写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

晩婚の勧め?

2009年05月04日 | 生活・ニュース
 朝方、突然大きなサイレンを鳴らして救急車が家のそばを通り、裏の団地へと向かって行った。お年寄りへのボランティアをしているので、救急車が行く家の心当たりはなくもない。

 前日の昼にも、救急車が入った。70代の夫婦二人が住んでいて、足も不自由な奥さんの調子がときどき悪くなる家の前に止まった。

 「わしも手術をした後の腰の調子が悪うて、女房を抱えるようなことは出来ん」と、訪れるたびにいつも同じ愚痴をこぼしていた。

 こんな家庭を見るとき、将来わが家ではどんなことになるのだろうかといつも考えさせられる。核家族が増えている今は夫婦同志の「老老介護」。看る力がなくなってくるころに肉体的な力仕事を強いられるという厳しい現実がある。

 そんな今朝、中国新聞の読者投稿のエッセイに、70歳の娘が91歳の母を頑張って介護している話が書いてあった。

 70歳ともなると自らが介護されている人も多い。そんな年齢になってなお親の介護をしなければいけないとは。夫婦の老老介護に匹敵する大変な苦労を想像する。

 子が70歳を越えると親子の間といっても老老介護である。こんなことを考えると、早く結婚して若くして子どもを生むということは、老後の介護のことを考えるとあまり良いことでないかもしれない。

 老後、しっかりと子に面倒をみてもらおうと思えば、年を取って生んだ方がいいという結論に達する。いや、そんなことよりも本当は、介護者も自立した自分の人生を歩むことが出来るような社会制度の充実が望ましい。

 このブログを書くのにパソコンで「老老介護」と打とうとするが、その都度「朗々介護」と出てくるのは、明るく朗らかに介護をしなさいよとパソコンに諭されているのだろうか。悩ましい話であるがつい笑ってしまった。
  (写真は、老老介護に入ろうとしている「ハートリー」)

11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
介護 (anne)
2009-05-04 14:22:43
子供のいない私には、老人ホームに入るしかないかな?
実家の近所のおばあさんは、自分で救急車をよんで、その日のうちに、お亡くなりに。そういう年寄りになりたいですね。ぼけないように、指先と頭を鍛えなくては。
追伸 お世話になりました
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面倒を見る人は (tatu_no_ko)
2009-05-04 19:49:04
エッセイ2回読みました。身につまされる内容ですが投稿者の元気に救われました。
我家でもたまに夫婦の会話になりますが、現実のときどうなるか思いつきません。そのときは忍足で近づいているのでしょうが。
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そなえあれば…というけれど… (yattaro-)
2009-05-04 22:34:57
老々介護…身につまされる話です。しかも避けて通れない現実だけに少し気持ちが沈みます。
この年でようやく、子供ではなくなりました。もし私が長子や第2子だったら、100才まで生きた母親の介護は間違いなく、老々となっていたはずです。
私は第5子ですから、辛うじて老々とまではいきませんでしたが…。
こうなったら、一日も元気で長く…ですね。
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anneさん (ロードスター)
2009-05-05 08:20:07
「実家の近所のおばあさんは、自分で救急車をよんで、その日のうちに、お亡くなりに」、この方が何かエッセイになりそうですね。
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tatu_no_koさん (ロードスター)
2009-05-05 08:21:33
必ずやって来る介護、居間から良く考えておかなければいけませんが、どうも…。
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yattaro-さん (ロードスター)
2009-05-05 08:24:19
yattaro-さんは老壮介護、良くされました。誰にも迷惑をかけないいい方法、政権交代すれば出来ますかね~。
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私の場合 (金ちゃん)
2009-05-06 00:41:06
母と義母が離れて暮らしています。夫と私は長男長女。いつまでも元気でと祈るばかりです。
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ロードスターさん (オレゴンローズ)
2009-05-06 05:58:00
お年寄りの方を助けるボランテアーをなさっているとか、感心ですね!なかなかだれにでもできるものではありません、あなたのような方は特別に使命を感じている方ではないかと思っています。
話は変わりますが、英語の表現に”Getting old is not for chickens."という表現があります、つまり老いていくという事は大変なことで臆病者にはできないよ。。という表現です。(鶏は臆病な鳥とみなされている)考えてみると誰でも遅かれ早かれこの事実に直面するときが必ずあると思いますが、どんな状態の時に直面しても心構えをしっかり持ち自分の健康管理をしっかりと行いそのときに供えたいものです。
此方ではこれとは正反対に年取った夫婦が何かの理由でお孫さんのお世話をしている。。というケースも多多です。
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金ちゃん (ロードスター)
2009-05-06 08:44:55
まだまだお元気でいらっしゃるようですね。
私は遠くにいて両親の面倒は姉任せでした。
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オレゴンローズさん (ロードスター)
2009-05-06 08:47:35
”Getting old is not for chickens."。でも誰もが確実に老いて生きます。今のうちに臆病にならない強い気持ちに鍛えておかなければいけませんね。
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