ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

野党共闘しなければ、参議院1人区は野党全敗ものだから、共闘しか道はないだろう(その他雑多な参議院選挙への感想)

2019-07-30 00:00:00 | 社会時評

記事を書かねばと考えたので、選挙からだいぶ過ぎましたが一応先日の参議院選挙の記事を書きます。

私個人の意見を書くと、思ったより野党が善戦したなというところです。もう少し野党に厳しい結果になるかなと思っていたのですが、事前の世論調査ほかでの話よりは野党がわりと議席をとったと思います。私のようなアンチ自民・与党・安倍晋三の人間にとっては、もちろん満足できる結果ではありませんが、そんなに最悪の結果ではないというところでしょうか。

それでやはり興味深いのが、産経新聞の報道ですね。

参院選で野党伸び悩み 共闘路線は限界か(1/2ページ) - 産経ニュース

いや、共闘路線をとらなかったら、1人区は全敗ものでしょう(苦笑)。産経がこういう記事を書くということは、ぜひ(立憲民主党は?)野党共闘路線を放棄してほしいということです。32選挙区で与党22勝野党10勝というのは現在の与野党の支持率ほかをかんがみれば、野党側がそれなりによくやったというものであり、では共闘路線やーめたでは、まさに見るも無残な結果になります。産経はそれを望んでいるからこう書くわけですが、どんだけ自民党(安倍晋三)応援団なんだか(笑)。まったく馬鹿でクズにもほどがあります。ていうかここで立憲民主党が自分たちの力を過信して共闘路線放棄に動いたら、たぶんそれは立憲民主党にとっても相当なマイナスに働くことは間違いないところです。

それで今回、私が「なんとかせい」と考えたのが、やはり複数区での候補者調整その他の問題ですね。前にこのような記事を書きました。

なぜ「野党2議席」くらいのことが言えないのか(参議院京都府選挙区での、立憲民主党の福山幹事長の暴言)

記事も書きましたように、立憲民主党の幹事長が

>共産党に議席を渡すわけには行かない

といったとのこと。共産党の候補は現職ですから、厳密には立憲民主党候補が奪還というのが正確なところでしょうが、ここは当然「野党2議席」というべきところじゃないですか。いくら自民党候補が鉄板で強いとはいえ、それはそれ、これはこれでしょう。あまりに時代錯誤な反共意識といわれたって仕方ないでしょう。

あるいは、大阪府選挙区はどうですかね。今回の大阪府選挙区の結果は、4人当選のところ上から順番に維新、維新、公明、自民です。それで4番目に当選した太田房江は559,709票です。以下共産党の現職辰巳孝太郎が381,854票、立憲民主党の亀石倫子は356,177票、国民民主党のにしゃんたは129,587票です。この3候補が立候補調整をすれば、たぶん公明か自民の候補は落選させることができたはず。だいたい太田は元大阪府知事ですが、2013年の比例代表でもギリギリ当選でしたから、そんなに選挙に強い人物でもない。

2013年の選挙は定数4人のところ、維新が1人の立候補でしたので4番目で共産党候補が当選できましたが(この時も、民主党(当時)、みんなの党(当時)が立候補していて、それぞれ5位6位です)、2016年の選挙では維新が2人出して140万票弱の得票数で2人当選させました。今回も維新はそれくらいの票数があるのでつまり現状大阪府では、今回のような低い投票率の選挙でも140万票くらいの集票能力があるということです。すると残り2議席のうち維新のようななんちゃって野党でないまともな野党が議席を取るには、自民党と公明党の候補者と戦うためには絶対候補者調整が必要です。事実2016年の選挙も、共産党候補(5位)と民進党(当時)候補(6位)の票数を併せれば80万票を超える票数になり、これは1位で当選した松川るいを上回る票数です。

たぶん立憲民主党(および旧民主党の系統をくむ政党)に、大阪府のような格の高い自治体で候補者を出さないのは沽券にかかわるといったレベルのくだらん考えがあるのでしょうが、共産党と組むなら自民党と、くらいの態度である国民民主はともかく、この2019年の選挙は、現職が共産党なのだから、それは共産党に立候補者を譲るくらいの度量はあってもいいんじゃないかなーと思いますが、それってできない相談なんですかね(苦笑)。たぶんできない相談なんでしょうが、このあたりもう少し何とかしないとですね。立憲民主党に近い組織(連合その他)が率先して立憲民主党を説得して候補者調整をしなければいけないのですが、連合なんか時代錯誤のアンチ共産党の意識がすごいしね。改憲派の憲法学者である小林節氏は今回共産党候補の応援演説をしたそうですが(たとえばこちらの記事参照)、共産党も小林氏も、双方お互いのことをいろいろ批判しあった間柄なわけで、手をつなげられるところは協力し合うことが、安倍自民党と戦う上で大変重要なはずです。そういうことをないがしろにしていたらしょうがありません。そういう意味では、共産党も小林氏にも、この件では私は敬意を表したいと思います。

さてさて、そう考えると、今回の選挙は自民党や公明党も意気の上がらんものだなと思います。もちろん安倍改憲他について甘く考えてはまったくいけませんが、産経にしても「よし、国民民主を早急に切り崩して2/3を確保して、速攻で改憲だ!」なんていう元気はない。たとえば次のような記事はどうでしょうか。

首相応援先は「12勝8敗1分」 東北1人区は力及ばず - 産経ニュース

記事に出てくる「1分」という奇妙な表現は、広島県選挙区のことをいっているのですが、いずれにせよ安倍晋三が演説したところでそんなに決定的に選挙結果というのは左右されないんじゃないのと思いますが、それはともかく

> 東北1人区は力及ばず 

って、どんだけ安倍応援団なんですかね(苦笑)。何をいまさらですが、「力及ばず」なんて、安倍の後援会や自民党の機関紙の表現であって、全国紙が書くようなもんじゃないでしょう。つまりは産経が、安倍後援会でそのもの自民党の機関紙だということです。どんだけ右翼ミニコミなんだか。

本題に戻りますと、その記事にある表が興味深い。

 

当選の赤色はいいとしましょう、落選の(濃い)灰色ってなにそれ(爆笑)。青ほかのもっと目立つ色にすればいいでしょう。つまり負けた選挙区を目立たせたくないということです。そういうつまらん無様な小細工はするなよと思いますが、つまりは産経も、予想(期待)ほどには自民党(改憲勢力)の票は伸びなかったという認識なのでしょうね。上の表のような愚にもつかん小細工も、そういうことなのでしょう。

前にこのような記事を書きました。

産経新聞も、安倍や自民党の改憲に対する姿勢には相当の不満があるようだ

この記事で私は、

>今堀という人が、安倍が改憲に非常に熱心であると考えているようには私には見えませんね。むしろ「安倍の改憲の話なんか、口先だけだ」と考えているように見えます。この記事を読んだ限りでの私の感想を書けば、あんまりこの人が安倍の改憲に期待しているようには見えませんね。

私も現状、この人の意見が産経の社論だとまではいいませんが、少なくとも政治部の最高幹部といっていい人がこういうことを書き、そしてそれが産経のHPにも掲載されているという現実は、かなり興味深いと思います。

と書きましたが、産経も改憲についていよいよ改憲が実現するといったような期待感にあふれているようには思えません。あるいは産経新聞ではありませんが、次のような記事はどうでしょうか。

議論していけという声をいただいた」議席が減ったのに、なぜか改憲に強気な安倍首相の“空耳力”
参院選直後の党首発言からにじみ出る、各党の本音

記事の内容についてはお読みいただければいいとして、首相に復活してからさえ6年半も首相をやっている人物が、なにをいまさら「議論していけという声をいただいた」だ、馬鹿、ですが、安倍としてもこんな程度のことしか言えないのでしょう。やっぱり意気の上がるものではありませんね。そもそも今回比例で自民党に投票した有権者は1800万人を下回っているわけで、有権者の2割にはるかに満たない。改憲に限らず、実に政治に対する無関心が強いわけです。それもどうかです。

なおこの記事は、inti-solさんの記事bogus-simotukareさんの記事を参考にしました。感謝を申し上げます。

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