「競馬総合チャンネル」では「血統クリニック」と題して、メインレースの出走予定馬の血統解説をしています(毎週木曜更新)
札幌記念は◎ダークシャドウ○フミノイマージン▲ヒルノダムールで書いたんですが、イン伸び優勢馬場で内をロスなく立ち回れるのはヒルノ>ダーク=フミノじゃないかということで、枠順をみて直前に順番を入れ替えて失敗(^ ^;)レース回顧は土日のVTRを見てからやりますね~
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札幌記念はG1級の馬が格で勝ちきってしまう格調高いG2だが、一方で小回りだけにマイラー寄りの馬でもこれるレースでもある。
◆爆発力はG1級
ダークシャドウは母マチカネハツシマダがGreen Desertやトワイニングのと同じ名牝系で、Numbered Account≒Foreign Courier2×2の名血ニアリークロスを持つ好配合で、ここからTom Fool的な自在味のあるスピードやLa Troienne的なパワーを受け継いでいて、中距離での爆発力はG1級だ。それでもダンス産駒だけにスピードに乗りきるのに時間がかかるところはあるので、早めに外に出して捲っていくような形に持ち込めるかどうかだろう。
◆女アクシオン
フミノイマージンはクイーンSでは最内に突っ込んだもののスペースがなかった。デルタブルースやアクシオンと同じ「サンデー系種牡馬×Dixieland Band牝馬」の組み合わせで、母シンコウイマージンはNorthern DancerとDelta Judgeのクロスで、母系はAlibhai-Hyperionの血が豊富でパワーと粘りに富む。マーメイドSや愛知杯勝ちを見ての通り、小回り内回りの2000mをパワーで捲り差すのが真骨頂で、前が止まるような流れなら牡馬相手でも面白い。
◆内々で器用に
ヒルノダムールはメイショウクオリアやサンディエゴシチーなどと同じ「マンハッタンカフェ×Blushing Groom」の黄金配合で、母父ラムタラのズブさも出たステイヤー。Halo≒Red God譲りの無駄のない脚捌きで小回りコースでも器用に立ち回れるほうではあるのだが、2000mのスピード競馬だと勝負所で少しズブいところがあるだけに、そこをいかにロスなく運べるかがポイントで、大阪杯のように内目を巧く立ち回りたい。
毎日王冠とスプリングS勝ちの実力馬アリゼオがひと叩きでどれだけ変わってくるかだが、シンボリクリスエスにフジキセキにMill Reefだからナスキロ基調の配合で、東京や外回りがベターなタイプではあるだろう。
ヒットザターゲットはオークス4着などオープンで活躍したラティールの息子で、ナスキロ的柔斬れとハイインロー的粘りの両方を押さえた配合のしぶとい中距離馬。G3なら通用の地力はあるが、脚長でどちらかというと広いコースがベターかもしれない。上がりのかかる決着が希望。
オレハマッテルゼはBold Ruler的な軽い機動力で走るタイプだったが、ハナズゴールは母シャンハイジェルからナスキロ的な斬れ味を受けて斬れ味のあるマイラーに出た。母父シャンハイ(ヘクタープロテクターの3/4弟で仏2000ギニー馬)が強いマイラー体型だし、古馬相手の2000mは少し長いかもしれない。スローなら。
ネオヴァンドームはタスカータソルテの甥で父がネオユニヴァースだから洋芝向きの血統といえるが、配合や走りは同父のゴールスキーとダブるところもあってベストは1800mだろう。
ロジユニヴァースはダービー馬だが、母アコースティクスはスピードとパワーが強く、小回り向きの機動力はあるし距離も2000mぐらいがベストだ。問題は一昨年2着の出来にあるかどうかだろう。