Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『芸術脳』

2012-09-22 23:27:24 | 読書。
読書。
『芸術脳』 茂木健一郎
を読んだ。

稀代の知識人であり考える人である茂木さんの対談集。
NHK『プロフェッショナル』では、「脳科学的にいうと…」と言葉をつないでいく人で、
そういう部分を見ていると、つまらない人なんじゃないかと思いがちなんですが、
それはそれ、テレビという中での一つの形式を演じていた部分のようで、
カメラの回っていないところの茂木さん、それも少人数を相手にする茂木さんもしくは
一人の時の茂木さんは面白くない人ではないようです。
本作では、最初の佐藤雅彦さん、内藤礼さんのところが特に面白かったです。

茂木さんの欠点といえば、ある程度のレベルまでいった表現者とならば誰とでも
話が出来て共感を出来て、もっと言えば「仲良くできる」としているようなところ
だと僕は思うんですね。
合わない人がいないというのは、それは一つの欠点で、
言葉を変えると、柔らかすぎる人という評価にもなりかねません。
まぁこれは昭和からの考え方ですけれど。
茂木さんとしては、多様性を認められる、
時代の前衛の人という自認があるのかもしれないです。
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『カンブリア宮殿特別版 村上龍×孫正義』

2012-09-18 22:22:17 | 読書。
読書。
『カンブリア宮殿特別版 村上龍×孫正義』 村上龍 テレビ東京報道局編
を読んだ。

全編面白かったけれど、とくに僕の注意をひいたのが、生存本能に関する言。
グループ800社はすべて独立採算制でやっているそうで、
だからこそ、勝手につぶれろと孫社長は言うのです。
自然法則のおきてに従って、生存本能を失わずにやっていくのが大事だという考え。

これは個人の生き方に通じる部分ですね。
僕なんかも、生存本能の薄いほうじゃないかと思うので、
そこらへんは意識して生きていきたいです。

ただ、人を騙さない、フェアである、他人を陥れない、
そういったことの逆を要求してくるのが、生存本能だとしたら、
ぼくはどう戦おうかと考えてしまう。
今あげたものの逆の行為は、生存本能としては低レベルで手を出しやすいものなんだろうと思います。
もっと考えて、生存していくために良策を講じないといけない。

そして、そんなことを考えられるのも、田舎に住んでいるがためかもしれない。
よっぽど強い意志とか信念とかを持っている人じゃないと、
そうやって質の高い生き方を都会でしていくことはできないと思います。

そんでもって、僕の理想というか、やりたいことの大きな一つとして、
そういう強固な意志を持つ人間じゃなくとも、
生存本能を持ちながらもフェアにやっていける世の中を作る助けをしたいわけでした。

そういうの、いいと思わない?


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尖閣問題

2012-09-17 23:51:21 | days
尖閣問題。

これはちらっとでも読んでおいたほうがいいかもしれないです。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/qa_1010.html
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『勇気の言葉』

2012-09-10 19:25:11 | 読書。
読書。
『勇気の言葉』 いのちの言葉編集部編
を読んだ。

勇気にちなんだ名言集です。
「失敗を恐れるな」だとか、
「考えるよりも先に動け」だとか。
かいつまんで理解すると、それら2つが心に残ったかなぁという本でした。

「失敗を恐れるな」にしても、
その言い方には含みがこめられていたり、
奇知に操られていたり、
独特の言い方で語られていて、
短い言葉ながらも、それに接する者の脳にズシンと響いてきます。
言葉の効果を考えてのものもあれば、とっさのウイットによるものもあるでしょう。

アフォリズムの数々にふれてみるのも、
思索や読書の箸休めに良かったです。

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『人類進化の700万年』

2012-09-06 22:22:02 | 読書。
読書。
『人類進化の700万年』 三井誠
を読んだ。

人類学の本ですが、著者は学者さんではなく新聞記者です。

人類学の世界には多様な学説があり、その学者さんによって、
進化の仕方や人類の分類などが違ってくるそうです。
そういった意味で、第三者である、人類学を客観的に眺めた
人が書いた人類学の本という位置づけである本書は、
いろいろな見方を認めたうえで語るので、公平性があるかもしれないです。
また、専門用語を控えているので、初心者の僕のようなのでも
面白く読めます。

人類は700万年前に、とあるサルから進化したものだそうです。
そして、そのちょっとした、現生人類への進化を持ったまま、
400万年くらい沈黙するようなのです。
長い歴史に波乱万丈はあるでしょうけれど、進化を軸にしてみると、
そうでもない。

現生人類があらわれたのが、20万年前とかそのくらいだそうで。
そこから考えると、今の人間というものは、まだ20万年しか
たっていない新しい生き物だと見ることもできますよね。
考えてみれば当たり前のような気がしてくるのですが、
これだけの「社会」というものを作り、「科学」を進歩させた人間ですから、
100万年前に発生したら、今やもっと違う世の中になっているか、
もしくは滅びているか、何かあるでしょうね。

そういうことは想像するに任せて置いて、
とにかく、過去から今までの人間の進化を読んでいくのがこの本。
前半は化石からみていきます。
後半は遺伝子からみていきます。

きばらずに読んでいいよ、って著者が最初に書いているので、
素直な僕はリラックスしてさらさらと読みました。
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『新しい資本主義』

2012-09-03 13:50:01 | 読書。
読書。
『新しい資本主義』 原丈人
を読んだ。

今、世界を席巻している、金融資本主義というものに対して、
その悪いところを指摘し、ポスト資本主義として公益資本主義というものを
示唆することを主軸とした本でした。

お金がお金を産む資本主義、金融工学の進歩によってそうなった資本主義の在りように
異を唱えてその論拠を次々と述べていくさまは胸がすかっとするし、
もともと自分はそういう話を待望していたのだということに改めて気付かされました。

著者の原丈人さんについては糸井重里さん主宰の「ほぼ日」に登場されたときに知りました。
その糸井さんとの対談を読んで、なんてスケールが大きくて素晴らしい人なんだと、
そんときも胸がすくような痛快な思いがして、それが忘れられずに今回この本を買って読んだのです。

読んで、勇気とやる気が湧いてくるのは、
彼が説く論説のどれもが、世の中の「なんか変じゃないかな」というベールを剥いでくれるものだからです。
そこまで、「ほんとうのこと」に迫ったならば、あとは個々人が頑張ればいいのです。

世の中、このままの資本主義では、ヘッジファンドのみならず、すべての人がハゲタカに
なりさがってしまいます。そうはならない、新しい資本主義のヴィジョンをみんなが持って、
世の中に貢献することで利益を得て、その利益でまた世の中に貢献するというスタイルを
浸透させていくことが大事なんだと、当たり前のようなことですが、
その当たり前の心理に戻してくれるのです。
もしかすると、そういった心理さえ、当たり前じゃなくなった人たちというのが、
金融資本主義にどっぷりつかった人の中にはいるかもしれないです。
でも、それはおかしいということです。
経営者と一般労働者の間の所得格差が大きすぎることなどを考えても、そのおかしさは
伝わりますよね。

元気もやる気も出て、知識も増えて考える力の源にもなる本です。
お金の流れ、世の中の企業のありかたや自分の働く会社のありかたに違和感を感じるかたは、
この本を読んで自分の視点がクリアになるのを感じるでしょう。
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