ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

やはり最初の脳梗塞で、事実上山本弘の物書きとしての命脈は断たれたのだろう

2024-04-05 00:00:00 | 書評ほか書籍関係

このブログでも何回か言及しているSF作家やゲームデザイナー、ついでにと学会会長もつとめた山本弘がお亡くなりになりましたね。記事を。


SF作家・山本弘さん死去 68歳 誤嚥性肺炎 「ラプラスの魔」「アイの物語」「MM9」など
[ 2024年4月4日 12:22 ]

 SF作家の山本弘(本名・山本浩=やまもと・ひろし)さんが、3月29日に誤嚥性肺炎のため死去したことが分かった。68歳。本人のSNSを通じ、遺族が伝えた。
 山本さんのSNSを通じ、遺族が「去る3月29日午前10時12分 山本弘は誤嚥性肺炎のため永眠いたしました」と報告。「2018年に脳梗塞を発症後 皆様の応援に支えられながら 6年に渡る闘病生活を送った末 穏やかに旅立ちました」とした。

 「好奇心旺盛だった故人は良き仲間にも恵まれ自分の好きなことを全力で楽しんでいたと思います 生前中のご厚誼に深く感謝申し上げると共に 謹んでお知らせいたします」と感謝を記した。

 老舗出版社・東京創元社も「2024年3月29日(金)、作家・ゲームデザイナーの山本弘氏が誤嚥性肺炎により68歳でご逝去されました。葬儀は近親者で営みました」と訃報を伝えた。

 山本さんは1956年、京都府出身。78年「スタンピード!」で第1回奇想天外SF新人賞佳作を受賞。88年「ラプラスの魔」で本格的に小説家デビューを果たした。87年にはクリエーター集団「グループSNE」の一員として、RPG「ソード・ワールド」の立ち上げに参画。「サーラの冒険」シリーズをはじめとする「ソード・ワールド」に基づく小説の執筆などを手がけた。2003年「神は沈黙せず」が第25回日本SF大賞の、07年「MM9」が第29回日本SF大賞の候補作に。06年「アイの物語」は第28回吉川英治文学新人賞ほか複数の賞の候補となった。2011年「去年はいい年になるだろう」で第42回星雲賞(日本長編部門)を、16年には「多々良島ふたたび」で第47回星雲賞(日本短編部門)を受賞した。

山本が亡くなったのが3月29日であり、葬儀ほかを済ませてからの発表ということになりますかね。昨今ありがちなパターンだと思います。

上での遺族の声明にもありますように、山本は2018年に脳梗塞に倒れています。そのあたりについては、こちらの記事をご参照ください。非常に生々しい脳梗塞発症がつづられています。2018年5月です。

 

 

山本はこの後リハビリをして回復に努めますが、はかばかしい結果が得られず、2020年8月には自殺未遂までします。この件については、私も記事にしています。

山本弘が自殺未遂までしてしまった(彼の精神状態は、相当によろしくないように感じる)

上の記事でも指摘しましたように、これではまた自殺するのではないかと思いましたが、どうもそんなことすらできない状況に山本はなってしまい、私も下のような記事を書いています。

山本弘が、この1か月以上ツイートもせず、ブログも更新していない(大丈夫か?)

気の毒だが山本弘は再起不能の可能性が非常に高い

山本は、再度の脳梗塞を発症してしまい、下の引用のようになってしまったのです。

このあと山本の消息があまり伝わることはなかったかと思いますが、事実上寝たきりだったのでしょうね。最初の脳梗塞の後では、上でリンクしたエッセイみたいなものも書いていたのですが、2度目の発作の後は、まったく再起不能の状態だったのでしょう。

ただこの記事のタイトルにもしたように、最初の脳梗塞の後は、すでに彼は、物書きとしてまともに活動できる能力はなかったのでしょう。それは仕方ないですが、やっぱり病気の後彼が、物事を認識する能力が大幅に下がったということを知りとてもむなしいものを感じました。

で、当然といえば当然ですが、やはり人間健康があってこそですね。とくに脳をやられると、知的能力で仕事をしていた人たちには文字通り致命傷になる。山本はまさにそれで再起ができなかったわけです。

私は、彼の小説は読んでいませんし、今後も読む気はありませんが、「トンデモ」系のものは面白く読んでいました。ただトンデモ系の著書も、最初の方が面白かったと思います。面白いものから書き始めるのだからそれは仕方ありませんが、彼自身もだんだんマンネリ化したところもあったのかもしれません。彼が「と学会」を退会したのも、来るべきものが来たというところもあったのでしょう。

山本弘氏のご冥福を祈ってこの記事を終えます。また、bogus-simotukareさんからもコメントをいただいております。ありがとうございます。


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