Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

よいお年をお迎えください。(2017大晦日--一年を振り返る)

2017-12-31 21:35:04 | days
今年もいろいろありました。

小説は『ヒドゥン一九九四』と『きみの家へ、遊びにいくよ。』の短二篇を
『オール讀物』に応募しましたが、撃沈。
なかなか難しいなと思いつつ、
まだ試していない角度からのアタックがありますから、
来年もまた応募しようと思っています。
そろそろちょっと長編(いや、中編かな?)も視野に入れつつになりますね。

4月からまた昨年と同じ仕事をしていました。
しかし、夏場に不整脈と動悸に襲われて病院へ。
検査を受けたときにはちょっとよくなっていたのですが、
それでも、24時間ホルター検査(24時間の心電図)で
全体の10%が不整脈だったことがわかりました。
それでも、不整脈の種類が悪性のものではなく、
様子を見てください、と薬も出ず、
無理せず過ごしていたら少しずつよくなっていきました。
11月にまたちょっとだけおかしいなと思っていたのですが、
それでもその後解消しています。
原因はストレスでしょう、とのこと。
エコー検査でもなんでもなかったので、そういう見解になったのかなあ。
まあ、夏場は暑い中、ほぼ外で受付の仕事してますからね、
おまけに、今年は一時間退勤時間までが長かったです。
そして私生活での介護疲れ、家族疲れも重なったのかもしれないです。
11月にまた調子が怪しくなった時には、
つとめて家にいないことにして遊びに行ってました。
今年も11月の上旬に仕事が終わったので、そういうことができたのです。
やっぱりストレスなのかなあと思っちゃいますね。

併せて血糖値が高いことが判明し、
そのときにはもうダイエットの途中だったのですが、
さらに加速させていまは72kgくらいです。
だいたい、10年前の体重に戻ってきています。
20歳のときには67kgくらいでしたから、
そこまで落とそうかどうか迷っています。
しかし、なかなか大変。
バランス良く栄養を摂取しながら、
でも間食(お菓子やカップ麺)をとらない生活に
まだ馴染めていないところがあります。
コンビニでささみの燻製を買ってきて食べたり、
朝食は鶏むね肉のスモークやハーブ漬を食べたりし、
キャベツの千切りも毎日大量に食べて、
減量できました。
いろいろ検査してもらうと、
ごく最近血糖値が急上昇していたようなのですが、
夏場に仕事に出ると食事の当番が親父になるんですね、
それで野菜が足りないうえに、
スーパーなんかの揚げものだとかを食べていたのが関係ありそう。
・・・みなさんもお気を付けくださいまし。

でも、心臓がおかしくならなかったら
血糖値の上昇には気付けなかったので、
不整脈はなんらかの超自然的な知らせだったのではないか、
なんて考えてしまいました。
早期発見はラッキーでした。

で、話は変わり、ギャンブル。
春夏は仕事に集中していたこともあるし、
お金の心配もあったのでまったく馬券を買っていませんでした。
秋になり、ちょっと余裕があるのと、
金策に走るかのように「競馬はどうだ?」と目が向いて、
いきなりスプリンターズSで三連単200円分的中でした。
それで、仕事が終了してからのエリザベス女王杯で
また三連単を買うと的中し、
それからマイルCSとジャパンカップは外れたのですが、
阪神JFで馬連が的中、
有馬記念で馬連、三連単が的中、
ラスト重賞のホープフルSで単勝、馬連、三連複総取り、と
自分の馬券史的にはすごいことになっています。
貯金が増え、春までの金銭面での見通しに目鼻がつきました。

とまあ、そんなこんなで、今年も暮れていきます。
今日は朝から旨煮を大量に作り、かしわそばを作り、
もうおなかいっぱいです。

今年、母は2度入院しました。
介護も大変で、親父がテンパってることも増えました。
なにごとにもおおげさな親父なので、
わめいていても割り引いて聴いてますけれど、
それでも大変なときの対応をぼくも何度も経験しているので、
わかることはわかるんですよね。
親父はもっと本を読むべきなんでけどねー。
考え方が稚拙な部分、自分自身が見えていなさすぎなところ、
そのあたりがちょっとは解消されるんですけどねえ。
こないだ本棚の整理をしていたら、
『心配ごとの9割は起こらない』を持っていって読み始めていて、
これがよいきっかけになればいいなと思う次第。

あいかわらず乃木坂46は大好きです。
生田絵梨花さんを筆頭に、メンバーの魅力に元気づけられる毎日です。

来年は1/15ころから新たな短編を作っていくつもりです。
仕事はまた4月からになるでしょう。

ここを訪れて頂いているみなさんにもみなさんの生活があり、
いろいろ大変な面もあるかと思います。
それでも、幸せな時、うれしい時、笑える時を味わえる瞬間はあるはず。
そういった時間を過ごせた時の記憶をうっちゃらずに、
前を向く原動力としてぼくは生活しています。
みなさんも、そうあって欲しいなあ、なんて、
おせっかいにも思っちゃったりなんだり。

他律性を受けずに、自律的に生活していくと幸福感は増します。
自分で動いていくという、自分の人生に対するパイオニア精神を
ぼくも大事にして、来年からも過ごしていこうと思います。

本ブログは変わらず、近況をたびたびのっけつつ、
本の感想や書評めいた記事を載っけていくことでしょう。
これからも、ひとつ、よろしくお願いいたします。

それでは、良いお年を!

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『まじめなとんでもない世界』

2017-12-28 03:13:18 | 読書。
読書。
『まじめなとんでもない世界』 奥健夫
を読んだ。

量子論を深く考えていくことでわかってくる、
「とんでもない世界」。

一番最初の宇宙って原子よりも小さいサイズで、
そこにすべての宇宙情報がつめこまれていて、
すべてがそこにあったから、
ぼくもきみもパソコンもスマホも、
山も魚も恐竜もみなそこでいっしょだった。
だから、この世のすべてはみな兄弟。

量子論をつきつめたり広げたりしてみていくと、
意識も宇宙もつながっているものだし、
宇宙ってもの自体が意識だ、みたいになるし、
そう見ていくと肉体って意識の入れ物にすぎなくて、
意識は過去から未来まで存在する永遠なものだ、
って仮説も立つ。

MITとかで仏教が注目を浴びているって話を読んだことがあるけれども、
なるほどなあそういうことですか。
まだ一般に広められない感じの話なのは、
受け取り手がオカルト色のつよいタイプの、
スピリチュアルに流されるきらいが濃厚だからだろうなあ。
受け取り手にオカルト耐性がないとうまく伝わりません。
もっとこの領域のことがはっきりわかってから、
うまい語り手が語ってやっと降りてくる話かもしれない。

ミクロの世界がいちばん広かったという話なんです。
ぼくには量子論をこまごまと理解する能力はありませんので、
ある程度の鵜呑みがあったり理解できない箇所はあるのですが、
なんだか妙に腑に落ちる部分があるのがおもしろい。
たとえばオカルト視されがちなユングの集合的無意識だって、
復権しそうなかんじ。

急にガンダムの話になるけれども、
アムロとかシャアの意識が宇宙に溶け込んでいて、
ユニコーンガンダムの最後でちょっとでてくるじゃないですか。
あれだって、こういうのを知るとよくできてるなあって思えもします。

本書は、文字が大きくて分量やページ数が少なく、
行間の多いタイプの本ですけれども、
そこに込められた内容の深さには、
胸がすくような興奮を覚えました。

科学者って、一般人よりも世界の尊さや広さ深さを十全に感じているもので、
そういうところ、こういう読み物を通じて、
うらやましいなあと思うのでした。


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『広瀬アリス写真集 ALICE』

2017-12-26 20:03:24 | 読書。
読書。
『広瀬アリス写真集 ALICE』 広瀬アリス 撮影:ND CHOW
を読んだ。

今から3年以上前の2014年3月発行の
広瀬アリスさんの写真集です。
妹のすずさんが撮影した写真もあります。

ぼくがアリスさんをテレビではっきりみたのが、
たしか去年か一昨年かの「アナザースカイ」で
モンゴルに行ったときの回です。
見た目から、もっとしっとりしていて寡黙な感じなのかなと
勝手に考えていたら、はきはきしゃべって、
思っていた以上に元気がいい。
マンガが大好きで、バスケが得意で、
番組では上手に乗馬してましたね。
ああ、こんな活発なお嬢さんなんだ、と好感を持ったために
この写真集を買ったんだと思います。

この写真集のアリスさんは19歳で、
ちょっと幼い表情に見えます。
それは髪型がショートカットのせいだけではないでしょう、
やはり最近のアリスさんは大人っぽくなられているのです。

見た目の雰囲気にちょっと距離を感じつつも、
もしも近寄っていっていろいろ話せたら、
お友達になれそうだし、
彼女はとても楽しそうだ、
そういう妄想を抱いてしまいます。

アリスさんとすずさんは、横顔に姉妹を感じますよねー。
アリスさんの横顔すきです。


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『競馬漂流記』

2017-12-25 22:34:29 | 読書。
読書。
『競馬漂流記』 高橋源一郎
を読んだ。

1993,4年ころの競馬エッセイです。
20~30年前の海外の有名な馬もなんとなく名前は知っているし、
ついていける感じで読みました。
なぜかと言えば、当時高校生でしたが、
競馬関係の本や雑誌『優駿』を愛読し、
そしてゲームでは、『ダビスタ』や『ウイニングポスト』を
好んでプレーしていたからです。
けれど、馬の名前をしらなくても楽しめるだろうエッセイです。
つよい一人称で語られるすべてが興味深い。

「バーニー・カーリー」さんだとか、
ネット時代の今でも、検索してなんとかイギリスの記事をみつける程度で、
日本語では引っかからない。
そんなネタをネットのない時代に仕入れ、
文章に残している高橋源一郎さんの海外競馬事情への深さみたいなのが伺い知れる。
といっても、付け焼刃とまではいかずとも、
その当時、熱狂的に摂取した知識や情報であることが、
あとがきでふれられていました。
その頃、本業の小説をかきたくなくてこういうエッセイを書いたそうですが、
文章の巧みさや面白さは抜群です。
海外の小説の翻訳文的な文体でもあるのだけれど、
その完成度は否応なく高い。

当時、世界を驚かせたラムタラやコタシャーン、
コマンダーインチーフやバランシーンなどの名馬たちが
生きいきとしてページ上で呼吸している印象を受けました。
そんな名馬たちだけじゃなしに、
立派な競争成績を残せなかった馬たちについても、
興味深い視点で語られているし、
ギャンブルの読み物として笑えたり、驚いたりするものもあるし、
ホースマンたちの息遣いが感じられもするし、
競馬界という閉じた世界の、でもその広大さが感じられると思います。

高橋源一郎さんの書いたものをきちんと読んだのは、
たぶん今回が初めてでしたが、文章の巧みさといいおもしろさといい、
よい読書時間を頂いた感覚です。
海外小説の翻訳文のような文体ですが、
その完成度は否応なく高いです。
またいつか、高橋源一郎さんの書いたもの、
今度は本業の小説のほうにふれてみたいです。


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『ナラタージュ』

2017-12-16 22:02:59 | 読書。
読書。
『ナラタージュ』 島本理生
を読んだ。

映画化もされた、島本理生さんの長編です。
女子大生が主人公の恋愛小説。
正統派な書き方なのだけれど、
内容はメジャーではないタイプの話。

ずっと、落ちついたトーンが貫かれています。
それも、いかにも品のある感じではなくて、
日常のなかでのちょっとした落ちつきのあるときのトーン、
といえばいいでしょうか。
鼓動は落ちつき、
たまにごく自然に高鳴り、
また落ちつく。
そんなトーンかなあ。
丁寧ともいえます。

残りの100ページくらいから、
ぐぐっと暗黙のうちに結実していくものがある。
ストーリーの展開やラストへの収束、
それらによるそれまでの曖昧さをはっきりさせる
結論付け的部分もあるのだけれど、
書かれていないところで、
なにかがふわりとした形になっていくかのような感じを受けます。

それまでの曖昧さを具象化するっていう、
小説執筆の方法論はありますね。

ただ、そうやって具象化していきながら、
意図してでもしないでもまあ関係なく、
読者がそこに生まれる言葉で言い表せないなにかの形を感じとること、
そのなにかを生みだした筆者の技あるいは偶然は、
やっぱり文学のゲージツ部分だなあと思ったりしました。

薄いレースのようなやさしさというかおだやかさというか、
そういった雰囲気に包まれた作品だと思いながらクライマックスへ。
俗っぽさがないのが好印象のラブシーンでした。

感情や人物、風景などの描写って
「へえ、そんなところに気づくものなのね!」っていう勝負だったりする。
それで、いろいろ気づけるようになってくると
「それをそう表現するのね!」「そこにそれを挿入するのね!」
っていう技術や編集力の勝負になるんだと、
中途半端な立位置にいるぼくは、
とくにこの小説を読んで思うのでした。

文章を書くことと一言で言っても、
感性や、さまざまな種類の知力を駆使することになるのだから、
自分のさまざまな能力の総合力で書くものなんだ、
と言っていいと思うのです。

閑話休題。
オトコが読むと、
「そうだよねえ、オンナってのは、
そういうこっちでは理解しがたいようなまどろっこしいところがあるよ」
なんて思えてしまう生々しさもありましたよ。

派手さはありませんが、
趣味がいいと言いたくなる作品でした。


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『ウイルス・プラネット』

2017-12-04 22:52:18 | 読書。
読書。
『ウイルス・プラネット』 カール・ジンマー 今西康子 訳
を読んだ。

人類と昔からずっと戦いあっている
風邪やインフルエンザのウイルスや、
最近になって猛威をふるいだした、
SARSウイルスやHIVといった
こわいウイルスなどなどを紹介するとともに、
ウイルスが、実は海洋で酸素を生みだす役割の
大きな部分を担っていたりするなど、
あまり知られていないであろうウイルスについての
あれこれをやさしく詳しく教えてくれる本です。

たとえば、AIDSを発症させるHIVの起源はといえば、
なんと、チンパンジーが保持していたウイルスだそうで、
それがヒトに感染して突然変異を起こしてHIVになったものだそう。
歯ぐきから出血しているようなチンパンジーに噛まれた、だとか、
チンパンジーを食べた、だとか、そういったことで
感染してきているようです。
チンパンジーを食べる文化ってあるんですね、
人間と近縁種だから心理的に避けそうなんですけども、
やはり、生き延びていくためには食べるしかないですから、
その土地その土地での、貴重なタンパク源として、
チンパンジーも狩られているんでしょうね。

また、チンパンジーじゃなくとも、
アフリカあたりではサルを狩って食べる土地があって
(たぶん、ごく狭い文化ではなく、
サルを食べる行為が、まあまあ、ありふれていると思われる)
食べることでサルが保持しているウイルスがヒトに移り、
そのなかでもエボラ出血熱を起こすウイルスなんかが突然変異して
ヒトの体内に適応するようになり、
ヒトのなかで蔓延するみたいです。
まあ、順序を整理すると、
サルからヒトにわたって、ヒトのなかで突然変異して、
エボラ出血熱を起こすようになるようです。

と、このようないろいろなトピックが、
雑誌の良質なコラムのような体で、
十数ページくらいをひとつの項としてまとめてあります。

最近ニュースになっている
ヒトパピローマウイルスについても、
やはり子宮頚がんをひきおこすとして、
そのワクチンについても書かれている。
子宮頚がんは、女性のがんの死因では、
乳がん、肺がんについで第三位にまでなっているそうです。
だから、ワクチンでなんとかおさえようとするのですが、
日本では副作用の問題が大きく報道されていますし、
実際に苦しむひとがいるのかもしれないですが、
本書では、とにかく、
ヒトパピローマウイルスの2種類のウィルス株に効果のある
ワクチンは重要だと述べています。
その2種類の株のワクチンで、子宮頚がんの70%を抑えられるからだそう。
同じウイルスでも、いろいろと形が異なるのがあるそうで、
100%効くってことはできないみたいですが、
70%抑えられるというのは、相当大きいようにぼくは思います。
ちなみに、ヒトパピローマウイルスに感染してから十数年以上を経てから
ガンがでてくるようですが、
ワクチンの効果がどれだけ持続するかは、
とりあえずこの本が書かれた時期では、
まだはっきりとわかっていないようです。

というわけで、まだまだ、
この本で得た知識をここで披露したところですが、
それは本書を読んでいただくこととして、
このへんにしたいと思います。
著者の語り口も翻訳者の仕事もどちらもいいのでしょう、
落ちついた文体で好感の持てる本に仕上がっています。
他人におすすめしやすい感じの本です。


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