市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

台湾のワクチン調達を妨害する中共政府に抗して、日本が台湾にワクチンの迅速提供を実行できるか注目

2021-05-29 09:17:00 | 国内外からのトピックス
■5月27日(木)午後4時に予約してあった新型コロナウイルスワクチンの接種をしました。事前に説明書を渡され、重要な事項について医師から直接説明を聞いたうえで、利き腕でない側の上腕三角筋への筋肉注射で、刺した時の感触はしましたが痛みは全く感じませんでした。接種後、15分間別室で休息し、体に変調が出ないことを確認後、1回目の接種証明が貼られた接種票を返してもらいました。接種後の注意として、接種部位をもんだり、つまみ上げたりしないことをアドバイスされました。また、当日は入浴しても構わないが、激しい運動は避けるように、ということです。翌日、注射した部位とその周辺が若干腫れぼったい感じで、触ると軽い痛みのようなものを感じましたが、現在はほとんど気にならなくなりました。2回目の接種は6月17日(木)午後4時の予定です。
※接種前に渡される説明書 ZIP ⇒ 672212_631341da1025_20_001rmpm.zip

1回目の接種の模様。


接種券に貼られた1回目のワクチン予防接種済証(臨時)。臨時とはいえ、いちおう英語でも表記されているので、これを黄熱病のようにパスポートと一緒に出入国時の検疫手続にも活用できるのでは。

■地元安中市内の65歳以上の友人、知人からも、「先週接種した」とか「きのう接種を終えた」などと、ちらほら1回目の接種完了情報が入るようになりました。しかし、最近の変異株は若い世代のかたで基礎疾患がなくても重症化するケースが増えているなどと報じられており、将来の短い高齢者よりも本来は若い世代の皆さんの接種を優先すべきではないか、と筆者は思うところです。

 一方、これまでコロナ感染をほぼ完ぺきに抑えてきた台湾で、5月に入り新型コロナの変異株による感謝者数が急拡大していることについて、筆者は心を痛めていますが、昨日、明るいニュースが報じられました。なんと、日本政府が台湾に対してワクチン供給支援を検討しているというのです。

 日本の役所や政治家には、「検討する」という言葉を、とりあえずその場を凌ぐために多用する性癖があります。なので、今回のワクチン供給支援が、在来の延長線にある「検討」事項にはならないように、強く期待したいと思います。

■さっそく報道記事を見てみましょう。


**********産経新聞2021年5月28日05:00
<独自>政府、台湾へのワクチン供給支援を検討

英アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスワクチン(同社提供)
 政府が新型コロナウイルスの感染拡大でワクチンの確保が課題になっている台湾に対し、国内供給用に調達する英製薬大手アストラゼネカのワクチンの一部を提供する方向で検討していることが分かった。複数の政府・自民党関係者が27日、明らかにした。日本国民への接種は他社製でまかなえる量を確保しており、影響はない見通し。日本と台湾は大規模災害などの際に相互に助け合っていることも踏まえ、今回は緊急措置として支援が必要と判断した。
 政府内では、ワクチンを共同購入して途上国にも分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」を通じて台湾に供給する案が浮上している。今後、台湾当局から必要な供給量や提供時期などを聞き取った上で詳細をつめる。早ければ来月にも提供の実現を目指す。
 台湾の蔡英文総統は26日、一部の海外製薬会社からのワクチン購入に関し、中国の介入で今も契約できていないことを明らかにした。感染が急拡大する中、中国の妨害の影響もあり、人口約2300万人に十分なワクチンを早期に調達することが困難になっている。
 政府は米製薬大手ファイザーのワクチンを年内に1億9400万回分(9700万人分)、米製薬会社モデルナ製を9月までに5千万回分(2500万人分)契約した。両社のワクチンだけで約2・4億回分(約1・2億人分)となり、16歳以上の接種対象者のほぼ全員分を確保している。
 一方、アストラゼネカ製については、年内に1億2千万回分(6千万人分)の供給契約を結んだが、海外で接種後にまれに血栓が生じる事例が報告され、当面公的接種の対象外となった。今後も使い道が決まらなければ、保存期間を迎える可能性も出ている。
 日台の相互支援の歴史は長い。平成23年の東日本大震災では、台湾から日本への義援金が200億円超にのぼった。昨年4月、新型コロナの感染拡大に伴うマスク不足の際には台湾から医療用マスク200万枚が送られた。
 2016年の台湾南部地震では、日本政府が100万ドル規模の支援を表明した。18年の台湾東部地震では、行方不明者の救出を支援する専門家チームを派遣した。

==========産経2021年5月27日08:12
台湾総統、ワクチン購入妨害で中国を批判



26日、台北市の民主進歩党本部で話す蔡英文総統(同党提供・共同)
【台北=矢板明夫】27日付の台湾紙によると、蔡英文総統は26日に開かれた与党、民主進歩党の会合で、新型コロナウイルスのワクチン購入について「私たちはドイツのメーカーとの交渉がほぼ完了していたが、中国の介入により契約できなかった」と話し、中国の妨害活動を批判した。
 報道によると、台湾側は、ドイツのバイオ企業ビオンテックと交渉していたが、同社とすでに契約済みの中国の「上海復星医薬」が、中国本土や香港、マカオだけでなく台湾での販売代理権も自分たちが有している-などと介入。ビオンテック側が台湾との契約を見送った状態だという。
 台湾では5月中旬以降、新型コロナの感染が急拡大したため、ワクチン不足が大きな問題になっている。人口約2300万人のうち、これまでに購入したワクチンは約70万回分だけ。中国が台湾に自国製ワクチンを提供する意向を示しており、親中派の野党、中国国民党も「中国から購入すべきだ」と主張している。
 これに対し、陳時中・衛生福利部長(衛生相)は26日、中国製ワクチンについて「怖くて使えない」と安全性に懸念を示し、拒否する考えを明らかにした。

**********毎日新聞2021年5月28日0:59
アストラゼネカ製ワクチン 政府、台湾へ一部提供を検討

英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン=AP
 英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、日本政府が調達分の一部を台湾に提供する検討をしていることが分かった。台湾はワクチン調達が進まず中国と摩擦を起こしており、日本からのワクチン提供により、中国に対抗する狙いもありそうだ。
 ロイター通信などによると、台湾はアストラゼネカ社、米モデルナ社と供給契約を締結したものの、供給不足で接種が進まず、感染が急速に拡大。台湾は米ファイザー社と共同開発した独ビオンテック社とも交渉を進めていたが、蔡英文総統は26日、「中国の介入のために今も契約ができていない」と中国当局の妨害があったとしている。
 日本政府はアストラゼネカ社と1億2000万回分の供給契約を締結。21日に薬事承認し、同社は9000万回分を国内生産する方向だ。欧州でごくまれな副反応として血栓症が報告されたことから、国内での使用方法は定まっていない。
 政府は国内外での活用を探っており、台湾への提供について具体的な手法の検討に着手。アストラゼネカ社との供給契約には、接種後に健康被害が起きた場合の賠償を日本政府が肩代わりする内容が含まれているため、台湾に提供した場合の責任の所在が課題となる。
 政府はさらに、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(37カ国・地域を担当)を通じて太平洋の島しょ国にアストラゼネカ製ワクチンを提供することも検討。世界中の途上国などに提供する国際枠組み「COVAX(コバックス)」と合わせ、3ルートでの調整を急ぐ。【阿部亮介、堀和彦、横田愛】

**********ロイター2021年5月28日11:13
台湾にアストラゼネカ製ワクチン供与を、自民党が政府に提言へ

5月28日 自民党は午前、外交部会で台湾情勢などを議論し、英アストラゼネカ製など日本が確保した新型コロナワクチンの一部を台湾に提供する案を了承した。写真は5月20日、台北の医療機関で撮影(2021年 ロイター/Ann Wang)
[東京 28日 ロイター] - 自民党は28日午前、外交部会で台湾情勢などを議論し、英アストラゼネカ製など日本が確保した新型コロナワクチンの一部を台湾に提供する案を了承した。党内の手続きを経て、政府に提言する。
 新型コロナの封じ込めに成功していた台湾は、このところ感染者が急拡大。人口約2300万人のうち、ワクチン接種率は1%程度にとどまっている。
 部会長の佐藤正久参議院議員は会合後に記者団に対し、「アストラゼネカ社(のワクチン)を早急に台湾に供与すべき」と語った。「日本はマスクが足りない時に、台湾から大きな飛行機2機が満杯になるくらいのマスクをもらっている。困ったときの相互支援という観点からもワクチン供与はできるだけ早く実現したい」と述べた。
 産経新聞と毎日新聞は28日、政府がアストラゼネカ製ワクチンの一部を台湾に提供することを検討していると報じた。
 佐藤部会長は「提言の方向と合っている。事実であれば非常にいい」と語った。

**********BBCニュース2021年5月28日
台湾が板ばさみ 中国からワクチンを受け取るか、政治的立場を守るか

台湾で新型ウイルスワクチンを接種した人はごく一部だ。写真は新北市の病院で英アストラゼネカ製ワクチンの接種を受ける医療従事者(5月20日)
 新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めてきた台湾がいま、初めて深刻なアウトブレイクに見舞われている。
 台湾は市民を守ろうと、必死に新型ウイルスワクチンを探している。巨大な影響力を持つ中国も支援を申し出ている。
 この状況が、台湾の指導者を板ばさみにしている。台湾は、その自治権を失うことを望む国から援助を受けるべきなのか。
 言い換えれば、新型ウイルス対策は政治よりも重要なのか。
 今のところ、台湾は中国政府にノーを突きつけている。

正式な独立を声高に主張する台湾人もいるが、ほとんどの人は中道的な立場だ。写真は独立賛成派のデモ(2018年10月20日、台北)
 今月中旬までは、台湾はこうしたジレンマは抱えていなかった。累計感染者数はわずか1500人、死者数は12人にとどまっていたからだ。
 ところがその後、感染者が急激に増え始め、27日だけで13人が死亡した。
 台湾ではワクチン接種を完了して新型ウイルスから守られている人はほとんどいない。
 今週までに確保したワクチンは約70万回分だけ。接種を受けた人は、人口約2300万人のたった1%だ。

新型ウイルスの感染者の急増を受け、路上で消毒剤を散布する防護服姿の兵士(5月27日、新北)
★中国がワクチン提供の意向
 台湾当局は、感染者の急増に対処するにはより多くのワクチンを、早急に確保する必要があることに気付いた。
 陳時中・衛生福利部長(保健相に相当)は25日、6月中に200万回分が、8月末までに1000万回分のワクチンが到着すると発表した。
 「台湾はワクチン接種の拡大に努めており、輸入ワクチンが続々と到着している」と、蔡英文総統はツイートした。
 ただ、台湾は遠くに助けを求める必要はない。
 中国側の報道官らは、同国が台湾に必要なワクチンを供給する意思があると明らかにしているからだ。
 だが、台湾にとってこの提案に「イエス」と答えるという決断は、政治的に簡単に下せるものではない。台湾と中国が政敵であることがその理由だ。
 台湾の指導者たちは台湾の独立性を高めることを望んでいるが、中国はこれに強く抵抗している。
 中国は台湾を自国の領土の一部と考えており、台湾と中国大陸を統一したいと考えている。そして、こうした立場を受け入れるよう、台湾や世界に圧力をかけている。
 イギリスの東洋アフリカ研究学院(SOAS)のスティーヴ・ツァン教授は、台湾が抱えるジレンマについて説明した。
 ツァン教授によると、ワクチン提供をめぐっては、中国側に失うものはなく、台湾に勝ち目はない状況だという。
 もし台湾が中国製ワクチンを受け入れれば、中国政府が台湾指導者よりも台湾人に気を配っているように見られかねない。
 しかし、台湾が中国製ワクチンを拒否すれば、台湾政府は市民の健康を軽視しているように思われるかもしれない。
 後者の場合、「台湾の印象は非常に悪くなるおそれがある」と教授は述べた。
★中国の提案受け入れるよう圧力も
 蔡総統には中国の提案を受け入れるよう圧力がかかっている。

台北市内の疾病対策センター(CDC)前で、台湾政府に中国製ワクチンを受け入れるよう求める人々(5月24日)
 野党・中国国民党の洪秀柱氏は最近、真の敵は新型ウイルスであり中国政府ではないとし、中国製ワクチンをできるだけ早急に受け入れるよう蔡総統に求めた。
 同様のメッセージは、ほかの人たちも発信している。
 一方、中国国営メディアは蔡氏の苦しい立場を強調することで、台湾への圧力を強めている。
 国営紙・環球時報は蔡氏が中国の親切心と、ワクチン接種を求める台湾人の声を無視していると非難する記事を掲載した。
 蔡氏は自身の立場を強めようと、こうした主張に反論している。
 26日には、米ファイザー/独ビオンテック製ワクチンの供給確保のための交渉を中国が妨害したと述べた。
 「我々は、台湾にワクチンを届けるための我々の活動に対する、外部からの干渉は受け入れない。そして、ワクチン供給を政治的目的に利用しようとする試みも受け入れない」
 蔡氏は中国について、助けてくれるのではなく邪魔をしてくる存在だと主張している。
 ツァン教授は、ワクチンをめぐるジレンマをどう解決しようとも、蔡氏はこの難局を乗り切るだろうと考えている。
 多くの台湾人が中国製ワクチンの安全性や有効性を懸念し、接種を望んでいないことが、そう考える理由の1つだ。
 教授はまた、現在は対処可能な状況にあるとした。
 「台湾が現時点で我々の心を捉えているのは、非常にうまく(新型ウイルスに)対処した前例があるからだ」
 この成功例が感染状況を比較的小さく抑え、ワクチン問題が長期に及ぶ政治的ダメージを蔡氏に与えるのを防ぐはずだと、ツァン教授は述べた。
(英語記事 Taiwan must choose between virus and politics
URL ⇒ https://www.bbc.com/news/world-asia-57246914

**********時事2021年05月28日17:11
政府、台湾へのワクチン提供検討 アストラ製、コロナ感染拡大で

マスクを着用して歩く男性=21日、台北(EPA時事)
 政府が、供給契約を結んでいる英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンについて、台湾への一部提供を検討していることが28日、分かった。台湾は感染が急拡大する中、ワクチン調達は難航しており、速やかな支援が必要と判断した。
 政府は、同社から6000万人分のワクチン供給を受ける契約を締結。ただ、接種後ごくまれに血栓が生じる事例が海外で報告されており、日本国内では当面接種の見合わせを決めている。
 このため、国内外での活用方法を検討しており、政府関係者は「ワクチンの有効期限もあるので、(供給先が)台湾ということもある」と指摘。今後、国際枠組み「COVAX(コバックス)」を通じた提供も含め、具体的な調整を急ぐ。
 これに関し、加藤勝信官房長官は同日の記者会見で「国内の接種対象者の数量を上回るワクチンの他国・地域への供給の在り方を早急に検討したい」と表明。茂木敏充外相も「東日本大震災の時、台湾はいち早く支援してくれた」と述べ、前向きに対応する考えを示した。
 台湾側は調達難航の理由について、中国が障害になっているとの見方を示している。日本側のワクチン提供は、中国に対抗する狙いもありそうだ。

**********フォーカス台湾2021年05月28日17:24
日本が台湾にワクチン提供検討 陳指揮官「もちろん歓迎」早期の実現望む

中央感染症指揮センターの陳時中指揮官=同センター提供
(台北中央社)日本政府が英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを台湾に提供する方向で検討していると一部日本メディアで報じられたのを受け、中央感染症指揮センターの陳時中(ちんじちゅう)指揮官は28日午後の記者会見で、ワクチンが台湾に入ってくることは「もちろん歓迎する」と述べ、「時期は早いほうがいい」と早期の実現を願う考えを示した。
 産経新聞は28日付で、複数の日本政府・自民党関係者の話として、日本政府が国内供給用に調達するアストラゼネカのワクチンの一部を台湾に提供する方向で検討していることが分かったと報じた。早ければ来月にも提供の実現を目指すと伝えた。
 茂木敏充外相は28日午後の記者会見で、台湾へのワクチン提供について、東日本大震災発生時に台湾からいち早く義援金が寄せられたことに言及した上で、台湾のワクチンの生産体制が「7月くらいにはかなり整ってくると思うが、それ以前の段階ではワクチンが不足している状況にあると思う」とし、生産地の状況や日本との関係などを考えながら「しっかり検討していきたい」と述べた。
(張茗喧、江慧珺/編集:名切千絵)

**********NHK News Web 2021年5月28日23:07
“台湾へのワクチン提供を検討” 茂木外相

 新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、茂木外務大臣は、国内の接種対象を上回る分はほかの国、地域へ提供していくとして、台湾への提供も検討する考えを示しました。
台湾では、5月中旬から新型コロナウイルスの感染が急拡大し、ワクチン接種の加速が課題となっていますが、蔡英文総統は、先に、海外の製薬会社からのワクチンの調達が中国の妨害でさらに難しくなっていると主張しました。
 これに関連して茂木外務大臣は記者会見で「あらゆる国、地域で、安全で有効なワクチンへの公平なアクセスが確保されることが重要だ」と述べ、国内の接種対象を上回る分のワクチンについては、ほかの国・地域に提供していきたいという考えを示しました。
 そのうえで「台湾は東日本大震災の際、いち早く義援金を募り、さまざまな支援をしていただいた。台湾のワクチンの生産体制は7月にはかなり整ってくると思うが、それ以前の段階では不足している状況にあると思う。しっかり検討していきたい」と述べました。
★加藤官房長官 「ワクチンへの公平なアクセス重要」
 加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「日本としては、あらゆる国と地域において、安全で効果的なワクチンへの公平なアクセスが確保されることが重要だと考えている」と述べました。
 そのうえで、国内では、当面、ファイザーとモデルナのワクチンで、必要な数量がまかなえる見通しになっているとして、それを上回る分のワクチンをほかの国や地域に供給することを検討する考えを示しました。
 日本が契約しているワクチンのうち、アストラゼネカのワクチンは、極めてまれに血栓が生じるリスクがあると指摘されていることから、厚生労働省は、当面、公的な接種に使わず、推奨する年齢などを慎重に検討する方針です。
★台湾 外交部がコメント「心から歓迎し感謝する」
 これについて、台湾の外交部が28日夜「心から歓迎し、感謝する」というコメントを発表しました。
 外交部は「日本が自国の感染状況も厳しい中で、進んで台湾への温かい配慮を示したことは『まさかの時の友こそ真の友』という得難い友情を存分に発揮するものであり、台湾の人たちは大いに鼓舞された」としています。

**********日経2021年5月29日5:00
台湾へのワクチン提供へ交渉 政府、アストラ社と

英製薬大手アストラゼネカが開発したワクチン=ロイター
 政府は英製薬大手アストラゼネカが開発したワクチンの調達分の一部を台湾に供給できるよう同社と交渉を始めた。ワクチン調達が進んでいない台湾への緊急支援をめざす。政府はアストラゼネカと海外に譲渡できない契約を結んでおり、同社の了解を得る必要がある。
 日本政府は米ファイザーと米モデルナのワクチンで約2.4億回分(約1.2億人分)を確保している。アストラゼネカとは1.2億回分の供給契約を結んだ。21日にアストラゼネカのワクチンを薬事承認したが、日本国内の公的接種の対象から当面外す方針だ。
 加藤勝信官房長官は28日の記者会見で「国内の接種対象者の数量を上回る分のワクチンは、他の国・地域への提供について早急に検討する」と述べた。茂木敏充外相は対象国・地域に関し「日本との関係なども考えながら検討していきたい」と説明した。
 日本政府によるとアストラゼネカとの契約はワクチンの他国への譲渡を認めていない。国同士の横流しを防ぐ目的だという。厚生労働省が同社と台湾への供給実現を念頭に契約内容の修正交渉を進める。
 日本政府は米欧などと連携し、ワクチンを途上国に無償で分配する枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」を重視してきた。各国が拠出額を出し合い、ワクチンを調達する。
 台湾へのワクチン供与を巡っては、自民党の外交部会などが日本政府に対応を促す。28日の会合で示した台湾政策全般をめぐる提言案にも盛り込んだ。
 提言案は外交部会の台湾政策検討プロジェクトチーム(PT)が作成した。台湾が環太平洋経済連携協定(TPP)に参加するよう日本政府に働きかけを求めた。日台間の海上保安連携の強化も取り上げた。

**********東京新聞2012年5月29日
アストラ製日本契約分 台湾に一部提供へ
 成宇は、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、契約分の一部を台湾に提供する方向で検討に入った。東日本大震災の際に手厚い援助を受けた経緯などを踏まえ、ワクチン調達が難航する台湾を支援する狙い。茂木敏充外相は二十八日の記者会見で「我が国との関係を考え、しっかり検討していきたい」と表明した。
 政府が六千万人分を契約済みのアストラゼネカ製は二十一日に特例承認されたが、まれに血栓の副反応が海外で報告された例もあり、当面は国内で使わない方針。政府は、米ファイザー製と米モデルナ製で十六歳以上の全国民に必要な量を契約できたとしており、国内のワクチンに不足は生じない。
 台湾の蔡英文総統は二十六日、ドイツのバイオ企業ビオンテックが開発したワクチン購入で契約寸前に至ったものの「中国の介入で今も契約できていない」と訴えた。台湾紙は、中国の干渉によって別の交渉も絶たれたと報じている。
 日本が台湾を正式な国家として承認していないことや、中国への刺激を抑える観点から、民間の企業や団体を介した提供を模索している。
 ワクチンを途上国にも行き渡らせることを目指す国際枠組み「COVAX(コバックス)」は今回、通さない方針だ。
**********

■記事にもあるとおり、日本政府が迅速な対応として、台湾にワクチンの供給支援をすれば、これまでの台湾の皆さんの我が国に対する温かい支援に少しでも報いることができます。菅政権には1日でも早く、1つでも多くのワクチンを台湾に届けるよう、全力を尽くしていただきたいと強く希望しています。

【群馬県台湾総会書記からの報告】

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7月8~14日にWEBで開催!2年ぶりの台湾フェアin群馬2021…乞うご期待!

2021-05-26 23:33:00 | 国内外からのトピックス
■2016年からスタートした台湾フェアin群馬。回を重ねるごとに、群馬県民の皆様に親しまれており、「今年はいつ開催?」と訊かれる機会が増えた矢先、昨年は中共由来の武漢肺炎ウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大のため、中止せざるを得ませんでした。それから1年。新型コロナ禍で、経済社会の在り方が揺れ動く中、群馬県台湾総会では、渡航できなくても何とかして群馬県民の皆様に台湾の最新事情と日台交流の歴史と今後についてお伝えすべく知恵を絞って参りました。その結果、WEB方式を取り入れて7月8日(木)から14日(水)にかけて、「WEB台湾フェアin群馬2021」を開催することに決定しました。現在、コンテンツのさらなる充実に向けて、群馬県台湾総会会員一同、総力を挙げて取り組んでいます。ぜひご期待ください!

2年前の令和元年7月5・6日に開催された台湾フェアin群馬2019のポスター

【6/25お詫び】
 この記事は、5月26日に一旦掲載しましたが、その後、一部のマスコミで、このブログ情報をもとに6月4日付で記事化したところ、群馬県から群馬台湾総会に対し、山本一太知事の意向として、サプライズを演出する必要があるため、事前公表を控えてほしいとの要請が寄せられました。
 そのため、6月5日から一旦掲載停止を余儀なくされましたが、このほど、公表できる状況になったことが確認できたため、掲載を再開することとしました。
 ご心配をおかけした読者の皆様に対し、この場をお借りしてお詫び申し上げます。


 これまでの台湾フェアin群馬についての記事は以下のとおりです。
○2016年7月10日:7月8日(金)~10日(日)に県庁1階県民ホールで「台湾フェアin群馬」が開催されます!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2027.html
○2016年7月12日:台湾フェアにお越しくださった1万人余りの皆様に厚く感謝もうしあげます。
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2087.html
○2017年7月15日:昨年大盛況だった台湾フェア・・・今年もご要望に応えて7月15・16日に群馬会館で開催決定
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2329.html
○2017年7月16日:楽しさテンコ盛り・・・大盛況の台湾フェアin群馬の初日
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2364.html
○2017年7月17日:大盛況のうちに終了した今年2017年の台湾フェアin群馬
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2366.html
○2018年5月30日:例年大盛況の台湾フェア・・・今年もご愛顧に応えて7月6~8日に県庁1階で盛大に開催決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2655.html
○2018年7月6日:思い立ったら台湾日和・・・台湾フェアin群馬2018がいよいよ今日から群馬県庁1階ホールで開催中
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2687.html
○2018年7月8日:台湾フェアin群馬2018・・・初日に続き二日目も大盛況
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2689.html
○2018年7月9日:大盛況だった台湾フェアin群馬2018を振り返って
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2692.html
○2019年7月7日:関東三大台湾イベントのひとつ台湾フェアin群馬・・・今年も7月5・6日に県庁1階で盛大に開催!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2960.html

■現時点でのWEB台湾フェアin群馬2021の最新プログラム案は次のとおりです。

*****プログラム案*****
テーマ:WEB台湾フェアin群馬2021
(令和3年7月8日(木)~14日(水)フェア開催中公開)

■内容:①展示区画
    ②交流区画(WEB)
    ③映像区画(WEB)
■期日:2021年7月8日(木)~14日(水)
   ・展示:10:30~未定(コロナ感染状況により最終決定)
   ・交流:7月8日(木)18:00~19:30
       7月9日以降(調整中)
   ・映像:随時
■場所:展示:群馬県庁1階県民ホール(群馬県前橋市大手町1-1-1)
    交流:WEB対談(群馬県庁32階Tsulunosスタジオ)
    映像:WEBデザイン中
■主催:群馬県台湾総会、群馬県、(公財)日本台湾交流協会
■協賛:台北駐日経済文化代表処、台湾観光協会東京事務所、台湾僑務委員会、(一財)台湾協会、前橋市、沼田市、桐生市、みなかみ町、東吾妻町
■後援:上毛新聞、NHK前橋放送局、群馬テレビ
【各区画のコンテンツ】
展示区画:1.群馬県台湾総会の20年間の活動記録
     2.群馬県と高雄市、台中市、彰化県との交流記録
     3.群馬県内の各市町村と台湾各地自治体との交流記録
     4.台湾観光協会東京事務所提供による台湾の風景ポスター
     5.台湾の「世界遺産」クラスの景勝地の写真
交流区画:1.オードリー・タン政務委員(デジタル担当)と群馬県知事・学生の皆さんとのWEB対談
映像区画:1.主催者&来賓ご挨拶(WEB動画)
     2.高雄市、台中市、彰化県、台南市の観光名所と空撮映像の観賞(3市1県が提供したオフィシャルWEB動画)
     3.高雄市、屏東県空撮風景(WEB動画)
     4.「南投県翠峰茶畑巡礼」映像観賞(WEB動画)
     5.「楽しい桃園市大渓エリア」映像観賞(WEB動画)
     6.台湾にいる日本人留学生による現地の大学の校風紹介(WEB動画)
     7.群馬県台湾総会の活動をふりかえる映像(WEB動画)
     8.写真で見る台湾総会20年の足跡(WEBスライドショー)
     9.台湾料理学習編:ルーローファン(滷肉飯)とパイナップル饅頭(WEB動画)(講師:会員)
     10.簡単語学学習編:華語・台湾語(WEB動画)  (講師:会員)
     11.台湾と日本の植物比較編(WEB動画)    (講師:会員)
     12.台湾ウーロン茶おもてなし編(WEB動画)   (講師:会員)
     13.台湾懐かしい流行歌編(WEB動画)     (講師:会員)
*********

■ご覧のとおり、一番の目玉イベントは、台湾のコロナ感染を水際でストップした台湾で、デジタル技術の専門性を買われて弱冠35歳で2016年10月に蔡英文政権下で行政院に入閣し、無任所閣僚の政務委員(デジタル担当)を務めるオードリー・タン氏とのWEB対談企画です。

 この企画を群馬県台湾総会が、群馬県側に伝えたところ、知事戦略部地域外交課の目に留まったのでしょうか。すぐさま山本一太知事自ら対談参加を買って出ました。案の定、総額2億円以上を掛けた県庁32階の動画放送スタジオ「ツルノス」でオードリー・タン大臣と若手世代の間に割り込んで、知事としてのスタンスをPRすべく、意気込みの程がうかがえます。

 しかし、山本一太知事は、新型コロナウイルスの感染拡大が日本でも不安視され始めた昨年2月6日、当時「武漢肺炎」と称された未知のウイルスによる疫病が拡大中だった武漢市に対し、県内にある日本精密測器(渋川市)と県立産業技術センターが共同開発した非接触型体温計100本と使い捨てのマスク2万400枚を、日本政府の武漢行きチャーター機に積んで送るなど、中共政府にのめり込む性向があるだけに、きちんと公平な目線で台湾の主要閣僚との対談をこなせるのかどうか、不安視する向きもあります。

2020年4月9日、中国から届けられた支援物資のマスクを県庁で紹介する山本一太知事

■現在、台湾では、中華航空の国際線パイロットが持ち込んだ新型コロナウイルスの変異株による感染急拡大に直面しています。この混乱に乗じて、中共が、さまざまなデマや嫌がらせをして、台湾独立を志向する蔡政権への揺さぶりをかけています。

 1年4カ月にわたり、新型コロナウイルス対策に成果を上げてきた台湾ですが、このままコロナ感染急拡大を許せば、台湾侵攻を狙う中共政府や、その意を汲んで、民進党政権の施策をことごとく否定する国民党の残党が息を吹き返すことが懸念されます。

 少しでも気を緩めると、あっという間に感染が拡がるタチの悪い、この中共由来の「武漢」ウイルスの脅威を台湾政府はあらためて痛感していることでしょう。現在、ロックダウン一歩手前の措置を講じていますが、今後の動静には目が離せません。

 そうした国際情勢も頭に入れつつ、来る7月8日から14日にかけて開催予定のWEB台湾フェアin群馬2021にご期待ください。

【群馬県台湾総会書記からの報告】

※関連報道
**********BBC2021年5月20日
台湾とシンガポールで感染急増 何がまずかったのか

マスクをして寺院で手を合わせる台湾の市民
 シンガポールと台湾は新型コロナウイルスの感染者がほとんど確認されず、対策に成功したと称賛されてきた。
 しかし今月に入り、この2地域で感染者が急増している。シンガポールは先週だけで新規感染者が248人を記録。台湾は域内での感染が1200人を超えた。
 どちらも一度に集まる人数を規制し、学校を休校にするなど、極めて厳しい社会制限を実施してきたのにだ。
 世界全体で見れば、いずれの感染者数もたいしたことないようにみえる。だが当事者にとっては、つい1カ月前までは想像できなかった人数だ。何があったのか?
◆台湾:十分だと満足
 中国が新型ウイルスの出現を報告した後、真っ先に海外からの渡航を禁止したのが台湾だった。厳しい水際対策はいまも続いている。
 だが台湾の中では、人々と政府の間に大丈夫だという感覚が広がり出した。
 病院は積極的な新型ウイルス検査をやめた。国立台湾大学の林先和副教授は、感染者に多い発熱の症状がある人に対しても実施されなくなったと話す。
 新型ウイルス関連のデータをオンラインでまとめている「アワ・ワールド・イン・データ」によると、台湾でウイルス検査を受けたのは、2月中旬時点で1000人あたり0.57人だけだった。同じ時期、シンガポールでは6.21人、イギリスでは8.68人だった。
 「症状が出ている人々の間でさえ(新型ウイルス感染症の)COVID-19になる可能性は実質的にゼロだという感覚が広がっていた」と林副教授はBBCに説明した。根底には、台湾の厳しい水際対策が新型ウイルスの侵入を許すことはないという思い込みがあったという。
 「医師たちは真剣に受け止めず、病院も警戒せず、接触者の追跡もあまりしなかった。これで十分だといった感覚が間違いなくあった」
 そのことをよく示していたのが、ワクチン未接種の航空機パイロットの隔離ルールだ。当初は14日間の隔離を義務付けたが、その後5日間に短縮され、さらに3日間に縮められた。
 それからまもなく、中華航空のパイロット数人が絡んだ感染クラスターが発生した。パイロットらは、台湾の桃園空港近くのホテル「ノボテル」に宿泊していた。後日、イギリス型変異株「B117」に感染していることが確認された。
 このウイルスが地域で拡大し、やがて台湾の「茶芸館」(風俗店)にも広まった。

台湾では風俗街で感染が拡大した
◆「日本から学ばなかった」
 「換気されている屋内で、人々が酒を飲んで歌い、接触を繰り返した。1カ所の茶芸館だけでなく、通りに並ぶ多くの店で同じ状況だった。ものすごい規模のスーパースプレッダー・イベント(感染を急拡大させた事案)だった」と、林副教授は話した。
 伝染病学者で元台湾副総統の陳建仁教授は、ウイルス検査で陽性と判定された人の多くが、風俗街に出かけたことを隠しがちなことも、接触者の追跡をいっそう難しくしていると話す。
 「ごく少数の人がルールを破っただけで拡大につながることを、今回のことは見せつけている」と陳教授は話した。
 陳教授はまた、台湾が日本の風俗業界を見習わなかった点も指摘した。日本でも風俗店で感染が急拡大したが、その後に休業が要請された。
 「台湾は日本から学ばず、同じ問題に直面すると考えなかった」
 シンガポール国立大学(NUS)のアレックス・クック准教授は、台湾の状況について、「水際対策を重視し過ぎ、国内での感染拡大防止対策を十分取らない戦略のリスクを示している」と述べた。
◆シンガポール:すき間から拡大
 シンガポールは、台湾と話が異なる。
 感染者が少ない状況が続く中、シンガポールでは常に厳しい対策が取られてきた。会合は8人までとされ、クラブは営業が禁止されている。結婚式のような大規模な集会は、いまも参加人数が制限されている。
 だが、ワクチン戦略にはまだ欠陥があり、今月半ばにはチャンギ国際空港が、今年の国内最大の感染クラスターとなった。同空港には人気ショッピングセンターがある。
 当局の調査で、東南アジア諸国など高リスク国からの渡航者が到着するゾーンで働く空港スタッフに、多数の感染者が出たことが判明した。
 それらのスタッフの一部は、一般の人々も利用する空港内のフードコートで食事をし、感染を拡大させた。
 これを受け、シンガポールは現在、同空港の複数のターミナルを一時的に閉鎖している。

シンガポール・チャンギ国際空港
 その後、感染した人の多くが、インドで最初に見つかった感染力の強い変異株「B1617」に感染していたことが判明した。
 シンガポールは、高リスクの国・地域からの航空機や乗客と、低リスクの場所から来た航空機や乗客を分けて対応すると発表した。スタッフも囲いを設けてゾーンごとに分離するとした。
 インターネット上では、なぜもっと早くそうした措置を取らなかったのかと疑問視する声が出ている。問題点は1カ月前から指摘されていたという。
 しかし、NUS公衆衛生学部トップのテオ・イク・イン教授は、新たな変異株がシンガポール国内に入り込むのは「不可避」だったとの見方を示した。
 「人々がいら立つのは理解できる。シンガポール国民の大半はとてもまじめに制限に従ってきた」
 「だが私たちは、国境を完全に封鎖できる中国とは違う。私たちの国としての評判や経済は、貿易のハブ(中継地)としての地位と関係している」
 「アメリカでは去年、最悪のウイルスは中国からではなく、ヨーロッパを訪れた旅行者からもたらされた。シンガポールは何カ国に対して国境を閉鎖できるというのか。1つの国を受け入れなければいいわけではないことを、理解しなくてはならない」
 NUSのクック准教授は、シンガポールはまだ、感染の拡大を抑えられる可能性は高いと話す。
 「『まずいことになった』と言うのはまだ早い。シンガポールは対策を強化してはいるが、かなりいい状態にある」
 「1日あたりの感染者数は、人口に合わせてイギリスと比較すれば、イギリスの10%ほどだ。言い換えれば、シンガポールは新型ウイルスが手に負えなくならないように、対策を強化しているところだ」

**********日経2021年5月23日21:02
台湾、コロナ感染者数を再修正 実際より3割少なく公表

台湾当局の陳時中・衛生福利部長は23日、再び新型コロナの感染者数を修正した(台北市)
【台北=中村裕】台湾当局は23日、新型コロナウイルスの感染者数の直近1週間の発表に誤りがあったことを明らかにした。22日に実際よりも400人少なかったと修正したばかりだが、23日は、さらに170人を上積みした。計570人の集計漏れがあったという。感染が急増するなか、当局の発表数字の信頼性が問われる。
 訂正したのは、16~22日までの7日間の感染者数で、合計は2535人だった。当初は1965人と発表しており、実際に比べ、約3割も集計を誤っていたことになる。
 当局で新型コロナ対策の指揮を執る陳時中・衛生福利部長は、23日に開いた記者会見で「(感染者が見つかった)地方から(中央の)当局への通報システムが複雑で問題があった。(感染急増で)システム上の渋滞も起こしてしまった。人手も不足していた」と、釈明した。
 感染拡大を受け、台北市の当局は23日、24日から飲食店での店内飲食を全面的に禁止すると発表した。
 新型コロナを抑えていた台湾では、中華航空(チャイナエアライン)の国際線パイロットが4月後半、隔離用のホテルで感染を大きく広げてしまった。隔離が徹底されず、ホテル従業員などに一気に感染が広がった。
 通常、台湾に入境後は2週間の隔離が必要だが、パイロットには3日間のみで隔離が済む特例が与えられていたことも、感染拡大につながったとみられる。
 5月初旬には、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が執務をおこなう官邸の「総統府」にも近い、台北市内・萬華区の風俗店周辺で、クラスター(感染者集団)が発生し、感染者が急増した。
 23日も感染拡大が止まらない。新たに290人の感染者を確認した。8日連続で200人以上の感染者が見つかった。台湾の累計感染者は4322人、死者は累計23人となった。

**********ロイター2021年5月24日2:59 午後UPDATED
新型コロナで中国がフェイクニュース拡散、台湾が批判
[台北22日ロイター] - 台湾内政部次長のChen Tsung-yen氏は22日、中国が新型コロナウイルスの感染状況に関するフェイクニュースを流していると批判した。
 同次長は会見で、中国の台湾に対するプロパガンダ(宣伝工作)や誤報がもたらす危険性を「はっきり認識している」と述べ、フェイクニュースの内容を説明し続けているのは注意喚起のためだと説明した。
 台湾の蔡英文総統が新型コロナに感染しており、それが隠されているなどといったフェイクニュースがネット上には流れていると指摘し、「これは非常に不快なフェイクニュースだ」と批判した。
 蔡氏は、総統公邸でスタッフのコロナ感染が確認されたため、ウイルス検査を受けたが陰性だった。

**********NHK News Web2021年5月25日19:12
感染拡大続く台湾 上から2番目の警戒レベル 来月14日まで延長

 台湾では新型コロナウイルスの感染拡大が続いていて、当局は、屋内で5人以上が集まることなどを禁じる警戒措置を、予定より半月以上延ばして来月14日までとすることを決めました。
 台湾では新型コロナウイルスの感染確認が今月中旬から急増し、海外から到着した人などを除いた域内での感染確認は今月14日までの累計が160人台だったのに対し、15日以降だけで4000人を超えています。
 当局は、感染者が特に多い台北市と新北市で15日から、そのほかの地域も19日から警戒レベルを4段階の上から2番目に引き上げ、屋内で5人以上、屋外で10人以上の集まりを禁じたり、学校での対面の授業を取りやめたりしています。
 この措置は今月28日までの予定でしたが、当局は半月以上延ばして来月14日までとすることを決めました。
 陳時中 衛生福利部長は「感染者に症状が出た日から検査結果が出るまで日数がかかっていて、知らないうちに家庭内や地域などで感染を広げているケースが懸念されるためだ」と説明しています。
 人口2350万の台湾にこれまでに届いたワクチンは70万回分余りにとどまっていますが、陳部長は8月末までには台湾製のものも含めて1000万回分を調達できるという見通しを示しました。

**********Bloomberg2021年5月25日18:08JST
日本と台湾が転落、10位の圏外-新型コロナ時代の安全な国ランキング
★日本は14位に急落-ワクチン出遅れが響き7位後退
★ワクチン接種を進めた米欧の順位上昇-アジアと明暗

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)を巡りブルームバーグがまとめる世界で最も安全な国・地域の番付「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」には今月、大きな変動があった。シンガポールがトップの座を失ったのをはじめ、これまで感染を抑え込んできたアジアの国・地域が後退。一方、ワクチン接種で先行した国々は引き続き順位を上げた。
 5月の番付で最も順位を落とした7カ国・地域は全て、これまで新型コロナ対応が称賛されてきたアジア太平洋地域に位置している。日本と台湾はワクチン接種の出遅れと感染再拡大でトップ10から脱落。東南アジアと南アジアでは世界最悪の感染拡大に見舞われているインドを含む国々が順位を下げた。
 7月に予定する東京五輪を前に感染を抑え込もうと政府が緊急事態宣言を延長している日本は7位後退し14位。台湾は15位と、4月の5位から急落した。数カ月にわたり域内感染がなかった台湾だが、今月に入って感染者が急増し、緩やかなロックダウンに至っている。  
 対照的に、欧州の一部と米国は大流行が徐々に収まり着実に順位を上げている。ワクチンで抗体を得た人が増えるのに伴い各国は旅行を解禁、マスク着用の義務をなくし、COVID19から自由になろうとしているようだ。英国は7位躍進して11位、米国は13位に順位を上げた。
 欧米とアジアのこの逆転劇は、ワクチン、特に画期的なメッセンジャーRNA(mRNA)技術を採用したワクチンの効果を反映している。mRNAワクチンには重症化を防ぐばかりでなく、感染自体を抑える働きがあるようだ。欧州のワクチン接種が加速しロックダウン(都市封鎖)が解除されるのに伴い、フランスとポーランドはそれぞれ18段階、13段階も順位を上げた。



 COVID耐性ランキングは幅広いデータを用い、社会・経済への影響を最小に抑えつつ最も効果的な新型コロナ対応を取っている国・地域を特定する。死亡率や検査率、ワクチンへのアクセス、移動の自由などを勘案する。国(域)内総生産(GDP)2000億ドル(約21兆7000億円)超の国・地域を毎月比較する。
★ブルームバーグCOVID耐性ランキングの補足説明
 3月まで5カ月連続で首位だったニュージーランドは5月にトップの座に返り咲いた。同国は国内から新型コロナをほぼ駆逐し、国民は海外渡航を除きコロナ前と同じ自由を謳歌(おうか)している。
 しかし、ワクチン接種が始まったばかりで接種を受けた人が国民のわずか5%にすぎないニュージーランドには、かつての抑え込み成功組と同じ道筋をたどるリスクがある。
Staying Home
Singapore moves back toward lockdown as local infections rise
Source: Singapore Ministry of Health, Google Covid-19 Community Mobility Reports
Note: Data takes seven-day average to smooth out fluctuations.
  厳密な国境管理をくぐり抜けて感染が再燃したシンガポールと台湾は、経済再開を既に始めている欧米諸国の一部で今も見られる症例数をはるかに下回る感染例に対しても積極的に対応を講じるため、制限措置を繰り返し導入するサイクルに陥る恐れがある。わずかな感染例も許さない姿勢はランキング3位のオーストラリアと9位の中国、10位の香港にも見られるが、世界の他の国・地域が新型コロナの存在を受け入れ前へ進もうとする中で弱点になるかもしれない。
Slow Vaccinations
At current paces, it will take some Asia economies years to build immunity
Source: Bloomberg's Covid-19 Vaccine Tracker
Note: Based on current vaccination pace. Data as of May 25. Bangladesh and Vietnam need 10+ years.
  新たな変異株の出現が続く中、シンガポールはワクチン接種の方法について検討し、2回の接種の間隔を広げることを計画している。限られたワクチンを成人人口のより多くに行き渡らせるため、昨年12月に英国が採用した戦略だ。容赦ない感染拡大で1家族全員が死亡するという悲劇も起きたインドも同じ作戦を取る。1日の新規感染が約25万件、死者数が4000に上る同国は20位下げて53カ国・地域で下から4番目の順位となった。
  最下位はアルゼンチン。新規感染者が前回の最多を超え、制限措置を強化した。
  今問題なのは、インドや中南米で出現して懸念を深めている新しい変異株が、米国やイスラエル(4位)などでの正常化の取り組みを頓挫させないかということと、アジアがワクチン接種で先行組に追いつけるのかということだ。
Waning Waves
Covid cases have declined in vaccine front-runners
Source: Johns Hopkins University
Note: Figures based on rolling seven-day total
  6月のランキングでは、世界の旅行復活と経済再開への道筋が鍵になるだろう。

**********ロイター2021年5月26日6:31 午後2時間前更新
台湾と独ビオンテックのワクチン契約、中国が妨害=蔡総統

5月26日、台湾の蔡英文総統はドイツのバイオ医薬会社ビオンテックから新型コロナウイルスワクチンを購入するのを中国が妨害していると名指しで非難した。台北の検査会場で25日撮影(2021年 ロイター/Ann Wang)
[台北26日ロイター] - 台湾の蔡英文総統は26日、ドイツのバイオ医薬会社ビオンテックから新型コロナウイルスワクチンを購入するのを中国が妨害していると名指しで非難した。
 台湾は英アストラゼネカ、米モデルナ両社に数百万回分のワクチンを発注したが、およそ70万回分しか届いておらず、接種率は約1%にとどまっている。
 蔡氏は与党・民進党の会合で、アストラゼネカおよびモデルナとの契約は「円滑に」進んだとする一方で「ビオンテックについては、同社の独工場から調達する契約が完了寸前だったが、中国が介入したため合意できていない」と説明した。
**********

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【渋川硯石問題】令和元年秋から新聞紙面を賑やかしてきた聖なる「硯石」を巡る騒動・・・ようやく終息?

2021-05-22 23:23:00 | 渋川市の行政問題
■2019年9月に新聞報道され一躍有名になった、渋川市北橘町の歴史的価値があるとされる巨石「硯石」。この聖なる石が正規の手続きを経ないまま掘り起こされ移動させられたうえ、周辺整備工事が行われた問題で、渋川市が結論をやっと出したようです。長かった結末を、皆さんとともに確認してみましょう。

**********2021年5月22日上毛新聞
硯石の埋め直し
男性市議に要求 渋川市

 渋川市北橘町の市有地にある巨石「硯石」の掘り起こしや周辺整備に手続きの不備があったとされる問題で、同市は21日、掘り起こしにかかわった男性市議に対し、石を元の深さに埋め直すよう求める通知を提示した。男性市議は、一連の作業は「高木勉市長の許可を得ていた」などとし、受け取りを拒んだ。
 通知は、市が外部の弁護士らで組織した「行政事務執行の適正化に関する調査委員会」がまとめた意見書で石の埋め戻しが提言されていたことを踏まえた。市は「何らかの方法で受け取ってほしい」としている。
 男性市議は「(埋め戻しを)地域住民に相談もなく決めてほしくない。元の位置に戻せというのは納得できない」と訴えた。
**********


**********2021年5月22日読売新聞
市議に原状回復求め
渋川市が文書送付 硯石問題

 渋川市が正式な許可を出さないまま、文化的財産とされる「硯石」が市有地内で移転整備された問題で、市は21日、移転整備した市議会議長の望月昭治氏(69)に対し、原状回復を文章で求めた。望月氏が文書の受け取りを拒否したため、市は内容証明郵便で送付した。
 幅2メートルほどの硯石は、同市北橘町の市有地で地中に埋まっていたが、望月氏が2019年7月、地域おこしを目的に重機を使って近く移設した際、岩に傷がついた。市の調査委員会は、一部職員が正規の手続きを指導せず、財務規則などに反して望月氏へ許可したと認定。原状回復が必要だとの意見を付していた。
 望月氏は21日、「工事は市との相談に基づいて進めたと認識している」とのコメントを出した。
**********

■この事件を簡単に振り返ってみましょう。渋川市北橘町にあり、歴史的価値があるとして地元の人たちが大事にしてきた巨石「硯石」が、2年前の2019年7月下旬、突然、市の正規の手続きなくして動かされたのです。


望月氏が毎日新聞に自ら提供した作業中の写真。

 この正規の手続きを経ない「硯石」周辺整備工事は、現在、渋川市会議長を務める望月昭治氏(69)が自ら掘削している写真を自慢げに毎日新聞に提供したことから、報道され始めました。


親鸞聖人伝説の聖なる巨石「硯石」は無残にもボロボロに。

 この突然始まった「硯石」掘り起こしとその周辺整備作業の結果は、上の写真のとおり、あまりにも「硯石」に愛着が感じられない酷い扱いであることから、他の目的のために動かしたと思わざるを得ません。↑

↑<span style="font-style:italic">硯石を北側から見たところ↑

 後掲の田邊寛治市議を委員長とする「歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会」の報告書によれば「平成30年の4月頃、 議員から道路の 下の段に草で覆われている石があり、地名の由来ともなっているので表に出してや りたいという話を聞いた。令和元年6月定例会会期中に、硯石が近年のゲリラ豪雨 の影響で、しだいに埋没していっていると地域の人が心配している 中略」とありますが、ゲリラ豪雨の影響は、硯石を数メートル動かしすことによる影響ても同じではないでしょうか?いずれにしても硯石を動かした動機が不明なのでは?

■正規の手続きを経ないで行われた「硯石」周辺整備問題をめぐっては度々報道され世間を騒がしていました。過去当会のブログでも取り上げました。
〇2020年6月17日:【渋川硯石問題】渋川市行政側が森林法違反を認める!公文書偽造のおまけつき
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3176.html
〇2020年4月4日:【渋川硯石問題】まだまだ続く「硯石」報道・・・今度は百条委員会だ!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3143.html
〇2020年3月15日:【渋川硯石問題】令和元年末に新聞紙面を賑やかした「硯石」報道・・・なんと森林法違反だった!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3135.html
〇2020年1月3日:令和元年末にまたまた「硯石」報道・・・悪いのは誰だ!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3106.html
〇2019年12月15日:「渋川市議がまたまた売名行為?」その後(その5)上毛新聞がまた偏向報道?
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3090.html
〇2019年12月7日:「渋川市議がまたまた売名行為?」その後(その4)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3087.html
〇2019年11月24日:「渋川市議がまたまた売名行為?」その後(その3)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3080.html
〇2019年11月23日:「渋川市議がまたまた売名行為?」その後(その2)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3079.html
〇2019年10月14日:「渋川市議がまたまた売名行為?」その後
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3051.html

■今回報道された冒頭記事のポイントを整理してみましょう。

ポイント①1年8か月を経て原状回復を求める渋川市の決定がなされたこと。
ポイント②望月氏は抵抗をしていること。
ポイント③渋川市長や地域住民を巻き込み他人事を決め込んでいること。

ポイント①
1年8か月を経て原状回復を求める渋川市の決定がなされたこと。

 最初の毎日新聞の報道は2019年9月でした、それから1年8か月余り経過して、やっと硯石を元に戻す決定が渋川市でまとまったようです。器物破損など刑事告発は記載がありません。まさか時効なのでしょうか?

 上毛新聞は、望月氏を擁護する偏向報道をする傾向にあります。それを示唆するかのように、読売新聞の記事は「原状回復を求め」となっていますが、上毛新聞では「石を元の深さに埋め直すよう求める通知」とあり、印象を和らげる報道となっています。

 望月氏が原状回復に応じない場合には、損害賠償などの措置が取られることが当然ながら予想されます。「よもや、渋川市は何もしないのでは」と懸念する声も、これまでの渋川市の対応からすれば、有り得ないことではないのかもしれません。そのためにも渋川市には、刑事告発をぜひ行ってほしいものです。

ポイント②
望月氏は抵抗をしていること。

 報道記事では、原状回復を求める文章を望月氏が受け取りを拒否したため、渋川市は内容証明郵便で送付した、と報じています。

 「これが市会議長を務める人とのやり取りか?」と渋川市の対応を疑いたくなる場面が報道から伝わってきます。この様子では、望月氏は内容証明郵便すら受け取らないのではないでしょうか? 上毛新聞では、「市は『何らかの方法で受け取ってほしい』としている」と報じており、すでに腰が引けている姿勢を見せている渋川市の対応が早くも心配されます。

ポイント③
渋川市長や地域住民を巻き込み他人事を決め込んでいること。


上毛新聞に掲載された、硯石を移動する前に行われた神事の様子。

 正規の手続きなくして行われた「硯石」周辺整備ですから、突然整備が始まったことが想像されます。某公共放送のクイズ形式のバラエティ番組の「たぶんこうだったんじゃないか劇場」的に経緯を説明すれば、
 ①突然硯石を動かす前の神事が企画され、市長や職員に神事の参加案内が届いた。
 ②びっくりして市の職員が駆け付けると、そのことをもって、「硯石」周辺整備の許可を取ったことになった。
 ③渋川市長は神事には参加しなかったが、神事に招待されたことになって、「硯石」周辺整備について、「市長も承知していた」ことにされた。

とまあ、こんな流れだったのではないかと想像されます。

 望月氏に優しい上毛新聞の報道記事では、望月氏の言い分として「高木勉市長の許可を得ていた」と報じ、読売新聞は望月氏の「工事は市との相談に基づいて進めたと認識している」との一方的なコメントを紹介しています。そもそも、正規の手続きを経ていないのですから、いくら望月氏が、自らの不法行為による硯石問題の責任を、市長や市職員に転嫁しようとしてもとうてい無理があることでしょう。

 さらに上毛新聞では、望月氏の「(埋め戻しを)地域住民に相談もしないで決めてほしくない」とする地元を巻き込む仰天コメントを紹介しています。市長・市職員だけに飽き足らず、地域住民をも巻き込んで責任転嫁を図る意図が見え見えです。

 地域住民はどう思っているのでしょうか?渋川市とは別に渋川市議会が田邊寛治市議を委員長とする「歴史的価値のある硯石の掘り起こしに関する特別委員会」の報告書に地元自治会長のお話が掲載されています。

 特別委員会の報告書はこちらをご覧ください。↓↓
https://www.city.shibukawa.lg.jp/manage/contents/upload/5f6d3ab1af110.pdf

 この報告書の14ページに「(24)自治会からの要望は」という項目があります。そこに自治会長のお話が次のように記載されています。
**********
(24)自治会からの要望は
中略
■■自治会長は、「硯石を掘り起こす要望はしていない。市の持ち物であるから要望は出さなかった。市は何もしないで、石があることも知らなかったのに今になって歴史的価値があるなどと言ってもしょうがないでしょう。」と説明した。

**********

 このことから、地元自治会からは「硯石を掘り起こす要望はしていない」ことがはっきりしました。

 一方、上毛新聞の記事で紹介されている望月氏の「(埋め戻しを)地域住民に相談もしないで決めてほしくない」との高飛車な見地からのコメントを読む限り、望月氏はさも地域住民の代表であるかのように装っています。

 ところが実際には、望月氏はこの地域に住んでいません。なので、この際、巻き込める者はすべて巻き込み責任転嫁を図ろうとする同氏の姑息な意図が見え隠れするのです。

■渋川市では大同特殊鋼(株)や(株)佐藤建設工業がばら撒いた大量の有害スラグがアスファルトでフタをされそのまま存置されたままとなっています。

 こうして、スラグに含まれるフッ素毒に狂った渋川市の職員や議員が、あきれ果てた行動をしでかしてゆくことが容易に想像できます。今後もどんなトンデモ事件が飛び出すのか予断を許しませんが、きっと引き続き報道を賑わしてくれることでしょう。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【安中市庁舎建替え問題】官製アンケートの結果ほぼ固まる・・・安中市が中間報告

2021-05-20 22:22:00 | 安中市庁舎建替えに伴う予算過大問題

市庁舎建替え場所として市民が選択した現在の市庁舎のある場所。横領犯タゴの親族が保有する土地の提供交渉について、安中市幹部は当会に対し「検討する」としているが、果たしてその本気度は?

■5月19日、安中市のHPに「『安中市役所の庁舎整備等に関する市民アンケート』の結果を中間報告します」と題する記事が掲載されました。それによると、安中市では、令和3年4月5日から30日までの期間、以下の要領で「安中市役所の庁舎整備等に関する市民アンケート」を実施し、現在集計作業を進めていて、今回、その一部を中間報告し、最終報告は、集計作業が完了し次第、改めてホームページ等で公表予定だとしています。
 ・実施期間:令和3年4月5日から同月30日まで
 ・対象者:満16歳以上(令和3年3月25日時点)の住民基本台帳から無作為抽出した市民4,000人
 ・集計数:1,940/4,000件(令和3年5月1日消印分まで有効)
 ・回収率:48.5%
 さっそく安中市による“官製”アンケート集計中間報告書の中身を見てみましょう。
※安中市役所の庁舎整備等に関する市民アンケート集計中間報告書 ZIP ⇒ chousha_chuukanhoukoku.zip
※安中市役所の庁舎整備等に関する市民アンケート回答票 ZIP ⇒ chousha_questionaire.zip
※アンケート添付資料 ZIP ⇒ tenpusiryou.zip

■はじめに送付対象者(4,000人)抽出情報を見てみます。

● 送付対象者(4,000人)抽出情報

① 対象者年代


②対象者のお住まいの地区


● 設問ごとの回答数、割合結果
1 はじめに、あなたご自身のことについてお伺いします。
 あなたの年代、職業、お住まい、及び居住年数を教えてください。
 (当てはまる内容の先頭の□にチェック☑(レの字を記入)をつけてください)






2 あなたが市役所を訪れたときのことについてお伺いします。
問1 あなたは、過去1年間に何回、安中市役所(本庁舎または松井田庁舎)を訪れましたか?(☑は1つ)



問2 あなたは、主にどのような交通手段で訪れましたか?(該当するもの全てに☑ )


問3 どのような用件で訪れましたか(本庁舎、松井田庁舎以外の施設を含む)?
(該当するもの全てに☑ )



問4 これまでに市役所本庁舎を訪れて、施設面や環境面で困ったことはありましたか?
(該当するもの全てに☑ )



問5 これまでに市役所本庁舎を訪れて、施設面や環境面で良かったことはありましたか?
(該当するもの全てに☑ )



問6 あなたが、市役所庁舎に求める役割や機能として重要視することは何ですか?
(該当するもの全てに☑ )



問7 市役所庁舎に、「一緒にあるとよい施設(機能)」があれば選んでください。
(該当するもの全てに☑ )



問8 新たに庁舎を建て替える場合、「建設場所」として重視することは何ですか?
(該当するもの全てに☑ )



問9 市民懇談会の提言書においては、「耐震性や利便性等の観点から、少なくとも旧庁舎・中庁舎は取り壊すことがふさわしい」とされていますが、どのような庁舎整備が良いと思いますか?(☑ は1つ)


問10 (問9で「現在の本庁舎の場所」、「その他の場所」、「耐震補強」を選んだ方のみ回答)旧安中高校跡地はどのような利活用が望ましいと思いますか?(☑ は2つまで)


問11 (問9で「旧安中高校跡地」、「その他の場所」を選んだ方のみ回答)現在の本庁舎の場所は、現在の新庁舎・保健センターの建物の活用を含め、どのような利活用が望ましいと思いますか?(☑ は2つまで)


問12 自由意見(庁舎の整備に関し、資金面や建設時期などを含めご意見、ご提案などがあればお書きください。)
(集計中)
                                  以上
**********

■かつて平成の大合併の際、旧安中市は、2006年(平成18年)3月18日の旧松井田町との合併に先立ち、市民にアンケートをしました。しかし、圧倒的に合併先を高崎市とする市民が多いことが判明し、結果の公表をしませんでした。このように市側の都合の悪い情報を隠したり、細工したりするのがこれまでの安中市の体質です。

 なので、今回のアンケートも市側が何らかのかたちで民意を操作することが懸念されるため、当会ではまず、①の送付対象者(4,000人)抽出情報を精査してみました。安中市が今回、アンケートに際して、市民4000人を無作為抽出したと言っていることから、本当にきちんと「無作為」かどうかを確認する必要があるためです。

 安中市が保有する最新の住基情報を使って「無作為」に市民を抽出したとしていることから、今回発表された世代別の配布割合が、実際の統計の人口割合と合致していれば、「無作為」に抽出したことが確認できると考えた当会では、2015年当時における2020年の人口予測のデータをもとに、試算してみました。
※参考データ ZIP ⇒ qnss5nkl.zip

本来は安中市の最新人口統計情報を使えればよいわけですが、次善の策としてやむなく参照した上記の参考データによれば、安中市では70歳代の人口が8942人と最も多く、次いで60歳代が8374人、50歳代が7446人、40歳代が7296人で、その次が80歳代以上の6749人、そして、30歳代4860人、20歳代4207人、10歳代4547人、10歳未満3373人となっています。

 このうち、20歳代から70歳代に対して安中市が無作為抽出でアンケートを送った市民の割合は8.1~8.5%の範囲であることが計算をすると分かります。これを見る限り、「無作為」に抽出したことが分かります。

 ところが、80歳代以上は6.0%、10歳代は4.3%となっております。10歳代については、今回アンケート対象を16歳以上としたことから、10歳から15歳までが対象から除外されたため、約半数になっていることは理解できます。しかし、後期高齢者は2~3割少ない割合でアンケートを配布したことになります。無作為抽出であればこのような差異は世代ごとで起こるはずがなく、なぜこのようになったのか、安中市による説明が必要だと考えます

 また、安中市民が市役所を訪れる頻度について、2か月に1回以上市役所に行く市民は全体の2割程度であることが、アンケートからうかがえます。

■そして、最も注目される項目である市庁舎建替え場所について、「現在の本庁舎の場所に建て替えるのが良い」が43.4%、「旧安中高校跡地」が40.5%となっています。

 2位の安高跡地との間で大差にならなかったのは、具体的な金額を示さないでイメージで誘導する市の手法が功を奏したものと分析できます。

 他方、安中市が場所ごとの建替えに必要な金額をわざと隠した誘導尋問満載の“官製”アンケートにもかかわらず、市民が「旧安中高校跡地」より「現在の本庁舎の場所に建て替えるのが良い」と判断したことは、安中市民の良識が示されたものと評価したいと思います。

 仮に、安中市がそれぞれの建替え場所での市庁舎建設コストの試算を明記したうえで、アンケートを行っていれば、大半の市民は現在の本庁舎の場所での建て替えを選択したことでしょう。

■中間報告段階とはいえ、安中市はこの結果を尊重し、コストを掛けずに、安中市民への負担を最小限にした上で、最大の建て替え効果が図れるプランを市民に示さなければなりません。

 安中市がどのようなアンケートの最終報告結果を公表するのか、市民の皆様と共に引き続き注目してまいりたいと存じます。

【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】

※関連情報:「拮抗」を強調する地元御用新聞の記事
*********上毛新聞2021年05月21日06:00
現在地と旧安中高が拮抗 安中市庁舎建て替え候補地 市民アンケート中間報告
 
 群馬県安中市が検討を進めている市庁舎の整備について、同市が、市民を対象に行ったアンケートの中間報告書が20日までにまとまった。市庁舎の建て替え候補地について「現在地」と「旧安中高跡地」を支持する割合が共に4割程度で拮抗(きっこう)していることが分かった。
 同市庁舎は1959年に完成した旧庁舎部分などが老朽化し、耐震性も懸念されていることから、建て替えが検討されている。アンケートは今後の方向性を決める参考にしようと、無作為に抽出した市民4千人を対象に実施。10代から80代以上の市民1940人が市役所の利用状況、施設面や機能面での要望などを回答した。
 建て替え場所の候補地についての回答状況は、43.4%が「現在地」、「旧安中高跡地」40.5%、「無回答」5.4%、「その他の場所」は3.0%。「旧庁舎・中庁舎の耐震補強」は3.9%だった。
(田島孝朗)
**********

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安中市土地開発公社51億円巨額詐欺横領事件発覚から本日で26周年!

2021-05-18 23:15:00 | 安中市土地開発公社事件クロニクル
■今から26年前の西暦1995年(平成7年)5月18日は、安中市土地開発公社のある安中市役所内部で地方自治体としては史上最高額の巨額詐欺横領事件が発覚した日です。このあと事件が新聞報道された6月3日に仰天した市民の間で、事件の真相を明らかにしようと有志が集い、その流れは日に日に大きくなりました。そして、6月10日に市政をただす緊急市民の会が開かれ、6月14日に対策会議で活動方針が決まり、同17日にはじめて「市政をただす安中市民の会」が正式に発足しました。当時の様子は次のブログ記事を参照ください。
○2013年5月18日:タゴ事件発覚から18周年・・・地方自治体史上最高額の横領事件に安中市民はどう対処したか(会報1号)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1029.html

2021年5月17日の新店舗への統合で閉鎖された群銀安中支店旧店舗。タゴ元職員が毎週のように1千万円単位で現金を引き下ろしていた際に当時の松井誠支店長が応接室にタゴを招き入れて歓談していたメモリアルな犯行現場がまたひとつ消滅する。5月12日撮影。



2021年5月17日に新たに安中市原市の国道18号線沿いにオープンした群馬銀行安中支店および磯部支店を統合した新店舗のパース画。


 最近、筆者が書斎を整理していたら、当時の資料がいくつか出てきました。私達安中市民が今なお「タゴ51億円事件」と呼ぶ、前代未聞、空前絶後のこの巨額不祥事件は、現在もなお、安中市土地開発公社が毎年12月25日のクリスマスの日に、和解金と称して、タゴの豪遊の尻拭いのため群馬銀行に対して2千万円ずつ支払っており、このままだと西暦2103年まであと82年間支払いが続く勘定になります。

 一方、安中市土地開発公社では、タゴに対する民事裁判で、平成11年5月31日判決、同6月18日で、タゴに対する22億2309万2000円及びこれに対する年5分の遅延損害金の債権が確定しました。しかし、その後、タゴから約1500万円を回収したものの、現在は毎月下旬に1万円を回収しているだけで、群馬銀行に対する和解金支払いに比べると、元職員タゴへの温情いっぱいの対応となっています。


広報あんなか2009年2月号8頁目。和解10年後の対応における「元職員に対する債権回収について」と題する記事。

 しかも、群馬銀行への和解金支払いには、安中市が連帯保証人として証文を出していますが、タゴに対しては、毎月1万円のみの返済でよいと、しかも書面を交わさずに口答で伝えただけというのですから、呆れてしまいます。

■タゴ51億円事件では、事件発生当時から、群馬県の監督不行届きも巨額犯罪を助長した要因の重要な一つとして認識させられました。

 そのため、当時筆者は、他の県内自治体の土地開発公社の財務諸表などと比較して、安中市土地開発公社のずさんな運営実態をあぶりだそうと、群馬県知事に、情報開示請求を行いました。しかし、無残にも非開示となったため、当時、情報公開条例が施行されて間もない時期に設置された公文書開示審査会に異議を申し立て、口頭意見陳述をしました。その時の原稿が見つかりましたので内容を紹介します。

*****公文書非開示に対する異議申立てに係る公文書開示審査会における口頭陳述*****
日時:平成9年3月27日(木)午後2時半~(実際には午後2時~)
場所:群馬会館(実際には大渡庁舎2階)
陳述内容 :下記のとおり

このたびの県内5箇所の土地開発公社の平成7年度の事業並びに決算報告に関する公文書の開示請求にたいし、 知事が非開示としたことに対して次の通り異議を申立てます。

本件異議申立ての理由については、申立人の意見書に記述したとおりですが、あらためて知事の処分の不当性について、申し述べます。県内36の土地開発公社の監督権限を有する知事に対して、知事が各公社から報告を受けた事業報告書等の公文書を、県民に開示しない理由として、請求人がその市に住んでいないからとか、事業にも関係していないとか、市と県との信頼関係が損なわれるから、という知事の理由説明書は、知事が再三標榜している県民に開かれた県政という理念とは相入れないものです。

申立人は、群馬県民として開示を受ける資格があります。また、申立人としては、県民と行政の信頼関係が何よりも優先すると考えております。申立人が開示請求したのは、公社から知事に対して提出された公的資料であり、法律によって報告が義務づけられたものです。公社の設立者や基本金の拠出者はそれぞれの市町村ですが、公社が県内で事務事業を行うには、県との関係なくしては成り立たないことは知事がいちばん良く承知しているはずです。

申立人が、他市町村5カ所の土地開発公社の公文書を開示請求した目的は、平成7年6月3日に世間の知るところとなった土地開発公社をめぐる前代未聞の巨額詐欺横領事件の真相解明をめざす市民活動のなかで、事件が発覚した当該年度の安中市土地開発公社の事業および決算報告書等を分析し内容を検討して、その結果を市民に分かりやすく説明するために、比較対象として他の市町村の公社の報告書を引用するためです。

申立人が知事に請求した5公社は、いずれも群馬県が2度とこのような公社不祥事が起こらないように県内の公社に配布した市町村土地開発公社事務処理マニュアルの作成に協力したところばかりであり、模範的な公社と考えられます。そこで、申立人は、事件が起きた安中市土地開発公社との比較対象の手本として、それらの公社の報告書を入手する必要があったため、今回の公文書の開示請求をしました。

申立人は、 いきなり、あるいは理由もなく、これらの公社の書類を開示して欲しいといっているわけではないのです。やむにやまれぬ開示請求の背景には、ちゃんとした訳があるのです。申立人ら安中市民は、巨額詐欺横領事件の真相解明のために、知事に安中市土地開発公社の立入検査を発動するように、なんども要請してきました。にも関わらず、知事は一度も立入検査をしないため、住民自ら公社の経理の実態を調蒼する必要に迫られているのです。

住民側には行政情報が決定的に不足しています。惜報が行政側にあるのですから如何ともしがたいのです。それを補う手段として公文書開示条例を使って、必要な行政情報を入手しなければなりません。ところが、知事は公社を規定する公有地拡大の推進に関する法律(通称「公拡法」)に基づく立入検査をしないばかりか、業を煮やし自ら調査しようとする住民に対して、条例を盾に非開示を通知しました。

今回請求した公文書は、安中の公社巨額不祥事件とは直接の関係は有りませんが、公社運営の手木となる公文書とはどういうものかを知るために不可欠なものです。申立人は不祥事件の行く末を懸念し、行政への信頓と、公社の業務の健全化が急務だと考えて、当該公文書を知事に請求しましたが、知事は市と県との信頼関係の方が、県民の行政への信頼よりも優先するという見解を示しています。

これでは、カラ出張問題で失墜した県政の信頼回復はおぼつきません。また、安中の土地開発公社の不祥事件の真相解明を先送りし、臭いものに蓋をする結果となり、住民の行政不信はいっそう深刻化してしまいます。審議会の皆様におかれましては、こうした状況を十二分にご考慮いただき、一刻も早く、知事に当該公文書を公開するよ う答申してくださるようお顧いします。

さて、こうしているあいだにも、巨額詐欺横領事件による安中市民への負担という忌まわしい事態が、刻々と迫りつつあります。事件の真相が解明されないまま、安中市に損害が生じて住民に負担転嫁ということになれば、住民の行政不信はピークに達してしまいます。自治省も「本件は重大事と認識しているが、損害を県や国が肩代わりするということにはならない。なぜなら結局納税者に負担を強いることになるためだ」 といい、結局、安中市が自ら対処しない限り、事件の事後処理はできないことになります。それには、事件の真相を市民の前に明らかにしなければ、住民の納得は得られません。

ご承知の通り、公社の不祥事件は、安中市土地開発公社と安中市都市計画課を併任していた元職員の多胡邦夫が、公社在任中の15年間で警察が確認しただけでも51億円余りの巨額詐欺横領をはたらいたものです。

この事件は、平成7年5月18日に、公社内部、すなわち安中市役所内部で密かに発覚し、その後6月2日に小川勝寿前市長が警察に事件を告発しました。翌6月3日に報道され、事件の概要を知って仰天した市民はその後、活発な市民運動を展開しています。

この間、議会はと言えば、平成7年8月11日に市議会に百条委員会が設罷され、平成7年9月29日に中間報告害をまとめたきり、同年11月19日の市議会選挙後は消滅してしまいました。

犯人の元職員多胡邦夫と懇意だった小川前市長は、 平成7年10月2日に群馬銀行から請求のあった返済期日の到来した借入金の利子支払いに対応できず、平成7年10月19日の群馬銀行の提訴直前の、10月15日にさっさと市長の椅子を投げ出しました。同年 11月19日に行われた市長選挙で、唯一、事件による住民への負担をさせないと公約した候補が当選し、市長に就任しました。

ところが既に1年数カ月を経過しましたが、その後、新市長も新議会も、事件の真相解明には無関心のまま現在に至っています。

刑事事件の方は平成8年4月8日に判決が下り、元職員はひとりで刑事罰をかぶり、現在服役中です。しかし、群馬銀行が公社と連帯保証人である安中市を相手取って係争中の民事裁判は、これまでに8回の公判を経ていますが、事件の真相解明が期待されたにも関わらず、当時者間の争点は真相解明とは別のところにあり、あと2回程度の公判で結審あるいは和解になる可能性が、噂されています。これを裏付けるように、3月14日の定例安中市議会の一般質問で、議員の質問に対して、市当局は「仮に」としながらも「(群馬銀行との裁判で)和解のテーブルにつく用意がある」と発言しています。

行政の一大不祥事に対する、行政自身の自助努力や自浄機能がマヒしていることが明らかになったため、申立人ら安中市民は、みずから調査を始めました。刑事事件については、住民は刑事裁判記録をあらかた閲覧しましたので、元職員の立場から見た事件の全容はかなり把握していますが、これを裏付ける行政側の情報入手が欠かせません。

この事件は、警察でも検察でも、元職員一人の単独犯行であるとされてしまいましたが、その背景には、このような異常な犯行を生んだ土壌があることが椎測されます。行政側の惜報を入手し、分析した上で、事件の土壌や問題点を浮き彫りにしておかないと、事件を生んだ温床がそのまま残り、またしても不祥事件が再発しかねません。始末の悪いことに、今回の事件を反省してこの次にはヘマをしないように、と考える手合いがいるため、早期に完全駆除しておく必要があるからです。

公社の事務事業面でも、不安があります。元職員が15年間に亘り、乱脈を極めた経理内容なので、それを引きずったまま現在に至っている公社の現状をあらためないかぎり、いつまでたっても公社の健全化は望めません。

一例をあげると、現在、安中土地開発公社では、市内で造成した磯部団地のすぐ近くの場所を、群馬県に坪18万で買い取ってくれと、一生懸命お願いをしているようです。 これに対し、群馬県では坪12万円が適正価格だとして、買い取りに難色を示しているそうです。これは、安中土地公社が18万円の単価で売らないと、赤字になってしまうはど簿価が高いことを示しています。ということは、実勢価格に比べて、やたらと高い土地をかかえていることになり、これは世間でいう不良資産ではないでしょうか。こうした不良査産をいったいいくらかかえているのか。公社の詳しい帳簿類などを確認したくても、市当局は安中市に情報開示条例がないので出せないとして、市民に開示しようとしません。

また、公社が市や議会や県に提出した決算報告や財産目録などの事業報告書は、肝心の監査役の監事も「眠る男」で、公社の実態を市民に覆い隠そうという意因が明白なため、事件発覚後もあいかわらず不透明です。そのため、どの程度、粉飾決算をしているのか、住民にはわかりません。

それでも、住民は限られた情報を頼りに、公社の経理上の問題点を指摘してきました。これまで昭和55年度から平成7年度までの公社の事業決算報告害を公文書開示条例に基づき、知事から開示されたものを分析して、問題点を立入検査発動要請書の形で報告し、迅速な公社の経理実態の検査を行うようお願いしてきました。

今日は審査会の皆様のご参考までに、安中市土地開発公社の設立後から昨年度までの決算状況を一覧表にしたものを示してあります。これらは毎年、公社の理事会で承認を得て、監査の意見書も付けて、設立者である安中市長や、監督権限のある群馬県知事に報告されている公文杏 である公社報告書にある数字を並べただけのものです。





ところが、こうして並べてみると、おかしな点がいくつもあります。まず偕入金と返済金の差引累計が借入残になるはずですが、流動負債と固定負債から算出した惜入残が、ご覧の通り一致しません。

また支払利息に目を転じますと、収益費用明細書による支払利息に対する損益計算書での支払利息を比較すると、昭和57年度から63年度まで同額になっていることが判ります。損益計算書の支払利息は、原価算入すべき利息を除いた後の損金計上の支払い利息を示していますが、これが収益費用明細の支払い利息と一致しています。この間、少なくとも数千万円の金がどこかに消えてしまった可能性があります。

平成元年からは、経理に明るいと称する上司が着任したことで、それらしき数字に戻っておりますが、帳簿自体がどの程度信憑性があったのか極めて疑わしいため、評価に耐える数字ではないようです。 だからこそ、帳簿の実態を調べてみる必要があるわけです。 それには、他の市町村の模範公社の事例がよい比較対象になることは、誰しも考えることです。

さらに、公社は営利団体ではないため、過度な利益を上げることは法律上できませんが、事業の結果ある程度の剰余金を出すことはできます。これは準備金として繰り越され、この処分については、設立者の安中市にまかされています。ところが、昭和57年度から60年度に亘り、繰越金がゼロになっており、合計3239万3000円がどこかに行ってしまいました。昭和61年度には昭和59年度と60年度分の合計額に相当する金額が忽然と繰越金の所に現れたりするなど、 デタラメ放題です。しかし奇妙なことに誰も何も気がつかず、犯行額が雪だるま式に膨らみました。この分では、元職員はいったいいくら横領したのか検討もつきません。

知事は監督権限者の立場から、安中市土地開発公社のこうした決算状況の不正確さに早期に気付かなければならないことは勿論ですが、こうして住民サイドからみても、 あきらかに疑問点が指摘されるわけですから、ぜひ住民の真相究明に向けた努力に対して、協力しなくてもよい から、邪魔をしないで欲しいものです。

それにもかかわらず、知事は、あろうことか、条例を不適正に解釈し、行政への信頼回復をなによりも重要だと考える住民の熱意と努力に対して、理解を示すどころか、結果的に邪魔をすることにもなりかねない非開示処分をおこないました。これでは住民疎外の県政と批判を受けても仕力がないと思います。

知事は立入検査もせず、 住民の協力申し入れに対しても協力姿勢がみられません。 知事は監督権限者としての責任回避をいつまで続けるのでしょうか。公社はますます身動きのとれない状況に陥っていくのは明らかです。このことに、知事は気付いているのでしょうか。

事件で甘い汁をすすってきた関係者は、市内外に数多くおり、事件の真相解明には大きな困難が予想されることも事実です。しかし真に公社の再生を目指すには、これまでの膿を出し尽くさない限り、一歩を踏み出せません。にっちもさっちもいかなくなった公社はやがて放り出され、結局その不良資産のつけは、住民に転嫁されることになってしまうからです。それではまじめに行政を信頼してきた納税者はやりきれません。

事実、今年度の安巾市の公社に対する債務保証額は3300万円で、これは借入金の利子返済分でしかなく、事実上公社の機能は停止した状態にあると想像されます。

既に倒産状態にあるのだから、いちはやく手をうつべきだと考えます。傷口が大きくなってから、住民に後のつけを負わそうというのでは、たまったものではありません。 公社内での解決が不可能なら、早く市民に内情をさらけ出して、責任の所在をはっきりさせた上で、対応策を示し、そのうえで、どうしても市民に負担を求めなければならない場合には、キチンとその理由をデータを示して 説明し、協力を求めるのが筋というものではないでしょうか。

繰り返しますが、知事に立入検査を発動していただけないなら、せめて住民の活動に対して邪魔をしないでいただけるよう、配慮してもらいたいものです。そのための、ほんのささやかな協力の意向の証として、当該公文書開示を申立人に直ちに認めるよう、知事にお願いする次第です。
                             以上
**********

 この時の異議申立ての口頭意見陳述は平成9年3月27日に行われましたが、当時既に、安中市と土地開発公社は、群馬銀行との間で係争中だった約33.9億円を巡る貸金・保証債務履行請求訴訟で、結果として、群銀が約9.4億円を棒引きする代わりに残りの24億5千万を103年間の分割払いとなる和解案が裁判所から提示されていたことになります。

 その後、平成10年9月1日に、安中市は当時の中島博範市長が記者会見で「公社は市とは別法人なので、市の会計からの公金の導入はなく、公社で起こした事件なので、公社で解決したい」と述べて、安中市の財政から和解金が支払われる事態を否定しました。
※1998年9月1・2日付読売・上毛・毎日の各新聞記事 ZIP ⇒ 1998090102viszaj.zip

 報道記事によれば、土地開発公社を指導監督する立場の群馬県地方課進行係は「市と公社は第一段階では別団体だが、設立団体の安中市が公社の債務を保証する契約を結んでおり、払えなくなったらどうなるのかという疑問はある」と指摘しています。

 他方、当時の中島市長の記者会会見では、群銀に支払うことばかり言及していて、肝心の元職員タゴに対する約22.8億円及び年5分の遅延損害金の債権行使についてはなにも語っていません。そもそも、公社の帳簿がデタラメで、支払利息と繰越金の項目だけでも訳1億円の公金が行方不明になっており、こうした公金横領の部分(警察の調べでは3億4490万円が公金横領総額)については、タゴに請求していません。
※巨額詐欺事件の詳細情報(安中市民通信「まど」) ZIP ⇒ mado11.zip

■タゴ51億円事件の発覚から27年目となり、当会の活動も4半世紀を既に経過していますが、安中市は甚大な損害を与えた元職員タゴに対する債権行使をするどころか、むしろ腫れ物に触るかの如く庇っている始末です。

 当会では、安中市に対して、元職員タゴに対する債権行使の場に立会を求めており、そのために、委任状の交付を要請し続けていますが、未だに安中市は「検討する」と言うだけで、判断の先送りを続けています。

■元職員タゴも筆者と同じく今年3月で69歳となり、高崎市内で息子夫婦と一緒に暮らしているとみられます。51億円事件の真相にかかわっていた安中市の市役所の同僚、上司らは既に全員退職して、共済年金で悠々自適の毎日ですが、何も責任を取らずに済んだのは、やはり単独犯とされたタゴ一人にすべて責任を押し付けたおかげだと認識しているためか、未だに年賀状を出している者がいます。一生、タゴには足を向けて寝られない状況が続いているわけです。


タゴ51億円事件にかかる群銀との和解20年後の対応として、広報あんなか令和元年6月号にちょっぴり掲載された記事。元職員タゴへの債権回収には一言も触れられていない。

 そのため、そうした先輩職員に忖度して、安中市は現在でも、タゴに関する情報発信にはすこぶる消極的です。

 当会では、群銀に対して和解20年後から10年間にわたる和解金支払いにかかる債務保証のために、安中市に連帯保証人を求めた過程を検証するために、公社の2018年度理事会の議事録の情報開示を、安中市に求めましたが、肝心の部分が黒塗りにされたため、その後行政不服審査法に基づく審査請求を経ましたが、安中市は頑なに開示を拒んだため、現在、前橋地裁で係争中です。

 タゴ51億円事件が発覚し、その後103年ローンとして、タゴの豪遊の尻拭いを2103年の世代にまで追わせようとする安中市。当会は、引き続きこの問題に取り組んでまいります。

【市政をひらく安中市民の会事務局からの報告】

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