市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

市長執筆の公選法抵触記事で広報再発行経費・手続に係る情報開示を更に45日遅らせてきた太田市のなりふり

2013-06-30 21:11:00 | オンブズマン活動
■太田市の清水聖義市長が執筆した平成25年4月14日投開票の市長選の当選御礼挨拶文を表紙コラムに掲載し、記者クラブから4月30日に公選法違反が問われたため、既に8万3500部を印刷して新聞折り込みまで済んでいた5月1日号の広報おおたを急遽回収した件で、市民オンブズマン群馬が、確定したとされる約120万円の再発行費用の内訳や支払い先などを太田市に6月10日付で情報開示請求していました。ところが突然、6月18日付で同市の広報課から補正通知が出てきたため、オンブズマンは早期の開示を期待して6月24日に補正書を太田市に提出しました。ところが太田市では「待ってました」とばかりに、6月27日付で、開示をさらに45日延長し、お盆の夏休みまで先送りしてきたのでした。

 6月27日付で送られてきたのは「公文書開示決定期間延長通知書」です。内容は次のとおりです。

**********
公文書の名称:定例記者会見実施概要 ほか
太田市情報公開条例第9条第1項の規定による期間:平成25年6月10日から平成25年6月30日まで(15日間と補正期間6日間を含む)
延長する期間:平成25年7月1日から平成25年8月14日(45日間)
延長の理由:補正提出資料の調査に時間を要するため
所管課:企画部広報課(電話番号47-1812 内線2251)
備考:補正期間(平成25年6月18日~平成25年6月23日)
**********

■後1ヵ月半もあれば、開示しなければならない情報の中身を吟味して、じっくりと黒塗り範囲を決めることができます。また、辻褄の合わない情報については整理するための時間の余裕も見込めるわけです。

 今回の情報開示請求について、当初のうちは、「記者会見は口頭で行われたものであり、公文書として残してないため、直接市長からオンブズマン代表者に説明するために、オンブズマン代表と清水市長との直接面談機会を設けたい」として「オンブズマン代表の都合の良い時間を連絡してほしい。来庁の際に、開示請求した情報も渡したい」といっていた太田市の広報課でしたが、オンブズマンが6月17日に「それでは第1希望6月25日(火)午前9時もしくは9時半から、第2希望6月21日(金)午前9時もしくは9時半から、第3希望6月19日(水)午前9時もしくは9時半からでお願いします」と申し入れたところ、今度は秘書課が「市長との面談について、当方はそんな話は全然聞いていない」と横槍を入れてドタキャンを通告されてしまいました。

■こうした不透明な経緯を見てみると、太田市役所としては、この広報再発行に関する情報開示請求で何らかの理由で時間をかけて対応しなければならない理由を抱えているようです。

 開示延長の理由で「補正提出資料の調査に時間を要するため」とあるのは、如実にそのことを示しています。太田市情報公開条例第9条第4項の規定で決定期間延長通知が送られてきたことから、本来は公文書が大量である等事務処理上の困難その他やむを得ない理由がある場合のみ、最大45日間の延長が許されることになります。

 しかし太田市の場合、同条例第9条第5項の規定には、公文書が著しく大量にある場合、さらに延長期間を増やせるようになっています。しかも同条例第9条第6項には、最終的にそれでも開示通知がない場合には、不開示決定がなされたものとする、などと記してあります。

■大澤知事が不倫をしていた知事公舎に関する情報開示請求の時は、やはり開示決定期間延長があり、やはり45日間も延ばされましたが、この時は開示対象となった公文書の枚数は2800枚でした。今回の太田市の開示決定期間延長も45日間延長することから、これと同規模になる可能性があります。

 しかし予断は許されません。実際には、都合の悪い情報を選別し、黒塗りの作業に時間がかかるため、延長を口実にされる場合もあるからです。オンブズマンとして、ボケーッと45日間待つべきなのか、それとも、早期延長を促すためのアクションをとるべきなのか、検討中です。

【市民オンブズマン群馬からの報告】

※参考情報
【太田市情報公開条例】(抜粋)
(公文書の開示請求に対する決定等)
第9条 実施機関は、開示請求書の提出があったときは、その提出があった日から起算して15日以内に、当該請求に係る公文書の開示をする旨又はしない旨の決定(第7条の規定による公文書の部分開示に係る決定を含む。以下「開示決定等」という。)をしなければならない。ただし、前条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。
2 実施機関は、開示決定等をしたときは、速やかに、書面により当該決定の内容を請求者に通知しなければならない。ただし、開示の決定が直ちに行われ、即時に開示をすることができる場合は、口頭により通知することができる。
3 実施機関は、第1項の規定により公文書の開示をしない旨の決定(公文書が存在しない場合又は本制度が適用されない文書に対する請求があった場合を含む。)をしたときは、その理由を併せて通知するものとする。この場合において、公文書が期間の経過により開示をすることができるようになることが明らかであるときは、前項の規定による通知書にその旨を付記しなければならない。
4 実施機関は、開示請求に係る公文書が大量である等事務処理上の困難その他やむを得ない理由により第1項に規定する期間内に開示決定等をすることができないときは、当該期間が満了する日の翌日から起算して45日を限度として、当該期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、速やかに、書面によりその延長の期間及び理由を請求者に通知しなければならない。
5 実施機関は、開示請求に係る公文書が著しく大量であって、前項に規定する期間内に開示決定等をすることができないことに相当の理由があるときは、太田市情報公開及び個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)の意見を聴いて、その期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、前項同様に請求者に対し通知しなければならない。
6 請求者は、実施機関が第1項に規定する期間(前項の規定により当該期間が延長された場合にあっては、その延長後の期間)内に開示決定等をしないときは、当該請求に係る公文書の開示をしない旨の決定があったものとみなすことができる。

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行政能力と精力が反比例する群馬県由来の代議士と知事の目くそ鼻くそ関係

2013-06-29 23:11:00 | 政治とカネ
■よりによって40歳年下の、自分の年齢の僅か3分の1のキャバクラ嬢兼女子大生とラブホで政務ならぬ“性”務に励んでいた衆院議院運営委員長の自民党所属代議士、群馬県第1区選出の佐田玄一郎の話題が、平成25年6月27日発売の週刊新潮に掲載されてから、テレビなどマスコミをにぎわせています。

湯島天神。中央手前は夏越大祓の茅の輪。佐田委員長ご用達の湯島のラブホはここから徒歩で2分足らず。
 佐田玄一郎は、昨年の平成24年(2012)の第46回衆議院議員総選挙では群馬県第1区で出馬し、8回目の当選を果たしており、同2年12月、衆議院議院運営委員長に就任していました。

 しかし、この買春行為により、まもなく公示される参院選挙でイメージダウン必至の状況を何とか回避しようと、安倍首相は平成25年6月28日に、視察先の大阪府内で記者団に対して、「緊張感を自民党全体で共有し、身を引き締めて参院選に臨みたい」と強調しました。第1次阿部内閣で行革担当大臣だった佐田玄一郎に2度も邪魔された阿部首相としては、腹が立つと言うより、自分の審美眼のなさを悔いていることでしょう。

 安倍首相は「わたしにとってこの参議院選挙、チャレンジャーとしての緊張感を持って臨まなければならないと思っていますし、この思いを自民党全体で共有をしてもらって、しっかりと、さらに身を引き締めて、謙虚に、しかし強い意志を持って臨んでいきたいと思っております」と述べました。佐田委員長は、すでに伊吹衆議院議長に辞意を伝えていて、週明けにも辞任する方向と見られています。 (FNNニュース06/28 21:59による)

■週刊新潮の報道記事から、今回の佐田委員長の素行をチェックしてみましょう。

6月11日(火)夕方 
 佐田委員長は、上野にある鮨屋のカウンターで、注文した生ビールをすすりながら、孫のような若い女性にしきりに鮨を勧めて、鼻の下を伸ばしていた。この女性は近くの雑居ビルに勤務する20歳そこそこのキャバクラ嬢で、佐田委員長は彼女と同伴デートを決め込んでいた。アキバ系アイドルを髣髴とさせる彼女の表情には幼さが残っており、飲み物もお茶だけ。どうやら水商売を始めて日が浅い様子。その後、佐田委員長は日が暮れない時刻からキャバクラに入店し、「イベントの時に顔出すからさ」と、猫撫で声で口説き始めたが、彼女の心を射止めることはできず、この日は小1時間ほどで店を後にした。


6月21日(金)午前
  参院議院運営委員会は衆院小選挙区定数の「0増5減」を実現する区割り法案(公職選挙法改正案)について、同日中の参院本会議での採決を見送ることを決めた。
 平田健二参院議長はこれを受けて、午前の本会議を閉会させたため、参院送付から60日以内の採決見送りが確定。6月22日以降に、憲法59条に基づく「みなし否決」で衆院の3分の2以上の賛成による再可決が可能になり、与党は6月24日の衆院本会議で再可決、成立させることになった。
 自民、公明両党の衆参両院国対委員長は国会内で会談し、本会議採決の見送りは不適切だとして、平田氏への不信任決議案を6月21日中にも提出する方針を確認。安倍晋三首相も自民党の溝手顕正参院幹事長から報告を受け、了承した。
 区割り法案は6月21日午前の参院特別委で審議入りする予定だったが、与党が提出していた轟木(とどろき)利治委員長(民主党)に対する不信任動議の扱いをめぐって委員会開催がずれ込んだ。6月21日中の参院本会議採決が困難になったことを踏まえ、衆院議院運営委員会は21日午前の理事会で24日の本会議開催を決めた。
 一方、参院予算委員会の石井一委員長(民主)は6月21日午前の理事懇談会で、首相が出席する集中審議の6月24日開催を職権で決めた。
 議院運営委員長は、国会の管制塔のような存在で、衆院では議長、副議長に次ぐナンバー3の地位にあたる。当日、佐田委員長は議運の理事会を開催し、事務方から週明け6月24日の再議決の段取りやスケジュールを聞いていた。

午前11時~午後3時30分
 午前11時に議運の理事会が始まったが、30~40分で一旦中断した。そして、担当記者にブリーフィングを行なった後、理事会は15時から再開され、30分ほどで終了した。

午後3時40分ごろ
 佐田委員長は、議員会館の部屋に戻ったらしい。

午後5時30分ごろ
 議運委員長には、国会内に専用の個室と公用車が用意されているが、小雨が降る中、佐田委員長を乗せた黒塗りのトヨタ・センチュリーが、永田町にある衆院第二議員会館前の車寄せを出発した。


午後5時50分ごろ
 この日は金曜日ということもあり、佐田委員長はそのまま東京駅で下車して、新幹線に乗り換え、地元の群馬へ戻るかと思われたが、車は20分ほど走ってから、JR御茶ノ水駅近くで止まった。佐田委員長は一人で公用車を降りると、駅前まで歩き、タクシーに乗り換えたのだ。この時、紺色のジャケットのラベルには、公用車で議員会館を出発する時にしていたはずの議員バッジが見当たらない。

午後5時55分
 佐田委員長の乗ったタクシーが地下鉄千代田線の湯島駅近くで止まった。佐田委員長は、タクシーを降りると、近くのコンビニヘ入った。

湯島駅の近くにはローソンとファミマの2つのコンビニがある。

午後5時55分~6時5分
 コンビニに入った佐田委員長は、そそくさと店内にある雑誌コーナーヘ行き、立ち読みを始めた。

千代田線湯島駅付近でタクシー下車、近くのコンビニへ。ここで10分ほど雑誌コーナーで本を立ち読む。佐田委員長が時間調整で立ち寄ったのはファミマか。

午後6時5分~6時8分
 佐田委員長は、コンビニの店内で10分ほど雑誌を立ち読みすると店を出て、すたすた歩き始め、今度は5階建てのマンション風の建物の前で足を止めた。


午後6時8分~6時10分
 で、佐田委員長はそのまま建物の中へ入るかと思いきや、建物入口の正面にある駐車場の支払機と自動販売機の陰に身を潜め、周囲を窺う素振りを見せた。

 そして歩行者4、5人をやり過ごした後、正面玄関に吸い込まれるようにして消えた。この時が18時10分だった。

 湯島天神のすぐ近くにあるこの建物、外観こそ、派手ではないが、歴としたラブホテルである。国会議事堂から北東へ直線距離にして3キロ強の位置にある。この建物の道を挟んで向かいにもラブホテルはあるものの、周囲にはマンションや中小のオフィスが建ち並ぶ。夕方を過ぎれば、人通りも少なく、場末のラブホテルといった趣だ。
 部屋数は30室弱。1階受付付近に置かれた案内パネルの部屋番号を押すと、その番号と入店時刻がプリントされた紙が出てくる。この紙と料金と引き換えに、受付の従業員から部屋のキーを受け取る仕組みだ。
 例えば、1泊1万円の中級ランクの部屋は広さ10畳ほど。ビジネスホテルのような内装で、ダブルベッドに42インチの大型液晶テレビと冷蔵庫、小さなソファーがあるだけだ。ちなみに、この時間帯の料金は、休憩(3時間)で5000円から。

 「うちは男性や女性、一人での入店はお断りしています」(ホテルの従業員)というから、2人はホテルの1階の待合室で合流したらしい。

午後6時10分~7時45分
 不自然にも、たった一人でラブホテルヘ消えた佐田委員長が、その裏口から姿を現したのは、およそ90分後の19時45分頃のことだった。



午後7時45分~46分ごろ
 2人は人目を憚るように、前後して姿を現した。他人を装うように、言葉を交わすことなく左右に別れたが、初老の男は名残惜しそうに、女性の後ろ姿を見詰めた。
 まず、若い女性が出てきた。身長は160センチくらい。キャミソールに黒のカーディガンを羽織り、下はジーンズ姿。ヒールの高い編み上げのサンダルを履いている。涼しげな目元に黒髪のストレートヘア、豊満な胸から、タレントの壇蜜を彷彿とさせる。

 後を追うように、20秒後、佐田委員長も裏口を出た。

 2人は別れ際に挨拶を交わすこともなく、女は左手の路地へ、一方の佐田委員長は右手に。そのまま湯島駅へ向かった。


午後7時49分~8時ちょうどあたり
 佐田委員長は、地下鉄千代田線湯島駅に入り、まるで何事もなかったかのように電車に乗った。


午後8時ちょうどごろ
 佐田委員長は千代田線の電車に乗り、大手町方面に向かった。

午後8時11分ごろ国会議事堂駅に到着。第二議員会館までは徒歩で数分だ。

午後8時11分ごろ~20分ごろ
 佐田委員長は国会議事堂前で下車し、階段をあがって地上に出て、歩いて衆院第二議員会館に戻り、201号室に入って行った。

衆議院第二議員会館までは数分だ。

中央が第二議員会館。

この201号室が佐田センセイの部屋。

当然ながら警備は厳しい。

■今回の佐田玄一郎・衆院議院運営委員長の火遊びをスクープした記事と、ほぼ2年前の平成23年7月13日発売の大澤正明・群馬県知事の知事公舎での愛人との不倫をスクープした記事を比較してみましょう。

【不倫相手の女性との年齢差】
 当時65歳だった大澤知事が不倫をしていた愛人とは10歳前後の年齢差だったが、60歳の佐田委員長の場合は、不倫相手はなんと20歳で、年齢差は40歳ということになる。

【不倫の場所】
 大澤知事は自宅から通勤すると公約して、前知事まで長年使用されてきた正式の県知事公舎を取り壊したが、実際には前橋市内に住む愛人との逢瀬の場として同じ前橋市の県庁の近くにある副知事公舎に目を付け、知事が愛人と不倫しやすい環境づくりをするため、総務部の秘書課と管財課が結託して公金約2000万円を投入して妾宅化した。しかし、不自然な改修は近隣住民らに不審に思われ、愛人を連れ込む状況を観察されてしまい、週刊誌沙汰になった。
 一方、佐田委員長は、シティホテルだとフロントで顔が割れてしまうのを恐れてか、湯島のラブホテルをもっぱら愛用し、休息料3000円は自分の財布から支払った。そのため、ホテルのフロントでは顔がバレる心配はなかったものの、公用車をつかっての外出や、タクシーや徒歩での安易な移動で、行動パターンが把握され易くなり、結局週刊誌の餌食となった。

【不倫の期間と頻度】
 大澤知事の場合、県議当時に議会事務局で嘱託職員として勤務していた相手女性を巡り、他の当時新町出身の県議との鞘当てを勝ち抜き、以降20年に及び不倫関係を続けていて、自ら経営する養護老人施設で経理担当として雇っていた。副知事公舎を知事公舎と呼び変えて主に週末に使用していたが、公舎への愛人連れ込み宿泊回数績は平成22年が30回、平成23年1月から6月までで13回だったというから約12日ごとに1回のペース。
 一方、佐田委員長の場合は、キャバクラでアルバイトをしている女子大生を相手に1回ごとに4万円のお小遣いとラブホテル代を自分の財布から支払い、今年1月から6月21日まで、ラブホテルで平日20回、平均滞在時間が1時間半というから、約9日ごとに1回のペース。
 以上のように、二人とも配偶者をさておいて年下の女性と逢瀬を重ねていたが、頻度としては若い女性を相手にしていた佐田委員長に軍配。

■大澤知事の場合は、県の総務部も公認で、公舎という我々県民の血税を使って建設され管理されている公共財産を私物化しており、オンブズマンとしての観点からは極めて悪質ということができます。

 一方、佐田委員長の場合には、ラブホテル代やお小遣いは自分の財布から支出しているため、大澤知事ほど悪質ではないかもしれませんが、公用車でキャバクラ嬢との情事のために議員会館から出かけるなど、やはり、公金の使われ方に問題があります。

 勿論、二人とも選良であり、道徳的観点からは、言語道断という評価が下されることは当然でしょう。

 このような政治家を輩出する群馬県民としては、日本全国、いやグローバルに、それなりの民度であるという評価を甘んじて受けなくてはならず、こういう不貞政治家は次回の選挙で絶対に権力を握らせないように引退に追い込まないと、我々県民は笑い物にされ続けるでしょう。

【ひらく会情報部】

※参考資料
■群馬県知事・大澤正明の知事公舎不倫使用について報じた20011年7月13日発売の週刊新潮
――――グラビア文――――

翌日には梅雨明けが告げられる7月8日のことだった。
午前4時過ぎ、群馬県前橋市の気象台が記録する気温は33度。
立つだけで汗は噴き出し、道には陽炎がゆれる。なのに彼女ときたらダウンジャケットを頭から被る「痴人」の風情。
ただ、そうさせたのは「知事」のせい。
真夏の日中に見たモノは、まぎれもない現実だった。撮影・土屋誉

■真夏の「ダウンジャケット」で隠す「知事の愛」

 おおよそ「石原」とか「橋下」は知っていても、「大沢」となると、知る人は極端に少ない。目下2期目の当選を果たしたばかりの、群馬県知事、大澤正明氏(65)である。
 右上の写真は7月9日の早朝、知事公舎の庭をパジャマ姿で歩く彼を見たものだが、これより半日前に同所で展開していた光景が前頁の写真。昼日中、「ある女性」を知事公舎に招き入れるために、わざわざとった“労”である。むろん彼女は知事の妻でもなければ娘でもない。日なたであるがゆえに、敢えてダウンジャケットを使ってでも日陰にしなければならない存在――といえば、賢明なる読者には察しがつくだろう。
 多くは32頁からの特集で語るが、今はこれらの写真でイメージと怒り、そして期待を膨らませていただこう。

 ダウンジャケットの翌日、日もすっかり高くなった午前10時過ぎ、彼女は黒いトレーナー姿で現れた。帽子を目深に被り、また素顔を晒そうとはしない。後部座席に彼女を乗せた車は、知事自らの運転で、同じ前橋市内、やがて彼女の住むアパートに走り着いた。ここで初めて彼女は全身を見せるが、長い髪、タイトなパンツスタイルに思いをめぐらせる。
 彼女は高い塀に囲まれた公社からは一歩も出ず、知事もまた籠ったままだった。熱帯夜、雨戸は閉め切られ、他の訪問者もない。都合約18時間の密室……少なくとも翌朝の知事はパジャマ姿、乱れ髪だった。
 彼の強弁、彼女の言い分。果たして、「真夏のダウンジャケット」で彼は彼女を守れたのだろうか、さもなくば墓穴。
 撮影・土屋 誉 西村 純
――――本文――――
「知事公舎」に愛人を泊める「群馬県知事」
特集 臍の下から三百代言
 男は、“保守王国”と呼ばれる群馬県の知事選で大勝。その5日後、選挙期間中の禁欲生活に終止符を打つかのように、愛人女性を「知事公舎」に招き入れ、一夜をともに過ごしたのである。大沢正明知事(65)が“臍の下の人格”について語った三百代言とは――。
 まさに揚々たる思いでの登庁だっただろう。7月3日の県知事選で次点候補にダブルスコア以上の大差をつけ、再選を果たした大沢正明・群馬県知事。その5日後、前橋市にある県庁での初登庁式を終えた彼は、選挙戦の緊張から解放されたかのように、夕刻、自家用車で、ある女性の許に向かった。
 女性の名を仮に、須田良枝さんとしておこう。コケティッシュな顔立ちで、たおやかな肢体が艶かしい、髪の長い、50代の熟女である。
 大沢知事は彼女を車に乗せると、県庁近くの「知事公舎」の庭に車を滑り込ませた。車の後部座席から降りた彼女は、庭にしつらえられた垣根に身を隠すように、頭をかがめ、公舎の玄関をくぐる。その出で立ちがふるっていた。この盛夏だというのに、フード付きのダウンジャケット! 時に前橋市は最高気温33度の真夏日だった。にもかかわらず、彼女が季節外れの汗だくスタイルで現れたのは、むろんダイエットなどが理由ではなく、周囲の人目を憚ってのことに違いない。
 そして翌朝まで、須田さんが知事公舎を出ることはなかった。大沢知事と彼女は公舎で一夜をともにしたわけである。翌朝10時半頃、今度は幅子を目深にかぶり、知事の車に乗りこんで、彼女はこの場を去った。
「この女性は、大沢知事ともう十数年来の関係にある愛人です。彼が運営する社会福祉法人の特養老人ホームで幹部を務めています。知事は、週末を中心に頻繁にこの女性を知事公舎に泊めて、一夜を過ごしているのです」
 と語るのは、元群馬県議である。隣接するマンションの住人の一人もこう言う。
「彼女はいつも四季を問わず、フード付きの上着や帽子で顔を隠し、周りをキョロキョロ見回しながら、こそこそ入っていく。もうその様がいかがわしくて、不快なんですよ。だいたい金曜日の夕方過ぎに来ることが多く、一泊して、翌日の朝、知事が自家用車でどこかに送っていくというパターンですね。昨年は私が気づいただけで、30回は泊まりにきています」
 彼女を知事公舎に泊めている疑惑について、大沢知事はどう答えるか。本誌の直撃に彼はすこぶる慌てたご様子。そのやり取りをご紹介しよう。
記者 7月8日に須田さんを知事公舎にお連れになりましたね。一泊されて、翌日の朝、送っていますが、事実関係について確認させて下さい。
知事 そんなことはないよ。
記者 そんなことはないよとは、どこが違うんですか?
知事 翌日の朝というのはおかしくない?
記者 翌日9日の朝、知事が須田さんを車に乗せ、彼女の自宅に送るまでの一部始終を全て確認しています。
知事 (一瞬絶句し、妙な唸り声をあげる。その後、黙りこくってしまう)
記者 彼女をここに泊めたことは間違いない筈です。
知事 うん、その時は泊まったよ。
記者 問題ではないですか。
知事 彼女は仕事の報告に米たんです。私が太田市で運営する介護施設の仕事で。
記者 仕事の報告であれば、太田市にあるその介護施設で説明を受ければいいんじやないですか。ここで報告を受け、泊まらせるというのはおかしいでしょう。
知事 打ち合せをしながら、酒を飲んじゃったというのもあるからね。選挙で勝ったんで、テンションが上がり、お祝いということもあって、私は日本酒をコップで2杯くらい飲んだ。彼女もビールを2本飲んだ。それで車の運転ができなくなり、送れなくなって……。
記者 それならタクシーを呼べばいいでしよう。
知事 ぃや、夜、タクシーを呼んで、女性を乗せると、色々誤解されるし……。
記者 彼女は公舎のどこに宿泊したんですか。
知事 彼女は1階の和室。私はその隣の自分の寝室で。
記者 これは問題ある行為だと思いませんか。
知事 そうとられても仕方がない。
記者 彼女はいつも顔を隠して、公舎に入っている。何もないなら、普通に入ればいいじゃないですか。
知事 あの後藤田正純さんのようなこともあったから。
記者 この暑い中、ダウンジャケットですよ。
知事 色々、言われるから。
記者 公舎に二人っきりでいること自体、色々言われる材料になるでしょう。
知事 うん、おかしい。そりゃ、おかしい。
 一事が万事この調子である。語るに落ちた、とはこのことだ。詭弁を弄する三百代言……大沢知事とはどのような人物なのか。

300万円で浴室を改修

 彼は、群馬県新田郡尾島町(現・太田市)の出身だ。建設業を営む家の4男3女の6番目に生まれた。
 慶応大学工学部時代にはラガーマンとして鳴らしたという。卒業後、父親の建設会社勤務などを経て、83年、尾島町議に初当選。地方政治家としてのスタートを切った。91年には、群馬県議に転じ、4期当選。自民党県連幹事長や県議会議長などを歴任した。
 自民党の公認候補となり、知事選に勝利したのは07年のこと。このたび再選され、現在、2期目である。
 彼の自治体トップとしての行政手腕はどう評価されているのだろうか。
「1期目の評価材料としては、子どもの医療費を、全国で初めて中学3年生まで完全に無料化したことが挙げられます。しかし、その分、もともと苦しかった県の財政をより逼迫させたとの批判もあります」(地元紙の県政担当記者)
 可もなし不可もなしといったところか。しかし、自ら信ずる政策に果敢に金を割り振るのはいいが、彼にはどうにもムダ追いや公私混同とおぼしき公金の使い道も散見されるのである。
「知事は初出馬の際、公約で、知事公舎はムダだから、取り壊すと表明していた。しかし、いざ当選すると、知事公舎は解体しましたが、副知事公舎に住み始めたんです」(前出・元県議)
 県議会でもこの点を追及されている。
<県議 公約では、お住まいの太田市からエコカーで通勤されるということでした。実際には当選4ヵ月後から元の副知事公舎を知事公舎として使っておられます。これはどういう事情によるものなのか。
知事 平成19年9月上旬に西毛地帯に甚大な被害をもたらしました台風9号によりまして、その災害を契機に、危機管理上の観点もあり、県庁近くに公舎を用意することが必要だと考えたところであります。
県議 そのための改修費も1400万円以上かけている。あの高いフェンスに500万円近くかかっています〉<平成22年3月2日、県議会・定例会の議事録より>

 高いフェンスとは、前頁右上の写真でご覧いただける。もともとあったブロック塀の上にさらに目隠しを施すべく、木製のフェンスがしつらえられたのである。ともあれ、知事公舎を解体しながら、副知事公舎に住むため、改修するとは、二重のムダではないか。
 しかも大沢知事は知事選前の5月には突如として、会見でこう言い放っている。
「あれだけ広い施設は必要ないと感じている。私があそこに宿泊しているのは、週に1~2回程度」
 県民からすれば噴飯ものだが、ここで気になるのが、使用頻度だ。今では週に1~2回しか宿泊しないと仰せである。ところで、前述の通り、昨年、須田さんが知事公舎に宿泊した回数は30回に及ぶ。割合から考えると、大沢知事が公舎に宿泊する主たる理由は、須田さんとの逢瀬を楽しむためと言わざるを得ないのだ。群馬県の首長は、知事公舎をまるでラブホテル代わりに利用しているようなものではあるまいか。
 ちなみに今年も彼女は、選挙前の5、6月を除き、コンスタントに1泊2日のお泊りを繰り返している。
 しかもこの公舎の改修費に関しては看過できない点がある。それは、公舎玄関のすぐ近くの中庭に、高さ数メートルの垣根までが設置されたことだ。これは明らかに、知事公舎を訪れる彼女の姿を、周囲のマンションの住人などの目からさえざるための“施策”であろう。
 さらに公私混同の疑いがかかるのは、施設内のある場所の改修だ。
「それは、お風呂です。300万円近くもかけて、リフォームを行っているんですよ」(県政関係者)
 当然これも、泊まりにくる彼女のために行ったものではないか、という疑念が浮かび上がるのである。
 さて、須田さんの方は、知事との関係や公舎での宿泊についてどう答えるか。
記者 7月8日、知事公舎に行かれましたよね?
女性 いいえ。
記者 こちらでは、確認して、写真も撮っています。
女性 ……はい。
記者 去年は30回。今年はすでに13回になります。
女性 はあ。
記者 泊まられていますね。
女性 はあ。
記者 それは確認されているんです。
女性 はあ。
記者 仕事の書類を届け、相談されているんですね。それだけなのに、なぜ泊まる必要があるんですか。
女性 泊まるというよりも、説明をしているうちに、その朝の時間になってしまったというのはあると……。単に部下と上司の関係であり、そのようにとられるのはショックです。
 やりとりは以上の通り。
 お二人とも男女の関係はないとしているが、実際については、推して知るべしというところだろう。
「彼女は独身。もとは前橋に本拠を置く地方銀行の行員だったといいます。事情があって退職した後、昭和の末頃に、ある古株県議のツテで、群馬県議会に嘱託職員として採用され、コピー取りやお茶汲みをしていたんです。そこに大沢さんが県議として当選されて入ってきて、彼女と知り合ったんですよ。ほどなく二人は男女の関係になってしまった。その後、彼が彼女に声をかけ、自分の施設で雇ったのです(別の元県議)
 ここで改めて大沢知事にご登場いただき、愛人問題や改修費の公私混同疑惑などについて答えてもらおう。
「彼女を泊めたのは、ご指摘の日の一回だけ。改修も、当初は新しく入る副知事のために行ったもので、結果的に私が入ることになっただけ。垣根は彼女のためではなく、警備上のために設置したのです。公舎をラブホテル代わりに使ったなどということは断じてない。ただ誤解を招くような行動をしたことは県民にお詫び致します」
 しかし、須田さんの方が過去の知事公舎でのお泊りについて、否定していないのは前述の通りである。さらには先のマンションの住人もこう語る。
「知事が彼女を昨年30回、今年13回、泊めていることは間違いありません。彼女を宿泊させる時は、必ず自家用車を持ってきて、日中のうちに庭に置くから分かるんです」
 大沢知事、お天道様も見ていますよ。

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またもや週刊誌のネタにされた我らが郷土の誇る政治家のヘソの下

2013-06-27 12:49:00 | 政治とカネ

■週刊新潮がまたまた快打を飛ばしてくれました。我らが郷土、群馬県の政界を代表する一人で当選8回を誇る自民党で衆議院・議院運営委員長であるセンセイの素行調査の報告結果が、本日6月27日発売の週刊新潮7月4日号に、グラビア写真つきで掲載されています。

4万円援助交際20回! 女子大生とラブホテル! 衆議院No.3「佐田玄一郎」議運委員長 常習的買春の現場報告――還暦を迎えた大物政治家は、湯島のラブホテルに一人で入り、20歳の女子大生の到着を待った。偽名を使い、謝礼は4万円……。初めて関係してから半年が過ぎていた。(新潮社HPから)

**********産経新聞2013.6.27 00:12
女性問題報道で佐田氏、辞任の方向 
 佐田玄一郎衆院議院運営委員長(60)=自民党=が「週刊新潮」で女性問題を報じられることが分かり、27日にも辞任する方向となった。複数の与党幹部が26日、明らかにした。
 安倍晋三政権は7月の参院選への悪影響を懸念し、早期収拾を図ることにしている。佐田氏は26日、伊吹文明衆院議長と面会して謝罪した。27日は国会閉会中のため、伊吹氏が辞任を許可する見通しだ。
 佐田氏は当選8回。平成18年には、第1次安倍政権下で政治団体の事務所費問題で行政改革担当相を辞任している。
**********

■どうやら、自民党の衆議院No.3の職位にある佐田玄一郎(60)代議士と女子大生(20)との密会現場を週刊新潮にスクープされたようです。

 群馬県内だと、大澤正明知事の知事公舎愛人連れ込み事件とどうよう、一部の関係者による週刊誌の買占めが行われて、主要な書店や売店では買えないこともありえますので、他県で購入して、記事の内容をチェックすることにします。

 オンブズマン的な観点からいえば、県民の税金を投入して群馬県総務部管財課の管理下にある公的施設を逢瀬の場にしていた県知事・大澤正明による公的施設の不正使用事件とことなり、ラブホテルを逢瀬の場にしているようですので、税金の不正使用という側面からは追及する余地が少ないかもしれません。

■しかし、代議士・佐田玄一郎の場合、前歴があります。

 2006年12月末に、自らの関連政治団体「佐田玄一郎政治研究会」が、事務所の実体がないのに1990~2000年にかけ、事務所費や光熱水費など計約7800万円の経費を支出したとして、政治資金収支報告書に記載していたからです。

 官報によると、この政治団体は、代議士・佐田玄一郎が初当選した90年に発足し、同氏の父親が社長だった建設会社「佐田建設」(本社・前橋市)の東京支店(東京都豊島区)内に事務所を置いたと報告していましたが、実体はありませんでした。

 しかし、1990~2000年までに、家賃などの事務所費を多い年で約1400万円計上するなど、経費が計約7800万円かかったと報告し、経費の計上は、年によってばらつきがあり、事務所費も17万円の年があるなど、不自然さが目立ちました。同研究会は、2001年以降は収支がなく、2006年10月末に解散届が出されました。

 この当時、同氏の公設第1秘書の証言によれば、同団体には活動実態が無く、1990年から1999年までに活動費として収支報告書に記載していた2億1300万円についても虚偽記載の可能性が指摘されたため、同年12月27日に第一次阿部政権下での行政改革担当相だった佐田玄一路は、閣僚を辞任しました

■佐田玄一郎衆議院・議院運営委員長は6月26日の夜、伊吹衆議院議長と会談し、翌日発売する週刊誌に掲載される予定の女性問題に関する記事について説明し、委員長の職を辞任したい考えを伝え、伊吹衆議院議長は、これを受け入れたといわれています。

 再び阿部首相の足を引っ張った佐田玄一郎ですが、本日発売の週刊新潮のライバル誌の週刊文春は「ベトナム買春を相手ホステスが告白!」と題して、同じく自民党の代議士の海外での素行調査結果を報告しています。

 こちらは、自民党内で“次世代のエース”と見なされ、昨年12月安倍政権発足で内閣府副大臣に抜擢された西村康稔衆議院議員(50)が、昨年7月、訪問先のベトナムで現地のホステス複数人を相手に買春行為をしていたという記事です。

 西村議員はカラオケ・クラブから7人のホステスを連れ出し、自らが宿泊するホテルのスイートルームへ呼び入れ、その後、7人のうち3人の女性が残り、西村議員は3人を相手に行為に及び、対価として3人あわせて600ドル弱を支払ったということです。3人の女性のうち2人が週刊文春に西村議員との行為を詳細に証言し、他にもホテルでの目撃者など複数の関係者が買春を裏付ける証言をしたことが記事として掲載されています。

 そして週刊文春の取材に対し、西村議員はベトナム出張を認めたものの、ホステスらを連れ立って客室に入ったことは否定し、さらにカラオケ・クラブへの入店、ホステスらとの行為、600ドル弱の支払いについても否定したと、記事のなかで報告されています。

■当会では、さっそく週刊新潮7月4日号を入手して、記事の内容を精査し、大澤知事の場合と退避させて、群馬県の政治家の不倫性向について分析を加える所存です。

【ひらく会情報部】

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タゴ事件発覚から18周年・・・地方自治体史上最高額の横領事件に安中市民はどう対処したか(会報12号)

2013-06-25 23:09:00 | 安中市土地開発公社事件クロニクル
■平成7年9月5日に発行された会報12号では、同年8月21日(月)に前橋地裁で開かれたタゴ事件の初公判の様子を傍聴していた市民らのメモをもとに、その前半部分を掲載しました。このチラシを見た前橋地検から市政をただす安中市民の会事務局に対して、さっそくクレームが来ました。傍聴の概要が詳しすぎるということでした。安中市民が必死でメモした内容を集計して掲載したのですが、前橋地検の反応は尋常ではありませんでした。そのわけは、後になって判明したのです。この傍聴概要メモのなかに、重大な事実が隠されていたからです。

 会報12号の内容は次のとおりです。8月21日のタゴ事件の刑事初公判の前編は最後のほうにあります。

**********
■市政をただす安中市民の会  会報12号(上)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年9月5日発行

公社の昭和55~63年度事業報告書開示! 内容分析中

8月21日の初公判で、新たに11億3千万円が今度は正規口座から引き出され使い込まれていた事実が明らかになった。これを受けて当会では8月24日群馬県知事にたいし、安中市土地開発公社の昭和55年から63年までの各年度の予算書や事業報告書など関係資料を開示するように請求書を出した。ところが県の情報開示窓口の広報課(県民サービスセンター)は、県文書保管規則に基づき公社関係の書類は5年保存だとして、それ以前のものは既に廃棄処分にしたという理由で、当会の開示請求を退けた。
■公社を監督する県地方課の話では「土地開発公社は県内に36もあり、毎年受け取る資料は5年経つと高さ1メートルに達する。保管場所がないので5年を過ぎたら廃棄してる。手元にないから開示できない」という。門前払い同然の県の対応に納得できず市民の会では「県になければ市にあるはず」と食い下がり「前回と同様に安中市に開示を指導するよう」要望し30日再度知事あてに公文書開示請求書を提出した。
■同時に、市民の会では30日安中市役所を訪れ土地開発公社の当該資料を請求したところ「開示してもよい。コピーしておくから明日に来るように」という返事。31日再度市役所を訪れ当該資料を手に入れた。現在、市民専門家による分析作業が進んでいる。
■開示により、知事への開示請求は31日取下げた。

収入役17日に入院! 辞任覚悟の身辺整理?

48億円不正借入事件の舞台となった公社の常務理事を務めていた青木弘之収入役が17日に緊急入院していることが利明した。問題が起きると即入院というケースは政治家によくみられる現象だが、青木氏の場合は病気による入院らしい。入院に先立ち身辺整理をしたというから辞任覚悟の入院と見る向きもある。
■一方、市3役のうち、須藤一緒助役は百条委で多胡被告の人事について「5年をメドに指導してきたが、人事管理に不行き届きがあった。責任を感じている」と説明している。こうした動きから、小川勝寿市長の6月10日の緊急市民集会での発言などからも早期辞任を予測する筋もある。しかし、8月11日の臨時議会での市長不信任議決が不発に終わったため、今後の動静は依然として流動的。

市役所前での早朝アピール再開! 駅での会報配付続行!

48億円事件によって市民の前に露呈した市政の腐敗ぶり。このゆがんだ市政をただすためにたくさんの市民が連日活動を続けている。当会は怒りに燃える市民の声を背景に、各地区での報告集会開催をはじめ会報発行による市民への広報活動、行政への真相解明要請と質問・提言活動、及び各種の関連情報の調査・収集・分析活動その他幅広い活動を通じて、この農大問題に取組んでゆきます。9月2日の定例集会で確認された9月の活動予定は次の通り。
■8月いっぱい夏休みしていた市役所玄関前での早朝アピールを9月から週1回のペースで再開する。
■市民に好評を得ている安中・磯部両駅前での会報配付にも引き続き注力してゆく。
■宣伝カーによる市内全域での街頭宣伝も手を緩めることなく続行する。
■8月の旧安中地区での集会に続き、9月は磯部地区を重点に報告集会を開催する。(裏面予定表参照)

市内各所に「会報ステーション」設置開始!

当会の会報は、その的確で迅速な情報内容が市民の間で定評となり、配付部数は発行を重ねるごとに増加。既に毎号7千部を突破した。さらに一人でも多くの市民に大不祥事件の状況をお知らせすべく、市内各所に会報ステーションを設置し、迅速かつ効率よい会報配付体制を構築することになった。すでに30ヵ所近い設置希望の申込が市内各地の商店や団体から寄せられている。
■会報ステーションは直径8センチ、高さ!5センチの円筒容器。外面は夾纈(きょうけつ)染の和紙で落ちついた色調にアレンジされている。これを商店、オフィスなど市民の集まる場所に設置して、事務局から定期的に供給される会報を数十部入れておき、来客や来訪者に自由に会報を取って頂くシステム。
■安中市民総てに降りかかった48億円事件にもっと関心を持ってもらうと同時に、会報ステーション自体が市民討論の場にもなり得る。さらに話題性を付加することで店舗・オフィスのイメージアップにより、来訪者の増加で集客にもプラスになるなど、活性化に役立つことが期待されている。
■会報ステーション設置希望される場合はさっそく連絡事務所(電話81-0364)にお問い合わせください!

そのままおけや! オヤジ市長の摩詞不思議

18日の百条委員会に出席した市側関係者は、多胡容疑者の人事管理について次のように語っている。
■参考人で出席の須藤助役は3年前に多胡被告の異動話が浮上したとき、小川市長の意向で留任が決まったことを明らかにした。助役によれば、被告の留任について市長は「そのまま置けや」と指示したという。
■同じく参考人で出席した市長は「開発公社は市の将来にとって重要な位置を占めると考え、事業拡大には専門的知識力望蜀で(多胡被告の後任が)後を引き継いでキチンと仕事ができるにはあと数年かかると思った。決して多胡を意識しての発言ではない。人材が育つまではということだった」と弁明している。
■被告とは10年来のゴルフ仲間でその親交ぶりが話題となっており、被告の元直属上司からもオヤジと呼ばれ慕われているという小川市長だが、百条委では、多胡と親しい関係にあることを「一切ない」と否定。小川市長いわく「多胡の派手な生活については聞いていた。高級車とかいうことも。競馬で儲けたと聞いていた」と。人事管理に関して「5年がメド」と言いながらも、多胡の人事管理については明確な回答はなく、市長は「裁判を含めて、話し合いが基本」を繰り返していたという。
■民間会社なら、これだけの不祥事を起こせば、会社自体倒産の憂き日に会うのは勿論のこと、事件の当事者の本人はもとより、その上司や管理職、最高幹部まで関係者はきちんと責任を取らされる。
■しかも多胡被告は市職員になりたての頃から、頻繁に平日ゴルフをやっていたという元知人の話もある。勤務時間中に抜け出してゴルフやり放題とあれば、市のズサンな人事管理は歴然だ!
■事件発生から3ヵ月以上も経過するのに、クビになったのは多胡被告ただひとり。被告を優秀職員として昇格の意見具申をした元直属上司も元のまま。市長!それでもやっぱりチンプンカンプン?

今ごろなぜ? 市議の大挙視察訪問に戸惑う川西市

兵庫県川西市でも3年前の6月に安中市と同じような事件が発覚。被害額約19億円のうち公社の預金残高を引いた残り17億8千万円をめぐって大騒動になった。このときの犯行の手口が安中市の場合と極めてよく似ており、銀行と市・公社との間で民事訴訟に持ち込まれ、同年10月に銀行側全面勝訴となった。
■このときの川西市議会の対応がどのようであったのか参考になるのでは、と誰の発案だか知らぬが、安中市議会議員がなんと十数名もそろって9月5~6日に川西市を視察するという。これを報じた8月31日付けの上毛新聞によれば、調査項目は(1)事件の原因と究明について(2)金融機関と本人との事後処理について(3)公社の対応について(4)今後の改善策についての4項目。こんなことを聞きにいくのは安中の恥の上塗りだと市民から批判が噴出している。
■本来、こうしたことは事件発覚直後に行うべきであり、今ごろ、しかも十数人もの市議がなぜゾロゾロ出かけなければならないのか?まさにノーテンキ議会の面目躍如。
■十何名もゾロゾロ押しかけられ、的外れの質問などされたら、さぞ川西市も迷惑がることだろう。挙げ句には笑いものになりかねない。なぜもっと早く、しかも少数精鋭で調査しなかったのか。所詮、来るべき選挙に向けてのパフォーマンスに過ぎないという見方が市民の間ではもっぱら。着々と成果を上げる草津町の百条委とは大違い。
■この大視察旅行の費用は、百条委の調査経費予算14万2千円でまかなえるのか?現地の正味視察時間は何時間とれるのか?宿泊はどこにするのか?視察旅行にかけた費用に見合う成果がはたして上げられるのか?などなど、市民の疑問は尽きない。

48億円問題について市内の他団体と話し合い

29日(火)午後8時から原市3区公会堂で「街づくり会議」(正式名不祥。未来塾が中心になって最近結成した組織?)約40名と当会会員約20名との間で48億円事件とその影響について話し合った。今回は未来塾サイドから申入れあったもの。これからのまちづくりを考える未来塾と、事件の真相を市民の手で解明して聞かれた市政の実現を目指す当会との間で2時間以上にわたり熱心な質疑応答が交わされた。それぞれ事件の受け止め方は違うが、市政改革に向けた有言実行が最も大切であることを双方確認した。
■なお、話し合いの中で市政をただす会の活動についていろいろ意見が出された。主な意見を次に示す。
▼百条委の傍聴で市民10名の内ただす会で5名独占しようというのは独善的だ!他市民を愚弄している!
▼事件の真相解明は司直に任せればよいのであって、警察でもない市民が真剣に取り組むテーマではない!
▼市当局や市議会の不始末をどうこう言うよりも、もっと前向きに市の将来をどうするかを考えるべきだ!
▼既に起きた事ばかりメクジラたてていると、いずれ目標を失って組織解散の憂き目にあうのでは?
―――――市政をただすスローガン秀作集(5)―――――
宅配来ても ハイ!公印 いっそ市民に あずけたら
―――――開かれた 見える政治を 市民の手で!―――――

◎この会報に対する賛否のご意見は、実名でお聞かせください。紙面上の匿名は希望に応じます◎

■市政をただす安中市民の会  会報12号(下)
連絡事務所TEL/FAX:81-0364 平成7年9月5日発行

旧安中地区シリーズ 新邸公会堂で市民報告集会開く!

8月24日(木)午後7時半から新邸公会堂で開いた市民報告集会に約50名の市民が集まった。集会は、まず事務局側から事件の経緯と、市当局の情報操作と議会の密室性、それに初公判の傍聴の様子、市民生活への影響見通しなど説明。そのあと参加巾民の間で質疑応答に入った。以下に主な討謐事項を示す。
●百条委の非公開を公開にするために直接請求はできないものか?署名運動をやってみてはどうか?[委員会も原則開示。全員協議会をたてに公開になじまないと傍聴拒否。委員長権銀の誤用。委員会は議会の下部機関でないので直接請求できない]
●銀行から9月30日に請求くるのはいくら?[容疑者が3月31日に引き出したカネは自分が不在中の金利請求に備えるためだと初公判の起訴状にあった。従って預金に残っている2億円前後が目安となろう]
●公社にはそんな金があるのか?[準備金が3億円余ある]では9月分はしのげても来年3月期限分までのカネはあるまい。その尻拭い分を、市長決裁で市の予備費から払うのは困る!市長は市民に事件で迷惑をかけないと言っているのだから、そんなカネを予算計上できるわけがない!
●区長会には120人の区長がいるはず。ただす会だけではラチが空かない。区長会からも真相解明をどしどし市長に要求してもらいたい![参加区長からの意見:区長会でもこの件を代表区長から市長に申入れる話がすすんでいる。近々行われるだろう]市会議員がやらないから、ぜひ区長会でやって欲しい!
●税金は税率が決まっているから変わらない、という市当局の話を信じていると大間違い!
●11億円は時効だという。法的には詐欺とか横領が問えなくなっても、容疑者が使い込んだ金は市民の公費に違いない。真相解明はあくまで追求されなければならない。私はこのことを市当局にも言ってきた,真相解明と時効は無関係。11億余円の金の流れと使途を舶用し、手落ちがどこにあったか確認すべきだ!
●それを本当は議員がここに立って市民に説明しなければならない。安中は市民にやらせている!
●今朝私はある人の所に行った。その人が昨日ある有力議員のところに行った。その夫人が11億3千万円の報道に触れて「あれは時効ですね」と何度も聞いた。なにか心当たりがあるのかと勘ぐらざるをえない。議員は、説明するどころか火の粉が降り係ってこないようにするのに精一杯だとしたら困ったものだ。
●百条委を傍聴させてくれと頼んだが、議員同士責任の押しつけ合いに終始。今のところ前進がみられぬ。
●ただす会へ要望あり。一般市民は事件や市政の様子を見たくても見られない。だから会報をあちこちの掲示板に張ってもらって、不特定多数の市民が見られるようにして欲しい![ぜひ実現させたい]

旧安中地区シリーズ 伝馬町公民館で市民報告集会開く!

旧安中地区の締めくくりとして8月30日(水)午後7時半から伝馬町公民館で報告集会を開き約20名の市民が参集。事務局側から事件のあらましと問題点を説明。参加市民からは次のような意見が出された。
●ただす会がこのような重要な報告をしているのに市議が顔を見せないのはどういうわけだ?こういう報告会は議員にやってもらいたい。市民の会の運動に賛成する議員はいるのか?[殆どの議員は当会を無視]
●本日初めて参加して話を間かせてもらった。乱れた市政がまかり通る有り様に開いた口がふさがらない。
●刑事事件はともかく民事事件で市民に実害が及ぶのが一番問題。市には実害がないと当局は言っているがそんな事はないと思う。市の言い分は本当にその程度のものなのだろうか?[本当にその程度のレベル]
●実害は利息を入れれば37億円では納まるまい![今回の11億とそれ以前の横領も含め50億は突破]
●一人で使いきれる額じゃない。多胡と関係した人物の特定は?[公判を通じて明らかにされると期待]
●市3役の一部給与(約462万円)半年間(6~11月)返上について市役所に聞いた。市は「一応給与の範囲なので一般会計に残す。余ったら来年度に繰り越される」と言う。一体何のために減給したの?
●百条委メンバーは意見がコロコロ変わる。もう一度百条委員一人一人の考えを市民の会でただすべきだ。
●今日参加してみて出席率が低いのでたまげた。この事件を熟知していて不参加なのか、関心がないのか、立場が微妙なので顔を出せないのか。いろいろ個人の事情があろうが、なぜ参加者が少ないのか不思議だ。
●市役所勤務の亭主をもつ職場の同僚が、腹が痛いとよく休みをとり平日ゴルフを夫婦でしている。役所はそんなに休みがとれるものなのか?しょっちゅう夫婦でゴルフできるほど余裕があるのだろうか?不思議なことがあるものだ。

――9月は磯部地区で地区座談会を開きます★毎晩7時半より★ぜひお出かけ下さい!――
 4日(月)上磯部公会堂
 7日(木)第2区公会堂
 8日(金)第3区公会堂
11日(月)第4区公会堂
13日(水)磯部公民館
15日(金)第14区公会堂
18日(月)第9区公会堂
20日(水)第10区公会堂
25日(月)大竹住民センター
26日(火)池田公会堂
―――次回定例集会9月9日(土)午後8時半~ 於:安中公民館―――

◎48億事件とそれを許した市当局や市議会に関するあらゆる情報は事務局又は連絡事務所へ!◎

詳報! 8月21日の事件初公判の傍聴概要(前編)
■事件の初公判が8月21日(月)午前10時に前橋地裁で倆かれた。まず検察官による起訴状朗読。
◆平成7年3月23日頃、961万2千円の借入手続きで、2億5千万円水増しした借入依頼書を公社理事長名義でワープロを使って作成。理事長印を押して依頼書1通偽造。同月27日頃、群銀安中支店で融資担当次長らに水増し金借入を申込む。同29日頃、群銀から予め入手した金銭消費貸借契約用紙に都市計画課で2億5961万2千円也とペンで記入。ゴム印で理事長名と市長名を押し、理事長印を押印。
◆同30日頃、秘書課秘書係長に市長公印を押させ、消費貸借契約証書と連帯保証契約証書各1通を偽造。同31日群銀支店で上記契約証書2通を一括提出。公社事業資金として借入手続きし、うち2億5千万円を特別会計の普通預金口座に入金してほしいと伝え、群銀に同日その口座に振込入金させて騙し取った。
◆罪名は有印公文書偽造・同行使・詐欺。刑法155条第1項、158条第1項、246条第1項。
■被告・弁護人は上記の控訴事実を全面的に認めた。続いて、被告人の経歴、公社・市の融資決裁手続きについて朗読後、犯行に至る経緯について検察官から次のような説明があった。
◆被告は市役所勤務当初から、安い給料に不満で派手な生活に憧れ大金を得る手段として競馬麻雀をする。都市計画課に異動し、昭和57年頃公社の経理を全部任され、群銀安中支店の公社普通預金通帳を管理し、年1回の公社監査で通帳が確認されないと知り、公社のカネを流用して競馬の資金に充てる事を思い立つ。
◆当時公社の口座には事務費として市から年30万円が振込まれていた。これを勝手に1回に2~3万円下ろしては競馬に使い、年に15万円余りの事務費を使い込んだ。昭和58年頃、事業が終了した際の土地代金が市から入金されるようになり、本来ならすぐに群銀に返済するのを数十万円から百万円単位で勝手に引き出し、競馬や贅沢品に使うようになっていた。
◆昭和60年頃になると、公社の群銀借入金の返済期限がくるようになったが、被告は既に勝手に使ったカネが4~5千万円に上り、これを返済しないと犯行がばれると思った。そこで公社の経理担当としての経験から正規借入書類の金額欄を水増しするのは簡単と考え、借入金額を水増しした偽造書類を銀行に出して、水増し資金を騙し取ることを計画。
◆最初、昭和60年3月31日、正規借入金393万9千円を1千万円水増しした借入申込書・金銭消費貸借契約書を偽造し群集から詐取。その後平成2年4月までに合計数回にわたり11億3千万円を公社正規口座に振込ませて詐取。勝手に引き落として使い込んだ。正規口座に水増し分を振込ませたので預金通帳を見られれば犯行は発覚したが、監査委員にも上司にも見られず長期間同じ方法で犯行を重ねた。
◆ところが平成2年4月上司に高橋係長が着任し、経理に明るく通帳を確認すると話したので、このままでは発覚すると思い、新たに特別会計口座を別口座として開設し、水増し分を振込ませることを計画。昭和60年頃公社と県企業局が古城団地の土地開発共同事業を行った時に特別会計口座を別に開設し企業局からの事業資金交付を受けたことからヒントを得た。平成2年4月16日に3万円を使って群銀安中支店に公社特別会計名義の預金口座を開設。以降13回にわたり現金約36億3千万円を騏し取り使い込んだ。
■被告の犯行の動機は次の通り。
◆平成7年3月頃、年度末で都市計画課から異動になる事を知ったので、水増し金を騙し取る最後の機会と思った。異動後もバレないように、できる限りカネを騙し取り特別会計口座に資金をプールし、利息返済に備えようと決心した。そして平成6年度の安中市の債務保証限度額一杯の2億5千万円を騙し取るため3月20日頃群集支店の次長らに信越線新駅周辺区域の開発事業費として2億5千万円を借り入れたいと下話をしておき23日頃正規の決裁を得るための961万2千円の借入申込書をワープロ作成。その決裁終了後、直ちに2億5千万円を水増しした同じ書類を作り理事長印を押捺。
◆これを群銀安中支店次長に示すと、次長には予め下話をされており、書類に正規の理事長印も押してあり、疑いを持たずに受領。銀行内の稟議に回し融資手続きを取った。次に被告は正規金額の貸借契約証書を作成。市財政課に回し市の決裁を受けた正規の市長印が押された書類は廃棄し、29日頃以前群銀から余分にもらっていた用紙に2億5千万円を水増しした金額を記入。理事長印を押して書類を作成し30日頃、市秘書課で秘書係長に対して他の期限変更書類に紛れ込ませて、この書類の保証人欄に市長公印を押してもらい、これを支店次長に提出。これまで通り水増し分を特別会計口座に入金するよう依頼した。群銀支店次長らは信用して、2億5千万円を同口座に振込んだ。
◆被告人は異動後も市長から引き続き公社の仕事を担当してくれと頼まれている、などとウソを話している。
◆水増し偽造書類の作成手口には、他の変更書類に混ぜて秘書係長に市長公印を押させる方法の他に、貸借契約証書の金額欄に余白を設けて決裁に回し、決裁後この金額の先頭の余白に水増し数字を書き加えて偽造する2通りの方法がある。
◆被告が平成3年4月以降、特別会計口座に振込ませたカネは約36億3千万円。このうち引出しだのは計251回約22億4千万円でこれらを龍馬麻雀などギャンブル、自宅、妻の経官する喫茶店、倉庫の建築費用、骨董晶の化合、株券、ゴルフ会員権、リゾートマンション、車の購入費、貴金属類などに使った。
◆平成7年5月19日、公社で同24日予定の監査を受けるため各銀行から借入残高証明書を取り寄せたところ、群銀安中支店からの借り入れ残高が公社の把握していた金額と37億円違っており不正が発覚。市長、群銀支店長・支店次長が相談のうえ市長から安中警察署へ公訴依頼があり本件が公になった。【続く】
**********

【ひらく会情報部・タゴ51億円事件18周年記念調査班】


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オンブズマンへの情報開示を遅らせて対応策に必要な時間稼ぎをする太田市の秘書室と広報課

2013-06-24 22:30:00 | オンブズマン活動
■とかく政治家は首長になると、時間が経過するに連れて、権限を持たされた椅子に座り慣れてしまい、まわりの役人がペコペコするものだから、偉くなった気になり、自分勝手に行動しはじめることが多いようです。勿論、常に選良の心をもって、民衆の為に尽力しようとする首長も少なくありませんが、群馬県の場合、他県に比べて間違った行動を起こすケースが多いようです。その背景には役所の職員が公僕としての心を忘れて、ルールよりも自分の保身を得ようとして、首長に媚びをうりたがる性向がうかがえます。太田市長による広報おおたの当選御礼挨拶記事を巡り、太田市長に情報開示請求を出していた市民オンブズマン群馬のメンバーに対して、太田市広報課がよこした補正通知は、そうした役所の上ばかり見ているヒラメ幹部職員の一端を垣間見せるものです。

毎日新聞記者によって公選法抵触の可能性が指摘された記事が載った広報おおたの配布中止前の表紙記事。刷り直して再発行した広報は次のURLを参照。
http://www.city.ota.gunma.jp/270kouhou/2013/files/0501.pdf


■このような役所のバリヤーに対して、市民オンブズマン群馬のメンバーは次の内容の補正書を6月24日に太田市役所に提出しました。

**********
               平成25年6月24日
太田市長 清水 聖義 様
(広報課)
          公文書開示請求人 (太田在住の当会メンバー)
     補 正 書
 請求人が、平成20年6月10日付で提出した公文書開示請求書について、貴殿から平成25年6月18日付で「公文書開示請求に係る補正について(通知)」が送られてきました。そのため、以下のとおり補正書を提出します。

1.はじめに

 今回の貴殿の補正通知では、請求人が請求目的として示した「マスコミ発表内容の確認(オンブズマン活動目的)」について、開示の請求に係る公文書の名称又は内容が特定できないとして、なぜ「マスコミ発表内容の確認」を請求人に求めるのか、その理由がわかりません。
 なぜなら、請求人は「開示の請求に係る公文書の名称又は内容」について、開示請求書に明記したからです。
 開示を請求した公文書はすべて貴殿が作成ないし受理して保有しているものですから、公務員ではない一般住民である請求人としては、どのような公文書が存在するのか、正確に公文書を特定できる術は持ち合わせていません。
 そもそも、他の大半の自治体では、開示請求の目的を問うことはしていません。請求人が請求した公文書の情報をどの様な目的で利用するかはそれぞれの請求人の都合に従って行えばよく、行政がそれに関与する必要は無いからです。
 群馬県内の主な自治体(県及び12市)のうち、利用目的の記述を求めていないのは、群馬県、前橋市、桐生市、沼田市、藤岡市、冨岡市、安中市、みどり市の8県市です。また、伊勢崎市は利用目的欄を設けていますが、記述するかどうかは任意となっています。
 他方、開示請求理由を申請書に記載するよう求めている自治体としては、太田市、高崎市、館林市、渋川市の4市だけです。
 以上のことを前提に、今回、貴殿からの補正通知に記された補正事項については、請求人がマスコミ報道で知りえた情報と、貴殿が記者会見を通じて発表したと思われる情報を対比させることにより、貴殿が記者会見で発表したと思われる情報内容と、請求人が必要とする行政情報が出来る限り一致させるための必要な補正と受け止めることにします。そのことにより、貴殿による開示情報の特定が、より請求人の請求する情報と合致ことが期待できると、請求人は考えているからです。

2.補正事項

 開示の請求に係る公文書の名称又は内容の特定について貴殿が条例で決められた期日内に行うことを可能にするため、請求人は貴殿の補正通知にもとづいて、次のとおり詳細資料を提出し、補正といたします。

(1-1)
東京新聞:平成25年5月2日付群馬版

記事の表題:
 市の広報紙で当選あいさつ 太田市長 公選法抵触か 回収
記事の文言:
 太田市の一日付広報紙に掲載した清水聖義市長のコラムが公職選挙法に抵触するおそれがあるとして、市が急きょ回収し、配布を中止していたことが分かった。問題箇所を変更し、十日に配布する。
 四月十四日に三選を決めた清水市長にとって当選後初の広報。自身が執筆するコラム「こんにちは市長です」に、「(投票の)約六割の支持を得て当選することができました。ありがとうございました」などと書いた。
 公選法一七八条は選挙後、文書を図画の配布や掲示などによるあいさつを制限している。県選挙管理委員会はこの広報紙について「一般的に言えば、法に抵触する可能性がある」としている→【請求人の請求理由】太田市選挙管理員会や広報の編集責任部署である秘書課と広報課が当該記事の内容について事前チェックをしたのかどうかを市長が記者会見でどのようにマスコミに伝えたのか検証するため。
 清水市長は「コラムはあいさつを目的にしているのではなく、率直な思いを伝えたかった。公選法規定については認識が甘かった」と説明している。 →【請求人の請求理由】4月30日もしくは5月1日に貴殿が東京新聞にこのように説明したというが、5月21日の記者会見でも、同様な説明をマスコミにしたのかどうかを検証するため。
 回収した広報紙は廃棄する。 →【請求人の請求理由】回収した広報紙を廃棄する予定だというが、実際にどのような方法で廃棄したのか(リサイクル業者に有償で引き取らせたのか、それともごみとして焼却処分したのか、など)を検証するため。
 再発行に使う経費は年間の制作費でやりくりするという。 →【請求人の請求理由】4月30日もしくは5月1日に貴殿が東京新聞にこのように説明したというが、5月21日の記者会見でも、同様な説明をマスコミにしたのかどうかを検証するため。
 広報紙はA3判タブロイドで毎月三回、新聞の折り込みや郵送などで八万三千五百部を発行している。 →【請求人の請求理由】新聞の折り込みを既に業者依頼して折り込み作業が済んでいたようだが、それがどんな業者何社に依頼していたのか、折り込みを依頼した部数はそれぞれ何部だったのか、またその費用はいくらだったのかを検証するため。また、郵便など(区長による手配りなどを含む)その他の方法で発送する部数は、それぞれどんな方法で何部ずつ発行しているのか、またその費用はいくらだったのかを検証するため。

(1-2)
東京新聞:平成25年5月22日付群馬版

記事の表題:
 広報紙追加経費 太田市長が負担 当選あいさつ掲載
記事の文言:
 太田市の広報紙に掲載された市長の連載コラムが公職選挙法に抵触するおそれがあるとして、市が広報紙を回収、再発行した問題で、清水聖義市長は二十一日、再発行に伴う追加負担が発生する場合、自らの報酬から補填する考えを明らかにした。 →【請求人の請求理由】貴殿が明らかにした際の発言内容を検証するため。
 清水市長は市役所で開いた定例記者会見で「市長選が終わったドタバタがあった」などと釈明し、「経費は当然私が負う」と述べた。 →【請求人の請求理由】貴殿が定例記者会見で釈明し、述べた内容を検証するため。
 市によると、今月末には再発行分の追加負担額や対応方法が決まるという。 →【請求人の請求理由】「市によると」とあるが、これは記者会見の席で、貴殿以外のどの事務事業担当部署の誰が発言した内容なのか、それとも、記者会見とは別に、貴殿以外のどの担当部署の誰が発言した内容なのか、を検証するため。また、なぜ再発行分の追加負担額や対応方法を決めるのに5月末まで要すると発言したのか、その根拠と理由を検証するため。

(1-3)
東京新聞:平成25年6月12日付群馬版

記事の表題:
 給与減で穴埋め 太田市長提案へ 広報紙回収問題
記事の文言:
 太田市の五月一日付広報紙が公職選挙法に抵触する可能性があるとして配布直前に回収、再発行した問題で、清水聖義市長は十一日の定例会見で、来年三月から一年間、自身の給与を毎月10%ずつ減額する考えを明らかにした。十二日に開会する六月定例会に条例改正案を提案する。 →【請求人の請求理由】貴殿は来年三月から向こう一年間の給与10%の返上で回収・廃棄と再発行に係る費用に充てるという提案を議会にするようだが、損害を出して急遽臨時に支出をした平成25年5月の時点から、損害の弁済を終えるまでの期間まで最長で1年9ヵ月に及ぶことになる。そのため、金利を5分として、弁済に十分な金額を給与10%ずつ1年間減額すれば住民の理解を得られると考えたのかもしれないが、その方法で問題ないのかどうか、自身のみならず、市の財政担当部署などとの協議を踏まえての減額及び弁済支払い条件なのかどうか検証するため。
 市によると、印刷や配送、回収など再発行にかかった費用は計百十八万二千八十六円で、一年間の市長給与の減額分は計百二十一万二千円に上る。 →【請求人の請求理由】「市によると」とあるが、これは記者会見の席で、貴殿以外のどの事務事業担当部署の誰が発言した内容なのか、それとも、記者会見とは別に、貴殿以外のどの担当部署の誰が発言した内容なのか、を検証するため。また、印刷や発送、回収など再発行にかかった費用の上記金額の内訳はそれぞれいくらなのか、さらに、市長給与の10%減額を1年間継続した場合に、合計して本当に上記金額になるのか、あるいは金利5分として見込んであるのか、また、弁済額が本来の損害額よりも少し多くして住民の理解を得ようとしているのか、その根拠と理由を検証するため。
 清水市長は会見で「世間を騒がせて申し訳ない。相当額について責任は負う」と話した。 →【請求人の請求理由】貴殿は「相当額について責任は負う」とマスコミに語ったようだが、同日の会見では、“市によると”「再発行にかかった費用」と「市長給与の減額分」については千円台まで確定したかのような金額が示されている。にもかかわらず「相当額」とマスコミに述べたとすれば、どちらをもって「相当額」と説明したのか、その内容と経緯を検証するため。
 清水市長は広報紙のコラムに四月の市長選の当選お礼を掲載。八万三千五百部を回収し、廃棄した。 →【請求人の請求理由】回収して廃棄した広報の部数が八万三千五百部に間違いないのかどうか検証するため。

(2-1)
読売新聞:平成25年5月2日付群馬版

記事の表題:
 当選お礼 広報配布中止 太田・清水市長 公選法抵触の恐れ
記事の文言:
 4月14日投開票の太田市長選で3選した清水聖義市長が、今月1日に新聞折り込みなどで全戸配布される予定だった市広報紙のコラムに当選のお礼を書き、公職選挙法に抵触する可能性があるとして、市は急きょ、配布を中止した。印刷済みの1日号(8万3500部)は廃棄し、コラムを替えて印刷し直し、10日に発行する。10日号は15日に配布される。 →【請求人の請求理由】「公職選挙法に抵触する可能性がある」と判断したことについて、誰がいつどういうふうに行ったのかを検証するため。また、太田市選挙管理員会や広報の編集責任部署である秘書課と広報課が当該記事の内容について事前チェックをしたのかどうかを市長が記者会見でどのようにマスコミに伝えたのかどうかを検証するため。さらに、新聞の折り込みを既に業者依頼して折り込み作業が済んでいたようだが、それがどんな業者何社に依頼していたのか、折り込みを依頼した部数はそれぞれ何部だったのか、またその費用はいくらだったのかを検証するため。また、郵便など(区長による手配りなどを含む)その他の方法で発送する部数は、それぞれどんな方法で何部ずつ発行しているのか、またその費用はいくらだったのかを検証するため。
 コラムには「当選することができました。ありがとうございました」と記載されていた。公選法では、自筆の新書などを除き、当選または落選についてあいさつする文書の頒布や提示が禁止されている。市選管は「配布されれば、公選法に抵触するおそれがある」としている。 →【請求人の請求理由】太田市選挙管理員会や広報の編集責任部署である秘書課と広報課が当該記事の内容について事前チェックをしたのかどうかを市長が記者会見でどのようにマスコミに伝えたのかどうかを検証するため。
 広報紙の再印刷で約120万円が余計にかかるが、市広報課は「次号以降、カラーを2色刷りにするなどして当初の予算の枠内で納めたい」としている。 →【請求人の請求理由】市広報課が4月30日もしくは5月1日に読売新聞にこのように説明したというが、5月21日の記者会見でも、同様な経緯説明をマスコミにしたのかどうかを検証するため。また、市広報課の「当初予算枠内云々」の見解は4月30日もしくは5月1日の何時に、読売新聞にどのような形で示されたのかを検証するため。さらに、再印刷で約120万円が余計にかかるという根拠をいつ誰がどのような機会に読売新聞に伝えたのかを検証するため。
配布前に終了してしまう行事も掲載されており、同課は関係各課や広告主に連絡した。市ホームページには1日、コラムを替えて掲載した。清水市長は「率直な思いを伝えたかっただけだが、公選法規定に関しては認識が甘かった」とコメントした。事前に内容を確認した市秘書課も気付かなかったという。 →【請求人の請求理由】刷り直した広報を配布する前に終了してしまう行事について、市広報課が関係部課や広告主に連絡したことに関連して発生した費用がいくらなのか、それがきちんと貴殿の弁済金額に反映されているのかどうかを検証するため。また、「公選法規定に関して認識が甘かった」という貴殿の発言があるが、それは「貴殿自身」だけなのか、それとも原稿をチェックする立場の広報課や秘書課のことも含めての意味なのかを検証するため。

(2-2)
読売新聞:平成25年5月23日付群馬版

記事の表題:
 太田の広報紙問題 市長自己負担意向
記事の文言:
 太田市長選で3選した清水聖義市長がコラムに当選のお礼を書いたため、公職選挙法に抵触する恐れがあるとして市広報紙8万3500部が廃棄処分となった問題で、清水市長は、無駄になった経費を自己負担する考えを示した。廃棄された広報紙の当初経費は約120万円で、市では印刷業者と協議して再発行にかかった経費を確定させ、市長給与の減額を市議会に提案するという。 →【請求人の請求理由】貴殿が考えを示した際の発言内容を検証するため。また、廃棄された広報誌の当初経費が約120万円であることを検証するため。さらに、市のどの部署がどこの印刷業者と協議をして再発行にかかった経費をいつまでに確定させて、太田市議会に市長給与の減額をいつ提案するのかについて、貴殿が読売新聞社に伝えた際の発言内容を検証するため。
 また市民オンブズマン群馬(小川賢代表)は22日、廃棄された広報誌の表紙が「清水市長のポスター同然になっている」として、清水市長に対し、編集方針や印刷経費の内訳など7項目をただす公開質問状を提出した。31日までに回答するよう求めている。

(2-3)
読売新聞:平成25年6月12日付群馬版

記事の表題:
 廃棄費118万円 市長負担 太田市広報 減給10%12ヶ月で
記事の文言:
 太田市長選で3選した清水聖義市長がコラムに当選のお礼を書いたため、公職選挙法に抵触する恐れがあるとして市広報紙が廃棄処分となった問題で、無駄になった経費を自己負担する考えを示していた清水市長は11日の定例記者会見で、経費を約118万円と確定し、自らの減給を12ヶ月間10%行うことで充当する考えを明らかにした。 →【請求人の請求理由】無駄になった幻の広報の経費を約118万円と計算し確定させたのはどの担当部署の誰なのか。貴殿はまた、12ヶ月間、自分の給与10%を返上して回収・廃棄と再発行に係る費用に充当するという考えを明らかにしたようだが、損害を出して急遽臨時に支出をした平成25年5月の時点から、損害の弁済を終えるまでの期間までは、少なくとも1年を遥かに超えることになる。そのため、金利を5分として、弁済に十分な金額を給与10%ずつ1年間減額すれば住民の理解を得られると考えたのかもしれないが、その方法で問題ないのかどうか、自身のみならず、市の財政担当部署などとの協議を踏まえての減額及び弁済支払い条件なのかどうか検証するため。
 無駄になった経費は、印刷費のほか、既に新聞に折り込まれていた広報紙の抜き取りや運搬の費用。 →【請求人の請求理由】無駄になった経費として、印刷費や新聞折り込みや運搬費用などを示しているが、これは市のどの部署の誰が読売新聞社にどのように説明したのか、その経緯と過程を検証するため。
 清水市長は国の求めに応じた職員の給与削減で、7月から来年3月まで9ヶ月間10%の減給を行う方針。広報紙の経費充当のため、4月以降も12ヶ月間継続し、減給期間は計21ヶ月となる。市長の減給は12日開催の6月定例会で、給与の特例条例案の一部として提案される。 →【請求人の請求理由】広報紙の経費充当で、12ヶ月間の減給期間でカバーしうるのかどうか検証するため。

(3-1)
毎日新聞:平成25年5月1日付群馬版

記事の表題:
 市広報に当選あいさつ 大田市長 法抵触? 配布中止
記事の文言:
 4月の太田市長選で3選を果たした清水聖義市長が5月1日発行の市広報紙に掲載したコラム「こんにちは市長です」に、公職選挙法で制限されている選挙後のあいさつ行為に当たる可能性がある記述が見つかり、市は30日、急きょ配布を中止した。
 清水市長はコラムの冒頭で「(投票率は低かったが)約8割の支持を得て当選することができました。ありがとうございました」などと書いた。公選法178条によると、個別訪問や集会などで選挙後のあいさつを行うことを禁じている。県選管は「一般論だが、自筆の親書による特定の人へのあいさつを除いて、不特定多数に対して文書で当選のあいさつをするのは法に抵触する恐れがある」としている。 →【請求人の請求理由】県選管のコメントに加えて、太田市選挙管理員会や広報の編集責任部署である秘書室と広報室が当該記事の内容について事前チェックをしたのかどうかを市長が記者会見でどのようにマスコミに伝えたのか検証するため。
 清水市長は毎日新聞の取材に「率直な自分の気持ちを書いただけで、公選法の規定を知らず違反の認識がなく軽率だった」と釈明した。 →【請求人の請求理由】4月30日もしくは5月1日に貴殿が毎日新聞にこのように釈明したというが、5月21日の記者会見でも、同様な釈明をマスコミにしたのかどうかを検証するため。
広報課は全世帯向けに8万3500部を印刷済みで1日の朝刊各紙に折り込む予定だったが、指摘を受けて配布を取りやめた。全て廃棄し、印刷し直して後日改めて発行する予定。 →【請求人の請求理由】回収して廃棄した広報の部数が8万3500部に間違いないのかどうか検証するため。また、回収した広報紙を廃棄する予定だというが、実際にどのような方法で廃棄したのか(リサイクル業者に有償で引き取らせたのか、それともごみとして焼却処分したのか、など)を検証するため。さらに、後日改めて発行する予定の広報の経費をどのように捻出する予定なのかについて、4月30日の取材時に貴殿もしくは広報課ないし秘書室がどのように説明したのかを検証するため。
 コラムは現在の形で10年以上続いており、清水市長自らが執筆し毎月3回の広報紙に毎回掲載している。秘書室で内容をチェックするが、今回は選管などへは問い合わせていなかったという。 →【請求人の請求理由】秘書室で広報記事内容をチェックするとあるが、なぜ今回選管などへは問い合わせなかったのか、今回に限らずチェックをしていなかったのかどうか、今回以外はクロスチェックをしていたのであれば、広報課や秘書室はかならず記事に関連する当該部署とどのように記事の内容の不具合を見つけ出す方法を取っていたのか、また、市役所内にはこうした編集の誤謬を防止するためのコンプライアンス室といったものがあるのかどうか、などを検証するため。

(3-2)
毎日新聞:平成25年5月22日付群馬版

記事の表題:
 広報紙再印刷費 太田市長負担へ
記事の文言:
 太田市の清水聖義市長が書いたコラムが公職選挙法に抵触する可能性があるとして市広報紙を作り直したことを巡り、清水市長は21日の記者会見で、再印刷により生じた経費分を自らの給料を減額することで責任を明確にする考えを明らかにした。 →【請求人の請求理由】貴殿が明らかにした際の発言内容を検証するため。
 問題になった5月1日号の広報紙は配布直前に8万3500部全てが廃棄処分され、コラム部分を差し替えて再印刷し10日に配布された。 →【請求人の請求理由】回収して廃棄した広報の部数が8万3500部に間違いないのかどうか検証するため。また、回収した広報紙を廃棄処分したというが、実際にどのような方法で廃棄したのか(リサイクル業者に有償で引き取らせたのか、それともごみとして焼却処分したのか、など)を検証するため。さらに、貴殿の修正原稿の脱稿から広報課・秘書室や選管による内容チェック、業者での再印刷作業委託から、再印刷され広報が5月10日の配布にいたるまで、どのように行われたかを検証するため。
広報紙の印刷は配送を含めて年間契約で業者に委託しており、1回増えた分の経費は業者との協議になるという。 →【請求人の請求理由】広報おおたの印刷・配送(新聞折り込みまで含むのかどうかについても要検証)は年間(1月1日・10日は合併号なので合計35回分か)一括契約で業者委託しているというが、どのような金額と条件で契約しているのか検証するため。また、今回1回増えた分の経費をどのように算定して業者と協議をするつもりなのか、貴殿あるいは広報課等が5月21日の記者会見でどのように説明したのかどうかを検証するため。
追加請求分が確定した時点で、市長給料の削減条例を提案するという。 →【請求人の請求理由】貴殿が定例記者会見で提案した市長給料の削減条例について、追加請求分が確定した時点と述べていることについて、具体的に述べた内容を正確に検証するため。

(3-3)
毎日新聞:平成25年6月12日付群馬版

記事の表題:
 太田市長給料 1年間10%削減へ 広報作り直し責任取り
記事の文言:
 太田市は11日、清水聖義市長の給料を来年4月から1年間にわたり10%削減する条例案を定例市議会に提案すると発表した。 →【請求人の請求理由】貴殿(=太田市?)は来年4月から向こう一年間にわたり給与10%削減する条例案の提案を議会にするようだが、損害を出して急遽臨時に支出をした平成25年5月の時点から、損害の弁済を終えるまでの期間まで最長で1年11ヵ月に及ぶことになる。そのため、金利を5分として、弁済に十分な金額を給与10%ずつ1年間減額すれば住民の理解を得られると考えたのかもしれないが、その方法で問題ないのかどうか、自身のみならず、市の財政担当部署などとの協議を踏まえての減額及び弁済支払い条件なのかどうか検証するため。
 清水市長が書いたコラムが公選法に抵触する可能性があるとして掲載された広報を作り直したことにより生じた出費の責任を取る。 →【請求人の請求理由】貴殿(=太田市?)が発表した広報作り直しにかかった出費責任の太田市(=貴殿?)が取るとする内容を検証するため。また、今回の広報表紙コラムが公選法に抵触する可能性があるとして余計な支払いを余儀なくされた責任の所在と検証するため。
印刷し直したことにより、当初分の回収費用などを含めて118万円が余計にかかった。減額分は1年間で121万2000円になり、同額に相当する。 →【請求人の請求理由】無駄になった幻の広報の経費を約118万円と計算し確定させたのはどの担当部署の誰なのか、余計にかかった118万円という数字が妥当なのか、その内容を検証するため。また、市長給料の減額分121万2000円が、印刷し直したことによる余計な出費と「同額に相当する」と発表した太田市(=貴殿?)の発言の内容を確認するために、市長給与の10%減額を1年間継続した場合に、合計して本当に上記金額になるのか、あるいは金利5分として見込んであるのか、また、弁済額が本来の損害額よりも少し多くして住民の理解を得ようとしているのか、その根拠と理由を検証するため。また、今回、原稿チェックを怠ったとされる秘書課や広報課など責任の所在の有無についても検証するため。
 市長給料は、地方交付税の減額に対応して今年7月から来年3月まで10%の減額も予定している。

(4-1)
朝日新聞:平成25年5月2日付群馬版

記事の表題:
 市長が当選謝意・・・広報発行中止 太田 公選法抵触のおそれ
記事の文言:
 4月14日の太田市長選で3選された清水聖義市長(71)が、1日発行予定だった市広報のコラムに書いた当選に謝意を示すあいさつ文について、市は外部から指摘を受けて公職選挙法に抵触すると判断、急きょ発行を差し止め、削除して印刷し直すことにした。
 市秘書室などによると、問題があったのは1日付けの市広報1面の市長コラム。 →【請求人の請求理由】「市秘書室など」とあるが、秘書室以外の関係部署を特定するため。
冒頭で選挙戦に触れ、「当選することができました。ありがとうございました」と記していた。

 公選法は、自筆の手紙などを除き、選挙期日後の当選のあいさつを目的とした文書の頒布を禁じている。広報は新聞折り込みなどで8万3500部を1日から配布予定だったが、4月30日に報道機関から公選法への抵触を指摘された。市は発行を取りやめ、新聞販売店などから回収した。 →【請求人の請求理由】外部の報道機関から公選法抵触を指摘され、広報発行中止の決定、新聞販売店などからの回収の指示が「市秘書室など」がとあるが具体的にどのような経緯で判断され、誰によって中止決定や回収指示がなされたのかを検証するため。なお、請求人の公開質問への5月30日付貴回答によれば、これらは「担当部長が判断したもの」ということなので、これに照らして検証するため。広報の新聞折り込みなどの部数「8万3500部」の内訳を検証するため。
 コラムは市長が執筆し、秘書室が点検したが、公選法に触れるという認識はなかったという。今号分の発行費用は約120万円。広報課は「次号以降の費用削減で対応したい」としている。10日に当該部分を削除して発行し直すという。 →【請求人の請求理由】、太田市の選管や広報おおたの編集責任部署である秘書室と広報課が当該記事の内容について事前チェックをしたのかどうか、公選法抵触の可能性がなぜ点検をすり抜けてしまったのか、などについて市長が記者会見でどのようにマスコミに伝えたのか検証するため。また、広報課が「次号以降の費用削減で対応したい。10日に当該部分を削除して発行し直す」という説明の背景には、印刷業者と既に追加契約と追加作業に関する対応のための協議を行っていることがうかがえる。したがって、その協議の経過がわかる議事録や追加契約内容や条件について検証するため。さらに、「今号分の発行費用」約120万円の内訳を検証するため。
 清水市長は「あいさつを目的とする者ではなく、率直な思いを伝えたかっただけだが、公選法規定に関しては認識が甘かった」とのコメントを出した。 →【請求人の請求理由】貴殿は5月1日までに朝日新聞にこのようなコメントを出したというが、5月21日の記者会見でも、同様なコメントをマスコミにしたのかどうかを検証するため。

(4-2)
朝日新聞:平成25年5月22日付群馬版

記事の表題:
 太田市広報 発行中止で無駄 市長、制作費負担へ 給与で
記事の文言:
 4月の市長選で3選を果たした太田市の清水聖義市長が、市の広報に当選への謝意を示すあいさつ文を書いて市が今月1日号の発行を差し止めた問題で、清水市長は21日、発行できず無駄になった費用について、「経費負担は私が負う。給与で対応することになる」と記者会見で表明した。 →【請求人の請求理由】貴殿が記者会見で表明した際の発言内容を検証するため。
 市によると、無駄となった金額は未確定だが、1日発行号の制作費は約120万円。市長給与を定める条例を改正し、給与を削減して対応するなどの手法があるという
 広報は新聞折り込みなどで8万3500部を1日に配布予定だったが、4月30日に報道機関から公職選挙法への抵触を指摘された市が発行を取りやめた。

(5-1)
上毛新聞:平成25年5月1日付社会面

記事の表題:
 太田市長 広報紙で当選あいさつ 発行差し止め 「公選法違反」指摘受け
記事の文言:
 4月14日投開票の太田市長選で3選した清水聖義氏(71)が、1日付の市広報紙のコラムに「当選することができました。ありがとうございました」と書いていることが30日、分かった。報道機関から公職選挙法に違反する可能性について指摘を受け、市は同日、急きょ発行を差し止めた。公職選挙法は自筆の手紙などを除き、当選のあいさつを目的として不特定多数の有権者に向けた文書の配布などを禁じている。市選管は「今回のケースは規定に抵触する可能性がある」としている。 →【請求人の請求理由】太田市選管や広報の編集責任部署である秘書課と広報課が当該記事の内容について事前チェックをしたのかどうかを市が記者会見でどのようにマスコミに伝えたのか検証するため。
 問題の記述があるのは広報紙の1面に掲載予定だったコラム「こんにちは 市長です」。すでに8万3500部が刷り上がり、1日から新聞折り込みやメール便、市有施設で市民に配布する予定だった。 →【請求人の請求理由】新聞の折り込みを既に業者依頼して折り込み作業が済んでいたようだが、それがどんな業者何社に依頼していたのか、折り込みを依頼した部数はそれぞれ何部だったのか、またその費用はいくらだったのかを検証するため。また、メール便その他(区長による手配りなどを含む)の方法で発送する部数は、それぞれどんな方法で何部ずつ発行しているのか、またその費用はいくらだったのかを検証するため。
 清水氏は上毛新聞社の取材に対し、「規定を知らずに書いてしまった。軽率だった」と説明。事前に原稿を確認した市秘書室も「チェックが甘く、不勉強だった」としている。 →【請求人の請求理由】4月30日に貴殿が上毛新聞に上記のように説明したというが、5月21日の記者会見でも、同様な説明をマスコミにしたのかどうかを検証するため。また、広報の編集責任部署である秘書課と広報課等は、、事前チェックを通常どのようにしていて、今回なぜチェックが甘く不勉強だったのかを、このあとの5月21日の記者会見の場において同様にマスコミに伝えたのかどうかを検証するため。
 同市の広報紙は計3回発行。市広報課は1日号をすべて破棄し、近く問題部分を差し替えた別号を発行する。1号当たりの印刷経費は約120万円。同課は「次号以降のページ数を調整し、予算の中で対応したい」と話している。 →【請求人の請求理由】回収した広報紙1日号すべて廃棄する予定だというが、実際にどのような方法で廃棄したのか(リサイクル業者に有償で引き取らせたのか、それともごみとして焼却処分したのか、など)を検証するため。また、広報課は4月30日に上毛新聞に上記のように「次号以降のページ数を調整して予算の中で対応したい」と説明したというが、5月21日の記者会見でも、同様な説明をマスコミにしたのか、あるいはなぜ市長に全額負担させることになったのかその経緯を検証するため。

(5-2)
上毛新聞:平成25年5月22日付群馬版

記事の表題:
 太田市長 給与減らし 損失穴埋めへ 当選お礼広報 差し止め
記事の文言:
 太田市の清水聖義市長が市長選当選のお礼を市広報のコラムに書き、公職選挙法に抵触する可能性があるとして急きょ発行を差し止めた問題で、清水市長は21日の定例会見で、広報紙の廃棄に伴う損失額について「当然、その経費は私が負うつもりだ」と話し、給与を減額して穴埋めする考えを示した。 →【請求人の請求理由】貴殿が明らかにした際の発言内容を検証するため。
 市広報課によると、月3回発行される広報紙の1号当たりの印刷経費は約120万円。清水市長は損失額が確定次第、市長給与から損失額を削減する条例改正案を市議会へ提出する方針。 →【請求人の請求理由】印刷経費約120万円の内訳を検証するため。また、損失額相当を市長給与の削減で充当する方針について、貴殿が発言したものなのか、それとも、貴殿以外の広報課あるいは秘書室、あるいは担当部長の誰が発言したものなのかを検証するため。
 問題の記述があった5月1日号は8万3500部が印刷済みとなっていたが、配布前にすべて廃棄。問題部分を削除して再度印刷し、同月10日に配布した。 →【請求人の請求理由】印刷墨の広報部数が8万3500部であることを検証するため。また、回収した広報紙1日号は配布前に全て廃棄したというが、実際にどのような方法で廃棄したのか(リサイクル業者に有償で引き取らせたのか、それともごみとして焼却処分したのか、など)を検証するため。

(5-3)
上毛新聞:平成25年6月12日付群馬版

記事の表題:
 広報紙差し止めで市長給与1年削減 太田市
記事の文言:
 太田市の広報紙差し止め問題で、清水聖義市長は11日の定例会見で「(広報紙の廃棄に伴う)相当額について責任を負いたい」と述べ、市長給与を来年4月から1年間10%削減する方針を明らかにした。 →【請求人の請求理由】貴殿は来年4月から向こう1年間の給与10%削減で広報5月1日号の回収・廃棄と再発行に係る費用に充てるという方針を明らかにしたというが、損害を出して急遽臨時に支出をした平成25年5月の時点から、損害の弁済を終えるまでの期間まで最長で1年11ヵ月に及ぶことになる。そのため、金利を5分として、弁済に十分な金額を給与10%ずつ1年間減額すれば住民の理解を得られると考えたのかもしれないが、その方法で問題ないのかどうか、自身のみならず、市の財政担当部署などとの協議を踏まえての減額及び弁済支払い条件なのかどうか検証するため。 地方交付税削減に伴い、12日開会の市議会へ提案する一般職員と特別職の給与削減に関する特例条例案に、来年3月までと定めた市長の給与削減を4月以降も1年間延長する形で条文に盛り込む。
 市広報課によると、今回の広報差し止めと再発行にかかった全体の経費や約118万円。市長給与を1年間10%削減すると約121万円になるという。 →【請求人の請求理由】「市広報課によると」とあるが、これは記者会見の席で、広報課の誰が発言した内容なのか、それとも、請求人の公開質問への5月30日付貴回答によれば、これらは「担当部長が判断したもの」ということなので、広報課や秘書室を統括する企画部のような上位部署の部長の誰が上毛新聞に説明したのか、またその声明の内容を検証するため。
 清水市長は5月1日号の広報紙のコラムに市長選当選のお礼を書き、公職選挙法に抵触する可能性があるとして急きょ発行を差し止めた。8万3500部が印刷済みとなっていたが、配布前にすべて廃棄。問題部分を削除して再度印刷し、同月10日に配布した。
                    以上
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■なお、6月25日(火)朝9時ないし9時半から太田市長とこの件で、市民オンブズマン群馬の代表が直接面談するはずでしたが、太田市秘書課からドタキャンの連絡が先週あったばかりでした。それに続く今回の太田市広報課からの意味不明な補正通知は、よほどこの件についてオンブズマン側に知られたくない事情が太田市役所側にあることを示しているようです。

 オンブズマンでは、太田市役所がこの件でどのような対応をとるのか注目していきたいと考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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