栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

先週の雑感・小倉編~ここで打つしかなかったタガノエルシコ

2012-08-28 17:49:42 | 血統予想

先週は芝1200mの2歳未勝利戦でクロフネサプライズスクワドロンとクロフネ産駒が2勝しましたが、前者は母父トニービンですからカレンチャンと同じで、後者はスリープレスナイトの全弟で母父Nureyevですから、どちらも「母の血脈構成の1/2以上にHyperion的凝縮をもってくる」というクロフネの芝A級馬が出る成功パターンですね~

前エントリのタニノギムレット産駒の話の続きになりますが、土曜7R2着フェータルローズの場合は母母父Night Shiftの母CibouletteがSir Gallahad=Bull Dog4×4・5で、代母Welsh FlameはハイインローとDonatelloのクロスですから、これはRoberto的パワー機動力とFlower Bowl的スタミナ持続力で走る中距離馬で、やっぱり内回りを先行捲りで粘る脚質になったと

西海賞は「高速馬場の1800mならロベルタよりアロマティコのほうが上だろう」と書いたんですが、叔父のサンバレンティン=インティライミ兄弟ではサンバレンティンのほうに似ていて、母のHalo≒Red God2×4の無駄のない走法も受け継いで小回りの機動力は抜群で、今日も持ったままで捲りきって11.6-11.2-11.2
ロベルタはヴィクトリーの全妹で捲る脚はあるんですが、ブライアンズタイム×トニービン×サドラーですから高速馬場の1800mより時計のかかる2000mがベターには違いなく、勝ち馬とはその適性の差でしょう
マイユクールはスタートで安目を売って、ロベルタの後ろから同じぐらいの脚では上がっているし、リトルダーリンはあと一完歩で交わしてたので内容的にはまあ期待どおりというしかないですね…

日曜5Rで新馬勝ちのクラウンレガーロは母父エンドスウィープが強い体型走法で、フォーティナイナー的なパワー突進型というよりは脚長で体質も柔らかくスピードの乗りもしなやかで、ベストは1400mじゃないかと
そういえば10R天草特別で追い込みを決めたニンジャは3代母シリーズがフォーティナイナーの全姉ですから、“折り合いのつくニンジャ”というイメージでいいんかな?(^ ^;)

7R2着のタガノミュルザンヌはまだ非力なところがあるので野芝のパンパンはいいんですが、小回りだとやっぱりエンジンがかかったところがゴールで、やっぱり京都か新潟の外1800~2000mでガツンと買いたい馬です

鳥栖はロードハリケーンがまさかの取りこぼしで、いやたしかにブレイズアトレイルもダイワメジャー×エルコンで小回りの機動力と粘りは上級のものがあるんですが、全兄ダノンバラードもそうですが母の力馬っぽさも受けてそんなに鋭い瞬発力があるほうではないので、もう3角では相手はブレイズだとわかりきってるんですから、あそこから捲りつぶしにいくぐらいでないと、4角回ってから満を持して…なんて大事に乗ってもあんまり味がないですよこの馬は
ダノンバラードのラジオNIKKEI勝ちはレース上がりが11.8-11.8-12.0で、この兄弟はこういうレースで強いタイプなのです

小倉日経オープンは◎エイシンサクセス○リルダヴァル▲タガノエルシコと打って、馬券としては○→▲→△ダローネガならあったわけですが…
ここは条件が揃ったと思われたリルダヴァルは痛恨の出遅れで、いつも言うように「サンデー×Lyphard×ハイインロー」はそりゃやっぱり前で受けたほうが先着します
去年のデイリー杯だって、クラレントのほうが先に抜けて前で受けたからダローネガに競り勝ったのです
乗りなれてる藤岡康太ならタガノエルシコ◎でいく手もずっと考えてたんですが、高田潤は馬の力はちゃんと出し切りました
前にも書きましたが、マヤノトップガン×サンデーというのはHalo≒Red Godのニアリークロスになるので、プリサイスマシーンとかワキノカイザーとかイケトップガンとか、小回り向きの機動力がある脚質になりやすく、タガノエルシコも成績をみてもらえばわかりますが内回り小回りではほとんど凡走はないですよ
距離的には[3.1.4.5]の1800mがベストなんですが、この13走のうち11走が京都阪神で、残りの2走が小倉なんですが、昨年の虹の松原は二年近い休み明けですから、パンとした状態で小回り1800mを使うのは今回が初めてだったんです
京都も阪神も芝1800mは外回りで、しかも中京は改装で芝1800mがなくなってしまったので、タガノエルシコのように1800mベストで小回り向きの機動力で走りたいという関西馬は、キャプテントゥーレのように内2000mをスローに落としてごまかすか、もしくは中山や小倉や福島の1800mに遠征して頑張るかしかないわけで、最近はHaloのニアリークロスも多くなってますから、そういう隠れ内1800m巧者の関西馬ってけっこういるんですよね~
だからねえ…金曜あたりからあれこれ迷ってたんすよ…、エイシンサクセスでいくかタガノエルシコでいくか、どっちも◎打つならここしかないし、どっちか決めきれないなら無難にリルダヴァルから入って2頭を引っかけるか…とか(^ ^;)

キャプテントゥーレは今でも小回り1800mがベストだったと思っているし、だから中山記念ではついに生涯一力を込めてガツーンと◎を打つときがやってまいりましたと書いたんですが、そこに立ちはだかったのは中山では史上最強に数えられるヴィクトワールピサでした…

コメント (2)
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先週の雑感・新潟編~タニノギムレット+Bull Leaで内回りをRoberto的に

2012-08-28 14:11:13 | 血統予想

土曜5Rで新馬勝ちのクリスタルカイザーはスターリングローズ×アジュディケーティングでDanzig3×3で、Danzig的な体型体質走法の急坂小回り1400mパワー型

7Rで初出走ながら3着に追い込んだプルミエデマンシュは母父がRiverman直仔でKalamounが出る牝系からもフレンチなThe Tetrarch的斬れを受けて、これはいかにも外回りで斬れるディープ産駒ですね~

阿賀野川はBold Bikini≒Madamoiselle W.4×4のタガノイノセンスから入ったんですが、内回りなのだからもう少しBold Ruler的Halo的機動力に頼ったレース運びをしてほしかったというか、あそこからズバッと差す馬ではないでしょう
トラストワンは函館2歳やクローバー賞で◎にしたように配合をほめてきた馬で、しかしマイネルラヴ産駒ですから古馬になって中距離馬に完成するとは思いませんでしたが、マイネルラヴ×デヒア×ラシアンルーブルでBuckpasser~La Troienneの継続クロスですから、これも典型的な夏馬なのでしょう
ここ2走は冬場より動きに柔らかみが出てきてるようにみえます

朱鷺S圧勝レオアクティブはブレイクタイムの甥で、母はNorthern DancerとヴィミーとBold Reason≒Never Bendのクロスで、アドマイヤムーンはこういう力馬っぽい牝馬との配合が成功しますが、この母譲りの力馬っぽさが出た走りで見た目には速そうにも斬れそうにも見えないのに、豪快なストライドで速い上がりで差し切ってしまうところが大物感タップリで、だから春はNHKマイルもファルコンもこの馬に◎を打ってしまったんですよね(^ ^;)
カッとする気性はヴィミーのクロス譲りで一発屋タイプではあるんでしょうが、朝日杯でも勝ち馬を凌ぐ内容で豪快に追い込んでおり、G1でもいつかどこかでガツンと一発あるに違いない…と私は思っていますよ
サンディエゴシチーは予想コメントにも書いたようにRahyのマイラー体型がONになっているし、Haloクロス馬らしい無駄のない脚捌きですから小回り1400~1800mで自在に立ち回れるのが取り柄
勝ち馬の豪脚の陰に隠れてしまいますが、ウインドジャズもイン伸び馬場の大外一気ながら目立つ伸びで、揉まれ弱いのでこれしか手がない馬ですが展開がハマれば重賞でも通用の力をつけています
母にサンデーとナスキロが入るので(母はHalo≒Sir Ivor3×3でもある)、柔らかくなってグランプリボスのように1400mにズレたバクシンオーですが、ダンスインザダークはNijinskyとFlower Bowlを持つのでLady Angela的頑健さを引き出す働きもするため、バクシンオー×ダンスインザダークというのはアグネスウイッシュやダイワナイトやディアブラーダなどもそうですが、バクシンオー×サンデーよりは短距離でピリッとしたところがある馬に出やすいのですよ

日曜5Rで新馬勝ちのレッドジャイヴはタキオン×Kingmambo×Seattle Slewですから、リーチザクラウンやサダムパテックやアスカトップレディやオメガハートランドなどと同じ「サンデー×ミスプロ×Seattle Slew」の配合形で、これは「サンデー×ミスプロ×War Admiral×La Troienne」のA級配合形でもあるのですが、伸びのある体型と柔らかな体質がONになりやすいので、外回り向きのストレッチランナーに出やすい配合です
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103941/
この馬もタキオンを少し胴伸びで少し緩慢にしたような感じで、1800mがベストにみえますが弱点の少ない馬で、上にあげた馬のなかではアスカトップレディに近いイメージかな
2着ボブキャットはカーラパワーの仔ですからやっぱり外回りで斬れるんかな~と思ってみていたんですが、わりとダイワメジャー的体質もONになっていて、きょうだいの中ではパワー型のほうじゃないですか

8Rシャドウバンガードは蛯名が内々で折り合いをつけて、今日は力を出し切ってくれたんですが、最後まで抜かせなかったブライトボーイのしぶとさをほめるべきでしょう
この馬は母母シアラスダンサーのところにBull Leaが二つとRomanも入ってSir Gallahad=Bull Dog4・6×5・5・6なので、タニノギムレット産駒でもRoberto的パワーで走るタイプで、外回りの斬れ勝負より内回りのパワー勝負向きですね~
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009103013/
シャドウバンガードは距離はもっと延びてもいいと思いますが、斬れはないので急坂>平坦、内回り>外回りなのはたしかでしょう

朝日岳は人気の1枠2頭は内1400mならサイレントソニック、外1600mならエクセラントカーヴが強いというのが私の見立てで、前にいたエクセラントカーヴが内回りをビュンと抜け出す小脚がないので、後ろのサイレントソニックは斜めに持ち出しながら外に進路を探さなければならず、今日もちょっとロスのある競馬になってしまいましたね…
シルクドリーマーはセイクリッドバレーと同じタニノギムレット×フジキセキで膝下の長い柔らかストライドで、1400mベストでも外回りがベターだとみていたんですが、内々をロスなく回ってきて直線はノーブルジュエリーが抜けた後を叩き出して差し切り
巧く運べたのはたしかですが、思った以上に機動力のあるレースぶりで、それは母母父アンシェントタイムがBull Lea4×4だからで、前出ブライトボーイの母母父Gate Dancerの母がBull Lea1×3なのと同じで、ここにRoberto的機動力がONになる仕掛けはあったのです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101016/
最終でセコンドピアットと叩き合ったカレンデイムーンはカレンブラックヒルの半兄で、こちらは母がSir Gaylord≒Secretariat4×4とLe Fabuleux4×4ですから外回り向きの斬れ型に出たのは順当
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103226/

+32キロのノーブルジュエリーは馬体に幅だけでなく伸びも出た感じで、依然折り合いの問題は残りるとはいえ、やっぱり1800mぐらいでフワッと先行するような競馬にシフトしていくべきじゃないかと
ゆくゆくは“女ヒコーキグモ”的な馬に完成するんじゃないか…と前に書きましたが、そんなイメージに近づいてきてるように思います

コメント (5)
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