田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男(THE HOAX)

2014年05月07日 22時52分51秒 | 日記

 

 ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男の場面カット画像

 

『HACHI 約束の犬』のラッセ・ハルストレム監督が、1970年代にアメリカで実際に起きた詐欺事件を基に描く人間ドラマ。当時隠遁生活を送っていた、大富豪ハワード・ヒューズの偽の自伝を創作した作家の驚くべき手腕を鮮やかに映し出す。憎めない主人公を、『シカゴ』のリチャード・ギアが熱演。彼の親友に『17歳の肖像』のアルフレッド・モリナがふんしている。次第にうそと現実の境界線があいまいになっていく展開に、くぎ付けとなる。(yahoo!映画より)

 

 

 録り置きの映画の消化。少し前の映画です。実話なんだとか。

ハワード・ヒューズなんて言っても、私なんかはディカプリオの映画でしか知らないわけですが、確かにあの映画でもかなり個性的な人物でしたよね。

この映画の主人公、リチャード・ギア扮するグリフォード・アーヴィングは、絵画における贋作のプロ、エルミア・デ・ホーリーに関する本を書いて一発当て、才能はあると言われていた作家。しかしその後続かず、スランプ。でも、プライドと意地だけはあって「今に今世紀最高の作品を書いてやる」などと本気で思っています。

そんな彼が思いついたのが、すでに人前に出なくなっていた、成功した変人ハワード・ヒューズの自伝を書くことでした。彼の筆跡をまね、「グリフォードに一任する」などという手紙をでっち上げ、出版社に持ち込み。なぜか筆跡鑑定で「本物」とされたこの手紙を信じ、出版社はグリフォードと契約します。

それからの彼は、腕利きの調査員ディック(妙に若いアルフレッド・モリーナ)とワシントン.D.Cの議会図書館で公文書を盗み撮りしたり、ペンタゴンから資料を盗み出したりと、怒涛の情報収集を始めます。

極めつけはヒューズの元側近で、今は袂を分かっているノア・デートリッヒの資料でした。これもうまくコピーすることができた二人。自伝は着々と書かれてゆきます。

とにかく人前には出ないハワード。そんな彼の自伝を巡って、なんどか嘘が露見しそうになりながらも、口八丁手八丁なグリフォードに言い負かされ、結局は出版社は多額の報酬を払うことになります。もちろん、グリフォードにではありません。ハワードにです。小切手の換金も一筋縄ではいきませんね。本人には会ってないのですから。

そんなとき、突然ラスベガスの消印で段ボール箱が届きます。中にはハワード・ヒューズとニクソン大統領陣営におけるお金のやりとり(つまり賄賂)の資料などがぎっしり。これが後に「ウォーターゲート事件」として世にさらされるものですね。

これを送ってきたのが誰なのかは、はっきりとは描かれていませんでした。ひょっとして、なにかでニクソン氏に腹を立てたヒューズ本人が、露見させるために送ってきた?あるいはグリフォードの実力を試したかったヒューズ本人がわざと送った?真相はわかりません。でも、はったり続きで倒れそうになっていたグリフォードは、この資料でずいぶん救われるのです。

嘘に嘘を上塗りしてゆくグリフォード。そのストレスから、だんだん現実と嘘の見境いも見失ってゆきます。それにとりつかれてゆくというのでしょうか。また、昔懐かしい愛人(ジュリー・デルピー)とも再会するのですが、彼女についても妻に対して嘘を塗り固めてゆきます。ほとんど自分がわからなくなっているのでしょうか。あるいは、嘘をつくことに酔っているのでしょうか。少しずつ、おかしくなってゆきます。

 

さて、こんな大ウソ、バレないはずはありません。いつかバレます。ハワード・ヒューズ氏、(多分)激怒です。見えないからわからないけれど。しかし、「こんな男に自伝を頼んだ覚えはない。大ウソだ」としながらも「しかし、本自体はよくできている」と言わしめたのです。グリフォードさん、お金も返したんでしょうかねぇ。大金だけど。

全体的には、話が少し駆け足で、わかりづらいところがありました。この事件について、多少の知識があればサクサク理解しながら見れたかもしれません。しかしなんの知識もないと、ただのバカが、「筆跡鑑定でバレなかった」とか「簡単に資料が盗めた」とかの立て続けの幸運に恵まれ、さらに誰が送ってきたのかわからないけれど、重要な資料も手にして・・・というあり得ない話にしか見えません。

本人に乗り移られたようにおかしくなってゆく、という描写も中途半端な感じを受けました。

しかし、これが実話なんですものね。事実は小説よりも奇なり、とは言いますが、まさにそんな感じ。蓋を開けてみれば、なんのことはない。冷静になって考えれば、「なんで騙されたんだろう」と皆が思ったに違いありません。この話が1970年代。まだまだ最近ですものね。なんだか複雑です。

 

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