市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

公立碓氷病院で不正請求…1721万円返還させられても市に財政上の損害はないとした安中市監査委員

2019-04-29 22:56:00 | 安中市の行政問題
■安中市原市の公立碓氷病院で職員が診療報酬の請求文書に虚偽記載した疑いと、同じく有給休暇の不正取得の疑いで、当会が安中市長に通報した事件では、同病院側による調査の結果、後者のほうの不正は54時間分だとして当会の試算の半分に過ぎず、前者の方は依然として全容が判明しないまま、不祥事が公に発覚してから1年が過ぎました。そして、昨年2018年9月21日の市議会全員協議会で、不適正な神慮報酬の請求があったとして約1721万円を返還することを報告し、同26日に記者発表しました。その後当会は、このうち問題の理学療法士が関与しした損害分について情報開示請求を行い、それに基づき、2019年3月27日に安中市監査委員宛に住民監査請求書を提出していたところ、4月26日に監査結果通知が配達証明付き郵便で届きました。結果はなんと「却下する」でした。さっそく中身を見てみましょう。


 この問題に関する現在に至るまでの経緯は次のブログを参照ください。
○2017年7月31日:安中市の公立碓氷病院で不正行為?・・・有給休暇の不正取得や診療報酬の不正受給に疑念
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2370.html
○2017年8月7日:公立碓氷病院で不正行為?・・・実際の損害額の有無と規模を確認すべく安中市長に情報開示請求書を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2378.html
○2017年8月9日:公立碓氷病院で不正行為?・・・当会が安中市長に提出した要請書で安中市が碓氷病院の調査開始を発表
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2380.html
○2018年1月18日:公立碓氷病院で不正行為?…不祥事に対し寛大な処分をする安中市の体質が反映された今回の不良療法士問題
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2532.html
〇2018年3月28日:公立碓氷病院で不正行為?…不祥事の損害回収等を担保すべく住民監査請求を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2605.html
〇2018年4月27日:公立碓氷病院で不正行為?…不祥事の損害回収等を求めた住民監査請求を門前払いした安中市監査委員
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2624.html
○2018年5月7日:公立碓氷病院で不正行為?…不祥事損害回収等の立入り調査をしたのかどうかを関東信越厚生局にヒヤリング
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2630.html
○2018年5月12日:公立碓氷病院で不正行為?…不祥事損害等に係る住民監査請求却下理由の説明を拒否した安中市監査委員
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2635.html
○2018年5月27日:公立碓氷病院で不正行為?…不祥事損害等に係る住民監査請求却下による住民訴訟を今回断念
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2651.html
○2018年9月27日:公立碓氷病院で不正請求…1721万円の返還が決定するも「意図的な不正」を否定する病院側の発言の真偽不明
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2764.html
〇2019年4月2日:公立碓氷病院で不正請求…1721万円返還させられても「意図的な不正」を否定し続ける安中市に住民監査請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2922.html

*****住民監査結果通知*****ZIP ⇒ 20190425zm.zip
                        安監委発第 140号
                        平成31年4月25日
請求人 安中市野殿980番地
    小 川  賢 様

                 安中市監査委員 田 島 龍 一
                 安中市監査委員 奥 原 賢 一

        安中市職員措置請求書について(通知)

 平成31年3月27日付で提出のあった措置請求について、監査した結果を下記のとおり通知します。
                 記
1 監査の結果
  本請求を却下する。

2 理由
  公立稚氷病院のリハビリに関する診療報酬の不適切な請求については、訓練時間が1単位(20分)に満たないものについて算定していた例、リハビリテーションは1人の従事者が複数の患者を重複して訓練していた例が認められたが、市に財務上の損害をもたらしていない。当該地方公共団体に損害をもたらさない行為等は住民監査請求の対象にならないとされており、監査の対象とすることはできない。
**********

■驚きました。安中市監査委員は、碓氷病院が1721万円もの余計な支出をよぎなくされた原因を分析することもなく、しかも「財政上の損害」はない、と判断したのです。

 当会が住民監査請求に踏み切った背景には、碓氷病院のリハビリテーション科のなかで、一人の30代女性の理学療法士が当時、意図的に違法行為を行っていたことにより、碓氷病院内部で大きな問題になり上層部は火消しに躍起になったことがあります。

 当該理学療法士は、証拠隠滅を図りながら違法行為を繰り返しており、自分の行為を認識していたことは明らかでしたが、安中市側は相応の処分を行わず事態を終息していきました。

 特に当時の事務部長の神宮潔は、リハビリテーション科のほかの職員からの悲痛な話を聞き入れるフリをしていましたが、なんとか院内だけで問題を片付けようとしていました。

 この状況を市民のかたがたから、当会に通報があり、その後更なる調査を行った結果、不正行為が明らかとなり、当会のブログを通じて公表し、安中市長にも通報したところ、マスコミも報道し、碓氷病院のずさんな管理体制が公に知られるところとなったわけです。

 しかし、当会が昨年3月末に住民監査請求を行っても、監査委員は門前払いをしました。まだ、損害が確定していないという理由と、理学療法士のズル休みについては監査請求時期が1年以上経過したため時効だというのです。しかも、理学療法士を同僚の目から遠ざけるため、理学療法士が提出した医者の診断書を根拠に、3か月間も病気休暇にして、その間給与を全額支給したのです。

■碓氷病院内の不正行為を監督する立場だった神宮潔・事務部長(昨年3月末退職)は、自分の保身を優先するため、この不正行為を市長に報告もせず不問にし、さらにはもみ消しを図りました。当然しかるべき責任を取るべき立場でしたが、退職金を返還することもなく、円満退職してしまいました。

 神宮潔の後任として事務部長に就いた竹田清孝も、昨年9月のマスコミ取材に対して、今回の事件について「意図的ではなかった」とコメントしていますが、今回不正請求の実態が発覚した発端となった理学療法士については、「意図的」だったことは当会の調査からも明らかです。

■理学療法士の不正行為が発端で、約1721万円の支出を安中市が余儀なくされたにもかかわらず、安中市監査委員は、損失だと認識していない対応には、安中市で25年前におきた土地開発公社をめぐる51億円巨額横領事件を彷彿とさせます。

 今年3月末に碓氷病院の事務長を退職した竹田清孝は、かつて安中市土地開発公社で主犯のタゴと一緒の職場に勤務しており、51億円事件の関係職員の最後のひとりでした。前述のようなコメントを新聞に出すような方だったので、タゴ事件で培われた安中市の隠蔽体質は伝統的に引き継がれているものと感じられます。

■平成最後の安中市議会の平成31年第1回定例会が2月26日から3月19日まで開催されましたが、この一般質問の概要が4月23日発行の安中市議会だよりに掲載されています。この中で、公立碓氷病院について何人かの市議が市側に質問をしています。

○小林克之(民生クラブ)「公立碓氷病院・子どもの人権について」

<経営改革について>
問:現在行っている自由記述式アンケートではとても経営の参考になるとは思えない。市立島田市民病院では、年齢や診療科目のほか、説明のわかりやすさ、質問のしやすさ、待ち時間、駐車場のわかりやすさ、職員の私語の多さなど、ほかにも多数項目が分かれている。このくらい細かい患者アンケートを実施すべきではないか。
答:患者の意見を取り入れることは、病院を改善することに大変有効なので、患者に負担をかけない方法での実施を検討します。
問:常勤医師数が目標から大きく下回っており、改革プランの抜本的なみな御足が必要とのことだが、見直す内容や今後の動きは。
答:再編ネットワーク化や経営形態の見直しについて、新年度のなるべく早い時期に研究し議論していきます。

○高橋由信(朋の会)「公立碓氷病院の改革について」

<改革プランについて>
問:公立碓氷病院の改革プランは、目標達成できるのか。
答:平成30年度は、医師確保の目標14名のところ10名であり、目標である、整形外科医3名、小児科医1名が確保できず、平成32年度までの改革プラン達成は、難しい状況です。先のあり方検討委員会において、抜本的改革の検討をすべき、との意見が出されました。
問:抜本的改革とは、何か。
答:公立碓氷病院の再編ネットワーク化や、独立行政法人化等に向けた経営形態の見直しです。
問:議会は、地域医療対策特別委員会を設置して調査研究し、30年3月に、市長に予防書を提出した。主な内容は、公立碓氷病院への救急搬送率を12・8%から35%へ引き上げること、目先の改革ではなく抜本的な改革を行うべきとの意見で、あり方検討委員会と考えが一致したが、考えは。
答:今まで医師の確保、経営改善等の努力をしてきましたが、一般会計からの繰入額が増大し、財政を圧迫しています。この様な状況では経営改善は困難であり、抜本的な改革に舵を切るべきときだと思っています。
問:いつまでに結論が出るのか。
答:あり方検討委員会、議会の意見を踏まえ、早急に結論を出していきます。

○櫻井ひろ江(日本共産党安中市議団)「病院事業・介護保険について」

<新改革プランの病院全体の取り組みについて>
問:プランを実施するには、病院全体で一丸となって進めることが重要。各職場での取り組みは。
答:関係する職場・職種ごとにヒアリングを行い、基本方針を決定しました。代表者会議で状況や問題点などを出して協議し、院内全職員に周知するなど参加意識を高める工夫をしています。
問:具体的な各職場での意見などは示されていないので、全職員一丸となっての取り組みが足りないと感じてしまうが。
答:実施の方法を工夫しながら、更なる職員の意識改革に取り組みます。
<プランの見直しについて>
問:経営形態の見直しにはいくつがあるがそれぞれ変えるのにどのくらい機関がかかるのか。
答:多くの関係者の意見を調整し、ご理解をいただいたうえで方向性がしめされなければならないので一概には言えませんが、スピード感を持って検討します。
問:方向性を出した後、独立行政法人では短くても2年以上かかるようだが、最短は地方公営企業補の全部適用ではないか。
答:病院の規模や立地環境などにより、最適な経営形態は違ってくるので、関係者の意見を伺いながら検討していきます。
【その他、病院事業で2項目と介護保険で2項目を質問しました。】

■以上のように、市側=病院側の回答は、曖昧なもので、いつまでになにをやるという気概が完全に欠如しています。
「実施を検討します」
「なるべく早い時期に研究し議論していきます」
「項目なども含め検討します」
「抜本的改革の見当をすべきとの意見が出されました」
「抜本的な改革に舵をきるときだと思っています」
「早急に結論を出していきます」
「参加意識を高める工夫をしています」
「更なる職員の意識改革に取り組みます」
「一概には言えませんが、スピード感を持って検討します」
「関係者の意見を伺いながら検討していきます」

 この原因は、市から事務部長として派遣されてきた人材がまったく無能であり、退職前の箔付け職位としか認識をしていないからと、当会では分析をしています。

 どんなに無能でも、赤字が出れば、安中市の一般会計から穴埋めをしてくれますから、一生懸命改革をする意欲もなく、何もしないことが、下手に改革をしようとして失敗のリスクを犯すよりも、自らの保身上ベストな選択だと、安中市から派遣されている歴代の部長らは思ってきたからです。

 それを見ている他の市職員も自分も同じように無難にやればいいんだ、と思うようになるため、いつまでたっても安中市の支援を仰げばいいやと、安易に思うようになります。

 一方、安中市にとっても、数少ない部長クラスのポストの一つとして、その維持は最優先課題だと思われます。定年前の1年間で毎年腰掛けで大過なく過ごせば、高額の退職金が貰えるため、内部で不祥事が起きても、もみ消しに躍起となります。

 というわけで、そうした安中市の体質が、そのまま安中市監査委員の監査結果に反映されたのが、今回の結果通知というふうに当会は理解しています。

■さっそく30日以内に住民訴訟を提起することも検討していますが、驚いたことに安中市監査委員の監査結果通知にはどこにも「教示」がありません。

 これは、請求却下の決定の場合は、処分性はないとされ、行政不服審査における教示や住民訴訟ができる旨の教示を要しないということのようです。

 しかし、これによって請求人に行政訴訟提起の資格がないことにはなりません。

 当会にとって、平成最後の住民監査の結果通知は、こうして門前払いに終わりました。当会では平成の負の遺産を問うもうひとつの大きなテーマがあります。こちらのほうの動きも横目で見ながら本件について住民訴訟に踏み切るかどうかを、30日以内となる5月26日までに判断したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1「竹田事務部長の挨拶」
**********公立碓氷病院だより「うすい」第9号 平成30年4月
ZIP ⇒ 20190425zm.zip
事務部長就任のご挨拶
 このたび、4月1日付けをもちまして公立碓氷病院事務部長に就任いたしました竹田清孝と申します。当院には平成25年に着任し、総務関係に5年間お世話になり、病院の経営に取り組んでまいりました。
 この間医療・病院を取り巻く環境が変化する中で、病院運営上の課題を見出し、平成28年度末に公立碓氷病院新改革プランを策定いたしました。このプランをもとに、一層健全経営に向けて努力してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 医療計画や地域医療構想に則して、昨年度に病棟機能の見直しを行い運用しました。地域包括ケア病棟がより効率的に機能を発揮できるよう、院内協議を進めてまいります。そして、地域連携室を中心に原市圏域・安中圏域・周辺圏域を含めた医療と介護の連携を強化してまいります。
 また、診療報酬改定に伴い、4月から新しい診療報酬の基準が適用されましたので、的確かつ迅速な対応を行ってまいります。また、支出につきましても、経費の削減に努めてまいります。
 さらに、今年度から透析患者様の送迎を開始する予定です。対象者の制限はあると思いますが、少しでも患者様の負担を軽減したいと考えています。
 そして、4月から念願であった泌尿器科の常勤医師を迎えることができました。当院でのご活躍を期待しています。他の診療科におきましても、常勤医師の確保に努め、地域の中核となる診療体制を整えてまいりたいと考えています。
 公立碓氷病院の理念である「私たちは、患者様の命と健康を守るため、安心して適切な医療が受けられ、より信頼される病院を目指し、努力していきます。」のもと、地域の皆様に愛される病院づくり、より地域に密着した病院づくりに全力を尽くしていきますので、ご理解とご協力をお願いします。
<基本理念>
私たちは、患者様の命と健康を守るため、安心して適切な医療が受けられ、より信頼される病院を目指し、努力していきます。
1.地域住民とともに歩み、患者様本位である病院(親しまれる病院)
2.人々に信頼され、安心のよりどころとなる病院(信頼される病院)
3.地域の医療機関と連携を図り、活力あふれ躍進する病院(期待される病院)

公立碓氷病院広報委員会
群馬県安中市原市1-9-10
http://usui-hospital.jp
TEL 027-385-8221 FAX 027-385-4905
**********

※参考情報2「住民監査請求の内容」
*****住民監査請求書*****

            安中市職員措置請求書

安中市長に関する措置請求の要旨

1.請求の要旨

 2018年9月27日のマスコミ報道によれば、「公立碓氷病院、診療報酬不適切請求 1721万円返還へ 群馬」と題して、次のとおり報じている。
       (以下引用はじめ)
 安中市は26日、市が運営する公立碓氷病院のリハビリの診療報酬で不適切な請求があり、自主返還すると明らかにした。返還額は約1721万円。
 市によると、リハビリの診療請求は本来、20分単位で行うが、電子カルテへのアクセス時間を含めて施術時間とした事例や、複数の患者を重複して施術したケースなどが確認された。
 2月には、関東信越厚生局と県が個別指導を実施。昨年2月~今年1月の406件分、336万2510円を自主返還するよう指導した。
 さらに病院の判断で、27年2月~昨年1月の2年間についても1680件分、1384万8590円を自主返還するとした。
 病院は今月1日から、「リハビリ中は電子カルテ操作は行わない」「リハビリ実施時間は患者とマンツーマンで行った時間を分単位で記録する」などの改善策を行っているという。
       (以上引用おわり)
 この事件の端緒は、同病院の勤務者で理学療法士の井上優の診療記録の不正申告の発覚が端緒となり、請求者の告発によって公になった経緯がある。
 請求者は前年も住民監査請求を行ったが、その際は損害額が特定されていないとの理由で棄却ないし却下された経緯がある。
 そこで、今回請求者は、損害額を確認するために行政文書の開示請求を行ったところ、平成30年12月4日付で行政文書開示決定通知書(事実証明書1)が交付された。その後、同12月12日に、情報開示資料として、関東信越厚生局長から公立碓氷病院開設者あてに平成30年3月23日付関厚発0323第36号で「関東信越厚生局及び群馬県による社会保険医療担当者の個別指導の結果について(通知)」(事実証明書2)と、情報提供分として「公立碓氷病院返還一覧(リハビリの単位不足によるもの)」(事実証明書3)が交付された。
 交付された開示資料のうち事実証明書3によれば、今回の診療報酬の自主返還のうち「指定の理学療法士にかかわるもの」について、「1.個別指導による自主返還内訳(平成29年2月~平成30年1月までの1年間分)」に関して、185件、343,300円が、また、「2.病院判断による自主返還内訳(平成27年2月~平成29年1月までの2年間分):」に関して、1,576件、2,838,380円とされている。
 この合計額3,181,680円は、理学療法士である井上優の職務規律不遵守により発生し、公立碓氷病院会計に損害を与えたものであるから、その損害を回収させるために、井上優に対して損害賠償を請求するよう安中市長に勧告されたい。

2.請求者
  住 所   安中市野殿980番地
  氏 名   小川 賢(自署押印)
  連絡先   電話番号 090-5302-8312 

 地方自治法第242条第1項の規定により,別紙事実証明書を添え必要な措置を請求します。

  平成31年3月27日
  安中市監査委員(あて)

=====別紙=====
別紙:事実証明書
1 平成30年9月27日付報道記事(群馬・産経ニュース)
2 平成30年12月4日付行政文書開示決定通知書
3 平成30年3月23日付関東信越厚生局及び群馬県による社会保険医療担当者の個別指導の結果について(通知)
4 平成30年12月12日開示時に交付された公立碓氷病院返還一覧(リハビリの単位不足によるもの)
**********

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東邦亜鉛の鉛・ヒ素入り非鉄スラグ問題・・・首都高の塗装補修作業で明らかになった鉛の有毒性

2019-04-28 23:19:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題

■首都高速の橋桁の錆止め塗料にかつて高度経済成長期からバブル期にかけて使用された鉛入り塗料が、最近の塗装更新で、下地塗装を剥がす必要性が増えているため、鉛による作業者への健康リスクが高まっているというニュースが、連休突入直後に報じられました。一体、鉛がどのように作業者の体内に取り込まれたのでしょうか。関連記事をチェックしてみました。
**********毎日新聞2019年4月27日 03時05分(最終更新 4月27日 03時17分)
防護対策は手探り 鉛塗料はがす工事増加、飛散リスク高まる

塗装工事が進められている首都高7号小松川線の高架下。鉛を含んだ塗料をはがす作業中であることを知らせる掲示がされていた=東京都江東区で4月16日、大久保昂撮影

 鉛の飛散リスクが高まっているのは、高度経済成長期からバブル期にかけて橋桁のさび止めに使われた鉛塗料が劣化し、更新時期を迎えつつあるからだ。
 高速道路の橋桁の鋼材には塗料が何層にも塗り重ねられており、さび止め塗料は「下塗り」と呼ばれる内側の層に当たる。外側の層に守られているために劣化が緩やかで、下塗りに手を加えず、外側の塗り替えだけで済むケースがこれまでは多かった。しかし、首都高の大半の路線で開通から30年以上が経過し、下塗りの劣化も目立ってきた。首都高の担当者は「今後、鉛塗料をはがす工事が増える可能性がある」とみている。
 労働安全衛生法などは鉛から労働者を守るための対策や健康管理を義務づけているが、規制対象となるのは現場の塗装工を直接雇用している事業主だ。工事を発注する側の首都高も13~14年に鉛中毒の発症者が出たことに危機感を強め、受注業者に対して特殊なマスクの使用や使い捨て防護服の着用を義務づけるなどの対策を打ってきた。
 ただ、新たに導入した対策が別の問題を引き起こして再考を余儀なくされるなど手探りの面もある。
 例えば、首都高は14年10月、特殊な薬剤と塗料を化学反応させてはがす手法を全面的に取り入れた。鉛の飛散を防止するための試みだったが、15年2月にこの工法で作業していた首都高7号小松川線の現場で火災が発生し、作業員2人が死亡した。
 薬剤では鉛塗料がはがしにくいことも明らかになり、機械で塗料を削り取る方法に戻した。首都高は粉じんの飛散防止対策を以前よりも手厚くすることで、作業員たちが吸い込まないようにしているという。【大久保昂】

**********毎日新聞2019年4月27日 03時00分(最終更新 4月27日 03時17分)
首都高速、鉛中毒リスク 労働者の2割検出 東京の診療所

塗装工事が進められている首都高7号小松川線の高架下。鉛を含んだ塗料をはがす作業中であることを知らせる掲示がされていた=東京都江東区で4月16日、大久保昂撮影
 首都高速道路の塗装工事などに携わり、健康診断を受けた労働者170人のうち、2割近くに当たる31人の血液から、鉛中毒の発症リスクが高まる濃度の鉛が検出されたことが健康診断を担当した医師の調査で判明した。平成初頭までに整備された高速道路の鋼材の塗装には、さび止め剤として鉛が使われているケースが多く、塗り替え工事で削り落とした際に飛散し、吸い込んだ可能性がある。古いさび止め塗料は更新時期を迎えつつあり、労働者の健康をいかに守るのかが課題に浮上している。【大久保昂】
 労働者を鉛にさらされる作業に就かせる場合、鉛の血中濃度などを調べる健康診断を受けさせることが雇用主には義務づけられている。首都高で塗装工事をしていた労働者の健康診断を請け負った「ひらの亀戸ひまわり診療所」(東京都江東区)の毛利一平医師は、鉛の血中濃度が異常に高い人が多いことに気がついた。
 そこで、鉛による健康被害の危険性の広がりを確かめようと、2017年8月~19年4月に同診療所で健康診断を受けた170人の血中濃度を集計した。大半が首都高の塗装工事を担当していたり、そうした現場に出入りしていたりする労働者だった。
 集計の結果、鉛中毒と診断された労働者はいなかったものの、発症リスクが高まる水準として国が示している目安(血液100ミリリットル当たり40マイクログラム)を超えていた労働者が31人いた。最も高い人は81・8マイクログラムに達しており、4人の外国人技能実習生も含まれていた。
 さらに昨年7月ごろ、血中濃度の高い労働者5人の皮膚の表面を鉛に反応する薬剤で調べたところ、全員の体に鉛が付着していることも分かった。毛利医師は「鉛の飛散対策が不十分で、現場で吸い込んでいる可能性が高い」と指摘する。
 首都高の塗装工事を巡っては、13~14年に労働者2人が鉛中毒を発症した。これを受け、厚生労働省や国土交通省は建設業界に加え、工事を発注する高速道路会社や自治体などにも対策の徹底を求めてきたが、現場への浸透は容易ではない。
 首都高も昨年から現場の抜き打ち検査に乗り出すなど対策を強化しており、「受注業者に対して鉛対策の徹底を義務づけているが、現場で徹底されていなかった可能性はある。発注者の責務として指導していく」と話している。
 塗料メーカーでつくる「日本塗料工業会」(東京都渋谷区)は1996年から鉛を含んだ塗料の削減を進めており、現在は国内ではほとんど使われていない。
「現場への教育徹底を」
●久永直見・愛知学泉短期大非常勤講師(産業医学)の話
 倦怠(けんたい)感や腹痛といった鉛中毒の症状が表れても、その時点では、医師も原因に気づかない例が多い。近年はインフラの更新によって発症リスクが高まっており、見落としを防ぐためには医師が必要な知識を持つことが不可欠だ。また、中小の塗装業者や一人親方も含め、作業者への教育を徹底する取り組みも進めてほしい。
<鉛中毒>
 鉛を体内に取り込むことで起きる健康障害。頭痛や倦怠(けんたい)感、手足のまひなどの症状に襲われ、死に至ることもある。全国労働安全衛生センター連絡会議(東京都)によると、1996~2016年度に国内で38件が労災認定された。世界保健機関(WHO)は13年、世界で毎年14万人以上が鉛中毒で死亡しているとの推計を発表している。

**********日経コンストラクション2018年12月12日05:00
塗装作業員から高濃度の鉛検出、首都高の補強工事
 首都高速道路の補強工事に携わる複数の塗装作業員の血液から、激しい腹痛などを伴う「鉛中毒」を発症する恐れのある高濃度の鉛が検出されたことが分かった。
 作業員は別の工事で被害に遭った可能性も指摘されているが、鉛の血中濃度は首都高の現場で働くようになってからもおおむね横ばいで推移している。
 首都高の工事では5年ほど前、塗装作業員が鉛中毒を発症している。塗装の塗り替え工事で、既存の塗料をかき落とすケレン作業をしていた作業員が、飛散した高濃度の鉛の粉じんを吸引したのが原因とみられる。
 その後、国や自治体、高速道路会社などが再発防止策を講じてきたが、今回の問題はいまだに塗装作業員が鉛中毒にかかる恐れがあることを物語っている。

問題が発覚した首都高7号小松川線の補強工事の現場。画像を一部加工(写真:日経コンストラクション)
(谷川博)
**********

■高速道路の橋桁の鋼材には塗料が何層にも塗り重ねられており、さび止め塗料は「下塗り」と呼ばれる内側の層に使用されました。外側の層に守られているために劣化が緩やかで、下塗りに手を加えず、外側の塗り替えだけで済むケースがこれまでは多かったのですが、首都高の大半の路線で開通から30年以上が経過し、下塗りの劣化も次第に目立ってきました。首都高の担当者は「今後、鉛塗料をはがす工事が増える可能性がある」とみていました。

 我が国では1990年頃まで、高速道路の橋梁など鉄に塗る塗料に、防錆などのために鉛丹(四酸化三鉛)が混入されていました。橋梁塗装は、塗膜の劣化のため、約5~10年毎に塗り替えを行いますが,この時にディスクグラインダーを使って、古い塗膜を削る作業を行っています。この時、鉛粉じんが発生して、鉛中毒を起こす事例が報告されてきました。

 首都高速道路は、高速道路の構造物の約8割を高架橋形式が占め、その大半で鋼桁形式を採用しています。そのため、鋼橋の塗装更新は必須であり、最近5年間は、毎年約14万㎡の需要があるそうです。これまでにも作業員の鉛中毒が発生したり、鉛塗料を剥がすために溶剤を使用したことから2度の火災事故を起こすなど、その作業環境の抜本的な変更が必要となっていました。

 その結果として制定されたのが「鋼橋塗装設計施工要領」で、首都高の現場に即した塗膜除去方法、安全・安心・環境を意識した水性塗料の採用、コンクリート高欄の長期耐久性を企図した防水塗装の採用などが反映されていますが、やはりまだ末端の作業者には徹底し切れていなかったようです。

■鉛入りの粉塵を吸引することで発症する恐ろしい鉛中毒ですが、東邦亜鉛安中製錬所の降下ばいじんの中にも鉛など有害重金属が含まれていることが、群馬県の調査データからも確認されています。
○2019年4月17日:鉛やカドミウムが通常より最大60倍降り注いでいる東邦亜鉛安中製錬所周辺の土壌汚染の深刻度
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2933.html

 東邦亜鉛は、鉛やヒ素入りの非鉄スラグをこれまで大量に岡田工務店を通じて、内陸県である群馬県の広範囲にばら撒いてきましたが、安中製錬所の周辺に住む住民にとっては降下ばいじん中に含まれる鉛やヒ素、カドミウム、水銀などの有害物質の管理もズサンであり、製錬所周辺の土壌はこれらの有害物質で高濃度に汚染されています。

 地元住民に対しても「降下ばいじん対策要領」を緊急に制定し示す必要が東邦亜鉛にはあるのではないでしょうか。

【ひらく会情報部】

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【スラグ報道】前橋市は有害スラグを撤去!大同スラグ投棄問題

2019-04-28 01:31:00 | スラグ不法投棄問題

■平成27年9月11日に群馬県は大同特殊鋼が排出し、佐藤建設工業が群馬県中にばら撒いた有害スラグを廃棄物に認定しました。しかし群馬県環境森林部はその後、投棄された有害スラグ=廃棄物の対策をどうするか、方針を未だに示していません。県民の生活環境を守るはずの群馬県環境森林部は、いまだに不作為を貫いているのです。
 また群馬県環境森林部は佐藤建設工業の廃棄物処理の許可を取り消す行政処分を行いましたが、廃棄物撤去の措置命令を発出していません。こちらも不作為を貫いている格好です。
 そんな中、廃棄物について自ら権限を持つ中核市である前橋市が「大同スラグを撤去した」、とする新聞報道がありました、見ていきましょう。


**********平成31年(2019)4月24日上毛新聞
鉄鋼スラグ問題 市道の工事完了 前橋市
 鉄鋼メーカー、大同特殊鋼渋川工場(渋川市)の鉄鋼スラグ問題で、前橋市は23日、環境基準を超えるフッ素が検出されたスラグが使われた同市富士見地区の市道8路線の対策工事を終えたと明らかにした。
 2014年に調査結果を公表後、16年度から対策工事をしてきた。路盤材として鉄鋼スラグが使われた市道は計1261メートル。スラグの撤去と処分、路盤材の費用約5千万円は同社が負担した。市は地下水の水質など環境への影響がないか、監視を続ける。同日の市議会建設水道常任委員会で報告した。
**********

 この報道内容について、いつものとおり、ポイントを整理していきましょう。

ポイント①基準値を超えたスラグが使用されたこと。

ポイント②対策工事の内容は「撤去と処分」であること。

ポイント③市は地下水の水質など環境への監視を続けること。


■では、それぞれについて検証してみます。

ポイント①基準値を超えたスラグが使用されたこと。

 前橋市のホームページを見ると、前橋市も「鉄鋼スラグ連絡会議」の対策方針に沿ってスラグ対策を考えていることが分かります。
※前橋市のホームページ↓
https://www.city.maebashi.gunma.jp/sangyo_business/1/3/3/10036.html

 この「鉄鋼スラグ連絡会議」なる名称の組織は、廃棄物について何の権限も持っておらず、したがって、その対策方針はもともと間違った内容となっています。

 その最大の間違いは、スラグとスラグでない物を混合したまま、環境分析することです。今回の富士見町の8路線は環境基準値を超えていた路線となっているらしく、そのせいで撤去となったようですが、他の6路線は「環境基準を満足している」として、撤去せずにそのまま放置されているようです。

 本来であれば他の6路線は、有毒スラグとスラグでない物を分離してからスラグを撤去しなければならないハズです。分離が不可能なら、全てを撤去するべきです。前橋市の対応策は間違っています。

ポイント②対策工事の内容は「撤去と処分」であること。

 「路盤材として鉄鋼スラグが使われた市道は計1261メートル。スラグの撤去と処分、路盤材の費用約5千万円は同社が負担した。」と報道されています。この約5千万円の対策費用は「大同特殊鋼が負担した」となっています。

 当会の見解では、対策費として5千万円は、他の場所と比べて安いような気がします。
「本当に撤去したのか?」と疑問を抱いてしまうのは当会だけでしょうか。

 とはいえ、いずれにせよ「スラグの撤去と処分」が行われたのは、正しい姿だと言えます。群馬県環境森林部が大同スラグを廃棄物に認定したわけですから、「廃棄物処理法に基づいて最終処分場に処分する」ことこそが、「適正に処理する」ということになります。渋川市などは、環境基準値をはるかにオーバーしようとも、アスファルトでフタをし、廃棄物処理法を無視し続けているのですから、言語道断です。

ポイント③市は地下水の水質など環境への監視を続けること。

 「市は地下水の水質など環境への影響がないか、監視を続ける。同日の市議会建設水道常任委員会で報告した。」と報道されています。オヤッと頭をかしげる方もいらっしゃることでしょう。

 ポイント②で、「前橋市は、スラグを撤去と処分・路盤材での現状復旧を行った」ことを紹介しました。ところがその一方で、「前橋市はスラグを撤去・処分した」にもかかわらず、「市は地下水の水質など環境への影響がないか、監視を続ける」と表明しています。

 前橋市は本当にスラグを撤去したのかどうか、疑ってしまうのは当会だけでしょうか?また、有害スラグに汚染された土壌をそのまま存置してしまっている、というのでしょうか?

■大同特殊鋼が排出し佐藤建設工業が群馬県中にばら撒いた有害スラグが廃棄物認定されて、スラグが適正に処理されると、県民として期待したにもかかわらず、行政が行ったスラグ対策の報道に接するにつけ、失笑を禁じ得ない対策ばかり読まされています。

 大同スラグ問題に取り組んでこのかた5年の歳月が経過しました。そろそろ廃棄物処理法に則った適正な処理にお目にかかりたいものです。ちなみに当会が大同スラグ問題を取り上げた最初のブログ記事です。↓
〇2014年3月8日:大同特殊鋼渋川工場が排出した鉄鋼スラグから有害物質が溶け出した事件でオンブズマンが県に情報開示請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1228.html

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料1:大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について
**********
 平成27年9月11日廃棄物の監督官庁である群馬県廃棄物・リサイクル課は、有害スラグは“有価物”だとする大同の主張を全面否定し、廃棄物と認定しました。しかしその後の廃棄物・リサイクル課の担当者が「一概に廃棄物とは言えない」などの戯言を繰り返したり、「環境省が発出した行政処分の指針に必ずしも従わなくてもよい」と発言するなど、今日に至ってもスラグを適正に処理する対策を示していません。最近の担当者はどうやら、「スラグの適正処理はこれから・・・」など嘘ぶく始末であることらしい。
スラグ廃棄物認定はこちら↓↓
http://www.gunma-sanpai.jp/gp26/003.htm

※参考資料2「県による佐藤建設工業への行政処分」
**********
 (株)佐藤建設工業は、大同有害スラグを天然石と混合したことで群馬県より廃棄物の許可を取り消される行政処分を受けた悪質建設資材販売業者です。
 また(株)佐藤建設工業は豊富なスラグマネーを背景に建設業にも手を広げ、ソフトバンクソーラー造成工事(榛東村)、ビックカメラソーラー造成工事(安中市)、八ッ場ダム関連建設工事などを請け負い、その工事でスラグと知りながら積極的に有害物を使用しました。
 (株)佐藤建設工業は産業廃棄物の処理や運搬する許可を群馬県から受けていたので、廃棄物について熟知しており、スラグを取り扱うことが違法であることを知りながら、悪意で建設工事に有害スラグを使い続けていたのです。せめて自ら請け負った工事に使用したスラグは(株)佐藤建設工業に撤去片づけさせなければなりません。

 行政処分の内容はこちらです。↓↓
○2016年08月05日:【速報】佐藤建設工業に行政処分
http://blog.livedoor.jp/lytton_cyousadan/archives/5289331.html
**********

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前安中市長の自宅裏にある東邦亜鉛の土地に突然ユンボが!・・・真相は?

2019-04-27 21:51:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■東邦亜鉛と安中市前市長の岡田義弘氏との関係は地元では知る人ぞ知る癒着の間柄と目されています。なぜなら北野殿地区に点々と東邦亜鉛が所有する土地の草刈りを、以前から岡田義弘氏およびその親族が行っている姿が頻繁に目撃されていたからです。岡田氏が市長の座から去って以来、9年の歳月が経過し、最近は目立った動きがありませんでしたが、先週末の4月20日朝、ユンボの稼働する音が村中に響いたため、現場に行ってみると、岡田前市長の自宅裏の東邦亜鉛社有地で重機がさかんに稼働していました。いったい、どういうわけなのでしょうか。




 そう思い、現場で作業をしていたかたに聞いてみたところ、高崎市下室田町にある有限会社樋口建材の関係者であることが判明しました。この土地が東邦亜鉛所有地であることもご存じで、「では、東邦亜鉛からの発注ですか?」と聞くと、「いいえ、岡田さんからの注文で、ここにあった石ころなどを片付けています」とのことでした。「なぜ、東邦亜鉛の土地なのに岡田さんから発注をうけたのでしょうか」と聞いたところ、「自分もよくわからないが、なんでも30年ほど前から岡田さんが借りているのだそうです」とのことで、それ以上はわからないそうです。筆者は「では、事故に気を付けてご安全に」と声をかけて現場を去りました。



































 そして翌日、安中市議選の投票のために再び現場を通りがかったところ、道路にヒビがあるのを見つけました。また、指導の脇の土手が掘削され、東邦亜鉛の土地にあった大きな石ころが、数個並べられていましたが、道路舗装との境界線から石ころの外側が数センチ道路側にはみ出ていました。





 既に業者は現場にはいなかったので、このまま放置しては安中市の財産である市道に瑕疵として影響を与えかねないため、市の土木課に連絡して、原因者に是正措置を指導してもらうよう依頼しました。

 また、所有者の東邦亜鉛がこの工事についてどのような見解を持っているのかどうか、同社安中製錬所の事務部の中島次長に電話取材したところ、「確かに当社の所有地であり、岡田義弘氏がその土地を使うことについては承知している。整地工事についても知っているが、散在していた石ころを片付けるということのようであり、また造成というより整地程度なので原状を改変するものでもないため、問題になるようなことではないと認識している」とのコメントでした。

■その後、安中市土木課によると、「現場に職員を派遣したところ、業者は既に撤収していたが、たまたま土地の借主が現場にいたので、さっそく指導しました」との報告がありました。

 それにしても、未だに東邦亜鉛は岡田前市長に対して、便宜供与を提供し続けていることがわかりました。現在、北野殿及びその周辺で平成7年以降、重金属汚染の畑地土壌の排客土のための公害防除特別土地改良事業が進行中ですが、東邦亜鉛と岡田前市長が依然としてこのような蜜月関係にあることが示されたからには、事業の今後の進捗になにか影響してくるのではないか、という懸念の声が再び地元で上がるかもしれず、引き続き、この東邦亜鉛の社有地については、慎重に見守りたいと思います。

 なお、この土地に関する前市長と東邦亜鉛の関係については次のブログも参照ください。
○2009年9月23日:菩提寺の土地だったはず?・・不可解な岡田市長の自宅入口の土地登記手続
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/337.html
○2012年1月9日:自宅裏の東邦亜鉛所有地でゴミを燃やす岡田市長に文句が言えない東邦亜鉛の自社サンパイ場が告示・縦覧中
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/719.html

【ひらく会情報部】

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投開票所の実態・・・安中市議会議員選挙の場合

2019-04-26 23:17:00 | 安中市の行政問題
■安中市議会議員選挙は統一地方選の後半戦として位置付けられ、2019年4月21日(日)午前7時から、午後6時まで市内各所で投票が行われました。筆者も午前9時過ぎに投票を済ませました。投票を終えた後、他に投票者が誰もいなかったので、投票所内の写真撮影を管理者の市職員に尋ねてみました。急な依頼だった様子で、市の選管本部に電話をしたところ要領を得ないらしく、直接選管事務局次長と話してほしいと言われ、受話器を渡されました。その結果「投票所の秩序を乱さない範囲であれば」という条件付きで、他に投票者がいなかったことから、投票箱と投票記載所の撮影を許可されました。

最寄りの東野殿公会堂にある第19投票所。








 選管事務局次長とは電話で、いくつか確認したかったことを聞いてみました。

 最初に、「投票が終わり、開票所に運ぶ際に、投票管理者・立会人の面前で蓋をしてカギをかけた後、どのようにして持っていくのか」について質問しました。

 2か所にあるカギをそれぞれ投票箱の蓋にかけたあと、ひとつは投票管理者が、もうひとつは2名いる投票立会人のうちの1名がカギをもって、公用車に同乗して開票所の安中市総合体育館に運ぶのだそうです。

 しかし、そのあと2つのカギは、封筒に入れて封印をしてから市職員に渡され、投票管理者と立会人は投票箱から離れるのだそうです。また、投票は午後6時で締め切られるため、午後6時半までには体育館に届けられるということです。午後7時半からの開票作業開始まで1時間余り、市民の監視外になるわけです。

 一方、期日前投票箱の管理について聞いてみると、市役所内で保管しておいた期日前投票箱も午後6時半までに開票所に運ぶそうですが、その際、選管事務局のメンバーの市職員が一人で公用車に積んで運んでいるとのことでした。また、職員は腕章など付けず、通常の服装だということです。当会から「ひとりだけでは、管理面でセキュリティが担保できないのではないか。警察など第三者が立ち会うべきではないのか」と問題提起をしたところ、選管事務局次長は「警察への依頼は直ちに実現することは今からではできないが、可能な対応としては職員をもうひとり同行させて、投票箱を複数で運ぶことにする。これは今回直ちに実行する」と確約してもらいました。

 選挙期間中の期日前投票箱の管理については、現在は隔離された場所に保管して、無用なアクセスがないようにしているとのことですが、それでは逆に特定職員による不正を抑止できないため、当会の持論である「防犯カメラを設置した場所で可視化した形で保管しておくように」と要請しました。しかし、現在のところ、庁内に防犯カメラを設置している区画がないため、難しいとする見方が示されました。現在ではドライブレコーダーなど普及しており、夜間、期日前投票箱を設置した空間にそうした録画装置をセットして動画を保存することは決して予算的にも大した負担ではないと考えます。

■ところで、投票所の「投票管理者」と「投票立会人」について、公職選挙法では公正な選挙を推進する観点から、選挙の投票について、有権者市民にきちっと管理や立会をしてもらうため、各投票所ごとに投票管理者1名、投票立会人2名を置くことが義務付けられています。

 立場や役割として、「投票管理者」は、選挙管理委員会から選任され、他の事務従事者を指揮監督し、投票事務全般を管理すること、「投票立会人」は、選挙管理委員会から選任され、投票が公正に行われるよう投票事務に立ち会うこととされています。

 しかしその実態は、投票管理者や投票立会人ともに、市内の各自治会等から推薦された人物に選管が依頼してなってもらっていて、投票日当日は朝7時から夕方5時まで、投票所で終日座って投票者に来た人と、投票用紙を渡し選挙人名簿にチェックを入れる市職員らを眺めているだけです。この場合、地元住民ですから互いに顔見知り同士なので、なりすまし投票の抑止には役立つかもしれませんが、やはり、選挙啓発も兼ねて広く公募し、登録した人たちになってもらうのが本筋だと思います。

■ところが今回、地元投票所の投票管理者1名と投票立会人2名の顔ぶれ、ひとりは前市長の後援会の幹部だった人物で、もうひとりは今回の市議選で地元候補の後援会幹部で、選挙戦直前に地元候補を連れて筆者のところにも挨拶に来た人物でした。

 そのため、公平性が担保できないのではないかと考えて、念のため安中市選管に聞いてみました。すると選管事務局次長いわく、市から直接委嘱されている投票管理者の場合は、選挙期間中だけは特定候補者の後援会等関係者だと好ましくないが、地元から推薦の投票立会人の場合は、そうした背景は不問で、特定候補者の後援会幹部だろうが全く問題ないとのことです。

■こうして、午後7時半からの開票作業が行われる安中市総合体育館に行ってみました。午後6時半までに市内各所の投票所から投票箱が運ばれてくるとのことでしたが、午後7時10分過ぎに体育館に到着した時は既に、体育館内に並べられたテーブルに多数の投票箱が並んでいました。





開票作業に駆り出された100人余りの市職員らがロビーでたむろす。

既に運び込まれていた投票箱。近くの職員に、期日前投票箱はどこ?と聞いたところ、機密なので教える立場にありません、と言われた。

19:16.既に館内に入って投票箱の近くでたむろす市職員ら。↑

 開票作業に従事する市職員ら100人余りもロビーで待機しておりましたが、間もなくぞろぞろと体育館内に入っていきました。


開票担当職員はこのようなシールを胸につけているだけ。しかも、これをつけていても誰もチェックする者がいない。




19:18、全員が入館し終える。

 見ていると誰も持ち物検査を受けていません。警察官が1名開票所に待機していると選管事務局から聞かされていましたが、そうした風情もありません。開票作業に従事する市職員らの服装も、上着を着たもの、シャツ姿の者、作業着姿の者などバラバラで、これでは内ポケットに100枚ずつ偽造した投票権の束を忍ばせていても、気付かれません。



開始の合図まで館内で待機する職員ら。

館内入口ドアの前に進入禁止のコーンを並べる市職員ら。

二階の観覧スペースには立入禁止のコーンとテープが。

19:23、今や遅しと開始の指示を待つ職員ら。




19:24、選管長から「鍵開け用意」の指示が出る。

一斉にカギの入った封筒を開封。



鍵の入っていた空封筒を集める職員。

 そしていよいよ、開票作業が午後7時半から始まりました。


19:30、箱開けの号令と共に一斉に投票箱から票を取り出す職員ら。



開始1分後。



開始2分後。

開始3分後、

開始4分後。職員に促されて開いた投票箱を検分のため、歩み寄る投票立会人ら。


5分後。

6分後。

7分後。

8分後。

9分後。

10分後。

11分後。

12分後。


13分後。

14分後。

15分後。

16分後。

17分後。

18分後。

19分後。

20分後。


21分後。


28分後。

30分後。


32分後。

33分後。

34分後。

38分後。

40分後。

43分後。

45分後。


46分後。

47分後。

50分後。


53分後。

54分後。職員の一部がぞろぞろと帰り始める。

出口には誰も検査人がいない。

所持品検査も受けず、皆ぞろぞろと館外へ。


そそくさと家路を急ぐ市職員ら。

開始1時間後の20:30の様子。

100票単位の束に確認印を押す投票立会人10名のみなさん。ハンコを押すより、不正がないかどうか本来、椅子に座りっきりではなく、あちこち作業を見回るべき。

1時間3分後、ムサシ製の自書式投票用紙読取分類機を片付ける職員ら。
ZIP ⇒
href="/ogawaken/html/leaflet_crsva.zip">leaflet_crsva.zip↑

1時間6分後。


1時間7分後。

1時間8分後。

1時間11分後。1階ロビーの掲示板に張り出された1回目の速報(20:30時点)。候補者全員が200票。

1時間13分後。

1時間19分後。

1時間22分後。


1時間23分後。

1時間24分後。

開始1時間半後の21:00の様子。


21:02の開票会場内の様子。

21:09、2回目の速報配布アナウンスで関係者らが掲示板前に集合。

2回目の速報を掲示中。

 この時配布された2回目の速報は次の通りです。開票率98.28%で趨勢がほぼ決しました。

ZIP ⇒ 201904219_j.zip


第2回目の速報結果を選対事務所に連絡する各陣営。

21:13、当会も開票所を退出。
 

選挙結果を報じた翌日の上毛新聞記事。当選者と確定票数。
ZIP ⇒ 20190422vlsci.zip


同じく投票率を報じた翌日の上毛新聞記事。
ZIP ⇒ 20190422vl.zip

 ごらんの通り、開票所内に出入りする大勢の市職員の所持品検査が全く為されていません。また、着用する服装もバラバラです。当会と一緒に2階で開票作業を観覧していた家族の皆さんも、いまひとつキリっと締まりのない作業の雰囲気を感じておられました。また、職員の服装についても、これでは上着の裏側や内ポケットに何かを忍ばせていてもわからないから、不正の温床が疑われても弁解できないのでは、と心配されていました。

 ちなみに、高崎市の開票所の場合は、開票作業に携わる男子職員は全員がズボンにシャツのいでたちで揃えていたそうです。

 引き続き選挙の公正、公平、透明性を目指して今後も監視の目を養ってまいります。

【市民オンブズマン群馬からの報告】


※関連情報「開票所における不正告発等関連URL」
**********
○2013年8月16日:不正選挙 002 荒川区開票所
https://www.youtube.com/watch?v=InpnmdbD5sI
○2013年8月29日:決定的な不正選挙の証拠現る!全国で20万票獲得した衛藤氏高松市得票数が0だった。高松市の自民党支持団体も「衛藤氏に投票した」と証言
https://www.youtube.com/watch?v=CUV73lY3_RY
○2013年10月4日:不正選挙004_ 開票ミス露呈で選管赤っ恥
https://www.youtube.com/watch?v=JV1BmqQ1LYc○2013年10月24日:不正選挙009_選管による隠蔽その2
https://www.youtube.com/watch?v=504nor12HN8
○2014年2月7日:大林ミカ女史の「不正選挙」証言 即刻否定(火消し)疑惑!
https://www.youtube.com/watch?v=1vh3SswTmmc
○2014年12月15日:「選挙の開票所」で見た「不正の疑義」と「参観人の怒り」!!!
https://www.youtube.com/watch?v=CHU0tLT8Ru4
○2014年12月17日:これでいいのか開票所 2014年衆院選
https://www.youtube.com/watch?v=vsOQ85J_YQk
○2015年4月18日:開票所から、イチイチデカイ手荷物を持って退出する開票作業員
https://www.youtube.com/watch?v=gOAI3EIsbjU
○2015年4月26日:また不正選挙!合わない票数を持ち帰り票で埋め合わせ!重苦しい雰囲気の開票所
https://www.youtube.com/watch?v=W48kqIqO36Q&pbjreload=10
○2016年7月13日:カバンから勝手にドリンク&お菓子♬ココは休憩室?いいえ、開票所の開票作業台の真横です!!
https://www.youtube.com/watch?v=ZDrYRgD8nh0
○2016年7月21日:開票所に参観人の怒声が響いた!!手荷物を開票作業台に持込んじゃダメー!!
https://www.youtube.com/watch?v=1ykUoH5IWIQ
○2016年8月6日:〔2016都知事選〕ナニ??参観条件を厳格化だと??東京足立区の開票所を、突撃訪問!!!(1/4)
https://www.youtube.com/watch?v=h3tAqX-C5ng
○2018年10月21日:那覇市長選挙の開票参観
https://www.youtube.com/watch?v=ovfcMOWEdm8
○2019年1月17日:【1214不正選挙】死角観覧席 船橋市開票所 選管、警察 vs さゆふらっとまうんど【再 2014/12/17 NO.83】
https://www.youtube.com/watch?v=lOTzLzdXxfQ
○2019年1月17日:亀井「まずいっす」は聞こえてはまずかった。「聞こえてない」と嘘を付く ~ロングver【再 2014/12/24 NO.85】
https://www.youtube.com/watch?v=Dce2HObXiMQ
○2019年4月12日:【不正選挙】開票したら投票数より10票多い
https://www.youtube.com/watch?v=1b8FN4Gpmyc
不正選挙を監視する市民
http://blog.livedoor.jp/fuseikanshi/archives/30825129.html
**********


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