市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

当会の要請で渋々開催?…タゴ事件103年ローンの群銀和解20年目の対応について12.25-26に説明会

2019-11-28 23:24:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■安中市の土地開発公社を舞台に発覚した国内地方自治体では空前絶後の51億2千万円の巨額詐欺横領事件(通称「タゴ51億円事件」)から今年で25年目を迎えます。当会は、当時、この事件を追及した唯一の市民団体として活動した「市政をただす安中市民の会」を前身としていますが、この史上空前の役所の犯罪を、引き続き追及しています。なぜならタゴ事件では群銀との民事裁判で、24億5千万円を103年間に亘り支払うという前代未聞の負債を抱えているからです。こうしたなか、安中市は、当会の要請を無視して群銀との和解20年目もさらに10年間、群銀に毎年2千万円の支払いを決めてしまいました。そこで当会では住民への説明責任を果たすように申し入れていました。当初はノラリクラリしていた安中市ですが、11月27日の定例記者発表で、渋々(?)年末に後付けで市民に対する説明会をすると発表しました。


**********上毛新聞2019年11月28日
安中市元職員の巨額詐欺 年2000万返済を継続
群銀へ今後10年 来月、市民に報告会

 安中市元職員による市土地開発公社を巡る巨額詐欺事件=ズーム=について、市は27日の記者会見で、群馬銀行に対して、今後10年間もこれまでと同様に、毎年2千万円を支払う方針を明らかにした1998年に市と公社が連帯して24億5千万円を支払う和解が成立。和解から20年が経過し、市と公社は今後の支払額について同行と協議を続けていた。12月25、26日に市民向けの報告を行い、今後の対応について説明する。
 和解条項では、初回に4億円。その後は毎年最低2千万円を支払い、10年ごとに再協議して支払い方法や金額を決めることになっている。
 市と公社は20年年目となる昨年7月から今年3月にかけて、同行と協議を重ねてきた。これまでの返済額は8億円で、現在の債務残高は16億5千万円(83年間分に相当)という。
 報告会は、25日午後7時から市役所本庁、26日午後7時から松井田庁舎期間集落センターでそれぞれ開催する。
**********

■この事件で安中市は、群銀との「和解」と称して、実際には民事訴訟で敗訴し、総額24億5千万円を、西暦2103年まで毎年2000万円ずつ(最終の2103年だけは1000万円)クリスマスの日に支払い続けるという屈辱を、あと83年間にわたり市民に課し続けているのが実態です。

 当会では、和解20年目の対応として、群銀に対しても、すでに市民の3分の1は事件を知らない市民で構成されており、和解20年目の節目に、債権放棄を要請しました。ところが、群銀からは「第3者の市民(団体)にとやかく言われる筋合いはない」として無視されました。

 また、安中市に対して、「公社は安中市とは別法人であり、最高裁の判例にもあるとおり、公社の負債は安中市とは無関係だというのなら、103年ローンの連帯保証人にはならないでほしい」と申し入れ、群銀にもその旨要請しましたが、これも聞き入れてもらえず、今後10年間も同様に、屈辱的なタゴ事件の尻拭いを公金であがなうことになってしまいました。

 説明会で、公社の連帯保証人として安中市がどのような説明をするのでしょうか。単に群銀との和解条項に従って、債務を履行します、というだけでは市民は納得するのでしょうか。当然、安中市は公社に対して、原因者であるタゴに対する債権回収についても言及するはずですが、果たしてどうなることでしょう。

【ひらく会事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【続報】高崎芸術劇場の官製談合事件…厳正捜査と全容解明を望む一太知事の動画スタジオは大丈夫?

2019-11-26 21:09:00 | 高崎市の行政問題
■群馬県の商都高崎で起きた官製談合事件。群馬県は、高崎も前橋も群馬県の全国トップクラスの高い落札率を誇る、いわば談合天国です。今年7月に就任後、動画スタジオ整備に邁進する一太知事ですが、11月20日付のブログ記事で、こんなことを書いています。

○2019年11月20日13:36:一太知事ブログより「高崎芸術劇場をめぐる談合疑惑で3名が逮捕という衝撃!〜厳正な捜査と事件の全容解明を期待する!!」

**********
 朝の新幹線で東京に向かっている。あいたた、右上腕の筋肉が痛い。この「筋トレ疲労」を乗り越えない限り、理想の(?)体型は作れない。頑張らないと!
 高崎市の芸術劇場をめぐる官製談合の疑いで高崎財団副理事長(芸術劇場館長)や市職員を含む3人が逮捕された事件から一夜が明けた。県内の激震は収まらない。地元紙や地元TV、NHKのローカルニュース、大手紙の群馬版も、突然の逮捕劇を大きく報道している。
 辣腕の行政マンとして尊敬する富岡賢治 高崎市長の周辺でこんな事件が起きたことに、少なからぬショックを受けた。昨日の庁議でも定例記者会見でもこの問題に触れ、同じ趣旨の発言をした。
 「とても驚いている。まだ事件の経緯や真相が明らかになっていないので、軽々なコメントは出来ない。が、もし何か不正な行為があったのだとしたら、県警にはしっかり捜査を進め、事件の全容を解明してもらいたい。それが警察の県民に対する責任だと思う。」
 「これは他人事ではない。今回のことを契機に、県としても改めて襟を正してく必要がある!」とも。
 高崎市は県内最大の都市だ。高崎の動向は県全体にも大きな影響を与える。万一、今回の事件の背景に「何かの不正行為の温床(?)となるような構図」が存在するとすれば、この際、しっかりとメスを入れるべきではないかと感じる。
 今後、どんな展開になっていくのかは分からない。が、市民も県民も固唾を吞んで見守っている。多くのひとが納得する決着を期待したい。そうじゃないと、「負の余韻」をズルズルと引きずることになってしまう。
 あ、間もなく東京のアナウンス。
追伸:知事に就任して間もなく4ヶ月。様々な事業の内容をチェックしながら改めて痛感していることがある。それは、「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」と。
 そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っているのだから…。
**********

 一太知事に申し上げたいことがあります。

 ブログの追伸で「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」とから「そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っている」などとお書きになられていますが、貴殿が設置を推し進めている動画スタジオの機材には、適正に税金が使われ(てい)るのでしょうか?

 なぜなら、オンブズマンとして、検証したくても、県が開示した文書は真っ黒けで、検証できません。何とかしてくださいませんか。
○2019年10月20日:ネット動画発信を目論む一太知事・・・動画スタジオの補正予算1億1684万円の内訳が真っ黒け!!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3058.html







■貴殿の管轄する総務部広報課は、なぜ、真っ黒けの文書しか開示してくれないのでしょうか。おそらくは、広報課の職員が、貴殿に忖度して、オンブズマンには余計な情報を見せないと配慮したのだとは思いますが、よもや貴殿からの指示ではありますまい。

 広報課が我々オンブズマンに開示してくれないため、やむなく、議会向け報告資料を入手しました。これも、情報としては概略に過ぎませんが、すくなくとも、調達する品物の名称が少し記載されています。

*****動画スタジオ(県議会説明用)*****ZIP ⇒ xwiicpj.zip
(1)スタジオ機材購入・設置等      62,225千円
 ①スタジオ機材(撮影・編集・配信)等
 ・撮影
   カメラ5台(スタジオ用3台+取材用2台)、カメラ関係機材
   録画用機材、各種モニター、音声プレイヤー レコーダー 等
 ・編集・配信
   デジタルミキサー1台、PC4台(編集用1台+配信用3台)、
   編集卓、配信システム機器等
 ・照明
   スポットライト台(天釣り/スタンド) 等
 ・付帯設備等
   来庁者向けモニター/スピーカー/アンプ 等
 ②スタジオデザイン等
 ・スタジオデザイン設計費
 ・スタジオ内備品・セット等
 ③その他
 ・スタジオシステム設計・機材設置・回線工事、諸経費 等

(2)スタジオ施設整備          54,615千円
 ①設計・監理委託
 ②設置工事
 ・建設工事(壁・内装・ガラス等)
 ・電気設備工事(幹線動力・電灯コンセント・自動火災報知等)
 ・機械設備工事(空調・ダクト・スプリンクラー等)等
**********

■このうち、特に気になるのは、スタジオ機材購入・設置等に6222万5千円が投入されることです。

 なぜなら、一太知事も衝撃を受けた高崎芸術劇場をめぐるムービングライト一式(5680万円)と延長コード他一式(1070万5070円)を合計した6750万5070円と奇しくも同程度の金額だからです。

 新聞報道によると、高崎芸術劇場に使われているムービングライトは、劇場を管理する高崎財団が見積もった価格がそのまま予定価格になっているのだそうです。おそらく他の備品類も同じように見積もられた可能性が高いと思われます。そしてそれが、官製談合の温床となってしまいました。

 一太知事が整備を進めている動画スタジオも、群馬県広報課に提出された見積書は、どこかの企業が、株式会社REDMusicあてに出したもので、価格の妥当性が担保されているのかどうか、黒塗りで判断がつきません。

 さらにこの株式会社REDMusicの代表取締役の宇佐美友章氏は、一太知事が、群馬県の情報発信や政策立案の強化に向け、外部人材などの活用を検討した結果、2019年8月30人に起用を発表した3人(ネットメディア戦略アドバイザー:REDMusic(東京都)代表の宇佐美友章氏(55)、政策アドバイザー:民間シンクタンク「青山社中」(同)COO(最高執行責任者)の森原誠氏(39)、知事を補佐する新設の首席補佐官:県財政課次長の片貝和晶氏(48))のひとりです。

 これはまさしく富岡賢治市長に取り入った菅田明則容疑者と、よく似た構図ではないのでしょうか。貴殿の身辺が非常に心配です。

 したがって、貴殿に忖度している広報課長に指示して、速やかに黒塗りされた動画スタジオの予算内訳を公表させてください。

 一太知事がブログに書かれたように「県民(国民)が最も怒りを感じるのは、外から見えないところで税金が不正に使われ、特定の人たちが利益を得ることだ!」「そりゃあ、そうだろう。ほとんどの人たちは、ルールを守って真面目に頑張っているのだから…。」という観点からすれば、当会の気持ちを貴殿は速やかに理解してくれることでしょう。

■一方、高崎芸術劇場を巡る官製談合事件のほうは、相変わらず続報記事が紙面をにぎわせております。さっそく11月21日以降の記事をみてまいりましょう。

**********読売新聞2019年11月21日
菅田容疑者 市政に影響
阿久沢容疑者 地元財界の重鎮
高崎芸術劇場 官製談合

 高崎芸術劇場の備品入札を巡る官製談合事件で、逮捕された劇場館長の菅田(すげた)明則容疑者(66)は、高崎市政に影響力のある人物として知られていた。落札した電気工事会社社長の阿久沢茂容疑者(68)も地元財界の重鎮で、ともに市長の側近。阿久沢容疑者への不正な情報提供は、菅田容疑者が市の担当室長だった佐藤育男容疑者(50)に求めたとされ、有力者が入札執行をゆがめた構図が浮かび上がった。
◆2人は多くの肩書を持つ有力者だった
菅田容疑者
 高崎芸術劇場館長
 高崎財団副理事長
 ラジオ高崎社長
 高崎観光協会副理事長
 富岡賢治後援会連合会会長顧問
阿久沢容疑者
 高崎商工会議所副会頭
 高崎観光協会理事長
 県電設協会会長(今月辞任)
 高崎高校同窓会会長
 富岡賢治後援会連合会幹事長
★有力者 入札ゆがめる★
 県警の発表によると、今年1月に行われた高崎市の指名競争入札で佐藤容疑者は予定価格を菅田容疑者を通じて阿久沢容疑者に事前に漏らし、電気工事会社「阿久沢電機」に落札させた疑いがある。同社は落札率98%の6134万円で備品を受注した。
 関係者によると、菅田容疑者と市政の距離が縮まったのは、2011年に引退した松浦幸雄前市長の時代とされる。市内のイベント企画・デザイン会社の創業者として、市が関わるイベントの企画などで才覚を発揮した。
 ハイカラな服装と眼鏡がトレードマークだ。
 富岡賢治市長によると、菅田容疑者との出会いは同年の初当選前だった。「余人をもって代えがたい」(富岡市長)と仕事ぶりを評価されてブレーンとなり、最近は週1回のペースで会っていたという。後援会連合会の会長顧問も務め、幅広い人脈でと井岡市長の3選にも貢献したとされる。
 相談役に退いたイベント企画・デザイン会社は、市勢要覧の制作など市の関連業務も多く手掛ける。商工関係者の一人は、「市中枢と太いパイプがあったが、近すぎる関係への批判も多かった」と話す。
 15年に公益財団法人「高崎財団」の副理事長に就任し、昨年7月に財団が劇場運営の指定管理者になると、開館準備を指揮する立場になった。事件当時、劇場を管理する部署の担当が佐藤容疑者だった。
 一方、阿久沢容疑者は高崎商工会議所副会頭などを務める地元経済界の重鎮。富岡市長の講演会連合会の幹事長として、同じ幹部の菅田容疑者と交流があった。佐藤容疑者が卒業した高崎高校の同窓会会長でもある。
 と井岡市長の秘書も務めた佐藤容疑者は、手堅い仕事で信頼を得て、今年4月に課長職に抜てきされた。市議からは「市長に近い有力者の依頼を断れなかったのではないか」との見方も出ている。

**********朝日新聞2019年11月21日
高崎芸術劇場官製談合事件 3人容疑認める供述
 9月にオープンした高崎芸術劇場(高崎市栄町)の照明備品をめぐる官製談合事件で、逮捕された3人がおおむね容疑を認める供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。劇場館長の菅田容疑者(66)=安中市=は「特殊な照明を設置するため、扱える阿久沢電機に落札させたかった」と話しているという。
 ほかに逮捕されたのは、劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=と、電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市。両容疑者も「良い劇場にするためだった」という趣旨の供述をしているという。
 劇場建設を所管する高崎市都市集客施設整備室によると、劇場を管理運営する公益財団法人高崎財団側から、チェコ製の照明を使うよう言われ、型番まで指定されたという。菅田容疑者は、高崎財団の副理事長を務めている。
 問題の備品は「ムービングライト」と呼ばれる舞台演出で使う照明。今年1月24日にあった指名競争入札で、阿久沢電機が最低価格の5680万円(税抜き)で落札した。
 整備室の担当者は「演出に関わる設備は財団が専門的な知識を持っており、財団が指定したものを使うことになった」と話す。財団側から、興行上のセールスポイントになるとの説明を受けたという。照明備品のほか、プロジェクターやプラグ類についても財団側からメーカーや型番の具体的な指定があったという。
 市契約課によると、昨年末ごろ入札準備に着手。富岡賢治市長の「地元の会社優先」の方針に沿って、整備室と協議しながら、市内の物品・役務の登録業者約800社の中から電気工事ができる社を選別。入札約2週間前に14社に絞って指名通知を送り、13社が応札したという。
 契約課が決めた予定価格の5800万円は、発注元の整備室が出した購入請求額と同じ。発注元の所管部署の金額通りにするのが慣例で、発注当時に整備室長だった佐藤容疑者はこうした慣例を把握してたとみられる。

*********読売新聞2019年11月22日
高崎劇場談合 財団肥大化 懸念の声
39施設で市指定管理者に

 高崎市の備品入札を巡る官製談合事件の舞台となった高崎芸術劇場は、市が出資する公益財団法人「高崎財団」が指定管理者(注)として運営している。逮捕された3人のうち、劇場館長の菅田明則容疑者(66)が副理事長で、予定価格を漏らしたとされる副館長の佐藤育男容疑者(50)も市からの派遣職員だ。財団は近年、大型施設の指定管理者に相次いで選ばれており、業務の肥大化や市の予算執行の不透明さへの批判も出ていた。
 市によると、指定管理者制度を導入する100施設のうち、財団管理は39施設。2017年に完成した高崎アリーナや今年6月にオープンしたソフトボール専用球場も含まれる。市条例は、指定管理者は公募で選ぶとしているが、劇場運営は例外規定が適用され、公募の無いまま昨年6月に決まった。
 これらを市議会も承認していたが、「財団に集中している」「市の出資法人を指定するのは民間活力の導入という制度の趣旨に反する」といった指摘もある。
 官製談合の対象となった照明備品も、財団がメーカーや品番を特定していたた。ただ、市の予算書には「備品購入費」としかなかったといい、ある市議は「具体的な使途がわからず、議会のチェック機能を果たせない」と批判する。
 財団は、1984年に市が出資して設立された市文化事業団が前身だ。職員約210人のうち、市からの派遣は18人。理事長は元三菱地所社長が務め、副理事2人のうちスポーツ分野は元国立オリンピック記念青少年総合センター所長代理、文化・芸術分野は菅田容疑者が担ってきた。定款上、市に議決権はないが、ともに富岡賢治市長の意向が働いたとみられている。
【注】指定管理者 公共施設の管理運営のために自治体が指定する団体。経費削減などを目的に2003年の地方自治法改正で制度が始まり、民間企業やNPO法人が参入した。業務委託に比べて自由な運営ができ、利用料は自らの収入にできる。県のまとめでは、市町村施設の14%(4月現在)が指定管理者制度を導入している。
★漏えい認める 佐藤容疑者★
 高崎市の官製談合事件で、芸術劇場整備の台頭室長だった佐藤育男容疑者が県警の調べに対し、予定価格を事前に漏らしたことを認めたうえで、菅田明則容疑者を介して電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)に「情報が伝わると思っていた」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。
 問題の入札は、市が1月に指名業者に実施を通知。捜査関係者によると、佐藤容疑者は照明備品の受注に阿久沢容疑者が強い関心を持っていることを知っていたという。
 購入費の上限となる予定価格の情報提供は、劇場館長の菅田容疑者からの依頼を受け佐藤容疑者に求めたとされる。県警は、佐藤容疑者が予定価格漏えいの違法性を認識しながらも、市政に影響力を持つ菅田容疑者の求めを断り切れずに情報を伝えたとみている。
 一方、菅田容疑者を介して情報を得たとされる阿久沢容疑者も、情報源が佐藤容疑者であると「推測していた:」という趣旨の供述をしているという。

**********朝日新聞2019年11月22日
高崎芸術劇場官製談合容疑
副館長「断れなかった:」予定価格漏えい 上下関係影響か

 高崎市で9月にオープンした高崎芸術劇場の照明備品購入をめぐる官製談合事件で、劇場館長の菅田明則容疑者(66)=安中市=から予定価格を漏らすように依頼された高崎市企画調整課付課長で、劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=が「以前からの付き合いで、依頼を断れなかった」などと供述していることが捜査関係者への取材でわかった。県警は2人の上下関係が事件に影響しているとみて裏付けを進める。
=====両容疑者の職位の経緯=====
【佐藤育男容疑者】【菅田明則容疑者】
2
014年04月【佐藤育男容疑者】市文化スポーツ振興財団へ派遣(企画調整課付係長)
2014年10月【菅田明則容疑者】財団専務理事
2015年04月【佐藤育男容疑者】(課長補佐)
2015年06月【菅田明則容疑者】財団副理事長
2016年04月【佐藤育男容疑者】(課長)
2016年07月         財団名が「高崎財団」に
2017年04月【佐藤育男容疑者】都市集客施設整備室長
2018年02月         「高崎芸術劇場」の名称発表
2018年12月【菅田明則容疑者】高崎芸術劇場館長に就任
2019年01月         照明備品の入札
2019年04月【佐藤育男容疑者】高崎財団へ派遣=高崎芸術劇場副館長に就任(企画調整課付課長)
==========
 捜査関係者によると、佐藤容疑者は動機について、各社の応札価格が予定価格を大量に上回ったり応札業者が少なかったりし、「入札が不調に終わらないか心配だった」とも話しているという。
 証明備品の入札は今年1月24日に実施され、電気工事会社の阿久沢電機(高崎市)が税抜き5680万円、落札率97.0%で落札した疑いがある同社社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市=も今回逮捕されている。
 市によると、地元のFM局の役員などを務めていた菅田容疑者は2014年10月に専務理事として公益財団法人高崎市文化スポーツ振興財団(現高崎財団)入り。翌年から副理事長に就いた。
 佐藤容疑者も同じ14年の4月から3年間、財団に派遣されて劇場の開業準備を担当。文化担当の副理事長だった菅田容疑者は上司に当たる存在だったという。劇場の完成が2年後に迫った17年4月、佐藤容疑者は市役所に戻り、劇場の建設を指揮監督する都市集客施設整備室長に就任した。
 県警によると、佐藤容疑者は書類作成や部下が作成した書類の審査を通じて予定価格を知るうる立場にあった。県警は、佐藤容疑者が市役所に戻った後も、財団示談の上司だった菅田容疑者との上下関係が続いていたとみている。
 劇場の完成を控えた昨年12月に菅田容疑者が館長に、今年4月に佐藤容疑者が副館長に就任。富岡賢治市長は19日の臨時記者会見で、形式上は財団が館長人事を決定するものの、自らが菅田容疑者に就任を打診したことを明かし、佐藤容疑者の副館長人事も「私が決めた」と明言。菅田、佐藤両容疑者について「最高のタッグと思う」とし、菅田容疑者は企画と人脈に、佐藤容疑者は実務に優れていたと高く評価した。
 富岡市長の講演会連合会で、菅田容疑者は会長顧問を務めていた。県警は、富岡市長の選挙を支えた民間ブレーンとして、菅田容疑者は市役所内に強い影響力があったとみて、事件との関連を調べている。

**********上毛新聞2019月11月22日
高崎談合「入札 不調困る」 佐藤容疑者 工期や開館遅れ懸念か
 群馬県の「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=同市大八木町=が「(入札で落札業者が決まらない)不調になると困ると思った」などと話していることが21日、分かった。事件当時は既に9月の劇場開館が公表され、市議会3月定例会で入札結果を踏まえた議案の提出を迫られていた。群馬県警は予定価格漏えいの背景に、入札不調や工期の遅れに対する懸念があった可能性があるとみて詳しく調べている。
 これまでの調べで、いずれも同容疑で逮捕された阿久沢電機社長の阿久沢茂容疑者(68)=同市江木町=から依頼を受けた高崎財団副理事長で同劇場館長の菅田明則容疑者(66)=安中市安中=が、佐藤容疑者から予定価格を聞き出したとされる。佐藤容疑者は「(親しい菅田容疑者に)つい言ってしまった」とも話しているという。
 3人の逮捕容疑は共謀して1月ごろ、同劇場の照明設備の備品購入を巡り、同社に落札させようとして予定価格5800万円(税抜き)を漏らし、5680万円で落札させて入札の公正を害した疑い。
 3人は大筋で容疑を認めているといい、菅田容疑者は「劇場を良くするため、海外製の特殊な照明設備を入れたかった」、阿久沢容疑者は「準備したのに落札できないのはしゃくだった」という趣旨の供述をしているという。
 県警によると、備品は劇場に使用されるムービングライト32台。市内の電気工事関係の13業者による指名競争入札で市が発注した。

**********朝日新聞2019年11月23日
仕入れとの差額 利益数千万円か
高崎官製談合事件 容疑の社長

 高崎市で9月にオープンした高崎芸術劇場の照明備品をめぐる官製談合事件で、落札した電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂容疑者(68)=高崎市=が数千万円の利益を得ていたとみられることが、捜査関係者への取材で分かった。県警は阿久沢容疑者らが予定価格と仕入れ額との差益を目的に談合を企てたとみて調べている。
 この事件では、今年1月ごろ阿久沢容疑者が劇場館長の菅田容疑者(66)=安中市=を通じ、当時は劇場建設を指揮監督する都市集客施設整備室長だった副館長の佐藤育男容疑者(50)=高崎市=から「ムービングライト」の予定価格を知り、落札率97.9%の5680万円(税抜き)で落札した疑いがある。県警によると、落札額には設置費用も含まれていたという。
 ムービングライトは、様々な方向を照らすライト。3月の市議会特別委員会で佐藤容疑者は「多彩な色の変化や効果を生み出す、現代のステージ演出には欠かせない照明器具」と説明していた。市などによると、劇場を管理運営する公益財団法人高崎財団からはチェコのROBE(ロビー)社製の特定機種を指定され、購入請求額も示された、これがほぼそのまま予定価格になったとみられる。
 今回納入されたのは光を拡散させるウォッシュタイプ16台と、焦点を絞って照らすスポットタイプ16台。東京都内にある販売会社によると、高崎芸術劇場に納入された機種はウォッシュタイプが百~百数十万円、スポットタイプは280万~300万円が相場。さらい捜査には制御装置が必要で、安くても1千万円近いという。単純計算では予定価格の税抜き5800万円を超える額にもなり得るが、捜査関係者によると、仕入れ価格はこれらを大きく下回り、予定価格との差額が数千万円に上るという。
 阿久沢容疑者と菅田容疑者は富岡賢治市長の講演会連合会では幹事長と会長顧問、高崎観光協会でも理事長と副理事長の職にあるなど、日常的に懇意にしていたとされる。
 阿久沢容疑者「経営は良かった」(市長)とされる。捜査関係者によると、菅田容疑者は「特殊な照明を設置するため、扱える阿久沢電機に落札させたかった」と供述。阿久沢、佐藤両容疑者も「良い劇場にするためだった」などと話しているという。県警は、こうした供述などの半面、高額な差益を受けていた実態があるとみて、動機についてさらに詳しく調べている。



<スポットタイプのムービングライトとライトの例>
灯体が動くスポットライトの一例。灯体が300°以上回転し、GOBOやプリズムレンズ等の使用により立体的なシーンと独特の色彩効果が得られる。コンソールからコントロールすることができる。



<ウォッシュタイプのムービングライトとライトの例>無制限の色を作り出し、滑らかな色のミキシング効果を醸し出す。独特の早くスムーズ動きと原色ミキシングシステムで無制限の色を再現可能。コンパクトでしかも極めてパワフル、パフォーマンス照明に不可欠。熱と、ファン騒音が少ないので舞台等での熱も軽減する。コンソールからコントロールすることができる。いずれもHPより

*********上毛新聞2019年11月23日
高崎官製談合
市へ説明要求巡り 議運意見分かれる

 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件を受け、22日に開かれた高崎市議会議会運営委員会で、市に説明を求めるかについて各会派に所属する委員の意見が分かれた。
 労組系の市民クラブ(6人)は「今年3月議会で承認した案件が問題となっている。何らかの行動を起こした方がいいのではないか」と提案。これに対し、自民系の最大会派、新風会(23人)の「石川徹幹事長は「まだ捜査中で執行部に聞く段階ではない」、公明党(5人)の新保克佳政調会長は「慎重に様子を見る必要があり」とした。
 後閑賢二委員長(新風会)は松本賢一議長と対応を協議するとして閉会。取材に対し松本議長は「現時点ではコメントできない」とした。
 議運への参加資格がない協佐藤市議会議員団(2人)の伊藤淳博団長は「本会議の一般質問で説明を求めたい」と話した。
**********

■富岡市長が臨時記者会見で見せた狼狽ぶりを見るにつけ、この事件の背景にはさらに深淵が潜んでいることをうかがわせます。当会はしっかりと奥底まで見届けたいと、会員一同、決意を固めているところです。

 その一環として、11月22日付で当会会員らが次の3件の情報開示請求を行いました。
〇行政文書公開請求書「市長臨時会見録音」ZIP ⇒ 201911221sjisj.zip
〇行政文書公開請求書「入札調書等」ZIP ⇒ 201911222sjidj.zip
〇行政文書公開請求書「コンプライアンス室など」ZIP ⇒ 201911223sjirvcaxj.zip

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「渋川市議がまたまた売名行為?」その後(その3)

2019-11-24 22:26:00 | 渋川市の行政問題
■ 日本国や群馬県、その他の地方自治体などの行政機関では、文書で管理される「文書主義」が採用されていることはよく知られています。行政機関が、その意思決定に至る過程並びに事業の実績を合理的に跡付け、後から検証することができるようにするためです。
 ところが大同有害スラグで有名な渋川市の行政を巡り上毛新聞で、毎週末のように「了解」や「聞いていない」など、およそ行政機関の話ではないような目を疑う報道が繰り返されています。事故や事件など殺伐な事件が躍る社会面で一服の「清涼剤」的な、愉快なユニーク記事を見ていきましょう。

**********上毛新聞2019年11月23日
硯石周辺整備問題 報告遅れる可能性
渋川市議会特別委

 渋川市北橘町の市有地にある巨石「硯石」の周辺整備が市の正式な手続きを経ずに行われた問題で、同市議会の「歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会」が22日、開かれた。
 報告書の取りまとめ方を話し合った結果、当初の目標としていた市議会12月定例会での報告がずれ込む可能性が出てきた。
 前回までに、関係する市職員や市議ら8人から話を聞いた。取りまとめに慎重を期すため、当初の目標時期にはこだわらないことで一致した。
 「(作業前の)地鎮祭の日時を市長に伝えた」とする市議の発言と、報道による高木勉市長の見解に相違があることから、特別委として市長の認識について文書で回答を求めることも決めた。
**********

 この記事だけではよくわからないので先週の記事もごらんください。


**********上毛新聞2019年11月15日
硯石周辺整備の市議「市の了解得ている」
渋川市議会特別委

 渋川市北橘町の市有地にある巨石「硯石」の周辺整備が市の正式な手続きを経ずに行われた問題で、同市議会の「歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会」が14日、開かれた。
 作業した市議が委員の質疑に応じ、作業前の地鎮祭の日時を高木勉市長に伝えていたとした上で、「市の了解を得ている」との認識を示した。
 市議は、作業に関し議会事務局職員を通じて、石の説明板を掲示している市教委文化財保護課と市有地を管理する資産経営課に連絡をしたと説明。「市がくいを打ち、草を刈った場所に(作業)に入った。市長にも話しており、100パーセント市の了解を得ていると思っている」などと述べた。
 高木市長は上毛新聞の取材に「からっ風街道の石を動かすからと日程の都合を聞かれたが、市有地にある石の作業とは聞いていなかった」と認識の違いを示し、「どこに問題があったのかを現在調べているところだ」と述べた。
**********

 それでは、地元上毛新聞が、貴重な社会面の紙面をたびたび賑わせている渋川市のこの聖なる「鏡石」のご神体をあらためてチェックしてみましょう。

 まずは、上毛新聞に掲載された移動前の「硯石」のお姿はどうだったのでしょうか。<ビフォー?>



 続いて、上毛新聞に掲載された移動後の「硯石」のお姿。<アフター?>



 なんと痛々しいお姿だろうか。重機による傷だらけで満身創痍状態です。僕の・私の・硯石を返せ!の声が天にこだまするような気がいたします。

■さて、今回もポイントをまとめてみましょう。

ポイント①正式な文書による手続きもない周辺整備工事に「慎重を期す」特別委の姿勢。
ポイント②身勝手な「日時を市長に伝えた」の言い分に市長に文書による回答を求めること。

 それではそれぞれのポイントについて、検証してみましょう。

ポイント①
正式な文書による手続きもない周辺整備工事に「慎重を期す」特別委の姿勢。

■上毛新聞の書き出しは、「渋川市北橘町の市有地にある巨石『硯石』の周辺整備が市の正式な手続きを経ずに行われた問題で、同市議会の『歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会』が22日、開かれた。」で始まっています。2週にわたり「硯石」の周辺整備が市の正式な手続きを経ていないことが紹介されています。

 正式な手続きを経ているかどうか?このことについて、どう検証するのでしょうか。

 その検証の道具はなんといっても「公文書」です。

 行政機関は書面によりやり取りをする「文書主義」であることが広く知られています。 この文書主義に関し、ネットで法令を検索してみると、「公文書等の管理に関する法律」を見つけることができました。

 そこには、第1条(目的)が記載され、「公文書等の管理に関する基本的事項を定めることによりことにより行政が適正かつ効率的に運営されるようにする」とされています。この法律は国の公文書についてのものですが、その第34条に「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。」となっています。

 渋川市でも公文書管理の条例が他の地方自治体に先駆けて制定される動きがあるようで、「文書主義」が採用されていることは明らかです。

 渋川市の公文書管理条例はネットで検索することができました↓↓
http://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/jyouhoukoukai/jyouhoukoukai/p006908_d/fil/1.pdf

 渋川市議会の特別委員会で、「硯石」の周辺整備が市の正式な手続きを経ずに行われたかどうかは、公文書を見れば明らかです。

 もし公文書がなければ、市の正式な手続きを経ずに、つまり勝手に整備が進められたと考えるしかありません。周辺整備を進めたのは「市議ら」と複数の市議です。一般市民と比べ市の行政に精通している人であるはずなので、泣き言は通じません。


毎日新聞掲載「硯石」の整備の様子=市議提供

 渋川市議会の「歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会」が取りまとめに慎重を期す、との上毛新聞報道ですが、「硯石」は無慈悲な整備工事で傷だらけになっています。

 特別委員会のメンバーも市行政に精通した市議会議員の面々であるはずですので、せめて慎重を期すなら「寄付行為」や「公職選挙法違反」や「器物破損」そして「市有地不法侵入」などの刑事告発勧告の取りまとめであって欲しいものです。大同有害スラグ事件を不問に付してきた〝優秀な〟市議会議員様諸氏が雁首揃えれば、さぞかし素晴らしい提言ができることでしょう。

ポイント②
身勝手な「日時を市長に伝えた」の言い分に市長に文書による回答を求めること。

■「硯石」の周辺整備を無謀に進めた市議らは「市長にも話しており、100パーセント市の了解を得ていると思っている」などと述べていることから、「了解」は公文書のやりとりではなく、口頭で行われたとの主張であるようです。 「話をした」は、立ち話や、すれ違いざまに捨て台詞のように「話す」こともあるでしょう。

 上毛新聞では「『(作業前の)地鎮祭の日時を市長に伝えた』とする市議の発言と、報道による高木勉市長の見解に相違があることから、特別委として市長の認識について文書で回答を求めることも決めた。」と報道され、
口頭による発言に対し、市長には文書による回答を求める
という何ともあきれた報道になっています。

 そもそも文書主義で進められる行政機関の長である市長に対し、「話をした」の発言を取り上げて、質問する必要があるのでしょうか?

 「100パーセント市の了解を得ている」のであれば硯石周辺整備工事の進行状況が公文書に記載されているはずですので、そちらを確かめてはいかがでしょうか?

■大同有害スラグ事件で有名な渋川市においては、有害なフッ素毒が含まれたスラグが未だに大量に放置されています。そのフッ素毒にやられたのか、渋川市議会では「話をした」との主張を真に受け、市長に「文章」で回答を求めるという珍事件が発生しています。

 なぜか毎週繰り返される上毛新聞報道ですが、問題の「市議も?」「特別委も?」な状況をきっと次回も愉快に報道してくれることでしょう。

 それにしても、ヨシモトの漫才でも、ちゃんと台本があるのに、例えればあたかも「やくざもんの戯言(ざれごと)」に対して、市長には「文書で回答」という論法は、それ自体、不公平すぎて、議論など成り立つはずのないことですので、漫談のネタとして笑いとばしておけばよいでしょう。

 それを、上毛新聞が執拗に「戯言」を取り上げて記事化するものだから、話がややこしくなるわけです。

■そもそも議員から資料の提供の要求があった場合には、行政当局側としては、可能な限り速やかに対応すべきであり、仮に議員の要求に応じられない場合でも、行政側は可能な限りその理由を示すべきであると、考えられています。

 このように議員は公文書の公開請求に際しても、一般市民と比べると、住民の代表だけ会って、広く権限が認められるようです。

 他方、我々、市民オンブズマンが公文書を情報公開請求した場合に、なかなか情報が開示されないのは、いったいどういうわけでしょう。せめて、住民の代表であろうとなかろうと、行政情報は、納税者住民の財産の一部であるはずですし、そのように取り扱われなければなりません。

 残念ながら、いまから約25年前に情報公開法がはじめて施行されたころに比べると、役所の情報開示の姿勢はずいぶん後退してしまいました。それでも、原則公開であるはずの情報開示を復活させるために、引き続き尽力してまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料:硯石をめぐる報道
**********上毛新聞2019年8月22日
北橘の「硯石」見に来て 整地や駐車場確保 巨石周辺を住民が力

整備後の硯石。車を止めて見学できるようになった。

整備前におはらいをする関係者。周囲に草木が茂っている。
 地名の由来にもなった巨石「硯石(すずりいし)」を広く知ってもらおうと、群馬県渋川市北橘町赤城山の近隣住民らが周辺整備に動きだした。草木を伐採して整地し、駐車スペースを確保。将来、憩いの場になるようサクラの苗木も植えた。有志は「地域の宝を観光客らにも見てほしい」と話している。
 硯石は赤城南麓広域農道(からっ風街道)沿いにある。地上に出ていた部分は高さ1.4メートルで、幅は2.2メートルほど。赤城山が噴火した際に押し流されてきたとされ、上のくぼみに常に水がたまっていることから硯(すずり)に見立てて呼ばれているという。親鸞がくぼみの水を使って墨をすり、一首詠んだとの伝承も残る。
**********毎日新聞2019年9月17日
親鸞上人伝説の岩「硯石」、地域おこしの目玉に 渋川市議が無償で整備 住民賛否「見えやすい」「あんなに傷」 /群馬

整備が終わり地中から掘り起こされた硯石=群馬県渋川市北橘町で8月24日
 渋川市北橘町の岩「硯石(すずりいし)」を地域おこしの目玉にしようと、渋川市議の望月昭治氏(67)らが整備に入った。親鸞上人がこの地に立ち寄った際、岩のくぼみにたまった水で墨をすり歌を詠んだという伝説が残されている。市指定文化財ではないが「市の文化的財産」(市職員)といい、望月氏が整備を企画し実現した。
 硯石は、通称「からっ風街道」と呼ばれる市道沿いの市有地にあり、岩の脇には市教育委員会が立てた説明書きの看板もあった。
 望月氏らが整備に入ったのは7月下旬。土木建築会社の役員も務める望月氏が、会社の重機を使って岩を掘り返した。やぶも伐採し、桜の苗木を現地に植えた。望月氏は「硯石を世に出してやりたいと思った。今後は市の指定文化財になれればいい」と話す。
 ただ、地元では賛否が分かれている。「硯石が見やすくなった」と歓迎の声がある一方、重機で掘り返した際に岩に傷が付いたことから、「あんなに傷つくとは思わなかった」「文句が無いわけではないが、ボランティアでやってくれたのだから仕方がない」などという意見もある。
 市文化財保護課の担当者は「もう少し傷が付かないように強く要望すべきだった」と話している。【西銘研志郎】
**********毎日新聞2019年9月25日
硯石整備、正式許可なし 市議の要請、口頭のみ 渋川市 /群馬
 渋川市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」を市議が「地域おこし」を名目に移動させた件で、この整備行為に市の正式な許可がなかったことが24日分かった。高木勉市長もこの整備行為を報道されるまで把握しておらず、毎日新聞の取材に対し、整備に必要な手続きを経ていないことを認めた。この整備で岩には傷が付いており、地元住民からは「誰がその責任を追うのかが分からない」との声も上がっている。【西銘研志郎】
 硯石は「からっ風街道」と呼ばれる市道沿いにある。親鸞上人がこの地に立ち寄った際、岩のくぼみにたまった水で墨をすり歌を詠んだという伝説が残されており、市指定文化財ではないが、岩の脇には市教委が立てた説明書きの看板がある。7月下旬に、土木建築会社の役員を務める男性市議らが地域おこしの目玉にしようと、会社の重機を使って無償で硯石近辺を整備。その際に重機で岩に傷が付いた。
 市関係者などによると、通常、地元からの要望で市が事業化する場合、地元自治会長が組織する連合会が市の行政センターに要望書を提出し、センターが市の関係部署に要望を届ける。その後に市役所内での検討を経て、予算案に計上し、議会の承認を得る。
 だが今回の整備行為は男性市議が主導したもので、地元からの要望書は行政センターには提出されていなかった。市側は市議からの要請を受けて、「市議の善意」として受け取り、事業化するための起案書などを作成せず、市議と複数の関連部署の課長との間で話が進められた。担当課長の説明では「上司にも口頭では伝えた」というが、正式な書類は作成されず、決済などの手続きもされていなかった。
 高木市長は毎日新聞の取材に対し「硯石の整備は新聞で報道されるまで知らなかった。もしこうしたことをするなら正式な手続きが必要だが、適正な処理ではなかった。行政として責任はある」と述べた。担当課長は「市議の善意として受け取ったので特に問題視はしなかった。結果的にこうなってしまったのは残念」と話している。
**********毎日新聞2019年9月27日
渋川市議会 硯石問題で特別委 掘り起こしの経緯調査 

硯石の整備の様子=市議提供
 渋川市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」が市の正式な手続きを経ずに市議の男性らによって整備された問題で、渋川市議会は26日、この問題を調査する特別委員会を設置することを決めた。設置理由は「硯石の掘り起こしに関する許可手続きと掘り起こしの経緯について市議会として調査が必要」としている。
 硯石は市指定文化財ではないが、親鸞上人がかつてこの地に立ち寄った際に岩にたまった水で墨をすり歌を詠んだという伝説が残されており、そばには市教委の説明書きの看板も立てられている。長年、北橘地区の住民らに親しまれてきた。
 今年7月下旬に土木建築会社の役員を務める男性市議が中心となってこの会社の重機を使い、硯石周辺を整備した。この際に、硯石を掘り起こし、岩に傷が付いた経緯がある。
 この整備行為については、市の正式な手続きが一切とられておらず、起案書などの書面も作られていなかったため、問題視されている。【西銘研志郎】
**********毎日新聞2019年10月8日
「硯石」特別委が視察 複数の傷を確認 渋川市議会

硯石について傷跡を確認する市議=群馬県渋川市北橘町で
 渋川市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」が市の正式な手続きなしに市議の男性によって整備された問題で、同市議会特別委員会(田辺寛治委員長)が7日、現場を視察し、岩の移動と作業時に付いたとみられる複数の傷があることを確認した。
 視察したのは、委員8人と委員外の市議2人の計10人。岩には浄土真宗の宗祖・親鸞に関する伝説があり、視察した市議からは「移動によって文化的な価値が損なわれる」などの声が出た。田辺委員長は「事実関係を明らかにし、12月の定例市議会での報告を目指したい」と話した。委員会は今後、週1回開く予定で、必要があれば関係者の参考人招致も行うとしている。
 一方、高木勉市長は同日の定例会見で、昨年6月に岩の移動・整備を持ち込んだ市議の男性に、担当外の水道部長(当時)が対応していたことを明らかにした。高木氏は「なぜ、水道部長が対応したのかは分からない」と話した。【庄司哲也】
**********


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「渋川市議がまたまた売名行為?」その後(その2)

2019-11-23 23:41:00 | 渋川市の行政問題
■群馬県では、県土整備部の建設企画課が建設発生土ストックヤードの整備の重要性をHPでも謳っていますが、渋川土木事務所所管のストックヤードを巡り、河川法を無視して大規模な掘削あるいは大量の発生土の集積が行われ、それだけに留まらず6年間の稼働を終えた時点で大量の発生土が忽然と消えるなど、その杜撰な業務委託の実態が問題視されています。
 当会はこの問題に対し令和元年7月4日に住民訴訟に踏み切り、訴状を前橋地裁に提出しました。第1回口頭弁論口頭弁論は9月20日に前橋地裁で開かれ、被告群馬県がとりあえず答弁書で、原告当会の訴状の内容を否認・不知などと、論拠もなく反論しただけで、原告に対して求釈明を並べ立てたため、11月1日の第2回口頭弁論で原告が求釈明に対する説明を行い、次回来年1月10日の第3回口頭弁論までに、ようやく被告から反論の準備書面が出されることになっています。
 さて、この渋川市内の残土問題にも深くかかわる渋川市議らが、またもや売名行為と指摘されかねないことをしでかし、論議を呼んでいます。その続報が報じられましたので皆さんと一緒に見ていきましょう。この事案を報じた新聞記事及び関連情報は末尾に参考情報として掲載しています。

**********上毛新聞2019年11月15日

硯石周辺整備の市議「市の了解得ている」
渋川市議会特別委

 渋川市北橘町の市有地にある巨石「硯石」の周辺整備が市の正式な手続きを経ずに行われた問題で、同市議会の「歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会」が14日、開かれた。
 作業した市議が委員の質疑に応じ、作業前の地鎮祭の日時を高木勉市長に伝えていたとした上で、「市の了解を得ている」との認識を示した。
 市議は、作業に関し議会事務局職員を通じて、石の説明板を掲示している市教委文化財保護課と市有地を管理する資産経営課に連絡をしたと説明。「市がくいを打ち、草を刈った場所に(作業)に入った。市長にも話しており、100パーセント市の了解を得ていると思っている」などと述べた。
 高木市長は上毛新聞の取材に「からっ風街道の石を動かすからと日程の都合を聞かれたが、市有地にある石の作業とは聞いていなかった」と認識の違いを示し、「どこに問題があったのかを現在調べているところだ」と述べた。
**********

■今回も上記の報道のポイントを整理してみましょう。

ポイント①渋川市の市有地周辺整備が市の正式な手続きを経ずに行われた問題で、特別委員会が開かれたこと。

ポイント②問題の市議が質疑に応じ、「市の了解を得ている」との認識を示したこと。

ポイント③このくだらない報道は何なの?ということ。

ポイント④「市の了解」と寄付行為や器物破損行為は別問題ではないのか?ということ。

 ではさっそく、それぞれのポイントについて検証してみましょう。

ポイント①
渋川市の市有地周辺整備が市の正式な手続きを経ずに行われた問題で、特別委員会が開かれたこと。


毎日新聞に掲載された硯石の整備の様子=市議提供。「歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会」が設置された問題の行為はこの写真の通り。毎日新聞によると、なんと市議本人から写真提供があったらしい。生々しく石が削れ、石煙がたっている。郷土の人に愛される神聖な石がかわいそう。

 上毛新聞報道記事の冒頭には、「渋川市北橘町の市有地にある巨石『硯石』の周辺整備が市の正式な手続きを経ずに行われた問題で、同市議会の『歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会』が14日、開かれた。」とあり、問題の無慈悲な行為を、渋川市市有地の周辺整備と定義づけています。

 公園等の周辺整備は通常、請負工事として発注され契約手続きを経て整備が始まります。上記報道では、「硯石」の周辺整備と定義づけた上で、正式な手続きを経ずに整備が行われた、となっています。

 地方自治法・第六節「契約(契約の締結)」では次の規定があります
 **********
 第二百三十四条 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。
 **********

 上記の上毛新聞報道記事にある「正式な手続き」とは、地方自治法第234条の契約手続きのことを指すと思われます。

ポイント②
問題の市議が質疑に応じ、「市の了解を得ている」との認識を示したこと。



郷土の人が愛してやまない「硯石」についてしまった無慈悲な傷跡。この傷や元ある場所からの移動させてしまった事実も含め、問題の市議が、なんと「市の文化財認定」を目指して議会で活動中なのだとか。

 さて、市有地の周辺整備工事について、特別委員会での質疑において、問題の市議は「作業した市議が、作業前の地鎮祭の日時を高木勉市長に伝えていたとした上で、『市の了解を得ている』との認識を示した」と報じています。

 さらに報道は続きます。
 「市議は、作業に関し議会事務局職員を通じて、石の説明板を掲示している市教委文化財保護課と市有地を管理する資産経営課に連絡をしたと説明。『市がくいを打ち、草を刈った場所に(作業)に入った。市長にも話しており、100パーセント市の了解を得ていると思っている』などと述べた。」
と、この比較的短い記事の中で「了解」のお話が、まるで正しいかのように長々と報じられています。

 上記報道によれば、建設機械を動員した市有地の周辺整備工事に際し、「了解」という手続きが行われたということなのでしょうか?

 「100パーセント市の了解を得ている」との報道であるので、きっと渋川市では正式な手続きなのでしょう。しかし当会で地方自治法を何度も読み返してみましたが、「了解」という行政手続きはどこにも見当たりません。

 問題の市議が建設機械を動員して行った市有地の周辺整備工事は、やはり地方自治法第234条に定める条件、すなわち、
「売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。」
の規定通りに実施されなければなりません。

 一般競争入札、指名競争入札、随意契約などの形式によって、市と請負業者との間で契約を締結することが、法律に則った正式な手続きなのです。

 末尾に掲載した毎日新聞の記事によると、市議が企画し、ボランティアで周辺整備を進めた、と読めます。そうすると、これを本来の形に置き換えれば、随意契約を結びその請負代金を無料となるよう特別値引きをした周辺整備工事となるのでしょうか?

 しかもその契約は「了解」という手続きで進められた?……当会は、そのような工事を聞いたことがないので、うまく言い表せませんが、他に考えようがありません。今回特別委員会が設置された事に鑑み、報道を読み返せば読み返すほど、「100パーセントの市の了解」を強調する市議の説明に、およそ行政手続きに馴染まない「了解」ということばが馴染まないばかりか、「100%」と念押ししているところを考えあわせれば、了解とは名ばかりの、捨て台詞のような強引さで、今回の硯石事件のお話を進めたことが容易に想像されます。

 結果的には、郷土の人々が愛する聖なる「硯石」が元の場所より不本意にも移動させられ、重機による無残なキズがつけられてしまったというのですから、「ただより高いものはない」状態に陥ってしまっており、問題は極めて深刻です。

ポイント③
このくだらない報道は何なの?ということ。

 上毛新聞のこの「了解」報道記事には、末尾に高木市長の見解が掲載されており、そうすることで賛否両論併記の形をとり、一見、報道の公平性をほのめかしています。

 ところが、その高木市長に対する取材内容たるや、「『からっ風街道の石を動かすからと日程の都合を聞かれたが、市有地にある石の作業とは聞いていなかった』と認識の違いを示し、『どこに問題があったのかを現在調べているところだ』と述べた。」という、無理矢理感たっぷりな表現に満ちた記事となっています。

 市長の談話としては、「現在調べているところ」とだけ記事に書けば、十分だったのではないのでしょうか。

■先ほど以来、地方自治法第234条を引用し検討してきましたが、「了解」という手続きは同法に全く記載がありません。また、公共団体は何事も、書面によりやり取りをする「文書主義」であることが広く知られています。

 この文書主義に関し、ネットで法令を検索してみると、「公文書等の管理に関する法律」を見つけることができました。そこには、第1条(目的)が記載され、「公文書等の管理に関する基本的事項を定めることによりことにより行政が適正かつ効率的に運営されるようにする」とされています。

 この法律は国の公文書についてのものですが、その第34条に「第三十四条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。」となっています。渋川市でも公文書管理の条例が他の地方自治体に先駆けて制定される動きがあるようで、「文書主義」が採用されていることは明らかです。ちなみに、渋川市の公文書管理条例はネットで検索することができました。次のURLをご覧ください。↓↓
http://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/jyouhoukoukai/jyouhoukoukai/p006908_d/fil/1.pdf

■しかし、地元群馬県で唯一の県域地方新聞(県紙)として、大手紙を上回る公称30万部の発行部数を誇る上毛新聞は、なぜかこの観点を無視し、
・市議サイド→「100パーセント市の了解を得ている」
・市長サイド→「市有地にある石の作業とは聞いていなかった」
と表現し、「言ったvs言わない」「聞いたvs聞かない」という構図を不自然に仕立て上げて、読者向けにドラマチックに子どものケンカばりの演出をしているのです。

 こんなふざけた報道が過去にあったでしょうか?
 果たして、ジャーナリズムとして通用するのでしょうか?

 上毛新聞と言えば、上述の通り、地元群馬県を代表するクオリティーペーパーのはずです。しかし、同氏の記者が取材で、どのような質問を市長サイドにしたのでしょうか?

 「聞いていない」を切り取りして報道することにより、週刊誌にも劣る茶番劇を報じています。優秀な新聞記者であれば、例えば群馬県市町村課などに取材をし、地方公共団体が公園等の周辺整備をする場合にはどのような手続きが必要なのかを把握し、その観点から公平な報道を心掛けるべきです。今回の上毛新聞報道は、県民30万人(世帯?)にとって、大変残念な記事といえるでしょう。いや、それだけでなく、このような曲解を生み出す記事に県民が慣らされてしまうとなれば、正しい世論形成にも影響が及びます。

ポイント④
「市の了解」と寄付行為や器物破損行為は別問題ではないのか?ということ。

 さて、上毛新聞では、「市の了解」や「聞いていない」などと枝葉末節な事柄に焦点を当てていますが、そのこととは別に、この市議の重機作業は寄付行為に当たるのではないのでしょうか?つまり「公職選挙法違反」という犯罪にあたるのではないのでしょうか?

 また、文化的価値のある石が傷つけられていることから、市議の所業が「器物破損」という犯罪に当たるのではないかと懸念されます。さらには、市有地に無断で侵入し周辺整備工事を進めたというのですから、市議の所業が「不法侵入」という犯罪にあたるのではないか、とする見方も生じるのではないのでしょうか?

 上毛新聞はなぜ、「公職選挙法違反」「器物破損」「不法侵入」という観点から記事を書かないのでしょうか?

■以上の通り、渋川市内の「硯石」事件については、世間の常識が当てはまらない事象が次々に起きています。これも、群馬県における行政風土のなせる業なのでしょうか?

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料:硯石をめぐる報道
**********上毛新聞2019年8月22日
北橘の「硯石」見に来て 整地や駐車場確保 巨石周辺を住民が力

整備後の硯石。車を止めて見学できるようになった。

整備前におはらいをする関係者。周囲に草木が茂っている。
 地名の由来にもなった巨石「硯石(すずりいし)」を広く知ってもらおうと、群馬県渋川市北橘町赤城山の近隣住民らが周辺整備に動きだした。草木を伐採して整地し、駐車スペースを確保。将来、憩いの場になるようサクラの苗木も植えた。有志は「地域の宝を観光客らにも見てほしい」と話している。
 硯石は赤城南麓広域農道(からっ風街道)沿いにある。地上に出ていた部分は高さ1.4メートルで、幅は2.2メートルほど。赤城山が噴火した際に押し流されてきたとされ、上のくぼみに常に水がたまっていることから硯(すずり)に見立てて呼ばれているという。親鸞がくぼみの水を使って墨をすり、一首詠んだとの伝承も残る。
**********毎日新聞2019年9月17日
親鸞上人伝説の岩「硯石」、地域おこしの目玉に 渋川市議が無償で整備 住民賛否「見えやすい」「あんなに傷」 /群馬

整備が終わり地中から掘り起こされた硯石=群馬県渋川市北橘町で8月24日
 渋川市北橘町の岩「硯石(すずりいし)」を地域おこしの目玉にしようと、渋川市議の望月昭治氏(67)らが整備に入った。親鸞上人がこの地に立ち寄った際、岩のくぼみにたまった水で墨をすり歌を詠んだという伝説が残されている。市指定文化財ではないが「市の文化的財産」(市職員)といい、望月氏が整備を企画し実現した。
 硯石は、通称「からっ風街道」と呼ばれる市道沿いの市有地にあり、岩の脇には市教育委員会が立てた説明書きの看板もあった。
 望月氏らが整備に入ったのは7月下旬。土木建築会社の役員も務める望月氏が、会社の重機を使って岩を掘り返した。やぶも伐採し、桜の苗木を現地に植えた。望月氏は「硯石を世に出してやりたいと思った。今後は市の指定文化財になれればいい」と話す。
 ただ、地元では賛否が分かれている。「硯石が見やすくなった」と歓迎の声がある一方、重機で掘り返した際に岩に傷が付いたことから、「あんなに傷つくとは思わなかった」「文句が無いわけではないが、ボランティアでやってくれたのだから仕方がない」などという意見もある。
 市文化財保護課の担当者は「もう少し傷が付かないように強く要望すべきだった」と話している。【西銘研志郎】
**********毎日新聞2019年9月25日
硯石整備、正式許可なし 市議の要請、口頭のみ 渋川市 /群馬
 渋川市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」を市議が「地域おこし」を名目に移動させた件で、この整備行為に市の正式な許可がなかったことが24日分かった。高木勉市長もこの整備行為を報道されるまで把握しておらず、毎日新聞の取材に対し、整備に必要な手続きを経ていないことを認めた。この整備で岩には傷が付いており、地元住民からは「誰がその責任を追うのかが分からない」との声も上がっている。【西銘研志郎】
 硯石は「からっ風街道」と呼ばれる市道沿いにある。親鸞上人がこの地に立ち寄った際、岩のくぼみにたまった水で墨をすり歌を詠んだという伝説が残されており、市指定文化財ではないが、岩の脇には市教委が立てた説明書きの看板がある。7月下旬に、土木建築会社の役員を務める男性市議らが地域おこしの目玉にしようと、会社の重機を使って無償で硯石近辺を整備。その際に重機で岩に傷が付いた。
 市関係者などによると、通常、地元からの要望で市が事業化する場合、地元自治会長が組織する連合会が市の行政センターに要望書を提出し、センターが市の関係部署に要望を届ける。その後に市役所内での検討を経て、予算案に計上し、議会の承認を得る。
 だが今回の整備行為は男性市議が主導したもので、地元からの要望書は行政センターには提出されていなかった。市側は市議からの要請を受けて、「市議の善意」として受け取り、事業化するための起案書などを作成せず、市議と複数の関連部署の課長との間で話が進められた。担当課長の説明では「上司にも口頭では伝えた」というが、正式な書類は作成されず、決済などの手続きもされていなかった。
 高木市長は毎日新聞の取材に対し「硯石の整備は新聞で報道されるまで知らなかった。もしこうしたことをするなら正式な手続きが必要だが、適正な処理ではなかった。行政として責任はある」と述べた。担当課長は「市議の善意として受け取ったので特に問題視はしなかった。結果的にこうなってしまったのは残念」と話している。
**********毎日新聞2019年9月27日
渋川市議会 硯石問題で特別委 掘り起こしの経緯調査 

硯石の整備の様子=市議提供
 渋川市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」が市の正式な手続きを経ずに市議の男性らによって整備された問題で、渋川市議会は26日、この問題を調査する特別委員会を設置することを決めた。設置理由は「硯石の掘り起こしに関する許可手続きと掘り起こしの経緯について市議会として調査が必要」としている。
 硯石は市指定文化財ではないが、親鸞上人がかつてこの地に立ち寄った際に岩にたまった水で墨をすり歌を詠んだという伝説が残されており、そばには市教委の説明書きの看板も立てられている。長年、北橘地区の住民らに親しまれてきた。
 今年7月下旬に土木建築会社の役員を務める男性市議が中心となってこの会社の重機を使い、硯石周辺を整備した。この際に、硯石を掘り起こし、岩に傷が付いた経緯がある。
 この整備行為については、市の正式な手続きが一切とられておらず、起案書などの書面も作られていなかったため、問題視されている。【西銘研志郎】
**********毎日新聞2019年10月8日
「硯石」特別委が視察 複数の傷を確認 渋川市議会

硯石について傷跡を確認する市議=群馬県渋川市北橘町で
 渋川市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」が市の正式な手続きなしに市議の男性によって整備された問題で、同市議会特別委員会(田辺寛治委員長)が7日、現場を視察し、岩の移動と作業時に付いたとみられる複数の傷があることを確認した。
 視察したのは、委員8人と委員外の市議2人の計10人。岩には浄土真宗の宗祖・親鸞に関する伝説があり、視察した市議からは「移動によって文化的な価値が損なわれる」などの声が出た。田辺委員長は「事実関係を明らかにし、12月の定例市議会での報告を目指したい」と話した。委員会は今後、週1回開く予定で、必要があれば関係者の参考人招致も行うとしている。
 一方、高木勉市長は同日の定例会見で、昨年6月に岩の移動・整備を持ち込んだ市議の男性に、担当外の水道部長(当時)が対応していたことを明らかにした。高木氏は「なぜ、水道部長が対応したのかは分からない」と話した。【庄司哲也】
**********

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【続報】高崎芸術劇場の官製談合事件……なぜ、この事件だけが官製談合だと認定されたのか

2019-11-22 23:57:00 | 高崎市の行政問題
■高崎芸術劇場の官製談合事件の発覚から、5日目が経過しました。全国でもトップクラスの談合体質を有する群馬県(2018年落札率平均95.9%)の中でも、中核市の前橋市(2018年同95.9%)や高崎市(2018年同99.1%)はさらに落札率平均の高い自治体となっております。したがって、高崎市の体質から言えば、官製談合は日常茶飯事とみられるのに、なぜ、今回の案件だけが摘発されたのでしょうか。極めて不可解です。

阿久澤電機株式会社本社。
住所:〒370-0006群馬県高崎市問屋町2-4-6、電話番号:027-362-3457、ファクス:027-363-4172、URL:http://www.viento-takasaki.or.jp/company/akuzawa/、代表EMAIL:soumu@akuzawa.co.jp、代表者名: 阿久澤茂、創業:大正8年5月、設立:昭和23年4月、従業員数:26人、資本金:3,300万円、本社:群馬県高崎市問屋町2-4-6、事業内容:電気工事・電気通信工事・消防施設工事・管工事・水道施設工事・土木工事・制御盤等の設計製作

ZIP ⇒ vvd.zip


 阿久澤電機株式会社の昨年からの入札結果・落札情報について、不十分ながら検索してみたところ、次の案件をヒットしました。

○2019年07月04日公示
「高崎市防犯カメラ・ごみステーション見守りカメラ賃貸借」
※【ごみステーション見守りカメラ設置事業とは】
 ごみの適正な排出の推進並びに資源物の持ち去り及び不法投棄等の抑止を図るため、平成27年から「高崎市ごみステーション見守りカメラの設置及び運用に関する要項」を制定し、地域住民からの要望に基づき、ごみステーション見守りカメラを設置している。平成27年度設置台数63基、平成28年度251基、平成29年度149基、平成30年度142基。(末尾の参考情報も参照)

落札日2019年07月18日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/税抜き価格3,423,596円

○2019年08月03日公示
「単独公共 単独街路事業(改良)道路照明設置工事分割2号 高崎(都)3.3.8 高崎駅東口線高崎市上中居町地内」

平成30年度高崎土木事務所管内優良工事表彰/平成30年度群馬県建設工事表彰(所長表彰-3)https://www.pref.gunma.jp/07/k053_00021.html
落札日2018年08月21日
群馬県庁/指名競争入札/金額不明

○2019年04月02日公示
「剣崎浄水場1号・2号ろ過流量計更新工事」
落札日2019年04月17日
高崎市役所(上下水道事業水道局経営企画課)/指名競争入札(指名8社:阿久澤電機㈱、関東企業㈱、クシダ工業㈱、㈱コイケ、東栄電工㈱、針谷工事㈱、藤田エンジニアリング㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格11,930,000円・最低制限価格10,072,000円/落札価格11,700,000円(落札率98.07%)

○2019年02月01日公示
「延長コード他」
落札日2019年2月21日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/金額10,705,070円

○2019年02月02日公示
「ムービングライト」
落札日2019年01月24日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/落札価格56,800,000円

○2019年08月06日公示
「島野監視所監視盤交換工事」
落札日2018年08月23日
高崎市役所(上下水道事業水道局経営企画課)/指名競争入札(指名8社:阿久澤電機㈱、関東企業㈱、クシダ工業㈱、㈱コイケ、東栄電工㈱、針谷工事㈱、藤田エンジニアリング㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格9,020,000円・最低制限価格7,466,000円/落札価格8,750,000円(落札率97.00%)

○2018年08月18日公示
「平成21年度少額工事(電気関 係)請負単価契約
落札日2009年04月01日?
日本原子力研究開発機構(JAEA)※茨城県内/随意契約/契約金額不明

○2018年07月23日公示
「高崎市立高崎経済大学付属高等学校屋内運動場照明設備改修工事」
落札日2018年08月07日
高崎市役所(財務部契約課)/指名競争入札(指名15社:㈱アイテク、阿久澤電機㈱、㈱アクロスエンジニアリング、金井電気工事㈱、クシダ工業㈱、群商電設㈱、㈱群馬ケイテクノ、㈱小谷野電気、佐藤工業㈱、サンセイ電設㈱、新生電設㈱、㈱神明電気、城北電気工事㈱、㈱セイモー、東栄電工㈱、藤田エンジニアリング㈱、宮島電気工事㈱、㈱ヤマト高崎支店)/予定価格17,650,000円・最低制限価格15,065,000円/落札価格17,300,000円(落札率98.01%)

○2018年07月05日公示
「高崎市防犯カメラ・ごみステーション見守りカメラ賃貸借」
落札日2018年07月19日
高崎市役所(財務部契約課)/入札形式不明/落札価格2,825,800円

○2018年03月05日公示
「高浜長寿センター(仮称)建設電気工事」
落札日2018年03月19日
高橋市役所/指名競争入札/落札価格不明

 上記のように高崎市役所発注の電気関係の請負工事案件では、いずれも指名競争入札で、金額規模によって8社ないし15社が指名され、落札率は97.00~98.07%で応札各社は、いずれも僅差で札を入れており、次善の調整をうかがわせます。

 また、今回、官製談合として摘発された「ムービングライト」は、高崎市役所のHP「入札結果」https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/ によりますと、「工事・コンサル」「業務委託」「物品・賃貸借」のカテゴリーのうち「物品・賃貸借」に分類されます。
※参考URL「平成31年度物品担当入札結果一覧 令和元年11月1日現在」
https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/files/bunyuusatukekka20191101.pdf
ZIP ⇒ bunyuusatukekka20191101.zip
※参考URL「平成30年度物品担当入札結果一覧」
https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2014012001410/files/bunyuusatukekka2018.pdf
ZIP ⇒ bunyuusatukekka2018.zip

 このうち、阿久澤電機が2019年1月24日に落札した「ムービングライト」は、高崎市都市集客施設整備室が担当部署として、同日まとめて行われた次の入札会の案件の一つとして開札が行われています。なお、価格はいずれも税抜きです。

<平成31年1月24日>
No.92「コンサートグランドピアノ1一式」日本ピアノホールディング㈱ 69,800,000円
No.93「コンサートグランドピアノ2一式」㈱高崎楽器38,020,000円
No.94「コンサートグランドピアノ3一式」㈱雪草楽器24,400,000円
No.95「アップライトピアノ一式」㈱高崎楽器11,850,000円
No.96「指揮台他一式」㈱オカダ楽器7,780,000円
No.97「ムービングライト一式」阿久澤電機㈱ 56,800,000円
No.98「プロジェクター一式」クシダ工業㈱ 33,125,000円
No.99「プラグ、コネクタ類一式」群商電設㈱ 30,146,300円
No.100「舞台用各種備品一式」ワイルカンパニー㈱ 4,687,000円
No.101「家具備品9一式」㈱タカサキトミタ12,411,000円

 これ以前にも、高崎芸術劇場向けと思しき物品調達案件が、平成30年12月20日にまとめて入札会が実施されています。

<平成30年12月20日>
No.74「高所作業車一式」ワイルカンパニー㈱ 6,660,000円
No.75「譜面台一式」日本ピアノホールディング㈱ 5,648,000円
No.76「ピアノ付属品一式」㈱音響楽器1,319,452円
No.77「ピアノベンチ一式」㈱オカダ楽器1,149,200円
No.78「家具備品1一式」㈱タカサキトミタ14,400,000円
No.79「家具備品2一式」㈲近藤金庫店13,540,680円
No.80「家具備品3一式」㈱イシダ10,396,500円
No.81「家具備品4一式」㈱中林精良堂9,759,000円
No.82「家具備品5一式」㈱トミタ商会5,516,000円
No.83「家具備品6一式」㈱アサヒ商会3,834,000円
No.84「家具備品7一式」㈱倉賀野事務器2,439,000円
No.85「家具備品8一式」㈱みなとや2,330,100円

 また、今年2月7日にも、都市集客施設整備室により、まとまった案件の入札会が行われました。

<平成31年2月7日>
No.125「ワゴン一式」㈱サトカタ3,150,000円
No.126「コンテナ一式」片庭銅鉄㈱ 2,960,000円
No.127「高所作業台一式」ワイルカンパニー㈱1,264,000円
No.128「バレエ、ダンス用品一式」㈲近藤金庫店7,498,400円
No.129「フォークリフト1台」トヨタL&F群馬㈱高崎営業所1,130,000円

 翌々週の2月19日にもまとまった入札会が行われました。

<平成31年2月19日>
No.132「演奏者椅子一式」㈱オカダ楽器962,000円
No.133「チェロ演奏台一式」㈱高崎楽器550,000円
No.134「無線機器類一式」コロナ電機㈱ 875,000円
No.135「延長コード他一式」阿久澤電機㈱ 10,705,070円

 さらに2日後と、その2週間後にも次の案件の入札会が開かれました。

<平成31年2月21日>
No.136「演奏者椅子一式」日本ピアノホールディング㈱ 12,430,000円
No.137「椅子、長机1一式」㈱タカサキトミタ12,700,000円
No.138「椅子、長机2一式」㈱高崎大気堂8,958,000円
No.139「パワーアンプ一式」㈱サウンド・エコー9,900,000円
No.140「空調機器一式」今井電機㈱ 5,377,000円
No.141「ラック、コンテナ、収納器具一式」片庭銅鉄㈱ 8,600,000円
No.142「大型ワゴン一式」㈱倉屋1,295,000円

<平成31年3月7日>
No.155「清掃用品一式」㈱倉屋2,103,650円
No.156「収納器具一式」㈲近藤金庫店3,189,800円
No.157「トレーユニット他一式」㈲近藤金庫店698,800円
No.158「脚立、ラッシングベルト一式」㈱環境保全センター6,280,000円
No.159「空圧工具類一式」㈱セキチュー3,999,000円
No.160「変圧器、製作工具他一式」片庭銅鉄㈱ 2,500,000円
No.161「舞台工具一式」片庭銅鉄㈱ 1,350,000円

 その1、3週間後にも次の入札会が開かれました。

<平成31年3月14日>
No.163「工具類1一式」片庭銅鉄㈱ 2,140,000円

<平成31年3月28日>
No.164「オフィス家具1一式」㈱みなとや16,000,000円
No.165「オフィス家具2一式」㈱トミザワ11,000,000円
No.166「移動棚、ロッカー他一式」㈲テラダ文具7,200,000円
No.167「書棚一式」㈱タカサキトミタ7,350,000円
No.168「ミキサ類他一式」群商電設㈱ 12,400,000円
No.169「マイクロフォン類一式」㈱サウンド・エコー5,900,000円
No.170「映像機器類一式」サンセイ電設㈱ 4,600,000円
No.171「PAシステム一式」宮島電気工事㈱ 3,500,000円
No.172「パソコン、プリンター類一式」㈲近藤金庫店3,138,800円
No.173「除雪用品一式」やなぎや農機638,000円
No.174「ケーブル類他一式」㈱セイモー10,878,000円
No.175「ワイヤレス送受信機他一式」クシダ工業㈱ 4,800,000円
No.176「グランドピアノ一式」日本ピアノホールディング㈱ 1,686,300円

■そして令和になっても、入札会が続きました。

<令和元年5月30日>
No.15「PC周辺機器他一式」㈱高崎大気堂716,700円
No.16「防災備品一式」㈱小澤忠商店4,000,000円
No.17「保安備品一式」安全基材㈱ 454,200円

<令和元年6月6日>
No.22「1、テーブル、椅子一式」㈱タカサキトミタ9,481,200円
No.23「2、ロッカー、収納機器他一式」㈲近藤金庫店4,729,800円
No.24「3、椅子、スツール、ゴミ箱他一式」㈱タカサキトミタ4,280,000円
No.25「5、コインロッカー、スツール他一式」㈱タカサキトミタ5,899,200円
No.26「6、収納機器他一式」㈱みなとや2,010,000円
No.27「7、折りたたみテーブル、椅子一式」㈱高崎大気堂4,864,000円
No.28「4、傘たて、ベルトパーテーション他一式」㈱倉屋3,387,560円
No.29「8、展示パネル一式」片庭銅鉄㈱ 10,496,000円
No.30「14、ラック、小物ロッカー他一式」㈱倉屋2,010,000円
No.31「16、電動事務機器他一式」㈱高崎大気堂68,000円
No.32「12、収納ケース、ごみ箱他一式」㈱倉屋2,223,625円
No.33「17、コーン、脚立他一式」㈱倉屋684,720円
No.34「防災安全備品他一式」高橋ベルト㈱ 580,000円
No.35「9、家電類一式」㈱フジイ電機426,700円
No.36「20、魔法瓶、アイロン一式」今井電機㈱ 721,600円
No.37「10、食器類一式」㈱サクライ805,052円
No.38「11、託児室・授乳室備品一式」㈱島田教材社877,000円
No.39「15、カーテン・ブラインド一式」㈱いさごや664,000円
<令和元年6月20日>
No.51「事務机、椅子等一式」㈱みなとや5,330,000円
No.52「可動式書庫一式」㈱みなとや7,130,000円
No.53「パソコン及び周辺機器一式」㈲近藤金庫店998,900円
No.54「ディスプレイ他一式」コロナ電機㈱ 5,178,000円
No.55「ケーブル類一式」クシダ工業㈱ 1,300,000円

■さて11月21日にも、高崎芸術劇場を巡る新たな報道がなされました。

**********上毛新聞社2019年11月21日06:00
高崎官製談合 会社に予定価格が書かれたメモ 設計価格から類推か
 「高崎芸術劇場」の備品購入を巡る官製談合事件で、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された群馬県高崎市江木町、阿久沢茂容疑者(68)が社長を務める阿久沢電機から予定価格が書かれたメモが見つかっていたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。県警はいずれも同容疑で逮捕された高崎市課長で同劇場副館長の佐藤育男容疑者(50)=同市大八木町=から高崎財団副理事長の菅田明則容疑者(66)=安中市安中=へ、菅田容疑者から阿久沢容疑者へと、電話などの手段で予定価格が伝えられた可能性があるとみて捜査している。
 捜査関係者によると、同社が入札時に市に提出したとみられる資料の中に、市幹部らしか知り得ない予定価格が書かれたメモが入っていた。
 さらに、当時、予定価格を決める際の参考となる設計価格を把握できる都市集客施設整備室長だった佐藤容疑者が、長年の職務経験から設計価格が予定価格と同額になると知っていた可能性が高いことも判明。予定価格を知りうる立場ではなかったが、予定価格は設計価格と同額だった。
 3人の逮捕容疑は共謀して1月ごろ、同劇場の照明設備の備品購入を巡り、同社に落札させようとして予定価格5800万円(税抜き)を漏らし、5680万円で落札させて入札の公正を害した疑い。
 3人は大筋で容疑を認めているといい、菅田容疑者は「劇場を良くするため、海外製の特殊な照明設備を入れたかった」、「この製品を取り扱っている阿久沢電機が受注できるようにしたかった」という趣旨の供述をしているという。
 県警によると、備品は劇場に使用されるムービングライト32台。市内の電気工事関係の13業者による指名競争入札で市が発注した。
【激震 高崎官製談合 -下-】
公平、透明 確保進むか
 高崎芸術劇場(高崎市)を巡る官製談合事件で問題となっている予定価格の漏えい。事前の価格公表は発注側と業者の癒着防止に有効とされ、同市は公共工事などの分野で導入している。
■入札後も非公表
 だが、 今回のような備品類の場合、「業者間の競争を阻害する恐れが生じる」として、 入札終了後も予定価格を非公表としている。地理的条件や対象物の構造がその都度異なる工事と違い、 物品は毎年継続して発注する場合が少なくなく、公表すれば次年度の予定価格が類推できてしまうためだ。今回の事件で発注した劇場の照明設備「ムービングライト」は毎年発注する性格のものではない。ただ、同市契約課は「物品として扱われる以上、市が定める規定を順守する必要がある。個別対応はできない」と打ち明ける。
 予定価格の扱いは自治体によって判断が分かれる。太田市は入札制度の透明性確保を重視。備品の入札について、入札後に予定価格、入札のあった業者名、応札価格をホームページで公表している。2006年に同市発注の下水道工事の入札業者選定を巡る贈収賄事件を受け、こうした対応に取り組んできたという。
■「検証へ公開を」
 群馬大社会情報学部の小竹裕人準教授(公共政策論)は、備品購入に関する入札予定価格が事前も事後も非公表であることについて、「入札状況が分かなければ落札率などが比較できず、検証もできない。情報は公開すべきだ 」と指摘している。
 入札の公平性と透明性をどう保つか。ある自治体の関係者は「備品を発注する担当課の職員であれば、だいたいの予定価格は分かってしまう。行政職員にはコンプライアンス(法令順守)の徹底が求められている」と述べた。
 高崎市の富岡賢治市長は19日の記者会見で、「組織としてコンプライアンスへの取り組みが甘かった 」と陳謝。外部の弁護士を入れて、 市役所内の法令順守を見直す新たな部署「コンプライアンス室」を設置する方針を示した。事件をきっかけに、 行政刷新に向けた動きは本格化するのか。市民は注視している。

ムービングライトが使われているとされるスタジオシアター。黒を基調とした内装が特徴

**********上毛新聞2019年11月21日
三山春秋
 期待を踏みにじる異例の事態である。9月に開館したばかりの高崎芸術劇場が官製談合事件の舞台となり、市職員ら3人が逮捕、送検された。
▼高崎市が発注した同劇場の照明設備品の入札予定価格を業者に漏らした同劇場の照明設備品の入札予定価格を業者に漏らしたなどの疑いという。全容解明はこれからだが、とりわけ衝撃的だったのは、容疑者が同劇場の運営を取り仕切る館長、副館長、そして高崎財界の幹部であることだ。
▼市が260億円を投じ建設した同劇場は、「音楽のある街高崎」にとって、極めて重要な役割を担う施設である。高崎には終戦直後に誕生した群馬交響楽団、市民による多額の寄付を基に立てられた群馬音楽センターの歩みをはじめ、音楽、文化に関わるかけがえのない歴史がある。
▼同劇場は、その蓄積、先人の精神を引き継ぎ、発展させる新たなシンボルとして整備された。3人の逮捕は、その活動の第一歩を踏み出してわずか2か月後のことだった。
▼富岡賢治市長は記者会見で「事実ならば、行政への信頼を損なう行為で、深くおわびしたい」と述べ、法令順守の意識が薄かったとして、専門部署の設置を示唆した。
▼そうした対応は不可欠である。加えて、高崎の代表的な都市集客施設とするために、もっとも重要なのは何なのか、もう一度原点に立ち返り、体制を含め歴史への意識のあり方を問い直す機会としてほしい。
2019・11・21

**********NHK News Web 2019年11月21日18:04
談合事件 劇場舞台の機械も落札
 高崎市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり高崎市の課長と業者の社長らあわせて3人が逮捕された官製談合事件で、この業者が、同じ時期に、市が発注した劇場の舞台で使う機械など一式を落札していたことがわかり、警察などは詳しいいきさつを調べています。
 高崎市総務部の課長で「高崎芸術劇場」の副館長の佐藤育男容疑者(50)は、市の都市集客施設整備室長だったことし1月ごろ、市が発注した「高崎芸術劇場」の照明の購入をめぐり、入札の予定価格に関する情報を劇場の館長の菅田明則容疑者(66)を通じ、市内の業者の社長の阿久澤茂容疑者(68)に漏らしたなどとして官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されました。
捜査関係者や市によりますと、阿久澤社長の会社は、佐藤副館長が市の室長だったことし2月にも市が発注した劇場の舞台で使う延長コードやドライアイスを発生させる機械など一式の購入をめぐる入札で1070万円余りで落札していたということです。
 高崎市によりますと、この入札は予定価格を公表していないということで、警察は高崎市役所などから押収した資料を分析するなどして詳しいいきさつを調べています。
 また高崎市も、今後、入札の経緯について調査したいとしています。
**********

■上記の11月21日の報道を見ると、やはり違和感を禁じ得ません。

 とくにNHKの報じたニュースでは、「この業者が、同じ時期に、市が発注した劇場の舞台で使う機械など一式を落札していたことがわかり、警察などは詳しいいきさつを調べています」としており、「捜査関係者や市によりますと、阿久澤社長の会社は、佐藤副館長が市の室長だったことし2月にも市が発注した劇場の舞台で使う延長コードやドライアイスを発生させる機械など一式の購入をめぐる入札で1070万円余りで落札していたということです。高崎市によりますと、この入札は予定価格を公表していないということで、警察は高崎市役所などから押収した資料を分析するなどして詳しいいきさつを調べています」とあります。

 前掲のとおり、阿久澤電機ではNo.135「延長コード他一式」阿久澤電機㈱ 10,705,070円を落札し受注しています。しかし、ムービングライトにしても、この延長コードやドライアイス霧装置にしても、メーカーから購入して、それを現場で据え付けて、配線をしたうえで最終調整をすれば、どの電気設備会社もやれないことはありません。

 今回は、高崎市役所の職員が価格を電話などで連絡したのを、業者の阿久澤電機側がメモにして残してあった、という捜査関係者からの情報をNHKが報じました。しかし、そのような情報を得たら、記憶しておくのが対応として自然だと思われます。もちろん、そうした情報を事前に入手するのはいけませんが、官製談合の場合は、市側かわ予定価格など入札情報が伝えられるため、当事者はメモなどつけないはずです。もし、捜査関係者の話が本当であれば、阿久澤電機ではこれまでもずっとそのような方法で、市側=発注者側からの情報を記録していたことになり、まさか、でっち上げ捜査で、「メモ」を捏造したはずはないでしょうが、違和感を禁じ得ません。

■もうひとつ気になることは、高崎市の情報隠蔽体質による、情報発信の極端な消極性です。

 上記の記事にもありましたが、2006年に不祥事を起こした太田市は「太田市は入札制度の透明性確保を重視。備品の入札について、入札後に予定価格、入札のあった業者名、応札価格をホームページで公表」していますが、高崎市は確かにHPを見ても、備品(=物品・賃貸借)の調達に関して、「入札予定価格」を、事前も事後も公表していません。

■そのため、当会では、会員らが手分けをして、次の情報開示請求を高崎市に行いました。

 その第1弾は、事件捜査のため警察が未明に家宅捜索を行った11月19日火曜日の午前11時より1時間ほど、市長・副市長・総務部長・職員課長ら5名により、記者クラブに向けた会見を開いた状況を調べるために、次の内容で開示請求をしたことです。

*****行政文書公開請求書1*****ZIP ⇒ 201911221sjisj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
2019年11月19日に開催された市長・副市長・総務部長以下数名の会見の音声録音データのすべて
**********

 第2弾は、入札予定価格をはじめ、入札で交わされる文書一式の開示請求です。

*****行政文書公開請求書2*****ZIP ⇒ 201911222sjidj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
高崎芸術劇場の入札を巡る官製談合が報じられていますが、これに関して、当該入札に関する一切の情報(入札公示、入札図書類一式(契約書様式および入札仕様書、特記事項など入札に係る付属文書等含む)、入札調書、落札者の契約書、市による検収調書、代金が全額支払い済であることがわかる情報、その他、入札資格設定根拠がわかる情報も含む)。
**********

 そして第3弾は、高崎市のコンプライアンス欠如行政の被害を被っている会員による、コンプライアンス室設置に関連した公開請求です。

*****公文書公開請求書3*****ZIP ⇒ 201911223sjirvcaxj.zip
<公開を請求する行政文書の内容又は件名>
(1) 報道によると貴殿は今回の不祥事(官製談合)を受けて12月初めにも設立る予定のコンプライアンス室(仮称)に弁護士を1名?顧問とする意向のようだが、どのような方法で選出するのか?
(2) また貴殿は、そのコンプライアンス室(仮称)に職員3人を充てる予定らしいが、どのような基準で選任するのか?
(3) 貴殿は記者会見で、元貴殿の秘書だった職員の佐藤容疑者のことを「まじめで大変優秀な職員」と高く評価しているが、この理由を具体的にわかりやすく説明されたい。
(4) 貴殿は記者会見で、貴殿の分身とか影武者などとも呼ばれている菅田容疑者を「発想や企画力、人脈にずばぬけていた」と高く評価し「登用したことは正しかったと思う」と正当性を強調しているが、これらの理由を具体的にわかりやすく説明されたい。
(5) 貴殿は記者会見で、後援会幹部の阿久沢容疑者について「バランスの取れた人物」と高く評価しているにもかかわらず、同容疑者の逮捕により「今後きちんと脇を固めていく」と語ったが、今後はどのような人物で脇を固めるつもりなのか、具体的にわかりやくす説明されたい。
(6) 今回の不祥事で貴殿は 19日に本件不祥事の謝罪のための臨時記者会見をしたが、いまだにその模様を動画や記事にして、高崎市のHP上に掲載していないのはなぜか。また、これに関連して、広報課に対し、高崎駅の東口デッキのヤマダ電機の大きなモニターを借り切って、謝罪会見の模様を放映するなど、高崎市長としてひろく謝罪の姿勢を市民にアピールする意向はあるか。
(7) 請求人は、「老健太陽の宮下CM」や「ようざん堀江」、「ようざん安江」らと共に、志田登長寿社会課長に対し、「じゃんけんぽん金井渕サ ービス提供事件」に関して「継続的かつ包括的支援」についてお願いしましたが、志田登課長が、請求人の母(岩崎クニ子86・歳・要介護4 .身体障害者1級)に対して、どの様な支援を実施したのかがわかる一切の情報。
(8) 志田登課長は、「じゃんけんぽんサービス提供拒否事件」に関して、群馬県庁介護高齢課・黒石洋介係長殿から、「令和1年9月2日」及び「令和1年11月8日」の2度わたり、介護保険法第5条2項に基づく「必要な援助及び適切な助言」を受けていますが、群馬県から助言を受けた志田登課長は、「じゃんけんぽん金井渕サービス提供拒否事件」について、どのように対応したのかがわかる一切の情報。
(9) 請求人は、介護保険法に逆行する志田課長の振る舞いについて、相談したいのですが、コンプライアンス室(仮称)は、いつ頃から機能するのかが分かる情報。
(10) 2019年1月23日に志田登課長は「ケアサポートようざん藤塚」に、公用車を用いて出かけました。その際に、請求人の母から「じゃんけんぽん金井渕サービス提供拒否事件」について相談を受けて会議を実施しました。つきましては志田課長が、2019年1月23日に「ケアサポートようざん藤塚」に行ったことがわかる一切の情報(会議議事録、公用車運行等を含む)。
**********

■以上3つの弾を高崎市長あてに提出しました。どういった反応があるのか、慎重に見守って参りたいと存じます。また、高崎市役所には、スピーディーに対応してもらいたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「高崎市の防犯カメラ・ゴミ見守りカメラの件」
**********高崎新聞2015年12月4日
防犯カメラ・見守りカメラ343台稼働に

犯罪抑止とマナーアップ向上に
 高崎市は、全市的な犯罪抑止を目的した防犯カメラ280台と、ごみ排出のマナーアップを進める「ごみステーション見守りカメラ」63台を設置し、このほど運用を始めた。
 大阪府で不審者が子どもを連れ去り殺害にいたる事件が発生するなど、地域防犯への対策が求められており、防犯カメラが犯罪抑止や事件解決に役立つことから、高崎市は地域の要望箇所の通学路や公園等に、防犯カメラを設置した。
 また併せて、ごみの排出マナーが悪くて困っている町内のごみステーションに見守りカメラを設置し、マナーの向上を進めていくことになった。
 カメラ設置場所には、「カメラ作動中」と設置者の高崎市を示したステッカーが掲示されている。
 モニター監視は行わない。画像の録画期間は防犯カメラが7日間、ごみステーション見守りカメラが14日間で、画像データは自動的に上書きされる。画像の閲覧には専用ソフトとパスワードが必要で、運用管理はプライバシー保護に配慮する。
**********



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする