Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

FOTB映画大賞2012

2012-12-31 19:26:15 | 映画
毎年恒例、わたくしの独断で決定する、
名誉あるFOTB映画大賞の発表をします。

今年観た映画の中から、もっとも素晴らしいと感じた映画を
表彰するのが本賞です。

それでは、まず今年観た映画のラインナップを。

★日本列島 いきものたちの物語
★Documentary of AKB48 Show must go on 少女たちは、傷つきながら夢を見る
★ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
★ダーク・シャドウ
★ダークナイト・ライジング
★ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

エントリーはわずかに6本ですね…。
来年こそは月一本ペースくらいで映画を観に行きたいものです。

ではでは、
大賞を発表します!




ドルルルルルル…(ドラムロール)

パーン!


FOTB映画大賞2012に輝いた作品は

ティム・バートン監督の『ダーク・シャドウ』です!
いやぁ、ついに、B級の匂いがプンプンする映画が本大賞を受賞してしまいました。
これも、観に行った映画の数が少なかったせいかもしれない。
とはいえ、楽しめる作品、肩の凝らない作品がB級ホラーコメディー『ダーク・シャドウ』です。

というわけで、今年もすっきり、これで年が越せます。

みなさん、良いお年をお迎えください。

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『人類の歴史を変えた8つのできごと Ⅱ』

2012-12-24 22:26:49 | 読書。
読書。
『人類の歴史を変えた8つのできごと Ⅱ』 眞淳平
を読んだ。

『人類の歴史を変えた8つのできごと』の2巻目は、
民主主義・報道機関・産業革命・原子爆弾(戦争)についてです。

ちょうど、読み始めた時期に衆議院総選挙があり、
民主主義のについての歴史と説明を頭に入れるに至っては、
切実に、リアルに、そうすることができたかなと思います。

たとえば、フランスで今の間接民主主義がはじめて出てきたときに、
民衆は共同体に意思を持って参加しないとダメという思想が元になっていたようです、
ルソーの「社会契約論」だそうで。
そういうのに回帰してみるのは?と選挙権を例にして考えたのです。
つまり、選挙権を渇望する人にしか選挙権をあげないよ、という仕組みにしたらどうかという、
暴論ではあるのですが、現状に一石を投じられないものかなぁと思いました。

本書によると、アメリカの大統領選挙の投票率も、50~60%だそうです。
日本とさほど変わらない。ところが、ヨーロッパへいくと、投票を義務化したり、
イタリアのように投票を棄権すると罰則があったりする国があるせいか、
投票率は80%くらいになるそうなんです。

投票率100%までいっちゃうと…、いや、80%でも、かなり政治に対して熱を帯びた情勢を
感じとれると思います。感情なんかもフツフツと煮だっていたりするような。
ケンカとか暴動とか、戦争とかの匂いまでするかもしれない、それが投票率に表れやしないだろうかと
考えもしました。

ただやはり、日本では、「自分が投票したくらいで何も変わらない」だとか、
「だれに投票しても同じ」だとかという感情が働いているようでもあります。

本書にもあります。
「政策を考えだすのが官僚であり、多くの政治家はこれを承認するだけならば、
選挙で政治家を選ぶ意味は薄れてしまいます」
「そのため日本などでは、多くの有権者の間に、「誰が政治家になっても、
どの政党が与党になっても、結局政治は変わらない」という幻滅も生まれてきています。」

しかし、そうではない部分もあると思うのです。
政策の大きな方針を決めることが、そうです。
例えば今回の選挙ですと、原発の推進か脱原発かという選択肢がありましたし、
TPPへの参加・不参加もそうですし、憲法改正案の是非についてもありました。

投票するのには少なからず勉強が必要になります。
面倒くさいで済んでしまうことは済んでしまうんですよね、誰にもとがめられない。
年代別投票率を見ると、20代30代という若い世代が投票に行かない傾向が強かったりします。
僕なんかもそうですが、政治というものがわからないし、どこから食いついていいかさえも
最初はわからなかったりします。
でも、とっかかりはあるのです。
それは日常生活での不満や制度への批判でもいいです、
そういったものがあるということ、格差であれ就職難であれ、そういった不満を解消してほしいという
思いがあれば、投票の糸口にそれはなります。

…と、話は民主主義のところで大きくなってしまいました。

報道機関の章も大変興味深かったですし、
同様に、産業革命と戦争の章も面白かったです。
戦争のところでは、核兵器による危機の時代なんだなと認識することで
心が冷えて弱くなっていくのを感じたくらいです。

普段意識していませんが、世の中はいろいろな意味で、スゴイです。
毎日、ふつうに生活していたら、そのスゴさは感じることが出来ません。
それが、平和な日常によるボケなんだと僕は思います。
そういったスゴさを本書は感じさせてくれることになります。
大きな意味で、人類学と歴史の本です。
こういうコンセプトで社会科の授業があれば、
また大きなビジョンを持つ人が育つんじゃないでしょうか。
ぜひ、高校生や大学生の人にはチャレンジしてもらいたい本でした。
Comments (2)
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『人類の歴史を変えた8つのできごと Ⅰ』

2012-12-16 22:48:26 | 読書。
読書。
『人類の歴史を変えた8つのできごと Ⅰ』 眞淳平
を読んだ。

岩波ジュニア新書です。
2冊組のまず1冊目では、言語・宗教・農耕・お金の4つについて、
発生から伝搬、現代までの発展と、今の状態を説明しています。

とくに、宗教と農耕の章が僕には面白かったです。
宗教がいかに、その時代時代の社会情勢や国家などに影響されるかということ。
農耕の章では、アメリカ、イギリス、ドイツ、インド、そして中国、韓国、サウジなどは、
ウクライナやロシアだとかの他国の農地を買収する動きを見せているとの記述があり、
それだけ世界的に食糧問題は重大なのに、
日本は畑や田んぼを潰す方向で動いてることを鑑みる心境になりました。
1970年代以降の世界的な農作物の収穫量の伸びは、化学肥料によるもので、
農地自体はもう拡大できないくらいだという話があるそうです。
その化学肥料による収穫量の伸びも近頃は鈍ってきたそうです。
どれだけこれから農地が大事なるかっていうことですよね。

言語とお金の話も、基本を踏まえていて面白いです。
お金でいえば、ホームレスマネーと呼ばれる余剰資金についての記述の中で、
とくに、石油や穀物に投機する人たちとそのメカニズムについては
もうちょっと詳しくやって欲しかったところ。
というか、投機というものが、お金がお金を産む金融工学と呼ばれるものから
発生したもので、それらの方法が蔓延し市民権をえたがゆえに企業が
育たなかったり、研究開発に資金が充当されなかったりといった害が
でてきていることにも触れてほしかった。
そこは、ジュニア新書ですから、もっと知りたかったら他の本を読もうということなのでしょう。

人類の始まりに得た重要なものの4つをよく知ろうとする人のための
スタートラインとして良い本だと思いました。
動物としての人類から、社会的な動物としての人類になっていきますが、
そういった、古代の人類と現代の人類の間を埋める説明になりうるのが
この言語・宗教・農耕・お金の4つでしょう。
そして、そこに、人類の特徴が見えます。

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改憲案ノ目的トハ

2012-12-11 18:36:38 | days
坂本龍一さんが呼びかけて、各界のいろいろな人たちがメッセージを投稿しています。

原発のことを心配して書く人もいれば、
人権や表現の自由に重きを置いてメッセージする人もいる。

それだけ、今の政治が後回しにしていることの重みを感じずにはいられない。

そんな中、たきもとしげこさんという法律学者の方が、
重要なメッセージを投稿されました。

以下にURLを記載するので、飛んでいって読んでみてください。



たきもとしげこさんのメッセージ

___ (抜粋)

今現在、自民党は憲法「改正」と称する案を公表しました。


その「改正」案99条には次のような文言がみられます。

「緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、
内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる(後略)」

これはまさに、全権委任法と同じ効果を持つ、恐るべき案です。

___



また、元都知事の石原慎太郎氏は、拉致問題に絡んで、
軽々しくも戦争することをほのめかせばいいみたいなことを言っています。
ほのめかすどころか、戦争をすればいいと言っているようにもとれる。

彼のこういった放言は、自分とブレーン以外の者たちを愚民ととらえ、
まともに反論できるわけがないとなめきっているところからきていると僕は思います。

民主は二枚舌だし実行能力にかけるところがあるなぁと見ていましたが、
自民もこれじゃあ1票いれるわけにはいかない。
加えて、自民とともに改憲しようとしている維新の会も無視しないとなあと考えています。
自民、維新による日本政府の右傾化は避けたいところ。
戦争は始まってしまっては遅い。

TwitterでこんなTweetがありました。

___

故小沢昭一さんの言葉
「戦争ってものは、なっちゃってからでは止められません。
なりそうなときでも駄目。なりそうな気配が出そうなときに止めないと」

___




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『本田宗一郎 夢を力に』

2012-12-10 12:21:31 | 読書。
読書。
『本田宗一郎 夢を力に』 本田宗一郎
を読んだ。

自動車メーカーHONDAの創業者である故・本田宗一郎さんの、
前半生をつづった自伝と、その後の伝記などと、語録を集めたもの。

技術者として卓越した能力と、先見の明、勘の良さを備えた、
豪快な人だなぁという印象。

僕が彼を知ったのは、アイルトン・セナがマクラーレン・ホンダのマシンを駆って
戦っていた1990年前後のF1でのことです。
彼がマクラーレンチームを訪れて、セナと握手していた。
セナは子どものように嬉しそうな表情で、本田宗一郎と接していたことを覚えています。

本書を読むことで、本田宗一郎という人間臭く、頑固でありながら柔軟さも十分に持ち合わせ、
怒りっぽいなどの人間性を垣間見ることができます。
また、ほとんど本を読まないと言いながらも、自伝では語彙の多さと文章の構築力を
目の当たりにすることになります。まさか、ゴーストライターがいたわけでは…。
またはしゃべったのを誰かに清書してもらった可能性もあるのかなと思います。

余談ですが、意外と…でもないのか、奥さんと子供たちに負担をかけるタイプだったみたいですね。
昭和の亭主関白家庭さが、ハイカラな本田宗一郎さんからもうかがえる。
すごい人でも、そうすべてが完璧じゃない例ですよ。迷惑かけながら生きてるんです。

そうすべてが完璧じゃない、といえば、本田さんと二人三脚で会社を経営した
藤澤武雄さんという人の存在の大きさも、本書でしることができます。
本田さんとは対照的とされていますが、二人一緒に映った笑顔の写真をみると、
あぁ、悪い人じゃないなというのがわかります。
陰性の人じゃないみたいですね。

陰性のねちねちした人が上司だと、怒られるのもじめじめとした怒りかたをされて
心理的にマイナスの状態に追い込まれがちなものです。
そのあたり、よく怒るとされている本田さんも藤澤さんも、陽性のカラッとした
性格なので、心の柔らかいところをわざわざ攻撃するようなことはないのが良いですね。

僕が大学卒業後に就職した会社の直属の上司がまた陰性の人で、
それがほとんど原因となって体調を崩したことがあるのですが、
本田さんみたいな人が上司だったら、おっかないながらも、気持ち的には健康だったかもなぁと
思ったりもします。
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『一流の集中力 イチロー、中村俊輔も実践する「本番力」の鍛え方』

2012-12-08 00:28:39 | 読書。
読書。
『一流の集中力 イチロー、中村俊輔も実践する「本番力」の鍛え方』 豊田一成
を読んだ。

イチロー選手や中村俊輔選手らが10代の頃にメンタルトレーニングをほどこしたのが著者の豊田さん。
そのメソッドと解説に唸らせられるし共感するしです。

一人で読んでも、心の霧が晴れるようなところがあります。
心理学や脳科学を駆使した解説などに。
100万人が読んだら、世の中がハッピーになりそうな気もしてくる、
共通見解としてこの本に書かれていることを共有したら。

メンタルトレーニングの骨子は、
次の4つからなります。

内言(=自己暗示)、イメージング、呼吸法、気功。

読んでまったく得ばかりのような本です。

最後に抜粋をば。

___

“いま”の自分が置かれている環境に不満を持つ人は、どうか忘れないでください。
恵まれた条件を求めるのではなく、ひたむきに自分の心を磨き、
どんな条件下でも100%の実力が発揮できる集中力を身につけることが、
自分という人間をレベルアップさせるための一番の近道である、と。

___

今年いちばんおすすめしたい本です。
クリスマスプレゼントにどうぞ。
…安上がりですね。

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『生物学個人授業』

2012-12-05 20:06:02 | 読書。
読書。
『生物学個人授業』 岡田節人 南伸坊
を読んだ。

“先生”岡田節人さんの講義を“生徒”南伸坊さんが受けて、
南さんがその「ノート」にあたる、その理解を示した面白い文章を
提出し、岡田さんが最後に「一言」という形で南さんの文章の感想を書くという方式の本です。
南さんは「本人」モノで知る人ぞ知る、おもろい人です。
織田信長になったり、二宮金次郎になったり松田聖子になったり。
それも、扮装をするのではなく、
「私がその人本人です」とその人になってしまうのがすごく楽しい。
そんな南さんが、学問のずぶの素人として、真っさらなアタマで生物学に望み、
まっすぐに理解し、それだけじゃなくて、自分の言葉でアウトプットしてくれています。
彼の文章の面白いことといったら!
でも、若い頃に読んでいたら、たぶん、「馬鹿にしてるのか」と思ってしまうような
文章ですね、僕なんかはそう捉えてしまう可能性が高い。
そこを、面白い!と読めるようになった自分の成長に乾杯したいですね。

内容も、もう10数年前のものですが、今でも読めるものです。
そりゃ、現在の生物学の先端のところを知る人から見たら物足りないのかもしれないですが、
まず踏まえておくべきレベルとしての重みある内容が、この本にはあると思います。

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