市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

血税3440万円と広告収入3千万以上をかけたグラフぐんまを無料ダウンロードさせない群馬県と監査委員

2012-12-30 20:33:00 | 県内の税金無駄使い実態
■大澤知事の提灯記事をちりばめた「グラフぐんま」は役所、出先機関、県議会等政治関係先、農協、病院、銀行、飲食店、理・美容店だけに毎月1万6200部無料配布されていますが、納税者である一般県民が、この県政写真誌と称する代物を読もうすると、県内の限られた書店で1冊350円で買わざるを得ません。


 内容がいまひとつ面白くないのに、毎月勝手に送りつけられるので、この費用をもっと県民のために有意義に使ってほしいという県民のかたからの声にもとづき、これまで「グラフぐんま」の制作・発行に関して、いろいろ調査し、その結果、地方自治法に定める最小限のコストで最大限の効果を挙げるという趣旨に反していることが明らかになったため、市民オンブズマン群馬のメンバーらが、群馬県監査委員に対して平成24年10月23日に住民監査請求を行いました。その結果が同12月26日付で通知されましたので報告します。なお、監査結果は、案の定「棄却する」でした。

 群馬県監査委員から届いた監査結果通知は次のとおりです。

**********
                    群監 第202-19号
                    平成24年12月26日
請求人 小川  賢 様
者求人 鈴木  庸 様
                    群馬県監査委員
     群馬県職員措置請求に関する監査結果について
平成24年10月23日付けで収受した標記請求に係る監査結果は下記のとおりです。
         記
1 監査委員名   富 岡 恵美子
          横 田 秀 治
          織田澤 俊 幸
          新 井 雅 博
2 監査結果   別紙のとおり
                    監査委員事務局特定監査係
                    Tel 027-226-2767・2768


【群馬県職員措置請求監査結果】
第1 請求に対する判断
 請求人の主張には理由がないものと判断し、請求を棄却する。
第2 請求人
 安中市野殿980番地 小川賢
 前橋市文京町1丁目15番10号 鈴木庸
第3 請求書の提出
 平成24年10月23日
 なお、受理するに当たり、平成24年10月31日に補正を求め、平成24年11月12日に補正が行われた。
第4 請求の内容
1 .請求書の要旨(原文から抜粋したもの(一部要約))
(1)グラフぐんまについては、開示された資料を見る限り入札執行調書はあるが、肝心の予定価格調書については、封筒の写しのみが開示されただけであり、予定価格は設定されているようだ。しかし、その情報を隠そうとしていることから、予定価格の積算根拠について、広告料を把握していないまま積算している可能性があり、その場合、全く根拠に乏しい予定価格の数字となってしまう。
(2)群馬県は上毛新聞社に、契約に基づいて毎月287万円を委託業務費として支払っている。もし、上毛新聞社が、毎月の広告代として、40ページの20パーセントに相当する8ページ分の広告料を、それぞれ1ページ当たり、仮に30万円と設定した場合、8ページ合計で240万円の広告収入となり、落札額の8割以上をカバーできることになる。仮に1ページ分の広告料を40万円に設定した場合は、8ページ合計320万円となり、落札額を上回る収入になるため、県から受け取る公金は、まるまる利益にすることも可能である。
(3)総務部広報課では、きちんと広告料を把握し、グラフぐんまの入札に際して、適正な予定価格をあらかじめ設定することが必要である。
(4)大沢正明知事は、ただちにグラフぐんまに係る広告料・広告収入を広告取扱事業者から報告させ、適正なコスト+利益率を設定し、もし、それを超える過分な利潤がある場合(請求人は、過分な利潤は必ず存在していると確信する)、広告取扱事業者であり、グラフぐんまの編集・発行者でもある上毛新聞に対して、適正な範囲を超える利潤を返還させるための交渉を行うよう、監査委員から勧告をされたい。
2 事実証明書について
(1)平成24年4月1日付の総務部広報課の回議書類(グラフぐんまの製作・発行委託について)のコピー
(2)同上の決定内容と起案説明のコピー
(3)同上の入札執行調書のコピー
(4)同上の上毛新聞社の入札書のコピー
(5)同上の予定価格調書用を入れたと思しき封筒のコピー
(6)同上のグラフぐんまの製作・発行に係る群馬県と上毛新聞社との間で締結される予定の平成24年4月1日付の契約書のコピー(全3ページ)
(7)平成24年7月16日付の群馬県に対する公開質問状のコピー
(8)平成24年7月31日付の群馬県からの回答のコピー
(9)平成24年7月5日付の上毛新聞社に対する公開質問状のコピー
(10)平成24年7月13日付の上毛新聞社からの回答のコピー(全2ページ)
(11)平成24年8月20日付の群馬銀行に対する公開質問状のコピー
(12)平成24年8月24日付の群馬銀行からの回答のコピー
3 補正書の内容(原文から抜粋したもの(一部要約))
(1)予定価格の積算根拠について、広告料を把握していないまま積算している可能性があり、その場合、全く根拠に乏しい予定価格の数宇となってしまう。
(2)入札が一般競争入札なのか、指名競争入札なのか判然としない。(略)一般競争入札以外の契約形態(指名競争入札及び随意契約を含む)は地方自治法に定められた場合のみ行うことが出来る。
(3)本件の入札では、公告に示した競争執行の場所及び日時に、入札者を立ち会わせて開札をしているのかどうかも不明である。しかも、入札書は郵送で提出されているが、入礼者が立ち会わない場合の措置がきちんとなされていたかどうかも不明である。
(4)一連の契約行為において、適正な予定価格、適正な入札が担保されていない場合、入札結果として、落札価格=契約価格に正当性の瑕疵が生じることになり、必然倚に財務会計上、発注者側に不利な結果、すなわち損害を生じることが考えられる。公金の支出に対しては、歳出予算に違反しないこと(地方自治法232条の3、232条の4)、最小経費・最大効果の原則に違反しないこと(無駄遣いでないこと)(地方自治法2条14号、地方財政法4条1項)という規制があり、本件に係る一連の契約行為はこの双方に抵触している。
(5)さいたま市が半年ごとに1万部ずつ1部62円程度のコストで発行している写真誌などから推定すると、グラフぐんまの場合、毎月1万6千部も発行しているのであれば、広告を募集しなくても、1冊あたりせいぜい90円程度で費用が賄えるはずであり、そうであれば、現在1冊当たり約177円の公費を投入して編集・製作・発行しているグラフぐんまは現在の半額程度で製作できることになり、残りは無駄遣いとなるため、地自法に違反する。
(6)グラフぐんまの広告料について、その実勢を把握せずに予定価格を設定している場合には(請求人らはその可能性が極めて高いと思料する)、得べかりし利益を放棄していることになり、これが損害にあたる。
第5 請求の受理
 本件請求は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条第1項に規定する要件を具備しているものと認め、平成24年11月15日に受理を決定した。
第6 監査の実施
1 監査対象事項
 本件請求に係る請求書、事実証明書及び補正書から判断し、監査対象事項は次のとおりとした。
 平成24年度「県政写真誌「グラフぐんま」製作・発行委託業務」契約(以下「本件契約」という。)
2 監査対象機関
 県総務部広報課(以下「広報課」という。)
3 請求人の証拠の提出及び陳述
 平成24年11月22日、法第242条第6項の規定に基づき証拠の提出及び陳述の機会を設けたところ、請求人2名から陳述があった。
 なお、追加証拠書類として、次の提出があった。
(1)群馬県職員措置請求書にかかる陳述書
(2)町田市のホームページの記事(2012年度地域情報紙「まちぴと」発行業務受託候補者選定のための公募型プロポーザルについて)
4 監査委員による対面監査
 平成24年12月10日、広報課に対し、監査委員による対面監査を行った。
5 関係人調査
 法第199条第8項の規定に基づき、県生活文化部県民生活課(以下[県民生活課」という。)及び県会計局会計課(以下「会計課」という。)に対し、平成24年12月5日付け文書による調査を行ったところ、県民生活課から同月10日に、会計課から同月12日にそれぞれ回答を得た。
6 非開示情報の取扱いについて
 監査時には、予定価格や予定価格積算の具体的な金額を監査したが、本監査結果において、予定価格等を具体数値で示すことは、契約事務に関し、県の財務上の利益等を不当に害するおそれがあり、群馬県情報公開条例(平成12年条例第83号)第14条第6号ロに該当すると判断し、具体的な金額を記載しない。
第7 監査の結果
 関係書類の調査並びに広報課職員及び関係人への聴取等により、確認した事実は、以下のとおりである。
1 関連する規定等について(各法令等の記載は、関連規定の抜粋とする。)
(1)地方自治法施行令(昭和22年政令第16号。以下「施行令」という。)
 第167条 地方自治法第234条第2項の規定により指名競争入札によることができる場合は、次の各号に掲げる場合とする。
(1)工事又は製造の請負、物件の売買その他の契約でその性質又は目的が一般競争入札に適しないものをするとき。
(2)その性質又は目的により競争に加わるべき者の数が一般競争入札に付する必要がないと認められる程度に少数である契約をするとき。
(3)一般競争入札に付することが不利と認められるとき。
 第167条の6 普通地方公共団体の長は、一般競争入札により契約を締結しようとするときは、入札に参加する者に必要な資格、入札の場所及び日時その他入札について必要な事項を公告しなければならない。
2 普通地方公共団体の長は、前項の公告において、入札に参加する者に必要な資格のない者のした入札及び入札に関する条件に違反した入札は無効とする旨を明らかにしておかなければならない。
(2)群馬県情報公開条例(平成12年条例第83号。以下「公開条例」という。)
 第11条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、当該実施機関の保有する公文書の開示を請求することができる。
 第14条 実施機関は、開示請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報(以下「非開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合は、当該公文書を開示してはならない。
(6)県の機関、国、独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人又は公社が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
 ロ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、県、国、独立行政法人等、他の地方公共団体、地方独立行政法人又は公社の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
 第18条 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨並びに開示を実施する日時及び場所を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(3)群馬県財務規則(平成3年規則第18号。以下「財務規則」という。)
 第169条 契約担当者は、一般競争入札に付そうとするときは、契約をしようとする事項に関する設計書、仕様書等に基づき、当該契約の目的となる事務、事業、物件又は役務について市場価格、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮し、予定価格の積算を行い、適正な予定価格を定めなければならない。
2 予定価格は、契約をしようとする事項の価格の総額について定めなければならない。ただし、一定期間継続してする製造、修理、加工、売買、供給、使用等の契約の場合においては、単価についてその予定価格を定めることができる。
 第170条の2
 2 知事は、前項に規定する資格を定めたときは、定期に又は随時に、一般競争入札に参加しようとする者の申請をまって、その者が当該資格を有するかどうかを審査し、当該資格を有すると認めた者又は当該資格がないと認めた者に対し、それぞれ必要な通知を-・しなければならない。
 第171条 契約担当者は、一般競争入札に付そうとするときは、法令に特別の定めがある場合を除くほか、その入札をする日の前日から起算して10日前までに群馬県報への登載、新聞紙への掲載、掲示その他の適切な方法により、これを公告しなければならない。ただし、急を要する場合においては、その期間を5日までに短縮することができる。
 2 前項の公告は、政令第167条の6に規定する事項のほか、次に掲げる事項について行うものとする。
 (1)入札に付する事項
 (2)契約条項を示す場所及び日時
 (3)入札保証金に関する事項
 (4)前3号に掲げるもののほか、必要があると認める事項
 第175条 一般競争入札に参加する者(以下「入札者」という。)は、入札書(当該入札書に記載すべき事項を記録した電磁的記録を含む。以下同じ。)を作成し、所定の日時に所定の場所に提出しなければならない。
 2 代理人が入札する場合は、入札前に委任状を提出しなければならない。
 第179条 契約担当者は、一般競争入札の落札者が決定したときは、直ちにその旨を落札者に通知しなければならない。
 2 落札者は、前項の通知を受けた日の翌日から起算して5日以内に契約を締結しなければならない。ただし、契約担当者が特に理由があると認めた場合は、この限りでない。
 第190条の4 契約担当者は、特例政令第6条の規定による一般競争入札の公告をする場合は、第171条第1項の規定にかかわらず、特例政令第6条に規定する事項のほか、次に掲げる事項について、その入札をする日の前日から起算して40日前(一連の調達契約のうち最初の契約以外の契約に係る一般競争入札については、24日前)までに、群馬県報へ登載して公告しなければならない。ただし、急を要する場合においては、その期間を10日までに短縮することができる。
 (1)当該公告に係る特定調達契約に関する事務を担当する部局の名称
 (2)契約の手続において使用する言語
 第190条の6 知事は、第190条の4第1項の公告又は前条第1項の公示をした後、当該公告又は公示に係る一般競争入札又は指名競争入札に参加しようとする者から第170条の2第2項(第187条において準用する場合を含む。)の規定による申請があったときは、連やかに、その者が政令第167条の5第1項又は第167条の11第2項に規定する資格を有するかどうかについて審査を開始しなければならない。
 第190条の7 契約担当者は、特定調達契約につき郵便による入札を禁止してはならない。
 第190条の8 特例政令第8条に規定する入札説明書に記載する事項は、次に掲げるものとする。
 (1)特例政令第6条又は第7条の規定により公告又は公示をするものとされている事項(特例政令第6条第5号に掲げる事項を除く。)
 (2)調達をする物品等又は特定役務の仕様その他の明細
 (3)開札に立ち会う者に関する事項
 (4)契約に関する事務を担当する部局の名称及び所在地
 (5)契約の手続において使用する言語
 (6)その他必要な事項
 第190条の10 契約担当者は、特定調達契約につき、一般競争入札若しくは指名競争入札により落札者を決定したとき、又は随意契約の相手方を決定したときは、その日の翌日から起算して72日以内に、特例政令第11条の規定により群馬県報へ登載して公示しなければならない。
 2 前項の公示については、次に掲げる事項を記載するものとする。
 (1)落札又は随意契約に係る物品等又は特定役務の名称及び数量
 (2)契約に関する事務を担当する部局の名称及び所在地
 (3)落札者又は随意契約の相手方を決定した日
 (4)落札者又は随意契約の相手方の氏名及び住所
 (5)落札金額又は随意契約に係る契約金額
 (6)契約の相手方を決定した手続 .
 (7)一般競争入札又は指名競争入札によることとした場合には、特例政令第6条の規定による公告又は特例政令第7条の規定による公示をした日
 (8)随意契約による場合には、その理由
 (9)その他必要な事項
(4)県広告掲載関連
 ア 群馬県広告掲載要綱(平成23年5月24日施行。以下「掲載要綱」という。)
 第1条 この要綱は、県の財源確保対策の一環として、県資産に掲載する広告の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。
 2 広告の掲載については、他の要綱に特別の定めがある場合を除くほか、この要綱の定めるところによる。
 イ 群馬県広報媒体広告掲載要綱(平成20年2月21日施行。以下r媒体要綱jという。)
 第4条広告取扱事業者は、広告媒体に広告掲載しようとする広告主及び広告内容について、あらかじめ県と協議するものとする。
 ウ 「グラフぐんま」及び県政テレビ番組広告掲載要領(平成20年2月21日施行。以下「掲載要領」という。)
 第2条 グラフぐんま及び県政テレピ番組への広告掲載は、県からグラフぐんま又は県政テレビ番組の製作業務を受託した者と広告掲載業務に関する委託契約を締結して行うものとする。なお、広告掲載業務に関する委託契約は、製作業務に関する契約に含めて締結することができるものとする。
 第6条 広告の募集は、広告取扱事業者が行う。
 2 広告取扱事業者は、この要領に基づき、広報媒体に広告掲載する者の候補を選定し、広告掲載内容を検討するとともに、あらかじめ県の承認を得なければならない。
(5)年度開始前の契約準備行為について
 ア 「当初予算に係る年度開始前の入札執行について」(平成11年3月4日会第17号。以下「入札通知jという。)
 1 対象業務
  年度開始早々に契約を締結しなければ業務に支障を来すもの。
 2 事務手続きの範囲
  執行伺い(内部意思決定)から入札・落札者の決定までとする(随意契約に係るものは、見積書の徴取・契約の相手方の選定までとする。)。
 3 留意事項
  ・執行伺いは新年度予算議決日以後に行うものとし、年度開始前の契約準備行為である旨を記載のうえ、財政課長(出先機関にあっては主管課長)の承認を得ること。
  ・入札通知には「当該入札の落札決定の効果は、平成○年4月1日に平成○年度予算発効時において効力を生ずる。契約の締結は平成○年4月1日とする。」旨の条件を付すこと。
  ・支出負担行為の決議及び契約の締結は、4月1日以後とすること。
 イ 「年度開始前の契約準備行為の事務手続きについて」(平成15年3月17日(財)。以下「事務通知」という。)
 1 変更内容
  年度開始前の契約準備の執行伺い時の財政課長の承認を次のとおり変更
  <変更前>財政課長の承認〔地域機関にあっては主管課長の承認〕
    ↓
  <変更後>主管課の承認(地域機関は従来どおり)※財政課長の合議は必要なし。但し、財務規則上の合議区分による合議は従来どおり。
 2 適用時期
  平成15年度当初予算の契約準備行為から適用
 3 その他
  これ以外の事務手続きについては、平成11年3月4日付会第17号通知のとおりに行ってください。
(6)会計事務の手引(群馬県会計局作成)
 ア 第6 契約5 予定価格(5)
  また、下記ア及びイに掲げる場合を除き、予定価格は開札後であってもこれを公表すべきではない。
  なぜなら、①入札が不調に終わり、新たに入札を実施する場合又は再度公告をして入札を実施する場合があること、②落札者が契約に応じない場合があること、③当該入札における積算基準等を推察することが可能となる等の理由により、その後の競争入札において、県にとって有利な価格で契約することができなくなるおそれがあるためである。
 イ 第6 契約9 一般競争入札(6)
  ウ 特に禁止しない場合は、代理人に入札させてもよい。この場合は、代理人に委任状を提出させ、入礼者は代理人とする。
  エ 入札書は、封書にして提出させ、封筒の表面余白に一般競争入札に付された事項及び氏名又は名称(会社名等)を記入させる。
 ウ 第6 契約9 一般競争入札(7)
  ア 開札は、入札終了後直ちに入札場所で入札者を立ち会わせて行う。この場合に立ち会わない入札者があるときは、当該入札事務に関係のない職員を立ち会わせて開札する。なお、立ち会わない入札者が数人いても、職員は1人でもよい。
  イ 開札は原則として、入札執行者及び補助職員2名以上で次のとおり行う。
2 広報課職員からの聴取事項
(1)「グラフぐんま」について
 ア 広告掲載根拠
  広告掲載については、掲載要綱で県の財源確保対策の一環として、県資産に掲載する広告の取扱いについて必要な事項が定められている。広告の掲載は、掲載要綱第1条第2項で他の要綱に特別の定めがある場合を除くほか、この要綱の定めるところによるとされているため、広報課では、掲載要領を制定し、掲載要領第2条で規定している。
 イ 契約方法について
  本件契約は、掲載要領第2条の規定により、受託業者に、製作業務と併せて広告の募集、掲載業務を委託している。広告料収入を製作費用の一部に充てることで県の歳出削減が図られると認識している。実際に、広報課では、広告料収入を見込んだことにより、平成24年度の契約金額が34,440千円(税込み)となり、広告料収入を見込まない金額より30,000千円以上の県費の節減が図られたものと想定している。
  なお、請求人は、「広告料収入だけでも発行は可能ではないか、利益も期待できる。」と主張しているが、毎月の287万円は、製作費から広告料収入を差し引いた金額であり、ここから広告料収入を差し引くのは算術的に明確な誤りである。
  また、「グラフぐんま」は、通常の雑誌とは異なり、行政の刊行物という性格上、広告掲載条件も厳しいが、製作と広告募集を合わせた委託を行うことにより、受託業者の待つ営業力を生かした広告募集が行えると考えている。
 ウ 「楽楽楽(ららら)さいたま」との比較
  請求人は、「さいたま市が発行しているグラフ誌版広報誌「楽楽楽(ららら)さいたま」に比べ、「グラフぐんま」の製作単価が高い。」と主張しているが、「楽楽楽(ららら)さいたま」は、市内の魅力や観光スポットなどを紹介する冊子であり、「グラフぐんま」は県政や県内の出来事を紹介するものである。
  また、表1のとおり、発行回数や製作方法等も異なっており単純に比較することはできないと考える。
*****表1「グラフぐんま」と「楽楽楽(ららら)さいたま」(きいたま市発行)の比較表(平成24年度)*****
 冊子名/制作/構成/部数(1回あたり)/発行回数/規格/製作方法/写真枚数(平均)/ホームページへの掲載)/制作費(千円)/印刷費のみの比較(円・税込み)
■グラフぐんま/群馬県/・閲覧目的で配布・県政や県内の出来事を紹介・内容 県内の話題、県政の出来事、県内の観光情報など・配布先 市町村、図書館、学校、病院、金融機関、飲食店、理・美容院等/16,200/年12回/B4変形 40ページ(カラー28、白黒12)/製作委託 企画:県、上毛新聞 取材・編集・発行:上毛新聞社/100/概要のみ/34,440※取材編集発行経費含む/@138.6(@132(税抜き))
■楽楽楽(ららら)さいたま/さいたま市/・一般人への配布・市内の魅力や観光スポットなどを紹介・内容 市内観光情報、イベント情報など・配布先 区役所、観光案内所、しないホテル、コミュニティセンター等/10,000/年2回/A4 20ページ(フルカラー)/直営(印刷は外注) 規格、取材、編集、発行:さいたま市/40/全ページ/1,312※印刷経費のみ/@62.53
(2)入札方法等について
 請求人は、「入札が一般競争入札なのか、指名競争入札なのか判然としない。(略)公告に示した競争執行の場所及び口時に、入礼者を立ち会わせて開札をしているのかどうかも不明である。しかも、入札書は郵送で提出されているが、入札者が立ち会わない場合の措置がきちんとなされていたかどうかも不明である。」と主張しているが、次のとおり入札は適正に行っている。
ア 入札形態について
 本件契約は、地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令(平成7年政令第372号。以下「特例政令」という。I)の適用を受けるため、財務規則第190条の4第1項の規定により、入札する日の前日から起算して40日前までに公告を行わなければならないため、平成24年2月10日に入札公告し、一般競争入札を行っている。
イ 入札参加資格について
 本件契約については、施行令第167条の6第1項の規定により、入札に参加する者に必要な資格を定め、入札公告を行った。平成24年3月12日に、入札に応札の意思を示した2者から入札説明書で指定した書類の提出があり、審査の結果、入札に参加する資格があると認められたため、2者に対し同月19日に入札参加資格確認通知書を送付した。
ウ 入札及び開札について
 本件契約については、入札通知及び事務通知により、平成24年3月13日に県企両部企画課(以下「全面課」という。)へ年度開始前の入札執行に関する協議を行い、同月19日に承認され、同月26日に入札及び開札を行った。入札及び開札は、入札執行者1名、補助職員2名の広報課職員3名により執行し、入札者の委任を受けた代理人から入札書の提出を受け、代理人立会の下、開札を行い、落札者を決定し、直ちに落札者の株式会社上毛新聞社,(以下「受託業者」という。)に通知を行った。なお、今回の入札では、郵送による入札書の提出はない。
(3)予定価格積算について
 請求人は、「予定価格積算根拠について、広告料を把握しないまま積算している可能性があり、その場合、全く根拠に乏しい予定価格の数字となってしまう。」と主張しているが、予定価格の積算は、財務規則第169条第1項に基づき、「積算資料印刷料金」((財)経済調査会)、会肝臓が参考積算した印刷製本費、市場価格及び取引の実例価格等を考慮し、適正に積算している。主な項目についての積算の考えは次のとおりである。
ア 企画・編集・デザイン料
 「積算資料印刷料金」に掲載されている単価を利用している。写真、デザイン点数などは過去の実績を参考に積算している。
イ 印刷製本費(刷版料、印刷料、製本・加工料、用紙等)
 会計課見積資料の参考単価×印刷部数
ウ 広告料
 広報課が広告料収入を見込まずに積算した金額と、受託業者から徴取した当該業務の見積額(広告料収入込み)の差額を広告料とし、積算している。なお、広告効果の高い裏表紙や表紙裏面などは、他の雑誌を参考にして割増を行っている。
エ 広告料の扱い
 広告募集業務も委託業務契約に含めており、広告料収入は受託業者の営業努力によるものである。広告料収入を報告させることは、受託業者の営業を妨げることになる。また、契約上広告料収入を報告させる規定はないことから、受託業者から報告させる必要もなく、報告させていない。
 積算している広告料については、今年度に受託業者以外の広告会社から見積書を徴取した結果、広報課で積算した見積金額の方が高いことからも、適正な金額と考えている。
(4)情報公開について
 請求人は、「開示された資料を見る限り入札執行調書はあるが、肝心の予定価格調書については、封筒の写しのみが開示されただけであり、予定価格は設定されているようだ。しかし、その情報を隠そうとしている。」と主張しているが、広報課では、公開条例第14条第6号ロに該当すると判断し、非公開情報としている。これは、「グラフぐんま」は、毎年ほぼ同様の仕様で入札を行っているため、予定価格を公開すると、次年度の予定価格を容易に推察されてしまい公正な入札を行うことができず、今後の契約業務に支障を来すためである。
3 監査対象事項に係る事実関係の確認
(1)「グラフぐんま」について
ア 特徴・掲載内容・発行回数等
(ア)特徴
 県内のさまざまな出来事を、大きな写真を使ってわかりやすく紹介する目的で、昭和42年発刊。気楽に手に取り読んでもらえるように、県民が一定の時間滞在する施設などに配布。
(イ)掲載内容
 県の施策紹介、県にゆかりのある著名人などの紹介、県内で行われた行事やイベントなどの地域の話題、スポーツ情報、県内企業の商い技術紹介、県内で活躍する高校生の活動、食、県内の観光情報など
(ウ)配布先
 医療機関、飲食店、理容所・美容院、金融機関、図書館、郵便局など
(エ)規格
 B4変形 40ページ
(オ)発行
 毎月10日
(カ)広告掲載
 本件契約の契約書第8条において、「広告の掲載は、全ページ数の概ね20パーセント以内とする。」と規定されている。
イ 契約について
(ア)委託契約先
 株式会社上毛新聞社
(イ)契約期間
 平成24年4月1日から平成25年4月16日まで
(ウ)契約額
 34,440,000円(税込み)
(エ)契約書で示している部数
 194,400部(16,200郎×12回)
ウ その他
(ア)県内61書店で販売(定価350円(税込み))
(イ)県ホームページで、概要のみ掲載
 (URL : http://www.pref.gunma.jp/cate_list/ct00001205.html
(2)入札について
 表2「入札の経緯」のとおり、一連の入札の手続を実施していた。
*****表2 入札の経緯*****
項番/日付/内容/備考
1/平成23年10月25日/見積書提出/予定価格等の歯槽を算出するため、(株)上毛新聞社から見積書を求める。
2/平成24年2月3日/入札実施決定/財務規則第169条第1項に基づき、予定価格等の金額を定め、一般競争入札を実施することを決定
3/平成24年2月10日/入札の公告/財務規則第190条の4台1項に基づき、入札をする日の前日から起算して40日前までに公告を実施
4/平成24年3月12日/入札参加資格書類提出/施行令第167条の6第1項の規定に基づき、一般競争入札に参加する業者に対して必要な資格を定め、書類の提出を受け資格審査を実施した。
5/平成24年3月19日/入札参加資格者決定起案/施行令第167条の6第1項の規定に基づき、一般競争入札に参加する業者に対して必要な資格を定め、書類の提出を受け資格審査を実施した。
6/平成24年3月13日/年度開始前の契約手続協議/年度開始前の入札執行のため、入札通知及び事務通知に基づき、主管課(金員課)と協議を実施し、年度聞蛤養契約手続の承認を受けた。
7/平威24年3月19日/年開始前の契約手続承認/年度開始前の入札執行のため、入札通知及び事務通知に基づき、主管課(金員課)と協議を実施し、年度聞蛤養契約手続の承認を受けた。
8/平成24年3月26日/入札執行/入札者(2者)参加のうえ、財務規則第175条に基づき入札を実施した緒果、(株)上毛新聞社が落札した。
9/平成24年4月1日/契約締結/入札後に、財務規則第179条に基づき、落札した旨を即日(株)上毛新聞社に通知し、契約を締結した。
10/平成24年4月17日/落札の公示/財務規則第190条の10に基づき、一般競争入札で落札者((株)上毛新聞社)を決定後に県報に落札した旨を公示した。
11/参考/債務負担行為/期間::平成25年度 限度額・3,173千円 議会提出(平成24年2月20日)
**********
ア 特例政令第3条第1項に規定する総務大臣の定める区分及び総務大臣の定める額が、平成24年総務省告示第14号において、平成24年4月1日から平成26年3月31日までの間に締結され調達契約について、役務の提供(出版及び印刷のサービスに該当)は2,500万円以上に改定された。本件契約の予定価格が、基準額以上になることから、特例政令の該当となった。
イ 財務規則第169条第1項に基づき、予定価格積算を行い予定価格を定め、法第234条に基づき一般競争入札を実施することを平成24年2月3日に決定した。(項番2)
ウ 務規則第190条の4第1項に基づき、その入札をする日の前日から起算して40日前までに群馬県報へ登載しなければならないとされており、平成24年2月10日に群馬県報で公告(以下「入札公告」という。)を行っていた。なお、公告掲載事項は、特例政令第6条、施行令第167条の6及び財務規則第190条の4の規定により必要な事項等とし、財務規則第190条の7の規定による郵便による入札についても記載事項とした。(項番3)
エ 施行令第167条の6第1項に基づき、一般競争入札に参加する者に必要な資格等を定め、入札参加業者2者から資格等に係る書類の提出を受けて、資格審査を実施し、平成24年3月19日に入札参加確認通知書を送付していた。(項番4及び5)
オ 入札通知及び事務通知については、年度開始早々に契約を締結しなければ業務に支障を来すものについては、主管課と協議を行い、承認を得ることになっており、平成24年3月13日に企画課へ年度開始前の入札執行に関する協議を行い、同月19日に承認された。(項番6及び7)
カ 財務規則第175条に基づき、平成24年3月26日に応札業者2者で一般競争入札を実施した。郵送による入札はなく、入札者から委任を受けた代理人によって、広報課3名(入札執行者及び補助職員2名)により、入札執行された。(項番8)
キ 財務規則第179条の規定に基づき、落札した旨を平成24年3月26日、落札者に通知し、同年4月1日契約を締結した。(項番9)
ク 財務規則第190条の10第1項において一般競争入札により落札者が決定した場合は、その目の翌日から起算して72日以内に、群馬県報へ登載して公示することとされており、平成24年4月17日に県報登載されていた。(項番10)
(3)予定価格積算について
 表3「グラフぐんま製作・発行委託業務の積算内訳jのとおり、積算を行っていた。
*****表3 グラフぐんま制作・発行委託業務の積算内訳*****
項番/積算内訳/積算概要
1/企画・編集・デザイン料
    1/企画料/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版参照
    2/原稿執筆料/積算根拠として「積算資料印刷料金」2011年版参照
    3/編集デザイン料
      1 エディトリアルディレクション/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版参照
      2 表紙デザイン/積算根拠として「積算資料印刷料金」2011年版参照
      3 本文デザイン/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版参照
    4/その他
      1 写真撮影/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版写真撮影参照
         カラー/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版写真撮影参照
         白黒/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版写真撮影参照
      2 イラスト/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版イラストデザイン参照
         カット/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版イラストデザイン参照
        文章表現にあわせるもの/積算根拠として「積算資料印刷料金」2009年版イラストデザイン参照
2/印刷製本料
    1/DTPパーツ作成料/会計課見積資料より
    2/DTPメイクアップ作成料/会計課見積資料より
    3/DTP出力料/会計課見積資料より
    4/印刷料/会計課見積資料より
    5/製本・加工料/会計課見積資料より
    6/用紙価格/会計課見積資料より
3/諸経費/印刷の制作においてかかる間接費用で、一般管理費、販売費等に対し、加工品に応じた比率(7%)を乗じて算出する。/積算根拠として「積算資料印刷料金」
4/広告料
    1/広告主から受け取る広告掲載料金を値引きとして計上/表紙裏面、裏表紙裏面については、1ページあたりの広告単価に割増率20%を乗じ、裏表紙については、同単価に割増率30%を乗じて広告料単価を算出している。
    2/1ページ/同上
    3/1/2ページ/同上
    4/1/4ページ/同上
    5/裏表紙/同上
    6/表紙裏面/同上
    7/裏表紙裏面/同上
5/納入/配送経費/ゆうメール運賃
     配送人件費/平成24年当初予算標準単価一般人夫費から算出
     封筒製作/書籍名と発送元明記のための印刷、ゆうメール発送のための一部カットなどの加工費を見込む
**********
ア 企画・編集・デザイン料(項番1)
(ア)企画料
 内容:印刷物の製作に当たり、その目的を達成するためのトータルマネージメントを行う作業/グランドデザイン(企画・立案)
 積算:単価×1回 単価は、「積算資料印刷料金」2009年版を利用
(イ)原稿執筆料
 内容:印刷物の製作に当たり、その目的を達成するための文字原稿を執筆する作業
 積算:単価×61枚 単価は、「積算資料印刷料金」2011年版を利用 61枚は、写真やデザイシを除く1ページ当たりの文字数から計算
(ウ)編集デザイン料
 内容:印刷物の製作に当たり、印刷プリプレス工程前に必要とする原稿の整理、印刷のルールの指示及びビジュアル原稿を作成する作業
a エディトリアルディレクション
 内容:主に編集、全体の進行や企画、デザインの方向性の決定、ページのバランス、原稿、レイアウトのチェック
 積算:単価×35ページ 35ページは、エディトリアルディレクションの必要のない全面広告5ページを除いたページ 単価は、「積算資料印刷料金」2009年版を利用
b 表紙デザイン
 積算:単価×1ページ 単価は、「積算資料印刷料金」2011年版を利用
c 本文デザイン
 積算:単価×35ページ 単価は、「積算資料印刷料金」2009年版を利用 35ページは、本文デザインの必要のない全面広告5ページを除いたページ
(ェ)その他
a 写真撮影
 積算:カラー写真単価×46点 白黒写真 単価×30点 単価は、「積算資料印刷料金」2009年版を利用 写真撮影点数は、過去の掲載実績を参考
b イラスト
 カット:単価×4点 単価は、「積算資料印刷料金」2009年版を利用
        文章表現にあわせるもの:単価×3点 単価は、「積算資料印刷料金」2009年版を利用
イ 印刷製本(項番2)
 会計課積算単価×部数(16,200部) なお、16,000部で会計課が見積した積算単価132円(税抜き)を利用
ウ 諸経費(項番3)
 印刷の製作においてかかる間接費用で、一般管理費、販売費等に対し、加工高に応じた比率を乗じて算出するもの
 積算:上記(ア+イ)×比率 諸経費率は「積算資料印刷料金」2011年版を利用
エ 広告料(項番4)
(ア)広告料については、次のとおり算出していた。
 ①「グラフぐんま」作成経費(表3、項番1、2、3及び5の計(広告料収入を含まない。))
 ②表2項番1で事前に徴取した(広告料収入を反映した)見積金額
 ③広告料算出額=①-②
 ④1ページ当たりの広告単価=③/最大広告掲載ページ(8ページ)
(ィ)表紙裏面、裏表紙等は、広告効果が高いことから、割増をしていた。
 表紙裏面、裏表紙裏面単価=上記④×20%(割増率)
 裏表紙単価=上記④×30%(割増率)
(ウ)平成23年度最大広告掲載ページ約16%を参考に、上記(イ)で計算した広告単価に基づき、広告料を積算していた。
オ 納入(項番5)
 納入箇所のうち、県庁を除く少量個別配送先への納入に係る経費
(ア)配送経費
 積算:ゆうメール運賃×配送部数
(イ)配送人件費(配布名簿により配送作業)
 積算:単価×時間
(ウ)封筒製作
 積算:作成費×配送部数 封筒単価については、市場単価を利用
(4)その他
ア 広告料収入を受託業者から報告させる義務は、掲載要綱、媒体要綱、掲載要領及び契約書の条項に、規定されていなかった。
イ 公開条例第11条に基づき平成24年4月11日付けで請求人鈴木庸氏からの公文書開示請求に対して、同月25日に公開条例第18条第1項及び第2項により、全部開示決定及び不存在決定を行い、同年5月10日に公文書開示決定通知書とともに、開示文書の写しを交付した。
ウ「楽楽楽(ららら)さいたま」については、さいたま市内の見所などを紹介する冊子であり、年2回の発行で20ページである。また、「楽楽楽(ららら)さいたま」の経費は、印刷のみであり、単価「62.35円(税込み)」となっていた。
4 関係人調査の結果
(1)群馬県政府調達苦情検討委員会について
 関係人(会計課)に確認したところ、本件契約に開する苦情申立てはなかったとの回答を得た。
(2)公文書開示手続について
 関係人(県民生活課)に確認したところ、非開示情報があると判断したならば、その部分については開示しない旨をその理由とともに開示請求者に示す必要があるとの回答を得た。
第8 監査委員の判断
1 予定価格積算について
 .以下のとおり、本件契約に係る予定価格積算については、違法又は不当な積算は認められない。
(1)広告料の積算について
 一般的に、広告掲載料金は、広告が掲載される雑誌などのジャンル、発行部数及び読者対象者などの広告媒体の要因、また景気動向などの経済的要因などにより、大きく変動すると考えられる。そのような状況の中で、広告料に関しては客観的な基準がないことから、広報課は、前記第7の2(3)で記載した方法により、受託業者1者から徴取した見積書から広告料を積算していた。
 広報課は、今年度に「グラフぐんま」の広告単価について、受託業者以外の広告代理店から見積書を徴取した。それによると、平成24年度契約で見積もった広告単価の方が高いことが確認された。
 また、表紙裏、裏表紙などの広告単価の割増率に開しては、広報課が調査した他の雑誌等の割増率と比較したところ、同程度であることが確認された。
 以上のことから、より適正な予定価格を求める上で、複数の業者から見積書を徴取することが望まれるが、広告料の算出方法は、不合理とは言えず、その算出額は、違法又は不当とは言えない。
(2)その他項目の積算について
ア 企画・編集・デザイン及び諸経費
 単価に関しては、「積算資料印刷料金」に掲載されている単価を利用している。
 企画料などの一郎単価については、2011年版に記載されていなかったことから、2009年版の単価を利用していたが、2011年版に記載されている類似項目の単価を参考にした上で、同単価を利用していることから、一定の合理性が認められる。
イ 印刷製本
 県庁各所属が予定価格10万円以上の印刷物を発注する場合は、会計課に対して物品購入を依頼することとされている。会計課では、その依頼に基づき、印刷物を発注する前に、一定のルールに基づき統一的に印刷製本の積算を行っている。
 本件契約に関しても、直接印刷物を発注する契約方法ではないが印刷物を発注する場合と同様に、広報課は会計課に印刷製本の見積依頼を行っていた。その見積結果の単価(1部132円(税抜き))を採用し、印刷部数16,200部に乗じて印刷製本部分を算出していることから、一定の合理性が認められる。
2 入札について
 以下のとおり、本件契約に係る入札手続については、違法又は不当な手続は認められない。
(1)入札方法・公告時期等について
 本件契約の予定価格が、特例政令第3条第1項に規定する総務大臣が定める額以上であるため、特例政令による手続を必要とする。
(2)入札及び公告について
 本件契約は、法第234条の規定に基づき、一般競争入札を採用している。特例政令の適用1咲けることから、財務規則第190条の4の規定により、入札前日から起算して45日前である平成24年2月10日に入札公告を行っていた。
 入札公告記載内容は、特例政令第6条、施行令第167条の6及び財務規貝|』第190条の4の規定により必要な事項等、また財務規則第190条の7の規定による郵便による入札についても記載しており、記載事項に不足はなかった。
(3)入札参加資格について
 施行令第167条の6第1項の規定に基づき、一般競争入札に参加する者に必要な資格等を定め、当該資格等に係る公告をしている。
 また、上記資格等に関する書類の提出を求め、当該書類の提出のあった2者に対し、財務規則第190条の6第1項に基づき審査を開始し、平成24年3月19日付けで入札参加資格確認通知書を送付している。
 なお、本件契約に係る入札は、法第234条第2項及び施行令第167条の規定により、資力、信用その他について適切と認める特定多数の者を指名し、その特定の参加者をして入札の方法により競争させる指名競争入札ではない。
(4)年度開始前手続について
 入札通知及び事務通知において、年度開始早々に契約を締結しなければ業務に支障を来す入札を対象に、執行伺い(内部意思決定)から入札・落札者の決定までの範囲について年度開始前に行うことができるものとしている。
 この通知に基づき、広報課は、平成24年3月13日付けで企画課長あてに、同年4月1日から業務が発生するという必要性から「年度開始前の入札執行等」に関する協議を行い、同年3月19日付けで企画課長から年度開始前の契約手続き(平成24年度)の承認を得ている。
(5)入札・開札について
 財務規則第175条第2項に基づく委任状の提出を受け、同条第1項に基づき入札日に入札書が提出されていた。
 法第234条の第3項の規定により、予定価格の制限の範囲内で最低の価格(県にとって最も有利な価格)をもって申込みをした者を契約の相手方とし、財務規則第179条第1項に基づき落札者に即日通知をしていた。
 なお、郵送による入札はなく、また、財務規則第176条の規定に基づく無効となる入札書は確認できなかった。
(6)落札者の公示について
 特例政令第11条及び財務規則第190条の10第1項に基づき、落札者を決定した日の翌日から起算して22日日の平成24年4月17日に、群馬県報へ登載して公示していた。
 また、公示しなければならない事項についても、同条第2項に基づき登載していた。
3 その他
 以下のとおり、次の事項について付記する。
(1)「楽楽楽(ららら)さいたま」との比較
 上記第7の2(1)ウのとおり、「楽楽楽(ららら)さいたま」と「グラフぐんま」の規格があまりにも異なっていることから、これを同列で比較することは妥当ではない。
 また、請求人は「90円程度で費用が賄える。」と主張しているが、90円の根拠を示していない。
(2)公文書開示について
 毎年ほぼ同様な印刷物である「グラフぐんま」の次年度の予定価格を容易に推察されてしまい公正な入札を行うことができないため、広報課は予定価格を非開示情報と判断している。
 よって、監査対象事項について、違法又は不当と言うべきものはなく、請求人の「本件契約の予定価格積算が適正にされておらず、入札も適正にされていない。そのことに伴い、本件契約が法第232条の3、第232条の4、第2条14号及び地方財政法第4条第1項に抵触している。」の主張には理由がないものとし、第1のとおり判断する。
第9 意見(法第199条第10項に基づく意見)
 本件監査請求に対する監査結果は上記のとおりであるが、法第199条第10項の規定に基づく監査委員の意見を次のとおり付する。
1「グラフぐんま」について
 県は、「グラフぐんま」を始めとした複数の広報紙を発行しているが、広報紙のあり方については引き続き県民から意見を聴くなどして、掲載内容や発行回数など県民ニーズに沿った紙面作りに努めることを望むものである。
2 情報開示について
 平成24年4月11日付けで請求人鈴木庸氏から請求のあった「毎月発行の「グラフぐんま」に関する公文書開示請求」に対し、広報課は、公開対象文書を特定し、開示決定を行った。
 特定した文書の中には、「予定価格調書」が含まれており、広報課は当該調書を公開条例第14条第6号ロに該当すると判断して、非開示情報としていた。非開示情報がある場合は、部分開示決定とすることが正しく、また、その際は「予定価格調書」を非開示情報と考える理由について、開示請求者が理解できるように、公開条例の該当規定とともに、付記する必要がある。
 広報課においては、県民との相互の信頼関係のため、非開示情報については、開示しない旨をその理由とともに示すなど、公開条例に基づき適正な情報公開を行うことを望むものである。

■監査委員の前で陳述した際には、埼玉県の町田市の「広報まちびと」を例にして、公募プロポーザル方式での広報誌編集、発行の事例を詳細に説明しましたが、監査結果にはまったく反映されていませんでした。

 町田市の場合には、「グラフぐんま」と同様に、広告料は委託先の業者のとり分となっていますが、A4判36ページで全頁フルカラー印刷となっており、しかも、年4回発行で市民に各回9万5000部ずつ無料配布しており、年間38万部発行していますが、制作・発行・配達込みで年間契約金額は税込みで800万円となっています。

 一方、「グラフ群馬」の場合には、A4判より若干サイズの大きな変形B4判ですが、40ページのうちカラーは28ページですので、町田市の「広報まちびと」と1部あたりのコストは大差ないと考えられます。しかも、発行部数は年間38万部であり、「グラフぐんま」の19万4400部の2倍となっています。

■いくら編集回数が年間4回発行の「広報まちびと」にくらべて、毎月発行している「グラフぐんま」の場合、3倍の制作・発行の手間がかかるといっても、町田市の800万円にくらべて3440万円というのはあまりにも高すぎます。しかも、どこの自治体でも、広報誌はすべてホームページからダウンロードできるのに、「グラフぐんま」は群馬県でも上毛新聞でもホームページから記事の内容をダウンロードできないようにしてあります。

 これほどまでに、懇切丁寧に他の自治体の事例を説明したにもかかわらず、群馬県監査委員4名は、まったく住民の陳述の内容を聞いていなかったことになります。おそらく16ページの監査結果も監査委員事務局の職員が、群馬県総務部広報課の担当者の言い分を聞きながら、書いたに違いありません。こんな無能な監査委員はやはり淘汰したほうがよいようです。

 また、群馬県広報課の職員には、県民の視線に立った読み手本意の面白い広報誌を自ら作りあげるという気概がみられません。業者に全部丸投げしたのでは、せっかくの行政情報が十分に県民に伝えられません。しかも、群馬県行政には勤務中もソフトボールに興じたり、アダルトAVをパソコンで鑑賞したりする余裕があるのですから、毎年6500万円もの費用をかけて上毛新聞につまらない広報誌を作ってもらうより、職員が自分でやれば、血税がそれだけ節約できるのです。


■もうひとつ解せないことは、群馬県が厳しい財政状況の中で、公共施設の維持管理費確保のための財源確保の手段としてネーミングライツ(施設命名権)制度を積極的にしているのに、「グラフぐんま」では、貴重な広告料の権利をみすみす上毛新聞に委ねて、しかもその広告料を確認さえしようとしないことです。いったいなぜなのでしょうか。

 群馬県は、これまでに4件の県有施設の命名権を企業に使わせて使用料を受け取っています。

◎敷島公園県営陸上競技場
 群馬県館林市に本社を置く醤油製造会社の正田醤油が年間700万円の3年契約で命名権を取得しており、2008年6月から「正田醤油スタジアム群馬」(略称「正田スタ」)の呼称を用いている。なお、2011年2月に契約を更新、期間は2011年3月から2014年2月末まで。
◎敷島公園野球場⇒上毛新聞敷島球場
群馬県は2008年10月20日、敷島公園野球場と群馬県民会館の愛称を対象として施設命名権を売却すると発表した。希望売却額は野球場が年間700万円、希望契約期間は5年間とし、同年10月21日から12月19日までの2か月間、売却先の募集を行った。
その結果、敷島球場の命名権取得を申し込んだのは上毛新聞社1社のみで、同社が提示した希望額は年間500万円の2年間契約であった。2009年1月15日、弁護士ら7人から成る県の選定委員会は全会一致で同社を売却先に決定し、これを受けて県は同年4月1日から施設の愛称を「上毛新聞敷島球場」とすることを発表した
◎群馬県民会館⇒ベイシア文化ホール
 2009年度から命名権(ネーミングライツ)が導入されることになり、2008年10月20日、群馬県は敷島公園野球場と群馬県民会館の愛称を対象として施設命名権を売却すると発表した。希望売却額は県民会館が年間1000万円、希望契約期間は5年間とし、同年10月21日から12月19日までの2か月間、売却先の募集を行った結果、市内を本社とするスーパーマーケットベイシアが5年間、5000万円で取得し、ホール名も『ベイシア文化ホール』となった
◎群馬総合スポーツセンターぐんまアリーナ⇒ALSOKぐんまアリーナ
 群馬県は、2010年5月から募集していた群馬県総合スポーツセンターぐんまアリーナの命名権に群馬総合ガードシステム株式会社(前橋市)の1社から応募があり、2010年9月にスポンサーに決定したことを発表した。契約金額は年700万円、11月1日~5年間の契約となった。県は、県内企業にDMを送付するなど活動を行い決定まで至っており、正田醤油スタジアム群馬、上毛新聞敷島球場、ベイシア文化ホールに続き、4か所目の導入となった。

 上記を見てみると上毛新聞が敷島公園野球場を年間500万円で命名権を買っていますが、群馬県は「グラフぐんま」の編集・制作・発行で、それをはるかに上回る3000万円以上の広告料の権利を上毛新聞に渡しているのです。誠に不可思議な構図としか言いようがありません。

■いずれにしても、このままほうっておくことはできません。せめて、血税で賄って作られた成果品である広報誌をホームページから、県民が無料でダウンロードできるようにするためにも、これまで血税を使いながら、成果品を県民に無料配布することを怠ってきた群馬県を相手取り住民訴訟を起こす必要がありそうです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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群馬県知事が不倫相手と公舎で同居し妾宅化していた事件の住民訴訟が結審!判決は2月27日!(その3)

2012-12-29 21:48:00 | オンブズマン活動
■引き続き、原告オンブズマンメンバーの準備書面(5)を見て行きましょう。
**********
9)知事・大澤は本当に茂原副知事の入居の下見をしたのか疑問であること
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問10)。
 前知事の小寺弘之は平成19年8月31日に旧知事公舎を退去し、平成19年8月3日に元・管財課課長だった高木勉副知事が副知事公舎を退去したはずだが、知事・大澤が、茂原副知事を知事公舎に入れられるように副知事公舎を見に行ったのは、いつだったのか?また、その際、知事・大澤に同行したのは誰だったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。知事・大澤は本当に、副知事・茂原の入居に先立ち、公舎を見に行ったのかどうかについても事実なのかどうか疑問だ。

10)知事・大澤がどのような改修プランを作成したのか不明なこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問11)。
 知事・大澤が副知事公舎を見に行った時に「これではあまりにもひどいので改修しよう」ということで、改修が決定したというが、改修を決定したのはいつだったのか?副知事公舎を見に行った時、その場で決定したのか?それとも、後日、決定したのか?改修を決定した後、管財課に誰がどのように指示を出したのか?当該決定に至る経過を示す協議議事録などの情報はあるのか?ちなみに、当会の情報開示請求にはこれらの情報は一切含まれて居ない。
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。副知事・茂原が入居するために、知事・大澤がおそらく総務部長らと公舎の下見をして、風呂をふくめ公舎の改修を決定して、どのように管財課に改修指示を出し、その改修指示に基づいて、管財課がどのような改修プランを作成して、それを知事・大澤が承認して改修工事が実施されたのか、一連の時系列的な出来事の順序がまったくわからない。被告もわからないのでは一体何が事実で何がウソなのかもわからない。

11)知事・大澤が公舎管理規則違反をしたこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問12)。
 知事は「私が入居するために改修したのではなく、別に風呂だけではないのですが、副知事用に改修したわけです。」と言っているが、知事が入居届けを出したのは平成19年12月1日となっている。副知事用に改修したのは、風呂以外にはどのような改修工事があったのか?また、知事・大澤の入居が事実上決定したのは、知事・大澤が入居届けを出した以前のことだったと思われるが、いつだったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。副知事・茂原は、単身赴任で一時的に入居したのか、それとも家族同伴で入居したのか、不明である。知事・大澤は、台風などに備えた危機管理対応だとして単身赴任での入居届を平成19年12月1日に提出している。にもかかわらず、家族ではなく不倫相手と入居していたわけであるから、公舎管理規則違反は明らかだ。

12)知事・大澤がマンションでもいいが警備上問題だとする検討委員会の話を引用したのは虚偽であること
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問13)。
 知事・大澤は「その後、(公共施設の)あり方検討委員会を設けて議論して、あれ(当時の知事公舎)は壊そうということになって、私は近くのマンションでもということでいろいろ議論した中で、マンションだと警備上いろいろ問題があるということで、マンションをやめて、茂原副知事が部長公舎に入りますと言ってくれました。」と、記者に回答しているが、公共施設のあり方検討委員会を設けて、旧知事公舎を壊そうということが議論で決定したのはいつか?また、その際の議論で、知事・大澤の使用する公舎はマンションでもいいのではないか、という議論がでたというが、なぜマンションだと警備上いろいろ問題があるということになったのか?また、検討委員会の誰がそのような意見を出したのか?その際の、あり方検討委員会のメンバーは誰だったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。群馬県のホームページで調べると、「群馬県公共施設のあり方検討委員会は、公共施設のあり方について検討するため、第三者による諮問委員会として平成20年3月に設置された」とある。なぜ、旧知事公舎の解体を議論した検討委員会が、旧知事公舎があるのに、知事・大澤が副知事公舎に入居するために、茂原副知事が部長公舎に入るから副知事公舎を知事・大澤に譲ることになった、という平成19年8月から11月にかけての議論と関係があるのか。平成20年3月に設置された検討委員会では、平成19年9月~11月にかけて、知事・大澤がマンションでもいいが、警備上いろいろな問題があるなどと議論できるはずがない。このことをみても、知事・大澤が記者会見でウソをついていることは明らかである。

13)知事・大澤がマンションでもいいが警備上問題だとする検討委員会の話を引用したのはデタラメであること
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問14)。
 あり方検討委員会の議論を経て、茂原副知事が「マンション住まいをやめて部長公舎に入ります」と知事・大澤に言ったのはいつだったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。平成20年3月に設置された群馬県公共施設のあり方検討委員会の議論を経て、平成19年8月から11月ごろにかけて、副知事・茂原が「マンション住まいをやめて部長公舎に入ります」などといえるはずが無いから、被告は回答を拒否したのかもしれない。

14)知事・大澤は最初から副知事公舎に目をつけていたこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問15)。
 知事・大澤は「そこで、私が(副知事)公舎に入ることになりました。それと台風9号が9月にきまして、その時、自宅から通っていたものですから、危機管理として必要だという思いもありまして、副知事公舎を知事公舎として当面活用しようという思いで利用してました。」と記者に回答しているが、茂原副知事が茂原副知事が部長公舎に入ったのはいつか?そして知事・大澤が副知事公舎に入るのを決心したのはいつか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。原告らのこれまでの調査では、副知事・茂原が副知事公舎に入居しようとした具体的な事実を示す情報は入手できていない。また、被告からもそのような情報の開示は行われてきていない。知事・大澤が副知事公舎に入ることは、平成19年7月の県知事選挙で当選した知事・大澤が、政敵の住んでいた公舎に入る気持ちは毛頭無く、政敵の人事で副知事となっていた副知事が退去したあと、知事・大澤が不倫相手と同居する手ごろな物件として関係者の間で自然に決まったと見るのが妥当であろう。

15)知事・大澤はあり方検討委員会での議論を意図的に歪曲していること
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問16)。
 台風9号が9月に来た時、知事・大澤は危機管理の観点から副知事公舎を知事公舎として当面の利活用しようという思いで利用を決意したとのことだが、このタイミングは、いつだったのか?また、あり方検討委員会で議論した警備上問題があるということから茂原副知事が自ら部長公舎に入り、代わりに知事・大澤が知事公舎に入るのを決めた時との整合性の観点から、両者のタイミングはほぼ同時期なのか?それとも、茂原副知事が部長公舎に入り、副知事公舎を知事・大澤に譲ることが決まったのが先立ったのか?それとも後だったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。知事・大澤は、記者会見で記者らからの痛烈な質問にウソを吐き通せず、このような出任せを言ったのではないか、と思われるほど、明らかに論理的に矛盾した説明に終始している。

16)知事・大澤は公舎の塀のかさ上げを本当は総務部に指示していたこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問17)。
 知事・大澤は平成23年7月13日(水)午後の記者会見で、記者からの「塀のかさ上げについては・・・。」という質問に対して、「塀のかさ上げは、私ではなくて管財課が・・・。」と答えている。塀のかさ上げは、利用者である知事・大澤の指示ではなく、管財課が勝手にやったというふうにも受け取れるが、もしそうであるならば、なぜ管財課は塀のかさ上げをおこなわなければならなかったのか?それは誰の指示だったのか?管財課長か?それとも秘書課長なのか?あるいは総務部長なのか?その法的根拠は何か?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。公舎管理規則では、使用者による増築、改築、模様替え、工作物設置は禁止されているが、但し書きで、知事の許可を受けたものはこの限りでないとされている。塀のかさ上げのような工作物の設置は、当然知事の許可が必要なはずだが、知事・大澤は管財課がやったと示唆している。このことは、管理規則違反ではないのか。

17)知事・大澤は公舎の塀のかさ上げを本当は総務部に指示していたこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問18)。
 平成19年10月12日に、「大手町1号公舎(旧副知事公舎)雑工事」が「運営上、必要なため」として、平成19年10月10日着工、10月31日完成予定として、予定価格税込み26万2500円(税抜き25万円)のところ、決定価格税込み24万7800円(税抜き23万6000円)で㈱リフォームコバヤシが随意契約で受注した。雑工事の内容は、木戸調整、玄関握り玉、玄関シリンダー、勝手口鍵改修費、和室畳表が得、裏口木戸調整、玄関ロビーカーペット剥がし復旧、表札ヒノキ書き文字、表札カバーSUSとなっている。この時の表札ヒノキ書き文字は、誰の名前の文字だったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。平成18年10月12日に被告がリフォームコバヤシに表札など公舎の雑工事を発注した時期といえば、その2日前の平成18年10月10日に、被告は「副知事公舎浴室改修工事」を、やはりリフォームコバヤシに245万7千円(税込)で発注している。この時点ではまだ副知事・茂原が入居する可能性があったわけだが、表札ヒノキ書き文字は、「茂原璋男」だったのか、それとも「大澤正明」だったのか、被告は回答できるはずである。被告に求釈明をする。

18)副知事・茂原が公舎の塀のかさ上げについて必死に釈明しなければならなかったこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問19)。
 茂原副知事は平成23年7月13日(水)午後の記者会見で、記者から塀のかさ上げについて質問された知事・大澤が「塀のかさ上げは、私ではなくて管財課が・・・。」と回答に窮した際に、それを補う形で「私も言いましたが、管財課にお願いをして副知事と知事の警備は全然度合いが違うのだから、裏の前橋市立図書館からちょっと手をかければ乗り越えられるような、そんな塀では駄目だと管財課に検討を指示した覚えがあります。それから先ほどお話しがありましたが、私の女房もあそこ(副知事公舎)に入るつもりで、それこそ大掃除をしたりきれいにして、入ることにしていたのです。」と補足説明をした。茂原副知事が述べた「副知事と知事の警備はぜんぜん度合が違うのだから」という根拠として、副知事と知事との警備の基準というものは、具体的にどのように異なっているのか?分かり易く説明してくれるか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。副知事・茂原がかくも必死になって知事・大澤をサポートするのか不思議だが、副知事・茂原の経歴を見ればそのわけは一目瞭然となる。副知事・茂原は平成11年9月から平成16年3月に定年退職するまで群馬県議会事務局長を務めており、それ以前にも、平成10年4月から2年間総務部秘書課長を務めるなど、総務畑の長い県元職員である。知事・大澤が県議時代から、また知事・大澤の不倫相手が議会事務局に勤務していたこともよく承知しているはずだ。だから、塀のかさ上げも、知事・大澤の機嫌取りのために率先して総務部管財課に指示を出したことがうかがえる。となると、これもまた管理規則に違反していることになる。また、知事と副知事の警備の基準については、被告に求釈明を行う。

19)知事・大澤が公舎の夜間巡回警備をあえて必要としなかったこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問20)。
 旧知事公舎の場合、毎年度、「知事公舎夜間巡回警備業務委託」として、「毎夜18:00~翌日6:00までの間に6回巡視とする(20、22、24、2、4、6時頃)」と言う条件で警備会社を対象に入札で選定して契約しており、平成19年度も平成19年4月1日~平成20年3月31日の予定で、予定価格241万0380円(税込み起案理由「知事公舎敷地内への浮上侵入、東南及びその他の事故を予防するため、夜間巡回方法による警備業務を行うものです。(昭和53年から実施)」として、指名通知を次の4社に出し、入札が平成19年3月27日の14:30に行なわれ、太平ビルサービス㈱ 5,840,000円(西新宿6-22-1スクエアタワー19階)、セコム上信越㈱ 1,998,000円(新潟市中央区新光町1-10)、㈱シムックス 5,100.000円(太田市植木野町300番地の1)深沢賢治、上毛資源㈱ 5,000,000円(前橋市高井町1-13-4)、東朋産業㈱ 4,392,000円(総社町桜ケ丘1225-2)代表取締役村田茂という札が入れられ、セコム上信越が落札しているが、知事・大澤が知事公舎として入居していた副知事公舎では、そのような夜間巡回警備業務委託契約はなぜか一切締結されていない。その理由はなにか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。前項で知事と副知事の警備の基準を明らかにするように被告に求めたが、なぜ前知事まで長年使用されてきた知事公舎に比べ、副知事公舎を知事公舎にしたのに、夜間巡回警備をなぜやめたのか、また、警察とのホットラインもなぜ解除したのか、あるいは、塀のかさ上げで夜間巡回警備は不要と判断したのか、まことに不可解である。このことについても、被告に求釈明を行う。

20)知事・大澤が公舎の非常通信装置も必要としなかったこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問21)。
 平成19年9月25日付で、「知事公舎非常通信装置補修業務委託契約解除について(解除通知)」が、「知事の交代に合わせ、知事公舎のセキュリティーについて検討したところ、非常用通報装置が不用となったため、補修業務委託契約も解除することとなった」とされた。この非常/火災通報装置保守料は、日本防災通信協会と電気通信共済会に対して、SPD-11D形が月額3200×12カ月=38400円、巡回指導費1900×12カ月=22800円、合計61200円+消費税3060円=64260円で契約していたが、なぜセキュリティーの検討の結果、知事が交代したことによって、非常用通報装置が不要になり、補修業務委託契約も解除することを決めたのか?歴代の知事によって知事公舎のセキュリティーが調整される理由は何か?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。このことについても、被告に求釈明を行う。

21)副知事・茂原が公舎の改修前の塀についてダメだと判断したこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問22)。
 茂原副知事は「私も言いましたが、管財課にお願いをして副知事と知事の警備は全然度合いが違うのだから、裏の前橋市立図書館からちょっと手をかければ乗り越えられるような、そんな塀では駄目だと管財課に検討を指示した覚えがあります。」と記者の質問に回答したが、ちょっと手をかければ乗り越えられるのでダメな塀というのは、地表から何メートルの高さの塀を指すのか?また、どのような形状、形式、材料等により、その条件が決められるのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。このことについても、被告に求釈明を行う。

22)副知事・茂原が自由に口頭で管財課に検討を指示できること
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問23)。
 茂原副知事は管財課に検討を指示したというが、当会で情報開示を受けた資料にはそのような指示書は見当たらない。茂原副知事が管財課に検討を指示した経緯を示す指示書等の文書の内容はどのようなものだったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。このことについても、被告に求釈明を行う。

23)副知事・茂原の夫人が念入りに大掃除をやったと言わなければならないこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問24)。
 茂原副知事は「それから先ほどお話しがありましたが、私の女房もあそこ(副知事公舎)に入るつもりで、それこそ大掃除をしたりきれいにして、入ることにしていたのです。」と記者に対して、補足説明をした。これに関連して、高木勉副知事が退去した6日後、平成19年8月9日付で、軽易工事決議書として「副知事公舎内装修繕工事」が同8月13日着工、同17日完成予定で、予定価格税込み5万6700円(税抜き5万4000円)のところ、決定価格税込み5万5650円(税抜き5万3000円)で前橋市野中町390㈱リフォームコバヤシが随意契約で受注した。この工事の内容は、敷居張り替え(2階8畳和室)、室内クリーニング(181.37㎡、6DK、冷蔵庫クリーニング、エアコン清掃)となっているが、茂原副知事の夫人が、入居を前提に、それこそ大掃除をしたりきれいにしたのはいつだったのか?業者が室内クリーニングをスル前だったのか、それとも後だったのか?なぜ、茂原副知事の夫人と、専門業者のリフォームコバヤシで複数回、副知事公舎を大掃除する必要があったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。このことについても、被告に求釈明を行う。

24)知事・大澤が副知事・茂原の入居経緯についての記録を開示しないこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問25)。
 知事・大澤は平成23年7月13日(水)午後の記者会見で、記者の「念のためなのですが、副知事は入居されていたのですよね。」との質問に対して、「はい。何回か。」と回答し、記者の再度の「それは、期間的には、ちゃんと記録も残っているということでよろしいのですね。」という質問に対して「はい。」と答えている。ついては、副知事が何回入居したのか、それぞれいつからいつまで入居したのか?また、そのちゃんと残っているという記録は誰が保管しているのか?その記録の内容はどのようなものか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。このことについても、被告に求釈明を行う。

第2 他県の知事公舎の例

 被告は平成24年10月23日付準備書面(2)の第1の「4 他県の例」として、「県によって公舎の規模などに相違があるがほとんどの県で、県が公舎の水道光熱水費や電話料の一部又は全部を負担する制度をとっている」として、群馬県の知事公舎の場合を正当化しようと企んでいるが、群馬県の場合、知事・大澤が不倫相手の第三者と頻繁に公舎に同居していたのであり、公舎の目的外使用という規則違反が本件請求のベースとなっているため、被告の主張は失当である。
 他県の知事公舎として、被告は、報告書(乙33の1)を準備書面(2)に添付して提出してきた。このなかで、被告は平成24年3月初旬に関東甲信越の次の5県について、知事公舎に係る光熱水費の負担者及び負担額について調査をした結果を示している。
  茨城県  3月8日回答
  埼玉県  3月6日回答
  千葉県  3月7日回答
  神奈川県 3月2日回答
  新潟県  3月4日回答
これによると、それぞれの県の回答内容は次のとおりとなっている。
① 茨城県:全て全額知事が負担。
② 埼玉県:公邸部分は電気代、水道代、ガス代、電気代、インターネット接続料は全て県負担。私邸部分は水道代、ガス代、電話代、インターネット接続量は私費負担で、電気代につき、実費相当額を調定。
③ 千葉県:電気代・水道代・ガス代については、管理費負担金として、総務省統計局「家計調査」の1世帯当たり電気・ガス・上下水道代の平均月額22,000円を月額上限に徴収。電話代については、フレッツ光回線の為、基本料金等は県で負担し、複数チャンネル使用料、追加番号使用額と通話料、ユニバーサルサービス料の半額を個人負担としている。年間概算額500円×12月=6,000円。インターネット接続料は公務用のため全て県費負担(知事は使用しない)。
④ 神奈川県:電気代・水道代・ガス代は、使用量×居住部分面積/述べ面積×50/100。電話代・インターネット接続料は使用量×50/100。
⑤ 新潟県:電気代は公邸・私邸の区分なく、知事負担月額16,000円。それ以外を県費負担。水道代は公邸部分を県費負担で私邸部分を知事負担(私邸部分のメーターにより検針)。電話代は公邸部分が県費負担で、私邸部分は「―」(なし、と言う意味か)。インターネット接続料は公邸部分は県費負担で私邸部分は知事負担。
 こうしてみると、他県の場合には非常に分かりやすい合理的な扱いをしていることがわかる。

(1)茨城県
 全て全額知事が負担するという茨城県知事公館は水戸市内にある。

(注:茨城県知事公舎。) ↑

(注:公舎を取り巻く塀。)
 原告は、実際に現地訪問してはいないが、ネットで検索した情報によれば、「1974年に建築された洋風建築で、建物の概観だけでもその異形がわかる。周囲にベランダをまわし、木造のようなプロポーションの柱で支える。一方で、この建物のとなりには書院造りの和室棟が連なり、戦前の公的な立場を持つ日本人の住まいとしてあった「和洋並列型」にならったらしい」とある。
 負担額は恐らく相当低いレベルなのだろうが、全額を知事が負担するというのは、合理的と言える。

(2)埼玉県
 埼玉県は知事公館とよんでいる。ここは知事が来賓をもてなす場として、また緊急時の指揮・連絡の中心的機能の役割も持っている。埼玉県が催すいろいろな式典、新春の集いやお茶会をはじめ各種イベントなどが年中開催されている。一般者は、普段は中を見学することは出来ないが、11月14日の「埼玉県民の日」には知事公館が一般公開されるという。
 原告は実際に塀際から現地調査したところ、建物は公邸と私邸が隣接しており、公邸は大きな建物で、展示会や表彰式など頻繁にイベントが開かれている。私邸には知事と家族が住んでおり、飼い犬や子どもらの自転車も置いてある。入口は表門から公邸に入るが、私邸は裏門から入ることが出来る。防犯カメラはなく、インターフォンが設置されている。

(注:埼玉県知事公館の建物。)

(注:公館前の駐車場の一角にある太陽光発電パネル。)
 公邸の入口にある駐車場の一角には定格出力10kWの太陽光発電パネル(パネル面積約27m×約3m=80㎡)が設置してあり、省エネをアピールしている。これは平成21年10月に設置されて、運用が開始されたもので、管財課電気施設担当が管理をしていて、3年が経過しており、埼玉県のホームページによると、発電システムの稼働状況は良好で、ほぼ予想した発電電力量が得られているとのことである。
 平成21年当時であれば、10kWワットクラスの太陽光発電設備は、おそらく多く見積もっても1000万円程度だと想像される。
 被告が今年3月にアンケート調査した結果として、「私邸部分は電気代につき、実費相当額を調定」とあるのは、この太陽光発電の電気を一部私邸部分にも利用していると思われるため、実費相当額を調定というふうに表現していると見られる。いずれにしても、私邸部分の電気代は知事が負担していることに間違いはない。
 また、知事公館の周囲を取り囲む塀の高さについては、公邸に関して言えば、およそ1.7m程度で、私邸の脇のブロック塀は10段積みで2.0mある。ブロック塀には透かしがあるが、これも塞ぐことは無く、塀の外から私邸を眺めることも容易である。

(3)千葉県
 千葉県の知事公舎は千葉市中央区都町1丁目7にあり、地理的には同市の中心から程よく離れた場所、千葉テレビと千葉刑務所にほど近いところにある。原告らは現地調査をしていないが、公舎内で来客との公的な面談なども開催されるようだが、公務としてイベントや式典を頻繁に行っている様子ではない。そのため、被告らのアンケート調査要請に対して、千葉県は「公邸・私邸の区分なし」と回答してきたのだと思われる。

(4)神奈川県
 原告らは現地調査をしていないが、ネットで検索したところ、神奈川県の黒岩祐治知事は平成24年2月17日の県議会で、「知事公舎の建設計画を中止し、建設用地を売却する」と表明している。神奈川県は災害時などの緊急対応を目的に徒歩で登庁できる場所への建設を計画していたが、財政再建を優先させるため、売却を決定した。売却するのは横浜市中区山手町にある3000平方メートルの知事公舎予定地で、1997年の取得時の評価額は15億円程度、建物建設費用は2億4000万円を予定していた。建設予定だった公舎には、要人などをもてなす迎賓機能も備える予定だったが、同県の財政悪化を理由に建設計画が凍結されていた。今後は横浜市や民間への売却を想定し、手続きを進めるという。
 同知事が現在住んでいるのは横浜市のみなとみらい(MM)21地区のマンションを知事公舎として借り上げているもので、同知事は議会での答弁で「現在の借り上げ公舎は徒歩30分以内で登庁可能で、災害時の緊急対応に問題はない」と述べた。また、迎賓機能に関しては「県庁内の応接室や県庁周辺のホテルなどで十分対応できる」と話した。
 今回、被告のアンケートに対して同県が回答してきたのは、この借上げマンションの知事公舎を指していると思われる。したがって、「公邸・私邸の区分なし」として、電気・水道・ガス代は延べ面積のうちの居住部分面積の比率で使用料を按分した額の半分を知事負担とし、電話代・インターネット代も使用料の半分を知事負担としている。群馬県と異なり上限は定めていない。

(5)新潟県
 新潟県知事公舎は、新潟市内の新潟中央警察署と新潟市立新潟小学校のすぐ目の前にある。公舎では泉田知事が家族とともに居住しており、公邸部分では、記者会見がしょっちゅう行われている。
 平成20年1月23日の記者会見で、記者から知事公舎の売却について質問された同知事は「今、知事公舎はどうなっているかと言うと、プライベートな場ではないんです。7月16日の中越沖地震の時もそうですが、気象庁からの情報もすぐ見られるようにしています。非常時対応のための情報の拠点、それから夜中の連絡等ということも考えると、『売ればいいというものなのかな』と。私自身は完全プライベートで遮断できてしまうとプライバシー確保という意味では望ましいかもしれませんが、組織の方は大変かもしれません。例えばマンションに引っ越しますということで良いのかどうか。石原都知事の場合はどうか知りませんが、それなりの機能が自宅に備わっているのであれば、そういうことでも良いのかもしれないし、一概に言えない問題じゃないかと思います」と述べている。

(注:新潟県知事公舎の玄関。)

(注:公舎を囲む塀。群馬県のように嵩上げなどしていない。)
 原告は現地を訪れで塀の外から調査を行った。公舎には正面の門から車で中に入れる。記者会見の時は、マスコミ各社の報道陣が車で門から庭に入り、中で駐車できる。周囲を取り巻く塀の高さは2mほどで、塀には防犯カメラは設備されていない。

(注:通用門。)

(注:正面玄関脇の防犯カメラ。)
 通用口もあり、警ら箱と防犯カメラが設置されている。また、正門の左右にも防犯カメラが設置されている。
 被告のアンケート調査結果を見ても、公邸部分と私邸部分できちんと別れており、費用もきちんと分担していることがわかる。利用形態としても、単身として入居届けを出し、実は不倫相手と頻繁に宿泊を伴う同居をしていたどこかの県知事とは全く異なる。

(6)その他
 原告は、隣の栃木県の管財課(電話028-623-2075)に、知事公舎について電話でヒヤリングをした。それによると、同県は知事公舎を平成18年3月に廃止し、入札により競売にかけて現在は、民間業者所有地になっているという。外国からの来客や、外部の為の会議、表彰式会場としては、栃木県公館(宇都宮市昭和1-1-38)を使用しているという。知事が災害時等の緊急対応では、福田知事の自宅が宇都宮市内の為、ホットラインを設置しているが、これは管財課ではなく、秘書課のマターで、電話代などの通信経費は秘書課が負担しているという。なお、近くのホテルとかマンションとかそういう宿泊施設を管財課が負担しているということはないとのこと。
 また、最近では全国各地で知事公舎の家賃が安すぎるとの指摘がなされている。報道によれば、平成24年10月25日に2011年度の県決算案を審査する福井県議会総務教育常任委員会が開かれ、西川一誠知事が住む知事公舎の家賃が部長公舎より割安で、県議から「適正な価格に見直すべきではないか」と指摘される一幕があった。知事公舎の植木の枝切りなどに年間522万円を支出していることにも疑問の声が上がった。

【写真説明】広島県の湯崎知事が近く入居する知事公舎
 広島県の湯崎英彦知事は近く、改修を終えた広島市中区上幟町の知事公舎に入居する予定だが、公邸部分を除く私邸5LDKの「家賃」に当たる使用料は、広島県規則に基づき月5万4340円。中国地方では山口を除く4県が知事公舎を所有し、広島と同様に県独自の規則で使用料を定める。一等地にある公舎の使用料は、民間相場に比べて「格安」さが際立つ。
 広島県の知事公舎は鉄筋2階建て、延べ540平方メートルの11LDK。うち私邸部分は139平方メートル。1973年に完成した。2009年11月に就任した湯崎知事は現在、西区の自宅から登庁している。
 広島県は知事公舎の売却を検討したが、危機管理の観点や、公舎機能を備えた住宅の借り上げ費用が高額として改修を決定。10年9月から、外塀や私邸部分の浴室や台所などをリフォームし、会議スペースや来客応接室を備えた公邸部分の損傷も直した。改修費用は2800万円。
 県財産管理課によると、知事公舎の使用料は県公舎管理規則に基づき、住居面積と築年数、立地場所を基に積算。1平方メートル当たりの単価は国の基準に準ずる。規則は公舎を利用する職員全てに適用し、職員の使用料の最高は東区牛田本町にある4DK(72平方メートル)で3万5130円。
 中国地方では、山口県を除く4県の月額使用料は、岡山3万7790円(私邸部分140平方メートル)、島根6万2930円(185平方メートル)、鳥取10万3500円(413平方メートル)となっている。山口は老朽化のため2006年度に公舎を解体した。政令指定都市では、広島市の市長公舎は5万4340円(114平方メートル)。なお、岡山市は市長公舎を所有していない。群馬県の場合、上記のいずれの県よりも知事公舎の家賃が低く、また、光熱水費についても、知事の負担が非常に低く、県費負担が非常に高くなっている。

 以上のように、他県の知事公舎の場合、程度の差こそあれ、公邸と私邸のけじめをつけている。いずれの知事も、公務の忙殺される日々にあって、できるかぎり家族とともに過ごす時間を大切にしている。知事・大澤のように、家族をないがしろにして、第三者の不倫相手を公務の場であるべき公舎に引き入れて宿泊を伴う同居をするものは、皆無である。
 また、埼玉県と栃木県の管財課担当者と電話で話をしたが、いずれもこちらの質問や疑問には丁寧に答えてくれた。公務員としてきちんと業務に邁進している様子が、電話口からも伝わってきた。それに比べて、群馬県の管財課職員の横柄な態度が余計浮き上がって感じられた。

第3 他県の知事公舎の例
 被告は平成24年10月23日付準備書面(2)の第2の「証拠意見」として、「原告の現場検証の申し立ては必要性がないものでって却下すべきである」と主張を重ねているが、知事・大澤の公舎管理規則違反による目的外使用の証拠を隠滅し、公舎を解体して撤去し、更地化して前橋市に売り払いおうとする邪な企みを痛感させられる。
 上記の他県の例に見られるように、本来、知事が必要な公務と職責を果たすために、常に実施機関の職員らと連絡体制を取れるようにしてあるのが本来の公舎としての役割である。しかし、群馬県の場合、副知事公舎を単に模様替えをして風呂場を改修し、正門をリモコン式にして、仕上げに目隠しのかさ上げフェンスとサンゴジュ、そして建仁寺垣を設置しただけであり、公務として使用できるような設備に本当にしてあったのかどうかを判断するには、被告らが提出してきた証拠書類では到底カバーできるはずがない。既に知事・大澤が退去してから1年5ヶ月が経過してしまったが、公舎の塀の中に入り、さらに公舎の建物内部を隅々まで検証しておかないと、納税者としての県民の理解は到底得られないであろう。

以上

**********

■今回の住民訴訟で判明したことは、知事・大澤の破廉恥行為を、群馬県の執行部である総務部がこぞって隠蔽し必死で正当化しようとしていることです。

 知事・大澤の不倫については、大澤正明の県議時代当時から、県議仲間はもちろん、議会事務局関係者をはじめ、知る人ぞ知る事実でした。

 当時、議会事務長を長く務め上げて定年退職し、その後大澤が知事に就任したあと、前総務省自治大学校部長教授の佐々木淳とともに平成19年8月20日付で副知事として迎えられた茂原璋男は、辞令交付後の記者会見で「幸せだ」と抱負を漏らし、さっそく知事大澤が不倫相手と同居できるように配慮して知事公舎への入居と“必要で合理的な”改修等の手続きを総務部の管財課に指示をしたことは想像に難くありません。

 このように群馬県の総務部や議会事務局関係者は、為政者の身辺の表も裏も知り尽くしている立場にあるため、今回のように知事・大澤が週刊誌の餌食になったも、シラを切りとおす必要があるのです。

 一方、知事・大澤がなぜこれほどまでにガードを甘くしていたのかという背景には、知事・大澤が長年にわたり不倫相手と公舎で同居していたことを県庁の幹部らは熟知しており、さらに公舎の妾宅化までしてもらっていたことから、不倫という行為について、またそれを公舎という県民の財産を使って整備された施設において不道徳行為を行ったことについて、全く感覚的に麻痺していたことが理由として挙げられると思います。

■このような知事と総務部局の癒着の根源を根絶しないかぎり、再発防止は望めません。裁判所がきちんとした判断をくだして、具体的にペナルティーを科すことがなによりも重要です。

 他方、現在の日本の司法は、住民訴訟に対して全く機能しておりません。したがって、これまでと同様に、本題に踏み込むことなく、住民監査請求の期限途過等を無理やりこじつけて「原告適格の条件が満たされていない」ということで、門前払いされる可能性があります。しかし、その場合でも、知事・大澤が平成23年7月8日から9日にかけて不倫相手と公舎で同居したことは本人も認めています。したがって、もし、不倫相手との公舎における同居が目的外使用にあたらない、という判断が示された場合、それは、全国の首長や公務員、政治関係者にとって、朗報となるでしょう。

 すなわち、公舎や議員会館などの施設で不倫相手と同居しても、規則に抵触することはなくなり、さらに、妾宅化に必要な目隠しのための回収費用についてもすべて公費で負担してもらえることになるからです。

 公務員のかたがたのなかには、「とんでもない話だ」と思われる人もいるかもしれませんが、そのほかの公務員にとっては、期待にわくわくして判決をまつかたがたもきっと大勢いることでしょう。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項おわり】

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群馬県知事が不倫相手と公舎で同居し妾宅化していた事件の住民訴訟が12月26日結審!(その2)

2012-12-29 12:36:00 | オンブズマン活動
■次に、原告のオンブズマンのメンバーが第4回口頭弁論で陳述した原告準備書面(5)を見てみましょう。

**********【原告準備書面(5)】
平成24年(行ウ)第10号 知事公舎妾宅化損害賠償請求事件
原 告  鈴木 庸、 小川 賢
被 告  群馬県知事 大澤正明
平成24年12月25日

原 告 準 備 書 面 (5)

前橋地方裁判所 民事第1部合議係 御中

原 告  鈴木 庸   印
 同   小川 賢   印

 平成24年10月31日の第3回口頭弁論で、御庁の指揮に基き、原告は、「知事・大澤が知事公舎に配偶者でも家族でも縁戚関係でもない女性を頻繁に宿泊させたことは目的外使用ではなく、知事・大澤は公務でも知事公舎を使用していたから光熱水費等の費用を県が負担するのは妥当だ」とする被告の主張を裏付ける為の資料を請求していたが、11月23日に開示された証拠資料を検分する限り、そのような事実を確信させる情報は見当たらなかった。
 そこで、ここであらためて、①公舎の目的外使用(同規則第2条、第4条、第8条第1項第2及び3号違反)②公舎の不正改修(同規則第8条第1項第1号違反)③公舎の衛生費、光熱費、軽微費用等の不正支出(同規則第9条違反)
について、次のとおり陳述する。

第1 知事・大澤の公舎管理規則違反

 被告群馬県知事は答弁書で、知事・大澤が不倫相手の女性と公舎に頻繁に宿泊を伴う居住をしたことについて、「本件公舎は『県に勤務する職員の居住に供する目的をもって設置した施設』であり(群馬県公舎管理規則第2条)、その使用形態が目的に沿っているかどうかは、知事が居住に供しているかどうかで判断される。そして、本件では、知事が公舎に居住していることは明らかであり、原告らもこのことは争っているとは思えない。よって、原告らの目的外の使用との主張を前提とする請求は失当である。ちなみに、原告らが述べていることは公舎を使用する際の遵守事項に関するものでしかない、しかも、原告らの主張をみても上記規則第8条第1項で禁止されている行為に該当する事項すら存在しない。」と主張する。
 週刊誌に写真入りでスクープされた事実からしても明らかなように、知事公舎には、入口で車からいちいち降りてゲートを開閉する必要のないリモコンの電動ゲートが設置されたり、ブロック塀の上にさらに目隠し用の嵩上げフェンスが施されたり、玄関には女性を連れ込む様を隠す為の建仁寺垣と呼ばれる形式の竹垣が設えられたり、隣のマンションからの目隠しにサンゴジュを植え、中の物音が外に漏れないようにサッシが新調されたり、やりたい放題である。
 にもかかわらず、被告は「知事が公舎に居住していれば、その使用形態が目的に合致している」と判断し、だから「不倫相手を連れ込んで一緒に居住していることは目的外使用ではないので、不問にする」と主張する。さらに「原告らが述べている不倫相手を公舎に連れ込むことは、公舎を使用する際の遵守事項に関するものでしかない」と述べている。
 であるならば、そのように群馬県公舎管理規則にきちんと明記しなければならないが、何度管理規則を読み返しても、そのような記載は書いてない。規則には「この規則において『公舎』とは、県が公務の円滑な運営を図るため、県に勤務職員の居住に供する目的をもって設置した施設」であり、同規則第4条(居住資格)には「公舎を使用することができる者は、県に常時勤務する職員(知事が特に認めた場合は、この限りではない。)で公務の円滑な運営を図るため居住の必要がある者に限る」と定めがあり、同規則第8条(遵守事項)には「使用者は、公舎を常に善良な管理者としての注意をもって使用するとともに、次の各号に掲げる行為をしてはならない。ただし、第一号及び第二号に掲げる行為で知事又は地域機関等の長の許可を受けたものは、この限りではない。 一 増築し、改築し、もしくは模様替えをし、又は工作物を設置すること。 二 職員と生計を一にする者以外の物(使用人を除く、)を同居させること。 三 転貸し、又は目的外に使用すること」と定めがある。
 したがって、被告群馬県知事が、知事・大澤の不倫相手を同居させることを被告群馬県知事が認めたのでない限り、知事・大澤が不倫相手を同居させたことは管理規則違反であり、公舎の“無断使用”、即ち“目的外使用”にあたる。
 また、管理規則には「公舎を使用することができるものは、公務の円滑な運営を図るため居住の必要があるものに限る」と定めがあるが、知事・大澤は台風も地震も洪水も発生していない通常時期にも、週末を主体に頻繁に不倫相手を公舎に住まわせていた。不倫相手を公舎に宿泊させることが、公務の円滑な運営を図るために必要なことかどうかについて、あらためて被告群馬県知事に求釈明を行いたい。

(1)知事・大澤による第三者の公舎での同居の実態
 知事・大澤が頻繁に不倫相手を公舎に連れ込んで同居させていたことについては、隣接のマンションの住民が目撃しており、週刊誌にも「前年から数えて40回以上」と報じられており、巷間情報では「さらに遡れば100回降り泣いての女性と週末に頻繁に公舎で夜間も同居していたという。
 この点について、当然被告は、玄関の監視カメラ等で、知事・大澤が、管理規則で定める「生計を一にする者以外の物(使用人を除く。)」が公舎内に進入して、同居していた事実を知っているはずだが、原告らの開示請求に対して、こうした情報は存在さえ認めることなく、不開示とした。
 原告らが、平成23年12月19日付けで被告に開示請求をした「平成19年1月~平成23年12月までの群馬県知事公用車の運行に関する一切の情報」について、平成24年1月18日に開示通知が届き、同20日に開示された文書をみると、次のことをうかがい知ることが出来る。
 知事・大澤が不倫相手を公舎に宿泊させた平成23年7月8日(金)、知事・大澤は6月10日以来、ほぼ1ヶ月ぶりに知事公用車に乗り87.6kmを走行していた。7月8日は、知事・大澤が同3日に知事選に当選してから初登庁の日であり、朝9時30分に県庁32階展望ホールで初登庁式を行ない、午前10時15分から昭和庁舎正庁の間で県職員らの前で訓示を行ったあと、その日の午後4時に前橋市内に住む不倫相手を自家用車で迎えに行き、そのまま公舎に入り、翌日まで公舎から出なかった。知事公用車でどこをどう走ったのかは定かではないが、平成23年7月は、この日だけ知事公用車が使用されていた。
 知事・大澤は、不倫相手と一緒に公舎に宿泊する場合には、なぜか、公用車を使っていない。知事・大澤が公務のため必要であれば、自らと一緒に家族や知人を同乗させて公舎に出入りするのは、公用車であっても構わないはずである。ところが、知事・大澤はそのような行動をとってこなかったとみられる。このことは、毎日防犯カメラで、公舎の出入りを監視している管財課と秘書課の関係者にとっては、いつ誰が公舎に出入りしていたのかを最もよく把握しているはずであるが、知事・大澤が、公舎に家族以外の第三者を恒常的に連れ込んで宿泊を伴う同居をしていたことについて、問題ないという判断をしているらしい。らしい、というのは、管財課からは答弁書や準備書面で「問題ない」という主張がされているためである。
 一体、知事・大澤が公務とは無関係な第三者の不倫相手を公舎に連れ込んでいた実態はどうなっていたのだろうか。原告らは平成23年1月20日(金)午前11時に開示された「知事公用車の運行に関する一切の情報」として平成22年4月~平成23年11月までの秘書課保有の公用車管理台帳をチェックしてみたところ、知事・大澤が公用車を使わなかった日は次のとおりであることが判った。(甲  号証参照)
 平成22年4月:5日(金)、17日(土)
 同5月:1日(土・祝)~5日(水・祝)、8日(土)、16日(日)、25日(火)、29日(土)、30日(日)
 同6月:16日(水)、21日(月)
 同7月:2日(金)、15日(木)~19日(月・祝)、22日(木)、25日(日)、30日(金)、31日(土)
 同8月:7日(土)、8日(日)、12日(木)、13日(金)、16日(月)
 同9月:2日(木)、3日(金)、12日(日)、20日(月・祝)、23日(木)、25日(土)
 同10月:4日(月)、11日(月・祝)、16日(土)、17日(日)、21日(木)、22日(金)、24日(日)、25日(月)、31日(日)
 同11月:6日(土)、8日(月)、15日(月)~20日(土)、23日(火)、28日(日)
 同12月:4日(土)、12日(日)、19日(日)、23日(木)~25日(土)、29日(水)、30日(木)
 平成23年1月:2日(日)、3日(月・祝)、9日(日)、10日(月・祝)、20日(木)、22日(土)、31日(月)
 同2月:1日(火)~28日(月)※この月は、知事公用車の車検らしく4日~28日までは代車(85-64)を使用。代車不使用日は、1日(火)~3日(木)、13日(日)、27日(日)。
 同3月:1日(火)~4日(金)、12日(土)、13日(日)、19日(土)、26日(土)、27日(日)
 同4月:2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)、19日(火)、22日(金)~24日(日)、29日(金)、30日(土)
 同5月:3日(火・祝)~5日(木・祝)、8日(日)、13日(金)~31日(火)
 同6月:1日(水)~9日(木)、11日(土)~30日 ※即ち、知事公用車使用日は10日(金)のみ
 同7月:1日(金)~7日(木)、9日(土)~31日(日) ※即ち、知事公用車使用日は8日(金)のみ
 同8月:1日(月)~14日(日)、16日(火)~22日(月)、24日(水)~28日(日)、30日(火)、31日(水)
 同9月:1日(木)~14日(水)、16日(金)~23日(金)、25日(日)~28日(水)
 同10月:2日(日)、5日(水)、6日(木)、8日(土)、9日(日)、11日(火)、20日(木)、21日(金)、23日(日)、25日(火)
 同11月:2日(水)、5日(土)~12日(土)、17日(木)、20日(日)、21日(月)、24日(木)、27日(日)
 一方、秘書課保有の旅行伺い兼旅行命令(依頼)簿《公用車運転業務》のうち、平成23年7月分を見ると、「旅行者 高橋 浩」名で「旅行形態 登庁後出張、出張後帰庁」として次のとおりとなっている。
発令日  担当者 旅行日(曜日) 旅行用務 目的地  走行距離 備考
7月 1日 生方   1日(金)  運転業務 前橋市    3.7
7月 2日 生方   2日(土)  運転業務 前橋市
                      高崎市    37  36
7月 4日 生方   4日(月)  運転業務 太田市
                      前橋市   162.9  30
7月 5日 生方   5日(火)  運転業務 太田市
                      前橋市   208.4  31
7月 6日 生方   6日(水)  運転業務 太田市
                     東京都港区  372.2  35
7月 7日 生方   7日(木)  運転業務 太田市
                      高崎市   190.8
7月 8日 生方   8日(金)  運転業務 太田市
                      前橋市   67.6  51
7月11日 生方  11日(月)  運転業務 高崎市
                      前橋市   20.2
7月12日 生方  12日(火)  運転業務 高崎市
                      前橋市   51.9
7月13日 生方  13日(水)  運転業務 高崎市   36.3
7月15日 生方  15日(金)  運転業務 高崎市   34.7
7月19日 生方  19日(火)  運転業務 前橋市    6.5
7月20日 生方  20日(水)  運転業務 前橋市    12  29
7月21日 生方  21日(木)  運転業務 前橋市
                      高崎市   23.2
7月22日 生方  22日(金)  運転業務 前橋市
                      高崎市   23.2
7月25日 生方  25日(月)  運転業務 太田市
                      館林市   364.6  38
7月26日 生方  26日(火)  運転業務 太田市
                      高崎市   241   30
7月27日 生方  27日(水)  運転業務 太田市
                      前橋市   171.7
7月28日 生方  28日(木)  運転業務 太田市
                      前橋市   182.4  38
7月29日 生方  29日(金)  運転業務 太田市
                   東京都千代田区  313.5  35
7月30日 生方  30日(土)  運転業務 前橋市
                      太田市   105.9
 続いて同月の「旅行者 澤田卓也」名で「旅行形態 登庁後出張、出張後帰庁」として次のとおりとなっている。
発令日  担当者 旅行日(曜日) 旅行用務 目的地  走行距離 備考
7月 1日 生方   1日(金)  運転業務 高崎市   54.3
                      高崎市   31.9
7月 4日 生方   4日(月)  運転業務 前橋市   11.1
7月 5日 生方   5日(火)  運転業務 前橋市    6.4
7月 6日 生方   6日(水)  運転業務 前橋市    6.4
7月 7日 生方   7日(木)  運転業務 前橋市    17
7月 8日 生方   8日(金)  運転業務 前橋市    6.6
7月11日 生方  11日(月)  運転業務 太田市   10.7
7月13日 生方  13日(水)  運転業務 東京都中央区 352  52
7月14日 生方  14日(木)  運転業務 東京都中央区 373.5
7月15日 生方  15日(金)  運転業務 東京都中央区 369.1 48
7月19日 生方  19日(火)  運転業務 高崎市    38.7
7月20日 生方  20日(水)  運転業務 渋川市    84.2
7月21日 生方  21日(木)  運転業務 高崎市    72.5
7月22日 生方  22日(金)  運転業務 高崎市    37.9
7月25日 生方  25日(月)  運転業務 富岡市    55
7月26日 生方  26日(火)  運転業務 前橋市    6.5  43
7月27日 生方  27日(水)  運転業務 前橋市    3.1
7月28日 生方  28日(木)  運転業務 前橋市    6.4
7月29日 生方  29日(金)  運転業務 高崎市    16.4
 もうひとつは「旅行者 橋場繁行」名で「旅行形態 登庁後出張、出張後帰庁」として次のとおりとなっている。
発令日  担当者 旅行日(曜日) 旅行用務 目的地  走行距離 備考
7月 1日 生方   1日(金)  運転業務 太田市    83
7月 1日 生方   2日(土)  運転業務 太田市   185.5
7月 4日 生方   4日(月)  運転業務 高崎市
                      大泉町   127.9
7月 5日 生方   5日(火)  運転業務 高崎市    22.6
7月 6日 生方   6日(水)  運転業務 高崎市    22.6
7月 7日 生方   7日(木)  運転業務 高崎市    38.7
7月 8日 生方   8日(金)  運転業務 高崎市    21.4
7月11日 生方  11日(月)  運転業務 前橋市    7.1
7月12日 生方  12日(火)  運転業務 東京都    285  52
7月14日 生方  14日(木)  運転業務 高崎市    40.4
7月15日 生方  15日(金)  運転業務 前橋市    7.1  38
7月15日 生方  18日(月・祝)運転業務 前橋市    7.1  30
7月19日 生方  19日(火)  運転業務 太田市   172.4
7月20日 生方  20日(水)  運転業務 太田市    172  47
7月21日 生方  21日(木)  運転業務 太田市
                     東京都(1泊) 230.4  16
7月21日 生方  22日(金)  運転業務 東京都
                      太田市   243.1  31
7月22日 生方  24日(月)  運転業務 富岡市   221.4
7月25日 生方  25日(月)  運転業務 嬬恋村   193.2
7月26日 生方  26日(火)  運転業務 高崎市    39.7
7月27日 生方  27日(水)  運転業務 高崎市    31.1
7月28日 生方  28日(木)  運転業務 太田市    96.9  40
7月29日 生方  29日(金)  運転業務 前橋市    7.8
 以上のように、運転者の旅行命令(依頼)簿《公用車運転業務》からは、何時から何時までどの公用車を使用したのかは不明であるが、ほぼ毎日太田市を往復していることから、知事・大澤を県庁まで送迎していることが伺える。従って、公用車を一切使用していない場合には、知事・大澤は自家用車で“出勤”していることになる。
 以上は秘書課保有文書であるが、管財課保有文書として「ETCコーポレートカード利用明細書」(甲22)がある。開示された平成23年7月分を見ると、次のことがわかる。
① 公用車のETCカードは5枚あり、それぞれ番号が【110792-0011-02971】【110792-0011-02981】【110792-0011-02991】【110792-0011-03001】【110792-0011-03011】となっている。
② 群馬県の知事・副知事の公用車は、「知事車」、「茂原副知事車」(平成22年4月~11月まで。平成22年12月以降は茂原の表示が削除されている)、「稲山副知事車」(平成22年4月~8月)→「池本副知事」(平成22年9月~11月まで。平成22年12月以降は池本の表示が削除されている)、「アルファード」の4台である。なお、スポット的に「セドリック(47-41)」(平成22年6月14日~7月2日)、「エルグランド」(平成22年7月16日、同10月6日、平成23年5月1日、同13日)、「エスティマ(企業局)」(平成22年8月12日、平成23年8月12日))、「代車レクサス」(平成22年9月1-2日)、「管財(20-88)」(平成22年9月22日~25日、平成23年4月22日)、「エスティマ(11-38)(企)」(平成22年11月8日、平成23年10月8日、同10日、平成23年11月11日、同15日)、「エルグ(26-14)」(平成22年12月8日)、「代車(85-64)」(平成22年2月4日~28日)、「広報課(83-44)」(平成22年3月17日)、「管財課バン」(平成22年3月18日、平成23年8月1日)、「企業局セレナ」(平成23年5月11日)、「企業局(11-38)」(平成23年5月15日)、「レガシィ」(平成23年6月13日、同7月4日)、「管財課ワゴン」(平成23年8月2-3日)、「ルグランド(議会)」(平成23年8月4日)、「レンタカー」(平成23年11月17日)を暫時使用している。
③ この明細書と前述の各公用車の運行記録を照らし合わせると、知事公用車レクサスのETCカード番号は【110792-0011-02981】と推測される。なぜなら、7月8日のみ使用されており、前橋→伊勢崎400円(通常750円だが“大口・多頻度割引対象”になっている)、伊勢崎→前橋550円(同)。また、アルファードのETCカード番号は【110792-0011-03001】と推定される。その他、副知事公用車(旧茂原車)のETCカード番号は【110792-0011-02991】、副知事公用車(旧稲山・池本車)は【110792-0011-02971】と思われるが、7月28日に前橋→太田桐生の往復800円×2(正規料金1150円×2)を支出した【110792-0011-03011】のカードを装着している公用車は不明である。
④ 運転手3名が公用車のどの車に乗車するのかは、一定していない。但し、開示された資料に基く予測であり、実態は管財課と秘書課のみぞ知るところとなっている。
 以上の情報から、知事・大澤は“登庁”送迎をほぼ毎日受けており、運転手はほぼ1週間ごとに交替しており、その車種は平成23年7月に関しては、もっぱらアルファードであり、高速道路の前橋IC⇔伊勢崎ICを利用していることがわかる。
 さて、知事・大澤が不倫相手を公舎に連れ込んで宿泊を伴う同居をした平成23年7月8日を見てみると、早朝、久しぶりに高橋浩の運転する知事公用車が、前橋IC→伊勢崎IC経由早朝割引400円で太田市に向かい知事・大澤をピックアップして県庁に連れてきた。その後午前9時30分からの初登庁式と午前10時15分からの昭和庁舎での職員訓示を行ったあと、再び高橋浩の運転する知事公用車で、太田市の自宅に戻り、知事公用車は伊勢崎IC→前橋IC経由550円で帰庁した。その後、知事・大澤は自ら自家用車を運転して前橋に向かい、その日午後4時に前橋市内に住む不倫相手をピックアップして、そのまま公舎に入ったと推定される。
 従って、知事・大澤が不倫相手と公舎で同居していた日を特定するためには、知事公用車の運行記録だけでは困難であることがわかる。しかし、少なくとも知事・大澤が主として使用する知事公用車(レクサス)が使用されていない日は、知事・大澤が自家用車を駆って、不倫相手と一緒に公舎で同居している可能性がある。

(2)知事公舎の管理にかかる秘書課と管財課の役割分担について
 次に、原告らは、なぜ公舎の施設を管理する管財課が、勝手に知事の公舎入退去にかかる全ての事項を取り仕切っているのか、疑問に思い、平成23年12月19日付で開示請求をしたが(甲8)、被告群馬県知事は事務担当の管財課から平成24年1月4日付で公文書不存在決定通知書を発出し(甲10)、この中で「過去5年間(平成19年1月~平成23年12月)、知事公舎に関して秘書課が管財課との間で提出或いは受領した一切の書類」について「請求のあった文書については、作成又は保存をしていないため」と不存在の理由を示した。
 ところが、その後、原告らが知事公舎(大手町1号公舎)の現場検証をしていた際に発生した事件により、知事公舎の管理には秘書課が関与していることが判明した。
 原告らは、本事件の第2回口頭弁論終了後、平成24年9月19日(水)午後2時ごろ知事公舎周辺で写真撮影をしていた。その時、知事公舎の正門前にある桃井小学校の一角にある前橋市立図書館の駐車場の管理を前橋市から委託されている前橋市シルバー人材センターの警備員の山口氏から、突然職務質問を受けた。理由を尋ねたところ、同氏いわく「昨年の今頃、県庁の秘書課の担当者から、知事公舎周辺で不審者を見つけた場合、通報するように指示を受けていた」という。その証拠に、山口氏は、県秘書課の指示に基き作成したという、通報先を記載した申送りメモを原告らに提示した。その時、原告らが撮影した写真を次に示す。

(注:群馬県知事公舎前の駐車場の守衛が持っていたメモ。)

(同メモにある守衛担当時間割。)

(原告小川の携帯電話の発信履歴。)
 同氏は「交代で警備に当るほかの警備員にも情報を共有する必要があるため、パソコンが使える自分が作成して、駐車場入口の警備員詰所に常備している」と語った。不審者扱いされた原告小川は、身の潔白を晴らす為に同日午後2時ごろ、通報先の秘書課に電話をして、担当の星野次長のもとに出頭しようとしたが、星野次長はなぜか「その件は秘書課ではなく管財課に言って話して欲しい」と言い、直接の面談を嫌がった。秘書課に到着した途端に、秘書課の星野次長は原告小川を直ちに管財課に連れて行こうとしたからだった。原告小川は、秘書課星野次長と管財課小見次長の前で事情を説明したところ、秘書課次長も管財課次長も口を揃えて「そのような指示を駐車場にいる前橋シルバー人材センターの警備員にしたことはない」との見解であった。そこで原告小川は「それなら、直ちにシルバー人材センターの警備員にその旨伝えて欲しい」と申し入れ、直ちに現場を訪れ、警備員の山口氏に対して、不審者の監視と通報に関する依頼の不存在について事情を説明してほしいと要請した。しかし、秘書課も管財課も難色を示したので、原告小川が先に現場に戻って警備員の山口氏に事情を説明したが、同氏は交替時間だとして家路につこうとしていた。そのため、原告小川は秘書課と管財課に電話ですぐ現場に来るように督促したが、担当職員らが現場についたときは、既に交替の警備員に代わっていた。当該警備員は、事情を察して「そのような不審者通報先を記載したメモはない」と県職員らに述べたが、原告小川は県職員らに対して「実際に秘書課職員から直接指示を受けた山口氏に対して直々に説明してほしい。その際に、我々を立ち会わせて欲しい」と要請した。しかし、現在に至るまで、県職員が警備員の山口氏に直接説明した形跡がない。
 このことについて、原告らは平成24年11月22日付で次の質問を公開質問状に記載して被告群馬県知事あてに秘書課経由で提出した(甲16質問2)
①警備員の山口氏は質問者(原告ら)に証拠を見せて、秘書課職員が山口氏に、不審者発見時の秘書課への通報指示依頼をしたと証言したが、秘書課や管財課は事実でないという。貴殿(県知事)の見解はどうか?
②知事公舎のセキュリティ管理は秘書課なのか、それとも管財課なのか、あるいは双方なのか?そうだとすれば、秘書課と管財課のそれぞれの所掌はどのような分担になっているのか?
③知事公舎の周辺で不審者を見つけた場合の秘書課への通報指示依頼が不存在であってもなくても、不審者の通報依頼は不要なのであれば、警備員の山口氏らに一刻も早く伝えて、質問者(原告ら)のように不審者呼ばわりをされる県民をなくすのが急務なのに、それをしないのはなぜか?
 ところが、被告は、原告らの公開質問に対して回答拒否の通知を出してきた(甲17)。
 このことからしても、本来、公舎の利用や安全管理については、秘書課が管理すべきところ、被告は、公舎の施設の営繕や支出について管理している管財課をして、「知事公舎に関して秘書課が管財かとの間で提出或いは受領した一切の書類については、作成又は保存をしていない」と、原告らにウソをついたのである。
 実際には、公舎に異常があった際には、上述のとおり秘書課に情報を通報するように支持されていたのであり、管財課だけが、公舎の利用や安全管理を含め、秘書課と連携をとらずに勝手な裁量で決めているはずは無いのである。

(3)知事公舎の運営管理にかかる疑問点

1)知事・大澤による公舎目的外使用について被告は承知していたこと
 原告らは、知事公舎に知事・大澤が不倫相手を恒常的に連れ込んで宿泊を伴う同居をしていたことについて、総務部の秘書課も管財課も知り尽くしていたと確信している。つまり、公舎の目的外使用について、総務部は暗黙の了解で、それぞれ秘書課や管財課に通達を出していたことになる。
 この観点からすれば、県民を驚かせた平成23年7月13日の週刊新潮のスクープ記事情報をあらかじめ入手した被告が、総務部を通じ、一般県民の目に出来る限り触れ難くさせようと、県内の主要な書店や売店から該当する週刊誌を買い占めた事実がよく説明できるからである。そこで、原告らは、被告に公開質問状(甲16質問1)で次の質問をした。
 この(知事・大澤の公舎目的外使用の)記事が掲載された週刊誌の発売直後の平成23年7月15日付産経新聞によれば、「知事の女性問題を報道、群馬で週刊新潮が品薄に」という見出しで次の記事を掲載している。「群馬知事の女性問題を報じた週刊新潮が13日の発売以降、県内で品薄状態になっている。けやきウォーク前橋(前橋市)内の紀伊国屋書店前橋店では13日の開店直後、店頭に並べた35冊すべてをたった1人の客が買い占め、即座に完売。同店では急遽(きゅうきょ)100冊を追加発注した。さらに、読者ニーズに対応するため、14日からは1人2冊までの購入制限を設けた。また、イオンモール高崎(高崎市)内の未来屋書店でも、13日に仕入れた6冊が即日売り切れた。前橋市内の別の大型書店でも、本店や支店などに並べた計164冊が14日までに完売し、担当者は「なぜか一度に複数冊買う人が目立った。(知事の記事が掲載されるため)普段より多く仕入れたが、ここ数年で一番の売れ行きだ」と驚いていた」。原告らが所属する市民オンブズマン群馬に寄せられた県民からの声として「あきらかに県庁職員が関与していると見られる」「この購入費はどこから捻出されたのか?」などがあるが、当日の秘書課及び管財課をはじめ総務部や企画部の職員の出勤について、職務専念義務違反となるような行動があったかどうか、調査をしたか?あるいは、まだ調査をしていなければ、調査をして、その結果を公表するつもりはあるのか?また、週刊誌の購入費用はどこから支出されたのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲17)。

2)知事・大澤は公舎で兼業にかかる業務をしていたこと
 知事公舎の使用の実際について、平成23年7月13日の週刊新潮のスクープ記事により、急遽、秋田県で行われていた全国知事会の大事な会合を放り出した知事・大澤が県庁に戻り、記者らの鋭い質問にしどろもどろで回答している様子が、群馬県のホームページに掲載してある(甲18)。そこで、被告に次の質問をした(甲16質問3)。
 知事・大澤は平成23年7月13日(水)午後2時00分~25分にかけて、記者会見室において臨時記者会見(甲23)で、知人女性を公舎に宿泊させた件で「女性は、月に1度、社会福祉法人の事業報告をしてくれていました。ご存じのとおり、大変厳しい選挙がありまして、そのために、月に1度の報告が遅れました。たまたま記事に書かれた日になってしまった次第です。」と説明した。このことについて、知事の兼業規定に抵触するのではないか、という県民の声が市民オンブズマン群馬に寄せられている。公務員法で禁止している、いわゆる「兼業禁止規定」は、営利を目的とする会社等の役員等を兼ねたり、自ら営利を目的とする私企業を営んだり、報酬を得て事業若しくは事務に従事することを禁止しているはずである。この観点に照らすと、知事・大澤が、自ら経営に携わっていた経緯のある社会福祉法人の事業報告を毎月1回定期的に知人女性から受けていたことは、県民としては、明らかに兼業禁止規定に違反する行為であると思うが、貴殿としては、知事・大澤が毎月自分が実質的に経営する社会福祉法人の事業報告を公舎で受けていたことについて、兼業禁止規定に照らしてどのように考えているのか?
 しかし、被告はまたも回答を拒否した(甲17)。ということは、被告は知事・大澤が公舎で兼業をしていたことを承知していたとも受け取れる。このことも公舎の目的外使用ということができるのではないか。

3)公務で使用するため公舎のはずが通常でも不倫相手と同居していたこと
 さらに被告らは、公開質問状で次の質問をした(甲16質問4)。
 平成23年7月13日の臨時記者会見で、記者の質問「住民の話では、去年は30回で、今年はすでに13回泊まっているのではないかとの話を記者にしていますが、それに関するご見解をお伺いしてよろしいでしょうか。」に対して、知事・大澤は「それは、意味が分かりません。先ほども言いましたが、月1回報告に来ていました。その記事を読んだところ、私が車を玄関先に止めた時が常にそういう時であろうとの臆測を持っていますが、毎回、私自身が公舎に泊まる時に、例えば2泊連続で泊まりの時には、背広2着、靴、下着、食料を全部持ってきますので、玄関において(車から)荷物を下ろす、帰る時には玄関において車に積んで、そこから出て行く。いつも駐車場から玄関先に車を持ってきて、そこで荷物の積み下ろしをして帰ることをしていますので、それを誤解されているのではないかと思っています。」と答えた。そもそも、知事が公舎を利用するのは台風など災害時の緊急対応にそなえて迅速な指揮をとるためのものだと県民は理解してきた。にもかかわらず、台風も来ない場合でも、知事・大澤が公舎を週末頻繁に利用していたことについて、貴殿は不審に思わないのか?また、知事・大澤がいつ公舎を公務で利用したのか、監視カメラや警備の記録を県民に公表するつもりはあるか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲17)。知事・大澤が玄関先に自家用車を止めて、同乗させていた不倫相手が竹垣に隠れるようにして公舎の玄関に駆け込んだ写真が週刊誌に出ているのに、知事・大澤は“誤解されているのではないか”とシラを切っている。したがって、知事・大澤の説明を検証する為に、監視カメラや警備記録を県民に公開し、現場検証をするために公舎を開放する必要がある。そのため、一刻も早く公舎の内部視察が出来るように現場検証命令の発出を裁判所に要請する。

4)公舎に不倫相手が入る姿を隠す為の竹垣設置について
 さらに被告らは、公開質問状で次の質問をした(甲16質問5)。
 質問4に関連するが、知事公舎の玄関脇には、立派な竹垣が設えてある。この設置理由について管財課は、「業務の都合により」などとしているが、知事・大澤が知事公舎を利用する場合は自家用車に衣服、食料を積んで出入りするので、それを運び込む為に玄関先まで自家用車を乗り付けていたと、知事・大澤本人が記者会見で記者に説明している。であれば、業務上の都合で竹垣をわざわざ玄関脇に設置する理由が存在しないと思うが、群馬県はなぜ、知事が荷物を積みおろす作業を竹垣でわざわざ隠す必要を業務の都合として認識したのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲17)。知事・大澤が玄関先に自家用車を止めて、同乗の不倫相手が真夏の炎天下にダウンジャケットを着て、フードで顔を隠しつつ前身を竹垣に隠すようにして公舎の玄関に駆け込んだ写真が週刊誌に出ているが、この竹垣は知事が公舎に入居してからしばらくして設置されたものである。隣接のマンションの住民の眼から知事・大澤の不倫相手を隠す為に、知事・大澤が被告に対して指示をしたはずだ。このことからも、被告は知事・大澤による公舎の目的外使用について従前に熟知していたことがうかがえる。

5)副知事・茂原は最初から公舎に入るつもりがなかったこと
 さらに被告らは、公開質問で次の質問をした(甲16質問6)。
 知事・大澤は平成23年7月13日の臨時記者会見で、「こじつけ的な感じです。あくまでも、あれは副知事公舎として改修していたものです。議会でも何回も質問があったのですが、この3月もまた同じ質問が出ました。いずれにせよ、副知事公舎の改修というのは、当初副知事が入居する予定で改修した工事で、私はおかしいとは思っていません。」と説明したが、その後の記者の質問「念のためなのですが、副知事は入居されていたのですよね。」に対して、「はい。何回か」と答え、さらに記者の質問「それは、期間的には、ちゃんと記録も残っているということでよろしいのですね。」に対して、「はい。」と答えた。開示資料によれば、副知事用の公舎だった大手町1号公舎から平成19年8月3日に、元・管財課課長だった高木勉副知事が退去したはずである。同8月に茂原璋男副知事が入居予定だったというが、知事・大澤は茂原副知事をいつ、何回、入居させたのか?入居届けはいつ提出されたのか?それは単身入居だったのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲17)。被告が原告らに開示した情報には、副知事・茂原が入居していた記録は皆無である。知事・大澤は、記者会見でウソをついていたことになる。

6)知事・大澤は週刊新潮の記事を名誉毀損で訴えないこと
 さらに被告らは、公開質問状で次の質問をした(甲16質問7)。
 知事・大澤は平成23年7月20日(水)午前11時00分~21分にかけて、記者会見室において定例記者会見(甲24)で、副知事、企画部長、企画部副部長、観光局長を従えて、記者クラブ所属記者等25人を前に、知人女性を公舎に宿泊させた件を報じた週刊誌について、記者の質問「週刊誌の件に戻って恐縮ですが、しかるべき措置ということも、知事は、(週刊)新潮に対して何らかのかたちで対策を考えているということもおっしゃっていたと思うのですが、今のところ何か考えているというか行動というものは、あるのでしょうか。」に対して、「先週も言いましたけれども、相談している方から、そのうちお話がくると思っています。」と答えている。これは虚偽の記事を掲載した週刊誌に対して名誉毀損で法的対応をとるという意味にとれる。事実、その1週間後の平成23年7月27日(水)午前11時00分~41分にかけての記者会見では、副知事、総務部長、企画部長、企画部副部長、農政部副部長ほかを従えて、記者クラブ所属記者等22人の前で、記者の質問「新潮社へは抗議されたのですか。」に対して、「その問題は、記者さんが真剣に取り組んでいるので。弁護士に相談しまして、弁護士に任せていますので、弁護士に聞いてください。」「(担当弁護士の名前は)丸山さんという弁護士さんです」と答えた。質問1とも関連するが、知事・大澤が丸山弁護士に相談していることに関して、相談等、法的対応に関わる弁護士費用はどの費目から、いつ、いくら、どのように支出されているのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲17)。知事・大澤が週刊新潮に対して法的対応をとることを記者らに示唆しながら、実際には丸山弁護士に口頭で相談程度はしたかもしれないが、本気で提訴する気のないことがうかがえる。知事・大澤は自ら公舎を目的外使用した事実を第三者に対して証明できないのである。にもかかわらず被告が知事・大澤の公舎目的外使用を認めようとしないのは遺憾である。

7)総務部長が知事・大澤の公舎目的外使用に関する情報を熟知していたこと
 さらに被告らは、公開質問状で次の質問をした(甲16質問8)。
 知事・大澤は平成24年4月11日(水)午前11時00分~30分にかけて、記者会見室における記者会見(甲25)で、副知事、総務部長ほかを従えて、記者クラブ所属記者等23人を前に、知人女性を公舎に宿泊させた件について、記者の質問「池本副知事にお伺いします。副知事が知事公舎に入居された理由について、先日、秘書課にお伺いしたところ、池本副知事ご自身も(知事公舎の)あり方検討委(員会)の方針に沿ったかたちで、何らかのかたちで知事公舎を有効活用すべきだと考えていて、今年に入って、総務部長から(知事公舎に)入ったらどうかという話しがあったのでお受けしたという認識であるということをお伺いしたのですが、池本副知事が知事公舎に入ることが、あり方検討委が示した報告の内容に沿っているとお考えなのでしょうか。」があり、これに対して池本副知事は「(知事公舎の)あり方検討委員会の基本的な方針というのが、今回、私が入居したからそれに反するということではないのです。県民のために有効活用するという基本方針の下に、現在検討を急いでいるところです。その検討を行っている間も県の財産ですから有効活用すべきではないかということを事務的に今まで検討をしてきて、副知事公舎として活用してはどうかということでまとまったので、(入居しては)どうかということで、私が入居したということです。」と答えた。このことは、知事公舎の運営について、管財課のみならず、秘書課も積極的に参画していることを示しており、それらを統括する総務部長が深く関与していることをうかがわせている。総務部長が池本副知事に対して、知事公舎に入居するように促した文書やそれに伴う関係書類等が存在するはずである。それらの文書を公表するつもりはあるか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲17)。この経緯について、原告らが本請求事件の第2回口頭弁論の開かれた平成24年9月19日に被告に対して「大手町1号公舎に関して、大澤知事が2011年7月末に退去後、県が同公舎に関し作成及び受領した一切の情報(現在に至るまでの情報で、同公舎の管理、維持、処分、費用、前橋市との交渉などを含む)(但し、係争中の住民訴訟にかかる文書は除く)のうち別紙に記載した文書」を情報開示請求したところ、被告が開示の期間延長を行ったため、結局、約2ヶ月遅れの平成24年12月22日(木)午前10時に開示された情報をチェックしたところ、池本副知事から平成24年3月26日付で「入居予定年月日 平成24年4月1日」とする公舎使用願が知事・大澤あてに提出されている。それを受けて、管財課主事箕輪肖美が「(件名)大手町1号公舎の使用承認について (伺い)このことについて、群馬県副知事が池本武広から別添のとおり使用願が提出されましたので、次案により承認してよいでしょうか」として同日起案し、管財課の課員・山田、財産管理係長・鯉登、次長・北爪、管財課長・中野らの稟議を経て、総務部長・関が同3月27日に決裁している。しかし、記者会見で記者が池本副知事に対して質問した「副知事が知事公舎に入居された理由について、先日、秘書課にお伺いしたところ、池本副知事ご自身も(知事公舎の)あり方検討委(員会)の方針に沿ったかたちで、何らかのかたちで知事公舎を有効活用すべきだと考えていて、今年に入って、総務部長から(知事公舎に)入ったらどうかという話しがあった」という経緯を示す文書は開示資料には見当たらなかった。即ち、情報開示には含まれない公文書の存在をうかがわせており、公舎の入退去やそれにともなう公舎の改修等の工事は総務部長の判断で行われていることを示している。つまり、知事・大澤が公舎に不倫相手を連れ込んで同居することも総務部長は当然知っており、知事・大澤の機嫌をとるために公舎管理規則を捻じ曲げて運用していることが伺える。

8)知事・大澤にとって公舎は危機管理対応などでなく不倫相手との同居が目的だったこと
 さらに被告らは、平成24年12月5日付の公開質問状(2)で次の質問をした(甲18質問9)。
 知事・大澤は平成23年7月13日(水)午後2時00分~25分にかけて、記者会見室において、副知事、企画部副部長を伴い、記者クラブ所属貴社等25人を前にした臨時記者会見で、記者から「その件であの記事の中の書かれ方でいうと女性のためだというようなニュアンスで書かれていましたが、実際はどのような事実経過でああいった改修を行ったかというのをお話していただければと思います」との質問に対して、「これは県議会でも何度も質問がありました。私が当初は自宅から通うというかたちだったのですが、(当時の)知事公舎は前知事さんがなかなか出なかったのです。1ヵ月くらい延長して入っていたのだと思います。茂原副知事を副知事にしましたので、茂原さんを入れられるように副知事公舎を見に行った時に、これではあまりにもひどいので改修しようということで改修したのです。私が入居するために改修したのではなく、別に風呂だけではないのですが、副知事用に改修したわけです。その後、(公共施設の)あり方検討委員会を設けて議論して、あれ(当時の知事公舎)は壊そうということになって、私は近くのマンションでもということでいろいろ議論した中で、マンションだと警備上いろいろ問題があるということで、マンションをやめて、茂原副知事が部長公舎に入りますと言ってくれました。そこで、私が(副知事)公舎に入ることになりました。それと台風9号が9月にきまして、その時、自宅から通っていたものですから、危機管理として必要だという思いもありまして、副知事公舎を知事公舎として当面活用しようという思いで利用してました。」と答えた。知事・大澤は「私が当初は自宅から通うというかたちだったのですが、(当時の)知事公舎は前知事さんがなかなか出なかったのです」と回答しているが、知事・大澤が自宅から通うかたちだったのは、前知事の小寺弘之が、なかなか旧知事公舎を退去しなかったので、知事公舎に入居したかったが、できなかったのでしばらく自宅から通うことにしたという意味か?そうであれば、知事・大澤は実際に自宅からマイカーで毎日、副知事公舎への入居まで県庁に自分で車を運転して朝晩通っていたということになるが、実際にそうなのか?
 しかし、被告は回答を拒否した(甲19)。知事・大澤は当会の平成23年7月20日付の公開質問状に対する同8月22日付の回答では、「知事公舎に係る改修工事は、公舎管理上の必要性から県(管財課)が行ったものであり、私が入居してから、改修の指示をしたことはありません。」と述べた。公舎の改修は管財課担当かもしれないが、改修の許可は知事・大澤が行うことになっているはず。また、知事・大澤は「頭書は自宅から通う形だったのは、(当時の)知事公舎は前知事が居座っていたからであること」「茂原副知事を入居するため現場を見に行ったらあまりにも酷かったこと」「「風呂を含め、茂原副知事のために改修したのであり、知事自身のためではないこと」「(当時の)知事公舎は壊して、知事自身はマンションでもと協議したが、警備上の問題で、茂原副知事が部長公舎に入ると言ってくれたので、知事自身が入ることになったこと」「台風が平成23年9月に来た時は自宅から通っていたが、危機管理として公舎の利用は必要だと思ったこと」などと説明しているが、結局、台風を口実にして、公舎で不倫相手と同居するための口実だったことになる。なお、知事・大澤は平成21年4月当時から既に知事公用車で自宅から登庁しており、上述のとおり平成23年7月も同様であった。このことからも、知事・大澤にとって、公舎の利用目的は危機管理などではなく、最初から不倫相手の同居が目的であったことがわかる。
**********

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項つづく】

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群馬県知事が不倫相手と公舎で同居し妾宅化していた事件の住民訴訟が12月26日結審!(その1)

2012-12-28 23:24:00 | オンブズマン活動
■群馬県知事・大澤正明が、選挙公約では自宅から通勤するといいながら、20年来の不倫相手と同居するために、副知事公舎に目をつけ、入居届けには「単身」とウソの記載をしておきながら、群馬県の総務部管財課に、副知事公舎を家族以外の不倫相手といつでも同居できるように、風呂場を2倍に広げて新調したり、嵩上げフェンスや竹垣、そしてサンゴジュ等の植木で外部から目隠しをさせたり、不倫相手を連れ込む様子を通行人から見られないようにリモコン式の開閉式にしたり、内部の音が外に漏れないように窓のサッシを新調したり、警備会社に夜間巡回されると興ざめになるので機械警備に変更したり、前橋警察署とのホットラインを解除するなどして、公金2000万円以上を費消させた件で、市民オンブズマン群馬の幹部2名が平成24年6月1日に群馬県知事を相手取り知事・大澤を提訴した住民訴訟の第4回口頭弁論は、平成24年12月26日(水)午前10時30分から前橋地裁2回の第21号法廷で開廷されました。

 今回の弁論で裁判長は結審する意向を前々から示唆していたとおり、裁判長は、冒頭で、前回第3回口頭弁論で課題とされた原告の証拠書類の原本確認を行い、第4回口頭弁論までに被告と原告から提出された準備書面を双方に「陳述」させたあと、「それでは同胞とも議論は出尽くしたようなので、今回の弁論を持って結審とする。判決は平成25年2月27日(水)午後1時10分にこの法廷でする」と宣言しました。

 これをもって、原告の市民オンブズマンメンバー2名が提起した大澤知事が公舎に不倫相手と同居し、それに関連して公舎を改修してラブホテル化し妾宅として使用していた事件は、提訴から半年余りでスピード結審することになりました。

■今回の第4回口頭弁論に際して、被告と原告が陳述した内容は次のとおりです。

 まず、被告群馬県知事の代理人である新井博弁護士名で、裁判の直前の週末に次の準備書面が送られてきました。被告の主張は、他の県の公舎管理規則を引用して、「公舎の電気・ガス・水道・電話代等の一部を公費で負担したのは他の県でも規則に定めており正当だ」という主張と、「公舎の目的外使用の事実はなく、改修工事は必要かつ合理的なものだ」というものです。

 本来知事の公務として県民の血税で整備したはずの知事公舎に、知事が不倫相手を連れ込んで“性務”に励むために外部から目隠しをするための改修工事の費用や、冷暖房用の電気・ガスや風呂・手洗用の水道代などの支出について、被告群馬県では「必要かつ合理的なものだ」という認識を持っていることがわかります。

**********【被告準備書面(3)】
平成24年(行ウ)第10号 損害賠償請求事件
原  告  鈴木庸 外1名
被  告  群馬県知事
          準備書面(3)
                    平成24年12月19日
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
  〒371-0855 群馬県前橋市問屋町一丁目1番地の1
        新井博法律事務所(送達場所)
            被告訴訟代理人弁護士 新 井   博
            電 話 027-253-7833
            FAX 027-253-7832
1 県が公舎の光熱水費等の一部を負担したことに関し、その法令上の根拠や正当性については被告準備書面(1)の第3の2のとおりであり、これを要約すれば、以下のとおりである。
(1)公舎の光熱水費等について、県が一部を負担したこと及びその金額を決定した法令上の根拠は、群馬県公舎管理規則第9条但し書きの「ただし、特別の事情があって知事が必要と認めた湯合は県が負担する」という規定である。
(2)そして、この規定では、「知事が必要・・」とあるが、群馬県処務規程第4条、群馬県事務専決規程第5条で、「群馬県公舎管理規則第9条ただし書の規定により、使用者費用負担の例外を認めること」は、管財課長の専決事項とされている。
 (3)本件では、乙30-2のとおり管財課長によって自己負担が決定されており、
  上記の規程に合致している。
2 群馬県の公舎には、管財課が管理する知事公舎、副知事公舎、部課長公舎のほか、県の各部局が管理する各種公舎があるが、上記規則に基づき県が光熱水費等を一部負担しているのは、知事公舎と副知事公舎だけである。
 しかし、どの公舎についてどの程度の負担をするかは特に規則等では規定しておらず、裁量により決せられる。
 群馬県で、知事公舎と副知事公舎についてこの一部負担制度を導入したのは昭和44年からであるが、その理由は、それらの公舎は、知事や副知事の私生活の場として利用されるだけでなく、その職務の特殊性から公務のため利用されることも多いため、公務と考えられる部分については県が負担するとしたのである。
 県が負担する金額の決定方法も既に述べたとおりであり、各種統計の平均値を基に私生活に要すると認められる部分を知事個人が負担し、それ以外は公務に関する部分として県の負担としたのである。
 従って、群馬県が知事公舎の光熱水費について県が一部を負担していることは、負担金額を含め合理的であり、上記規則の趣旨に合致している。
3 原告らの、「公舎の目的外使用」との主張は住民訴訟の要件を欠くこと、目的外使用にすら該当しないこと、「工事、業務委託」に関する支出は必要に応じたものであり合理的であることは従前から述べるとおりである。平成23年7月8日に第三者が公舎に宿泊する結果になったことについては、甲1に添付された2011年7月14日付新聞(添付書面の4丁目)で誤解を招いたと知事が謝罪するとおりであるが、本件の請求に根拠がないことは明らかであるうえ、その余の知事の言動に対する批判や主張は事実に反するものであり、本件請求は却下ないし棄却されるべきである。

【証拠説明書(3)】
平成24年(行ウ)第10号 損害賠償請求事件
原 告 鈴木庸 外1名
被 告 群馬県
          証 拠 説 明 書(3)
                    平成24年12月19日
                    被告訴訟代理人
                    弁護士 新 井   博
前橋地方裁判所民事第1部 御中
 乙号証/標目/原本写し/作成者/立証趣旨
■34-1/埼玉県公舎管理規則/写し/埼玉県/本県同様に、公舎の費用の一部を県が負担している他県の例
■34-2/千葉県公舎管理規則/写し/千葉県/本県同様に、公舎の費用の一部を県が負担している他県の例

【甲第34号証の1:埼玉県公社管理規則】
                    昭和五十年二月十二日
                    規則第八号
     改正 昭和五四年三月三〇日規則第二八号
        平成五年一一月二日規則第七九八号
        平成七年三月二四日規則第一二号
        平成一六年八月三一日規則第七〇号
        平成二〇年一一月四日規則第九一号
 埼玉県公舎管理規則の全部を改正する規則をここに公布する。
  埼玉県公舎管理規則
 埼玉県公舎管理規則(昭和三十九年埼玉県規則第四十七号)の全部を改正する。
 (趣旨)
第一条 この規則は、公舎の管理について必要な事項を定めるものとする。
 (用語の意義)
第二条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 公舎県がその事務又は事業の遂行に直接必要なため、県の職員を居住させる目的をもって県が設置した家屋及びその附属施設で、知事の管理に属するものをいい、これらの用に供する土地を含むものとする。
 二 承認権者 埼玉県財務規則(昭和三十九年埼玉県規則第十八号))第百三十七条に規定する部長をいう。ただし、借受けに係る公舎にあっては、知事の指定する職員をいう。
    一部改正〔平成七年規則一二号・二〇年九一号〕
 (入居の順位)
第三条 知事の入居する公舎を除き、公舎の入居の順位は、職務の遂行上公舎に入居することの必要度により承認権者が定めるものとする。
    一部改正〔平成二〇年規則九一号〕
 (入居手続)
第四条 知事の入居する公舎以外の公舎に入居しようとする職員は、様式第一号の公舎入居承認願を承認権者に提出し、その承認を受けなければならない。
    一部改正〔平成二〇年規則九一号〕
 (入居承認)
第五条 承認権者は、前条の公舎入居承認願の提出があったときは、これを審査し、その可否を決定するものとする。
2 承認権者は、前項の規定により入居の決定をしたときは、様式第二号の公舎入居承認書を当該提出者に交付するものとする。
    一部改正〔平成二〇年規則九一号〕
 (入居期限等)
第六条 公舎の入居の承認を受けた職員は、公舎入居承認書に記載された指定入居日から十日以内に、指定された公舎に入居しなければならない。ただし、やむを得ない理由があるときは、承認権者に願い出て、その承認を受け、承認権者の指定する期限までに入居しなければならない。
2 承認権者は、公舎の入居の承認を受けた職員が前項の規定による期限までに公舎に入居しないときは、その承認を取り消すことができる。
 (入居届)
第七条 公舎に入居した職員は、入居後直ちに様式第三号の入居届を承認権者に提出しなければならない。ただし、知事にあっては、この限りでない。
    一部改正〔平成二〇年規則九一号〕
 (注意義務)
第八条 公舎に入居している職員(以下「入居者」という。)は、善良な管理者の注意をもって、公舎を使用しなければならない。
  (禁止事項等)
第九条 入居者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。ただし、第一号から第三号までに掲げる行為で承認権者の承認を受けた場合は、この限りでない。
 一 公舎を模様替えし、若しくは増改築し、又は建物、工作物その他附属設備を新築し、若しくは新設すること。
 二 土地の現状を変更すること。
 三 職員と生計を-にする者及び使用人以外の者を同居させること。
 四 公舎を使用することができる権利を他人に譲渡し、又は公舎を転貸すること。
 五 公舎を目的外に使用すること。
2 入居者は、前項ただし書の規定により、承認を得て同項第一号又は第二号に掲げる行為を完了した場合においては、その旨を直ちに承認権者に報告しなければならない。
  (滅失等の届出)
第十条 入居者は、公舎を滅失し、損傷し、若しくは汚損したとき、又はこれらの事実があることを発見したときは、その旨を直ちに承認権者に届け出なければならない。
  (原状回復及び損害賠償)
第十一条 入居者は、自己の責めに帰すべき事由により公舎を滅失し、損傷し、又は汚損したときは、速やかに原状に回復し、又はその損害を賠償しなければならない。ただし、承認権者がやむを得ないと認めた場合は、この限りでない。
  (入居承認の取消し)
第十二条 承認権者は、入居者が次の各号の一に該当するときは、公舎の入居の承認を取り消すことができる。県の事務又は事業の遂行上必要があるときも、同様とする。
 一 使用料を三月分以上滞納しているとき。
 二 第九条第一項又は前条の規定に違反したとき。
 三 不正な行為によって公舎に入居したとき。
 四 その他公舎管理上の指示に著しく違反したとき。
  (公舎の明渡し)
第十三条 入居者が次の各号の一に該当することとなった場合においては、その者(その者が第一号に該当することとなった場合には、その該当することとなった時においてその者と同居していた者)は、その該当することとなった日から三十日以内に当該公舎を明け渡さなければならない。
 一 死亡したとき。
 二 職員でなくなったとき。
 三 入居の承認を取り消されたとき。
 四 配置換えその他これに類する理由により入居の必要がなくなったとき。
 五 公舎を廃止する必要が生じたため、その明渡しを請求されたとき。
2 前項の規定により公舎を明け渡さなければならない者が同項の期間内に公舎を明け渡すことができないときは、速やかに承認権者に対し、様式第四号の公舎明渡し猶予承認申請書を提出し、その承認を受けなければならない。
3 承認権者は、前項の申請書の提出があったときは、やむを得ない理由がある場合に限り、当該公舎の明渡し期限を指定して、これを承認するものとする。
  (明渡し届の提出及び検査)
第十四条 入居者(その者が死亡したときは、その時においてその者と同居していた者。以下次条及び第十六条において同じ。)は、公舎を明け渡すときは、明け渡ししようとする日の十日前までに様式篁蓋置の公舎明渡し届を承認権者に提出し、その検査を受けなければならない。
  (使用料)
第十五条 入居者は、知事の指定する者を除き、使用料を毎月末日までに納入しなければならない。
2 前項の使用料の額は、別に知事が定める。
 (入居者の費用負担)
第十六条 次に掲げる費用は、入居者が負担するものとする。ただし、承認権者が必要と認めた場合は、この限りでない。
 一 公舎の清掃及び汚物等の処理に要する費用
 二 電気、ガス、上水道及び下水道の料金
 三 その他公舎の軽微な修理に要する費用
 (公舎台帳)
第十七条 承認権者は、様式策応号の公舎台帳を備え、整理しておくものとし、建物の床面積、構造若しくは戸数に変更があったとき、又は公舎の用途を廃止したときは、速やかに様式第七号の公舎台帳変更報告書により総務部長に報告しなければならない。
    一部改正〔平成五年規則七九号・七年一二号・二〇年九一号〕
  (委任)
第十八条 この規則に定めるもののほか、公舎の管理に関し必要な事項は、別に総務部長が定める。
   附則
1 この規則は、昭和五十年四月一日から施行する。
2この規則の施行の際現に公舎に入居している者は、の規則の各相当規定に基づき公舎に入居している者とみなす。
   附則(昭和五十四年三月三十日規則第二十八号)
 この規則は、和五十四年四月一日から施行する。
   附則(平成五年十一月二日規則第七十九号)
 この規則は、布の日から施行する。
   附則(平成七年三月二十四日規則第十二号)
 この規則は、布の日から施行する。
   附則(平成十六年八月三十ー日規則第七十号)
 この規則は、公布の日から施行する。
   附貝リ(平成二十年十一月四日規則第九十一号)
 この規則は、公布の日から施行する。
Ward様式第1号
(第4条関係)
https://www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/saitama-ken/DIW_bunkaturesdata.exe?CALLTYP… 2012/12/19

【甲第34号証の2:千葉県公舎管理規則】
                    昭和三十三年六月一日
                    規則第二十六号
      改正  昭和三三年九月三〇日規則第四五号
          昭和三五年六月一四日規則第二六号
          昭和三五年一〇月一八日規則第五三号
          昭和三六年一月一六日規則第一号
          昭和三六年三月三一日規則第一〇号
          昭和三九年八月一日規則第五二号
          昭和四二年五月一五日規則第二八号
          昭和四四年四月四日規則第三〇号
          昭和四六年三月二六日規則第一八号
          昭和五三年四月一日規則第一八号
          昭和五八年四月一日規則第三三号
          昭和六〇年一二月二三日規則第七四号
          昭和六三年九月三〇日規則第七〇号
          平成四年四月一日規則第四四号
          平成一〇年一月三〇日規則第八号
          平成一五年九月二六日規則第一二〇号
          平成一六年四月一日規則第五七号
          平成一六年一二月二八日規則第一八三号
          平成一九年三月三〇日規則第四八号
   千葉県公舎管理規則
 (趣旨)
第一条 この規則は、公舎の設置及び管理に関し、別に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
     全部改正〔昭和四六年規則一八号〕、一部改正〔昭和五八年規則三三号〕
 (定義)
第二条 この規則で「公舎」とは、県がその事務又は事業の円滑な運営に資する目的で、職員(県に勤務する国家公務員を含む。以下同じ。)及び主としてその収入により生計を維持する者(家事の使用人を舎む。)を居住させるため、県有の建物又は県が借り受けた建物をもって設置する宿舎(附属する設備を舎む。)で次に掲げるもの以外のものをいう。
 一 養成中又は訓練中の職員の寄宿舎
 二 派出所、駐在所、事務所に附属し又はこれらと一体をなしている居住室その他これに類するもの
 三 不特定の職員のための宿泊施設その他これに類するもの
 四 千葉県職員住宅管理規則(昭和三十五年千葉県規則第五十三号)に規定する職員住宅
     一部改正〔昭和三五年規則五三号〕
 (公舎管理者)
第三条 千葉県財産管理規則(昭和四十四年千葉県規則第九十九号)第三条の規定にかかわらず、公舎の維持及び管理に関する事務は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める者(以下「公舎管理者」という。)が処理するものとする。
 一 本庁(千葉県組織規程(昭和三十二年千葉県規則第六十八号)第四条に規定する本庁をいう。)、議会事務局、人事委員会事務局、監査委員事務局、労働委員会事務局、海区漁業調整委員会事務局、収用委員会事務局、選挙管理委員会の事務部局の課長若しくは課長相当職以上の職にある者又は監査委員のための公舎総務部管財課長
 二 警察本部に勤務する職員のための公舎警察本部会計課長
 三 当該課及び当該かい(以下「当該課等」という。)の事務又は事業の執行上、住居の提供を必要とする職員のための公舎(前各号に掲げるものを除<。)当該課等の長
     全部改正〔昭和五八年規則三三号〕、一部改正〔昭和六三年規則七〇号・平成四年四四号・九年八号・一六年五七号・一八三号〕
 (専決)
第四条 部長及び課長は、別表第一に定めるところにより、公舎及び第六条に規定する有料公舎に設置された駐車場(以下「駐車場」という。)の設置、維持及び管理に関し専決することができる。
     全部改正〔昭和五八年規則三三号〕、一部改正〔平成一五年規則一二〇号〕
 (事務の総括)
第五条 公舎及び駐車場の設置、維持及び管理に関する事務の総括は、総務部長が行うものとする。
     追加〔昭和五八年規則三三号〕、一部改正〔平成一五年規則一二〇号〕
 (公舎の分類)
第六条 公舎は、無料公舎及び有料公舎に分類する。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号〕
 (無料公舎)
第七条 無料公舎は、警察署長及び次の各号に掲げる職員のうち、その職務の内容が特に住居の提供を必要とすると知事が認める者のために、無料で貸与する。
 一 研究又は実験に継続的に従事する職員
 二 ヘき地の事務所に勤務する職員
 三 社会福祉施設又は医療施設に勤務する職員
     一部改正〔昭和三五年規則五三号・四六年一八号・五八年三三号・平成一九年四八号〕
 (有料公舎)
第八条 有料公舎は、次に掲げる場合において、無料公舎の貸与を受ける職員以外の職員のために、有料で貸与する。
 一 職員の職務に関建して、県の事務又は事業の運営に必要と認められる場合
 二 職員の在動地における住宅不足により、県の事務又は事業の運営に支障があると認められる場合
     一部改正〔昭和五八年規則三三号〕
 (建物等の借上げ)
第九条 公舎管理者は、公舎として使用することを目的として建物又は土地を借り受けようとするときは、次に掲げる事項を記載して、知事に申請しなければならない。
 一 建物又は土地の所在地
 二 建物又は土地の現況及び建築年月日
 三 建物の構造、面積及び評価格並びに敷地の面積
 四 借り受けようとする理由
 五 賃借料の月額
 六 経費の支出科目及び予算措置額
 七 建物所有者又は土地所有者の貸付の承諾書
 八 その他参考となる事項
     一部改正〔昭和三三年規則四五号・五八年三三号〕
 (公舎台帳)
第十条 公舎管理者は、公舎を設置したときは、公舎台帳(別記策二号様式)に次の各号に掲げる事項を記載し、備え付けるとともに、第一号から第八号までに掲げる事項を知事に報告しなければならない。
 一 公舎の設置の目的
 二 公舎番号
 三 公舎所在地
 四 建物の構造、面積及び評価格並びに土地の面積及び評価格
 五 建物及び土地の建築、購入又は借上げの年月日及び価格
 六 土地、建物の所有者
 七 公舎貸付料
 八 附属建物又は工作物の現況
 九 公舎の貸与を受けた者の職氏名及び入退居年月日
2 公舎管理者は、前項の公舎台帳の記載事項に異動があったときは、その都度修正するとともに、当該異動(前項第九号に掲げる事項に係るものを除く。)の内容を知事に報告しなければならない。
3 管財課長は、第一項の公舎台帳の副本を備え付け、その副本には第一項第一号から第八号までに掲げる事項を記載するものとする。
     全部改正〔昭和五八年規則三三号〕
 (公舎を貸与することができる者の範囲)
第十一条 公舎を貸与することができる者は、当該公舎の設置の目的に定められた在勤庁に動勤務する者又は当該公舎の設置の目的に定められた職に在職する者とする。ただし、知事が特に賞与の必要があると認めるものについてはこの限りでない。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号〕
 (貸与の申込み)
第十二条 公舎の貸与を受けようとする者は、当該公舎に係る公舎管理者を経由して、公舎貸与申込書(別記第二号様式)を知事に提出しなければならない。
2 有料公舎の貸与を受けようとする者が駐車場の貸与を受けようとする場合は、当該有料公舎に係る公舎管理者を経由して、駐車場貸与申込書(別記第9号様式の二)を知事に提出しなければならない。
     全面改正〔昭和五八年規則三三号〕、一部改正〔平成一五年規則一二〇号〕
 (貸与の承認)
第十三条 知事は、前条第一項の公舎貸与申込書の提出があった場合において、当該公舎の目的に従い、公舎の貸与を受けようとする者の職務の内容及び職務上の地位その他県の事務又は事業の運営上の必要性の有無及びその程度を勘案して適当と認められたときは、貸与を承認するものとする。
2 前項の規定により、公舎の貸与を承認したときは、申込者に貸与承認書(別記第三号様式)を交付するものとする。
3 前各項の規定は、前条第二項の規定により駐車場の貸与を受けようとする者に対し当該駐車場の貸与の承認をする場合について準用する。
     一部改正〔平成一五年規則一二〇号〕
 (入居届)
第十四条 公舎の貸与の承認を受けた者が入居したときは、直ちに入居届(別記第四号様式)を知事に提出しなければならない。
2 前項の規定は、駐車場の貸与の承認を受けた者が当該駐車場の使用を開始した場合について準用する。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号・平成一五年一二〇号〕
 (入居の延期)
第十五条 公舎の貸与の承認を受けた者が承認の日から十日以内に入居することができないときは、その理由を明らかにして、知事に入居の延期の申請をしなければならない。
2 知事は、前項の規定により入居の延期の申請があったときは、その理由がやむを得ないものと認めた場合に限り、入居すべき日を指定してこれを承認するものとする。
3 前項の規定は、駐車場の貸与の承認を受けた者が当該駐車場の使用を延期する場合について準用する。
     全部改正〔昭和五八年規則三三号〕、一部改正〔平成一五年規則一二〇号〕
 (貸与の承認の取消し)
第十六条 知事は、公舎の管理上、県の事務上若しくは事業の運営上必要がある場合又は公舎の貸与の承認を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、公舎の貸与の承認を取り消すことがある。
 一 承認の日から十日以内(前条の規定により入居の延期の承認を受けたときは、同条の指定の日まで)に入居しないとき。
 二 貸付料を滞納したとき。
 三 この規則の規定又は公舎の管理について必要な指示若しくは命令に違反したとき。
 四 その他知事が公舎の貸与をする必要がないと認めたとき。
2 前項の規定により、公舎のうち有料公舎の貸与が取り消された場合において、当該有料公舎の貸与の取消しを受けた者が駐車場の貸与を受けているときは、当該駐車場の貸与の承認も取り消されるものとする。
(中略)
 (退舎届及び検査)
第二十二条 公舎の貸与を受けた者は、第十九条第一項の規定により公舎を明け渡そうとするときは、明渡予定日(第二十条第二項の規定により明け渡すべき日を指定したときは、その日)七日前までに退居届(別記第刄号様式)を知事に提出しなければならない。
2 公舎の貸与を受けた者は、公舎を明け渡すときは、公舎を正常な状態に置き、異状の有無について公舎管理者の検査を受けなければならない。
3 前各項の規定は、駐車場の貸与を受けた者が駐車場を明け渡そうとする場合について準用する。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号・平成一五年一二〇号〕
 (注意義務)
第二十三条 公舎又は駐車場の貸与を受けた者は、善良な管理者の注意を払い、公舎又は駐車場を正常な状態において維持、保存しなければならない。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号・平成一五年一二〇号〕
 (滅失等の届出)
第二十四条 公舎又は駐車場の貸与を受けた者は、公舎又は駐車場を滅失し、又はき損したときは、直ちに公舎管理者を経由してその状況を詳細に知事に届出なければならない。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号・平成一五年一二〇号〕
 (原状回復等)
第二十五条 知事は、前条の場合において、公舎又は駐車場の貸与を受けた者が善良な管理者の注意を怠ったと認められるときは、公舎又は駐車場を原状に回復し、又はこれに要する費用を弁償させるものとする。ただし、情状により、これを減免することを適当と認めたときは、この限りでない。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号・平成一五年一二〇号〕
 (転貸の禁止)
第二十六条 公舎又は駐車場の貸与を受けた者は、公舎又は駐車場を他に貸し付けてはならない。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号・平成一五年一二〇号〕
 (同居の承認)
第二十七条 知事は、公舎の貸与を受けた者から、その収入により主として生計を維持する者以外の者を同居させることについて申請があったときは、収益を目的とせず、かつ、公舎の設置の目的に反しないと認められる場合に限り、これを承認するものとする。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号〕
 (増築等の承認)
第二十八条 知事は、自己の費用をもって次に掲げる行為をすることについて申請があったときは、居住に支障がないと認める場合に限り、公舎の原形を著しく変更しないこと及び明渡しの際撤去し、又は県に寄附することを条件としてこれを承認するものとする。
 一 建物の増築又は模様替
 二 電気ガス、水道その他の設備の設置
     一部改正〔昭和五八年規則三三号〕
 (県の負担)
第二十九条 県は、次に掲げる費用を負担するものとする。
 一 知事及び副知事の各公舎の維持及び修繕に要する費用並びに公用に供する部分の電気、ガス、水道等に要する費用
 二 天災事変その他公舎又は駐車場の貸与を受けた者の責に帰することができない理由により、公舎又は駐車場がき損した場合に要する費用
     一部改正〔昭和五八年規則三三号・平成一五年一二〇号・一九年四八号〕
 (修繕を要する個所の報告)
第三十条 公舎又は駐車場の貸与を受けた者は、前条の規定により県の負担において公舎又は駐車場の修繕を要すると認められる個所があるときは、公舎管理者を経由して知事に報告しなければならない。
     一部改正〔昭和五八年規則三三号・平成一五年一二〇号・一九年四八号〕.
 (修繕)
第三十一条 県の行う公舎又は駐車場の修繕は、き損又は緩急の程度に応じ、予算の範囲内で行うものとする。
http://www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/chiba-ken/DIW_bunkaturesdata.exe?CALLTYPE=… 2012/12/19
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【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項つづく】

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首都高ローリー横転炎上事故後4年・・・情報不開示を機構に強いるタゴ兄弟のハッピー・ニューイヤー!

2012-12-26 23:50:00 | 首都高炎上とタゴ運輸

■安中市は、保証人となっている安中市土地開発公社を通じて、17年前に発覚した元職員による地方自治体としては史上空前の51億円巨額詐欺横領をめぐる安中市・公社VS群馬銀行の間の貸金返還請求事件による和解金24億5000万円の支払いの一部として、最長103年間の分割払いの14回目にあたる2000万円の支払いを昨日行いました。奇しくもその翌日である本日、今から4年前に首都高速5号池袋線の熊野町JCTで発生した元職員の実弟の経営する運送会社所有のタンクローリー横転炎上事故にかかる出光興産・ホクブトランスポート・多胡運輸VS首都高の損害賠償請求事件にかかる関連情報の開示を11月28日付で請求していた件で、首都高の元締めである日本高速道路保有・債務返済機構から「不開示」という内容の結果通知書が簡易書留で送られてきました。


 この通知に接し、当会はただただ嘆息を禁じえません。当会のメンバーのひとりは「元職員の兄貴は、51億円をせしめて、そのツケを安中市民6万人余りに103年間も押し付けているが、事件の真相は依然として闇の中。一方、弟分は45億円もの損害を首都高=国に与え、膨大な人数の首都高利用者に迷惑をかけて、そのツケは利用者や国民に押し付けているが、その真相はこれまた闇の中。これほど多数の一般人に迷惑をかけているにもかかわらず、これほど大切に保護されている兄弟はおそらく史上空前だろう」と感想を述べています。
 では、日本高速道路保有・債務返済機構からの通知を見てみましょう。

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【機構からの不開示決定通知書】
                    総 総 第 119 号
                    平成24年12月25日
市政をひらく安中市民の会
 小  川    賢   様
            独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
                    理事長  勢 山  廣 直
          法人文書不開示決定通知書
 平成24年11月28日付けで請求のありました法人文書の開示について、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「法」という。)第9条第2項の規定に基づき、下記のとおり、開示しないこととしましたので、通知します。
          記
1 不開示決定した法人文書の名称
 平成20年(2008年)8月3日早朝、首都高速道路5号池袋線熊野町ジヤンクション付近の下り線で、荷主である出光興産㈱(東京都千代田区)のマークをつけ、元請業者であるホクブトランスポート㈱(高崎市)の下請業者である多胡運輸㈱(高崎市)(以上まとめて「利用者」という)のタンクローリーが横転して炎上した事故で、道路管理者の首都高速道路株式会社が被った損害について、①法令により道路管理者の権限を代行する責機構が、当該利用者の過失で損傷又は汚損により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の施行を利用者に命じた経緯を示す文書、及び、②利用者の過失により道路管理者の首都高速道路株式会社が被った損害の賠償に関して貴機構が作成もしくは入手した情報のうち、平成20年度以降の法人文書ファイル管理簿に掲げられている次の情報。ただし、いずれも関係情報記載部分のみ。なお、2011年7月に利用者を相手取って首都高速道路株式会社が計約34億5千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した事件にかかる情報も含む。
 (1)役員会の議事録
 (2)監事監査関係
 (3)記者発表
 (4)特殊車輛通行受理・許可一覧
 (5)特殊車輛通行許可番号
 (6)争議関係
 (7)警告書等
 (8)措置命令書管理簿
 (9)措置命令書(控)等
 (10)原因者負担督促状(控)等
 (11)債務引受契約書
 (12)道路資産の現地確認関係
 (13)その他、もしあれば
2 不開示とした理由
 (1)~(9)及び(11)~(13)の法人文書
 理由: 請求された法人文書は、作成・取得しておらず不存在であるため。
 (10)の法人文書
 理由: 当該法人文書に係る存否情報は、法第5条第2号イに該当する法人に関する情報であって、公にすることにより、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある不開示情報であるため、法第8条の規定に基づき、当該法人文書の存否を明らかにしないで、開示請求を拒否する。
※この決定に不服がある場合は、法第18条及び行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第45条の規定により、この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対して異議申立てをすることができます。
                     以  上
※ 連絡先:総務部 総務課 Tel 03-3508-5162



【機構からの手数料請求書】
                    第109号
          請  求  書
市政をひらく安中市民の会
 小  川    賢   様
                    平成24年12月20日
                    独 立 行 政 法 人
                    日本高速道路保有・債務返済機構
                    収入職 経 理 部 長
下記金額を請求します。
金額 300円
ただし、開示請求手数料として
1 納入方法:銀行口座振込(口座振込料等は開示請求者負担)によりお支払い下さい。
    <口座名>
    三井住友銀行 東京公務部
    普通 0158125
    独)日本高速道路保有・債務返済機構
    ドク)ニホンコウソクドウロホユウ.サイムヘンサイキコウ
※領収証書は振込銀行が発行する領収を証する書面をもって代えることとします。
※連絡先:総務部 総務課 Tel 03-3508-5162

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■今回の情報開示請求を通じて、すくなくとも、多胡運輸のタンクローリー横転炎上事故にかかる「原因者負担督促状」を首都高が、多胡運輸らに発出して、修理費用の負担を督促していたことは確認できました。おそらく、この原因者負担督促状は、損害賠償請求の重要な根拠のひとつとして、現在もおそらく係争中かもしれない首都高VS出光興産・ホクブトランスポート・多胡運輸との民事訴訟でも法廷に提出されていると思われます。

 多胡運輸に関して言えば、昨年の今頃から急にアポロマークのタンクローリーが高崎市箕郷町の同社駐車場から姿を消し、今年初頭からついに社名を掲げた看板まで姿を消しています。原因者の筆頭の多胡運輸は、首都高からの巨額請求を受ければ存続が困難になると想像されることから、多胡運輸の倒産回避のために、元請のホクブトランスポートや荷主の出光興産が矢面に立つという構図になっている可能性があります。

 しかし、そうした事情は今回の機構による情報不開示決定により、またもや想像の域を脱することができませんでした。

■それにしても、タゴ51億円巨額横領事件と、首都高ローリー横転炎上事故の後処理で、世間の常識をことごとく覆してみせたタゴ兄弟の功績は、あらためて眼を見張せるものがあります。今回、なぜ、首都高のお目付け役の機構までもが、首都高と同様の理由で不開示処分を決定しなければならなかったのか、その経緯と理由を知りたいという安中市民や首都高利用者ほか多くのかたがたの声に、機構の率直なコメントを聞きたいと思います。

【ひらく会・首都高横転炎上事故調査班】

※当会が機構に提出した開示請求


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