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ミステリー パトリシア・コーンウェル「黒蠅」

2005-08-17 13:50:26 | 読書
 女流作家のタミ-・ホウグが、アメリカではこのコーンウェルに並ぶ人気という。タミー・ホウグの本は少し前に読んだけれど、コーンウェルには届かない。かといってこの「黒蠅」が上出来とも思えない。

 スカ-ペッタ、ルーシー、マリーノ、ウェズリーなど馴染みのキャストで展開される物語も余情も足りないし冗長な部分も気になる。またアメリカン・ミステリーに顕著な銃器についての詳細さは、例えば「くるぶしのホルスターをはずして、357マグナム弾を撃てるスミス&ウエッソン340PDをベッドの上においた。ダブルアクション・オンリーのリボルバーで、スピアー社製の重さ125グレインのゴールド・ドット弾が五発装填してある。ブリーフケースからもピストルを二挺とりだした。一挺はポケットにおさまる40口径のグロック27.薬室もふくめると十発装填可能だ。弾薬はハイドラショック弾。弾丸重量は135グレイン。弾頭を被甲して刻み目を入れ、中央にピンを立てたホローポイント弾。弾速は357メートル毎秒。高エネルギーだから、十分なストッピング・パワーがある。被弾すると体内で先端が鋭い花のように広がる」と言うようにまだまだ続いていく。ラストでこれらの銃を使う場面が出てくるが、ここまで詳しく書く必要があるのだろうか。

 アメリカの読者が要求しているか、あるいは名だたる銃社会だから裏があるのかもしれない。どの作家も詳しく書く傾向にあるようだ。いずれにしても、旅の暇つぶしなんかに適当な作品。
コメント
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