栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

黄金配合ではないダッシャーゴーゴーが後傾ラップに強い理由

2012-08-24 09:48:40 | 血統予想

「母母のところに最強のスタミナ血脈Key to the Mintが入ることでカバーしてはいるが、バクシンオーにミスプロとHaloとナスキロが入るので、超一流のスプリンターとしては頑健さが足りない配合だからG1では◎にしない」と、ダッシャーゴーゴーについては書いてきました
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105543/

これまで前哨戦のG2・G3は3つも勝っているのに、本番のスプリンターズと高松宮ではワンパンチ足りない結果に終わっているのは、そういう配合面と無関係ではないと思っています

私がよく言う「バクシンオー黄金配合」とは、ノーザンテーストの頑健さを増幅することで筋力を増して無酸素運動能力を増すことにあり(下記「バクシンオーとノーザンテーストと…」参照)、だからバクシンオーにミスプロやHaloをいくつ重ねても、父より頑健にはならないし速くならないのです

この「頑健さ」と「無酸素運動能力」について、芝1200mの前後半3Fのラップから考察してみましょうか

ダッシャーゴーゴーはこれまで芝1200mの重賞を3つ勝っていますが、そこで自身が刻んだ前後半のラップは

11CBC:34.4-33.7(33.8-34.3)
11オーシャン:34.0-33.8(33.6-34.2)
10セントウル34.3-33.7(33.9-34.1)

と、いずれも前半より後半が速い後傾ラップを刻んでいて(括弧内はレースラップ)、つまりダッシャーゴーゴーが最も強いパターンは、「前後半の差があまりない緩め平均ペースにおいて、上がりを伸ばすようなラップを刻んだとき」ということがわかります

そしてこの馬が出走したG1をみると、レースの前後半の差が大きいとき、つまり自身も前傾ラップになっているときはレース内容は悪いです

12高松宮4着:35.0-35.4(34.5-35.8)
11スプリンターズ11着:34.0-34.3(33.0-34.4)
11高松宮4着降着:33.7-34.5(33.6-34.3)
10スプリンターズ2着降着:33.9-33.5(33.3-34.1)

この馬が唯一G1で連対した(降着ですが)10年スプリンターズは、レースラップは33.3-34.1と前傾ですが自身は33.9-33.5と後傾ラップでインから追い込んで2着入線でした

今年のキーンランドはテイエムオオタカぐらいしか逃げ馬が見当たらず(しかも前走は好位抜け出し勝ち)、56キロであまり前傾ラップにならないという読みならば重い印は当然必要

レオンビスティーも母がMr.ProspectorとKey to the MintでクロスがSecretariat≒Sir Gaylord4×4・4ですからダッシャーゴーゴーと似た配合パターンで、だから1400mにズレたバクシンオーだと書いてきたし、1200mだとUHBのように緩い後傾ラップがベターなタイプでしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102463/

バクシンオー黄金配合の代表格ショウナンカンプは、02年高松宮を32.9-35.5、その前走オーシャンは32.0-35.3という猛前傾ラップで逃げ切っています

もう一頭の黄金配合の代表格シーイズトウショウは芝1200mの重賞を5つ勝ちましたが、それぞれのレースで自身のラップは、33.7-34.9、33.7-35.3、33.7-35.3、33.9-35.5、33.6-34.9と、いずれも前後半が1秒以上違う前傾ラップを刻んで勝っています

バクシンオーとノーザンテーストと「Hyperion+Tracery」「Hyperion+Donatello」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/ac57c66e0f7808c5efd58a05e01e2e66

コメント (5)
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