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映画 ケヴィン・スペイシー アネット・ベニング「アメリカン・ビューティー」(99)

2005-08-04 14:03:23 | 映画
 雑誌社に勤めるレスター(ケヴィン・スペイシー)不動産セールスのキャロリン(アネット・ベニング)高校生のジェーン(ゾーラ・バーチ)の家族は、崩壊の危機を迎えている。

 いきなり驚くべき映像から始まる。レスターが起きてシャワーに向かう。レスターのナレーションが入る。「見てくれ、シャワーでシゴいている。これが一日で最高のとき、あとは地獄へ一直線」朝出かける車の中、レスターは目をつむっているしジェーンはそっぽを向いて外を見ている。キャロリンもひと言も発せず運転している。車の中は冷たい風が吹いているようだ。

 何のことはない、レスターの家庭ばかりでなくどこにでもある風景。と思うとぶるっと震えが走る。赤いバラがモチーフとなって、食卓に飾り前庭にも植え込んでありリビングのテーブルにも赤いバラという具合。赤いバラの花言葉は、「熱烈な恋」レスターとキャロリンはかつて花言葉のような時期があったのだろう。あらゆるところに赤いバラは、皮肉を表しているのだろうか。

 レスターは娘の友人アンジェラ(ミーナ・スヴァリー)に興味を示し、幻想に中で劣情を刺激する。そこには赤いバラの花びらに囲まれたアンジェラがいて、情熱は若いアンジェラに向かっている。そんな中キャロリンの不倫が発覚する。いよいよ危機が現実になってくる。が意外な結末が待っていた。

 この作品は、アカデミー賞監督賞と主演男優賞受賞、主演女優賞にノミネートされるという評価を得ている。DVDのサム・メンデス監督のコメンタリーを見ていると、「シャワー・ルーム、オフィスや車、窓ガラスなどすべて檻を象徴していてそして開放される」という。そういう意図で作られたとしても、多くの観客には受け止められていないのではないか。私自身、中年男が妻に興味をなくし、若くてぴちぴちした肉体に羨望と欲望を抱き、ひたすら求める悲しい獣にしか映らない。へエー、これがアカデミー賞?正直な気持ちだ。
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