Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

早野先生のツイートから。

2014-12-29 18:40:58 | days
早野先生のツイートから。


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とのこと。
原発の話題が風化してきてるなんて言われますが、
しっかりとずっと見つめていくのが、
原発大国の道を選んだこの国の人々の責任…とまではいわないけれど、
ちゃんと知っていくことって風評被害をなくすることにも繋がるし、
余計な不安をもたなくていいし、
福島や東北のことを気にかけ続けることって大事なことだと思うんです。
怖がり過ぎずに怖がりたい、と構えてきたけれど、
早野先生たちの情報や本を読むと、
運が良かったかもしれないなんていえるレベルくらいまで、
放射性物質の汚染は(もちろん人々の努力によるけれど)、現状では軽いようです。
いつもずっとっていうわけにはいきませんが、
福島や東北の方向を向いていたいなって思います。

つまり、知ろうとしたり、ある程度知っておくことができなければ、
東北や福島の人たちと出合ったり再会したときに、
心から握手したり肩を組んだりできないんじゃないかって思うわけです。
そりゃ、その場で状況を聞いて話し合うことはできるけれど、
こんだけ怖くて理解が難しいものだから、前知識は必要だと思うんですよ。

「絆」なんて言わなくてもいいんです。
言外に連帯感が感じられるようであれば。
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『きことわ』

2014-12-26 09:55:10 | 読書。
読書。
『きことわ』 朝吹真理子
を読んだ。

4,5年前の芥川賞作品です。
著者は若くてきれいで話題になりましたよね。

さて、
表層的には、言葉遣いの趣味がいい文学作品という印象。
知らない言葉や、頭の奥に眠っていて
これを読むことでそこから起こされた言葉などが多くありました。
よくそんなに言葉を知っているなぁと感嘆しました。
さらに、そういった言葉を使うことで、
うまく言い得ているために、表現の奥行きが深まっています。
難しい言葉には難しい言葉なりに、
こめられた意味の深さがあるもんなんですねぇ。

内容に関しては、
他愛なく、おしなべて言えば、平板なのですが、
一様ではないんですよね。
品がよくて、驚きの無い小さな万華鏡みたいな変わり映えのし方かなぁ、
あんまりうまく言えていませんけれど。
濃密だけれど、むせることはない空気感、
時空の濃密さをできるだけとらえた、みたいな文章です。
5秒刻みで知覚しているのがふつうの人だけどすると、
この著者は2秒刻みで世界を表現しているというように
感じられるところもありますね。

主人公の貴子と永遠子の二人がひとしい扱いで、
ヒロインとして両立しています。
そこらへんは、二人が一緒に出てきた時にもそうなので、
うまく書いているなと思いました。
二人の主観がからみあうからこそ、
この作品のさらっとしているんだけど濃密という感覚を
作り出せているのではないか。

しりすぼみにならずに、
ちゃんと最後まで表現をあきらめていない。
汗臭くではない感じで、全力を尽くしている。
だからこそ、言葉の勉強になる作品だと思いました。
小説を書く人にも、勉強になるでしょう。

130ページ弱の中編ですけれども、
さらさらっと読み飛ばせない言葉遣いなので、
それなりに読むのに時間はかかりますし、
負荷もありますが、
そこは作品の方に身をゆだねて、
文学の世界に浸ってみるのがよろしいのではないでしょうか。


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『ニーチェ入門』

2014-12-23 00:33:31 | 読書。
読書。
『ニーチェ入門』 竹田青嗣
を読んだ。

19世紀末頃のドイツの哲学者ニーチェ。
それまでのキリスト教的モノの見方によって作られていた、
常識や思考のひな型のようなものを、
ニーチェは批判し、破壊する言説を発しました。
ヨーロッパ的にいえば、
ニーチェという点の前後で、
キリスト教的か現代的かに分けられる。
象徴的なのは、ニーチェの著作にある
「神は死んだ。」の言葉です。

入門書で助かったなあという感想ですねぇ。
多くのニーチェの文章が引用されていますが、
ほとんどその意味がわかりません。
解説を読むとわかるのですが、その解説が
どう導き出されているかも、
うまくわからないのです。
やっぱり哲学書って難しいもんです。
途中、ドゥルーズのニーチェ解釈の文章も引用されていたのですが、
そこは現代に近いからわかるかなと思いましたが、
甘かったですね、「境位」がどうたらなんて
言葉が出てきましてお手上げです。

でも、まぁ、解説のおかげで
いろいろと勉強になる部分はありました。
たとえば、超越は無い、とする態度。
僕流の喩えですが、
宝くじだとか馬券での大穴だとかで大金をゲットするのって、
ニーチェ的に言うと超越であって、
そこで超越は無い、つまり当たりっこないんだとわかった上で、
さらにそういうときにやってくる
ルサンチマン(弱者の嫉妬や恨み)にとらわれずに、
力を尽くして生きていくことが大事ってことはわかって、
頷いたところでした。

また、重要概念の「永遠回帰」についても、
こういうものも関係あるのかな、と考えました。
同じところをぐるぐる回っているようで、
少しづつ上へと上がっていっているのが
わたしの人生だと思いたいっていう人、
けっこういると思うしぼくもそうなんですが、
そんな「らせん」の人生って、
ニーチェのいう「永遠回帰」と関係があるんじゃないか、
と思って読んでました。

それと、これはどうかという思想もあって。
血統や遺伝を重んじる優生学的な主張だとか、
強者と弱者の分離を進めていくという考えだとか、
問題だと考えた方がいいところがニーチェにはある
(まぁ、ちょっとは知ってたんだけど)。
ナチスに利用された可能性うんぬんって言われるけれども、
そんな簡単に思いつくものでもないし、
やっぱり利用されたっぽいように感じます。

結びのところで、この本が出た当時の94年ころ、
ポストモダンの論者たちが、いかにニーチェを語っていながら、
そのニーチェの根本のところからかけ離れていたかという
ことが書かれています。
それでも、「超越」についてはこのあいだ送付した自分が書いた小説が
ニーチェを意識せずにそういうテーマを含んでいるし、
「永遠回帰」が人生の「らせん」的進歩になぞらえることができるならば、
ニーチェの思想や哲学って、
現代では実はすごく身近にあるものじゃないだろうか。
いまや、こんな一般人の素人の人生とともにある考えです、と感じられる。

最後に、一番気に入ったのは、
中盤でも出てきたことは出てきたんですが、
もっとも最後のページにあった一言でした。

ニーチェの文章だと、
______

――あるがままの世界に対して、差し引いたり、除外したり、
選択することなしに、ディオニュソス的に然りと断言することにまで――
______


この入門本の著者のその直前の文章だと、
______

この世界の「あるがまま」を否認し打ち消そうとし反動へと向かうより、
それを是認しそのようなものとして世界に立ち向かうことの方が
いつでも必ず「生」にとって良い結果を生むのだ
______

になります。
つまり、俺は境遇が悪い、運が悪い、弱い、だとかって思いつめて
腐っていって、俺はそんなはずはないっていう気持ちで、
誰かを呪い始めたり、社会を恨んだりするんじゃなくて、
そんな自分であっても肯定して生きていこうよ、っていう、
万能な自分、理想な自分を本当の姿としないで、
今の自分が本当であることを認めたうえで愛していこう、
みたいな考え方なんですよね。
それって、ぼくもそういう考え方を持っているところがあるので、
まったくもって、共感した次第です。

ニーチェに興味のある方は、
まず本書くらいのレベルから足ならしして、
彼の思想や哲学のアウトラインをなぞっておくと、
勉強しやすいかもしれないです。


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『ゴーン・ガール』

2014-12-21 00:29:44 | 映画
デヴィッド・フィンチャー監督の映画
『ゴーン・ガール』を観てきました。

なるほどのタイトルだよね。面白かった。
ちょっとしたところであっても、
現実のいろいろな俗悪な部分を肯定して、
その上に構築された物語だと思った。

ネタバレになるから、なかなか感想も書けないですね。

まぁ、こわいもんですよ、ええ。
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マンガタイム

2014-12-20 13:51:49 | days
今日は久しぶりに漫画を読んで過ごそうかと、
まず、文庫版『究極超人あ~る』の4巻を読みました。
ゆうきまさみさんが描く女の子のかわいさって好きなんだよなぁ。
もう27年も前の漫画になってしまった。
最終巻の5巻はまだ透明な保護フィルムに覆われていて、
開封されてもいない。
今日、読んでしまおうか、迷いどころです。

そして次に、
西原理恵子さんの新潮文庫版『パーマネント野ばら』を読む。
ある一線の、その瀬戸際付近で生きている、田舎の女性たちの物語。
性にたいしての品の無さが、逆にこういった境遇にある人たちを
生きやすくさせているように見えた。
メインストリートというかハイカルチャーというか、
そういうのからかなりはみ出した人たちの生きざまにだって魅力はある。
魅力のない人間はいない、というように読めました。
切り捨てられるような人たちも、生きているんだよ、ってことでもある。

『鉄コン筋クリート』や、
3巻までしか読んでいない全10巻の『ハチミツとクローバー』も
本棚で読まれるのを待っている。
ツイッターでちらほら評判を見受けた『逢沢りく』っていうのも待機中です。

ハタチくらいのときに、漫画やある種の小説などのフィクションに、
現実が圧倒されてしまうことを危ぶんでいました。
たとえば、文章を書いても、漫画的だったり、
空想をしても、どこかで触れた物語的だったり。
現実を、今でいうような「リア充」ってくらいまで濃く生きているのならば
まだ負けない気はするのかもしれないですが、
ちょっと希薄かもしれないというくらいの現実生活で、
自分のキャンパスも白のままみたいな状態だったので、
そのキャンパスに漫画やフィクションの色がつくのを恐れたんでしょうね。
「書を捨てよ、街に出よう」っていう寺山修司さんのフレーズがありましたが、
その言葉に感化されたわけじゃなく、
僕なりに自分の言葉を持とう、
経験や現実の会話だとかから自分の言葉や感性を作っていきたい、
そう考えて、漫画は敬遠してきたところもあるんです。
そうはいっても、『MONSTER』の豪華本や『ドラゴンボール』の愛蔵版などは
買って読んでるんですけどね。
どっぷり浸かるのはよそうと思っていたフシがあります。
ちなみに、中学・高校のときは、『YAWARA!』が大好きでした。
小学校のときは、藤子不二雄や手塚治虫という、レジェンドを好みました。
コミック誌は、コロコロコミックから週刊少年ジャンプへ移行していきました。
『三国志』も漫画で読んで、何人にも貸したんだよなぁ。
まあ、そんなわけで、漫画の持つ影響力に、怖いな、と感じたのは、
その当時から自分の「表現」ってものに興味があったからなんだと思っています。

現実を見失ってはフィクションも味が薄まるのではないか。
現実あってこそだという態度は、またしばらく続いていきます。
割り切れる人だったらいいのですが、子どもみたいに、
フィクションや夢の世界を現実にフィルターとして持ちこんじゃう
タイプなんでしょうね。
すぐにガンダムの名言を言う人っていますけれど、そういうのって
実はあんまり好きじゃないんです。


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『政治のしくみがわかる本』

2014-12-19 01:46:01 | 読書。
読書。
『政治のしくみがわかる本』 山口二郎
を読んだ。

たびたび選挙がありますが、
そういうときに、そもそも政治っていま、どうなっているのか、
政治の何がアツい話題なのかがわからなかったりします。
若い人はとくにそうだろうと思います。
僕くらいの30代の人にしてみれば、
なんとなく、起こっていることはわかるのだけれど、
善し悪しの区別がよくわからなくなったりします。
ちょっと考えるとよさそうなのですが、
深く考える、あるいは長期的な視点で考えるとよくなさげ、
でも、僕とは違った境遇の人にとってはよいことだ、
そんな葛藤が生まれたりしながら、やっぱり
よくわからないな、という結論に落ちついたりします。
さらに、選挙の候補者や政党のマニフェストを読んでも、
たとえば10個の争点があるとしても、
4つ同意できる候補者や政党が最高値で、
7個も8個も一致する候補者などはいない
ということになることもまれではないですね。
ベターなのを選ばなければいけないという難しさ、
支持したくない意見にも目をつむらなければならない
気持ち悪さがあります。

本書は、そんな政治についての話にも答えてくれます。
そして、政治ってそもそもなんだろう?
という観点から話を始めていきます。
順を追って、議会制民主主義や議院内閣制についても
説明があります。
岩波ジュニア新書ですし、まだ選挙権をもたない
10代のひとたちを読者に想定して書かれていますが、
大人も十分に勉強になります。
というか、ある程度政治というものを考えてきたからこそ、
この本から得られる政治の基礎知識によって、
飛躍的に自身の政治知識が高まる人もいると思います。
なにかで読みましたが、基礎を最初からやるよりも、
ある程度、実践したり応用や複雑なぶぶんを見知ったあとのほうが、
基礎学習は役に立つそうです。
したがって、万人におすすめできる本ということになります。

序盤で、これは!と目に飛び込んできた文章が以下のものです。

_____

純粋な理想主義者ほど、
同じ理想を共有しない者に対しては
残酷になるという傾向があります。
理想主義者は、理想に逆らう者を排除することを
むしろ正義と考えています。
そこに、理想主義の落とし穴があるのです。
_____

行きすぎた脱原発論者にもいえることだなぁと思いました。

アメリカで黒人の差別がなくなっていく歴史、
どういう運動が世論を変えていったかを学ぶことが、
コリコリの脱原発派の人に必要なんじゃないかな、
なんて思ったりもして。
そういう学びと応用ですよね。

官僚についての考察、
族議員と呼ばれる人たちのこと、
などなど、とりあえず知りたいと思うことは
この一冊で足りるんじゃないだろうか。

整理された論考なので、
読むとスッキリするところも多かったです。

教科書のように難しくない、
読みものとしての政治を学ぶ本だといえます。


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『あたまのなかにある公園。』

2014-12-15 00:49:22 | 読書。
読書。
『あたまのなかにある公園。』 糸井重里
を読んだ。

糸井さんの「小さい言葉シリーズ」第四作目が本書です。
2009年に書かれたものを編集してできています。

このシリーズは大好きなんですよね。
毎回、大事に、全幅の信頼を置くようにして読んで、
勉強させてもらったり、笑ったり、ためになったりです。
シリーズはまだ、『あたまのなかにある公園。』よりも
新しいものが、かなりまえから数冊積読になっていますが、
やっぱりこれには僕のなかの貧乏性性質の部分がおおきく
関係しているような気がします。なにせ、
シリーズが読み終わってしまったときの飢餓感みたいなものが
恐ろしいのですから。

今作もやはり素晴らしかったです。
印象としては、物事のとっかかり、初心、出合い頭に関係するような、
起承転結の「起」のところをつぶさにみているように感じました。
最初が肝心だ、とも言えますから、
そこであまりにおかしなことにならないような、
ちょっとした指針だとかヒントだとかを教えてくれているよう気がしました。

そういう、始まりの部分をあつかう言葉が多かったので、
いろいろな初心にあてはまるので、
最初からこじれないで始められる助けになるように思いました。
また、ある程度進んだ人が伸び悩んでいる時にも、
そのそもそものきっかけはなんだろう、と考えれば、
バックトゥベーシックで、初心を見直すことになると思うのです。
そういう人にも、基本の立位置から修正するのに役立ちます。

起点っていうものは、その後のあれやこれやよりも
よっぽど多くの人が直面するものです。
それは、人が何かをやろうとすれば、まずその1歩目にあたるからです。
それから3歩しか歩かない人もいるかもしれないし、
50歩進む人もいるかもしれないですけれども、
30歩目を話題にするよりか、
1歩目のことを扱うほうが万人向きなのってわかりますよね。
そして、その起点での角度の差が、
50歩進んだ時の大きな進路の違いに結びついていきます。
ボウリングでもそうだけれど、投げたときに数度角度がずれれば、
狙ったピンに転がっていくまでにそのズレが大きくなって、
結局あたらなかったりします。
起点って大事なんですよねえ。

また、本作でも糸井さんの愛犬のブイヨンの写真がみられます。
繊細なところというか、心の機微がちゃんとありそうな、
きれいでめんこいわんちゃんだなぁって見ています。

というわけですが、
僕が今回の「小さい言葉シリーズ」である本作で「あぁ、それなんですか」
と気持ちに残ったのは、「ねばれ」という言葉でした。
読む人によって、きっと、気持ちに残るフレーズや文章は違うと思います。
それだけ、多方面を向いていて、それぞれに力のある言葉でした。

装丁は荒井良二さん。
それまでのシリーズ同様、大事にしたくなる本です。
物体としても。


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『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』

2014-12-14 00:19:09 | 読書。
読書。
『どうして人はキスをしたくなるんだろう?』 宮藤官九郎 みうらじゅん
を読んだ。

タイトルだけ読むと、
なんだかセンチメンタルでロマンティックな印象を持ちます。
思春期的な純粋さでもって語り合っているのかもしれない、と
本書を手に取ったのですが、そこは立ち読みできないアマゾンでしたから、
購入して読み始めてみて、その下ネタぶりにひっくりかえりました。
いやいや、下ネタがきらいってことじゃないんですよ。
まだ僕には修行が足りないので、まぶしいなこのひとたち、
と思って読んでしまうんです。
まぶしいというのは、つまり照れが僕の中に、
いくばくか存在しているということです。
そんな、眩しさに目を細めながら、くすくすと笑った読書でした。

ほぼ全編下ネタなのですが、ところどころ珍しく、
シラフみたいな普通の話も出てきます、それも最後らへんに。
そういうのも、エロトークも含めてなぜかタメになります。
そこは創造的で攻撃的な話題の繰り広げ方があるからです。

宮藤さんは、なんだか、エロトークをこなしながらも、
みうらさんに恐縮しているのか、好青年的な、
比較的まっとうな話し方といった感じ。

みうらじゅんさんは堂に入ったエロトークとウィットがもう、
自由業に両足浸かってから長いんだろうね、って思えるほど
遊び慣れているところから出てきている感じで、
さらにくったくない印象を受けました。
そして、ふざけた感じのみうらさんから時々するどい視点からの
言葉が飛び出していました。
そういうところを総合して、みうらじゅんさんの魅力の深いところ
なんでしょうねえ。

浴衣着た二人の写真が表紙なのが内容をほのめかしています。
旅館の一室で酒飲みながら気持ちよくダベってる感覚。
プレイボーイ誌の連載をまとめたものだったそうですが、
立派な装丁で、タイトルでこの内容というのはアリなんだなと、
そのロックさを讃えたいくらいです。いや、讃えましょう。

こういう下ネタ対話から、
あぶり出されたり、ベールをはがすことができたりして、
見えてくる現実や本質ってあるなぁというのが、感想です。


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『ビルマの竪琴』

2014-12-12 00:01:01 | 読書。
読書。
『ビルマの竪琴』 竹山道雄
を読んだ。

太平洋戦争終戦間近、
いまのミャンマーことビルマの戦線にいた一部隊の物語。

戦後間もなく発表された「童話」ということですが、
今読むと、子どもも読める「小説」のように思えます。
言葉がていねいで読みやすいのが子供向けなのでしょうが、
難しい言葉も注釈アリで使用されていたり、
その読解に子どもならば苦労しそうな箇所も終盤にあったりします。
それでいて「童話」なのですから、
当時と今の感覚の違いを感じさせられますね。
現代人はIQが低下していく一方だとする説や
実験からの根拠もあるようですが、
昔の子どもって、知的負荷が今よりも強い中を
たくましく育ったのかな、なんて思いました。

まぁ、面白かったですね。
水島上等兵が主人公なのですが、
語り手は別にいるという構成でした。
僕はあまり読んだことがない小説のパターンです。

作中で歌がふんだんに使われていますが、
僕はそういうのは好きでして、
小説の中の好ましい色どりになっているな、
構成要素になっているな、と思いながら読みました。

本作の重要な部分は最後のほうの第三話にあります。
そこで語られる思想をみなが踏まえたうえで、
靖国参拝だとかを考えるといいのでしょうね。
この作品で語られていることを噛み砕いて、
ちゃんと他国に伝えられることが大事なのではないか。
ただ、そうすると、賠償金がどうだとかっていう話になるのかな。
国際情勢っていうものも難しいものです。
ただ、日本の民衆は、この『ビルマの竪琴』的な思想を
胸に抱いていたり、深く考えたことがあったりするのは
大事なことですね。
そう考えながら、読み終わりました。

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新人賞へ原稿応募

2014-12-11 12:11:05 | days
午前中のうちに、
原稿を印刷したり、
封筒にあて先などをぱぱぱっと書いたりして、
郵便局から文藝春秋の文學界へ小説の原稿を送付しました。

ちょっと調べてみると、2012年のデータで、
文學界への応募総数は2000作品を超えていたのがわかりました。
難関ですが、審査の目に留まってほしいなぁと思います。
読み終わったら、登場人物たちが愛おしくて別れがたく感じられるような
作品に仕上がっているように感じています。

___

【発表】
「文學界」 平成27年6月号
(同年5月号に予選の通過者と作品名を発表します)
___

とあるので、まぁ、来年の4月上旬には決勝に残ったかどうかがわかりますね。
僕はこういうことに疎いので、何作品くらい通過するのかもわかりません。
10作品くらいなのかな、はてさて。
それにしたってすごい倍率だけれど、自分の作品の生命力を信じて、ですね。

「文學界」平成27年6月号誌上で作品を発表出来て、
多くの人の目に触れることができたら嬉しいな。

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