読書。
『マーケット感覚を身につけよう』 ちきりん
を読んだ。
サブタイトルは『「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』です。帯には「論理思考と対になる力を教えます!」とあります。有名ブロガーである著者には、本書発刊の前に論理思考についての著書があったということでした。
これだけの情報だと、現在の「グローバル化」し「情報化」が進み20世紀とは様変わりした世界で商売をばりばり行って、一頭地を抜く存在になるための教本のように思えるかもしれないです。ですが、読んでみると、そのための知識をつける本というものともちょっと違います。より根本の、「やわらかな頭を持つための、やわらかな頭とは何なのかそしてなぜ大切なのかの解説とやわらかな頭のための体操の仕方」を教えてくれる本といったほうが的の中心に近そうです。
ここで登場する「マーケット感覚」とは、マーケティングのことではありません。ここで本書での例をあげますが、たとえば航空会社の競合会社は他の航空会社だけだろうか? という問いを考えるとわかりやすいです。飛行機には出張や旅をする人を運ぶのはもちろんのこと、それだけではなく、貨物としての性質だってあります。列車やバス、運送業も競合会社になります。さらに、全国各地、ひいては世界各地の支店長を本社にあつめて会議をしたい、となったとき、それだったらリモートのほうが便利だし安上がりだし時間も節約になる、となれば、IT会社や通信会社が航空会社の競合にもなっている、となります。
というように、現実感覚と現場感覚、そして想像力によって論理思考より広くそして地に足をついた感覚でものごとを把握する感覚がマーケット感覚なのでした。
昨今では、就活も婚活も市場化された、と著者は述べますし、大学のありかたも今後どんどんマーケット感覚でもって運営していかないと淘汰されていくというようなことも述べています。おもしろかったのは、都市部よりも地方のほうが市場化によってチャンスとなるものが潜在的に多く、町おこしをそういった目でみるとまだまだ地方は捨てたものではなさそうだ、というところでした。都市部で暮らした人のほうが、市場としての性質の高い生活を強制的に送らされているのでマーケット感覚が培われる人が多いです。なので、都会でマーケット感覚を知った若者が地方にやってきたり、Uターンして地元に戻ったりして上手に商売をするだとかが今も起こっていることですし、これからもそういうことが起こり続けるのだろう、と本書から教えられます。そこで自らがそこに関われたならばすごくいいでしょうね。
読んでいると、人間理解をちゃんとやることが大きいぞ、と読めもするんですよ。マーケット感覚を育めたなら、たぶん小説を書くことも上手になりそうだし、書く前段階での読者ターゲット設定やテーマ設定、そしてキャラクター設定もずっと無理なくできそうな気がします。そういった仕事が、小手先じゃなくなるでしょう。
でもですね、僕なんかはこういう商売が最前面にでてくる世界観には寂しさを感じもするのです。拝金主義に陥りやすそうだなあだとか、世知辛くなりそうだなあだとか思えますから。そういった点についても、そうならないように感覚を働かせるのも、ある種のマーケット感覚ではありましょう。基盤設計といいますか、社会のあり方みたいなものに働きかけるときにも、応用が効く感覚だと思いました。つまり人間を中心に据えて考えてみること、です。お金がとても重要でありはしても、人間を差し置いてまで重要ではないでしょうから。僕個人としては、そういった感覚を捨てずにいながら、マーケット感覚をもっと養いたいところでした。
『マーケット感覚を身につけよう』 ちきりん
を読んだ。
サブタイトルは『「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』です。帯には「論理思考と対になる力を教えます!」とあります。有名ブロガーである著者には、本書発刊の前に論理思考についての著書があったということでした。
これだけの情報だと、現在の「グローバル化」し「情報化」が進み20世紀とは様変わりした世界で商売をばりばり行って、一頭地を抜く存在になるための教本のように思えるかもしれないです。ですが、読んでみると、そのための知識をつける本というものともちょっと違います。より根本の、「やわらかな頭を持つための、やわらかな頭とは何なのかそしてなぜ大切なのかの解説とやわらかな頭のための体操の仕方」を教えてくれる本といったほうが的の中心に近そうです。
ここで登場する「マーケット感覚」とは、マーケティングのことではありません。ここで本書での例をあげますが、たとえば航空会社の競合会社は他の航空会社だけだろうか? という問いを考えるとわかりやすいです。飛行機には出張や旅をする人を運ぶのはもちろんのこと、それだけではなく、貨物としての性質だってあります。列車やバス、運送業も競合会社になります。さらに、全国各地、ひいては世界各地の支店長を本社にあつめて会議をしたい、となったとき、それだったらリモートのほうが便利だし安上がりだし時間も節約になる、となれば、IT会社や通信会社が航空会社の競合にもなっている、となります。
というように、現実感覚と現場感覚、そして想像力によって論理思考より広くそして地に足をついた感覚でものごとを把握する感覚がマーケット感覚なのでした。
昨今では、就活も婚活も市場化された、と著者は述べますし、大学のありかたも今後どんどんマーケット感覚でもって運営していかないと淘汰されていくというようなことも述べています。おもしろかったのは、都市部よりも地方のほうが市場化によってチャンスとなるものが潜在的に多く、町おこしをそういった目でみるとまだまだ地方は捨てたものではなさそうだ、というところでした。都市部で暮らした人のほうが、市場としての性質の高い生活を強制的に送らされているのでマーケット感覚が培われる人が多いです。なので、都会でマーケット感覚を知った若者が地方にやってきたり、Uターンして地元に戻ったりして上手に商売をするだとかが今も起こっていることですし、これからもそういうことが起こり続けるのだろう、と本書から教えられます。そこで自らがそこに関われたならばすごくいいでしょうね。
読んでいると、人間理解をちゃんとやることが大きいぞ、と読めもするんですよ。マーケット感覚を育めたなら、たぶん小説を書くことも上手になりそうだし、書く前段階での読者ターゲット設定やテーマ設定、そしてキャラクター設定もずっと無理なくできそうな気がします。そういった仕事が、小手先じゃなくなるでしょう。
でもですね、僕なんかはこういう商売が最前面にでてくる世界観には寂しさを感じもするのです。拝金主義に陥りやすそうだなあだとか、世知辛くなりそうだなあだとか思えますから。そういった点についても、そうならないように感覚を働かせるのも、ある種のマーケット感覚ではありましょう。基盤設計といいますか、社会のあり方みたいなものに働きかけるときにも、応用が効く感覚だと思いました。つまり人間を中心に据えて考えてみること、です。お金がとても重要でありはしても、人間を差し置いてまで重要ではないでしょうから。僕個人としては、そういった感覚を捨てずにいながら、マーケット感覚をもっと養いたいところでした。