俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

NINE

2010年03月24日 20時56分09秒 | 時系列でご覧ください

今は亡きイタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニが1963年に製作した彼の代表作のひとつである『 8 1/2 』.
その作品が1982年にブロードウェイで『 NINE 』というタイトルでミュージカル化され、それをさらに『シカゴ』のロブ・マーシャル監督が錚々たる俳優陣を起用し映画化という、「へアースプレイ」や「プロデューサーズ」同様最近時々見かける“ 映画 ”→“ 舞台 ”→“ 映画 ”な作品。


多分もともとあるであろうフェリーニへのオマージュであるとか、撮影所シネチッタ・スタジオへの憧憬であるとか、60年代のイタリア、そしてヨーロッパに対するリスペクトも感じないことはないけれど、脚本が練りこまれていない分何とも中途半端な印象。


例えば亡き母親役のソフィア・ローレンを乗せてアルファ・ロメオの「 Giulietta Spider 」を乗せて主人公がミラノの街を疾走するシーンだけを切り取った見るとやはりグッと来てしまうし、ご贔屓ケイト・ハドソンが「シネマ・イタリアーノ」を歌いながら踊るシーンの躍動感もそこだけ見ている分にはかなり惹きつけられるものがあるんだけど、個々のそうしたシーンが有機的に結びつかず、もっと言えばミュージカル要素とドラマ的要素の割り振りがどっちも付かずとなっていて、中途半端な印象を持たざるを得なかったのだ。


とは言え、次々と登場する女性たち( ← ほとんどの登場人物をランジェリー姿にするところが何ともおかしかったりもする)に甘え、叱咤激励され、蔑まれ、愛想を尽かされたりする本当に駄目男ぶりは、すべて女性が支配していたフェリーニの世界とも大いに通底するところだろうし、セクシー極まりないダンスを披露してくれるペネロペ・クルスや余裕綽々なニコール・キッドマンをはじめ良くぞ集めたなぁと思わず感心させられた女優陣たちもそれぞれ見どころはあったとも思う。
ちなみに個人的イチ押しはやはりジュディ・デンチだったりしたのですが。アハッ


とにかく見ていて退屈することはないし、ドラマ部分の心情描写のあまりの薄っぺらさをミュージカル部分で何とか挽回しているとも言えるだろうし、加えて大作映画らしい豪華絢爛な舞台美術、衣装は見応えたっぷりなので、機会があれば。
あと、エンドロールで流れる実は一番吸い寄せられたキャストのレッスンシーンもお見逃しなく!



今日の1曲 “ Cinema Italiano ” :  Kate Hudson

ファーギーが砂を敷き詰めた舞台でタンバリンを持って歌う「ビー・イタリアン」も魅力的だったけれど、ここはやっぱりすっかり女性女性していたケイト・ハドソンのこの曲。
あの頃のテイストをうまく掬い取ったPVとしても楽曲としてもなかなか秀逸だと思うのですが…。



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2 コメント

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おされ映画 (はちまき)
2010-03-25 23:30:28
こんばんは。
『あの頃ペニーレインと』が大好きなのでケイト・ハドソンを観に、『NINE』初日、仕事帰りに行ってきました。
キレイな女の人がいっぱい出てきて、
歌って踊って、キラキラ「おされ」映画でした。
でも、ごめんなさい。
でかいあくびを3回、
意識が2回ほど遠~くに行きかけました。。。
期待していたのに消化不良?だったのが、
今回ブログを読んで、何となく納得できたような気がします。

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◇はちまきさんへ (nikidasu)
2010-03-28 22:55:28
同じ『あの頃ペニーレインと』ファンとしては、やはり
ケイト・ハドソン狙いでした。
ただ彼女をはじめせっかく豪華女優陣を配しながら
ジュディ・デンチ以外はどちらかというと顔見世的で
そういった意味でも物足りなかったですよね。
トホホ
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