■昨日の毎日新聞全国版に引き続き、本日、朝日新聞も朝刊群馬版で大同スラグ問題を取りあげました。さっそく報道内容を見てみましょう。
**********2015年7月28日朝日新聞朝刊群馬版
20150728v.pdf
スラグ産廃認定なら 県が刑事告発も検討
渋川の有害物質問題
大同特殊鋼渋川工場(渋川市)から排出され、県内の工事現場で使われた鉄鋼スラグの一部に有害物質のフッ素や六価クロムが含まれていた問題で、県はスラグが産業廃棄物にあたるかどうかの精査を進めている。産廃だった場合は許可を受けずに処理していた疑いがあるとして、廃棄物処理法違反容疑での刑事告発も検討している。
この問題は2013年6月、渋川市内の遊園地の駐車場や道路の工事の際、撤去したスラグから有害物質のフッ素や六価クロムが検出されたと、市が議会で報告したことなどから発覚。県は14年1月下旬、廃棄物処理法に基づいて同工場を立ち入り検査し、同社に対して鉄鋼スラグ製品の出荷停止を求める行政処分をした。同社は以降、全量の製造販売を中止している。
県は同社のスラグを使用した工事数について「今の段階では公表できない」としているが、うち1地点で基準値を超えるフッ素が検出されたことを明らかにしている。渋川市、水資源機構、国交省関東地方整備局の管内でも同社のスラグが使われた工事から基準値超えのフッ素などが検出されており、県全体で数十カ所にのぼるとみられる。
県廃棄物・リサイクル課は「今回問題になっているスラグが産業廃棄物に該当するのかを現在、精査している」としている。産廃と認められれば、許可なくスラグの処理に関わったとして、同社などを廃棄物処理法違反で刑事告発することも視野に入れ、県警とも協議しているという。
一方、同社の本社広報部(名古屋市)は一貫して「産廃とは認識していなかった」と説明している。同社が業者にスラグを販売した際、販売価格を上回る運搬費などを支払う「逆有償」と呼ばれる取引についても「副産物の有効活用として販売しており、廃棄物処理法は適用されないと考えていた」としている。
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■昨日の毎日新聞の報道に続いて朝日新聞も、「スラグ産廃認定なら」と条件付きながらXデーが近いことを告げています。この報道記事のポイントを整理してみましょう。
ポイントその1
記事の中で、県は「スラグが産業廃棄物にあたるかどうかの精査を進めている」としていること。昨年1月下旬に立ち入り検査をしてから1年半ものあいだ結論が出せず、遅すぎる対応を暗に批判している記事の内容であること。
ポイントその2
スラグが産廃だった場合は、許可を受けずに処理した疑いで同社などを廃棄物処理法違反で刑事告発することも視野に入れ、既に群馬県警とも協議をしていること。また「同社など」と複数形で表現しているところを見ると、少なくとも大同特殊鋼と佐藤建設工業を刑事告発すると示唆していること。場合によっては、さらに、有害物質が入っていることを知りながら、不法投棄場所を斡旋したり、提供したりしていた一部の建設業者なども刑事告発されるかが注目されること。
ポイントその3
大同特殊鋼本社広報部は一貫して「産廃とは認識していなかった」と説明していること。スラグの運搬には群馬丸太をダミー会社として使ったり、途中から佐藤建設工業の土地を借りて、あたかも大同の工場であるかのようにみせかけたり、そもそも有害フッ素の量を測りスラグ自体が環境基準を超過していたことを知っていたのに、取材に対しては「産廃とは認識していなかった」としており、その態度は極めて不誠実で悪質であることが、報道記事からうかがえること。
ポイントその4
大同特殊鋼本社広報部は「逆有償取引について、副産物の有効活用として販売しており、廃棄物処理法は適用されないと考えていた」としていること。大同は過去にスラグを廃棄物として最終処分し多額な経費が掛かることを認識し、最終処分費用を免れるために逆有償取引で不法投棄を進めたにもかかわらず、未だに「副産物の有効活用だった」として見解の相違を装っていること。しかし実態は、佐藤建設工業と共に“うすら笑い”を浮かべて隠ぺい工作を行い、犯罪をリードしてきたブラック企業であること。
■このように極悪非道なブラック連合に、引導を渡すことができるかどうか、有毒スラグを再生砕石と同等扱いする通達を出したことのある群馬県としては、いよいよ政治的圧力に抗して、本来の行政判断が下せるかどうか、その真価がまもなく問われることになります。
【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
**********2015年7月28日朝日新聞朝刊群馬版
20150728v.pdf
スラグ産廃認定なら 県が刑事告発も検討
渋川の有害物質問題
大同特殊鋼渋川工場(渋川市)から排出され、県内の工事現場で使われた鉄鋼スラグの一部に有害物質のフッ素や六価クロムが含まれていた問題で、県はスラグが産業廃棄物にあたるかどうかの精査を進めている。産廃だった場合は許可を受けずに処理していた疑いがあるとして、廃棄物処理法違反容疑での刑事告発も検討している。
この問題は2013年6月、渋川市内の遊園地の駐車場や道路の工事の際、撤去したスラグから有害物質のフッ素や六価クロムが検出されたと、市が議会で報告したことなどから発覚。県は14年1月下旬、廃棄物処理法に基づいて同工場を立ち入り検査し、同社に対して鉄鋼スラグ製品の出荷停止を求める行政処分をした。同社は以降、全量の製造販売を中止している。
県は同社のスラグを使用した工事数について「今の段階では公表できない」としているが、うち1地点で基準値を超えるフッ素が検出されたことを明らかにしている。渋川市、水資源機構、国交省関東地方整備局の管内でも同社のスラグが使われた工事から基準値超えのフッ素などが検出されており、県全体で数十カ所にのぼるとみられる。
県廃棄物・リサイクル課は「今回問題になっているスラグが産業廃棄物に該当するのかを現在、精査している」としている。産廃と認められれば、許可なくスラグの処理に関わったとして、同社などを廃棄物処理法違反で刑事告発することも視野に入れ、県警とも協議しているという。
一方、同社の本社広報部(名古屋市)は一貫して「産廃とは認識していなかった」と説明している。同社が業者にスラグを販売した際、販売価格を上回る運搬費などを支払う「逆有償」と呼ばれる取引についても「副産物の有効活用として販売しており、廃棄物処理法は適用されないと考えていた」としている。
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■昨日の毎日新聞の報道に続いて朝日新聞も、「スラグ産廃認定なら」と条件付きながらXデーが近いことを告げています。この報道記事のポイントを整理してみましょう。
ポイントその1
記事の中で、県は「スラグが産業廃棄物にあたるかどうかの精査を進めている」としていること。昨年1月下旬に立ち入り検査をしてから1年半ものあいだ結論が出せず、遅すぎる対応を暗に批判している記事の内容であること。
ポイントその2
スラグが産廃だった場合は、許可を受けずに処理した疑いで同社などを廃棄物処理法違反で刑事告発することも視野に入れ、既に群馬県警とも協議をしていること。また「同社など」と複数形で表現しているところを見ると、少なくとも大同特殊鋼と佐藤建設工業を刑事告発すると示唆していること。場合によっては、さらに、有害物質が入っていることを知りながら、不法投棄場所を斡旋したり、提供したりしていた一部の建設業者なども刑事告発されるかが注目されること。
ポイントその3
大同特殊鋼本社広報部は一貫して「産廃とは認識していなかった」と説明していること。スラグの運搬には群馬丸太をダミー会社として使ったり、途中から佐藤建設工業の土地を借りて、あたかも大同の工場であるかのようにみせかけたり、そもそも有害フッ素の量を測りスラグ自体が環境基準を超過していたことを知っていたのに、取材に対しては「産廃とは認識していなかった」としており、その態度は極めて不誠実で悪質であることが、報道記事からうかがえること。
ポイントその4
大同特殊鋼本社広報部は「逆有償取引について、副産物の有効活用として販売しており、廃棄物処理法は適用されないと考えていた」としていること。大同は過去にスラグを廃棄物として最終処分し多額な経費が掛かることを認識し、最終処分費用を免れるために逆有償取引で不法投棄を進めたにもかかわらず、未だに「副産物の有効活用だった」として見解の相違を装っていること。しかし実態は、佐藤建設工業と共に“うすら笑い”を浮かべて隠ぺい工作を行い、犯罪をリードしてきたブラック企業であること。
■このように極悪非道なブラック連合に、引導を渡すことができるかどうか、有毒スラグを再生砕石と同等扱いする通達を出したことのある群馬県としては、いよいよ政治的圧力に抗して、本来の行政判断が下せるかどうか、その真価がまもなく問われることになります。
【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】