市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【今週末は台南フェア、来週末は台湾フェア】2週続けて台湾に親しめるイベントに注目!

2023-06-29 22:18:51 | 国内外からのトピックス

■県内最大級の7ヘクタールの敷地に3月21日にオープンした道の駅「まえばし赤城」(前橋市田口町、TEL 027-233-0070)で明日6月30日から3日間にわたり「台南フェア」を開催されます。台南フェアは山本龍前橋市長が、黄偉哲(コウイテツ)台南市長と4月2日に都内で、5月9日に台南市で会談したのをきっかけに、台南市の観光や文化を紹介しようと企画され、この度実現の運びになりました。

 

 台南市と前橋市の両市の交流事業の第一段が、こうしたかたちで実を結べることになった過程において、群馬県台湾総会は大きな役割を果たしました。

 今年の2月に、台南市政府の関係者から群馬県台湾総会に次のような依頼がありました。「3月7日から四日間、東京ビックサイトでフード展があります。是非バイヤー関係の方に紹介して頂いて、見に来ていただきたい。」

 この連絡を受けて、すぐに当会事務局長の頭に受かんだのは、前橋市が3月に開業する新しい道の駅のことです。この道の駅で台南のフードが並べられたら、さぞかし素晴らしい話題作りに貢献できるのではないだろうか。パッと閃いたこのアイデアを、すぐに前橋市議会議員に伝えました。

 幸い同議員は「日台友好」に関心が高く、直ちに行動に移してもらいました。その結果、当会のメンバーが前橋市役所や道の駅の関係者らと同行し、東京で、台南市政府農業局長らと面談して、今後の進め方についても話し合う機会を持つことができました。

 その後、3月末に再び台南市政府から当会に連絡がありました。それは「4月2日、台南市長は、農産物のアピールのため東京にお見えになります。」という内容です。

 その時、当会事務局長は「このタイミングを逃してはならない」と判断し、すぐに、両市の調整役として同議員にこのことを伝え、同議員と相談しつつ、台南市政府に働きかけました。その結果、なんとか4月2日に、前橋市長と台南市長が東京で面談する機会をセッティングすることができたのでした。

 そして、めでたく今回のイベント開催という誠に喜ばしい結果に繋げることができました。

 前橋市と台南市は、これまでの歴史の繋がりに加えて、多様な文化や温和な風土など類似点が多く、弊会としても、両市の友好と交流の相互関係の結びつきがもっともっと強く、盛んになってしかるべきだと思っております。

 群馬県台湾総会は、台南に貢献がある群馬の偉人「羽鳥又男」の顕彰事業を10年前から継続的に実施してきました。それを可能にしたのは、群馬歴史研究家の「手島仁」氏と、台南市の企業家「許文龍」氏、この両氏の功が大きいことは言うまでもありません。

 今回のイベント開催に至る、両市の友好・交流の歴史的な醸成の実現の過程で、群馬県台湾総会が、相互の絆を深める導き役に携われたことは、誠に光栄です。

道の駅「まえばし赤城」。駐車場は小型414台、大型75台、ほか自動二輪などを含む合計528台駐車可能

 今回の台南フェアに、マンゴーやパイナップルなどフルーツの生産が盛んな台南市から「フルーツ」「フルーツの加工品」「胡椒餅」「ルーロンハン」「シーザーパイ」「台湾パイナップルバーガー」「台湾カステラ」など10店が参加します。また、まえばし赤城からも8店が出店します。

 開催時間は10時~17時(最終日は16時)。7月2日まで開催されます。

■この台南フェアの次に、今度は群馬県庁1階ロビーで、7月8日(土)、9日(日)にかけて、群馬県台湾総会が、群馬県と共催で、台湾の文化、観光情報等を広く紹介し、台湾との交流を促進することを目的として、「台湾フェアin群馬2023」を開催します。

 今年度は4年ぶりのリアル(対面開催)イベントとして、「台湾を遊びつくそう『玩遍台灣』」をテーマに、台湾グルメや台湾雑貨の出店、台湾獅子舞や台湾の音楽を用いたダンス等のパフォーマンス、お茶入れ体験や飴細工人形づくり体験といった文化体験など、台湾の文化を楽しめる盛りだくさんの内容で実施いたします。県や県内市町村と台湾の交流を紹介するパネル展示や現地情報満載のポスター・パンフレットの掲示も行います。

 来週末の台湾フェアもぜひお見逃しなく。

【7月3日追記】
**********フォーカス台湾2023年7月1日15:15
群馬県前橋市で台南フェア 国際観光促進に期待=黄市長/台湾
 
台南のイカ団子を楽しむ山本龍前橋市長(右)と黄偉哲台南市長(7月1日撮影、台南市政府提供)
(台南中央社)群馬県前橋市にある道の駅「まえばし赤城」で先月30日から台南フェアが開催されている。これに参加した黄偉哲(こういてつ)台南市長は同イベントを通じて、日本の人々に台南の観光情報を知ってもらい、国際観光促進につながればと期待を寄せた。
 同市が同日、報道資料で明らかにした。同市によれば、日本統治時代に最後に台南市長を務めた羽鳥又男の出身地が前橋で、これが両市の交流のきっかけとなった。
 台南フェアでは市のグルメなどを販売する11の店舗が出店。はちみつ文旦茶やイカ団子、タンツー麺など普段味わえない台南の名物を楽しめる他、会場では台南市のプロモーション動画の放映や前橋市とのつながりなどを紹介する展示会も行われている。
 黄市長は新型コロナウイルス後、群馬県と文化、物産、教育、スポーツなどの分野での交流深化を願う考えも示した。
 同フェアは2日まで。 (張栄祥/編集:荘麗玲)

**********臺南市政府農業局2023年7月3日 21:42
台南の香りが漂う「台南フェア」 3日間で5万人を魅了台南ブーム前橋市を席巻!

前列左から2人目が李建裕・台南市政府農業局長。同4人目が黄偉哲・台南市長
 台南市政府は6月30日から7月2日まで、日本の前橋市道の駅「まえばし赤城」で盛大な「台南フェア」を開催し、3日間で5万人以上に達し、前橋市に台南ブームが席巻した。このイベントでは台南の各企業が集結し、魅力的な台南風情が会場を沸かせた。そして、精巧な台南出展グルメや多様な台南の農特産品がされ、多くの来場者に台南魅力を発信できたと言えるだろう。
 「台南フェア」イベントは3日間にわたり開催され、道の駅「まえばし赤城」の屋外広場で盛況のうちに終了した。イベントでは10のブースが設置され、9つの台南の企業が台南の飲食文化と自社商品を来場者に紹介した。会場では、新鮮なミルクフィッシュ(サバヒー)スープ、揚げイカ団子、台南の肉そぼろかけご飯などの美味しい料理を楽しむことができる。また、文旦ジュース、ゴボウ茶、文旦のゼリージュース、新鮮なマンゴー、ドライパイナップル、ドライリュウガンなどの特色ある果物の特産品も味わうこともできる。
 特筆すべきなのは、毎日行われた先着100名限定のマンゴーアイスキャンディや、その他のマンゴーシリーズ製品のプレゼントイベントだ。多くの来場者が、夏の暑い日にマンゴーアイスは欠かせない贅沢だと述べており、日本人が台南のフルーツへの愛を感じられたイベントとなったと言える。また、その他多くの台南の農産品は日本のどこで購入できるか尋ねる人も多かったそうだ。本イベントから分かるように、台南のグルメと農産品の魅力が浮き彫りになり、グルメ文化を通じて台南と日本の人々の距離を縮めた3日間と言えるだろう。
   台南市黃偉哲市長は、「日本は本市の主要な農産品の輸出国であり、今年のパイナップルの豊作シーズンでは、約3,000トンが輸出され、その中で2500トン以上が日本へ輸出されています。そして6月から7月は台南のマンゴーの産期で、今回のマンゴーの輸出目標は3,600トンを目指しています。『台南フェア』を通じて、日本の皆さんに台南の美味しい食品を味わい、台南の農産特産品をもって知っていただければと思います。市政府は、これからも様々な形式でマーケティングを展開していくと同時に、農産品の輸出市場を拡大し、農業貿易の経済効益を創出し続けていきます。」と述べている。
   台南市政府農業局の李建裕局長は、「この『台南フェア』を通じて、台南とその農産品の素晴らしさを日本の人々に伝え、台日両地の農業協力を促進し、台日間の経済交流と相互理解を推進していけることを願っています。今後も商品は日本の前橋市道の駅『まえばし赤城』で販売を継続し、興味のある方々に是非ご来店いただきたいです。」と述べている。
**********

 群馬県台湾総会では、当初、黄偉哲・台南市長を交えて7月1日のセレモニーのあと、夕食会を開催する予定でしたが、黄市長は限られた訪日滞在中、7月8日・9日に台南フェアの開催を控えた山形市や、仙台・台南友好交流促進協会のある仙台市を訪問しなければならないということで招待が叶わず、同行した台南市の李建裕・農業局長ら台南市側ミッションのメンバーら10数名との歓迎夕食会を高崎市内の和食料理で開催しました。
 歓談して分かったことは、台南市側では、まさかこれほど大勢の来場者があるとは思わなかったそうで、前橋市側の力の入れようにたいへん感激していました。
 台南市側ミッションには、いろいろな食品を扱う企業関係者も同行しており、草魚(ミルクフィッシュ)の養殖会社や、龍眼(ロンガン)の燻製加工販売会社と方々と交流できました。いずれも20代から30代の若い世代ばかりで、今後の台南市との交流の発展が期待されます。

【群馬県台湾総会書記からの報告】

 

※関連情報「台南フェア」

*********臺南市政府農業局2023年6月27日 12:00

2023年「台南フェア」が前橋市の道の駅「まえばし赤城」で登場 3日間限定のイベントで、本格的な台南の味を堪能

 今年の3月、台湾・台南市政府農業局と日本群馬県前橋市は、「FOODEX JAPAN 2023」から、両市の持続的な文化交流を経て、6月30日に道の駅「まえばし赤城」で「台南フェア」を共同開催することを決定し、7月1日の午前中に開幕式を行う予定だ。本イベントは、豊かな台南農産物や台南料理文化を味わいつつ、台南の風情や音楽パフォーマンスを体験できるイベントとなるだろう。

 今回の「台南フェア」は道の駅「まえばし赤城」の屋外広場で3日間にわたって開催される。台南市の黄偉哲市長は、「このイベントを通じて多くの方々に台南の農産物を味わってもらいたいという思いから、9つの台南の企業を率いて、地元直送の本格的な台南特産品を紹介し、日本の方々と台南の美食文化を共有し、台南の農産物の多様性を伝えていきたい」と述べていた。食べ物では、新鮮なミルクフィッシュ(サバヒー)スープ、揚げイカ団子、台南肉そぼろかけご飯があり、一方の果物は、文旦ジュース、ゴボウ茶、文旦のゼリージュース、新鮮なマンゴー、ドライパイナップル、ドライリュウガンなどの特産品が取り揃えられている。また、台南フェアで商品を購入した人には、毎日先着100名様にマンゴーアイスキャンディや他のマンゴー製品を1つプレゼントするイベントも開催する予定だ。これにより、さらに多くの日本の消費者が台南の農産物に興味を持ち、更には台南と日本人の方々の距離を近づけることが期待できる。

 「台南フェア」の記念セレモニーは、7月1日の午前10時に盛大に開催され、台南市長と前橋市長をはじめ、多くの来賓が出席するテープカットセレモニーも行われる予定だ。会場では、横浜中華学院校友会や勢多農林高校郷土芸能部、市立前橋高校吹奏楽部によるパフォーマンスも予定されており、台日の音楽で会場は一層盛り上がり、 3日間の限定イベントに台南の賑やかな雰囲気を楽しむことができるだろう。

 台南市の黄偉哲市長は、「今回の『台南フェア』は、台南市政府農業局と前橋市の『FOODEX JAPAN 2023』における成果であり、両地域の緊密な交流の継続していくイベントでもある。」と述べている。このようなイベントを通じて、台南の農産物が日本市場でより広く受け入れられる機会が増え、台日両国の農業において相互の利益が促進されることが期待される。

 今回開催されるフェアについて、台南市政府農業局の李建裕局長は、「台南の地元農特産品の展示販売が6月30日から7月2日(午前10時から午後5時)と期間限定であるため、日本の皆様にぜひ『台南フェア』イベントへ是非ともご参加いただき、台南のグルメと文化を共に楽しみ、日台の農業協力の成果を共に見届けることで、台日の農産物貿易の架け橋を築いていけることを心より願っています。そして、台南の農産品を日本の道の駅「まえばし赤城」に持続的に送り、日本の消費者がいつでも台南の味を楽しむことができるようにしたいと思っています。」と述べた。

**********東京新聞2023年6月27日 07:15

前橋の道の駅で台湾グルメ満喫

 前橋市田口町の国道17号上武道路沿いにある道の駅「まえばし赤城」で、台湾・台南市の食を楽しめる「台南フェア」が30日~7月2日に開かれる。台南特産のパイナップルやマンゴーのほか、魚や肉の加工品、麺、カステラなど珍しい品々が並ぶ予定だ。

 前橋市などが主催。同市と縁のある台南市の食や観光を広く知ってもらおうと企画し、山本龍市長はポスターを手に、来場を呼びかけた=写真。

 7月1日午前10時からの記念式典では、黄偉哲・台南市長が出席。台湾獅子舞や、市立前橋高吹奏楽部による台湾音楽の演奏がある。

 台湾に縁のある前橋市関係者では、いずれも旧富士見村出身で、風土病「台湾つつが虫病」を発見し、台湾の医療水準を向上させた医師、羽鳥重郎(1871~1957年)や、日本統治下で最後の台南市長を務め、地元の文化財保護に取り組んだ羽鳥又男(1892~1975年)らがいる。会場では、羽鳥らに関するパネルを展示する。

 フェアは午前10時~午後5時。7月2日は午後4時まで。(池田知之)

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【安中市庁舎移転に待った!】安高跡地から古代の遺跡発掘・・・古代人からのメッセージを真摯に受け止めるか岩井市長

2023-06-22 13:27:51 | 安中市庁舎建替えに伴う予算過大問題

■タゴ事件発覚から28年が経過したのに、まだあと群銀への和解金として79年間のローンを抱える安中市ですが、タゴから毎月1万円ずつ返済を受けていた安中市・土地開発公社はタゴ死亡により残高およそ22億円分を1万8400年間かけて受け取る権利を棒に振りかけています。そうした最中に、安中市は58億円をかけて、安中高校跡地に新庁舎を建設しようとしています。

 その事前手続きとして、埋蔵文化財発掘作業が行われていた新庁舎移転先の安中高校跡地のグランドで、古代の東山道と見られる遺跡が発掘されたことが、報じられました。

 今回の遺跡発掘調査で東山道およびその関連施設の存在が確定すれば、ただちに保存をすべきであることは明らかです。なぜなら、この場所に新庁舎が建設されてしまえば、せっかく古代人からのかけがえのない遺産が破壊されてしまい、我々は後世に取り返しのつかない愚行を犯してしまうからです。

**********上毛新聞2032年6月20日06:00
古代の幹線道路 東山道か 旧安中高校庭で発見周辺から柱跡や瓦

文化財発掘調査が進められている旧安中高校庭
 7~8世紀に整備された古代の幹線道路、東山道駅路とみられる道路跡が、旧安中高校庭(群馬県安中市安中)で見つかったことが19日、分かった。周辺から柱跡や瓦などが出土したことも判明。古代の役人が執務を行った郡衙(ぐんが)など当時の公的施設が近くにあった可能性もあり、専門家は「同時発見は画期的」としている。
 東山道は畿内にあった都と地方を結ぶ幹線道路。情報を伝えたり、税を運んだり、軍事などの目的で重要な役割を果たしたとされる。県南部を東西に横断したとされ、太田市や高崎市、玉村町などで道路跡が確認されているが、安中市内では見つかっていなかった。
 市の新庁舎建設に向けた文化財発掘調査で出土した。道路跡は幅10メートルほどで両側に溝があり、校庭を東西にまっすぐ伸びている。直線的な構造や規模、方角などから東山道跡の可能性が高いという。
 東山道跡と確認されれば、高崎市内の道路跡との位置関係などから、高崎以西のルート解明の手掛かりとなることが期待される。
 また、近くの植松遺跡(安中市安中)で2001年に大規模な掘立柱(ほったてばしら)建物の柱跡が見つかり、宿泊や馬の乗り換えに使われた駅など古代の公的施設の一部だった可能性が指摘されており、今回出土した柱跡や瓦などの関連も注目される。
 現地を訪れた専門家の1人は「東山道の可能性が極めて高い道路跡と、公的施設と思われる遺構が一緒に見つかったことは画期的」と指摘している。
 旧安中高跡地に建設予定の新庁舎は本年度中に実施設計を終え、24年度に着工、26年度の業務開始を目指している。
**********

 記事の中にある植松遺跡については、2001年にヤマダ電機の新店舗建設に先立って行われた埋蔵文化財発掘調査で判明したもので、記事にあるように、大規模な掘立柱建物の柱跡が見つかり、宿泊や馬の乗り換えに使われた駅など古代の公的施設の一部だった可能性が指摘されました。しかし、民間の店舗建設事業という背景のため、文化財保護法により、発掘調査費用は土地購入者である事業者が負担しました。

「植松・地尻遺跡―店舗建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書―」(2005年安中市埋蔵文化財発掘調査団)

https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/60938

■今回は、行政が所有する土地であり、しかもこのような貴重な遺跡が出土したわけですから、このまま、この上に、新庁舎を建設することで、遺跡が失われることは安中市にとって取り返しのつかない文化的損失となります。しっかりと後世に残すための方策をとる必要があります。

 たとえば、この発掘されたエリアを避けて、新庁舎のレイアウトをただちに見直す必要があるでしょう。しかし、それは現実的ではありません。今回の遺跡調査で東山道跡と判明したのであれば、直ちに建設を中止して丁寧に埋め戻して保存するか、若しくは復元公開をすべきでしょう。そして、その一環として、旧安中高校跡地を市役所移転先ではなく、文化的な施設や災害時の避難先として整備し直したほうがよいと思います。

 例えば、簗瀬二子塚古墳など市内各所にある古墳と紐付けて、市内の名所としてアピールするなど、現代の私たちには、古代人が遺してくれた素晴らしい財産を後世に継承する義務があるのではないでしょうか。

 タゴ事件の負の遺産や、豪華な新庁舎に建て替えることで、後世に無用な負担をかけようとする安中市には、この機会に思考を変えて決断し行動してもらいたいものです。

 

【6/26追記】

 何が何でも現在地の市庁舎を安中高校跡地に移転新築して、現在地を特定の法人に売り飛ばそうという魂胆が見え見えの安中市ですが、早ければ今年9月にも解体工事を始めたいとしている旧安中高校の校舎を一日限りで開放するとして、6月25日にイベントが行われました。

 筆者にとって安中高校は母校ではありませんが、中学生の頃、安中高校の文化祭に行ったことがあり、この機会に校舎内部を見学しようと、田圃の草刈りをする前に当日朝9時半に安中市役所に出向きました。しかし、当日はスポーツセンターでバルーンフェスの開催と重なったこともあり、既に市役所の駐車場は満杯で、やむなくギブアップして終日草刈りに勤しみました。

 すると、その日の夕方に群テレでさっそく記事が報じられました。

**********群馬テレビ2023年6月25日19:02
旧安中高校解体前の最後の一般開放 群馬・安中市

 (写真:群馬テレビ)※動画⇒ https://www.youtube.com/watch?v=0fnzxG6-tco

 今年秋に解体が予定されている旧安中高校で、校内を自由に見学できる催しが開かれ、多くの来場者で賑わいました。
 旧安中高校は、2008年の廃校後、映画やドラマのロケ地として活用されていましたが、安中市役所の新庁舎を建てるため、今年9月に解体が予定されています。
 25日は、解体前の最後の一般開放としてイベントが開かれ多くの来場者で賑わいました。
 メインイベントは、約50年前から校舎の定礎箱に保管されていたというタイムカプセルのお披露目で、岩井市長や卒業生などが見守る中、開封されました。中には、当時の校内新聞や、学校のあゆみをまとめた冊子などあわせて17点が入っていました。
 このほか、ロケ地として活用されたスポットを巡るツアーや、地元の高校生が考案したロケ弁の販売などが行われ、訪れた人は、校内に入れる最後の機会を楽しんでいました。
**********

 翌日、校舎一般開放の見学会に参加した方々から感想をうかがいました。それによると、校舎の柱や壁、床にヒビ割れが見られないかどうか、念入りにチェックしたところ、まったく問題ない状況にあったそうです。定礎箱に50年前の同窓会報などが保管されていたということから、築50年が経過していることになりますが、2008年の廃校後、使われてこなかったとはいえ、昭和30年代に造られた市役所の旧庁舎や中庁舎よりも、かなり良い状態にあり、コンクリートの劣化も遥かにこちらのほうが程度が良いと感じたそうです。これを再利用しないで、わざわざ血税を使ってガレキにしてしまうのは誠にもったいなく、SDGsの理念にも反しているとつくづく思います。

5月17日の市民全体説明会で示された概算事業費と財源

 ところで新庁舎建設に関して、令和5年5月22日に市文化センター大ホールで開催された安中市新庁舎建設基本設計に関する住民説明会において、現庁舎及び安高校舎等の解体費に関する市側の説明の中で、アスベスト対策費が話題となりました。しかし、市側の説明でいくつか気になったことがあるため、当会は、6月6日付で次の項目について安中市長あてに行政文書開示請求書を提出していました。

*****6/6安中市長あて情報開示請求項目*****
①群馬県から安高跡地を買い取る際に、校舎の解体に伴うアスベスト対策に要する金額分を値引きした経緯があるとの説明でした。ついては、このとき外壁などで存在が確認されたアスベスト対策費がいくらだったか、そしてその根拠としてどの程度のアスベストが残置しているのかが分かる情報。ちなみに、当会の調査では、令和元年6月14日付安企発516号「旧安中高等学校跡地売買価格について」と題する安中市長から群馬県教育委員会教育長あての書面によると、「旧安中高等学校跡地売却価格224,351千円は、平成29年12月26日に県が提示した売却価格232,667千円から、安中市要望のとおりアスベスト除去工事費相当額8,316千円を控除したもの」と記されています。

②市側の説明によると、「その後、アスベスト対策が厳格になり、新たにアスベストを含む建材等の使用もわかったので、再度アスベスト調査を実施したところ対策費がアップした結果、総事業費が7.5億円となった」という趣旨であると理解されます。ついては、安高跡地の校舎に関して、この「再度実施した」というアスベスト調査の報告内容(報告書等を含む)が分かる情報。

③市側の説明によると、「その後、アスベスト対策が厳格になり、新たにアスベストを含む建材等の使用もわかったので、再度アスベスト調査を実施したところ対策費がアップした結果、総事業費が7.5億円となり、このなかには現庁舎の解体分として1.2億円を含む」ということです。ついては、耐震化されていない現庁舎等の解体に1.2億円かかるとする経費の根拠と内訳。とりわけ、アスベスト対策費はこのうちいくらか分かる情報(この「再度実施した」というアスベスト調査の報告内容があれば、それを含む)。
**********

 この結果、6月20日に市役所2階で情報開示がありました。しかし、①は、アスベスト調査結果でアスベストが発見された部室棟のみのアスベスト除去費用見積が税込みで8打1.6万円ということで、②については、再度のアスベスト調査したところ、①のときより多くの場所(北校舎、南校舎、渡り廊下・便所棟、その他付属施設)でアスベストがあらたに検出されたとする証明書が開示されましたが、肝心のアスベスト対策費の根拠となる見積は見当たりませんでした。理由を聞くと、「ない」のだそうです。なぜなら「石本設計事務所に発注した設計・積算等業務以外の、解体工事を含めたその他業務を前橋にある勝山工務所に見積もらせたが、アスベスト費用を切り出した内訳はもらっていないので、分からない」の一点張りです。

 そして③については、不存在情報という説明でした。不存在理由のところに「原調査の解体費用1.2億円については、総務省の資料を基に算定した単価に解体する建物(旧庁舎・中庁舎・保険センター・西庁舎)の面積をかけて算出したものであり、経費の根拠と内訳が分かる行政文書としては保有していないため」と記されていたので、「現庁舎の解体費用について、総務省の資料というのは何か?」と聞くと、予め用意していたと思しき資料を「情報提供だ」として私にくれました。それには、解体費用の単価として1㎡あたり24,456円とあり、これを採用したのだということでした。「ではアスベスト除去対策費は総務省のこの数値の中に含まれるのか?」と訊くと、「よくわからない」とのこと。

 しつこく聞いても、埒が明かず、私から「これでは、説明会で示した概算事業費と財源の表はデタラメだらけと見られても仕方がないね」とコメントすると、担当の大野職員が「私のメモでは、精査時の安高校舎解体費用が1.93725億円でこれは、安高校舎の床面積7,733㎡に総務省資料による単価25,000円をかけて算出したもの。これが今回の試算では、3.29億円となり、この差額訳1.4億円が主にアスベスト対策費と考えてよい。なぜなら、前回市が測定したアスベスト調査の時点から、検査が厳しくなり、あらたに、アスベスト含有材料が加わったので、コストがアップしたからだ」と説明しました。

担当職員のメモ

 ということで安中市の対応は、こちらの質問をはぐらかしまくり、また、アスベスト対策費の分だけを切り分けて、いったいいくらになるのか、教えてほしいとなんと頼んでも、ノラリクラリで結局返事がもらえませんでした。

 なお、3月31日付の群馬県建設新聞によると、解体工事の入札は4月に既に実施されたことが分かります。

**********群馬県設新聞2023年03月31日
旧安中高校舎等の解体 4月早々一般競争
 安中市は、新庁舎建設に向けた旧安中高校(安中2-2926-1)校舎等の解体工事について、4月早々に一般競争入札を公告する。工事着手は2023年度に計画する文化財発掘調査完了後となる。23年度当初予算で解体工事費として3億4664万3000円を確保している。
 解体する建物は◇(仮称)北棟=RC造4階建て、延べ床面積2789㎡◇(仮称)南棟=RC造一部S造4階建て、延べ床面積4521㎡◇部室棟=S造平屋、床面積172㎡◇弓道場=S造平屋、床面積27㎡-などとなっている。安中体育館や格技場は解体しない方針。解体設計は勝山工務所(前橋市)が受注した。
 約1万2700㎡の跡地に建設する新庁舎の延べ床面積は7200㎡とし、解体工事費などを除いた本体工事費は約37億8000万円。敷地内南側に新庁舎を建設し、北側には駐車場を配置する計画としている。23~25年度を期間とする3カ年実施計画には、24年度からの庁舎本体工事着手が位置付けられている。
 23年度に予定する実施設計は、基本計画・基本設計業務を受注した石本建築事務所(東京都千代田区)に委託する見通し。23年度当初予算で委託料1億8898万円を確保した。
**********

 誰が考えても、貴重な遺構が出土した安中高校跡地は、そのままにして、旧校舎も程度がよいので解体せず利活用し、新市庁舎は現在の場所に、新館はそのままで、その他の老朽化した耐震不足の建物のみ立て替えるのが、環境にも市の懐にも優しい方策であることは、明らかです。

 

【6/27追記】

 6月20日付けの上毛新聞に東山道等と思われる遺跡等が安中高校跡地の校庭で出土したという記事が報じられてから、本日で1週間が経過します。不思議なことに、安中市の岩井均市長をはじめ、市内の話題を発信するのを得意とする市議会議員のお歴々の誰一人として、この素晴らしいトピックスをフェイスブックやツイッターで取り上げる風情がありません。どうやら、よほど不都合な事情を慮っている様子が垣間見えるようです。

 当会が市役所関係者から入手した情報によると、6月20日に上毛新聞に記事が掲載される数日前に、市役所内部で、「本件にどう対処すべきか、市としての方針が決まっていないので口外を控えるように」とする緘口令が敷かれていたことがわかりました。当然、市議会に対しても、安中市議会6月定例会最終日の6月26日に、市としての方針について説明があるまで、固く口留めするようにお達しが出ていたようです。このことからも、安中市の隠ぺい体質が、遺憾なく発揮されていることがわかります。

 そして、本日の上毛新聞に次の記事が掲載されました。

**********上毛新聞2023年6月27日6:00

新庁舎ずらして保存 古代の道路発見で群馬・安中市

 群馬県安中市は26日、新庁舎を建設する旧安中高校庭(同市安中)で見つかった古代の幹線道路、東山道駅路とみられる道路跡などの遺構について、現状保存する方針を固めた。新庁舎は遺構と重ならないよう北東にずらして建設する。建設スケジュールに変更はないという。

 同日の市議会全員協議会で明らかにした。

 新庁舎は今回確認された遺構の上に建設を予定している。このため市は新庁舎の建設場所を北側に16メートル、東側に4.5メートルずらし、遺構を現状保存する。市は「遺構の歴史的価値を鑑み、できる限りの現状保存を検討している」と説明した。

 市議からは市民への説明の機会や、観光資源としての活用について質問があった。市は8月末まで遺構の調査を進め、7月30日に市民向けの現地説明会を予定していることを明らかにした。遺構は保存のため埋め戻して盛り土をし、場所を表記することなどを検討している。

 旧安中高跡地に建設予定の新庁舎は本年度中に実施設計を終え、2024年度に着工、26年度の業務開始を目指している。現在、同高の校庭跡地で文化財発掘調査が進められている。

**********

5月17日の市民全体説明会で示された新庁舎パース

おなじく新庁舎の配置計画図

 安中市がどのような説明を市議会全員協議会でしたのか、市のホームページにも何も掲載されていないので、分かりませんが、記事の内容から、今回確認された遺構の真上に新庁舎の建設が計画されていたようです。そのため、新庁舎の建設場所を、北側に16m、東側に4.5m移動せざるを得ないことになったようです。そして、出土した遺構は保存するため埋め戻して盛り土をし、遺構の存在を表示した銘板を設置するようです。

 しかし、このような付け焼刃の対応と説明で果たしてよいのでしょうか。少なくとも、出土した遺構が占める面積は、そのまま保全しなければなりませんから、駐車場にしたくてもできないはずです。そうすると、現在地で建替えるより、安中高校跡に移転新築したほうが駐車場のスペースが広くとれるなど、市民への説明会で、あれこれ思い付きで適当にごまかしてきた経緯は、いったいどう考えているのでしょうか。

5月17日の市民全体説明会で示された計画スケジュール表

 上に示した事業スケジュール表は5月17日の市民全体を対象とした基本設計結果に関する説明会で、市が配布した資料です。これを見ると、文化財発掘調査の試掘は令和4年10月に実施し、本掘は今年5月から8月まで4か月間で計画されていることがわかります。

 となると、昨年10月の試掘はもとより、5月17日の市民全体説明会の時点ではまだ、「お宝」の遺構の存在は未確認だったということになります。本来であれば、試掘の時点で、遺構の存在を確認して、さっさと安中高校跡地での新庁舎建設はギブアップして、現在地での建設のための基本設計に切り替えれば、実施設計に着手する前に、事業計画を見直せたことになります。

 しかし、今年度4月から実施設計を開始してしまい、途中でやめることができない状況に追い込まれた為、何が何でも安中高校跡地での新庁舎建設にこだわるあまり、市議会全員協議会に対して、後先踏まえることなく、ほぼ北北東方向へ16.7mそのまま移動するという姑息な修正計画を発表したようです。

 いったいどこまでも、融通の利かない組織なのでしょうか。それもこれも血税の浪費になんのためらいもない体質になりさがってしまっているからです。タゴ事件の教訓は、もはや忘却の彼方なのでしょうか。

 

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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