協力をいただきましてご不便をおかけします。本日の工場視察会は、時間短縮のため、終了を11時で予定させていただいております。ご協力をよろしくお願いいたします。それでは、まず、会社側の出席メンバーの紹介をさせていただきます。本社のメンバーにつきましては、新型コロナウイルス感染予防対策としてWEBでの参加となります。モニターをご覧下さい。まず最初に、総務本部長の大久保常務執行役員でございます。
【本社側】・・・・あっ・・・(声がでない)
【会社司会】すいません。本社のほうのマイクが入っていない。石井室長、聞こえますか?
【環安室長】はい、今ようやく。すいません。
【会社司会】すいません。そうしましたらもう一度、本社のメンバーの紹介をさせていただきます。まず最初に、総務本部長の大久保(浩)常務執行役員でございます。
【総務本部長】本社総務本部の大久保でございます。本日はよろしくお願いします。
【会社司会】同じく、総務本部の高橋(宏)副本部長でございます。
【副本長】高橋でございます。よろしくお願いいたします。
【会社司会】同じく総務本部(総務兼秘書室長)の橋田(幸弘)部長でございます。
【総務部長】橋田でございます。よろしくお願いしま~す。
【会社司会】同じく総務本部の安藤顧問でございます。
【総務顧問】安藤でございます。よろしくお願いします。
【会社司会】次に、環境安全室の石井(光)室長でございます。
【環安室長】石井でございます。本日はこのメンバーでどうぞよろしくお願いいたします。
【会社司会】続きまして、安中製錬所のメンバーでございますが、所を代表します森田常務執行役員所長でございます。
【所長】森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。
【会社司会】副所長の原澤でございます。
【副所長】おはようございます。原澤でございます。よろしくお願いいたします。
【会社司会】次に製造部、鈴木部長でございます。
【製造部長】製造部鈴木です。よろしくお願いします。
【会社司会】それと、事務部環境管理室を担当しています私、中島です。本日このメンバーで工場視察会の対応をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。では、続きまして、朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長、藤巻岩男様。よろしくお願いします。
【藤巻会長】おはようございます。
【会社司会】会長、マイクをお願いします。はい、マイク。
【藤巻会長】ごめんなさい。おはようございます。(場内:おはようございます)まあ、今年はね、梅雨があるようなないような、で終わってしまって、真夏に入ってしまうということで、連日の暑さでございますね。まあお互いに、暑気に当たらないように、とは言ってもね、この外へ出てしまうと、これというあれがありませんけれどもね。水を補給したり、太陽を少しでも避けるようにして、今日一日を過ごしていきたいと思います。それにコロナですけれどもね、減ってきたという先ほどの挨拶の中にありましたけれども、ここ幾日か、東京をはじめ、群馬もそうですけれども、又増え始めているんですね。どうも、このまま収まる気配ではないというような状況で、この点についても、大変心配されているところでございますけれどもね。これが一日も、できる限りの対策を立てて生活をしていかなければならないかなとは思っておりますね。本日は今日、暑い中での実施というものになりました。会社の方も大変だと思いますけれど、まあ、暑さの、うまくいけば時間を短くできるところは時間を短くする。もちろん必要な説明はしていただかなければなりませんけれども。そういうことで本日無事に視察会が終了できますよう祈念しております。よろしくお願いします。
【会社司会】ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして、所長の森田よりご挨拶を申し上げます。
【所長】皆さんおはようございます。(場内:おはようございます)所長の森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。3年が経過するんですね、新型コロナ感染症。まあ昨年はですね、そのような。今年ですね、5月、ゴールデンウィーク明けから徐々に、まあ感染症が減少してきているという、まあ当時はそういう状況の中でですね、安中緑の大地を守る会役員様とですね、今年度の工場視察開催に年明けから相談させていただきました。まだ、完全にという、感染症撲滅とはならない状況ということを判断しまして、ご不自由をかけますが、ここ2年間開催と同じようにですね、弊社コロナ対策ルールに沿った形で、また、今週は早々にですね、梅雨明けになりまして、連日の極暑のなかでございますが、本日、工場視察会を行わせていただく運びとなりました。昨年をちょっと振り返りますと、昨年、21年のですね、東京オリンピックなりパラリンピックがございまして、ですね、8月・9月をピークに、まあ、祭りの後の静けさと申しますか、新型コロナウイルスの感染者数が10月以降ぐっと急激な減少となりまして、数も規模も急降下という話でございました。そういうような中で、社会を取り巻くといいますか、気候変動対策とか、CO問題、また、よくテレビでもお耳にしているかと思いますSDG等の国際的な社会の大きな変革が伴ってですね、とりわけ我々製造業につきましては、エネルギーや資材の高騰が拍車となりまして、非常に不穏当な国際社会に陥った、昨年、とりわけ下期ではなかったかと思います。そういうような中で11月8日に、ですね、54年間稼働してまいりました安中製錬所の焙焼炉を停止致しました。また、第2電解もですね、21年度をもちまして停止と、いうかたちで、安中製錬所は一部生産設備の停止、統括に伴いまして、亜鉛事業再構築に向かって舵を切りまして、現在もその状況の中で展開中でございます。併せて、非鉄スラグ関係に関しましても、粛々と必要な対応を積み重ねてまいりまして、逐次、県行政にですね、報告をしておる状況でございます。まあ、オミクロン株のコロナ感染も減少傾向で、目下、申し上げたように、先ほど藤巻会長もおっしゃられたように、ここにきてちょっとまた増えてきているところで、まあ、いろいろ状況が日に日に変わっているところでございますが、まあ、極暑の工場視察会となりまして、いろいろとご不自由をおかけしますが、地元の皆さまのご指導とご鞭撻をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶に替えさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
【会社司会】続きまして、本日の視察コースや日程につきまして、製造部長の鈴木より説明をさせていただきます。
【製造部長】それでは工場視察につきまして、ご説明させていただきます。製造部鈴木です。よろしくお願いします。去年と同じくですね、製錬所内の製造工程並びに公害防止設備を中心にご案内させていただきます。昨年11月に焙焼、硫酸工場、今年の3月に第2電解工場の稼働を停止しております。その他操業は順調でしたので、安定した事業を進めている状況をご視察いただければ幸いと思います。昨年と同様、新型コロナ対策でマスクをしておりますので、私の声が聴きづらいかもしれませんが、ご了承をお願いします。また、昨年の視察会が9月…に対しまして今回は7月で、例年になく気温が高い状況になっております。もう外の気温も30度くらいになっております。また、マスクもしておりますので、熱中症には特に注意していただければ幸いです。また、視察中にご気分が悪くなられたり、体調に異変を感じられた方は遠慮なく申し出て下さい。視察についてですが、お手元の資料の視察コースのページのほうをご覧ください。今年も、ですね、マイクロバスを1台、ワゴン車2台を用意しました。第1班、健脚コースのほうにつきましては視察場所により、バスから降りてのご案内となりますので、ヘルメットの着装をお願いします。案内は、私、製造部鈴木がご案内いたします。第2班、楽々コースにつきましては、ワゴン車からの視察となります。視察中ワゴン車の乗り降りは致しませんので、外も暑いですので、ちょっと外に行くのは不安がある方につきましては、そちらの方の乗車をお勧めいたします。ヘルメットはご不要です。で、案内につきましては、総務課の長岡のほうが担当いたします。今回のコースでも前年同様、公特事業についてのご視察を追加してあります。この点につきましては、このあと中島のほうからご説明いたします。では、工場視察会の注意事項についてご説明いたします。まずですね、場内での写真撮影のほうはご遠慮いただきたいです。今回も場内での持ち込みは…、場内に持ち込まないようにご協力をお願いします。また、携帯電話につきましては持ち込み可能ですが、撮影機能のほう、こちらのほうは使用をご遠慮お願いします。また、健脚コースの方につきましてはバスを降りて工場内を歩いていただきますが、安全確保を最優先に足元にご注意いただくとともに、稼働している施設並びに製品につきましては、絶対に手を触れないよう、お願いいたします。では、これから視察に入りますので事務所前へ移動をよろしくお願いいたします。
まあ、草が茂っているので、今の写真よりもこちらのほうが、わかりがいいかなと思いこの写真を使いました。まあ、こんな状況になっているということでございます。それでは、視察の方に移らさせていただくんですが、例年ですと、この視察の前にですね、記念撮影というものをしております。ただ、ここ数年続けておりますように、三密を避けるために、記念撮影のほうは中止とさせていただきます。トイレ等を済ませていただきまして、玄関先の方へご移動をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
■9時15分に玄関先でマイクロバスに乗車しました。まもなく出発し製錬所内に入りました。
【製造部長】皆様、あらためておはようございます。(車内:おはようございます)場内視察のほう、ですね、ご案内いたします製造部の鈴木です。よろしくお願いします。先ほど、説明したとおりですが、まず、工場の方ですね。最上部に上がってから下りながら順次視察していきますので、よろしくお願いします。当社は、主に、亜鉛、鉛、銀のほう、地金の方ですね。こちらの方を生産しております。まあ、その他のほうですかね。だいたい6つの事業から成っておりまして、亜鉛、鉛、銀の地金生産のほかにはですね、主だって電子部品の材料なりですね、粉末冶金の方の部材の方の生産を行っております。弊所、安中製錬所におきましては、亜鉛地金、あと、亜鉛合金の地金、硫酸、粉末冶金による焼結部品などですね。こちらのほうの生産を行っております。亜鉛はですね、年間14万トン、大体月に1万トンですね。こちらのほうの生産能力を持ちまして国内のほうの約20パーセント強ですね、こちらのほうの亜鉛の生産を行っております。生産した亜鉛の方ですけれども、こちらのほうはですね、約60パーセントがですね、自動車などに使用されております薄板の鋼板メッキ、こちら用に亜鉛が使用されております。
■5分ほどでTCAのわきに到着しました。マイクロバスから下りて、視察です。ブロアの甲高い音が立ち込めています。旧FBWS排気塔やTCAなどと描いてある説明板の前で、健脚コース参加者の皆さんが会社側の説明を受けました。
【製造部長】こちらのほうですね。鉱さい処理のロータリーキルンの排煙の脱硫工程のほうの処理装置となっております。ロータリーキルンの方で発生する排ガスの方をこちらの方に引いております。排ガスにつきましては、ガスクーラーで冷却して、バグフィルター…すいません、ちょっと暑いので日陰の方でお集まりいただければ…。すいません、排ガスのほうですね、ガスクーラーの方で冷却してバグフィルターで除塵した後、粗酸化亜鉛ダストとして回収しております。その回収した排ガス…ダストを回収した排ガスですね、こちらの脱硫工程の方に送られてきます。排ガスの方につきましては亜硫酸ガス、こちらの方が含まれておりますので、これを脱硫するのに、こちらの右手の方にあります亜鉛華のTCA。で、こちらの左手の方に見えます苛性ソーダのTCAで脱硫しまして、あと残りが水TCAと呼ばれている、こちらのほうで水洗浄をしております。そして、地上高37mあるんですが、こちらの方から排気しております。排ガスの方ですね、硫黄酸化物測定に関しましては、こちらにあります水TCAと呼ばれる塔の出口の方に設置して、硫黄酸化物の連続測定、こちらの方を常時行って監視しています。で、あとですね、排ガスの煤塵等の測定につきましては、2か月に1偏、測定しまして、定期的に排ガスの煤塵の管理を行っております。それでは次の行程のほうに参りたいと思います。
■マイクロバスに乗り、坂を下り始めました。車内での会話が聞こえてきます。「いやあ、暑い暑い」「すいませんね。最近年を取って太ってきちゃってどうしようもないやね」
【会社司会】じゃあ、次お願いします。
【当会】鈴木部長、質問いいでしょうか?
【製造部長】なんでしょうか?
【当会】あの排気塔からの2か月に一遍、煤塵の測定をされるとおっしゃっていました。どういう測定をされていますか?何の測定をされていますか?どういう方法?時間がかかるなら後でもいいですよ。
【会社司会】方法?やっている項目は煤塵…。
【当会】だから、煤塵の、ただの量なのかね?
【会社司会】えーと、カドミウム、鉛、亜鉛、あと、硫黄酸化物・・・窒素はやっていないんだな。
【当会】窒素酸化物はやっていない?
【会社司会】それくらいです。はい。
【当会】それは連続的に?
【会社司会】連続的ではなく、2か月に一遍のスポットです。
【当会】サンプリングで?
【会社司会】業者さんにお願いしています。
【当会】だからそのサンプリングでやっているのか。どういう方法なのか?
【会社司会】えーと、あれです。通常の吸引法です。吸引して。
【当会】ガスクロとか何か、使っているの?
【会社司会】分析自体?要は、ろ紙に捕集しているんです。それを業者さんが持ち帰って化学分析をしているということです。
【当会】はい。そのデータは内部だけね?公表しないんだよね。
【会社司会】どこにもお出ししていません。
【当会】企業機密だからね?
【会社司会】はい。
【当会】それでは困るんですよ。まあ、後で質問するけど。
■やがてマイクロバスは中腹のカーブ地点を直進して、ロータリーキルンへの横道に入っていきました。まもなく建物に覆われた狭い道路を進みました。左右の建物の内部が見えないようにしっかりとブルーシートが両側に張られていました。車内で会話が飛び交います。「ここは日陰だ」「全然暑さが違いますね」「今回はブルーシートで完璧に覆っていますね」「もう焙焼炉止めたんだから全部スクラップにしたほうがよろしいんではないでしょうか」「今、屑鉄が高いからね」
■マイクロバスはロータリーキルンの前の空き地に着き、向きを変えるために切り返しを繰り返しました。3回ほど切り返して元来た方向に向きを変えました。そして参加者はバスを下車しました。日陰に参加者は集まったので、会社側が説明板を見やすい場所に移動しました。例年になく、軋み音があたりに響き渡り、騒音レベルが一層大きい感じがします。
【製造部長】さきほど、見て頂いた排煙脱硫工程ですが、そちらの方に送る排ガスを発生させるのがこちらのロータリーキルン(RC)です。左側ですね。このRCのほうに投入する原料につきましては一次鉱さいと言いますが、先に、ここから見えないですけれども、このドライヤーで事前乾燥されます。次に乾燥した一次鉱さいにコークスを混ぜまして、左手に見えるRCのほうにコークスと一緒に入れます。炉の先端の方にバーナーが併設されておりまして、重油燃焼によりまして、約1300度くらいまで加熱させまして、一次鉱さいと言うものを、亜鉛、こちらが揮発します。で、揮発した亜鉛につきましては、空気と接触することによって酸化物となります。ちょっと左手の方にガスクーラーと書いてありますが、そちらのガスクーラーや後ろの方にありますバグフィルター、こちらのほうで捕集されております。その酸化物を粗酸化亜鉛と称しまして亜鉛原料として回収しております。RCの炉前側から鉄分が主体のクリンカーと呼ばれるものが排出します。こちらのクリンカーにつきましては冷却されて、粒度を揃えて、出荷されます。ガスクーラーは排ガスの冷却や熱回収を行って、その熱はバーナーなどの二次空気に再利用されています。以上がRCの説明になります。では次の行程に移ります。よろしくお願いします。
【当会】バグフィルターはどこ?
【製造部長】ここです。
【当会】ああ、ここか。
【参加者】このなかに人がいるのかね。無理だよ。こんな熱くては。さっき警報が鳴っていたよ。
バグフィルター室の間ドアから中を見ると、バグフィルターは8本見えました。その途端にサイレンの大きな音があたりに響き渡りました。暑さと双方に耐えかねて、参加者はさっそくマイクロバスに避難しました。引き続き車内でも会話が続きます。「炉の中にも人がいるんですか?」「はい?」「あの中にも」「えーとですね、普段はいません」「サイレンみたいなのが鳴っているのでびっくりしました」「熱中症対策をして、温度計を持って点検に入ります」「あれでは温度計見るだけでおかしくなっているんじゃないの」「点検には入りますが、ずっといたら参ってしまいますね」「そうだいね」
【当会】ガスクーラーでガスの温度は何度くらいまで下げるのですか?400度くらい?バグフィルターの耐熱郷土によりますよね?
【製造部長】そうですね、あの手前で大体200度前後までいきます。
【当会】はい。バグフィルターに穴が開いたときは、例の光電管方式で検知しているのですか?
【製造部長】・・・
【当会】それとも全然(検知)していない?
【会社司会】いえ、バグフィルターで漏れてもTCAにガスが行くので。
【当会】いや、そうなるとTCAの負荷が上がるから、全く野放図なのか?じゃあ、(検知を)やっていないわけなんですね?
【会社司会】(バグフィルターの)点検は、もちろん定期的には、やっています。チェックできるようになっています。
【当会】定期点検だけね。光電管とか、そういうセンサーは付いてるの?
【会社司会】光電管のセンサーはないです。
【当会】つまり、目視ね?
【会社司会】そうです
【当会】じゃあ、(バグフィルターが破れた場合、漏れた重金属を含んだ粉塵は、次の脱硫工程に運ばれるので)負荷がかかる場合があるわけだ。と言うことは、(主)排ガス塔での重金属の排出の程度、傾向というのは、非常に重要なデータですね。それを公表しないというのは非常に問題ですね。まあ後で質疑応答でお願いします。
【会社司会】・・・
■参加者を乗せたマイクロバスは再び坂道に出て、左手に曲がり坂を下りていきます。右側にスラグを運搬するコンベアを支える支柱の列が見えます。やがて新電解工場のわきを通り、スラグ置き場に入りました。中でぐるっと回りました。そして中央で止まりました。外に降りずに車中から窓越しに見ながらの説明です。
【参加者】わーすごいな。すぐ(水が)染み込むんだね。
【製造部長】ここがですね、K砕の出荷場となっております。先ほどのRCから発生したクリンカーですね。ベルトコンベアでこちらのK砕出荷場のほうに送られてきます。こちらのほうの面積、大体約1万6000㎡となっております。こちらのほうですね、大気汚染防止法に沿いました粉塵発生施設の届出を出してから、建設をしております。施工内容ですが、こちらは地面のほうに厚いコンクリート製の土間を敷きまして、周囲に、周りの方は高さ4mくらいのコンクリの壁。それに高さ2mの、北側ですけど、フェンスですね。こちらを設置しまして、粉塵や音が外部に漏れないように工夫をしております。また、土間の方、常時散水しまして、濡れた状態にすることによりまして、粉塵の発生性を抑えるようになっています。そういった配慮をしております。はい、こちらは以上になります。
次は調合亜鉛のほうに向かいました。車内で質問が出ました。
【当会】これ今、「出荷されている」とおっしゃいましたが、出荷されているんですか?今も?
【会社司会】はい、ここから出しております。
【当会】有価物として?
【会社司会】今は有価物として出ているものはありません。基本は全部サンパイです。
【当会】基本はそうだけど、そこの磁選機でより分けていたではないですか?
【会社司会】はい。
【当会】あれも(サンパイ)?要するに鉄分を多く含んでいるわけで。
【会社司会】まあ、受け入れ先で、鉄が高い、低いの、ご要望がありますので、それに従って磁選機で分けている。
【当会】それに応じてね?
【会社司会】はい。
【当会】それから粒度がずいぶん細かく一律になっていますけれども。いつからそういうふうにされました?
【会社司会】それはもう最初から、というか、前から、以前からです。
【当会】でも不適切に使用されたときには、かなりの粒度の差異があったようですが?
【会社司会】いやいや同じです。工程は一緒なので変わっていないです。
【当会】ははーん。
どうも会社側の説明に違和感があります。クリンカーの頭文字をとって「K砕」などとわざわざ有価物っぽく名付けられた非鉄スラグは鉱さい、つまり産業廃棄物として全量処理されているとしながら、東邦亜鉛は、引き続き磁選機を使って、細かく破砕された鉱さいの粒から、鉄分を多く含むものを選別して、しかも、鉄分の多少に分けて、分別しているのです。おそらく、排出される非鉄スラグのうち、かなりの量を引き続き、どこかに出荷している疑惑を感じさせます。
■バスは最新の電解工場を左手に見て調合合金の工程に向かいました。ここにある環境空気のバグフィルターのセンサーを見ると相変わらず光電管方式のままです。バスから降りて調合合金エリアに集まりました。ここはとりわけ騒音が酷い場所です。
【製造部長】はい、こちらのほうが亜鉛のインゴットを製造過程になります。こちら亜鉛メッキの原料になります。こちらの方の金型トレイは約200種類くらいございまして多種多様な製品を作っています。6割くらいが、調合亜鉛です。調合亜鉛の方は高炉メーカーの方に納入しまして、自動車ボディ用などの、薄板鋼板メッキ、こちらに使用されております。調合亜鉛には、他の金属を添加しない純亜鉛やアルミなどの金属を添加する亜鉛合金がありまして、カソード亜鉛、こちらのほうを高周波誘導溶解炉で、500度で溶解して、アルミ等の地金は重油バーナー溶解炉で溶解します。調合炉、それぞれ必要な亜鉛、アルミ、その他金属を流しまして合金として生産しております。こちらの方は3基調合炉を備えておりまして、生産量は1日240トンですね。調合炉の方は、自動傾倒しましてユーザー各社指定の金型、これに流し込んで冷却、凝固させた後、金型から取り出して製品となっております。では次に参ります。
参加者はぞろぞろと、隣りのコーナーに移動しました。
【製造部長】こちらのほうが、電気亜鉛を鋳造している工場になっております。電気亜鉛の方につきましては、メッキ、あと、精密鋳造に使用されている純亜鉛の製造になっています、調合亜鉛同様に、カソード亜鉛を低周波誘導溶解炉で、500度で溶解します。で、今、手前にあります1枚20キロのインゴット・ケースが整列する連続鋳造機のほうに、それぞれ流し込んで凝固させて金型から抜きます。金型から抜いたスラブにつきましては、ロボットとで積み上げて結束されて製品として出荷されます。スラブは1枚20キロ。約50枚積まれて一山1トン。そして出荷されております。はい、こちらが電気亜鉛です。では、バスの方にお願いします。
とにかくここも騒音が酷いエリアです。感想としては、例年より、製品の量が明らかに少ないことを感じました。やはり生産量が少ないことをうかがわせます。
■参加者一同は、バスに乗りました。車内では会話が続きます。「昔のように火が見えなくってよくなったよね。昔は赤いのが見えて、従業員の服がみんな焦げているんだよね。いやだなあと思って、みんな孔があいているの。すごいんだよね」「今は、だいぶこう、なんというのでしょう、手作業ではなく機械の時代に変わっているからね」「赤いドロドロしたものをしゃもじみたいなもので汲みだしている感じで、怖かった」「ちょっと見るとね。今帰りという(作業員の)服を見ると、みんな孔があいていて、その孔がすごいんだよね。ひとつやふたつではないんだもの」「今は、そういう(火に)近づくことさえ、機会が減っているので。安全にはなっています」「近所の人がすごいやけどをしていたいね。もう亡くなっちゃったけど、やけどが原因ではないけどね。でも足とかすごく治るのに時間がかかっていたのを覚えている」
■マイクロバスは、構内を進むとまもなく、排水処理施設に着きました。参加者はバスから降りると、階段を上って行きました。ちょうど構内放送があり「換気の時間になりました。窓を開けて換気をお願いします」というアナウンスが放送されました。そのあと10時を告げるサイレンが鳴りました。階段を上り、展望デッキに集まった参加者に対して説明が始まりました。
【製造部長】はい、えー、こちらの方は排水処理工程となっております。製錬工程の雑排水ですね、集水池に溜めておりまして、製錬工程内のさまざまな溶液につきましては、繰り返し利用しているために、工程外には出ません。ただそれ以外の雑排水、例えば床を洗った水、あと、道路を洗った水、生活排水などですね。そういったものを雑排水が、集水池のほうに集められております。集水された排水はポンプで揚水されまして、流量調整されまして、中和槽のほうに送られていきます。中和槽では、苛性ソーダの方でpHをアルカリ性にすることによりまして、排水中の金属イオン、これが水酸化物として沈殿していきます。次にシックナーの方に送りまして、こちらの方で固液分離させます。中和液に凝集剤を添加し、沈殿を促進させながら、上澄み液と濃縮スラッジの方に分離させまして、濃縮スラッジを移動フィルターろ過器の方でろ過して、ろ液の方は沈殿池に戻す。ろ過滓の方は亜鉛電解尾液(びえき)で再溶解しまして亜鉛精錬の工程の方の原料に戻します。シックナーの上澄み液は微細な固形物を砂ろ過機でろ過しまして、ろ液の方はpH調整をしましてpH調整槽から希硫酸の方で、約pH8前後にしてこちらの方に逆中和したのち、延長放水路で(高崎市八幡町の)鐘ケ崎まで導水されまして碓氷川、こちらのほうに放流されております。逆中和処理工程の方で、PH常時監視しておりまして、pHの異常がある場合は安全ダンパーがついておりますので、こちらの方が作動して、第2集水池、こちらの方ですね、右手の方ですね、ああ、左手の方になりますね。こちらの方に回収されます。
【参加者】あの細長いところの池だ。
【製造部長】はい、そうですね。あと、通常の亜鉛鋳造工程とかで使用されています間接冷却水、こちら、工程と接触するところはないんですが、そうした冷却水につきましてはそういう量もチェックしたのち、旧放流水路から柳瀬川の方に放流されております。はい、浄水工程の方は以上となります。はい、それではまたバスの方へよろしくお願いします。
【当会】(相変わらず、目の前のタワー構造物に硫酸石灰の看板があるのを目にして)今、硫酸石膏はもうやっていないんでしょう?
【会社司会】硫酸石膏はやっていないです。
製造部長の「はい、ではこちらへどうぞ」の誘導の合図で、参加者はぞろぞろと階段をおり、バスに乗り込みました。とにかくものすごい暑さです。昨年までは、このあと硫酸工場の視察となっていましたが、今年から稼働していないため、パスして、工場の正門を通過し、柳瀬川に架かる橋を渡りました。車の中で会話が交わされます。「川の水がだいぶ減っているね」「ほとんど川床が見えている。どうなるのかな」「これだけ降らないとね」「来週は台風だというからね、一気に降るかもね」「だけどなんか変な天気だからね」
マイクロバスは、橋を渡ると、旧売店の建物のわきを左手に入り、従業員用駐車場のほうに向かいました。隣のパチンコ店との間の空き地にバスが着きました。目前にブルーシートがかけられた山が二つあります。
【会社司会】こちらが客土の仮置き場になります。昨年もこの場所を見ていただいております。客土については昨年度3400㎥ほど受け入れたというふうに報告がございます。向かって左手に見えますのが、客土の残りと言いますか、令和3年度分はもう既に使っていますので、その令和3年度に使った残りが左手に見えます。令和4年度分については、これでは足りないようなので、また再度受け入れがあるというふうに聞いています。で、右側に見える、ちょっとシートが新しめの方ですが、こちらが先月、今7月になりましたので、6月に受け入れをしました覆土材というふうに聞いています。すいません、実際はシートがかかってしまって中味は見えないのですが、黒土だったというふうに見てました。受け入れるとしては1800㎥ほどと聞いています。まあ、今、やっています排土処理場の排土の上に覆土する材料というふうに聞いています。はい、ここの説明は以上となります。これで事務所に戻りたいと思います。
■時刻は10時10分になりました。ちょうど視察に出かけて55分が経過したことになります。マイクロバスは事務所の玄関前に戻り、ヘルメットを返却。事務棟の2階の会議室に入りました。猛烈な暑さの中での視察会で年配の参加者にとってはかなりバテバテの様子です。汗が引いたところで、時間が押していることから、8分間ほど休憩の後、後半の意見交換会が始まりました。
【会社司会】はい、えー、大変暑い中でのご視察、大変ご苦労さまでした。先ほどもお声がけさせていただきましたけれども、ご気分悪い方、大丈夫でしょうか。遠慮なく申し出をしていただければというふうに思います。よろしくお願します。暑い中で誠に恐縮ですが、引きつづきマスクの着用のほうはお願いをいたします。すいません、スケジュール表ですと、10分間の休憩ということで予定がされておりましたが、時間短縮ということもございますので、このまま続けさせていただきたい、というふうに思います。ご協力のほう、よろしくお願いいたします。では意見情報交換会というふうに移らしていただきます。意見情報交換会の会社側の司会を引き続きさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。それでは、令和3年度の経過と令和4年度の設備改善計画につきまして、所長の森田よりご報告をさせていただきます。
【所長】非常に暑い中、大変ご苦労さまでございました。先ほど司会の方から話がありましたように令和3年度と4年度の製錬所の主な工事、また課題メンテでの改善計画について、ご報告させていただきます。まあ、今日、ご挨拶冒頭に、昨年度は焙焼炉、並びに第2電解を停止して、ということで、新たな工場形態を進行しておる最中でございますが、令和3年度につきましての大きな工事としましての中身は、今日をご案内でご見学頂いたと思いますが、あのキルン工程のドライヤーの、まあ、大きな筒を回す足元のですね、タイヤというところですが、そのタイヤの更新、受ローラーの交換工事を行いました。あとは亜鉛の製錬をします湿式製錬の造液の、まあ、安中の焙焼炉が止まりまして、小名浜から送られてきます亜鉛の焼き鉱ですね、焼鉱と言いますが、それを溶解いたします、ナンバー5という溶解後の固液分離をするシックナーという設備をステンレス化、SUS化にしまして、更新をしております。あと、3番目としましては、排水処理工程の第2集水池。一番のメインの集水池でありますが、そこの補修工事、補強工事を昨年実施して、昨年ご報告した計画を全て実行し、完了しております。22年度、今年、今、夏季定修(夏季の定期修理)で工事を止めるところでですね、来週から定修に入るんですが、その中で主な工事が始まるわけでございまして、1番目が同じくキルンの、今度は、本体の筒のシェルの足回り、第2支点の受ローラーの製作、また、第3支点の受ローラーの更新ということで、整備をしております。同じく造液工程の、遠心分離機を、増設をしていくということでございます。それと昨年来から引き続いて排水処理工程の、今度は第3集水池、これの補強更新工事を順に実施しております。昨年来、コンパクトな亜鉛製錬所というのを、スローガンに改良を続けております。朝のご挨拶でも述べましたように、まあ、焙焼炉や電解の停止をして、小名浜と共有しているところがありますので、そういうところを統合していく。で、現状は順調な操業でですね、安全な操業が昨年からずっと継続されまして、公害防止施設をはじめ、各設備は計画的に更新して、日々、公害防止に努めてまいりたいというふうに、進めております。これからも地元の皆様のご理解のほどをよろしくお願い申し上げたいと、いうことでおります。それでは引き続きまして懸案事項はじめ、公特事業につきましては、環境の中島の方から報告させていただきます。以上ご報告をお伝えさせていただきます。以上でございます。
【会社司会】そうしましたら、環境担当の中島、私の方から、環境関係の懸案事項に関しまして、令和3年度の主な経過につきましてご報告を申し上げます。最初に公特事業の推進につきましてご報告を申し上げます。岩井畑地区の事業面積、公特事業の事業面積ですけども、令和3年度の計画によれば、1.35haというふうに聞いていたのですが、これが0.96haに変更になったというふうに聞いております。これは昨年10月に行政との打合せがあったのですけれども、その席で群馬県の技術支援課さんより、そんな報告がありました。今年ですね、1月、昨年度1月という表現ですね。高崎市信用金庫様のグランド周辺の排客土工事が、実施をされております。こちら、農免道路の東側ですかね、から見える場所であの辺を通る方については皆さんお目にしているかと思います。令和3年度の工事で、0.46ha。この排客土工事が完了したというふうにきいています。令和4年度につきましては、残りの0.49ha、この排客土工事を予定というふうにきいています。あの、細かい数字があるので、ちょっと合計すると、先ほど言った0.96にならないのですが、実際には0.955haということになり、この辺はちょっと、数字は計算してもピッタリはいかないということになります。先ほどご覧いただきました客土の仮置き場ですけれども、まあ、先ほども説明したんですけれども、排土処理上の排土、これを被覆するための覆土材。これを準備、ということで、報告を受けています。実際は、ご覧いただいたようにあそこにものがあるという状況でございます。岩井畑地区の事業につきましては、令和4年度、こちらで完了という計画だというふうにうかがっています。野殿地区ですけれども、こちらの公特事業の関係では、今年の2月に境界立会いが行われました。弊社の一部該当する土地があるということで参加をさせていただきました。この場所につきましては、弊社の南側フェンス、まあ、野殿側のフェンスですね。こちらから社宅があった場所、そのまた南西側ということですかね、そちら側で、ございました。まあ簡単ですが、以上が公特事業に関する情報交換などの概要でございます。今後も、県と市、それぞれ情報交換の機会をつくっていきたいというふうに考えております。公特事業につきましては皆さんの方が情報をお持ちかというふうに思いますので、情報があればお聞きしたい、というふうに思います。続きまして、令和3年度産米のカドミウム濃度の調査結果について、ご報告をいたします。安中市で行った検査結果については、特に問題ない、ということでございます。また、高崎市の検査結果、こちらも異常なし、であったというふうに報告を受けています。以上、会社が把握している令和3年度からの情報などについてご報告をいたしました。詳細部分につきましては、ご質問にお答えする形でご理解を賜りたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。そうしましたら、以降の進行につきましては高坂先生の方にお願いをしたいというふうに思います。高坂先生、よろしくお願いいたします。
【高坂司会】皆さん、どうもご苦労様でした。それではこれから詳しい状況、あるいはご意見のある方はそれを伺っていくということで進めていきたいと思います。皆さんの方で、ご質問なりご意見のある方は、いらっしゃいますでしょうか?はいどうぞ。
【当会】はい、すいません。最初からとは思っていなかったのですが、時間がやっぱり重要なのでですね。会員の小川賢、野殿980在住です。以前より東邦亜鉛さんには事あるごとに色々な面で情報共有をお願いしているところですけれども、今回、工場視察をさせていただきました。先ほど主排気塔、ここでの煤塵の測定をされていると、2か月に一遍ね。業者に委託しているということで、そこで重金属類、それからNOx、SOx、あ、NOxはやっていないのか…そういうものを測っているということなんですけれども、実はお手元に、降下煤塵のデータを例年のようにお配りしております。本社の皆さん、すいません、必要であれば、あとでこちらに請求してください。で、やはり我々としては、これは群馬県が毎月測っている、このデータが工場での操業内容も含めて、外部に対して大気中、まあ今お話のあった公特事業も、工場から主煙突、その他施設から排出される煤塵、埃ですね。この中に重金属が含まれていて、それが長年にわたって周辺の土地に降り注いでいる。それで田畑、とくに今、畑地ですけども、これが非常に汚染されているということで、土地改良事業として、いま進んでいるところでございます。まあ、群馬県の方はこういうふうに公表しています。で、私がいつも、お願いしているのは、会社さんのほうでも、測っているんだから、これをやはり示していただいて、どういうところで、そういった、まだ、重金属が漏れて、こぼれて、空気中に排出されているのか、というところをきちんと追及した上で、効果的な設備投資も含めて、効果的な対策をとるべきであると、こう思います。引き続き東邦亜鉛さんの方には自主的に周囲のダストジャー、ダストポッドで測定している自主検査の結果につきましても、公表していただきたい。で、群馬県の測っているところと比べて、精度を上げて、どこから出ているのか、主排気塔の降下ばいじんを測定されているということですので、より詳しい対策の種が…ネタが見つかると思います。まずそれをお願いするとともに、まあ、質問がいくつかあるのですが、これを全部お答えいただくとまた、時間がすぐ終わってしまうので、とりあえず私としてこれまで東邦亜鉛さんに対していろいろお願いやら質問やらしていることを、7項目にまとめてみました。すいません、鈴木さん、これ。(会社側にメモの配布を依頼する)ちょっとはしょって申し上げますけれどもね、まず1番目は、非鉄スラグの使用場所の現状と見通し。前回も前々回も、非鉄スラグにつきましては、先だっても群馬県のHPに出ました。6月の9日ですかね。群馬県が、6月8日か。依然として新たな場所に不適切な使用をされたスラグ製品の使用箇所について、皆さんの方から報告を受けて、で、今この対策をされているというところで、これ、HPに載っています。6月8日付の。で、この非鉄スラグの使用場所、安中市にもあるのかどうか、というところで、質問も、参加者から出ておりますけれども、一向に、皆さんの方は「行政に伝えているから行政に聞け」ということなので、今、行政に聞いているんですけども、行政も、東邦亜鉛さんの立場を非常に慮っている。それなので、全然開示しようとしないので、前回も、昨年も申し上げましたけれども、私の名前で審査請求をしております。もう1年半以上経ちました。まだ、出ないということは相当揉めていると思いますけれども、審査会の方できちんと審査されて、少なくとも安中市に埋まっているのかということは、そう遠くないうちに、なんとか情報として入手したいと思うのですが、それよりも前に、社会的責任を果たしている、一流企業である東邦亜鉛さんのほうから、自主的に、その辺の情報を開示していただければこんな手間をかける必要はございません。ということで、(非鉄スラグの)使用場所につきましては、引き続き公表をお願いしたいということと、もう1点。安中市のHPに「非鉄スラグ製品に関する情報について」と、いうことがもう2年くらい前、あの非鉄スラグの不適切な使用について新聞沙汰になって以来、安中市を含め、群馬県、高崎市、前橋市、行政のHPにこう書いてあります。「安中製錬所から出荷した非鉄スラグ、これと思しきものが使用されているという情報が有ったら、本社の総務本部総務部に連絡してくれ」と。私、連絡しました。40か所くらい。だけど、その結果は、教えてくれないんです。ということで、今日、市議会議員さん、複数名いらっしゃってますね。お願いがあります。安中市に対して、広報担当に対して、これを報告しても、その結果については、教えてもらえませんということを付け加えてもらいたいです。で、東邦亜鉛さんの総務部のほうにもね。このへんは、情報提供をお願いしますと。しかし、その結果については、一切、情報提供、つまりそれに対しての回答はできませんと、こういうふうに明記してもらわないと、一生懸命調査して心配で出しても、その結果が、リターンがないんですよ。これは強く申し入れておきます。それ、今、2番目ですね。非鉄スラグ製品に関する情報提供に対する対応。で、3番目、非鉄スラグの現在の処理状況。さきほど工場視察の際に、私、鈴木製造部長さんにも、お聞きしたんですけども、これを出荷していると。非鉄スラグ製品。その結果、出荷しているんだから、きちんと有価物で出しているんだということで、念のため、お聞きしたら、中島(環境管理室長)さんの方から、「いや、いわゆる商品としての出荷ではなく、管理型廃棄物処分場というのか、そちらのほうで、きちんと適切に処理しています」と。一部、磁石で、磁選機で選別したところは、どこかに有価物として出しているようですけれども、それは全体の1割かそこらへんだと思います。しかし、これはやはりきちんと、処理状況については広く開示してもらいたい。この非鉄スラグの不適切な使用を長年やってきた東邦亜鉛さんの企業体質としてね、それを払しょくするためにもぜひお願いしたい、ということです。それから4番目、生産体制の合理化と経過と結果。昨年、昨年度、一年の経過において、それまで、さきほど、鈴木製造部長さんもおっしゃっていましたけれども、亜鉛の、製錬亜鉛の出荷額、あ、出荷量、年間12万トンだと。まあ、これまで11万5000トンとか、12万5000トンだとか。経済産業省への届け出だと13万トンくらいの製造能力の施設の許可を得ているようですけど、今のところは、現在、月1万トン、年間12万トン。それから出るスラグは多分5万5000トンくらいだと思いますけど、その生産量を、コンパクトな工場に転換するというお話が、先ほど所長さんの方からも話がございました。で、コンパクトにするというのは、おそらく、ニュースリリース、東邦亜鉛さんのHPで、去年出された、初期に出されておられた記者発表によって、8万5000トン体制に移行するということですよね。私、先だってお伺いして、先ほどお配りした降下ばいじんの月別の降下量。それと、月別の東邦亜鉛さんの、製品量、あるいは製品の量に比例して、鉱石の入荷量、それから当然非鉄スラグの排出量、これは連動するわけですけれども、この相関性を確認したくて、いろいろ「月別の出荷量、亜鉛の製品出荷量について、データをお示しください」と言ったんですけども「できません」と。「年間もしくは四半期くらいならともかく、そんな細かいのは見せられない」と、こういう話なんですね。ここ是非ね、考え直してくださいね。お願いします。ということで、これに関して、皆さんのお手元にある、降下煤塵のグラフをご覧いただきますとね、平成4年5月連休中に最後に測ったやつが一番、見開きの右端にございますけれども、これ見ていただくとわかるんですけれども、これなんとなく、亜鉛の量とかなんとか、これなんとなくですよ、平成4年の3月まではあまり変わらないのですけれども、4月・5月は確かに少しなんか減っているような感じがします。感じ、ですけどね。ということは、おそらく東邦亜鉛さんは、今の話でもそうですけれども、第二電解工場の操業を止めたということですが、昨年度は目一杯操業していたのではないかと、こういうふうに思います。それは非鉄相場が、今、そんな悪くないと、資源高ですからね。電気代も高いというのも、痛し痒しだと思いますが、先ほど所長のお話にもありましたけれども。いずれにしても言いたいのは、きちんとこれはね、示してほしいんです。月別の操業量とかスラグの排出量とか、これ強くまたお願いします。今のは、5番目の降下煤塵との関係も含めてお願いします。それから6番目、公害防止対策に関する現状と見通し。先ほど公害防止対応施設については、十分、その、定期検修だとか、設備投資をして、年間1億円かけてとか、いろいろおっしゃっています。ロータリーキルンの今年はそのベアリングのローラーとか、交換するとかいう話ですね。炉体も含めてですか。いずれにしても、それはいいんですけれども、降下煤塵のもとになる煤塵、金属を含んだ煤塵が煙突やら、あちこちのところ、特にバグフィルター。さきほど、ロータリーキルンのところの併設されている大型の8基あるバグフィルター、これ孔が開いたらどうするんですか、と言ったら「定期的に目視検査しているだけ」と、こういう話なんですね。で、そのご説明のなかで、穴があいたまま気が付かずに、そこで排ガスを処理しても、その最後の、一番先に見せてもらったTCA。排ガスの処理のところで、全部請け負うから、心配要らないんだと。でも、これは違います。もとの汚れたガスが、そうでない場合と同じように入った場合、負荷が全然違うわけですよ。だから同じパーセンテージを除去されても分母が多ければ外に出てしまいますなので、ここはきちんと、バグフィルターが孔が空きそうなうちに、その検出できるような、機械、センサー、これはありますよ。そんなに高くなくて。至急導入してください。耐熱性についてはともかく(検討して)ね。だけど、あそこの亜鉛のインゴット、あそこで、昔から、光電方式で、センサーでやっていますけれども、あれも変わっていないようですから、もっと、新しい、事前に、チリが少しでも出ても感知できるような、そういうセンサーに替えてください。ぜひお願いします。それから、7番、最後。公害防止対策に対する社内基準。群馬県はこういうのを測っていますけれども、降下ばいじん量。これについて、なんのコメントもしていないんですよ。だから私言ったの。環境白書で、これ、なんのコメント、つまり、「特段大きく変動がないから」、つまり、「増えていないから、横ばいだから」と。横ばいだから大丈夫ということはないですよね。で、東邦亜鉛さんにお願いしたいのは、降下煤塵ね。連続的にと言うか、2か月に1篇測っているんだから、多かったら、なんで出たんだろうというところをきちんと、認識して検討して、で、その対策をきちんとやる。で、それには住民のほうにも、きちんと説明してくださいよね。そうしないといつまでたっても横ばいですよ。群馬県は何のコメントもしません。だから「環境白書に何かコメントしてくれ」と私はお願いしているんですけども、どうなることやら分かりません。すいません15分にわたってお願いします。これ、以上が私の見解です。細かいお答えは、今でももちろん大歓迎ですけれども、あと、時間のかかるようなところは後でまた、私が、お伺いしてインタビューします。すいません、長くなっちゃって。
【高坂司会】えーと、小川さんからのほうからかなり広範囲にわたって、質問なり意見表明がありましたけれども、会社のほうで、逆にご質問の内容について、もしあればということで、この場で釈明なり、ご質問があれば、お受けして、で、お答えできるものはお答えいただき、お答え…すぐにはお答えできないということであれば、どう対応するかということをちょっとご説明お願いします。
【会社司会】小川さん、ありがとうございました。あのう、小川さんにつきましては実はあのう、今年の4月にも来所されて、我々とディスカッション、打合せをしております。最後に小川さんからも申し出があったように、またいらしていただいて、お時間をとらせてもうしわけないんですが、そこで又打ち合わせなり、回答なりを、させていただければというふうに思います。この場でやっていくと、まあちょっともう、だいぶ時間も押していますので、時間を取ってしまいますので、まあ、あらためてと、いうことで、やらさせていただければと思います。
【高坂司会】小川さんのほう、なんかご意見ありますか?
【当会】あのう、確かに会ってくれるんですけれどもね、実のある、実のある、要するに、実のある前向きな、打合せだといいんですけれども、ぜひ、そういうことになるように、これまでのような、ただ会って、何も答えられないんだ、守秘義務だ、会社の企業機密だ、などと言わないで、もっと胸襟を開いてお願いしますよ。そのやり取りはまたSNS等で発信させていただきます。以上。
【高坂司会】今の小川さんの質問に関連したご質問などあればお受けしたいと思いますが。
【会社側参加者】・・・・・・・
【高坂司会】よろしいですか?じゃあ、会社のほうで、なるべく充実した協議ができるようにご尽力いただきたい、ということでよろしいでしょうか?
【会社司会】はい、ああどうも…まあ、あのう会社として、お答えできる範囲は精一杯頑張りたいと思いますので。しっかり準備して、小川さんと打ち合わせということで回答させていただきたいと思います。
【高坂司会】はいどうぞ。
【参加者】あのう、ちょっと…。(マイクが届けられる)公特事業で交換になった土地の中に石。うちの女房がちょっとふるっただけで軽トラ3台分ぐらい出たのをどこに捨てたらいいのか、この前、お願いしていたんですけども。
【会社司会】・・・・・・・。
【高坂司会】わかりますか?石の状況。
【会社司会】はい、この間の協議会のとき、後…でしたかね。中島さんの方からその話をいただいて。その件に関しましては、先日ですね、行政と公特事業の打ち合わせの際に、お願いというか、まあ、回答を求めました。あのう、協議会の時にそういう話が地権者のかたからありまして、という話で、お願いはしてあります。回答としてはですね、あのうまあ、県として…まあ、検討中という表現になっていましたので、後日皆さんの方にご回答があるというふうに思います。行政の方にはしっかり伝えてありますので、それなりの回答が多分出るはずです。はい、すいません。私の方から何とも言えないので。その、回答については何とも言えないんで、行政の方からの回答をお待ちいただければというふうに思います。
【高坂司会】他に、どなたかいらっしゃいますでしょうか?
【場内参加者】・・・・
【高坂司会】もし、ないようでしたら、私の方から、司会の立場で大変恐縮なんですけど。この後の方の資料に付いている写真がありますが、土捨て場というか廃土処理場ですね。あのう、直接的には、県の事業なので、そちらが責任を負うわけではないのでしょうが、ここの排土を溜めたところからの水がですね、まあ、河川に放水、まあ、放水というか、水が出ていくと。それがでデータ的にどうなのかということで、不安があるということで、まあ皆様のほうからもご意見が出て、私のほうからもご質問させていただいて、現実的に、やはり問題があるのではないかと思うんですね。あのう、環境基準のカドミウムの規制基準が、排水に適しているか、厳しくなって、その新しい基準からするとやっぱりあそこの土地が、かなり問題があるというふうな気がするんです。ですから、データ的なものも含めて、地元の住民からまあ、土捨て場の水の処理について、不安があるということを、こちらも伝えますけど、県の方にお伝えしていただきたいんです。なんらかのやっぱり対策が必要ではないかと思うんです。
【会社司会】はい、ありがとうございます。まあ、行政とは随時というか、逐次打ち合わせをやっていますので、この会でそういうお話をいただいたということは、しっかり伝えていきたいと思います。
【高坂司会】お願します。他に何かご質問、ございますでしょうか?
【場内参加者】・・・・・・
【高坂司会】ないようでしたら、締めくくりたいと思いますので。はい、どうもありがとうございます。
【会社司会】高坂先生、大変ありがとうございました。そうしましたら、視察会終了にあたり、代表の挨拶を頂戴したいと思います。まずですね、安中緑の大地を守る会副会長、大塚様、よろしくお願いいたします。
【副会長】本日はお忙しい中、また、暑い、極暑の中、この視察会が開催されましたこと、本当にありがとうございます。また、皆様のご協力によりまして、これまた一層、これからも土地改良問題、また、皆様のご意見、そして、包み隠さず、いい関係を持って行って解決に努めていけたらと思います。大変今日はありがとうございます。
【会社司会】ありがとうございました。それでは私ども会社の方からは、総務本部長の大久保常務執行役員よりご挨拶を申し上げます。
【総務本部長】本日は、工場視察会を終えるにあたり、僭越ながら一言ご挨拶させていただきます。本日は依然として新型コロナウイルスが収まらず、また増加傾向に転じている中、昨年、一昨年、例年4月に開催しておりますこの工場視察会を引き続きお願いしたわけでございますけれども、皆様におかれましては、手指の消毒やマスク着用等、記録的な極暑の中で数々のご不便をおかけしました。ご迷惑をおかけしました。皆様のご協力により今回も無事に終了できましたことにつきまして、厚く御礼いたします、申し上げます。また、平素は弊社安中製錬所ならびに、その従業員と家族が大変お世話になっておりまして重ねて御礼申し上げます。さてあのう、既に、今回でもご案内しているとおり、ここ安中製錬所におきましては昨年度中をもって、焙焼炉と第二電解、こちらの稼働を止めております。足元の亜鉛市場を取り巻く環境は、経営悪化、燃料高にともなう、電気代の高騰や亜鉛相場の下落など、厳しい状況にございます。国内の安中製錬…亜鉛製錬所として生き残っていくため、今後とも従業員が一丸となって安全・安定操業のもと、コスト削減に努めていかねばなりません。また、去る5月に公表しておりますが、当社のカーボンニュートラル体制の目標といたしまして、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度比に38パーセント削減、2050年度まで全体としてゼロにすることを掲げております。こうした対応など、この際に、亜鉛事業を継続していくうえで避けては通れない問題が山積しております。弊社発祥の地でございます、ここ安中製錬所の灯を守っていくために、全員でしっかり協力し知恵を絞り、歯を食いしばって前進してまいりますので、今後とも、本日お集まりの皆様をはじめとする地元の方がたのご支援ご協力を切にお願い申し上げる次第でございます。さて、公特事業に関しましては、岩井畑地区におきましては、当初の事業計画を前倒しして、来年3月までに完了することを目標に現在進んでいると聞き及んでおります。事業が工期内に完了いたしますよう、弊社としましても、可能な限りサポートに努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。最後に大変恐縮でございますが、ここにご列席の皆様と、ご家族の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
【会社司会】それでは以上をもちまして、第31回工場視察会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
(10時58分終了)
【市民オンブズマン群馬事務局・北野殿公害対策委員会事務局からの報告】