市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

渋川市政を巡る騒動の背景を仕切る埋蔵発掘王ショージ・モッチー

2021-07-29 22:52:00 | 渋川市の行政問題
■7月27日付の報道を見た群馬県民、とりわけ渋川市民は度肝を抜かれました。渋川市のHPに脅迫メールが届いたというのです。また、同じ紙面には、渋川市議会百条委での“偽証”を巡る紛糾について報じられています。さっそく報道記事を見てみましょう。


**********毎日新聞2021年7月27日05:50
市長と知事の脅迫メール届く 市が渋川署通報 /群馬
 渋川市は26日、市のホームページを通じて脅迫メールが届いたと、渋川署に通報した。メールは25日朝に2通送信されており、全てローマ字表記で「高木勉市長を殺します。土下座して謝れ、山本知事を殺します」などの内容が書かれていた。
 市によると、こうしたメールが届くのは初めてで、山本一太知事の名前も書かれていたことから、県にも連絡したという。【庄司哲也】

**********毎日新聞2021年7月27日05:50
「偽証」巡り百条委紛糾 渋川市議会、議事進行で反発相次ぐ /群馬

渋川市議会の百条委員会では、硯石(中央)の左にある案内板にかけられていたブルーシートの撤去と、前に置かれたバリケードの移動が焦点となっている=群馬県渋川市で2021年7月25日、庄司哲也撮影拡大
 渋川市の高木勉市長が市議会本会議で虚偽答弁をした可能性があるとして市議会が設置した地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)が26日、開かれ、中沢広行委員長の議事の進め方に複数の委員から反発が相次いだ。主張の異なる高木氏と望月昭治市議会議長のどちらかが虚偽の証言をしているとして、2人を同法違反(偽証)の疑いで前橋地検に告発する考えを示したためだ。だが、委員からは「偽証とする根拠がない」などの声が上がっている。
 中沢氏は百条委で高木氏と望月氏が相反する証言をしたことについて「どちらかが虚偽の証言をしており、百条委では判断がつかないため、司法機関に任せる」などと語った。同法によると、百条委の証人が虚偽の陳述を行った場合、3カ月以上5年以下の禁錮に科される。ただ、偽証は自らの記憶や思っていることと反した証言をしたときに成立するとされているため、仮に証言が事実に反しても、すぐに偽証と認められるわけではない。
 こうした点を踏まえ、委員の安カ川信之市議が「同法違反とするには(裁判での証言に適用される)刑法の偽証罪が前提で、証人の主観が問題となる。学説なども主観論を有力としているが、虚偽と認める根拠は何か」などと質問したが、中沢氏は「地方自治法にそう書かれている。犯罪がある」と述べるにとどまった。
 また、別の委員からは「百条委で判断がつかないなら、百条委そのものを解散すべき」との意見も上がった。
 同市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」を望月氏が正式な手続きなしに掘り起こした問題に絡み、案内板にかぶせたブルーシートや周囲のバリケードの撤去に高木氏が関与したかどうかが百条委の焦点になっている。望月氏は「高木氏が『バリケードとブルーシートを撤去してくる』と言った」と証言したが、高木氏はそれを否定し、相反する証言となっている。【庄司哲也】
**********

■どうやら、この2つのニュースはなんらかの関連がありそうです。なぜなら、渋川市政を巡るゴタゴタは、今に限ったことではないからです。当会でもこれまで、渋川市政に関係するトピックスをこのブログで紹介してきました。
※渋川市の行政問題
URL ⇒ https://pink.ap.teacup.com/applet/ogawaken/msgcate38/archive

 また、渋川市にある大同特殊鋼が排出する有毒なフッ素や六価クロムを含む鉄鋼スラグの不法投棄問題については、数年前から着目し、道路の路盤剤として不法に使用された箇所での撤去を行政に申し入れてきました。しかし、国や群馬県そして渋川市の対応は極めてスローモーなものです。

 さらに、当会が現在前橋地裁に群馬県を相手取り損害賠償事件として係争中でもある、群馬県渋川土木事務所が、渋川建設協同組合に業務委託発注した残土ストックヤード管理事業では、渋川市議やその親族が所有する土地が借り上げられて、河川法の対象区域であるにもかかわらず自由自在に開発行為が実施されており、まさに無法状態の様相を呈していることは、上記のブログ集「渋川市の行政問題」からも容易に想像がつく事でしょう。

■ところで、脅迫メールが渋川市のHPに送信された7月26日の前日に新聞折込チラシが市内に配布されました。このことは当会の調査でも確認済みです。当会が入手したこのチラシを見ると、現市長の後援会が発行者で、発行責任者は同後援会の会長名となっています。さっそく、内容を見てみましょう。

*****7/25高木つとむ後援会チラシ*****ZIP ⇒ 20210726sr.zip

  産業廃棄物不法投棄の問題を解決します!
                発 行 者 高木つとむ後援会
                発行責任者 高木つとむ後援会会長 町田久
                発 行 日 令和3年7月25日
 旧赤城村村議会に始まり、平成の大合併以降の首長及び市議会議員、そして地元選出の県議会議員が40年近くの間、疑惑の追及を避けてきた赤城町及び北橘町を舞台とする『産業廃棄物の不法投棄問題』を私たち『高木つとむ後援会』は問題提起致します。
 私たち『高木つとむ後援会』は、現渋川市議会議長・望月昭治氏の愧儡(かいらい)市長であり、ただの操り人形と化していた前市長を退け、高木勉市政を誕生させました。それまでの渋川市政は現渋川市議会議長・望月昭治氏が牛耳っており、多くの議員や一部の職員が利権に絡み、脅迫や強要に屈し、望月昭治氏に抵抗することなく市政が運営されてきました。
 私たちがこれから着手する『産業廃棄物の不法投棄問題』 は非常に根が深く、誰がどのように関わり、そしてどのような役回りをさせられているのかを見極めるためには非常に多くの時間を要しました。
 また、この数十年の間疑惑を持ちつつも声を上げるべき役職にありながら、勇気を奮(ふる)わない渋川市政に携わるすべての者の無責任な行いにより、渋川市では様々な不正が行われています。例えば、現渋川市議会議長・望月昭治氏の身内は農業所得0円でありながら、約15年の間に15ha以上もの農地の取得を認めさせるなど、渋川市の一部職員や委嘱委員会幹部などの様々な者が複雑に絡み、不正に関わり今だに(ママ。「未だに」が正)利権や金品を貪(むさぼ)っています。そのため、高木市長は渋川市職員の中から利権や脅しに屈せず、毅然(きぜん)として職務に臨む、抜群に能力の高い女性職員を登用しました。それによって渋川市議会議長・望月昭治氏の息のかかった職員の横暴が止められ、市政が正常化されつつあります。これを望月昭治氏周辺の傀儡(かいらい)議員は問題視し、自分たちの好き勝手が妨害されるために騒いでいるのです。
 この女性職員の大抜擢はこれまでの渋川市役所の人事としては確かに異例であるかもしれませんが、ここまで異例な手法をとらなければ産業廃棄物が不法に投棄させられる場所が渋川市の中で確実に拡充してしまうのです。そして、この高木市長の登用に難癖をつけ、市長と女性職員とのスキャンダルをでっち上げて高木市長の失脚を目論(もくろ)み、今また新たな傀儡(かいらい)市長を立てようと画策しています。
 高木市長は就任以来の4年間の間にこの問題だけにとどまらず、再三再四の指示に従わない嘱託職員に対しての対応をパワハラだと問題にされたり、根拠のない理由で「虚偽答弁だ」と騒ぎ、「どの部分が虚偽答弁なのか」と問うと、明確な回答はされないまま数の論理で『百条委員会』を設置され、特にこの一年半の間はコロナ禍の中において優先せねばば(ママ)ならない事案が山積しているにもかかわらず、様々な嫌がらせや妨害工作で貴重な時間を忙殺(ぼうさつ)されてきました。そのような妨害工作に遭(あ)いながらも渋川市のコロナワクチンの対応は迅速であり、県知事は自身のブログで絶賛しています。
 「渋川市議会とは幼稚園児の集まりか」と幼稚園児に対して大変失礼な感想を抱くほど、今の渋川市議会は歪められています。
 渋川市議会議長・望月昭治氏は赤城町には既に産業廃棄物を投棄する場所がなく、今や北橘町の山林にその触手を伸ばしています。望月氏が新たな産業廃棄物の投棄場所を手に入れるには、簡単に許可を出す、高木市長以前のような操りやすい市長が必要なのです。
 私たち『高木つとむ後援会』は赤城町や北橘町の水が飲めなくなったり、丹精込めて作った農産物が売れなくなったり、食べられなくなったり、果ては住めなくなってしまうまのではないかと危惧しています。全国に知られる地名の『赤城』を汚すことは渋川市の大きな損失です。
 自然災害はいつ何時やって来るか予測できません。それが人為的な原因によって被害が甚大になることは絶対に避けなければなりません。熱海市のような土石流災害がこの渋川市で起こりうる予測が立つのに黙って見過ごすわけにはまいりません。私たち『高木つとむ後援会』は、『歪められた渋川市議会』を正常な状態に戻すべく立ち上がりました。そんな熱い思いで結束した私たち『高木つとむ後援会』に今、多くの議員や市民の皆さんが続々と支援の輪を広げて下さっています。
 どうぞ、私たち『高木つとむ後援会』に一人でも多くの渋川市民の皆さんのお力添えを是非よろしくお願い致します。


**********

 このチラシの末尾に掲載されているサンパイの不当投棄現場と思われる写真は、当会としても非常に注目しています。なぜなら、現在、残土ストックヤードのずさんな管理を巡り群馬県の県土整備部や渋川土木事務所を相手取り、公金の不正支出にかかる住民訴訟を提起中であり、この中で、残土ストックヤードの搬入出土砂量の不整合が争点の一つとなっており、ストックヤードの中に大きな穴が開いていた事実を把握しており、次回の弁論では群馬県側からこのことについて、準備書面で弁明が為される予定だからです。

■渋川市では、任期満了による来月8月22日告示、同8月29日投開票の渋川市長選挙が行われる予定です。予想される顔ぶれは、現職で69歳の高木勉(タカギ ツトム)氏と現市議(前市議会議長)で69歳の田辺寛治(タナベ カンジ)氏で、それぞれ今年3月16日と4月28日に出馬表明をしています。

<高木候補の出馬報道>
**********上毛新聞2021年02月24日09:00
現職の高木氏が再選出馬へ 群馬・渋川市長選

高木勉氏
 任期満了(9月12日)に伴う渋川市長選で、現職の高木勉氏(69)=横堀=が再選を目指して出馬する意向を固め、後援会幹部に伝えたことが23日、分かった。市議会3月定例会で正式に表明するとみられる。
 上毛新聞の取材に高木氏は「渋川再生を目指し、市民目線でスピード感を持って全力で取り組んできた。市民の命と暮らしを守り、地域経済を立て直すため、当面の課題である新型コロナ対策に注力するとともに、コロナ後を見据えた市の未来に向けて引き続き全力を傾けたい」と話した。
 高木氏は県職員、県副知事を経て2017年8月の市長選で初当選した。専修大卒。市長選で出馬の意向が明らかになるのは高木氏が初めて。

**********産経新聞2021年3月16日20:12
群馬・渋川市長選に高木氏が再選出馬表明
 任期満了(9月12日)に伴う群馬県渋川市長選で、現職の高木勉氏(69)が16日、再選を目指して出馬すると表明した。市議会一般質問で答えた。高木氏は「新型コロナウイルス感染症の危機を乗り切り、人口減、高齢化が進む渋川の再生に引き続き全力を尽くしていきたい」と話した。
 高木氏は県職員、県副知事を経て、平成29年8月の市長選で初当選。専修大卒。

**********群馬テレビ2021年03月16日
https://www.youtube.com/watch?v=3K3Huo3qpKg
8月の群馬・渋川市長選 現職の高木勉氏が出馬表明(21/03/16)
 任期満了に伴い8月に行われる渋川市長選に現職の高木 勉さんが出馬を表明しました。
 16日の午前中に行われた議会の一般質問で出馬の意向を明らかにしました。
 高木さんはこれまでに県の職員や副知事を務めたあと、2017年8月の市長選に出馬し初当選しました。渋川市長選への出馬表明は高木さんがはじめてで他に目立った動きは今のところでていません。
 渋川市長選は立候補予定者説明会が7月2日に行われ、8月22日に告示、29日に投開票です。

**********毎日新聞2021年3月17日
高木・渋川市長、再選へ出馬表明 /群馬
 任期満了に伴う渋川市長選(8月22日告示、同29日投開票)で、現職の高木勉氏(69)が16日、再選を目指して立候補する意向を表明した。開会中の市議会3月定例会の一般質問で答えた。同市長選への出馬表明は、高木氏が初めて。
 市長選への出馬について質問された高木氏は「コロナ禍の下で、かじ取りは難しい時代。このような中、立候補は私利私欲のない信念と強い責任感、使命感がなければできない。そのような覚悟で市長選に立候補する決意をした」と述べた。
**********

<田辺候補の出馬報道>
**********上毛新聞2021年04月22日06:00
田辺市議が渋川市長選に出馬意向 現職と選挙戦の公算

 任期満了に伴う群馬県の渋川市長選(8月22日告示、29日投開票)で、市議で前議長の田辺寛治氏(69)=渋川、3期=が出馬の意向を固めたことが21日、分かった。近く正式表明する。既に現職の高木勉氏(69)=横堀=が再選を目指して立候補 を表明しており、選挙戦となる公算が大きくなっている。
 田辺氏は上毛新聞の取材に、「当初予算にない事業を頻繁に発表したり、結果として市職員がオーバーワークで疲弊したりと、現職の政治手法に疑義がある。多様な施策は予算のばらまきにもつながっている」とし、「コロナ禍で税収減が見込まれる中、新たな将来像を示し、市政を変える」と動機を語った。
(奥木秀幸)

**********産経新聞2021年4月28日23:18
群馬・渋川市長選 前市議会議長の田辺寛治氏が出馬表明 選挙戦の公算
 任期満了に伴う群馬県渋川市長選(8月22日告示、同29日投開票)で、前市議会議長で市議の田辺寛治氏(69)が無所属で出馬すると表明した。現職の高木勉氏(69)も再選を目指し出馬を表明済みで、同市長選は選挙戦に入る公算が大きくなった。
 田辺氏は会見で、「市を群馬で一番暮らしやすい街にする」と意気込みを語った。
 田辺氏は東洋大卒、市議3期目。平成25年の同市長選にも出馬したが落選した。

**********毎日新聞2021年04月29日
8月の群馬・渋川市長選 市議の田辺氏が出馬表明 選挙戦の公算大きく(21/04/28)
 任期満了に伴う渋川市長選(8月22日告示、同29日投開票)で、前市議会議長の田辺寛治氏(69)が28日、立候補を表明した。同市長選では既に現職の高木勉氏(69)が再選を目指して出馬表明している。
 記者会見した田辺氏は出馬の理由について「市の行政の課題点はたくさんあり、これは高木市長の手法の問題だと思う。それをしっかりと解決していきたい。市民には自分が活躍できる街を提供していきたい」と語った。

**********群馬テレビ群馬テレビ・群テレ
https://www.youtube.com/watch?v=bCbv5MQ_NN0
8月の群馬・渋川市長選 市議の田辺氏が出馬表明 選挙戦の公算大きく(21/04/28)
 任期満了に伴い、8月に行われる群馬県渋川市の市長選に市議の田辺 寛治さんが出馬を表明しました。
 渋川市長選に出馬表明したのは渋川市上之町の市議・田辺 寛治さん(69)です。
 田辺さんは現在市議3期目で去年3月からは議長も務めました。
 主な公約としては小規模事業者や起業を目指す人の支援、新型コロナウイルスの対策強化によるより安全なまちづくりの推進などを掲げています。
 田辺さんは2013年の渋川市長選に初出馬、当時、当選した阿久津氏には及ばず今回が2度目の挑戦となります。
 渋川市長選を巡っては、現職の高木勉さんが再選を目指して立候補を表明していて選挙戦になる公算が大きくなっています。
 渋川市長選は8月22日告示、29日投開票です。
**********

 こうした情勢を鑑みると、脅迫メールは、前日の新聞折込チラシに触発された可能性が高く、来月の渋川市長選をめぐる前哨戦が熱を帯びてきていることは明らかです。当会は政治的に中立の立場ですが、少なくとも出所を明示した市政問題提起の折込チラシと、特定の人物をターゲットにした殺人予告の脅迫メールとでは、どちらがまともな政治活動かの判断はきちんと示しておかねばなりません。

■筆者はこれまで4回、いずれも安中市土地開発公社51億円事件の真相究明、責任所在明確化、再発防止を公約として安中市長選に出馬をした経験がありますが、権限が集中する首長が誰になるかは、その取り巻きの団体組織・法人個人の思惑が絡み、激しい利権争いが生じる場合が一般的です。筆者の場合は、51億円巨額詐欺横領事件を公約にしただけに、脅迫電話、デマ、怪文書などさまざまな選挙妨害に遭遇しました。したがって、渋川市長選挙でも、選挙期日が迫るにつれて、似たような権力争いの構図がますますヒートアップしている状況が理解できます。

 渋川市の場合、これまでの市政や市議会に関する報道記事を辿ると、反市長派の観点から取材した上毛新聞と、市長派よりの観点から取材した毎日新聞という対比が浮き彫りになります。

 その典型的な記事が2021年7月17日付の上毛新聞記事と言えます。

**********上毛新聞2021年7月17日06:00
ZIP ⇒ 20210717viascsj.zip
市長と議長を告発の方針 「硯石」絡み虚偽陳述の可能性 渋川市議会百条委 いずれが虚偽か特定できず

 群馬県の渋川市議会は16日、「本会議における渋川市長の答弁の真偽に関する調査特別委員会」(百条委員会)を開き、証人尋問で虚偽の陳述をした可能性があるとして、高木勉市長と望月昭治市議会議長の両氏を刑事告発すべきだと報告書に盛り込む方針を固めた。同市北橘町の市有地内にある巨石「硯石」を文書による手続きを経ずに望月氏が掘り起こした問題に絡み、両氏の陳述に食い違いがあった。百条委はいずれが虚偽かを特定するのは困難と判断。捜査機関に委ねるという。
 虚偽の陳述が特定できないのに双方を告発する手法には関係者に異論があり、陳述がうそでなかった場合は「虚偽告訴罪に問われるのではないか」との指摘もある。市長選(8月22日告示、29日投開票)を約1カ月後に控えた時期に、告発を促す報告書をまとめるのは「百条委の政治利用」との声もある。百条委の中沢広行委員長は取材に、「全責任は私が取る」と述べた。
 16日に示された報告書素案によると、食い違うのは硯石の現場保護のバリケード撤去などについて。昨年3月7日正午すぎ、高木氏と望月氏は市役所で面会。この際、望月氏は「高木氏が『自分で(バリケードとブルーシートを)撤去してくる』と言った」と証言。高木氏は「否決された条例案の再提案に協力を求めただけ」とし、望月氏の発言を否定した。
 また同日午後5時ごろのやりとりを巡り、望月氏は「高木氏から『撤去した』と電話を受けた」と説明。高木氏は県内初の新型コロナウイルス感染者が同日確認されたことを受け、「関係者の一人として(望月氏に)連絡した」としている。
 面会に立ち会った人や撤去時の目撃情報はなく、報告書案は「片方か双方が虚偽の陳述をした」と推察。「双方を告発すべきだ」としている。
 望月氏は取材に対し、「私は一切うそを言っておらず、告発される筋合いはないが、出るところに出て白黒はっきりさせればいい」と話した。高木氏は、百条委で報告書案の審議が続くことから「コメントしない」としている。
 他に調査対象となっていた市社会福祉協議会の人事介入問題は、高木氏と前会長の証言に食い違いがあったが、前会長は「介入はなかった」とした陳述を修正した経緯を踏まえ、告発しない方針。百条委は月内にも再度会合を開き、最終的な報告書をまとめる。
**********

 この上毛新聞の偏向報道については、当会渋川支部のブログ記事に詳しい分析が掲載されていますので、そちらを参照ください。
○2021年07月18日:【異例報道】百条委員会ー分からないのに刑事告発?恥↓
http://blog.livedoor.jp/lytton_cyousadan/archives/35536761.html

 この記事でも触れられている「百条委員会」と呼ばれる地方自治法第100条に基づき地方議会が必要に応じて設置する調査特別委員会は、渋川市議会において2020年3月25日に以下の決議書により設置のための議案が出され、賛成多数で可決されました。

*****R2.3.25渋川市議会決議書*****ZIP ⇒ 20200325ascsuc.zip
議員提出議案第2号
   事務調査に関する決議
 上記の議案を別紙のとおり会議規則第14条第1項の規定により提出します。
   令和2年3月25日
渋川市議会議長 田 邊 寛 治 様
              提出者 渋川市議会議員 中 澤 広 行
              賛成者 渋川市議会議員 田 中 猛 夫
                     同    望 月 昭 治
                     同    山 崎 正 男
                     同    山 内 崇 仁
                     同    池 田 祐 輔

=====別紙=====
議員提出議案第2号

   本会議における渋川市長の答弁の真偽の調査に関する決議
 地方自治法第100条第1項の規定により、次のとおり本会議における渋川市長の答弁の真偽に関する調査を行うものとする。
                 記
1 調査事項
   (1)令和2年3月市議会定例会5日目の緊急質問において行われた硯石に関する質問に対する渋川市長の答弁の真偽について
   (2)令和2年3月市議会定例会6日目の一般質問において行われた渋川市社会福祉協議会の人事介入に関する質問に対する渋川市長の答弁の真偽について

2 特別委員会の設置
   本調査は、地方自治法第109条及び委員会条例第6条の規定により委員8人で構成する、本会議における渋川市長の答弁の真偽に関する調査特別委員会を設置し、これに付託して行う。

3 調査権限の委任
   本会議は、1に掲げる事項の調査を行うため地方自治法第100条第1項(及び同法第98条第1項)の権限を本会議における渋川市長の答弁の真偽に関する調査特別委員会に委任する。

4 調査期限
   本会議における渋川市長の答弁の真偽に関する調査特別委員会は、1に掲げる調査が終了するまでとし、閉会中もなお調査を行うことができるものとする。

5 調査経費
   本調査に要する本年度の経費は2万円以内とする。
**********

■この百条委員会設立の顛末は、当会渋川支部のブログ記事を参照ください。
○2021年03月01日:コロナ禍なのに百条委員会に賛成した議員をご紹介
http://blog.livedoor.jp/lytton_cyousadan/archives/34484160.html

 地方自治法100条1項に「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる」との条項があり、この権限は議会の「百条調査権」と呼ばれます。

 このような調査権が、なぜ議会に与えられているのかというと、本来の狙いは、首長らの行政執行について不正行為などの疑惑があった場合、証人喚問など強制力のある手段を通じて真相を解明することにあります。

 ただし、この調査権は事実解明の手段ではあるものの、警察のような捜査権まではなく、関係者を直接罰することはできません。そのため、偽証や隠ぺいがあったと判断される場合には地方議会が検察に刑事告発し、司法において刑罰が科せられるかどうかの判断を求めることはあります。

 ちなみに、百条委の調査に対して証人が虚偽の陳述を行った場合は5年以下の禁錮刑、正当な理由がなく出頭や証言などを拒否した場合は6か月以下の禁錮刑ないし10万円以下の罰金が科せられます。証言が二転三転した場合も、「偽証」の疑いを持たれ刑事告発の対象となります。

■このように百条委員会には強い権限が与えられているため、この地方議会の百条調査権は、国会に与えられた国政調査権の自治体版とも言われ、市長、知事ら執行機関、その補助機関である職員の行動を統制する一番強力な権限と言えます。

 平成7年に安中市土地開発公社を舞台にした51億円巨額詐欺横領事件でも、すったもんだの末に安中市議会に百条委員会が設置されました。ところが、市議会議員らも元職員のタゴから金銭の授受や、土地ころがしの恩恵情報に預かっていたため、伝家の宝刀のはずが、抜いて見たら錆びだらけで、切れ味がまるで失われてしまい、事件の真相解明はおろか、責任の所在も明確化できないまま解散してしまいました。

■この事例でおわかりのように、百条委員会の機能が正常に作動するケースはきわめて稀です。その背景には百条委員会が政争のおもちゃとして使われる場合が多々あるためです。

 たとえば、議会で多数を占める勢力が優位に事を進めるために百条委員会を用いることがあります。そのほかにも、首長に対し辞職を求める不信任案を提出する前段階として設置されることもあれば、首長選に現職の立候補を断念させる切り札として設置されることもあるのです。

 こうして昨年3月の渋川市議会の百条委員会設置以降、1年余り続くいている渋川市政の混乱の背景には、首長を“悪者”に仕立て上げて、首長の再選を阻んで、自ら都合の良い首長候補を担いで、利権をわがものにしようとする一部の議員らの意図が強く感じ取れます。

 百条委員会の設置にあたり、議会が十分な事前調査を行っているか、公正な権限行使なのか、私たち住民自らが、議会の行動を吟味し監視する必要があるのは、以上の理由によるものです。

■渋川市を巡っては、大同スラグを巡る不法投棄問題、硯石問題、森林法問題、残土ストックヤード問題、二子山部屋ノーアポ面談強要問題、また貸し問題など、利権をめぐるせめぎ合いには枚挙のいとまもありません。

 来月8月22日告示、同29日投開票が迫る渋川市長選挙は、これからもますますヒートアップすることでしょう。群馬県警捜査二課も注目する渋川市政を巡る露骨な利権誘導を図る一部議員らの不遜な動きは、当会および当会の渋川支部として今後とも厳しく監視してまいる所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

                     同    山 魁\機|
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【台湾フェアin群馬2021】台湾のタン大臣との交流区画その2…群馬の若者のトークセッション一部始終

2021-07-21 01:06:00 | 国内外からのトピックス
■50分間にわたる山本一太知事とタン大臣とのオンライン対談のあと、群馬県在住の高校生18名と大学生2名の若者の皆さんが、タン大臣と活発なトークセッションを展開しました。以下にそのやりとりを紹介します。

セッションに参加していただいた若者の皆さんに、記念として台北駐日経済文化代表処から群馬県台湾総会を通じてプレゼントされた防疫バッグ。


防疫バッグの中には、イラスト入りのマスク、手洗い用の台湾の形をした石鹸、そして顆粒状の石鹸と、それを入れて水を加えて振って使う携帯用泡立ちスプレーが入っている。旅行先での手の消毒に便利。

**********
司会:本日、タン大臣とお話ししたい群馬県の若者が、会場に大勢集まっています。時間も限りがありますので、さっそく、始めたいと思います。これからタン大臣に質問があるかた。手を挙げて大きな声で自分のニックネームも言って頂きたいと思います。では、よーい、ドン!はい!どうぞ。…ちょっと待ってください。ソラさんですね?はい、どうぞ。

ソラ:ソラです。英語で、英語で、質問させていただきます。

司会:ちょっと待ってください。英語で…はいどうぞ。

ソラ:英語で質問させていただきます。ニーハオ、ソラといいます。お目にかかれて嬉しいです。本当に本日お話しできること、楽しみにしておりました。私は新しいテクノロジーに興味があります。例えば、電気自動車(EV)、人工知能(AI)に興味があります。昨年、EVについてのスピーチをしました。で、これは、AIについてのスピーチをしてきました。私のスピーチで一番重要なトピックのひとつは、どのようにしてAIと将来的に共存するかということですね。ですので、ここで質問です。人間にとって、AIと将来的に共存することは可能ですか?どのように共存していけばよいのでしょうか?

大臣:すばらしい質問をありがとうございます。AIというのは私にとって2つの全く違ったことを意味します。AIが、2つのグループの人々の間において、我々の理解を相互に加速して、我々のコミュニケ-ションを支援するならば、これはアシスティブ・インテリジェンスです、支援するインテリジェンスですね。私の眼鏡のようなものです。私の見え方を支援します。私の目の代わりはしません、私自身の代わりではないです。眼鏡をかけて皆さんのことを、よりはっきり見ます。そして、より効率的に皆さんにお答えができます。これが、多くのAIの役割をします。この人と人の間において、人にとって代わるわけではありません。しかしながら、AIシステムを、人間に成り代わるもの。それがある人間のグループに成り代わるもの。これは、いわゆる、権威主義的なインテリジェンスと言います。要するに、人間の判断というものが信頼できない。人間の判断というものを、まあ、非常に減退させる。これは非常に悪しき状態です。人間はお互いを信じるのではなく、AIを信じるわけです。ですので、例えば、価値、バイアスなどでもって、孤立してしまいます。AIをアシスト・ビジョン、まあ、支援をするもの、これは常に人間の間のコミュニケーションを支援するものであれば、そうすれば、共存するだけはなく、AIと一緒に反映することが可能だと思っております。

ソラ:OK。非常にパワフルなご意見をありがとうございました。

司会:ありがとうございます。では次の方。どうぞ。ではこちらの方、お先なんですがごめんなさい、はい、どうぞ。

カラ:はい。

司会:はい、ニックネームをお願いします

カラ:カラです。

司会:カラさんですね?

カラ:英語で質問します。

司会:はい、どうぞ。

カラ:非常にお目にかかれて光栄です。2つ質問があります。STEAM(理数)系というものがやはり、非常に重要視されています。苦手なので、どのようにこれを担っていけばよいのでしょうか?また、自分が得意な歴史とか日本語など文系科目をどのように活かせばよいのでしょうか?

大臣:いわゆるSTEAM、理数系というのは非常にクリエイティブな分野だと思います。このAというは芸術ですね、そしてエンジニアリング、工学というものは芸術を作るものです。STEAMは暗記物ではなくて、自己表現なのです。得意な日本語と歴史とおっしゃいましたが、同じです。これは、さまざまな理解ですとか、好奇心を、そして、人々と協力してそれを拡張する、そして、より人々に広めるということで、それをすることです。台湾ではいわゆるSTEAM教育、理数系教育と言ったときは、これはデジタル・リテラシーですとか、数学が得意とかは言いません。それはデジタル・コンピタンス、メディア・コンピタンス、つまり、何かを創り出す能力ですね。これを何か、これをコピーしたりすることではないのです。これは何か創り出すこと、表現なわけです。例えば芸術を創り出したいときは、これは理解あるものの、歴史のある所を、自分に取り込んで、それを再表現して、より広く広めることですね。私自身、素晴らしい想像力、例えばビデオゲームで非常にインスパイアーされました。例えば、シド・マイヤーというゲーム・クリエイターから、世界の歴史を学びました。そして、それから歴史の本を読みました。ですので、ほんとに、この歴史の本を読むことで、非常にビジュアル化することができたわけですね。ですので、このSTEAMによって創られたテレビゲームがなければ、私の好奇心を刺激されて、歴史の本を読むことはなかったでしょう。まあ、ビデオゲームをもっとやれという意味ではありません。もっとゲームデザイナーに興味をもって、対応してください。例えば、この、あるビジョンを拡張している、世界中に広めている人たちと繋がってください。そうすると、芸術、デザインを、皆様の中でもそれを創り出すことになると思います。

カラ:ありがとうございます。

大臣:サンキュー。

司会:はい、ありがとうございました。はい、では、むこうの方。確かコトミンさんですね。はいどうぞ。

コトミン:タンさん、今日は。コトミンです。タンさんは、いままでに沢山の人材を見てきたと思いますが、人材を教育する中で、大切にしていることはなんですか?また、目を引く人材というのは、どういった特徴がありますか?教えてください。

大臣:よい教育者というものは、学生と学ぶ、生徒と学ぶ人だと思います。非常に権限を持ったり、こうした答えというものがあんだと決めつけるのではなく、その包容力があることですね。その好奇心、生徒の方で好奇心があると、私もその好奇心を持つことが教育者だと思います。この共感を持つという能力、共通、その好奇心だとか、その共通のものに、それに共感して一緒にそれを探るということ。それが一番、その教育者にとって一番重要な資質だと思います。例えばどんな科目でも、これは変わります。そして、昔は正解だったと思っていたものが、将来的には変わるかもしれません。しかし、好奇心、そして一緒に探索するという精神というものが、これは続きます。ですので、生徒に対してこのような好奇心ということを、伝えることがいちばん重要だと思います。また、ただ単に、常にあるような科目だけではありません。新しい科目と言うのが出てきます。これは、さまざまな科目が混ざっているものが出てきます。たとえば、STEAMにおける芸術というものは、新しい考え方です。この方はいい人材ですね、これからもともとあるような科目とか、そういった学部にフィットするわけとは言いません。自分たちの、例えば、科目というものを、自分たちで創るような人。例えば、既に存在するような星座に自分の星を置くのではなくて、新しい星を創り出して、その星の周りに自分の星を集めて、新しい星座を創るわけです。自分でその知識を生み出しているわけではないのですけど、自分でその繋ぎかたを工夫するわけです。というのも、星座というものは、どのように繋げるかというのも、自分自身、人間の想像力が創り出したものですよね。でも、皆が自分の星座を作る能力があって、ですので、いわゆる人材で比べると、それが今、新しい人材の考え方だと思っております。

コトミン:ありがとうございます。タンさん、大好きで~す。

司会:ありがとうございます。では続きまして、むこうの、はい。奥の方、はい、お願いします。

トッティ:英語で質問させていただきます。

司会:英語です。

トッティ:ニーハオ。トッティと言います。台湾政府について質問があります。多くの国々で、スピードを重視することは難しいと思います。というのは、多くの議論を重ねる必要があるからです。そして、そういった政策を実行するまでに時間がかかるわけなんですけれども、タン大臣はマスクマップを僅か3日で開発されたそうです。なぜ、台湾政府はそのような革新的な政策を、そんなに早く実行に移すことができたのでしょうか?

大臣:いい質問をありがとうございます。まず、第一に、私は、マスクマップのアイデアを、私から出したわけではありません。台南市のウーさんから出てきたんですね。また、もう一人の台南の方からも、またそのアイデアが出てきました。で、タイペイまでわざわざおこしいただいて、説得する必要はなかったわけです。そのアイデアを、インターネットに公開して、これはオープン・イノベーションで、皆がそれに貢献したわけです。オープンであれば、皆がそれを試して、そして、試してみて、これは役に立つな、そしてそれがニュースになって国際的なニュースに。私がそれを国のニュースで知ったわけですね。これは伝統的な政府調達と違います。おっしゃたように、大臣がコンサルタントと相談して、そして、調達をどうするのか、そして、入札をしてと。まあ、そのような過程ではなかったわけです。国民のほうからいいアイデアが出てきたと。そして、前に進んだと。そしてそれが非常にホットになったと。そして、政府のほうに圧力にかけたわけです。なぜ、これを積極的にやらないのだと。でもオープンソースを選択したので、つまり、その要するに、そういった、従来方法というんですか、それをもう採らないことに決めたので、政府はそれらを、オペレーションをして、きちんとメンテナンス、維持をしていけばいいわけです。そして、リアルタイムデータ、API(注:Application Programming Interfaceの略語。ソフトウエアの機能を共有する仕組みのこと。よく使う機能がAPIとして用意されていれば、わざわざ一からプログラムを組む必要はなく、必要に応じてAPIを利用し、効率的に開発を進められるメリットがある)を提供すればいいわけです。私のアイデアではないのです。私がしたのは、誰もが時間を無駄にしなくていいと、これを維持するために、時間を無駄にしたりとすることなく、マニュアルではなくて、機械で自動的に数字をアップデートすること、これが私が貢献です。あのう、つまり、いわゆる官民協力、社会セクター、オープンソースの、そのコミュニティ。これは日本でもありますよね。このアイデアを創り出すわけです。政府の、いわゆる「リバース調達」で、我々のほうが、そのメンテナンスをするわけです。そして、民間と協力してそれを拡張する。例えばコンビニでそれをマスクの配給余恵智コンビニを利用したりするそうした拡張版ですよね。人の方からアイデアが出たと、そして、公的セクターはそれを拡張した。そして、お互い協力したと。いつもソーシャルセクター、人からこれが出来たものと思っております。

トッティ:ありがとうございます。話を伺って、台湾政府に興味を持ちました。ですので、これからも台湾政府について勉強していきたいと思います。

大臣:興味深い勉強分野だと思います。

トッティ:ありがとうございます。

司会:ありがとうございます。うれしいです。はい、次。あのう先程、前の方、お願い…はい、そのかた。次はこちらの方にもいきます、まだまだ時間がありますので、ご心配なく、大丈夫ですよ。どうぞ。英語ですか?

アスカ:日本語です。

司会:日本語です。

アスカ:こんにちは、アスカといいます。日本には私の学びたい分野を学べる大学が少なく、留学も考えています。コロナ禍でオンライン授業が増える中、私はオンラインで海外の大学の授業を受けられるようになったらいいと思いました。タンさんはどう思われますか?

大臣:ありがとうございます。私は14歳の時から、1995年に自主退学したのですが、まさに、すでにオンラインとかかわって、そのインターネット通して、いろいろ知識を蓄積したわけです。好奇心を満足させるためには、一つの視点から学ぶだけでは物足りませんでした。つまり、すべての見方、様々な文化、それをインターネットで探せる限り探してこれを好奇心を満たしました、要はすべてのさまざまなコーチ、先生をインターネットですべて探って全て橋渡しをしようとしました。これが、もし本当に、何かに興味を持って、そういった探求心をもって、多くの視点でひとつのものが見られるのだ、でも、共通項もあるのだというような考え方が持たれるならば、そして、いわゆる遠隔教育にも、オンライン教育にもご興味があるかと思います。でも、もし学びたいことが、近しい関係が必要ならば、たとえば、看護ですとか、例えばセラピーですとか、そういった、介護ですとか、そういったものを学びたいならば、オンラインだけではなかなか満足できません。それは、なにかオンラインが、なにか間違っているということではなく、たとえば、カメラですとか、インターネットのスピードというものが、一部の10ギガビット、というこの環境から受ける、環境というものが、それでは十分ではない。たとえば6Gにまで行くと本当にリアルタイムで、お互いがその場にいるんだというようなスピードになるかもしれません。そして、好奇心を満足させられるかどうかというのは、非常に、同じ人と、所謂コミュニケーションが必要なのか、それとも、より遠隔でいろいろやり取りをして、さまざなま視点を取り入れることができる、抽象的に事に興味があるのかによると思います。どちらの方に好みがあるか好奇心があるのか、私にとってそういったことが約に立ちました。

アスカ:ありがとうございました。

司会:ありがとうございました。この辺どなたか、はい。はいどうぞ。はい。英語ですか?

キララ:日本語です。えーと、キララと言います。宜しくお願いします。タン大臣は、24歳の時にトランスジェンダーだと公表したと聞いております。24歳となると、いまから15年ほど前になるので、今よりもっと性的マイノリティに対する偏見や差別が大きかったかなと思っています。なぜ、その時に、公表したのか?と、周りの反応を聞きたいなと思います。

大臣:その時、このような第2の思春期ということを通過したんですね。これを隠していたならば、家族や親族、そして親しい人からサポートを得られなかったわけです。そして、でも、非常に丁寧だけども、非常にまあ、真摯な方向でカミングアウトすれば、たとえば、友人や家族の好奇心というものが、ほんとうに簡単に答えが得られることができるわけです。インターネットに情報を提供して、こうですよ、と説明ができたわけです。そしてインターネットとか、トランスジェンダー、またいわゆるLGPT、そうした人たちのサポート・ネットワークがあるわけですので、カミングアウトができたわけで、サポートが得られました。そうした大きなコミュニティが私になければ、非常に孤立していったでしょう。そして、フルに、そのことを克服できなかったでしょう。その思春期を通過することは、ほんとうに友人や家族にとっては、厳しいですよね。まあ、トランスジェンダーであろうと女性であろうと、思春期は非常に厳しいわけです。でも、知識、サポート、そして、愛が、国際的なオンライン・コミュニティからのサポートがあったわけですので、一緒にこれを乗り越えました。どちらにしても、2、3年しか、これは(時期が)かからないので、その後は成熟した大人になったというわけです。

キララ:ありがとうございました。

司会:はい、ありがとうございました。じゃあ、この辺もう一回。手を挙げて下さい。大学生の、はい、アヤさんですね?はいどうぞ。

アヤ:日本語で質問します。

司会:はい、どうぞ。

アヤ:アヤといいます、本日ア貴重なお時間をありがとうございます。タン大臣は、台湾でコロナ禍において、迅速な、いろいろな政策を打ち出したと思うんですけど、なにかそのう、変化の多い今の世界において、ほんとうに新しいことに挑戦していくのはとても大事なことだと私も思いました。でも、若者は、特に新らしいことに挑戦するのに怖いと思ってしまったり、失敗したらどうしようか、と思うことがあるんですが、それに対してタン大臣はどのようにお仕事をなされているのか?ということと、私たちにできる新たな挑戦を、なにか後押ししてくれるようなアドバイスがあればお願いします。

大臣:非常に慎重であることは、間違いではないと思います。リスクを取るのに、慎重になることは悪いことではないと思います。20人集まれば、みんながクレージーで、みんながリスクをとっていたら、チームが崩壊してしまいますよね。そして、崩壊してしまいますよね。でも逆に20人の人がいて、みんなが保守的でリスクを取りながらないというならば、まあ、20人も必要ないですよね。同じ意見ならば。重要なのは、個人個人のリスクがとるのか、とらないのか、という個人のことではなくて、20人のチームのなかで、非常に多様性が最大限あるということですね。新しい課題がくると、ほんとうにやってみようという人もいれば、ちょっと待って、これが、ここを考えなければ、と言う人がいるというわけです。このチームの中で両方が居ることが重要です。でも重要なのは、インクルージョン、多様性、そして平等性、平等であるということですね。一人の人がリスクを取るべきである、いやもうちょっと保守的であるべきだ、ということでなくて、そのチームの中でそうやってお互いの多様性があって、お互い重要な役割を果たすということが重要なのかな、と思います。

アヤ:丁寧なご説明、ありがとうございました。

司会:はい、ありがとうございました。じゃあ向こうのほう、ちょっと手が、男の方、眼鏡をかけておられるのは。はいどうぞ。

ジョー:ジョーといいます。

司会:はい、ジョーさんですね?

ジョー:はい。お目にかかれて光栄です。日本では、新型コロナウイルスによって、旅行会社のかたであったり、飲食店等の経営者のかたが失業してしまうという問題が起きています。台湾も少なからずそういった問題が起きていると思いますが、失業者に対してどういった政策をとりましたか?また、こういった問題に対して、私たちはどういった行動をとるべきだと思いますか?

大臣:本日ですけども、たとえば住まいでの飲食は可能ですよと、本日発表しました。ですので、台湾で最悪期は過ぎたと思います。でももちろん、過去数カ月は、非常に厳しいかったと、他の世界でも厳しい状況がありますよね。台湾で何を注力したのかと言うと、この国の支援というものが非常に手に入りやすい。本当に使いやすい。たとえば、コロナで厳しい状況に遭って、そして失業手当というものを受け取れなかったという人がいれば、まあ、デビットカードをつかって、そのIDカード番号というものがあるんですけれど、そして1万台湾ドルを受け取るわけです。たとえば書類に記入しなくてもいいんです。たとえば、申請もしなくていいわけです。最寄りのATMに行っても、画面を開いて申請すればいいわけです。この、国からの支援、そして福祉へのアクセスというものが、それ自体が尊厳を傷つけたり、ですとか、リスクですとか、不必要な時間を取らないようにすることが重要です。本当に何回も書類に記入しなければ、というよりも、日々の生活をきちんと手当てするということが重要です。この担当の大臣は、マクロ経済の担当なのですけど、でも基本的には、州は、国は積極的に支援をすると。なるべくそういった苦痛を起こさない、もしくはその機械コストの損失にならないこと。そのことが重要だと思っております。

ジョー;ありがとうございました。

司会:ありがとうございました。じゃあ、むこうのほう、もう一回、お隣のかたです。はい。

リン:英語で話します。

司会:英語です。

リン:こんにちは、リンです。お目にかかれて嬉しいです。中学校からジェンダー問題について勉強してきました。例えば、男性の化粧品ですとか、ジェンダーですとか、学校でそれらの発表も何回もしました。でも一番重要なのは、より多くの人たちに、このような考え方を理解してもらうことだと思っています。でも、私は自信が持てません。多くの人たちに訴えかけるような力がないのではないか、勇気なのではないか、ということで、少し自信が持てません。台湾での男との子のピンクのマスクというストーリーもありました。そうやって行動をとれる想像力、行動力は素晴らしいと思います。そこで質問です。日本の若い人たちが、そのジェンダーの考え方、意識について、日本の人々をどのように変えていけばいいのでしょうか?

大臣:ピンクマスクのことについて知っていてくれて、嬉しいです。ほんとにこの質問、歓迎します。というのも、この場合は、ポスト・ジェンダーの人間として、ジェンダーというものは経験です。ラベルではありません。私は1990年、93年に第1次思春期があって、2回目の思春期が2005、2006年に通過しました。でも、これはまあ、性別がどうだこうだとは言いません。この経験をしたということが、非常につながりがあるわけです。私の経験は、皆様の経験と似たものですですので、お互いに似たような経験をして、いろいろ話せるわけですね。たとえば、私は台湾人ですとか、私は日本人です、と言ったりすると、これが離れてしまいますよね。でも、似たような経験をしていますよね。例えばピンクマスクという共通の経験がある。そうすると繋がりが深まります。もし私たちがジェンダーのことを、経験として考えて、そして、ジェンダーの流動性というものが、より多くのことが経験できることだ、というふうに考えれば、ステレオタイプから解放されるわけです。たとえば、化粧しなければいけないとか。でも、同時に、もし、同じような経験があれば私と一緒に化粧するという経験を共有できるわけですよね。たとえば、化粧をしなければいけないという世論が、ずっとまた続くわけです。この伝統的なジェンダーの役割を乗り越えて、社会的な役割ということを乗り越えてこそ、所謂ジェンダーのステレオタイプから解放されて、お互いを人間だと、考えるわけです。時々は違うけれども、時々は同じ経験をした者同士だと理解できるわけです。

リン:ありがとうございました。

大臣:サンキュー。

司会:ありがとうございました。ではこちらの、はい、どうぞ。ごめんなさい、あの後ろのかた、先に。はいどうおご。あの、むこう、髪の毛が長い方ですね、はいどうぞ。

アヤ:こんにちは、アヤです。台湾ではITを活用したコロナ対策が効果的な結果が出ていますが、これを日本で活用するといった時に、高齢者もITに馴染んでいない、高齢者への対応が必要だと考えています。彼らがITを使いこなすには、どのような対策が必要だと思いますか?お願いします。

大臣:もっと一緒に時間を過ごします。というのも、若い人々がもっと高齢者ともっと時間を過ごせば、私と付き合うように、友人が何かに優れていれば、そして、いつも共有してくれるならば、いずれは興味を持ちますよね。もし、友達が時間をすごしてくれなくて、ただこれが、どんなに素晴らしいかと話すだけだったら、友人はこの素晴らしいピカピカしたものにとらわれているのだと。その友情が壊れてしまうのではないかと、ちょっと、うらやましかったり、まあ、友達が興味を持っているものにうらやましくなってくるかもしれません。高齢者はそういった感じ方をしているかもしれません。若い人、友人、家族の者、まあ、この、例えば、ほんとうにスマホですかね、夢中になっていって孤立感を覚えているかもしれません。ですので、必要なのはまずITを、機械と機械をつなげるもの、人間と機械とつなぐものではなくて、人間と人間をつなぐものとして理解することです。我々ITを使っていますよね。私の考え方、皆様のアイデアがつながっていますものね。これが正しい使い方です。ちょっとバカバカしく思うかもしれません。けれども、こういったビデオ会議をしたらいかがですか、お爺ちゃん、おばあちゃんと。もっとビデオ会議をしてください。そしたら、我々と同じ世界に、こうやって皆を引き入れるわけです。そして何か面白いことを共有できるようになれば、それは、たとえば、フィルターがとれて、楽しいよということを共有すれば、そうすると、おじいちゃんやおばあちゃんが面白いなと思うわけです。あ、私もできるんだと。そうすれば、高齢者同士でお互いを教え合うわけです。でも強制する、こっちの世界に強制的に引き入れようとすると、これは上手く行きません。一緒に、その世界に入って共有することが大事かと思います。

アヤ:ありがとうございます。

司会:ありがとございます。じゃあ前のかた、すいません。

ミーナ:ミーナです。お願いします。自分のことをしっかりしていないと、トランスジェンダーだということは自覚できないと思いますし、自分の意思をしっかり持っていないと、学校を辞めて自分の道を進んでいく、ということを決めることはできないと思います。私は正直、自分が何になりたくて、これから何をしたいのか、分からなくて。なので、聞きたいことは、どうして自分のことを理解できたのか?どのようにしたら、自分のことを知って、自分の意思で行動できるのか?教えていただきたいです。

大臣:まあ、哲学的な質問ですね。5時間、7時間も議論できますね。でも5分しかありません。ですので、ちょっと短く言わせてください。私自身の経験は、私は、自身であるのは、私が、私のコミュニティの文脈、背景の中に入り込むことによって、はじめて部分である、といいます。アメリカでは。部分といえるのは、我々は自分自身では完ぺきではなく、コミュニティが完成させることで、我々が完璧になる。というのは、我々は関係性を持って、成り立つわけです。中心的な人間というのはありません、個人というのはありません。我々は星座の星なわけです。それで、人間性の関係性があるわけです。ですので、従来と違うコミュニティに存在しているので、この重なりで私を定義付けるわけです。たとえば、個人のための個人か、ではなくて、コミュニティを探し出すこと。ほんとうに時間を過ごすのが楽しいコミュニティを探すわけです。でも一つのコミュニティに閉じこもるのはいけません。そうすれば、5つ6つ、7つの違うコミュニティの一員で、違う考え方、見方、価値観があるわけです。でも、ご自身は、この違ったコミュニティを、その知識を共有できるという、非常にユニークな個人です。だから、パズルのピースというわけです。ですので、コミュニティを一緒につなげるピースです。そうすれば自分自身も分かるわけです、で、また同時にコミュニティに自分自身が溶け込むわけです。ちょっとこれはパラドックスですけれども、でも実際こういったことではないでしょうか。

ミーナ:ありがとうございます。

司会:ありがとうございました。たくさんの質問が飛んで来まして、すごくビックリしました、なのですけど、時間がもう迫ってきましたので、まだまだお話したいことがあると思うのですが、最後に、タン大臣から若い人たちに、一言お願いしたいと思います。お願いします。

大臣:ありがとうございます。非常に洞察力のある、深い、そして個人的な、そして率直な質問をありがとうございます。感銘を受けました。これは始まりに過ぎません。我々のコミュニケーションまた関係性の初めでしかありません。この、第1回目、皆様に語り掛けてくれました。皆様に、私が訪問するとき、バーチャルでも本当に、実際にお会いする時は、より我々の相互の理解を更に深化させることができるでしょう。我あれがny-ロ現パスタですね。はい。

司会:ありがとうございました。タン大臣、ここで一つちょっと、無理なお願いがあるのですけれども。あと30秒のお時間をいただければ、私達皆さん、タン大臣と写真を撮りたいのですがよろしいでしょうか?

場内:(拍手)

司会:無視にお願いしてと、思うんですけど、ぜひお願いします。大丈夫ですか?はい、じゃあ皆さん前の方に、どうぞ。早く。もう時間がないですので。これはチャンスです。はい。

県側:(コロナなので、密になるので、ちょっとここでは)

司会:ああそうですか、ああ、ごめんなさい。戻りましょう。あの、ごめんなさい、密になりますので。(として、この動画がYouTubeを通じて公表されることから、密を演出することは避けたいとの釈明を中国語で伝えてから)ここで私たち、先に台湾の言葉を学びましたよね?ここでタイ大臣に、皆さん、せいの、で、ありがとうございます。中国語でOK?はい、せいの…

場内:謝謝。

司会:はい、握手でお送りください。

場内:(拍手)

司会:でもタン大臣、待っていてください、私達はタン大臣と写真をとりたいんです。はい。
**********

■このやりとりを視聴した筆者の台湾の親戚筋からは、日本の若い世代の皆さんの英語力が素晴らしいとの感想が寄せられました。堂々と英語で質問する姿は、やはりかつての日本人のイメージとは異なるようで、筆者としても嬉しく思った次第です。

 なお、以上のやりとりの文字起こしの内容に何か不都合な箇所があれば、ぜひご指摘ください。

【10月15日追記】
 2021年7月8日に群馬県台湾総会が県と共催で行った台湾フェアのイベントの目玉として実施されたオードリー・タン大臣と一太知事との対談が、ようやく字幕入りバージョンでアップされました。当時、群馬県はすぐにタン大臣の発言の和訳化と一太知事の発言の英訳化をスーパーインポーズしたバージョンを作成して公表すると言っていましたが、結局、実現したのは3か月半も経過したあとだったことになります。
 お待たせしましたが、どうぞご視聴ください。
**********Tsulunos2021年10月15日
台湾フェア 県知事とダン大臣との対談字幕入り
https://youtu.be/BC1y5-MBpBc

【Yukemuri Forum 2021】Audrey Tang and Ichita Yamamoto: A Future Created by Digital Technology
2021/10/15
Audrey Tang, Digital Minister of Taiwan × Ichita Yamamoto, Governor of Gunma Prefecture
As the main event of Taiwan Fair in Gunma 2021, Governor Yamamoto talked online with Digital Minister Audrey Tang of Taiwan.
Minister Tang has been fostering social innovation by using digital technology and has attracted much attention from around the world, particularly for facilitating the development of a mask map app that has helped Taiwan during the COVID-19 crisis.
After speaking with Governor Yamamoto, Minister Tang answered questions and talked with students in Gunma.

「台湾フェア in 群馬 2021」のメイン企画として実施した、台湾のデジタル担当大臣オードリー・タンさんと山本知事とのオンライン対談の字幕版です。発言の日本語部分に英語字幕、英語部分に日本語字幕を付しています。同時通訳による動画は以下をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=4U63BxS2d-g&t=0s

●Timestamps
0:00~ : Opening 
02:26~ : Dialogue between Minister Tang and Governor Yamamoto
      A Future Created by Digital Technology
47:48~ : Q&A session between Minister Tang and Gunma students
**********



【群馬県台湾総会書記からの報告・この項おわり】


※関連報道
**********読売新聞2021年07月11日05:00
山本知事とオードリー・タン氏が対談
~多様性社会実現へ対談~


オンラインでタン氏と対談する山本知事(右)(県庁で)
 山本知事と台湾のデジタル担当相、オードリー・タン氏がオンライン上で対談し、多文化共生社会の実現やデジタル技術の活用などについて意見を交わした。
 8日に行われた対談は県庁で行われている「台湾フェア」の関連イベントとして実施された。プログラマーとして活躍していたタン氏は、台湾史上最年少の閣僚になったことで知られる。
 山本知事からの多文化共生社会の実現についての質問を受けたタン氏は、「心が軽くなるような楽しさが重要。今の公共サービスにはユーモアや想像力が足りていないように思う」と指摘。また、タン氏が若者が豊富なアイデアを持つことを示唆すると、山本知事は「高校生の知事アドバイザーグループの設置を真剣に考えたい」と応じていた。
 タン氏と県内の高校生ら18人が議論する場も設けられた。高校3年の男子生徒(17)は「人間と人工知能(AI)は共存できるか」と質問。タン氏は「人のコミュニケーションを支援するので、共存するだけでなく繁栄することができる」と答えていた。
 台湾の文化や自然、県内とのつながりを紹介する台湾フェアは14日まで。県庁1階県民ホールでは、台湾の景勝地の紹介や、県内市町村と台湾の友好協定都市との交流の記録を展示している。また、インターネットに特設サイトを設け、観光名所の空撮映像や、台湾料理の作り方、茶園の紹介を掲載している。
 県民ホールでの展示は、午前9時~午後5時。
**********

コメント
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【台湾フェアin群馬2021】台湾のタン大臣との交流区画その1…一太知事のオンライン対談の一部始終

2021-07-20 23:26:00 | 国内外からのトピックス
■今年のコロナ禍での台湾フェアが成功裏に終了しましたが、その中の目玉イベントであった台湾のデジタル担当政務委員(閣僚)、唐鳳(オードリー・タン)氏と山本一太知事とのオンライン対談や県内高校生18名+大学生2名とのトークセッションが7月8日(木)午後6時~7時半に予定通り開催され、山本一太知事と若者ら20名が県庁32階の官民共創スペース「NETSUGEN(ネツゲン)」に集合し、熱いトークが交わされました。イベントの様子は県公式ユーチューブチャンネル「tsulunos(ツルノス)」でライブ配信され、現在でも視聴できます。

オンライン対談する山本知事(手前)と唐氏

**********上毛新聞2021年07月09日11:00
接種の加速にデジタル活用 知事と台湾担当相対談
 デジタル技術でマスク不足を解消した立役者として知られる台湾の唐鳳(オードリー・タン)デジタル担当相と山本一太群馬県知事のオンライン対談が8日、県庁で開かれ、新型コロナウイルス対策などを巡って意見を交わした。
 唐氏は台湾のワクチン接種予約システムを説明し、「接種の加速はデジタル技術で支援できる」と強調。山本知事がコロナ下で過密の少ない地方都市の再評価が進む現状を指摘すると、「オンライン会議の普及で地方都市は世界とつながり、国際舞台に発信できるようになった」と応じた。(西山健太郎)
**********

 このイベントでは、タン大臣と一太知事との対談が50分間、そして、各高校を通じて申し込みがあった50名の高校生から抽選で決まった18名と大学生で応募のあった2名の合計20名の若者らとのトークセッションが40分間おこなわれました。

 この動画は以下のYouTubeで見られますが、当会ではこの度、動画の音声から、やりとりの内容について、文字であらわすための作業を続けてきました。

https://www.youtube.com/watch?v=4U63BxS2d-g

 7月18日までに作業の半分程度を終えましたが、ひょっとしたら群馬県で既に同様な作業を既に済ませているかもしれないと思い、同19日午前、県庁6階を訪れて秘書課に問いあわせた所、10階の地域外交課で同様な作業を進めていることが確認できましたが、まだ作業完了していないということで、当会の作業の進捗と同程度であることがわかりました。

 音声データを聴いてみると分かるとおり、同時通訳の声がタン大臣の肉声にオーバーラップしているため、英語の音声がハッキリと聞き取れません。そのため、タン大臣の肉声がわかる英語の音声データの提供も、県に求めたところ、地域外交課の話として、秘書課と通じで分かったことは、タン大臣の事務所との約束で、群馬県として、YouTubeに、同様に英語バージョンの動画もアップすることになっていて、これも編集作業を経てから実施する予定だと言うことです。ただしその時期は未確定とのことでした。

■そのため、タン大臣の発言部分は同時通訳の音声データをもとに描き起こしてありますが、全体的に発言の趣旨はお分かりいただけると思います。それでは以下に、7月8日のオンライン対話の一部始終を文章で掲載しますので、ご確認ください。

**********
司会:只今より台湾、オードリー・タン大臣と群馬県山本一太知事とのオンライン対談を開催いたします。私は群馬県台湾総会ウタサトと申します。宜しくお願い致します。

場内:(拍手)

司会:はじめに、本日こちらの会場には多くの方が出席しているため、群馬県側は全員マスクを着用しておりますが、ご理解いただければ幸いです。それでは、県台湾総会を代表しタン大臣に謝意を申し上げたいと思います。(中国語挨拶)
簡単にさきほどの内容をちょっと日本語で説明させていただきます。タン大臣、お忙しい中にもかかわらず、私たちの要望に応えていただき、群馬県、そして群馬県の若者の皆さんのために、このような機会を与えてくださり、誠にありがとうございます。限られた1時間半ですが、おそらく参加者にとって大事なひと時になることでしょう。そして、今回の対話を通じて、新しい発想が芽生えてくるかもしれません。大いに期待したい、という内容でした。はい。

場内:(拍手)

司会:それでは、山本一太群馬県知事に進行をお願いしたいと思います。山本知事よろしくお願い致します。

知事:はい。えー、オードリー・タン大臣。初めまして。群馬県知事山本一太です。群馬県は、私のもとで昨年、新しい総合計画、群馬県の未来図である新しい総合計画をまとめました。その中で、群馬県の20年後の姿を描いたビジョンというものを発信いたしました。そのビジョンを一言で言うと、こういう文言で表現されています。「群馬県が20年後に目指す姿は、群馬県民すべての県民が、年齢、性別、宗教、国籍そして障害の有無等にかかわらず、誰一人取り残されることなく、それぞれが思い描く人生を生き、幸福を実感できる、自律分散型の社会」ということです。こういう理念を県で掲げた知事として、私が今世界で一番お話をしたい、いろいろと、お聞きをしたい、その一人がオードリー・タン大臣ということで、今日はですね。こうして大臣と対談をする機会をいただけたことを大変嬉しく思っておりますし、また、今や台湾のデジタル政策を牽引する世界的な注目を集めるオードリー・タン大臣と、こうしてお目にかかれる、いろんなお話ができる、ということを大変光栄に存じております。まず冒頭ですね、せっかくなのでタン大臣に、群馬県の簡単なご紹介をさせていただきたいというふうに思っています。私が知事を務めるこの群馬県は、いわゆる東京中心とする首都圏というところに位置しております。東京からは、新幹線で1時間弱の距離にありますが、東京に近いんですけれども、非常に雄大な自然に囲まれたとっても素晴らしいところです。とくに有名なのは温泉で、私のふるさとでもある草津温泉、伊香保温泉、水上温泉、四万温泉という4つの温泉郷があって、観光地としても大変賑わっている日本一の温泉県と言ってもいいと思います。さらに、農業も畜産業もとても盛んで、たとえばキャベツは全国一の生産量を誇っています。ものづくり産業も非常に盛んな場所です。同時に今ですね、日本政府も、そして、地方の政府もそうなんですけども、二週間後に控えた東京オリンピック、パラリンピックに向けて、とにかく新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための、この拡大を防ぐための様々な対策を講じています。残念ながら、なかなか今、東京の状況が厳しくて、今日政府が正式に、東京に4回目の緊急事態宣言を適用するという流れにはなっていますけれども、群馬県もこの中で様々な新型コロナ対策を講じてまいりました。幸いなことに、現時点で言うと、群馬県は、首都圏の中でも、ずば抜けて感染者数が少ない。感染率を低く抑えられております。ただ、東京の影響を受けやすいということもありますし、首都圏全体がですね、感染者リバウンドの状況に見舞われているので、なかなか油断はできないと、緊張感をもってですね、日々、知事として、県政を運営しているというところです。今日は大臣に最初にお聞きしたいことがあります。台湾がこの、COVID-19,新型コロナ対策において、やはり世界で最も成功した国家のひとつであるという、この事実は疑う余地がないという意味では思っています。タン大臣が打ち出したさまざまな斬新な政策、たとえばシビック、あのう、なんていうか、市民の力を活用したシビック・テクノロジー等々を駆使したマスク配布のですね、マップの開発とか、或いはデジタルを使ったさまざまな、なんていうか、発信のアイデアとか、私自身も大変勉強させていただいておりますし、日本を含む世界が台湾の実績から学ぶべきことは非常に多いというふうに思っています。このことを前提にですね。ご質問をしたいと思うんですけれども、その中でもですね、この5月、台湾で、ですね、感染の再拡大が発生をしました。これは、再拡大といっても、日本とかヨーロッパから比べればかなり低いレベルでありますけれども、5日間で1万人ぐらいの感染者が出たという状況になっています。タン大臣もですね、ずっとこう台湾のメディアをフォローしているんですけれども、たとえば、この間、確かですね、ワクチン接種の予約システムを作られたということもうかがってますし、これが台湾の国民の皆さんのカードとか、あるいは、その、保険証のカードとか、だけでも申し込むので申し込むのではなくて、もうちょっとスマホに弱い方々や弱者にも配慮してですね、もう、コンビニでも予約ができるようにしたと。こういう情報もいろいろと入ってきています。で、こういう状況の中、台湾で初めてコロナが始まってから本格的な再拡大があるという新しい状況の中で、タン大臣が、台湾政府がこれから、この状況にどうやって対応していくのか。勿論台湾はですね、タン大臣の、実は、この対談のまえに、書籍も何冊か読ましていただきましたし、大臣が各県の知事と行った対談とか、或いはIBMジャパンで基調講演されたのは全部昨日聞いてまいりましたので、勿論、台湾はですね、タン大臣を中心に進化を続ける民主主義、オープンガバメントを通してですね、この逆境を当然乗り越えてゆくというふうに確信をしておりますが、この新しい状況を、タン大臣がどう捉えておられるのか。そしてこの台湾が、おそらくCOVID-19が発生してから初めて直面したこの状況をですね、どんな戦略で乗り越えていこうとしておられるのか、さらには、大臣がですね、デジタル担当大臣としてずっと大事にしてこられた、いわゆる、その、政府と国民、政府と市民との信頼関係ですね。これは勿論、確固たるものがあると思いますが、今、蔡英文総統のワクチン、政策を巡って、台湾の国内でもいろんな意見や批判がでてきているということで、ある意味、この国民と市民、政府と市民、政府と国民とのこの信頼関係が試されているという、タイミングでもあるのかなと、いうふうに思っていますけども、そこら辺のことについて、タン大臣の考えをまず、群馬県知事として今県内の県民コロナ感染者を抑えて県民の命と健康を守るために、全力を尽くしている知事として、まずそこから、大臣のお考えをうかがえれば幸いでございます。

大臣:知事ありがとうございます。よろしいですか。聞こえますか、この機会をいただき、ありがとうございます。意見交換の機会をいただきました。まず、皆さまに対して、日本の人々、日本政府の、第2回目のワクチン、アストラゼネカのワクチンを寄付していただきありがとうございます。この2回分のワクチンの寄付がなければ、私は、個人的にも2回目の接種を受けることができませんでした。2回目の接種を受けましたので、ほんとにまた、あちこち行けることが出来ました。本当にありがとうございます。日本からのワクチン、そして米国、そして寄付をいただきましたわけなんですが、アストラゼネカとモデルナのワクチンの出荷が、また我々のところにきているのですけれども、1週間に100万回の接種が行われております。つまりは、我々のアクチン接種のスケジュールが加速しております。それが可能になっているのは、直近に第1波、これがほんとうに台湾において最初の第1波ですね。今、足元、今日なんですが、18人の感染者です。さほど高い率ではありません。でも1か月前のそのピークを覚えていますので、ほんとうにまだ記憶に新しいわけです。ですので、記録的な数でワクチンの接種を受けております。1回目の接種の時は、4月半ばだったのですけど、友人ですとか家族に「ワクチンを受けてください」と説得しなければいけませんでした。ほんとに私の言葉を聞きはしませんでした。まあ、台湾は本当に、市中感染がなかったわけですので、ワクチンを受けるなんてちょっと変わっているなと思われていたわけです。でも、こうやって2回受けて、海外にも、台北市内ですね。でもその、まあ3か月ですけど、台湾人の生活に非常に大きな変化がありました。ワクチンの接種が加速するには、我々の戦略の上で重要なのは、これはデジタルテクノロジーで支援ができることだと思います。これを世界中で見たわけですけれども、ひとびと違う、ワクチンの種類ですが、好まれる種類として、台湾では、モデルナが、アストラゼネカよりもいいと言う人もいます。でもアストラゼネカのほうがモデルナよりいいと言う人もいるわけです。デジタルテクノロジーにおいて非常に幅広い調査、アンケートをしました。本当に今日が正式なキックオフだったんですけれども、台湾の人全員に対するアンケートですね。まず、50歳以上のかたが、リスクの高い人たちなのでワクチンを受けるわけです。ですがただいまで、50歳以上のひと。もしくはまあ、基礎疾患でリスクがある人々、このふたつのグループの人たちに対してアンケートを取りました。どちらがいいですか、モデルナですか、アストラゼネカですか、それとも、どちらでもいいですか、ときくわけです。それで何百万の回答がくるわけで、それは携帯電話の番号があって、で、どこの県でワクチンを接種したいのかと、いうことで答えが入ってくるわけです。そして、日本からの寄附を頂いてその数週間、その在庫が分かるわけですね。例えば、アストラゼネカを受けたいという人に対してそれを摂取できるわけです。例えば160万のワクチンの数があると、ぴったりそれを出荷して、そして、アストラゼネカが欲しいと言った人たちに対して、それをきちんと出荷できるわけです。ですので、この人たちが接種に来るんだな、ということでムダにならないわけです。そして、急にキャンセルが有ったり、急にやめたりということがないわけです。本当に接種を受けたいという人が来るのできちんと接種ができる。この需要のアンケートを取ることによって、実際にワクチンのどの種類がほしいのかということは、このアンケートがとれて我々のワクチンの接種回数を加速することが今後できると思います。

知事:ありがとうございます。やはり、これは台湾の制度もそうだと思いますが、特にオードリー・タン大臣がですね、台湾のデジタル化というものをかなり加速させたということがあるのですが、例えばVガバメントとかですね、ジョインとか、いわゆるその、国民の声を直接吸い上げる仕組み、それから政府の方から直接数多くの国民に届ける。そういうその、デジタルの仕組みを作っていくというところがあらためて台湾の強みであり、タン大臣のですね、やっぱり、すごいところだな、ということを感じました。なかなかまだ群馬県はデジタル後進県だったものですから、私になってから一生懸命デジタル化を加速しているんですが、やはりタン大臣がいつもおっしゃっているように、インターネット、デジタルというものは、間接民主主義の弱点を補うと。つまり大勢の人たちが、タン大臣がよく「傾聴」とおっしゃってますけど、意見にしっかりと耳を傾けるためのツールとして非常に有効だという話をですね、ご著書のなかで読んだんですが、群馬県としても少し、タン大臣がずってやっているように、こうしたデータ分析ができる仕組みを、シッカリ我々もつくっていこうと、今の話をうかがいながら思いました。あの、そこで台湾の政策については、お聞きしたいことも山ほどあるのですけれども、時間も限られていますので、ちょっと次のトピックにいかせていただきます。あのう、タン大臣、私は群馬県知事になる前に、24年間、与党自民党の国会議員を務めておりました。で、第2次安倍政権では、内閣の特命担当大臣を経験して、その時には、ITとか科学技術の、実は担当もやっておりました。で、あのう、国会議員の仕事はですね、これも今、タン大臣が、日本で言う閣僚としてご活躍をしているので、よくお分かりと思うんですけども、国会議員の仕事は、やはり一言で言うと、ルールメーカーともいうべきものであり、法律を作る、制度を作る、これはものすごく大事なことだとうふうに思っていす。で、20何年間か国会議員を経験して群馬県知事になったわけなんですけれども、まあ、知事はですね、あの、大臣ご存知のように「ガバナー」ということで、まあ、議院内閣制ではなくて、県政というものは大統領制に近いので、知事は知事として、国会議員のときは、ルールメーカーのひとりだという意識だけども、知事はいわば現場のプレーヤーの代表という感覚があってですね、まあ、同じ地域で頑張っている私もここで生まれたんですが、県民の代表をして仕事ができるという醍醐味みとか、やりがいもですね、大変感じているところなんですね。その中でタン大臣、あらためて思うことはですね、いかなる状況であろうとも国であろうと地方であろうと、一番大事なことは教育だということなんです。で、実はあのう、群馬県でもですね、さまざまな教育イノベーションを進めています。タン大臣がですね、やはりイノベーションの基礎というのは、これは耐容の精神と、インクルージョンであると。すなわち、誰も取り残さずに、やっぱり、しっかり皆に参加してもらうということだとおっしゃっているんですが、群馬県もそういう精神のもとで今、一生懸命教育イノベーションを進めています。そこで実は、群馬県はですね、これからの時代に育てたい人材ということで、こういうコンセプトを建てました。「始動人」というのですが、これやっぱり、日本の台湾の共通のところで、漢字を見ればすぐにタン大臣に分かっていただけると思うんですけども、「始めて動く人」と書きます。これ、始動人というのはどういうものかと言いますとね、戦後日本が、いわゆるその戦後の成長時代にですね、大量消費、大量生産の時代があったわけなんですけれども、この時代はやはり皆と同じ方向を向いて狂騒する人にスポットが当たっていたと思うんです。例えば、いい大学に入るとか、或いは大きな企業に入るとか、こういうところの競争で秀でた人たちにスポットライトが当たっていたと思うんですが、やなり群馬県が考えているのはですね、今、これだけ変化の激しい時代、明確な答えがない、人の価値観もものすごく多様化している中で言うと、そういう皆が同じ方向を目指していく中での競争ではなくて、自分の頭で生き抜く力、例えば今迄、人が目指していなかった領域を目指して歩き出す力、そういう勇気を持っている人、これを始動人というふうに呼んで、こういう人が生まれやすい環境を作りたいと、そのためにはタン大臣と全く同じ感覚なんですけど、寛容性、そして多様性を受けられる、やっぱり、教育が大事だと思っているんですが、あのう、まずタン大臣にこの考え方についてどう思われるのかということと、タン大臣がご覧になってですね、このデジタルイノベーションの時代に求められる人材の姿、いわゆるこれから若者、子ども達も若者達もそうなんですが身につけておくべき素養と言うものはどんなものがあるとお考えになっているでしょうか?

大臣:ありがとうございます。私も強くイニシアチブをとることを信じております。カナダのシンガーソングライターのレオナルド・コーエンですけども、どんなものにも、ヒビがあると。そのヒビから光が入って来るんですね。ですので、ヒビというものが悪いのではなくてヒビに感謝するわけですね。これをチャンスと見るわけです。そして、イニシアチブをとって新しいアイデアを、これを採り入れるわけです。また、同時にダイバーシティ(多様性)というものが、もし、人々が誰の立場もとること、学ぶことが、一番よいと思います。どちら側に立つではなくて、違う立場の人たちを同時にみる、理解することですね。価値は今、多元的です。たとえば、経済的な発展も、それも重要だと言う人もいるでしょう。でも、地球全体をまた環境を非常に気にする人がいます。また、社会的な平等性、ということが、40年前よりも、非常にやっぱり重要性を帯びてきています。ですので、このような多様な見方があるので、そして、イノベーションを誰も取り残さない、どの価値も取り残さないということが重要です。人を取り残すのではなくて、たとえばアイデアを推進する、例えば循環景気で、例えば、古いジーンズからファッショナブルな衣類を作る。これは経済的にも環境的にもいいわけですね。そして、それをまた仕事にする人にとって、世界的平等性が維持されるわけです。これが、こっちかあっちかではなくて、我々は常に、すべての(SDGsの目標である)17の価値というものを、持続可能性に取り込むということが大事だというふうに思っております。

知事:ありがとうございます。あのう、タン大臣が多様性というキーワードをおっしゃったんですけども、群馬県はですね、私が知事になっていくつかのベクトル、新しい機軸を打ち出しておりますけれども、その中に、えー、多文化共生・競争、ともに作るというコンセプトがあります。たとえば今、群馬県にはですね、ここで住んでいろんな場所で働いておられる外国籍のかたがたが大体3%くらいいるんですけども、こうした方々のことを私は外国籍の住民ではなくて、「外国人県民」と呼んでいるんですね。そして群馬県を発展させていくためには、いつも大臣がおっしゃっているとおり、やっぱり、多様な価値観を持った人々が集まることが大事だと。我々は、この外国籍の県民の皆様も仲間として協力をして、群馬県を発展させていくべきだというふうに思っていまして、群馬県はですね、この多文化共生・競争というコンセプトを、とくに外国人の方が群馬県にというか、全国に増えてきている時代の中では、初めて47都道府県に先駆けて、これを推進する条例も作りました。やはり大臣がいつもおっしゃっているように、同じ、なんていうか、考えを持った人たちが行政の中に来たら結局同じものしか生まれないので、いろんな、世の中には人がいると。大臣が常に「傾聴」というお言葉を使いますけれども、自分と違う意見の人にも耳を傾けて、やっぱり世の中にはこういう普遍的な価値があるとか、こういう見方もあるんだということを考えながら、やっぱり、進んでいくことが、タン大臣のおっしゃるインクルージョン、すべての人たちに参加をしてもらって、政治をつくっていくということにですね、繋がるんじゃないかということを、今あらためて、感じました。大臣、これも何度もいろんなところでお聞きされているんですけれども、この多文化共生というコンセプトを、なかなか、保守的な、群馬県で、進めていくというのは、なかなか大変なことで、このコンセプトをまとめる時も、なかなか最初は理解していただけない方もいたので、知事が県内中、すっと行脚しながら、ワークショップみたいなものをやりながら、何とかこの計画を県議会にも認めてもらったのですが、大臣から見て多文化共生の社会をつくるためのカギって、いろいろあると思うんですけれども、一番大事なことを一言で言うとなんでしょう?

大臣:はい、一番重要なことは、楽しいということですね。これはあまり、いわゆる公共サービスではあまり強調されないのですが、この社会イノベーションの別の柱、ファスト、フェア、ファン。早く、公平で、楽しいという事ですね。われわれ公共部門で働くと、効率性、平等、非常に重要ですね。しかし、ユーモア、楽しさ、そしてほんとに活発な議論、会話をするということ。無限のイマジネーション、クリエイティビティ、アート、芸術、デザイン。これらがまあ、足りないみたいです。ほんとうに、パブリック・ヒヤリングとかしてみると、そういうものが足りないように思います。ですので、過去4、5年の私の考え方は、ユーモア、楽しさ、そしてほんとに心が軽くなるような楽しさ、というものが公共サービスに紹介することです。ですので、私のイメージは、日本人のラップのかたがたがリミックス(注;複数の既存曲を編集して新たな楽曲を生み出す手法の一つ)をしてくれますね。まあ、ヒップホップで、リミックスをしてくれますよね、日本の方も。そして台湾の人たちもそういったリミックスをしてくれます。ですので、ただ単に、そのことの魅力だけでは無くて、それがどのくらい、それがアクセスしやすいのか。例えば、何かに集中するという意味では、例えば台湾では総統杯ハッカソン(注:hack(ハック)+marathon(マラソン)からの造語で、ソフトウエア開発者が、一定期間集中的にプログラムの開発やサービスの考案などの共同作業を行い、その技能やアイデアを競う催しのこと)というイベントがあるので、そういったことに、楽しさをもって参加すると、普通ではないような、何か楽しいことが起こるのではないかなと期待が高まり、そして、これを話題に乗せる。そして社会的にこれが改善につながるわけです。たとえばジョイントフォームでは、これは、アピールがあったわけですね。台湾のタイムゾーンはGMT(グリニッジ標準時)プラス9。それを「日本と一緒の時間帯にしろ」というようなアピールがあったわけです。ですので、それでも、その反対する反動として、今の時間ゾーンでいいんだと。これはちょっとふざけているようなんですけれども、でもほんとに皆が意見をオープン言うことの証左だと思うんです。この2つの、訴えの言い続けた人たちを同じ部屋に入れて、そして競争を促したんですね。そして両方が、人権として、デジタル民主主義というものを世界に拡げようと、そちらの方が国際な舞台では重要だろうと。そのタイムゾーンを変えるだけでなく、勿論それはニュースになるんですけれども、もしかしたら悪い意味かもしれませんね。それでも、そんなことになっても、それぞれ2日しか持たないわけです。ですので、両者は「台湾をより世界政治に上げよう」と、もともとのアイデアではなくて、その、タイムゾーンを変えるというだけではないわけですね。ですので、このように楽しくやっているんですよと。まあ、競争が魅力、非常に違う立場でも共通の視点が、これが適用され競争できるわけです。

知事:ありがとうございます。私の問いは多文化共生・競争を進めていくうえで、えー、カギとなるものは何かということに関してですね、タン大臣が「楽しいことだ」と。これはとても日本語でいうと目から鱗でした。やっぱり人間は楽しいとみんなが参加しやすい。楽しい事にならないと共鳴を覚えないということなんだろうなと思います。そこで、今の大臣のこの「楽しい」という言葉から、ちょっと次の質問に移っていきたいと思います。やはり、タン大臣が世界的に注目された理由のひとつはですね、やっぱりデジタル時代のコミュニケーション能力ということだと思うんです。とくに、そのパンデミックのような危機的な状況に置かれた時には、行政としては、やはりあのう、市民とか国民とのリスクコミュニケーションというものがすごく大事になってくるわけですよね。で、例えばデジタルは、これは大臣には釈迦に説法ですけれども、インターネットにも光と影があって、大臣が著書でお書きになっているように、デジタル民主主義にも、いいところばかりでなくて課題もあるということだと思うんですけれども、例えば群馬県はですねインターネット上の誹謗中傷で被害を受けた方々を、支援をするという条例を47都道府県ではじめて実は、先般、制定をさせていただきました。で、インターネットの情報というのは、勿論玉石混交で、人を傷つけるような、ものもあるということで、普通の為政者だったら何を考えるかと言うと、そういうことを取り締まっていこうと、むしろ、そういうなんて言うのでしょうか、発信がないように、罰則を強めていこうみたいな発想をするところ、ですね、やっぱりタン大臣が、おっしゃった、ほんとの名言だと思うんですけれども、あのう、「Humor Over Rumor」というね。つまりデマに対抗するのはユーモアであると。で、こういう形でやっぱりデジタルから、いわゆるデジタルを使っている方へのメッセージ、使うのに、ユーモアを使っていると、あのう、私も、ハッキリ覚えていないですが、たしか、日本の柴犬のチャイとかチャンとかいうイヌを使ってですね、たしかなんか、手を洗おうという運動だったかマスクだったか、あれ見たらみんなやっぱりすごく嬉しくて、なんか面白いねと言って友達とシェアすると思うんですよね。で、大臣に聞きたいのはそういうあのう、エピソードは、タン大臣、沢山あるのですけれども、政策のなかで。デジタル自体のコミュニケーション、どうやったら、まあ、あのう我々が目指す、台湾はこれを実現しているわけなんですが、行政と市民、国民の間の、信頼関係を作るための情報発信ができるんでしょうか?

大臣:そして、信頼を得るためには、信頼をすることです。ですので、公務員に対しまして、人々を…国民を信じなさいと、もしかして信じ返さないかもしれないですけれども、まず我々の方で国民を信じることです。どのような資質をみせるかということなのか、我々は透明性、透明にするわけです。あのう、たとえばロビーイストですとか、ジャーナリストとの、私のミーティングは全て記録して、それが議事録、そのビデオをすべてオンラインに公開します。ですので、私のYouTubeチャンネルをフォローしていると、実際に私の生活、私の仕事を、リアルタイムで見られるわけです。そしてジャーナリストが質問をすると、ジャーナリストのほうで、人々のそういった知識に貢献しているので、コンテキスト、文脈からそれをとりださないわけでう。すでに出版したテキストがあるわけなので。ロビーイストは私が信頼しているということを見るわけです。もしか、カメラとかテーブレコーダーを指して、これが皆様の将来世代の時計ですと、いうわけです。見ているわけですよと。ですので、未来の世代のためのことしか我々は議論するわけですね。短期的なことではなくて長期的なことを議論するわけです。ですので、その、競争ということがこれに繋がるわけです。また同時に、こうやって見せることによって、我々の世界がどのように影響があるのか、それを前向きに捉えてくれると思います。それが非常に劇的な透明性ということを私は主張しているわけです。その持続的な成長に対して、ロビーイストがその反対の議論したものがありません。全部、公開されてしまうので、彼らにとってもそれはまずいわけですね。ですので、このようなことが、ほんとに、公開する、透明性ということが非常に重要です。ですので、対話というものが促進されて、そして、その根底に信頼があるわけです。また、二人ですから、公開されないような議論だとこの二人にしか信頼関係が無いわけですけれども、こういった形ですと、みんなに信頼が醸成されるわけです。

知事:ありがとうございます。今、大臣の方から行政の市民、まあ、あのう、政府と国民と言ってもいいと思うんですけども、その信頼関係を作るための最初のカギは、まずこちらから、行政が国民や市民を、県民と言う方があるかもしれませんが、信用しなければいけないという話があったのと、あるいはすべてのやりとりは、やはりオープンにする。まさにオープンガバメントで、これを公開することによって信頼関係の基礎が築けるということですね。あらためて気付かされた感じがします。で、大臣、もう一つ、少しまた別の話題のほうに行きたいと思うんですが、大臣が、あのう、将来世代ということをよくこう、今もおっしゃっているんですけれども、今日はですね、私と大臣とのこの対談のあとにですね、群馬県の若者、高校生、大学生とかですね、タン大臣といろいろ意見交換していただけるということで、大変ありがたいと思っているのですが、実は、私はですね、このタン大臣が発明したのか、もともと台湾にそういう制度があったのか分かりませんが、私は台湾の制度で、ぜひ群馬県に取り入れたいというものがあります。それは大臣がいろいろな講演でもおっしゃっているんですが、「リバースメンター」という制度です。これはつまり、普通はだいたい人生経験のある大人がですね、子どもにメンターをする。つまり家庭教師ではないですが、いろいろ教えたり導いたりすると。このリバースメンターというのは逆で、むしろ若い人たちが、年配の人たちにアドバイスをする。これを指導するという考え方ですよね。で、大臣の著書を拝見してすごく面白いなと思ったのは、これからのデジタルフォーメーションのカギは、いわゆるデジタルネイティブが握っていると。つまりデジタルをものすごく自然に使いこなせる若い世代が主役になるんだということが書いてあるんですね。タン大臣、私は63歳で、年よりもなんか子どもっぽく見えると言われるのですが、63歳なんですね。で、私が今の実は、政府からリクルートしてきた、えー、若い副知事は、タン大臣と同じくらいの世代で、勿論ITとかAIとか、最先端のことにとっても詳しい人なのですが、タン大臣とか、私が、あのう、経済産業省から引き抜いたというか、お願いして来てもらったオルガ副知事の世代。この人たちを、タン大臣はですね、デジタルネイティブではないと。どっちかというとデジタル移民だというふうにおっしゃっていて、実はデジタルネイティブはきょう来られている高校生、大学生だと思うんですけれども、ほんとうに15,16歳くらいから下の人たちなんだと。で、この人たちはデジタル先住民であると。この言葉、すごく面白いと思ってですね、タン大臣自身の、あのう、まあ、立法院というか、まあ、日本の国会にあたる大臣をやっておられる時にも、あのう、いわゆるリバースメンターをやっておられたということで、私も若いアドバイザーがいるんですが、あの、大臣がおっしゃっているように、例えば高校生のリバースメンターを知事が持って、今、高校生のなかで流行っているアプリとか、まあ、そのいわゆる高校生ならではのクリエイティビティみたいなものを学ぶ制度ですね。日本で初めて、ちょっと、採用しようと思うんですけれども、いかがでしょうか?この考えについてどう思うのかということと、このリバースメンター制度がいかに台湾の政治に活力を与えているところについて、少しご説明をいただけると有難いです。

大臣:私もリバースメンターでした。ま、このオフィスを与えていらした大臣もリバースメンターでした。私が、そのリバースメンターからこういった仕事をしているわけなんですけれども、テクノ大臣だったんですも、常にしていたのが、彼女は、若い人と、私は若い人と捉えていなくて、サイバー空間で成熟した人間だとみている。でも、私自身もデジタル移民ですね。インターネットに、1993年に移民をしたわけです。でも、ここにいらっしゃる皆さんは、ほんとうの真のデジタルネイティブの皆さんです。ですので、リバースメンターがいわゆる上級官僚として働くときは、すべての可能性を示すことです。なるべくたくさんの、もっとクレージーなアイデアを示すということですね。というのも、上にいる人、私も40でだいぶ年を取りましたね。もう、若者ではありませんね。ですので、私のような年上の人間は、既にいいソルーション、いい答えをしているわけで、そういった訓練を受けたわけで経験もあります。でも、この経験こそが、本当にクレージーなことを考えることの阻害要因になるわけですね。本当に経験のない方が、いいアイデアが出る場合もあるわけです。ですので、若い人々は、信頼されるべきです。本当にクレージーで良いのだと。不可能なことを提案してもいいんだと。そして我々、年上の人間として、そして何かリソースが必要ならば、それを十分に、それの実現可能性というものを実験するリソースを与えることです。例えば、いわゆる、これは無理だ無理だ、というような役割をとるのではなく、我々としては、リソースを提供する人間でなければいけません。若い人々は、我々のサービスを調達して、アイデアは不可能だね、不可能に見えるね、でもこれと、これと、これがあれば、より可能性が高まるるのではないか。で、リソースをどのように提供するか考えてみようと。若い人はリソースがないわけですので、我々の方でリソースを提供して、そして、クレージーな考えを実現する、もしくは、失敗しても、そこから学びがあるわけですので。

知事:ありがとうございます。今日のタン大臣のお話をきいて、群馬県もですね、えー、知事のリバースメンター、つくろうかな、と本気で思っています。クレージーな考え方をもった高校生を周りに集めて、とてもできそうもないアイデアを言ってもらうと。できそうもないと言ってはいけないんだけど、大臣がおっしゃったように、やはり長い間国会議員を経験し、知事をやっていると、どうしても考え方が狭くなってきたり、なんというのでしょうか、柔軟な発想ができなくなってきていると思うので、今日せっかく大臣から良いご示唆もいただいたので、ちょっと、知事の高校生アドバイザー、メンターグループをつくることをですね、真剣に考えてみたいと思います。ありがとうございます。そこで、だんだん時間が無くなってきてしまいまして、もうタン大臣と話したいことは山ほどあるんですが、今日どうしてもお話ししたいことはですね、大臣、今回のコロナ禍、新型コロナが日本にもたらした変化のうちの一つにですね。いわゆる地方、田舎の価値の再定義というのがありました。コロナが起こる前は、やはりすべてこう、大都会、東京中心で、たとえば、その、経済もですね、人を一杯集めて、まあ、ある意味で言うと密ができると。その中から収益を生み出すみたいなビジネスモデルだったのが、例えば東京の満員電車。コロナ感染のリスク、すごく高まりますよね。そういう価値観じゃなくて、むしろ、例えば群馬県のような、東京に近くても、自然が豊かで、いわゆるあのう、こう、広いスペースが有る。こういうところが、実は新しいビジネスモデルの中心になるのではないかというふうに思っているんです。で、大臣が著書の中で例えば5Gのような、新しい、なんというんでしょうか、あのう、システムは、むしろ中央ではなくて地方から定着させるべきだと、いうふうにおっしゃっているんですが、ここで、大臣どう考えているのでしょうか?このコロナ禍がつくってきたものはですね、まあ、もうちょっと大げさに言うとGDP中心の経済成長みたいな考え方、まあもちろん、勿論、経済事情、大事なんですがでも、もうちょっと違った価値観を持ったビジネスモデル、生き方があってもいいのではないかと思っているんです。その中で地方の役割、チャンスというものが、あのう、大きくなっていると思うんですけれど、その辺は大臣、どういうふうにお考えでしょうか?

大臣:もちろんそう思います。台湾では、一緒に進歩というものが、人権だと。過去、コロナのせいで、このことがやはり、理解が出来ました。前は国際会議ですとか開くと、たとえば、空港の近くですか、タイペイですか、そういう大都市で国際会議を開こうと思うわけですね。でも、これがいわゆる、その、まあ、空港の遠いところは、その高速鉄道があるんですけれども、例えば、高速鉄道であればそんなに遠くないんですけれども、でも、例えば、国際会議にはそういった地方都市は開かれないわけです。でも、コロナの中ではこうやって、バーチャルで国際会議は当たり前になりましたよね。そして、どこにいようと、我々がいいブロードバンドの接続さえあれば、ほんとうに、はっきりとお互いの顔が見えますよね。そして例えば、ローカルの問題を、そのローカルの人々を、そして地域の人々を国際的にこれを提供することができるわけですね。高速鉄道、そして高速道路は、都市と都市を繋げるだけですけれども、インターネットは、都市を世界とつなげて、世界が皆さんのお隣さんになるわけです。まああのう、時差とか、眠る時間とか、それはちょっと関係しますけれども。でも、この地方都市が、はっきりと、まさに、はっきり言っていただきました。まあ、どのような問題があるのか、例えば持続的な成長のゴールがあるんだということを、ハッキリこれが発言できれば、今、我々の通訳ですとか、それで会議があって、それを世界中に発信できるわけです。そしてほんとうに、国際舞台に対しても、いろいろ発信できるわけです。これはコロナ後でも、これは続くと思います。本当にインフルエンザみたいになったとしても、こういった傾向が続くと思います。この国際的なつながりというものが続きます。そして、私が、いろいろ飛び回るようなことになっても、私がアイデアも、あと、皆様のアイデア、若い方々のアイデア、たとえば、みんなアイデアがこれが一緒のところにあるわけです。どれほど東京から時間がかかるか、ということは関係ありません。アイデアのおかげで近くなるわけです。このようなつながりで近くなるわけです。

知事:ありがとうございました。今の私の質問に対して大変いいご示唆を頂きました。あのう実は、今言った地域がですね、このコロナ禍で新たな価値を出現しつつあるという点で、群馬県はこの「快疎(かいそ)」という言葉をつくって、これも漢字そのものですが、快い疎、スペースがある、空間があるということで、何となく、こう、なんというのでしょうか、単に空間が広いというだけじゃなくて、そこに何か、その地域独自の魅力があって、人を引き付けるものをやって、その空間にいることによって、より精神的、まあ、肉体的にもより安定した状況になれるというようなところ、目指していることだけちょっとご紹介させていただきたいと思います。あの、大臣、この後もですね。実は群馬県の教育イノベーションについて、大臣が著書の中でもおっしゃっていたとおり、大学でどの科目を、たとえば、選んだらいいかと相談された時に、本当にやりたいことが見つかるまでは大学に行かなくていいんじゃないか、というお話をされていたことも、実はすごく共鳴してですね、その話もちょっと、きょうはうかがいたかったのですが、この後おそらく、若い人たちとのコミュニケーションの中でいろいろお話もされるというふうに思います。あと2分とかいうのが出ているんですのでが、最後に申し上げたいのですが、大臣は、いまも世界中で引っ張りだこで、あちこち飛び回っておられると思います。でも、大臣のインタビューとか著作をきくと、まあ、日台関係についても、非常に大切に思っていただいているということが分かるし、大臣のご両親のお話からもですね、やっぱり台湾と日本の強い絆みたいなものを感じます。あのう、お父様がクリティカルシンキングを教えられ、お母さんからクリエイティブシンキングを学ばれた。本当にすてきなご家庭だったんだなと思うんですけれども、あの、大臣がですね、日本にまた来られる時、お忙しいと思いますが、東京から近いですから、とにかく。少しでも群馬県に立ち寄っていただいて、是非ですね、群馬県のですね、温泉に入っていただきたいと思います。その時は私も大臣に同席させていただいて、まあ4つの温泉はそれぞれ特徴があって、効能も違いますし、あのう、群馬県のそのう、おいしい、なんというか、料理もですね、ぜひ堪能していただきたいので、ぜひあの、日本に来る機会があれば、群馬県に立ち寄っていただいて、ぜひ日本の温泉旅館に一泊をしていただくということを最後にお願いし、今日、大臣とこうしてお話ができたのは、群馬県の台湾総会の皆さんのおかげなので、たいへんありがとうございました。そのことも感謝申し上げて、大体時間になったのでしょうか?最後に、大臣、一言いただければと思います。

大臣:知事、ありがとうございます。本当に対話を楽しみました。勿論、本当に、また海外旅行ができますので、ワクチンのおかげです。ぜひ日本に訪れたいと思います。今年が終わる前に訪れたいと思います。また、スケジュールは、我々の外務省が決定するんですけれども、勿論、お招きありがとうごぞいます。今年1回以上は訪れたいと思います。

知事:ありがとうございました。大臣、私にとってはたいへんゴージャスな時間でした。大臣からいろいろなお考えをいただいご、そのご示唆をですね、これからも、新型コロナ対策とか、群馬県の、その、より進化する民主主義とか、こういうことにシッカリ活用させていただけると思います。重ねて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

場内:(拍手)

司会:ありがとうございました。お時間となりましたので、タン大臣と山本知事の対談を終了させていただきます。山本知事はここで退席となります。

知事:どうも大臣、ありがとうございました。失礼いたします。

司会:ありがとうございました。

場内:(拍手)
**********

■ここで50分が経過しました。上記のやりとりをご覧いただけばお分かりのとおり、一太知事は、タン大臣のオーラに当てられたためかどうかは分かりませんが、重要な確言を幾つか発しています。赤色で着色しておきましたので、参考にしてください。

 なお、以上のやりとりの文字起こしの内容に何か不都合な箇所があれば、ぜひご指摘ください。

 このあと、タン大臣と群馬県の若者の皆さんとのトークセッションに続きます。

【群馬県台湾総会書記からの報告・この項つづく】

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2年ぶり開催の台湾フェアin群馬2021・・・いよいよ7月8~14日にWEB主体で開催!

2021-07-16 23:41:00 | 国内外からのトピックス
■2016年からスタートした台湾フェアin群馬。回を重ねるごとに、群馬県民の皆様に親しまれており、「今年はいつ開催?」と訊かれる機会が増えた矢先、昨年は中共由来の武漢肺炎ウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大のため、中止せざるを得ませんでした。あれから1年。新型コロナ禍で、経済社会の在り方が揺れ動く中、群馬県台湾総会では、渡航できなくても何とかして群馬県民の皆様に台湾の最新事情と日台交流の歴史と今後についてお伝えすべく知恵を絞って準備を進めてきました。その結果、WEB方式を取り入れて7月8日(木)から14日(水)にかけて、「WEB台湾フェアin群馬2021」を開催します。ぜひご期待ください!



【6/25追記】
群馬県HPにも掲載されましたのでご覧ください。↓
https://www.pref.gunma.jp/07/co01_00036.html

【7月1日追記】
 オードリー・タン氏と一太知事とのオンラインや対談や県内高校生・大学生とのトークセッションについて、湯けむりファーラムのHP、Facebook、Twitterを通じてプログラムが発表されました。詳しくは記事末尾を参照ください。

【7/14追記】
 県庁1階ロビーでの展示区画に多数ご来場くださりありがとうございました。また、交流区画と映像区画にも幅広くアクセスくださり、厚く御礼申し上げます。お楽しみいただきました映像区画は本日午後11時で閉鎖されます。最後まで台湾の情報を視聴いただければ幸いです。

*****WEB台湾フェアin群馬2021*****
(令和3年7月8日(木)〜14日(水)フェア開催中公開)

■構成:①展示区画
    ②交流区画(WEB)
    ③映像区画(WEB)
■期日:2021年7月8日(木)~14日(水)
   ①展示:9:00~未定(コロナ感染状況により最終決定)
   ②交流:7月8日(木)18:00~19:30 (台湾IT大臣オードリー・タンさんと交流)
   ③映像:随時
■場所:①展示:群馬県庁1階県民ホール(群馬県前橋市大手町1-1-1)
    ②交流:WEB対談(群馬県庁32階)
    ③映像:WEBデザイン中(おうちで台湾フェア)
■ 主催:台湾フェアin群馬(群馬県、群馬県台湾総会)
■協賛:台北駐日経済文化代表処、台湾観光協会東京事務所、台湾僑務委員会、
   (一財)台湾協会、前橋市、沼田市、桐生市、みなかみ町、東吾妻町
■後援:上毛新聞、NHK前橋放送局、群馬テレビ
【各区画のコンテンツ】
①展示区画:展示台湾
     お楽しみに!
②交流区画:線上交流
     お楽しみに!
③映像区画:透視台湾
     お楽しみに!
**********

■上記プログラムで、「WEB映像」のビデオの一部は、群馬県台湾総会の会員により準備中です。コロナ禍の中での開催のため、対面方式による台湾フェアを行うことができないため、これらのビデオを通して、台湾を知っていただき、その生活、文化、自然に関して、皆さんに楽しんでいただけるように、情熱を傾けて撮影し編集しています。そのため、手作り感満載のビデオ作品になると思いますのでご期待ください。

 また、「WEB映像」には台湾各市提供によるオフィシャルの映像や台湾在住の皆さんの協力により撮影・提供いただいたものもあります。美しい映像や、現地の生活感や臨場感あふれる画像をお楽しみください。

 ここで協力を頂いたすべての関係者に厚く御礼を申し上げます。

 コロナ禍が落ち着きましたら、県民の皆様との対面による「台湾フェアin群馬」を再び開催できますよう、群馬県台湾総会会員一同、願ってやみません。

【7月1日追記】
 オードリー・タン氏と一太知事とのオンラインや対談や県内高校生・大学生とのトークセッションについて、湯けむりファーラムのHP、Facebook、Twitterを通じてプログラムが発表されました。

20210701山本一太群馬県知事定例記者会見
https://www.youtube.com/watch?v=0kVcYBbsnUg
※台湾フェアin群馬2021におけるオードリー・タン氏との対談の話題については24分33秒あたりから登場します。
**********
<湯けむりフォーラム>
https://yukemuriforum-gunma.jp/
湯けむりフォーラムは、群馬県がはじめるあたらしいプロジェクトです。
未来を考えるトークセッションからエンターテインメントまで、様々なコンテンツを通して、人をつなぐ、アイデアやイノベーションを生み出すキッカケになる。芯からじわじわ温まって冷めにくい。一過性ではない、ふつふつ湧き続ける熱源。そんな温泉のような場を目指します。

○2021年7月1日:台湾デジタル担当大臣 オードリー・タン氏 登壇決定!
https://yukemuriforum-gunma.jp/
○2021年7月1日16:30:【オードリー・タン × 山本一太 オンライン対談を生配信!】
https://www.facebook.com/yukemuriforum.gunma
**********

【7/7追記】
 明日の台湾フェア開催に向けて準備万端。









【群馬県台湾総会書記からの報告】

コメント (8)
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【安中市庁舎建替え問題】安中市が7/13発表の市民アンケート結果最終報告…安高跡地に未練タップリ!

2021-07-15 22:58:00 | 安中市庁舎建替えに伴う予算過大問題
■安中市庁舎建替え問題に取り組んでいる市内の4市民団体は、6月25日に合同で、茂木英子・安中市長に要望書、報告書等を手渡しました。その後、半月が経過した7月13日、安中市はホームページに「『安中市役所の庁舎整備等に関する市民アンケート』調査結果を報告します」と題する記事を掲載していたことが同15日までにわかりました。さっそく報告書の内容を見てみましょう。
※市民アンケート調査結果(最終報告) URL↓
https://www.city.annaka.lg.jp/gyousei/kikaku_keiei/chousha_questionnaire01.html

安中市HPの当該スクリーンショット

 安中市では、令和3年4月5日から30日までの期間、「安中市役所の庁舎整備等に関する市民アンケート」を実施し、前回、集計結果の一部を中間報告しましたが、集計作業が完了したとして、この度、最終報告内容を公表したものです。そして、安中市は「アンケートの結果を受けまして、更に検討を進めてまいります」と宣言しています。

 この件に関するこれまでの経緯は次のブログ記事を参照ください。
○2021年3月28日:【安中市庁舎建替え問題】広報あんなか4月号「市庁舎の整備について検討しています」記事に異議あり!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3293.html
○2021年4月11日:【安中市庁舎建替え問題】旧安中高校跡地に建替え場所を誘導したい思惑ミエミエの官製アンケートに要注意!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3300.html
○2021年4月27日:【安中市庁舎建替え問題】4/26松井田地区と安中地区の一部へアンケート兼用チラシ6000部を新聞折込配布
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3308.html
○2021年5月20日:【安中市庁舎建替え問題】官製アンケートの結果ほぼ固まる・・・安中市が中間報告
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3316.html
○2021年6月6日:【安中市庁舎建替え問題】官製アンケート中間報告のトリックに係る公開質問に対し市から不明確な回答届く
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3322.html
○2021年6月27日:【安中市庁舎建替え問題】4市民団体が現位置・適正予算での建替えに係る要望書・報告書を市長に提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3336.html

 また、市庁舎建替え問題に取り組む市民のかたがたのブログやサイトの記事もご覧ください。
■安中市庁舎建設に関する特別サイト
https://usuipc.wixsite.com/annaka
■庁舎建設の方向性を考える会
https://www.facebook.com/groups/289833998763551/about
■安中市まちづくりワンワンチーム
https://www.facebook.com/annakawanwan/
■安中市庁舎建設を考える市民の会
https://www.facebook.com/groups/2308088432540835/
■かわ遊び・やま遊び雑記/「安中市庁舎問題」のブログ記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/koizumi-masato/c/18bdb559bbad9cec5dc59fdf5b15a1de

■詳しくは安中市のHPに掲載されている市民アンケート調査結果報告(最終報告)をご覧いただきたいのですが、先日6月25日に、当会はじめ市内の4市民団体が合同で茂木英子・安中市長に手渡した要望書、報告書等で要請した「現在地」と「旧安中高校跡地」に関する分析結果についての修正は、完全に黙殺されたことがわかります。

 「問9」の集計結果に関して安中市の最終報告には次のとおり記載されています。



 上記のとおり、我々市民4団体の申入れ、すなわち、「無回答」と「無効」はカウントせずに、有効なアンケート結果の合計を母数として、それに対して、各候補地ごとの割合を示すべきであり、「現在の旧庁舎・中庁舎を耐震補強するのが良い」とする項目は、「現在の本庁舎の場所に建て替えるのが良い」とする項目と併せて、候補地ごとの割合に反映させるべきである、という市民団体からの申入れは、安中市によって完璧に無視にされてしまいました。

■さらに、驚くべきごまかしがあります。問8の集計結果に関して安中市の最終報告には次のとおり、記載されているからです。



 上記のとおり安中市は、「※次いで『現在地』選択者は、『費用を抑えられること』、『ゆとりある空間の確保』の順で多く、『旧安中高校跡地』選択者では、順番が入れ替わるがいずれも上位となっている」と分析結果についてコメントを加えています。

 「用地の取得や仮移転などの費用を抑えることができる場所」としては、「現在地」のほうが有利であることは明らかです。ところが、安中市は、アンケートの際、費用について正確な情報を回答者に与えなかったため、明らかに費用面で不利な「旧安中高校跡地」の選択者もこの項目にチェックマークを入れものと思われますが、安中市はこれ幸いに、「旧安中高校跡地」も費用が抑えられると評価する市民が存在する、と言いたいようです。

 そもそも、安中市は「現在地」選択者として、「現在の旧庁舎・中庁舎を耐震補強するのが良い」選択者を除外してしまいました。なんとしてでも、「現在地」選択者の数を意図的に少なく見せかけようとする、市の姑息な意図がうかがえます。

 筆者は「順位が入れ替わるがいずれも上位となっている」という記載の意味が最初、ピンときませんでした。なぜなら、3番目に多いのはどちらも「車などの利便性・アクセスが良い場所」だからです。したがって、「現在地」の選択者は、「ゆとりある空間の確保」は重視しておらず、「旧安中高校跡」の選択者は、「ではなく「費用が抑えられること」は重視していません。なのに、安中市は、双方とも同じ項目を市民が重視しているかのように誤解させる表現でコメントしています。

 また、「現在地」と「旧安中高校跡地」の回答数をそれぞれの回答項目で比較させていますが、この意図が図り知れません。なぜなら、問8では複数の回答も可としており、回答者の総数(無回答・無効含む)が1940人のところ、「現在地」(ただし、既存の旧庁舎・中庁舎の耐震補強は含まず)の回答総数が2015、「旧安中高校跡地」の回答総数が2512となっており、各回答項目の内訳比率ではともかく、これらをそのまま数として対比させることは意味がないからです。

■そして、極めつけは、「市庁舎の整備の考え方について」の問6から問11までの各設問で、問8以外では、年代別集計による結果分析がそれぞれなされていますが、問10に限っては、年代別集計に加えて、居住地区別集計が追加で添えられています。





 以上のとおり、年代別集計結果で、「現在地」と「旧安中高校跡地」をことさらに対比させて、これから合併特例債など、市が借り入れた場合の返済を負わされる50歳代の世代が「現在地」を希望しているのに、60歳代以上が「旧安中高校跡地」を「一番多く」望んでいて「現在地」との差が「4.1ポイントもある」と強調していることからも、安中市が「旧安中高校跡地」に執拗にこだわっていることは明らかです。

 さらに居住地区別集計では、ご丁寧にも、市内の各個別地区ごとに集計した結果さえ、掲載しているほどです。





 このように報告書には、「安中地区と松井田地区に分けて松井田地区で『旧安中高校跡地』が1位だ」と誇らしげに記してあります。しかしながら、既存の旧庁舎・中庁舎の耐震補強分を「現在地」に加えれば松井田地区でも「現在地」が1位なのです。

■以上のとおり、今回の最終報告書では、何が目的の報告書なのかわからないくらい細分化した統計を市が出してきています。安中市が、アンケートの結果を涙ぐましいまでにいじくりまわして、とにかく局部的にも「旧安中高校跡地」が1位に選ばれている項目がひとつでも多くあるのだ、とする印象を市民に植え付けようと腐心する様子がにじみ出ています。しかし懸命な市民の皆さんは、「現在地」が1位であるという現実を、なるべくイメージ的に薄めようとするための安中市のいつもの小細工だというふうに見なすことでしょう。

 安中市は、なんとしてでも「旧安中高校跡地」に新庁舎を建て替えようと、市民アンケート結果の分析をできる限り自らの都合に合わせようとするあまり、結果的に、このような意味不明の、ページだけはとびぬけて多い報告書を発表しました。

 しかし、報告書にある問6の「その他の記述欄」の21番、問8の「その他の記述欄」の36番、そして問12の「自由意見欄」の325番、383番、457番に、安中市が現在も背負い続ける土地開発公社を巡る不祥事件による巨額かつ長期に亘る負債について、懸念する意見が出されています。事件発覚から26年が経過したとはいえ、50歳代以上の市民の多くは、いまだに当時の無責任な市政の体たらくを記憶に刻んでいます。

 安中市は財政事情が厳しいのに、土地開発公社が元職員から毎月1万円しか返済をもとめていないことを容認し、他方で、土地開発公社が群馬銀行に毎年2000万円を支払うために、あと81年間、連帯保証人として債務保証を続けるつもりでいます。

 このように、市に多大な損害を与えた元職員には特別待遇をし、その他の市民納税者には、厳しく税を取り立てて、過大な予算で新市庁舎を旧安中高校跡地にしゃにむに建設しようとする安中市の対応は、とうていまともではありません。安中市庁舎の建て替えは「現在地」で行い、隣接する元職員の親族が保有する土地を取得して駐車スペースをさらに確保し、建て替え費用は元職員およびその関係者から取り立てて充当するように、当会は引き続き安中市に申し入れて参ります。

【7月16日追記】
 この日午後4時ごろ、安中市の市庁舎建替えの市民アンケート結果最終報告の内容について、秘書政策課の田中秀人課長に疑問点についてコメントをお願いしようとしたところ、担当部署である財政課資産活用係に案内され、担当係長と面談したところ、財務課の大溝泰彦課長が出てきて、おふたりを相手に質問や提案等の話をしました。市側の反応は次のとおりです。

①先日、市内4団体が共同して本件について提案を書面で申入れたが、なにも最終悔過報告に反映されていない。市民の意見や提案を無視する理由は?
⇒前回のは中間報告で、今回はそれに肉付けをしたもの。なので、そのまま、今回分析結果やアンケート記載の市民からの意見を追加記載しただけ。

②それにしては、問8や9にもみられるとおり、ずいぶん「旧安高跡地」の選択について、第1位にこだわるあまり、非常に細かく分析結果を掲載している。これほど旧安高跡地にこだわる理由は、県から払い下げを受けるときに、利用目的として群馬県に対して「市庁舎の建て替え候補地とする」などとする約束を何らかの形でしているのか?
⇒それはない。群馬県から跡地の払い下げの際の取り決めでは、使用目的として「市庁舎建替え等」としており、「等」があるので、市庁舎建替え以外の目的で使用しても、なんらペナルティになることはない。

③県から買い取る場合にも、その前に市の幹部らが各地の事例見学結果などを含め、市庁舎建替えを検討して結果をまとめた報告書でも、旧安高跡地が候補地に相応しいなどと、伏線を貼ってあった。議会でも、依然として旧安高跡地に拘る一団がある。絶対に旧安中跡地を移転先にしなければならないという、市民に言えない背景が何かあるはず。ぶっちゃけて話してくれないか?
⇒そうしたことは断じてない。

④誰が見ても「現在地」での建て替えを市民が望んでいるのは明らか。それを未練がましく、「旧安高跡地」をことさわに際立てて、市民の間に2つの案が以前として存在するというシナリオをいまだに作り上げようとする市側の意図はありあり。今回の最終結果報告をたたき台に、これからまた熟考を重ねるようだが、時間とコストが無駄なので、直ちに「現在地」で最小限の予算で建て替えるよう決断して、市民に発表してはどうか?
⇒自分らの一存ではできない。本件の方針は上層部が決定することなので、自分たちでは答えられない。

⑤「現在地」では駐車場のスペースが足りないというデメリットが最終報告にも記載されている。以前から提案してきたとおり、元職員の親族が所有する市庁舎の目の前の宅地を、51億円事件を起こした元職員に対する債権である22億円余りと遅延損害金の返済の一部として元職員とその親族から提供してもらえばこのデメリットは容易に解消するし、庁舎建て直し費用についても十二分にカバーできる。そうするためにも、当会に元職員に対する債権回収のための委任状を当会に交付して欲しいと長年にわたり申し入れているが、未だに確答が得られない。ぜひ早期に決断してほしい。
⇒そうしたことは上層部が決定することなので、自分たちではどうしようもない。

 以上のように安中市は、今後も無駄な時間(公務)と費用(公金)を、旧安高跡地への移転を実現させるためのあがきに投入するつもりのようです。
 引き続き、市の専横に釘を刺し続ける必要があると思われます。

【ひらく会事務局より】

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