市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【速報:市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選で当選を果たした岩井候補が初登庁し就任式

2022-04-25 23:57:00 | 安中市長選挙

■4月25日に新市長が初登庁するというので、8時半に安中市役所前に行ってみると、既に駐車場はほぼ満杯で、市役所新館の玄関前には大勢の職員、議員、市民が集まっていました。


新市長の初登庁を待つ人たち。午前8時33分撮影










新市長の到着を今や遅しと待機する職員、市議、市民ら。

 新市長が当選後、初めて市役所に登庁する場合、初登庁式や就任式が実施されるのが慣例のようです。安中市もご多分に漏れず、こうしたイベントが行われています。今回の岩井均氏の初登庁を、8年前の茂木英子氏の初登庁時(下記ブログ記事参照)と比べると、コロナ禍のためか、集まった市民の数が少ないように感じました。
○2014年4月23日:市役所の部課長以下勢揃いする前をひとりで市役所の玄関を入ってみせた新市長
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1277.html

 初登庁日に、市民や関係者が出迎えるなか、初登庁式を実施するところ、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、開催を自粛し、今後の市政運営に向けての市長メッセージをホームページで掲載した自治体もあります。




 午前8時40分、市役所新館前に姿を現した岩井新市長は、出迎えた市民らに深々と頭を下げ、正面玄関前で職員から花束を受け取ると、職員や市議らが左右に並ぶなかをゆっくり歩き、玄関から中に入りました。ロビーで、安中市のマスコットの小梅チャンの出迎えを受け、ツーショットでカメラに収まると、再び外に出て、支援者や市議らと、それぞれ記念撮影が行われました。















■そして午前9時から、保健センター3階の305号会議室で就任式が行われ、岩井新市長は、部課長クラスの幹部職員ら約30人を前に初訓示をしました。







 訓示では、自身の5つの公約と、40以上にわたる政策項目について触れ、これらの公約を果たすことが重要であるが、これまでの市政から急な変化だととまどいもあるだろうから、よく対話を重ねていきたいとして、自身が得意とする野球を引き合いに、スポーツマンシップによりチームとして、取り組んでいきたいと、締めくくりました。

 続いて、各部長級の職員が一人ずつ前に出て、順番に自己紹介と担当業務を告げ、9時10分に就任式が終了しました。






新たな主を待つ市長室にはたくさんの生花が並べられていた。写真を撮ろうとすると、幹部職員が止めようとしたが、市民の知る権利を行使。

 その後、新市長は市長室に入り、たくさんの生花が並べられた室内で、市長の椅子の感触を確認していました。

■新市長には、執行部の思惑に惑わされず、選挙戦で強調した5つの公約の実現に向けて、市民の声に耳を傾けつつ、リーダーシップをとってもらいたいものです。






今から27年前に発覚した巨額詐欺横領事件。主犯の元職員タゴが、さらなる横領を重ねるため心血を注いだ西毛広域幹線道路計画が、いよいよ実現に向けて動き出した。当時、利権に預かろうとしたお歴々もホッとしているに違いない。↑



旧安中高校跡地。ここに50億円以上をかけて新たに統合型庁舎を建設しようと目論む執行部の策略をいかに排除できるか。新市長の手腕に期待したい。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報
**********群馬テレビ・群テレ2022年4月25日
群馬・安中市 岩井均・新市長が初登庁「安中市を前進させたい」(22/04/25)
https://www.youtube.com/watch?v=szhqWUTTOq4

 今月17日の群馬県安中市の市長選挙で初当選を果たした岩井均・新市長が初登庁し「安中市を前進させたい」と決意を述べました。
 午前8時半、支持者や市の職員など大勢の人が拍手で迎える中、岩井均・新市長が安中市役所に初登庁しました。岩井市長は県議会議員6期目の途中で、市長選に立候補し、現職との一騎打ちとなった選挙戦を制して初当選を果たしました。岩井市長には職員や支持者から花束が手渡されました。
 就任式で、岩井市長は市の幹部職員およそ30人を前に「皆さんと連携・協力して、安中市を前進させていきたい」と決意を述べました。この後、市長の椅子に座り、気持ちを新たにしていました。
 岩井市長は人口減少対策をはじめ、経済や観光振興を推し進めるほか、市役所・新庁舎の建設計画の精査を行うなど山積する市の課題に取り組みたいとしています。
**********

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【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選で当選を果たした岩井候補が御礼挨拶で戸別訪問?

2022-04-24 23:00:00 | 安中市長選挙
■4月17日投開票の安中市長選は、大差で新人の岩井均候補が圧勝し、敗れた現職の茂木候補は4月22日に任期満了となりました。なので、新市長は4月23日から就任となりますが、休日と重なるため、岩井・新市長の初登庁は明日4月25日月曜日と言うことになります。岩井新市長のTwitterによると、初登庁式は午前8時40分に市役所正面玄関で行われ、午前9時から就任式が予定されているようです。


 岩井新市長の4月18日のTwitterには、同じく当選証書を受領した感想もアップされています。



■そして4月19日には、次の記事が掲載されています。



 激戦を制した喜びからでしょうか。4月19日に市内の企業・団体に当選御礼の挨拶回りをしていることがうかがえます。

 事実、筆者が4月20日午前8時30分に東邦亜鉛安中製錬所の事務棟を訪れた際に、コロナ感染防止対策として非接触式体温計で体温を測り、アルコール手指消毒をしたあと、訪問者リストに日にちと氏名を記入する際に、4月19日付で「岩井均」とあるのを見つけました。東邦亜鉛の職員らに確認したところ、本人が挨拶のため訪問したことが判りました。

■筆者はこれまで、1995年、1999年、2003年、2006年と4度、安中市長選に出馬し、いずれも次点以下でしたので、当選後の御礼のための戸別訪問をしたことがありませんが、1999年の市長選では、落選後、投票していただいた1万500名余りの市民の皆様に対して、選挙戦の経緯を記したお礼の報告チラシを新聞折込したことがありました。そのあと、この行為が選挙後の挨拶行為の制限(公職選挙法第178条)に抵触しかねないことを知りました。選挙終了後の御礼の挨拶に関して、制限があるためです。

 どのような行為が制限されるかというと、選挙の期日後(投票日当日、投票所が閉ざされた時刻以降のすべてをいい、特に終期の定めはありません)、有権者に対して、当選または落選に関し挨拶をする目的で、次の行為をすることが対象となります。

①有権者に対して戸別訪問すること。
②文書、図画を頒布し、または掲示すること。ただし、自筆の信書であればさしつかえない。また、有権者からもらった当選の祝辞、落選の見舞などに対する返信は、自筆でも印刷でもさしつかえない。
③新聞紙、雑誌などを利用(つまり広告)すること。
④放送設備を利用して放送すること。
⑤当選祝賀会その他の集会を開催すること。
⑥当選したお礼に当選人の氏名、または政党、政治団体の名称を言い歩くこと。


■企業や団体などの法人とは、市長就任後、なんらかの機会に公務で面談する予定があるでしょうから、その際に相手側から「この度は市長就任おめでとうございます」と挨拶されたときに、「ありがとうございます」と答える程度で十分ですから、わざわざ、市内の企業・団体に対して当選挨拶回りをする必要はありません。

 事実、岩井候補は4月18日に当選証書を交付されたあと、自身のTwitterで「率直に言って、選挙後の対応や市長就任準備のためにもう1週間あって欲しかったです」と感想を述べているのですから、1日潰してまでも、市内の企業や団体巡りをする時間など、なかったはずです。

 この件も、公選法に抵触するのかどうか、選挙後の警告に該当するのかどうか、群馬県の選挙管理委員会にお伺いを立ててみることにしました。4月22日に県庁を訪れた際に、事前運動の警告の件と併せて、本件についても書面で選管としての判断を求めることにしました。

*****4/22 選挙後の挨拶の制限に関する要確認申し入れ*****ZIP ⇒ ilaj.zip
                            令和4年4月22日
群馬県選挙管理委員会あて
                           市民オンブズマン群馬
                           代表 小川 賢

   安中市長選/候補者による法人への御礼挨拶/要確認事項について

<事実証明情報>https://twitter.com/hitoshi_iwai_92

岩井均 @hitoshi_iwai_92
·4月19日
今日はご支援頂いた安中市内の企業・団体の皆様にご挨拶をしています。
お昼は磯部のいまい食堂さんで、タンメンを頂きました。実に美味しいです😊

※実際に当会が4月20日午前8時30分に市内にある東邦亜鉛㈱安中製錬所の事務部を訪れた際に、受付の来訪者記入リストに「4月19日 岩井均」と記されていたことを確認しています。

●確認しておきたい事項
①このTwitter記事に記載されている、当選の御礼の挨拶を選挙区内の企業・団体を対象に候補者が行うことについて、公選法の観点からどのように判断されるべきか?
②貴選管が判断できない場合、その理由や根拠はどのようなものか?
③貴選管が判断できない場合、当会はどうすればよいのか?
④貴選管が判断できない場合、誰が判断すべきか?警察か?
⑤仮にこの行為が公選法に抵触すると判断する場合、貴選管はどのように対処するのか?
                               以上
**********

■岩井候補は、電子メール、ブログ、Twitterなどインターネットを利用して選挙期日後の当選御礼をする限り、改正公職選挙法第178条第2号に該当するため、問題はありませんでした。

 この公選法の条項をもう少し詳しく見てみましょう。

 改正前の公職選挙法では、選挙期日後において、当選又は落選に関し、選挙を人に挨拶する目的をもって文書図画を頒布し又は掲示することは、自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためにする信書を除き、禁止されています(公職選挙法第178条第2号)。この規定に違反した者は、30万円以下の罰金に処することとされています(公職選挙法第245条)。

 改正公職選挙法では、選挙期日後に当選又は落選に関して選挙人に挨拶をする目的をもって行う行為のうち、「インターネット等を利用する方法」により行われる文書図画の頒布が解禁されます(改正公職選挙法第178条第2号)。

 したがって、例えば、選挙期日後、自身のホームページ等において当選又は落選に関する挨拶を記載することや、電子メールを利用して当選又は落選に関する挨拶をすることは可能となります。

■岩井均氏は、明日から実際に安中市長の重責を担うことになりますが、脇が甘いと言われないよう、法令遵守については常に緊張感をもちつつ、市政のかじ取りを担っていただきたいものです。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選で公選法違反疑い警告2件の報道を受け選管に検証申入れ

2022-04-22 22:12:00 | 安中市長選挙
■4月17日投開票の安中市長選は、大差で新人の岩井均候補が圧勝し、敗れた現職の茂木候補は4月22日に任期満了となるため、岩井・新市長の初登庁は来週4月25日月曜日と言うことになります。さて、加熱した1週間の選挙戦も終わり、4月18日には岩井氏に当選証書が渡され、市内もクールダウンしつつある最中に、4月19日の上毛新聞に次の記事が掲載されました。



**********上毛新聞2022年4月19日
富岡、安中市長選で公選法違反疑い 県警が3件警告
 17日投開票された群馬県の富岡、安中の両市長選で、富岡、安中両署の選挙違反取締本部は18日までに、公選法違反の疑いがあるとして計3件の警告を出した。
 県警捜査2課によると、内訳は安中が2件でいずれも事前運動関連、富岡は1件で文書関連だった。
**********

■今回の安中市長選の経緯をつぶさに見てきた当会は、選挙を間近に控えた3月下旬から4月上旬にかけて、複数の情報提供を受けていました。それは事前運動に関する情報でした。

 今回、安中市長選で安中署の選挙違反取締本部が、2件、事前運動関連で警告を出したと報じられたことから、この警告内容について、非常に関心を呼び起こされました。

 なぜなら、当会は群馬県選挙管理委員会に対して、住民から情報提供のあった事前運動と思しき事例2件について報告し、公職選挙法に抵触するのかどうか、打診した経緯があるからです。

 その2件と言うのは、まず1件目は、茂木候補を支援する政治団体「市民ネットワーク」の広報カーが3月下旬から、市内各地で茂木候補の政策や実績を誇示する内容を連呼し始めていたからです。そして2件目は、それに触発されたかのように、岩井候補の名前を付けた「いわいひとしチャンネル」と題する動画サイトに、同じ党派だった自民党所属県議らの応援動動画がアップされ、その中で渦中の狩野浩志県議が岩井候補に投票を依頼するかのような表現を思わせる言葉を使っていたことでした。

 そのため、群馬県選挙管理委員会を訪れ、これらの情報を提供した上で、公選法に定める事前運動に抵触するのかどうか、打診をしました。すると県選管の担当の千明祐介書記いわく「県選管では公選法に抵触するかどうかの判断はしません。判断を求めるのであれば県警や所轄署に相談してください」とのことでした。

 今回、安中署の選挙違反取締本部と県警捜査2課により、安中市長選挙で公選法が定める事前運動禁止に触れる事前運動行為があったとして2件の警告が出されたことが判明したことから、当会では、群馬県選管が当会の情報提供をもとに県警に通報したのかどうか、確認する必要があると考えています。また、市長選を取り仕切る安中市選管も、この警察の発表について、どの程度事実関係を把握し、認識しているのか、確認しておく必要性を痛感しています。

 なぜなら、県の選管も市の選管も、これまでの県内あるいは市内の数々の選挙において、当会が明らかに公選法違反を示す証拠を提示しても、「これは警察が判断するもので、選管では判断しない」と言われてきたため、今回の事前運動の警告が、候補者が行ったどのような事前運動の、どの行為が違反の疑いがあると判断し認定したのかをよく確認し、今後の選挙において、立候補者説明会などで、違法行為に抵触するか、しないかのボーダーラインを理解してもらう場合の、よい教材になるからです。

■公職選挙法(公選法)は、長い間に当事者でもある被選挙権を行使した議員らにより、自らの都合の良いように変えられてきた結果、きわめて曖昧な内容となっており、読み方によってはいかようにも捉えることができるシロモノです。さらに、運用面では、上記の通り、公選法の適切な運用を監視しなければならない選挙管理委員会が、まったくと言ってよいほど機能不全同然の現状となっており、警察や検察も、結局行政組織の一部のため、違法行為の判断や摘発に際しては、とりわけ権力側の政党関係者に対して及び腰となる傾向にあることは、読者の皆さんも感じておられるところだと思います。

 そうした実情はありますが、やはり違反は違反。きちんと選管が指針を示し、警察に適切なアクションをとってもらうようにしないと、ますます、違反行為が伝播しエスカレートしてしまい、「あそこの選挙では、ここまでやっていたから、こちらの選挙もここまでは大丈夫だ」という勝手な理屈で、ルールがあって無きに等しい状態を招きかねないわけです。

■それでは今回、警察が行った2件の警告の対象となった事前運動について考えてみましょう。

 調べてみると、選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。そして、その適合要件としては、次の事項が挙げられます。
(1) 選挙が特定していること(必ずしも告示されていることは必要でない。) 。
(2) 特定の候補者(1人とは限らない。)の当選を図るためにするものであること。
(3) 選挙人(いわゆる有権者) に対して働きかける行為であること。

 したがって、上記の3つの要素を含まない立候補の準備行為その他の政治活動、経済活動、社会的行為等は、選挙運動と区別されるものです。

 しかしながら、これらの行為に名を借りて実態上選挙運動が行われる例も少なくありません。そこで、ある行為が選挙運動に当たるかどうかは、その行為の名目に着目するだけでなく、その行為の時期、場所、方法、内容等諸般の事情を具体的に考慮し、判断しなければなりません。

■今回の安中市長選挙でも、事前運動と思しき行為について群馬県選管に報告し判断をもとめたところ、「政治活動と選挙運動は違うので、政治団体が自ら支援する政治家の実績や政策を街宣なり、動画なりで有権者に呼びかけたとしても、政治活動の一環とみなせる場合に相当する。なお、個々の事案については、選管として判断しない」との回答でした。

 しかし、前述のとおり、選挙運動は、特定の選挙につき特定の候補者を当選させることを目的とした行為であり、政治活動は、政党その他の政治団体がその政策の普及宣伝党勢拡張、政治啓発などを行うことであって、特定の候補者の当選を得るための行為ではありません。

 また、選挙運動ができる期間は、立候補届が受理されたときから投票日前日の午後12時まで(なお、選挙カーによる連呼行為や街頭演説は午後8時まで)です。この開始時期より前の運動は事前運動として禁止されます。

■前述の通り、今回の安中市長選では、公示日の4月10日よりかなり早い時期から、気になる動きがありました。ひとつは、茂木候補を支援する政治団体「市民ネットワーク」が街宣車を仕立てて、早々と市内で連呼行為を行ったことと、もうひとつは、岩井候補を支援する関係者が動画サイト「いわいひとしチャンネル」を立ち上げ、その中で岩井候補の県議時代の同じ党派である狩野浩志県議の応援メッセージが流されたことです。いずれも疑問に感じた当会関係者から事務局に通報があったものです。

 警察が警告を発した公選法違反疑いの行為が、上記の2件かどうかは定かではありませんが、可能性としては十分考えられます。そのため、選挙管理委員会が、選挙が行われる際に、候補者に手続きや留意点を説明する候補者説明会などの機会に、グレーゾーンの幅の大きい公職選挙法の解釈の具体的な事例として、活用することが望ましいはずです。

 そのため、当会では安中市選管や群馬県選管に、きちんと警察と連絡をとりあい、今回警告が発せられた事例について、検証するように申し入れました。

*****4/20市選管への申入書*****ZIP ⇒ 20220420_annakasi_senkan_ate_mousiiresho.zip
                                 令和4年4月20日
安中市選挙管理委員会あて
                              市民オンブズマン群馬
                              代表 小川 賢

               要確認事項について

<報道記事>

**********上毛新聞2022年4月19日
富岡、安中市長選で公選法違反疑い 県警が3件警告
 17日投開票された群馬県の富岡、安中の両市長選で、富岡、安中両署の選挙違反取締本部は18日までに、公選法違反の疑いがあるとして計3件の警告を出した。
 県警捜査2課によると、内訳は安中が2件でいずれも事前運動関連、富岡は1件で文書関連だった。

●確認しておきたい事項
①この情報の内容を知っていたか?
②知っていた場合はどのような方法で知ったか?
③知らなかった場合は、警察に確認するのか?
④当会では県選管に、両候補の事前運動について情報提供をしたが、県選管からなにかそれに関連して連絡はあったか?
⑤連絡がなければ、これから県選管に対しても、本件情報について何らかの問い合わせや確認を行う予定があるか?あるいはすでにそれを行ったか?
⑥今回の公選法違反の疑い(安中市長選の場合は事前運動)について、市選管としての事実関係の確認や、違法性の程度の判断、および再発防止のための手立てを講ずることについて、どのように考えているのか?あるいはいないのか?
                           以上
**********

 群馬県選挙管理委員会には、安中市長選の警告2件に加えて、富岡市長選で警察から警告が発せられた文書関連の事件についても調査検証を申し入れました。

*****4/22県選管への申入書*****ZIP ⇒ 20220422_gunmaken_senka_ate_mousiiresho.zip
                                 令和4年4月22日
群馬県選挙管理委員会あて
                              市民オンブズマン群馬
                              代表 小川 賢

               要確認事項について

<報道記事>

**********上毛新聞2022年4月19日
富岡、安中市長選で公選法違反疑い 県警が3件警告
 17日投開票された群馬県の富岡、安中の両市長選で、富岡、安中両署の選挙違反取締本部は18日までに、公選法違反の疑いがあるとして計3件の警告を出した。
 県警捜査2課によると、内訳は安中が2件でいずれも事前運動関連、富岡は1件で文書関連だった。

●確認しておきたい事項
①この記事に記載されている、安中市の2件、富岡市の1件の公選法違反疑い警告の内容について、把握しているのか?
②把握していなければ、これから警察に対して、何らかの問い合わせや確認を行う予定があるか?あるいはすでにそれを行ったか?
③今回の公選法違反の疑いについて、県選管としての事実関係の確認や、違法性の程度の判断、および再発防止のための手立てを講ずることについて、どのように考えているのか?あるいはいないのか?
④当会では本件選挙公示前に、貴選管に、両候補の事前運動について情報提供をしたが、貴選管からなにかそれに関連して警察等への連絡を行った経緯はあるのか?
                               以上
**********

■この結果、安中市選挙管理委員会事務局も群馬県選挙管理委員会も、上毛新聞の記事などから公選法違反疑いで警告が発せられたという情報は知っていましたが、いずれも警察に事実の確認などの行動はとっていないことが判りました。また、今後、警察に対して、今回の警告がどのような事前行為について違法の疑いがあると判断されたのかを確認するかどうかは、内部でよく検討したうえで判断するというスタンスでした。

 いずれにしても、後日、文書で回答するように両選管事務局には強く要請しました。なぜなら、こうした公選法違反行為に対して黙認し続けるとますます違法行為がエスカレートしかねないためです。

 すなわち、「以前A候補がこういう事前運動をやっていても何のお咎めもなかったから、今回B候補が同じことをやってもよいわけだ」と当然考えるでしょうし、さらには「ということは、もう少し踏み込んで大胆にやっても大丈夫だろう」などと、と次第に不法意識が薄れてしまい、収集がつかなくなってしまう事態の発生が、有権者として懸念されます。

■これまで選挙管理委員会は、公選法や関連する政治資金規正法などについて、違法行為の通報を受けても、極めて消極的な対応しかしませんでした。選管は、今回警察から発せられた公選法違反疑いの警告の内容をきちんと検証し、憲法で定められている選挙の基本原則である「普通選挙」(第15条第3項)、「平等選挙」(第14条第1項)、「秘密選挙」(第15条第4項)、「自由選挙」(第21条第1項)、「直接選挙」(第93条第2項)を担保できるように、今後の選挙のためにも、そうでなくても曖昧に扱われている公選法などのルールにおけるグレーゾーンをできる限りなくして、候補者間が平等に遵守できるよう、運用に努めなければなりません。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報
**********東京新聞2022年4月19日 08時04分
安中市長に岩井さん 現職・茂木さん破り初当選

当選証書を受け取る岩井さん(右)
 群馬県の安中、富岡市長選が十七日投開票され、元県議同士が対決した安中市は新人が現職に圧勝し、富岡市は現職が新人を下した。
 安中市長選はともに無所属で、元県議の新人岩井均さん(58)=自民、公明推薦=が、三選を目指した現職の茂木英子さん(62)を破り、初当選を果たした。当日有権者数は四万七千九百五十九人、投票率は59・37%(前回49・59%)。
 午後八時半過ぎ、岩井さんの事務所に当選の一報が入ると、集まった支持者から歓声と拍手が起こった。岩井さんは「最後までどうなるか分からなかったが、最高潮の中で今日を迎えることができたのが勝因」と振り返った。
 選挙戦では、人口減少対策を最優先課題と位置付け、産業団地の整備や企業誘致、観光振興の強化や市役所新庁舎建設問題の精査などの公約を掲げた。「皆さんと約束した公約をしっかりと実現できるようにこれから始めたい。安中市が群馬県の中で光り輝く存在にしたい」と抱負を語った。
 岩井さんは一夜明けた十八日、市役所で当選証書を受け取った。「市民が現状に対する不満、将来に対する不安を感じていた中で、掲げた公約が受け入れられた。負託に応えられるように頑張っていきたい」と抱負を述べた。
 公約実現のため、市長や副市長、部長らでつくる「政策実現チーム」を立ち上げる構想も明かし、「ここを中心として政策を練りながら、優先順位をつけて進めていきたい」と語った。(安永陽祐)

**********東京新聞2022年4月19日 08時03分
安中市長選 茂木さん3選ならず「心よりおわび」

支持者に謝意を伝える茂木さん=安中市で
 茂木英子さんの事務所では、午後八時半過ぎ、落選の結果が伝わると、集まった支持者たちから「あっー」と落胆の声が上がり、重い空気に包まれた。
 茂木さんは支持者らの拍手に迎えられて登壇し、「結果が出せず申し訳ない。心よりおわびします」と敗戦の弁を述べた。
 「心一つにクリーンな草の根選挙を展開することができ、私にとって誇り」と振り返り、「これまでの取り組みは決して無駄ではない。皆さん、これからもつながっていきましょう」と呼び掛けた。(樋口聡)
**********

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【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選挙の開票作業をルポ

2022-04-17 23:43:00 | 安中市長選挙
■4月10日に公示された安中市長選挙は4月17日に投開票日を迎えました。投票場での投票は午後6時に締め切られて、開票作業の行われる安中市総合体育館に集められ、午後7時半から開票作業が開始されるということで、当会では午後6時30分ごろ市総合体育館を訪れて、一連の開票作業を見守ることにしました。


結果はこのとおり。いつもながらの「明」と「暗」の光景。出典:上毛新聞

 近い将来西毛広域幹線道路となる安中市役所前の通りを北に向かい、国道18号の交差点を過ぎて、整備の済んだ片側2車線の道路を緩やかに下り、九十九川に架かる橋を超えたところの信号機付き交差点を左に曲がると、外壁の改修工事のため足場が組まれている総合体育館が見えてきました。駐車場の入り口に入ろうとすると、各地から投票箱を積んだ市の公用車の軽バンが列を連ねて並んでいました。幸い入り口から少し入った時点で渋滞に遭遇したため、そのままゆっくり車列が進むのに任せていました。

 後ろからも公用車の軽バンが次々とやってきましたが、少しずつ前進して奥の駐車場の入口前にさしかかったので、公用車の車列から離れて、群馬テレビと書かれた乗用車の隣に駐車しました。まだ早いためか、駐車場には一般の車が10数台程度しかありませんでした。


市総合体育館の玄関わきに駐車する投票箱を運んできた公用車の列

■開票会場の体育館前の特設駐車場に、投票箱を運んできた公用車がずらりと並んでいて、職員が投票箱や、鍵や各投票所の投票権や投票者をチェックした記録台帳などを入れた藍色の袋を抱えて体育館の玄関に入っていきました。



 既に何度も開票作業を見守ってきた当会も中に入り、靴箱で、あらかじめ持参した上履きに履き替えてロビーで待機していました。次々に投票箱等が持ち込まれますが、数字が30台かそれ以上の投票場の投票箱ばかりで、山間部の多い松井田地区からのものが目立ちます。

 受付で登録を済ませた投票箱は、順番に並んだ職員らが次々に体育館フロアに並べた第1から第4までの分類用のテーブルに置かれました。どうやら奥の第1分類係用のテーブルには1~10番まで、その手前の第2分類係用テーブルには11~20番まで、第3分類係用テーブルには21~30番まで、第4分類係用テーブルには31番以上の投票所の投票箱が並べられているように見えました。







最後に持ち込まれた第4投票所からの投票箱。午後6時50分撮影。ちなみに第4投票所は松井田支所ではなく、安中市役所

■投票箱が持ち込まれている間にも、市職員らが三々五々やってきました。投票箱受付など事前準備に従事している職員は、作業服姿でしたが、午後7時近くなってぞろぞろとやってきた市職員らは、カジュアルな服装です。開票作業に従事する市職員らのようです。日曜日の夜と言うことで、思い思いの服装ですが、皆一様にはしゃいだ雰囲気です。休日に加えて夜間ということで、ダブルに時間外手当てが支払われるためでしょうか。自分たちのトップとなる市長の今後4年間の人物を決めるのですから、もう少し緊張感を持って臨んでほしいと望むのは当会だけでしょうか。


午後7時2分撮影

 いつものように気になったのは、当初体育館の入り口の右横におかれていた開票作業従事者用のバッジを入れた箱でした。当会の目が気になったのか、午後7時過ぎには体育館の中に持ち込まれて、つぎつぎにやってきた職員が中に入り、バッジを箱から取り出していました。


最初は体育館フロアの入り口わきに置いてあった。午後6時51分撮影


筆者がジロジロ見ていたせいか、急遽体育館フロア内に移した。午後6時56分撮影

 しかしバッジには連番も記されてなく、職員に渡す際にも身分証明の提示などによる個人特定をするふうもなく、仮に一般市民(子供や年配者以外)が紛れてバッジを受け取ってもバレないだろうな、と思わせるほどです。

■開票作業が開始される10分前に、開票作業に従事する市職員らおよそ100名あまりがぞろぞろと体育館の中に入っていきました。中には袋を持っている職員もおります。当然、警察官による所持品チェックなど行われません。警察官は2名会場に到着しましたが、市が指定した開票作業から最も遠い位置に設けられた机をあてがわれ、最後までそこから動きませんでした。


職員に誘導されて開票会場に入る若手の警察官2人

選挙人の案内で開票会場の内部を視察する両候補の選挙立会人2名。



一斉に開票会場に入る市職員ら。誰も所持品検査をしない。午後7時22分撮影


開票従事者の入場が終わり、入り口が閉鎖された

入口の左わきの掲示板には、本日の投票速報(確定)が貼られていた。それによると投票率は59.37%。投票者数は男13,579、女14,896、計28,475。棄権者数は男9,884、女9,600、計9,484



作業開始の合図を待つ市職員ら

左側の机に警察官2名、右側が市選管2名。最後まで席を立たず座りっぱなし

 午後7時半、定刻となったため、選管事務局長と思しき人物が、開票作業の留意点を述べた後作業開始を告げました。すると、第1から第4までの長テーブルの上に並べられた投票箱が一斉に開かれ、中から候補者の名前が書かれた票の山が書き出されました。空になった投票箱は、参観者が待機する2階の参観席前の、体育館フロアの一角に蓋を開けた状態で並べられました。


開票作業開始5分後の状況。午後7時35分撮影


この時点で全ての投票箱が空に。午後7時37分撮影

 見ていると、各テーブルに約15名の職員が張り付き、箱から書き出した票の塊をほぐし、とりあえず上下左右裏表かまわず束に整え、プラスチック箱に入れる作業が始まりました。プラスチック箱に入れた票の束は、別の職員が巡回して集めて回り、奥にある自動読み取り選別機のコーナーに運びます。そして選別機に束になった投票用紙を入れると、選別機が候補者ごとにきちんとそろえた形で票数を数えてくれて、票の束がアウトプットされます。すると、職員がそれを今度は、第1記録係とある4つのテーブルに運んでいき、そこで、候補者ごとに一定の数の票をまとめたうえで、それを機械記録係のテーブルで2台の銀行で紙幣の枚数を測定するような格好の機械にかけて枚数を確認します。

 無効票や判別困難票などはさらに左手にあるテーブルに集めて、判定をします。


この時点で上下裏表共に揃えられた票を記録するため記録係のテーブルに全員シフト。午後7時39分撮影

午後7時42分撮影

午後7時54分撮影

 候補者ごとに枚数が確定した票は、500枚ずつ束にして、4人の職員が順次、ぺらぺらと捲って書かれた氏名を確認したあと、確認用紙にチェックマークを付けた後、選挙立会人3名と選挙人1名の合計4人が座る長テーブルに送り、岩井均候補のシンボルカラーの上着を着た選挙立会人が、500名の投票用紙の束を確認した後、確認用紙に押印し、隣の茂木候補の白髪の選挙立会人が続いて同様に確認して押印し、さらに3人目の投票立会人(素性不詳)が同じく確認し押印した後、4人目の選挙長が最後に確認後、押印します。

 4名の確認の押印が済んだ500票ずつの束は、となりの3名が待機するテーブルに送られ、ここで集計が表とパソコンに記録され、最後に卓球台を転用した記録済みの表の束が、候補者ごとに並べられてゆきます。

 なので、この卓球台のところを見ていれば、最終確定の500枚ずつの票の束が並んでいるので、どちらが優勢なのか判断がつきます。


午後8時6分撮影。既に開票テーブルと記録テーブルは撤去

午後8時9分撮影。既に機械記録テーブルも撤去

■今回は、市長選挙のみで、しかも、候補者が2名だけで、名前も容易に区別できることから、作業そのものは極めて速く進んでいる様子が参観席からうかがえました。


午後8時12分。開票作業を終えた大勢の職員が会場から退出

午後8時14分撮影。最後の票の確定中

午後8時20分撮影。既に右端の職員は確定票を保存用段ボール箱に入れ始めている

午後8時22分撮影

午後8時25分撮影。おそらくこのとき開票速報の確定版作成のため、最終チェックをしていたはず。この時点で2階で開票作業を見守っていた参観人4名全員が1階ロビーに移る

 そして午後8時を回るころには、無効票などの確認作業を除いて、ほとんど作業が終わり、中間発表があるのではないか、と1階のロビーにおりて、何か張り出されてはいまいかとチェックをしていました。しかし、2度ほど1階に降りて確認しようとしましたが、なにも張り出されませんでした。


1階ロビーでは群馬テレビが開票速報の特番を放映中。午後8時27分撮影

午後8時35分撮影。この時点ではまだ富岡市長選の当選確定の画面


と思った途端、安中市長選の当選確定の画面が現れた。そして数秒後に画面が切り替わり、岩井候補の選挙事務所の様子が映し出され、両候補の得票数が画面下に映し出された。いずれも午後8時37分撮影。

 午後8時15分に、お隣の富岡市長選挙の結果が群馬テレビで発表されたという知らせがありました。しかし、安中市からはまだ何も発表がありません。下におりていくと、午後8時半に結果を記した紙が貼られるということが判り、そのまま1階のロビーにあるテレビで、群馬テレビの開票速報を見ていました。午後8時半に、職員が紙を手にして足早に体育館から出てきましたが、黒板に張り出すのかと思いきや、脱兎のごとく事務室に駆け込みました。

 それから2分ほどすると、富岡市長選で当選した現市長のインタビューの後、市政の課題についてコメンテーターが説明していたところ、突然、チャイムがなり「安中市長選で岩井候補が当選!」という画面が出ました。どうやら先ほど職員が事務室に駆け込んだのは、群馬テレビなどマスコミ発表のためファックスを発信するためだったようです。

 そのあとようやく、職員が、テレビの前で今か今かと待機していた4名の参観者に、コピーした開票速報を1枚ずつ配りました。と同時に、体育館入り口わきの掲示板に張り出しました。


群馬テレビの当選確定が報じられてから、掲示板に貼られ、参観人らに配布された開票速報。これによると確定時間は20時26分。得票数は岩井候補が19,263、茂木候補が8,984。投票総数28,474、得票総数=有効投票数28,247、無効投票数227、不受理・持帰り(【4/18追記】翌日の新聞報道では持帰り)1、投票者総数28,475)
ZIP ⇒
20220417sijiimj.zip

■午後8時25分までずっと、参観席から双眼鏡で確定票の束を並べた卓球台を観察していたのですが、参観席からは、票の束が横方向からしか見えず、卓球台の中心線の奥と手前に並べていた束が、どちらがどちらの候補のものかわかりませんでした。また、卓球台の中心線で候補者ごとに確定票が振り分けられて並べられていたのですが、横から見ているため、中心線の奥と手前に何列並んでいるのかがよく分かりませんでした。

 そこで、すこしでも正面から確認できないだろうかと移動したのですが、奥に入れないように2階の回廊にはバリケードが付けられており、正面からの確認ができませんでした。

 そのため、同じように並べているのかなと思い、手前と奥で、ほぼ同じように票が積み重ねられていたため、「これは接戦のようだ」と、当会を含めて参観人4人で話をしていました。

 ところが今から思うと、卓球台の奥は束が3列で、手前が5列、そして横から見ると束が6列あるように見えたことから、手前が岩井候補、奥が茂木候補だったのかもしれない、と想像しています。なので、最後の方は手前の方ばかり票が積み重ねられていたので、開票速報どおり、ダブルスコアの結果となっていたのだと思いました。

 それにしても、参観席のスペースが狭すぎます。2階の回廊は全面開放して、有権者市民に対して、開票作業が開かれた形で行われている様子をありのままに見せるべきです。

■今回、途中まで、2、3人の方が参観席にいましたが、開票速報が出た午後8時半過ぎまで会場にいた参観人は当会を含めて僅か4人でした。また、参観席にいるとき会ったマスコミ関係者は、上毛新聞記者だけでした。駐車場には群馬テレビと書かれた乗用車を見かけましたが、どこで取材しているのかは最後まで確認できませんでした。

 意外に早く開票作業が完了したにも関わらず、富岡市長選に比べると、人口がやや多いとはいえ、安中市長選では、かなり時間を要しました。富岡市長選の開票速報とかち合わないように敢えて時間調整をしたのかもしれません。

■このように結果として、ダブルスコアとなったことに、当会を含めて参観人同士で予想外だったとの感想が示されました。4人のうち1名が、「残念だったな」とつぶやいていたので、茂木候補の支援者と思しき参観人のようでしたが、それにしても、ここまで大差がつくとは、思っていなかったことが落胆の様子で察せられました。

 現職の市長がここまで新人に大差をつけられたとなると、岩井候補側が単なる組織頼みの選挙を展開した結果とは言い切れません。むしろ草の根的な支援の輪が、草の根選挙を標榜してきた茂木候補に勝るとも劣らなかったのではないか、と見るべきでしょう。

 事実、巨額の税金を投入してまでも統合的な市庁舎建設を、防災拠点機能を併せ持たせたうえで、旧安中高校跡地を念頭に計画を進めてきた執行部に、現市長が同調してきたことに、戸惑いを感じた市民らが結束して、自費でチラシを何度も発行し、市内各地で上り旗を立てて、この問題を有権者市民にアピールするなどしたことは、かなり、市民の投票行動に影響を与えたことは明らかです。

【4/18追記】
■筆者の友人で、安中にも来たことのある県外に住むかたからも、「一般的には、現職が敗れるにしてもこれほど大敗を喫すことは珍しいことですが、何故でしょうか?」と感想を求められました。友人に対して筆者は次の説明を返しました。

**********
 安中市長選の結果、ダブルスコアの差がついたのは地元でも意外だと受け止められています。もともと組織票がものをいう保守王国の群馬の中でもさらに保守的な自治体なのですが、群馬県初の女性市長ということで、鳴り物入りで8年前に当選した市長選挙の時には、対抗馬の当時の現職だった市長も保守そのものでした。
 当時の現職だった市長の場合、2期務めるうちにワンマンとなり、保守陣営からも嫌われたため、子どもや福祉重視をイメージ的に訴えた女性候補に好感が寄せられ、改革の期待が広がりました。
 その結果、安中市最大の負の遺産である市土地開発公社を舞台とした巨額詐欺横領事件(通称タゴ51億円事件)が発覚した1995年(平成7年)に、市民団体をバックに安中市議会議員補欠選挙に立候補し初当選して市議になりその後、市議を4期務めたあと、2007年(平成19年)4月に行われた群馬県議会議員選挙に安中市選挙区から立候補し初当選したあと、県議を2期経た後、2014年(平成26年)4月13日の市長選挙で、初当選しました。
 しかし、8年間に市長の座に座るうちに、やはり利権をめぐり、身内で回りを固める傾向が強まりました。もともとリーダーシップが問われていたうえに、女性というソフトイメージで、利権の配分を司る市政を率いるには無理がありました。執行部もそれを見透かして、手玉にとるようになりました。
 一方、女性市長の方も、それはわきまえていたため、就任直後から群馬県の農政部長OBを引っ張ってきて副市長に据えていましたが、やがて行政手法に不満を持つようになり、途中から安中市の総務部長を副市長に就けました。市長部局の采配を、市役所出身者に丸投げした方が楽だと考えたのでしょう。しかし、そのために、市当局の思惑が優先するような市政となってしまいました。
 なかでも特に今回争点となった市庁舎移転建て替え問題は、執行部の言うなりでした。
 また、「当初は2期まででそのあとは今回当選した新市長(8年前までは県議同士だった)に禅譲する」という話もありましたが、執行部から使い勝手の良い市長ということで、3選を勧められて、続投する気になったというのが背景にあると思います。
 そして蓋を開けてみると、58歳で円熟味を増した対抗馬の新人候補は、群馬県の政界では以前より陰りを見せているとはいえ二大ブランドの一角のナカソネ大勲位の事務所で10年間秘書として勤め、その後県議で6期(1年残し)勤め上げた人物で、満を持しての出馬に、市内の商工会や青年会議所、医師会、そして宗教団体や主だった企業の支援を受けた組織力による選挙が展開されました。加えて、現職市長が、巨額詐欺横領事件で103年ローンを抱える状況下であるにもかかわらず、50億円以上もかけて防災拠点センター兼用の統合庁舎を旧安中高校跡地に建設するという強引な計画を、市民アンケートで示された民意を無視して、性懲りもなく掲げてしまったために、失望した支援者の心変わりを招いてしまい、このように地滑り的に圧倒的な差がついたものと分析されます。

**********

 そしたら友人から返事がきました。

「市長というのは大きな権限を持っていると聞いていますので、持ち上げられてその権限を使えば、気持ちがいいでしょう。長くなると、腐らない方が難しいのでしょうね、誰でも。」


【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【市庁舎移転建替え問題が争点!】安中市長選挙日に最寄りの投票所においてゼロ票確認に立ち会い

2022-04-17 09:13:00 | 安中市長選挙

■4月10日に公示された安中市長選挙は4月16日午後8時までの選挙運動期間を経て、4月17日(日)午前7時から午後6時まで、投票が行われています。筆者は、よほどのことがない限り、期日前投票はしない主義ですので、最寄りの東野殿公会堂で投票日当日に投票するようにしています。
 当日は晴天に恵まれましたが気温が低く、15分前に会場に着いたので、体を動かしながら投票開始時間である7時を待ちました。会場に着いた時には既に1番乗りの男性が待機されていましたが、安中市の場合、最初に到着した2人に、投票箱がからであることの確認(ゼロ票確認)作業が求められます。
 ですので、投票前のゼロ票確認作業を1番乗りの方と一緒に行いました。












ゼロ票確認を終えた投票箱。このあと、投票所1番乗りの方とともに、投票箱の中が空であったことを証する確認書に、到着の順番に連名で署名をした。
 
投票開始前のゼロ票確認を終えて、準備が完了した投票場内



ここから簡易鉛筆(クリップ鉛筆)を1本とって、渡された投票用紙に記入する。1番乗りの人は記名台に通常の鉛筆が置かれていないことに気づき、簡易鉛筆をもらいに戻った。筆者はいつも持参の黒色ボールペンを使うので、接触感染のリスクがない。



午前7時9分に投票箱に一票を投じて、選挙権を無事に行使。これから今晩の開票作業まで、トラブルなく投開票が行われ、開票結果を待ちたい。

■本日は天候に恵まれておりますが、午後から雲が出てきて夕方には場所によって雨になる予想です。市庁舎移転建て替えで無用な税金が使われないかどうか、よく判断したうえで、ぜひ投票に行きましょう。

【市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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