市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

危険スラグ問題を斬る!・・・出張なんでも調査団「花園インターチェンジ」の巻

2016-01-31 10:25:00 | スラグ不法投棄問題
■大同特殊鋼渋川工場から排出されていた危険スラグ問題は、群馬県だけにとどまりません。佐藤建設工業が大同スラグを扱い始めた平成19年以降、県外で施工していた下請け案件としては、隣接の新潟県魚沼市や埼玉県坂戸市があります。一方、隣接の埼玉県にある朝日工業のスラグが、群馬県東吾妻町の山林の林道工事で持ち込まれていたケースもあります。このように、本来は、比重が重く運送コストのかかるスラグを、県境を越えた遠距離移動は、通常はあまり考えられないのですが、廃棄コストを節約したがる排出元から補助金など逆有償が得られれば、越境移動が行われる場合も十分想定されます。
 そのような中、関越自動車道の花園インターチェンジ付近で、道路の異常が発見されたので、ぜひ現場検証をしてほしいという通報が寄せられました。そこでさっそく当会の誇る大同スラグ不法投棄調査チーム「リットン調査団」に特命派遣を要請しました。多忙を極めるリットン調査団ですが、前橋インターから南へ36キロ離れた埼玉県深谷市まで足を延ばすにはそれなりのインセンティブが必要です。さて、どうなったのでしょう。

*****リットン調査団の現況報告*****
 リットン調査団集合(^^)/ 

 団長の訓示「本日は出張なんでも徘徊調査を行います。」

 団員「あれ、団長どうしたのですか?」

 団長「実は孫にバームクーヘンというお菓子をせがまれてのう。なんでも関越高速道路の花園インターチェンジ付近に美味しいケーキ屋さんがあるらしい。そちらを調査に出かけるのじゃ!」

 団員「団長も孫には弱いですね。我々団員一同も孫にケーキを買ってあげましょう。パソコンでは世話になってるものね~~。」

 出発前のやりとりはさておき、今回の調査場所は花園インターチェンジです。↓

<script type="’text/javascript’" charset="’UTF-8’" src="’http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?zoom=18&lat=36.12294699999997&lon=139.2463578&cond=&pluginid=place&z=17&mode=map&active=true&layer=place&home=on&hlat=36.12288264941264&hlon=139.24239725905994&pointer=off&pan=off&ei=utf8&v=3&datum=wgs&width=480&height=360&device=pc&isleft=’"></script>


団員「団長!花園インター近くっていうから、高速で行くのかと思いきや一般道をひた走ってきましたね~。バームクーヘンを選ぶのに、かわいい店員さんとついつい意味もなく話し込んでしまいましたから、暗くなってきましたよ。帰りは運転が怖いけど高速道路で帰りましょう。」」↑


団員「あれっ、インター入り口に見慣れた隆起亀裂のようなヒビが見えますね。いやいや、まさか遠く埼玉県まできたのですから、スラグ調査はやめましょう。暗くなってきたことですし・・・。」
団長「実はな、ここにスラグが埋められているらしいという通報があったのじゃ。すまんが、ちょっと調査をしていこう。」
団員一同「わかりました!」



インターに進入してみると、ちょっとふわふわ凸凹、亀裂が尋常ではありませんね。これは調査せずには帰れません!


うわぁ~、亀裂を直した後からまた隆起亀裂している、酷い有様だ。


バックリ亀裂が入っています、白いのは融雪剤(塩カル)でしょうか?融雪剤の影響があるにせよ亀裂がすごい。


調査のため、料金所の前でUターンさせてもらおう。すると凸凹舗装が波打っているぞ。


こちらも亀裂がひどい、それにしても塩で真っ白だ。塩害はおきないのだろうか?


白線の手前が隆起して盛り上がっているのが分るでしょうか?ここまで盛り上がれば、危険スラグがアスファルト舗装の下に大量に不法投棄されている疑惑が濃くなってきます。ここで団長の一言「諸君・最近、特に暗くなると目が見えず高速道路の運転に自信がないから、せっかくUターンして出口に来たことだし一般道をゆっくり帰ることにしよう。」
団員一同「あ~あいつになったら家に着くことやら、でもいいですよね、我々徘徊仲間は時間だけはありますから・・・トホホ」


*****続く*****

■とんだ出張徘徊調査になってしまったようですが、花園インターチェンジのこのエントランス部分の凸凹、亀裂はほかのインターチェンジには見受けられません。ただし、1か所を除いて・・・。

 当会では以前に、新設の玉村スマートインターチェンジのスラグ疑惑を取り上げました。概要は次のブログを参照してください。
○2014年11月5日:大同有毒スラグ問題を斬る!…高崎玉村スマートIC現場に有毒スラグ!どうするネクスコ東日本と高崎市・玉村町
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1449.html

 玉村スマートインターチェンジ付近を、告発情報をもとに調査すると危険スラグがあちこちに不法投棄されていました。ネクスコ東日本は花園インターチェンジ付近もスラグを使用しているのでしょうか?

 玉村スマートインターチェンジについては、当会では公開質問状を提出して回答を求めた経緯があります。しかしこのネクスコ東日本からの回答たるや、上から目線の、まるで誠意のない内容でした。その一部を書き出してみると・・・。

**********
<NEXCO東日本の回答概要>
 ニッポーから弊社に提出された工事書類を確認したが、材料は天然砕石を使用しているはず。ニッポーの当時の現場責任者にも確認したが、「鉄鋼スラグの使用の実績はない」との回答を得ている。現地施工前に六価クロム溶出試験を実施しているが、その結果は基準値を下回った。だから、サンプリング及び測定をする予定はない。なお、サンプリング及び測定については、(オンブズマンから)費用を協力してもらえれば対応してもよい。

**********
工事書類を確認して「材料は天然砕石を使用しているはず」とか調査もしていないのに結論を決めつけたり、現場監督の弁解を鵜呑みにしています。担当者が自ら「実績がある」とは話すはずもないのに、あきれた対応に終始しています。実際は玉村インターには大量のスラグが不法投棄され簡単に発見することができます。
群馬県が危険スラグを産業廃棄物と認定した今日、ネクスコ東日本におかれましては、自ら進んで測定・調査していただきますようお願い申し上げます。


玉村スマートインターチェンジ付近に不法投棄された危険スラグの様子。
**********

 民営化したとはいえ、実質的には天下り組織のネスクコ東日本の体質は、国交省の八ッ場ダム工事事務所や関東地方整備局高崎河川国道事務所と同じだと言えます。

 こうなると、有毒スラグによる汚染エリアは、さらに拡大する懸念を感じざるを得ません。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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タゴ事件であと86年間続くローン地獄に係る公開質問に対する安中市土地開発公社理事長からの消極的回答

2016-01-30 23:17:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■安中市民の全戸に毎月配布される広報あんなかには、毎月必ず税金に関して「滞納処分」「強制徴収」などの言葉が躍るページがつきものです。たしかに税金の滞納は、公平・公正な負担の観点から、目をつぶることはなりません。
○「広報あんなか」2015年11月1日号
http://www.city.annaka.gunma.jp/kouhou/2015/files/2711P15.pdf
○「広報あんなか」2015年12月1日号
http://www.city.annaka.gunma.jp/kouhou/2015/files/2712P12.pdf
○「広報あんなか」2016年1月1日号
http://www.city.annaka.gunma.jp/kouhou/2015/files/2801P6.pdf

1月22日付け当会の公開質問状に対する安中市土地開発公社理事長からの回答書が同封された封筒。



 住民税を滞納すると、地方税法に基づき納付期限後20日以内に「督促状」が発行されます。督促状が発行された日から10日以内に納税しなかった場合、法律上は差押え可能となります。即ち、最短で納付期限後1ヶ月で差押えられてしまうことになります。ただし、多くの場合、直ぐに差押えが実行されることはないようです。引き続き督促が続き、「催告状」や「差押予告書」が送られてきたり、職員が自宅まで訪問したりする場合もあるようです。

 では実際、差押えがおこなわれるはいつなのでしょうか?督促状発行後の流れは各自治体によって異なるようです。差押えの時期も各自治体の判断に委ねられているようです。そして、いよいよ差押えとなったら「差押予告通知」という書類が送られてくるそうです。

 ちなみに、差押えの対象となるのは給料、預金、不動産や車などで、実際は取り易い預金や預金から差し押さえられる場合が多いようです。

■安中市役所の存続を揺るがせた1995年5月18日発覚のタゴ51億円事件では、結局元職員タゴの単独犯行とされ、1998年12月9日に群馬銀行との間で和解条項が取り交わされました。これを踏まえて当会は住民監査請求を行いましたが、市・土地開発公社はそれに対抗して元職員タゴに損害賠償請求訴訟を提起し、平成11年5月31日に被告欠席のまま勝訴判決、同年6月18日に元職員に対する損害賠償請求権が確定しました。

 ところが、その直後に、なんと元職員タゴの51億円もの不当利得に対して、国税庁は税金を棒引きにしてしまいました。したがって、タゴに対する損害賠償請求は安中市土地開発公社を主体に行われることになりました。安中市も群銀への103年ローン返済の連帯保証人ですから、同様にタゴから債権回収に尽力しなければなりません。そこで、当会は、1月22日付けで、安中市土地開発公社理事長である副市長あてに、公開質問状を提出していました。
○2016年1月22日:公金を103年間群銀に支払う原資を元職員・事件関係者から取りはぐれないよう促す公開質問状を副市長に提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1865.html
yajir

■このたび、その回答が普通郵便で送られてきました。内容は次のとおりです。

**********

                        安土開発第 15 号
                        平成28年1月29日

安中市野殿980番地
 小 川   賢 様
                        安中市土地開発公社
                        理事長 茂 木 一 義
            公開質問状に対する回答について

 このことについて、平成28年1月22日付け「安中市土地開発公社巨額詐欺横領事件の簿外債務に関する公開質問状」につきまして、下記のとおり回答いたします。

                 記

 (質問1-1、1-3、1-4につきましては時効に関するご質問ですので、一括で回答いたします。)
 消滅時効は、権利を行使できる時から進行し、民法が定める時効の中断事由は、(1)請求(2)差押え、仮差押え、仮処分(3)承認とされています。公社といたしましても、
事件に係る債権回収のため、これまでも元職員の不動産の差押え、本人への催告等を行ってきたところですが、法的に直近の時効中断事由としては、債務の返済目的で平成22年5月14日に絵画6点が提出されましたので、これにより債務の承認がなされ、時効の中断の効力が発生したと考えています。
 また、今後絵画を換価するとともに、それに合わせて元職員から債務承認を得た時点が新たな消滅時効の起算点となると考えております。

 (質問1-2)
 時効中断事由としては、上記の3つがあげられますが、現状において差押え可能な本人所有の財産がないため、債務の一部弁済により、時効中断させたいと考えております。具体的には、自宅訪問や内容証明郵便等の送付による催告、また債権回収の専門家に相談する等の手段を用いて、債権回収に努めます。また、絵画提出時点より、経済状況が回復基調にありますので、時期を見て絵画を換価処分し、債権回収を行った都度、債務承認を得ることにより消滅時効を中断させたいと考えております。

 (質問2-1、2-2、2-3、2-4、2-5につきましては債権回収に関するご質問ですので一括で回答いたします。)
 元職員本人名義の財産について可能な限り、差押えや換価処分を行うとともに、元職員本人に対して債務弁済の催告を行ってきているところですが、引き続き有効な手段を講じて債権回収に努めてまいります。また必要に応じて市民の方々にホームページ等で報告していきたいと考えております。
**********

■これでは、質疑応答の内容が分かりにくいので、当会の公開質問状の質問項目と、安中市土地開発公社理事長からの回答項目と対比させてみましょう。青色が当会の公開質問、赤色が公社理事長からの回答内容です。

**********
 拝啓、貴殿ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、本年1月20日に開示された情報によれば、貴殿は2015年12月25日に群馬銀行安中支店長あてに、和解金2000万円を支払いました。これは、平成10年12月25日に群馬銀行に対して4億円を支払ったあと、残金20億5000万円を毎年12月25日に2000万円ずつ返済するかたちで群馬銀行に計算上103年かけて支払うという一般常識を遥かに超えた債務履行の一環ということになります。即ち、あと86年間支払い続けなければならない、ということです。
 事件の発覚から今年5月18日で21年が経過し、事件当時生まれた人たちは、今年成人式を迎えました。一方、元職員の実弟で運送会社を経営していた人物は昨年6月下旬に他界し、事件発覚当時、市議会議長だった人物も昨年11月21日にこの世を去りました。また、事件発覚当時、部下として元職員と一緒の部署だった人物らも、まもなく退職年齢に到達するようです。
 この事件では、未だに真相が明らかになっておらず、元職員が所属していた公社の上司や理事監事らも誰一人として事件の責任を取った者はおりません。公社の幹部らに責任をとってもらうべく、質問者も司法の場で決着を付けようと提訴したことがありましたが、公社は安中市とは別法人だということで、最高裁においても住民の請求は退けられてしまいました。
 こうなると、唯一のよりどころは、平成11年5月31日判決、同年6月18日に確定した、元職員に対する損害賠償請求の勝訴判決で、これにより22億2309万2000円とこれに付随する年5分の割合による遅延損害金の支払いを元職員に求めることになっており、これが実現すれば我々住民にとっても福音となるはずです。
 ところが、これまでに回収したのは市税還付金、土地および家屋の強制競売による配当金として、1500万円にも満たない金額でしかありません。
 しかも、質問者による開示請求に対して、安中市長から貴殿に対する今年1月8日付の情報提供の要請に対して、貴殿は、今年1月12日付で、平成25年1月以降、現在に至る迄に為された損害金回収に関わる一切の情報について、不存在という回答を安中市によこしました。このことについて、次の質問があります。

1.消滅時効と時効の中断について

質問1-1:
 民事債権やその確定判決等は、10年の期間を経過すると時効にかかって消滅しますが、元職員に対する現時点での公社債権の消滅時効はいつだと認識していますか?
質問1-3:
 今年1月20日の表件にかかる情報開示の際に、連帯保証人である安中市総務部の萩原稔企画課長らこの件について意見を伺ったところ、皆さんは「平成22年5月14日に元職員の配偶者を通じて元職員から公社に寄付された絵画等6点があるので、これを換価した時点で消滅時効の中断となりうる」とお考えになっているようです。これについて、同課長いわく「きちんと確認したわけではない」とのことです。ついては、この絵画等6点は、元職員から受け取った時点で時効が中断し、あらたに10年間の時効がカウントされ始めるのか、それとも、絵画等6点を公社が換価した時点で時効が中断し、あらたに10年間の時効がカウントされ始めるのか?公社理事長である貴殿の正式見解をご教示願います。
質問1-4:
 もし絵画等6点を公社が換価した時点で時効が中断すると貴殿が考えている場合、それは元職員から平成22年5月14日に受け取った後、10年間以上経過しても、消滅時効にならず、あらたに10年間の時効がカウントされるとお考えですか?


 (質問1-1、1-3、1-4につきましては時効に関するご質問ですので、一括で回答いたします。)
 消滅時効は、権利を行使できる時から進行し、民法が定める時効の中断事由は、(1)請求(2)差押え、仮差押え、仮処分(3)承認とされています。公社といたしましても、
事件に係る債権回収のため、これまでも元職員の不動産の差押え、本人への催告等を行ってきたところですが、法的に直近の時効中断事由としては、債務の返済目的で平成22年5月14日に絵画6点が提出されましたので、これにより債務の承認がなされ、時効の中断の効力が発生したと考えています。
 また、今後絵画を換価するとともに、それに合わせて元職員から債務承認を得た時点が新たな消滅時効の起算点となると考えております。


質問1-2:
 上記の時効期限の到来を中断するために、どのような対策を講ずる予定ですか?具体的にご教示願います。


 (質問1-2)
 時効中断事由としては、上記の3つがあげられますが、現状において差押え可能な本人所有の財産がないため、債務の一部弁済により、時効中断させたいと考えております。具体的には、自宅訪問や内容証明郵便等の送付による催告、また債権回収の専門家に相談する等の手段を用いて、債権回収に努めます。また、絵画提出時点より、経済状況が回復基調にありますので、時期を見て絵画を換価処分し、債権回収を行った都度、債務承認を得ることにより消滅時効を中断させたいと考えております。


2.元職員およびその家族らの財産調査について

質問2-1:
 公社を舞台にした巨額詐欺横領事件では、警察の懸命な捜査にもかかわらず、使途不明金が14億円余りも生じてしまいました。さらに、元職員が甘楽信金(現・しののめ信金)安中支店勤務の友人で古物商の資格を持つ人物を介して、横領金を使って骨董品や古美術を多数買い付けていました。警察の事情聴取に対して、これらの購入金額をそうとう水増しして供述していることが窺え、実際の使途不明金は20億円を超えるものと質問人はみています。こうしたことから、元職員およびその家族は依然として相当な財産を隠し持っている可能性が高いと思われますが、これまでに、あるいは現在も引き続き、元職員やその家族の財産調査はしていますか?それとも何もするつもりがないのでしょうか?
質問2-2:
 元職員の実弟が経営していた運送会社「多胡運輸」が所有するアポロマークのタンクローリーが、平成20年(2008年)8月3日日曜日午前5時52分、首都高5号池袋線下りを走行中、熊野町ジャンクション内の急な右カーブを曲がり切れず横転炎上し、施設や設備、そして営業面で甚大な被害と損害を被った首都高は、3年後の平成23年8月までに多胡運輸に加えて、元請の北部トランスポート、さらには荷主の出光興産を相手取り、損害賠償請求訴訟を提起しました。その際、徹底した同社の資産及び従業員の生命保険などをあらゆる手段を講じて調べ上げて、強制差押の手続きをとりました。ところが、それに比べると貴殿が理事長を務める公社は、そのように積極的な債権回収を図っているように見えません。ぜひ、安中市民が容易に貴殿の努力が理解できるように、ホームページや広報などでとりあげて貰えませんか?
質問2-3:
 上記のような様々な債権回収手段を含め、貴殿はどのようなかたちで、債務者である元職員及びその親族に対して、対応していくおつもりでしょうか?
質問2-4:
 また、元職員及びその親族に対する財産調査はこれまでにどのように実施され、継続され、結果として債権回収にどの程度結びついたのか否か、ご教示ねがいます。
質問2-5:
 さらに元職員から、さまざまな便宜を図ってもらっていた市職員をはじめ、市議や職員OB、出入り業者らも大勢いました。残念ながら彼らの実態調査は全く手を付けられずに20年が経過してしまいました。こうしたケースではすでに消滅時効が到来していますが、責任を認めて賠償に応じる職員や職員OBもいるかもしれません。市民には滞納を厳しく戒めながら、元職員の巨額詐欺横領に対しては支払いを督促しないのでは、明らかに不公平です。少しでも多額の債権を回収する工夫と実践努力の必要があると思いますが、公社理事長である貴殿の抱負をお聞かせ下さい。


 (質問2-1、2-2、2-3、2-4、2-5につきましては債権回収に関するご質問ですので一括で回答いたします。)
 元職員本人名義の財産について可能な限り、差押えや換価処分を行うとともに、元職員本人に対して債務弁済の催告を行ってきているところですが、引き続き有効な手段を講じて債権回収に努めてまいります。また必要に応じて市民の方々にホームページ等で報告していきたいと考えております。

**********


安中市原市を走る国道18号線沿いに、安中署の東側にある群馬県信用組合の本店営業。10年近く前から、群銀OBの松井誠・理事長が就任している。この人物は、タゴ51億円事件が発覚した1995年6月まで、群馬銀行安中支店長として元職員タゴが現金を引き出しに来るたびに応接室に招き入れ、歓談するとともに、盆暮れにワインセットなどを付け届けており、警察の捜査でも事情聴取を何度も受けていた。現在でも元職員タゴには足を向けて寝られないとか。

■上記の通り、とりあえず平成22年5月14日にタゴの妻から、タゴが警察に出頭する前に親友で当時甘楽信用金庫(現・しののめ信金)安中支店に勤務していた人物に警察の目をかいくぐって隠していた絵画等6点を預けていましたが、岡田義弘市長が再選されたタイミングで、その人物から絵画等6点が返還されたため、「土地開発公社に寄贈したい」と申し入れがあった時点で、時効が中断しているというのが公社の認識のようです。

 ちなみにこの絵画等6点は、古物商の免許を持っていた親友の目利きによれば、1点数億円にのぼるという噂も当時飛び交いました。しかし、その後、公社理事長を兼務していた岡田義弘市長によれば、半分は偽物らしいということでした。

 当会では、そのころ松井田で開催された「開運!なんでも鑑定団」に出品するよう、岡田市長兼公社理事長に提案しましたが、ことごとく無視された経緯があります。

■しかし、それから早くも今年5月で6年が経過することになります。すなわち、このまま手をこまねいていると、あと4年あまりで時効が到来することになるのです。

 一方、群馬銀行への103年ローンによる和解金支払いのほうは、平成30年12月25日の20回目の支払いにより、新たな10年間の和解金支払いに関する証を平成31年12月25日までに取り交わすための交渉がはじまることになります。当然その際は、タゴの依頼でタゴの親友が隠し持っていた絵画等6点の換金を含め、あらためてタゴへの債務確認のための手続が必要になります。

 今回、公社理事長からの回答によれば、「今後絵画を換価するとともに、それに合わせて元職員から債務承認を得た時点が新たな消滅時効の起算点となると考えている」旨の記述があります。

 しかし、タゴの妻から絵画等6点は既に公社に寄贈されており、所有権は公社にあるはずです。だから、平成30年12月25日の20回目の群銀への和解金2000万円支払いから、新た根10年間の和解金支払いに関する証を平成31年12月25日までに取り交わすための交渉に入ると同時に、タゴ及びその親族に対する債権存在確認の法的手続きを取る必要があります。なぜなら、タゴからの債権回収の手続なしに群銀への和解金支払いの証は締結できないはずだからです。

■公社理事長からの回答によれば、「現状において差押え可能な本人所有の財産がないため・・・」とありますが、依然として使途不明金は14億円余り(当会の調査では20億円以上)存在しており、差押え可能な本人所有財産は必ず見つかるはずです。

 事実、首都高では、タゴの実弟が経営していた多胡運輸に対して、同社所有のタンクローリーが首都高5号線熊野町ジャンクションで横転炎上した事故で、巨額の損害賠償請求訴訟を行っていますが、多胡運輸が付保している従業員の生命保険まで徹底的に調べ上げて、強制差押え手続きをしていました。

 しかも、連帯責任者として、元請のホクブトランスポートや荷主の出光興産に対してまで、賠償請求の相手として提起しています。この論理で言えば、タゴを長期な同一職場に据え置いた前市長や歴代の公社幹部や上司、そしてタゴと一緒に競馬やマージャンをしたり、タゴから骨とう品をもらっていたりしていた市職員ら(現在その多くはOBですが)に対して、連帯責任を取らせなければ、納税者である住民としては到底納得できません。


現在の群馬銀行安中支店。外見的には21年前とさほど変わっていない。元職員タゴは毎週、ここを訪れて、偽造した払戻書を使って、安中市土地開発公社特別会計口座から毎回1千万単位で下した現金を窓口で受け取り、持参した黒色の袋に無造作に詰め込んで帰って行った。安中市・公社は毎年、タゴのこの“群銀詣で”2回分に相当する2千万円を毎年クリスマスに群銀に支払っており、これがあと86年間続くのである。

■公社理事長からの回答によれば「元職員本人名義の財産について可能な限り、差し押さえや換価処分を行うとともに、元職員本人に対して債務弁済の督促を行ってきている」とあります。

 しかし、これはウソです。なぜなら。先日の安中市長に対する行政文書開示請求によれば、公社には、最近3年間は、債務弁済の催告を行っていることがわかる情報は存在しない、ということで、不存在決定通知書が当会に送り付けられているからです。

 こうした市・公社の対応を見るにつけ、市役所の不祥事の場合、ただでさえ仲間をかばいたがる体質に加えて、タゴ51億円事件のように、タゴの世話に長年恩恵を被っていた市職員の数が膨大だったことから、安中市の場合、役所につきものの無責任体質が最大限まで発揮されていると言えます。

 当会は、タゴ51億円事件の風化に抗して、徹底的に真相究明、責任所在明確化、再発防止策徹底をスローガンに、この子々孫々に対して恥ずべき役所の犯罪について、徹底追及を行っていく所存です。


群馬県信用組合の本店営業部の西側にある安中警察署。1995年6月5日にタゴ51億円事件で元職員タゴが出頭してきたため逮捕したが、安中市役所内で巨額詐欺横領事件が発覚したのは同年5月18日とされている。この間、事件は市役所内で情報操作され、警察の初動捜査が決定的に遅れてしまったため、タゴが出頭してきたときには既に、タゴからカネをもらっていた政治関係者らが事件の幕引きを画策し、警察や検察に顔の利く高崎市内の複数の弁護士を起用し、着々と善後策を練ると共に、市役所内では夜間、夜陰に乗じて重要書類の焼却廃棄により証拠隠滅作業が進められてしまった。そのため、平成2年4月の土地開発公社特別会計口座の開設以前に、直接、公社の正規口座から関係者が公金を横領していた証拠は全て隠蔽されてしまい、警察のその後の捜査に重大な影響を及ぼした。当時、この事件を担当してた主担当の警察官は既にリタイアしており、副担当の警察官も現在幹部クラスとなっているものと思われる。

【ひらく会情報部】

※参考情報
●群馬銀行との民事訴訟に関わる和解以降の経緯
http://www.city.annaka.gunma.jp/kouhou/pdf/pdf2102/P8.pdf
gunmaginkou_tono_minjisoshou_ni_kakawaru_wakaiikou_no_keii.pdf









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毎回千人単位で観劇ツアーを無登録で開いた「姫」の旅行業違反容疑に対して東京地検から不起訴処分通知

2016-01-29 23:01:00 | 政治とカネ
■市民オンブズマン群馬では、小渕優子・元経産相の政治資金不正支出に関して、これまで告発を通して、その実態の解明を司直に要請しましたが、残念ながら、ワイン配布に見られる公職選挙法違反容疑はおろか、政治資金規正法違反(不記載、虚偽記載)のどちらもお咎めなし、という酷い結果におわりました。一方、東京の明治座へ毎年バス20数台を連ねて午前と午後2ラウンドの観劇ツアーを行っていた件では、旅行業法の登録をしていないにもかかわらず、毎年、観劇ツアーを企画し、後援会会員=顧客から参加費を徴収していたことから、旅行業法違反容疑で「姫」を東京地検に告発していました。

東京地検から届いた「姫」の旅行業違反容疑に係る当会の告発に対する不起訴処分通知が同封された封筒。



 ところが、甘利大臣の賄賂疑惑問題が週刊誌で騒がれはじめ、政治資金規正法やあっせん収賄処罰法容疑での告発が俄かに現実味を帯びてきた矢先に、なんと東京地検から、「姫」の不起訴処分通知書が送られてきました。

**********20160126midqsj.pdf
          処分通知書
                    平成28年1月26日
 告発人 鈴木 庸 殿
            東京地方検察庁
             検察官検事  小 嶋 英 夫
 貴殿から平成27年6月23日付けで告発のあった次の被疑事件は,下記の通り処分したので通知します。
             記
1 被 疑 者   小 渕 優 子
2 罪   名   旅行業法違反
3 事 件 番 号   平成28年検第2002号
4 処分年月日   平成28年1月26日
5 処 分 区 分   不起訴
**********

■おどろきました。検察はなんとしてでも、「姫」には罪を着せられない、という強い方針を持っているのでしょうか。「姫」が観劇ツアーに際して、旅行業法に基づく登録をしていたという証拠は確認できません。だから、旅行業法に照らせば、違反行為になるはずです。

 事実、当会の会員の場合、直接、客との間で金銭の授受はありませんでしたが、旅行業法にもとづく登録をしていなかった、という罪で、罰金30万円の有罪判決が確定しています。代議士が同じように旅行業法の登録をせずにツアーを企画して、しかも参加者から直接金銭を集めていても、検察は見逃したことになります。

 これでは、代議士への配慮では済まされません。我が国の司法の二重基準として、とくに政治家にたいして、繰り返される悪弊が、先日の公職選挙法・政治資金規正法不起訴処分に続いて今回も「姫」に適用されてしまったからです。無法国家である中国のことを、バカにすることはできなくなります。

■とりあえず、不起訴処分になった理由が、「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「不起訴相当」のどれだったのか、確認する必要があるため、当会ではさっそく次の文書を、東京地検に簡易書留で郵送にて提出しました。

**********
20160129snirmfidqsj.pdf
                    平成28年1月29日
〒100-8903 東京都千代田区霞が関1丁目1 番1号
東京地方検察庁
 検察官検事 小 嶋 英 夫 様
                   告発人
                    〒379-0114
                    群馬県安中市980
                     小川 賢   ㊞
                   同
                    〒371-0801
                    群馬県前橋市文京町一丁目15‐10
                     鈴木 庸   ㊞
     不起訴裁定主文及びその理由についての確認請求
 御庁から平成28年1月26日付けで郵送された処分通知書について、告発人らは、刑事訴訟法第261条に基づき、不起訴処分とされた下記被疑事件に関して、貴殿が判断した不起訴裁定主文及びその理由について、ここに確認の請求をいたします。
          記
 1 被疑者      小渕優子
 2 罪名       旅行業法違反
 3 事件番号     平成28年検第2002号
 4 処分年月日    平成28年1月26日
 5 処分区分     不起訴
                      以上
**********

■不起訴処分の理由が判明したら、次の方策を検討する予定です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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1週間後あっさり現金授受を認め閣僚辞任した甘利大臣に問われる代議士としての矜持とは?

2016-01-28 23:10:00 | 政治とカネ
■先週の週刊誌の記事をきっかけに、甘利大臣の政治とカネの問題は、本日発売の週刊誌の記事第2弾で、甘利大臣のウソが暴かれ、甘利大臣もそれを認めざるを得なくなり、あえなく閣僚辞任となりました。そもそも1週間かけて調査をするというのは、単なる時間稼ぎであったわけです。その間、公費を使ってスイスのダボスに閣僚としての最後の出張を、国会承認もなくさせてもらったのも、盟友である安倍晋三の心づくしだったようです。というのは、数日前には、すでに閣僚辞任を覚悟していたと見られているからです。


 しかし、週刊誌で指摘されている金銭授受疑惑は、もはや疑惑ではなく、口利き、あっせん、賄賂の犯罪態様を示しており、閣僚辞任では済まされず、刑事罰による議員辞職という結末が通常は想定されるのですが、群馬5区の女性代議士の例もあり、先行きの司法対応は予断が許されません。

 では、 甘利大臣の閣僚辞任を報じる記事を見てみましょう。

**********NHK2016年1月28日 19時08分
20160128tt1.pdf
20160128tt2.pdf
20160128tt3.pdf
甘利大臣 現金受け取り認め閣僚辞任を表明

 甘利経済再生担当大臣は、事務所が建設会社から現金を提供されたなどと報じられたことを受けて記者会見し、建設会社の関係者からの政治献金を受け取っていたことを認めました。そのうえで、「閣僚としての責務、および政治家としての矜持(きょうじ)に鑑み、本日ここに閣僚の職を辞することにした」と述べ、今後の国会審議への影響などを考慮し、閣僚を辞任する意向を明らかにしました。
 甘利経済再生担当大臣は、みずからの事務所が千葉県の建設会社から現金を提供されたなどと、先週、報じられたことを受けて、みずからが関わったとされている点について説明するため、午後5時から内閣府で記者会見しました。
 冒頭、甘利大臣は、「私を巡る今回の週刊誌報道の件で、国民の皆さまにご心配をおかけしていることにつきまして、深くおわびを申し上げる」と述べました。
 そして、甘利大臣は、「閣僚のポストは重いが、政治家としてのけじめをつけること、自分を律することはもっと重い。政治家は結果責任であり、国民の信頼の上にある。何ら国民に恥じることをしていないとしても、私の監督下にある事務所が招いた国民の政治不信を『秘書のせいだ』と責任転嫁することはできない。それは私の政治家としての美学、生きざまに反する」と述べました。
 そのうえで甘利大臣は、「デフレから脱却し、強い経済を実現するためには、新年度予算案および重要関連法案の、一刻も早い成立こそが求められており、その阻害要因となるものは、取り除いていかなければならない。私もその例外ではない」と述べるとともに、「国会議員として、秘書の監督責任、閣僚としての責務、および政治家としての矜持に鑑み、本日ここに閣僚の職を辞することにした」と述べ、今後の国会審議への影響などを考慮し、閣僚を辞任する意向を明らかにしました。
 また甘利大臣は、安倍総理大臣に対し、記者会見の直前に閣僚を辞任する意向を伝え、慰留されたことを明らかにしました。
 一方、甘利大臣は、平成25年11月に大臣室で、また、おととしの2月に神奈川県大和市のみずからの事務所で、それぞれ建設会社の関係者と面会した際、いずれも50万円の現金を受け取ったことを認めたうえで、政治資金収支報告書に記載していると説明しました。
さらに甘利大臣は、平成25年8月に神奈川県大和市のみずからの事務所で、秘書が建設会社の関係者と面会し、現金500万円を受け取ったことを認めたうえで、このうち200万円は適切に会計処理したものの、残りの300万円は秘書が個人的に使っていたことが分かったと説明しました。
 そのうえで甘利大臣は、「建設会社の関係者からの政治献金については、選挙管理委員会とも相談したうえで、すべて返金するよう事務所に指示をした」と述べました。
 また甘利大臣は、「この秘書と別の秘書の2人が、建設会社の関係者から、金銭授受などの接待を多数回にわたり受けている事実は認めているということで、調査をしている弁護士を通じて、2人から辞表が提出された」と述べました。

●首相「残念だが甘利大臣の意思を尊重」
 安倍総理大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し、「甘利大臣からは、政治資金の問題について、『みずからに関わることについて違法なことは一切ないが、事務所や秘書に対する監督責任があり、また国政に停滞をもたらすようなことがあってはならない。辞任をしたい』という申し入れがあった」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、「甘利大臣には、この3年間、安倍政権発足以来、TPP=環太平洋パートナーシップ協定交渉、そしてアベノミクスの推進役として本当によく頑張っていただいた。大変残念だが、甘利大臣の意思を尊重することとした。任命責任は私にある。こうした事態になったことについて国民の皆様に深くおわび申し上げたい」と述べました。
日商会頭「経済界にとっては損失だ」
 甘利経済再生担当大臣が閣僚を辞任する意向を明らかにしたことについて、政府の産業競争力会議の民間議員も務めている日本商工会議所の三村会頭は、東京都内で記者団に対し、「重要閣僚の辞任は大変なことで、経済界としても重く受け止めている。政治とカネの問題は与野党を問わず厳正に対処しなければならず、こういう事態になるのだと改めて感じた」と述べました。
 また、「甘利大臣はTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉を成功に導いたが、甘利大臣個人の力が強かったし、経済再生や財政再建などにも力を発揮された。経済界にとっては率直にいって損失だ。ただ、新年度の予算案やTPP関連の法案など重要法案がめじろ押しで、来月4日にはTPPの署名式もある。
 一日も早く国会が正常化し、重要法案が正常に審議されることを望んでいる。あとはチームプレーで全員野球で対処してもらうしかない」と述べました。
 一方、後任に自民党の石原元幹事長の起用が決まったことについて「確実になって正式に発表されるまでコメントは控えたいが、いずれにしても大変な立場なのでこころからエールを送りたい」と述べました。

●海外メディアも速報
 甘利経済再生担当大臣が閣僚を辞任する意向を明らかにしたことについて、海外のメディアは速報で伝え、高い関心を示しています。
 ロイター通信は甘利大臣が建設会社から現金を受け取っていたことを認め閣僚を辞任することになったと報じたうえで、「甘利大臣は安倍総理大臣に近く、内閣の中心的なメンバーとしてTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉で主導的な役割を果たしていた」と伝えています。
 また、アメリカの大手メディアブルームバーグは「デフレから脱却しようと進められているアベノミクスにとって辞任は致命的だ。安倍政権にとってことしの夏に行われる参議院選挙で悩みの種となるだろう」と報じています。
 さらにフランスのAFP通信は「安倍総理大臣が2012年に就任してからほかに3人の大臣が辞任に追い込まれていてこうした金銭を巡る不祥事が日本の政界で相次いでいる」と伝えています。
**********

■このように、政治とカネの呪縛から逃れることのできない我が国の政治体制は、海外からみると、中国と同一視されかねなせん。自民党という金権体質がさらにそれに拍車をかけています。

 当会は引き続き、我が国の政治風土を象徴する政治とカネの問題について注目していきたいと思います。

【ひらく会事務局からの報告】

※週刊誌の第2弾記事
**********週刊文春2016年2月4日号(1月28日発売)
甘利大臣事務所の嘘と「告発」の理由 実名告発第2弾
「私が甘利大臣に百万円手渡したのは紛れもない事実です。当時のメモ、音声など、決定的な証拠はすべて揃っています。私は甘利家と古い縁があり、総理の観桜会にも招待されました。今回の告発について、私の背景を怪しむ声も耳にします。ならば決断に至った真相を包み隠さずお話ししましょう」

安倍政権を直撃した甘利明TPP担当大臣事務所の収賄疑惑。甘利氏や事務所関係者、さらに自民党幹部は「嵌められた」「罠」などと姑息な冨い訳を繰り返すばかりで、確たる説明はいまだない。焦点の五十万円授受、告発の動機は……。一色武氏の衝撃告発第二弾。

「記憶があいまいなところもあります」
「いま事実関係、記憶を辿っているところであります」
 一月二十一日、参院決算委員会で答弁に立った甘利明TPP担当大臣(66)は、小誌が報じた『甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した』と題する記事に関する質問に、こう答えることしかできなかった。
 翌日の会見でも、大臣室や地元事務所で甘利氏本人が現金五十万円を受け取ったかとの問いに、「記憶と報道の違いを検証しているところなので、今まで以上のことはいうことはできない」と、授受を明確に否定しなかった。いや、否定できるはずがないのである。

始まった告発者への攻撃

「二〇一三年十一月十四日は大臣室で、一四年二月一日は甘利氏の地元である大和市の事務所で、大臣にそれぞれ五十万円をお渡ししています。大臣室では、うちの社長が、木の箱に入ったとらやの羊羹と一緒に紙袋の中に、封筒に入れた現金五十万円を添えて、『お礼です』と言って手渡しました。甘利氏は『ああ』と言って五十万円の入った封筒を取り出し、スーツの内ポケットにしまったのです。
 大和事務所では、私が直接、大臣にやはり五十万円を封筒に入れてお渡ししています」
 こう語るのは一色武氏(62)。小誌先週号で、甘利氏と秘書たちへの千二百万円にのぼる金銭提供を実名告発した人物である。一色氏は千葉県白井市にある建設会社『S社』の総務担当者として、独立行政法人都市再生機構(UR)との道路建設を巡る補價交渉にあたってきた。一色氏は交渉を有利に進めるべく、甘利氏の公設第一秘書で、大和事務所所長でもある清島健一氏(39)に口利きを依頼。その過程で、多額の現金を甘利氏や清島氏、現・政策秘書の鈴木陵允(りょうすけ)氏らに手渡してきたのだ。
 記憶が「あいまい」という甘利氏本人の金銭授受について一色氏はこう語る。
「大臣は二十八日までに調査結果を公表されるとのことですので、それを待ちたいと思いますが、記憶を呼び起こしていただくためにも、一四年二月の大和事務所での金銭授受について、若干補足したいと思います。
 この日、私は大和事務所で甘利大臣に、URとの卜ラプルについて、資料を基にご説明しました。ここで大臣が、資料の中身について、私にいくつか質問をされました。そして、甘利氏には、封筒に入った現金五十万円を受け取った後、『パーティー券にして』とおっしゃいました。しかし、私が『いや、個人的なお金ですから(受け取ってください)』と言うと、大臣室の時と同様に、甘利氏は内ポケットに封筒をしまわれたのです。
 ちなみに、私との写真は清島所長が記念写真として撮って、その後、会食した時に渡してくれたものです。
 この年の十一月、横浜のホテルで、『甘利明君を囲む会』がありました。その会場で甘利大臣は、私に『その後、うまくいってますか?』と声をかけてくれ たのです」
 先週号の一色氏による詳細な告発に、首相官邸は衝撃を受けた。そして、甘利氏に“調査”と称して時間稼ぎをさせる一方で始めたのが、一色氏に対するネガティブキャンペーンだった。
 発売日の二十一日夜、議員宿舎でのオフレコ取材に菅義偉官房長官は、「(一色氏は)その筋の入らしいね」
 と発言。二十三日には、自民党の高村正彦副総裁が公然と「(一色氏に)罠を仕掛けられた感がある」などと“援護射撃”し、ついに甘利氏本人も「先方は最初から隠し録音をし、写真を撮ることを目的とした人たち」と追随した。
 右翼団体に所属していた当時の一色氏の名刺がバラまかれ、官邸のストーリーに乗って後追いするメディアまであるという。
 一色氏は淡々とこう語る。
「実名で告発する以上、こうした攻撃を受けることは覚悟していました。その団体に所属し、三年ほど政治活動していた時期もありましたが、私は過去に逮捕されたこともありませんし、“その筋の人”でもありません。
 恐喝していたのではないかという人までいるようですが、逆に私が大臣や秘書に多額の金を渡しているのです。実名で告発することは不利益こそあれ、私にメリットなどありません。もちろん、URとの補償交渉を有利に進めるために口利きを依頼し金を渡しているのですから、ほめられたことをしているわけではないのは承知しています。
 ただ、甘利氏を「嵌める」ために三年にわたる補償交渉や多額の金銭授受を行うなんて、とても金と労力に見合いません。
 実は、一色氏と甘利氏との関係は、金銭授受以前にさかのぼるという。

甘利氏の父親とも面識が

「私は二十代の頃から主に不動産関係の仕事をしており、甘利大臣のお父さんで衆議院議員だった甘利正さんとも面識がありました。
 明氏と初めて会ったのは、まだ大臣がソニーに勤めていらっしゃった頃かと思います。厚木の料亭『S』で、正さんらとの会食に参加させてもらったとき、そこに明氏も同席していたのを覚えてぃます。
 当時、本厚木駅の近くに甘利氏の名前をとった通称“アキラビル”というのがあり、このワンフロアに、不動産関係の仕事をしていた正さんの弟や地元の建設関係の仲間たちが集まり、よく情報交換をしていました。
 正さんのご自宅には何度もお邪魔したことがあります。当時、厚木の依知(えち)という地区に大きな屋敷がありました。正さんは、親分気質の方で、その屋敷に不動産関係の仲間がたくさん来ていた。正さんの書生をやっておられたIさんとも親しくさせていただいていました。
 そのIさんに連れられて、一九九六年から一九九七年ごろ、既に議員だった明氏に相談を持ちかけたこともあります。ある漁業権の売買に関する相談事があり、Iさんが、『明君に相談へいこう』と言い、大和事務所を訪れ、本人に応接室で対応してぃただいたのです。
 甘利家とは、昔からそんなご縁があり、私は清島氏が大和事務所に来るかなり前から、甘利事務所の秘書さんたちとはお付き合いさせていただいていました。
 また、月一回行われている勉強会『甘利明アカデミー』や政治資金パーティの「甘利明君を囲む会」にも何度も参加しています。
 URの件で、清島所長に金を渡すようになった後、二〇一四年四月には安倍晋三総理主催の「桜を見る会」にもご招待いただきました。私が大和事務所で甘利大臣に五十万円を渡してから二ヵ月後のことです。清島所長からのお誘いでした。当時大人気だった芸人のスギちゃんもいて、大臣の親族の店に昔よく来ていた関係で招待されたそうです」
 一色氏が、録音や渡したピン札のコピーなど、多数の“物証”を残していることについて、いぶかしむ声もある。
「口利きを依頼し金を渡すことには、こちらにも大きなリスクがあるのです。依頼する相手は権力者ですから、いつ私のような者が、切り捨てられるかわからない。そうした警戒心から詳細なメモや記録を残してきたのです。そもそも、これだけの証拠がなければ、今回の私の告発を誰が信じてくれたでしょうか?
 万一、自分の身に何かが起きたり、相手が私だけに罪をかぶせてきても、証拠を残していれば自分の身を守ることができる。そして、その考えは間違っていませんでした」
 先週号で小誌は、URから補償金約二億二千万円が出た見返りとして、二〇一三年八月二十日、一色氏が清島氏に五百万円を渡したとの証言を掲載した。小誌発売後、朝日新聞などの報道によれば、清島氏はこの五百万円のうち、三百万円を一色氏に返したと後援者に説明しているという。
「三百万円を私がネコバパしたという噂も流されているようです。まさに私が危惧していた通りになりました。もちろん三百万円は、返してもらっていません。
 あの日のことを正確に説明しましょう。実は、私が大和事務所に持っていったのは現金一千万円でした。一千万円を清島氏に差し出したのですが、半分の五百万円は、「これは別の機会に」と清島所長から返されたのです。ですから、清島所長が実際に受け取ったのは、当初もらった領収書の通りの五百万円です。
 私は先週号で、約千二百万円を甘利大臣や秘書たちに渡したと証言しました。ただ、それは確実な証拠が残っている分だけで、私の記憶では、渡した金銭や接待の総額は数干万円にのぼるはずです。時の権力者を告発する以上は、正確にも正確を期して、裁判にも耐えうるよう、証拠の残っているものだけに限定してお話ししたのです。
 清島所長は、最初に五百万円を返し、また別の日に三百万円を返したと言うのでしょうか? 三百万円を返したと言うなら、いつ、どこで返したのか、私の証言と同様に詳細に説明すべきです。私は、こうした事態に備えて、詳細な行動記録をつけてきました。反論する準備はできています」
 さらに、小誌が清島氏の現金授受現場の写真や甘利事務所がURとの交渉に関与している場面の写真を掲載したことについても驚きと疑問の声があがった。あまりに決定的な瞬間だけに「罠に嵌めた」のではないかというのだ。そうした誤解をとくためにも、異例ではあるが、小誌の取材経緯を明らかにしておこう。

「私を銀座一のママにして」

 小誌が一色氏から、甘利事務所への口利きに関する具体的な話を聞いたのは、昨年八月二十七日のことだ。
 一色氏が甘利事務所の秘書たちと、毎週のように昼食を共にし、夜の接待を繰り返して、URや国交省への口利きを依頼し、さらに現金まで渡しているという話は、にわかに信じがたいものだった。
 小誌は長期にわたり裏付け取材を進めた。特に重視したのは、証言だけでなく、第三者にも分かる写真などの客観的な証拠をおさえることだった。
 まず、一色氏や甘利事務所の秘書たちの行動確認を始めた。彼らがほぼ毎週昼食をとるという店で張り込んでいると、九月七日、一色氏が清島氏や鈴木氏と連れ立って現れた。
 その後も、行動確認を続けると、ほぼ彼らの行動パターンがわかってきた。行きつけの居酒屋からフィリピンパブヘと流れる彼らの姿も複数回確認できた。ある日、記者が店内に入ると、清島氏は満面の笑みを浮かべ、隣の女性と談笑していた。清島氏の席についていたホステスのY嬢を呼び、話を聞いてみると、「あの人?清島さんね。よく来るよ」
 そして、十月十九日、一色氏と清島氏が毎週ほぼ同じ時間に現れる喫茶店「F」で張り込んでぃたところ、ついに現金授受の瞬間をカメラでとらえることに成功したのである。
 一色氏が述懐する。
「この頃から、私は甘利事務所に不信感を抱くようになっていました」
 二〇一三年に清島氏に相談したことがきっかけで進展したURとの交渉。この時、約二億二千万円の補償金を得たことで、一色氏は甘利事務所への信頼を深めた。しかし、この後の産廃撤去を巡る約三十億円規模の補償交渉は難航する。
「六十を過ぎた私が、年の離れた彼らに何度も何度も頭を下げてきましたが、情けないことに、結局騙されていたことにようやく気づき始めたのです。彼らにとって、私はキャッシュディスペンサーにすぎなかった。彼らはフィリピンパブやキャパクラ、銀座に行きたくなると、『URの件で打ち合わせしましょう』と私を呼び出し、金を払わせるのです。
 清島所長は、数百円のコーヒー代や、車のコインパーキング代すら自分で支払ったことはありません。鈴木さんも、事務所に持って帰るからと、メロンパンまで買わせる始末です。私は彼らにパカにされていると自覚しつつも、URとの交渉のためにじっと耐えてきました。
 しかし、いくら彼らを接待し、金を渡しても、URとの交渉はいつまでたっても前に進まない。私にも我慢の限界があります。もう甘利事務所とは決別することにしたのです」
 一色氏が、録音やメモなどの詳細な記録を小誌に提供したのは今年一月のことだった。
 記録には、一色氏に決別を決意させた清島氏らの“タカリ”の様子が克明に残っている。
 昨年九月十七日、清島氏は、居酒屋でウーロンハイを飲みながら、一通り料理を食べ尽くすと、おもむろにこう切り出した。
〈今日も一色さん行きそうなんで、「行くかも」ってメールを打ってるんで。(D店の)Aさんと、S(店)のYさんに。でも、行くかも、にしてるんで。一色さんが心変わりしてB(店)に行きたいとか始まったらハハハ。どこでどうなるかわからない。だって蛇口は一色さんが握ってるんですよ。この辺の蛇口は〉(アルファベットは仮名、以下同)
 金の“蛇口”である一色氏に、フィリピンパプ接待をおねだりする清島氏。この日、居酒屋も二次会の多国籍クラプ、三次会のフィリピンパブも、支払いは全て一色氏だった。
 清島氏は、フィリピンパプ好きが高じて、一色氏と店を共同経営する話に乗り気になっていた。店のママを誰にするかについて、清島氏はこう熱く語っている。
〈(候補は)いますよ。政治の関係で知り合ったんですけど、四十過ぎてますけど、経営的には、経営学がしっかりしています〉
 鈴木氏も負けていない。
「鈴木さんとは、URの件が無事に決着したら、その見返りに銀座でクラブでも経営しようという話になっていました。彼は、入れあげていた高級クラプ「B」のホステスから、「私を銀座一のママにして」と言われたそうなのです。鈴木さんは、甘利氏の後援会の人脈で大手ゼネコンの顧問や大手飲料メーカーの幹部と昵懇だといい、そうしたVIPを店に連れてくれば、売り上げも見込めるし、ホステスを銀座で一番にできるねとも話していました」(一色氏)

「顔立てるっつったよな」

「銀座ホステス」の件は、鈴木氏にとって、口利きの大きな“モチペーション”になっていたようだ。清島氏は昨年十一月十三日、鈴木氏をこう鼓舞したと一色氏に説明している。
〈URの件、(鈴木に)がんばれがんぱれっていう会話をしてたわけ。してたの。鈴木君が握ってるんだよ。いま仕事で大きな案件があってね、それによってママの夢を叶えられるかが決まってるんだよ、みたいな話をしたんです〉
 もちろん、タカリだけでなく、あっせん利得処罰法に触れかねないURへの口利き、謝礼の授受現場の発言も多数録音が残っている。
 前出の昨年九月十七日には、いつものように清島氏は“経費”十五万円を受け取った後、こんな会話を交わしている。
一色氏〈いろいろ経費かかると思いますがURの件で何卒よろしくお願いします〉
清島氏〈がんばります〉
 清島氏と鈴木氏から、口利きのために、金銭提供を要求することもあった。
「昨年三月頃、鈴木さんが国交省の局長に口利きを依頼し、商品券五万円を渡したと言うので接待費とあわせて計十万円を渡しました。翌月には、さらに『三十万円くらい経費が必要だ』と言われ、清島所長に渡しました。昨年七月にも同じ局長に口利きをお願いしたようですが、この時は『何か逃げた雰囲気があって、今回は渡さなくて良かった』と言っていました」(一色氏)
 この局長は小誌の取材に、「(昨年三月と七月に甘利氏側から)問い合わせがあった。商品券は受け取っていない」と回答した。
 ただ、この“国交省ルート”によるURとの交渉はうまく進まなかった。
「そこで昨年九月十七日、清島所長に改めて相談したのです。そうすると『もう一回仕切り直しましょう。甘利事務所で根回しして、決裁権のある人を出してもらいましょうかね』と言われました」
 この日、清島氏は二通りの方法を提案した。
〈正規ルートでは、鈴木の方から現場の担当に上の人間を紹介しろと。で、S
(社)さんが直接話をするからと。それが一つ。
 で、もう一つは、こちらから、どうなりました?っていう確認を入れると。本社に〉
 甘利事務所が関与して、“正規ルート”と“本社ルート”の二方向でURへ話を通すというのだ。ここから、甘利事務所の口利きは一層露骨になっていく。
 昨年十月五日、“正規ルート”によって、UR総務部の国会担当職員が大和事務所に呼び出された。
 交渉直前、清島氏は一色氏に〈こっちも(URを)追い詰めていかないと〉と意気込みを語っている。
 国会担当職員が大和事務所に姿を見せると、まず鈴木氏がこうまくし立てた。
〈ご相談事というのは、用地買収の部分で御社役員の方とお話をしたいっていうのが主なんですけど〉
 一色氏がこれまでの事情を説明すると、鈴木氏がURに圧力をかける。
〈千葉のURの理事か何かいるよね。あのへん出してもらって、会社としてどのように現状を把握しているのか、というのを聞いていただいて。そういうのは可能ですかね〉
 先週号でも紹介したように、補償交渉の資料に目を通した鈴木氏が、〈私、前向きだと思ったんだけど〉と尋ね、国会担当職員が〈後ろか前かで言ったら、前かと〉と応じる一幕もあった。
 十月二十七日、一色氏はUR側から連絡を受け、UR千葉ニュータウン事業本部を訪れた。この時、一色氏が、今回の交渉がセッティングされた経緯を尋ねると、URは次のように答えている。
 〈(一色氏が)甘利事務所の鈴木秘書に会われて、今回の補償の案件について、ちょっと要望されたというふうに伺っておりまして。それは鈴木秘書が仲立ちしていただきまして、ちょっと業者の人に会っていただけないかということで〉
 同じ日、議員会館の甘利事務所にURの総務部長と前出の国会担当職員が姿を見せたと、清島氏は一色氏に説明したという。
 清島氏は、この日の鈴木氏のURへの“威圧”ぶりを自慢気に語っている。
〈開ロ一番威圧したんですよ。私たちは、今までこれほどこじれた話なんだから、現場ではなく、ちゃんと本社に持って帰る話だろうという話をしてたんです〉
〈最初にガツンと会った瞬間に「あんたたち、俺たちの顔立てるっつったよな、わかんなかったの?」って言ったから。だぶん(UR側は)「いや、違います」と言い訳(をしていた)〉
〈こっちが威圧したから取り繕うような話になったんですけれどね〉

大臣の名前をチラつかせて

 さらに、清島氏は一色氏に対し、補償金額を具体的に要求するようアドバイスしてぃる。甘利事務所が補償交渉により介入しやすくするためにも、大まかな数字を出すべきだと言うのだ。
〈一応推定二十億かかりますとか、そういうなんか言葉にして欲しいんですよね。実際の金額について細かいとこまで絡めないんですよ。こういうところは今だったらギリギリ絡めるんで〉
〈今回(甘利事務所が)出ることによって、少しでも話がつきやすくなるのであればと思って、ギリギリの線出たんで〉
 十一月十二日には、鈴木氏が、千葉で行われた一色氏とURとの交渉にも同席した。
「この日、鈴木さんに結婚祝い五万円、車代三万円を手渡しました」(一色氏)
 交渉を終え、鈴木氏は一色氏にこう感想を漏らした。
〈こういうのなんだなってのが分かったし、次、打開策じゃないですけど、やり方も出てくると思います》
 一色氏が〈今日夜(URから)また電話来ますよ〉と言うと、、鈴木氏は〈そしたらまた教えて下さいよ。これこれこうで、と進め方も考えられるんじゃないですかね〉と応じた。
 そして十二月一日、清島氏は再びURの総務部長を大和事務所に呼び出した。清島氏は交渉の様子を一色氏に後にこう報告した。
〈「駄目なら駄目なりにね、なんで値段上げられないのかね」って言ったら、「そうですよね」と〉
 金の話をした上で、大臣の名前をチラつかせて、圧力をかけたと言うのだ。
〈「大臣もこの案件については知っているんで、こっちもちゃんと返事を返さなくちゃいけないんですよ」と言ったら、(UR側は)大臣のポスター見て「そりゃすぐやんないと駄目ですね」とか言って〉
 この頃になると、清島氏は「甘利事務所」の名前を公然と出すことをためらわなくなっていた。
〈あんだけ(自分が)「甘利事務所の名が出るのが嫌だ」って言いながら、もうここまで出たからいいやって、開き直ったんですけど、ハハハ。まだどう転ぶか、向こうから返事ないんで。でも、もうかなりこれは向こうを追い詰めたというか〉
 十二月十六日、清島氏はまたもURの総務部長を大和事務所に呼び出した。
〈雑談をした時、(UR側は)「これ以上、甘利先生のところが深入りするのは、自分としても良くないと思います」と、そこから始まりました。そうはいっても、(私は)「うちは(一色氏とは)縁は切れませんよ」と。「だから、ちゃんと結論としては何かを出していただくしかないですよ」と言ったんです》
 清島氏は、先週号で、URへの口利きについて質した小誌にこう答えた。
「うちとしては頼まれればどういう経緯なのか、問い合わせをするのは確かなんですよ」
 しかし、録音記録は、甘利事務所の行為が単なる「問い合わせ」ではなく、「口利き」であることを物語っている。
 一連の交渉について、URに確認を求めたが、「調査中」との回答だった。甘利事務所にも、質問状を送ったが、先週同様、回答はなかった。
 国民の血税から多額の給与を受ける国会議員とその公設秘書が、権力を金に換えていたとすれば、これまさしくゲスの極みというほかあるまい。

**********2016年2月4日号(1月28日発売)

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首相主催の「観桜会」に告発者を招待
甘利大臣、憶えておいででしょうか?
 満開の桜の下、満面の笑顔の甘利明TPP担当大臣(66)。そしてその横には、なぜかノースリーブのスーツを着たお笑い芸人のスギちゃんが……。
 意外な組み合わせが興味深い写真だが、実はこれ、いま永田町を播るがしている甘利氏の疑惑に深く関わるもの。
 小誌先週号で甘利氏とその秘書に約二百万円を現金や接待で渡したと実名告発した、千葉県の建設会社「S」の総務担当者、一色武氏(62)が語る。
「二○一四年四月、私は新宿御苑で行われた安倍首相主催の「桜を見る会」に参加し、甘利大臣と記念写真を撮ったのです。会には、大臣の公設第一秘書の清島健一氏(39)に誘って頂きました。一隋にいたスギちゃんは、大臣の親戚の知り合いだそうです」
 小誌報道後の一月二十一日、国会での野党の厳しい追及に、甘利氏は一色氏との面会は認めたものの、金銭授受については「配憬が曖昧なところがある」と逃げの答弁。ところが翌日の記者会見では、「私の記憧が間違っていないと自信はある」と一転強気に。かと思えば、二十五日の会見では「(一色氏は)色々ネット上でも(素性を疑う)情報が飛び交っています」と、真偽不明の情報を元に一色氏を攻撃してきた。
 二月四日にTPP署名という国の大事を控える中、担当大臣の記憶にこのように揺らぎが見られるのは誠に心配なことだ。甘利氏にはこの写真をよーくご覧頂き、一色氏との関係を今度しっかり思い出していただきたい。(特集記事も併せてお読み下さい)

**********LITERA2016年1月27日
甘利大臣、続投方針も「文春」が第二弾でトドメの詳細証言! 告発者は安倍首相の「桜を見る会」に参加していた

衆議院議員 甘利明 公式サイトより
 先週の「週刊文春」(文藝春秋)で賄賂の告発を受けた甘利明経済再生担当相だが、明日、28日の「週刊文春」第二弾の発売を待たず、安倍政権は「続投」の方針を打ち出した。
 実名告発の上、物的証拠もそろった決定的なスキャンダルということで、この数日は永田町でも「辞任必至」という声が大勢をしめていたが、安倍首相のツルの一声で、続投が決まったらしい。
「甘利大臣は安倍首相にとって、首相復帰の立役者のひとり。安倍首相は『甘利氏をTPPの調印式に行かせたい』の一点張りで、聞く耳を持たなかったらしい。それでとにかくぎりぎりまで甘利氏を守るということになった」
 まったく政治の私物化もはなはだしいが、安倍首相にこの決断をさせたのは、数日前から流れていた謀略説だった。
 実際、昨日の本サイト記事でも指摘したように、官邸と自民党はしきりに謀略説を流していた。曰く「最初から告発目的で仕掛けていた」「告発者と週刊文春がワナにはめた」「告発者は甘利事務所に恐喝を仕掛けていた」……。菅官房長官に至ってはオフレコ懇談で記者に「告発者はそのスジの人物」と明言していたという。
「さらに、一昨日くらいになると、第二弾には完全なガセ情報が含まれているという話が流れ、これを指摘すれば、一気に形勢逆転、逃げ切れるという見方に傾いた」(全国紙政治部記者)
 だが、安倍首相や官邸はとんだ思い違いをしていたようだ。明日発売の「週刊文春」第二弾は、ガセどころか、官邸や自民党の流す謀略説を真っ向から否定し、甘利大臣にトドメを刺すような事実を指摘しているという。
 さらに決定的なのは、2014年、甘利大臣に50万円を渡したやりとりを第一弾よりももっと詳細に証言していることだという。
「甘利大臣側は封筒の中身を知らなかった、ということにしたがっているようですが、『文春』の第二弾では、甘利大臣に告発者が『個人的なお金ですから受け取ってください』と説明していたことを証言しているようです。当然、この部分もテープがあり、甘利大臣は言い逃れできないはずです」(週刊誌関係者)
 しかも、この50万円受け渡しの際には、甘利大臣に告発者が直接、2回目の陳情を行なっており、これは明らかに「不正の請託」にあたる。もはやあっせん利得罪はさけられないし、場合によっては、「受託収賄罪」が成立する可能性もある。
 さらにもうひとつ、興味深いのは、この賄賂を渡した2ヶ月後、この告発者が安倍首相の「桜を見る会」にも招待されていることだ。明日発売の「週刊文春」ではその写真も掲載されているという。
 安倍首相が必死で甘利大臣をかばおうとしているのは、もしかしたら、こうしたつながりで自分に火の粉がかかるのを恐れているからなのか。
 いずれにしても、こんな疑惑だらけの状況で、続投を強行するというのは信じられないが、その根本的な背景には、今のマスコミと野党の体たらくがある。
「今回の疑惑は本当に決定的で、それこそ昔なら内閣総辞職ものですよ。ところが、今は、マスコミも野党も安倍政権に完全になめられていて、大臣辞職すらさせられない。官邸はきっと、こっちが恫喝すれば、マスコミなんて黙らせることができると踏んでいるんでしょう」(ベテラン政治部記者)
 実際、今日の『ひるおび!』(TBS系)などでは、安倍首相の応援団である時事通信社の田崎史郎解説委員が登場し、「甘利さんは封筒に現金が入っているのを知らなかった」「TPPは甘利さんだったからまとまったとアメリカ側も思ってる。(安倍さんが)調印式に行かせてやりたいと思うのは当然」などと、政権の言い分をそのまま垂れ流していた。
 新聞も、甘利事務所側が300万円を告発者に返却していたと報じるなど(告発者は受け取っていないと主張)、なぜか、甘利事務所に肩入れするような記事をやたら連発している。
 だが、この決定的な疑惑で甘利大臣の続投が許されるなら、もはや、この国では、為政者がどんな不正を働いても処罰されないし指弾されないということになる。安倍政権によって、日本は政権に逆らうものだけを摘発する中国のような汚職まみれ専制国家になろうとしている。マスコミはそのことをもっと自覚すべきだろう。
(田部祥太)
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大同有毒スラグ問題を斬る!・・・「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」についての考察

2016-01-27 23:08:00 | スラグ不法投棄問題
■先週発売の週刊金曜日に大同スラグ問題に関するジャーナリストの取材記事が掲載されました。この中で、大同スラグを県警に告発した群馬県廃棄物・リサイクル課の松井次長が、取材に対して発した次のコメントが印象に残ります。

「昨年9月、群馬県警が廃棄物処理法違反の疑いで大同特殊鋼に家宅捜索に入った。結局、不法投棄は間われず、同社などの委託基準違反(無許可業者への産廃処理の委託)にとどまる見込みだ。廃棄物処理法の「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」(16条)の適用を検討したが、「1300円で販売・施工されていたから『みだりに』と言えない」(群馬県廃棄物・リサイクル課 松井次長)」

■人間が生活をするうえで、不要となったものがゴミとして出てきます。そのゴミを捨てることは、ごく自然な行為です。しかし、無責任に自分勝手にゴミを捨ててしまえば生活環境は汚れ、不衛生になってしまうでしょう(廃棄物処理法1条)。

 そこで廃棄物処理法は、ゴミ捨ての基本ルールを法定するとともに、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」(16条)と定め、ゴミを捨てる行為を規制しています。

 ところで、「みだりに」とはいったいどんな意味なのでしょうか?

 ネットを駆使してあちこち検索しながら調べて回りましたが、どうやら「みだりに」は、法律用語ではなく、日常用語ということらしいです。その意味としては、・・・正当な理由も無いまま、勝手にそうすることを表す・・・という記述が多く見られます。法律によっては「正当な理由がなく」という記述もあるようです。

 それでは産業廃物処理法において「みだりに産業廃棄物を捨てる」行為とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか? ネット調査で以下の情報が検索できました。少し引用してみましょう。

**********
新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1139、2011/8/5 12:23
http://www.shinginza.com/db/01139.html
 ・・・最高裁平成18年2月20日判決は,業者が産業廃棄物を所有地内に野積みした行為が同法16条違反として起訴された事案で,「・・・本件各行為は,それが被告会社の保有する工場敷地内で行われていたとしても,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るという法の趣旨に照らし,社会的に許容されると見る余地はない。したがって,本件各行為は,同条が禁止する「みだりに」廃棄物を捨てる行為として同条違反の罪に当たることは明らかであり・・・」と判示し,社会的に許容される捨て方であるかどうかが「みだりに」の判断のポイントであることを示しています。
 また,判断に当たって検討すべき具体的内容については,福島地裁会津支部平成16年2月2日判決が,「これらに該当するかどうかは,行為の態様,当該物の性質,量,管理の状況,周囲の環境,行為者の内心の意図等の行為の客観,主観面を総合し,生活環境の保全及び公衆衛生の向上という廃棄物処理法の趣旨と社会通念に照らして,個別具体的に決せられる。」と述べています。
 これらの判例の考え方に照らせば,ゴミを捨てた行為が「みだりに」に該当するかどうかは,単に地域のゴミ処理のルールを守ったかどうかだけで決まるのではなく,そのゴミの性質や捨て方,捨てた人の認識などのさまざまな事情を総合して判断されるものといえます。ただ,地域のゴミ処理のルールは,ゴミの性質や地域のゴミ処理能力等を勘案して定められるものですから,ゴミ処理のルールに従っていたかどうかは,実際には大きな判断要素となると思われます。
**********

 この引用文の注目すべきポイントは「社会的に許容される捨て方であるかどうかが『みだりに』の判断のポイントであることを示しています」となっているところです。このルールに従っていたかどうかの判断要素として群馬県は5つのポイントを挙げ説明しています。

**********
【大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について】
http://www.gunma-sanpai.jp/gp26/003.htm
2 調査結果
(7)
ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。
**********

■群馬県はゴミ処理のルールに従っていたかどうか、について
  その物の性状、
  排出の状況、
  通常の取扱い形態、
  取引価値の有無
  及び占有者の意思等
という環境省の指導を総合的に勘案したようです。そして、その結果得た結論として、危険スラグは「廃棄物と認定される」としました。

 もちろん、群馬県は廃棄物と認定するにあたりゴミ処理ルールを総合的に勘案しているので、「何人も,みだりに廃棄物を捨ててはならない。」(廃棄物処理法16条)に違反して捨てられた廃棄物であると判断した、と言えます。つまり、廃棄物と認定するにあたり「みだりに」捨てられているかどうかも検討されているのです。

 この5つのポイントのうち決め手になったのが「その物の性状」「取引価値の有無」だと思われます。「その物の性状」とは危険スラグにフッ素などの有害物質が含まれていることを指します、また「取引価値の有無」とは危険スラグの取引に、逆有償取引で一度は金を支払い有償を装うが後で多額にキックバックされていたことを指します。

 天然石がトン当たり3000円しているのに1300円で販売できたのはこの逆有償取引で多額なマージンを得ていたからです。このことをもって「みだりに廃棄物を捨てた」にあたらないとする考えは、不法投棄者を擁護しているように感じられ、おかしいと言わざるを得ません。

 当会の考察では、危険スラグ問題は、大同特殊鋼・大同エコメット及び佐藤建設工業などの極悪軍団の委託基準違反(無許可業者への産廃処理の委託)にとどまらず、不法投棄を問う廃棄物処理法違反の問題であると認識しており、これまで通り警鐘を鳴らし続けてまいります。

■この観点から、改めて、前橋渋川バイパス起点の危険スラグ不法投棄の様子を見てみましょう。次のブログ記事を参照ください。
○2014年11月25日:大同有毒スラグ問題を斬る!…上武道路の田口町南信号・前橋渋川バイパス起点のヤリタイ放題の現状
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1471.html


前橋渋川バイパス起点の2014年の様子です。


何人も盛り土のなかに危険スラグを捨ててはならないと思うのです、「みだりに」あたらないなんて正当な理由があれば危険スラグを投棄してもよい、などと考える輩が役所にいるなんて許せない。


国土交通省は危険スラグが不法投棄されている状況であるのに無視し、新たな盛り土で蓋をしてしまったらしい。


不当投棄された危険スラグは産業廃棄物と認定されたので撤去していただきたい。大同特殊鋼は自身から排出した廃棄物を適正に処理しなければなりません、したがって廃棄物と認定されたからには自ら進んで佐藤建設工業に撤去させ適正に処理していただきたい。廃棄物処理法を遵守せよ!

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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