読書。
『動物化するポストモダン』 東浩紀
を読んだ。
コミック、アニメ、ゲーム、パソコン、SF、特撮、フィギュアなどに耽溺する
人々の総称をオタクとして、いわゆるオタク系文化がポストモダン(70年代以降の
文化的世界)とどう関係しているかを論じた本。
とくに、コミック、アニメ、ゲームの類に熱中する人々をオタクと呼んでいます。
アイドルオタクは本書では扱われていません。
そこで語られるオタクによるアニメキャラの萌え要素への分解、
材料化がポストモダンの世界の構造と一緒で、
オタク系文化はポストモダンそのものみたいに言われている。
言われているというか、看破して論理づけて説明してくれているので、
それを読む限り、ほぼ間違いなく、オタク系文化はポストモダンを色濃く反映しています。
反映しているというよりも、ポストモダンの構造そのものです。
本書を読んでもらわないと、僕があーだこーだ書いたところで、
何を言っているのかわからないと思います。
それでも、あえて書いていきましょう。
アニメキャラの萌え要素への分解、材料化、
そしてそれをデータベース化して二次使用するというシステムは、
オタク系文化の中でそのような特徴が出来あがる以前に、
僕が知っている限り、80年代初頭の世界の音楽シーンで見られたことじゃないでしょうか。
『音楽機械論』で坂本龍一さんがそれとなくそんなことを言ってたような。
坂本さんは、誰がこんな音やフレーズを使ったというのもみんな知っていて、
それを確信的にパクったり発展させたりしているのが今の音楽だって、
80年代の初頭に言っている。
つまり、データベース型での世界の捉え方は、
アニメオタクよりもミュージシャンのほうが早かったんじゃないのかな。
と、読んでいる途中で感じたら、
「ハリウッド映画やテクノミュージックでも言えるのではないか」と
一言添えられている部分を後に読みました。
まぁ、なによりも、こうやってオタク系文化をひも解いて分析していくことで
ポストモダンという世界の特徴がわかりやすくなっていきます。
そして、ポストモダンを知るということにより、もはやその渦中というか、
どっぷりとポストモダンの世界に浸かっている僕ら、人間を知るということに
繋がっていきます。
つまり、本書は、現代人理解の本だと言えるでしょう。
友達のA君はほんと、オタク型のポストモダン人間だな、とか、
B君は、すぐに「降りる」ところがポストモダン人間の特徴として強いな、とか、
そういう観点がもたらされるでしょう。
そして、僕の直観からいうと、「ポストモダン」という世界と人間ができあがったのは、
産業革命が起こり、情報伝達技術が発達し、新聞、ラジオ、テレビ、とマスメディアが
発展し、人口が増え、多様化し、さまざまな価値が林立していく中で、
それに対してそれまでの生き方、
「世界の捉え方」ではその世界で適応ができなくなったためでしょう。
世界を人間が複雑にし、その複雑化した世界が人間をポストモダン化させたのです、おそらく。
昔と今の区別をつけるのに、そして、また言いますが現代人理解のために
必読の本と僕は言いきってしまいます。
2001年発刊ですから、もう10年も前になりますが、今読んでも勉強になります。
もうちょっとクリアに世界を認識したいなという欲求を持つ人は、
年末年始のお休みに読んでみると良いかもしれないです。
『動物化するポストモダン』 東浩紀
を読んだ。
コミック、アニメ、ゲーム、パソコン、SF、特撮、フィギュアなどに耽溺する
人々の総称をオタクとして、いわゆるオタク系文化がポストモダン(70年代以降の
文化的世界)とどう関係しているかを論じた本。
とくに、コミック、アニメ、ゲームの類に熱中する人々をオタクと呼んでいます。
アイドルオタクは本書では扱われていません。
そこで語られるオタクによるアニメキャラの萌え要素への分解、
材料化がポストモダンの世界の構造と一緒で、
オタク系文化はポストモダンそのものみたいに言われている。
言われているというか、看破して論理づけて説明してくれているので、
それを読む限り、ほぼ間違いなく、オタク系文化はポストモダンを色濃く反映しています。
反映しているというよりも、ポストモダンの構造そのものです。
本書を読んでもらわないと、僕があーだこーだ書いたところで、
何を言っているのかわからないと思います。
それでも、あえて書いていきましょう。
アニメキャラの萌え要素への分解、材料化、
そしてそれをデータベース化して二次使用するというシステムは、
オタク系文化の中でそのような特徴が出来あがる以前に、
僕が知っている限り、80年代初頭の世界の音楽シーンで見られたことじゃないでしょうか。
『音楽機械論』で坂本龍一さんがそれとなくそんなことを言ってたような。
坂本さんは、誰がこんな音やフレーズを使ったというのもみんな知っていて、
それを確信的にパクったり発展させたりしているのが今の音楽だって、
80年代の初頭に言っている。
つまり、データベース型での世界の捉え方は、
アニメオタクよりもミュージシャンのほうが早かったんじゃないのかな。
と、読んでいる途中で感じたら、
「ハリウッド映画やテクノミュージックでも言えるのではないか」と
一言添えられている部分を後に読みました。
まぁ、なによりも、こうやってオタク系文化をひも解いて分析していくことで
ポストモダンという世界の特徴がわかりやすくなっていきます。
そして、ポストモダンを知るということにより、もはやその渦中というか、
どっぷりとポストモダンの世界に浸かっている僕ら、人間を知るということに
繋がっていきます。
つまり、本書は、現代人理解の本だと言えるでしょう。
友達のA君はほんと、オタク型のポストモダン人間だな、とか、
B君は、すぐに「降りる」ところがポストモダン人間の特徴として強いな、とか、
そういう観点がもたらされるでしょう。
そして、僕の直観からいうと、「ポストモダン」という世界と人間ができあがったのは、
産業革命が起こり、情報伝達技術が発達し、新聞、ラジオ、テレビ、とマスメディアが
発展し、人口が増え、多様化し、さまざまな価値が林立していく中で、
それに対してそれまでの生き方、
「世界の捉え方」ではその世界で適応ができなくなったためでしょう。
世界を人間が複雑にし、その複雑化した世界が人間をポストモダン化させたのです、おそらく。
昔と今の区別をつけるのに、そして、また言いますが現代人理解のために
必読の本と僕は言いきってしまいます。
2001年発刊ですから、もう10年も前になりますが、今読んでも勉強になります。
もうちょっとクリアに世界を認識したいなという欲求を持つ人は、
年末年始のお休みに読んでみると良いかもしれないです。