市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

対馬市の核のゴミ調査拒否の背景にある東邦亜鉛の負の遺産と同社安中製錬所における重金属土壌汚染の連鎖

2023-10-13 08:32:09 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

東邦亜鉛㈱の前身の日本亜鉛㈱が1939年(昭和14年)に買収した対馬の対州鉱山。出典:同社HPより

■9月27日、長崎県対馬市の比田勝尚喜市長は、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(いわゆる「核のごみ」)の最終処分場選定の前提となる「文献調査」について、調査を受け入れない考えを表明しました。同市長は27日午前10時に開会した市議会本会議で、現段階では「安全であるという市民の理解を得るのは難しい」と述べたのです。

 これに先立ち、対馬市議会は9月12日の本会議で、文献調査を受け入れるよう求めた市民からの請願について賛成10、反対8で採択していました。比田勝市長は市議会の決定と異なる判断を下した理由について①市民の合意形成が不十分だ②風評被害が懸念される――などを挙げて、核のゴミの受け入れにNOの見解を示したのです。

 自民党をバックに当選した同市長のこの発言は、極めて重い意味を持っています。なぜなら、対馬はいまでも有害な重金属汚染の問題を引きずっているからです。

■この問題について、折から東京新聞が、対馬のカドミウム公害を引き合いにして、核(放射能汚染)や有害な重金属汚染の廃棄物が、長期間にわたり、生活環境や自然環境に及ぼす深刻な問題について、わかりやすく提起する記事を掲載しています。早速見てみましょう。

**********東京新聞「こちら特報部」2023年9月28日
核のごみ NO 調査応募巡り市長が方針
対馬 公害の歴史
 原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分の受け入れを巡って揺れる長崎県対馬市。27日、比田勝(ひたかつ)尚喜市長は調査に応募しない意向を表明した。ただ市議会は推進派が多数を占めるほか、来春に市長選があり、予断を許さない。その対馬は昭和の時代、鉱山が操業され、カドミウム汚染に翻弄された。イタイイタイ病の発生も疑われた。過去に苦労した地に「核のごみ」を委ねていいものか。(木原育子、西田直晃)
■昭和にカドミウム汚染 大きな組織に依存する構図■

鎌田慧(さとし)さん(資料写真)
 対馬市長の方針が示された27日。安堵せず、嘆息交じりで話す人がいた。
 「(受け入れに伴う交付金に)群がらざるを得ない自治体は対馬だけでなく、もっと出てくるはずだ」
 「本音のコラム」でおなじみのルポライター、鎌田慧さん(85)。1969年にジャーナリストとして初めて踏んだ現場が対馬だった。カドミウム汚染が取り沙汰された状況を取材し、初の著書「隠された公害」を70年に上梓した。
 あれから半世紀以上。同じ地が「核のごみ」に揺れる。先行きが不透明な状況も残る。
 「歴史が繰り返されている。鉱山会社から、国や電力会社へ変わっただけ。生活が行き詰まると、どこか大きな組織に依存してしまう構図は変わっていない」
■69年に取材 鎌田慧さん 「住民沈黙 企業が支配」■
 過去に汚染をもたらしたのが対州鉱山だ。所在するのが旧厳原(いづはら)町。同町は、2004年に6町合併で誕生した対馬市の中でも、中心的な存在になる。市の玄関口のフェリー乗り場から西に数キロに位置する。
 市観光商工課の糸瀬富喜主任は「対州鉱山は厳原町の佐須という地域にあったので、地元の人は『佐須鉱山』と呼んだ」と話す。
 「同じ旧厳原でも市庁舎がある島の東側と違って、西側の佐須は農村地域。トンネルを抜けると、ぱっと日本の田舎の原風景が広がる感じだ」と続ける一方、「コロナ前までは韓国の観光客でにぎわったこともあったが、今は…」とも。
 対馬と鉱山は縁深い。古代から銀を産出し、地域を繁栄させた。1939年には日本亜鉛が買収。流れをくむ東邦亜鉛は高度成長期にかけ、対州鉱業所を置いて亜鉛や鉛を掘り出した。

東邦亜鉛の2017年環境報告書。対州鉱山の管理状況を伝える
 その一方、地元はカドミウム汚染に見舞われた。亜鉛族元素に区分されるカドミウムが原因で骨がもろくなる「イタイイタイ病」を疑う報道もあり、69年に要観察地域に指定された。
 鎌田さんが取材を始めたのがこのころだ。「ほとんどの住民は無言を貫き、逃げるばかり。町にとって大切な産業。住民は企業に完全に支配されていた」
 先の著書を出版した3年後の73年、「この資料は正確で聊(いささ)かかの誇張もない真実の記録です」との書き出しで企業内部から告発文が届いた。会社が組織ぐるみでごまかした資料を厚生省(現厚生労働省)に提出したと裏付ける文書だった。
 鎌田さんは「1人の人間が勇気を奮い、苦難を覚悟し、いわば身をていして訴え出てくれた。対馬は国境の島、要塞の島だが、企業に牛耳られた島でもあった。そんな三重苦を背負っていた」と回想する。
■鉱山、調査で偽装工作 閉山50年でも排水検査・報告■
◆坑廃水処理水の調査、今も続く 負の記憶 考慮を◆

カドミウムの汚染調査で偽装工作があったことを報じた当時の東京新聞
 対州鉱山は73年に閉山。翌年、告発文にあった不正の記事が世に出て騒動に。東京新聞も、汚染調査で偽装工作があったと報じた。
 現地では長崎大が約30年にわたり、住民の健康被害の追跡調査を続けた。イタイイタイ病と同じ症状の住民が確認されていたが、原因は断定できなかった。
 一方で余波は今も続く。
 東邦亜鉛は鉱山保安法などに基づき、発生源対策や坑廃水処理を実施する。対州鉱山管理事務所の杉村智律所長代理は「処理水に重金属が含まれていないか調査を続け、毎月経済産業省に報告している」と語る。
 閉山後、一度も基準値を超えていないという。市環境政策課の阿比留正臣課長は「問題の値は出ていないが、負担が続く面もある。国と県、市で毎年補助金も出している」と話す。
 環境問題に見舞われた対馬。「核のごみ」の最終処分とも長い関わりを持つ。
■議会側、反対から一転 来春市長選で争点か■
 80年代には動力炉・核燃料開発事業団の地質調査で島の一部地域が「処分地として良好」と評価された。最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は2006年ごろから説明会を複数回開いた。
 なぜ対馬で説明会を開いたのか。過去の環境汚染に思いを巡らせたのか。
 NUMO広報部の副部長は「(動燃の調査は)参考にしていない。説明会をいつから何度開いたか、どちらが働きかけたかは、個別のケースはお答えしていない」と繰り返した。
◆24年春に市長選、予断許さず◆
 対馬は揺れてきた。07年に市議会は受け入れ反対を決議した一方、今月には調査受け入れを促す請願を採択。市長は反対を表明したが、来春には市長選を控えており、不透明さが残る。
 万一、調査の応募に動いた場合、NUMOは対馬の過去に配慮するのか。
 手を挙げた場合、3段階ある調査のうち、第1段階の文献調査が始まる。先の副部長は「不適地を除くための調査。次の段階の調査でさまざまな要件が設けられ、そこで判断する可能性はある」とした。
 とはいえ、最終処分場の選定基準は曖昧さが残る。

経済産業省が入る庁舎=東京・霞が関で
 文献調査を踏まえた選定基準については、経産省資源エネルギー庁が7月に案を公表した。景観や文化財、国土防災を考慮し、土地の利用規制が起きるというが、それ以上の記載はなく、地域事情が深く考慮されるかは不明瞭だ。担当者は「対馬で文献調査を開始しておらず、予断を持って答えられない」と話す。
 選定基準はどうあるべきか。過去の苦労を無視して構わないのか。
 信州大の茅野恒秀准教授(環境社会学)は「地域の歴史的経験に正面から向き合うべきだ。住民は長い時間軸の中で暮らす。その経験に寄り添わずに信頼は得られない」と訴える。
■処分地選定「地域の経験寄り添って」■
◆対馬市、寿都町、神恵内村…共通するのは◆
 対馬市のほか、既に文献調査を受け入れた北海道寿都町、神恵内村にも共通するのは、高齢化や過疎化で疲弊した地元の活性化が叫ばれる点だ。
 明治学院大の藤川賢教授(地域環境論)は「困窮地域ほど新たな苦労を迎えやすい」と語る。「調査を受け入れると、観光業などにデメリットがあり、賛否の対立が疲弊を招く。小規模自治体の財政に貢献するというが、予算を長期にわたって執行できるわけではない。交付金が終了すれば困窮はより厳しくなる」
 そもそも選定基準の議論が十分と思えない。現状は文献調査の基準をまとめただけ。候補地を先に募り、基準は調査と並行して決められる。
 先の茅野氏は「『後出しじゃんけん』のように判断基準を決める進め方。最終処分場の選定は手順を含めたゼロベースでの見直しが必要だ」と話す。
◆デスクメモ◆
 対馬の過去を知るほど、対馬に迷惑施設を委ねていいかと感じた。ただ万一、応募に傾いたら「善意」に甘えていいか。苦労に苦労を重ねる危惧。善意というより、交付金を頼らざるを得ない「苦渋」の面も。各地に通じる問題。公平な最適解をどう考える。その議論こそ必要では。 (榊)
**********

■東邦亜鉛は、1937年(昭和12年)2月に日本亜鉛製錬株式会社として設立され、直後の同年6月に安中製錬所を操業開始し、1941年(昭和16年)9月に東邦亜鉛株式会社に社名変更しました。しかし、安中製錬所の操業開始に際して、当時は戦時下であったことから、東邦亜鉛は、地元住民に対して「兵隊さんの命を守る鉄兜を作るために必要な“高度鋼”を製造するためだ」として、ウソをつき騙したのです。そのため、筆者の子どものころは、地元の大人たちは東邦亜鉛安中製錬所のことを「コードコー」と呼んでいました。

 製錬所は、丘陵地の北斜面に位置し、現在では55ヘクタールもの面積に拡大しており、これ以外にも工場周辺のあちこちで、農地や山林を、子会社の安中運輸の名義や、従業員の中で農家を兼業している者の名義で土地を取得しています。

 このうち平地に広がるカドミウム汚染土壌の水田については、公害問題で世間の注目を浴びていた昭和40年代後半に排客土ないし15センチの上乗せ客土が対策事業として実施されました。しかし、製錬所の南側にある北野殿地区を主体とする丘陵地に拡がる畑地と、製錬所の東側に位置する岩井地区の畑地は、長年にわたる製錬所から排出される重金属を含む降下ばいじんや、敷地から風にのって伸び散る重金属交じりの土埃を浴びており、土壌汚染が深刻ですが、これまで放置されたままでした。

 平成7年ごろ、これら畑地の土壌汚染対策として、圃場整備を方式による排客土のための碓氷川流域公害防除特別土地改良事業として、群馬県が主体となり、公共事業で排客土工事を施工する事業計画がスタートし、地元に公害防除特別土地改良事業(略して「公特事業」)推進委員会が設置されました。これは当時玄米中のカドミウム濃度が1ppmを超える農地を対象とした農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(土染法)に基づき、畑地においても陸稲が栽培されていたことから、畑地についても重金属土壌汚染対策が必要となる対象とされたのでした。

 以来、28年にわたり計画が進められていますが、1988年に穀類、1998年にその他の食品目のカドミウム基準時の検討を開始していた、玄米中のカドミウム濃度の基準が、国際的な食品規格基準の策定を行う政府間機関であるコーデックス委員会(CAC)の下部組織である食品添加物・汚染物質部会(CCFAC)が、玄米中に含まれるカドミウム濃度の安全基準を見直した結果、2005年に小麦、野菜類、2006年に精米の基準(0.4ppm)を策定し、公表しました。

*****コーデックス委員会の食品中カドミウム国際基準値*****
 コーデックス委員会が定めている食品中のカドミウムの国際基準値は、以下のとおりです(「食品及び飼料中の汚染物質及び毒素に関する一般規格」(General Standard for Contaminants and Toxins in Foods and Feed, CXS 193-1995)の要約)。
<食品>/<基準値(mg/kg)>/<基準値適用の食品部位>/<備考>
 精米/0.4/全体
 小麦/0.2/全体/普通小麦、デュラム小麦、スペルト小麦、エンマー小麦に適用。
 穀類/0.1/全体/コメ、小麦、ソバ、キノア、カニューアを除く。
 豆類/0.1/全体/乾燥した大豆を除く。
 根菜類/0.1/地上部を除いた全体。付着した土壌を除く(流水ですすぐ又は乾いたものは優しく払い落とす)。バレイショは皮を剥いたものに適用。/セロリアックを除く。
 果菜類/0.05/茎を除いた食品の全体。スイートコーン、生鮮コーンは、皮を剥いた粒及び軸に適用。/トマト及び食用きのこを除く。
 葉菜類/0.2/明らかに傷んだ又は萎れた葉は除いた後の通常販売される全体部位。/アブラナ科の葉菜類にも適用する。
 マメ科野菜類/0.1/可食部全体。水分が多い形態では鞘全体又は鞘を除いたものが食べられる。
 アブラナ科野菜類/0.05/球茎キャベツ及びコールラビ:明らかに傷んだ又は萎れた葉を除いた後の通常販売される全体部位。カリフラワー及びブロッコリー:花蕾(未熟な花房に限る。)芽キャベツ:"button"(側芽)に限る。/アブラナ科の葉菜類を除く。
 鱗茎類/0.05/タマネギ及びニンニクの乾燥した鱗茎:根及び付着した土並びに簡単に剥がれる羊皮様外皮を除いた全体部位。
 茎菜類/0.1/明らかに傷んだ又は萎れた葉を除いた全体部位。ルバーブ:葉柄のみ。アーティチョーク:花蕾のみ。セロリ及びアスパラガス:付着した土を除く。
**********

■こうした中、日本政府の農林水産省は2001年から食品中のカドミウムの実態調査を開始しました。これは、コーデックス委員会で玄米中のカドミウム濃度基準が0.2ppmに決まる動きをにらんで、これを何とか0.4ppmまで緩和することを目指し、2003年に調査結果と「消費者の健康保護が図られることを前提として、基準値を合理的に達成可能な範囲でできる限り低く設定する」という考え方(ALARAの原則)に基づいて推定した基準値案を作成し、CCFACに提出しました。

 その結果、日本政府のロビー活動が功を奏し、上記のとおりコーデックス委員会は、玄米中のカドミウム濃度を0.4ppmとしたのでした。

■こうした世界の動きに連動するかたちで、平成7年(1995年)頃スタートした群馬県主導の公特事業推進委員会も、このあおりを食いました。当初は、汚染農地の所有者からの事業参加の仮同意も順調に取得が進んでいたのですが、平成14年(2002年)に0.4ppmの基準値が策定されると、途端にスローペースとなりました。

 それでも地元の野殿・岩井の地権者らは、何とか事業を推進すべく、仮同意の取得を進め、ついに平成19年(2007年)3月5日に100名あまりの地権者全員の仮同意文書を集めたのでした。

 ところが、群馬県のスローモーな対応は相変わらず続き、年1回の本部役員会議を開くだけで、事実上足踏み状態が平成24年まで続きました。そのため、地元地権者で組織する公特事業推進委員会では、当時地元選出の2名の県議(岩井均、茂木英子)に紹介議員となってもらい、大沢正明群馬県知事に、公特事業の積極的な推進を要請する請願書を提出しました。

■すると平成25年から、群馬県がこの事業に対して積極的な姿勢を見せ始め、当初は平成29年には着工も夢ではないかもしれないという期待を地元住民に抱かせました。

 しかし、当時から10年が経過しようとしている現在、期待は幻想に代わり、群馬県は以前のようなスローダウン状態に逆戻りしようとしています。そのため、こうした状況を打開すべく、昨年7月12日に筆者が3代目の公特事業推進委員会の会長に推挙されました。

 以来、1年が経過しましたが、状況は深刻となっています。なぜなら、群馬県は東邦亜鉛に忖度して、積極的に公特事業を進めようとしないためです。

 それどころか、平成3年度と4年度に実施された岩井畑地区における現状回復方式による公特事業(当初、2.5ヘクタール規模の区画整理事業で計画されていたが、東邦亜鉛が地元有力者を使って地権者の切り崩しを諮り、着工寸前までに0.96ヘクターまで事業規模が縮小)に基づく農地の汚染土壌の排客土工事の最終段階で、排土を埋め立てた東邦亜鉛の敷地内の場所で、群馬県が東邦亜鉛に土壌検査を指示して測定させたところ、土壌汚染対策法に定めるカドミウム(基準値45ppm)、鉛(基準値150ppm)、ヒ素(基準値150ppm)をいずれも上回ったとして、急遽、排土の移動を禁止し、下層の土を入れ替える、いわゆる天地返し工法しか許可しないと、事業を担当する県農政部に横やりを入れたのでした。

 このため、野殿地区における事業の見通しに暗雲が立ち込めています。いかに、東邦亜鉛が行政に対して圧力をかけ、畑地の汚染土壌対策事業にブレーキをかけているかを痛感させられます。

■なお、日本政府は、農用地の土壌汚染防止に関する法律(土染法)は基本的に水稲や陸稲を作付けする水田や一部の畑地だけを対象にして,野菜や果実を栽培するその他普通畑は今後とも対象にしないつもりです。そのため、安中製錬所周辺の畑地の重金属汚染土壌は依然として放置されたままであり、しかも、毎年、少しずつ安中製錬所から排出される排煙中に依然として含まれるカドミウム、鉛、ヒ素などの重金属が周辺に降り積もり続けており、汚染が進行している状況にあります。

 対馬市の対州鉱山跡地で依然として鉱毒が周辺環境に負荷をかけているのと同様に、群馬県安中市の東邦亜鉛安中製錬所も、長年にわたり重金属を周辺に垂れ流し、あるいは巻き散らかしてきています。対州鉱山で見せた東邦亜鉛の企業倫理の欠如は、今もなお、安中の地で遺憾なく発揮されていると言えるでしょう。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連情報「対馬の対州鉱山の様子」
**********ブログ「水辺遍路」2020年10月25日
対州鉱山の池(仮称)(長崎県対馬) 離島 九州編

山腹にラピュタ感のある建物
 対州鉱山は1973年に閉山した亜鉛鉱山。
 対馬筆頭格の河川である佐須川沿いに鉱山事務所があり、閉山してから半世紀近くがたった今も鉱毒管理が行われていて、敷地内に入ることもできず、池にも会えなかった。
 当初は採掘跡湖かと思ったが、立地や形態的には鉱滓ダムの可能性が高そうだ。

 川沿いに三つの池があるようだが近づけず







 枯れ沢となる川が多い対馬にあって、唯一、豊かな清流をもつ佐須川であるが、このあたりではさすがの佐須川もこんな具合

※参考情報「対州鉱山」
**********Wikipedia「対州鉱山」

対州鉱山跡(厳原町佐須地区)。2017年6月撮影

所在地:長崎県下県郡厳原町(現:対馬市)
座標 :北緯34.2285881687585度 東経129.2183346155609度
生産 :産出物 亜鉛
    生産量 22,000t/月(1966年)
歴史 :開山  ?
    閉山  1973年
所有者:日本亜鉛株式会社⇒東邦亜鉛株式会社
    取得時期 1939年
概要 :
 対州鉱山(たいしゅうこうざん)は長崎県下県郡(現・対馬市)厳原町樫根(かしね)にあった鉱山。
 東邦亜鉛によって経営されていた亜鉛の鉱業所で、1973年(昭和48年)に閉山した。なお、対州とは対馬国、対馬島の異称。
 東邦亜鉛は1943年(昭和18年)の対州鉱業所(対州鉱山)本格操業開始から、1973年(昭和48年)の閉山までの30年間経営を行っていた。当初は戦後の高度経済成長により、急速に業績を伸ばしていった。しかし昭和40年代半ばから貿易の自由化が推し進められ、外国産の安価な鉱石が輸入されるようになった。そのため、小規模で生産コストの高い国産鉱石はたちまち外国産に押され、経営が行き詰り閉山となった。
 対州鉱山は急速に厳原町の産業基盤を支える重要産業に成長していった。鉱山従事者で人口が増加し、町の税収は増え、鉄筋コンクリート造のアパートや商店、映画館などの遊興施設が建設されるなど、鉱山周辺の地域に活気をもたらした。
 しかし、繁栄は長く続かず、閉山後は鉱産税や電気・ガス・固定資産税の大幅な減収、下請け労働者の失業、商店の減収をもたらすなど、町の経済にとって大打撃となった。また、カドミウム汚染を引き起こすなど、町民の健康への影響も生じた。このカドミウム汚染に対して東邦亜鉛は汚染田の復元や農産物減収・健康被害者への補償を行うとともに、閉山から45年以上たった現在でも汚染が起きないよう監視機関(事務所)を設置している。
 東邦亜鉛株式会社 対州鉱山管理事務所 〒817-0243長崎県対馬市厳原町樫根248(北緯34度13分43秒、東経129度13分8秒)
歴史 :
 対馬では古くから、銀をはじめとする金属を産出していた(対馬銀山を参照)。
 大正時代中頃に鉱山が休止。
 1938年(昭和13年頃) 土佐出身の白川隆彦が鉱業権を取得し、当時の佐須、安田、久の恵等の坑を買収統合。
 1939年(昭和14年)8月 日本亜鉛株式売社が白川隆彦から鉱業権を買収。
 1941年(昭和16年)9月 日本亜鉛株式会社が社名を東邦亜鉛株式会社に改称。
 1943年(昭和18年)8月 本格操業を開始。
 1945年(昭和20年)4月 太平洋戦争の激化により、重油等の資材不足のため操業を一時休止。
 1946年(昭和21年)11月 連合国軍最高司令官総司令部は日本政府に鉛の増産を指令、同時に日本各地の鉱山は自家発電力用の重油の特配を受けることになる。
 1947年(昭和22年)2月 連合国軍最高司令官総司令部天然資源局技官が訪問。綿密な調査の末、対州鉱山の有望の認定を行う。
 1948年(昭和23年) この年、再度の資源調査により、鉱床・鉱量の確実性が認められ、全面的な支援を受けるようになる。
 1948年(昭和23年)8月 本格的に操業を再開。
 1949年(昭和24年) 小茂田発電所が完成(出力450kW2基)。
 1950年(昭和25年)6月 月産5,000t態勢が完成。
 1951年(昭和26年)3月 厳原町南室(なむろ)に船への積出施設が完成。南室まではトラックで運搬する。この年、日見抗の開発に着手。
 1952年(昭和27年) 悪水谷抗の開発に着手。
 1956年(昭和31年) 月産8,500tに拡張。
 1957年(昭和32年) 月産10,000tに拡張。
 1965年(昭和40年)4月 鉛・亜鉛原鉱石の月処理は14,000tと磁硫鉄鉱1,500t、計15,500t。
 1966年(昭和41年) 月22,000t。
 1968年(昭和43年)から1971年(昭和46年)にかけ、厳原町は同町下原(しもばる)の床谷(とこや)に鉄筋コンクリート造4階建ての改良住宅192戸を建設。
 1970年(昭和45年)8月 出鉱量300万tを達成。
 1973年(昭和48年)8月 閉山宣言が出される。
 1973年(昭和48年)10月 出鉱を停止し、鉱内撤収作業を開始。
 12月20日 閉山。30年の歴史に幕を閉じる。閉山時の従業員322名のうち、本社員の多くは、群馬県の安中製錬所に配属。
<閉山後>
 1974年(昭和49年)3月21日 佐須地区鉱業被害者組合の総決起集会が行われる。イタイイタイ病の再検診、汚染田の復旧、東邦亜鉛の監視機関の設置等を決議。この年、厳原町議会でも鉱害対策特別委員会を設置し、事実究明を開始。
 1974年(昭和49年)5月21日 佐須・椎根(しいね)川流域の住民の検診を開始(5月24日までの3日間)。対象者は300名。検診の結果、イタイイタイ病と認定する患者はおらず、腎臓障害など軽症患者の疑いがある経過観察者が25名。
 1974年(昭和49年)7月 被害者組合と東邦亜鉛の交渉の結果、企業100%負担によるカドミウム汚染田の復元を合意。
 1974年(昭和49年)12月 農産物減収補償交渉がまとまる。
 1975年(昭和50年) 厳原町により、休廃止鉱山鉱害防止工事が開始。鉱山の長い歴史(対州鉱山操業開始の前から)による汚染地域が河川流域の各地に存在することがわかったため。
 1979年(昭和54年)12月23日 国と長崎県と東邦亜鉛により、汚染田の復元工事が開始。客土方式で行われ、心土は同町の久根浜や豆酘などから、耕土は壱岐郡(現壱岐市)郷ノ浦町から運ばれた。
 1980年(昭和55年) 町による休廃止鉱山公害防止工事が完了。
 1984年(昭和59年)2月 カドミウムによる腎臓障害の疑いがある経過観察者への健康補償がまとまる。
 1985年(昭和60年)2月13日 汚染田の復元工事が完了。
<技術者養成>

東邦亜鉛株式会社対州鉱業所技術学園跡。2020年2月撮影
 鉱山の技術者を養成するため、東邦亜鉛が「東邦亜鉛株式会社対州鉱業所技術学園」(地域では「学園」と呼ばれていた)を開設していた。詳細については不明だが、かつての校地には現在も門柱が残っている。(北緯34度13分36秒、東経129度13分23秒)
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4年ぶりに4月開催となった東邦亜鉛安中製錬所における第32回工場視察会の顛末

2023-04-30 12:00:53 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■毎年春先恒例となっている東邦亜鉛安中製錬所における工場視察会は、東邦亜鉛と安中緑の大地を守る会(旧・安中公害裁判原告団)との間で締結された協定書に基づき、例年4月の第2土曜日に開催していました。ところが、コロナの影響でここ3年ほど時期外れの8月、9月、7月に開催されていましたが、今年はコロナ感染症対策の緩和もあり、4年ぶりに協定書どおりの4月8日に実施されました。その模様をご報告いたします。

 開催当日、9時25分集合ということで、9時20分に事務所前の駐車場に車を止めて、会社の事務所に入りました。9時半の開始まで、1階の会議室で待機していました。筆者が会議室に入った際には既に10名以上の地元の皆さんが集まっていました。

 まもなく、弁護団の高坂氏が大きな包みを持参してこられました。さっそく包みを開けてみたところ、かつての公害反対運動のリーダーのひとりとして活動した人物を描いた切り絵の大型作品が現れました。

 高坂氏は「高田新太郎先生が4月2日にお亡くなりになった。それで6日に葬儀があったが、家族葬でやるということで、私は参加させてはもらったが、広く声をかけるのは遠慮させてもらった。それで葬儀がつつがなく終了したがこれは高田先生のご自宅にあった。あずかって。ただご家族の方がこれは故人のものではないので、原告団の皆さんにお渡ししてくださいということで預かってきました。で、原告団の事務所の方で保管をしていただいて、まあよく活用をしていただきたいというふうに思うので、今日お持ちしました。よろしく」と語りました。一同高田弁護士の訃報に接し、さらにまた懐かしい人物の作品にビックリするやら、感慨を深くしました。

 高坂氏は、「とりあえず、また納めさせてもらって事務所に持っていきますから」と再び梱包をしましたが、その前に、参加者が写真撮影をしました。切り絵の手法で、公害原告団の住民のリーダーとして活動した藤巻卓次氏をモデルとしており、市の強固な意志がひしひしと伝わってきます。孫娘のかたが「まちがいなくおじいちゃんだ」とつぶやいておられました。

■そうしているうちに東邦亜鉛安中製錬所の職員が来て、「そろそろお時間ですので2階の方にお願いします」と声を掛けて来たので、参加者一同、ぞろぞろと2階に移動しました。そして定刻の9時半から視察会がスタートしました。

会社司会:皆様おはようございます。

一同:おはようございます。

会社司会:事務部環境管理室を担当しております中島でございます。本日の工場視察会におきまして、会社側の司会を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。新型コロナウイルスの影響によりまして、昨年までの3年間、8月、9月、7月という、暑い時期での開催になってしまっていましたが、ようやく協定書で記載されています4月ということで、開催させていただくことが出来ました、ありがとうございます。新型コロナウイルスに関しましては、最近、感染者が減っているということですけれども、感染予防には十分注意して配慮しながら開催してまいります。マスクの着用、手の消毒など、いろいろと、こう、ご不便をおかけするとは思いますが、ご協力のほう、よろしくお願いをいたします。それではまず会社側の出席メンバー、こちらの紹介をさせていただきます。本社のメンバーにつきましては新型コロナウイルス感染予防対策といたしまして、WEBでの参加となります。モニターの方をご覧ください。まず最初に、常務執行役員総務本部長の大久保でございます。

総務本部長:本部の大久保でございます。お世話になります。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

会社司会:次に総務副本部長の高橋でございます。

総務副本部長:えー、高橋でございます。どうぞよろしくお願いします。

会社司会:続きまして、総務部長の橋田でございます。

総務部長:橋田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

会社司会:同じく、総務部顧問の安藤でございます。

顧問:安藤でございます。よろしくお願いします。

会社司会:次に、環境安全室の室長の石井でございます。

環境安全室長:石井でございます。どうぞよろしくお願いします。

会社司会:続きまして、安中製錬所のメンバーでございますが、所を代表します常務執行役員所長の森田でございます。

所長:森田でございます。今日は一日、どうぞよろしくお願いいたします。

会社司会:副所長の唐澤でございます。

副所長:唐澤です。どうぞよろしくお願いいたします。

会社司会:次に、製造部長の鈴木でございます。

製造部長:えー、鈴木です。本日はよろしくお願いします。

会社司会:それと事務部環境管理室を担当しています私、中島で、本日の工場視察会を対応させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。では、続きまして朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会副会長、大塚様、よろしくお願いいたします。

守る会副会長:みなさん、おはようございます。

一同:おはようございます。

副会長:春爛漫のこの良き日に、この32回工場視察会が開催されますことを、本当に嬉しく思います。また、お忙しい中、ご出席くださいまして、この視察会に参加下さった方々、また、皆さん、本当にありがとうございます。あの、会長不在で、副会長の私が、何の分からない私がご挨拶なんて、お話しするわけですけれども、皆さん、これからも協力し合って、このよき(地元を)・・・どんどん発展させるために、工場と、また緑の会を、守る会を、発展させていただきたいと思います。よろしくお願いします。(拍手)

会社司会:ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして、所長の森田よりご挨拶を申し上げます。

所長:おはようございます。

一同:おはようございます。

所長:所長の森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。新型コロナ感染症も4年目となりまして、令和5年が明けてから感染者も少なくなってきています。5月のゴールデンウィーク明けの13日にはですね、感染症法の分類で2類から、低い5類になるということでございまして、そういう報道もございます。安中緑の大地を守る会役員の皆様もですね、今年度の工場視察会の開催につきまして年明けからご相談をさせていただいてきました。まあ、そういう中でですね、足元の状況も鑑みながら、今回から、先ほどからご紹介がございました状況も鑑みてですね、本日4月8日の春の穏やかなこの時期にですね、工場視察会を行うということで、本日の運びとなりました。さて、昨年、22年は、ロシアのウクライナ侵攻で、世界の政治・経済、それらのバランスが大きく崩れまして、長引いた新型コロナウイルス感染症による景気減速感はさらに拍車がかかりまして、もうじき良くなると言った機運はさらに急下降というふうになっております。二極化した政治が広がる中でですね、我々、工場を運営する中で、エネルギーや資材の高騰が長引きまして、気候変動対策やCN(カーボンニュートラル)問題、SDGs(持続可能な開発目標)と、それらに加えて、最近では、経済安全保障といった国際社会の大きな変革もございまして、まあ、ご承知のとおり、10月からはですね、電気代の急騰ということになりまして、非常に不穏当な国際社会の影響で、まさに私たちの生活にも、安中製錬所にも暗い影が一層色濃くなっているという2022年でございます。まあ、長かったコロナ感染症も今年を区切りとしまして、危機的な物価高騰の事態も解消に向かい、ウクライナ侵攻の暴挙が止む時が早く訪れることを、ただただ願いまして、ここ数年間いろいろとご不自由をおかけしてまいりましたが、本日は地元の皆様方のご指導、ご鞭撻をいただけますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

会社司会:続きまして、本日の視察コースや日程につきまして、製造部長の鈴木より説明をさせていただきます。

製造部長:製造部の鈴木です。よろしくお願いします。えー、例年と同じく製錬所内の製造工程、並びに公害防止設備を中心にご案内をさせていただきます。昨年もご案内させていただきましたが、一昨年2021年の11月に焙焼硫酸工場、昨年2022年3月に第二電解工場の稼働を停止しております。その他操業は順調ですので、安定した事業を進めている状況をご視察いただけば幸いです。視察についてですが、お手元の資料で視察コースをご覧ください。えー、今年もマイクロバスを1台、ワゴン車2台を用意しました。健脚コースの第1班は視察場所ごとにバスから降りてのご案内となりますので、ヘルメットの着装をお願いします。案内は製造部の鈴木がご案内します。楽々コースの第2班はワゴン車からの視察となります。視察中はワゴン車の乗り降りはしませんので、乗り降りが辛くなられた方のご乗車をお勧めいたします。ヘルメットは不要です。案内は総務課、長岡が担当いたします。では、工場視察前の注意事項について、ご説明いたします。マスク着用は個人判断の方針ですが、多人数でのマイクロバス並びに視察になりますので、引き続きマスク着用でよろしくお願いします。場内での写真撮影はご遠慮願います。カメラ等は、場内には絶対に持ち込まないよう協力をお願いします。また、携帯電話につきましては、持ち込み可能ですが、撮影機能のご使用はご遠慮をお願いします。健脚コースの方はバスを降りて工場内を歩いていただきますが、安全確保を最優先に、昨晩も雨が降りましたので路面に雨が少し残っている箇所もございます。お足元にご注意いただくとともに、設備や製品には絶対に手を触れないようお願いいたします。あと、昨年の7月に対しまして、今回は例年どおり4月ということで気温は高くないですが、朝は寒暖差等がございますので、視察中にご気分が悪くなられたり、体調に異変を感じられたときは遠慮なく申し出て下さい。で、注意事項は以上となります。よろしくお願いいたします。

会社司会:環境管理室の中島でございます。昨年までですね、視察コースに公特事業で使用します客土の仮置き場、こちらが入っておりましたが、岩井地区の公特事業につきましては、完了しましたので、今回の視察コースに入れてありません。工事の完了しました岩井地区の公特事業に係る排土処理場の写真等を併せまして、客土仮置き場で使用した場所の写真をですね、いずれも2枚目、さきほど鈴木の方から説明をしました視察コースの裏面に添付をさせていただきました。こちらでご確認の方、お願いをいたします。新型コロナウイルスの影響によりまして、3年間記念撮影につきましては中止とさせていただいておりましたが、今年につきましては、記念撮影を行いたいと思います。えー、視察、この後出発していただくんですが、出発前に2階のそちらのテラスで、ですね、工場をバックに記念撮影をしたいと思います。すいませんが、ご移動の方をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。なおトイレに行きたいという方、事前に行っていただいて結構ですので、お願いします。それではご移動のほう、お願いをいたします。

■9時45分、製錬所内の事務棟の2階に整備されたテラスに出て、記念撮影が行われました。写真撮影の時だけ全員でマスクを外しました。

 記念撮影後、事務棟の1階に降りて、玄関前の広場で、健脚コースと楽々コースに分かれてそれぞれ手配されたマイクロバスとセダンに参加者が乗り込みました。

 9時53分、参加者に続いて、会社側担当者らがマイクロバスに乗り込み出発しました。全部で17人がマイクロバスとセダンに乗車しました。バスは製錬所の入口のゲートを通過し、構内に入りました。移動中のバスの車内では案内役の鈴木製造部長が説明を始めました。

製造部長:皆様、あらためておはようございます。(おはようございます)場内施設の方をご案内します第1班健脚コース、製造部鈴木です。よろしくお願いします。先ほど説明をしましたとおりなんですが、まず工場部の最上部に上がってもらいまして、下りながらですね、それぞれの説明となりますのでよろしくお願いします。当社は、主に亜鉛、鉛、銀、の地金、その他、電子部品、粉末冶金部品などの生産を行っています。ここ安中製錬所では、亜鉛の地金、亜鉛合金の地金、薄硫酸、粉末冶金による焼結部品などの生産を行っております。亜鉛の方は年間14万トン、月にですね、1万トンの生産能力を持ちまして、国内の約20パーセントのシェアのほうを持っております。生産した亜鉛の地金のほうなんですけれど、約60パーセントが自動車等に使用されます薄板鋼板メッキ用として、使われております。それではまず最初にですね、脱硫工程のほうに行きますので、よろしくお願いします。

■マイクロバスはエンジン音を一段と唸らせながら急坂を上り始めました。車窓には、交互に山の笹薮と錆びた建物のうしろに国道18号やその向こうに中宿の家並み風景が広がっていました。

 午前10時ちょうど、TCAタワーの排ガス排煙脱硫工程の施設前に到着しました。バスから降りて、いつもの説明場所に集まりました。

製造部長:はい、こちらはですね、次ので説明しますけれども、次のロータリーキルンから発生する排ガスを処理する排煙脱硫工程となっております。ロータリーキルンで発生する排ガスの方は、ガスクーラー、バグフィルターと呼ばれる装置でですね、冷却後、粗酸化亜鉛ダストのほうを回収いたしまして、こちらの排煙脱硫工程へ送付されます。ダストの除塵後、排煙脱硫工程では含有、亜硫酸ガスである排ガス、これの処理といたしまして、右側の酸化亜鉛の吸収塔、苛性ソーダ、水酸化ナトリウムの吸収塔、後、水の吸収塔ですね。こちら三段で脱硫、水洗浄したガスを、こちらの4番の高さ37mの排気塔。ちょうど後ろに見えます水色の塔ですね。こちらの排気塔より大気放出されております。排ガスの硫黄酸化物の測定はですね、赤外線の分析計を水のTCA、あの後ろにある2段、ふたつベージュ色の塔が立っていますけれども、その隣のあの右側ですね、そちらの水のTCA塔の出口に設置しまして、硫黄酸化物の濃度測定を常時オンライン管理しております。また、煤塵の測定。こちらを2か月に一度、定期的に行っております。排煙脱硫工程は以上になります。

会社司会:よろしいですか。

製造部長:はい。

会社司会:そうしましたらバスに乗っていただいて移動します。

■参加者らはバスに乗り、旧坂を下り始めました。当会が、質問しました。

当会:鈴木部長!すいません、小川ですけど、一つ質問。

製造部直:はい。

当会:一番上の廃棄物処分場はまだからっぽなんですか?それとも何か入れましたか?

会社司会:私の方から回答させていただきます。未使用です。

当会:未使用ね、間違いないですね?

会社司会:はい。

■バスは元来た急坂を下っていきます。以前スラグ置き場だった場所を左に見て、そのまままっすぐ山に沿って西側に延びる枝道に入りました。老朽化した建物に覆われた通路を進みました。昔の焙焼炉がスクラップ状態でそのまま並んでいる場所ですが、ブルーシートで覆われて見えないようにしてありました。

 10時8分、ロータリーキルンの前の広場に着くとバスは切り返しを何度が行って、方向転換をしました。下車すると大きなサイレンのような騒音が周囲に充満しました。

製造部長:はい、先程ご視察していただいたのは、ですね、排煙脱硫工程でしたが、このガスのもとはですね、手前にありますロータリーキルンから発生したものとなっております。このロータリーキルンに投入する原料は、一次鉱さいと言いますが、まあ亜鉛原料ですね、こちらの方を溶かしたときの溶け残りで、成分としては鉄になっております。こちらの一次鉱さいの方ですね、先にですね、ちょっとこの建屋の裏側になるんですけども、ドライヤーで水分の方を乾燥させます。次にですね、乾燥した一次鉱さいにコークスを混ぜまして、こちらのロータリーキルンの方へ投入します。こちらのロータリーキルン、(長さが)45mあるんですが炉の先端、ちょっと奥の方になりますが、そちらの方にバーナーが設置されておりまして、重油燃焼によりまして、温度を1300度ほどまで加熱しまして、一次鉱さい中の亜鉛を還元揮発させます。えー、揮発した亜鉛のほうは空気と接触することで、酸化物、粗酸化亜鉛となりまして、こちらのキルンの後ろにありますガスクーラー、皆様の後ろに有りますバグフィルター、こちらにて捕集されます。この酸化物は、粗酸化亜鉛と称しまして、亜鉛原料として再び回収されております。キルンの炉前側、奥側ですね。こちらからは鉄分が濃縮されたクリンカーと言われる塊状のものが発生します。クリンカーは冷却され粉砕された後、粒度を揃えて鉄源として出荷されております。えー、ガスクーラーは、排ガスの冷却の熱回収を行っておりまして、そこで回収される熱につきましては、ドライヤーやキルンのバーナー用の空気などとして再利用されております。キルンについては以上となります。それでは次の工程に行きますので、バスの方へお乗りください。

 バグフィルターのある建物の温度表示を見ると、建物内は30度とありました。参加者から「さぞかし暑いよね。あつかっただろうね」との感想がつぶやかれました。

■10時15分、参加者を乗せたバスは、ロータリーキルンのある場所から、再び急坂に出ました。当会は再び質問しました。

当会:鈴木部長、またすいません。小川ですけど、また質問させてください。ドライヤーとロータリーキルンは、ともにバッチ式だと思うんですけれども、どういうふうな順序でやっていますか。勿論ドライヤーが先で、そのあとすぐ冷やさないうちに、ロータリーキルンにやって熱効率を考えてそうするのか。それともどこか一回保管してからやるのか。それとドライヤーの方も同じように重油燃焼で、最高温度も同じように1100度だったか、1300度でしたっけ、同じようにやっていらっしゃるんですか?

製造部長:まずですね、連続式ですね。ドライヤーのほうも重油焚きなんですが、ちょっと温度はキルンよりは低いです。で、ドライヤーの方ですが、一度ホッパーの方に入ります。ホッパーに入ったもので、コークスですか。それと一緒に混ぜてキルンの方に投入しますので、まあ、若干、熱は下がりますが、ある程度の熱は持ったままキルンの方へ送られます。

当会:そうでしょうね。では、ドライヤーに投入されるときにはコークスはいれなくて。

製造部長:入れていないですね、はい、そのまま。

当会:フィルタープレスで絞った水分がかなり高いやつを、そのまま中に入れるということですね。

製造部長:そうですね、ある程度水分は残っています。

当会:はい、分かりました。ありがとうございます。

■バスはさらに坂を下ります。まもなく下り終えると、第三電解工場の脇をとおり、K砕置き場(ヤード)に入りました。いつもは放水などあまりしている様子がないのに、きょうはこれ見よがしにあちこちで散水しています。マイクロバスはヤード入口を通過して、K砕ヤードの中央付近でエンジンをかけたまま停車しました。時刻は10時17分です。

次長:(どうすればよいのか、と迷っている風情のマイクロバスの運転手に向かって)はい。(ここでは)下りないです。

製造部長:すいません、こちらの方、防塵対策をやっていますので、ちょっと路面の方濡れていますので、社内で説明いたします。こちらのほうはですね、K砕出荷場と言われるところでございまして、先ほどのロータリーキルンから発生したクリンカーは、ベルトコンベアでこちらのK砕出荷場に送られます。面積としましては約1万2000㎡となっております。で、建設にかかる法的手続きをして、大気汚染防止法に関します粉塵発生施設の届出を行っています。またですね、出荷場に保管した時点では廃棄物には該当しておりませんが、出荷先によっては廃棄物として処理委託する場合もありまして、廃棄物保管場所の条件を満足させた出荷場となっております。具体的な施工内容といたしましては、地面には厚いコンクリート製の土間となっておりまして、周りは高さ4mのセメント製の壁に高さ2mの鉄製フェンスを設置して、粉塵が外部に、周辺に飛散されないように工夫されております。また土間は、先程ご説明しましたが、常時濡れた状態にするなどの、管理にも・・、するなど気を配っております。このK砕出荷場ですね、使用を開始したのは2016年の11月からとなっております。はい、以上となります。

■10時19分、マイクロバスはそそくさとK砕出荷場を後にして、隣にある第三電解工場に移動しました。そして電解工場の東側のスペースに停車しました。10時20分、参加者はバスを降りて、いつものように陰極板と陽極板が立てかけて展示してある場所に集まりました。

参加者:ちょっと質問いい?問題になったあの砂(注:鉛やヒ素を高濃度に含有した有害スラグのこと)だけど、今どこにもっていっているのかしら?

当会:ハッキリ分からないんです。(東邦亜鉛に)聞いても教えてくれないから。

参加者:そうなの?

当会:基本的には、産業廃棄物なんですけれども、ただ有価物という括りでどうもね、出荷している・・・だから群馬県は「あれは産廃だ」と言っているが、よくわからないです。聞いても教えてくれません。

参加者:どこか道路に使っちゃったらしいね。

 東邦亜鉛側は参加者のやりとりを聞いてか知らずか、なにも口にしませんでした。まもなく、鈴木製造部長の説明が始まりました。

製造部長:えー、こちらはですね、第三電解工場となります。以前はですね、新電解工場という説明をしておりましたが、本年より名称を第三電解工場と変えております。ここでは、亜鉛の溶解液を電気分解して、金属の亜鉛を採取しております。亜鉛電解の仕組みにつきましては、浴槽の中に、こちらの真ん中のアルミニウムでできた陰極板と、右端の鉛入り銀合金で作られましたアノード板。こちらが交互に入っておりまして、その中に亜鉛を溶かしました硫酸亜鉛溶液が満たされております。ここに電流をかけることによりまして、アルミニウム板の、カソード板、こちらの方に溶けている亜鉛が電着してきます。約24時間、電流を流すことによりまして、こちらの左側ですね、にあります、亜鉛、カソード亜鉛がちょうど電着しております。で、こちらの、電着しましたカソード亜鉛、こちらを剥離して製品というふうにしております。それではですね、ちょっと中の方に移動してもらって、見学をしていただきます。

 そして、一同、向かって右手にある階段から徒歩で進み始めました。

参加者:何ミリくらいの厚さなんですか?

製造部長:1から2㎜。大体重さで1枚で9キロくらいかな。2つで18キロくらい。

当会:これ気泡ですか?それとも外部においておいたためですか?

製造部長:水素とは、そういったものが発生しますので、この場合は、あまりいい電着とは言えませんね。

当会:このくらいだとね。その意味では24時間と48時間だったということは、基本的には総電流量というか、それできまるわけですか?

製造部長:そうですね、電流量で決まります。

当会:そうですよね。48時だというと、たとえば、昼間というか全体の操業の関係で、あるいは時間帯で色々と考えてやられているわけですね?

製造部長:そうです。前は夜間電力を使用していたりしていたので24時間や48時間ということもありましたが、まあ今は昼夜だけですので、この第3電解工場としては24時間となっています。では、工場の中に入っていきます。

■参加者は、金属製のステップを靴底でコンコンと鳴らしながら、通常の建物だと3階くらいに相当する階段を上って、電解工場の中に入りました。

製造部長:はい、こちらはですね、第3(電解)工場の中となっております。電解液のほうはですね、ちょっと見えづらいですが、奥の方が電槽となっております。そちらのほうにですね、先程のアノード、カソードのほう、こちらを入れた浴槽が約1系列72槽で、2系列ございまして、144槽ございます。ちょうど中央に電解液が入るパイプがございまして、そこから各電解槽に供給されまして・・・(その時ブーッとアラームが鳴りました)。すいません、センサーがついておりまして、近づくと鳴りますのでご注意ください。すいません。直流電流を流して電気分解させますと、陰極板ですね、カソード板に電着します。こちらですね、こちらカソードに電着しました亜鉛の方を剥離するところとなっております。クレーンで、ですね、カソードの方を持ってきまして、ちょうど後ろ側に剥離機と呼ばれるものがありますので、こちらの方でですね、電着したカソード板の方を剥離します。で、剥離し終わったカソード板は、また再び電槽に戻しまして、また、電流を掛けることで亜鉛を電着させるというようなことをしております。で、電解液の方はですね、亜鉛濃度が低下いたしますので、その低下した液は亜鉛尾液(びえき)と呼ばれておりまして、まあ再び溶解工程、亜鉛の溶解工程に戻しまして、原料を溶解する溶液として使用しております。はい、第3電解工場は以上となります。再び戻りまして次の工程へ行きますのでご移動の方お願いします。

当会:アノード板とカソード板の距離は研究している?少し進歩している?

製造部長:そうですね。第3電解を作るときにたぶん。

当会:究極にやっている?

製造部長:そこからはもう・・・

当会:もう無理でしょうかね?

製造部長:それほど(進歩はしていない)ね。

当会:それ(電極同士の離隔距離)が効率に一番影響するらしいから。

■10時30分、一同、階段を再び降りて待機していたマイクロバスに乗りました。バスは次の工程である鋳造工場に向かい、10時34分に着きました。

製造部長:ここは先ほどの電解工場で剥離しましたカソード亜鉛を溶かして、製品として鋳造している鋳造工場となっております。亜鉛製品は常時、120種類前後の品種を作り分けておりまして、少量生産のものも入れると、約200種類を超えまして、多種多様な亜鉛製品を製造しています。その製品の6割が、こちらにあります調合亜鉛と呼ばれているものとなっております。調合亜鉛は、高炉メーカーの方へ納入しまして、自動車部品などの薄板鋼板メッキに使用されております。調合亜鉛にはですね、他の金属を添加しない純亜鉛のものや、アルミニウムなどの金属を添加する亜鉛合金がございまして、カソード亜鉛をですね、低周波誘導溶解炉と呼ばれる炉で、ですね、約500度で溶解しまして、アルミ二ウムにつきましては重油バーナーの溶解炉、これでアルミ地金を溶解しまして、調合炉に必要な亜鉛、アルミ、その他金属を調合しまして、調合炉の方へ投入して合金を生産しております。ちょうど中段に見えます炉の方が調合炉となっております。調合炉の方はですね、3基備えておりまして、生産能力は1日あたり240トン程度となっております。調合炉では自動計装しまして、ユーザー各社規定の金型、あのう、黄色とかオレンジとかピンクとか、塗られている金型です。そちらの方に流し込んで冷却、凝固させたのちに、金属・・・金型底部から自動押上げ機によって抜き出して製品となっております。はい、では続きまして、電気亜鉛の鋳造工程のほうへ行きますので。まあちょっと歩いて、よろしくお願いします。

 10時37分に歩き始めて、ふと見上げると、2008年の中道機械製造の天井クレーンが見えました。ちなみに同社は翌2009年に倒産しました。あたりには、相変わらずエア・タイタンパーの酷い騒音が響き渡っています。金型から鋳造物を取り出すためのタイタンパーの騒音が主です。

製造部長:製品の方は熱いので触らないようによろしくお願いします。

 そして10時38分に、隣の電気亜鉛の鋳造工場に移動しました。

製造部長:はい、こちらはですね、電気亜鉛と呼ばれる製品を鋳造している工場となっております。電気亜鉛は、メッキや伸銅製品に使用されております純亜鉛の製造で、調合亜鉛同様に、カソード亜鉛、これを低周波誘導溶解炉、こちらも500度になります。これで溶解しまして、約20キロ、1枚20キロのインゴットケースが鋳造されております。で、こちらの方は連続鋳造機ということで各ケースに流し込んで凝固させます。で、連続する各ケースから抜き出されたスラブと呼ばれております電気亜鉛。こちらはですね、手前に見えますロボットで積み込まれて、結束されております。こちらの方は1枚20キロで、約一山50枚、約1トンで結束されて出荷されております。はい、こちらの方は電気亜鉛の工程となっております。それでは、次の工程に行きますので、バスの方にお乗りください。

 バスに向かおうとすると参加者のおひとりから声を掛けられました。

参加者:この水蒸気(注:亜鉛溶解のヒューム)は問題ないんですかね?あれだけ出ているけど。

当会:問題ありますよ。だから環境集塵といって、いちこうスカスカですけども吸い込んで集めてバグフィルターで濾しとっていると言っていますけれどもね。風が吹いたら一部流れ出すかもしれませんね。

参加者:風が抜けちゃっているわけね?

当会:以前は仕切りがなかった。また、屋根や壁にも穴が空いていたときもある。その後はここを全部仕切ったんです。もう10年くらい前になりますが。

参加者:クレーンゲームを見ているみたいだね。皆、機械がやってしまうんだ。

会社司会:あのカーブミラーのところで止めて下さい。

 10時45分、マイクロバスは浄水施設に到着しました。サンドフィルター脇の階段は緑色のペンキが塗られたばかりでした。

製造部長:ここは排水処理工程となっております。製錬工程の雑排水、こちらの集水池に集めておりまして、製錬工程内のですね、さまざまな溶液、尾液とかですね、こちらの方は繰り返して使用する為、工程外の方には出てきません。ただ、それ以外の雑排水、例えば床を洗った洗浄水、道路を洗った洗浄水、生活排水などはですね、こちらの集水池、こちらの集水池に集められています。えー、集水された排水につきましては、ポンプで揚水、上げまして流量を調整しまして、中和槽と呼ばれるところですね。そこでですね、苛性ソーダ、水酸化ナトリウムでpHをアルカリ性ですね、そちらの方に持っていきます。そうしますと排水中の金属イオンが水酸化物、そして固体として沈殿していきます。次に、その下のシックナー、固液分離設備ですね、こちらの方に流します。まあ、その中和液に凝集剤を入れて、添加して中の固体分、こちらを沈殿させながら、上澄み液と濃縮スラッジの方に分離して行きます。スラッジの方は、自動フィルター、ろ過機でろ過しまして、炉液の方は沈殿池に戻しまして、ろ過滓ですね、回収ケーキになりますが、こちらの方は再び亜鉛電解尾液等に溶かしまして亜鉛原料として戻します。シックナーの上澄み液の方は、もう少しまだ微細な固形分が残っておりますので、そちらの方をさらに除去するために、砂ろ過と呼ばれるものでろ過します。炉液の方は、さらに沈殿池を経由してpHを調整した後に、希硫酸でpHを約8パーセント前後、中性ですね、に、逆中和して、この液を、水をですね、延長放水路で(高崎市八幡町の)金ヶ崎まで導水されまして碓氷川の方に放流されております。この逆中和槽、逆中和処理ではpHの方を常時監視しておりまして、PHの異常がありました場合は、安全ダンパ-が作動しまして、放水路の方を止めまして、第2集水池の方に入るようになっております。その他ですね、亜鉛鋳造工程等、間接冷却水である工業用水等ですね、こちらの方につきましては水量等をチェックしたのち旧放水路から柳瀬川の方へ放流されております。はい、浄水工程、ここについては以上となっております。それはまた、戻りますので、またバスの方、ご乗車をお願いします。

当会:鈴木部長、最後におっしゃった柳瀬川に放流というのは、もういちどお願いします。どういうやつを金ヶ崎ではなくて柳瀬川に放流されていますか?

製造部長:えーと、上流の方で引っ張ってきた工業用水、冷却水は、それはそのまま工程に触れないので、そのまま。

当会:それ以外は柳瀬川に放流していませんよね?

製造部長:はい。

当会:だから混じることはないですよね?プロセスに。

製造部長:それはないです。

■10時51分、バスは参加者を乗せて浄水施設を出発し、事務棟に向かって走り始めました。

当会:すいません。これ中島さんにお聞きしたほうがよいかもしれません。亜鉛華がありますよね、粉末の亜鉛。これは出荷先は、タイヤのゴムの重合促進とかいうふうに、主に使うと思ったのですが、他になにかあるんですかね。ペイント類。私は船の専門なので、造船用鋼材では、ショットブラストをかけたあと、ジンクリッチペイントを吹き付けるんですけどね。その亜鉛を豊富に含んだ、まあ防錆塗料ですけれどもね、こちら向けには、例えばペイントメーカーには出していらっしゃるのですか?わからない?

会社司会:すいません。えーと、亜鉛華なんですけれども、以前はこの安中の工場で作っていたんですが。

当会:さっき、あったではないですか?

会社司会:いや、今、亜鉛華はもうだいぶ前に生産はやっていないんですよ。

当会:じゃあ、他社がやっているわけですね?

会社司会:はい。あの、小名浜ではやっていますよ。別の製品として。安中では今、亜鉛華の製造はやっていません。

当会:塗料向けにもあるんですか?それ、販売先として。

会社司会:亜鉛華で塗料向けというのはあまりないと思います。亜鉛末としてはあります。ただ弊社の亜鉛末はジンクリッチペイント用の亜鉛末とちょっと違うので。製造方法がちょっと違うんですよね。

当会:ああ、分かりました。ありがとうございます。

■10時54分、マイクロバスは事務棟前に到着し、参加者はそれぞれヘルメットを返却して、中に入りました。

参加者A:亜鉛華はさ、焼き物でよく使うんだけど。銅と反応させると色が出てくる。どういう理屈だかは分からないが、こんなようなカーキ色のような色を出す際に使う。

参加者B:亜鉛華は昔女性が使っていた。白粉(おしろい)ですよ。白いおしろいで。今はなんに使うのだろうか?

当会:たしかタイヤですよ。なお、白粉は酸化チタンが今使われているらしい。

 どうやら当会として、亜鉛華(酸化亜鉛のパウダー)と亜鉛末(純亜鉛のパウダー)を混同していたようです。しかし、調合亜鉛のコーナーにはドラム缶に入った粉末状の亜鉛粉のようなものがあったので、これらは、多分この安中製錬所のプロセスで使っているようです。

■11時ちょうど、事務棟の2階にもどった参加者に会社側から声がかかりました。

会社司会:えー、ご視察の方、大変ご苦労様でした。予定ですと、視察のあと、意見情報交換に入る前に休憩となっておりますが、例年このままいつも休憩せずにやらさせていただいておりますので、今年もこのまま再開ということでお願いしたいというふうに思います。すいません、マスクにつきましてはご不便でしょうけど、引き続き着用の方、よろしくお願いしたいと思います。スケジュールの方を説明させていただきますと、本日視察会終了予定、11時45分というということで計画をさせていただいております。ご協力の方よろしくお願いをいたします。そうしましたら、意見情報交換会に移らせていただきます。意見情報交換会で、会社側の司会を担当させていただきます。引き続きやらせていただきます。よろしくお願いします。それでは令和4年度の経過、それと令和5年度の設備改善計画につきまして、所長の森田よりご報告をさせていただきます。

所長:それでは令和4年度の設備改善計画と令和5年度の改善計画について簡単にご説明させていただきます。ともあれ、製錬所内のご視察、大変お疲れ様でございました。早速でございますが、昨年度の大きな工事案件としましては、ひとつはですね、キルンの整備、あの長い筒のかたちのやつですね、あれの支点が3つございますが、その第3支点の受ローラーということで、この夏、大きな工事をさせてもらいました。2番目はですね、亜鉛の鉱石中に銀の鉱石も混ざっておりますので、それの回収量を増やすというための遠心分離機の増設をさせてもらっております。3番目には、これは公害防止関係の設備でございますが、昨年から、いや、一昨年からですね、第2集水池の補強工事に引き続きまして、昨年はですね、第3集水池。東側でございますが、その集水池の補強工事をやらせてもらいまして、まあ、挙げました工事すべて完工をしております。で、本年度2023年、令和5年度でございますが、大きな工事としましては、昨年もお話し、説明させてもらいましたキルンの、同じくシェルの、今度はですね、第1支点のローラーの製作と第2支点のローラーを交換するという工事を行います。あと、2つ目にはですね、亜鉛の電解工場がございますが、アノード・クリーナーという、正極、陰極、両方の・・陰極、陽極の両方がございますが、その陽極のですね、まあいわゆる正極ですね、クリーナーを増設するということでございます。3点目としましては、今年度はですね、今度は、第1集水池の西側の、集水池の補強工事を行う予定です。まあ、8年前から集水池の工事はずっと続けてまいりしまして、もうあといくつかというところまで来ております。まあご承知のとおり、一昨年前から焙焼炉と第2電解工場を、まあ役目を終えて縮小したということでございまして、安中製錬所では今、コンパクトな亜鉛工場ということで、以前のような生産量を縮小しながら、改良を続けております。まあ、公害防止設備につきましては、これからも計画的に更新し続けてまいりますので、地元の皆様のご理解をよろしくお願いしたいというふうに思います。引き続きまして懸案事項については、環境の中島より引き続き発言をしてもらいます。以上でございます。

会社司会:では、引き続きまして環境担当の中島、私の方から環境関連の懸案事項につきまして、令和4年度の主な経過等についてご報告を申し上げます。まず最初に公特事業の推進につきまして、ご報告をいたします。岩井畑地区の碓氷川流域農用地土壌汚染対策事業、こちらでございますけれども、令和4年度末、今年の3月ということになりますが、こちらで完了したということで群馬県農政部技術支援課より報告がございました。令和5年、今年ですね、3月29日に客土工事について県の完成検査が行われ、合格したという報告でございます。野殿地区の公特事業について、でございますが、昨年はですね、10月の3日付で碓氷川流域地区公害防除特別土地改良事業に係る事業実施予定地内土地申告書、あ、申請書、参加確認書の記入の提出について、という通知がございました。この通知につきまして10月27日に、北野殿の公会堂で開催されました説明会、こちらに参加をさせていただき、申請書・確認書の提出をさせていただきました。令和5年2月10日、こちらに土地改良事業を実施する区域内外の境界立会いが行われました。こちらには会社も参加をさせていただきました。場所につきましては安中製錬所の南東側、天王塚古墳の周辺ということでございました。以上が公特事業に関する実施状況の情報などの概要でございます。公特事業につきましては、今後も県や市ですね、こういったところと情報交換をしてきたいというふうに考えております。皆さんの方で情報がございましたら、お聞きしたいというふうに思います。続きまして、令和4年度産米のカドミウム濃度の調査結果についてご報告をさせていただきます。安中市で行った検査結果では、特に問題ないということでご報告をいただきました。また高崎市の検査結果でも異常なし、ということで報告を受けております。以上が、会社が把握しています令和4年度の情報などについて、でございます。細部につきましては、ご質問にお答えするかたちでご理解賜りたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。では、以降の進行につきましては、高坂先生にお願いしたいと思います。高坂先生、よろしくお願いをいたします。

守る会司会:皆さん、大変お疲れ様でした。今日の視察会で気付いたこと、或いは日ごろ疑問に思っていることやら、ご意見、その他なんでも結構ですから皆さんの方でご質問がありましたら、お願いしたいと思います。どうでしょうか?

当会:はい!

守る会司会:はい、どうぞ小川さん。

当会:小川でございます。

会社司会:すいません、小川さん、ちょっと、マイクをお使いください。

当会;でかい声だから大丈夫です。

会社司会:いやいや、ちょっとマイクをお使いください。

当会:いつもお世話になってます、地元在住の小川賢です。えーとですね、今いくつか、一杯話したいことがあるんですけれども、まあ限られた時間内なので、また詳細は昨年と同様直接、まあ会社側といろいろと相談とかね、報告とか、情報共有したいと思うんですけれども、えーと、まず先ほど公特事業、昨年7月12日に推進委員会の会長になれということでご推挙いただいて、半年余りになりますけれど、岩井地区は一応終わりました。終わりましたが、最後の畑地の件で、まあいろいろトラブルと言いますかね、予期せぬことが起きて、で、急遽私のところにもいろいろ情報が入ったのですけれども、えー、話すと長くなるんですけども、分かりやすく言うと、あそこの排土置き場、ここに、私が聞いている情報なので、間違っていたら工場側さん、東邦亜鉛さん当事者ですから間違っていたら指摘してくださいね。昨年の5月に群馬県の環境保全課、こちらが任意で、あそこの排土置き場の土壌環境基準についての調査をしろと、こういうことが命令ではなくて任意で御社に問合せがあったとか、要請があったと聞いています。で、その結果につきましては12月、最初12月だと思ったんですけど、色々二転三転して今年の1月になって御社から群馬県の方に、報告が上がったと。それの内容は(県は)全然開示してくれないんですけれども、どうやら環境基本法の土壌環境基準、26項目のうち・・・29項目だったかな、えーと、3項目について環境基準を超えているというデータが皆さんの方からデータとして、調査結果として群馬県に上がったという。で、これにもとづいて群馬県が、環境保全課がどういうわけか、同じ環境森林部の廃棄物・リサイクル課の不法投棄対策係、こちらの方に情報共有をして、で、土砂条例、群馬県の土砂条例というのが10年くらい前に設定されたようですけれども、関東で一番遅くね。で、それに抵触するので、そういうその土壌環境基準を超えた土砂は、一切移動はまかりならぬと。運んでもいけない、移動してもいけない、ということで、急遽最後の排客土工事をする予定だった圃場につきましては、天地返しという工法に急遽切り替えて実施して、何とか3月末に事業を完了したということ。先程中島室長から報告がありましたけれどもね。これ御社にいろいろお聞きしたいんですが、群馬県が教えてくれないからね。どれくらいのデータが出たのかということ。これまでは農用地の土壌汚染防止法でこの事業をやってきたのですけれども、新たな視点から、また検討を加えないといけないということになりかねないんですよ。なので、今、群馬県では工法の変更の検討について、今、スッタモンダしています。是非、ですね、どういうデータが出たのか、後で教えて下さい。群馬県に聞いても教えてくれません。不思議です。それが1点、お願いです。すいません、あと2つ、3つあるんですけれどね。それから水質について、毎年、群馬県は環境白書というかたちで、ですね、白書を出しています。その中の「第7節 特定地域の公害防止対策」、この中の第1項で「碓氷川・柳瀬川流域」という項目で、環境保全課が大気・土壌・水質について調査した結果を載っけていますね。で、大気につきましては、先程お配りしたように、例年、私が群馬県の情報開示請求(制度)に基づいて、それまでの、群馬県が毎月1回測っています。

工場周辺に4か所。(ダスト)ポットジャー。要するに降下煤塵。上から降ってくるチリを、直径25センチかな、ポッドに溜めて、それを業者に内容物を検査させているわけですね。えー、そこに書いてあるように、煤塵量、それから亜鉛、カドミウム、ヒ素ですね・・・あ、鉛ですね。この3つ。えーと、先ほど申し上げたその土壌環境基準を超えたという、その項目がそれに合致するのかどうかも分かりませんけれども、これ、黄色でちょっと多めのやつをマーキングしています。で、私、これざっと見てですね、ざっとですよ、気が付いたのが、煤塵量はまあ、あまり変わっていないですよね。亜鉛が少なくなっている。これは亜鉛の生産量が昨年から減っているということに関係しているのかなあ、という気持ちがします。しかし、その他のカドミウム、鉛。これはあまり劇的に減っていないんですよね。これ不思議です。ぜひ会社側でこういったことについて、当然、地元の住民の安心・安全な生活環境の保全という観点から分析していただいているかとは思うんですけれども。この改善策、まあ原因ですね、原因と改善につきましては、情報共有をしていただけると本当にありがたいと思っています。で、次に水質なんですけれども、この水質につきまして、群馬県の環境白書に各5年間の数値というかたちで、その平均値と言いますか、ざっくりこうまとめた数値が載っているんですけれども、私はこれを具体的に知りたくて情報開示請求をしました。ところが群馬県はですね、えー、東邦亜鉛さんの、その浄水施設の直下2箇所、これにつきましては群馬県が真っ黒けにしているんですよね。あの、10年間にわたりやったんですけれども、いずれも黒塗りなんですよ。黒塗り、こうに黒い横筋が入っていますけれども。なので「何とかしてくれ」と。東邦亜鉛さんは、「水質も環境基準はきちんとモニタリングして、対策も施して、環境基準を上回ることはない」とこういうふうにおっしゃっていました。で、環境白書にも概略ですけれども、載っています。確かにその下流のところに比べると水質、重金属は多いです。だけども「基準値を上回っていない」というんですね。「これおかしいんじゃないか」と群馬県に掛け合いましたが、出してくれません。じゃああのう、これ東邦亜鉛さん、当事者に第三者照会、つまり県民が開示を請求しているけれども、これ見せてやってもいいのかどうかと。「それをやりましたか」と聞いたら「いや、やっていない」と、こういうんですね。「いや是非やってくれ」と、「請求者が地元の小川賢だと、それも伝えていいから、やってくれ」とお願いすると同時に、東邦亜鉛さんに対して、1月23日に「第三者照会が群馬県からあるだろうから、きちんと黒塗りにせずに開示してやってくれ」と、「そういうふうに協力してくれ」とお願いしておきました。で、その結果、延ばしに延ばされて、つい先月の下旬ですね。えー、開示通知をするというので(県に)行ってきました。「前回と同じ」。ということは、東邦亜鉛さんがね、地元住民の開示請求に対して、第三者照会を直接お願いしたにもかかわらず、「悪いけど、出すと都合が悪いから、出さねえでくれ。そのまま黒塗りにしてくれ」と。こういうふうに答えられたのではないかなあ、という推察が、私としては十分に成り立つわけです。お願いです。県に対して、基準値を上回っていないんだから、生データ。これ、群馬県が測ったやつですよ。皆さんが測ったのではなくて、我々県民の払った公金、血税で測っているわけです。しかも、白書に書いてあるように環境基準を上回っていないということですから、これはぜひ、すぐに、来週月曜日でも環境保全課に言って「出してやってくれ」と。「第三者照会、前のあれは取り消すから」と。こういうふうにお願いします。強くお願いします。えーと最後に、先ほども説明がございましたけれども、これ、まあ、住民の私が、御社の経営について、とやかく言う立場ではありませんけれども、中島室長さんからも話しがありましたように、電気代が高騰していますよね。私もまあ、いろいろまだ半分、あの、現役でやっているんですけれども、いろいろな業界から「東邦亜鉛さん、電気代高騰で、まあ東邦亜鉛さんに限らずね、電解プロセスで商売している製錬会社、これ大変ではないか」と。「とくに東邦亜鉛さん、こんな内陸でやられているわけだから、鉱石の運搬だとかね、あと、まあスラグの処理にしても、まあ、いろいろコストがかかる。ひょっとして撤退するんじゃないの」と、こういう声もちらほら聞こえてきますが、これについて「いや、そんなことはないんだ。製品価格に転嫁して、サステナブルで、これからも事業を進めるんだ」と。まあその辺、本社の方の皆さんもオンラインで出ていますから、ぜひですね、我々に対して、「SDGs、サステナブルな事業でこれからもやっていくんだ」と。こういうことを、明確にお示しできるのであれば、そうしていただきたいし、いや実は噂ではなくて本当なんだ、というのであれば、まだプレスリリースされてないかもしれませんけれども、そういうつもりだというようなところも、もしできれば前倒しでお話しいただけると幸いです。以上です。

守る会司会:はい、それでは会社の方で、お答えしていただきたいと思いますけれども、まず、あのう、岩井地区での土染対策事業について、会社のほうとして、まあ小川さんのほうからはいろいろ質問がありましたが、会社の方としてはどういう事実を認識されているのか、ご説明をお願いします。

司会:それでは、私、中島の方からお話しさせていただきます。排土処理場の土壌調査につきましては、えー、群馬県の要請を受けまして、群馬県土砂等による埋立て等の規制に関する条例、これに準じた調査を行いました。この土壌調査の結果につきましては、群馬県に報告をさせていただいております。ただ、先ほど小川さんからもありましたように、群馬県からは情報が出ていないということですので、その結果の報告については、この場では控えさせていただきたい、というふうに思います。土壌の調査については以上でございます。

守る会司会:あのう、まあ、基準を上回る結果が出たということは、どうも確かなようなので、それは、あのう、せっかく皆さんがここにお集まりになってですね、多くのかたはやっぱりその対策事業にも関わっているし、これから野殿のほうにも関係いてくるわけですけれども、どういう結果が出て、どういうふうに処理されたということは、ちゃんと皆さんにお伝えしたほうがいいと思うんですね。何がなんだか分からないということでは、やっぱり信頼関係は生まれないので、問題があったことについては問題として捉え、それをどう対応していくかと、そこでまあ、会社の姿勢が問われるわけですので、それはちゃんと分かる限りはご説明していただきたいと思いますけど。

製錬所側:・・・・

守る会司会:本社の方からお答えいただいても結構ですよ。

当会:石井さん、お願い。

本社側:・・・・・。・・・・・・。

環境安全室長:はい、えーとそれでは、あのう、東京の環境安全の石井でございます。えーと、あのう・・・聞こえていますか?大丈夫ですか?

当会:ああ、よく聞こえますよ。

環境安全室長:はい、えーと、公特事業につきましては、皆様がた、ご存じのとおり、事業につきましては群馬県様、それから安中市様が、あるいは地元のかたのご要望ということで、進められているということでございます。で、当社といたしましては、事業に協力するために、先ほど冒頭ご紹介しましたけれども、排土置き場への、当社の土地の排土置き場への提供、それから客土の仮置き場の提供ということで協力させていただいております。で、あくまで事業につきましては、群馬県さんの方でやられているということでございます。で、先程ほど申しました、中島の方からご説明いたしましたとおり、分析その他につきましては、群馬県環境森林部の指示というか、それで行ったと、いうことでございます。で、それらの結果を受けまして、えー、群馬県の農政部さんのご説明によりますと、まあ、それらの対応につきまして、現在排土置き場につきましては、えー、皆様の、その地権者の方々の土地の排土を、取り除いた土を排土置き場に入れまして、で、その上に新たに飛散しないように約45センチ、50センチの覆土、新しいきれいな土を被せたと、いうふうに説明をいただいております。で、これらの対応によりまして、えー、土壌の飛散というのを防ぎまして、近隣の皆様に影響がないようにしていると。あと、ちょっとまあ、詳細については私よくわかりませんが、皆様の方が・・・地元の皆さまの方がよくご存じかと思いますが、その近隣には、飲用、あの、井戸に、あの、飲み水に使っている井戸はないというふうな、そういう結果ですので、法律上、こういったことで大丈夫であるという判断をもとに、群馬県の農政部様がそういう判断ということで施工されているというふうに聞き及んでおります。ということで、先ほど申し上げたけども、ちょっとまあ、答えになっていないかも存じませんけれども、あくまでも、群馬県様の農政部の主体で事業が行われているということで、環境とか、あの、そういう確認につきましては、今申し上げました、・・・これから・・・というような、そういったことで、影響がないということで、進めたのだというふうに聞き及んでおります。以上雑駁な説明ではございますが、東京からのご連絡でございます。

当会:オーマイガー。

守る会司会:あのう、まあ、具体的な環境基準を上回ったかどうか、そういうこともお尋ねしているわけで、その点は、まあ、上回ったのは、それは上回ったのでそれは事実なので、仕方がない話で、それに対して今後どうするかという問題になっていくと思いますので、その点は、会社は事実を把握していると思いますので、明らかにしていただけませんか?

環境安全室長:はい、あのう、そこにつきましては、ちょっと、あのう、群馬県さんに・・・この件につきましては、ちょっと会社の一存で、ちょっと申し上げられない点が、ちょっとございますので、えー、群馬県さんのほうで、ちょっとあのう、調整というか、確認が必要ですので、ちょっと申し訳ありませんが、この場ではちょっと申し上げられないということで、ちょっとお時間をいただければと思います。よろしくお願い・・・ご理解いただきたいと思います。

守る会司会:そのことは非常に重要な問題だと思っていますので、今日、まあ即答できないということであれば、きちんと対応をお考えになって、また事前協議なり、なんなりの席で、ご説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。

環境安全室長:はい、承りました。

守る会司会:それから、小川さんの方からご質問というか、要望のありました水質についてのデータ。それが、群馬県から具体的なポイントについて開示されないと。会社はご了解されれば開示されるはずだということについて、ですけれども、これについてご回答をお願いしたいと思います。

環境安全室長:ではあのう、東京から回答させていただきます。えーと、開示の請求につきまして、小川さんの方から請求されたということでございますけれども、内容につきまして、あのう、回答の可否につきましては、これはあくまでもご判断につきましては、申し訳ございませんけども、それは群馬県の環境森林部のご判断ということでございます。で、あくまでその決定につきまして、可否につきまして、当社が申し上げる議題ではないかと存じておりますけれども、それで、その可否につきまして、公開につきまして、当社がちょっとこの場で申し上げていいのかどうかというのは、ちょっと、申し訳ございませんけれども、なかなか回答は難しい議題だと考えております。ちょっと回答になっていないかもしれませんけれども、はい、以上でございます

当会:オーマイガー。

守る会司会:あのう、えーと、東邦亜鉛のほうでは、群馬県に対しては、この情報を開示することに異議はないというご回答をされたけれど、県が開示しなかったということでしょうか?

環境管理部長:えーと・・・回答・・・はい、申し訳ありませんけれども、あのう、回答のその、あのう、内容につきましては、今この場ではちょっと申し上げられません。あの、大変申し訳ございませんけれども、ちょっと申し上げられないということで、えー、ノーコメントというふうに回答させていただきます。申し訳ございません。

守る会司会:あのう、それを今ここで私たちが納得するという訳にもいきませんので、それも引き続きご検討お願いしたいと思います。

環境安全室長:はい、分かりました。承りました。はい。

守る会司会:それから第3点目、これは具体的な質問ということではありませんけども、東邦亜鉛がこの地で引き続き環境に留意しつつ、操業を続けられるのかどうかということについてですけれども、まあ、これについてもお答えいただければと思いますが。

会社側:・・・・はい、・・・・えーと、

当会:取締役、森田さん。

守る会司会:あのう、どなたでも結構ですけれども。

所長:では、今のご質問につきましてはですね、まあ、非常に厳しいというのはご承知の通りでございます。まあ、そうは言ってもですね、我々はあのう、この地からいろいろと、まあ、当社がこう築き上がってきたという事情もございますし、もう、そこのところは、ずっとこの地で頑張るというふうには変わりございませんし、もっと言いますと、この地でいろいろと働いていただいている人たちもおりますので、そういう意味合いでもですね、頑張っていきたいというふうに思います。まあそういうことで、お目通りさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

守る会司会:はい、ありがとうございました。えー、他にご質問、ございますでしょうか?

参加者一同:・・・・。

守る会司会:よろしいですか?それでは質疑はこれで終了ということにさせていただきます。ありがとうございました。

会社司会:高坂先生、ありがとうございました。そうしましたら、視察会終了に当たり、代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会事務局長、白石さん、よろしくお願いいたします。

事務局長:本日はご多忙中のなか、第32回工場視察会にご参加いただき誠にありがとうございます。「継続は力なり」と申しますけれども、32回、あのう視察会を開催してきて、その中でいろいろな意見の相違や立場の相違のなかでですね、議論をいただき、・・・生活環境の創生に向けて努力をしてきたことは評価されるべきだと思います。本日は、最後に、設営に尽力された東邦亜鉛の関係者の皆様に御礼を申し上げまして、最後のご挨拶とさせていただきます。今日はありがとうございました。

会社司会:どうもありがとうございました。それでは私ども会社の方からは、常務執行役員総務本部長の大久保よりご挨拶を申し上げます。

総務本部長:本社総務本部の大久保でございます。僭越ながらちょっとご挨拶させていただきます。本日は5月8日には新型コロナウイルス、また感染症の、今回5月8日には新型コロナウイルスの分類が2類から5類に引き下げになるようですけれども、ひとえに皆様におかれましては引き続き、参加人数のご協力や、マスクの着用等、指示を、ご不便、ご負担をおかけしました。そうした中で4年ぶりに4月に第32回安中工場視察会が開催でき、ご参加いただきましたことにつきまして御礼申し上げます。皆様のご協力によりまして、今回は無事に終了できました。重ねて御礼申し上げます。また弊社はですね、弊社安中製錬所、ならびにその従業員と家族が大変お世話になっており、誠にありがとうございます。本日、議題でも話題に上げられましたけれども、公特事業に関しましては、岩井畑地区につきまして、本年をもって完了したということを聞き及んでいます。長年の懸案であった課題の解決に向けた一歩と考えておりまして、誠に喜ばしい限りでございます。安中製錬所におきましては、設備のコンパクト化を鋭意推進しております。今後とも従業員一丸となって、安全、安定操業をモットーにさらなるコストダウンに努めますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。また先ほど小川さんからもご指摘がありましたけれども、足元の亜鉛事業を取り巻く環境につきましては、当社の生命線であります電気代は依然として高止まりしております。また、亜鉛相場は景気後退懸念を受けて、下落傾向にあるということで大変厳しい状況であります。かかる危急存亡の危機ながら、この励ましをいただき、まさに皆さまをはじめとする地元のかたがから、先程も当社の森田が申しましたように、共存共栄、今後とも共存共栄できるように、全従業員で知恵を絞り、歯を食いしばって日々精進してまいりますので、今後とも、ご支援ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。えー、最後に大変恐縮でございますが、ここにご列席の皆様とご家族の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
会社司会:それでは、以上を持ちまして、第32回工場視察会、終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

■こうして第32回安中製錬所の工場視察会が11時41分に終了しました。意見情報交換会での会社側の回答姿勢には参加者も目を丸くしていました。これでは今後、重金属で汚染された畑地の土壌改良事業の先行きは多難と言わざるを得ません。

 しかも、行政による東邦亜鉛への特別な配慮というか、対応ぶりに呼応して、東邦亜鉛側もどっぷりと行政側に寄りかかっている様が明らかに見て取れます。引き続き、こうした理不尽なバリヤーを取り除き、速やかな汚染土壌の入れ替えを図り、安中公害の負の遺産の解消を目指してゆく決意をあらためて確かめた今回の工場視察会でした。

【市民オンブズマン群馬事務局・北野殿公害対策委員会事務局からの報告】

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【統一地方選第1ラウンド】盛り上がりに欠ける選挙戦・・・誰がなっても同じなのか

2023-04-07 23:34:14 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■4月29日任期満了の群馬県議会議員の選挙は、3月31日(金)告示で、4月8日(日)投開票にむけて、現在選挙戦は大詰めを迎えています。そうした中、当会は、東邦亜鉛安中製錬所を巡る公害防除特別土地改良事業(通称「公特事業」という)に関して、地元安中市区から出馬している3候補に問うため4月3日(月)に、以下の内容で公開質問状を提出していました。

*****4/3安中市区県議候補向け公開質問状*****
                           令和5年4月3日
群馬県県議会議員選挙候補者
ご芳名       様
                    〒379-0114安中市野殿980
                    北野殿公害対策委員会
                    委員長 小川 賢
                    携  帯:090-5302-8312
                    FAX:027-381-0364
                    E-mail:ogawakenpg@gmail.com
           公 開 質 問 状
拝啓 当委員会は、安中市内で操業を続けている東邦亜鉛安中製錬所の影響に晒される地元住民の安全・安心な生活・営農・自然環境の保全と、同製錬所の監視及び対話を目的として活動している組織です。現在、地元の野殿地区では同製錬所周辺の土壌汚染畑地を対象として県営による公害防除特別土地改良事業(公特事業)が進められております。
 さて現在、令和5年4月29日任期満了に伴う群馬県県議会議員選挙が、3月31日告示、4月9日投開票の日程で執行されております。選挙活動中のご多用のところ誠に恐縮ですが、以下の質問事項に関してご記入いただき4月7日(金)15時までに、FAX(027-381-0364)にてご回答くださいますようお願い申し上げます。

【Q1】同製錬所からは依然として通常の地域の数十倍もの量のカドミウム、鉛、亜鉛など重金属を含む降下ばいじんが周辺域に降り注いでいます。この事実をご存じでしょうか。
   □知っている   □知らない

【Q2】この状況を打開するためには、既に土壌汚染が進んでいる同製錬所周辺の畑地の土壌を健全化しなければなりません。しかし、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づき、昭和47年8月17日に定められた農用地土壌汚染対策計画は、昭和51年3月及び昭和53年6月に変更決定されたにもかかわらず、対策事業の実施にあたって、指定地周辺の要観察地域の畑等も含めて一体的な対策を図るべく、対策計画の変更及び土地改良事業計画に基づく公特事業について、いまだに検討・調整中の段階にあります。遅れを取り戻すための必須要件と思われるものを次の中からお選びください(複数選択可)
   □国の熱意  □県の熱意  □市の熱意  □東邦亜鉛の熱意
   □地元関係者の熱意  □事業内容の周知徹底 □わからない
   □それ以外(具体的に:                          )

【Q3】当委員会は、3年後の令和8年4月までに、公特事業の着工の目途を確実化することが地元の抱える公害問題対策の大きな節目にひとつと考えております。そのため県議に当選された場合、当委員会のかかげる着工実現という目標に向けてどのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元選出の県議として、3年後の着工をかならず実現させる。
   □地元選出の県議として、3年後の着工に向けて最大限の努力を惜しまない。
   □地元選出の県議として、3年後着工の期待に沿えるよう配慮する。
   □地元選出の県議として、3年後着工に向けてできる範囲で対応する。
   □地元選出の県議として、3年後の着工の実現にはこだわらない。
   □地元選出の県議として、3年後の着工の実現はあきらめる。
   □地元選出の県議として、なんともいえない。

【Q4】もう一つ重要なことは、現在も続く重金属を含む降下ばいじんの問題です。この状況を打開するためには、東邦亜鉛に対して、さらなる公害防止対策を課すなどして、降下ばいじん量の減少はもとより、降下ばいじん中の重金属濃度をゼロにすることが再汚染対策の観点からの不可欠です。さもないと、仮に公特事業が実施されてもいずれ土壌の再汚染を招くからです。そのためには、東邦亜鉛に対して、安中製錬所が実施している降下ばいじんのデータの開示と、原因究明・対策方針に関する説明を求める必要があると考えます。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元選出の県議として、かならず開示と説明を求める。
   □地元選出の県議として、必要性を検討したうえで判断する。
   □地元選出の県議として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
   □地元選出の県議として、なんともいえない。

【Q5】最後に東邦亜鉛安中製錬所(会社)が副産物として毎年大量に生み出している非鉄スラグの問題があります。これまで何十年にわたり莫大な量のスラグを日々排出してきていますが、その使用箇所について、会社は「行政に報告しているので、報告内容は行政に問い合わせてほしい」と言い続けています。当委員会では、会社が行政に報告している非鉄スラグの使用状況に関する情報を自ら開示するよう、会社に求めていますが、誠意がみられません。そこで群馬県に開示請求をしたところ、真っ黒に塗られた文書が開示されました。このことについて、どのようなご支援をいただけますでしょうか。現在のお気持ちに最も近いものをひとつお選びください。
   □地元選出の県議として、県と会社の双方に対して必ず開示を求める。
   □地元選出の県議として、県に対して開示を求める。
   □地元選出の県議として、会社に対して開示を求める。
   □地元選出の県議として、必要性を検討したうえで判断する。
   □地元選出の県議として、そうした権限の有無を調べたうえで判断する。
   □地元選出の県議として、なんともいえない。

 ご協力ありがとうございました。なお、ご回答内容の結果は、ご回答の有無と併せて、SNSなどを通じて広く公表する予定です。予めご了承ください。
敬具
**********

■最初に、昨年11月7日に出馬表明した当時安中市議会副議長で新政会所属遠間大和(やまと)候補の選挙事務所を訪問しました。遠間候補の選挙事務所は中宿28-3にあり、両隣が小川精麦と関東新聞販売で、信越線沿いに安中駅と新島学園の中間あたりにあります。

 事務所を訪れ、「選対長はいらっしゃいますか」とスタッフに声をかけたところ、「今、電話対応中なので少しお待ちください」と中に通されました。まもなく現れたのが上間仁田にある山一製作所の代表取締役の佐藤茂樹氏でした。

 さっそく説明書を渡して、趣旨を説明しました。佐藤氏は「東邦亜鉛の問題はとっくに和解により解決していたと思っていた。実際にはまだだったとは知らなかった」とおっしゃり、候補者に伝えておくことを約束していただきました。退出する際は、事務所の入口までお見送り頂きました。

 次に伊藤清事務所を訪ねることにしました。以前から原市の杉並木のところに事務所があったことを覚えていたので、訪問したところ、事務所の入口に選挙事務所は、安中磯部線沿いにある「やまとや」であることを告げる貼り紙がありました。躊躇していると中から女性の事務員が声をかけてきました。要件を告げると、「わかりました。候補にその旨伝えておきます」とのことで、質問書を手渡しました。

 そのあと、「やまとや」の選挙事務所も訪問しました。昨年4月の市長選で岩井均候補(現市長)が借りていた場所です。中に入り、手指の消毒をしてから受付表に記帳すると、後援会長の池田泰弘氏が現れ挨拶をしました。「候補者の自宅付近に住んでいる縁で、後援会長を引き受けたが、重責に緊張している」と自己紹介していただいた後、当方からさっそく要件をお伝えし、「既に公開質問状を伊藤清事務所の方に提出済なので、よろしくお伝え下さい」とお願いしました。その後、選挙戦の様子をお聞きしたところ、「松井田地区は岩井市長が県議の頃、一緒だったので年配の世代には名前は浸透しているが、若い世代には浸透していないのが課題」とのことでした。現職とはいえ、岩井候補にくらべると得票数の絶対値は決して多くなかったことから、「どの候補が当選するかわからない」として、緊張感をもって選挙戦に臨んでいる様子がうかがえました。

 最後に、粟野好映候補の事務所を訪れました。場所は市内の安中1066-3で、米山公園の北側の秋間川と九十九川の間に位置します。

 「あわのよしあき事務所」と書かれた事務所の脇の駐車場に車を止めて事務所に入ると、事務局長の臼田誠氏と親族代表の川田隆司氏が現れたので挨拶をして、公開質問状を渡し、回答を依頼しました。「候補に伝えるが、連日の選挙遊説で候補は疲れており、できれば、選挙運動期間後に回答するようになるかもしれない」とのことでした。当方からは「お疲れのところ申し訳ありませんが、できれば7日の金曜日までにお願いできればと存じます」と再度要請しました。ちなみに、川田氏は長年ボルテックスセイグンで勤務され、現在安中市交通安全協会の会長だということです。

■結局、どの候補からも期限までに回答をいただけませんでした。その理由は定かではありませんが、3候補の選挙事務所には、東邦亜鉛安中製錬所と大書したエビラ、あるいは為書きがいずれも目立つところに貼ってあったことと、事務局関係者で「東邦亜鉛さんにも支援いただいている」とコメントする場面もあったことから、やはり、大企業からのサポートのほうを優先しているのかもしれません。

 いずれにしても、投開票日まで、各候補の動向を注視してまいります。

【ひらく会情報部】

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東邦亜鉛安中製錬所における7月2日開催の第31回工場視察会の一部始終

2022-09-03 13:06:01 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■毎年恒例の東邦亜鉛安中製錬所における工場視察会は、東邦亜鉛と安中緑の大地を守る会(旧・安中公害裁判原告団)との間で締結された協定書に基づき、例年4月の第2土曜日に開催していました。ところが、コロナの影響でここ2年ほど9月に開催されていましたが、今年は7月2日に開催されることが双方による協議会の場で決まり、連年になく早い梅雨明けの極暑の最中、開催されました。その模様をご報告いたします。

 コロナ過のため、参加者は10数名に絞られましたが、午前8時半から安中製錬所の事務棟前の来客用駐車場に、次々に車で乗り付け、玄関で体温チェックと手指の消毒を済ませた後、名簿に住所氏名を記入し、2階の大会議室に集合しました。そして、午前9時に第31回工場視察会が始まりました。

【会社司会】みなさま、おはようございます。(場内:おはようございます)事務部環境管理室を担当しております中島でございます。本日の工場視察会におきまして、会社側の司会を担当させていただきますので、よろしくお願いいたします。例年4月に行われております工場視察会ですが、新型コロナウイルスの影響により、また今年も…今年もというのではないですけれども、この時期での開催ということになってしまいました。梅雨が早々にあがってしまって、非常に暑い日が続いております。本日も、もう気温がだいぶ高いですけども、これからさらに気温が高くなる、というふうに予想されますので、熱中症については十分注意をしていただきたい、というふうに思います。新型コロナウイルスに関しましては、最近感染者数が少しずつ減っている、という傾向にはなっていますが、感染予防には十分配慮しながら開催してまいります。ソーシャル・ディスタンスのために人数制限をさせていただいたり、マスクの着用、手の消毒、まあ、色々とご協力をいただきましてご不便をおかけします。本日の工場視察会は、時間短縮のため、終了を11時で予定させていただいております。ご協力をよろしくお願いいたします。それでは、まず、会社側の出席メンバーの紹介をさせていただきます。本社のメンバーにつきましては、新型コロナウイルス感染予防対策としてWEBでの参加となります。モニターをご覧下さい。まず最初に、総務本部長の大久保常務執行役員でございます。

【本社側】・・・・あっ・・・(声がでない)

【会社司会】すいません。本社のほうのマイクが入っていない。石井室長、聞こえますか?

【環安室長】はい、今ようやく。すいません。

【会社司会】すいません。そうしましたらもう一度、本社のメンバーの紹介をさせていただきます。まず最初に、総務本部長の大久保(浩)常務執行役員でございます。

【総務本部長】本社総務本部の大久保でございます。本日はよろしくお願いします。

【会社司会】同じく、総務本部の高橋(宏)副本部長でございます。

【副本長】高橋でございます。よろしくお願いいたします。

【会社司会】同じく総務本部(総務兼秘書室長)の橋田(幸弘)部長でございます。

【総務部長】橋田でございます。よろしくお願いしま~す。

【会社司会】同じく総務本部の安藤顧問でございます。

【総務顧問】安藤でございます。よろしくお願いします。

【会社司会】次に、環境安全室の石井(光)室長でございます。

【環安室長】石井でございます。本日はこのメンバーでどうぞよろしくお願いいたします。

【会社司会】続きまして、安中製錬所のメンバーでございますが、所を代表します森田常務執行役員所長でございます。

【所長】森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。

【会社司会】副所長の原澤でございます。

【副所長】おはようございます。原澤でございます。よろしくお願いいたします。

【会社司会】次に製造部、鈴木部長でございます。

【製造部長】製造部鈴木です。よろしくお願いします。

【会社司会】それと、事務部環境管理室を担当しています私、中島です。本日このメンバーで工場視察会の対応をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。では、続きまして、朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長、藤巻岩男様。よろしくお願いします。

【藤巻会長】おはようございます。

【会社司会】会長、マイクをお願いします。はい、マイク。

【藤巻会長】ごめんなさい。おはようございます。(場内:おはようございます)まあ、今年はね、梅雨があるようなないような、で終わってしまって、真夏に入ってしまうということで、連日の暑さでございますね。まあお互いに、暑気に当たらないように、とは言ってもね、この外へ出てしまうと、これというあれがありませんけれどもね。水を補給したり、太陽を少しでも避けるようにして、今日一日を過ごしていきたいと思います。それにコロナですけれどもね、減ってきたという先ほどの挨拶の中にありましたけれども、ここ幾日か、東京をはじめ、群馬もそうですけれども、又増え始めているんですね。どうも、このまま収まる気配ではないというような状況で、この点についても、大変心配されているところでございますけれどもね。これが一日も、できる限りの対策を立てて生活をしていかなければならないかなとは思っておりますね。本日は今日、暑い中での実施というものになりました。会社の方も大変だと思いますけれど、まあ、暑さの、うまくいけば時間を短くできるところは時間を短くする。もちろん必要な説明はしていただかなければなりませんけれども。そういうことで本日無事に視察会が終了できますよう祈念しております。よろしくお願いします。

【会社司会】ありがとうございました。続きまして、会社を代表しまして、所長の森田よりご挨拶を申し上げます。

【所長】皆さんおはようございます。(場内:おはようございます)所長の森田でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。3年が経過するんですね、新型コロナ感染症。まあ昨年はですね、そのような。今年ですね、5月、ゴールデンウィーク明けから徐々に、まあ感染症が減少してきているという、まあ当時はそういう状況の中でですね、安中緑の大地を守る会役員様とですね、今年度の工場視察開催に年明けから相談させていただきました。まだ、完全にという、感染症撲滅とはならない状況ということを判断しまして、ご不自由をかけますが、ここ2年間開催と同じようにですね、弊社コロナ対策ルールに沿った形で、また、今週は早々にですね、梅雨明けになりまして、連日の極暑のなかでございますが、本日、工場視察会を行わせていただく運びとなりました。昨年をちょっと振り返りますと、昨年、21年のですね、東京オリンピックなりパラリンピックがございまして、ですね、8月・9月をピークに、まあ、祭りの後の静けさと申しますか、新型コロナウイルスの感染者数が10月以降ぐっと急激な減少となりまして、数も規模も急降下という話でございました。そういうような中で、社会を取り巻くといいますか、気候変動対策とか、CO問題、また、よくテレビでもお耳にしているかと思いますSDG等の国際的な社会の大きな変革が伴ってですね、とりわけ我々製造業につきましては、エネルギーや資材の高騰が拍車となりまして、非常に不穏当な国際社会に陥った、昨年、とりわけ下期ではなかったかと思います。そういうような中で11月8日に、ですね、54年間稼働してまいりました安中製錬所の焙焼炉を停止致しました。また、第2電解もですね、21年度をもちまして停止と、いうかたちで、安中製錬所は一部生産設備の停止、統括に伴いまして、亜鉛事業再構築に向かって舵を切りまして、現在もその状況の中で展開中でございます。併せて、非鉄スラグ関係に関しましても、粛々と必要な対応を積み重ねてまいりまして、逐次、県行政にですね、報告をしておる状況でございます。まあ、オミクロン株のコロナ感染も減少傾向で、目下、申し上げたように、先ほど藤巻会長もおっしゃられたように、ここにきてちょっとまた増えてきているところで、まあ、いろいろ状況が日に日に変わっているところでございますが、まあ、極暑の工場視察会となりまして、いろいろとご不自由をおかけしますが、地元の皆さまのご指導とご鞭撻をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶に替えさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【会社司会】続きまして、本日の視察コースや日程につきまして、製造部長の鈴木より説明をさせていただきます。

【製造部長】それでは工場視察につきまして、ご説明させていただきます。製造部鈴木です。よろしくお願いします。去年と同じくですね、製錬所内の製造工程並びに公害防止設備を中心にご案内させていただきます。昨年11月に焙焼、硫酸工場、今年の3月に第2電解工場の稼働を停止しております。その他操業は順調でしたので、安定した事業を進めている状況をご視察いただければ幸いと思います。昨年と同様、新型コロナ対策でマスクをしておりますので、私の声が聴きづらいかもしれませんが、ご了承をお願いします。また、昨年の視察会が9月…に対しまして今回は7月で、例年になく気温が高い状況になっております。もう外の気温も30度くらいになっております。また、マスクもしておりますので、熱中症には特に注意していただければ幸いです。また、視察中にご気分が悪くなられたり、体調に異変を感じられた方は遠慮なく申し出て下さい。視察についてですが、お手元の資料の視察コースのページのほうをご覧ください。今年も、ですね、マイクロバスを1台、ワゴン車2台を用意しました。第1班、健脚コースのほうにつきましては視察場所により、バスから降りてのご案内となりますので、ヘルメットの着装をお願いします。案内は、私、製造部鈴木がご案内いたします。第2班、楽々コースにつきましては、ワゴン車からの視察となります。視察中ワゴン車の乗り降りは致しませんので、外も暑いですので、ちょっと外に行くのは不安がある方につきましては、そちらの方の乗車をお勧めいたします。ヘルメットはご不要です。で、案内につきましては、総務課の長岡のほうが担当いたします。今回のコースでも前年同様、公特事業についてのご視察を追加してあります。この点につきましては、このあと中島のほうからご説明いたします。では、工場視察会の注意事項についてご説明いたします。まずですね、場内での写真撮影のほうはご遠慮いただきたいです。今回も場内での持ち込みは…、場内に持ち込まないようにご協力をお願いします。また、携帯電話につきましては持ち込み可能ですが、撮影機能のほう、こちらのほうは使用をご遠慮お願いします。また、健脚コースの方につきましてはバスを降りて工場内を歩いていただきますが、安全確保を最優先に足元にご注意いただくとともに、稼働している施設並びに製品につきましては、絶対に手を触れないよう、お願いいたします。では、これから視察に入りますので事務所前へ移動をよろしくお願いいたします。


【会社司会】環境管理室の中島でございます。先ほど公特事業につきまして、今回視察コースというご説明がありました。今回の視察コースには昨年に続きまして、客土材の仮置き場が入っております。昨年の客土材仮置き場につきましては、視察コースでご覧いただいたのですけれども、今年につきましては、客土材のほかに、覆土材が搬入をされております。その状況をご覧いただきたいというふうに思っております。排土処理場の方ですけれども、こちらについては、昨年もそうだったのですが、事業所の外ということもございまして、視察コースには入れてございません。代わりにですね、お手元の資料の2枚目、視察コースの裏面にですね、排土処理場の、まあ、こういった写真をですね、掲載させていただきました。少し前に撮った写真なので、現在もう少し草が茂っております。


まあ、草が茂っているので、今の写真よりもこちらのほうが、わかりがいいかなと思いこの写真を使いました。まあ、こんな状況になっているということでございます。それでは、視察の方に移らさせていただくんですが、例年ですと、この視察の前にですね、記念撮影というものをしております。ただ、ここ数年続けておりますように、三密を避けるために、記念撮影のほうは中止とさせていただきます。トイレ等を済ませていただきまして、玄関先の方へご移動をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

■9時15分に玄関先でマイクロバスに乗車しました。まもなく出発し製錬所内に入りました。

【製造部長】皆様、あらためておはようございます。(車内:おはようございます)場内視察のほう、ですね、ご案内いたします製造部の鈴木です。よろしくお願いします。先ほど、説明したとおりですが、まず、工場の方ですね。最上部に上がってから下りながら順次視察していきますので、よろしくお願いします。当社は、主に、亜鉛、鉛、銀のほう、地金の方ですね。こちらの方を生産しております。まあ、その他のほうですかね。だいたい6つの事業から成っておりまして、亜鉛、鉛、銀の地金生産のほかにはですね、主だって電子部品の材料なりですね、粉末冶金の方の部材の方の生産を行っております。弊所、安中製錬所におきましては、亜鉛地金、あと、亜鉛合金の地金、硫酸、粉末冶金による焼結部品などですね。こちらのほうの生産を行っております。亜鉛はですね、年間14万トン、大体月に1万トンですね。こちらのほうの生産能力を持ちまして国内のほうの約20パーセント強ですね、こちらのほうの亜鉛の生産を行っております。生産した亜鉛の方ですけれども、こちらのほうはですね、約60パーセントがですね、自動車などに使用されております薄板の鋼板メッキ、こちら用に亜鉛が使用されております。

■5分ほどでTCAのわきに到着しました。マイクロバスから下りて、視察です。ブロアの甲高い音が立ち込めています。旧FBWS排気塔やTCAなどと描いてある説明板の前で、健脚コース参加者の皆さんが会社側の説明を受けました。

【製造部長】こちらのほうですね。鉱さい処理のロータリーキルンの排煙の脱硫工程のほうの処理装置となっております。ロータリーキルンの方で発生する排ガスの方をこちらの方に引いております。排ガスにつきましては、ガスクーラーで冷却して、バグフィルター…すいません、ちょっと暑いので日陰の方でお集まりいただければ…。すいません、排ガスのほうですね、ガスクーラーの方で冷却してバグフィルターで除塵した後、粗酸化亜鉛ダストとして回収しております。その回収した排ガス…ダストを回収した排ガスですね、こちらの脱硫工程の方に送られてきます。排ガスの方につきましては亜硫酸ガス、こちらの方が含まれておりますので、これを脱硫するのに、こちらの右手の方にあります亜鉛華のTCA。で、こちらの左手の方に見えます苛性ソーダのTCAで脱硫しまして、あと残りが水TCAと呼ばれている、こちらのほうで水洗浄をしております。そして、地上高37mあるんですが、こちらの方から排気しております。排ガスの方ですね、硫黄酸化物測定に関しましては、こちらにあります水TCAと呼ばれる塔の出口の方に設置して、硫黄酸化物の連続測定、こちらの方を常時行って監視しています。で、あとですね、排ガスの煤塵等の測定につきましては、2か月に1偏、測定しまして、定期的に排ガスの煤塵の管理を行っております。それでは次の行程のほうに参りたいと思います。

■マイクロバスに乗り、坂を下り始めました。車内での会話が聞こえてきます。「いやあ、暑い暑い」「すいませんね。最近年を取って太ってきちゃってどうしようもないやね」

【会社司会】じゃあ、次お願いします。

【当会】鈴木部長、質問いいでしょうか?

【製造部長】なんでしょうか?

【当会】あの排気塔からの2か月に一遍、煤塵の測定をされるとおっしゃっていました。どういう測定をされていますか?何の測定をされていますか?どういう方法?時間がかかるなら後でもいいですよ。

【会社司会】方法?やっている項目は煤塵…。

【当会】だから、煤塵の、ただの量なのかね?

【会社司会】えーと、カドミウム、鉛、亜鉛、あと、硫黄酸化物・・・窒素はやっていないんだな。

【当会】窒素酸化物はやっていない?

【会社司会】それくらいです。はい。

【当会】それは連続的に?

【会社司会】連続的ではなく、2か月に一遍のスポットです。

【当会】サンプリングで?

【会社司会】業者さんにお願いしています。

【当会】だからそのサンプリングでやっているのか。どういう方法なのか?

【会社司会】えーと、あれです。通常の吸引法です。吸引して。

【当会】ガスクロとか何か、使っているの?

【会社司会】分析自体?要は、ろ紙に捕集しているんです。それを業者さんが持ち帰って化学分析をしているということです。

【当会】はい。そのデータは内部だけね?公表しないんだよね。

【会社司会】どこにもお出ししていません。

【当会】企業機密だからね?

【会社司会】はい。

【当会】それでは困るんですよ。まあ、後で質問するけど。

■やがてマイクロバスは中腹のカーブ地点を直進して、ロータリーキルンへの横道に入っていきました。まもなく建物に覆われた狭い道路を進みました。左右の建物の内部が見えないようにしっかりとブルーシートが両側に張られていました。車内で会話が飛び交います。「ここは日陰だ」「全然暑さが違いますね」「今回はブルーシートで完璧に覆っていますね」「もう焙焼炉止めたんだから全部スクラップにしたほうがよろしいんではないでしょうか」「今、屑鉄が高いからね」

■マイクロバスはロータリーキルンの前の空き地に着き、向きを変えるために切り返しを繰り返しました。3回ほど切り返して元来た方向に向きを変えました。そして参加者はバスを下車しました。日陰に参加者は集まったので、会社側が説明板を見やすい場所に移動しました。例年になく、軋み音があたりに響き渡り、騒音レベルが一層大きい感じがします。

【製造部長】さきほど、見て頂いた排煙脱硫工程ですが、そちらの方に送る排ガスを発生させるのがこちらのロータリーキルン(RC)です。左側ですね。このRCのほうに投入する原料につきましては一次鉱さいと言いますが、先に、ここから見えないですけれども、このドライヤーで事前乾燥されます。次に乾燥した一次鉱さいにコークスを混ぜまして、左手に見えるRCのほうにコークスと一緒に入れます。炉の先端の方にバーナーが併設されておりまして、重油燃焼によりまして、約1300度くらいまで加熱させまして、一次鉱さいと言うものを、亜鉛、こちらが揮発します。で、揮発した亜鉛につきましては、空気と接触することによって酸化物となります。ちょっと左手の方にガスクーラーと書いてありますが、そちらのガスクーラーや後ろの方にありますバグフィルター、こちらのほうで捕集されております。その酸化物を粗酸化亜鉛と称しまして亜鉛原料として回収しております。RCの炉前側から鉄分が主体のクリンカーと呼ばれるものが排出します。こちらのクリンカーにつきましては冷却されて、粒度を揃えて、出荷されます。ガスクーラーは排ガスの冷却や熱回収を行って、その熱はバーナーなどの二次空気に再利用されています。以上がRCの説明になります。では次の行程に移ります。よろしくお願いします。

【当会】バグフィルターはどこ?

【製造部長】ここです。

【当会】ああ、ここか。

【参加者】このなかに人がいるのかね。無理だよ。こんな熱くては。さっき警報が鳴っていたよ。

 バグフィルター室の間ドアから中を見ると、バグフィルターは8本見えました。その途端にサイレンの大きな音があたりに響き渡りました。暑さと双方に耐えかねて、参加者はさっそくマイクロバスに避難しました。引き続き車内でも会話が続きます。「炉の中にも人がいるんですか?」「はい?」「あの中にも」「えーとですね、普段はいません」「サイレンみたいなのが鳴っているのでびっくりしました」「熱中症対策をして、温度計を持って点検に入ります」「あれでは温度計見るだけでおかしくなっているんじゃないの」「点検には入りますが、ずっといたら参ってしまいますね」「そうだいね」

【当会】ガスクーラーでガスの温度は何度くらいまで下げるのですか?400度くらい?バグフィルターの耐熱郷土によりますよね?

【製造部長】そうですね、あの手前で大体200度前後までいきます。

【当会】はい。バグフィルターに穴が開いたときは、例の光電管方式で検知しているのですか?

【製造部長】・・・

【当会】それとも全然(検知)していない?

【会社司会】いえ、バグフィルターで漏れてもTCAにガスが行くので。

【当会】いや、そうなるとTCAの負荷が上がるから、全く野放図なのか?じゃあ、(検知を)やっていないわけなんですね?

【会社司会】(バグフィルターの)点検は、もちろん定期的には、やっています。チェックできるようになっています。

【当会】定期点検だけね。光電管とか、そういうセンサーは付いてるの?

【会社司会】光電管のセンサーはないです。

【当会】つまり、目視ね?

【会社司会】そうです

【当会】じゃあ、(バグフィルターが破れた場合、漏れた重金属を含んだ粉塵は、次の脱硫工程に運ばれるので)負荷がかかる場合があるわけだ。と言うことは、(主)排ガス塔での重金属の排出の程度、傾向というのは、非常に重要なデータですね。それを公表しないというのは非常に問題ですね。まあ後で質疑応答でお願いします。

【会社司会】・・・

■参加者を乗せたマイクロバスは再び坂道に出て、左手に曲がり坂を下りていきます。右側にスラグを運搬するコンベアを支える支柱の列が見えます。やがて新電解工場のわきを通り、スラグ置き場に入りました。中でぐるっと回りました。そして中央で止まりました。外に降りずに車中から窓越しに見ながらの説明です。

【参加者】わーすごいな。すぐ(水が)染み込むんだね。

【製造部長】ここがですね、K砕の出荷場となっております。先ほどのRCから発生したクリンカーですね。ベルトコンベアでこちらのK砕出荷場のほうに送られてきます。こちらのほうの面積、大体約1万6000㎡となっております。こちらのほうですね、大気汚染防止法に沿いました粉塵発生施設の届出を出してから、建設をしております。施工内容ですが、こちらは地面のほうに厚いコンクリート製の土間を敷きまして、周囲に、周りの方は高さ4mくらいのコンクリの壁。それに高さ2mの、北側ですけど、フェンスですね。こちらを設置しまして、粉塵や音が外部に漏れないように工夫をしております。また、土間の方、常時散水しまして、濡れた状態にすることによりまして、粉塵の発生性を抑えるようになっています。そういった配慮をしております。はい、こちらは以上になります。

 次は調合亜鉛のほうに向かいました。車内で質問が出ました。

【当会】これ今、「出荷されている」とおっしゃいましたが、出荷されているんですか?今も?

【会社司会】はい、ここから出しております。

【当会】有価物として?

【会社司会】今は有価物として出ているものはありません。基本は全部サンパイです。

【当会】基本はそうだけど、そこの磁選機でより分けていたではないですか?

【会社司会】はい。

【当会】あれも(サンパイ)?要するに鉄分を多く含んでいるわけで。

【会社司会】まあ、受け入れ先で、鉄が高い、低いの、ご要望がありますので、それに従って磁選機で分けている。

【当会】それに応じてね?

【会社司会】はい。

【当会】それから粒度がずいぶん細かく一律になっていますけれども。いつからそういうふうにされました?

【会社司会】それはもう最初から、というか、前から、以前からです。

【当会】でも不適切に使用されたときには、かなりの粒度の差異があったようですが?

【会社司会】いやいや同じです。工程は一緒なので変わっていないです。

【当会】ははーん。

 どうも会社側の説明に違和感があります。クリンカーの頭文字をとって「K砕」などとわざわざ有価物っぽく名付けられた非鉄スラグは鉱さい、つまり産業廃棄物として全量処理されているとしながら、東邦亜鉛は、引き続き磁選機を使って、細かく破砕された鉱さいの粒から、鉄分を多く含むものを選別して、しかも、鉄分の多少に分けて、分別しているのです。おそらく、排出される非鉄スラグのうち、かなりの量を引き続き、どこかに出荷している疑惑を感じさせます。

■バスは最新の電解工場を左手に見て調合合金の工程に向かいました。ここにある環境空気のバグフィルターのセンサーを見ると相変わらず光電管方式のままです。バスから降りて調合合金エリアに集まりました。ここはとりわけ騒音が酷い場所です。

【製造部長】はい、こちらのほうが亜鉛のインゴットを製造過程になります。こちら亜鉛メッキの原料になります。こちらの方の金型トレイは約200種類くらいございまして多種多様な製品を作っています。6割くらいが、調合亜鉛です。調合亜鉛の方は高炉メーカーの方に納入しまして、自動車ボディ用などの、薄板鋼板メッキ、こちらに使用されております。調合亜鉛には、他の金属を添加しない純亜鉛やアルミなどの金属を添加する亜鉛合金がありまして、カソード亜鉛、こちらのほうを高周波誘導溶解炉で、500度で溶解して、アルミ等の地金は重油バーナー溶解炉で溶解します。調合炉、それぞれ必要な亜鉛、アルミ、その他金属を流しまして合金として生産しております。こちらの方は3基調合炉を備えておりまして、生産量は1日240トンですね。調合炉の方は、自動傾倒しましてユーザー各社指定の金型、これに流し込んで冷却、凝固させた後、金型から取り出して製品となっております。では次に参ります。

 参加者はぞろぞろと、隣りのコーナーに移動しました。

【製造部長】こちらのほうが、電気亜鉛を鋳造している工場になっております。電気亜鉛の方につきましては、メッキ、あと、精密鋳造に使用されている純亜鉛の製造になっています、調合亜鉛同様に、カソード亜鉛を低周波誘導溶解炉で、500度で溶解します。で、今、手前にあります1枚20キロのインゴット・ケースが整列する連続鋳造機のほうに、それぞれ流し込んで凝固させて金型から抜きます。金型から抜いたスラブにつきましては、ロボットとで積み上げて結束されて製品として出荷されます。スラブは1枚20キロ。約50枚積まれて一山1トン。そして出荷されております。はい、こちらが電気亜鉛です。では、バスの方にお願いします。

 とにかくここも騒音が酷いエリアです。感想としては、例年より、製品の量が明らかに少ないことを感じました。やはり生産量が少ないことをうかがわせます。

■参加者一同は、バスに乗りました。車内では会話が続きます。「昔のように火が見えなくってよくなったよね。昔は赤いのが見えて、従業員の服がみんな焦げているんだよね。いやだなあと思って、みんな孔があいているの。すごいんだよね」「今は、だいぶこう、なんというのでしょう、手作業ではなく機械の時代に変わっているからね」「赤いドロドロしたものをしゃもじみたいなもので汲みだしている感じで、怖かった」「ちょっと見るとね。今帰りという(作業員の)服を見ると、みんな孔があいていて、その孔がすごいんだよね。ひとつやふたつではないんだもの」「今は、そういう(火に)近づくことさえ、機会が減っているので。安全にはなっています」「近所の人がすごいやけどをしていたいね。もう亡くなっちゃったけど、やけどが原因ではないけどね。でも足とかすごく治るのに時間がかかっていたのを覚えている」

■マイクロバスは、構内を進むとまもなく、排水処理施設に着きました。参加者はバスから降りると、階段を上って行きました。ちょうど構内放送があり「換気の時間になりました。窓を開けて換気をお願いします」というアナウンスが放送されました。そのあと10時を告げるサイレンが鳴りました。階段を上り、展望デッキに集まった参加者に対して説明が始まりました。

【製造部長】はい、えー、こちらの方は排水処理工程となっております。製錬工程の雑排水ですね、集水池に溜めておりまして、製錬工程内のさまざまな溶液につきましては、繰り返し利用しているために、工程外には出ません。ただそれ以外の雑排水、例えば床を洗った水、あと、道路を洗った水、生活排水などですね。そういったものを雑排水が、集水池のほうに集められております。集水された排水はポンプで揚水されまして、流量調整されまして、中和槽のほうに送られていきます。中和槽では、苛性ソーダの方でpHをアルカリ性にすることによりまして、排水中の金属イオン、これが水酸化物として沈殿していきます。次にシックナーの方に送りまして、こちらの方で固液分離させます。中和液に凝集剤を添加し、沈殿を促進させながら、上澄み液と濃縮スラッジの方に分離させまして、濃縮スラッジを移動フィルターろ過器の方でろ過して、ろ液の方は沈殿池に戻す。ろ過滓の方は亜鉛電解尾液(びえき)で再溶解しまして亜鉛精錬の工程の方の原料に戻します。シックナーの上澄み液は微細な固形物を砂ろ過機でろ過しまして、ろ液の方はpH調整をしましてpH調整槽から希硫酸の方で、約pH8前後にしてこちらの方に逆中和したのち、延長放水路で(高崎市八幡町の)鐘ケ崎まで導水されまして碓氷川、こちらのほうに放流されております。逆中和処理工程の方で、PH常時監視しておりまして、pHの異常がある場合は安全ダンパーがついておりますので、こちらの方が作動して、第2集水池、こちらの方ですね、右手の方ですね、ああ、左手の方になりますね。こちらの方に回収されます。

【参加者】あの細長いところの池だ。

【製造部長】はい、そうですね。あと、通常の亜鉛鋳造工程とかで使用されています間接冷却水、こちら、工程と接触するところはないんですが、そうした冷却水につきましてはそういう量もチェックしたのち、旧放流水路から柳瀬川の方に放流されております。はい、浄水工程の方は以上となります。はい、それではまたバスの方へよろしくお願いします。

【当会】(相変わらず、目の前のタワー構造物に硫酸石灰の看板があるのを目にして)今、硫酸石膏はもうやっていないんでしょう?

【会社司会】硫酸石膏はやっていないです。

 製造部長の「はい、ではこちらへどうぞ」の誘導の合図で、参加者はぞろぞろと階段をおり、バスに乗り込みました。とにかくものすごい暑さです。昨年までは、このあと硫酸工場の視察となっていましたが、今年から稼働していないため、パスして、工場の正門を通過し、柳瀬川に架かる橋を渡りました。車の中で会話が交わされます。「川の水がだいぶ減っているね」「ほとんど川床が見えている。どうなるのかな」「これだけ降らないとね」「来週は台風だというからね、一気に降るかもね」「だけどなんか変な天気だからね」

 マイクロバスは、橋を渡ると、旧売店の建物のわきを左手に入り、従業員用駐車場のほうに向かいました。隣のパチンコ店との間の空き地にバスが着きました。目前にブルーシートがかけられた山が二つあります。

【会社司会】こちらが客土の仮置き場になります。昨年もこの場所を見ていただいております。客土については昨年度3400㎥ほど受け入れたというふうに報告がございます。向かって左手に見えますのが、客土の残りと言いますか、令和3年度分はもう既に使っていますので、その令和3年度に使った残りが左手に見えます。令和4年度分については、これでは足りないようなので、また再度受け入れがあるというふうに聞いています。で、右側に見える、ちょっとシートが新しめの方ですが、こちらが先月、今7月になりましたので、6月に受け入れをしました覆土材というふうに聞いています。すいません、実際はシートがかかってしまって中味は見えないのですが、黒土だったというふうに見てました。受け入れるとしては1800㎥ほどと聞いています。まあ、今、やっています排土処理場の排土の上に覆土する材料というふうに聞いています。はい、ここの説明は以上となります。これで事務所に戻りたいと思います。

■時刻は10時10分になりました。ちょうど視察に出かけて55分が経過したことになります。マイクロバスは事務所の玄関前に戻り、ヘルメットを返却。事務棟の2階の会議室に入りました。猛烈な暑さの中での視察会で年配の参加者にとってはかなりバテバテの様子です。汗が引いたところで、時間が押していることから、8分間ほど休憩の後、後半の意見交換会が始まりました。

【会社司会】はい、えー、大変暑い中でのご視察、大変ご苦労さまでした。先ほどもお声がけさせていただきましたけれども、ご気分悪い方、大丈夫でしょうか。遠慮なく申し出をしていただければというふうに思います。よろしくお願します。暑い中で誠に恐縮ですが、引きつづきマスクの着用のほうはお願いをいたします。すいません、スケジュール表ですと、10分間の休憩ということで予定がされておりましたが、時間短縮ということもございますので、このまま続けさせていただきたい、というふうに思います。ご協力のほう、よろしくお願いいたします。では意見情報交換会というふうに移らしていただきます。意見情報交換会の会社側の司会を引き続きさせていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。それでは、令和3年度の経過と令和4年度の設備改善計画につきまして、所長の森田よりご報告をさせていただきます。

【所長】非常に暑い中、大変ご苦労さまでございました。先ほど司会の方から話がありましたように令和3年度と4年度の製錬所の主な工事、また課題メンテでの改善計画について、ご報告させていただきます。まあ、今日、ご挨拶冒頭に、昨年度は焙焼炉、並びに第2電解を停止して、ということで、新たな工場形態を進行しておる最中でございますが、令和3年度につきましての大きな工事としましての中身は、今日をご案内でご見学頂いたと思いますが、あのキルン工程のドライヤーの、まあ、大きな筒を回す足元のですね、タイヤというところですが、そのタイヤの更新、受ローラーの交換工事を行いました。あとは亜鉛の製錬をします湿式製錬の造液の、まあ、安中の焙焼炉が止まりまして、小名浜から送られてきます亜鉛の焼き鉱ですね、焼鉱と言いますが、それを溶解いたします、ナンバー5という溶解後の固液分離をするシックナーという設備をステンレス化、SUS化にしまして、更新をしております。あと、3番目としましては、排水処理工程の第2集水池。一番のメインの集水池でありますが、そこの補修工事、補強工事を昨年実施して、昨年ご報告した計画を全て実行し、完了しております。22年度、今年、今、夏季定修(夏季の定期修理)で工事を止めるところでですね、来週から定修に入るんですが、その中で主な工事が始まるわけでございまして、1番目が同じくキルンの、今度は、本体の筒のシェルの足回り、第2支点の受ローラーの製作、また、第3支点の受ローラーの更新ということで、整備をしております。同じく造液工程の、遠心分離機を、増設をしていくということでございます。それと昨年来から引き続いて排水処理工程の、今度は第3集水池、これの補強更新工事を順に実施しております。昨年来、コンパクトな亜鉛製錬所というのを、スローガンに改良を続けております。朝のご挨拶でも述べましたように、まあ、焙焼炉や電解の停止をして、小名浜と共有しているところがありますので、そういうところを統合していく。で、現状は順調な操業でですね、安全な操業が昨年からずっと継続されまして、公害防止施設をはじめ、各設備は計画的に更新して、日々、公害防止に努めてまいりたいというふうに、進めております。これからも地元の皆様のご理解のほどをよろしくお願い申し上げたいと、いうことでおります。それでは引き続きまして懸案事項はじめ、公特事業につきましては、環境の中島の方から報告させていただきます。以上ご報告をお伝えさせていただきます。以上でございます。

【会社司会】そうしましたら、環境担当の中島、私の方から、環境関係の懸案事項に関しまして、令和3年度の主な経過につきましてご報告を申し上げます。最初に公特事業の推進につきましてご報告を申し上げます。岩井畑地区の事業面積、公特事業の事業面積ですけども、令和3年度の計画によれば、1.35haというふうに聞いていたのですが、これが0.96haに変更になったというふうに聞いております。これは昨年10月に行政との打合せがあったのですけれども、その席で群馬県の技術支援課さんより、そんな報告がありました。今年ですね、1月、昨年度1月という表現ですね。高崎市信用金庫様のグランド周辺の排客土工事が、実施をされております。こちら、農免道路の東側ですかね、から見える場所であの辺を通る方については皆さんお目にしているかと思います。令和3年度の工事で、0.46ha。この排客土工事が完了したというふうにきいています。令和4年度につきましては、残りの0.49ha、この排客土工事を予定というふうにきいています。あの、細かい数字があるので、ちょっと合計すると、先ほど言った0.96にならないのですが、実際には0.955haということになり、この辺はちょっと、数字は計算してもピッタリはいかないということになります。先ほどご覧いただきました客土の仮置き場ですけれども、まあ、先ほども説明したんですけれども、排土処理上の排土、これを被覆するための覆土材。これを準備、ということで、報告を受けています。実際は、ご覧いただいたようにあそこにものがあるという状況でございます。岩井畑地区の事業につきましては、令和4年度、こちらで完了という計画だというふうにうかがっています。野殿地区ですけれども、こちらの公特事業の関係では、今年の2月に境界立会いが行われました。弊社の一部該当する土地があるということで参加をさせていただきました。この場所につきましては、弊社の南側フェンス、まあ、野殿側のフェンスですね。こちらから社宅があった場所、そのまた南西側ということですかね、そちら側で、ございました。まあ簡単ですが、以上が公特事業に関する情報交換などの概要でございます。今後も、県と市、それぞれ情報交換の機会をつくっていきたいというふうに考えております。公特事業につきましては皆さんの方が情報をお持ちかというふうに思いますので、情報があればお聞きしたい、というふうに思います。続きまして、令和3年度産米のカドミウム濃度の調査結果について、ご報告をいたします。安中市で行った検査結果については、特に問題ない、ということでございます。また、高崎市の検査結果、こちらも異常なし、であったというふうに報告を受けています。以上、会社が把握している令和3年度からの情報などについてご報告をいたしました。詳細部分につきましては、ご質問にお答えする形でご理解を賜りたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。そうしましたら、以降の進行につきましては高坂先生の方にお願いをしたいというふうに思います。高坂先生、よろしくお願いいたします。

【高坂司会】皆さん、どうもご苦労様でした。それではこれから詳しい状況、あるいはご意見のある方はそれを伺っていくということで進めていきたいと思います。皆さんの方で、ご質問なりご意見のある方は、いらっしゃいますでしょうか?はいどうぞ。

【当会】はい、すいません。最初からとは思っていなかったのですが、時間がやっぱり重要なのでですね。会員の小川賢、野殿980在住です。以前より東邦亜鉛さんには事あるごとに色々な面で情報共有をお願いしているところですけれども、今回、工場視察をさせていただきました。先ほど主排気塔、ここでの煤塵の測定をされていると、2か月に一遍ね。業者に委託しているということで、そこで重金属類、それからNOx、SOx、あ、NOxはやっていないのか…そういうものを測っているということなんですけれども、実はお手元に、降下煤塵のデータを例年のようにお配りしております。本社の皆さん、すいません、必要であれば、あとでこちらに請求してください。で、やはり我々としては、これは群馬県が毎月測っている、このデータが工場での操業内容も含めて、外部に対して大気中、まあ今お話のあった公特事業も、工場から主煙突、その他施設から排出される煤塵、埃ですね。この中に重金属が含まれていて、それが長年にわたって周辺の土地に降り注いでいる。それで田畑、とくに今、畑地ですけども、これが非常に汚染されているということで、土地改良事業として、いま進んでいるところでございます。まあ、群馬県の方はこういうふうに公表しています。で、私がいつも、お願いしているのは、会社さんのほうでも、測っているんだから、これをやはり示していただいて、どういうところで、そういった、まだ、重金属が漏れて、こぼれて、空気中に排出されているのか、というところをきちんと追及した上で、効果的な設備投資も含めて、効果的な対策をとるべきであると、こう思います。引き続き東邦亜鉛さんの方には自主的に周囲のダストジャー、ダストポッドで測定している自主検査の結果につきましても、公表していただきたい。で、群馬県の測っているところと比べて、精度を上げて、どこから出ているのか、主排気塔の降下ばいじんを測定されているということですので、より詳しい対策の種が…ネタが見つかると思います。まずそれをお願いするとともに、まあ、質問がいくつかあるのですが、これを全部お答えいただくとまた、時間がすぐ終わってしまうので、とりあえず私としてこれまで東邦亜鉛さんに対していろいろお願いやら質問やらしていることを、7項目にまとめてみました。すいません、鈴木さん、これ。(会社側にメモの配布を依頼する)ちょっとはしょって申し上げますけれどもね、まず1番目は、非鉄スラグの使用場所の現状と見通し。前回も前々回も、非鉄スラグにつきましては、先だっても群馬県のHPに出ました。6月の9日ですかね。群馬県が、6月8日か。依然として新たな場所に不適切な使用をされたスラグ製品の使用箇所について、皆さんの方から報告を受けて、で、今この対策をされているというところで、これ、HPに載っています。6月8日付の。で、この非鉄スラグの使用場所、安中市にもあるのかどうか、というところで、質問も、参加者から出ておりますけれども、一向に、皆さんの方は「行政に伝えているから行政に聞け」ということなので、今、行政に聞いているんですけども、行政も、東邦亜鉛さんの立場を非常に慮っている。それなので、全然開示しようとしないので、前回も、昨年も申し上げましたけれども、私の名前で審査請求をしております。もう1年半以上経ちました。まだ、出ないということは相当揉めていると思いますけれども、審査会の方できちんと審査されて、少なくとも安中市に埋まっているのかということは、そう遠くないうちに、なんとか情報として入手したいと思うのですが、それよりも前に、社会的責任を果たしている、一流企業である東邦亜鉛さんのほうから、自主的に、その辺の情報を開示していただければこんな手間をかける必要はございません。ということで、(非鉄スラグの)使用場所につきましては、引き続き公表をお願いしたいということと、もう1点。安中市のHPに「非鉄スラグ製品に関する情報について」と、いうことがもう2年くらい前、あの非鉄スラグの不適切な使用について新聞沙汰になって以来、安中市を含め、群馬県、高崎市、前橋市、行政のHPにこう書いてあります。「安中製錬所から出荷した非鉄スラグ、これと思しきものが使用されているという情報が有ったら、本社の総務本部総務部に連絡してくれ」と。私、連絡しました。40か所くらい。だけど、その結果は、教えてくれないんです。ということで、今日、市議会議員さん、複数名いらっしゃってますね。お願いがあります。安中市に対して、広報担当に対して、これを報告しても、その結果については、教えてもらえませんということを付け加えてもらいたいです。で、東邦亜鉛さんの総務部のほうにもね。このへんは、情報提供をお願いしますと。しかし、その結果については、一切、情報提供、つまりそれに対しての回答はできませんと、こういうふうに明記してもらわないと、一生懸命調査して心配で出しても、その結果が、リターンがないんですよ。これは強く申し入れておきます。それ、今、2番目ですね。非鉄スラグ製品に関する情報提供に対する対応。で、3番目、非鉄スラグの現在の処理状況。さきほど工場視察の際に、私、鈴木製造部長さんにも、お聞きしたんですけども、これを出荷していると。非鉄スラグ製品。その結果、出荷しているんだから、きちんと有価物で出しているんだということで、念のため、お聞きしたら、中島(環境管理室長)さんの方から、「いや、いわゆる商品としての出荷ではなく、管理型廃棄物処分場というのか、そちらのほうで、きちんと適切に処理しています」と。一部、磁石で、磁選機で選別したところは、どこかに有価物として出しているようですけれども、それは全体の1割かそこらへんだと思います。しかし、これはやはりきちんと、処理状況については広く開示してもらいたい。この非鉄スラグの不適切な使用を長年やってきた東邦亜鉛さんの企業体質としてね、それを払しょくするためにもぜひお願いしたい、ということです。それから4番目、生産体制の合理化と経過と結果。昨年、昨年度、一年の経過において、それまで、さきほど、鈴木製造部長さんもおっしゃっていましたけれども、亜鉛の、製錬亜鉛の出荷額、あ、出荷量、年間12万トンだと。まあ、これまで11万5000トンとか、12万5000トンだとか。経済産業省への届け出だと13万トンくらいの製造能力の施設の許可を得ているようですけど、今のところは、現在、月1万トン、年間12万トン。それから出るスラグは多分5万5000トンくらいだと思いますけど、その生産量を、コンパクトな工場に転換するというお話が、先ほど所長さんの方からも話がございました。で、コンパクトにするというのは、おそらく、ニュースリリース、東邦亜鉛さんのHPで、去年出された、初期に出されておられた記者発表によって、8万5000トン体制に移行するということですよね。私、先だってお伺いして、先ほどお配りした降下ばいじんの月別の降下量。それと、月別の東邦亜鉛さんの、製品量、あるいは製品の量に比例して、鉱石の入荷量、それから当然非鉄スラグの排出量、これは連動するわけですけれども、この相関性を確認したくて、いろいろ「月別の出荷量、亜鉛の製品出荷量について、データをお示しください」と言ったんですけども「できません」と。「年間もしくは四半期くらいならともかく、そんな細かいのは見せられない」と、こういう話なんですね。ここ是非ね、考え直してくださいね。お願いします。ということで、これに関して、皆さんのお手元にある、降下煤塵のグラフをご覧いただきますとね、平成4年5月連休中に最後に測ったやつが一番、見開きの右端にございますけれども、これ見ていただくとわかるんですけれども、これなんとなく、亜鉛の量とかなんとか、これなんとなくですよ、平成4年の3月まではあまり変わらないのですけれども、4月・5月は確かに少しなんか減っているような感じがします。感じ、ですけどね。ということは、おそらく東邦亜鉛さんは、今の話でもそうですけれども、第二電解工場の操業を止めたということですが、昨年度は目一杯操業していたのではないかと、こういうふうに思います。それは非鉄相場が、今、そんな悪くないと、資源高ですからね。電気代も高いというのも、痛し痒しだと思いますが、先ほど所長のお話にもありましたけれども。いずれにしても言いたいのは、きちんとこれはね、示してほしいんです。月別の操業量とかスラグの排出量とか、これ強くまたお願いします。今のは、5番目の降下煤塵との関係も含めてお願いします。それから6番目、公害防止対策に関する現状と見通し。先ほど公害防止対応施設については、十分、その、定期検修だとか、設備投資をして、年間1億円かけてとか、いろいろおっしゃっています。ロータリーキルンの今年はそのベアリングのローラーとか、交換するとかいう話ですね。炉体も含めてですか。いずれにしても、それはいいんですけれども、降下煤塵のもとになる煤塵、金属を含んだ煤塵が煙突やら、あちこちのところ、特にバグフィルター。さきほど、ロータリーキルンのところの併設されている大型の8基あるバグフィルター、これ孔が開いたらどうするんですか、と言ったら「定期的に目視検査しているだけ」と、こういう話なんですね。で、そのご説明のなかで、穴があいたまま気が付かずに、そこで排ガスを処理しても、その最後の、一番先に見せてもらったTCA。排ガスの処理のところで、全部請け負うから、心配要らないんだと。でも、これは違います。もとの汚れたガスが、そうでない場合と同じように入った場合、負荷が全然違うわけですよ。だから同じパーセンテージを除去されても分母が多ければ外に出てしまいますなので、ここはきちんと、バグフィルターが孔が空きそうなうちに、その検出できるような、機械、センサー、これはありますよ。そんなに高くなくて。至急導入してください。耐熱性についてはともかく(検討して)ね。だけど、あそこの亜鉛のインゴット、あそこで、昔から、光電方式で、センサーでやっていますけれども、あれも変わっていないようですから、もっと、新しい、事前に、チリが少しでも出ても感知できるような、そういうセンサーに替えてください。ぜひお願いします。それから、7番、最後。公害防止対策に対する社内基準。群馬県はこういうのを測っていますけれども、降下ばいじん量。これについて、なんのコメントもしていないんですよ。だから私言ったの。環境白書で、これ、なんのコメント、つまり、「特段大きく変動がないから」、つまり、「増えていないから、横ばいだから」と。横ばいだから大丈夫ということはないですよね。で、東邦亜鉛さんにお願いしたいのは、降下煤塵ね。連続的にと言うか、2か月に1篇測っているんだから、多かったら、なんで出たんだろうというところをきちんと、認識して検討して、で、その対策をきちんとやる。で、それには住民のほうにも、きちんと説明してくださいよね。そうしないといつまでたっても横ばいですよ。群馬県は何のコメントもしません。だから「環境白書に何かコメントしてくれ」と私はお願いしているんですけども、どうなることやら分かりません。すいません15分にわたってお願いします。これ、以上が私の見解です。細かいお答えは、今でももちろん大歓迎ですけれども、あと、時間のかかるようなところは後でまた、私が、お伺いしてインタビューします。すいません、長くなっちゃって。

【高坂司会】えーと、小川さんからのほうからかなり広範囲にわたって、質問なり意見表明がありましたけれども、会社のほうで、逆にご質問の内容について、もしあればということで、この場で釈明なり、ご質問があれば、お受けして、で、お答えできるものはお答えいただき、お答え…すぐにはお答えできないということであれば、どう対応するかということをちょっとご説明お願いします。

【会社司会】小川さん、ありがとうございました。あのう、小川さんにつきましては実はあのう、今年の4月にも来所されて、我々とディスカッション、打合せをしております。最後に小川さんからも申し出があったように、またいらしていただいて、お時間をとらせてもうしわけないんですが、そこで又打ち合わせなり、回答なりを、させていただければというふうに思います。この場でやっていくと、まあちょっともう、だいぶ時間も押していますので、時間を取ってしまいますので、まあ、あらためてと、いうことで、やらさせていただければと思います。

【高坂司会】小川さんのほう、なんかご意見ありますか?

【当会】あのう、確かに会ってくれるんですけれどもね、実のある、実のある、要するに、実のある前向きな、打合せだといいんですけれども、ぜひ、そういうことになるように、これまでのような、ただ会って、何も答えられないんだ、守秘義務だ、会社の企業機密だ、などと言わないで、もっと胸襟を開いてお願いしますよ。そのやり取りはまたSNS等で発信させていただきます。以上。

【高坂司会】今の小川さんの質問に関連したご質問などあればお受けしたいと思いますが。

【会社側参加者】・・・・・・・

【高坂司会】よろしいですか?じゃあ、会社のほうで、なるべく充実した協議ができるようにご尽力いただきたい、ということでよろしいでしょうか?

【会社司会】はい、ああどうも…まあ、あのう会社として、お答えできる範囲は精一杯頑張りたいと思いますので。しっかり準備して、小川さんと打ち合わせということで回答させていただきたいと思います。

【高坂司会】はいどうぞ。

【参加者】あのう、ちょっと…。(マイクが届けられる)公特事業で交換になった土地の中に石。うちの女房がちょっとふるっただけで軽トラ3台分ぐらい出たのをどこに捨てたらいいのか、この前、お願いしていたんですけども。

【会社司会】・・・・・・・。

【高坂司会】わかりますか?石の状況。

【会社司会】はい、この間の協議会のとき、後…でしたかね。中島さんの方からその話をいただいて。その件に関しましては、先日ですね、行政と公特事業の打ち合わせの際に、お願いというか、まあ、回答を求めました。あのう、協議会の時にそういう話が地権者のかたからありまして、という話で、お願いはしてあります。回答としてはですね、あのうまあ、県として…まあ、検討中という表現になっていましたので、後日皆さんの方にご回答があるというふうに思います。行政の方にはしっかり伝えてありますので、それなりの回答が多分出るはずです。はい、すいません。私の方から何とも言えないので。その、回答については何とも言えないんで、行政の方からの回答をお待ちいただければというふうに思います。

【高坂司会】他に、どなたかいらっしゃいますでしょうか?

【場内参加者】・・・・

【高坂司会】もし、ないようでしたら、私の方から、司会の立場で大変恐縮なんですけど。この後の方の資料に付いている写真がありますが、土捨て場というか廃土処理場ですね。あのう、直接的には、県の事業なので、そちらが責任を負うわけではないのでしょうが、ここの排土を溜めたところからの水がですね、まあ、河川に放水、まあ、放水というか、水が出ていくと。それがでデータ的にどうなのかということで、不安があるということで、まあ皆様のほうからもご意見が出て、私のほうからもご質問させていただいて、現実的に、やはり問題があるのではないかと思うんですね。あのう、環境基準のカドミウムの規制基準が、排水に適しているか、厳しくなって、その新しい基準からするとやっぱりあそこの土地が、かなり問題があるというふうな気がするんです。ですから、データ的なものも含めて、地元の住民からまあ、土捨て場の水の処理について、不安があるということを、こちらも伝えますけど、県の方にお伝えしていただきたいんです。なんらかのやっぱり対策が必要ではないかと思うんです。

【会社司会】はい、ありがとうございます。まあ、行政とは随時というか、逐次打ち合わせをやっていますので、この会でそういうお話をいただいたということは、しっかり伝えていきたいと思います。

【高坂司会】お願します。他に何かご質問、ございますでしょうか?

【場内参加者】・・・・・・

【高坂司会】ないようでしたら、締めくくりたいと思いますので。はい、どうもありがとうございます。

【会社司会】高坂先生、大変ありがとうございました。そうしましたら、視察会終了にあたり、代表の挨拶を頂戴したいと思います。まずですね、安中緑の大地を守る会副会長、大塚様、よろしくお願いいたします。

【副会長】本日はお忙しい中、また、暑い、極暑の中、この視察会が開催されましたこと、本当にありがとうございます。また、皆様のご協力によりまして、これまた一層、これからも土地改良問題、また、皆様のご意見、そして、包み隠さず、いい関係を持って行って解決に努めていけたらと思います。大変今日はありがとうございます。

【会社司会】ありがとうございました。それでは私ども会社の方からは、総務本部長の大久保常務執行役員よりご挨拶を申し上げます。

【総務本部長】本日は、工場視察会を終えるにあたり、僭越ながら一言ご挨拶させていただきます。本日は依然として新型コロナウイルスが収まらず、また増加傾向に転じている中、昨年、一昨年、例年4月に開催しておりますこの工場視察会を引き続きお願いしたわけでございますけれども、皆様におかれましては、手指の消毒やマスク着用等、記録的な極暑の中で数々のご不便をおかけしました。ご迷惑をおかけしました。皆様のご協力により今回も無事に終了できましたことにつきまして、厚く御礼いたします、申し上げます。また、平素は弊社安中製錬所ならびに、その従業員と家族が大変お世話になっておりまして重ねて御礼申し上げます。さてあのう、既に、今回でもご案内しているとおり、ここ安中製錬所におきましては昨年度中をもって、焙焼炉と第二電解、こちらの稼働を止めております。足元の亜鉛市場を取り巻く環境は、経営悪化、燃料高にともなう、電気代の高騰や亜鉛相場の下落など、厳しい状況にございます。国内の安中製錬…亜鉛製錬所として生き残っていくため、今後とも従業員が一丸となって安全・安定操業のもと、コスト削減に努めていかねばなりません。また、去る5月に公表しておりますが、当社のカーボンニュートラル体制の目標といたしまして、2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度比に38パーセント削減、2050年度まで全体としてゼロにすることを掲げております。こうした対応など、この際に、亜鉛事業を継続していくうえで避けては通れない問題が山積しております。弊社発祥の地でございます、ここ安中製錬所の灯を守っていくために、全員でしっかり協力し知恵を絞り、歯を食いしばって前進してまいりますので、今後とも、本日お集まりの皆様をはじめとする地元の方がたのご支援ご協力を切にお願い申し上げる次第でございます。さて、公特事業に関しましては、岩井畑地区におきましては、当初の事業計画を前倒しして、来年3月までに完了することを目標に現在進んでいると聞き及んでおります。事業が工期内に完了いたしますよう、弊社としましても、可能な限りサポートに努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。最後に大変恐縮でございますが、ここにご列席の皆様と、ご家族の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

【会社司会】それでは以上をもちまして、第31回工場視察会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

(10時58分終了)

【市民オンブズマン群馬事務局・北野殿公害対策委員会事務局からの報告】

 

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公害企業のDNAを脈々と受け継ぐ東邦亜鉛安中製錬所で第30回工場視察会が9.11に開催(後編)

2021-10-17 21:56:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■マイクロバスから降りてヘルメットを外すと、汗で頭がビショビショでした。ヘルメットを玄関前で返却したあと、2階の大会議室に戻りました。時間はもうすぐ10時になろうとしていました。8分ほど休憩の後、質疑応答の時間となりました。


会議室の壁に貼られた安中製錬所環境スローガン「好きです安中 好きです地球 みんなで守ろう環境ルール!」。これを読んで虚しさを覚えたのは筆者だけだろうか。






会社司会:暑い中のご視察、たいへんご苦労さんでした。暑い中で大変ではございますけれども、引き続きマスクの着用等、よろしくお願いをしたいと思います。えー、予定からみるとですね、ちょっと時間が早いんですけれども、このあと、協定書の調印等の予定がございますので、少し時間が早いのですが、再開をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いをいたします。先ほどより申し上げたように、本日、時間伸縮を図るために終了時間を11時というふうにさせていただいておりますので、ご協力のほう、よろしくお願い致します。さきほど申し上げたように、このあと調印式、円滑に行いたいと思いますのでよろしくお願いをします。では、引き続きまして意見情報交換会に移らさせていただきます。意見情報交換会で会社の実態を、引き続き報告させていただきます。よろしくお願い申し上げます。それでは令和2年度の経過、それと、令和3年度の設備計画、改善計画等につきまして、所長の森田より、ご報告をさせていただきます。


所長:それではご説明をさせていただきます。足元の悪い中、工場視察会、大変ご苦労さまでございました。それでは私の方から、製錬所の令和2年度におきます主な工事と、令和3年度の改善計画について、ご報告させていただきます。まず、昨年の令和2年、2020年度の大きな工事案件としまして、3つ、挙げさせていただきます。1つは、ご見学頂きましたキルン工程にドライヤーというのがございます。まあ乾燥機でございますが、これの回転をいたしますガースギア(注:円筒形のキルン躯体の円周にリング状に配置されているラックギア)、ならびにピニオンギアの大型工事の交換工事を行いました。2点目としましては、造液工程の、高温高酸で溶かしますSHM(注:耐熱耐酸性を持つ金属表面加工ないしコーティング材のことらしい)という槽がございます。これの1号槽の更新工事。あと3番目にはですね、当製錬所の向かって西側、西系の排水路、まあ、これをですね、地上化にしまして、更新工事を行ったというのが主な工事計画でございまして、これは昨年ご報告させていただいた内容でも、同じでございまして、すべて実行して終了を終えております。続きまして、令和3年度の大きな工事案件としましては、ですね、1つにキルン工程の、先ほど言いましたドライヤーの回転をする支点でございますが、そこのシェルタイヤと受けローラーを交換しております。また、二つ目としましては、造液工程の今度は中性シックナーという大きなお椀のような設備がございます。これの5号槽のステンレス化の更新工事を行っております。3番目としましては、第2集水池の補強工事。これについては、これから実行していくということで、さきほど話しました2つについては、この夏の8月の定修に一応完了をしております。それとですね、既にご案内、ご存知の方も多いかと思います。焙焼炉の関係でございますが、まあ、亜鉛製錬、国内の景気を申し上げますと、非常に、東日本大震災以降ですね、市場はどんどん縮小の一途ということで、そこに来まして、さらに少子高齢化とか、国内企業は縮小均衡等大きく変化をしておりまして、そこに来てコロナショックということが引き金となりまして、ご案内のとおり、テレビ、新聞で報道されております、喫緊の地球温暖化対策、CO2削減と、エネルギー産業の大きな大変換を図るという国の指導もございまして、弊社はですね、当製錬所としましても、雇用の確保をまずキチッとしまして、現在、安中製錬所をはじめ、福島県いわき市にも小名浜製錬所に同じような焙焼炉が2基ございまして、その1基の安中製錬所の焙焼炉を、本年度をもって停止をすると。1つの焙焼炉で安中製錬所を操業する新たな展開をするということで、先の5月末の当社発表をいたしたところでございます。今後はコンパクトな亜鉛製錬所を、まあ、安中製錬所として変化し続けて参りますが、公害防止設備をはじめ、製錬所内の各設備は計画的に更新をして、鋭意、公害防止に努めて参りますので、地元の皆様のご理解のほどをよろしくお願いしたいと思います。以降、引き続きまして、懸案事項をはじめ、報告事項につきまして、環境の中島より発言させていただきます。以上でございます。


司会:では私のほうから、環境関連の懸案事項等につきまして、令和2年度からの主な経過、等々についてご報告を申し上げます。昨年の9月10日に、ですね、弊社のホームページで、当社に対する行政処分について、これをご報告をいたしました。過去に出荷した非鉄スラグの一部が、土壌汚染対策法の土壌環境基準を超過し、また、当社の管理不足等により、不適切な使用、混入が為された件につきまして、群馬県より、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく行政処分を受けた、という報告をいたしました。行政処分の内容につきましては、安中製錬所における産業廃棄物処分業、および、特別管理産業廃棄物処分業の事業の停止、並びに産業廃棄物処理施設の使用の停止90日間、の処分を受けました。この件につきましては後ほど、ご説明をさせていただきます。では、公特事業の進捗状況につきまして、ご報告を申し上げます。令和2年7月17日、群馬県、安中市さん、当方の3者協議を行いました。客土仮置き場、さきほどご覧いただきましたけれども、客土仮置き場として、東邦亜鉛のグラウンドを使用する検討をやりました。8月6日、県技術支援課、環境保全課と打ち合わせを行いました。内容につきましては、排土処理場の予定地、こちらの土壌汚染対策法における土壌調査についての説明を、県の環境保全課より受けました。8月26日には、排土処理場の予定地の土壌調査のための土壌採取を行いました。結果については、特に問題がございませんでした。また、農地の3箇所、についても、安中市さんの方で調査を実施した、ということでございます。結果については、問題がなかった、というふうに報告を聞いております。8月31日付で、碓氷川流域の農用地土壌汚染対策事業のうち、岩井畑地区の対策事業の施工に伴う客土の受入れ、仮置き場、こちらについての協議の申し入れが群馬県さんよりございました。こちらについては、承諾書を群馬県知事あてに弊社より提出しております。客土仮置き場につきましては、先ほど工場視察でご覧いただいたような状況になっております。先程も少し説明をさせていただきましたが、昨年の12月に1800㎥、搬入をされたと。今年の7月に第2回目の搬入が1400㎥、というふうに聞いております。8月の24日に、安中市農林課と打ち合わせを行っております。1点目につきましては、野殿地区外周境界立会についての説明、それと伐採作業の協力依頼がございました。2点目は、野殿地区の急峻地形部の計画について、公特事業に含まない、というふうにしていたんですが、地権者様の希望でこちらはやること、含むことになった、ということで、報告を受けております。その後、昨年11月6日の日に、野殿地区外周の境界部分の伐採作業を行っております。そのあと、11月の10日付で通知がございまして、岩井畑地区の工事実施に伴う土壌汚染対策法の届出にかかる同意についての依頼がございました。土地の形状変更についての同意書の提出をしております。年が変わりまして令和3年1月27日付で、通知がございました。こちらは、岩井畑地区における立ち木伐採等にかかる承諾書の提出について依頼がございました。伐採の承諾書については、提出をしております。今年3月18日に、岩井畑地区の工事実施に伴う境界立会を行っております。場所につきましては、排土処理場の予定地、農免道路の西側の土地に、こちらの境界立会を行っております。また、4月の6日に、同じく岩井畑地区の工事実施に伴う境界立会、ということで、農地の隣接地の境界立会を行っております。以上が、主な公特事業にかかる情報等でございます。まあ、公特事業につきましては、今後もですね、群馬県、安中市さん、等々、情報交換の機会を作ってですね、行きたい、というふうに考えております。まあ、皆様のほうから情報があればお聞きしたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。続きまして、令和2年度産米のカドミウム濃度の調査結果について、ご報告を申し上げます。検査結果につきましては、特に問題ないということで行政の方からご報告を受けております。次に、当社に対する先程の行政処分の件でございますが、こちらについては、本社の環境安全室、石井よりご報告をさせていただきます。石井室長、宜しくお願いします。


石井室長:はい、えー、それではあのう、本社のほうからちょっと説明をさせていただきます。まず、この、あらためまして、安中緑の大地を守る会の皆様をはじめ、関係者各位に、この件に関しまして、えー、ご心配及びご迷惑をおかけしましたことを心よりおわびするとともに、その原因と再発防止策について、ご報告させていただきます。で、県では、あのう、さきほど、中島の方から、説明があったとおりでございますけれども、繰り返しさせていただきますと、2020年9月10日、群馬県より、安中製錬所が、えー、路盤材、過去に路盤材として…に、出荷した非鉄スラグに関して、産業廃棄物であるという認定を受けました。これによりまして、安中製錬所が、あのう、90日間の産業廃棄物処分業及び特別管理産業廃棄物処分業の事業停止、および、産業廃棄物処理施設の使用停止の行政指導を受けたということでございます。で、原因でございます。ま、これにつきましては、えー、2020年の、当社の、9月10日に当社HPで公表させていただきました、当社に対する行政処分について、内容に、繰り返しでございますけれども、まず1点目、土壌環境基準を超過する非鉄スラグ、これにつきましては、路盤材など土壌と接する方法で使用した場合、鉛やヒ素による土壌汚染の可能性があり、土壌汚染対策法に掛かるおそれや生活環境の保全上、支障が生ずるおそれがあるという、との認識について、えー、当社にちょっと不足がございました。で、原因の2点目でございます。当社といたしましては、2016年3月まで、過去に、環境省の環境管理局水環境部長による通知に基づきまして、非鉄スラグを路盤材として使用することは可能であると、判断しておりました。この間違った判断の結果で、土壌汚染対策法の土壌環境基準を超過する非鉄スラグが出荷されるという事態になっておりました。えー、で、再発防止でございます。まず1点目、あのう、昨年の8月より、該当する非鉄スラグは、過去には、一部有価物として発送しておりましたけども、昨年8月より非鉄スラグは全量産業廃棄物として処理を外部委託しております。なお、路盤材向けの出荷は2016年3月に停止してございます。で、再発防止策の2でございます。えー、品質保証室、それから、私が所属いたします環境安全室。これを社長直属の専門部署といたしまして、社内の管理体制…管理体制を強化いたしまして、非鉄スラグの取扱いをチェックする体制を、整えて、いくということに致しております。それが昨年の3月でございます。で、じゃあ実際にどうするのかと、何をやっているかと申しますと、えー、定期的にこの非鉄スラグの、安中製錬所の管理状況の確認、及び、産業廃棄物として、処理を委託しているところの現地確認等を実施してございます。まあ、例えば、今年度、ちょっとコロナ禍で、コロナウイルス感染の中で、なかなか厳しかったのですけども、処理の委託先の現地確認を本年3月に実施してございます。で、今後でございます。えー、まあ、関係する行政機関のご指導に従いまして、非鉄スラグの調査、それから回収、撤去を継続して、進めて参ります。で、当社といたしましては、引き続き行政の調査に協力するとともに、使用箇所の特定に尽力してまいりますので、まあ、安中緑の大地を守る会をはじめ、皆様のご理解をよろしくお願いしたいと思います。簡単ですが以上でございます。

会社司会;えーと、以上がですね、会社側が現時点で把握している令和2年度からの情報などでございます。詳細部分に関しましては、ご質問にお答えする形で、受けたいというふうに思います。ご了解をよろしくお願いします。と、そうしましたら、以降の進行につきまして、高坂先生にお願いしたいと思います。高坂先生、よろしくお願い致します。

高坂司会:それでは質疑応答の時間に移りたいと思いますけど、皆様のほうから、今日の視察会で見た結果、あるいは日頃から関心のある、疑問に思っていることなど、どういうことでも結構ですので、質問なりご意見をお出しいただきたいと思います。どうでしょうか?

小川;よろしいですか?

高坂司会:どうぞ。

小川:すいません、いつも私、でしゃばって。北野殿980番地、小川です。どうもいつも。最近あのう、本社になかなか、テレワークで、行く機会がなくなっちゃったのですいません。時間が貴重なので、端的に申し上げます。まず先程の非鉄スラグの取扱いについてですけども、御社は、プレスリリースで、あればもう2019年かな。これが、この事件が浮上した時に、非鉄スラグの使用状況については本社総務部総務課あてに、問い合わせてくださいということを申しておりましたよね。これを受けて群馬県も、それから地元の安中市、それから中核市の前橋市、高崎市。ホームページに、住民の皆さん、東邦亜鉛さん由来のスラグのようなものを発見したら、ね、心配だから、ここに問いあわせてくれと、みんな書いてあります。で、私も先日、いままで気になったところの36件の現場について、レポートを綴って、で、御社総務部さん宛てに送りました。安中製錬所の事務部経由でね。で、お答えをいただきたかったのですけども、「本社の命令で、口頭で答える」ということでございましたですよね。だから念のため、それ録音してもいいか、ということで、OKなので、それをテープ起こししたやつを紙に書いて昨日お出ししました。
※2021年09月10日:東邦亜鉛宛て質問回答確認書
 ZIP ⇒ 20210910mmf.zip
中島次長さんは「今日の明日では、本社でも対応できないから返事は後だよ」とおっしゃいました。まあ、それは当然だと思いますので、これについて、きちんと返事をいただきたい。というのはですね、私が出した問い合わせに対して、皆さんのプレスリリースの内容のとおりですよ。そしたら、企業機密だの、土地所有者の財産権毀損のおそれがあるとかね、まあ、いろんなことをおっしゃって、信じられないような言葉なので、私も驚きましたのですけど、皆さんが世間に対して会社の社会的責任、CSR等の観点から、世間様に対して、打ち出している姿勢と、すいません、地元に住んでいる一個人からの問合せに対してね、あまりにもギャップが多い。この辺は十分検討したうえで、しかるべき返事をいただきたい。これまず1点ね。それから2番目、再汚染の件です。降下煤塵の調査結果、先ほど会社側さんにも、それから今日の参加者の皆さんにもお配りしました。
※2021年09月11日降下煤塵調査結果(令和2年4月以降)
 ZIP ⇒ 20210911oia2n4j.zip

これまあ、例年私が群馬県から情報公開条例に基づいて請求して、で、エクセルでまとめているものですけども、まあ、ここにありますように、去年も申し上げたときは、コロナで、何かこの、黄色い部分、異常に多いなと。コロナだからドサクサに紛れて、公害防止機器のメンテナンス、あるいはオペレーションの管理を怠っているんじゃないか、という懸念がありました。まあ、その後、こういふうに黄色い数が少し減っていまして、以前と同じような水準になっていますけれどもね。通常の太田市の、対比区、つまり普通の日本の生活環境の場において、数十倍、ここは降下煤塵による重金属の汚染の負荷が高いです。これ、前も言っているように、公害防止システム、技術、機器、もう抜本的に見直してですね、ゼロ・エミッション。HPで御社も描いてありますけれども、それに限りなく近づける努力をたゆまなくしてほしいというのが、いつも申し上げている通りなんですけれどね。今日この場でも強く申し入れておきたいと思います。よろしく、ご検討のほどお願いします。えーと、それからですね、えーと、これちょっとお願いなんですが、再汚染に関連して、これちょっとあとで文書で、あのう、用意してきましたので、中島さんの方に、あるいは森田所長さまのほうにお出ししておきますけれども、お願いがございます。今日見させていただいた廃水処理施設の第4集水場の近くの、公特事業で、対象地区となった農地、これ、御社が10何筆お持ちなのですが、そのうち御社の敷地に一番近いところ、中宿2037番。ここの土壌採取サンプリングを、私、小川にですね、許可をいただきたいんです。バケツ1杯ほども要りません。なぜかというと、やはり私はいつも見ていて、あそこで地下浸透した、会社さんの方から、まあいろいろ過去にいろいろなものを埋めているのかどうか知りませんが、地下浸透した水に一番近いところに触れているから、土壌の再汚染というのがどのくらい進んでいるものかどうか、かねがね懸念しているところなんですけどね。
※2021年09月11日:土壌中のカドミウム含有量測定が必要となりそうな場所の地図
 ZIP ⇒ cdlkvn.zip

この後、文書で、御社にお願いしますので、まあ、1ヶ月くらいの猶予は構いませんが、ぜひご検討して、で、私、サンプリングしたら、これ、公平な第三者機関に依頼をして土壌調査結果を、もちろん御社を含めて、全てデータを公表いたします。もちろん一番手っ取り早いのは、御社自身で、測っていただいて、それを何ら加工することなく我々に発表していただければ、あるいは私にね、十分でございますけど。えーと、これを後ほどお願いすることにして、以上、参加者のひとりの小川から、3点、今お伝えしました。宜しくご検討の程お願い申し上げます。今日は本当に雨の中、一生懸命説明していただいた八杉部長様はじめ、スタッフの皆さまには感謝申し上げます。ありがとうございました。

高坂司会:3点質問がありましたが会社の方ではいかがでしょうか?

会社司会:はい、えー、まず1点目。非鉄スラグの件でございますけれども、……(小川が文書を会社側と参加者に配布した)……

小川:すいませんどうも、中島さん、続けてください。お願いします。

会社司会:まず1点目、非鉄スラグの件ですけども、こちらについては、昨日ですね、小川さんから資料をいただいておりますので、本社を含め、検討してですね、何らかの格好でお答えできればというふうに思います。それと2点目の降下煤塵についてですけれども、こちら、現在も対応していますけれども、小川さんがおっしゃるように、さらにですね、シッカリ対応を考えたいというふうに思います。

小川:抜本的にお願いします。

会社司会:まあ、いろいろな、会社でも検討課題がございますので、それをこの後も粛々と進めていくということになると思います。それと3点目の廃水処理施設の北側、という表現でいいんですか?

小川:そうです。そのとおりです。

会社司会:えーと、中宿の2037番とおっしゃいました?

小川:そうです、そうです。ご確認下さい。

会社司会:こちらの土壌採取の件ですけれども、今、資料をいただきましたのでこちらについても、このあと検討をして何らかのお答えが出来ればというふうに思います。

小川:ええ、1ヶ月猶予をあげます。

会社司会:どっちにしても、すいません、即答できないので、また回答させていただきたいと思います。

小川:わかりました。前向きにお願いします。ありがとうございます。本社さんの方も、小川が来たということで居留守を使わないで、きちんとN95マスク、これを着けて感染防止をしますので、お忙しいとは思いますけども、たまにテレワークでなくて東京へ行く時があったら、まあウェルカムと言って頂かなくても結構なんですけども、挨拶くらいはさせてくださいね。宜しくお願いします。すいません。

高坂司会:えーと。

会社司会:1点だけ、よろしいでしょうか。

小川:はい、はい。

会社司会:小川さん、で、あの、緊急事態宣言下であるので、昨日みたいなことはぜひご遠慮いただきたいと思います。いきなり会社に来られて、事務所のドアをガシャッと開けられて中にはいろうとするなど、これはちょっと、それはまずいので、先に電話でですね、それなりの、場所を確保して、それなりの対応を、とくにこの、緊急事態宣言下ということですので、是非その辺は、ご配慮をよろしくお願いしたいというふうに思います。

小川:了解しました。

高坂司会:ではそれは両方で円滑に進むように努力していただいて。

会社司会:はい。

高坂司会:小川さんはよろしいですか?質問のほう。

小川:ありがとうございます。いろいろなご配慮を感謝申し上げます。

高坂司会:はい、他に棺ご質問がある方はございますか?

櫻井市議:はい。

高坂司会:はい、どうぞ。

地元市議:えー、オブザーバーで参加させていただいております市議会議員の櫻井と申します。お世話になります、えーと2点、ちょっと質問というか、分からないので教えていただきたいんですけども。1点目なんですが、あのう、K砕の置き場がありますが、出荷場ですか、そこで、湿らせるということで水を撒いているんですが、その水の処理、ちょっと前回(視察会に)出られなかったものですから、いちおう忘れているかもしれませんが、もう一度教えていただきたいと、いうことと、それから市内に、御社のスラグが使われている場所があるのかないのかというのが、なかなか分からなくて、その辺のところで、朝、お話があった中で、県のほうにはきちんと話してあるということなので、その点で、あのう、今、ハッキリしている部分があるのであれば、お答えいただきたいと思います。

会社司会:はい、そうしましたら私の方からお答えをさせていただきたいと思います。1点目、K砕出荷場の、まあ、廃水ですかね。こちらの処理についてはどうなっているのかというご質問だと思います。先程、現地でもですね、ちょっと高坂先生でしたかね。同じようなご質問を現地でされておりました。これについては、基本的にはあそこでは繰り返しの使用をしております。ある程度濁ったりしたらですね、これを先程見ていただいた廃水工程まで配管で持って来てですね、廃水処理を掛けてます。ですので、廃水処理をした後それを(碓氷川へ)放出する。ということで、廃水処理工程まで持って来て廃水処理をしてございます。それと2点目ですけれども、市内での使用箇所についてですけど、ご質問でございます。これはあのう、すいません。昨年もまったく同様のご質問がございまして…えーと、大変申し訳ないんですが、こちらについてはですね、地権者さんの、ということがございますので、我々からなかなか、ここでというふうに申し上げにくい、申し上げられないものですから。えー、地権者さんにも当然ご報告をしていますし、説明をさせていただいてますし、行政の方にもご報告をさせていただいておりますので、そういったことでご利器をいただければ、というふうに思っています。

地元市議:すいません。

高坂司会:はい、どうぞ。

地元市議:あるかないかだけ、えーと、あるかないかだけ教えてもらいたいと思いますが。

小川:そうそう、あるんでしょ?今あるということですよね。今の話しですと。

会社司会:すいません。ご容赦いただきたいと思います。

高坂司会:えー、他に何かございますか?

小川:今のスラグの在り処について、ちょっと追加説明、いいですか?

高坂司会:どうぞ。

小川:はい、すいません。でしゃばって。小川でございます。安中に御社の由来の非鉄スラグは使用されているかどうかと、いうことにつきましては、まあ、ブログ等、皆さん見ていらっしゃるかと思いますけども、一応私の方から東邦亜鉛さんから「全て行政に報告している」という言葉を信じて、群馬県の方に情報開示請求しております。そうしましたら、真っ黒けで、榛東村公共事業1か所、それも榛東村、要するに使用場所ね。それしか書いていない。これはいかにもなんでも東邦亜鉛さんがせっかく調べて報告して、貴重なデータをね、そういうふうに社会に還元しないのはおかしいですよ、ということで、今、審査請求、行政不服審査法による審査請求をしております。向こうから弁明書、で、こちらから反論書を出しております。県の廃棄物・リサイクル課に聞きますと「まあ、いつになるか、分からないが、まあ半年くらいにはなんか結論が出るのではないか」と。通常、前橋市は8カ月以内で審査請求の返事をすると、審査請求の結論を出すというんのだけれど、群馬県の場合は、私の別件では2年間、まあ遠い話ですけど、一応、この、どこに、安中市に捨ててあるのかないのかということについては、私の方で、地元住民として、最大限の努力をしております。これも東邦亜鉛さまのご指示のもとに、行政に対してアプローチしていると、こういうことで、中間報告とさせていただきます。ありがとうございました。

高坂司会:他に、…はいどうぞ。

事務局長:えーと、スラグの問題なんですけども、スラグが路盤材として利用可能と判断して、その判断が誤りだったということですよね?一般的に、どこの企業でも、コンプライアンス上で疑義がある場合は、行政に相談すると思うんですよね?これいいですか?とか。それをしないで、独断でやって、誤りだったということで行政から指摘を受けたわけですよね?それで、その場合のコンプライアンス上の保全措置みたいな、ようするに、これを教訓として、どういうふうにコプライアンス体制の強化を図っていくのかという、考えかたがありましたら、教えていただきたいんですが。

会社司会:はい。石井室長、よろしい、ですか?


石井室長:はい、えー、それではあのう、本社の方から回答させていただきます。今、あのう、事務局長から非常に耳の痛い、ありがたいお話があり、本当にどうもありがとうございます。あのう、ご指摘のとおり、そのう、法律の判断と言いますか、その、どういうふうにやるかということについて、やはりちょっと当方、今から振り返ってみますと、当時やはり問題があった、というふうに考えてございます。で、まあ、問題点を把握して、教訓ということでございますけれども、まず先程の説明の繰り返しになることでございますけれども、えー、この法律上の3点、これが、環境上の法律関係ということにつきましては、現在私が所属しております環境管理部門。まあ、それ、前から環境環境管理部門で所属をしておりましたけれども、一応、人数の強化を図りまして、まあ、法律上のチェック、こういった体制を強化しております。それから、所轄する品質その他、まあ委員も含めてですけれども、昨年、品質保証部という部門、失礼しました。品質保証室という部門を新設いたしまして、それの、管理、チェックする体制を強化してございます。で、まあ、K砕、非鉄スラグのK砕につきましては、私が、先ほどご説明したとおり、まあ、全量産業廃棄物ということで処分を介ししてございます。で、この処分先につきましてもコロナ禍ではございますけれども、まあ、手分けをしてチェックするというふうに進めていきたいと思います。で、なおかつ、ご指摘の教訓である法令のチェック機能ということにつきましては、まあ、環境管理室…管理室、環境安全室、それから、まあ、総務部の中に法務部門もございますので、そこのところと協議致しまして、各法令への評価も、指定の強化、法令の推移というものをチェックしていきますので、そういった件で、歯止めとしてやっていきたいと思いますので、また、今後ともご理解をいただくとともに、ご意見をいただければ幸いに存じます。簡単ですが以上でございます。

高坂会社:どうですか?よろしいですか。

事務局長:体制が欠けているんですよね。回答が具体性に欠けていて、どういうふうな体制をとったという内容をもう少し具体的なところを聞きたかったんですが…。

高坂司会:どうですか?

会社司会:室長、私の方からよろしいですか?石井室長、私の方からでも、よろしですか?

石井室長:はい、宜しくお願いします。

会社司会:はい。えーと、まず安中製錬所としてですけれども、安中製錬所では、K砕の小委員会というものを立ち上げました。これにつきましては、先程、あのう、本社で品質保証等、環境管理の立場から、ということがございましたけれども、まず製造現場、それと、その辺の、まあ出荷までする業務、こちらを夫々ですね、製造のほうを品質保証、まあ、在庫管理、出荷等の業務を行っている業務課の方の監査を環境管理室。こちらがそれぞれですね、毎月監査をするというシステムを作りました。現在これを運用して、ですね、えーと、半年くらい経ちましたかね。えー、今、それぞれ、製造と業務、出荷業務、保管業務を監査、チェックしていくということで、これにつきましては監査結果を、ですね、毎月本社の方にも報告と、いうことをしてございます。まあ、場所としてはその対策を進めていくという状況でございます。

高坂司会:よろしいですか?いいですか?はい。他の方で質問ありますか?

小川:議長1分だけ

高坂司会:はい。

小川:すいません。度々出しゃばってすいませんね。石井部長様にちょっと確認をお願いしたいんですけども。えーとですね、御社は日本鉱業協会、業界団体ですね。ここでスラグ委員会というものに、(業界各社のなかで)唯一入っていないんですね。で、「なんでですか?」と技術部長さんに聞いたら「よくわからん」と。「東邦亜鉛さんの方針なんでしょうね」というこういうんですね。で、今回、群馬県の方から非鉄スラグが産業廃棄物だというふうに認定されたこの機会を捉えて、御社は、そのさっき言った日本鉱業協会、コウギョウは鉱物の鉱、金偏の広い。こちらのスラグ委員会に加盟をされたんでしょうか?それとも検討中なんでしょうか?或いは全く関知しないのでしょうか?。そして加盟するという方針はあるのかないのか、ちっとすいません。そこを全く私、最近、フォローしていないのでお願いします。石井部長さん、宜しくお願いします。

石井室長:それではちょっと、東京の方から回答させていただきます。いま、小川さんからご指摘がありました日本鉱業協会の非鉄スラグの委員会というのは、確かにございます。当社はおっしゃる通り、その非鉄スラグ関係の委員会には現在も加盟してございません。日本鉱業協会という会には加盟して、ほかの、例えば環境部門等の委員会等には参加してございます。で、なぜ参加しないか?という理由でございますけれども、今の、その非鉄スラグ委員会というのは何をやっているところかと申しますと、非鉄スラグを、各社から発生する非鉄スラグを有価物として如何に使用できるかという、例えばJIS等との比較等を今、検討している、そういう部門でございます。で、当社の場合でございますと、先ほど申しました通り、昨年の8月から全量を産業廃棄物として処理してございます。ということは、発生分は、安中から発生する分は有価物としてなるのは、現在まったくない、ということですので、この日本鉱業協会の非鉄スラグ委員会の有価物という、そういう目的にはちょっとそぐわないということで、えー、参加をしてございません。で、今後につきましては、まあ、参加する…、大きく変わることはないかとは思いますけれども、ただ、いろいろ、新しい設備の導入等、大きく情勢が変われば必要に応じて検討することになろうかと思いますけれども、現状ではこの程度の回答とさせていただきます。はい、以上でございます。

高坂司会:他に何かありますか?えー、無ければ私の方から、質問なんですけれど、非鉄スラグの問題、先ほどお答えをいろいろいただいたんですけど、環境基準を超えるものがですね、どうして出荷されたのか?その、廃棄物としての解釈の問題ではなくて、技術的なことについて、どういうところに問題があって、なにかこれについて改善されたのかどうかをお聞きしたいんです。

参加者:あの、すいません、追加の質問なのですが、私はロータリーキルンで、中に含まれている亜鉛、あの亜鉛だけじゃなくて鉛やヒ素も除去されるんだというふうに最初のころ、聞いたような気がするんです。要するに鉄しか残っていないよと。ところが今度の報道を見て、亜鉛、あ、鉛やヒ素が入っているという話なんですが、これ、あのロータリーキルンのところで、鉛とかヒ素をとることはできないんでしょうか。もし、今、ロータリーキルンでダメだとすれば、なにか別にいい方法はないのでしょうかということをお聞きしたいのですが。

会社司会:‥‥、あのう、すいません、私の方からちょっと、技術的なことはちょっと申し上げられないので、まずあのう、基準超過したものが出荷されてしまった問題点、ということですけれども、えー、こちらについては、……(1分近く沈黙の後)…当初はですね、会社として…(再び15秒ほど沈黙の後)…すいません、お待たせしました。えー、このスラグを、当初は、路盤材として出荷することは可能だった、可能であるというふうに判断していたと。なぜ判断をしていたかと言いますと、えーと、‥‥平成15年2月にですね。環政部第20号というものが出されておりまして、これによると路盤材として使用したものは土壌として見做さない、という解釈がございまして、この解釈に則って、土対法が適用されない、という解釈をしていた、ということだったと思います。で、まあ、この解釈がまずかったと、いうことだったんだと、思っています。それと、えー、鉛、ヒ素の土壌基準がロータリーキルンでやり切れていないといいますか、という件ですけれども、えーと、別の方法は?というご質問。これ以前に、この場、もしくは協議会の場で少しご議論させていただいた、現状、キルンは溶融をさせていない状況、ようは蒸し焼きみたいな形で製造していますけれども、これを、完全溶融させる、溶融化してスラグを作るという技術を検討しているというお話を以前にさせていただいているかと思うんですが、という技術の検討をしています。ただ、現状これまだ設備化、まだそういうレベルには全然話が至っておりませんで、試験炉については、既に導入して試験は進めております。で、これについて将来的に技術的に製造ラインとしてですね、できるかどうかというのをこれから検討していくということになるんだと思います。すいません。全部お答えできなくて申し訳ないのですが。

高坂司会:ちょっと補足の質問なんですけど、あのう、まあ、えーと、土壌汚染法が適用にならない、対象外と判断していたというのは分かったんですが、そもそも、スラグを所外に出すときには、その、濃度とか、その、含有量をチェックしていたのかいなかったのか?で、現在は全部廃棄物として処理しているということなんですけど、現在そういうものを濃度なり、含有量をチェックしているのかいないのか、そういうことをお聞きしたいんですけれども。

会社司会:えーと、まず、チェックの、検査方法として、えーと、廃棄物処理法に基づく検査の方法、それと、さきほど言われている土壌汚染対策法に基づく検査の方法、それとがありまして、当然それぞれの基準がございます。で、廃棄物処理法、まあ廃掃法ですね、こちらに基づく検査につきましては当然行っておりました。基準も守られているかと、いうことでございます。で、ただ、えー、残念なことに、ロータリーキルン、あの、操業の中で多少がばらつき、ある程度のばらつきが当然ございます。で、えー、このばらつきの中で、全量分析しているわけではございませんので、その辺で、まあ、高かった時にどうだったのかという、ちょっと心配な部分でございます。という心配がございまして、新しく広いK砕出荷場を作って管理を強化した。こういうことでございます。まあ、以前の、高坂先生もご存知だとおもいますが、製錬所の中ほどにございますあの狭い出荷場ですと、なかなか、それぞれに分けて山を作っている、管理は当然難しいということで、あの広いK砕出荷場を作らせていただきました。ですので、現状はそれぞれのロットごとに山を分けて分析を待って、という管理をしています。残念ながら、当時ですね、土壌汚染対策法の、に、かかる検査については、えー、土壌と見なさないということで、行っておりません。基準として我々が運用していなかったものですから、残念ながらその点については検査をしていないということになります。

高坂司会:特にほかに質問が無ければ終わりにしますけれども、よろしいでしょうか?

事務局次長:あのう、一つお伺いしますが、あのう、東邦亜鉛安中製錬所における雇用の推移とか、そういうのが分かれば教えてください。それから、御社のですね、その新規事業に対する取組みとか、プランとか、或いは、新製品の開発状況とか、そういうのがもし可能であれば、教えてもらいたいんですけれども。

会社司会:えーと、雇用の推移とおっしゃいましたが、どのくらいスパンでしょうかね?

事務局次長:はい、まあ、ここ数年の雇用の推移とか、従業員の。

会社司会:で、すいません。私も、あの、あんまり詳しく把握してないんですがえーと皆さんお聞きのとおり、すごく以前、例えば昭和の時代ですと、ここは1000人以上の人が働いていました。現状ですね、どのくらいの人数がいるかと言いますと、社員で、すいません、細かい数字はちょっと申し訳ないんですが、200数十名。それと協力工としていただいている請負業者さんですね。こちらが多分100弱、或いは80とか70。すいません、80はいかないかな、70数名いらっしゃると思います。それと今日、あのバスの運転をしていただいてくれた安中運輸さん、これまで100%子会社ですが、そこが多分70名。ちょっとすいません、自信がないです。そんな現状です。で、10年くらい前は、どうだったかといいますと、多分今よりも50名とか多かったと思います。すいません、細かい数字は、用意していないのでこの程度でよろしいでしょうか?

事務局次長;今後の予定なんかは?

会社司会:そうですね、先程あのう、所長の森田の方から、焙焼炉の停止の話しがございました。えー、これに伴って、そこに携わる分くらいは減になるというふうに思われます。ただ、これまだ止まってませんのでこれからということになります。当然今働いている人たちの雇用というのは当然守っていきますので、まあ、直ちに人間が消えるということにはないと思われます、はい。それと2点目、新規事業について、いうことですけれども、すいません、私こちらもあまり詳しくないものですから。ただ今年度、この春からですね、えーと、本社非鉄開発部というのがございますけれども、ここの開発部、技術部と開発部というのがございますけれども、この開発部というのが、ですね、安中製錬所のなかに引っ越してきたというか、移ってきました。こちら、今、人数ですね。増やして強化をしてございます。こちらで素晴らしい新規が、開発がですね、できるという、私は期待をしています。すいません。抽象的なご報告ですが、よろしいでしょうか?

事務局次長:ありがとうございます。新規事業が立ち上がるといいですね。

会社司会:そうですね、是非そうなってほしいです。

高坂司会:それではあの、質疑応答を締め切りますがよろしでしょうか?

小川:ああ、すいません1点だけ。

高坂司会:はい。

小川:焙焼炉を停止されると、今度は、硫酸は小名浜から安中貨物で運んでくることになるわけですね?まあ、来年度からになると思いますが、その1点だけ。

会社司会:焙焼炉が止まることによって、硫酸製造は当然なくなるということになります。

小川:そうですね。

会社司会:えーと、当然小名浜の焙焼炉で硫酸ができますので、こちらを安中製錬所に輸送することになります。ただ、輸送方法については貨車ではないと思います。

小川:ああ、ローリーですか。

会社司会:はい。

小川:ああ、そうですか。危険じゃないですか?大丈夫ね、横転しないようにね。

高坂先生:それでは、どうも皆さん、会社のご担当のかた、ありがとうございました。

会社司会:高坂先生、どうもありがとうございました。それではここでですね。先程も申し上げたとおり、協定書の調印を行いたいと思います。協定書につきましては3年ごとに更新することになっております。前回は平成30年の第27回の視察会の中で調印をしています。今年で3年経過と、いうことになりますので、調印をしていただく、ということになります。安中緑の守る会を代表して藤巻会長、会社を代表しまして所長の森田、立会人として高坂先生、調印をお願いしたいと思います。すいません。この後ちょっと準備をさせていただきますので、ちょっとお待ちをいただければというふうに思います。協定書につきましては、2通作成をして、安中緑の大地を守る会とわれわれ会社とがそれぞれが保管するということになっております。そうしましたら、準備をさせていただきますので、少々お待ちください。

(約4分ほど準備および調印の為、質疑応答が中断)






会社司会:通常ですと、ここで会長と所長で拍手をここでお願いをしていただいたので今回コロナの関係がございますので、並んで記念の写真撮影ということにさせていただきたいというふうに思います。高坂先生もお入り頂いて、こちらにテープが貼ってあるのでそれぞれその位置にお立いただいてよろしいでしょうか?会長、こちら、よろしいですか?


会社担当:はい、撮りまーす。(カシャッ、カシャッ)もうちょっと寄ってください。では、もう一枚撮りまーす。


会社司会:高坂先生、もうちょっと寄ってください。すいません。もう一枚撮ります。はい、どうもありがとうございました。そうしましたら席に戻ってください。

会社司会:すいません。それぞれお持ちいただいていると思います。宜しくお願いします。

会社司会:どうも有り難うございました。えー、なので、各会の代表のご挨拶をと思います。そうしましたら安中緑の副会長白石様、ご挨拶よろしくお願いをいたします。

副会長:お世話になります。今年の視察会につきましては、コロナ禍、また非常事態宣言というなかで開催していただきまして、会社の皆さんには感染対策をはじめとして様々な対策をとっていただきました。大変ありがとうございました。また、弁護士の先生方、議員の皆さん、こういう状況の中、お忙しい中、ご参加いただきまして大変ありがとうございます。今後ともご支援をよろしくお願いします。コロナの方もなかなか収まる所が見えない状況であります。まあ、本当に罹っても飲んで治せるような薬ができたら、終息に向かうのではないかと思います。皆さんにおかれましては、自分の身は自分で守っていただくよう、コロナに罹らないような対策をとっていただきまして、お過ごしいただければと思います。本日は大変ありがとうございました。

会社司会:白石副会長、どうもありがとうございました。それでは私ども会社の方からは総務本部長の大久保常務執行役員より、ご挨拶を申し上げます。お願いします。

総務本部長:本社の総務本部の大久保でございます。僭越ながら一言ご挨拶をさせていただきます。本日はコロナウイルス感染予防の為、昨年に続き、例年4月の開催の視察会を延期して、本日を迎えたわけでございますが、皆さまにおかれましては、参加人数の制限、マスク着用など、種々のご不便、ご負担をおかけしました中で、今回にご参加いただきまして誠にありがとうございました。また、平素は、弊社安中製錬所ならびにその従業員と家族が大変お世話になっており厚く御礼申し上げます。えー、先ほど、えー、森田署長よりも説明がございました通り、国内亜鉛需要の縮小傾向の状況を鑑み、来年3月までに安中製錬所の焙焼炉と硫酸設備、また電解設備では3つあるうち1つとしております。これは需要に見合った生産体制にすべく、設備のコンパクト化、即ち焙焼工程を小名浜製錬所へ集約し、安中製錬所の電解設備を一本化することによりましてコスト改善を図り、生き残りをかけた施策でございます。従業員が一丸となってやり遂げなければなりません。また、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを掲げるカーボンニュートラルへの対応など、この先、亜鉛事業を継続していくうえで避けては通れないことが山積しております。弊社発祥の地であります安中製錬所が生き残っていくためには、全員で、危機感を共有し、知恵を注ぎ、全力全霊で安全安定操業に取り組まなければいけません。歯を食いしばって、安中の地を死守してまいりますので、今後とも、本日お集まりの皆さまをはじめとする地元の皆さまのご支援、ご協力を切にお願い申し上げるところであります。さて、公特事業に関しましては、岩井畑地区につきまして、昨年度から4カ年計画が事業でスタートし、現在2年目を迎えております。事業がスムースに進捗しますよう、弊社におきましても、可能な限りサポートに努めてまいりますので、どうぞ宣しくお願いいたします。先ほど協定書を更新させていただきましたが、更新期間の3年とは言わず、末永く当社へのご理解ご協力を賜わりたく重ねてお願い申し上げます。私どもは、今後も、地域社会から信頼され、地元の皆さまと共存、共栄を続けて行けるよう、精進してまいります。最後に、大変恐縮でございますが、ここにご列席の皆さまとご家族の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、私からの挨拶と、させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

会社司会:以上を持ちまして、第30回工場視察会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
(11時25分終了)
**********

■ご覧のとおり、東邦亜鉛はあれほど世間を騒がせているにもかかわらず、相変わらず鉛・ヒ素など重金属を多量に含む非鉄スラグの使用場所について、明らかにしようとしません。「行政に報告してある」との一点張りです。

 その行政である群馬県や安中市、とりわけ産業廃棄物の適切な処理について監督権限を持つ群馬県環境森林部は、東邦亜鉛の非鉄スラグの使用場所の開示について、県民が情報開示請求をしても、平然と黒塗りした資料を出してきます。

 だから東邦亜鉛は、どんなに産廃の不法投棄をしても、行政からとがめられる心配なく安心していられるのです。

 この官業癒着体制が、長年にわたる安中公害の元凶となっていました。そして、それが今なお連綿と続いていることを、恒例の工場視察会でも毎回痛感させられます。

※2021年09月11日:第30回工場視察会において会社側が配布した資料
 ZIP ⇒ 2021091130hzz.zip
※2021年09月11日:東邦亜鉛安中製錬所パンフレット
 ZIP ⇒ 20210911mbpt.zip

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬・・・この項おわり】

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