市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

行政と業者の癒着例・サイボウごみ処分場その7(死人に口無し)

2009-01-31 00:30:58 | 全国のサンパイ業者が注目!
■最後に、地元住民らの文書偽造行使の告発にも関わらず、なぜか塀の向こうに落ちなかった埼玉県さいたま市にある従業員数十名、年商10億円あまりの消防防災機器取扱商社の株式会社サイボウの社長で、平成7年11月の安中市長出直し選挙の最中に3千万円をもって、安中に入ったことが確認されているサイボウ環境㈱社長の結城文夫(故人)についての供述をチェックしてみましょう。

 なお、結城社長は、平成15年7月末日に調書をとられたあと、8ヵ月後の平成16年3月に、ガンで死亡したため、現在は息子の結城剛が、株式会社サイボウ及びサイボウ環境の代表取締役として、父親の残した違法の産物である廃棄物処分場を名義上引き継いでいます。実質上は、安中にある廃棄物処分場の運営について、長野県小諸市にある廃棄物処理業者のイー・ステージ株式会社とその親会社の市川環境エンジニアリングが牛耳っています。

 また、現在、サイボウは、県外の廃棄物も持ち込めないのは遺憾だとして、安中市を相手取り、前橋地裁に対して、訴訟を起こしていることは、このブログでも報告済みです。

 警察が、検察の指示により、事件捜査の最後の仕上げとして事情聴取をした目的は、結城社長の口から事件への無関与を演出させることだったようです。しかし、文書偽造の時期は平成10~11年であり、結城社長が、平成15年7月の警察の事情聴取で、ガン罹患を理由に「知らぬ存ぜぬ」と言えば言うほど、当会としては、安中市役所を舞台にした今回の公文書偽造事件が、いかに矮小化されて、トカゲの尻尾切りの形で、頼まれてやった実行犯ひとりだけがしょっ引かれ、依頼した責任者や役所の幹部、そして政治関係者等の黒幕が安泰のまま、事件の幕引きがなされた背景について、思いをめぐらせざるをえません。

「これは安中市土地開発公社51億円巨悪詐欺横領事件の構図そのものではないか!」・・・当会はそう思っています。それでは、結論が先にありきだったこの文書偽造事件の捜査の仕上げとなった、サイボウ結城社長の供述を見てみましょう。


**********
【サイボウ結城社長の供述】
本籍 ■■■■■
住居 ■■■■■
職業 会社役員(サイボウ環境株式会社代表取締役)
氏名 結城文夫    ■■■■■■
<上記の者に対する、有印私文書偽造・同事件につき、平成15年7月31日、埼玉県大宮警察署において、本職は、あらかじめ被疑者に対し、事故の意思に反して供述をする必要がない旨を告げて取り調べたところ、任意次のとおり供述した>。
1 私は、平成5年ころから群馬県安中市大谷字西谷津地内に一般廃棄物の最終処分場設置計画を推進しているサイボウ環境株式会社の代表取締役として勤務している者です。
 只今、この設置計画に関連して平成10年8月27日に現地立会いが行われた安中市道とその隣接地との境界確定業務に係わる境界確定書について、私がその現地立会日以前に死亡していた隣接土地所有者のA子という方の署名押印を偽造し、安中市役所に提出した、という有印私文書偽造・同行使罪の被告発人として警察に告発されていると聞きました。
 しかし、当時、私共会社はこの境界確定業務を有限会社野中開発測量に発注してその手続すべてを任せており、有限会社野中開発測量からこの偽造に関する連絡や相談など一切なかったため、私はもちろん私共会社としても今回告発された内容は全く身に覚えのないことなので、これからその状況などについて話します。
2 最初に簡単に私共会社であるサイボウ環境株式会社の概要などについて話します。
 私は、昭和42年4月に設立した、消防・防災設備工事及び関係資機材の販売などを業務とする、埼玉県さいたま市卸町2丁目6番15号所在の株式会社サイボウの代表取締役もしており、私は今から25年くらい前からこの会社の事業拡大のため、産業廃棄物処理場計画やゴルフ場計画などに出資して参入するようになったのです。
 今回のサイボウ環境株式会社は、平成4年後半ころ、それまで埼玉県熊谷市にあった関東帆布株式会社の須藤抽雄社長が地元有力者の中嶋延里さんや白石定男さん達と準備計画していた安中市大谷字西谷津地内の一般廃棄物処分場設置計画を、私が当時のバブル景気などの社会情勢から相当の利益が上がると見込んで関東帆布株式会社から引き継ぎ、平成5年11月に地元対策用として現地法人として設立したものです。
 このサイボウ環境株式会社の設立当時の役員は、代表取締役が、私、取締役が、■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■ 監査役が、■■■■■■■となっておりますが、実際の業務はこの中の地元取締役である■■■■■■という不動産会社を経営する安中市大谷に住む、■■■■、■■■■■■という不動産会社を経営する、安中市大谷に住む、■■■■が中心となり、地元協力者を使って土地買収や許認可関係などの地元対策を担当して設置計画を進めておりました。
 その中で私も経営者として必要により安中市に出向いては■■■■さんなどと地元対策に当たったのですが、具体的な各業務についてはそれぞれの担当者に任せておいたのです。
 しかし、この設置計画は当初は地元の100パーセントの賛成により始まったのですが、その後、一部反対者が出たため、当初5年位の計画だったのですが手続きに時間が掛かり、平成11年8月になってやっと群馬県から一般廃棄物処理施設設置許可が下り、現在、東京の株式会社間組に発注して処理場設置予定地に通じる搬入道路となる安中市大谷地内及び同市野殿地内の安中市道を拡幅改良する道路工事をしております。
 なお、サイボウ環境株式会社の本社事務所については、登記簿上は、■■■■■■■■となっておりますが、近々、安中市内に貸し事務所が見つかれば移転する予定となっていることから、現在のサイボウ環境株式会社の連絡先は一時的ですが株式会社サイボウの電話番号を使っております。
3 次に私共の一般廃棄物最終処分場設置計画の状況などについて簡単に話します。
 今回の一般廃棄物の最終処分場設置計画については、当初、群馬県からの設置許可を受けるため、株式会社廃水クリニックという会社に業務委託し、この会社が処理場施設本体の測量や設計などを私も以前から知っている高崎市中居町にある、有限会社野中開発測量に発注していたのですが、株式会社廃水クリニックが平成9年ころに不渡りを出して倒産してしまったため、計画が一時中断してしまったのです。
 そのため、平成10年春頃、新たに株式会社熊谷組を参入させ、埼玉県熊谷市内の株式会社熊谷組北関東支店に私を含めたサイボウ環境株式会社の役員や有限会社野中開発測量の野中社長などが集まり、今後の予定業務について協議し、その中で安中市大谷地内及び同市野殿地内にある安中市道の拡幅改修工事の各担当者についても打ち合わせた結果、安中市道と隣接する土地の分筆登記関係は、有限会社野中開発測量が担当する、と決まったのです。
 その後、私共会社の■■■■■ ■■■■■■が中心となって安中市道と隣接する土地所有者との土地買収交渉が始まり、その進行状況を見て、平成10年8月に私共会社と有限会社野中開発測量との間で正式に境界確定に関する業務委託契約を結んだのです。
 当然、その後すぐに有限会社野中開発測量の野中社長が境界確定業務に入ったのは承知しておりますが、安中市役所への手続きや具体的な業務などについては、私自身、野中社長が几帳面な性格で信頼できる人柄と思っていたことから全て任せていたのです。
 その中で、野中社長から隣接土地所有者である、東京都荒川区東日暮里のM子さんと連絡が取れないので調べて欲しい。などと依頼があり、私が株式会社サイボウの従業員に指示して荒川区役所で調べさせたのですが、結局、M子さんの所在は明らかにならなかったため、私が野中社長に調べたがM子さんの所在や連絡先は判らなかった、などと回答したのを覚えております。
 しかし、これ以外は特に野中社長からこの境界確定業務が平成11年6月ころに終了するまでは何も連絡がなかったので、私としては野中社長に委託した境界確定業務は正規な手続きに沿って順調に進行しているものと思っておりました。(注:M子の所在不明を知っていたのに?) ところが、平成14年秋ごろ、当時、サイボウ環境株式会社の現地責任者である松尾産業株式会社の角田穣さんから、安中市役所に提出した境界確定書の隣接土地所有者の署名押印が偽造されていたため警察に告発されたという記事が新聞に出ている、などと連絡があり、私としては野中社長を信頼していたので、何かの間違いだろう、と思い、その対応は角田さん達に任せたのを覚えております。(注:業務委託をしても最終責任は全て代表者のサイボウ社長にあるはずなのに、全て他人任せの言い逃れ!でも、この方法がサンパイ業界で今後、標準となるはず) この当時私は、■■■■■(4行) 家族や会社のものが気を使ったのか、その後、この告発に関するこれ以上の詳しい報告はなく、私としても角田さん達に任せるしかなかったのです。
 この私の病気は今も同じような状態であるため、私は殆ど仕事から離れて自宅療養しており、その病気の状況をはっきりさせるため、本日、私の診断書を別に提出します。(注:結城社長はガンを患っていたが、翌年の大宮市商工会での新年会で挨拶したりしており、病気であっても、気力はみなぎっていました)
4 それでは、今回私が被告発人として警察に告発された件について話します。
 只今、今回の告発人住民M他1名による私を被告発人として有印公文書偽造・同行使罪に対する告発状の内容について聞きましたが、私とすれば、この境界確定業務は有限会社野中開発測量の野中社長を信頼して全て任せており、野中社長から告発状にあるA子さんの署名押印に関して相談や連絡などなかったため、私は知らなかったのです。
 したがって、今回の私が被告発人として警察に出された告発の件については、私がサイボウ環境㈱指揮会社の代表取締役であることから被告発人にされてしまったと思いますが、この県で野中社長がどうしたかは判りませんが、私自身は境界確定書のA子さんの署名押印の偽造についてまったく関与しておらず、身に覚えのない告発であると考えております。
  以上話したとおり間違いありません。
結城文夫 印
以上のとおり録取し、閲覧させたところ誤りのないことを申し立て署名押印した。
 前月日  
 群馬県安中警察署に応援派遣された群馬県警察本部刑事部捜査第二課 司法警察員警部補 ○○○○ 印
**********

■このように、ガンとの闘病を理由に、結城社長は「知らぬ存ぜぬ」とばかりに事件への無関与を強調し、境界確定業務は丸投げ先の測量会社が全部勝手にしたことであると、群馬県警の刑事の前で供述したことになっています。しかし、結城社長は、平成7年11月の安中市長選挙の際に、3千万円を持って安中市に入ったことは、当時、選挙違反を捜査していた、同じく群馬県警捜査二課の刑事が確認していました。

 ごみ処分場の完成を見ないまま、サイボウの結城文夫社長は、平成16年3月にこの世を去りました。その翌年の平成17年5月15日には、平成5年からサイボウの処分場計画を進めてきた、元市会議長で中曽根派の中嶋延里氏が突然74年の生涯を閉じました。死因は自宅の前の小さな川に転落しての溺死でした。それから半年もたたないうちに、今度は、中嶋信里氏の梃子役だった白石定男氏が自殺をしました。

 このように、サイボウの結城社長は、自らの命と引き換えに、公文書偽造及び行使という刑事罰もあの世にもって行きました。残されたのは、違法の産物のサイボウ処分場です。安中市の「無法地帯」ぶりを象徴するモニュメントとして、また、行政と特定業者の利権の象徴として、醜悪な姿を、今も岩野谷丘陵の一角にさらし続けています。

【岩野谷の水と緑を守る会】

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行政と業者の癒着例・サイボウごみ処分場その6(部下の真実)

2009-01-30 01:23:13 | 全国のサンパイ業者が注目!
■極めて犯罪的な行政文書の扱いをした黛主査に比べると、彼の部下である吉田係長の供述ははるかにまともです。さっそく彼の供述内容をチェックして、「黛さん」と吉田係長のどちらが上司としての器にふさわしいか、皆さんも一緒に考えて見ましょう。
 



**********
【市職員吉田係長の供述】
住居 ■■■■■
職業 ■■■■
氏名 吉田牧人  ■■■■■■
<上記の者は、平成15年6月24日、安中市安中1531番地1安中市総合体育館において、本職に対し、任意次のとおり供述した。>1 私は、現在安中市総合体育館住居地で管理運営を担当しておりますが、その以前、安中市建設部土木課庶務係主事として勤務していたことがありました。
 只今、私がこの安中市役所建設部土木課庶務係として勤務していた間に担当した、平成10年8月19日付の申請者、サイボウ環境株式会社代表取締役結城文夫、有限会社野中開発測量代表取締役野中渡による道・水路境界確定申請書に基づいて実施した、安中市道と安中市大谷字西谷津1907及び同市野殿字大田2178-1他48筆との境界確定に関する業務状況について、その時の状況などについて話します。
2 最初に私の安中市役所での経歴や当時私が担当していた境界確定業務などについて話します。
 私の安中市役所での経歴は、平成9年4月に採用され、土木課庶務係として勤務、平成14年4月から安中市総合体育館に勤務して現在に至っております。
 次に境界確定業務について説明します。
 この境界確定業務は、国有財産法第3章の2、建設省所管国有財産取扱規則第3条第2項、市町村に対する事務委任規則第3条の規定に基づき、当時、建設省所管国有財産部局長群馬県知事の委任を受けた安中市長の業務として当市役所の業務として当市役所建設部土木課庶務係が担当しておりました。
 そのため、私は当市役所建設部土木課庶務係となった平成9年4月1日から、境界確定書の作成業務に従事することとなったわけです。
 この境界確定の事務については、市町村長への委任に係わる建設省所管公共用財産境界確定等に関する事務取扱要領(準則)、市町村長への委任に係わる建設省所管公共用財産境界確定等に関する事務の指針、の規定に基づき、当時、建設省所管国有財産部局長群馬県知事の委任を受けた安中市長の業務として当市役所の業務として当市役所建設部土木課庶務係が担当しておりました。
 そのため、私は当市役所建設部土木課庶務係となった平成9年4月1日から、境界確定書の作成業務に従事することとなったわけです。
 この境界確定の事務については、市町村への委任に係わる建設省所管公共用財産境界確定等に関する事務取扱要領(準則)、市町村長への委任に係わる建設省所管公共用財産境界確定等に関する事務の指針に基づき、平成14年3月まで、この安中市道や水路に隣接する土地所有者からの道・水路境界確定申請書により境界確定業務に当たっておりました。
 この境界確定の種別は、土地所有者が申請者となり、所有する土地について、用途廃止、建築、工作物設置、地積更正・地図訂正、分筆、その他 の理由により、その土地とそれに隣接する安中市道などとの境界を確定しようとするもの、安中市が申請者となり、安中市道などについて、拡幅、改修などの理由により、その市道などとそれに隣接する土地との境界を確定しようとするもの、安中市の運用として大規模開発などで業者が申請者となって買収などを前提に工事予定地内の安中市道などとそれに隣接する土地との境界を確定しようとするもの、があり、平成10年8月19日付のサイボウ環境株式会社及び有限会社野中開発測量からの道・水路境界確定申請書に基づいて実施した境界確定業務はこの3番目の安中市の運用になります。
 平成10年度中の境界確定業務については、私の上司であった、建設部土木課庶務係主査、黛玄八郎と2人で、年間約200件位、1日約1件位の割合で処理しておりました。
3 それではお尋ねのサイボウ環境株式会社及び有限会社野中開発測量が申請した境界確定業務の実際の状況などについて話します。
 その5年近く前のことなので当時の資料があったら見せてください。
<この時本職は、平成15年4月9日付け、「捜査関係事項照会書の回答について」と題する回答書添付の「復命書の写し」1通、「道・水路境界確定申請書の写し」1部及び「境界確定書の写し」1部並びに平成15年6月10日付け、「捜査関係事項照会書の回答について」と題する回答書添付の「公共用財産境界確定台帳の写し」2枚を供述人に示すとともに、主要部分の写しを作成し、本調書末尾に添付することとした。> 只今見せていただいた平成10年8月19日付、申請者サイボウ環境株式会社代表取締役結城文夫、有限会社野中開発測量代表取締役野中渡による道・水路境界確定申請書と境界確定書及びその関係書類は、復命書の復命者が私と、当時の私の上司だった黛玄八郎の名前になっているうえ、私自身もこの書類内容を覚えていることから、この書類に関係する境界確定業務について、当時、私と黛玄八郎が担当したことは間違いありません。
 この境界確定業務は、サイボウ環境株式会社がその当時、群馬県に設置許可を申請していた群馬県安中市大谷字西谷津地内の一般廃棄物最終処分場への進入道路にしようと安中市道を拡幅工事するため、買収を前提に工事予定地内の同市道とそれに隣接する土地との境界を確定したい、ということで申請されたものと記憶しております。
 それでは只今見せて貰った書類を確認しながら、当時、私共が実施した境界確定業務の状況について話します。
 最初に道・水路境界確定申請書を見ると、申請日 平成10年8月19日、申請者 サイボウ環境株式会社代表取締役結城文夫、有限会社野中開発測量代表取締役野中渡、土地の表示 安中市大谷字西谷津1907 畑 984㎡、安中市野殿字大田2178-1 田 1391㎡ 他48筆、現地立会日時 平成10年8月27日(木)午前9時30分から、申請理由 分筆・その他(市道拡幅及び改修)、受付印 平成10年5月20日、などと記載されております。
 この記載内容と当時の記憶からするに、既に処分場開発が計画されていたことで、私共土木課の窓口に有限会社野中開発測量の野中社長やその従業員が訪れていて、黛玄八郎が応対し、事前の打ち合わせが行われていたと思います。
 なお、この事前打合せがいつから始まったのかは、はっきりした記憶がありません。
 そして、平成10年8月19日に申請書が当課に提出されて、受理されているものと思われます。
 この受理する事務については、黛玄八郎が行っておりました。
 そこで現地立会日時を協議して、平成10年8月27日(木)午前9時30分から、と決めたものと思います。
 なお、この書類には、平成10年5月20日の受付印が押されておりますが、私が土木課の台帳を確認した結果、またただ今見せていただいた台帳の写しのとおり、平成10年8月20日に、この申請にかかると認められる記載がありましたので、8月19日に申請書が提出され、翌20日に受付印が押されたものと考えられます。
 ですから、黛玄八郎が間違えて5月の受付印を押したものと思います。
4 それでは、この道・水路境界確定申請書に基づいて境界確認を実施した現地立会日の状況について話します。
 私は、道・水路境界確定申請書の現地立会日時のとおり、平成10年8月27日午前9時30分ごろ に上司の黛玄八郎と2人でこの境界確認のスタート場所に当たる主要地方道前橋・安中・富岡線から東にすこし入った鶴巻橋の近くに行き、その場所で、有限会社野中開発測量の野中社長とその社員1~2名、隣接土地所有者など数名と合流したのです。
 この時、私達は、市役所から受理した道・水路境界確定申請書を持参し、現地である境界確定場所には既に野中社長側で法務局の公図を基に測量して安中市道とその隣接土地との境界点に仮杭が差してありました。
 そして、私と黛玄八郎の2人は、この申請書に添付されている図面のとおり、安中市野殿大田2178番地1の田をスタートし、市道に沿って順番に各隣接土地ごとに隣接土地所有者と立ち会う形で野中社長の境界に関する説明を聞きながら各仮杭の位置を確認していったのです。
 この各隣接土地ごとの境界点の確認が終わる度に、黛玄八郎は、道・水路境界確定申請書の隣接土地所有者一覧表にある立会人証明欄に立ち会った証明として隣接土地所有者またはその代理人から名前を書いて貰っております。
 しかし、本来この境界確認には20人位の隣接土地所有者かその代理人の立ち会いが必要ですが、実際には仕事の都合などで立ち会いを欠席した人が何人かおりました。
 これについて黛玄八郎は、野中社長に、欠席した隣接土地所有者全員に境界を確認させ、この申請書の立会人証明欄に名前を書いて貰う、という意味で、持っていた道・水路境界確定申請書を渡したのです。
 この道・水路境界確定申請書については、今見せていただいた復命書の日付が平成11年5月31日付となっており、さらに同復命書の一番下に黛玄八郎の字で、隣接関係者立会署名を貰うのに時間を要した為、書類提出が遅れる、と記載されていることから、平成11年5月31日に野中社長だったと思いますが、預けたこの申請書を当市役所建設部土木課に持参し、立会人証明欄にS助という隣接土地所有者1名分を除いた全員分の隣接土地所有者や代理人などの署名があるものが提出されて、その日の内に黛玄八郎が復命書を作成して決裁に上げているものと思います。
<この時本職は、供述人と次のとおり問答した。問「道・水路境界確定申請書を第三者に渡す必要があるのか。」答「本来、道・水路境界確定申請書の立会人署名欄は、現地立会日に隣接土地所有者またはその代理人などが立ち会った証明に記載して貰うものです。ですから、現地立会日に隣接土地所有者または代理人などが欠席した場合は「欠席」と記載すればよいことになっております。しかし黛玄八郎は、隣接土地所有者の名前がないと後で紛議の基になる可能性がある。と考えていたのか、申請書を実際には土地を所有していない測量業者に渡すということを繰り返しておりました。なお、その後私がその業務を引き継いだ後は、立ち会えなかった人については、現実に安中市との境界にかかる立会・協議を行っていないわけですから、既に提出を受け、私共安中市の担当者が署名をしてもらうべき公文書を第三者に渡すことはありませんでした。」>5 次に境界確定書を見ながら当時この確定書を受理した状況などについて話します。
 この境界確定書を見ると、立会年月日 平成10年8月27日、協議が成立した日 平成11年5月31日、日付 平成11年6月3日、申請者 サイボウ環境株式会社代表取締役結城文夫、受付印が平成11年6月3日、などとなっていることから、この境界確定書は平成11年6月3日に野中社長かその従業員から、当市役所建設部土木課窓口に2部提出され、担当の黛玄八郎が受理しております。
 この受理した境界確定書2部については、書類内容や確定図などを確認し、この境界確定書の隣接土地所有者20名中の1名だけが合意しなかったものの、その他の隣接土地所有者は有限会社野中開発測量が法務局の公図を基に測量した境界点について合意した、と判断し、2部それぞれに「土木課安中市長之印専用」という角印を押印して境界確定書を完成させ、境界が確定した証明として、1部を、当市役所建設部土木課に備え付けて保有、1部を、有限会社野中開発測量の野中社長に交付されたものと思います。
 只今、この道・水路境界確定申請書及び境界確定書に記載された隣接土地所有者の1人である 安中市大谷××××-× A子 という人が道・水路境界確定申請書の現地立会日である平成10年8月27日以前の平成10年7月15日に死亡しているため、この道・水路境界確定申請書及び境界確定書のA子の署名押印は偽造された可能性があると聞きましたが、私自身にはこのA子さんがこの現地立会日に立ち会っていたかどうか覚えがありません。
 しかし、この境界確定の手続きの流れから考えて現地立会日以前に死亡している人が道・水路境界確定申請書の立会人署名欄に名前を書いたり、境界確定書の隣接土地所有者欄に住所氏名を書いたり押印できるはずがないので偽造されたのは間違いないと思います。
6 今話したとおり、黛玄八郎は、現地立会終了後、確かに有限会社野中開発測量の野中社長に、道・水路境界確定申請書を渡していることに間違いありません。
 また、この申請書に加え、それに基づく立会・協議の結果、合意したことの結果を示す境界確定書についても野中開発測量の野中社長かその従業員かその従業員から提出されていることに間違いありません。
7 最後に、境界確定の事務について更に説明します。
 まず、境界確定申請書についてですが、この申請書の様式を見ますと、「私の所有する土地と公共用財産との境界について・・・・」とあり、市道等の公共用地に隣接する土地所有者が申請することが想定されております。
 ですから、開発等に伴い土地所有者以外が申請することについては、事務要領等が決まっておらず、市の運用として、この様式を代用しているものです。
 申請書には、隣接土地所有者一覧表が添付されますが、ここで言う隣接土地所有者とは、通常、申請者たる公共用地の隣接土地所有者の土地と公共用地に隣接する者をいい、道路で言えば、申請にかかる境界確定の土地の両脇と反対側の土地所有者となります。
 そういったことで、その相手方との立会・協議が行われていないケースについて、黛玄八郎から引き継ぎ、私が担当していた時には、既に受理された申請書を、申請者を含め、第三者に渡すということはありませんでした。
 次に境界確定書についてですが、これについては立会・協議が行われた後、申請者から2部提出されることになっております。
 この確定書にも隣接土地所有者の欄がありますが、これについても通常で言えば、本来境界を確定すべき土地の周りに隣接した土地所有者が記載する欄になります。
 つまり、前段の申請に基づく立会・協議により、申請者たる土地所有者と安中市とが合意した境界について、その周囲に隣接する土地の所有者に了解を得るような意味合いのものになります。
 ですから、この書類については、申請に基づく市側と申請者の間での立会・協議が既に済んでいるということで、その結果を記載すべき境界確定書の作成を申請者に求めているものになります。
8 以上説明したとおりになりますが、今回の件について、まず境界確定申請書ですが、これについては申請者が土地所有者以外であっても、申請を受理した段階で公文書となります
 その後の立会で隣接土地所有者の署名を黛玄八郎が求めたことになります。
 これについては、当然当方の事務であって、本来、土地所有者でもない申請者に、その後の協議を託すというのは、筋違いではないかと思われますし、立会いをえられなければ、その旨を記録するのが正規の事務手続きと言えると思います
 なお、国有財産法やその規則などに立ち会えない場合の通知等も示されている以上、その手続きに則って行われなければならないということはいうまでもありません
 次に境界確定書についてですが、この書類については先にも説明したとおり、申請者たる隣接土地所有者と当方との立会いにより、協議した境界において、その周囲に隣接した土地所有者が合意するものとして、署名等を記載してもらったうえ、提出してもらうのが通常の携帯になりますが、このような開発の場合に関しては、土地所有者以外の申請者に対して、同様の書類の提出を求めることとなり、通常の形態とは異なったケースとなります。
 このような事務形態については、様式にそぐわない面があったにしろ、事務の取扱要領に規程がないことから、運用上、今回のケースのように処理しているのが実状です。
 以上説明したとおり、相違ありません。 吉田牧人 印
以上のとおり録取し、閲覧させたところ誤りのないことを申し立て署名押印した。
 前月日  群馬県安中警察署 司法警察員警部補 ○○○○ 印

**********

■吉田係長は、上司の「土木課の黛さん」の事務のやり方は、土地所有者でもない申請者に、その後の協議と書類を全部渡して丸投げするのは、筋違いであり、正規の事務手続きではない、と供述しています。また、境界確定にかかる申請書は、申請者が土地所有者以外であっても、申請を受理した段階で公文書となります。

 実は当会では、当初は有印公文書偽造として告発しようとしましたが、今から思えば、警察は時効の短い有印私文書偽造にするよう当会を誘導したのでした。この文書偽造事件は、実は公文書偽造であり、私文書偽造よりも遥に重大な犯罪だったのです。しかも、境界立会いをした書類を、立会した隣接地権者に、写しも配布せず、すべて業者と安中市土木課だけで、隠し持っていたのです。

 だから、警察が、証拠物件として、境界確定申請書や境界確定書の原本を提出するよう、安中市役所に要請したとき、安中市役所は警察に対して強く抵抗したのです。

 こうした一連の役所の対応を見るにつけ、やはり安中市土地開発公社51億円事件は起こるべくして起きたのであり、事件の真相を明らかにしまいまま、幕引きをしたため、元職員のタゴの二代目、三代目が、市役所に相変わらず巣食っているのです。タゴは土地開発公社職員として、土地ころがしを自由自在にやり、その手口は嘱託登記といって、役所が法務局に手続きする場合には、一般市民と異なり、添付書類は要求されず、偽造書類を作り放題だったのです。タゴ事件で培われた安中市役所の組織的犯罪体質にメスを入れられなかったことにより、特定業者との癒着に腐心する安中市の体質が受け継がれているのが実態です。

■きちんと供述調書で、上司の「黛さん」の筋違いな仕事ぶりを指摘した吉田係長のような、まともな判断のできる職員がいることが唯一の救いです。しかし、職員採用にコネがまかり通る安中市役所では、こうした職員は出世から遠ざけられ、悪の枢軸に組み込まれたイエスマンの職員が、抜擢されているのが気になります。とりわけ、岡田市長は、市議時代を含め、30年以上の政治的を持っており、職員人事では絶大な影響力を持っています。

 したがって、例えば、息子を市役所の職員に入れている区長などは、いってみれば息子を人質に取られているような状況にあるわけで、岡田市長のいうことを聞いたほうが、結局はメリットがあると、自分を納得させるわけです。その区長に、同意書を勝手に書かせて、ゴルフ場、サンパイ場や、東京ガス高圧導管を自由自在に誘致してきたのが、安中市の歴代首長の手口なのです。

 また安中市役所では、定年退職する幹部クラスの子弟が、数多く職員に採用されています。どこかで聞いたような苗字、あるいはどこかで見たことのあるような風貌の職員がいつのまにか、出世して、市役所内を跋扈しています。この負のスパイラル、あるいは悪の枢軸を根本から改革しないかぎり、第二、第三のタゴ事件、サイボウ事件が起こり得るでしょう。願わくば、一人でも多くの職員が、安中市役所という大変な組織の中に蔓延る、そうした悪の枢軸に染まらないように、是々非々で業務を続けて、違法行為を目にしたら、どしどし市民オンブズマン群馬に告発していただき、不祥事件の再発防止に目を光らせていてほしいものです。

【岩野谷の水と緑を守る会】

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行政と業者の癒着例・サイボウごみ処分場その5(安中市の関与)

2009-01-29 01:08:54 | 全国のサンパイ業者が注目!

■この文書偽造事件では、測量会社の社長が、しきりに「市土木課の黛さん」と供述していました。刑事記録によりますと、行政関係者として安中市の職員2名が警察の事情聴取を受けました。 本来であれば、サイボウや測量会社と一緒に境界立会いをして、その結果、虚偽の申請書を受理して、許可を与えたわけですから共犯もしくは幇助と言われても仕方が無いわけで、安中市職員のさらに上司や幹部にも事情聴取をしなければいけないところですが、どういうわけか警察は担当職員だけを事情聴取の対象としました。

 この事件では、平成10年7月に物故した母を持つ住民が、その後自宅の敷地に測量杭が何度も打たれるのを疑問に思って、平成14年前半に安中市の土木課に行き、窓口の職員にその原因をたずねた所、見せられた書類のなかに、境界確定書があり、そのなかに自分の母親の署名と押印があったのを見つけた直後、たまたま通りがかった土木課の上役がその書類をみて「これは見せられない書類だ」といって、慌てて引っ込めたのを不審に思ったことが、文書偽造の発覚に繋がったものです。


■注目されるのは、測量会社社長の供述に「平成10年2月頃、埼玉県熊谷市内の株式会社熊谷組北関東支店で、サイボウ社長ら関係者が集まり、サイボウ環境が計画する一般廃棄物の最終処分場への搬入道路とする、安中市大谷地内及び同市野殿地内にある安中市道の拡幅改修工事について打合せが行われ、その後も何回か打合せした結果、道路設計、安中市道に隣接する土地の分筆登記関係、測量業務等が決められた」ことです。この時点で、既に、ごみ処分場への進入道路については安中市道を拡幅改修する方針が関係者の間で決められていたのでした。

 当然、安中市幹部をはじめ、市土木課の管理職クラスも上から知らされていたに違いありません。当会が、サイボウ処分場設置は、行政と業者の癒着の賜物だと主張してきた理由はここにもあります。もちろんこれは安中市土地開発公社を舞台にした元職員のタゴによる51億円巨悪詐欺横領事件を起こした安中市役所の体質に起因するものです。

さて、文書偽造のあった境界確定業務に直接携わった安中市土木課2名の職員のうち、起訴された測量会社の社長が「市土木課の黛さん」と呼んでいた職員は、次のように警察に供述しました。

**********
【「市土木課黛さん」の供述】
住居 ■■■■■
職業 ■■■■
氏名 黛玄八郎 ■■■■
<上記の者は、平成15年6月19日、安中市安中上間仁田951番地ふるさと学習館において、本職に対し、任意次のとおり供述した。>
1 ■■■■■■(2行) それ以前は安中市建設部土木課庶務係主査として勤務しておりました。
 只今、私がこの安中市建設部土木課庶務係として勤務していた時に担当した、平成10年8月19日付の申請書、サイボウ環境株式会社代表取締役結城文夫、有限会社野中開発測量代表取締役野中渡、による道・水路境界確定申請書に基づいて実施した、安中市道と安中市大字大谷字西谷津1907及び同市大字野殿字大田2178-1他48筆との境界確定に関する業務について尋ねられたので、これからその時の状況などについて話します。
2 最初に私の安中市役所での経歴や当時私が担当していた境界確定業務などについて話します。
■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■ 平成6年4月から、建設部土木課庶務係勤務■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■(2行) して現在に至っております。
 次に境界確定業務について説明します。
 この境界確定業務は、当時、国有財産法及び群馬県の規定に基づき、建設省所管国有財産部局長群馬県知事の委任を受けた安中市長の業務として当市役所建設部庶務係が担当しておりました。
 そのため、私は当市役所建設部土木課庶務係となった平成6年4月から安中市道に係わる境界確定業務に従事し、さらに平成9年4月1日に県の規則が変わって境界確定書の作成業務が加わった後も群馬県土木部用地課が作成した、市町村長への委任に係わる建設省所管公共用財産境界確定等に関する事務取扱要領(準則)、市町村長への委任に係わる建設省所管公共用財産境界確定等に関する事務の方針、に基づき、お尋ねの平成10年度中の境界確定業務は、私と部下の建設部土木課庶務係主事 吉田牧人 ■■■■■が担当し、年間約200件位、1日約1件位を処理しておりました。
 この境界確定の種別は、土地所有者が申請者となり、所有する土地について、用途廃止、建築、工作物設置、地積更正・地図訂正、分筆、その他の理由により、
・その土地とそれに隣接する安中市道などとの境界を確定しようとするもの
・安中市が申請者となり、安中市道などについて拡幅、改修などの理由により、その市道などとそれに隣接する土地との境界を選定しようとするもの
・安中市の運用として大規模開発などで業者が申請者となって買収などを前提に工事予定地内の安中市道などとそれに隣接する土地との境界を確定しようとするもの
があり、今回お尋ねの平成10年8月19日付のサイボウ環境株式会社及び有限会社野中開発測量からの道・水路境界確定申請書に基づいて実施した境界確定業務はこの3番目の種別に当たります。
3 それではお尋ねのサイボウ環境株式会社及び有限会社野中開発測量が申請した境界確定業務の状況などについて話します。
 その前に5年近く前のことなので当時の資料があったら見せてください。
<このとき本職は、当署の捜査関係事項照会書に基づき、平成15年4月9日付で安中市長から回答を受けた、「捜査関係事項照会書の回答について」と題する回答書に添付されている復命書の写し1通、但し、平成11年5月31日付、作成者黛玄八郎並びに吉田牧人のもの。道・水路境界確定申請書の写し1部、但し、平成10年8月19日付、申請者サイボウ環境株式会社並びに有限会社野中開発測量のもの。境界確定書の写し1部、但し、平成11年6月3日付、申請者サイボウ環境株式会社のもの。及び、同様に同年6月9日付で安中市長から回答を受けた、「捜査関係事項照会書の回答について」と題する回答書に添付されている「公共用財産境界確定台帳の写し2枚」を供述人に示して次のとおり説明を受けると共に、同各写しの所要部写し本調書末尾に添付することとした。>
 只今見せて貰った平成11年5月31日付の復命書が私と吉田牧人の名前になっているうえ、平成10年8月19日付の申請書、サイボウ環境株式会社代表取締役結城文夫、有限会社野中開発測量代表取締役野中渡による道・水路境界確定申請書及び境界確定書などの書類も見覚えがあることから、当時、この書類に関する境界確定業務を私と吉田牧人が担当したことは間違いありません。
 この境界確定業務は、サイボウ環境株式会社がその当時、群馬県に設置許可を申請していた群馬県安中市大谷字西谷津地内の一般廃棄物最終処分場への進入道路としようと安中市大谷地内及び同市野殿地内の安中市道を拡幅工事するため、買収を前提に工事予定地内の同市道とそれに隣接する土地との境界を確定したい、ということで申請されたものと覚えております。
 それでは只今見せてもらった書類を確認しながら、当時、私どもが実施した境界確定業務の状況について話します。
 最初に道・水路境界確定申請書を見ると、申請日が、平成10年8月19日。申請者が、サイボウ環境株式会社 代表取締役 結城文夫、有限会社野中開発測量 代表取締役 野中渡。土地の表示が、安中市大谷字西谷津1907 畑 984㎡、安中市野殿字大田178-1 田 1891㎡他48筆。現地立会日時が、平成10年8月27日(木)午前9時30分から。申請理由が、分筆・その他(市道拡幅及び改修)。受付印が、平成10年5月20日、などと記載されております。
 この記載内容から、当時、まず最初に、この申請書の日付より前に有限会社野中開発測量の従業員の誰かが私ども土木課の窓口に来て私が応対し、その場で現地立会日時について相談し、「平成10年8月27日(木)午前9時30分から」と決めたと思います。
 この時、有限会社野中開発測量の従業員がこの境界確定申請に必要である道・水路境界確定申請書及び境界確定書の様式書類を持って行ったかどうかは私には判りません。
 というのは、この様式書類は、土木課窓口で希望により交付しておりますし、境界確定を何度も申請している業者などはワープロやパソコンにこの様式書類を入力して持っているので申請するたびに土木課窓口で貰う必要がないからです。
 次に有限会社野中開発測量の従業員の誰かが道・水路境界確定申請書に必要事項を記載して土木課窓口に提出し、私が受理しております。
 今見せて貰っている道・水路境界確定申請書を確認すると受付印の日付が「平成10年5月20日」となっていますが、これは私が間違って押したもので、正しい日付は「平成10年8月20日」となります。
 その理由は、受付印は申請日かその翌日の夕方に押しているため、受付日が書類の日付である平成10年8月19日よりも3ヶ月前になることは考えられない上、今見せて貰っている公共用財産境界確定台帳は、当時私が申請を受理した直後に、今は残っていませんが自分用のノートに「申請者住所氏名・申請所在地・受理日・立会日など」を記録し、それを基に10日から1ヶ月位後にまとめて転記したもので、この公共用財産境界確定台帳の受理日が「8月20日」になっていることから、この申請書の受付印の日付は平成10年8月20日が正しいと判ります。
4 それでは、この道・水路境界確定申請書に基づいて境界確認を実施した現地立会日の状況について話します。
 私は、道・水路境界確定申請書の現地立会日時のとおり、平成10年8月27日午前9時30分ころに部下の吉田牧人と2人でこの境界確認のスタート場所に当たる主要地方道前橋・安中・富岡線から東に少し入った鶴牧橋の近くに行き、その場所で有限会社野中開発測量の野中社長とその従業員数名、隣接土地所有者など数名と合流したのです。
 この時、私は受理した道・水路境界確定申請書を市役所から持参し、現地には既に野中社長側で法務局の公図を基に測量して安中市道とその隣接土地との境界点に仮杭が差してありました。
 そのため、私と吉田牧人の2人は、この申請書に添付されている図面のとおり、安中市野殿字大田2178番地1の田をスタートし、市道に沿って順番に各隣接土地ごとに隣接土地所有者と立ち会う形で野中社長の境界に関する説明を聞きながら各仮杭の位置を確認して行ったのです。
 この各隣接土地ごとの境界点の確認が終わる度に、私は持参した道・水路境界確定申請書に添付されている隣接土地所有者一覧表の全て空欄となっている立会人証明欄に立ち会った証明として書く隣接土地の所有者またはその代理人などから名前を書いて貰っておりました。
 しかし、本来この境界確認には20人位の隣接土地所有者かその代理人などの立会が必要ですが、実際には仕事の都合などで立ち会いを欠席した者が何人かいたため、私はこの境界確認が終了した時点で、有限会社野中開発測量の野中社長だったと思いますが「後で今日欠席した隣接土地所有者全員に境界を確認させ、この申請書の立会人証明欄に名前を書いて貰い、私の所に持って来てください。」と頼み、持っていた道・水路境界確定申請書を渡したのです。
 この道・水路境界確定申請書については、今見せていただいた復命書の日付が平成11年5月31日付となっており、さらに同復命書の一番下に私が隣接関係者立会署名を貰うのに時間を要した為、書類提出が遅れる。と記載していることから、平成11年5月31日に有限会社野中開発測量の従業員の誰かだと思いますが、私が預けたこの申請書を当市役所建設部土木課に持参し、私が内容を確認して受け取り、その日の内に私が復命書を作成して決済に上げております。
 なお、この申請書の立会人証明欄に記載された隣接土地所有者のうち、誰が現地立会日に出席したり欠席したのかは今となっては判りません。
<この時本職は、供述人と次の通り問答した。問「貴方が現地立会費に有限会社野中開発測量の野中社長だと思う者に現地立会を欠席した隣接土地所有者に後日境界を確認させて立会人証明欄に名前を貰うように指示して道・水路境界確定申請書を渡した理由は何ですか。」答「はい。本来、道・水路境界確定申請書の立会人証明欄の署名は現地立会日に隣接土地所有者又はその代理人などが立ち会った証明に記載して貰うもので、隣接土地所有者または代理人などが欠席した場合は空欄とすればよいことです。しかし私は自分の判断で、この申請書の立会人証明欄に隣接土地所有者またはその代理人の名前がないと後で紛議の基になると心配し、現地立会日に欠席した隣接土地所有者または代理人などに現地立会日後でも境界を確認させてこの申請書の立会人証明欄に署名を貰った方が良いと考えておりました。そのため私が境界確定業務を担当していた間は、現地立ち会いに欠席した隣接土地所有者または代理人などがいる場合は、現場立会終了後に申請書を預けて欠席した隣接土地所有者または代理人などに後日でも境界を確認させて立会人証明欄に署名を貰って来るように指示しておりました。」>
5 次に境界確定書を見ながら当時この確定書を受理した状況などについて話します。
 この境界確定書を見ると、立会年月日が、平成10年8月27日。協議が成立した日が、平成11年5月31日。日付が、平成11年6月3日。申請者が、サイボウ環境株式会社代表取締役結城文夫。受付印が、平成11年6月3日、などとなっていることから、この境界確定書は平成11年6月3日に有限会社野中開発測量の従業員だったと思いますが当市役所建設部土木課窓口に2部出したので私が受理しております。
 この受理した境界確定書2部については、私が書類内容や確定図などを確認した後、この境界確定書の隣接土地所有者欄に住所氏名を記載して押印した者は、野中開発測量が法務局の公図を基に測量した安中市道とそれに隣接する所有氏の境界点について協議して合意した、と判断し、2部それぞれに「土木課安中市長之印専用」という角印を押印して境界確定書を完成させ、境界が確定した証明として1部を、当市役所建設部土木課備え付けて保管。1部を、有限会社野中開発測量の従業員に交付、しております。
 只今、この道・水路境界確定申請書及び境界確定書に記載された隣接土地所有者の1人である「安中市大谷××××-× A子」という人が道・水路境界確定申請書の現地立会日である平成10年8月27日以前の平成10年7月15日に死亡しているため、この道・水路境界確定申請書及び境界確定書のA子の署名押印は偽造された可能性があると聞きました。
 私としても、この境界確定の手続きの流れから考えて道・水路境界確定申請書の立会人署名欄や境界確定書の隣接土地所有者欄に既に死亡しているA子さんの住所氏名を書いたり押印出来るはずがないので偽造されたことは間違いないと思います。
 しかし、私としてはこの道・水路境界確定申請書や境界確定書の提出を受けた当時は、野中社長などが隣接土地所有者や代理人などに対し、安中市道との境界について納得して貰ったうえで本人から署名押印を貰ったものと信用して受理しておりました。(注:土木課の上司までもがウラ事情を訳知りなのに・・・)
6 以上話したとおり、この道・水路境界確定申請書は私が受理した時点で安中市の公文書となり、境界確定書も受理されて市長印が押された時点で同じく公文書となる書類であるうえ、隣接土地所有者の権利に関する書類であることから、これを偽造した犯人は絶対に許せないので警察でよく調べて厳しく処罰して欲しいと思います。  黛玄八郎 印
以上のとおり録取して閲覧させたところ誤りのないことを申し立て署名押印した。
 前同日 群馬県安中警察署に応援派遣された群馬県警察本部刑事部捜査第二課 司法警察員警部補 ○○○○

【捜査関係事項照会書】
安 刑事 第115号照会
様式第48号8(刑訴第197条)
捜 査 関 係 事 項 照 会 書
平成15年4月9日
安 中 市 長  殿
群馬県安中警察署長 司法警察員 警視 ○○○㊞
 捜査のため必要があるので、下記事項につき至急回答願いたく、刑事訴訟法第197条第2項によって照会します。
   記
照会事項
土地 群馬県安中市大谷西谷津1907番地他の境界確定につき、貴庁保管の下記書類の写し一式を交付願います。
   記
1  サイボウ環境株式会社申請に係る、「道・水路境界確定申請書」
2  平成11年6月3日付の「境界確定書」
以上は謄本である
 平成15.4.9 群馬県安中警察署に応援派遣された群馬県警察本部刑事部捜査第二課 司法警察員巡査  ○○○○㊞
【照会警察署の所在地】〒379-01 群馬県安中市原市707番地2 安中警察署刑事課
【担当者氏名】捜査二課 ○○○○(電話 027-381-0110)

【復命書】
(様式第3号)課長・高橋 係長・吉田 係― 供覧―
復 命 書
建設省所管国有財産部局長
群馬県知事受任者 安中市長 中 島 博 範  様
 平成10年8月27日公共用財産境界確定のため現地立会を実施したところ、その結果は、次のとおりです。
平成11年5月31日(←立会日から9ヶ月以上後に復命書を出している!)
   主 査 職  氏 名  黛 玄八郎㊞
       職  氏 名  吉田 牧人㊞
立会い結果(いずれかに○をつける)
 ① 合 意   2 保 留   3 不 調   4 取 下
(理 由)
 道、水路幅員は公図どおり確保されております。
 区域内に一部コクド調査の成果に誤りが認められ、地図訂正及び地積更正の事務処理手続きが遅れる.
 隣接関係者立会署名を貰うのに時間を要した為、書類提出が遅れる.

【道・水路境界確定申請書】
(様式第1号)
道・水路境界確定申請書
平成10年8月19日
建設省所管国有財産部局長群馬県知事
受任者 安中市長 中島博範  様
申請者 住 所 安中市大谷229-1
    サイボウ環境株式会社 (丸印)
氏 名 代表取締役 結城文夫
(連絡先 TEL 381-2709)
申請者 住 所 〒高崎市中居町二丁目3番地24
    有限会社 野中測量 (角印)
氏 名 代表取締役 野中 渡
(連絡先 TEL 352-2030)
 私(当社)の所有する下記の土地と公共用財産との境界について確認くださるよう申請します。
   記
1 土地の表示
 都市・安中市 町村― 大字・大谷 字・西谷津 地番・1807 地目・畑 公簿面積・984㎡
 都市・〃 町村― 大字・野殿 字・大田  地番・2178-1 地目・田 公簿面積・1391㎡ 他48筆
2 現地立会日時(申請者は記入しない)
 平成10年8月27日(木)午前9.30時から
3 申請理由(いずれかに○を)
 ア 用途廃止  イ 建築のため  ウ 工作物設置  エ 地積更正・地図訂正
 オ←○ 分筆  カ←○ その他 分筆 その他(市道拡幅及び改修)分筆
添付書類
登記簿謄本(写) (又は売買契約書の写)・案内図・公図の写し・隣接土地所有者一覧表(様式第2号)・受任者が必要とする書類
   認定道 370            5・20
   境界杭については、境界確定度工事終了時に建植
受付印(受付No.- 10.5.20 安中市土木課)
※この受付丸版印に重ねて5/9/10らしき手書きの数字あり

【隣接土地所有者一覧表】
(様式第2号)隣接土地所有者一覧表 (省略)
(様式第4号)

【境界確定書】
 建設省所管国有財産部局長群馬県知事 受任者安中市長 と申請者 及び 隣接土地所有者 とは、公共用財産との境界に関し協議を行い、別添確定図に表示された境界未線を確認し合意したので、本署を作成し各自署名押印のうえ提出いたします。
 なお、本書は建設省所管国有財産部局長群馬県知事受任者安中市長及び申請者が保有する。
1 土地の所在及び地目
土地の所在
 (市町村) (町) (丁目・字) 番地先
 安中市大谷字西谷津1907 安中市野殿字大田2178-1  他48筆
種類
 ア←○ 道 路   イ 水 路   ウ その他(        )
2 立会年月日 平成10年 8月27日
3 協議が成立した日 平成11年 5月31日
4 協議が成立した日 別添確定図のとおり
5 添付図面 確定図・受任者が必要とするもの
  平成11年6月3日
申請者(土地所有者)
・・・(空欄)・・・ 番地所有者 住所 安中市大谷229-1
                   サイボウ環境株式会社(丸印)
                氏名 代表取締役 結城文夫 印
隣接土地所有者
西谷津1899-1番地所有者    住所 ■■■■■■■
                     ■■■■■■■
                     ■■■■■■■ 印
西谷津1906,1907番地所有者 住所 ■■■■■■■
                     ■■■■■■■
                     ■■■■■■■ 印
西谷津1809番地所有者      住所 ■■■■■■■
                     ■■■■■■■
                     ■■■■■■■ 印
受付印(受付No.- 11.6.3 安中市土木課)
     建設省所管国有財産部局長
     群馬県知事受任者 安中市長 中島博範 印 (土木課 安中市長之印 専用)

【捜査関係事項照会書】
安 刑事 第172号照会
様式第48号8(刑訴第197条)
捜 査 関 係 事 項 照 会 書
平成15年6月9日
安中市長 殿
群馬県安中警察署長 司法警察員 警視 ○○○ 印
 捜査のため必要があるので、下記事項につき至急回答願いたく、刑事訴訟法第197条第2項によって照会します。
   記
照会事項
貴役所保管の下記申請に係る公共財産境界確定台帳の写しを交付願います。
 1 受付日
   平成10年5月20日
 2 申請者
   サイボウ環境株式会社・有限会社野中開発測量
 3 土地の表示
   安中市大字西谷津1907及び、安中市大字野殿字大田2178-1 他48筆
 4 現地立会日時
   平成10年8月27日  午前9時30分
【照会警察署の所在地】〒379-01群馬県安中市原市707番地2 安中警察署刑事課
【担当者氏名】捜二 ○○○○(電話 027-381-0110)
A027172
以上は謄本である
 平成15.6.9 群馬県安中警察署に応援派遣された群馬県警察本部刑事部捜査第二課 司法警察員巡査  ○○○○ 印

【安中市からの捜査関係事項照会書への回答書】
平成15年 6月10日
群馬県安中警察署長
司法警察員 警視 ○○○ 殿
   回答者 安中市長 中島博範(土木課安中市長之印専用、角印)
捜査関係事項照会書の回答について
 平成15年 6月 9日付捜査関係事項照会書(安刑第172号)について
下記のとおり回答します。
   記
1 回答
照会のあった受付日では、別紙1のとおり該当ありません。
公共用財産境界確定台帳の平成10年8月20日受付に本照会の「申請者・土地表示・現地立会日時」と同様の受付記載があるので、別紙2のとおり同部分の写しを添付します。

【公共財産境界確定台帳】(内容略)
**********

■このように安中市職員2名のうち、実際には吉田係長の上司の黛主査が主体となって本件の手続きを行なっていることがわかります。黛主査の供述から、サイボウから委託を受けた測量会社が偽造したといわれる境界確定申請手続の書類が、市役所でも極めてズサンな取扱をされていることがわかります。受付印のスタンプの日付けを3ヶ月間違ったとか、立会いを行なって、当日欠席した隣接地権者の署名押印を取るために、そっくりサイボウに書類を渡して、9ヶ月以上もそのままにするなど、明らかにサイボウが偽造書類を準備するための便宜を図っているとしか思えません。ですが、警察は「黛さん」やその上司、幹部らをこれ以上追及することはしませんでした。

【岩野谷の水と緑を守る会】


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行政と業者の癒着例・サイボウごみ処分場その4(身代り戦術)

2009-01-28 02:02:03 | 全国のサンパイ業者が注目!
■刑事捜査がどのように行なわれ、本件の関係者が、警察の捜査に対してどのような対応をしたのか、一応確認しておく必要があるため、この事件を告発した住民らは、野中測量社長に係る有印私文書偽造・同行使事実(事件番号平成15年検第786号)について、刑事訴訟法第53条及び刑事確定訴訟記録法第4条により平成18年8月18日、19日及び9月20日、22日、26日の5日間、刑事確定記録(平成16年(わ)第116号)を前橋地検高崎支部で閲覧しました。
 刑事裁判は公開の場で行なわれるので、原則として刑事事件の確定記録は、誰でも閲覧できるのですが、実際には、検察庁は、いろいろな理由をつけて、閲覧させてくれません。今回は、当会が証拠とともに告発状を提出して、それが端緒となり、立件できたことから、まったく文句なしに閲覧させてもらえると思いきや、告発人からの閲覧申請に対して、地検は、3ヶ月以上も保留扱いにして、その間に、大変な労力をかけて刑事記録の内容を吟味し、閲覧させたくない箇所を細かく黒塗りしました。なにか都合の悪いことが刑事記録の中にいろいろ書いてあったのかもしれませんが、閲覧できた記録からは、何を隠し、何を開示したのかはわかりませんでした。それでも、境界確定書の偽造と行使に関して、開示された刑事記録の閲覧で、いくつか重大なことが分かりました。

■サイボウの社長の身代わりとなった形ですが、有罪判決とはいえ、幸いにも執行猶予付きの判決を受けた測量会社の社長は、次のように事件の内容を供述していたのです。


**********
【測量会社社長の供述内容】
本籍 ■■■■
住居 ■■■■■
職業 会社役員(有限会社野中開発測量代表取締役)
氏名 野中渡(70歳)
<上記の者に対する、有印私文書偽造・同行使被疑事件につき、平成15年7月7日、群馬県安中警察署において、本職は、あらかじめ被疑者に対し、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げて取り調べたところ、任意次のとおり供述した。>
1 私は、有限会社野中開発測量の代表取締役として勤務している者です。
 私共会社がサイボウ環境株式会社から請け負った安中市大谷地内及び同市野殿地内にある安中市道とその隣接地との境界確定業務に関し、平成11年5月ころ、安中市役所建設部土木課に提出する「道・水路境界確定申請書1通及び境界確定書1通」につき、私が依頼して、私の長女のX子が、A子、私の次女Y子が、M子、私共会社従業員のZ男が、I男、の各住所氏名を記入させたうえ、私が各印鑑を押して同申請書及び同確定書の偽造を完成し、その後この偽造書類を私が安中市役所建設部に持参したことは間違いないので、これからこの偽造した状況などについて話します。
 なお、今後は、有限会社野中開発測量を「当社」、サイボウ環境株式会社を「サイボウ環境」、安中市役所建設部土木課を「市土木課」と呼んで話します。
2 最初に当社の会社概要などについて話します。
 当社は、私が代表取締役として昭和43年12月、高崎市○○○町××××番地所在において有限会社三建産業調査事務所を設立。昭和45年6月、名称を有限会社野中開発測量事務所に変更。昭和59年8月、名称を有限会社野中開発測量に変更すると共に、所在地を高崎市○○○町×××番地×に変更。昭和61年10月、所在地を高崎市○○町×丁目×番地××に変更し、業務目的については会社設立当時は各種測量並びに設計製図、土地家屋の調査並びに此に付随する業務、土木建築工事の設計並びに施工管理などだったのですが、平成5年3月に各種測量並びに設計製図業務、土木工事、建築工事の企画、設計、管理及びコンサルタント業務一般、産業廃棄物処理に関する企画、立案、設計及びコンサルタント業務、環境影響調査の請負業務、不動産の売買、交換、賃貸借等の仲介業務、前各号に附帯関連する一切の業務、に変更して現在に至っており、具体的な業務内容は
ゴルフ場計画に伴う測量・設計業務、産業廃棄物及び一般廃棄物の最終処分場計画に伴う測量・設計・許認可関係などの業務、大規模な宅地開発計画に伴う測量・設計・許認可関係などの業務、というものです。
 当社の役員は、設立当時から役員変更を何回かした結果、今回の事件当時を含め現在は、代表取締役が「私」、取締役が「私の長女であるX子」、取締役が「IY」となっておりますが、取締役のX子とIYは登記簿上の名義だけで、実際には取締役としての職務はしておりません。
 また当社の従業員等については、設立当時は私以下3名だったのが、その後昭和45年ころから昭和55年ころをピークに業績を伸ばし、昭和59年8月に有限会社野中開発測量に名称変更した当時は私以下10名位となったのですが、平成7年ころから県の規制強化によりゴルフ場開発が減少したため業績が低下し、さらに平成9年秋頃に当社にサイボウ環境の一般廃棄物最終処分場施設の測量や設計などを発注してくれた埼玉県上尾市にある、株式会社廃水クリニックが不渡りを出して当社に対する代金未納のまま倒産し、その影響も重なって経営が悪化したため、平成9年8月ころに残っていた従業員である多野郡吉井町に住んでいた■■■■、高崎市片岡町に住んでいた■■■■、高崎市島野町に住んでいた■■■■、渋川市上郷に住んでいた■■■■を解雇し、実質的には私1人となったのです。
 そのため、その後は私自身も一時仕事を休んでいた時期もあったのですが、平成10年2月ころから再びサイボウ環境の一般廃棄物最終処分場計画に関連した仕事を請け負うようになったため、仕事の内容により、アルバイトとして■■■■を頼んで手伝って貰ったり、私の長女X子(昭和41年×月×日生)に事務的な仕事を手伝って貰ったり、平成10年10月ころから平成12年12月ころまで高崎市貝沢町に住むZ男(昭和41年×月×日生)を従業員として雇い、その後も仕事内容によりアルバイトとして手伝って貰ったりして現在に至っているのです。
 なお、当社は昭和61年10月ころに高崎市○○町×丁目×番地××に、鉄筋コンクリート造り3階建て、総床面積約120坪の建物を建設し、今回、私が道・水路境界確定申請書及び境界確定書を偽造した平成11年春ころは、1階部分を、貸事務所、2階部分を、当社事務所、3階部分を、居室として使用しておりました。
3 次に今回、私達が偽造した道・水路境界確定申請書及び境界確定書に関する境界確定という手続きについて簡単に説明します。
 この境界確定というのは国有財産法の規定から国有財産である安中市道の維持保存などのため、安中市道に隣接する土地を分筆などする場合、公図を基にして現地に測量して復元した安中市道と隣接地との境界点の位置を安中市・申請者・隣接土地所有者の3者が立ち会って確認したうえ、その同意を得て境界を確定する、という手続のことです。
 通常、この境界確定は、安中市道に隣接する土地所有者が申請者となり、その土地の安中市道に面する両側の土地所有者及び安中市道を挟んだ反対側の土地所有者が隣接土地所有者となるのですが、例外として大規模開発などで土地買収を前提にして業者が申請者となり、各土地所有者を隣接土地所有者として申請する場合があり、今回、私が偽造した書類はこの例外となる業者が申請者となった境界確定に関するものです。
 そのため、今回の境界確定に必要な手続は、市土木課に道・水路境界確定申請書を提出し、現地立会日を協議して決定する。隣接土地所有者に連絡し、現地立会日に立ち会ってもらって境界点の位置を確認する。隣接土地所有者が境界点の位置を合意した証明に境界確定書の隣接地所有者欄に住所氏名・印鑑を貰う。境界確定書を市土木課に提出受理され、境界点が確定する。という流れになります。
4 次に当社がサイボウ環境から仕事を請け負うようになった経緯について話します。
 私とサイボウ環境の代表取締役である埼玉県さいたま市に住む、結城文夫さん、現在65歳位は、埼玉県さいたま市に所在する、株式会社サイボウという消防資機材の製造販売などを業務とする会社の代表取締役をしており、今から20年位前に当社が結城文夫から、結城文夫さんの生まれ故郷である宮城県玉造郡岩出山町に計画したゴルフ場の測量及び設計を依頼されたことから関係が始まり、その後も私は結城社長が計画するゴルフ場や一般廃棄物の最終処分場の計画に参加して測量及び設計などを請け負っていたのです。
 その中で、平成5年頃から結城社長の話により、群馬県安中市字西谷津地内に一般廃棄物の最終処分場施設設置計画に基づき、サイボウ環境株式会社を設立して代表取締役となり、■■■■■■■という会社に委託して群馬県から設置許可を受けるための事前協議に入っている、などと聞いておりました。
 なお、このサイボウ環境という会社の実態は、結城社長が頻繁に群馬県に来て業務指示をしながら、実質的な現地取締役である安中市大谷に住む■■■■、安中市大谷に住む■■■■が中心となって計画予定地の買収交渉などの現地対策用に会社登記した会社で、会社所在地も■■■■の自宅となっていると聞いておりました。
 そして、平成7年ころ、結城社長の口利きだと思いますが、株式■■■■から連絡が入り、当社がこの最終処分場の施設本体に関する測量、設計、群馬県への設置許可を除く、開発許可や隣地開発・農地転用などの許可申請などを請け負うことになったのです。
 しかし、平成9年秋頃に株式会社廃水クリニックが不渡りを出して倒産し、当社も代金支払を受けられないまま仕事が一時中止になった影響から、当時の従業員4人を解雇して当社は業務停止に近い状態になってしまったのです。
 ところが、平成10年2月頃、結城社長から当社に連絡があり、私が埼玉県熊谷市内の株式会社熊谷組北関東支店に呼び出され、結城社長、■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■、■■■■■■■■■などと会い、サイボウ環境が計画する一般廃棄物の最終処分場への搬入道路とする、安中市大谷地内及び同市野殿地内にある安中市道の拡幅改修工事について打合せが行われ、その後も何回か打合せした結果、道路設計は、三守設計株式会社、安中市道に隣接する土地の分筆登記関係は、当社、安中市道に隣接する土地の買収関係は、サイボウ環境の取締役にもなっている■■■■■■■■■■■■■と不動産業■■■■■■■■■■■■■■■■■■が担当すると決まったのです。
 なお、私はこの打ち合わせの席上で■■■■から、隣接土地所有者の1人であるI男について、法務局などで調べたが、I男が何処にいるか、その子孫や土地の権利者が誰なのか全く判らないので、その土地を避けて道路を造るしかない、などと聞いたのです。
5 次に当社がサイボウ環境から請け負った安中市道に隣接する土地の分筆登記に必要な境界確定のため、私が安中市役所建設部土木課に道・水路境界確定申請書を申請した状況などについて話します。
 その前にこの境界確定に関する資料があったら見せてください。
<この時本職は、供述人に対し、本年7月1日付の高崎簡易裁判所裁判官園部直子の発した差押許可状により、同年7月1日に群馬県安中市安中1丁目21番32号安中市役所建設部土木課において差押えた、「道・水路境界確定申請書一式」但し、平成10年8月19日付、サイボウ環境株式会社代表取締役結城文夫、有限会社野中開発測量代表取締役野中渡申請に係るもの。「境界確定書一式」但し、平成11年6月3日のものを示すと共に、同申請書及び同確定書の所要部分の写しを本調書末尾に添付することとした。>
 只今、見せていただいた道・水路境界確定申請書の申請者がサイボウ環境の結城社長と私の名前になっておりますし、この申請書及び境界確定書の文字が私の字であることから、この申請書及び境界確定書が当社がサイボウ環境から請け負った安中市道に隣接する土地の分筆登記に必要な境界確定のため、私が安中市役所建設部土木課に提出した道・水路境界確定申請書と境界確定書に間違いないので、この書類を見ながら当時のこの申請状況や現地立会日の状況などについて話します。
 先ほど話した株式会社熊谷組北関東支店における関係者との打合わせ後、サイボウ環境の中嶋延里さんや白石定男さん及び松尾産業株式会社の角田社長などにより、三守測量株式会社が作成した安中市大谷地内及び同市野殿地内にある安中市道の拡幅改修工事に関する道路設計に基づいた同安中市道の隣接土地所有者に対する同市道拡幅部分の土地買収交渉が行われ、その進行状況を見てと思いますが、平成10年8月に入ってすぐに結城社長から当社に正式に境界確定に関する業務依頼があったのです。
 そのため、私は今見ているこの申請書一式にあるとおり、平成10年8月3日付で、サイボウ環境の結城社長から境界確定に関する委任状を貰った。同年8月10日、前橋地方法務局安中出張所で公図を転写して関係場所の図面を作成した。同年8月19日付の道・水路境界確定申請書を市土木課の黛さんに提出する。この時、黛さんと協議して現地立会日を平成10年8月27日午前9時30分からと決め、それをその場で私が同申請書の現地立会日時欄に記載したのです。
 この道・水路境界確定申請書には隣接土地所有者一覧表として境界確定する安中市道に隣接する土地の50筆21名の隣接土地所在地・地目・面積・所有者住所・所有者氏名又は名称が記載されておりますが、これは私が長女のX子に指示して前橋地方法務局安中出張所で調べさせた結果などを基に私が記載したものです。
 また、今見ている道・水路境界確定申請書の受付印は平成10年5月20日となっておりますが、私が同申請書を市土木課に提出したのは、この申請書の日付である同年8月19日以降ですから、この受付印は平成10年8月20日の押し間違いではないかと思います。
 この申請書を市土木課の黛さんに提出した後、私は白石定男さんから既に所在も分からず子孫や土地権利者も判らないと聞いていたI男さんを除く隣接土地所有者20名位に対し、「立ち会いのお願い。」という書面を郵送したり、電話や直接出向いて現地立会日時における立ち会いをお願いしたのです。
 しかし、その中で、A子さんは、私が現地立会日の幾日か前に立ち会いを頼む為に自宅を訪ねたところ、家の中に10人以上の人が集まっていたため、私は「現地立会日に声を掛けて立ち会って貰えばいいだろう」と考えて、声を掛けるのを遠慮した。M子さんは、私が東京都荒川区東日暮里×-××-× M子宛に「立ち会いのお願い。」という書面を郵送したのですが、幾日かして「受取人不明」で戻って来てしまったので、さらに結城社長に頼んでM子さんについて調べて貰ったのですが、結城社長からも調べたがM子さんの所在や連絡先などは判らなかった、などと返事をもらったもので、M子さんは連絡不能だと判った。S助さんは、私が現地立会日前に何回か立会いを頼みに言ったのですが、S助さんはサイボウ環境の最終処分場計画に反対らしく立ち会いを断られてしまったのです。
 また、私はこの隣接土地所有者に立ち会い連絡をする一方で、■■■■■■■■■■■■■■■をアルバイトとして頼んで、私が作成した公図の転写図面に基づいて測量し、境界確定場所に境界点の仮杭を打つ作業をさせており、この作業の中で、公図が間違っていた場所があり、確か現地立会日より少し前に確か■■■■■■■■■■■■■■■に境界点の仮杭の位置を確認してもらったように思います。
 なお、当社がサイボウ環境の結城社長との間でこの境界確定を含む分筆登記に関する 平成10年8月18日付の業務委託契約書 があり、本日持参したので参考にそのコピーを提出します。
<この時本職は、供述人が提出した 業務委託契約書の写し1通、但し、平成10年8月18日付のサイボウ環境株式会社と有限会社野中開発測量のもの、を本調書末尾に添付することとした。>
6 次に平成10年8月27日における現地立会日の状況などについて話します。
 今見せて貰っている道・水路境界確定申請書の現地立会日時欄に「平成10年8月27日午前9時30分から」と記載されているとおり、私はこの日時の5分位前に■■■■・結城社長と3人で、この境界確定の出発点である主要地方道前橋・安中・富岡線から若干東に入った鶴巻橋の近くに行き、そこで市土木課の、黛さん他1名、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■と合流したのです。
 そして、私達はこの申請書に添付されている図面のとおり、■■■さんが所有する、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■田をスタートに市道に沿って順番に各隣接地ごとに、私共と市土木課の黛さん及び各隣接土地所有者などの立会人がいればその立会人の3者が立ち会う中で、私が各隣接地ごとに「公図を基に私共で境界点を復元したところ、この仮杭の位置になりますがよろしいでしょうか。」などと説明しながら安中市道と各隣接地の境界である境界点の位置を確認して行ったのです。
 その中で、A子さんが所有する土地の番が来たので、私がA子さんの自宅に行って声を掛けたのですが誰も返事をしなかったので私は「A子さんは今は留守らしいから後で境界点を確認して貰えばいいだろう」と考え、市土木課の黛さんにA子さんが所有する土地と安中市道との境界点を確認して貰い、次の隣接地に移ったのです。
 この境界立ち会い作業は、この申請書にあるとおり、安中市野殿字大田2178番地1の田から安中市大谷字西谷津1907番地の畑他48筆の隣接地に関わる約7~800メートルの距離となりますが、隣接土地所有者など立会人20名位のうち約10名近くが立ち会う中で午前中いっぱいにはすべて終了したと思います。
 この作業が終了した際、私は市土木課の黛さんから私が市土木課に提出して受理されたこの申請書を「後で今日欠席した隣接土地所有者全員に境界を確認させ、この申請書の立会人証明欄に名前を書いて貰い、私の所に持って来てください。」などと言われて渡されたのです。
 この申請書の立会人証明欄は、本来、黛さんが現地立会日に立ち会った人からその場で立ち会った証明に署名して貰うものですが、仕事の都合などで立ち会えない人も多々いることから、安中市に限らず後日業者が隣接土地所有者を回ってこの申請書の立会人証明欄に署名を貰うことはけっして珍しいことではありませんでした。
 そのため、私はすぐにこの申請書を黛さんから預かり会社に持ち帰ったのですが、この時点でA子さん・M子さん・I男さん・■■■さんの立会人証明欄が空欄だったことは間違いありませんが、その他にも5~6人位の欄が空欄だったのではないかと思いますが、今となってはそれが誰だったのか判りません。
 この現地立会日後、私は三守測量株式会社が作成した安中市道の拡幅図面を基に各隣接地における分筆部分の求積図を作成し、各隣接土地所有者との間で分筆登記するための測量や境界確定などの作業を行い、その中で現地立会日に出席した隣接土地所有者の場合は、相手の合意を得て、市土木課に提出する境界確定書の隣接地所有者欄に住所氏名を書いて印鑑を押して貰う。現地立会日に欠席した隣接土地所有者の場合は、相手の承諾や了解を得て、黛さんから預かった道・水路境界確定申請書の立会人証明欄に氏名を書いて貰うのと一緒に市土木課に提出する境界確定書の隣接地所有者欄に住所氏名を書いて印鑑を押して貰う、という作業も合わせて行っておりました。
 しかし、この作業の中で、現地立会日に立会を断られたS助さんに、何度も道・水路境界確定申請書と境界確定書に署名してくれるように頼んだのですが断られるという問題もあり、結局、この作業が一通り終るのに平成11年2月か3月ころまで掛かってしまったのです。
 しかし、この時点で道・水路境界確定申請書の立会人証明欄と境界確定書の隣接地所有者欄に署名などをもらえない隣接土地所有者として、安中市大谷××××-×A子、東京都荒川区東日暮里×-××-×M子、安中市野殿××I男、■■■■■■■、■■■の4名分が残ってしまったのです。
7 次に私が当社がサイボウ環境から請け負った境界確定業務を完了するため市土木課に提出する道・水路境界確定申請書と境界確定書にA子他2名の住所氏名を書き、印鑑を押して偽造しようと決心した状況などについて話します。
 私は今話したとおり、平成11年2月か3月頃までには、サイボウ環境から請け負った安中市道に隣接する土地の分筆登記関係の仕事がほぼ完了に近づいたのですが、市土木課に提出しなければならない道・水路境界確定申請書と境界確定書にA子他3名の住所氏名などが貰えないことが判ったのです。
 私としては、本来、この道・水路境界確定申請書と境界確定書に全員の名前がもらえなかったとしても、その土地に関する境界点が確定できないだけと理解しておりますが、その当時の安中市役所が今と違い、サイボウ環境の一般廃棄物の最終処分場設置計画に対して中島市長が反対していたため、関係する各課担当者が神経をとがられていた雰囲気があったことから、私が、知り合いの結城社長が何億という資金を投資して計画しているサイボウ環境の一般廃棄物の最終処分場設置計画をスムーズに進行させるため、私が作成する書類で文句を付けられない様な完全なものにしたい。と考えており、今回の市土木課に提出する道・水路境界確定申請書と境界確定書についても同様に考えておりました。
 只今、私がこの申請書や境界確定書を私が市土木課に提出したのは、今見ているとおり、道・水路境界確定申請書を提出したのが復命書の日付から平成11年5月31日、境界確定書を提出したのが受付印の日付から平成11年6月3日、と説明を受けて判りました。
 この申請書や境界確定書を市土木課に提出する少し前ですから、平成11年ころと思いますが、私は、この申請書及び境界確定書は私が市土木課に提出して受理された後は同課で保管され、隣接土地所有者を始め一般人の目に触れる可能性はないうえ、A子は、安中市道の拡張に伴う土地の分筆がなく、1人暮らしの年寄りなので、勝手に道・水路境界確定申請書と境界確定書に住所氏名を書いたり印鑑を押して偽造しても大丈夫だろう。M子さんは、所在の判らない東京の人なので、安中市道の拡張に伴う土地の分筆がなく、勝手に道・水路境界確定申請書と境界確定書に住所氏名を書いたり印鑑を押して偽造しても大丈夫だろう。I男さんは、白石定男さんの話からその所在はもちろん、その子孫や土地の権利者が誰なのか全く判らないと聞いていたことから、安中市道の拡張に伴う土地の分筆がなく、勝手に道・水路境界確定申請書と境界確定書に住所氏名を書いたり印鑑を押して偽造しても大丈夫だろう。■■■■■■■は、サイボウ環境が計画する一般廃棄物の最終処分場設置計画に反対しているため、もし道・水路境界確定申請書と境界確定書に住所氏名を書いたり印鑑を押して偽造したのが判った場合、とんでもない騒ぎになる可能性がある、などと考えた末、私は、私の字は既に道・水路境界確定申請書と境界確定書の必要事項欄を記載しているので、娘2人や従業員のZ男に頼んでこの申請書と境界確定書の、A子・M子・I男の3名分だけ該当欄に住所氏名を書かせて印鑑を押せば、この書類を市土木課に提出しても誰も偽造だと気が付かない。と判断し、その様にして偽造することを決心したのです。
 なお、この偽造について私は、当社がサイボウ環境から請け負った分筆登記関係の中の境界確定業務を完了させるために自分で考えて決心したもので、結城社長はもちろんサイボウ環境の関係者と相談したり承諾を受けたということは一切ありません。(注:M子やI男については、結城社長も調査に関与しているのに、この供述はヘンだ?)
8 それでは、私が娘のX子とY子及び従業員だったZ男に頼み、道・水路境界確定申請書と境界確定書にA子他2名の住所氏名を書かせ、さらに私が各名前の後に各姓の印鑑を押して偽造を完成させ、その偽造した書類を私が市土木課の黛さんに提出した状況などについて話します。
 先程話したとおり、私は平成11年5月ころ、道・水路境界確定申請書と境界確定書の偽造を決心し、その後、1週間位の間に私は、まず最初に、私と3階住居に同居して当社の仕事を手伝っていた私の長女であるX子(昭和41年×月××日生 当時32歳)に対し、時間は覚えていませんが昼間、当社事務所内の事務机で事務仕事をしていた長女X子の所に、私が道・水路境界確定申請書と境界確定書を持って行き、X子に同申請書と境界確定書にあるA子さんの欄を差して「書いてくれ」と偽造を頼んだのです。
 この時、X子としては、書類に他人の住所や氏名を書くことは悪い事だということはもちろん、それまで当社の仕事を手伝う中で、この道・水路境界確定申請書と境界確定書の書類的意味やこの書類を安中市役所に提出するということは当然判っていたと思います。
 しかし、父親であり社長である私の頼みであることから私や当社のために私の依頼を承知し、X子はすぐに事務所内にあった黒色ボールペンを使って、道・水路境界確定申請書に添付されている隣接土地所有者一覧表の5名目で上から6番目の立会人証明欄に「A子」、境界確定書に添付されている隣接地所有者の1枚目で上から11番目の住所欄に「安中市大谷××××-×」、氏名欄に「A子」と記載してくれたので、その後、私が当社事務所の印鑑箱の中にあったものと思いますが、「○○」という印鑑をA子の印鑑に押し、次に、■■■■■■■■■■■■アパートに新居を持っている私の二女であるY子(昭和44年×月×日生 当時29歳)が時間は覚えていませんが昼間、3階の居室に子供を連れて遊びに来た時だったと思いますが、私が事務所から黒色ボールペンと道・水路境界確定申請書及び境界確定書を持って3階の居室に上がり、Y子に同申請書と境界確定書にあるM子さんの欄を差して「書いてくれ」と指示したのです。
 この時、Y子としては、書類に他人の名前を書くことは悪いことだと言うことは判っていたと思いますが、それまで当社の仕事を手伝ったことがないうえ、私も何も説明しなかったため、この道・水路境界確定申請書と境界確定書の意味はもちろん、この書類をどうするかということは判らなかったと思います。
 しかし、父親である私の頼みなので、私や当社のために私の頼みを承知し、二女Y子は3階自室のキッチンテーブルの上で私が持参した黒色ボールペンを使い、すぐに、道・水路境界確定申請書に添付されている隣接土地所有者一覧表の6枚目で上から5番目の立会人証明欄に「M子」、境界確定書に添付されている隣接地所有者の1枚目で上から14番目の住所欄に「荒川区東日暮里×-××-×」、氏名欄に「M子」と記載してくれたので、その後、私が当社事務所の印鑑箱の中にあったものと思いますが、「○○」という印鑑をM子の印欄に押し、次に、平成10年10月ころから勤務するようになった当社従業員であるZ男■■■■■■■■■■■■■■■■■■に対し、時間は覚えていませんが昼間、Z男が当社事務所内のパソコンの置いてある事務机で図面作成などの仕事をしているところに私が道・水路境界確定申請書と境界確定書を持って行き、Z男に同申請書と境界確定書にあるI男さんの欄を差して「書いてくれ」と指示したのです。
 この時、Z男としては、書類に他人の名前を書くことは悪いことだと言うことは判っていたと思いますが、Z男は当社に勤務して半年位の頃で、その間、私の補助として測量や図面つくりが主だったうえ、私が何も説明しなかったため、この道・水路境界確定申請書と境界確定書の意味はもちろん、この書類をどうするかということは判らなかったと思います。
 しかし、社長である私の頼みなので承知し、Z男はすぐに事務所にあった黒色ボールペンを使って、道・水路境界確定申請書に添付されている隣接土地所有者一覧表の7枚目で一番上の立会人証明欄に「I男」、境界確定書に添付されている隣接地所有者の1枚目で上から15番目の住所欄に「安中市野殿××」、氏名欄に「I男」と記載してくれたので、その後、私が当社事務所の印鑑箱の中の中にあったものと思いますが、「○○」という印鑑をI男の印欄に押して、道・水路境界確定申請書1通及び境界確定書1通の偽造を完成させたのです。
 その後、私は今見せて貰っている道・水路境界確定申請書の復命書の日付や確定書の受付印の日付から、この偽造した道・水路境界確定申請書を平成11年5月31日ころ、同じく偽造した境界確定書を平成11年6月3日ころにそれぞれ真正に作成した書類のように装って市土木課の担当者である黛さんに提出し、受理して貰ったのです
 この私が娘のX子やY子、従業員だったZ男に頼んで道・水路境界確定申請書や境界確定書を偽造した場所について図面を作ったので参考にしてください。
 また、この偽装するに際し、私が境界確定書の各印欄に押した「○○」「○○」「○○」という各印鑑については、その後、当社の事務所の印鑑箱の中に入れて保管しており、先日警察の人が当社に来た時に私が当社事務所の印鑑箱から探し出して提出しております。
<この時本職は、供述人が作成した図面3枚を本調書末尾に添付すると共に、同人が平成15年6月25日に群馬県高崎市○○町×丁目×番地××有限会社野中開発測量事務所において任意提出し、群馬県警札本部刑事部捜査第二課司法警察員巡査村山博之が領置した、印鑑1本、但し、白色小判型「○○」と刻印のもの、印鑑1本、但し、白色小判型「○○」と刻印のもの、印鑑1本、但し、白色小判型「○○」と刻印のものを示し、次のとおり問答した。問「この印鑑に見覚えがあるか。」答「はい、この3本の印鑑が私が以前、当社事務所に警察の人が来た時に私が事務所の印鑑箱から探し出して提出したもので、境界確定書を偽造する際、私がこの「○○」という印鑑を、A子さんの印鑑、この「○○」という印鑑を、M子さんの印鑑、この「○○」という印鑑を、I男さんの印鑑、にそれぞれ押して偽造を完成させたことは間違いありません。>
9 最後に平成14年10月下旬ころ、境界確定書が偽造され警察に告発状が提出されたなどと新聞に載り、私が松尾産業株式会社の角田社長と2人でA子さんの娘さんであるB子さんの自宅に行って謝って来た状況などについて話します。
 私が道・水路境界確定申請書と境界確定書を偽造して市土木課に提出して受理された後は特に何も無かったのですが、その後3年位した平成14年10月下旬ころ、突然、■■■■■■■■長から当社に「野中さんが担当した搬入道路の境界確定の関係で、現地立会日以前に死んでいた人の署名捺印が境界確定書に書かれ、偽造した疑いがあると警察に告発したという記事が新聞に載っている。その内容からA子さんのことだと思うが、野中さんは本当に境界確定書を偽造したのか。」などと言う電話があったのです。
 この■■■■の話から、この時初めて私はA子さんが境界確定の現地立会日前に既に死亡していたということを知り、■■■が何故A子さんの氏名などを私たちが偽造したと知ったのか判らないものの、いずれにしても当時、結城社長の体調不良から、結城社長から全権委任を受けてサイボウ環境の責任者の1人となっていた■■■■■請負会社の代表取締役として、私が娘2人や従業員のZ男に頼んで道・水路境界確定申請書と境界確定書を偽造した、という事実は言い辛かったので、私は咄嗟に「そんなことはしてないよ。」などと嘘を言ってしまったのです。
 その私の話を聞いて角田社長は「いずれにしてもサイボウ環境のことで迷惑を掛けたのだから一緒にA子さんの娘さんの所に謝りに行こう。」などと言われたので、私はその日の夕方、車で私を迎えに来てくれた角田社長と2人で安中市安中にある、B子さんの自宅に行ったのです。
 私が角田社長と2人でB子さんの自宅に行くと、B子さんはご主人と2人でおり、私達は名刺を出しながら自己紹介し、角田社長が新聞記事のコピーを見せながら訪問した用件を伝えたところ、B子さんが私に境界確定書のコピーを見せながら、「この新聞記事の告発は私がした訳ではないが、どうしてここに母の名前が書いてあるんですか。」などと聞いたので、私は「田舎のお年寄りなんかで字が書けないことがあるので、従業員が代書してしまうことがあるんですよ。」などと嘘を言ったのですが、さらにB子さんに「だって、この時には母は既に亡くなっていたんですよ。」と言われてしまい、仕方なく私は「勝手に書いて悪かった。だけど、うちも従業員がたくさんいるんで誰が書いたか分らないんです。」などと角田社長に話したのと同じような嘘を言って謝ったのです。
 その結果、B子さんは、「私は、今この問題について関わりたくないので、警察に届出する気持ちはない。」などと言ってくれ、その後、この偽造問題については特にこれと言った話はなかったのですが、今年の春過ぎに角田社長から「警察が隣接土地所有者の所を回って捜査をしているらしい」という話を聞き、いつか私も取調べを受けるだろうと覚悟をしていたのです。
10 以上お話したとおり、平成11年5月ころ、私が娘のX子とY子及び従業員だったI男に頼み、道・水路境界確定申請書及び境界確定書にA子他2名の住所氏名を書かせ、さらに私がA子他2名の各印欄に各姓の印鑑を押して偽造したことは間違いありません。
 私としては、当社でサイボウ環境から請け負った境界確定業務を早く完了させたいとの自分勝手で安易な考えから、娘のX子とY子及び従業員だったI男を巻き込んで道・水路境界確定申請書と境界確定書を偽造してしまい。今考えれば本当に悪いことをしてしまったと心から反省しており、いかな処罰を受けても仕方がないと思っております。 野中渡
以上のとおり録取して閲覧させたところ誤りのないことを申し立て署名指印した。
 前同日 群馬県安中警察署に応援派遣された群馬県警察本部刑事部捜査第二課司法警察員 警部補 ○○○○**********

■こうして、測量会社の社長は、完璧な境界確定書の書類を作成すると言いながら、ごみ処分場を作りたい一身で、当時の中島市長が初当選したタゴ事件による出直し市長選の選挙戦の真っ最中に、現金3千万円をもって、地元安中市に入ったこともあるサイボウの結城社長の意向に沿うべく、3名の住所、氏名、押印を勝手に記載して、偽造書類を作ったのでした。市道拡幅に伴う境界確認の立会には、隣接地権者に加えて、サイボウも、市役所の職員も立ち会っていることから、隣接地権者のうち、誰と誰と誰の同意が取れなかった、ということは、サイボウの結城社長も、安中市の担当課幹部も知っていなければならず、この偽造事件が、組織ぐるみで周到に行なわれていたことがわかります。

 さて、サイボウの結城社長と測量会社の社長との間では、つぎのような業務委託契約が交わされていました。

**********
【業務委託契約書】
 サイボウ環境株式会社(甲)と有限会社野中開発測量(乙)とは甲が安中市大谷及び安中市野殿地内に計画の市道改修又は拡幅工事に関する土地の分筆登記及び用地幅を除く境界復元測量等について下記の通り業務委託契約を締結する。
第1条 業務委託
(甲)は安中市大谷字西谷津1907番外7筆、安中市野殿字3829番外24筆の道路用地となる土地の分筆登記を併せて、三守測量株式会社作成丈量図(S=1:250)に基づく用地幅杭以外の境界復元、境界杭設定等の業務を委託し(乙)はこれを受託した。
[本事業の委託業務]
 筆界確認業務(筆界復元、照合、位置の特定)
 公共用地境界及び民有地境界の立合並びに境界杭設定
 土地分筆登記(各筆別地積は三守則量㈱丈量図の通り)
 その他上記に付随する行為
第2条 業務協力
(乙)は(甲)の委託業務に関し善良なる管理と注意を持って平成10年10月15日迄に完了させる事に努め、(甲)は(乙)が受託した業務が遂行できるよう協力する。
(1)(甲)の協力義務
 地権者又は関係者の対する協力の要請
 丈量図、設計図、成果書面の提供
 その他、行政当局に依る指示書類の提供
(2)(乙)の協力義務
 受託業務の迅速処理
 工程及び経過報告
 受託業務の善良なる管理者の注意
第3条 支払条件
(甲)は本業務遂行の為(乙)に■■■■で第1条の範囲の業務委託をし(乙)はこれを受託した。尚、支払時期、支払金の段階額に付いては下記の通りとすることで(甲)(乙)合意した。
[業務委託に関する支払条件]
 ① 業務委託契約締結時           ■■■■
 ② 境界復元、境界立合、境界杭設定完了時  ■■■■
 ③ 土地分筆登記終了時           ■■■■
第4条 契約外事項
 本契約に定めのない事項に付いては(甲)及び(乙)は民法その他法令及び取引慣行に従い、誠意を持って協議の上解決するものとする。
平成10年8月18日(社長より送付受けた)
  委任人(甲) 安中市大谷229-1 サイボウ環境株式会社 代表取締役 結城文夫
  連帯保証人  大宮市卸町2-6-15(埼玉南部卸売団地内)株式会社サイボウ 代表取締役 結城文夫
  委任人(乙) 高崎市中居2丁目3番地24 有限会社 野中開発測量 代表取締役 野中渡
**********

■このように、野中測量の社長は、あくまで、自分の意志で書類偽造を行なった事を強調していますが、実際には、隣接地権者M子の土地の境界確定では、M子の所在確認をサイボウ結城社長に依頼しており、結城社長はM子の所在が不明であることを認識して、野中測量社長に報告しています。そして、サイボウと野中測量の連名で、境界確定申請書を安中市に出しているのですから、共謀したといわれても仕方がありません。

 しかし、司直は、せっかく地元住民が勇気を奮い立たせて、処分場計画を推進するサイボウの結城社長を告発したにも関わらず、実行犯は委託先の測量会社社長だとして、結城社長を不起訴にしてしまったのです。また住民が求めたもう一つの罰状である「偽造文書の行使」については、完全に不問にされてしまいました。

 この文書偽造・行使犯の「身代わり」作戦は、全国でサンパイ等のゴミ処分場を計画している事業者にとっては、危ない橋を渡る場合に安全策の前例として活用できる方法だといえます。身代わりにされる委託先の測量会社にとっても、バレて刑事起訴されても、裁判で即日「執行猶予付き」の判決が出るため、事業に特段の支障は出ません。このような信じられないことが、実際に安中市では起きているのです。全国のサンパイ業者が、安中市に注目している所以です。

【岩野谷の水と緑を守る会】

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行政と業者の癒着例・サイボウごみ処分場その3(文書偽造の捜査)

2009-01-27 00:53:18 | 全国のサンパイ業者が注目!
■平成14年10月23日に当会が警察と検察に、本件について告発してから、実に半年以上経過してから、漸く警察が捜査にとりかかったのは平成15年5月の連休明けからでした。
 既に、警察では関係情報をある程度収集していましたが、本格的な捜査が開始されることになりました。そのため、当然このことは、サイボウ処分場計画を推進している地元の有力者やサイボウ関係者の間にも知られることになりました。
 危機感を感じたサイボウは、実質的な支援を受けているイー・ステージに対して、地元関係者に「実弾」をばらまくことを約束することで、処分場計画の推進体制を確保する必要に迫られたとみられます。なぜなら、平成15年7月ごろ、イー・ステージの社長と、処分場が計画されている地元の岩野谷7区(当時。現在は6区)区長代理との間で密約が交わされたことが発覚したからです。
 さっそく当会では、次の情報を県警に通報しました。しかし、結果的には、空振りに終わりました。


**********
【県警への報告】
平成15年7月17日
〒379-0133安中市原市707-2安中警察署気付 群馬県警捜査二課 御中
  報告者 地元住民
サイボウ環境㈱役員ら2名による7月15日の地元大谷の坂組地区における地元住民に対する金銭配布問題について(ご報告)
 拝啓 梅雨空もひとときの晴れ間を見せたと思ったら、また雨空に逆戻りしそうな雲行きですが、貴課におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
 さて、サイボウの件ではいろいろご苦労をおかけしておりますが、つい最近、たいへん重要な事件が発生したので、ご報告申し上げます。
 平成15年7月15日午後、報告者住民Mが農作業をしていた際、親戚のSがやってきて、「さっきサイボウがカネを配りにやってきた。受け取らなかったのでいくらかわからないが、この辺一体にカネを配りまわっているらしい」と報告がありました。
 報告者住民Mからこの情報を伝えられた報告者住民Yは、平成15年7月16日夕方、知人のHにサイボウがカネを配りに来たかどうか問い合わせたところ、Hが「平成15年7月15日、株式会社サイボウの専務取締役の前川雅義(さいたま市見沼区卸町2-6-15、電話048-687-3131)と、サイボウ環境㈱営業部長の福田誠(さいたま市見沼区卸町2-6-15、電話048-687-3131)の2名が、『覚書』を持って、金銭を配布しにやってきた。カネは受け取らなかったが、『覚書』は入手した」との話がありました。さっそく、報告者住民Yが、Hのところにいくと、Hが、サイボウから「覚書」の写しを持っておりました。
 それを再コピーしたものが添付のとおりですが、この内容を見ると、次のような問題があります。
 ・サイボウではなくイー・ステージ㈱という会社が、大谷七区坂組区長代理あてに、金銭の支払を約束している。
 ・その代償として、サイボウとイー・ステージの最終処分場事業に関して、行政ならびに関係機関への働きかけを条件付けていること。
 ・区長代理は、安中市の区長規定によれば、報酬が出されており、準公務員と見なせること。
 このことから、イー・ステージ社長の鈴木宏信と区長代理との間に金銭授受があれば、刑法第197条の4の「斡旋収賄」に抵触するのではないかと思料します。なぜなら、斡旋収賄罪は公務員(この場合、準公務員である区長代理が該当します)が公務員(覚書に行政とあるから、権限のある首長ということになります)に不正なことを行わせるよう請託(この覚書に明記されています)を受けて、報酬(この覚書によれば全部で2000万円以上ということになります)を受ければ、相手の公務員(この場合は行政権限者の首長)が不正を行わなくても成立する、ことになると解釈できると思われるからです。
 もちろん、斡旋を請託した事業者(この場合サイボウなのかイー・ステージなのでしょうか。カネの出所はイー・ステージであることは間違いありませんが)は、刑法第198条の贈賄罪に該当すると考えられますが、いかがでしょうか。
 なお、地元の情報によれば、サイボウは大谷地区の住民の相当数に1戸あたり10~30万円、山根地区の住民は1戸あたり30万円金銭配布をしたようです。ただ、東・中野殿地区の区長からはまだ何もうごきがありませんが、近いうちに当該区長にサイボウからの働きかけが有るものと見られます。
 また、覚書の3.に記載のある「残金」とは、平成8年2月29日ごろ、サイボウがやはり大谷地区と山根地区の住民1戸あたり30万円を配布したことがあり、処分場ができた暁にはあと70万円支払う旨、サイボウ側から発言があり、このことを指しているものと考えられます。なお、この「残金」については、地元で2週間くらい前にサイボウの協力者らによる役員会が開かれ、20数%減額されて支払う旨、話し合われたようです。
 ご参考までに、サイボウの処分場設置計画では、随分前からサイボウの資金難が取り沙汰されており、われわれ報告者らは行政に、この処分場計画の資金計画を情報開示するよう要請してきましたが、ことごとく拒否された為、現在、前橋地裁で群馬県知事を相手取り情報非開示決定処分取消請求訴訟を係争中です。このたび、はっきりとイー・ステージが実質的にサイボウにとってかわったことが明らかになったので、この処分場計画の許可をもう一度やりなおすよう、行政に強く働きかけてゆくことにしております。
 長い梅雨空があけ、夏の日差しが明るく照りつける日が来ることを心待ちにしております。公務ご多忙の折、ご健康にはくれぐれもお気を付けください。 敬具
添付書類:覚書(平成15年7月10日付、イー・ステージ㈱から大谷七区区長代理あて)
写し 1通

【覚 書】
大谷七区坂組区長代理 KH 殿
弊社は、サイボウ環境株式会社が安中市大谷字西谷津地籍にて、許可取得した一般廃棄物処理施設の最終処分場(許可番号群馬県132号)開設する事(以下『事業』という。)に当り、サイボウ環境㈱に技術協力及び資金援助を約しております。今般、公害防止協定書の締結に伴い、この事業における、大谷七区坂組区の協力を証する支払いとして、下記条件が支払条件である事を確認し、本覚書を締結する。

1.本覚書締結時。金1000万円。
2.本体計画地内認定市道(赤道・青道)の除外申請が受理された時、平成15年10月末日に金1000万円。
3.㈱下山商事代表取締役 下山正男と、サイボウ環境㈱代表取締役 結城文夫との本体土地契約締結時に残金一括。
4.その他、地元協力者はサイボウ環境㈱及びイー・ステージ㈱の最終処分場開設及び運営に関して、最大限の協力を約し、行政並びに関係機関への働きかけを約すること。 以上
平成15年7月10日
長野県小諸市大字平原309番地1 イー・ステージ株式会社 代表取締役 鈴木宏信(印)
**********

■また、イー・ステージの覚書に記載されている「公害防止協定書の締結」について、どのような内容なのかを確認すべく、当会は、平成15年7月17日付けで、安中市と群馬県に情報開示請求をしました。
 その結果、安中市の中島市長(当時)から、同年7月25日付けで、「別紙情報公開請求書をご提出いただきましたが、請求の内容が記録された情報は存在せず、公開できませんので、ご了承いただきますようお願い申し上げます。問い合わせ先:安中市総務部行政課文書法規係(内線233) 市民部生活環境課環境衛生係(内線278)電話(382)1111」という回答がありました。
 群馬県小寺知事(当時)からは、同年8月5日付廃政第695-2号で、環境生活部廃棄物政策課指導・一般廃棄物グループ、農政部農政課農地管理グループ、西部農政総合事務所農政総務部農政グループ、土木部用地課管理収用グループ名で、「県は、本件開示請求に係るサイボウ環境㈱等との「公害防止協定書」の締結を行っておらず、又、他の行政庁と同社との当該協定書の締結に関し何ら承知していないものであり、本件開示請求に係る公文書は存在しない。」として群馬県情報公開条例第18条第2項の規定による公文書の不存在の決定通知がありました。
 サイボウ(=イース・テージ)のいう公害防止協定というのは、どうやら、地元7区の区長代理が勝手にサイボウ側と締結したもののようです。

■この覚書発覚に関する警察への通報から10日後の平成15年7月28日午後0時20分頃に、県警の刑事から電話がありました。「本件捜査の方もまとまってきた。今日の午後2時から地検高崎支部に行き、送検書類の書き方についてOKかどうか、相談しに行く。OKが出れば、8月中に、立件できればよいかなと思っている。地検との話がまとまったら、来月から違う案件を担当することになっており、その前に皆さんにお目にかかって、これまで行ってきた捜査の様子や、結果について、直接説明したいので、都合のよい日を指定してもらいたい。」というものでした。
 そこで「お盆、あるいは週末なら良いが」と言うと、「8月は他の場所に行ってしまうというのでなるべく早い方がいい」というので、7月30日(水)午後8時から9時45分にかけて、安中警察署で県警捜査二課の担当刑事らと面談しました。県警の説明は概ね次のとおりでした。( )内は当会の補足説明や感想を示します。

(1) サイボウの署名偽造の件で捜査を行い、その結果がまとまってきた。7月28日午後2時に、地検高崎支部に行き、送検に際しての書類の書き方を事前相談した。その結果、8月中での送検を予定しているが、事件の内容が極めて微妙なので、当初7月一杯で本件の担当を終え、次の案件に移る予定だったが、もう少し書類の作成と、捜査の詰め(検察から、有印私文書偽造という罪名について、補完捜査をするように言われたらしい)が必要になったので、8月半ばごろまで本件に従事する。

(2) 偽造行為の容疑で野中開発測量の社長を呼んで、取り調べた所、あっさりゲロした。

(3) 確定書の手続ということは、隣接土地所有者との間で、境界確定するために、まず、申請者が所定の様式の申請書を出して(これは役場の土木課あたりに備え付けられている書式のもの)、これを出してから、関係者の立会いをもとに杭を打つ行為(この場合、やけに「分筆を伴わない」という点を警察では強調。「役場もそう言っているから」だと)を行い、その位置を確認して「合意」するという行為にすぎない(やたらと権利の移転がないことを強調!)。その後、合意したことを確認するために「確定書」の形にして、後日の紛争を回避するためのもの。

(4) 今回の告発に関して、告発状に付けてもらった境界確定書の原本を、安中市役所から入手した。役所が抵抗するので、裁判所の令状をとって差し押さえた。筆跡鑑定はコピーではダメだからだ。

(5) 安中市が情報開示で出して告発状に添付された境界確定書にはA子の署名しかないが、原本には勿論、20数名の隣接地権者の署名捺印があった。それをみると殆どは実印だが、幾人かは三文判だった。被疑者に当る前に、署名は本人が書いたのかどうかを確認すべく記載者全員に面談し、3名の名前が偽造されたことが判明。(3名の名前と住所を教えて欲しいと、申し入れたが、捜査上の守秘義務ということで拒否された)

(6) 申請書についても、立会人証明欄に名前だけ書かれていたが、これも同じ筆跡で書かれていることを鑑定結果で確認。

(7) 野中測量の社長を取り調べたところ、本人が指示して3人分の署名を、従業員を使って違う人間3人に指示して書かせたと供述。供述と鑑定結果も一致した。

(8) サイボウ結城社長には明日7月31日に話を聞く予定。結論的にはサイボウも調べるということで、地検から指示があった。(送検に際して、告発状に書いてあった人物にもヒヤリングした方が良いと、検事から言われたらしい)

(9) 境界確定書は、通常は申請者(住民)が、塀をつくるなどする場合、官地に関して役所と境界確定の申請を出して、そのさい役所の職員や隣接地権者、それに、道の反対側の隣接地権者の立会いを行う。しかし、今回のケースはきわめて稀で前例がない。地検担当者も、しきりにそのことを言っていたくらい珍しいケース。

(10) 警察が安中市から聞いた話によると、本来は、申請した住民が指定された境界立会時、出席しなかった隣接地権者がいる時は、あとで、隣接地権者の立会いなど、申請者に、欠席した隣接地権者の署名捺印を、役所の代わりに取って来るよう指示するという。

(11) その意味では、今回、地元住民でもない者が道路工事を行うからと言って、市道に関して境界確定の申請をするのが正しいのかどうか、すんなりと解釈できない。(境界確定の申請者は誰か、という質問に対して)野中測量がサイボウから委託を受けて境界確定に係る手続を行ない、業務委託契約書を交わして、サイボウ結城社長の委任状も出ていて、野中開発測量がサイボウの代わりに出ている。申請書にはサイボウとの連名で書いてある。(!)

(12) 野中開発の社長曰く、「単純に、空欄を埋めなくてはならないとして、記入してしまっただけだ」という。一方、安中市役所は「空欄でもよい」という。

(13) サイボウのTと野中開発が、B子の自宅に昨年10月(告発状がマスコミに出た直後の夕方)に行った時、「偽造したことに対して謝りに行ったのではない」と供述。一方、サイボウは「野中測量がしたことは承知していなかった」と言っている。関係者の供述から、全員の話に食い違いがないと判断。(サイボウの口車に警察が乗せられている、という感じがする)

(14) 野中の社長は送検するが、その他の従業員は社長に指示されたもので送検しない。これは情の問題。

(15) 偽造について、通常は、契約書のように権利義務が関わるものについて適用されるもので、単なる境界を確定して確認するだけのものは、そのような判断が適用されるのかどうか、地検も判断に迷っている。(なんという法律を歪めた考えだろう!)

(16) 事件には「強制事件」というものがあり、これは告発や告訴後20日以内に対応義務があるが、本件は「任意事件」なので、任意事件は強制事件の捜査の合い間にならざるを得ない。(ぐずぐずしていたら、時効になってしまう。地検は来年6月まで本件を先送りして時効にするつもり?第一、時効がストップするのはいつの段階?と聞いたところ)検察が起訴したタイミングが時効ストップに関係する。本件の偽造時期は平成11年5月で、同年6月に確定で、関係者の話では、平成10年の立会い関連の書類をとっておいて、署名に空欄があるため、そのままにしておいたが、その時期(処分場手続再開!)が来たので、結局、5月に偽造したことが判明。

(17) これは関係者の供述だが、証拠がないから信用するしかない(既に証拠隠滅?)。時効到来は平成16年5月。(有印私文書を偽造して、行使したものとしては、サイボウも野中測量も連名ということから、明らかにサイボウが関与!しているが、サイボウ申請書や立会人の一部しか偽造しておらず、文書そのものを有効と主張する可能性があり、検察もそれを認めるかもしれない。そもそも国有財産法を反故にして、役所を騙したことをとりあげたくないからなのでは?)

(18) 境界確認の申請手続は、先ず市役所に申請書を出して、土木課などの窓口受付で境界立会日を決める。サイボウはこれを野中測量に委託。立会人証明欄では、立ち会っていない人は空欄。(その空欄を埋めただけ、とサイボウ側は主張するかも)

(19) 通常は、市道に面する地権者が申請し、隣接者が立ち会う。立ち会わない場合には申請者が確認の印を求める。これと同じ考えで、市役所はサイボウに申請書類を渡したようだが、このようなことがなぜ可能なのか、警察でもよくわからない。(なんでもありの安中市役所の本領発揮!)

(20) なお、境界確定書の名簿の80%は実印だったので、三文判を重点的にチェックした。

■また、サイボウ(=イー・ステージ)の金銭配布と覚書について、県警の説明は次のとおりでした。警察は、「業者が区長代理に金品授受の約束をして、実際に地元関係者に配布しても、複数であれば賄賂には当らないし、こういう事例は全国的に前例がない」として、本件を静観する方針のようでした。今後、サンパイ業者が地元工作を行なう場合に、この方法は前例として、参考になると思われます。

(1) 区長代理の公務負担について、区長規程では市から委嘱を受けて報酬を得ているからといって、特別公務員に即なるわけではない。判例を見ても、単純労働に従事している場合には、これは刑法犯でいう公務員には当たらないことになっている。

(2) 安中の場合、職務権限が明文化されておらず、区長規程でも明文化されていない。この件での立件は全国的にも前例がない。前例が無いものを立件することはリスクがあり立件できない。

(3) 区長が刑法上の公務員かどうかについては、位置付けが困難。

(4) 7区区長代理が1000万円について公表している為、区として入った金と考えるのが妥当。1000万円という金額も常識では個人的な賄賂ということにはならない。

(5) おおっぴらに金銭授受の約束をしているため、こういう約束があるから協力するという観点で、やるのかやらないのかが、現時点でははっきりしていない。

(6) 金銭授受をやれば、刑事二課として一番得意な分野なので、追いかけることができる。現時点では何を約束させるのか、現時点の判断は請託がまだ読めないため、動きようがない。区長の職務権限がないと、捜査二課としては、贈収賄できるかどうか、要検討。

 こうして、せっかく警察に捜査をしてもらいましたが、どうやら、サイボウに言われて野中測量が全部罪を引っかぶったという感じです。このため、検察がサイボウを起訴するかどうかは、あまり期待できないことがわかりました。本事件について、一旦、警察が(検察も?)私印偽造という結論を出したから、意地でもそれをくつがえしたくない、という意向が感じ取れるからです。

 刑事事件としての捜査で、サイボウが境界確定申請書に、野中測量と連名で申請者として、名前を連ねていることから、偽造した書類を行使したことが明らかになりました。当会は、そのことについて、サイボウの結城社長も当然何らかの処罰の対象になると予想していました。ところが、その予想は見事に裏切られたのでした。

■当会が平成15年5月7日付けで告発した本事件について、平成16年3月31日付け処分通知書で、前橋地検から次の連絡を受けたからです。

**********
【処分通知書】
1 被疑者    結城文夫
2 罪名     有印私文書偽造・同行使
3 事件番号   平成15年検第785号
4 処分年月日  平成16年3月31日
5 処分区分   不起訴
備考 上記告発事件については、野中渡に係る有印私文書偽造・同行使事実(事件番号平成15年検第786号)で、同日、前橋地方裁判所高崎支部に公判請求しました。
**********

■こうして、サイボウ社長は、塀の内側に落ちることなく、サイボウ社長の友人の野中測量の社長が起訴されました。その後、刑事裁判について、警察や検察からは告発住民らには全く連絡がなく、気がついたときには、既に刑事公判が終わっており、野中測量の社長は有罪になりましたが、執行猶予が付いたので、そのまま業務を続けており、当会が自信を持って告発し、警察の捜査関係者が大変な労力を払って送検した事件は、あっさりと幕を閉じたのでした。

 それでも当時、当会は、万一、司直がサイボウに直接刑事責任を問わなくても、サイボウに民事的責任は大いにあるので、サイボウの処分場計画に関して係争していた一連の裁判で、その点を突くことができると考えていました。しかし、実際には、安中市も群馬県もサイボウの違法手続きについて、知らんぷりを決め込み、裁判所もそれを追認したのでした。

【岩野谷の水と緑を守る会】

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