栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

「3歳勝ち馬評価」2週ぶん更新&雑感

2018-02-06 16:23:06 | POG

先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」1/27~2/4ぶんを2頭更新しました

◆ヘニーコジーン

来週発売の「サラブレ」では久々にMahmoudさんと「ラッ血対談~3歳馬番付」をやっとりますが、そこでミスターメロディについて
「ミスターメロディは大好きな配合なので番付入りは嬉しいですが、ここ2走の負けは、パサパサのダートやとパフォーマンス落ちる感じですかね?」
「新馬勝ちはダートでは久々のビッグパフォーマンスでした。馬場は速い方がええでしょう。タメたら持ち味なしの一本調子」
みたいな話をしてて、だから東京の不良で2勝目をあげたのはまあ順当やなあ…とレースを観てたところ、15人気のアポストルが3着に追い込んできて、うわあああこれカトレアで狙ったヘニーコジーンや、ワイドだけでも買っとくべきやった…



カトレアの予想コメントを抜粋すると「◎アポストルはヘニーヒューズらしい大箱向きマイラーで、1600mのブリーダーズゴールドJCはかなり大外をブン回してサザンヴィグラスとダブルシャープにつづく3着。配合的にも母母父Cozzeneに注目でき、JRAに出走したヘニーヒューズ産駒で母系にCozzeneを持つ馬は、モーニンとアジアエクスプレスと現在[0-2-0-1]のレピアーウィット(アジアの全弟)の3頭しかいないニックスなのだ」




「ヘニーヒューズの砂のツボ」でも説明しましたが、ヘニーヒューズのダート適性は自身が持つEight Thirty≒War Relicのニアリークロスで主に説明でき、CozzeneにはCaroを通じてWar Relicの血が入るだけでなく、以下のように牝祖PortageもEight Thirtyとニアリーな構成なんですね(3代母の父Mad HatterはMan o'Warと同じFair Play×Rock Sandの組み合わせ)
だからCozzene経由に限らず、母系にPortageの血を引くヘニーヒューズ産駒は、
アジアエクスプレス(G1馬)=レピアーウィット(現役1勝)、モーニン(G1馬)、マニクール(現役2勝)、アポストル(現役500万下3着)、ワールドカフェ(現役未勝利)と、母数は少ないですが恐るべき確率で走っとります






唯一未勝利のワールドカフェ(現在0-0-0-3])は母父フジキセキで牝系Portage、ヘニーヒューズのダート馬としてはもう至れり尽くせりな配合なんですが、Darshaanというとてつもない芝向きのナスキロ血脈が入るのが中途半なんですかね…
これらはDeputy Ministerの牝祖Good Exampleやマイニングの牝祖Lady Be GoodなどからもEight Thirty≒War Relic的な血を受けていることは考慮しなければなりませんが、「ヘニーキセキ」も「ヘニーコジーン」もニアリー本に収録されることになりそうです(Eight Thirty≒War Relic≒Good Exampleの章)

◆ハーツクライ

先週の東京のメインは4歳リスグラシューに5歳ロジクライと、土日ともハーツクライ産駒が制覇しました
ロジクライの3着には12人気のハーツクライ産駒チャンピオンルパンが踏ん張り、日曜もハービンジャー産駒とルーラーシップ産駒が軒並み好走
そして締めくくりとばかりに日曜最終ではダイナカール牝系のヴァーミリアン産駒シャンデリアハウスがきれいに抜け出して、雪除け後の東京芝はちょっとタフなナスペリオン馬場でしたね(対照的にディープ産駒は土日で[0-3-0-19]複回値29円と惨敗)





リスグラシューは母がMill Reef5×3にSadler's Wells経由でSpecial、ロジクライは母母母父Final Strawの父がThatch(Specialの全兄)
トニービン産駒が東京ではいつもナタのように斬れ、京都ではいつも下りで置かれたのは、ナスペリオン的後輪駆動で走ったから
ハーツクライ産駒はすでにダービーとオークスとJCと秋天と安田を手中におさめましたが、未だに京都の大レースには縁がない
Hyperion的後輪駆動なのに後駆に筋肉がつくのが遅いので、そらハーツクライもその産駒も晩成ですわ…というわけで、2歳時から素質は垣間見せるものの、本格化するのは古馬になってからというのがスタンダードな成長曲線で、若いころより「トモがパンとした」「行けるようになった」がキーワード
そんな晩成ハーツクライを春クラシックに間に合わせるには、デインヒルやNureyevなどお尻の大きなNorthern Dancer系マイラーの血を持ってきてやるのが有効



そしてハーツクライの最大の武器であるトニービン的ナスペリオン的持続力を表現するには、トニービンの母父Hornbeamが持つナスペリオン(NasrullahとHyperionの組み合わせ)に、SpecialやMill ReefやBlushing Groomなどのナスペリオンを合わせるのが有効
何回も書いてきたことのリピートですが、このところ種牡馬辞典やキャロ会報でジャスタウェイやハーツクライの話をよく書いてるので、今一度簡単にまとめときました

コメント (1)
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