写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

3D映画

2012年02月24日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画

 2005年に「ALWAYS三丁目の夕日」の第1作を見に行った。続く第2作は、第1作を上回る大ヒットとなったというが、第2作が上映されたことは知らなかった。そして今、第3作「ALWAYS三丁目の夕日’64」が上映されていることを聞き、奥さんと駅前の映画館に見に出かけた。

 12時10分からの上映に間に合うよう、運動がてら30分歩いていった。階段を上がり3階のキップ売り場の前に出た。若い切符売りの男が退屈そうな顔をして座っている。入場券を買おうとしたら「3Dにしますか、それとも普通の映画にしますか? 普通のでしたら40分くらい待つようになりますが」と問う。

 「えっ、3Dでもやっているんですか?」聞き直して見ると、3Dと普通のものを同時に上映しているという。今まで3Dなんて見たことがない。いいチャンスだ。どんなものか興味津々。3Dの券を買った。60歳以上の入場券はどんな映画もふだんは1,000円であるが、3Dに限っては1,300円だという。初めての体験、この際プラス300円は惜しくない。サングラスにしては少しごっつくて重たい眼鏡を手渡されて入館した。

 平日の昼時とあって、130席ある館内に観客は私たち2人のみ。開演までまだ15分ある。間をおいて、私と同じ年配に見える夫婦が2組入ってきた。合計6人の観客を前にして映画が始まった。遠近両用の眼鏡の上に、もうひとつごっつい眼鏡をかけると頭は重いし、眼鏡はずり落ちる。しかも、3D用の眼鏡をかけると、画面が極端に暗くなり見えにくい。140分間、落ち着かないままストーリーを追った。

 映画そのものは評判通りのものであったと評価できたが、3Dというもの、1度は体験してみてもよいが、またこんな眼鏡をかけてまで見たいとは思えない代物であった。上映時間中、「さすが3Dの迫力だな」と感心した場面は3回くらいあっただろうか。あとは普通の映画とほとんど変わらないというのが私の評価。眼鏡の大幅改善が、3Dの普及・発展のカギを握っているように感じた。