パリ在住の小説家グザヴィエ(ロマン・デュリス)は、スペインで知り合ったレズの女友達イザベル(セシル・ドゥ・フランス)に懇願され精子を提供したことから、妻ウェンディ(ケリー・ライリー)との関係が怪しくなってくる。
ウェンディが小説の仕事の関係でニューヨークへ行ったおり、めぐり合った相手と恋に落ちたという。そして子供をつれてニューヨークに住むとも。子供と会うためには、引きずられるようにグザヴィエもニューヨークに移り住む。
何事も十人十色というようにそれぞれの違った人生の断面が描かれる。グザヴィエが人生を見つめ直すきっかけに哲学者のショーペン・ハウエルの言葉がある。
映画の字幕は「人生とは刺繍だ。人生の前半には刺繍した表側を見ているが、後半には布の裏側を見ることになる。美しくはないが、つながり具合が分かり勉強になる。まさに真理だ」
実際にこういう言葉の表現だったのか調べてみると「人は生涯の最初の40年間において著述し、続く30年間でこれに対する注釈を加えていく」があって、これをそのままセリフとして使えないから、脚本家の腕の見せ所となって上記のようになったんだろう。
涙ぽろぽろとか感動の波に襲われることもないが、お隣さんの人生を見ているようで親しみが持てる。それにきわどいセリフがあって、ある程度の年齢に達していないと真の意味が分からないところがある。(現在は若年でも耳年増が多いから理解できるかもしれないが)
いずれにしても、グザヴィエも旧知の親しいガールフレンド、マルティーヌ(オドレイ・トトウ)と再び愛を交わしてハッピーエンドと相成る。
女優たちは結構魅力的なんだよなあ。子供たちも可愛い。ついでながら中国系も出ているが、あまり魅力がない。
監督
セドリック・クラビッシュ1961年9月フランス生まれ。
キャスト
ロマン・デュリス1974年5月フランス、パリ生まれ。
オドレイ・トトウ1978年8月フランス、ボーモン生まれ。
セシル・ドゥ・フランス1975年7月ベルギー生まれ。
ケリー・ライリー1977年7月イギリス生まれ。