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10歳の少年のロードムービー「天才スピヴェット’13」劇場公開2014年11月

2015-06-07 17:34:11 | 映画

               
 スミソニアン博物館を始め19の博物館と研究センターを持つスミソニアン学術協会のジブセン(ジュディ・ディヴィス)から、T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)が磁気車輪を発明したことで名誉あるスタンリー・ベアード賞受賞が伝えられる。

 この車輪は、エネルギーを使わずに400年に一回磁気交換でエネルギーを生み出せるというもの。偉大なる発明らしい。

 しかし、電話で聞いたスピヴェットだが、仕事が多くて行けないと断ってしまう。モンタナ州ディヴァイドの北パイオニア山地の谷間にあるコパートップ牧場がスピヴェットが暮らすところだ。

 典型的なカウボーイの父テカムセ・E・スピヴェット(カラム・キース・レニー)、生物化学者の母クレアナ(ヘレナ・ボナム=カーター)、女優に憧れる姉グレーシー(ニーアム・ウィルソン)、動くものは何でも銃をぶっ放す弟レイトン(ジェイコブ・ディヴィーズ)の四人暮らしだったが、その銃の暴発であえなくレイトンは亡くなる。同じ小屋で音波を測っていたスピヴェットが自虐の念が拭い去れないし、家族の誰もそれに触れない。

 ある日、学校から帰ってきたとき父が「手伝ってくれ」と言ってピックアップト・ラックに乗せられた。父と過ごすのは滅多になく本来助手席にはレイトンが座るべき場所だった。スピヴェットは、そんなことを考えながら移り行く景色を眺めていた。

 その時、ヤギがフェンスの鉄線に絡まって血を流していた。スピヴェットは車から降りて鉄線をはずしに掛かった。ガラガラという音で振り向くと、ガラガラヘビが鎌首をもたげていた。「ああ、これで一生が終わるんだ」とスピヴェットは覚悟した。眼をつむったとき、銃声が轟きガラガラヘビは絶命。ライフルを持った父が笑いながらスピヴェットの肩をたたいた。

 スピヴェットにとって肩をたたかれたのは、生まれて初めてのことだった。肩をたたかれたことに父と子というよりは、男と男の絆を感じたのかもしれない。そして、ベアード賞を受けるべきだとスピヴェットは決心をする。モンタナからワシントンDCまでの長い長い貨物列車の旅が始まる。

 スピヴェットを演じたカイル・キャトレットは、実生活でも天才とまでも行かないが、ロシア語(母はロシア系)や北京語など6つの言語を話すことが出来、さらに武術にも秀で、3年連続で総合格闘技の世界チャンピオンを獲得、10年にはアメリカのジュニア武術チームの一員になる。そういえばこの映画でもワンショットながら武術の形があった。型破りの家族の物語。
         
         
         
         
         

監督
ジャン=ピエール・ジュネ1946年10月フランス、パリ生まれ。

キャスト
カイル・キャトレット2002年生まれ。
ヘレナ・ボナム=カーター1966年5月イギリス、ロンドン生まれ。
ジュディ・ディヴィス1955年4月オーストラリア、バース生まれ。
カラム・キース・レニー1960年9月イギリス生まれ。
ニーアム・ウィルソン1997年3月カナダ、オンタリオ州生まれ。
ジェイコブ・ディヴィーズ
コメント
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