市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【東邦亜鉛非鉄スラグ問題】東邦亜鉛の非鉄スラグ投棄箇所情報を真っ黒にして開示した群馬県に審査請求!

2020-12-28 23:19:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■東亜鉛安中製錬所が年間5万5千トンほど副産物として排出している鉱さい(非鉄スラグ)には高濃度の重金属として鉛、ヒ素、カドミウム、亜鉛などが含まれています。東邦亜鉛はこの鉱滓の大半を「K砕」という独自の呼称を付して、これまでセメント増量材や、アスファルト骨材、それにゴム吸音建板混入材、そして路盤材や埋土、盛土などの土木資材向けに出荷してきました。しかし、このうち鉛とヒ素の含有量が多く、同社では、同じく群馬県内で操業する大同特殊鋼が排出るフッ素・六価クロム入りの鉄鋼スラグの問題が発覚して以降、いつ自分たちが排出している鉛・ヒ素等を高濃度に含有する非鉄スラグの問題にも焦点が当てられるのか、戦々恐々としていました。そしてついに、先年、当会の告発により、高渋バイパスの中央分離帯に大量の非鉄スラグが投棄されていることが判明し、ニュースでも報じられ大騒ぎになりました。こうした経緯は、既にこのブログでも関連記事を掲載してきました。

非鉄スラグの不法投棄問題を指摘されながらも、平常通り操業を続ける東邦亜鉛安中製錬所(2020年10月16日08:24信越線安中駅にて撮影)。






 最近の非鉄スラグ関連記事は以下を参照ください。
○2020年8月27日:コロナ禍で開催が4カ月半遅れた第29回工場視察会で、東邦亜鉛がK砕の有毒性について仰天説明!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3196.html
○2020年9月11日:【報道】食べると腹痛・悪寒・貧血等?!…東邦亜鉛の鉛・ヒ素入り非鉄スラグを県が廃棄物に認定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3202.html
○2020年10月10日:【東邦亜鉛非鉄スラグ問題】群馬県が行政処分をした非鉄スラグの質問に対し東邦亜鉛がよこした不誠実回答
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3217.html

 こうした中で、東邦亜鉛が2020年8月22日に安中製錬所で開催した工場視察会後の意見交換会で、参加者から「非鉄スラグの投棄場所として安中市内は含まれるのか?」の質問に対して「非鉄スラグの投棄についての調査結果は全て行政に報告してある」との見解を示しました。そのため、当会は、事実関係を確認すべく、群馬県と安中市に問い合わせていました。

 その結果、安中市は、市内の再生砕石取扱い企業に対して電話でのヒヤリングをしましたが、東邦亜鉛が非鉄スラグの投棄場所について報告していたのは群馬県であることが判明し、当会は2020年8月24日付けで群馬県に公文書開示請求を行いました。

 すると群馬県から同年9月3日付で10月22日まで開示決定期間を延長するとする通知が届きました。

 そして、群馬県からは、2020年10月16日付で、公文書部分開示決定通知書と、公文書非開示決定通知書、そして公文書の存否を明らかにしない決定通知書が送られてきました。

*****公文書部分開示決定通知書*****ZIP ⇒ 20201017qnm.zip
別記様式第3号(規格A4)(第4条関係)
         公文書部分開示決定通知書
                       廃リ第601-10号
                       令和2年10月16日
小川 賢 様
                   群馬県知事 山本 一太
 令和2年8月24日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例(以下「条例」という。)第18条第1項の規定により、次のとおり一部を除いて開示することを決定したので通知しま。すなお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して 3 月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。)。
 また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として(訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。
<開示を請求された公文密の内容又は件名>
①東邦亜鉛(株)安中製錬所が出荷した非鉄スラグの使われた公共及び民間事業の現場に関してこれまで同社から群馬県に連絡ないし報告された一切の情報
②上記①に関し、安中市内で非鉄スラグが使われたことがあるかどうか判る情報
 上記のうち、①に関する文書(令和2年10月16日付廃リ第601-10号により非開示決定した文書を除く)
<開示の日時>令和2年10月16日(金)以降
<開示の場所>群馬県庁2階 県民活動支援・広報課
<開示の実施方法>閲覧及び写しの交付
<開示しない部分の概要及びその理由>
○文害名・非開示部分
「これまでに判明しているK砕使用箇所一覧(当課で集計)」のうち、廃リ課整理、表面(蕗出等)の状況のうち当初に関する情報、対策の実施状況のうち状況に関する情報、環境調査実施状況及び環境調査結果並びに公共部分の工事発注者
(施主)及び所在地区分以外の情報〇理由
群馬県情報公開条例第14条第2号(個人情報)該当
(理由)個人の住所・氏名等が記載されており、特定の個人が識別されるおそれがあるため。
群馬県情報公開条例第14条第3号(法人情報)該当
(理由)法人の住所・名称等が記載されており、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。
群馬県情報公開条例第14条第5号(審議検討情報)該当
(理由)当該情報が公になると、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、県民の誤解や憶測を招き、不当に県民の間に混乱を生じさせるおそれがあるため。
群馬県情報公開条例第14条第6号(事務事業情報)該当
(理由)当該情報が公になると、県の実施する今後の調査等の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため。
※見出し部分は群馬県情報公開条例第5号(審議検討情報)及び第6号(事務事業情報)に該当
<※開示しない理由がなくなる期日>―
<事 務 担 当 課 等>環境森林部廃棄物・リサイクル課産業廃棄物係
          〈電話番号〉027-226-2826
<備考>複写等費用50円を、お釣りのないように準備してください。
注1 公文書の開示により得た情報は、群馬情県報公開条例第24条の規定により、適正に使用しなければなりません。
 2 指定された日時が都合の悪い場合には、あらかじめ事務担当課等へ連絡してください。
 3 公文書の開示を受ける際には、この通知書を係員に提示してください。
 4 ※印の欄は、開示しない部分について、開示をしない理由がなくなる期日をあらかじめ明示することができる場合のみ記入してあります。
 5 開示決定に係る公文書に第三者に関する情報が記録されている場合において、当該第三者から不服申立てがあったときは、その全部又は一部を開示することができなくなる場合があります。

*****公文書非開示決定通知書*****ZIP ⇒ 20201017qnm.zip
別記様式第4号(規格A4)(第4条関係)
          公文書非開示決定通知書
                       廃リ第601-10号
                       令和2年10月16日
小川 賢 様
                   群馬県知事 山本 一太

 令和2年8月24日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例(以下「条例」という。)第18条第2項の規定により、次のとおり開示をしないことを決定したので通知します。
 なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から算起して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。)。
 また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として(訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。
<開示を請求された公文書の内容又は件名>
①東邦亜鉛(株)安中製錬所が出荷した非鉄スラグの使われた公共及び民間事業の現場に関してこれまで同社から群馬県に連絡ないし報告された一切の情報
②上記①に関し、安中市内で非鉄スラグが使われたことがあるかどうか判る情報
 上記のうち、①に関する文書(令和2年10月16日付廃リ第601-10号により部分開示決定した文害を除く)
<開示しない理由>
〇文書名・該当部分
 部分開示決定した文書以外の文書
○理由
 群馬県情報公開条例第14条第2号(個人情報)該当
 (理由)個人の住所・氏名等が記載されており、特定の個人が識別されるおそれがあるため。
 群馬県情報公開条例第14条第3号(法人情報)該当
 (理由)法人の住所・名称等が記載されており、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。
 群馬県情報公開条例第14条第5号(審議検討情報)該当
(理由)当該情報が公になると、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、県民の誤解や憶測を招き、不当に県民の間に混乱を生じさせるおそれがあ るため。
 群馬県情報公開条例第14条第6号(事務事業情報)該当
 (理由)当該情報が公になると、県の実施する今後の調査等の適正な遂行に支障 を及ぼすおそれがあるため。
<※開示しない理由がなくなる期日>―
<事務担当課等>環境森林部廃棄物・リサイクル課産業廃棄物係
        〈電話番号〉027-226-2862
<備考>―
※印の欄は、開示しない部分について、開示をしない理由がなくなる期日をあらかじめ明示することができる場合のみ記入してあります。

*****存否応答拒否決定通知書*****ZIP ⇒ 20201017qnm.zip
別記様式第5号(規格A4)(第4条関係)
     公文書の存否を明らかにしない決定通知書
                        廃リ第601-10号
                        令和2年10月16日
小川 賢 様
                  群馬県知事 山本 一太

 令和2年8月24日付けで請求のあった公文密の開示については、群馬県情報公開条例(以下「条例」という。)第18条第2項の規定により、次のとおり公文杏の存否を明らかにしないことを決定したので通知します。
 なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3 月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3 月以内であっても、処分の日の翌日から起算し1 て年を経過すると審査請求をすることができなくなります。)。
また、この処分があったことを知った日の翌日から 起箕して6 月以内に、群馬県を被告として(訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起箕して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起箕して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。
<開示を請求された公文密の内容又は件名>
①東邦亜鉛(株)安中製錬所が出荷した非鉄スラグの使われた公共及び民間事業の現場に関してこれまで同社から群馬県に連絡ないし報告された一切の情報
②上記①に関し、安中市内で非鉄スラグが使われたことがあるかどうか判る情報
 上記のうち、②に関する文書
<公文書の存否を明らかにしない理由>
群馬県情報公開条例第17条該当
 対象となる文書が存在しているか否かを答えるだけで非開示情報を開示するこ ととなるため。
<事務担当課等>環境森林部廃棄物・リサイクル課産業廃棄物係
        〈電話番号〉027-226-2862
<備考>―
**********

■そして、2020年10月23日(金)午前11時過ぎに開示された情報を見て、当会は仰天しました。なぜなら真っ黒だったからです。
※事実上非開示同然の真っ黒な開示情報「東邦亜鉛(株)安中製錬所から排出された非鉄スラグに関する使用箇所リスト」

ZIP ⇒ 20201228msxoivvj.zip

 これでは、せっかく東邦亜鉛が行政に対して有毒な鉛・ヒ素入りの非鉄スラグの投棄場所の自社調査結果を報告した貴重な情報が、まったく隠されたままです。

 東邦亜鉛が8月22日(土)午前9時から地元住民らを対象に行った恒例の安中製錬所工場視察会の席上、参加者から、「非鉄スラグの不法投棄がニュース沙汰になっているが、安中市内には投棄されているのか教えてほしい」と切実な質問が有り、それに対して東邦亜鉛側が「すべて行政に調査結果を報告している」と回答しました。そのため、当会は安中市と群馬県に情報公開請求をしたのです。

 その結果、安中市は該当情報を保有していなかったため、東邦亜鉛の言う「行政」とは群馬県であることが判明したのです。

 その群馬県が、このように真っ黒な形で情報開示、否、実質的には情報非開示をしてきたことは、群馬県があいかわらず東邦亜鉛を忖度して、情報隠しをしている体質が続いていることを如実に示しています。しかし、今回は東邦亜鉛は視察会での回答から、「群馬県に報告しているので、そちらから情報を得てほしい」という趣旨に受け取れる発言をしていました。

■こうして群馬県は、榛東村の公共事業1件のみ、自治体名を明かしただけで、あとは全て非開示だったのですが、その後2020年12月8日に突然群馬県のHPに、次の記者発表記事がリリースされました。

**********群馬県HP最終更新日:2020年12月8日
URL ⇒ https://www.pref.gunma.jp/houdou/e17g_00032.html
【12月8日】東邦亜鉛(株)安中製錬所から排出された非鉄スラグに関する使用箇所の解明等の状況について(廃棄物・リサイクル課、環境保全課)
 東邦亜鉛(株)安中製錬所から排出された非鉄スラグについて、令和2年9月10日に廃棄物処理法に基づく調査結果及び関係者への行政処分等を公表しました。使用箇所について、引き続き調査を行ってきたところ、現在の状況は次のとおりです。
1 非鉄スラグ使用箇所の解明及び環境への影響調査の結果(令和2年10月末時点)
(1)東邦亜鉛(株)安中製錬所から排出された非鉄スラグの使用が確認された箇所は、別紙の1のとおり公共工事で1箇所、民間工事で106箇所である。
(2)これまでの調査の結果では、使用箇所における建設資材から土壌環境基準又は土壌汚染対策法の指定基準(以下「土壌環境基準等」という。)に相当する値を超過する有害物質が検出された箇所はあるが、土壌汚染は確認されていない。
2 対応措置の状況
(1)県では、東邦亜鉛(株)に対して、引き続き使用箇所の全容解明に当たるとともに、判明した使用箇所における環境調査の加速化と結果の報告、及び生活環境の保全上支障が生じないよう必要な措置を指示した。
(2)これを受けて、東邦亜鉛(株)は、別紙の2(1)のとおり、非鉄スラグの使用が確認された全107箇所において、対応措置を講じている。
(3)使用箇所における対応措置等の状況は、次のとおりである。
公共工事は全1箇所で、民間工事は全106箇所のうち86箇所で、非鉄スラグの撤去が完了している。残る20箇所も撤去される予定。
これまでの調査の結果では、土壌汚染は確認されていない。未撤去の20箇所は、立入禁止など当面の措置が講じられており、有害物質の摂取リスクは極めて低い。
3 今後の対応
(1)今後とも非鉄スラグの使用箇所の解明を進め、新たに使用箇所が判明した場合は、これまでと同様の方法で環境調査を行い、その結果を速やかに公表する。
(2)判明した使用箇所は全て県がリスト化し、今後も継続して、地下水概況調査の中で、環境への影響について監視を行っていく。
(3)撤去完了まで監視を継続するとともに、東邦亜鉛(株)に対しては、使用箇所における必要な措置を早期に完了させるよう引き続き指導を行う。

=====別紙=====
使用箇所の解明、環境調査及び対応措置等の状況
                         令和2年10月末時点
1 使用箇所数
(1)公共工事


(2)民間工事


2 対応措置等の状況
(1)対応措置の状況
東邦亜鉛(株)は県の指示を受け、土壌汚染対策法の考え方・技術基準に沿って、全使用箇所で撤去等の対応措置を講じている。
なお、撤去が完了していない20箇所は、土地所有者との調整がつき次第、撤去予定である(←当会注:土地所有者とは、まさか、東邦亜鉛から鉛・ヒ素入り有毒非鉄スラグを長年にわたり引き取り、自社のメガソーラー施設に数万トンも敷き詰めていた岡田工務店・岡田興業なのではあるまいか。だとしたら、県の措置は大甘だと言わざるを得ず、土壌汚染対策法だけにこだわる県のこのコメントは不適切。)


(2)分析結果
非鉄スラグから、土壌汚染対策法の指定基準に相当する値を超える鉛及び砒素が検出された使用箇所は、表4のとおりである。
なお、直下の土壌からは、土壌汚染対策法の指定基準を超える鉛及び砒素は検出されていない(←当会注:県は東邦亜鉛からの自己申告の報告の内容を鵜呑みにしているのであれば、土壌汚染対策法だけにこだわる県のこのコメントは不適切。)


(3)土壌環境基準等の超過箇所における対応措置等の状況
溶出量基準超過の23箇所のうち、20箇所で撤去が完了し、残る3箇所も撤去予定である。いずれの箇所も土壌汚染は確認されておらず、直ちに地下水に影響が生じる状況にないため、有害物質の地下水経由の摂取リスクは極めて低い。
含有量基準超過の88箇所のうち、79箇所で撤去が完了し、残る9箇所も撤去予定である。撤去完了までの間、当面の措置として立入禁止・注意喚起を講じているため、有害物質の直接摂取リスクは極めて低い(←当会注:県は非鉄スラグを産業廃棄物と認めて撤去を東邦亜鉛に命じたのではないのか。立入禁止・注意喚起の看板を立てておけば、5年間や10年間放置していてもよいのであれば、行政命令の意味がない。東邦亜鉛に忖度をするかのような、県のこのコメントは不適切。)


3 土壌汚染対策法の指定基準と健康リスク管理の考え方(参考)
(1)土壌汚染対策法の指定基準には、地下水経由の摂取リスクに対する「溶出量基準」と直接摂取リスクに対する「含有量基準」がある。2つの基準は、長期間の有害物質の摂取を想定して、健康被害防止の観点から定められており、一生涯にわたり摂取しても、健康影響が現れないように設定されている(←当会注:そもそも廃棄物処理法上は、特定有害廃棄物なのだから違法不当に投棄されていること自体問題。また農用地の土壌の汚染防止等に関する法律では汚染土壌から収穫された作物(玄米中のカドミウム含有量)を基準としており、土壌汚染対策法だけにこだわる県のこのコメントは不適切。)


(2)土壌汚染対策法では、地下水経由の摂取と直接摂取の2つの摂取経路による健康被害を防止するため、摂取経路の管理、摂取経路の遮断又は土壌汚染の除去により措置が講じられる(←当会注:筆者の居住する安中製錬所周辺の主に重金属を含む長年の降下煤塵による土壌汚染地帯では、県・安中市の主導で排客土方式による汚染土壌除去を目的とした土地改良事業計画が進行中であり、筆者の自宅を含め、昭和40年代に浮上した公害問題以降、敷地内の井戸の使用を禁じられている。土壌汚染対策法だけにこだわる県のこのコメントは不適切。)

(出典)『事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン』((公財)日本環境協会)

(3)地下水経由の摂取に関して、到達距離内(鉛:概ね80m、砒素:概ね250m)に飲用井戸がない場合には、措置を講じる必要がない。

【非鉄スラグに関する問い合わせ先】
 廃棄物・リサイクル課 産業廃棄物係
 電話 027-226-2861
 メール sanpai@pref.gunma.lg.jp
 環境保全課 放射線・土壌環境係
 電話 027-226-2833
 メール kanhozen@pref.gunma.lg.jp
※報道提供資料 ZIP ⇒ 20201208sxogp.zip
**********

■この記者発表情報をみると、鉛・ヒ素の含有量と浸出量のデータについても公表されています。

 また、非鉄スラグの投棄場所(=使用場所)の情報にしても、それが公共事業でも民間工事であっても、本来は全部公表すべきですが、せめて○○市〇〇町くらいまでは公表してもなんら問題は無いはずです。

 にもかかわらず群馬県は、当会の情報公開請求に対して、真っ黒けの情報しか出しませんでした。しかも、それは集計表のみです。

 群馬県は果たして東邦亜鉛の意見を聞いたうえで「情報非開示」ないし「存否応答拒否」をしてきたのでしょうか。そのことを確かめるべく、当会では2020年12月25日に県庁を訪れて、次の内容の審査請求書(異議申立書のこと)を群馬県知事あてに提出しました。

*****12/25審査請求書*****ZIP ⇒ 20201225risxojyj.zip
                        令和2年12月25日

(宛先) 審査庁 群馬県知事 山本一太 様

            審査請求人 住 所 前橋市文京町一丁目15-10
                      氏名 市民オンブズマン群馬
                      代表 小川 賢    印
                  連絡先 TEL:090-5302-8312(小川携帯)
                      又は 027-224-8567(事務局長:鈴木庸)

              審査請求書

 次のとおり審査請求します。

1 審査請求に係る処分の内容
  令和2年10月16日付廃リ第601-10号「公文書部分開示決定通知」(資料1参照)に含まれない公文書に対する「公文書非開示決定通知書」に関する部分開示決定した文書以外の非開示決定処分(資料2参照)及び同「公文書の存否を明らかにしない決定通知書」に関する存否応答拒否決定処分(資料3)
2 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
  令和2年10月17日
3 審査請求の趣旨
  審査請求人は「令和2年8月22日(土)に東邦亜鉛安中製錬所で開催された工場視察会の後の情報交換会で参加者から出された同社が排出する非鉄スラグに関する質問に対して、同社が、『非鉄スラグが使用された場所について判明した場合、その都度、所有者と管理者、即ち行政には報告をさせていただいております』と回答しました。ついてはこれに関連する次の情報。①東邦亜鉛株式会社安中製錬所が出荷した非鉄スラグの使われた公共及び民間事業の現場に関してこれまで同社から安中市に連絡ないし報告された一切の情報 ➁上記①に関し、安中市内で非鉄スラグが使われたことがあるかどうか分かる情報」を情報公開請求した。
  これに対して処分庁である群馬県知事は、このうち①について、「これまでに判明しているK砕使用箇所一覧(当課で集計)」と題する非鉄スラグ投棄場所を列挙したリストと思しきほぼ黒塗りのA3判で、わずかに「工事発注者(施主)」と「所在地区分」欄では「榛東村」とかかれた1件の自治体名のみ開示で、「表面(露出等)の状況」欄では、「当初」項のみ開示、「対策の実施状況」欄では、「状況」項のみ開示、「環境調査実施状況」欄では、「路盤材」と「土壌」の項で「済」又は「日程等調整中」のみ表示、「環境調査結果」欄では、「路盤材」と「土壌」の項で、「適」又は「不適」ないし「日程等調整中」のみ開示で、それ以外は全て黒塗りで非開示とした。
  また、➁について処分庁は、群馬県情報公開条例(以下「条例」という)(資料4参照)第17条に該当し、「対象となる文書が存在しているか否かを答えるだけで非開示情報を開示することになるため」として、存否応答拒否通知をした。
  よって、上記1の決定を取り消し、開示決定を求める。
4 審査請求の理由
(1)処分庁は、①の非開示理由として、条例第2条、第3条、第5条、第6条を挙げたがいずれも失当である。
(2)条例第14条第2号(個人情報)は、今回の場合、鉛・ヒ素のような特定有害物質を高濃度に含有する非鉄スラグによる県民の生命、健康、生活又は財産の保護の観点から、ただし書が適用されるべきである。事実、処分庁は非開示理由として条例第14条第4号(公共安全情報)を挙げていない。
(3)条例第14条例第3号(法人等事業情報)は、今回の場合、鉛・ヒ素のような特定有害物質を高濃度に含有する非鉄スラグによる県民の生命、健康、生活又は財産の保護の観点から、ただし書が適用されるべきである。事実、処分庁は非開示理由に条例第14条第4号(公共安全情報)を挙げていない。
(4)条例第14条第5号(審議検討情報)は、今回の場合、法令や環境基準等に照らして判断されたものであるので、審議検討情報とは言えない。
(5)条例第14条第6条(事務事業情報)は、今回の場合、民間事業者が行う事業に伴う情報であるため、事務事業情報とは言えない。なぜなら、廃棄物処理法第3条によれば、事業者(今回の場合民間事業者)は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならず、また、当該廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めなければならないとする排出事業者責任を定めているためである。
(6)処分庁は➁の存否応答拒否について、条例第17条に該当するとしか説明していない。
(7)国の人事院が定める「情報公開法に基づく処分に係る審査基準について」の「・法第8条(行政文書の存否に関する情報)関係」において、下記の記載がある。

    「開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるとき」
      開示請求に係る行政文書が具体的にあるかないかにかかわらず、開示請求された行政文書の存否について回答すれば、不開示情報を開示することとなる場合をいう。開示請求に含まれる情報と不開示情報該当性とが結合することにより、当該行政文書の存否を回答できない場合もある。例えば、特定の個人の名を挙げて、その病歴情報が記録された文書の開示請求があった場合、当該行政文書に記録されている情報は不開示情報に該当するので、不開示であると答えるだけで、当該個人の病歴の存在が明らかになってしまう。このような特定の者又は特定の事項を名指しした探索的請求は、第5条各号の不開示情報の類型すべてについて生じ得ると考えられる。
      具体的には、次のような例が考えられる、とされている。
       ①特定の個人の病歴に関する情報(第1号)
       ②先端技術に関する特定企業の設備投資計画に関する情報(第2号)
       ③情報交換の存在を明らかにしない約束で他国等との間で交換された情報(第3号)
       ④犯罪の内偵捜査に関する情報(第4号)
       ⑤買い占めを招くなど国民生活に重大な影響を及ぼすおそれのある特定の物質に関する政策決定の検討状況の情報(第5号)
       ⑥特定分野に限定しての試験問題の出題予定に関する情報(第6号)
(8)上記によれば、存否応答拒否の前提は、当該情報が不開示情報に該当していなければならない。この観点から、処分庁は開示請求「特定の個人の権利利益を害するおそれがあるため」と公開しない理由を説明したいのだろうが、➁の請求内容と、どのような関係があるのか、処分庁の理由にはなにも書かれていない。
   仮に条例第14条第2条の個人に関する情報だと説明したいとすると、「特定の個人は識別できないが、公開することによりなお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当すると言う意味だと考えられる。
(9)審査請求人は、「安中市内で非鉄スラグが使われたことがあるかどうかわかる情報」ともとめているのであるから、場所の情報として、地番までもとめているわけではない。よって、個人の地番が特定できない範囲で、開示できる情報が、処分庁が今回非開示として情報のなかに含まれていると考えられ、処分庁の今回の判断は、原則開示の条例の趣旨から逸脱するものである。
(10)よって、上記1の決定において、本件情報①は不開示情報に該当せず、また同➁についても「存否応答拒否」に該当しないため、決定を取り消して、公開を求める。
5 処分庁の教示の有無及びその内容
  「この決定について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、群馬県知事に対して審査請求することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内であっても、処分の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。)。」との教示があった。

                              以上
**********

■群馬県に対して情報非開示の不服申し立てをすると、長い場合は2年間も結論を先延ばしします。なので、12月25日の審査請求では、県側にせめて前橋市役所の期間限度基準の8カ月を超えることのないように釘を刺しておきました。

 それでも、上記の場合、開示の可否が確定するのは今年の盆休み明けになるわけで、迅速かつ適切な情報公開が実施できるかどうか、群馬県による公害企業への忖度度を測るうえで重要な目安となります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローン第22回支払日に市を訪れ1.27第1回弁論についてヒヤリング

2020-12-27 21:01:00 | 土地開発公社51億円横領事件

■安中市土地開発公社を舞台に今から25年半前の1995年5月18日に安中市役所内部で密かに発覚した地方自治体では史上最大の巨額詐欺横領事件。警察の調べで総額51億円を超える犯罪にも拘らず単独犯とされた元職員タゴは1952年3月生まれで、今年68歳となり、現在高崎市内のT町に住んでいます。

安中土地開発公社51億円横領事件の群馬銀行との和解20年後の報告会(安中市役所本庁) URL https://www.youtube.com/watch?v=3nqECnwg31Q
1:20:46あたりで筆者が安中市に対して「本件法廷で争う」と意思表明済み。


 この前代未聞、空前絶後の巨額詐欺横領事件により、現在公社は、群馬銀行に対して債務となる総額24億5000万円のうち、和解と同時に支払った4億円を除く20億5000万円を毎年2000円ずつクリスマスに群銀に103年かけて支払中です。そして今年も12月25日に22回目の支払が実行されてしまいました。このままでいくと、今年生まれた市民の赤ちゃんが、81歳になった時に、和解金が完済されることになります。安中市は公社のこの債務の連帯保証人になっています。

 一方、公社は、元職員タゴに対して損害賠償請求訴訟(事件番号:平成11年(ワ)第165号)を提起し、1999年(平成11年)5月31日付で22億2309万2000円の債権が確定しました。その結果、判決確定後、今年8月26日の約21年間で、タゴから1532万500円が返済されましたが、依然として22億771万1500円の債権元金が残っています。しかも、これには遅延損害金年利5分は含まれていません。

 そこで筆者が試算したところ、遅延損害金は今年5月31日現在で、39億4864万9945円となります。タゴからは、それまでの21年間に1526万500円が返済されているので、公社にとって債権元金残高は22億783万1500円となり、遅延損害金と合わせたタゴに対する公社の債権総額は、61億5648万445円となります。

 さて、12月25日は前述のとおり、103年ローンの22回目の支払が行われました。そのため、当会ではさっそく安中市長宛に次の行政文書開示請求書を提出しました。

*****安中市公文書開示請求書*****ZIP ⇒ 20201225ssjis22xj.zip
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
(1) 安中市土地開発公社を巡る巨額詐欺横領事件により、安中市が同公社の保証人として、令和2年12月25日ごろに群馬銀行に対して支払った民事訴訟の和解条項に基づく2000万円の支出にかかわる一切の情報。
(2) 市が保証人として、同公社が元職員に対して平成11年に損害賠償請求を起こし、同年5月に勝訴した判決に基づき、元職員及びその親族からこれまでに財産差押や寄贈等を通じて損害金を回収してきた経緯のうち、令和2年8月27日以降、現在に至るまでに為された損害金回収に関わる一切の情報。
**********

 これは毎年恒例で、安中市長に対して開示請求を行っており、新年1月8日までに部分開示決定通知が為されるものとみられます。

■ところで、タゴ51億円事件の単独犯とされている元職員に対して、安中市は上記の通り、群銀へ支払う和解金総額とほぼ同額の債権を持っていますが、その履行は遅々として進んでおりません。

 筆者は、こうした市・公社の体たらくを懸念して、市・公社が2019年3月末に群馬銀行に対して、和解後20年目の対応として、今後さらに10年間、和解金の支払いを継続する旨を約した「証」の提出に関連して、公社でどのような協議が行われていたのかを債務保証人である安中市民納税者として確認すべく、昨年6月10日に安中市長に行政文書開示請求書を提出しました。

 ところが、多くの箇所が黒塗りにされた公社議事録が開示されたため、昨年8月6日付で行政不服審査法に基づく審査請求を行いました。しかし、安中市は2020年5月15日付で棄却通知をよこしました。

 その後も安中市に対して、群銀への債務履行ばかり重視している市・公社の姿勢を問題視して、なぜタゴへの債権行使をもっと厳しく行わないのか、もし市・公社だけでは腰が引けるのであれば、本件をライフワークとしている当会に委任状を発行してもらい、市民納税者として直接タゴおよびその関係者らに債務履行を求めたいと、申し入れてきました。

 ところが、安中市にいくら申し入れても、「委任状は弁護士でない者には出せない」などとして、一向に当会の提案に応じようとする気配はありません。

■そのため、やむやく審査請求結果の裁決通知を受け取った翌日から6ヶ月間が経過しようとする直前の2020年11月16日に、公社の連帯保証人である安中市に対して、タゴからの債権回収の本気度を確認するために不可欠な公社議事録の内容についての非開示部分の開示を求めて、前橋地裁に提訴しました。この経緯については、当会の次のブログを参照ください。
○2020年11月29日:【安中タゴ51億円事件】群銀103年ローンに加えタゴに1万8526年ローンを許容中の安中市を提訴!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3247.html

 その後、前橋地方裁判所から11月27日にFAXで事務連絡として、第1回口頭弁論期日の候補日の照会が来たため、「来年1月27日(水)午前10時20分を希望する」旨、同月30日に回答しました。
※前橋地裁からの事務連絡と回答書 ZIP ⇒ 20201130nai1_j.zip

 その結果、12月8日(火)10時22分に地裁から電話があり、当該日時での第1かい弁論期日が確定したとの連絡を受け、同日、地裁に期日請書をFAXで送信しました。
※前橋地裁あて第1回口頭弁論の宛期日請書 ZIP ⇒ 20201208isjj.zip

■このことについて、12月25日に安中市役所を訪れた際、総務部の阿部部長と面談した際、安中市は訴訟代理人として、同市岩井地区に事務所を構える小坂景子弁護士に相談中であることが判明しました。


小坂景子(おさか けいこ)弁護士
安中法律事務所:群馬県安中市岩井2470-3 戸田ビル1F西)
電話(FAX兼用):027-386-6667
所属弁護士会:群馬弁護士会
弁護士登録年:2011年(2010年新司法試験合格)
司法修習:第64期(平成23年12月14日終了)
登録番号:44682
その他:安中ロータリークラブ会員


■安中市に対しては従前より「本件、安中市として弁護士を付けずに、直に本件について当事者同士で、法廷で決着を付けましょう」と提案してきましたが、結局、安中市は、安中市民の血税を投入して、訴訟代理人を起用するつもりです。

 それよりもなお、訴訟代理人を起用するつもりだということは、本件について安中市はどうやら争うつもりのようです。

 小坂弁護士に支払う着手金は、これまでの事例からするとおよそ30万円程度と目されます。しかも、この着手金は、公社から支出するのではなく、どうやら安中市の一般会計から支出される模様です。

■タゴから債権を回収するのは消極的ですが、タゴに関わる情報の非開示には積極的に公金を使ってまで、裁判所の法廷で争うという、現在の安中市の体質は、まさに25年前の巨額詐欺横領事件を起こした当時の安中市の体質を彷彿とされると言えましょう。

 来年1月27日水曜日、朝10時20分から前橋地裁本館2階第21号法廷で、安中市がどのような答弁書を出してくるのか、注目したいと思います。

【市政をひらく安中市民の会情報部及び市民オンブズマン群馬事務局からの連絡】

※関連情報「小坂景子弁護士」
**********高橋三兄弟法律事務所FB 2016年9月5日
URL ⇒ https://www.facebook.com/takahashi3kyoudai/posts/1096321043748253/
このたび,平成28年8月31日をもって,小坂景子弁護士が当事務所を退所し,9月1日から安中市内にて独立開業いたしました。
小坂弁護士は,平成23年12月に当事務所に入所後,数々の難事件を担当され,特に家事事件では当事務所トップクラスの受任数を誇っておりました。
今後,益々のご活躍を祈念いたします。
**********

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【安中市庁舎建替え問題】当局主導の市民懇談会提言書に不足する市民目線を補った提言書を12.25市に提出!

2020-12-27 13:19:00 | 安中市庁舎建替えに伴う予算過大問題
■安中市は、全国自治体の追従を許さない、51億円という途方もない巨額詐欺事件を25年前に起こした自治体です。安中市役所の現在の敷地の目の前の駐車場の脇に、51億円横領犯とされた元・安中市土地開発公社職員の配偶者側の実家が所有する土地があります。市役所から今場所から移転することは、あと82年間、毎年クリスマスに2000万円ずつ群馬銀行にタゴ事件の尻拭いの和解金として支払い継続を余儀なくされる子々孫々の世代に対して、事件の現場から立ち去ることを意味します。事件から25年、これ以上の風化を防ぐためにも、市役所の庁舎を建て替える場合は現在の場所でなければなりません。
 また、財政面で苦しい状態にあるはずの安中市では、まだまだ使える庁舎迄取り壊して、別の場所に移転して50億円もの血税を投入することなど、許されるわけはありません。そうした思いを有する皆様の声をひろく市民のかたがたにひろめるべく、当会では11月1日の朝刊に意見広告を折込み、安中市全域の新聞購読世帯に配布をしました。
 その後、安中市主導の「安中市庁舎に関わる市民懇談会」は11月24日に、提言書を安中市長に提出しました。

**********安中市HP2020年11月24日
「安中市庁舎に関わる提言書」を受け取りました

(右から久米委員、石井委員、半田委員、高橋委員、小竹会長、小川副会長、茂木市長、こうめちゃん。ヒ

概要
 令和2年11月24日(火)、市は、「安中市庁舎に関わる市民懇談会」委員の出席者と茂木市長とで意見交換を行ったのち、茂木市長が「安中市庁舎に関わる提言書」を受け取りました。
 市では、6月から全5回にわたり安中市庁舎に関わる市民懇談会を開催してきました。懇談会においては、市内団体や公募市民、学識経験者などが参加し、庁舎整備のあり方や庁舎の機能、役割、立地などが話し合われ、提言書としてまとめられました。
提言書の内容
 提言書の内容は次のとおりです。
〇安中市庁舎に関わる提言書(ZIP ⇒ annakasi_choushasiminteigen.zip)
〇安中市庁舎に関わる提言書全体像(ZIP ⇒ annakasi_choushateigenzentaizou.zip)
〇第1回~第5回会議録及び提出意見一覧(意見番号付き)(ZIP ⇒ 1annakasi_choushakaigorokuall.zip
2annakasi_choushakaigorokuall.zip
3annakasi_choushakaigorokuall.zip
4annakasi_choushakaigorokuall.zip
5annakasi_choushakaigorokuall.zip
6annakasi_choushakaigorokuall.zip)
今後の市の取り組み
 提言書の内容を十分に尊重しながら、市において庁舎整備の方針について具体的な協議や検討に入っていきます。その過程は、ホームページ又は広報などを用いて市民の皆様にお伝えしていきます。
 今後、市民の皆様のご意見を様々な方法で伺っていきますので、その際はお気軽にご意見をお寄せください。
<お問い合わせ>
総務部 企画課
電話:027-382-1111 ファクス:027-381-0503
**********

■しかし、安中市が主導した市民懇談会による提言書は、安中市の幹部職員らの意向がその設置から、会議を通知で、提案書の作成に至るあらゆる段階で、影響を与えていることは否めず、したがって、その提言書の内容がかなりバイアスがかかっているのも事実です。

 そこで、当会は、11月1日の市内全区を対象としてチラシの新聞折込み後も、市庁舎建替え問題に関する市側の意向を注視してきましたが、11月24日に提言書が具体的に市長に提出された後、上記の通りHP上に公表されたことから、この問題に関心を持つ一般市民の皆さんの真の声を反映した提言書を作成することにしました。

 その結果、12月22日に完成したので、12月25日に、安中市を訪れた際に、本件担当部局の企画課に提出しました。生憎、田中課長は当日有休取得で休みだったため、同じ課の猿谷課長に、概略内容の説明をした後、直接手渡し、田中課長にもよろしくお伝えするように伝えました。


2020年12月25日16時40分、安中市役所総務部企画課にて猿谷係長に、市民目線の提言書を手交。

■それでは、当会から12月25日に安中市総務部企画課に提出した「市民目線による提言」を盛り込んだ「安中市庁舎に関わる提言書(庁舎の位置と規模の提言)」をご覧になってください。

**********ZIP ⇒ 202012221s_uk.zip
202012222s_uk.zip
<表紙>
            安中市庁舎に関わる提言書
            (庁舎の位置と規模の提言)


            令和2(2020)年12月22日

           安中市庁舎に関わる市民懇談会
           を見守る市民の会からの提言書

《雲形の吹き出し「市民目線の提言⇒」》は私たち「見守る市民の会」 からの提言個所を表すものです。

<はじめに>
              はじめに

 安中市庁舎に関わる市民懇談会は、学識経験者・市内各団体の被推薦者・公募市民からな る18名の委員の構成のもと、現在の市庁舎の現状・課題を踏まえそのあり方を検討するために、市長から委嘱を受けて令和2(2020)年6月に発足して、毎月1回のペースで10月までに5回の会議を行い終了いたしました。
 安中市も他市の例にもれず、少子高齢化が進行し人口減少社会に突入していて、財政的に も厳しい状況にあるとしながらも、土地開発公社には内部留保が12.6億円あり、さらに元職員への債権は元金で22.2億円、遅延損害金で39 .5億円、合計61.7億円に上っておリ、この回収が急務です。
 このような状況の中で、群馬大学社会情報学部准教授小竹裕人先生を会長とする市民懇談会の成果は提言書の形にまとめられて11月24日に安中市の茂木英子市長に提出されました。
 18名の懇談会委員の生の 意見がそのまま掲載された素晴らしい提言書です。但し残念なことに市民の目線に立ちながらも「どのような機能が庁舎には必要か」に偏りすぎてしまい、 あったらよいおまけの機能に重点を置いた懇談会の進め方でしたので、市民懇談会設置要綱に規定された所掌事務【※注1】についての議論が疎かになり、市民目線での方向性を提言するための議論が欠けておリます。
 そこで、私たちが纏めた本提言書では、市民懇談会の提言書では方向性が提言されていな い「庁舎の位置に関すること」、 「庁舎の規模に関すること」等について方向性を考えるために有益と思われる比較資料等を用意いたしました。
 この提言書は、市民懇談会の討議資料として提供されてこなかった補完情報を重点的に記述してあり、市庁含逹設の方向性を正しく判断するための一助となる情報を提供するためにまとめました。
 今後、市によって策定されていく基本構想・基本計画等に活かしていただければ幸いです。本提言書の情報を十分にお汲み取りいただきますよう関係者一同願っておリます。

令和2(2020)年12月 安中市庁舎に関わる市民懇談会を見守る市民の会 会員一同

【※注1】安中市庁舎に関する市民懇談会の役割は、市民懇談会設置要綱に謳われておリます。
*****安中市庁舎に関わる市民懇談会設置要綱*****
 (所掌事務)
第2条 懇談会は、次に掲げる事項について調査・検討し、市長に提案するものとする。
(1)庁舎に関わる甚本的事項に関すること。
(2)庁舎の位置に関すること。
(3)庁舎の規模及び施設計画に関すること。
(4)庁舎の機能に関すること。
(5)その他 庁舎のあり方に関わる必要な事項に関すること。
**********

<目次>
              もくじ
1.安中市庁舎に関わるこれまでの経緯・・・・・・・・・・P1
2.庁舎整備の方向性・・・・・・・・・・・・・・・・・・P3
3.庁舎の規模・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4
4.庁舎の立地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6
資料1 旧庁舎、中庁舎の仮設庁舎見積資料
資料2 現在地で建て替えた場合のイメージ図

<P1>
1.安中市庁舎に関わるこれまでの経緯
 年月/主な経緯---安中市庁舎に関わる市民懇談会「資料5」に歴代市長名を追記(追記箇所を●で示す)---
●平成18年3月/松井田町と合併
●平成18年4月/中島博範氏市長落選
○平成19年2月23日/平成18年度~平成19年度にかけて、建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)に基づき、昭和56年以前の耐震基準で建設された行政施設7か所及び学校施設18校の耐震診断が実施され、本庁旧庁舎と中庁舎について(財)群馬県建設技術センターより判定結果通知が出る。
 ※判定結果(資料12)
  旧庁舎:「耐震診断報告書の内容は妥当であり、本建築物の耐震性能は非常に低く、大規模な改修が必要です」
  中庁舎:「耐震診断報告晋の内容は妥当であり、本建築物の耐震性能は低く、補強が必要です。」
●岡田義弘市長:市庁舎については、7年間指示無しの不作為が続き進展無し。
○平成20年9月/安中市耐震改修基本計画を策定し、学校、保育園、病院の建て替え及び耐震補強に順次着手
○平成21年3月/旧庁舎の建て替え及び中庁舎の耐震補強事業を総合計画実施計画に搭載
●平成26年4月/岡田義弘市長に代わり茂木英子市長就任
●平成27年/事前準備組織を立ち上げ、庁舎建替の検討を指示
○平成27年5月22日/第1回庁内事前準備組織による検討会議、以後平成29年6月28日まで8回の会議を開催
○平成28年8月10日/庁内事前準備組織により埼玉県北本市視察
○平成28年11月8日/庁内事前準備組織により茨城県稲敷市視察
○平成29年6月28日/庁内事前準備組織により長野県小諸市視察
●平成29年9月/「事前準備組織を立ち上げ、庁舎建設に関する報告書」
○平成29年9月26日/庁内事前準備組織より「庁舎建替に関する報告書」を市長に提出(資料6)
○平成30年10月1日/広報10月号に「災害に備える」掲載(資料7)
○平成31年3月1日/広報3月号に「災害に備える-その2-」掲載(資料7)
○令和元年9月1日/広報9月号に「災害に備える-その3-」掲載(登料7)
○令和元年12月1日/広報12月号に「庁舎に関わる市民懇談会の委員を募集します」掲載
○令和2年3月30日/安中市庁舎に関わる市民懇談会委員委噸
○令和2年6月23日/第1回安中市庁舎に市民懇談会開催
●令和2年6月/市庁舎建設に関わる市民懇談会スタート

《市民目線の提言⇒》※平成19年に耐震診断の判定結果が出てから危険な状態を13年間も放置されてきた。新たな庁舎が建設されて引っ越しが済むまで危険な状態は続く。資料1に示すように旧庁舎と中庁舎に配属されている部門は仮庁舎を用意して早急に移転すべきである。

<P2>
1.安中市庁舎に関わるこれまでの経緯
 これまであがっている候補地と望まれる都市計画の変更、用途地域の見直し。
            【整備候補地の条件】

《市民目線の提言⇒》※西毛広域幹線道路が通るのを機会に、都市計画を見直し、市役所付近の用途地域に変更を行うチャンスです。第1種住居地域から近隣商業地域へ変更して延床面積の制限を外しましょう。
            【西毛広域幹線道路図】


<P3>
2.庁舎整備の方向性
2-1. 市庁舎建設に投入可能な金額
 基金が約11億7,000万円(庁舎建設基金約4億2,800万円と地域振興基金7億4,000万円)、合併特例情の使用可能残額が約36億(上記は第4回懇談会の会議録に書かれている金額)。
 《市民目線の提言⇒》合併特例偵の残額すべてを投入した場合、47億7000万円になるが、残額すぺてを使ってしまうと他の事業が出来なくなる。残額の半分くらいを投入と考えたほうが良いだろう。その場合の金額は、11億7000万円+18億円=29億7000万円。約30億円が市庁舎建設に使用可能な金額となる。
 なお、「はじめに」で述べたように土地開発公社の元職員に対する債権の元利合計61.7億円に上るのて、早急にこの債権を回収して、庁舎整備に充当されたし。

2-2. 市庁舎建設の方向性の優劣比較

※(注1)平成13年竣工の現在の新庁舎は、間仕切りの無いワンフロアー方式です。

《市民目線の提言⇒》2-3. 結論
 建設費用が抑えられて、且つ合併特例債の期限に間に合い、もったいない精神を生かした方向性は、現在地で老朽庁舎だけを建て替える方式です。用途地域は変更できるので延べ床面積3000㎡以上の庁舎が現在地でも建設可能。


<P4>
3.庁舎の規模
 市庁舎建設に関する市民懇談会に事務局から提供された資料の中の『庁舎建替に関する報告書』(市役所内の事前準備組織が作成し平成29年9月26日に市長に答申)には、庁舎規模は下記のように記載されている。
 尚、この資料の位置づけについては、懇談会の会議資料に【現時点において市の公式な考えとして「参考としますが、この内容に拘束されることはない」と位置づけている。】と記載されている。市で検討した市庁舎建設に関する唯一の公式な見解です。
**********【市の公式な考え】**********
・規模について
 行政機能の効率化の観点から全ての部署を新たな庁舎に集中させるのが理想である。
 今後の議論で必要面積が出さ れるものと考えるが、当面現在の旧庁舎・中庁舎 ・新庁舎・保健センター・松井田支所内に所属する部署が入ることを前提とし、9,500㎡規模の庁舎を建設する。
・庁舎建設にかかる総事業費の積算(仮定)
 49億3530万円(平成29年9月時点)
********************
一極集中型9500 mの巨大庁舎建設を掲げる市の公式な考えに対して、市民懇談会委員の意見では賛同者は皆無であった。
 市庁舎に関する市民想談会から第2回及び第3回会議の意見より庁舎の規模に関係する意見を抜粋
・市の人口ビジョンの目標値では2030年は50,372人、2060年は35,408人である。(事務局)
・松井田庁舎が立派な建物なので、なるべく有効活用してほしいと思う。
・市民サービスの関係でいうと、電子化などにより分散型庁舎がよいと思う。
・防災機能は谷津庁舎などの強固な建物を活用する。
・庁舎の機能もなるべく分散化し、松井田庁舎など分散施設を使う。華美なものは不要。
・人口増減に対応できるように庁舎の内部のつくりをフレキシブルに。
・一極集中すると災害時にその建物の機能が壊れたら終わりとなるので分散化をしていかないと災害時に対応できない。
・松井田支所や公民館など今までにあるものを利用する。
・子どもたちに負の遺産を残さないように借金ばかりすると30年後どうするのかという話になる。
・松井田庁舎を充分に活用し、本庁と同じくらいの機能を持たせる。

《市民目線の提言⇒》一極集中型か分散型かは、地域全体の持続性のある発展のためには、分散型のほうが優れているという結論は世の中で既に出ている。
 都市部に一極集中する社会構造では多くの問題があり持続性のある発展は困難になってきている。人口減少、貧困・格差の拡大、財政赤字、環境破壊などで持続可能性に黄信号が灯っている。これらを解決するのが地方分散型の社会である。分散により地域全体の持続 性ある発展が可能になる。京都大学こころの 未来研究センターと日立製作所で共同研究して導出した結論である。東京一極集中型を分析した国レベルの話であるが安中市のような地方自治体の在り方にもあてはまるので一極集中型でない多極(二極)型を目指すのが望ま しい。
《市民目線の提言⇒》庁舎の規模についての結論
 今後の人口減やICT化の進化、多極化(分散化)を考慮すれば、現状と同等レベルかそれ以下の延床面積の規模でも間に合うと考えられる。


<P5>
3.庁舎の規模
 市民懇談会で出させた「庁舎に求める機能・役割」(市民懇談会の提言書から抜粋)
(1)災害対応拠点として「市民の命を守る庁舎」
・あらゆる災害・緊急事態に対応できる庁舎が必要不可欠である。
 被災時は段階的に必要な機能が変わっていくことを踏まえ、一次的には避難所機能(屋上ヘリポート、災害時トイレ、備蓄倉庫等も含め)、二次的にはボランティアセンター機能、 三次的には仮設住宅等の中長期の災害支援機能(仮設住宅の土地確保土地確保)というように対応できるよう整備するべきである。
 なお、後述する交流広場(イベントスペース)が緊急時には仮設テントや相当数の仮設住宅を建てられる場所とする。
(2)間仕切りのないオープンフロアオフィスによる職員数変動・組織改編等への柔軟な対応
・職員数変動や組織改編、市内のあらゆる公共施設の再編等、今後の社会状況によって本庁 舎に求められるスペースは変動していくと思われるので、新庁舎の多くは間仕切りで区切る部屋で構成されるのではなく、遠くまで見渡せる「オープンフロアオフィス」が望ましい。 (現在の新庁舎もオープンフロアオフィスで構成されている。)
(3)多世代交流が生まれる交流広場・スペースづくり
・交流広場(イベントスペース)・屋根付きのステージ・遊具施設・フリースペース
・交流広場(イベントスペース)等においては、子ども・学生・市民の部活動やサークルの発表会としての使用、フリーマーケット・ビアガーデン・ライブ等のイベント使用、多様な交流イベント(移住者の受け入れ促進策としても)等が実施できるような場所としたい。
(4)「広い駐車場」から「利便性の高い窓口」までわかりやすい動線と配置(行政サービスの電子化・利便性向上の同時実施)
・案内の充実化(外国語対応)」のもとに、スムーズに手続きができる窓口としてほしい。カウンター以外の個別相談スペースを検討してほしい。
 なお、庁舎整備の際には、①各種証明書の発行などの電子化(スマートフォンで 必要書類の事前予約等)や②窓口の利便性向上(休日・夜間対応、対応箇所の拡大(ただし、コ ンビニ交付は市負担コストが発生するためニーズとのバランスを考慮)を実施してほしい。
・駐車場は、災害時に緊急車両で多くのスペースが埋まることもあり得るので、緊急時を見据えた広さを求めたい。

《市民目線の提言⇒》【実現するための方法】
(1)と(3)については、市役所に組み込むのではなく、安高跡地の校舎と校庭を市民のための共有スペースとして整備すれば、効果的に実現が可能である。市庁舎の規模は変わらず。
(2)については、現在の新庁舎が既にオープンフロアオフィスになっていて先進的である。
(4)については、案内の充実はソフト面で対応可能。駐車場は現在地でも西庁舎の取り込みや多胡住宅の接収等により40台分くらいは拡張の余地あり。


<P6>
4.庁舎整備の立地
(1)立地を考える上での前提
〈立地について〉
・庁舎建設地は、①市民が利用するのにスムーズに出入りが出来て利便性が良く、②災害のリスクが低い、③合併特例債が利用できる期限に間に合う立地であること、④市で市庁舎建設に投入できる金額で建設可能な宣地であること。
・市庁舎建設に投入可能な金額
 基金が約11億7,000万円(庁舎建設基金約4億2,800万円と地域振興基金7億4,000万円)、合併特例債の使用可能 残額が約36億
 合併特例債の残額すべてを投入した場合、47億7000万円になるが、残額すべてを使ってしまうと他の事業が出来なくなる。
 残額の半分くらいを投入と考えるのが理想的だろう。その場合の金額は、
 《市民目線の提言⇒》11億7000万円+18億円=29億7000万円 → 約30億円
 約30億円が市役所建設に使用可能な金額となるので自ずと立地は絞られてくる。

〈旧庁舎・中庁舎について〉
・耐震性や利便性等の観点から、少なくとも旧庁舎・中庁舎は取リ壊すことが相応しい。

〈新庁舎部分について〉
・新しい庁舎が「現在地」になった場合、既存の新庁舎部分をそのまま市役所として機能させる。一方、新庁舎部分も取り壊して、現在地に建設するという選択肢もあるが、結局は新庁舎部分に相当する面積を含んだ庁舎を建設しなければならないため、建設コスト面で「現在地」にメリットがあるということにはならないと言える。
《市民目線の提言⇒》と小竹氏の提言では述べられているが、それは違う。なぜならば、安高跡地に建設の場合は、校舎撤去費用と駐車場整備費用が必要になる。校舎撤去費用はアスベストが含有されている条件にもよるが1億5千万円から約2億円の費用がかかる。駐車場整備費用も面積にもよるが1000~2000万円くらいかかる。費用面において現在地の優位は変わらない。
。新しい庁舎が「旧安中高校跡地」または「その他の場所」になった場合、既存の新庁舎部分をそのまま市役所として機能させると、機能が分散してしまうため、新庁舎部分にある機能は新しい庁舎に全面移転させる。
 すなわち、現在地以外では、その分の費用約13億円が余分に必要になる。

<P7>
4.庁舎整備の立地
(2)整備候補地:現在地について
〈現在地のメリット〉
・既存の新庁舎部分を市役所としてそのまま活用することで、その部分の建設コストが削減できるため、旧安中高校 跡地に比べてコンパクトな工事となる。なお、駐車場部分等に庁舎を建てることができれば、仮設庁舎建設費用は削減できる。
〈現在地のデメリット〉
・工事実施時期には駐車スペースがほぼ無くなることになり、利用者の多くに対しては、別の場所に設ける駐車場から庁舎まで歩いていただくことになる。また、現在地では駐車場の広大化や広場の確保は難しい。
・新庁舎部分をそのまま活用し、旧庁舎・中庁舎相当分を新たに建設する場合、本提言書で示した「誰もが使いやすい・わかリやすい庁舎」は十分には実現できないと思われる。
・西毛広域幹線道路が整備されると交通量が増えると思われ、市役所の出入口と幹線道路が接するため、あらゆる来訪者のことを考え、市役所への動線の安全面を考慮する必要がある。

《市民目線の提言⇒》安高跡地の体育館駐車場は市役所まで約300mなので駐車場に利用できる。現在地でも西庁舎を撤去すれば約22台の駐車スペースが増やせる。タゴの土地を賠償で接収すればさらに20台分くらい増やせる。庁舎の案内所や行先表示を工夫すれば誰人も分かりやすい庁舎は現在地で実現可能。広域幹線道路が整備されても出入り口の工夫で安全面は対応可能。

(3)整備候補地:旧安中高校跡地について
〈旧安中高校跡地のメリット〉
・「市民の命を守る庁舎」としての災害対応可能な交流広場整備、間仕切リのないオープンフロアオフィス等は「旧安中高校跡地」であれば実現しやすい。
・基本的にあらゆる部署が一つの建物に完結していることが、市民にとって分かリやすい市 役所のイメージとして望ましい。
・仮設庁舎の 建設費用と引越費用の削減を図ることができる。ただし、現在地においても、整備手法の工夫により仮設庁舎の建設が不要となる場合等、費用を削減てきる可能性もある。
〈旧安中高校跡地のデメリット〉
・現在地での建設(新庁舎を活用する場合)に比べて、新庁舎部分に相当する建設コストは発生する。

《市民目線の提言⇒》現在の新庁舎は間仕切りの無いオープンフロアオフィスになっているので利用すべきである。一つの建物に完結していなくても一か所の敷地内で完結していれば市民の使い勝手に問題は無い。安中高校の校舎解体費&アスベスト除去費に約1億5000万円~2億円かかる大きなデメリットを忘れてはならない。

<P8>
4.庁舎整備の立地
(4)整備候補地:その他の場所について
〈その他の場所のメリット〉
・新しい庁舎の周辺地域での住宅整備、企業・商業施設誘致、(立地が信越線沿線であれば)新駅設迅等、中長期的に人口減少対策・移住促進策に寄与するまちづくりが可能となり、市の発展性が期待できる。
〈その他の場所のデメリット〉
・合併特例債の活用はスケジュール上困難であると思われる。
・用地買収費用等の追加コストが発生する。
《市民目線の提言⇒》合併特例債の期限に間に合わない。用地取得から始めなければならないため必要な財源が投入可能な金額をはるかに超える。将来世代へのツケが大きい。

(5)その他
〈庁舎建設地が現在地以外になった時、「現在地」をどう活用するか〉
・現在地は西毛広域幹線道路沿いになるため、道の駅等の集客が見込める施設とする (PFI等の民間活力活用を検討)。旧安中高校跡地は、西毛広域幹線道路に面していないため、商業利用では現在地の方が好環境であると思われる。
・図書館、美術館、市内の各団体の事務所や拠点としての活用や、移住先として選ばれる市になるべく、住みやすい市になる要素の一つとして、商業施設を誘致する(西毛広域幹線道路の整備により交通量が増すため出店がしやすくなると思われる)。
《市民目線の提言⇒》敷地が狭くて道の駅には適さない。交通量の多い道路なので出入りで渋滞する。
〈庁舎建設地が旧安中高校跡地以外になった時、「旧安中高校跡地」をどう活用するか 〉
・イベント広場や災害時に活用できるようなスペース、PFI等の民間活力を活用した多目的施設とする。
《市民目線の提言⇒》市民のための共有スペースとして市民の交流や災害時のスペースとして利用できる。まちづくリの核として文化施設での利用も可能。
〈今後のまちづくリのあり方〉
・人口減少対策・移住促進策は中長期的な課題であり、住みやすい環境を整備するべく、信越線南側や西毛広域幹線道路沿いなどでのまちづくリを推進することを今後視野に入れるべきである。(例.信越線新駅設置請願、新駅周辺住宅整備、企業・商業施設誘致)
・建設される場所に関わらず、新しい庁舎の立地の方向性が決まった際には適切に用途地域の変更を行い、現在地・旧安中高校跡地・西毛広域幹線道路を一体的に考えたまちづくりが必要である。また、市役所周辺の西毛広域幹線道路において渋滞が発生しないような整備が必要である。
《市民目線の提言⇒》用途地域の変更はすぐに実施すべし。渋滞が発生しないよう市街地中心部には道の駅は造らない。
                           以上

<資料1>
◆旧庁舎、中庁舎の仮設庁舎の見積もり資料
《市民目線の提言⇒》仮庁舎は、既存施設を最大限に利用する
①旧庁舎3階の議場および議会閲係、新庁舎3階の委員会室は、松井田庁舎2Fを仮庁舎として移転する。
②新庁舎3Fの委員会室のところに2カ所の財政課と303会議室を移動させる。

③残りの2階の部署は、谷津庁舎の2F、3Fに移動させる。

④そうすれば残りは、1Fのみとなり概略で床面積は800㎡くらいで間に合うことになる。安高校舎等を使用できれば仮庁舎の建物費用は、0円になる。

<資料2>
《市民目線の提言⇒》
現在地で建替えた場合のイメージ図
・用途地域を第1種住居地域から変更する。延床面積3000㎡以上も建設可能。
・西庁舎の機能も新庁舎に取り込む。西庁舎を駐車スペースに約22台分が増える。
・多胡さんの家と土地を賠償金の物納として接収すれは駐車場はさらに広くなる。
 ※懇談会では、駐車場が狭いという意見があったが駐車スペースは増やせる。

【現在位置に新庁舎を建てた場合のイメージ図】

【現在の市庁舎の空撮写真】

**********

■追って、市長、副市長および市庁舎建設に係る議会特別委員会の所属議員のかたがたにも提出することを検討中です。

 一足先に上記のとおり公表しますので、ひとりでも多くの市民はもとより、行政関係者諸氏にも見てもらい、コメントをいただければ幸いです。

【2021年1月4日追記】
■本日午前9時半に安中市役所2階の秘書課を訪れて、市長、副市長宛に市民目線の提言書を提出しました。あいにく、市長、副市長とも新年の訓示の後の公務多忙ということで、直接手渡せなかったため、阿部総務部長に代わりに受領していただきました。同部長は「あとで必ず市長と副市長に手渡す」と約束しました。


 その後、午前10時過ぎに、同市役所3階の議会事務局を訪れて、事務局長に議会関係者全員に市民目線の提言書を配布するように要請しました。すると、仕事始めとあって、今井市議会議長が在室中というので、直接今井議長に手渡すことができました。議長と議会事務局長は「あとで、必ず全議員に配っておきます」と約束しました。


 その日の午後、群馬県庁を訪れた際、隣の議会棟1階の県議会事務局を訪れ、事務局次長に「安中市区選出の岩井均県議に、市民目線の提言書を渡して欲しい」と申し入れたところ、同次長は「陳情の類は、いちいち取り次いでいるとキリがないので、直接県議本人の事務所に郵送するか、手渡すようにしてほしい」と断られました。そのため、県庁地下1階の郵便局から特定記録郵便で岩井県議の安中市内の住所宛に郵送しました。
※岩井県議宛特定記録郵便受領書等 ZIP ⇒ 20210104clxioxpj.zip

■上記関係者に市民目線の提言書を提出するに当たり、いずれも次の内容の送り状を一緒に同封しました。

****1/4提言書送り状******PDF ⇒ 20210104swfl.zip
安中市庁舎建設に関わる関係者の皆様へ

 令和2年11月24日、市は、「安中市庁舎に関わる市民懇談会」から、茂木市長が「安中市庁舎に関わる提言書」を受け取りました。
 市では、6月から全5回にわたり「安中市庁舎に関わる市民懇談会」を開催してきました。懇談会においては、市内団体や公募市民、学識経験者などが参加し、庁舎整備のあり方や庁舎の機能、役割、立地などが話し合われ、提言書としてまとめられました。
https://www.city.annaka.lg.jp/gyousei/soumu/kikaku/files/annakasi_choushasiminteigen.pdf

 しかし、上記懇談会では、提供されるべき情報が提供されなかったり、調査や検証や議論も為されず、委員の発言を羅列しただけで提言書としては内容が不足していると考えられます。
 そのため、市民懇談会設置要綱第2条に掲げられた(2)庁舎の規模、(3)庁舎の立地 について明確な方向性を示す提言が為されておりません。
 そこで、上記懇談会委員の発言を精査し、安中市の置かれた状況を事実に基づき考慮し、市民目線での的確な提言となるようにまとめたのが本提言書です。
 市庁舎建設に関わる関係者の皆様にご一読いただき参考にしていただければ幸いです。

安中市庁舎に関わる市民懇談会を見守る市民の会
                  会員一同

                    令和3年1月4日
**********

【市政をひらく安中市民の会事務局より】

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連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還請求の住民訴訟の12.16判決がドタキャンで1週間先送り!

2020-12-21 01:07:00 | 政治とカネ
■公営選挙費用を使って2019年4月7日投開票の県議選に当選した自民党の南波和憲県議は、その後突然5月24日に辞職しました。その約7カ月後の12月18日に、南波和憲に対する連座制適用に基づく群馬県議選への立候補を今後5年禁止する判決が、東京高裁で言い渡されました。
 このため、当会は12月23日、群馬県監査委員に対して、群馬県選挙委員会が南波和憲のために支出した選挙公営費を本人から返還させるよう求める住民監査請求を行ったところ、県監査委員らは2020年2月18日に棄却通知を出しました。
 選挙違反で連座制により当選無効が裁判所から宣告されたのですから、公平・公正な選挙の実施のために投入された血税による選挙公営費は回収されて損害を回避するのが妥当だと考えて、同3月19日に前橋地裁に訴状を提出し、3回の口頭弁論を経て、2020年12月16日に判決言渡しが行われる予定でした。
 ところが、当日朝9時12分、前橋地裁の橋本書記官から突然電話があり、「本日はどうされますか?」と訊かれたので、「判決言渡しなので当然出頭します」と答えました。すると書記官はホッとした風情で「実は調査嘱託の結果を踏まえた弁論を急遽開くことになりました。なので、よろしく」と言い、いったん電話が切れたあと、6分後の9時18分に再び電話がかかって来て、「今日の出頭にかかわる期日請書を送っておいてください」との依頼があり、さっそくFAXで送付しておきました。
※2020年12月16日:期日請書↓
ZIP ⇒ 20201216_iigaicj.zip
 そして、「一体なぜ突然判決言渡しがキャンセルになったのだろう」と首をひねりつつ、正午過ぎに前橋地裁に向かいました。


 この事件に関する当会のブログ記事は次のとおりですので、ご参照ください。
○2019年7月24日:妻が公選法違反で起訴!・・・4.7県議選で南波前県議が血税で使った選挙公営費用158万円の落とし前
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2989.html
○2019年8月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・4.7県議選後5月に辞任の南波前県議の妻に求刑1年
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3008.html
○2019年9月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・妻が執行猶予付き有罪判決を受けた南波元県議が一時県議会臨時議長に!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3034.html
○2019年12月24日:妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議・・・200万円余の選挙公営費の返還を求め住民監査請求!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3095.html
○2020年2月22日:妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還の住民監査請求を県監査委員が棄却!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3121.html
○2020年3月20日:妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還請求のための住民訴訟を提起!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3139.html
○2020年9月21日:連座制適用の南波元県議…二百万円選挙公営費返還請求の住民訴訟9.30第1回弁論を前に県から答弁書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3209.html

■午後1時15分前に地裁に着き、さっそく1階ロビーに貼ってある開廷表をチェックしたところ、午後13時10分から4件の事件の弁論が予定されていました。

*****開廷表*****
第21号法廷(本館2階)開廷表
令和2年12月16日 水曜日
●開始/終了/予定:13:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名:平成29年(ワ)第400号/損害賠償請求事件
○当事者:諸星勤/日本赤十字
○代理人:滝悠樹/足立進
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 谷山暢宏
             書記官 橋本勇一
●開始/終了/予定:13:10/弁論
○事件番号/事件名:令和2年(ワ)第359号/損害賠償請求事件
○当事者:亡吉野邦彦訴訟継承人吉野初美外/木附整形外科医院こと木附哲 
○代理人:高山昇/岩崎茂雄
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 谷山暢宏
             書記官 橋本勇一
●開始/終了/予定:13:10/弁論(判決言渡)(←当会注:手書きで二重取消線が描かれていました)
○事件番号/事件名:令和2年(行ウ)第3号/選挙公営費不正支払損害賠償請求事件
○当事者:小川賢/群馬県知事 山本一太
○代理人:-  /関夕三郎
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 谷山暢宏
             書記官 橋本勇一

●開始/終了/予定:14:00/弁論(本人尋問)
○事件番号/事件名:令和元年(ワ)第428号/慰謝料請求事件
○当事者:今井豊/国
○代理人:-  /大塚渉
○担当:民事第1部合議係 裁判長 渡邊和義
             裁判官 杉浦正典
             裁判官 谷山暢宏
             書記官 橋本勇一
**********

■このように午後1時10分から第21号法廷で3件の事件の弁論が行われる予定になっていました。午後1時過ぎにドアのカギが開けられ、3件の関係者がぞろぞろと入っていきました。当会からは会員1名が傍聴に参加しました。

 とりあえず出頭カードに氏名を書いて待機していると、間もなく被告の訴訟代理人の関夕三郎弁護士とそのスタッフがやってきて、出頭カードにサインしていました。

 傍聴席で待つこと数分。定刻の午後1時15分に渡辺裁判長が陪席裁判官二人を従えて入廷してきました。いつものように全員起立して礼をしました。

 冒頭、書記官が「それでは令和元年第3号から始めます。小川さんと被告群馬県代理人さんお入りください」と述べました。法廷でのやりとりは概ね次のとおりです。

裁判長:お待たせしました。あのう、今日言渡し予定でございましたが、本案前に群馬県の監察(ママ。「監査」が正しい)委員会事務局のほうに調査嘱託をいたしまして、まあ、訴訟要件があるかどうかに関して、少し、えーと、適法性があるかどうかに・・、点検をするために、適法であることを確認するために、調査嘱託をし、その回答が来ているのですが・・・

原告:結果は?

裁判長:この法廷で、あのう、明確にこの・・来ました、その、来ました、ということを、確認を述べていなかったので、それ、述べる手続きをしておく必要があった、ということで、あらためておいでいただいて、で、再開をさせようということです。

原告:適格要件ね。

裁判長:で、弁論の再開をいたしまして、今の調査嘱託の結果が出ましたので、この弁論においておきます。えーと、従前どおりに、あのう、主張、立証は以上というふうに承っていましたので、これで再度、弁論を終結します。で、判決言渡し期日は本日予定していましたが、来週、1週間遅らせていただこうと思っています。ですから、えーと、来週の12月23日かな。23日の水曜日、午後1時10分を予定いたします。

原告:わかりました。

裁判長;大変ご迷惑をおかけしましたが、そういうことでお願いします。

原告:はい。

 この間、僅か1分15秒のやりとりでした。やり取りでは、原告がいくつか言葉を発していますが、実際には裁判長が一気にまくし立てて説明しただけで、被告席の群馬県の訴訟代理人も黙って座っているだけでした。どうも、あやしげな雰囲気です。

 そのため、すぐさま退廷して、歩いて3分ほどのところにある群馬県庁に行き、26階の監査委員事務局を訪れ、特定監査係長の大橋初子補佐職員に事情をヒヤリングしました。




 大橋補佐いわく「調査嘱託については、監査結果の通知が小川さんに届いたのはいつか、という調査があったが、適格性については受けていません」とのことでした。そのため、「いつ裁判所から調査嘱託がかかってきたのですか?」と訊いたところ、大橋補佐は「ちょっとお待ちください」と言って、自席に戻り分厚いファイルを持って来て説明してくれました。

 それによると、前橋地裁から調査嘱託で最初に問い合わせがあったのは今年4月17日で、県監査委員事務局は「小川さんが監査結果の通知を受け取った日はいつか、という紹介だったので、適格云々ということではなかった」とのこと。

 事務局の大橋補佐の説明によれば、4月17日に裁判所から問い合わせが有り、「小川さんに対して監査結果を通知した年月日」という表現だったので、「通知年月日がこちらから発送した日か、小川さんに到達日なのか」判然としなかったので、「どちらなのか?」と4月24日に再度裁判所に文書をもって郵送で確認を求めたところ、4月27日付で裁判所から事務連絡が来て、そこで「到達した日」ということが明らかになったため、5月18日に書留で再度その旨裁判所に確認の回答をしたとのことでした。回答に時間がかかったのは、「この当時、コロナで在宅勤務やらで、県庁の事務も滞っていたのは事実」とのこと。

 つまり、監査委員事務局としては、「小川さんはいつもギリギリに出訴しているので、いつものパターンだなと思っていたところで、この件でも2月17日に受け取っているとおもうので、その翌日から起算して30日以内ということで、今回もギリギリセーフだなと思っていた」とのことです。

■となると、なぜ、この期に及んで出訴に伴う本案前の適格性に関する調査嘱託の経緯を弁論の過程に入れるのを忘れたことを理由に、判決言渡しを1週間延長したのか、ますます謎が深まります。

 うがった考えとすれば、前日の12月15日に、河井案里議員の公選法違反事件の裁判で、検察が懲役1年6ヶ月を求刑したというニュースが、12月16日当日に新聞各紙で報道されたことから、タイミング的に何らかの「配慮」が裁判所にあったのではないか、ということです。

**********NHK News Web 2020年12月15日17:15
河井案里議員裁判 検察「前代未聞の悪質さ」懲役1年6か月求刑
 公職選挙法違反の罪に問われている河井案里議員の裁判で、検察は「前代未聞の悪質な犯行だ」として、懲役1年6か月を求刑しました。

 参議院議員の河井案里被告(47)は、夫で元法務大臣の克行被告(57)とともに、去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、無罪を主張しています。
 15日は検察が論告を行い、「立候補者と現職の衆議院議員は最も自制すべき立場にあり、前代未聞の悪質な犯行だ。自民党広島県連の支援が得られず、厳しい選挙となると予想し、当選のために犯行に及んでいて、動機は身勝手極まりない」と述べました。
 そのうえで「広島県内の有権者を裏切り選挙の公正さに対する国民の信頼を失墜させた。参議院議員を辞職することなく、法廷でも『票をお金で買うという発想が無い』と言い放つなど、まったく反省していない」として、懲役1年6か月を求刑しました。
 裁判は、12月23日に弁護側が最終弁論を行って結審し、判決は年明けに言い渡される見通しです。

**********中国新聞2020年12月15日15:02
河井案里被告に懲役1年6月求刑 23日結審、年明け判決

河井案里被告
 昨年7月の参院選広島選挙区の大規模買収事件で、投票や票の取りまとめを依頼して広島県議ら5人にそれぞれ10万~50万円の現金を渡したとして公選法違反罪に問われた河井案里被告(47)=参院広島=の論告求刑公判が15日、東京地裁であり、検察側は懲役1年6月を求刑した。
 起訴状によると、案里被告は夫で元法相の克行被告(57)=衆院広島3区=と共謀して昨年3~6月、参院選に当選するために県議4人と江田島市議1人に計170万円を渡したとされる。現金を受け取った側の5人は9、10月にあった公判に検察側の証人として出廷し、全員が買収のための現金だったと証言している。
 一方、案里被告は11月の被告人質問で「(参院選に立候補して)14年間務めた県議を卒業するので感謝の気持ちだった。票を金で買う発想はない」「県議選の当選祝いだった」などと強調。買収の意図はないとして無罪を主張している。公設秘書だった女性を介して10万円を渡したとされる江田島市議への現金提供については「全く知らない。秘書が虚偽の証言をした」と関与自体を否認している。
 23日の最終弁論で弁護側が意見を陳述して結審し、年明けに判決が言い渡される見通し。罰金刑以上が確定すれば、案里被告は失職する。選挙の効力や政治家の公民権に関わるため、「百日裁判」として迅速な審理が求められているが、7月8日の起訴から既に5カ月が経過している。
 参院選広島選挙区では、改選2議席を巡り、自民党新人の案里被告、同党現職の溝手顕正氏、無所属現職の森本真治氏が激戦を展開。案里被告と森本氏が当選し、溝手氏が落選した。
 案里被告は自民党本部の全面的な支援を受けており、参院選前に党本部が河井夫妻側に計1億5千万円を送金。溝手氏への提供額の10倍に当たり、党内でも批判や疑問の声が出ている。税金で賄われる政党助成金や党費が原資になっていたが、提供の経緯や具体的な使途について党本部からはほとんど説明がない状態が続いている。
**********

 しかし、今度こその判決日である12月23日は、河井案里議員の公選法違反事件の弁護側の最終弁論による結審予定日なので、この日の選択もあまりよいタイミングではないかもしれません。

 いずれにしても、原告側に対していつものとおり厳しい判決になる予感がします。

 このあと県庁9階の市町村課にある選挙管理委員会の事務を担当する選挙・政治団体係に立ち寄り、あいにく係長の清水直之補佐は不在でしたが、係の職員の海発正義主任と面談し、本日の判決予定日がドタキャンになったことを報告すると、すでに訴訟代理人の関弁護士から今朝その旨報告を受けたとのこと。あらためて、現在の公選法は、選挙の立候補者間の不平等が解消されていないことを告げ、本件の判決結果如何を待たずに早急に是正措置を講ずるよう申し入れておきました。

■これまでの本件訴訟の流れは次のとおりです。

 最初に2020年3月19日に前橋地裁に訴状を提出しました。
※2020年3月19日:訴状+証拠説明書+甲1-8号証↓
ZIP ⇒ 20201216_iigaicj.zip
20200319ieib18jiicj.zip
20200319b13iicj.zip
20200319b46iicj.zip
20200319b78iicj.zip
※2020年5月27日:補正命令↓
※2020年6月8日:訴状訂正申立書↓
※2020年7月28日:地裁からの事務連絡↓
※2020年8月1日:期日請書↓

ZIP ⇒ 0728a0801.zip
※2020年9月16日:答弁書
ZIP ⇒ 20200916iicja2isej3.zip

 そのあと、コロナ禍で手続きに時間がかかりましたが、ようやく9月30日(水)午前10時から前橋地裁21号法廷で第1回口頭弁論が開かれました。被告が擬制陳述として欠席したまま、渡辺裁判長は、原告と被告に、10月28日までにそれぞれの主張を補完するよう指示し、被告は10月28日と11月2日にかけて第2準備書面(本当は第1準備書面のはずが、被告が間違えて第2と記した)と乙4・5号証を、原告は10月30日に準備書面(1)を提出しました。

※2020年10月28日:被告第2(本当は第1が正しい)準備書面+乙4・5号証↓
ZIP ⇒ 20201028q4.zip
※2020年11月2日:被告証拠説明書+乙5号証↓
ZIP ⇒ 202011055igaa2nse3j.zip
※2020年10月30日:原告準備書面(1)
ZIP ⇒ 20201030ipj.zip

■そして第2回弁論が11月11日(水)13時40分に開かれ、渡辺裁判長から被告に対して、原告準備書面(1)に対する反論はあるか?」と聞いたところ、被告代理人の関夕三郎弁護士は「新しい主張もないので反論はない」と言いました。

 それを聞いて原告は「ちょっと待ってください。今回の事件では連座制適用のケースだが、本人自身が選挙違反をしたことが当選後バレた場合はどうなるのか。このことについて、求釈明をしたはずだが、それについては、どうするのか?」と質問したところ、被告代理人は沈黙しました。裁判長が「答える必要がないということだね?」と確認を求めても被告代理人は何も言いません。

 すると、裁判長は「はい、それではこれで審理を打ち切り、判決を12月16日(水)午後1時10分に言い渡します」と宣言し結審しました。

 以上のとおり、コロナ禍で翻弄されつつ、そうして迎えた12月16日の判決言渡しでしたが、突然のキャンセルにより判決日は急遽第3回弁論に変更され、正式な判決言渡は12月23日(水)午後1時10分に決まりました。

■前述のとおり、原告に厳しい判決が予想されますが、判決内容は直ちに総務省選挙課に報告し、公選法の不具合をきちんと糾すよう、国に強く要請するとともに、控訴するかどうか、総務省の意見を聞いたうえで決めたいと思います。

【12月21日追記】
**********時事通信2020年12月21日15:42
河井案里被告に連座制求め提訴 公設秘書有罪確定で―広島高検

【図解】河井案里参院議員が失職するケース
 参院議員河井案里被告(47)=公判中=が初当選した昨年7月の参院選で、車上運動員に法定上限を超える報酬を支払ったとして、公選法違反(買収)罪に問われた立道浩・公設第2秘書(55)の有罪確定を受け、広島高検は21日、案里被告に連座制適用を求める行政訴訟を広島高裁に起こした。連座制が適用されれば、案里被告は失職し、同一選挙区での立候補が5年間禁止される。
 広島地検は3月、立道秘書を同法違反罪で起訴。選挙運動の計画や調整を担当し、連座制の対象となる「組織的選挙運動管理者」に該当すると判断し、迅速な判決を求める「百日裁判」を広島地裁に申し立てた。
 広島地裁は6月、車上運動員14人に計204万円を手渡すなどしたとして、立道秘書に懲役1年6月、執行猶予5年を言い渡した。その後広島高裁が秘書側の控訴を棄却。最高裁が11月25日に上告を棄却し、今月1日に有罪が確定していた。

**********共同通信2020年12月21日15:53
河井案里議員の当選無効求め提訴 連座制を適用、公設秘書有罪受け
 公選法違反罪で公判中の参院議員河井案里被告(47)が初当選した昨年7月の参院選を巡り、車上運動員に違法な報酬を支払ったとして同法違反罪に問われた立道浩公設秘書(55)の有罪確定を受け、広島高検は21日、公選法の連座制を適用し案里議員の当選無効を求める行政訴訟を広島高裁に起こした。
 検察側は立道秘書が連座制の対象となる「組織的選挙運動管理者」に当たるとみている。検察側の勝訴が確定すれば案里議員は失職し、参院広島選挙区での立候補が5年間禁じられる。
 行政訴訟は提訴の受理から100日以内に判決を出すよう努める「百日裁判」で審理される。
**********

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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大同スラグで揺れる渋川市長の相撲観戦等を巡る市民からの情報提供と当会の調査結果

2020-12-20 23:39:00 | 渋川市の行政問題
■当会には、群馬県内各地の自治体の住民のかたがたから、頻繁に情報提供があります。最近は、コロナ禍のためか、例年になくその数が増えております。社会不安から公的機関への関心度が高まっている傾向によるものかどうかは定かではありませんが、そのこと自体は、行政による不正や不当な事務事業の監視を目的とする当会としては、むしろ歓迎すべきこととして受け止めております。
 今年9月~11月にかけて、当会に寄せられた情報と調査依頼の中に、渋川市の不正を質したいとする複数の投書がありました。いずれも就任後3年が経過する高木勉・渋川市長に関する情報です。問題点として挙げられていたのは次の事項です。

渋川市役所


市役所正面玄関前にあるブロンズ像「遠望」。平成3年11月設置。高田博厚作


【その1】ワンマンで独裁的な政策による市役所内部の劣化?
<提供情報>
 「今年度、市長は市の機構改革のひとつとして、『秘書広報課』から『市長戦略部局』に格上げ新設」
 「気に入ったイエスマン職員を配置し、局長には女性の課長級(秘書課長)を2階級とばして部長級として待遇(本来は、課長→参事→副部長→部長)」
 「市長決裁文書についても全て戦略局長の胸ひとつで決定」
 「高木市長は部下の意見は一切聞き入れず、全て自分の思い通りにならないとすぐに激昂する独裁体質の人間」
 「お気に入りの女性秘書はわずか1年で3回昇進させて無理矢理部長にする一方で、意に沿わない職員はすぐに左遷する恐怖政治」
 「そのため、精神的に病んで病休を取得したり、退職したりする職員続出」
 「かつては市長寄りだった多くの市議も愛想を尽かし、市議会は頻繁に紛糾するようになった」
 「各部長、課長も何ひとつ発言も出来ず、顔色をうかがいながらの仕事」
 「これからの若い職員も、仕事をする気力も無くしているのが現状」
 「財務課長も何も言えず、市長の思いつき政策で予算も無いのに事業を推し進めるあり様(後に補正予算で対応か)」
 「60億円もあった財政調整基金を20億円も減少。財政破綻で第2の夕張市になるかも」

【その2】公費で女性秘書と大相撲観戦?
<提供情報> 
 「昨年9月、東京両国で行われた9月場所に市長と市長戦略部局の職員が相撲観戦」
 「名目は東京視察で、交通、観戦チケット代等を公費で処理しようとしたが、市の監査事務局の調査で好ましくないと判断されたとのこと。その後の処理については不明」
 「市長はお気に入りの女性秘書と公費で大相撲観戦に行き、しかもその出張内容を記録した公文書は作成すらされていないため不存在」
 「相撲観戦を隠蔽するため『相撲部屋を表敬訪問』とホームページに虚偽の記載」
 「市長と仲良しの地元新聞記者に書かせた、自分に都合の良い記事」↓
 https://news.yahoo.co.jp/articles/ecad7d35d30e27b16f40f89cb067c9d562d8951a
 「渋川市議会だより第60号の中沢議員の一般質問のページ及び市議会一般質問の動画」↓
 ※PDF ⇒ http://www.city.shibukawa.lg.jp/gikai/gikai/p002667.html
 ※URL ⇒
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/shibukawa/WebView/rd/speech.html?council_id=47&schedule_id=5&playlist_id=6&speaker_id=13&target_year=2020
 「爆サイの渋川市長のスレッド」
 ※URL ⇒ https://bakusai.com/thr_res/acode=3/ctgid=104/bid=1976/tid=8310483/tp=1/

【その3】コロナ感染クラスター民間施設を市職員に消毒作業指示?
<提供情報>
 「8月27日に市内(旧子持村)の『たんぽぽ保育園』でコロナの陽性園児が発生。保育園から市へ保育園の除染をしてほしい旨の要請あり」
 「本来なら群馬県が行うべきものの、渋川市は、県の保健所へその旨要請をしたところ、県でも人手が足りず、『技官を3人出せるが不足分は市で対応して欲しい旨』の回答あり」
 「市は20数名の職員を動員して、県の技官と一緒に完全な防護服と噴霧器による除染作業を実施」
 「情報元は、『たんぽぽ保育園』の理事で現渋川市議会議長の石倉議員が9月定例市議会の冒頭で、議員運営委員会の席上での報告による」
 「動員された市職員の話しでは、当日は園の内、外に分かれて作業を行い、簡易なズサンなカッパを着て、手袋、マスクにより、手作業で雑巾の様なもので消毒をしたとのこと」
 「しかも、県からの技官らしき職員は一人もおらず、市の職員のみで行ったとのこと」
 「石倉議員と市長の居住地区が同じであることから、議長から市長へと話しがあり、市長の一存で職員の動員が行われたと、職員の間では疑いの声が大きくなっているとのこと」
 「コロナ感染者の発生した民間施設を市長の独断で市職員に消毒させて保健所が激怒」
 「コロナ禍の中でマスコミを呼んで介護施設へのマスクの進呈式を取材させて仕事ぶりをアピール」

【その4】公費で購読の新聞を自宅に配達指示?ほか
 「政治活動のひとつとして、資料購入費が認められているとはいえ、市役所の庁内(市長戦略部局内)でも全紙購入し、市長も読んでいるのに、市長の自宅での購入料まで公費で支払い」
 「その他にも、今年度、渋川市社会福祉協議会の人事に口を出し、百条委員会が設置され、市長の責任を追及されているのが現状」

■こうして、ぜひ渋川市の実態を調査してほしいとの要請が寄せられたため、とりあえず提供情報の豊富な上記【その2】について、さっそく次の情報開示請求をしました。市長側と市議会側の双方をバランスよく調査するために、両方に請求しました。

*****市長あて公開請求*****ZIP ⇒ 20201116asjisj.zip
<公開請求に係る情報の内容>
渋川市議会だより第60号の中沢議員の一般質問のページ11によれば、中沢議員からの「令和元年9月12日二子山部屋表敬訪問とあるが二子山部屋には行っていない。虚偽の表記だ」との質問に対して、市長戦略部長が「…公務として両国国技館に二子山親方の激励、表敬訪問を行ったのは事実であります」と答弁している。ついては、同部長の発言の根拠となる一切の情報。

*****議長あて公開請求*****ZIP ⇒ 20201116asccjiqrej.zip
<公開請求に係る情報の内容>
渋川市議会だより第60号の中沢議員の一般質問のページ11によれば、中沢議員からの「令和元年9月12日二子山部屋表敬訪問とあるが二子山部屋には行っていない。虚偽の表記だ」との質問に対して、市長戦略部長が「…公務として両国国技館に二子山親方の激励、表敬訪問を行ったのは事実であります」と答弁している。ついては、この件に関する同議員の発言に関して渋川市議会が入手した一切の情報。
**********

■その結果、12月2日午後2時に両方とも渋川市役所総務課で開示するとの通知が届きました。そして、当日午後2時に同市役所を訪問し、2件の資料を受領しました。

 最初に、渋川市から公開された資料は次のとおりです。
ZIP ⇒ 202012021asjiqrj.zip
202012022asjiqrj.zip

**********
決裁印     決裁2.11.-9
決裁区分    市長決裁
起案年月日   令和2年11月9日
文書番号    第30号
施行年月日   令和 年  月 日
施行区分    報告
情報公開区分  1公開 ②一部 3非公開
個人情報の有無 ①有 2無
完結年月日   令和2年12月31日
編集書類名   議会関係書類
保存区分    第2種 10年保存
起案者     市長戦略部 秘書室 小野宏仲(内線2411)
市長● 副市長- 市長戦略部長● 部長● 室長● 係長○ 係●●
  二子山部屋■■■■■後援会からの書面の送付について(報告)
 このことについて、二子山■■■■■後援会から別紙のとおり書面が送付されましたので報告いたします。

==========
                     令和2年11月6日
渋川市長 高木勉 様
                二子山部屋■■■■■後援会
                     会長 ■■■■■
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 日頃は、二子山部屋赤城合宿の運営に際し多大なるご協力を賜り御礼申し上げます。
 さて、二子山親方より私共に渋川市に関わることで苦情がございました。親方から致しますと、高木市長筆頭に渋川市の皆様との友好を無に帰すような出来事であります。
 渋川市と二子山部屋の仲は、私共二子山部屋■■■■■後援会が取り持たせていただいておりますことから、先のようなことに対し、私共から後記書面を渋川市議会議長あてに提出させていただきましたことをお知らせ申し上げます。また、一連のことに関します、書面につきましても、参考として添付いたします。
 二子山親方は、渋川市や赤城並びに市民の皆様に好意をお持ちです。私共も引き続き、渋川市と二子山部屋のご縁を大切にしていきたい思いでございます。
 不躾なお知らせではございますが、高木市長にもご承知いただきたいことにつき、失礼とは存じますがお知らせ申し上げます。
                        敬具

1.「■■市会議員に対する抗議文」・・・私共から市議会田邊議長宛
2.「■■弁護士に対する抗議を兼ねた回答文」・・・私共から■■弁護士宛
3.「■■弁護士に対する回答文」・・・二子山親方から■■弁護士宛
4.■■弁護士から二子山親方に対する質問状・・・親方から私共へ開示
                        以上


=====1=====
                      令和2年11月6日
渋川市議会
議長 田邊寛治様
              二子山部屋■■■■■後援会
                会長 ■■■■■

    渋川市市会議員 ■■■■氏に対する抗議について

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 私は二子山部屋■■■■■後援会で会長を務めております■■■■と申します。私並びに私が経営する■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■で二子山部屋を応援しております。
 渋川市とは、■■■■■■■■■■■■■■■■■■赤城研修所兼保養所に私共で二子山部屋合宿を誘致する目的で土俵を作り、令和元年6月の土俵開きの儀式の際に高木市長をご来賓にお招きして以来のご縁となっております。
 二子山部屋親方からは渋川市内で合宿する以上、何らかの社会貢献に協力したい意向をいただき、私共が仲介する形を取りながら、高木市長や市民の皆様と友好を図ってまいりました。
 ところが、■■市会議員の非礼な行為により、全てが無に帰するような事態となっております。ついては、■■市会議員に強く抗議する目的で、貴職へ本書を送付した次第です。
 ■■市会議員の非礼な行為とは、下記のとおりです。
1.9月場所中かつコロナの厳戒態勢の中、アポなしで突然二子山部屋を訪れる。
 (令和2年9月14日(月)午前11時30分頃、埼玉県所沢市内の二子山部屋を訪れている)
2.応対した若い力士■■■■■に対し、「去年の9月21日に渋川市の高木市長が二子山部屋親方に会っているかを教えろ」と詰問。
3.応対力士ではわからないことから、女将または親方から連絡をもらいたいと言われたため、その後力士が女将に連絡し対応。
4.女将より場所中かつ審判の業務を担っていることから会っていないと回答
5.二子山親方及び女将より、私共に抗議の連絡を頂戴する。このコロナの厳戒態勢の中、アポもなく自分の都合のみを優先する、あの議員はなんなのか、渋川市とは合宿を通じて大変良い関係を築けているにもかかわらず、とても残念との苦情であった。
※■■市会議員に対し、女将から親方は当該日に市長とお会いしておりませんとご回答していることは、場所中含め日々多くの方とお会いしていること、突然の意味のわからない■■市会議員の非礼に対し、一般的な回答をしただけと存じます。

 以上であり、まず常識的にこのコロナの厳戒態勢且つ場所中にアポなしで部屋を訪れる無神経さ、さらに二子山親方の行動を、自分勝手に問い合わせる非常識さに対し、二子山親方に代わり私共にて強く抗議申し上げますとともに、今後一切二子山親方に迷惑をかけぬことを誓約するよう、貴職からご指導のほどよ ろしくお願い申し上げます。
 なお、令和元年9月21日(土)午後3時以降、二子山部屋■■■■■後援会事務局の■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■両名にて、高木市長並びに伊勢秘書課長をアテンドし、両国国技館にご案内しております。その際、二子山親方から■■あてまでご連絡をいただき、両国国技館内にて、■■同行の下、二子山親方とご両名の面談を果たして頂いております。
 私共にて、今後も引き続き赤城合宿を通じて二子山部屋と渋川市との友好並びに協力をご相談する趣旨を持ちまして、ご両名にお越しいただいた事情です。
 つきましては、ご多忙のおり大変恐縮ではございますが、貴職を通じまして、私共より■■市会議員に対する強い抗議があった旨をお伝えいただきたくお願い申し上げます。
                        敬具

=====2=====
                      令和2年11月6日
弁護士 ■■■■ 様
               二子山部屋■■■■■後援会
                      会長 ■■■■

 初めまして、私は二子山部屋■■■■■後援会で会長を務めております■■
■■と申します。私並びに私が経営する■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■で二子山部屋を応援しております。
 さて、二子山親方より貴殿から頂戴しておりますお手紙(令和2年10月28日付)に関し、私共に相談がございました。また、渋川市市会議員の■■氏と名乗る方からの突然の訪問並びに貴殿と同様のお尋ねがございましたことも聞き及んでおります。貴殿と■■氏は関係があるのでございましょうか。
 貴殿並びに■■氏の行動に対し、親方は憤慨しており、渋川市とのご縁を繋ぎました私共も大変困惑しております。■■■■■■■■■■■■■■■■■■赤城研修所兼保養所に私共で土俵を作り、二子山部屋の合宿地としてご活用いただきながら、渋川市の皆様への社会貢献的な活動も行い始めた矢先に、不可解なお手紙や非礼な訪問等で全て無に帰すような状況です。
 私共が二子山部屋と渋川市の皆様とのご縁を全て仲介しております。ご質問 の令和 1年9月21日(土)に、両国国技館まで高木市長にお越しいただきましたことも私共がアテンドしております。二子山部屋の赤城合宿と渋川市の友好
と協力関係をご相談する趣旨で、高木市長と伊勢秘書課長にお越しいただいた事情です。当日は、午後3時以降に■■■■■後援会事務局の■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■の両名で高木市長、伊勢秘書課長をお迎えし、両国国技館内へご案内を申し上げております。
 二子山親方には、審判等の業務の合間に、■■あてまで連絡をいただき、その後、両国国技館内にて、■■同行の下、二子山親方と高木市長・伊勢秘書課長でご面談を果たしております。(高木市長は、赤城合宿所土俵開きにご来賓としてお越しいただきました以降、二子山親方とは渋川市内の老人ホームの慰問等などを通じて数回はお会いいただいております)
 以上が実態でござ います。■■氏なるものがお尋ねの際、女将から親方は市長に会っていないとご回答しておりますのは、場所中含め日々多くの方とお会いしていること、突然の意味のわからない■■氏の非礼に対し、一般的な回答をしただけと存じます。
 つきましては、これ以上、二子山親方並びに二子山部屋に迷惑をかける行為は厳に慎んでいただきたくお願い申し上げます。
                     以上

※二子山■■■■■後援会事務局は、■■■■■■■■■■■または■■にて運営しております。ただ、大変失礼ながら、私共が関知する必要のない用件につきましては、二子山親方同様、一切のお問合せをお断り申し上げます。

=====3=====
                     令和2年11月6日
弁護士 ■■■■ 殿
                      二子山部屋
                      二子山 雅高

      渋川市長高木勉氏の来訪について

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、令和2年10月28日日付のお手紙を貴殿より頂戴し、その中で、令和元年9月21日両国国技館において、私が渋川市長にお会いになったのかをお問合せにつきご回答申し上げます。
 ただし、貴殿がどのような意向でお問合せいただきましたのか、当方は困惑しているとともに、大変失礼ながら、見ず知らずの方に私自身の行動に関することをご回答する義務はなしとも思っております。
 今回、ご回答させていただくことは、貴殿が■■■■■■■■■■■■■ということを勘案し、今回限りでご回答するものです。ついては、以後のお問合せは全てお断りさせていただきますのでご了承願います。
 結論は、令和元年9月21日(土)午後3時00分以降の時間帯において、両国国技館内にて二子山部屋■■■■■後援会事務局の■■氏、■■氏両名を介し、高木渋川市長並びに伊勢秘書課長と面談しております。
 このことは、渋川市との繋がりを作っていただいております、■■■■■後援会■■会長にお問合せし、改めて確認できた事実でございます。

 以上につき、よろしくお願い申し上げます。

                           敬具

=====4=====
                    令和2年10月28日
二子山部屋
  二子山雅高 親方 殿
                   弁護士 ■■■■■■
〒■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
                      ■■■■■■■
              電 話 ■■■■■■■■■■■
              FAX ■■■■■■■■■■■

拝啓
 突然お手紙を差し上げる御無礼をお許しください。
 小職は群馬弁護士会所属の弁護士です。これまで■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 さて本日お手紙を差し上げたのは,昨年の9月21日の夕方に,本場所中の両国国技館で,親方が渋川市長高木勉氏らとお会いになったかどうかをお尋ねするためです。
同日夕方,渋川市長は本場所中の親方を表敬訪問し,二子山部屋と渋川市の今後の交流について懇談したと申しておりますが,おかみさんからは,当時,親方は審判部長の要職にあり,本場所中に訪問者と会う時間はとれなかったでしょう,とのご説明をいただいております。また親方も赤城合宿所以来,渋川市長に会っていない,とおっしゃっていたとも伺っています。
 いずれにしても1年以上前のお話についてお尋ねするのは心苦しいのですが,当日の市長の行動記録の正確性について市議会が紛糾しているため,部外者である小職に調査依頼があったものです。本来であれば,所沢まで親方をお訪ねし,直接お話を伺うべきところではございますが,あえて単純明快に,令和元年9月21日に,両国国技館で渋川市長とお会いになったかどうかだけを書面でお尋ねいたしますので,親方にも率直に,事実の有無のみをお聞かせ願えれば幸甚です。
 本場所のご準備でご多忙,ご多用のところ,このような案件で,親方にお気を使わせてしまい,誠に恐縮ではございますが,事情をご理解いただき,ぜひご協力をいただけますようお願い申し上げます。
                          敬具

**********
決裁印     決裁2.11.16
決裁区分    市長決裁
起案年月日   令和2年11月16日
文書番号    第30号
施行年月日   令和 年  月 日
施行区分    報告
情報公開区分  1公開 ②一部 3非公開
個人情報の有無 ①有 2無
完結年月日   令和2年12月31日
編集書類名   議会関係書類
保存区分    第2種 10年保存
起案者     市長戦略部 秘書室 小野宏仲(内線2411)
市長● 副市長- 市長戦略部長● 部長● 室長● 係長● 係●●
  二子山部屋■■■■■後援会からの書面に対する返信について
(伺い)
 このことについて、令和2年11月6日付で二子山部屋■■■■■後援会から届いた書面に対し、別紙の内容を返信したいがよろしいか伺います。

=====(案)=====
                        秘第30号
                   令和2年11月16日
二子山部屋■■■■■
 後援会長 ■■■■■ 様

                 渋川市長 高 木   勉

謹啓
 晩秋の候 貴職におかれましては、ますますご清勝のこととお喜び申し上げます。
 平素より、渋川市発展のためにご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、過日、渋川市に関することで二子山親方から貴後援会に対し苦情が寄せられた件につきましては、■■会長始め関係者の皆様に大変なご迷惑とご心配をお掛けし、心よりお詫び申し上げます。
 今回の事案は、赤城合宿所の開設以来、これまで培ってきた二子山部屋と渋川市の友好関係に水を差すものであり、市としても誠に遺憾であります。
 二子山部屋には、市民や地元小学生などの朝稽古の観覧や親方や力士の高齢者施設への慰問など、地域との交流を積極的に行っていただいております。合宿所の開設を市民も歓迎し大変喜ばれておりますことから、市としても末永く二子山部屋の活動を強く支援していきたいと考えております。
 今後とも赤城合宿所を存続いただき、これまで同様市民との交流を続けてくださいますよう、切にお願い申し上げます。
 終わりに、コロナ禍で厳しい環境にありますが、二子山部屋と二子山部屋 後援会の益々のご隆盛をお祈りいたします。
                     謹白
**********

■次に、渋川市議会から公開された資料は次のとおりです。
ZIP ⇒ 20201202ascjiqrj.zip

**********
議長● 副議長● 局長● 副局長● 副局長補佐● 係●●●●
                        令和2年11月6日
渋川市議会
議長 田邊寛治 様
                   二子山部屋■■■■■後援会
                   会長 ■■■■

    渋川市市会議員 ■■■■氏に対する抗議について

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 私は二子山部屋■■■■■後援会で会長を務めております■■■■と申します。私並びに私が経営する■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■で二子山部屋を応援しております。
 渋川市とは、■■■■■■■■■■■■■■■■■■赤城研修所兼保養所に私共で二子山部屋合宿を誘致する目的で士俵を作り、令和元年6月の土俵開きの儀式の際に高木市長をご来賓にお招きして以来のご縁となっております。
 二子山部屋親方からは渋川市内で合宿する以上、何らかの社会貢献に協力したい意向をいただき、私共が仲介する形を取りながら、高木市長や市民の皆様と友好を図ってまいりました。
 ところが、■■市会議員の非礼な行為により、全てが無に帰するような事態となっております。ついては、■■市会議員に強く抗議する目的で、貴職へ本書を送付した次第です。
 ■■市会議員の非礼な行為とは、下記のとおりです。
1.9月場所中かつコロナの厳戒態勢の中、アポなしで突然二子山部屋を訪れる。(令和2年9月14日(月)午前11時30分頃、埼玉県所沢市内の二子山部屋を訪れている)
2.応対した若い力士■■■■に対し、「去年の9月21日に渋川市の高木市長が二子山部屋親方に会っているかを教えろ」と詰問。
3.応対力士ではわからないことから、女将または親方から連絡をもらいたいと言われたため、その後力士が女将に連絡し対応。
4.女将より場所中かつ審判の業務を担っていることから会っていないと回答
5.二子山親方及び女将より、私共に抗議の連絡を頂戴する。このコロナの厳戒態勢の中、アポもなく自分の都合のみを優先する、あの議員はなんなのか、渋川市とは合宿を通じて大変良い関係を築けているにもかかわらず、とても残念との苦情であった。
※■■市会議員に対し、女将から親方は当該日に市長とお会いしておりませんとご回答していることは、場所中含め日々多くの方とお会いしていること、突然の意味のわからない■■市会議員の非礼に対し、一般的な回答をしただけと存じます。

 以上であり、まず常識的にこのコロナの厳戒態勢且つ場所中にアポなしで部屋を訪れる無神経さ、さらに二子山親方の行動を、自分勝手に問い合わせる非常識さに対し、二子山親方に代わり私共にて強く抗議申し上げますとともに、今後一切二子山親方に迷惑をかけぬことを誓約するよう、貴職からご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
 なお、令和元年9月21日(土)午後3時以降、二子山部屋■■■■■後援会事務局の■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■両名にて、高木市長並びに伊勢秘書課長をアテンドし、両国国技館にご案内しております。その際、二子山親方から■■あてまでご連絡をいただき、両国国技館内にて、■■同行の下、二子山親方とご両名の面談を果たして頂いております。
 私共にて、今後も引き続き赤城合宿を通じて二子山部屋と渋川市との友好並びに協力をご相談する趣旨を持ちまして、ご両名にお越しいただいた事情です。
 つきましては、ご多忙のおり大変恐縮ではございますが、貴職を通じまして、私共より■■市会議員に対する強い抗議があった旨をお伝えいただきたくお願い申し上げます。
                        敬具
**********

■以上の開示情報を分析したところ、渋川市長と二子山親方、そしてその仲介者ら当事者本人同士がいずれも昨年2019年9月21日午後3時以降に両国国技館で面談したことを文書で認めていることがわかります。

 ちなみに、渋川市のHPに掲載されている「市長の主な行動記録(令和元年9月)」によると、次のとおり記載されています。
**********URL ⇒
https://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/mayor/koudou/p006919.html
9月21日(土曜日)
  08時45分  古巻小学校運動会           古巻小学校
  09時15分  渋川北小学校運動会          渋川北小学校
  10時00分  渋川警察署管内交通安全総ぐるみ大会  赤城公民館
  11時30分  小野上地区敬老の集い         小野上地域福祉センター
  16時30分  二子山部屋表敬訪問          都内
**********

 他方で、当会が情報公開請求した趣旨である「表敬訪問を行った事実の根拠となる一切の情報」と言う観点からすれば、出張命令書や出張費支払明細、そして復命書(出張報告書)も開示対象文書でなければなりません。しかし、今回の公開資料にはそれらの文書は見当たらず、二子山親方の後援会長と称する人物から市長及び市議会議長あてに出された文書(一部黒塗り)、さらに、渋川市議会の関係者とみられる誰かから依頼を受けた群馬県弁護士会所属の弁護士名で、二子山親方に事実関係を確認するための質問書、そして、それに対して二子山親方からの回答書など、当事者間のやり取りの文書のみでした。

 したがって、渋川市長が公費を使って出張したのか、それとも、別の費用を充当して出張したのか、は依然としてハッキリしません。

 このことについて、さらに明らかにするためには、こうした出張の事実がわかる情報が存在するのかしないのか、公開質問状あるいは審査請求(異議申立)を行う方法で渋川市長あてに事実関係の確認を求める方法をとる必要があります。

■一方、当会の調査によれば、高木市長の大相撲観戦「疑惑」を追及している渋川市議会の中澤市議は、渋川市の監査委員であることが確認できました。次の渋川市HPの監査委員のページを見ると、それが事実であることがわかります。
https://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/kansa/kansaiinzimukyoku/p002133.html

 これによると、渋川市の監査委員として次の2名となっています。
①識見監査委員(代表監査委員)中澤 康光氏:
 平成22年4月1日から平成26年3月31日(第1期)、平成26年4月1日から平成30年3月31日(第2期)、平成30年4月1日から令和4年3月31日(第3期)で、すでに10年以上渋川市の監査委員に就任していることがわかる。
②議員選任監査委員 中澤 広行氏:
 平成31年2月28日から議員の任期による期間、とあるので、令和5年2月まで監査委員に就任し続けることがわかる。

 そうすると、高木市長が公費を使って相撲観戦をしたのかどうか、については、中澤市議が監査委員の立場で高木市長を追及するのがもっとも合理的な方法ということになります。

 だから中澤市議は、コロナ禍にもかかわらずわざわざ調査のために部屋を訪れたのだと思います。しかし監査委員は強い調査権限を持っているのですから、財務会計上の行為の官邸から、まず事実関係を確認するのが、一般的な調査手法だと思われます。

■他方、当会のような任意の市民活動団体の場合、調査権限は市民に与えらえた情報公開条例に基づく権利のみであり、議員や監査委員に比べるときわめて貧弱な立場でしかありません。だから行政の違法不当な処分を追及するには、もっぱら情報公開請求、ないし、せいぜい行政関係者で匿名希望の方からの情報提供に限られます。

 そのため、当会では、まずは事の事実関係の調べる求めるためには、前述のとおり、相撲観戦に公費の支出があったのかどうか、と言う点について確認する必要があります。この場合、もっぱら情報公開により開示された情報をもとに、判断しなければなりません。そのため、情報開示の結果、依然として事実関係の確認ができない場合、公開質問状ないし、開示された情報が不十分だとして審査請求を行うことになります。

 その上で、それでも情報を隠すというのであれば、情報不開示処分の取消しを求める訴訟を提起することになります。

■しかし、仮に高木市長が公費ではなく、ほかの経費、たとえば自腹で出張したとか、後援会長から招待を受けて出張した、などと主張した場合、財務会計上の行為に違法性があったということになるのかならないのか、難しい判断となります。

 つまり、実際に公務の時間内に、プライベートで相撲観戦をしていたのであれば、しかもそれを公金で往復の交通費や観覧料等を使っていた事実が明らかになれば、当会として、渋川市監査委員に対して住民監査請求を行い、市長に対して公費支出分の返還請求が行えます。

 ですが、これが「自分で支払った」、あるいは「誰か第三者が費用を負担した」ということになると、しかも、実際に公的な理由があるとして相撲観戦を行ったと主張されますと、住民監査請求が棄却されて住民訴訟を提起しても勝訴の見込みが立ちません。

■高木市長は、所沢にある二子山部屋には行っていなくて、国技館のみで相撲の取り組み見物した場合、それでも、「現に市長の行動に一緒に立ち会った」と主張する人物が、「二子山親方と面談したのは事実だ」と、もし仮に市長とその人物が口裏合せをしているとしても、書面で「確かに面談したのを見た」と明言すれば、当事者以外の立場で「それはウソだ」ということを主張するには、しかるべき証拠が必要になります。

 その意味で、中澤市議が、監査委員としての立場を行使すれば、そうした証拠を入手するのは容易であり、しかも議員の立場としても、行政情報へのアクセスは、一般市民に比べれば比較にならない強い権限を有しているため、容易に可能なはずです。なので、ぜひ中澤市議が、議会選出の監査委員として主導的にこの問題に取り組むことが最善の方策だと思われます。

 いずれにしても、出張命令書は市長であっても記録として作成されていなければなりません。それがない、というのであれば、後援会長ないし二子山部屋などからの招待ということになります。しかし交通費迄、二子山部屋が負担するとは思えませんので、後援会長が肩代わりした可能性は高いと推察されます。

 したがって、中澤市議が監査委員としての権限を堂々と行使して、公金で出張したのかしなかったのか、を渋川市の執行部に対して、調査し、証拠の提出を求めれば、それですべて事実関係が明らかになります。このことを中澤市議が監査委員としてご存じないはずはありません。

 なので当会としては、監査委員が自ら容易に調査できることを、わざわざシャシャり出て、調査するまでもないと判断しています。

■なお、同様にコロナ禍で市長が市職員にクラスターが発生した民間施設の消毒作業を命じたという件についても、特殊清掃手当の支給が違法に為されたのか否かという点についても、財務会計上の行為ですので、当然ながら中澤市議が監査委員の立場で調査権限を行使すれば、容易に事実関係が明らかになり、違法性の有無や、違反があればどのようなルール違反なのかが直ちに判明すると思われます。

 渋川市政を巡っては、大同スラグの不法投棄問題が目下、最大の課題であると当会では認識しています。渋川市長は、大同の圧力に屈せず、早期に控訴を取り下げて、スラグが埋設された市道からスラグ及び汚染土壌を撤去し、安全・安心な市民の生活環境の保全を最優先課題として取り組む責務があります。

 また、情報提供者である渋川市民が指摘する市長と市議会とのゴタゴタについては、来年2021年9月12日に任期満了となる渋川市長の改選が行われることから、現在の議長が市長選に立候補するかもしれないという巷間情報も聞こえてきます。また、硯石移動事件や渋川残土ストックヤード事件に関与する市議会議員と市長との確執も取りざたされています。

 こうした政治的な思惑も絡み、当会にスキャンダラスな内部情報の提供が今後も行われる可能性があります。当会としては、オンブズマン活動の原点である税金の無駄遣いの監視と、行政による不当な権限行使による住民の救済の観点から、是々非々で対応してまいります。







東邦亜鉛の非鉄スラグと、大同特殊鋼の鉄鋼スラグが埋まってる高渋バイパス。当会が東邦亜鉛非鉄スラグを発見した中央分離帯もすっかり舗装されて、車線下の路盤材に大量の湯毒スラグが残されたまま。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1「渋川市議会だより」

**********渋川市議会だより2020年(令和2年)11月1日第60号
中澤浩之市議の一般質問(抜粋)
「市長戦略部長に問う」
【質問】令和元年9月21日二子山部屋表敬訪問とあるが二子山には行っていない。虚偽の表記だ。
【市長戦略部長】地域振興のため、二子山部屋赤城合宿所を開設した関係者の方と、公務として両国国技館に二子山親方の激励、表敬訪問を行ったのは事実であります。
**********

※参考情報2「本件関連報道記事」
**********上毛新聞2020年11月10日(火) 6:05配信
コロナ厳戒態勢下で市議が突然訪問 大相撲・二子山部屋の後援会長が渋川市議会議長宛に抗議文
 新型コロナウイルスの感染防止で厳戒態勢の相撲部屋を群馬県渋川市議が突然訪問したとして、大相撲二子山部屋の後援会長から同市議会の田辺寛治議長宛に抗議文が届いたことが9日、分かった。田辺議長は上毛新聞の取材に、「内容を本人にしっかり伝えたい」と話した。
◎市長の面会事実の照会で訪問 弟子らが応対
 市議は大相撲9月場所中の9月14日、高木勉市長の昨年9月の行動記録の真偽を調べるため、埼玉県所沢市の同部屋を訪問。二子山親方が不在だったことから、応対した弟子らを通じて両者の面会の事実を照会し、翌日の市議会9月定例会一般質問で、市長に同行した部長にただしていた。
 10月下旬には、群馬県の弁護士から同様の内容を尋ねる文書も届き、二子山親方が後援会長に苦情を伝えたという。後援会長は、自社が渋川市赤城町に所有する研修所敷地に土俵を新設して部屋の合宿を誘致。市と部屋との交流のきっかけをつくった。市議が一般質問で取り上げた昨年9月の訪問は、今後の赤城合宿や市民との交流について相談するため後援会長が取り持ち、両国国技館内で両者が面会していた。
 高木市長は、一連のやりとりに関して後援会長から連絡を受けているとした。その上で「部屋との交流は市民も楽しみにしており、(市議の)水を差すような言動は残念なこと。今後も友好関係を深め、応援していきたい」と述べた。

**********毎日新聞2020年11月10日07時51分(最終更新 11月10日 07時51分)
群馬・渋川市議、アポなしで相撲部屋訪問 後援会抗議「コロナの場所中、無神経」
 大相撲9月場所中に群馬県渋川市議の1人が事前の約束もなく部屋を訪れたとして、二子山部屋(埼玉県所沢市)の後援会が9日、同市議会の田辺寛治議長宛てに抗議文を提出した。市議の「勇み足」に後援会は「コロナ禍の場所中にアポなしで部屋を訪れるのは無神経」と、カンカンだ。
 部屋を訪れたのは、中沢広行市議。抗議文では、中沢市議は9月14日に同部屋を突然、訪問。対応した若い力士に、「昨年の9月21日に渋川市の高木勉市長が二子山部屋親方に会っているかを教えろ」と詰問したとされる。
 同部屋は昨年6月、渋川市赤城町に合宿所を開設。稽古(けいこ)の見学を受け入れたり、地元の愛好者らに土俵の無料開放を行ったりしてきた。こうした関係から高木市長が同年の9月場所中に東京の両国国技館を訪れ、二子山雅高親方(元大関・雅山)を激励のため表敬訪問。これに対し、中沢市議は今年の市議会9月定例会で「(市長行動記録に)昨年9月21日、二子山部屋表敬訪問とあるが、二子山部屋には行っていない。虚偽の表記だ」などと質問していた。
 抗議文について、中沢市議は「訪問は市議としての調査権を行使しただけ。コロナ禍であることは特に気に留めていなかったが、訪問した際も女将、力士に誠実に対応していただいており、抗議は寝耳に水だ」と話している。【庄司哲也】

**********東京新聞2019年6月15日 02:00
ぶつかり稽古 感じる熱 大相撲・二子山部屋が渋川に合宿所

力士の稽古を見守る児童たち=渋川市で
 大相撲の二子山部屋の合宿所が渋川市赤城町南赤城山に完成し、力士六人が二子山親方(元大関・雅山)の指導のもと、稽古に励んでいる。
 二子山親方は昨年四月に藤島部屋から独立し、埼玉県所沢市に部屋を構えた。現在の最高位は東幕下59枚目の舞蹴(まいける)。包装資材メーカー「TIホールディングス」(東京)の見崎洋二社長が後援会の支部長に就いた縁で、同社の保養・研修所の敷地内にプレハブ平屋建ての合宿所を建てた。
 今月十日に土俵開きを行い、十六日まで合宿を行っている。合宿中は午前七時半から同九時まで行われる朝稽古を見学できる。今後は、本場所や巡業がない時期に年数回、合宿を行う予定。
 十四日には、渋川市立三原田小学校(赤木町上三原田)の二年生二十六人が朝稽古を見学。児童たちは力士たちが激しくぶつかり合う稽古を真剣な表情で見守った。 (渡辺隆治)
**********

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