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読書「エコー・パーク」マイクル・コナリー講談社文庫2010年4月刊

2012-03-08 09:41:07 | 読書

               
 ハリー・ボッシュ・シリーズの第12作目。ロサンジェルス市警未解決事件班に所属し13年前のマリー・ゲスト失踪事件を再び洗い出していた。

 1993年ロサンジェルスのハイ・タワー・アパートメントの車庫でマリー・ゲストのホンダ・アコードが発見された。車内は乱れたところが無く衣類もきっちりと畳まれていた。ボッシュは、その時からマリー・ゲストを見つけられないという悪い予感を抱いていた。
          
           ハイ・タワー・アパートメント
 そして13年後の今、マリー・ゲストを殺して埋めたという男が現れた。それは、夜遅くパトカーの警官が不審な車を職務質問して、車の中に遺体をくるんだビニール袋を発見、逮捕されたレイナード・ウェイツという男だった。
 レイナード立会いの上、急峻な崖の下で死体遺棄場所を特定したあとちょっとした隙にレイナードに銃を奪われしかも警官二人を射殺され、ボッシュのパートナーキズ・ライダーも頚動脈貫通の重傷を負う。レイナードは逃走した。
 ボッシュは、親密な関係にあるFBI捜査官でプロファイリングも出来るレイチェル・ウォリングの協力でレイナードの行方を追う。

 テンポの速い展開は読む楽しさを味あわせてくれる。ボッシュには、レイナードが脱走する直前に言った言葉が妙に気がかりだった。それは、「てめえのいんちき取引がこのざまだ!」レイナードを追い詰めて射殺したあともさらにこの言葉が気がかりだった。その謎が解き明かされるエンディングは、エコー・パークでその幕を閉じる。良質の刑事ドラマを観たような気にさせてくれる。

 マイクル・コナリーは、作品に実際にある場所や物を描写するからロサンジェルスの市街地図を買って読むのも楽しいかもしれない。ボッシュやレイチェルが行くレストランや店も実在という。
 それにコナリーはジャズに目がない。この本でも1957年カーネギー・ホールでのジョン・コルトレーンとセロニアス・モンクの共演が紹介されている。そのテープはなんの表示も無い箱に入れられて50年近く放置されていたという。それを図書館の職員が偶然発見したという曰くつきのものらしい。
    
アマゾンでも「Thelonious Monk with John Coltrane at Carnegie」のCDが買える。ここではYouTubeで「Evidence(証拠)」をどうぞ!

それにもう一つ、マイクル・コナリーのホームページが充実しているらしい。ここからどうぞ!
 気が向けがぶらつくのも悪くない。
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