読書。
『ダ・ヴィンチ 全作品・全解剖。』 池上英洋 監修 ペン編集部 編
を読んだ。
いまから500年くらい前にイタリアで活躍した芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
彼の全作品の紹介、解説をするのが本書です。
どうですか、ダ・ヴィンチと聞いて、「モナ・リザ」と「最後の晩餐」以外に
思い浮かぶものってあるでしょうか。
僕には他に、解剖学や天文学の知識を持っていたことや、
ヘリコプターのような形態の乗り物を想像していた人
くらいしか思い浮かびません。
それでも、遅咲きながらも当時の第一級の才人であり、
こうやって正面から向き合うと、「モナ・リザ」の慈愛に満ちた微笑みというのも
わかってきて、すごい絵描きだったんだなぁという印象を持ちました。
驚いたことに、ダ・ヴィンチが遺した作品というのは、13作品しかないのです。
それも、ちゃんとしているようでいて未完成の部類に入るものも含めて。
さすがに、その13作品にはデッサンや習作は含まれていないですが、
彼のもう一つの遺作として、多くの手稿というものが、価値ある資料とされている。
また、彼が勉強家であるがゆえに、その作品に込められた意図などを深読みして、
「ダ・ヴィンチ・コード」などというエンタテイメント系の作品が
生み出されたりもしましたよね。
ちなみに、「モナ・リザ」は本書では「ラ・ジョコンダ」という名前になっています。
そっちのほうが世界的に一般的な呼称なのかな。
カラーページで、100ページくらいのものですが、
なるほどなるほど、と思って、子どもの頃に読んだ「○○大百科」みたいなのの
しっかりしたバージョンみたいに思って読める本です。
っていうか、今って、子どものための「○○大百科」的な本ってあるのかしら。
ダ・ヴィンチは遅筆だったようですし、
作品の数も多くないですし、
それで生きているうちから認められてスターみたいになっていたのだから、
その質の高さの卓越したところっていうのは、
もう群を抜いて、素人目でもはっきり分かるくらいなんでしょうね。
たしかに、本書でも、同時代人の絵なんかがでてきますけれど、
人物の顔にしても姿勢にしても堅くて、漫画の延長というかそんな風にみえるところってあります。
逆に、ダ・ヴィンチの書いた素描が、たとえば猫のとっくみあいだとか
あるんですが、そういうのは現代のうまい日本の漫画の作画力に通ずる柔らかさがあります。
時を越えた技術と作風なんだと思います。
技術もそうだし、表現しようっていう気持ちをどんどん突き詰めていったら、
何百年後までかかる洗練さってものを彼は手に入れていた、というような
ことのように思えました。そして、謙虚に「自分は無学だ」として独学していたようです。
享年67歳だそうで。その当時にしたら長生きだったろうと思います。
遅咲きだったから、長生きでよかったですね。
『ダ・ヴィンチ 全作品・全解剖。』 池上英洋 監修 ペン編集部 編
を読んだ。
いまから500年くらい前にイタリアで活躍した芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
彼の全作品の紹介、解説をするのが本書です。
どうですか、ダ・ヴィンチと聞いて、「モナ・リザ」と「最後の晩餐」以外に
思い浮かぶものってあるでしょうか。
僕には他に、解剖学や天文学の知識を持っていたことや、
ヘリコプターのような形態の乗り物を想像していた人
くらいしか思い浮かびません。
それでも、遅咲きながらも当時の第一級の才人であり、
こうやって正面から向き合うと、「モナ・リザ」の慈愛に満ちた微笑みというのも
わかってきて、すごい絵描きだったんだなぁという印象を持ちました。
驚いたことに、ダ・ヴィンチが遺した作品というのは、13作品しかないのです。
それも、ちゃんとしているようでいて未完成の部類に入るものも含めて。
さすがに、その13作品にはデッサンや習作は含まれていないですが、
彼のもう一つの遺作として、多くの手稿というものが、価値ある資料とされている。
また、彼が勉強家であるがゆえに、その作品に込められた意図などを深読みして、
「ダ・ヴィンチ・コード」などというエンタテイメント系の作品が
生み出されたりもしましたよね。
ちなみに、「モナ・リザ」は本書では「ラ・ジョコンダ」という名前になっています。
そっちのほうが世界的に一般的な呼称なのかな。
カラーページで、100ページくらいのものですが、
なるほどなるほど、と思って、子どもの頃に読んだ「○○大百科」みたいなのの
しっかりしたバージョンみたいに思って読める本です。
っていうか、今って、子どものための「○○大百科」的な本ってあるのかしら。
ダ・ヴィンチは遅筆だったようですし、
作品の数も多くないですし、
それで生きているうちから認められてスターみたいになっていたのだから、
その質の高さの卓越したところっていうのは、
もう群を抜いて、素人目でもはっきり分かるくらいなんでしょうね。
たしかに、本書でも、同時代人の絵なんかがでてきますけれど、
人物の顔にしても姿勢にしても堅くて、漫画の延長というかそんな風にみえるところってあります。
逆に、ダ・ヴィンチの書いた素描が、たとえば猫のとっくみあいだとか
あるんですが、そういうのは現代のうまい日本の漫画の作画力に通ずる柔らかさがあります。
時を越えた技術と作風なんだと思います。
技術もそうだし、表現しようっていう気持ちをどんどん突き詰めていったら、
何百年後までかかる洗練さってものを彼は手に入れていた、というような
ことのように思えました。そして、謙虚に「自分は無学だ」として独学していたようです。
享年67歳だそうで。その当時にしたら長生きだったろうと思います。
遅咲きだったから、長生きでよかったですね。