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福島市の放射線量

2011-09-11 17:05:47 | Weblog
福島市の放射線量については、
「東日本の放射線量」、2011年7月17日で、一部触れた。
http://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/ed8589bc402cdd20f68eb5f5e8f64835

それは、東北新幹線の仙台、福島、郡山、宇都宮、大宮の各駅での、
放射線量の測定である。2011年6月30日。

そして、福島市では、
福島駅-東が、2.46マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]、
福島駅-東の駐車場が、2.03マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]、
と、高い値になったことを書いた。

その他の駅は、
仙台駅-東口2階が、0.19マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]、
郡山駅-東口が、1.74マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]、
宇都宮駅-東が、0.19マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]、
大宮駅-東が、0.19マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]だったから、
福島駅-東の2.46マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]が一番高かった。

それから2か月たった。
福島駅-東、福島駅-東の駐車場の放射線量は、どうなっただろうか?
減っただろうか?
それに、福島市では、ほかにも放射線量の高いところがあるのだろうか?
2011年9月6日に福島市へ行ってみた。

福島駅で降りて、まず行ったところは、
2か月前に測った、福島駅-東、福島駅-東の駐車場。
向かうと、ポケットの放射線量計はピッピッ鳴りはじめた。
毎時の被曝量が、0.50マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]を超えたのだ。

国際放射線防護委員会(ICRP)は、毎時の被曝限度を、
0.52マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]としているから、
0.50マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]で、警告するように設定してある。

そして、測定した結果は、
福島駅-東が、2.46マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]、
福島駅-東の駐車場が、2.17マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]だった。

福島駅-東の放射線量。2.46マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]。

13時09分までの累積の被曝量は、262.7マイクロ・シーベルト [μSv]である。
この累積の被曝量は、あとで使う。

毎時の被曝量を、2か月前と比べると、
福島駅-東は、2.46⇒2.46マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]で、変わらなかった。
福島駅-東の駐車場は、2.03⇒2.17マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]だった。

2か月では、放射線量は変わりがないものだ。
また、あるところは、あり続けるものだ。

福島市では、ほかに高いところはないだろうか?
駅前通りを歩いた。日本銀行の前でピッピッ鳴る。
ふくしま南幼稚園の前でもピッピッ鳴る。
公園で測定し、福島県庁で測定した。

福島県庁の放射線量。

2.65マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]。
これまでの最高だった福島駅-東の、
2.46マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]を超えた。

建物や樹に邪魔されないところの放射線量は、どうだろうか?
福島県庁の東にある、阿武隈川へ行ってみた。
阿武隈川沿いの親水公園の放射線量。

3.09マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]。
福島県庁よりも高い。そして、
ついに、3.00マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]を超えた。
ドギマギしてくる!

天神橋から見た親水公園。

測定したところは、右下の草むら。
中央が阿武隈川、対岸は福島県庁。
一段と高い建物は福島県庁の西庁舎。

親水公園で放射線量を測っていると、
天神橋から、小学生3人と親が見下ろすように声をかけてきた。
「おじさん、こんにちは」
「よう、こんにちは」
植物の写真を撮ったり、昆虫を観察していると思ったのだろうか?
福島の子たちよ、すくすく育ってほしい。

天神橋の西には、放射線を警告する看板があった。

放射線を警告する看板の草むらで、放射線量を測った。
左下の黒いのが放射線量計。
中央が、放射線を警告する看板、
その右は、「古関裕而生誕百年記念歌碑」、
右は、天神橋、中央は阿武隈川、その先が親水公園。

放射線を警告する看板。

市内の公園で見かける。

天神橋の西の放射線量。

3.18マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]。
親水公園より高かった、福島市で最高だ。
15時38分までの被曝量は、264.8マイクロ・シーベルト [μSv]である。

放射線量を測定していると、話しかけてきた人が3人いた。
ふくしま南幼稚園の前では、新聞記者
天神橋の西では、東京からの女性
同じく天神橋の西では、福島の男性

新聞記者とは、つぎの話をした。
1) 南相馬市よりも、福島市のほうが、放射線量が高い。
  南相馬市の市役所の北200メートルでは、
  1.14マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]。
  福島市では、3.00マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]を超える。
2) 南相馬市では、街を歩く市民に行き会わなかった。
  街は、ひっそりとしている。移動は車でする。
  しかも、窓を閉めるというように、
  市民は、被曝からの自衛をしていた。
  学童は、見かけなかった。避難している。

南相馬市の本町通り。2011年6月29日。
歩いている人はいない。シャッターは下りている。
道路標識には、右は「南相馬市役所」とある。
南相馬市役所の北200メートルの放射線量は、
1.14マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]であった。

3) ところが、福島市の市民は、マスクをせず、半そで、
  普通の生活をしている。学童は当然のように見かける。
  これは、どうしてだろう?

福島市の駅前通り。にぎわっている。2011年9月6日。
ふだんの生活と変わりがないように見える。

4) 福島では、どの程度、健康や人体に被害が及ぶのか、
  また、いつ影響が出るのか、明確でないままに生活している。
5) 汚染物をいかに除去するか、除染が最大の関心事になっている。
6) 福島第一原発の1号機がメルトダウンしたのは、
  3月11日の地震発生から、5時間後だった。
  東京電力は、すぐに国際原子力機関IAEAに、
  メルトダウンしたことを報告していたが、
  国民に知らせたのは、65日後だった。
7) メディアは、メルトダウンしている状況証拠だけでは、
  メルトダウンの報道はできない。
  東京電力のシミュレーションや発表を待つしかない。
8) メディアがメルトダウンを報道できなかったのは、
  東京電力の広告費、電機メーカーや商社の広告費で、
  メディアは成り立っているから、
  広告主の意に反することは書けなかった。
9) メディアの経営のトップは、
  原子力を振興する財団などの役員をしているから、
  原子力発電に不利なことは書けなかった。
10) メディアがメルトダウンの報道を控えたのは、
  国民にパニックをおこさせないためだった。
11) メルトダウンの報道が遅れたことによって、
  国民の被曝量が増えたり、被害が広がったなら、
  事実がはっきりしたところで、メディアは報道することになる。
12) 海外のメディアは、東京電力とは、しがらみがないから、
  メルトダウンは早い段階で報じられた。
  それを見た日本への留学生、教授は、すぐに祖国にもどった。

新聞記者と、自由に意見交換をすることができました。
ありがとうございました。

このことは、あとで友人と話をしたが、
新聞社に勤めていた人も含めて、納得されていた。

つぎに、天神橋の西で放射線量を測っていると、
福島へ出張した東京からの女性が話しかけてきた。
1) 放射線量を数値で見るのは初めてです。
2) 3.00マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]とは、高いですね。
3) そして、持参していたカメラで放射線量計の写真を撮った。
4) 原発の災害にあった浪江町の身内を、東京に避難させています。
5) 避難生活も6か月が限度で、これから自立することを考えるときです。
6) 浪江町には、もどれません。レベル7ですし、チェルノブイリを考えても。
7) 津波で家をなくしましたから、浪江町にはもどることは考えていません。
8) でも、職を探し、新たな生活をしなければならないですから、大変です。
9) 避難を受け入れる方も、大変でした。出費も多い。
  受け入れる方の出費も、政府に援助してもらいたい。

天神橋の西で、放射線量を測っていると、福島の男性が近寄ってきた。
1) 放射線量は、どのくらいありますか?
2) だいたい、3.00マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h]です。
  すると、男性は近くのオフィスにもどった。それから、
3) 年間の被曝量は21ミリ・シーベルト[mSv/y]になります。
  と、伝えにきた。計算したのだ。

福島市民は、年間の被曝量を算出する計算方法を知っているのかな。
外にいるのは○時間、家にいるのは□時間、
家の中の放射線量は、外の△分の1、
内部被曝量は■になる、というように。

年間の被曝量を単純に計算すると、
3.00マイクロ・シーベルト毎時[μSv/h] X 24時間 X 365日⇒
26ミリ・シーベルト年[mSv/y]になるから。

そして、福島市に滞在した13時09分~15時38分までの、
2時間29分の被曝量を求める。
13時09分までの被曝量は、262.7マイクロ・シーベルト [μSv]、
15時38分までの被曝量は、264.8マイクロ・シーベルト [μSv]であるから、
264.8-262.7=2.1マイクロ・シーベルト [μSv]になる。
1日中外にいたとすると、
2.1 X 24時間 / ( 2 + 29 / 60 ) ⇒ 20.30マイクロ・シーベルト日[μSv/d]。

松本の1日の被曝量は、直前8日の平均で、
3.15マイクロ・シーベルト日[μSv/d]。
これは、家の中で休んだり、寝ている時間を含むとしても、
福島市の放射線量は、高い。

「公園を利用する皆さんへ」
公園の利用は、1日あたり、1時間程度としてください
ということは、
むやみに、外へ出るな! という警告である。

そして、放射線量を測定しているときに、話しかけてきた、
新聞記者、東京からの女性、福島の男性の3人は、
原発災害に対しての関心を教えてくれた。
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