田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

マンティコア 怪物(Manticora)

2024年06月23日 23時31分41秒 | 日記

Manticore (Mantícora) • Film Factory Entertainment

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 2014年の劇場デビュー作「マジカル・ガール」で第62回サン・セバスチャン国際映画祭グランプリ&監督賞を受賞したスペインの鬼才カルロス・ベルムトが、ゲームデザイナーの青年が思いもよらない“怪物”を作り出してしまう姿を独創的なストーリーと予測不能の展開で描き、人間の心の闇に踏み込んだアンチモラル・ロマンス。

空想のモンスターを生み出すゲームデザイナーの内気な青年フリアンは、同僚の誕生日パーティで美術史を学ぶ女性ディアナと出会い、聡明でミステリアスな彼女にひかれていく。その一方で、フリアンは隣人の少年を火事から救ったことをきっかけに、謎のパニック発作に悩まされるように。やがてフリアンが抱えるある秘密が、思わぬ怪物を生み出してしまう。

主人公フリアン役に「SEVENTEEN セブンティーン」のナチョ・サンチェス。2022年・第35回東京国際映画祭コンペティション部門出品(映画祭上映時タイトル「マンティコア」)。(映画.comより)

 

 

<2024年5月5日 劇場鑑賞>

 私のようなアナログな人間には、少し難しい映画でした。この監督の作品は「マジカル・ガール」を見ました。私も知らないような日本の少女アニメを主軸に、夢見る少女とその父親、魔性の女の関係性を描く、かなり異質な映画だったと記憶しています。凡人な私は、話の本質を理解していないかもしれません。

 さて、今回の映画は、ゲームに登場するモンスターをデザインする男性フリアンのお話です。彼はゲーム会社に勤務し、仕事はそつなくこなし、その業績も認められています。そんな彼が、自宅でVRを使ってモンスターに肉付けしていると、かすかに「助けて」と聞こえたような気が。素早くあたりを見回ると、隣の部屋が火事です。一人で在宅していた少年を助け出し、消火器を用いておおごとになるのを防いだフリアン。駆け付けた母親にも感謝され、それ以上ことが大きくなるはずはなかったのですが、彼はその日から呼吸困難を感じるようになります。煙を吸ったからかと診察してもらっても、どこにも悪いところはなく、精神的なものではと言われてしまいます。

 以前ほど持久力がなくなり、息苦しくなることが多くなったフリアンは、ある時気晴らしにバーへと繰り出し、ディアナと知り合い親密になって行きます。しかし、この二人の関係性もなんだか複雑なんですね。

 

 

<ここからネタバレ>

 要は、フリアンは少年を助けて仲良しになったことにより、小児性愛に目覚めたようなのです。あるいはもっと前からそうだったのかもしれません。でも、自分ではいけないこととわかっているので、少年の隣から引っ越したり、女性と付き合おうと努力する、でもなかなかうまくいかない、そんな感じです。そのうち、自分が個人的に作った動画が流出するという事態が起き、仕事もクビに。そんなことが重なるうちだんだん自分が抑えられなくなり、少年が一人の時間に訪ねて行ってしまいました。悪意を持って少年に飲み物を提供し、眠らせたところで、彼が描いた絵を発見。それは過去にフリアンが「こうなってみたい」と述べた姿でした。咄嗟に窓から飛び降りてしまうフリアン。なぜそんな衝撃的な行動を取ったのかは説明されませんが、彼は死にぞこない、脊椎の損傷で動けない体に。病室にはディアナの姿が。

 

<ネタバレ終わり>

 

 「マジカル・ガール」に匹敵するくらいの衝撃作でしたね。凡人の私には、だから何が言いたかったのかはよくわかりません。どんなにいい人に見えても気をつけろ、ってことだったのか、なかなか発展しないディアナにもなにか魂胆があったのか。彼女のバックグラウンドも複雑そうだったから。でも、そんなことないのかもしれません。とにかく、人を選ぶ作品なんじゃないのかな、と思いました。

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