市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【狩野県議告発受理のその後】今年3月24日の告発受理から半年経過で前橋地検に捜査進捗状況をヒヤリング

2022-10-23 23:28:25 | 政治とカネ

前橋地検

■狩野浩志議員(62)といえば、群馬県議として5期目を務め、過去には第88代群馬県議会副議長、第93代群馬県議会議長を務めた保守王国群馬県の自民党県連の重鎮とも目されている御仁です。Wikipediaによれば1976年3月県立前橋南高等学校卒業、1980年山崎学園卒業、1983年1月山本富雄の秘書、1995年8月に息子の山本一太の公設秘書となり、1997年2月16日の前橋市議選に無所属で立候補して初当選を果たし、2期務めた後、2003年4月13日の県議選に自民党公認で立候補して8人中6位で初当選を果たしたとあります。

 ところが、コロナ禍の直前に行われた2020年2月7日投開票の前橋市議選で、複数の立候補者に現金約5~10万円入りの封筒を「陣中見舞い」として配ったとされ、政治とカネの疑惑が取りざたされました。当会では、有権者の皆さんからの情報提供により、2021年3月1日に前橋地検に公選法と政治資金規正法違反容疑で告発しました。その後当会は、何度か地検とは告発状の書きぶりの修正や、進捗状況のヒヤリングを行っていましたが、特に具体的な進展が見られないまま今年3月23日に、突然、地検が告発状を受理したと報じられ、メディアに促される形で同25日、群馬県庁5階の記者クラブ「刀水クラブ」で急遽記者会見を開きました。その当時の様子は以下のブログ記事を参照ください。

○2022年3月24日388日かかってようやく受理!…狩野県議らの公選法違反等の告発状を正式に受理した前橋地検
https://blog.goo.ne.jp/ogawakenpg/e/e81e1b78b470e290ec005678ec9a67c8
○2022年3月25日:狩野県議ら選挙買収容疑の告発受理・・・当会が県庁記者クラブで記者会見
https://blog.goo.ne.jp/ogawakenpg/e/2178a4d57bf0da0f22235ab76e19776f

■それから、半年が経過しようとする9月21日の午後2時に、当会の代表と事務局長が前橋地検を訪れました。なぜなら、前橋市の有権者のかたがたから、「半年後の2023年4月29日の任期満了の少し前に群馬県議会議員選挙が執行されることから、前橋市区選出の狩野浩志県議が依然としてグレーのままでは、同氏が選挙準備の活動を始める恐れがある為、鋼製であるべき選挙に混乱を及ぼしかねない」として、「告発受理のあと、現在の進捗状況を確認してほしい」との趣旨の要望が寄せられたためです。

 さっそく、1階ロビーの受け付けで、用件を担当者に伝えたところ、告発状を受理した藤井慎一郎検事は4月1日付で東京地検立川支部検事に異動していており、同じく対応してくれた山本検察事務官も不在とのことでした。現在は、藤井検事の後任者(4月1日の異動情報によれば、以下の5名のうちのひとり。橋爪香苗検事(前職・東京地検立川支部検事)、関野裕人検事(同・大阪地検検事)、島田雄太検事(同・名古屋地検検事)、山口史恵検事(同・名古屋地検検事)、谷史好検事(同・名古屋地検岡崎支部検事))が本件を引き継いで担当しているようですが、応対いただいた捜査部門の本間事務官によると、担当検事は共同捜査中で不在ということで、代わりに説明を聞いてもらいました。

 「告発の詳しい内容は、持参した3件の告発状を見てもらえばわかります」として、写しを渡そうとしましたが、本間氏は、「日付と告発人、被告発人をメモさせていただいたので、あとはこちらで確認します」と言い、「あとで電話で連絡差し上げます」とのことで、地検をあとにしました。

 2日後の9月24日、当会事務局に前橋地検から連絡がありました。「狩野県議の告発状は正式に受理しております。只今、調査中なので結果が出ましたらご連絡いたしますのでお待ちください」という内容でした。やたらと丁寧な物言いだったので、事務局としても大変驚きました。

 10月12日にも別件で県警本部を訪れた際に、この件で共同捜査中と思われる捜査2課の刑事複数名にこの件について、地検でヒヤリングした話をしたところ、返事はもらえませんでしたが、表情から、捜査状況について承知している様子がうかがえました。

 告発受理から半年が経過していることもあり、司直の判断がもうじき下されることを皆さんとともに待ちたいと存じます。


前橋地検の山口英幸検事正(昭和38年生まれ、静岡県出身。平成3年東京地方検察庁検事任官、平成24年仙台地方検察庁総務部長、平成25年司法研修所教官、平成28年札幌地方検察庁次席検事、平成29年東京地方検察庁総務部長、平成30年横浜地方検察庁次席検事、平成31年奈良地方検察庁検事正、令和3年4月9日から現職)、前橋市の前橋地検で2012年4月15日、毎日新聞川地隆史記者撮影。


前橋地検の森博英次席検事(中央大法学部卒。金沢地検次席検事、東京地検公安部副部長、同公判部副部長などを歴任。さいたま地検刑事部長を経て10月3日から現職。埼玉県出身)。2022年10月3日毎日新聞西本龍太朗記者撮影。

【11月10日追記】
 当会が、狩野浩志県議の公選法と政治資金規正法違反容疑の告発をして、前橋地検が今年3月末に受理をしてから半年以上経過しております。当会では引き続き、司直による共同捜査が進められているとの認識でおりますが、ここにきて前橋地検のトップが交代しました。これが、本件告発事件に対してどのような影響を与えるのか否か、皆様と一緒に注視してまいります。
**********群馬テレビ2022年11月8日11:12
前橋地検・新検事正 清野憲一氏が着任「一つ一つの事件に誠実に取り組んでいく」

写真:群馬テレビ
 前橋地方検察庁のトップ、検事正に11月7日付けで新たに着任した清野憲一さんが記者会見を開き、「県民の安心・安全の実現のため一つ一つの事件に誠実に取り組んでいく」と抱負を述べました。
 7日付けで、前橋地方検察庁の検事正に着任した清野憲一さんは長野県出身の54歳。東京大学法学部を卒業後、1993年に検事となり、千葉地検の次席検事や松江地検の検事正などを経て去年からは最高検察庁の検事を務めていました。
 会見で、清野検事正は「真相を解明して裁判で立証するのが難しい時代になっているが、我々、検察が対応できるよう能力・技術を底上げし真相の解明に努める」と抱負を述べました。その上で「1人では限界があるため、周りの人と議論を重ねて問題意識を共有し、知識・経験を蓄積していきたい」と述べました。
 また、群馬県の印象については「妻が前橋市の出身。毎年、帰省しているので群馬は第二のふるさとだと思っている。古墳などの古代のロマンに興味があるので改めて群馬について勉強していきたい」と話しました。

**********前橋地検HP 最終更新日:2022年11月7日
検事正あいさつ
清野 憲一(きよの けんいち)
昭和42年生まれ
出身地 長野県
略歴
平成5年東京地方検察庁検事任官
平成24年東京地方検察庁公判部副部長
平成24年国連アジア極東犯罪防止研修所次長
平成26年東京高等検察庁検事兼東京地方検察庁公判部副部長
平成27年さいたま地方検察庁公判部長
平成28年法務総合研究所研修第一部長
平成29年東京地方検察庁公判部長
平成30年千葉地方検察庁次席検事
令和2年松江地方検察庁検事正
令和3年最高検察庁検事
令和4年11月1日から現職
 検察の使命は、犯罪被害に遭われた方々や関係者の利益・権利を守りつつ、事案の真相を明らかにし、処罰すべき被疑者を起訴し、裁判で迅速適正な刑罰法令の適用を求めていくことにあります。
 皆様方の安心・安全を実現するため、職員一丸となって一つ一つの事件に誠実に取り組み、検察の使命を達成できるように努めて参ります。
 皆様方のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
**********

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「狩野県議ら自民党県連と統一教会との関係」
**********東京新聞2022年8月6日11:54
群馬の自民県議、旧統一教会関係者と議長応接室で面会 2019年
 群馬県の狩野(かのう)浩志県議(61)=自民=が、県議会議長だった2019年8月、議長応接室で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係者と面会していたことが、本紙の取材で分かった。狩野氏は20年1月、前橋市内で開かれた旧統一教会の関連団体が主催するイベントに来賓として出席し、翌月の前橋市長選に出馬表明していた新人への支援を求めるあいさつをしていた。
 狩野氏と県議会事務局によると、旧統一教会の関係者の訪問は19年8月8日。世界平和を願い自転車で県内を縦走する、旧統一教会関連団体主催の「ピースロード」の開催について、約20人が説明に訪れた。
 また、狩野氏は20年1月19日、旧統一教会関連団体が主催する、前橋市内のイベントに来賓として出席。翌2月に投開票される前橋市長選に出馬予定の新人の支援を求めた。会場には旧統一教会幹部も出席していた。
 狩野氏は、旧統一教会関係者から議長応接室に訪問を受けたことについて「自分の親族で旧統一教会関係者から依頼があった。世界平和を願う団体で、旧統一教会関係という認識はなかった」と説明。前橋市長選での支援を求めたことには「(イベントには)来てくれと頼まれて行った。候補の応援も頼んだが、あいさつしてすぐに帰った」と話した。自らの選挙活動でも、旧統一教会からの具体的な支援は「ない」とした。
 旧統一教会は「宗教法人として特定の政党の候補者に組織的に関与することはない。ピースロードは友好団体が実施している」と話している。
 狩野氏は現在5期目で、党県連幹事長などを歴任。19年5月から1年間、議長を務めた。(池田知之)


**********東京新聞2022年8月20日
中曽根康隆衆院議員が旧統一教会の教会2カ所であいさつ 「励ます会」で選挙支援を求める

自民党の中曽根康隆衆院議員=2017年撮影
 昨年10月投開票の衆院選で群馬1区から出馬、当選した自民党の中曽根康隆衆院議員(40)が、選挙の前月に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の教会で開かれた「中曽根氏を励ます会」に出席し、選挙支援を求めるあいさつをしていたことが19日、中曽根氏の事務所への取材で分かった。
 事務所によると「励ます会」は群馬県内の2カ所の教会で開かれた。9月19日の前橋市の会場には40~50人、同27日の高崎市の会場には70~80人が集まった。中曽根氏は招かれて出席し、あいさつをしたという。
 このほか、中曽根氏の秘書が2020年1月19日、前橋市内であった旧統一教会関連団体主催のイベントに代理出席し、事務所から祝電を送っていた。
 事務所の担当者は「旧統一教会の問題を指摘する報道が減り、ちゃんとした団体になったとの認識だった」と説明。中曽根氏も「うかつに教会へ行ったことは反省している。二度と関わらないようにする」とコメントを出した。
 中曽根氏は17年の衆院選で比例北関東ブロックから自民の比例単独で出馬、初当選。昨年の衆院選で群馬1区に転じ、再選された。(池田知之、羽物一隆)

**********東京新聞2022年8月20日
中曽根康隆氏、清水真人氏、中曽根弘文氏が旧統一教会と接

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との関係を巡り、本紙が群馬県関係の国会議員10人を対象としたアンケートで、自民党の中曽根康隆氏(衆院1区)は県内の旧統一教会の教会で選挙支援を求めてあいさつしていたことが分かった。中曽根氏と、自民党の清水真人氏(参院群馬)は旧統一教会の関連イベントに祝電を送ってもいた。ともに同党の井野俊郎(衆院2区)、笹川博義(衆院3区)の2氏は回答しなかった。県内12市の市長に対しても同様のアンケートを実施した結果、全員が「関係はない」と回答した。(池田知之、羽物一隆)
 アンケートは①旧統一教会や関連団体関係者との面会や、主催集会への出席、祝電を送るなどの関わりの有無②自身の選挙活動の手伝いや、票の取りまとめの有無―について質問した。
◆中曽根康隆氏 教会で選挙支援のあいさつ

 中曽根氏は①に「ある」と回答。2021年9月、前橋と高崎の両市にある教会2カ所であった「中曽根康隆衆院議員を励ます会」の会合に出席し、関係者を前にあいさつした。
 また、20年1月19日、前橋市であった関連団体主催のイベント「孝情ファミリー大新年会IN群馬」に秘書が代理出席し、祝電を送った。中曽根氏は「今後、旧統一教会や関連団体などの主催行事の参加や祝電は一切断る」とコメントした。
◆清水真人氏 関連団体主催の新年会に事務所が祝電
 清水氏も①に「ある」と回答。同じ新年会に対し、地元事務所から祝電を出した。また21年5月、東京都内で関連団体が関わる議員向け研修会で秘書が受付で名刺を渡し、資料を受け取った。会場には入らなかった。いずれも清水氏本人は詳細を確認していなかったという。
 清水氏は「旧統一教会との関係はなく、今後も持つつもりはない。秘書や事務所スタッフとも認識を共有し、同様なことがないよう努める」とコメントした。
 この新年会には、旧統一教会の幹部も出席。当時県議会議長だった自民党の狩野浩志県議(前橋市区)は来賓としてあいさつしている。
◆中曽根弘文氏 関係会社発行の月刊誌から取材
 また同党の中曽根弘文氏(参院群馬)は、①について「その他」とした上で、03年に、旧統一教会の関係会社が発行する月刊誌「Viewpoint」から教育基本法改正に関する取材を受け、記事が掲載された。取材を受けた経緯は「不明」とし、「旧統一教会との関係性は理解しておらず、多くの取材の一つとして受けた。同教会の活動にお墨付きを与えるようなものではない」としている。
◆井野俊郎氏、笹川博義氏は回答せず
 笹川氏の事務所はアンケートについて「回答はない」と返答。回答しない理由については明確にしなかった。井野氏の事務所は「調査中」として、締め切りまでに回答しなかった。
 ともに同党の福田達夫(衆院4区)、小渕優子(同5区)、尾身朝子(同比例北関東)、羽生田俊(参院比例)、公明党の福重隆浩(衆院比例北関東)の5氏は①②とも「なし」と回答した。福重氏は「一般常識として、政治家は社会的な問題やトラブルを抱える団体との接触を控えるべきだ」と見解を記した。
◆政治家が「反社会的団体」を宣伝
 九州大法学部の南野森しげる教授(憲法学)の話 旧統一教会は他の宗教とは全く異質だ。裁判所は、刑事や民事で同教会の違法行為や不法行為を繰り返し認定している。ここまで数多く認定されている宗教法人はほかにはなく、「信教の自由」を隠れみのにした「反社会的団体」と評価せざるを得ない。
 旧統一教会を巡っては、多くの被害者がいる。法外な高額商品を買わされるだけでなく、家や土地を取られ、財産を身ぐるみはがされ、家庭崩壊する例もあるなど、度を越している。
 そうした団体と政治家が関係を持つと、一般市民からは「まともな団体」と思われ、イメージアップにつながってしまう。政治家は反社会的団体の宣伝に使われてはいけない。関わった政治家は認識が甘過ぎる。今後、関係を一切断つことが必要だ。
◆群馬県知事「関係一切ない」
 群馬県の山本一太知事は10日の定例会見で、旧統一教会との関係について「一切ありません」と全面的に否定した。
 その上で「接近を試みられた事例」として、参院議員だった2015年に出席した「日英有識者フォーラム」で、後援していた関連団体「平和大使協議会」の幹部らと写真撮影をしたことを明かした。「他の出席者とともに撮影したので、強く拒否しなかった。違和感を覚えたので、当時のブログにもそう書いた」と説明した。(羽物一隆)
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