市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電がつき続ける「スマートメーターのウソ」・・・東電と政府の都合だけの設置供用で百害あって一利無し

2019-01-31 23:03:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■新年早々報じられた東電の電力量計「スマートメーター」の新たな火災。当会はさっそく1月6日のブログでこの件を取り上げました。
〇2019年1月6日:東電がつき続ける「スマートメーターのウソ」・・・新年早々、スマートメーター火災の報道に接して思う事↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2854.html
 すると、東京新聞がこの件について、タイミングよく調査した結果が1月10日の記事として掲載されました。そしてさらに1月30日付で新たにスマートメーター問題の記事が掲載されました。これを読むと消費者不在の東電と政府の思惑のみが先行していることが分かります。



**********東京新聞2019年1月30日
ZIP ⇒ 201901301_kochira_tokuhoubu.zip
201901302_kochira_tokuhoubu.zip
【こちら特報部】火災続出スマートメーター設置
 不良品や施工ミスで火災が続出している次世代型電力計の「スマートメーター」。電気料金が安くなるわけでもなく、今のところ目立つのは利用者が背負うリスクばかり。なのになぜ、固と電力会社は設置を急ぐのか。経済産業省は、集積した消費電力のデータで新たなビジネスをつくろうと検討している。導入を議論し始めた当初を探ると、狙いは最初からそこにあった。(石井紀代美)
★ビッグデータ活用狙い

屋外に設置されているスマートメーター=一部画像処理
 二〇〇九年八月、大学教授や電力会社の幹部が名を連ねる経産省の会合「次世代送配電ネットワーク研究会」が始まった。一〇年四月までに九回開かれたこの会合で、スマートメータータ導入が検討された。
 スマートメーターとは、電力使用量を三十分ごとに計測する電力量計。円盤が中でぐるぐる回る従来型のアナログメーターは月に一度、検針員が月ごとの使用料を計測していた。多くのスマートメーターは、データを記録するごとに電波で情報を電力会社に送る。
 経産省の会合は非公開で、議事録も公表されていない。どんな話し合いがあったのか。
 「意外かもしれないが、当初、電力会社側はスマートメーターの導入を嫌がっていた。積極的に進めたがったのは経産省だった」と、電力システムの取材を続けてきた環境エネルギージャーナリストの本橋恵一氏は説明する。
 「自分たちは電気を供給していればいい」という姿勢の電力会社に対し、経産省側がスマートメーターの導入を迫るという構図だった。経産省が押し切り、一〇年六月にエネルギー基本計画が閣議決定された。すべての電気利用者への設置を目指すとされた。

スマートメーターについて語る本橋恵一さん
☆経産省 積極旗振り
 さらに、一一年年三月十一日の東日本大震災が、後ろ向きだった電力会社の背中を押した。
 この時、東京電力などは電力需要をまかなえないとして、地域ごとに送電を止める「計画停電」をした。病院などの施設も停電し、自家発電装置で急場をしのぐことになった。
 スマートメーターがあったらどうだったか。電力会社が操作し、施設ごとに電気を送ったり止めたりすることが可能だった。本橋氏は「電気を止めたら人命に関わる施設まで計画停電させたことに、電力会社として責任を感じたのだろう」と推測する。
 この後、スマートメーター導入の流れが加速する。東京電力の場合、二〇年度を目標に全約二千九百万台をスマートメーターにしようと作業を急いでいる。
 電力会社を押し切ってまでスマートメーターを導入しようとした経産省の狙いは何だったのか。
 当時はすでに電力自由化の流れがあった。その頃、経産省側は「スマートメーターのデータを利用して客を取っていかなくていいのか。やらないのなら、他の会社にやらせるぞ」と電力会社に迫っていた。本橋氏は、当時の状況をこう振り返る。
 本橋氏は「スマートメーターで電力会社に蓄積された各家庭のデータを、ビッグデータとして活用し、新たなビジネスチャンスをつくる。経産省の担当者は『まさにこのために進めているんだ』と言っていた」と明かす。
 この狙いは資料からもうかがえる。一〇年五月から始まった経産省の「スマートメーター制度検討会」の資料には、電力使用量や氏名などの情報を、第三者に提供することを示す図がある。そこには、「本人の同意による第三者への情報提供」などと書かれている。
 「スマートメーターを設置してメリットがあるのは、新しいビジネスを創出できる事業者側だ。消費者側にはない」。本橋氏はこう言い切る。

電力使用量のデータ活用を検討している経済産業省=東京・霞が関で

事業者にはビジネスチャンス提供
消費者 メリット乏しく

 経産省は二〇一八年十月から、スマートメーターで新たなビジネスをつくりだそうと研究会を始めた。すでに五回、開催している。
 研究会事務局の資源エネルギー庁電力産業・市場室の下村貴裕室長は「どうデータを活用していくべきかという議論の中で『こんなこともできるのではないか』というアイデアはいろいろ出てきている。まだ、英国や米国・カリフォルニア州など、海外ではどうやっているのかを研究している段階」と説明する。
 そのアイデアの一つが把握した人口動態の利用だ。
 電力使用量のデータを見れば各家庭が留守かどうかが見通せる。それを分析し、時間ごとにどの地域から人が減るのか、どこに人が集まるかを探る。小売業者や飲食店は、出店の際の判断材料に使える。宅配業者なら、留守の少ない時間帯を選んで効率的な配達ルートを組むことができる。
「プライバシーの問題はしっかりやらなければならないが、電力データでイノベーションが期待できる。ポテンシャルが高い」と下村室長は語る。
 そうかもしれないが、あくまでも事業者側の話。メーターを取り付けられた側は商売に使われるだけだ。
 経産省や東電が利用者側のメリットとして挙げるのが節電効果。「自分がどれだけ電力を使っているかが分かるため省エネに寄与する」「電力の需給状況によって電力料金を安くすることもできるようになる」などと説明してきた。
 ただ、リアルタイムに消費電力量を手元のスマホなどで「見える」ようにするには、スマートメーターだけでは足りない。HEMS(へムス)と呼ばれるシステムが必要で、費用は利用者側の負担だ。家電大手「パナソニック」では八万五千~十四万円台。さらに工事費がかかる。
 へムスがあれば、外出先で家電を操作したり、自動でエアコンを調整したりすることもできる。とはいえ、対応家電をそろえなければならない。スマートメーターのメリットを生かすには、多額の費用が必要なのが現実だ。
 スマートメーターは再生可能エネルギーの普及にも必須とされている。
 東京工業大名誉教授の柏木孝夫氏(エネルギーシステム)は「曇っていたり風が吹かなかったりして再生可能エネルギーでの発電量が足りないと、消費量もそれに合わせないとブラックアウトする。利用者に節電を頼まないといけないが、電力会社がいちいち電話で
知らせるわけにもいかない」と語る。
 この時、優先度の低い窓際の照明などから自動で電気を止めて、消費量を抑えるような取り組みが必要になる。スマートメーターは必須だが、これだけでは一軒丸ごと電気が止まる。機器ごとの細かな調整には「へムスが必要だ」と柏木氏は語る。
★再生エネ 主力電源化なら意味あるが・・・
 多くの人が期待するような効果を得るには、スマートメーターだけでなく、へムスも普及させなくてはならない。しかし、国がそれに本腰を入れているとはとても思えない。
 結局、スマートメーターの普及で思恵を受けるのはビッグデータの売買で金もうけできる事業者。利用者は発火の危険性を負いながら個人情報を提供させられるだけではないのか。
 主婦連合会の河村真紀子事務局長は「自宅もスマートメーターになった。月一回だった検針が千四百四十回に増えただけ。経済優先で、消費者や市民が置いてけぼりだ。少なくとも、データ活用してもいいかどうか、消費者に選ぶ権利を与えるべきだ」と訴える。
 そして、「そもそも、スマートメーターが発火して家が火事になった時、誰が責任を取るのでしょうか」と素朴な疑問を口にした。
【デスクメモ】
 スマートメーターに期待する多くの人は、再生可能エネルギーの普及に必要と考えているのだろう。実際、それはその通りだが、現実はそちらに向かっていない。ここでも出てきたビッグデータ。結局、われわれの行動が商売のネタに使われるだけだ。そのごほうび
が火災とは。(裕)
2019・1・30
**********

■平然とウソをつく役所と、その庇護のもと公益事業と称して納税者の財産や健康をむしばむシロモノの設置強要につっぱしる東電。我が国の官業癒着の弊害をなんとしてでも食い止めなければなりません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大同有毒スラグ問題を斬る!…スラグだらけの大同周辺で「人知れず大同に片付けさせている」国交省の気配り

2019-01-30 22:51:00 | スラグ不法投棄問題
■皆様に2019年新春調査と題して、国道17号石原跨線橋のスラグ撤去の様子を1月2日にご報告し、同25日にその様子をします写真情報をご紹介しましたが、この度当会が昨年2018年12月27日付で請求していた行政文書開示請求に対する返事が、1月30日に国交省から郵送されてきました。

 ちなみにこの現場での工事は、昨年11月26日からスタートしたようですが、工事期限が当初は昨年12月28日となっていました。

平成30年12月5日に当会が石原跨線橋を訪れたときの工事看板。

 ところが、新年になると、いつの間にか2月28日に書き換えられていたのです。一体、何かがあったのでしょうか?

この先170mより分離帯補修工事のため道路幅の半分を規制します 規制区間は徐行をお願いします 規制期間 平成30年11月26日~平成31年2月28日大同特殊鋼(株)」と書かれた看板。↑


 いったいこの現場、つまり、国交省が国道17号石原跨線橋・高架下に投棄されていた有害スラグを大同特殊鋼(株)に人知れず撤去させている現場工事は正式な入札などを経て実施された工事なのでしょうか?そもそも大同特殊鋼(株)は建設業の許可を得ているのでしょうか?

 この現場の様子はこちらをご覧ください。↓↓
○2019年1月2日:大同有毒スラグ問題を斬る!…新春スラグ調査「スラグだらけの大同周辺で、人知れず国交省が片付け依頼?」
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2853.html
○2019年1月25日:大同有毒スラグ問題を斬る!…スラグだらけの大同周辺で「人知れず国交省が片付けている」現場写真を入手!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2872.html

■こうした疑問を解消すべく、当会は昨年2018年12月27日付で国交省に行政文書の開示請求をしていました。その回答が国交省からありました。内容は次の通りです。

*****開示決定期限延長通知*****PDF ⇒ 20190130.pdf
標準様式第4号                  国関整総情第3013号の1
                           平成31年1月28日

         開示決定等の期限の延長について(通知)

市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様

                         関東地方整備局長

 平成30年12月27日付けで請求され、平成30年12月28日付けで受理しました行政文書の開示請求については、下記のとおり行政機関の保有する情報の公開に関する法律第10条第2項の規定に基づき開示決定等の期限を延長することとしましたので通知します。

                 記
1 開示請求のあった行政文書の名称

 大同特殊鋼による高崎河川国道事務所前橋出張所管内の渋川市石原にある国道の跨道橋の高架下分離帯補修工事について、関係する一切の情報
(大同特殊鋼から提出された作業届、それに付随するすべての手続関係の情報、工事の内容と根拠が分かる情報、および補修工事のもととなった原工事の施工時期、施工業者、仕様書、材料試験データ、検査記録等を含む。)

2 延長後の期間

 平成31年2月26日(火)

3 延長の理由

 第三者への意見徴収に時間を要するため

* 関東地方整備局情報公開室
           〒330-9724埼玉県さいたま市中央区新都心2番地1
                さいたま新都心合同庁舎2号館
           Tel 048-601-3151 内線2024
**********

■この通り、当会の開示請求に対して国交省は、「第三者」、すなわち大同特殊鋼に対して、彼らの意見を聴取するので、1か月後に彼らの工事が事実上完了する2月26日(火)まで開示期限を先延ばしにするというのです。

 これでは、せっかく迅速に情報開示によって、この工事の根拠を確認しようとした当会の目的が大きく阻害されることになりかねません。

 官業の癒着がここにも見て取れる気がいたします。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みなかみ町前町長セクハラ事件の疑義・・・前町長の不起訴処分は被害女性側からの告訴取下と示談申出?

2019-01-29 23:19:00 | みなかみ町政の暗闇
■当会は昨年来、前橋市南橘公民館を舞台にした男性館長によるセクハラ事件を契機に、同職員による不貞行為で時間外手当が不正支出されたうえに虚偽の傷病休暇が取得されたことについて違法支出の返還請求訴訟を係争中で、明日1月30日午前10時から前橋地裁2階21号法廷で第2回口頭弁論が開催される予定です。一方、昨年5月からマスコミを賑わせたみなかみ町長(当時)によるセクハラ事件は、昨年12月27日付で前橋地検が不起訴処分を決定したことが、同日および翌12月28日にかけての報道で明らかになりました。こちらの事件について、時系列的にマスコミ各社の報道を列挙してみます。
**********毎日新聞2018年12月27日 14時00分(最終更新 12月27日 14時00分)
「強制わいせつ」示談へ 前みなかみ町長不起訴か
 群馬県みなかみ町の前田善成・前町長(51)が町内の団体の女性職員にキスをしたなどとして強制わいせつ容疑で書類送検された事件で、前町長と被害者の間で示談が成立する見通しになった。関係者によると、被害者が過度の精神的苦痛から「これ以上事件を長引かせたくない」と被害届の取り下げを検討しているため。これを受け前橋地検は不起訴(起訴猶予)処分にするとみられる。
 前田氏は4月18日夜、町内で開かれた団体の懇親会で、女性に抱きつきキスをした強制わいせつ容疑で10月に書類送検された。前田氏は「同意があった」と主張していたが、送検後は地検の任意の調べに「酔って覚えていない」などと話しているという。
 5月の問題発覚後、町内に女性の中傷ビラがまかれるなど女性はストレスによって体調を崩している。
 前田氏は7月に町議会で不信任決議案が可決され議会を解散。町議選で「町長派」が惨敗したため辞職を表明したが、9月に町議会で再び不信任決議が出され失職した。【鈴木敦子、西銘研志郎】

**********産経新聞2018年12月27日16:43
群馬・みなかみ前町長を不起訴 セクハラ疑惑問題 女性が示談に応じる
 群馬県みなかみ町で4月、懇親会会場の通路で団体職員の女性にキスをするなどのセクハラ行為をしたとして、強制わいせつの疑いで書類送検された前田善成前町長(51)について、前橋地検は27日、不起訴とした。
 地検は処分理由について、関係者のプライバシーの保護を理由に明かさないとしているが、女性の弁護士が、前田氏が反省の態度を示したため、女性が同日までに示談に応じたと明らかにした。弁護士は「これを踏まえた判断と承知している」としている。
 書類送検容疑は4月18日夜、みなかみ町の宿泊施設の1階通路で、団体職員の女性の体を引き寄せ、キスをしたとしていた。
 前田氏はキスをしたことは認めたが、セクハラの意図を一貫して否定。セクハラ疑惑問題をめぐって町議会から2度の不信任決議を受け、9月に失職した。

**********NHK News Web前橋放送局2018年12月27日18時03分
失職の前みなかみ町長は不起訴に
 群馬県みなかみ町の前の町長が、ことし4月の在任中に強制わいせつの疑いで書類送検された事件で、前橋地方検察庁は27日付けで前町長を不起訴としました。
 みなかみ町の前田善成前町長は、ことし4月の在任中に町内で開かれた会合で同席した団体職員の女性に無理やりキスをしたとして強制わいせつの疑いで書類送検され、ことし7月と9月、町議会から2回に渡って不信任決議を受け、失職しました。
 捜査を進めてきた前橋地方検察庁は27日付けで前田氏を不起訴としました。
不起訴の理由については、関係者のプライバシーの保護などのため、広報しないとしています。
 一方、女性側の弁護士は「前田氏が真摯な反省の態度を示したことから、示談に応じました。被害者は、自分と同じような精神的苦痛を被った女性が泣き寝入りせずに、自分の気持ちを率直に言える社会になることを希望しております」というコメントを出しました。

**********FNN2018年12月27日 木曜 18:24
https://www.fnn.jp/posts/00408692CX
みなかみ前町長 不起訴 セクハラ疑惑、示談が成立
 セクハラ疑惑で失職した、群馬・みなかみ町の前の町長と、被害女性との間で、示談が成立し、前町長は不起訴処分となった。
 みなかみ町の前田善成前町長(51)は、強制わいせつの疑いで書類送検されていたが、被害女性との間で、示談が成立した。
 女性の弁護士は、「前田氏が、真摯(しんし)な反省の態度を示したことから、示談に応じました」とのコメントを発表している。
 前橋地検は、27日付で、前田前町長を不起訴処分とした。

**********テレ朝(ANN)2018年12月27日18:45
“セクハラ疑惑”みなかみ町の前町長に不起訴処分
 セクハラ疑惑の前町長に不起訴処分です。
 送別会の2次会で団体職員の女性に抱き付き、無理やりキスをした強制わいせつの疑いで書類送検された群馬県みなかみ町の前田善成前町長について、前橋地検は27日に不起訴処分としました。不起訴の理由は明らかにされていませんが、被害者の弁護士によりますと、前田前町長が真摯な反省の態度を示し、27日までに被害者と示談したということです。前田前町長は町議会で不信任決議案が2度可決され、9月に失職しています。

**********共同通信社・中日新聞2018年12月27日19:17
前みなかみ町長不起訴、前橋地検 被害女性と示談
 前橋地検は27日、今年4月に懇親会会場の通路で女性にキスをしたとして、強制わいせつ容疑で書類送検された群馬県みなかみ町の前田善成前町長(51)を不起訴処分とした。地検は処分理由を明らかにしていないが、女性の代理人弁護士は「前町長が真摯な反省の態度を示した」として、27日までに示談に応じたと明らかにした。
 女性側は5月、県警に被害届を提出。前町長は同意の上だったとしたが、2度の不信任決議を受け9月に失職した。県警は10月、女性の体を引き寄せてキスをした疑いで前町長を書類送検した

**********群馬テレビ2018年12月27日
https://www.youtube.com/watch?time_continue=12&v=qb61cJtpe-4
前みなかみ町長 強制わいせつ不起訴
 強制わいせつの疑いで書類送検されていたみなかみ町の前田前町長が今日付けで不起訴処分となりました。
 みなかみ町の前田善成前町長は今年4月、町内で行われた懇親会の会場通路で女性職員にキスをしたとされていました。
 前田前町長は、10月に強制わいせつの疑いで書類送検されていましたが、前橋地検は今日付けで不起訴としました。処分の理由については、関係者のプライバシー保護のため、公報しないとしています。
 被害女性は代理人の弁護士を通して、前田氏が反省の態度を示したことから示談に応じました。
 自分と同じような精神的苦痛を被った女性が自分の気持ちを率直に言える社会になることを希望しますとコメントしています。

**********朝日新聞デジタル2018年12月27日20時13分
無理やりキスの前町長不起訴 女性側「反省示し示談に」
 女性に無理やりキスをしたとして強制わいせつ容疑で書類送検された群馬県みなかみ町の前田善成前町長(51)について、前橋地検は27日、不起訴処分にしたと発表した。処分理由については「関係者のプライバシーなどの保護のため」として明らかにしていない。
 一方、女性側の弁護人は前町長が反省の態度を示したことを理由に同日までに示談に応じたと明かし、「不起訴処分は示談を踏まえた判断と承知している」とコメントした。
 県警によると、前町長の書類送検時の容疑は、4月18日夜、町内の宿泊施設の1階通路で団体職員の女性の体を引き寄せる暴行を加え、無理やりキスをしたというもの。当時は「キスは合意があった」と容疑を否認していた。前町長はこの問題で町議会から2度の不信任決議を受け、9月に失職した。

**********上毛新聞2018年12月28日06:00
みなかみ前町長 不起訴 被害女性と示談 強制わいせつ容疑で書類送検 前橋地検
 群馬県みなかみ町で今年4月、懇親会が開かれていた宿泊施設で団体職員の女性にキスをしたなどとして、県警に強制わいせつ容疑で書類送検されていた同町の前田善成前町長(51)について、前橋地検は27日、不起訴処分とした。女性の代理人弁護士は「前田氏が事件とその後の経緯について真摯(しんし)な反省の態度を示した」として、同日までに示談に応じたと明らかにした。町議会の解散や前田氏の失職に伴う町長選など町政の混乱と停滞、イメージの失墜などにつながった問題は一つの決着を迎えた。
 地検は「関係者のプライバシー保護のため、処分の理由は広報しない」とコメント。女性の代理人弁護士は「被害者は、自分と同じような精神的苦痛を被った女性が泣き寝入りせずに自分の気持ちを率直に言える社会になることを希望している」とコメントした。
 事件は今年5月、女性が「懇親会の2次会に出席した際、町長から強引にキスされた」などと県警に被害届を提出したことなどから発覚。前田氏はブログなどを通して「女性から好意があったと思った」などと主張し、一貫してセクハラの意図を否定してきたが、2度の不信任決議を受けて9月に失職した。現在ブログの記事は削除されたとみられ、読めなくなっている。
 県警は10月、女性の体を引き寄せてキスをした強制わいせつ容疑で前田氏を書類送検した。
 前田氏は虚偽の主張で名誉を傷つけられたとして8月、女性に慰謝料1100万円などを求める民事訴訟を前橋地裁に起こしたが、今回の示談で今後、取り下げなどの動きがあるとみられる。
 一連の問題は町政の停滞などを引き起こし、町民にも影響が及んだ。町内の女性(48)は「真実を知りたかったが、被害女性が示談を受け入れたのは一つの選択肢。臆測が飛び交い、これ以上女性が傷つかないよう周囲が見守ってほしい」と理解を示した。

**********産経新聞地方群馬2018年12月28日07:02
みなかみ前町長、女性と示談で不起訴 町のイメージ回復課題
 みなかみ町で4月、団体職員の女性にキスをするなどのセクハラ行為をしたとして、前田善成前町長(51)が強制わいせつの疑いで書類送検された問題は、セクハラの意図を否定し続けていた前田氏が一転して女性に「真摯(しんし)な反省の態度」を表明。女性が示談に応じ、前田氏が不起訴となる結果となった。豊かな自然に恵まれ、観光が売りの町は今後、セクハラ疑惑問題で失墜したイメージの回復に本格的に取り組むことになる。
 前田氏はセクハラ疑惑問題が原因で、町議会から2度の不信任決議を受け、9月に失職。虚偽の主張で名誉を傷つけられたとして、女性を相手取り、前橋地裁に訴訟を起こしていたが、10月に強制わいせつの疑いで書類送検された。

**********読売新聞2018年12月28日 07時49分
送別会で女性にキス、前町長を不起訴…示談成立
 送別会で知人女性に無理やりキスをするなどしたとして、強制わいせつ容疑で書類送検された群馬県みなかみ町の前田善成前町長(51)について、前橋地検は27日、不起訴とした。地検は理由を明らかにしていないが、女性と示談が成立しており、起訴猶予とみられる。
 前田前町長は当初、「キスは合意の上だった」などと主張したが、地検の任意の調べに「当時は酔っていてよく覚えていない」などと説明したという。
 前田前町長は7、9月に町議会から不信任決議を受け、失職した。

**********毎日新聞2018年12月28日 08時53分(最終更新 12月28日 08時53分)
示談→不起訴も被害者の苦痛癒えず みなかみ前町長セクハラ問題

みなかみ前町長のセクハラ問題経緯
 群馬県みなかみ町の前田善成・前町長(51)を巡るセクハラ問題は27日、事件としては示談→不起訴という形で幕を閉じた。被害者側が示談に応じた背景には刑事裁判化による問題の長期化やそれに伴う心身の負担増を避けることがあったとみられる。しかし、被害者が受けた精神的苦痛は癒えておらず、今回の問題は性犯罪の深刻さ、問題点を改めて浮き彫りにした。【鈴木敦子】

**********朝日新聞デジタル2018年12月28日14時18分
セクハラ問題、前みなかみ町長訴訟取り下げ 示談成立か
 群馬県みなかみ町の前田善成前町長(51)のセクハラ問題で、無理やりキスをされたと訴えていた町内の団体職員の女性に対し、「虚偽の主張で名誉を傷つけられた」として前田氏が損害賠償などを求めた民事訴訟は、27日付で前田氏が訴えを取り下げ、終結した。
 11月にあった前橋地裁での第1回口頭弁論では双方が争う姿勢をみせていたが、強制わいせつ容疑で県警に被害届を出していた女性側と示談が成立したことを受けた動きとみられる。前橋地検は27日、前田氏を不起訴処分としており、刑事・民事ともに司法の場での争いは決着した。
 前田氏はこの問題で町議会から2度の不信任決議を受け、9月に失職した。(泉野尚彦)
**********

■この事件では、たまたま2018年11月2日に第1回口頭弁論が前橋地裁で開かれることを知り、当会も急遽傍聴したわけですが、その法廷での様子を見たあと、直後に前橋地裁のすぐ脇の公道上で行われた被告被害女性の訴訟代理人による囲み記者会見に、当会会員がたまたま遭遇した際に、訴訟代理人ではない男性弁護士から、威嚇や恫喝と受け取れる言葉を投げかけられました。

 その異常なリアクションはいったいなぜなのか?疑問に思うと同時に、それ以前から、この事件について、当初はマスコミ報道により単純なセクハラ事件だと思っていた当会でしたが、その後、一貫して加害者とされる前田町長が、SNSで「キスは合意によるものだ」と主張し続けており、さらにSNSでもキス行為の経緯や状況を詳しく報告していることから、なんとなくしっくりと来ない“違和感”のようなものを覚えてきていたのも事実です。

 そして2018年8月6日に前田町長が、被害女性を相手取り提訴したことも、そうした違和感をさらに大きくしました。

**********産経新聞2018年8月9日16:36
みなかみ町長から提訴された女性の弁護士「女性の証言を信用している」 セクハラ問題で
 団体職員の女性から強制わいせつ容疑で被害届を出された群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が、被害を受けたとされる女性を相手取り、虚偽の主張で名誉を毀損(きそん)されたとして、慰謝料1000万円と新聞各紙への謝罪広告掲載を求め、提訴したことを受け、女性側の弁護士は9日、産経新聞の取材に対し、「(女性の証言を)信用している。ウソだとは思っていない」とコメントした。
 前田町長は8日に提訴し、女性の提出した被害届の内容を虚偽であるとして否定。セクハラにあたる行為もなかったとしている。女性側の弁護士は「訴状を確認しないとコメントしづらい。内容を確認してから対応したい」と述べた。
 前田町長は4月18日夜、町内で開かれた団体の飲み会で、女性に抱きついたり、キスをしたとされる。
 訴状は、同日の女性の行動に注目し、女性の証言は「到底信用できるものではない」と否定。前田町長側の弁護士は「何が事実か、公開の法廷で明らかにしたい」としている。
 一連の問題をめぐっては、町長のセクハラ疑惑を発端に、町議会が7月27日に不信任決議を可決。町長は辞職せず、今月6日に議会を解散した。
**********

■昨年12月27・28日の上記の報道をみても、どのマスコミも失職した前田・前町長側の見解を取り上げていません。すべて、被害女性側の訴訟代理人の女性弁護士のコメントしか掲載していないのです。

 当会が昨年11月2日に第1回弁論を傍聴した際、前田・前町長の訴訟代理人に田中善信弁護士がついていることを知りました。

 田中善信弁護士といえば、安中市土地開発公社の巨額横領事件で、元職員の配偶者が訴訟代理人として弁護を依頼した人物です。いわゆるヤメ検弁護士で、しかも警察学校の講師をしており、結果的にこの事件について、元職員の単独犯行だということで幕引きした功労者の一人として、当会ではその辣腕ぶりを高く評価していました。
○2008年11月5日:多胡運輸を取り巻くバリヤー……弁護士編
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/144.html

 そのため、最終的には民事裁判では決して敗訴はしないだろうと見ていました。また、刑事訴追についても、民事裁判との兼ね合いで、起訴になる可能性は少ないのではないか、と予想していました。

 結果的に、当会の予想はほぼ的中したことになりますが、マスコミの報道を見ますと、民事における示談は、「前町長が真摯な反省の態度を示した」(被害女性側の代理人弁護士)として、被害女性側から示談を持ち出したことがうかがえます。

■示談の意味を調べると「話合い。特に、争いごとを表沙汰(おもてざた)にせず相互間の話合いで解決すること」とあります。

 さらに別の出典によれば、「示談」とは、次のように表されています。

(1)裁判外において民事上の紛争を解決すること。当事者が互いに譲歩する和解による場合や仲裁による場合、さらに第三者機関による斡旋を法律が特に予定している場合もある。裁判上の和解と異なり当然に訴訟を終了させる効力はない。
(2)刑事訴訟法上、被告人側と被害者側とが示談した場合、告訴権が放棄されたことになるか否かが問題となる。通説は,告訴権の放棄は告訴の取消しと同一手続によるべきであり、示談だけでは告訴権の放棄にならないとする。


 被害女性は前田・前町長を刑事告訴したわけで、警察が立件して送検し、前橋地検で刑事罰に相当するかを判断していたはずです。

 一方、前述の通り、前田町長(当時)は昨年8月8日に被害女性を相手取り民事事件(事件番号:平成30年(ワ)第361号、謝罪広告等請求事件)を前橋地裁に提起していました。その後、同11月2日に第1回口頭弁論が開かれたあと、12月21日に非公開での弁論準備手続きが行われることになっていました。

 おそらく、被害女性側から示談の申し入れがあったのは、12月21日から27日の間だと思われますが、真相は分かりません。あくまでも当会の推測です。

 そして、同12月27日に前橋地検は、前田・前町長を不起訴処分にしたわけですから、親告罪でもある強制わいせつ罪についても、被害女性側は告訴を取り下げたのかもしれません。となると告訴権を放棄したことになりますから、不起訴処分となった可能性があります。

 なぜなら、不起訴処分には、「罪とならず」「嫌疑なし」「嫌疑不十分」「親告罪の告訴取り下げ」「起訴猶予」の5種類があり、今回、親告罪の告訴取り下げというのがもっとも想定され得ます。

■仮にそうだとすれば、昨年5月以降、9月18日までの一連のセクハラ騒動はいったい何だったのでしょう。

 通常、刑事事件か民事事件によらず、紛争の当事者同士が合意によって事件を解決することを広い意味で「和解」といいます。その中で、特に事件性がある場合にされる和解について、示談といわれることがあります。

 刑事事件に関して示談が行われる場合には、損害賠償の有無や金額、支払方法などの他に、被害者の被害感情や刑事処分に対する意見なども含めることがあります。被害者が、加害者をあるていど許す内容を含むときに、示談が成立したと表現することが多いようです。

 今回の場合はどうでしょうか。仮にキスを求めてきたのが被害女性であったとしたら、前田町長(当時)は刑事訴追などされるはずもなく、むしろ被害者ということになります。

 被害者であるにもかかわらず、「加害者をある程度許す内容を含むときに示談が成立」となれば、被害者である前田町長は、加害者である被害女性の仕打ち(虚偽の告訴により被った損害の賠償や名誉棄損)を許したと見ることもできます。ところが、これまでマスコミは、被害者は被害女性のほうで、あたかも前田町長がセクハラの加害者であるかのように書き立ててきました。しかし最終的に、被害女性側から示談があったわけですから、結果的に前田町長は、実は被害者だったと見なせるのではないのでしょうか。

 すべては、当事者に聞いてみないと真実は分かりません。しかし、マスコミの一方的な報道がずっと続いてきたことや、町長が辞職を願い出てもそれを受理せず不信任決議にこだわった議会、そして結果的に不信任決議が3度も行われたことなど、さまざまな不思議なことが次々に起こった今回のセクハラ行為を巡る町長失職までの5カ月間については、きちんと検証されなければならないはずです。

 とりわけ、今回の改革派の町長失職の背景には、廃棄物処理を巡るRDFの利権なども見え隠れしており、このまま幕引きとともに真相が闇に葬られてしまってよいのかどうか、皆さんとともに考えてみたいと思います。

■マスコミの一方的な報道の中で、一部のジャーナリストは疑問を呈し、独自の取材を行ったところもありました。

 そのひとつが、次の動画です。昨年11月2日の民事裁判の第1回弁論を傍聴後、たまたま通りがかった地裁脇の公道上での被害女性の訴訟代理人の女性弁護士らによる会見で、「盗み聞きだ」「きったねえ」と別の男性弁護士に威嚇・恫喝された当会会員が、同9月19日に抜粋版としてアップしたものです。こうした見方をするジャーナリズムが存在していることを知っていただき、今回の事件を別の観点から見る際の参考に資すれば幸いです。

【YouTube 動画】
群馬県 みなかみ町長 議会で2度の不信任決議で失職  真実はどこに? をプレビュー


ニュースオプエド 2018年9月19日号(抜粋版)
https://www.youtube.com/watch?v=GFTJ4bGd5Ho

 もうひとつは女性週刊誌「女性セブン」2018年5月31日号です。

**********女性セブン(2018-05-31), 頁:30
https://e-hon.tameshiyo.me/4910209250587?page=11
<ブログで猛反論>みなかみ町長、世にも奇妙な「セクハラ騒動」
前田善成氏(50)

 最近とくに目白押しのセクハラやわいせつ行為のニュース。絶対に許すわけにはいかない。一方で、被害者の弱い立場に配慮が必要だからといって、「彼女たちの言い分がすべて」というわけではない。某省庁トップには「胸さわらせて」という録音テープがあった。某アイドルグループメンバーは3度も事情聴取され、現場検証も実拠や客観的事実こそ重要であることは、言うまでもない。
 さて続いての舞台は、群馬県北部の名峰谷川岳の麓にあるみなかみ町。人口は1万9000人ほど。水上温泉郷の名湯には観光客が絶えない。
「昨年10月に初当選した前田善成町長(50才)が4月中旬、町の関連団体Bの女性職員Aさんにキス。Aさんが警察に相談して騒動になった。町議会は5月10日、辞職勧告を全員一致で決めました。」
 と話すのは町役場関係者。まるでデジャヴのように列島各地で同じ話か――と思いきや、ちょっと様相が違うという。
 まずは、報道をチェックしよう、
 ≪町や団体の関係者によると、前田氏は(中略)トイレから出たところで居合わせた女性に無理やり抱き付き、キスをしたとされる≫(5月3日付毎日新聞)
 続いては、前田町長のブログ(10日)を読んでみる。
 ≪私がトイレに立ったところ、相手の女性が追いかけるように席を立った。トイレに向かう廊下で追いつかれ、女性が腕を絡ませ、手を握ってきた。肩にしなだれかかるような形になり、目と目が合った。お互い、顔を近づけ、唇が触れ合った。その後、手をつないだままトイレに向かった≫
 見比べると、その夜の“犯行現場”の説明が、まったく食い違っている。たしかにキスはした。でも、トイレの前か後かで違うし、新聞の≪抱き付き≫とブログの≪手をつないだまま≫では、全然ニュアンスが違う。そして町長はこうも述べるのだ。
 ≪報道にあるように、抱きついたり、私から無理やり何かをしたということは断じてありません。≫
 つまり、どちらかが嘘をついている。
 さらに町長のブログによれば、その翌日、2人はフェイスブック上でメッセージをやり取りしている。
町長≪昨日は、ありがとございました≫
Aさん≪こちらこそありがとうございました≫≪前田町長、昨晩のこと覚えていますか??≫
町長≪申し訳ない≫
Aさん≪どうして謝るんですか‥‥?≫
 その後もやり取りは続き、そのメッセージは町役場関係者も確認しているという。
 その夜のことが“強制わいせつ罪”につながるような疑惑なのか判断は難しい。
 「Aさんが所属する団体Bは、前田町長によって財源を握られています。町長は、“団体が実績を出さなければ予算の減額もある”と強く主張し、両者の溝が深くなっていました。
 そもそも団体Bはライバル候補の政策に共感していて、昨年の町長選では“前田町長になると町がダメになる”“ライバル候補を支持する”と表明していました」(前出・町役場関係者)
 前田町長に話を聞くと、「お話しすることは何もありません」とのことだった。また団体Bは「捜査中のため答えられません」と話す。
 あくまで大切なことは「事実関係」でしかない。警察によって慎重に捜査が行われ、真相が明らかにされるべきだ。

**********

■新聞が真実を報じるわけではないことは、筆者も身に染みて体験しています。真相がいったいどこにあるのか、きちんと明らかにされないまま幕引きがなされては、冤罪や名誉棄損などの不利益を生じてしまい、人権問題にもつながってしまいます。

 今回の事件では、検察は前田氏を不起訴処分にしており、被害女性は刑事告訴をしながら示談をしており、不利益を被ったのは前田氏だけ、という異常さが際立ちます。

 女性セブンにあるみなかみ町役場関係者の証言が正しいとなれば、前田氏が謀略により町長の座を無理やり引きずり落されたことになり、特をしたのはライバル候補ということになります。

**********みなかみ町HP
http://www.town.minakami.gunma.jp/01news/2017/2017-1016-0926-72.html
みなかみ町長選挙結果(平成29年10月15日執行)
平成29年10月15日に執行されたみなかみ町長選挙の結果をお知らせします。

投票率:65.48%
 当選  前田 善成 5,779票
     岸  良昌 5,147票

お問い合わせ先
みなかみ町選挙管理委員会(総務課 総務グループ内)  ☎0278-62-2111

※前田・新市長の抱負:PDF ⇒
http://www.town.minakami.gunma.jp/politics/05kouhou/files/No.146-02-03P.pdf

**********産経新聞2018年10月23日17:21
群馬・みなかみ町長選、鬼頭春二氏が無投票初当選

支持者らを前に決意を訴える鬼頭春二氏
 団体職員の女性へのセクハラ疑惑をめぐり、2度の不信任決議を受けて町長が失職したことに伴う群馬県みなかみ町長選が23日、告示された。無所属で新人の前副町長、鬼頭春二氏(66)以外に立候補の届け出はなく、鬼頭氏が無投票で初当選を決めた。
 前田善成前町長(51)はセクハラ疑惑をめぐり、不信任決議を受けて、8月に議会を解散した。町議選では、自身に批判的な「反町長派」に大敗し、その後の初議会で再び不信任決議を受け、9月に失職した。
 群馬県警は強制わいせつの疑いで捜査しているが、前田氏はセクハラの意図は一貫して否定。虚偽の主張で名誉を傷つけられたとして、女性を相手取り訴訟を起こしている。
 鬼頭氏は今月3日、「みなかみ町の失われた信頼の回復と町政の安定化を目指す」とし、出馬を表明していた。
※鬼頭・新市長の抱負:PDF ⇒
http://www.town.minakami.gunma.jp/politics/05kouhou/files/No.158-02-03P.pdf
**********

■まさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)としか表現できないのが、とりわけ、群馬の政治の世界です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1「真の被害者はこっち・・・町長が提訴」
**********産経新聞2018年8月9日
町議会解散のみなかみ町長が女性提訴 セクハラ問題を法廷に持ち込む狙いとは

みなかみ議会解散届けを出した後、会見する前田善成町長=6日
 みなかみ町の前田善成町長(50)によるセクハラ疑惑が発覚してから約3カ月。5月に団体職員の女性が県警沼田署に被害届を出した後も一貫して疑惑を否定していた前田町長は8日、虚偽の主張で名誉を傷つけられたとして慰謝料1千万円を求めて女性を提訴した。不信任決議に対抗して自身が解散に踏み切った町議会の出直し選挙が9月に予定されるなか、事態は法廷闘争に発展した。(吉原実)
 前田町長は4月18日夜、町内で開かれた団体の飲み会で女性に抱きついたり、キスをしたとされる。これに対し町長はブログや取材で、「キスはしたが、セクハラはしていない」「女性に好意があったと思い込んでいた」などと繰り返していた。
 訴状によると、前田町長は4月18日夜、同町商工会議所青年部の総会に参加するため、会場のホテルに向かった。その後、女性と同じ団体に勤める男性幹部に誘われ、団体の宴席にも参加した。町長がトイレに向かうため廊下に出ると、女性も町長を追いかけるようにして近づき、手と手の指を絡ませ、自ら肩に顔を近づけてきたという。このため、「女性が好意を持っていると思い、一瞬だけキスをした」「双方同意の上のキスだ」と、強制わいせつとセクハラに当たる行為を否定している。
 さらに、青年部と団体は同じ会場で2次会を行い、女性も参加していたという。訴状では、「強制わいせつの被害にあったとする主張にも関わらず、普通に飲食を続けていた。被害が事実であれば、なんらかの対応をすると考えるのが自然かつ合理的」と展開。被害届の内容についても「虚偽」としている。
 一連のセクハラ疑惑で町政は混乱。議会に不信任決議を突きつけられた町長は議会解散に踏み切っている。9月9日投開票が決まった出直し町議選を前に、提訴に踏み切った狙いはどこにあるのか。
 今回の問題で町長は、政治家としての責任に加え、刑事責任の有無も問われており、捜査の進展が提訴に至った1つの要因とみられる。女性の提出した被害届を受け、県警はいずれかのタイミングで書類送検する。
 ただ、不起訴となる公算が大きく、一般的に地検は不起訴となった理由を説明しない。その場合、「政治家として灰色の結果に終わる」(関係者)とみられている。関係者によると、不起訴という曖昧な「シロ」よりも、法廷で主張を尽くした方が、事実関係を明らかにできると判断したという。
**********

※参考情報2「示談直前の誤解だらけ記事・・・訂正すべきでは」
**********産経新聞群馬版2018年12月25日07:03
【年の瀬記者ノート】セクハラ疑惑、ブランドに傷 群馬・みなかみ前町長失職騒動

みなかみ町議会は全会一致で不信任決議案を可決、前田善成氏は町長失職に追い込まれた=9月18日、同町役場
 年の暮れが迫り、忘年会などで酒を飲む機会が増える中、今年特に印象に残ったニュースとして思い浮かぶのは、みなかみ町の前田善成前町長がセクハラ疑惑が原因で町議会から2度の不信任決議を受け、失職に至った一連の騒動だ。
 前田氏は昨年10月の町長選で初当選。ところが、今年4月18日夜に、みなかみ町内で開かれた団体の送別会の2次会に参加した際、職員の女性に抱きつきキスをしたことが発覚した。
 記者が5月2日に電話取材すると、前田氏は「酒に酔っていたが、無理やり抱きついてキスしたわけではない。あくまでも合意の上だった」と弁明。「もし相手が不快な思いをしたのなら謝罪したい」と神妙に答えた。
 酒の上での失態。女性に誠意をもって謝罪すればこれで一件落着-と、前田氏は思っていたかもしれないが、現実は甘くなかった。
 折しも、新潟県知事の買春疑惑や財務官僚トップのセクハラ疑惑が世間の非難を集めて間もない時期。ゴールデンウイーク明けの5月7日、町役場に登庁した前田氏を待ち受けていたのは在京テレビ局のリポーターを含め約30人の報道陣だった。
 これに驚いたのか、前田氏は「軽率な行動で、町民のみなさまにおわびする」と話したが、きびすを返すように役場に入ってしまった。
 その後は態度を硬化させ、セクハラの意図を一貫して否定し、疑惑を追及する議会に対しては「ブログを見てくれ」の一点張り。責任を問う議員らの逆鱗に触れ、5月10日、辞職勧告決議案が全会一致で可決された。前田氏は「辞職するつもりはない。仕事で責任を果たす」とかたくなに主張した。
 最初の不信任決議案が7月27日に可決された後、前田氏が辞職するのか、議会を解散するのかどうか注目された8月6日。議長室から「持ち帰れ、町の恥だ!」と、ドア越しに罵声が響き渡った。
 声の主は小野章一議長。議会解散の通知書を手渡した前田氏を大声で叱咤(しった)したのだった。しかし、議長の思いは前田氏には全く通じなかったようだ。議会は解散した。
 「大義なき議会解散」と非難の声が飛び交う中、9月9日に投開票された町議選の結果は、反町長派の大勝。9日後の初議会で再び不信任決議案が可決され、前田氏は失職に追い込まれた。10月の町長選では、前副町長の鬼頭春二氏が無投票で当選した。
 前田氏は強制わいせつの疑いで書類送検される一方で、虚偽の主張で名誉を傷つけられたとして、女性を相手取って民事訴訟を起こし、係争中だ。
 セクハラ疑惑騒動の影響で、4月の町議選で当選していた18人の議員のうち7人が議会を去った。2度にわたる町議選と町長選には計約2千万円もの血税が使われ、町政は停滞した。
 そして何よりも、観光が売りの町のブランドイメージが悪化した。なんとも後味の悪い出来事だった。(橋爪一彦)
**********

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大同有毒スラグ問題を斬る!…スラグだらけの大同周辺で「人知れず国交省が片付けている」現場写真を入手!

2019-01-27 23:44:00 | スラグ不法投棄問題
■皆様に2019年新春調査と題して読んでいただきました、国道17号石原跨線橋のスラグ撤去の様子が、この度当会に情報提供がありましたので速報でお伝えします。

国土交通省が管理する国道17号石原跨線橋・高架下。

 当会は、国交省が、国道17号石原跨線橋・高架下に投棄されていた有害スラグを大同特殊鋼(株)に人知れず撤去させている現場写真を入手しました。この工事は正式な入札などを経て実施された工事なのでしょうか?そもそも大同特殊鋼(株)は建設業の許可を得ているのでしょうか?

 この現場の様子はこちらをご覧ください。↓↓
○2019年1月2日:大同有毒スラグ問題を斬る!…新春スラグ調査「スラグだらけの大同周辺で、人知れず国交省が片付け依頼?」
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2853.html


現場での掘削風景。

 提供された写真は、石原跨線橋に投棄されていた100%生一本有害スラグを、砂ホコリがたつのもかまわず、無神経にガツガツ掘削する様子から始まっています。有害廃棄物専門の業者でないと有害砂ホコリが飛散することを防止できません。もちろんこの工事は大同特殊鋼(株)により進められています。大同の体質からすると、周辺住民の健康など気にも留めていないに違いありません。非常に気がかりです。


掘削した有害スラグ。

 有害スラグは、飛散防止などの散水をすることなく掘削され、無造作に黒い大きな土のう袋に放り込まれています。せめて道路との間に飛散防止柵などを設けてもらえませんか。


別の角度から見た掘削の様子。

 大同特殊鋼(株)は悪徳建設資材販売業者の(株)佐藤建設工業と群馬県中に有害スラグを捨てまくりました。この無神経で自分勝手な大同にスラグ撤去を任せても良いのでしょうか?またしても自分勝手にスラグ撤去を進めているに違いありません。


掘削直後の地表。

 重機を使いガツガツガツガツ掘削集め、仕事を進める大同特殊鋼(株)。有害スラグの飛散防止措置はどうなっているのでしょうか。まだ土壌にスラグが残っていないでしょうね。直下の土壌の環境分析調査はしていただいたのでしょうね。


もうすこし近づいて観察。

 おやおや、なんだか、スラグが土壌の上に残っていますよ。茶色い土に白い粒粒が見えますよ。なんとスラグの取り残しです!


回収された大同スラグ。

 今まさに、大きな有害スラグの掘削が終わり、大きな土のう袋を整列している様子です。その前の写真には茶色い土に白い粒粒が見えるではないですか。まだまだ有害スラグが取り残されている証拠です。大同様、きちんと撤去してください!国交省様、大同にきちんと撤去するよう指導してください!


掘削後の現場。

 掘削の後、現場には白い小石が敷砂利されています。まさかこれはスラグではないでしょうね?

 もしかして、悪徳建設資材販売業者の(株)佐藤建設工業から調達した小石であれば、いかがわしい有害物質が混合されているおそれが払しょくしきれません。大同特殊鋼(株)はまだまだ(株)佐藤建設工業と手を切れない間柄をキープしていることでしょうから。

■当会は、2018年12月27日付で、さいたま市新副都心にある国交省の情報開示担当係あてに、開示請求書を出しました。
※行政文書行政開示請求書: PDF ⇒ 20181227sjixoj.pdf


 果たして国交省はどのような情報を開示してくるのでしょうか。読者の皆さんとともに予断なしに待ちたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

公道での路上会見を取材しようとしたら「盗み聞きだ」と恫喝した弁護士への懲戒請求を弁護士会が門前払い

2019-01-27 20:12:00 | 不良弁護士問題
■みなかみ町市役所を舞台にしたセクハラ事件の背景と経緯、実態については、当会も関心を持っており、11月2日に前橋地裁で開廷されたみなかみ町前町長が被害女性を相手取り提起したセクハラ謝罪広告等請求事件の第1回口頭弁論が開催されることを掲示板で知り、当会も傍聴しました。ところが、その直後、当会会員がたまたま裁判所近くの公道で記者会見に遭遇し、立ち聞きした際に、被告訴訟代理人と同じ法律事務所に所属する弁護士から「盗み聞きだ」「きったねえ」などと威嚇・恫喝を受けたため、当会が対象弁護士の懲戒処分を群馬弁護士会に請求していました。その結果が同会から1月25日に当会へ届きました。

 これまでの経緯は次の通りです。

 当会は、前橋市役所南橘公民館を舞台にしたセクハラ事件の加害者である管理職職員が別の女性職員と不倫にのめり込み、公民館で不貞行為をし、職場の規律を乱したにもかかわらず、公務だとして時間外手当を支給した上に、不倫相手の女性職員を正当な理由もなく4カ月物傷病休暇を与えた前橋市を相手取り、不倫行為を重ね職場規律を乱した当事者らから失われた公金を取り戻すことを義務付ける住民訴訟を提起しています。

 この関連で、同じく県内のみなかみ町市役所を舞台にしたセクハラ事件についても、その背景と経緯、実態について関心を持っており、11月2日に前橋地裁で開廷されたみなかみ町前町長が被害女性を相手取り提起したセクハラ謝罪広告等請求事件の第1回口頭弁論が開催されることを掲示板で知り、当会も傍聴しました。

 裁判そのものは僅か2分で終わりましたが、たまたま当会会員が帰りがけに地裁の東側の公道で道路にはみ出した集団を見つけ、近寄ってみると被告訴訟代理人を中心にした人だかり=集会であることが分かりました。そこで、交通への危険を喚起しつつ、どのような話をしているのかヒヤリングすべく集会に加わろうとしたところ、突然、別の弁護士に「盗み聞きだ」と大声を出され恫喝・脅迫を受けたのでした。

 セクハラ問題に取り組んでいる当会会員が、たまたま出くわせた、被告側の被害女性(氏名不詳)の訴訟代理人である女性弁護士の説明を聞ける路上会見の機会をとらえて、取材をしようとしただけなのに、関弁護士から「盗み聞きだ」と強い口調で言葉を投げ替えられたことから、当会としては関弁護士の弁護士としての品位に疑問符をつけざるを得ないと考え、11月8日に次の懲戒請求書を群馬弁護士会に提出しました。すると同日付で、群馬弁護士会の会長名で、「調査開始通知書」が当会事務局に届きました。

 そして、それから5日後の11月13日に、群馬弁護士会を経由して、対象弁護士である関夕三郎氏の弁明書が当会事務局に届けられました。群馬弁護士会からは、この弁明書の内容に対する反論や疎明資料があれば、11月26日(月)までに提出するように指示がありました。そこで当会は、11月26日、反論書等を群馬弁護士会に届けました。

 すると、間髪を入れず11月28日付の関夕三郎弁護士からの弁明書2が、同日付で群馬弁護士会より送付書付きで送られてきました。そして、これに対する反論の提出期限が12月12日だったため、当日次の内容の反論書2を2部、群馬弁護士会に届けました。すると、それから1か月半足らずで、早くも弁護士会から年明けの1月25日に封筒が届いたのです。

 以上の経緯は次のブログを参照ください。
○2018年11月8日:公道での路上会見を取材しようとした市民を「盗み聞きだ」と恫喝した弁護士の品位を問うべく懲戒請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2805.html
○2018年11月14日:公道での路上会見を取材しようとした市民を「盗み聞きだ」と恫喝した弁護士から弁明書が到来
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2813.html
○2018年11月16日:公道での路上会見を取材しようとした市民を「盗み聞きだ」と恫喝した弁護士に反論書等を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2826.html
○2018年11月29日:公道での路上会見を取材しようとした市民を「盗み聞きだ」と恫喝した弁護士から弁明書2が到来
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2829.html
○2018年12月12日:公道での路上会見を取材しようとした市民を「盗み聞きだ」と恫喝した弁護士の弁明書2への反論書2を提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2840.html

■さっそく開封してみると、次の文書が同封されていました。

*****送付書*****PDF ⇒ 20190125m.pdf
                          2019年1月24日
懲戒請求者 市民オンブズマン群馬
   代表 小 川   賢 殿

                    群馬弁護士会
                     会長 佐々木 弘 道

         懲戒請求事案の決定について(通知)

 本会は,下記事案につき,綱紀委員会の議決に基づき別紙のとおり対象弁護士を懲戒しない旨決定したので綱紀委員会及び綱紀手続に関する会規第55条第2項の規定により,綱紀委員会議決書の謄本を添付して通知します。

          事案番号:平成30年(綱)第14号

 懲戒請求者は,この決定について不服があるときは,弁護士法第64条の規定により,日本弁護士連合会に異議を申し出ることができます。
 なお,異議の申出は,この通知を受けた日の翌日から起算して3か月以内に,書面によってしなければなりません(郵便又は信書便で提出した場合,送付に要した日数は算入しません。郵便又は信書便に当たらない宅配便,メール便,ゆうパックなどの場合,送付に要した日数は算入されます。)。
 異議申出書の記載事項及び必要部数については,以下のウェブサイトを御覧ください。
 *懲戒請求事案に関する異議申出の方法について
  http://www.nichibenren.or./jfba_info/autonomy/chokai/tyoukai_igi.html
  (又は,検索サイトで「懲戒異議申出」と検索してください。)
 インターネットを御利用にならない場合には,ウェブサイトと同内容の書面を郵送かファックスでお送りしますので,以下までお申し付けください。
 *異議申出書の提出先・問い合わせ先
  日本弁護士連合会(担当:審査部審査第二課)
  〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-1-3
  電話 03-3580-9841(代)

*****決定書*****PDF ⇒ 20190125m.pdf
平成30年(綱)第14号

            決  定  書

              群馬県前橋市文京町一丁目15-10
                  懲戒請求者  市民オンブズマン群馬
                     代表  小 川   賢

              群馬県前橋市大手町3-4-16
                石原・関・猿谷法律事務所
                  対象弁護士  関   タ三郎
                      (登録番号31261)

 本会は,上記懲戒請求事案につき,次のとおり決定する。

              主    文

           対象弁護士を懲戒しない。

              理    由

 上記対象弁護士に対する懲戒の請求について,綱紀委員会に事案の調査を求めたところ, 問委員会が別紙のとおり議決したので,弁護士法第58条第4項の規定により,主文のとおり決定する。

  2019年1月24日

             群馬弁護士会
               会長   佐々木 弘 道

*****議決書*****PDF ⇒ 20190125m.pdf
<P1>
平成30年(綱)第14号事件

            議  決  書

              群馬県前橋市文京町一丁目15-10
                  懲戒請求者  市民オンブズマン群馬
                     代表  小 川   賢

              群馬県前橋市大手町3-4-16
                石原・関・猿谷法律事務所
                  対象弁護士  関   タ三郎
                      (登録番号31261)

              主    文

 対象弁護士につき,懲戒委員会に事案の審査を求めないことを相当とする。

              理    由

第1 事案の概要
   本件は,対象弁護士らが報道記者らに公道上で裁判の説明を行っていた際, ICレコーダーで録音をしていた懲戒請求者の会員である桜井基博(以下「桜井会員」という)に対して,対象弁護士が「盗み聞き」等と発言した行為等が,品位を失うべき非行にあたるとして申し立てられた懲戒請求事案である。

第2 前提となる事実
1 平成30年11月2日午後2時過ぎ頃,いずれも同じ事務所に所属する対象弁護士,安カ川弁護士及び外2名の弁護士らは,前橋地方裁判所の東

<P2>
側の路上で,同裁判所で直前に行われた民事裁判につき,報道関係者らに対して,訴訟代理人としての見解を説明をしていた。
2 安カ川弁護士が説明をしていたところ,その隣にいた対象弁護士は,桜井会員が途中から説明の場に加わりI Cレコーダーで録音をしていることに気付いた。
3 対象弁護士は,桜井会員が代表となっている会社が係争中の訴訟において相手方の訴訟代理人を務めていることから,録音をしている人物が桜井会員であるとわかり,桜井会員に「桜井さんですよね。」と声をかけた。
  なお,対象弁護士は桜井会員が懲戒請求者の会員であることを知っていた。

第3 懲戒請求事由の要旨
  オンブズマンとして取材をしていた桜井会員が,安カ川弁護士の説明を正確に聴取しようと,メモを取る代わりにICレコーダーで録音していたところ,対象弁護士は一方的に声を荒げて「盗み聞き」だとまくしたて,一方的に立ち去った。
  対象弁護士の言動は,桜井会員を威嚇・恫喝し,犯罪者扱いするものであり,弁護士としての品位を失うべき非行に該当する。

第4 対象弁護士の弁明の要旨
  対象弁護士らが受けていたのは「囲み取材j であり,「囲み取材」とは取材対象者と記者との会話による取材であり,取材及びその録音は取材相手の承諾を得て行うべきであるところ,桜井会員は対象弁護士らの背後から近寄って「囲み取材」の輪に入り, I Cレコーダーで、会話を無断録音をしたもので,このような不愉快な行為をされれば怒るのは当然である。
 このため,対象弁護士は桜井会員に対して「盗み聞きである」旨の苦言

<P3>
を強く申し向けたものである。

第5 証拠
1 懲戒請求者提出分
(1)主張書面
  懲戒請求に対する弁明書への反論等(平成30年11月26日付)
  反論書2(平成30年12月12日付)
(2)証拠
  甲1 録音動画(https://www.youtube.com/watch?v=wiMApT7Kkx0)
  甲2 録音動画(https://youtu.be/815-yhaTfTo)
2 対象弁護士提出分
  主張書面
  弁明書(平成30年11月12日付)
  弁明書2(平成30年11月28日付)

第6 当委員会の認定した事実及び判断
1 対象弁護士が桜井会員に対して,「報道に対して説明していたんです。盗み聞きみたいなこと止めてもらえますか?」「盗み聞きみたいな,盗み聞きみたいなこと止めてもらえますか?」「盗み聞きでしょ。人が話しているとこ,脇で。」等と述べたことについては当事者間に争いがない。
2 弁護士が裁判後の取材に応じる場合,裁判所構内では認められないことから,傍聴していた報道関係者らと取材対象である弁護士らが裁判所を出たあたりの道路上等に移動して行われることは多く,本件でも対象弁護士らはそのように移動したうえで,裁判を傍聴していた報道関係者らがその場にいるものとして説明を行っていたと認められる。
 そして,弁護士が受任事件に関して情報発信する際,依頼者の利益や個

<P4>
人情報等の観点から細心の注意をはらうのは弁護士として当然の義務であり,いわゆる報道関係者のみを対象とするか否かでその内容や表現等を変える配慮、を要する場合はあり得る。
 対象弁護士の一連の発言は,そのような観点からなされたと認められ,桜井会員の人格攻撃を目的とする等の不当な意図はなかったと言うべきである。
3 対象弁護士が,桜井会員の行為を「盗み聞き」と表現したことについては,その言葉が言われた相手にとっては不快との感じを持つことはあり得ることではあるが,一方,ことの経過を見れば,対象弁護士が,桜井会員の行為について,否定的に捉え,抗議をしたことも無理からぬところである。
  また,上記のとおり発言に不当な意図はなかったこと,「盗み聞き」の言葉は短時間のやりとりの中で発せられたものであること,この言葉をもって相手を犯罪者扱いをしているとまでは言えないこと,対象弁護士の口調がかなり強いものであったことは認められるものの,桜井会員も反論しており対象弁護士が一方的に発言していたとはいえないこと等も考慮すると,対象弁護士の言動が桜井会員を威嚇・恫喝するようなもので、あったとまでは評価できず,対象弁護士に品位を失うべき非行があったとは認められない。
  よって,主文のとおり議決する。

 平成31年1月23日

      群馬弁護士会綱紀委員会
           委員長  山 田 謙 治

<P5>
これは謄本である。
 2019年1月24日
  群馬弁護士会
   会長  佐々木 弘 道
**********

■そもそも、関弁護士は、みなかみ前町長が被害女性を提訴した当該民事裁判(事件番号:平成30年(ワ)第361号謝罪広告等請求事件)の訴訟代理人なのでしょうか。もし、訴訟代理人でないとすると、なぜ2018年11月2日の第1回口頭弁論で法廷に出頭し、その後、マスコミ相手の記者会見も取り仕切ることができるのでしょうか。実に不可思議です。

 当会は「当会会員は公道での記者会見をたまたま立ち聞きしただけなので、盗み聞きなどではない」と一貫して主張しているのですが、このことについて弁護士会は、「ことの経過を見れば,対象弁護士が,桜井会員の行為について,否定的に捉え,抗議をしたことも無理からぬ」と判断してしまいました。

 これでは、当会の主張に対して、「故意に事実確認を怠っている」としか思われません。

 加えて、「きたねぇ」などという、およそ弁護士からぬ下衆の言葉を吐いていることについても、弁護士会は故意に触れようとしないように見受けられます。

 こうした観点から、当会では日弁連への異議の申出が必要だと考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする