田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

Pearl パール(Pearl)

2023年07月20日 17時41分55秒 | 日記

Pearl Movie Details, Film Cast, Genre & Rating – CelebrityDispatch.com

Pearl Early Reviews Praise Mia Goth's X Horror Movie Prequel

Does Pearl Have a Post-Credit Scene?

 タイ・ウェスト監督、ミア・ゴス主演のホラー「X エックス」のシリーズ第2作で、1970年代が舞台だった「X エックス」の60年前を描く前日譚。「X エックス」に登場した極悪老婆パールの若き日を描き、夢見る少女だったパールがいかにしてシリアルキラーへと変貌したかが明らかにされる。

スクリーンの中で歌い踊る華やかなスターに憧れるパールは、厳格な母親と病気の父親と人里離れた農場で暮らしている。若くして結婚した夫は戦争へ出征中で、父親の世話と家畜たちの餌やりの毎日に鬱屈とした気持ちを抱えていた。ある日、父親の薬を買いにでかけた町で、母親に内緒で映画を見たパールは、ますます外の世界へのあこがれを強めていく。そして、母親から「お前は一生農場から出られない」といさめられたことをきっかけに、抑圧されてきた狂気が暴発する。

前作で主人公マキシーンとパールの2役を演じたミア・ゴスが今作でも主演を務め、若かりし日のパールを演じてるほか、脚本と製作総指揮にも名を連ねている。(映画.comより)

 

 

<2023年7月9日 劇場鑑賞>

 前作「エックス」は怖かったけど、どこかおもしろくて、「おもしろいなんて言うと不謹慎なんじゃないか」と少し後ろめたさを感じながらも、やっぱり楽しんで見てしまった、そんな感じでした。それで、やっぱり楽しめた人も多かったのか、興行収入もよかったのでしょう。こんな風にすぐに続編が(笑)。しかも前日譚。あのお婆さんの若い頃の話です。計画はあったのでしょうが、コケてたら作られなかった作品なんでしょうね、きっと。

 しかし、前作で語り部だった若い女性とサイコなお婆さんは二役だったわけですが、最終的にはどういうからくりなんでしょう。単に話題性を狙って同じ役者さんで加害者と被害者を演じる、という実験的な作品だと思っていたのですが、こうして前日譚が、やはり同じ役者で作られるというのは、ひょっとして壮大な(?)仕掛けがあるのか。多分、この作品が当たったら、次も作られるでしょうから、そこ楽しみにしたいと思います。

 さて、物語です。とある田舎の農場。な~んにもない田舎で、うら若きパールは母親に厳しく育てられています。父親は、自分では話すことはおろか、体一つ動かせない障がい者です。毎日牛やヤギの世話に明け暮れながらも、その家畜たち相手に話しかけ、ダンスを披露するパールは、確かにサイキックな感じですが、基本的にいい子だと思うので環境さえよければ普通の優しい女性に育ったと思います。ただ、人生って、不幸で不公平なもの。経済的にも苦しく、障がい者の夫のせいで外出もままならない母親は、パールに当たってばかりです。自分も自分の人生に対してイラついているのでしょうね。まだ若いパールに自由を与えず、家畜の世話だけでなく、父親(夫)のお風呂や食事もほとんど丸投げしています。そんなパールは、農場から出たい一心で農場実習に来た裕福な男と結婚したのに、ここから連れ出してくれるどころか、パールを農場に残したまま、理想に燃えて戦争にさっさと参戦してしまいます。まだ子供もいないのに。深い失望を抱えたまま、母親の言いなりになるしかないパール。本当にかわいそうでした。個人的には、確かに価値観が間違っている面もあったかもしれませんが、あまりに外の世界を知らなさ過ぎて、何が当たり前でなにが変なのかを学ぶ機会がなかったのではないか、とも思いました。それゆえ「なんでこうなるの」と思うことばかりが起きてしまい、どうするべきか考える余裕がもはやなかった、あるいは、一連の事件が本人の理解を超える世界で、理解のキャパを超えてしまったがための暴走とか、そんな感じかもしれない、と思いました。もちろん、だからって許されるものではないですけどね。

 「子供は親を選べない」とか「親ガチャ」とか言いますけどね、まさにそんな感じだと思いました。でも、前作で将来が描かれていたわけで、そこには夫ハワードがちゃんといた、ということは、彼は戦争から帰還したときの恐ろしい状況から逃げ出さずにパールと一緒にとどまった、ということですね。簡単には逃げ出せなかったのかもしれませんが、なんという順応性の高さ(笑)。あるいはパールを深く愛していたのかもしれません。育ちがいいはずのハワードが、どうパール色に染まっていったのか、その辺も続編で確認したいと思います。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 探偵マーロウ(Marlowe) | トップ | 小説家の映画(소설가의 영화) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事