■恒例のオンブズマンの全国大会は当初、鳥取県の米子市で開催される予定でした。しかし新型コロナの感染拡大により、全国的な蔓延が止まらない状況で、これまでのような全国から多くの人が集まる大会の開催は困難だと、連絡会議事務局で7月に判断されました。しかし同時に、来年以降の市民オンブズマン活動の活発化と全国大会へのつながりを考えたとき、全国大会を中止するのではなく、いまの状況に合った新しい形の全国大会の開催とし、具体的には、主催者側のごく一部の人を除いて、参加者全員が地元からネットで参加し、意見交換はネットを介して行うことになりました。こうして、1994年に発足した我が国のオンブズマン活動で初めて、全国大会をオンラインで開催することになり、予定通り9月20日~21日にかけて、実施されました。9月30日まで、録画を見ることが出来ますので以下のリンクをクリックし、パスコードを入力してください。
↑オンライン大会開催の経緯を説明する、新海聡事務局長↑
↑基調報告を行う、土橋実代表幹事↑
↑「コロナであれはどうなった」を発表する、新海聡事務局長↑
↑政務活動費情報公開度ランキング・執行率調4査を発表する、児嶋研二代表幹事↑
↑領収書のネット公開。昨年は62議会がネット公開。今年度から、秋田県、福井県、さいたま市、熊本市、山形市、宇都宮市、前橋市、枚方市、東大阪市、倉敷市がネット公開↑
↑政務活動費 富山はどうなった?を発表する、青島明生氏↑
↑包括外部監査の表彰と説明を行う、浅井亮代表幹事↑
↑包括外部監査 市民オンブズ千葉 改善申込と成果を発表する、村越啓雄氏↑
↑かながわ IR住民訴訟の発表を行う、大川隆司氏↑
↑山形 私立学校財務書類公開の発表を行う、長岡昇氏↑
↑大分県教委 求償権訴訟勝訴の発表を行う、永井敬三氏↑
↑尼崎市政務活動費返還勧告拒否の発表を行う、丸尾牧氏↑
↑住民訴訟潰しに抗議する-高槻訴訟費用請求の発表を行う、北岡隆浩氏↑
↑持続化給付金 情報公開請求の発表を行う、井上博夫氏↑
↑「会計検査院に是正措置要請」提案を行う、宇部雄介氏↑
↑消防デジタル無線談合の発表を行う、内田隆氏↑
↑消防デジタル 千葉県催告書送付後の状況の発表を行う、吉村りよみ氏↑
↑活性炭談合の発表を行う、土橋実氏↑
●20/9/20 全国市民オンブズマン・オンライン大会2020 全体会録画 32分10秒~
URL ⇒https://us02web.zoom.us/rec/share/E5FRzBRQ8JvNe-zZD-eB2dL8bltEdYyO0tCp_kQhqZ3uaTCZaoaCSiy93PINiwqU.goTsGjIb1VDQHL6Z
パスコード ombuds2020!
●20/9/21 全国市民オンブズマン・オンライン大会2020 手口分科会 30分00 秒~ 全体会録画 3時間00分30秒~
URL ⇒ https://us02web.zoom.us/rec/share/1OU9RXEeIK8raeUBd5ZlCTG09M4OgnUBkRuB_ginqzzQ_8vdjY-gsCceTBOxIzM.yCU4JY5h3NB4T54u
パスコード ombuds2020!
配付資料 http://www.ombudsman.jp/taikai/2020teguchi.pdf
●20/9/21 全国市民オンブズマン・オンライン大会2020 政務活動費分科会録画 27分35秒~
URL ⇒ https://us02web.zoom.us/rec/share/iZWqA5bqlFIynZcIQHe9vRQ51LeR_2p2fhVxU0kuJjsovC9xJNSM6MG9utoPRweU.Y7ZwlE6k91Jd8u1M
パスコード ombuds2020!
配付資料 http://www.ombudsman.jp/taikai/2020seimu.pdf
●20/9/21 全国市民オンブズマン・オンライン大会2020 情報公開分科会録画 40分50秒~
URL ⇒ https://us02web.zoom.us/rec/share/rPM3s2Y4UoL-Lr3ikI29ohGLFWR3Vc13MaqndAlh1JSmB_1PcNRpjU5sZgyFPDxi.TzyNBROZOjaxj2J3
パスコード ombuds2020!
配付資料 http://www.ombudsman.jp/taikai/2020jouhou.pdf
●第27回全国市民オンブズマン・オンライン大会 資料集 ダウンロード可能 (20/10/17まで)
http://dtbn.jp/2drP8eC
・全体報告資料 184ページ
・地域活動報告 135ページ(※当会注:市民オンブズマン群馬の報告は10~15頁をご覧ください)
●追加資料
・尼崎市 政務活動費返還勧告拒否
https://www.ombudsman.jp/taikai/2020amagasaki.pdf
・大分県教委 求償権訴訟勝訴
https://www.ombudsman.jp/taikai/2020oita.pdf
・「会計検査院に是正措置要請」提案
http://www.ombudsman.jp/taikai/2020sendai.pdf
・活性炭談合事件に取り組もう
http://www.ombudsman.jp/ taikai/2020kasseitan.pdf
●大会プログラム
http://www.ombudsman.jp/taikai/200920-21.pdf
●「大会のまとめ報告」を発表しました。
https://www.ombudsman.jp/taikai/200921.pdf
*****大会のまとめ報告*****ZIP ⇒
1 はじめに
今年の全国市民オンブズマン連絡会議の全国大会は、世界中を巻き込んだコロナ禍の影響を受けて初のオンライン対会となりました。
コロナ禍は、世界中の人のこれまでの社会生活のあり様を一変させました。市民オンブズマンがこれまで監視して来た自治体の運用はどうでしょうか。今回のメインテーマは「コロナで広報はどうなった?」と「コロナで議会はどうなった?」とし、アベノマスクの配布に絡んだ不透明な発注によって注文された随意契約の問題点を取り上げ「随意契約の闇」として報告するなど、内容面でもコロナの影響を色濃く反映したものにしました。コロナ禍対策は緊急性を要するものですが、首長の専決処分と随意契約がセットになったとき、巨額の不正取引が行われる危険が極めて高くなります。このようなときこそ、オンブズマン的視点から情報の透明性や支出の妥当性の検討が必要です。
2 「コロナで広報どうなった?」
「コロナで広報どうなった?」では、コロナ禍に関連する記者会見が連日報道で取り上げられたことに着目し、都道府県知事の記者会見について調査しました。本来パンデミック対策として人々の社会生活に重要な影響を与える一定の規制や自粛等の要請を行うにあたり、行政機関としては丁寧な説明の周知徹底が不可欠です。その手法として自治体のホームページで説明が行われていますが、記者会見はそれがテレビで生放送されるなどすることから、記者会見による周知効果は極めて高いものと思われます。知事の記者会見が頻繁に報道される自治体は目立ちますが、報道されない知事はどう情報を発信しているのか。この点について実情調査を行ったところ、記者会見に積極的な知事と消極的な知事の人数は拮抗していました。積極的な知事はより積極的に、消極的な知事はより消極的になった印象を受けます。これは知事の住民に対する平時からの姿勢の反映と言えるかもしれません。
定例記者会見から質疑応答について発信しないという知事やコロナ関連での会見では質疑応答は発信しないという知事も見受けられました。答えにくい質問もあるかもしれませんが、そうした質問への回答から、知事の姿勢を県民は判断するのではないでしょうか。
いずれにしても、コロナ禍で首長の情報発信に注目が集まったことを契機として、市民、住民の側からもその情報発信の透明性について引き続きチェックをしていかなければなりません。
3 「コロナで議会はどうなった?」
首長の存在がクローズアップされたのとは対極的に、地方議会では自粛ムードが蔓延し存在感は一層薄くなりました。
今回の調査では、議会の期間の短縮や質問時間の制限、なかには議員の出席人数の制限をしている自治体もあることがわかりました。地方議会の開催においてもクラスター発生を防止するためのコロナ禍対応に万全を期するのは当然のことですが、議会活動の質を落とす方向での対応は議会自らの存在価値を大きく損なうものとなりかねず、執行機関のチェック役を果たせているとはいえません。
本会議の傍聴についてもソーシャルディスタンスの確保を理由に傍聴者数を制限する議会が多数あり、傍聴の自粛を求める議会も多数ありました。傍聴の自粛の呼びかけは市民を議会活動への関心から遠ざけることになりかねず、上記のような議会の存在価値の減退と相まってより一層存在価値を損なう状況が生まれつつあります。
一方で、コロナ禍での私たちの経験は、ポスト・コロナの議会の可能性への気づきを与えるきっかけも生じさせました。それはインターネットを活用した議会参加です。これまで議場という場に集まって議論をすることを当然の前提としてされてきましたが、オンラインでの議会参加の検討が本格化すると思われます。
過疎自治体を中心に、議員のなり手が少なくなっていくなかで、オンラインによる議会参加は、日常生活との両立や移動時間の問題を解消することで、より多様な人々に議員として活躍する可能性を実感させるところですし、市民との関係でも傍聴の代替手段に止まらず議会活動への市民参加をよりリアルにする、市民の双方向での対話を可能にする方向性を期待したいところです。
4 市民オンブズマンとコロナ禍
コロナ禍の影響は、私たちオンブズマンの活動にも大きな影響を与えました。
普段の活動でも集まっての議論をすることができない状況が続き活動が停滞した団体も多かったと思います。また、この全国大会開催のための準備や包括外部監査班の検討のための会議なども開催できず、当初予定していた鳥取での全国大会についても中止を決断せざるを得なくなるなど、全国市民オンブズマン連絡会議の活動についても危機的な状況に陥りました。
しかし、ポスト・コロナの議会と同様、Zoom会議などインターネットを活用した新たなコミュニケーションの方法を利用したことによって、これまで以上に頻繁に準備会議を開くことができ、会議の回を追うごとに議論が深まり、初めてのオンライン大会の開催に漕ぎつけました。
このような開催形態は、例年全国大会の会場にお出でいただいている皆さんの中から、実際の集まったときの熱気に接することができない物足りなさやオンライン参加の技術的な困難さへの不安などの声をいただきました。また、多数の人々の参加によって例年行っている大会宣言や決議なども見送ることとなり、全国のオンブズマンの一体的な活動や方向性の確認なども十分行うことができなかったことは、今後の反省点としなければならないと考えています。
他方で、オンライン開催であるからこそ初めて参加したという方々がいますし、遠方での参加に二の足を踏んでいた市民オンブズマンの方々に参加の可能性を広げることもできます。このような面からみると、オンライン開催は私たちの市民オンブズマン活動をさらに広げ活発にするよい機会になったといえるのではないでしょうか。
来年の全国大会の時期にコロナ禍が収束しているかどうかはわかりませんが、全国大会は開催します。状況に応じて現地開催かオンライン開催かを考えなければならないでしょう。いずれにせよ、両方のメリットを生かした全国大会を模索していきたいと考えています。
今回のオンライン大会に参加いただいた皆様、参加していただき、ありがとうございました。開催手法その他について意見・感想をお聞かせてください。
以上
**********
■このように、次回、来年の全国大会は、新型コロナ禍が終息したり、ワクチン接種などによる安全確保が為された場合には、鳥取県米子市で集って開催の予定ですが、それが困難な事態が続く場合は、今年と同様にオンライン方式で開催されることになりそうです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※関連報道記事
**********日経2020年9月17日16:34
外部監査、4県市に優秀賞 129自治体の「通信簿」
全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)は17日、都道府県と政令市、中核市に義務付けられた包括外部監査の内容を評価した2019年度の「通信簿」で、山梨県、岐阜県、沖縄県、堺市の監査を「優秀賞」に選んだと発表した。最優秀の「オンブズマン大賞」は該当なしとした。
山梨県は住宅事業、岐阜県は県立の高校と特別支援学校、沖縄県は観光施策、堺市は文化事業などを監査のテーマにしていた。報告書が分かりやすく担当部署が改善のために活用しやすい点や、問題点を厳しく指摘していることを評価した。
優秀賞に次ぐ「活用賞」には青森県など24自治体の監査を選び、秋田県など17自治体の監査は欠点が目立つとして「改善要望」を出した。
包括外部監査は、自治体の行財政を公認会計士らがチェックする制度。弁護士らで構成する連絡会議の評価班が、19年度に実施された129自治体の報告書を調査した。
オンラインで記者会見した同班の浜島将周弁護士は「報告書は自治体の問題が分かる貴重な資料。市民や地元議会でもフル活用してほしい」と呼び掛けた。
17年度の監査報告を受けて各自治体がどう対応したかも調べ、埼玉県など24自治体を最も高い「A」評価とした。最低の「E」評価はなかった。
連絡会議は全国の市民オンブズマンが情報交換のため結成。現在は42都道府県の69団体からなり、通信簿は包括外部監査が義務付けられた1999年度分から毎年発表している。〔共同〕
**********東京新聞2020年9月21日 17:05
コロナ禍こそ情報の透明性検討を 市民オンブズマン全国大会が閉幕
新型コロナの影響で初めてオンラインで開かれていた全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)の全国大会は21日「コロナ禍でこそ(行政を監視する)オンブズマン的視点から情報の透明性や支出の妥当性を検討する必要がある」との報告をまとめ、2日間の日程を終えて閉幕した。
この日は政務活動費のチェック方法や情報公開請求の手法などをテーマに三つの分科会を開催。会議の新海聡事務局長は「市民オンブズマンの手口全部教えます」と題し、これまで調査してきたテーマや、情報の入手方法などを紹介した。
会議事務局によると、大会には各地から150人以上が参加した。
(共同)
**********
↑オンライン大会開催の経緯を説明する、新海聡事務局長↑
↑基調報告を行う、土橋実代表幹事↑
↑「コロナであれはどうなった」を発表する、新海聡事務局長↑
↑政務活動費情報公開度ランキング・執行率調4査を発表する、児嶋研二代表幹事↑
↑領収書のネット公開。昨年は62議会がネット公開。今年度から、秋田県、福井県、さいたま市、熊本市、山形市、宇都宮市、前橋市、枚方市、東大阪市、倉敷市がネット公開↑
↑政務活動費 富山はどうなった?を発表する、青島明生氏↑
↑包括外部監査の表彰と説明を行う、浅井亮代表幹事↑
↑包括外部監査 市民オンブズ千葉 改善申込と成果を発表する、村越啓雄氏↑
↑かながわ IR住民訴訟の発表を行う、大川隆司氏↑
↑山形 私立学校財務書類公開の発表を行う、長岡昇氏↑
↑大分県教委 求償権訴訟勝訴の発表を行う、永井敬三氏↑
↑尼崎市政務活動費返還勧告拒否の発表を行う、丸尾牧氏↑
↑住民訴訟潰しに抗議する-高槻訴訟費用請求の発表を行う、北岡隆浩氏↑
↑持続化給付金 情報公開請求の発表を行う、井上博夫氏↑
↑「会計検査院に是正措置要請」提案を行う、宇部雄介氏↑
↑消防デジタル無線談合の発表を行う、内田隆氏↑
↑消防デジタル 千葉県催告書送付後の状況の発表を行う、吉村りよみ氏↑
↑活性炭談合の発表を行う、土橋実氏↑
●20/9/20 全国市民オンブズマン・オンライン大会2020 全体会録画 32分10秒~
URL ⇒https://us02web.zoom.us/rec/share/E5FRzBRQ8JvNe-zZD-eB2dL8bltEdYyO0tCp_kQhqZ3uaTCZaoaCSiy93PINiwqU.goTsGjIb1VDQHL6Z
パスコード ombuds2020!
●20/9/21 全国市民オンブズマン・オンライン大会2020 手口分科会 30分00 秒~ 全体会録画 3時間00分30秒~
URL ⇒ https://us02web.zoom.us/rec/share/1OU9RXEeIK8raeUBd5ZlCTG09M4OgnUBkRuB_ginqzzQ_8vdjY-gsCceTBOxIzM.yCU4JY5h3NB4T54u
パスコード ombuds2020!
配付資料 http://www.ombudsman.jp/taikai/2020teguchi.pdf
●20/9/21 全国市民オンブズマン・オンライン大会2020 政務活動費分科会録画 27分35秒~
URL ⇒ https://us02web.zoom.us/rec/share/iZWqA5bqlFIynZcIQHe9vRQ51LeR_2p2fhVxU0kuJjsovC9xJNSM6MG9utoPRweU.Y7ZwlE6k91Jd8u1M
パスコード ombuds2020!
配付資料 http://www.ombudsman.jp/taikai/2020seimu.pdf
●20/9/21 全国市民オンブズマン・オンライン大会2020 情報公開分科会録画 40分50秒~
URL ⇒ https://us02web.zoom.us/rec/share/rPM3s2Y4UoL-Lr3ikI29ohGLFWR3Vc13MaqndAlh1JSmB_1PcNRpjU5sZgyFPDxi.TzyNBROZOjaxj2J3
パスコード ombuds2020!
配付資料 http://www.ombudsman.jp/taikai/2020jouhou.pdf
●第27回全国市民オンブズマン・オンライン大会 資料集 ダウンロード可能 (20/10/17まで)
http://dtbn.jp/2drP8eC
・全体報告資料 184ページ
・地域活動報告 135ページ(※当会注:市民オンブズマン群馬の報告は10~15頁をご覧ください)
●追加資料
・尼崎市 政務活動費返還勧告拒否
https://www.ombudsman.jp/taikai/2020amagasaki.pdf
・大分県教委 求償権訴訟勝訴
https://www.ombudsman.jp/taikai/2020oita.pdf
・「会計検査院に是正措置要請」提案
http://www.ombudsman.jp/taikai/2020sendai.pdf
・活性炭談合事件に取り組もう
http://www.ombudsman.jp/ taikai/2020kasseitan.pdf
●大会プログラム
http://www.ombudsman.jp/taikai/200920-21.pdf
●「大会のまとめ報告」を発表しました。
https://www.ombudsman.jp/taikai/200921.pdf
*****大会のまとめ報告*****ZIP ⇒
1 はじめに
今年の全国市民オンブズマン連絡会議の全国大会は、世界中を巻き込んだコロナ禍の影響を受けて初のオンライン対会となりました。
コロナ禍は、世界中の人のこれまでの社会生活のあり様を一変させました。市民オンブズマンがこれまで監視して来た自治体の運用はどうでしょうか。今回のメインテーマは「コロナで広報はどうなった?」と「コロナで議会はどうなった?」とし、アベノマスクの配布に絡んだ不透明な発注によって注文された随意契約の問題点を取り上げ「随意契約の闇」として報告するなど、内容面でもコロナの影響を色濃く反映したものにしました。コロナ禍対策は緊急性を要するものですが、首長の専決処分と随意契約がセットになったとき、巨額の不正取引が行われる危険が極めて高くなります。このようなときこそ、オンブズマン的視点から情報の透明性や支出の妥当性の検討が必要です。
2 「コロナで広報どうなった?」
「コロナで広報どうなった?」では、コロナ禍に関連する記者会見が連日報道で取り上げられたことに着目し、都道府県知事の記者会見について調査しました。本来パンデミック対策として人々の社会生活に重要な影響を与える一定の規制や自粛等の要請を行うにあたり、行政機関としては丁寧な説明の周知徹底が不可欠です。その手法として自治体のホームページで説明が行われていますが、記者会見はそれがテレビで生放送されるなどすることから、記者会見による周知効果は極めて高いものと思われます。知事の記者会見が頻繁に報道される自治体は目立ちますが、報道されない知事はどう情報を発信しているのか。この点について実情調査を行ったところ、記者会見に積極的な知事と消極的な知事の人数は拮抗していました。積極的な知事はより積極的に、消極的な知事はより消極的になった印象を受けます。これは知事の住民に対する平時からの姿勢の反映と言えるかもしれません。
定例記者会見から質疑応答について発信しないという知事やコロナ関連での会見では質疑応答は発信しないという知事も見受けられました。答えにくい質問もあるかもしれませんが、そうした質問への回答から、知事の姿勢を県民は判断するのではないでしょうか。
いずれにしても、コロナ禍で首長の情報発信に注目が集まったことを契機として、市民、住民の側からもその情報発信の透明性について引き続きチェックをしていかなければなりません。
3 「コロナで議会はどうなった?」
首長の存在がクローズアップされたのとは対極的に、地方議会では自粛ムードが蔓延し存在感は一層薄くなりました。
今回の調査では、議会の期間の短縮や質問時間の制限、なかには議員の出席人数の制限をしている自治体もあることがわかりました。地方議会の開催においてもクラスター発生を防止するためのコロナ禍対応に万全を期するのは当然のことですが、議会活動の質を落とす方向での対応は議会自らの存在価値を大きく損なうものとなりかねず、執行機関のチェック役を果たせているとはいえません。
本会議の傍聴についてもソーシャルディスタンスの確保を理由に傍聴者数を制限する議会が多数あり、傍聴の自粛を求める議会も多数ありました。傍聴の自粛の呼びかけは市民を議会活動への関心から遠ざけることになりかねず、上記のような議会の存在価値の減退と相まってより一層存在価値を損なう状況が生まれつつあります。
一方で、コロナ禍での私たちの経験は、ポスト・コロナの議会の可能性への気づきを与えるきっかけも生じさせました。それはインターネットを活用した議会参加です。これまで議場という場に集まって議論をすることを当然の前提としてされてきましたが、オンラインでの議会参加の検討が本格化すると思われます。
過疎自治体を中心に、議員のなり手が少なくなっていくなかで、オンラインによる議会参加は、日常生活との両立や移動時間の問題を解消することで、より多様な人々に議員として活躍する可能性を実感させるところですし、市民との関係でも傍聴の代替手段に止まらず議会活動への市民参加をよりリアルにする、市民の双方向での対話を可能にする方向性を期待したいところです。
4 市民オンブズマンとコロナ禍
コロナ禍の影響は、私たちオンブズマンの活動にも大きな影響を与えました。
普段の活動でも集まっての議論をすることができない状況が続き活動が停滞した団体も多かったと思います。また、この全国大会開催のための準備や包括外部監査班の検討のための会議なども開催できず、当初予定していた鳥取での全国大会についても中止を決断せざるを得なくなるなど、全国市民オンブズマン連絡会議の活動についても危機的な状況に陥りました。
しかし、ポスト・コロナの議会と同様、Zoom会議などインターネットを活用した新たなコミュニケーションの方法を利用したことによって、これまで以上に頻繁に準備会議を開くことができ、会議の回を追うごとに議論が深まり、初めてのオンライン大会の開催に漕ぎつけました。
このような開催形態は、例年全国大会の会場にお出でいただいている皆さんの中から、実際の集まったときの熱気に接することができない物足りなさやオンライン参加の技術的な困難さへの不安などの声をいただきました。また、多数の人々の参加によって例年行っている大会宣言や決議なども見送ることとなり、全国のオンブズマンの一体的な活動や方向性の確認なども十分行うことができなかったことは、今後の反省点としなければならないと考えています。
他方で、オンライン開催であるからこそ初めて参加したという方々がいますし、遠方での参加に二の足を踏んでいた市民オンブズマンの方々に参加の可能性を広げることもできます。このような面からみると、オンライン開催は私たちの市民オンブズマン活動をさらに広げ活発にするよい機会になったといえるのではないでしょうか。
来年の全国大会の時期にコロナ禍が収束しているかどうかはわかりませんが、全国大会は開催します。状況に応じて現地開催かオンライン開催かを考えなければならないでしょう。いずれにせよ、両方のメリットを生かした全国大会を模索していきたいと考えています。
今回のオンライン大会に参加いただいた皆様、参加していただき、ありがとうございました。開催手法その他について意見・感想をお聞かせてください。
以上
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■このように、次回、来年の全国大会は、新型コロナ禍が終息したり、ワクチン接種などによる安全確保が為された場合には、鳥取県米子市で集って開催の予定ですが、それが困難な事態が続く場合は、今年と同様にオンライン方式で開催されることになりそうです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※関連報道記事
**********日経2020年9月17日16:34
外部監査、4県市に優秀賞 129自治体の「通信簿」
全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)は17日、都道府県と政令市、中核市に義務付けられた包括外部監査の内容を評価した2019年度の「通信簿」で、山梨県、岐阜県、沖縄県、堺市の監査を「優秀賞」に選んだと発表した。最優秀の「オンブズマン大賞」は該当なしとした。
山梨県は住宅事業、岐阜県は県立の高校と特別支援学校、沖縄県は観光施策、堺市は文化事業などを監査のテーマにしていた。報告書が分かりやすく担当部署が改善のために活用しやすい点や、問題点を厳しく指摘していることを評価した。
優秀賞に次ぐ「活用賞」には青森県など24自治体の監査を選び、秋田県など17自治体の監査は欠点が目立つとして「改善要望」を出した。
包括外部監査は、自治体の行財政を公認会計士らがチェックする制度。弁護士らで構成する連絡会議の評価班が、19年度に実施された129自治体の報告書を調査した。
オンラインで記者会見した同班の浜島将周弁護士は「報告書は自治体の問題が分かる貴重な資料。市民や地元議会でもフル活用してほしい」と呼び掛けた。
17年度の監査報告を受けて各自治体がどう対応したかも調べ、埼玉県など24自治体を最も高い「A」評価とした。最低の「E」評価はなかった。
連絡会議は全国の市民オンブズマンが情報交換のため結成。現在は42都道府県の69団体からなり、通信簿は包括外部監査が義務付けられた1999年度分から毎年発表している。〔共同〕
**********東京新聞2020年9月21日 17:05
コロナ禍こそ情報の透明性検討を 市民オンブズマン全国大会が閉幕
新型コロナの影響で初めてオンラインで開かれていた全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)の全国大会は21日「コロナ禍でこそ(行政を監視する)オンブズマン的視点から情報の透明性や支出の妥当性を検討する必要がある」との報告をまとめ、2日間の日程を終えて閉幕した。
この日は政務活動費のチェック方法や情報公開請求の手法などをテーマに三つの分科会を開催。会議の新海聡事務局長は「市民オンブズマンの手口全部教えます」と題し、これまで調査してきたテーマや、情報の入手方法などを紹介した。
会議事務局によると、大会には各地から150人以上が参加した。
(共同)
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