ドイツに住んでいた頃、「大晦日」から「新年」に変わる瞬間、いわゆる「年越し」の時間に、近所一帯から、けたたましい花火が上がるのを目撃しました。花火と言っても、「日本の夏」に見られるような盛大な「打ち上げ花火」ではなく、よく家庭で遊ぶ小さなタイプなのですが、日本のと違うのは、「見た目の美しさ」よりも「大きな音が出る」のを目的に作られるため、さほど「きれいなもの」ではないのが特徴でした。
15~20分間は、その状態が続き、極寒の夜にもかかわらず、皆さんベランダ(現地では「バルコン」と呼ぶ。)に出て、楽しそうに鳴らしているのでした。たぶん、その後は、夜明かしでパーティーなんだろうと思われます。
後で聞いた話によると、その「音ばかり」の花火は、「悪魔を払うために」行われるそうな。え?そういう発想は、どこかで聞いたような...。そうだ、まるで「節分の豆まきみたい...。」当時、そう思った私でしたが、あながち間違ってはいないようでした。
「節分」は、旧暦の「お正月」と時期がかぶっているし、「明日から立春」という節目のことだから、「大晦日」と同じ発想で、「年越し蕎麦」を食べる地域もあるとか...。ということは、「悪魔」が「鬼」になり、「花火」が「豆まき」になっただけで、発想は同じ。
「豆まき」の風習は、古く中国から入ってきたそうなので、ヨーロッパと地続きの中国としては「同じ発想」なのは当然。なるほどなァ、と、一人感心している私であります。
そういえば、「小さな靴」がキーポイントだった「シンデレラ姫」の話のルーツは、実は中国だ、との一説もあるそうですね。「纏足(てんそく)」という習慣もあった中国なら、なるほど、とも思えますね。