「インデペンデンス・デイ」「ホワイトハウス・ダウン」のローランド・エメリッヒ監督が、第2次世界大戦(太平洋戦争)のターニングポイントとなったミッドウェイ海戦を描いた戦争ドラマ。1941年12月7日、日本軍は戦争の早期終結を狙う連合艦隊司令官・山本五十六の命により、真珠湾のアメリカ艦隊に攻撃を仕掛ける。大打撃を受けたアメリカ海軍は、兵士の士気高揚に長けたチェスター・ニミッツを新たな太平洋艦隊司令長官に任命。日米の攻防が激化する中、本土攻撃の脅威に焦る日本軍は、大戦力を投入した次なる戦いを計画する。真珠湾の反省から情報戦に注力するアメリカ軍は、その目的地をハワイ諸島北西のミッドウェイ島と分析し、全戦力を集中した逆襲に勝負をかける。そしてついに、空中・海上・海中のすべてが戦場となる3日間の壮絶な戦いが幕を開ける。キャストにはエド・スクレイン、ウッディ・ハレルソン、デニス・クエイド、豊川悦司、浅野忠信、國村隼ら実力派が海を越えて集結。(映画.comより)
ローランド・エメリッヒ監督の映画を久しぶりに見る気がします。こういうbig budgetの映画を作るのは、本当に上手ですね、エメリッヒ監督。マイケル・ベイ監督とタイを張るかも。まぁ「破壊王」ほどの破壊はないかもしれないけれど。
個人的には、この辺の歴史はうっすらと記憶にあるくらいで、詳しくは知りませんでした。勉強になりました。
いろんな説があるにしろ、とにかく突然真珠湾攻撃を仕掛けた日本軍。そして大きなダメージを受け、司令長官から刷新したアメリカ軍。この新しい司令長官ニミッツ氏をウッディ・ハレルソンが演じます。本当にいい役者になりましたねぇ。若い頃の彼から、今の姿を想像できた人がどれだけいたでしょうか。これほど味のある男になるとは。そして、ニミッツ長官は情報戦を重視。情報部門のトップがパトリック・ウィルソン。「オペラ座の怪人」なんかにも出ていましたね。実は怪人に惚れている主演の舞台女優のフィアンセだったと思います。とまぁそんなどうでもいいことはさておき、アメリカ軍は、この情報戦を制することによって、ミッドウェイ海戦の勝利を手にするのですから、デキる部下が変人だと告げたパトリック・ウィルソンに「情報さえ確かなら、裸足でブギウギダンスを踊っていても構わない」と言ってのけたニミッツ長官の先見性ですね。まぁ元々軍事力には差があったのでしょうけれど。
史実は史実として、みんな知ってると思うので詳しくは書かないとして、山本五十六氏は、最後も自分の行動が筒抜けであったため殺された、となにかで読んだことがあるのですが、特にここが弱点だったのでしょうか。そこ、カバーする部下はいなかったんでしょうか。
浅野忠信演じる少将が、自分の空母と殉死する場面は悲しかったです。一緒に残ることを申し出た若い部下に「申し出は大変ありがたく思い感謝するが、若い君には降りてもらって日本再建に尽力してもらうこととする」という意味のことを述べた時は、一緒に泣くかと思いました。そこに、まだ生きて人が乗っているとわかっている船を撃たなければならないものなのか、と涙が出る思いでした。自分の空母が爆撃された以上、それは決まり事だったのでしょうけれど、生きて帰れば喜ぶ人がいるのに。本当に悲しいですね。
いろんなエピソードを入れたがために、アーロン・エッカートの部隊が中国に不時着する場面は取って付けたみたいになってました。却ってわかりづらかったです。彼らが日本に空爆をした後、精一杯の燃料で中国まで飛んだ、ということを理解するのに時間がかかってしまいました。自分がその史実を知らなかったからで、自分の無知から来るものなのですが。
戦争映画に詳しいわけではありませんが、今作は出色だったと思います。よかったです、感動しました。