栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

血統クリニック~関屋記念

2012-08-13 10:20:02 | 血統予想

「競馬総合チャンネル」では「血統クリニック」と題してメインレースの出走予定馬の血統解説をしています(毎週木曜更新)
関屋記念はこんな感じです

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 ここ3年は08年きさらぎ賞の1,2,4着馬が勝っているように、1800m寄りの距離適性と平坦長い直線の実績、この二つを重視したいレースだ。

◆母の相似配合のスピードで
 メイショウカンパクは母がHalo≒Red GodやNijinsky≒ノーザンアンサーなどをクロスする相似配合で、ここからマイラーっぽいスピードを受けている。グラスワンダー産駒ながらきれいな脚捌きで外回りで斬れるし、ベストは1800mだと思っているが関屋は1800mベストの馬が勝ちやすいレースだから、福島記念2着や新潟大賞典3着以上のパフォーマンスも期待できるのではないか。

◆先行しぶといLyphard4×4
 ドナウブルーはジェンティルドンナの全姉で、母ドナブリーニはチェヴァリーパークS(英G1・芝6F)勝ち馬。Lyphard4×4のディープ産駒だからディープブリランテやスマートロビンなどのように前受けしたほうが味があるタイプで、ここも先行ならヴィクトリアマイルぐらいは走れる。
 ゴールスキーは夏場は走る馬で、中京記念も馬場の悪いインを走らされたのによく伸びてきた。Nureyevの影響が強いパワー型持続型マイラーで、緩急の激しい瞬発力勝負は苦手だから平均に速い流れになってほしい。
 レインボーペガサスは昨年の勝ち馬。母ギャンブルローズは中京記念と京都牝馬特別で3着があり、デインヒル×ミルジョージのパワー型。タキオン産駒でもパワーと持続力に長けたタイプで、昨年のようなHペースで上がりのかかる決着で浮上する。
 エアラフォンは昨年の2着馬で、中京記念もゴール前はまずまずの伸び。ベストタイアップの甥でデュランダル×ジェイドロバリーだからG3級では手堅いマイラー血統で、新潟外回りも合っているが、昨年よりは相手が揃った感はある。
 レッツゴーキリシマは一昨年の勝ち馬。母はNasrullah4×4とSpring Run≒Tom Fool4×4で手堅いスピードを確実に伝えるが、そこへメジロライアンが配されて自身はAureole5×6だから、母のスピードで先行し父のHyperionで粘るマイラーに出た。もここ2戦はシンガリ負け続きだが、まだ老け込む年ではないので気分よく行ければ一変も。
 マイネイサベルはマイネレジーナ(クイーンS2着)の娘で1800mがベストだと思っているが、父がテレグノシスだから母よりはマイルの決め手も持ち合わせており、ヴィクトリアマイルでは前がカベで進路変更を繰り返しながら6着まで追い上げた。新潟2歳Sの勝ち馬で左回りは凡走なし。
 エーシンリターンズはキンカメ産駒でHyperion的な持続力で走るタイプ。直線長い1600~1800mは[4.2.3.3]で、3着を外したのはG1ヴィクトリアマイルと休み明けの京都牝馬Sと大幅馬体増の中京記念だけ。絞れてくれば今度は圏内に。
 スマイルジャックは09年の勝ち馬。引っかかるのでマイルを主戦場としてきたが、典型的な中距離血統で本来は2000mぐらいが合っている馬だ。
 シルクアーネストも夏場は調子を上げるが、母系の奥にハイインロー血脈が強く斬れるというより粘り強い脚質だから、スタートを決めてもう少し前で立ち回れればいいのだが…。
 アスカトップレディはサンデー×Seattle Slew×Mr.Prospectorだからリーチザクラウンやサダムパテックなどと似た配合形で、東京や外回りの1600~1800mが最適条件。重賞ではワンパンチ足りないがここも崩れはないだろう。
 

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関屋記念回顧~レコード決着で、外枠はほぼノーチャンスだった

2012-08-13 10:15:10 | 血統予想

新潟11R 関屋記念
◎13.メイショウカンパク
○14.ドナウブルー
▲7.ゴールスキー
△8.マイネイサベル
△17.エアラフォン
×3.エーシンリターンズ
×11.シルクアーネスト
注10.レッツゴーキリシマ
注12.レインボーペガサス
近3年は08年きさらぎ賞の1,2,4着馬が勝っているように、1800m寄りの距離適性と平坦長い直線の実績、この二つを重視したいレースだ。◎は母がヘイロー≒レッドゴッド3×4やニジンスキー≒ノーザンアンサー3×3などをクロスする相似配合で、ここからマイラーっぽいスピードを受けている。グラスワンダー産駒ながらきれいな脚捌きで外回りで斬れるし、ベストは1800mだと思っているが関屋は1800mベストの馬が勝ちやすいレースだから、福島記念2着や新潟大賞典3着以上のパフォーマンスも期待できるのではないか。

札幌9R インディアT
◎1.ステルミナート
○9.ジョウテンオリーヴ
▲12.ヴィーヴァサルーテ
△14.ダンツミュータント
×4.フレイムオブピース
×8.コスモドロス
注2.フランキンセンス
注13.レッドストラーダ
◎はアドマイヤコジーン産駒らしいマイラー体型で、クロスがコジーンの母ライドザトレイルズの3×3。ラベンダー賞2着、コスモス賞と寒竹賞で4着と芝実績も十分だが、ベスト距離は1600mあたりだろう。中山マイルのひいらぎ賞では8着と凡走しているが、出遅れと直線で前が詰まる二重の不利があってのもの。札幌1500mの内枠で出していければ好位差しが決まるとみた。

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この夏の新潟芝はとにかく時計や上がりが早くて基本的にはイン伸び優勢で、まあ出雲崎のように流れればランパスインベガスの外一気が届いたりもするんですが(それでも逃げたサウンドバラッドが2着に残った)、関屋記念は1000m通過58秒7と昨年より1秒近く遅く、それでいてレコードですからやっぱり馬場も速く、上がり3Fは11.1-10.4-11.3

ペースが遅いので各列4頭ずつ横並びのまま馬群が密集して直線まできてヨーイドン、パトロールみるとわかりますが4頭横並びの3~4頭目は6~8枠ばかりで、つまり外枠の馬はドナウブルーのように先行して3角までに内に切れ込まないかぎりはノーチャンスでした

3着も1,2着馬の直後から叩きだしたスピリタスでしたが、惜しかったのはゴールスキーで内枠なのにこの馬だけはなぜか4角大外で、外を回ってグイグイ伸びたのもこの馬だけで、追い切りも抜群だったし夏場は本当に調子を上げる馬ですが、Nureyev的ナタ斬れで差す馬ですから今の新潟は馬場が速すぎます

締め切りのベルが鳴った直後、マグナーテンが直線先頭で押し切る映像が流れるのをみて、たしかに今年の馬場ならLyphardが前受けで押し切ってしまうんかなあ…という予感はありました

ドナウブルーの配合については何度か書いてきましたが、ディープのLyphardクロスですから前受けに脚質転換して大成したのは納得で、そしてディープ産駒においてLyphardをクロスする場合は、残りの部分にSadler's Wells(トーセンラーの母母父)とかLoup Sauvage(ディープブリランテの母父)とかBertoliniとか、「Northern Dancer+Fair Trial+Never Bend」の組み合わせをもってくるのがかなり有効(下記リンク参照)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103250/

日曜も日高大洋の元上司と競馬やってその後ゆっくり飲む予定でしたが、土曜に飲みすぎて体調一息で今日は飲まずに帰るわ~ということになって(おぬしももう年やのお…)、じゃあ五輪でもみるかと知り合いん家で飲んでたんですが、男子バスケ決勝が始まる23時までは私も寝たり起きたりを繰り返してて(俺ももう年やのお…)、でもスペインが頑張ったのでバスケは最後まで観ましたよ~
いいゲームでしたが、競馬にたとえるとアメリカは4角まで馬ナリでスペインはステッキ入れながらの追走で、ガソル兄なんて後半は見るからに疲弊してましたね…

ディープのLyphardクロスにおいて暗躍する「Northern Dancer+Fair Trial+Never Bend」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/e39b87d84d22fa9a751400148d2a07a0

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